【まほいく安価】プフレ「魔王は倒さなければならない」【魔法少女育成計画restart】

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206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 12:24:49.74 ID:KkTLt1ohO
いつメルヴィルからの矢が刺さるかヒヤヒヤしてるけど流石にメンツが揃ってる目の前ではやらんかと思い至った
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 06:38:34.36 ID:tr0/vX4Y0
仕掛けは怖いの
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/25(日) 05:47:02.51 ID:4vGf2TJV0
エタ
209 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 21:56:58.04 ID:fQve3JUXo

那子のドラゴンがロボの顔の前ではためき、引き付けている間に後衛の魔法少女達が体勢を立て直す

アカネは相変わらず刀を振るい、ロボの表面に無数の切り傷を作っていた。いまだに致命傷は与えられていないようだが、徐々にそれらは深くなっている


那子「このロボ、全然動かないネ。Chanceデスかー?」

ベル「見た感じ、片腕が壁にハマったみたい」

プフレ「ならば好機。叩きこめ」

アカネ「……」ズバンッ


攻撃を受けるロボ。たまらずなのか腕に限界が来たのか、ハマった腕を引き千切る形でロボは壁からの脱出を果たした

だがジェットが破壊され片腕を失った今、戦闘力は見るからに落ちているだろう
210 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:01:55.82 ID:fQve3JUXo

ユウキ「どうやら、あっちは大丈夫かもしれんの!」

クランテイル「クッ……そう、か……!」

ユウキ「限界か?」


見るとクランテイルの腕は先ほどとはかなり違っていた。騎士の攻撃を防ぐというオーバーワークに悲鳴が視界に入るほどだ


ユウキ「プフレ!」

プフレ「クランテイルが辛そうだ。誰かいけるか?」


 クランテイルの代わりの盾役……>>211

 1.ベル
 2.のっこちゃん
 3.ジェノサイ子
 4.ペチカ
 
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:03:15.99 ID:L4zWoBHSo
212 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:10:47.63 ID:fQve3JUXo

のっこちゃん「私が!」ダッ

ペチカ「だ、大丈夫なんですか?」


のっこちゃんがクランテイルの前に割って入り、盾を構える


クランテイル「お、おい!」

のっこちゃん「今の内に……!」

クランテイル「っ、すまない……」

ユウキ「すぐに終わらせるぞ!」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→なんとか倒す
 失敗→吹っ飛ばされる
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:11:09.91 ID:9j5LcBJbo
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:17:26.61 ID:eMYeh6cuo
やばい
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:18:07.70 ID:1inZfcKj0
まだ即死ラインのコンマ判定はこなさそうだけど怖い
216 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:18:35.26 ID:fQve3JUXo

 91……ファンブル
 
 
ユウキ「(とはいえ、クランテイルと違って戦える子じゃない……なるべくワシがとっととトドメを……!)」


どこか孫娘を思い出させる幼い見た目の魔法少女であるのっこちゃんは庇護欲をそそられる

クランテイルのように何発も騎士の攻撃に耐えられるということはないだろうと思い、ほんの少し功を焦った故か、少し無茶な動きをした

騎士の片手で振るわれる丸太のように大きな剣は確実に避けるべきだったが、カウンターで絶剣を首に叩き込もうとしたのだが、甘かった


ユウキ「なっ――!?」


絶剣を繰り出した右腕が、騎士の左腕に掴まれる

次の瞬間、聞こえてきたのはグシャリという耳を歪ませるような音だった
217 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:22:07.02 ID:fQve3JUXo

ユウキ「ガッ、アッ、ああああぁぁぁ……ッ、ぐああぁぁぁ!!」


騎士の握られた拳から赤い液体が滴り、しかも勢いを完全に殺されたせいで潰された腕を支えられる形でユウキが宙ぶらりんに吊るされる


のっこちゃん「ひっ……! ゆ、ユウキさん!」

プフレ「なに!?」

アカネ「ッ……!!」


騎士がユウキの腕を掴んだまま、思い切り振りかぶる

振り払われるような投擲に、ユウキはなす術もなく壁に叩きつけられた
218 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:27:21.79 ID:fQve3JUXo

ベル「ユウキさん!」


さらに騎士の動きは速い。ユウキが視界から消えたことにより、次の標的は目の前にいるのっこちゃんだ


のっこちゃん「ぁ……あ……!」


大きく振りかぶられた大剣が一気に振り下ろされ、咄嗟に構えた盾に直撃する

クランテイルですら防ぐのは難しい騎士の渾身の一撃は衝撃だけで地面を砕く。見ていた魔法少女達はそこにいたはずののっこちゃんの身を案じ、顔を青ざめた


那子「What!?」


問題は1つだけではない。ロボも最後の足掻きか、背中のランドセルのような場所から無数のミサイルをそこら中に放つ

辺りは一気に爆煙に包まれた
219 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:29:58.12 ID:fQve3JUXo

メルヴィル「……」


ペチカやベルといった荒事に向かない魔法少女達が悲鳴をあげる

そんな中、メルヴィルは冷静だった


メルヴィル「……首……」


弓から繰り出される銛がロボの首を穿つ

それをアカネは見逃さない


アカネ「……!」


メルヴィルの抉った部分を器用に見抜き、そこを目がけ刀を振るう

数秒後、ゴトンという重い音と共にロボの首が床に落ちた
220 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:34:16.27 ID:fQve3JUXo

