【まほいく安価】プフレ「魔王は倒さなければならない」【魔法少女育成計画restart】

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 23:21:45.32 ID:t3+UnZNFo
1
308 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:33:11.19 ID:OA94eJd0o
>>301訂正
何故かクリティカル報酬で知力が上がったが、幸運だったために今後正しいステータスは
知力(14)、幸運(47)
です。しつれいしました


魔法の端末をいじる

共に記憶回復装置を使ったアカネに、その後何か変化があったかもしれない

ゲームの中では理性を取り戻したかどうか、変わらない印象を受けたが現実なら……


ユウキ『アカネちゃん、その後息災か?』


…………しばらく返事は来ない


慶市「ふうむ、変わらずか……」


と思いきや、なんと返信があった


 幸運(47)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→言葉が使えるようになっていた
 失敗→言葉では帰ってこなかった
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 23:36:23.22 ID:t3+UnZNFo
310 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:41:45.49 ID:OA94eJd0o

 22……成功!
 

アカネ『はい』

慶市「!?」


理性的な答えが返って来た

まさかと思った。あのアカネが、普通の受け答えをしたのだ


ユウキ『そうかそうか! それはよかった!』

アカネ『はい』

ユウキ『記憶は戻ったんじゃな?』

アカネ『はい』
311 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:45:40.21 ID:OA94eJd0o

暖簾に腕を押しつけるような会話だが、文字で帰ってくることが喜ばしい


慶市「ワンちゃんにもこれを見せたかったのぉ……」


共にアカネの世話に手を焼いた仲間を思い出し、目頭が熱くなる


ユウキ『今も病院か?』

アカネ『はい』

ユウキ『退院できそうか?』


返信が無い。「はい」しか打てないのだろうか

ならば通話ならどうか、勇んで変身し通話ボタンを押してみた
312 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/12(水) 23:47:34.80 ID:OA94eJd0o

ユウキ「アカネちゃん、ワシじゃ。ユウキじゃ」

アカネ『…………は、い……』

ユウキ「うむ……まぁ意思疎通がよりできるようになれてなによりじゃ」

アカネ『……はぃ…………』


 アカネに質問……>>313
 
 1.音楽家のこと
 2.今いる場所のこと
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/12(水) 23:54:05.91 ID:gS3LEOjMo
314 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:00:18.51 ID:Hi7zPgFdo

アカネが今までよりスムーズに言葉を話せるようになったなら、色々聞けるはずだ

ゲームの中ではまだ拙かったが、いまなら情報量も多いはず

ベルという頼りが無くなってしまった今、もう原点回帰で自分から聞くしかない


ユウキ「アカネちゃん、もしよかったら……そこがどこなのか教えてくれんか?」

アカネ『…………びょう、いん……』

ユウキ「ああそれは知っとるよ。どこの病院か、それは分かるか?」

アカネ『………………よく、分からない……』

ユウキ「そうか……」


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→病院を特定できるものを探してみろとアカネに指示する
 失敗→もう少し時間がかかりそうだ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 00:01:52.48 ID:HzNIfEh0o
14
316 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:06:55.82 ID:Hi7zPgFdo

 48……失敗
 

ユウキ「ううむ……まぁ仕方ない。話せて嬉しいぞアカネちゃん」

アカネ『…………私、も……』

ユウキ「うむ!」


それじゃあまた、と言いかけて伝えなければならないことを思い出した

次のログイン直後、ユウキが単身でメルヴィルに挑むことだ

それを告げるとアカネは少し興奮気味に止めてきた。予想していたが嬉しいリアクションに少し頬が緩む


ユウキ「大丈夫じゃ。ワシは死なんて」

アカネ「でも……!」
317 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:11:43.49 ID:Hi7zPgFdo

ユウキ「あくまで囮じゃ。奴が姿を現わしたら……頼りにしとるぞ、アカネちゃん」

アカネ『…………!』


多分、プフレが考えるのも同じだろう。慶市に思いついて彼女に思いつけないわけがない

そこで今度こそまたと言い、通話を終えた


慶市「ふぅ……」


 アカネは……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→身代わり君をユウキに送り付けた
 偶数→絶対倒すぞと気合を入れていた
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 00:12:38.07 ID:rYRDPbumo
319 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:30:14.40 ID:Hi7zPgFdo

通話を終えて数分後に、魔法の端末が通知を鳴らした

アカネからのメッセージだと思い開くと、確かにアカネからであったがメッセージではなくゲーム内アイテムだった


慶市「これは…………アカネちゃんめ、いらん心配じゃわい」


アイテム欄に追加された身代わり君を見て、一層頑張らねばとの決意を決めた

娘家族が帰ったため、広くなった家の庭でまた筋トレに励む

翌日もまた、最後の1日になるかもしれないという思いの中、メンテナンス期間の終わりを待ちながら瞑想をしていた

鍛えた筋肉を休め、精神統一するためのものだ
320 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:33:08.79 ID:Hi7zPgFdo

