永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」

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37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/03/26(日) 03:23:27.14 ID:fB8nq6PZo

薬売り「――――兎ィ!」


てゐ「な…………んで…………」グラ


 嗚呼嘆かわしや。
 その身貫かれし半兎のアヤカシ、直ちに大地へとその身を伏せ、そのままピクリとも動かぬ肉塊に成果てなすった。
 アヤカシの使役し兎の群れも同様。
 主の地に伏せる様を、ピクリとも動かぬままに、その赤い眼にてじぃ〜っと見つめていたという。


てゐ「 」

薬売り「これは……一体どういう……」

薬売り「この傷口、何かに貫かれた……?」

薬売り「何か、小さな……小粒のようなモノに……」


薬売り「――――ハッ」


 そして一連の光景を見届けた薬売りは、何らかの気配を察したか、不意にふと振り返えなすった。
 してまもなく後――――かつて幾度となく見せた、あの奇怪な笑みを浮かべたと言う。



薬売り「これはまた……骨の折れそうな……」


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 「竹林に生い茂る竹の一本一本に、あっしを見詰める無数の目ン玉が生い茂っていたんでさぁ」。
 そう語る薬売りの表情は、いみじくもどこか……
 ”愉し気”であったとか、なかったとか――――。




                         【つづく】
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