返す刀でアカネが爆煙の中、動く巨大な影を見る


アカネ「ァ……ァァァ……ッ!!」


ありったけの力を込めた斬撃が騎士に飛ぶ。いくら視界が塞がれてもたじろいだ騎士の大きな足音で場所が分かるほどに魔法少女の耳は良い

那子もまた騎士に攻撃を加えんと駆け出した


 ユウキは……

 身体能力(87-40=47)ロール……>>直下コンマ二桁
 (ダメージのため-40)
 
 1.残った左腕で攻撃
 2.まだ動けない
221 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:41:09.66 ID:fQve3JUXo

 >>220訂正
 ×
 1.残った左腕で攻撃
 2.まだ動けない
 〇
 成功→残った左腕で攻撃
 失敗→まだ動けない
 
というわけで再判定>>直下コンマ二桁
失礼した
 
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:42:07.98 ID:9j5LcBJbo
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 22:46:05.41 ID:1inZfcKj0
コンマ連取ファンブルかい・・・
224 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:47:17.62 ID:fQve3JUXo

 98……ファンブル
 
 
アカネがすぐさまユウキが吹っ飛ばされた方へと駆け寄る

ベルもまたアカネを見て同じ方へと走っていた


ベル「ゴホッゴホッ、うう……」

アカネ「ぉ……ね……ちゃ……」

ベル「ユウキ、さん……は……っ、大丈夫ですか!?」


ユウキは意識を失っていた。アカネがすぐそばで膝を落としていたために死んだかと思ったが、どうやら命を失うほどではないようだ

だがその右腕は見るに堪えない


ベル「……私が見てるから、アカネは――」

アカネ「…………」コクッ
225 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:52:21.73 ID:fQve3JUXo

騎士はその後、ブチ切れたアカネやメルヴィル達の猛攻により沈んだ

クランテイルも復帰し、単純に標的が2つから1つになったことにより難なくとは言えなくとも被害は無い

ただ、ユウキが目覚めるのには少しばかりの時間を費やした


プフレ「ううむ、回復薬を使ってもダメか……原型を無くすほど潰されたら欠損扱いなのかな」

ベル「けど、かなり楽になったみたい」

アカネ「…………」ギュ


騎士とロボを倒した魔法少女達はユウキを看るのと辺りを調べるのとで今も動いている

クランテイルや那子などは戦いで疲れたため、携帯食料で空腹ゲージを満たし、束の間の休息だ
226 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 22:56:04.27 ID:fQve3JUXo

ユウキ「…………ん……」

ベル「あ、目を覚ました」

ユウキ「…………ッ、あいつらは……!」

プフレ「もう倒したよ。右腕の調子はどうだい?」


記憶に混濁は無い。壁に叩きつけられてから意識を失ったということはすぐに分かった。そして、右腕を潰されたことも思い出す


ユウキ「……動かん」


動かないというよりも、感覚が無い。まるで右腕が無いような感じだ


プフレ「あまりにグロかったんでね、包帯でグルグル巻きにさせてもらったよ」

ユウキ「すまんの……まぁ左腕があるならまだやれるな」
227 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:01:11.46 ID:fQve3JUXo

シャドウゲール「お嬢、探してみましたけどやはり……」

プフレ「ふむ、被害は最小限……とも言えないか」

ユウキ「どうした?」

プフレ「ああ。君が気絶してからすぐ、のっこちゃんがやられた」

ユウキ「なっ……!」


騎士とロボが暴れたおかげで広間はグチャグチャだ

辺りを調べていたシャドウゲール、ペチカ、メルヴィルが見つけたのはひしゃげて使い物にならなくなった盾と、血が付着しかろうじて原型を残したのっこちゃんの魔法の端末のみであった


クランテイル「アイツの攻撃だ……まともにくらえばこうもなる……が、クソッ」

ペチカ「それが落ちてたところ、にも……血がついてて……」

ユウキ「……クッ…………」
228 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:10:20.86 ID:fQve3JUXo

アカネ「……」

ユウキ「ん、おお、アカネちゃん。心配かけたな」


アカネはいつになくシュンとしていた。聞くところによるとロボを倒し騎士にもかなり攻撃を与えたらしい。MVPを与えるなら彼女だろう


メルヴィル「あれざ、扉だ」

プフレ「アレが奥へとつながる扉か……休憩も終わりだな。皆準備はいいか?」

那子「Yeah! 英気も養ったネ」

クランテイル「私は大丈夫だ」

プフレ「いけるか?」

ユウキ「いける……が、大胆じゃの。怪我人も引っ張るとは」

プフレ「さっさと終わらせたいだけさ。魔王を倒せば終わるんだ、いかに魔王だろうと、数の利はこちらにある」

ユウキ「ああ、じゃあまぁ、さっさと行くか」
229 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:14:25.83 ID:fQve3JUXo

