永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」

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130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/04/02(日) 01:32:28.69 ID:mE9UJqmQo


うどんげ「開けるなァーーーーッ! 去ねーーーーーッ!」

永琳「鈴仙……!」

てゐ「お〜やれやれ、ヒステリックと引きこもりを同時に発症するとか」

てゐ「薬師の弟子の鑑ね。これでまた、置き薬の種類が増えるってもんよ」

薬売り「……」


 単に玉兎が偽りを申しておったとあらば、話は容易に片が付く。
 だが玉兎が轟かせるこの恐れは、まさに正真正銘の、嘘偽りなき真である。
 どちらが一方が黒を置けば、もう一方が白を置く。
 覆い覆われ、その果てに、残るはただ白と黒の二つのみ――――
 

薬売り「ところで姉弟子殿……一つお尋ねしても、よろしいですかな」

てゐ「あ? 何よ」

薬売り「お体の具合……すっかり完治されたようで」


【叫】


てゐ「……あああああ痛いいいいいい! お腹のこの辺が痛いいいいいいい!」


【恐】


うどんげ「来るなァーーーーーッ! 寄るなーーーーーッ! 誰も近づくなァーーーーーッ!」


【驚】


永琳「鈴仙! 開けなさい! お願い、開けて……!」



【境】



薬売り「やれ、やれ……」



 真と偽りの境が曖昧になる――――。
 「さすがに参った……」薬売りは小さく、そう零したとか、零さなかったとか。


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                         【つづく】
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