「おーい、慶市さーん」

慶市「…………」

「……ついに……この家ともお別れかぁ」

慶市「死んどらんわ!」

「おわっ! 返事が無いから座して死したかと思いましたよ〜」

慶市「まったく……そういえばワシが死んだらお前はどうなる?」

「まぁ普通にまた別の誰かの家に行くでしょうね」

慶市「そうか……リスト探しておくんじゃな」

「え、近々死ぬんですか?」

慶市「そうさな」

「えぇぇ! 悪い冗談やめてくださいよ〜! ずっといじってて怒ったなら謝りますから〜!」
321 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:36:01.22 ID:Hi7zPgFdo

軽口を流しながら、メルヴィルとの戦いを思い描く

きわめて難しい。姿を消せる敵というのは難しい。遠距離武器というのは難しい

彼女の使う弓の威力は分からないが、恐らく真正面から絶剣で受け止めれば、負けはしないだろう。多分


慶市「(プレデターじゃ途中から透明にならなくなったしなぁ)」

慶市「(しかもこっちは泥パックで相手から見えない状態、2は普通に戦っていた。透明の状態だと……ううむ)」


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→戦法を思いつく
 失敗→行き当たりばったりじゃ
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 00:38:13.00 ID:sC6QW9IDO
はい
323 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:41:34.90 ID:Hi7zPgFdo

 100……ファンブル
 
 
慶市「(………………わ、分からん……)」

「ちょ、知恵熱出てません? 熱いんですけど」

慶市「うーん」

「わああああぁぁ!? ちょっと!? ホントに死んじゃう!?」


考え込み過ぎて頭がオーバーヒートしたようだ

バカがバカなりに考えた結果、プレデターをもう1回見ようという結論に至り、普通に楽しんだだけだった
324 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:44:16.49 ID:Hi7zPgFdo

・・・・・・


そして、時がやってきた

おそらく最後のログイン。これで魔王メルヴィルを打倒できなければ、こちらの負けが濃厚になる


ユウキ「…………よしッ、メルヴィルを探すか」


だがどうやって、と思っているところにクランテイルからの全体チャットが入った


クランテイル『ペチカが人質に取られた』
325 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/07/13(木) 00:45:28.16 ID:Hi7zPgFdo

今日はここまで
ペチカが捕まる前にメルヴィルと遭遇できるかの判定入れるつもりでしたが、いいところにファンブル来たので無条件でペチカには捕まってもらいました
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 00:48:19.22 ID:HzNIfEh0o

00は100だったか
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/13(木) 17:58:40.32 ID:h54l5O3lO
乙です
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/13(木) 19:09:29.11 ID:r/gScEyX0
東京都小金井市立椿中学校
3年3組クラス名簿

 

名前をクリックすると設定・ネタバレが読めます。
(現在、男子1番〜10番のみ)

Now Remaining Students→■

男子1番 今宮朋哉
(いまみや・ともや) 女子1番・英賀保光里
(あがほ・ひかり)
男子2番 唐崎麻人
(からさき・あさと) 女子2番 芦原蓉子
(あしはら・ようこ)
男子3番 岸部寛明
(きしべ・ひろあき) 女子3番 魚住美咲
(うおずみ・みさき)
男子4番 郡山一海
(こおりやま・かずみ) 女子4番 小野くるみ
(おの・くるみ)
男子5番 塩屋凌
(しおや・りょう) 女子5番 桂川藍子
(かつらがわ・あいこ)
男子6番 新庄英也
(しんじょう・ひでや) 女子6番 草津珠緒
(くさづ・たまお)
男子7番 瀬田陽一郎
(せた・よういちろう) 女子7番 桜井栞
(さくらい・しおり)
男子8番 鷹取宏直
(たかとり・ひろなお) 女子8番 隅田映美子
(すみだ・えみこ)
男子9番 立花新太
(たちばな・しんた) 女子9番 園部泉美
(そのべ・いずみ)
男子10番 竜野基
(たつの・もとい) 女子10番 高月柳
(たかつき・やなぎ)
男子11番 敦賀広斗
(つるが・ひろと) 女子11番 土山小百合
(つちやま・さゆり)
男子12番 長滝玲汰
(ながたき・れいた) 女子12番 虎姫智鳥
(とらひめ・ちどり)
男子13番 能登川丈也
(のとがわ・たけや) 女子13番 生瀬理代
(なまぜ・りよ)
男子14番 土師忠昭
(はじ・ただあき) 女子14番 西大路麻実
(にしおおじ・まみ)
男子15番 疋田晃平
(ひきた・こうへい) 女子15番 日岡亮子
(ひおか・りょうこ)
男子16番 三雲大樹
(みくも・だいき) 女子16番 船戸志信
(ふなと・しのぶ)
男子17番 森ノ宮岬希
(もりのみや・みさき) 女子17番 蓬来江里花
(ほうらい・えりか)
男子18番 野洲謙介
(やす・けんすけ) 女子18番 三輪茜
(みわ・あかね)
男子19番 山田誓一
(やまだ・せいいち) 女子19番 桃山那々子
(ももやま・ななこ)
男子20番 吉富将治
(よしとみ・まさはる) 女子20番 山科乃梨絵
(やましな・のりえ)
以上40名
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/26(水) 21:36:44.64 ID:b1Kmrwuv0
霧子
330 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 21:47:11.89 ID:9yGHt41Vo