今度も罠に警戒しつつ、一丸となって進む

広間から魔王のいるという玉座の間まではそこまでの距離は無かった。短い廊下のすぐ先に、仰々しい扉がある


プフレ「…………いくぞ。作戦はさっきと同じだ」

ユウキ「ああ」

アカネ「……」

メルヴィル「んだ」

ペチカ「う、うう……」

クランテイル「ペチカは無理をするな。盾役は私がやる」

那子「ペチカは私が守りマース!」


各々の反応を待ってから、那子とクランテイルが扉を開け、一同は玉座の間へと入った
230 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:20:38.23 ID:fQve3JUXo

魔法少女は精強だ。だが勝てないと思えばすぐに逃げろ

そんな合言葉じみた言葉と共に玉座の間へと入った魔法少女達を迎えたのは、主のいない空の椅子だった


クランテイル「……………………?」

ユウキ「なんじゃ?」

プフレ「…………なに?」


玉座の間には誰も何もいなかった
231 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:23:52.84 ID:fQve3JUXo

ベル「無人……?」

ユウキ「なんじゃ、魔王がいるんじゃないのか」

プフレ「…………」

クランテイル「誰もいない玉座か」

那子「なーんか怪しいですネ」


肩透かしをくらった感覚に陥る魔法少女達が思い思いに玉座の間を調べる

そこまで広いわけでもない空間にポツンとあるだけの魔王の椅子。禍々しさだけは一級品だ


ユウキ「というか、これでクリアなのか?」

ベル「クリアなら、解放されてもいいはず……」
232 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:26:39.05 ID:fQve3JUXo

プフレ「……ファル」


ファル――このゲームのマスコットキャラクターだ。ユウキは今の今まで忘れていたが、プフレは何度もサポート画面を呼び出しているようで、手つきが手馴れている

そのファルはこちらから質問を投げかけるまでもなく動揺していた


ファル「おかしいぽん。魔王がいないのはありえないぽん」

プフレ「だがここにはいない。逃げたわけでもあるまいし……」

ベル「いや、逃げたみたい」

プフレ「なに?」


クランテイルと共に玉座を調べていたベルが背もたれの後ろ側を指さす。そこには文字らしきものが刻まれていた

すぐさまプフレはRで引いた翻訳くんを起動させる
233 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:31:19.81 ID:fQve3JUXo

【魔王は留守です。16人の魔法少女に追われて逃げ回っています。またのお越しをお願いします】

プフレ「なんだ……?」


不可解なメッセージを確認するようにプフレが玉座に触れると、突如アナウンスが鳴った


『プレイヤーが魔王の玉座に到達し、記憶の解放条件を満たしました。さらに魔王の危機にモンスターの士気が上昇します。これ以降モンスターがレベルアップします』

ユウキ「なんじゃと?」

クランテイル「どういうことだ」

ファル「分からないぽん。けど、魔王はちゃんとゲームの中にいるぽん」

プフレ「……このゲームの中に魔王はいる。それは確かでいいんだな?」

ファル「勿論ぽん。クリアできるようになってるぽん」

ベル「と、なると……」

プフレ「……魔王は、ここではないどこかにいる。ゲームの中、我々が通って来た道のどこかに」
234 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:37:34.85 ID:fQve3JUXo

クランテイル「…………ふざけている」

ペチカ「……」

那子「ならとっとと魔王探すデース!」

クランテイル「そうだな……とにかく探すしかない」

ペチカ「……本当にいるのかな」ボソッ

プフレ「いると信じるしかなかろう。しらみつぶしに探すぞ」

ベル「……私はちょっと考えたいから残るよ」

プフレ「そうか。気を付けるんだぞ」


 ユウキは……>>235
 
 1.皆と魔王を探す
 2.残る
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:39:06.74 ID:OYoTT0TDO
236 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/06(木) 23:41:39.42 ID:fQve3JUXo

ユウキ「まぁワシはベルのパーティーじゃから離れるわけにもいかん。ワシも残ろう」

アカネ「……」コクッ

プフレ「そうか。確かに襲撃者のこともある。1人で行動するよりも安心だろう」

クランテイル「急ごう、時間が無い」


 ジェノサイ子は……>>237
 
 1.皆と行った
 2.残った
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:56:03.66 ID:9ZUuHBkEO
1
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/06(木) 23:58:43.64 ID:X/90Aqc+0
2
239 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:03:48.36 ID:XX6hVc6Ao

ジェノサイ子もプフレについていき、3人が玉座の間に残される

話していた内容を聞くに、手分けして各エリアを回るらしい。となるとこちらはベルがやりたいことを手助けしてやるのが良いだろう


ユウキ「それで、残ったのはいいがどうするんじゃ?」

ベル「何か、ここに手がかりがあるかも」

ユウキ「おお、探偵っぽいな!」

ベル「茶化さないでください……と、玉座は……」


ベルが玉座を小刻みな感覚でノックする。大理石の音だ。別に大理石と他のを区別できるというわけではないが、廊下でいやというほど確認のために床をノックした音と寸分違わない


ベル「…………あ、そうだ!」

ユウキ「おお、なにか思いついたか!」

ベル「いや、思いついたかというか……まぁ、アレですよ。さっきのアナウンス」
240 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:10:03.10 ID:XX6hVc6Ao

≪プレイヤーが魔王の玉座に到達し、記憶の解放条件を満たしました≫

ベル「記憶の解放って、さっき」

ユウキ「記憶の解放……? 何のじゃ?」

ベル「さぁ……あ、こんなときのファル」

ファル「お呼びぽん?」

ベル「さっきの、記憶の解放ってなに?」

ファル「ゲームのギミックぽん。みんなのアイテムの中に記憶解放装置が追加されてるぽん」

ユウキ「何の記憶を開放するんじゃ」

ファル「それはファルにも分からないぽん」


アイテム欄を見ると確かにあった。記憶解放装置

ベルとアカネの端末にも同じアイテムがある。何かの鍵、なのだろうか


ユウキ「………………使うか?」

ベル「…………使って、みます?」
241 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/07(金) 00:12:14.17 ID:XX6hVc6Ao

今日はここまで
何度かかなり間を空けちゃったけど終わりが見えてきました
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 00:15:29.91 ID:X7rZEZIJo
乙です
魔王はマジでどこ行ったんだろうな……
というか、どうやって逃げたのか
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 02:21:10.22 ID:Ja+JbZ530
さてユウキからはどんな記憶が出てくるのか
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/07(金) 19:18:51.15 ID:wnxnTPR00
お疲れちゃん
245 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:28:23.11 ID:83RuASC/o

・・・・・・


ユウキ達が玉座の間に残り、残りの魔法少女達は班ごとに各エリアを探索すべく動いていた

とはいえゲーム開始時から人数は減り、かつ広大なゲーム世界を草の根分けて探すなどという作業に誰もがメンタルをやられる

すべてのエリアを踏破し、もうすぐクリアだというのに誰もが浮かない顔をしていることこそ暗雲の証であった

もはやパーティーの垣根がどうとか100億円がとか言っていられる状況ではない。プフレは新たに魔王捜索のためのパーティーを組みなおさないかと提案し、断る者は誰もいなかった

新たに組んだプフレ、シャドウゲール、クランテイルのパーティーが地底エリアから都市エリアを探し

比較的狭く、長時間探索し飽きるほど構造を覚えた図書館エリアは那子、ペチカ、ジェノサイ子が担当した

メルヴィルはふたたび単独行動となり、山岳エリアを担当する

連絡は密にとり、魔王を発見できた場合もできなかった場合もプフレに報告するようになっている。荒野と草原は開けたエリアであるため、後回しのローラー作戦だ


 襲撃者は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→動かない
 偶数→戦力の減ったユウキ達を狙った
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 21:32:45.54 ID:0YP+z3bp0
えい
247 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:41:33.76 ID:83RuASC/o

・・・・・・


ユウキとベルは考えあぐねていた

記憶回復装置――なんの記憶だろうか。ファルに聞いても分からない。3人のアイテム欄にあるということは他の全員にも追加されているのだろう

使っていいものか。使ったとして何が起こるのか、何を思い出すのか、良い事か、悪い事か


ユウキ「…………うーむ」

ベル「普通に考えれば、現在私達の記憶にはこの回復装置で思い出すことがあるということ……」

ユウキ「そりゃ分かるわい」

ベル「逆算すれば、私達は必ず何かを忘れている?」

ユウキ「忘れて、いる…………」


何を忘れているのか、それすらも分からない

魔法少女になる前のこと、なる時のこと、なった後のこと――どれも自然と忘れるような些細なことはごまんとある。一昨日の夕飯が思い出せなくても岐路となった出来事は忘れていないはずだ
248 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:46:42.93 ID:83RuASC/o

ベル「しかも、少なくともこの3人には必ずあるんです。もしかしたら、共通したこと……」

ユウキ「ゲームで初対面のワシらに共通点かぁ? どこかで会ったことがあるとかかの?」

ベル「…………さぁ」

アカネ「……」

ユウキ「ワシの魔法も記憶がどーとかじゃが、いかんせんややこしいのぉ」

ベル「アナウンスはきっと誰もが聞いていた。なら他の全員にも記憶の欠落がある……私達の記憶の欠落……」ブツブツ

ユウキ「(ふうむ……)」


 記憶回復装置を……>>250
 
 1.3人で使ってみる
 2.誰も使わないでおく
 4.誰か1人が使ってみる(ユウキ、ベル、アカネの誰が使うかも記載)
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:47:37.43 ID:iNUqKRbXo
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:47:57.65 ID:qC9WTQXDO
251 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 21:55:36.70 ID:83RuASC/o

ユウキ「ええい! よく分からんがここまで来て貰ったアイテムじゃ! 悪いもんでもないじゃろ!」

ベル「ま、まぁそういう考えたかもありますけど……」

ユウキ「うじうじ考え込んで時間を無駄にするのもいかん。記憶が戻るというなら別に実害も何もないじゃろ!」

ベル「じゃあ……つ、使います?」

ユウキ「うむ! アカネちゃんもいいか?」

アカネ「……ぅ…………」


アカネが軽く呻いてこめかみをおさえる。そのアクションに何の意味が込められているのかは分からないが、何か思い出しているのか、それとも記憶に心当たりがあるのだろうか


ユウキ「アカネちゃん、大丈夫か? 忘れてることに心当たりがあるのか?」

アカネ「………………」


だんまりだ。だがアイテム欄を開いて記憶回復装置を表示させることに抵抗はしなかった


 襲撃者は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→装置を使用する前に襲い掛かってくる
 偶数→装置を使用した直後に襲い掛かってくる
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 21:56:59.56 ID:iNUqKRbXo
253 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:04:06.58 ID:83RuASC/o

記憶回復装置は使うと「次回のメンテナンス期間開始時に思い出す」だけど、それを忘れて使ったら普通に記憶が戻るものだと間違って覚えていたために原作との違いはキークが即効性に改造してくれたと補完してください
254 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:06:00.26 ID:83RuASC/o

ユウキ「よし、いいな?」

ベル「……」コクッ

アカネ「……」

ユウキ「じゃあ、使ってみるぞ!」


3人せーので使用コマンドを押した


ベル「っっ……!!」


最初に膝から崩れ落ちたのはベルだった。わなわなと震え、目は焦点が定まらない

次にユウキが震え、全身が粟立つ感覚と激しい悪寒、いますぐ胃の中をすべてぶちまけたい衝動にかられた

そしてアカネは、声をあげていた
255 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:08:25.50 ID:83RuASC/o

それは悲鳴のような、絶叫のような何かであった

直立不動のままアカネが口を開き、甲高い声が玉座の間に響く

ユウキにもベルにも、アカネを心配する余裕はない


ユウキ「ぁ…………!!」


記憶に靄がかかっていた

その靄に気付くこともなかった。道端の石ころのように、どうでもいいものだと思っていた

だがそれが晴れた

それは、初めて魔法少女になった時の――
256 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:12:55.77 ID:83RuASC/o

ユウキは戦える魔法少女だ

多少鈍っているだろうとはいえ、戦地で死と隣り合わせの日々を送り、危険なにおいや敵意には人一倍だという自負がある

だが、今はそれどころではない

文字通り、頭の整理が追い付かない

故に、ただでさえ気付くことが困難な襲撃者の気配に気が回らなかった


 襲撃者が狙ったのは……>>直下コンマ一桁

 0〜3→アカネ
 4〜6→ベル
 7〜9→ユウキ
 0→先にアカネがそこら中を斬りまくる
 
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:15:50.84 ID:qC9WTQXDO
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 22:18:46.91 ID:0YP+z3bp0
ラズリーヌ「ベルっち、迎えに来たっすよー」
259 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:21:00.44 ID:83RuASC/o

ベル「がッ……ァ……!?」


ゴッ、と重い音が鳴った

アカネの声が止まり、ユウキの意識もそちらに向けられる

見るとベルがうつ伏せに倒れていた


ユウキ「ぁ……?」


膝から崩れ落ち、今にも吐き出しそうだった体勢ではあったが、その音と、今のベルの恰好はどう考えても結びつかない

なにより、探偵モチーフの帽子が落ち、それが被られていた頭は赤い何かで染まっている
260 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:22:53.94 ID:83RuASC/o

ユウキ「ベ、ル……?」


反応は無い。反応は無い

アカネも呆然と立ち尽くしているだけだ


ユウキ「ベル!」


突如起こった現象に対し、何かをするべきだと、頭ではなく体が感じている



 ベルは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→回復薬を使えばまだ助かる
 偶数→即死
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:23:08.68 ID:RQuy07yVo
コンマ運最悪だな
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:26:23.64 ID:fVvSkuMR0
どんどん数を減らしたいと>>1自身が言ってただけに慈悲もなし
263 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:27:23.32 ID:83RuASC/o

こうなった時、どうするか。ごちゃ混ぜになった記憶の奥底から僅かに戦地での応急手当を思い出す

だがここには衛生兵も医療キットも無い。いや昔も無かったか、いやそんなことはどうでもいい

医療キットは無くとも、開いていたアイテム欄にある回復薬が目に飛び込んで来た


ユウキ「しっかりせい!」


フルポーションを選択。対象は目の前のベル

押す


ユウキ「ベルッ!」


フルポーションの数は減らなかった
264 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:30:06.95 ID:83RuASC/o

ユウキ「くそっ、クソ! クソッ!」


何度も何度もフルポーションを選択するが、特に何も起こらない。消費もされない


ユウキ「ベル! おい!!」


たまらず揺さぶった。まさかと思った


ユウキ「なんで……!」


 アカネは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→ベルの背後に斬りかかる
 偶数→ただただ立ち尽くすまま
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:30:16.48 ID:iNUqKRbXo
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:32:28.96 ID:fVvSkuMR0
奇数を
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:33:34.52 ID:RQuy07yVo
今ブギーポップが死んだときのことを思い出してる
268 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:34:13.75 ID:83RuASC/o

ユウキ「アカネちゃん、ベルが……!」

アカネ「……!」


アカネの目は相変わらず虚ろなままだ。だが今はそれがひと際深い感覚を覚えさせる

何が起こったのか

記憶が掘り返された。ベルが倒れた。死んでいた。頭から血が流れていた。思わず体が動いた。無意味だった

認識は出来ても理解ができなかった

思い浮かぶのは疑問と、ベルと仲の良かった青い魔法少女、別れる前のプフレの言葉


ユウキ「ッ、まさか……いた、のか?」


ラピス・ラズリーヌも襲われた、今までずっとナリを潜めていた襲撃者が、いたのだ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:34:51.13 ID:YjIgbBYhO
やっぱrestartが襲撃者や魔王が動くから一番コンマが楽しいな
270 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:41:16.20 ID:83RuASC/o

そして目の前の空間が歪む

このゲームが始まってから何度も体験した。メンテナンス期間前の強制招集


ユウキ「………………」

アカネ「………………」


周りの景色は既に変わり、荒野の街が視界に入ってくる。無論、他の魔法少女もいた


プフレ「収穫は無しか……この回で終わりにできると思ったが……他のエリアはどうだった?」

メルヴィル「いながだ」


 図書館エリア魔法少女達の数値……>>↓1
 図書館エリアのモンスターの数値……>>↓2

 魔法少女達の数値が勝っていた場合……被害ゼロ
 モンスターの数値が勝っていた場合……那子、ペチカ、ジェノサイ子の内1人が死亡
271 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:42:32.15 ID:83RuASC/o

失礼、数値はコンマ二桁です
というわけで改めて再判定 >>↓1、>>↓2
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:45:25.65 ID:YjIgbBYhO
うりゃ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 22:45:41.14 ID:qC9WTQXDO
274 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:54:03.89 ID:83RuASC/o

 魔法少女達の数値……65
 モンスターの数値……14
 
 
那子「こっちもnothingでしたネー。モンスターがメチャメチャ強くなってたくらいデース」

ジェノサイ子「危なかった……」

那子「そっちはスーツでやられる心配が無いじゃないデスかー!」

プフレ「ふむ、確かに……高ランクの武具やお守りでゴリ押していたから分かりづらかったが、アナウンスにもあったモンスターの士気上昇とはこのことだったか」

クランテイル「それで、魔王城にはなにか手がかりはあったか? …………ん? なんで2人なんだ」

ユウキ「…………色々、あった」

シャドウゲール「ディティック・ベルは……」

ユウキ「……死んだ」

那子「What!? え、あそこ敵いないデスよネー!? 罠もなんとかなったし……」
275 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 22:55:57.11 ID:83RuASC/o

ユウキ「誰かが、殺したんじゃ。ラズリーヌも襲った、誰かが」

プフレ「襲撃者……気付かなかったのか?」

ユウキ「それどころじゃなかった。ワシら全員……」


 ここで話すべきは……>>276
 
 1.記憶回復装置のことだ
 2.襲撃者のことだ
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 22:59:21.76 ID:0YP+z3bp0
2
277 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:05:13.94 ID:83RuASC/o

ファル「お取込み中申し訳ないぽん。ランダムイベントぽん。今回のイベントは……あ、魔王城踏破のために固定イベントぽん。このゲームの攻略本を配布するぽん」

プフレ「攻略本?」


それぞれのアイテム欄に攻略本が追加される

呆気ないが今回のイベントはそれだけとなった


プフレ「攻略本か……」


プフレがパラパラと冊子レベルの攻略本をめくり、読む

その間にもユウキは襲撃者のことを話すべきだと判断した
278 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:10:15.14 ID:83RuASC/o

ユウキ「ゲームのクリアは魔王を倒すことじゃろうが! 今さら……それよりもベルを殺した奴のことじゃ! この中におるんじゃろうが!」


この中にいる

自分で言葉にしたとき、それはいよいよ現実味を帯び、襲撃者という実在する人物が今自分のすぐ傍に居ることを改めて認識した魔法少女達が身構える


クランテイル「……いるとして、それは誰だ?」

ユウキ「お前達が魔王を探していた最中にこちらにやって来た奴じゃ」

那子「でも、ペチカもジェノサイ子も一緒にいましたネー」

ユウキ「ならば……」

クランテイル「私達も3人ずっと一緒だった」

ペチカ「1人で行動してた人……」

クランテイル「……そういえば、メルヴィルはどこに行った?」
279 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:14:59.67 ID:83RuASC/o

ユウキ「メルヴィル……!」


やはりか、と思った

彼女の容姿はあまりにも似ていた。装置によって解放された記憶の中にいた、あの魔法少女に


アカネ「音楽家……」

ユウキ「音楽家……!」

プフレ「…………ふむ、どうやらメルヴィルは私達が倒すべき相手なのだろうね」

ユウキ「今更か! 既に殺された者もおるんじゃぞ!」

プフレ「落ち着け。メルヴィルだが……彼女が魔王だ」

シャドウゲール「は?」

プフレ「攻略本のここ。このページを読んでごらん。こう書いてある」

『魔王は魔法少女の内の1人である』
280 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:18:24.54 ID:83RuASC/o

クランテイル「魔王は、魔法少女の中に……!」

プフレ「そうだ。つまり、最初から1人が裏切り者だったんだよ」

ユウキ「奴が、姿を消す襲撃者……!」


今までの情報から、メルヴィルは姿を消せる魔法の持ち主であることは明らかだ

つまり、いつでも奇襲ができる


プフレ「皆固まれ。隙を作るな」


プフレの指示のもと、背中合わせになるように輪になる魔法少女達

敵がどこから攻めてくるか分からない中、焦りだけが募る
281 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:22:08.85 ID:83RuASC/o

イベントからログアウトまで、しばしの時間がある。その間だけでもメルヴィルは誰かを殺せるのだ。固まるのが一番の防御だろう


ユウキ「メルヴィル、出てこい! いるんじゃろ!!」

アカネ「……!」


ベルの死に際を思い出す

ベルには頼みごとをしていた。互いに仲間を喪った間柄だった

ワンダーの時も、グレートドラゴンを憎いと思った。だが今は何故か、その時よりも怒りに震えていると自覚できる

何故だろうか、モンスター相手とプレイヤー相手には違いがあるのか、同じ「死」という結果なのに

とにかく焦る。倒さなければ、倒さなければ


プフレ「熱くなるな……と言いたいが、私も存外焦っているらしい。だがそれは自然なものだと思っているよ」

プフレ「魔王は、倒さなければならない……」
282 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:25:28.14 ID:83RuASC/o

メルヴィル「お前達、これぁ試験だ」

クランテイル「ッ、どこだ!」


声はせども姿は見えず


アカネ「ッ!」


アカネが刀を振るった。声がした方向だろう、彼女が見据える先にはビルがあり、それがすぐさま真っ二つとなって崩れる


メルヴィル「無駄だ、弱きゃ死ぬ」


再びビルが斬られる。だが手ごたえはないようだ


メルヴィル「こが、クラムベリーの試験ざ」

ユウキ「クラムベリー、やはり……!」
283 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:27:02.20 ID:83RuASC/o

プフレ「クラムベリー?」

シャドウゲール「お嬢、知ってますか?」

プフレ「いや、知らないな……」

ユウキ「森の音楽家じゃ」

プフレ「音楽家?」

ユウキ「多分、お前も……」


言いかけて、目の前にいたプフレの顔は見慣れた部屋の壁へと変わった
284 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:28:31.26 ID:83RuASC/o

・・・・・・


慶市「………………」


変身も解けている。それは毎回のことだ

時間も一瞬しか過ぎていない


慶市「……クソッ!」


思わず物に当たってしまった
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 23:33:10.85 ID:RQuy07yVo
>>275で記憶回復装置について教えていればプフレが魔王にたどり着くかもしれない代わりにメルヴィルに対して無防備か
286 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:35:15.76 ID:83RuASC/o

すべてを思い出した

絶剣のユウキが何故絶剣を覚えたのか

魔法少女はそもそも戦うようなもんじゃないだろう。ならば何故戦うための技を覚える必要があった

それは簡単だ。戦うからだ


慶市「…………絶剣、か」


手刀でスイカを割るくらいの芸は元々できた。筋トレの賜物だ。だがそれはあくまでプロレスラーがリンゴを握りつぶすのと同じ、パフォーマンスのためだ

パフォーマンスでただただ、目的もなく手刀を極めるか。否だ

それを昇華させた絶剣は、戦いに向かない魔法を持つユウキの武器だった


慶市「クラムベリー……クソッタレのゲス野郎」
287 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:40:21.71 ID:83RuASC/o

思い出されることは山ほどあった

魔法少女になったときの事、まだ絶剣という名前も無かったころ、初めて魔法少女を手にかけたときの事、そして、ばあさんの事


慶市「……クソッ!」


また物に当たった

だがこんなことをしても過ぎた時と事実が戻るわけではない

切り替えろ、切り替えろ、と自分に言い聞かす。今、考えるべきことはクラムベリーのことでもかつて行われた試験のことでもない

メルヴィル――クラムベリーに似た、薔薇の魔法少女


慶市「魔王、奴を……殺す、のか……」


今更誰かを殺すことに抵抗を前面に出すことはない。メルヴィルを殺す。ベルの仇をとる

ではワンダーの仇は誰だ、他の死んだ魔法少女達の仇は誰だと浮かんだところで魔法の端末が音を立てた
288 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:44:30.37 ID:83RuASC/o

プフレ『やぁ』

ユウキ「ああ……」


相手はプフレだった。変身し電話に出る。要件は大体分かる


プフレ『メルヴィルだが、どう倒そうか』

ユウキ『殺すしかないじゃろ』

プフレ『物騒だな。まぁそれしかないだろうが……どう殺すんだい?』

ユウキ「どう、か……」


 ユウキは……>>290
 
 1.作戦を考える
 2.プフレに作戦を任せる
 3.正面から挑む
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 23:47:21.89 ID:RQuy07yVo
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/10(月) 23:47:58.37 ID:0YP+z3bp0
3
ヘラジカ様もそう言ってた。
291 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/10(月) 23:51:24.20 ID:83RuASC/o

今日はここまで
まさかそうちゃんじゃなくてラズリーヌが迎えに来るなんて
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/10(月) 23:57:13.55 ID:RQuy07yVo

遠距離武装を持つ透明な敵
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/11(火) 00:10:04.70 ID:pFlNRMeoo
乙です
違うと言えば、原作では記憶回復装置はショップの商品だったな
全員分一括回復の
294 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 22:27:32.35 ID:OA94eJd0o

ユウキ「正面から堂々といってやる」

プフレ『勇気は買おう。だが利口じゃないな……ディティック・ベルの仇討ちかい?』

ユウキ「……かもしれんな」


確かにベルを殺されたことは頭にくる。だがそこまでかと言われれば違う気もしてくる

このゲームで誰かが死ぬことは珍しくないといえる。なのに1人の、少し同じパーティーだったからといってそこまで熱くなれるものか


ユウキ「……ん?」


思い返すと変だった。数十年離れていたこととはいえ人が死ぬこと自体はすぐ隣り合わせだった慶市だ。仲間が死んだからとすぐ熱くなり鞘走るのは自分を殺すことと刻み付けてきた
295 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 22:28:46.74 ID:OA94eJd0o

ユウキ「(もう昔のことじゃから、考えも変わったか?)」

ユウキ「(…………)」


割り切ること

それを破るほど頭に来て、メルヴィルはどこだと騒ぎ立てたのかと思うと、慶市の行動にしては不自然だ


プフレ『私は残った全員で当たるのがいいとは思うがね。彼女を倒せばゲームも終わりだ』

ユウキ「…………」

プフレ「だが彼女の力がまだ未知数な部分もある。果たして大人数で行くのは危険か……といったところに君が単身飛び込むのは果たして吉か凶か』

プフレ『……聞いているかい?』


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→不自然な感情の変化に気付く
 失敗→すまねえ心理学はさっぱりなんだ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 22:30:49.10 ID:t3+UnZNFo
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 22:31:28.77 ID:t3+UnZNFo
やったぜ
298 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 22:40:50.58 ID:OA94eJd0o

 10……成功!
 
 
ユウキ「…………プフレよ」

プフレ『ん?』

ユウキ「このゲームをやり始めて、なにかおかしいと思ったことはないか?」

プフレ『いつも思っているよ』

ユウキ「そりゃそうじゃが、なんというかじゃな……いつもの自分じゃないというか、らしくないというか」

プフレ『……ふむ、まぁ思い返せば稀にそんなことがあった気もするが、環境のせいじゃないのかい?』


プフレがこう言うということは、そうかもしれない

だが命に関わることだ。言わば生きるための信念と言ってもいいことを覆すほどの環境だろうか


 幸運(46)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→プフレも気にしてくれる
 失敗→自分だけが違和感を覚えたまま
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 22:43:54.09 ID:MOcBj+/Po
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 22:49:38.05 ID:gS3LEOjMo
コンマが生きてる!
301 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 22:52:43.11 ID:OA94eJd0o

 09……クリティカル!
 クリティカル報酬 知力が1上がった!(15)
 
 
ユウキ「いや、環境の違いだとは思えん。なにかもっと、違うものがあるんじゃ」

プフレ『…………』

ユウキ「プフレも、なんでもいい。何か変だと思ったら、自分が信じてやまないものを疑ったら……自分自身を疑ってみろ」

プフレ『……覚えておこう』

ユウキ「おう」

プフレ『それで、作戦だが……本当に正面から?』

ユウキ「ああ」

プフレ『君1人で?』

ユウキ「……あ、そこか」

プフレ『そんな啖呵を切るものだから1対1を想定していたが』
302 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 22:59:31.76 ID:OA94eJd0o

正面から行くのはいいが全員で行くのはいかがなものか

まずメルヴィルが出てくるか分からない。敵意丸出しの魔法少女が複数で襲い掛かってくるとなると普通は逃げるか姿を隠すだろう。そして彼女の魔法は姿を隠すのにうってつけだ

ではアカネと2人で?

それもどうなるかは分からない。数的不利には変わらないのだから隠れる可能性がある

それにメルヴィルは隠れながら殺しを行う。少数だとかえって危険ではないか


ユウキ「うーーーん……」

プフレ『堂々と行くのなら作戦もあるよ』

ユウキ「本当か!?」

プフレ『ああ。囮作戦さ』


プフレの作戦は堂々と勝負を挑むユウキが囮となる形でメルヴィルを引き寄せるというものだった。確かにやりようはある


 ならば囮には……>>303

 1.1人でいく
 2.アカネといく
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 23:09:42.15 ID:wYXfMB2WO
1
304 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:15:49.94 ID:OA94eJd0o

ユウキ「そうか……ならワシ1人で行こう」

プフレ『了解だ。ならばバックアップは任せろ』

ユウキ「あてにしとるぞ。それと、お前はもう記憶回復装置ってのは試したか?」

プフレ『いや、まだだな。アナウンスにあったやつだろう? 後回しにしておいたが……』

ユウキ「試してみぃ。嫌な記憶が蘇るぞ。多分な」


それきり、プフレとの通話は終わった

次のログイン直後にメルヴィルに喧嘩を売る。恐らく、厳しい戦いになるだろう


慶市「…………筋トレするか」
305 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:19:36.21 ID:OA94eJd0o

その日は色々な鬱憤を晴らすためにひたすら体を動かし続けた

日課の筋トレの量を倍にし、それでも晴れないからバイクでその辺を流し、帰ったらクタクタだった

歳を取ると1度にあれこれできないものだ。アカネやメルヴィル戦に向けたあれこれは翌日に持ち越しとなった


慶市「んん……」

「今日はお寝坊さんですねぇ」

慶市「おお……飯あるか?」

「ありますよ。ってか起きてすぐご飯って健康ですね」


 今日は……>>306
 
 1.アカネに連絡を取ってみる
 2.メルヴィル戦の対策を練る
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