ユウキ「……マジか」


ペチカが人質に。誰に捕まったかは考えるまでもないだろう


クランテイル『那子が荒野エリアでメルヴィルと対峙している。行ける者は助けに行ってくれ。頼む』

プフレ『私達は魔王城からのスタートだったため、少し時間がかかる』

ユウキ「(? クランテイルはペチカ達のパーティーじゃ……)」


魔法少女達は前のログアウト時にパーティーを組みなおしていなかったため、プフレ、シャドウゲール、クランテイルは同じパーティーのままでプフレの持つ開始位置変更アイテムによって魔王城からのスタートになっていた

同じパーティーだった那子がペチカと合流しようとしてメルヴィルが乱入した形になる

331 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 21:52:45.28 ID:9yGHt41Vo

ユウキ「まぁいい、すぐに向かわねば」


アカネと合流することも考えたが、相手は恐らく殺しのプロだ。モタモタしていたら死人が出ることもある

ユウキはすぐさま送られて来た座標へと走り出した


ユウキ「すまんなアカネちゃん、現地集合じゃ」


独り言が荒野の乾いた空気に吸い込まれた
332 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 21:58:35.94 ID:9yGHt41Vo

・・・・・・


那子とジェノサイ子はペチカを人質にとるメルヴィルと対峙していた

既に記憶が戻っているジェノサイ子は現実の3日間で色々と整理したのか、那子と共に戦う姿勢をとっている


那子「ぐぬぬ……ペチカ、すぐに助けマスよ!」

メルヴィル「動ぐねえ」


メルヴィルはペチカを足で組み敷いたまま、那子達に弓を向ける


メルヴィル「リオネッタがなんもせんで死んがでぇ、役立たん人形じゃ」

那子「What?」
333 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:07:01.88 ID:9yGHt41Vo

ジェノサイ子「どうでもいいけどさ、私にはそれ効かないの知ってるでしょ?」

メルヴィル「んだな、はよ殺しときゃぁがったが、そっちゃ別だ」

那子「私がそんなのを黙って喰らうと思ってるんじゃ大間違いデース! 簡単にヒラリネ!」

メルヴィル「じゃあやってみっか」


ジェノサイ子が駆け出す。メルヴィルはそれを無視し、那子を狙い弓を引き、放った

那子は体を大きく動かし、それを避ける。戦える魔法少女である那子は再ログインでドラゴンのペットが解除されても単騎で十分だ

高速で飛来する銛を避けるくらいどうということはない。それに相手は人質を取っている


那子「ジェノ!」


そしてジェノサイ子が飛び蹴りをする体勢をとり、メルヴィルがリーチに入る
334 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:10:03.85 ID:9yGHt41Vo

ジェノサイ子「どりゃあぁぁぁ!!」


ライダーキックのような飛び蹴りがメルヴィルを襲う――


ジェノサイ子「ッ!?」


ハズだったが、ジェノサイ子の蹴りは空を切り、困惑した表情のまま着地した


ジェノサイ子「消えた……!」

那子「魔法デス!」


メルヴィルとペチカが消えていた
335 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:13:46.22 ID:9yGHt41Vo

ペチカ「な、那子さん……!」

那子「ペチカ!」


少し離れた場所でペチカがぽつんと姿を現す。メルヴィルの姿は無い


那子「ペチカ、すぐ……!」

ジェノサイ子「ちょ、それ罠――」


 那子の数値……>>↓1コンマ二桁
 メルヴィルの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 那子の数値が勝っていた場合……メルヴィルの罠を迎撃する
 メルヴィルの数値が勝っていた場合……那子撃破
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 22:15:07.81 ID:Y115L7OO0
えーえええーえ え
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 22:17:07.72 ID:eA0Rbjsjo
338 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:27:50.49 ID:9yGHt41Vo

 那子の数値……81
 メルヴィルの数値……72
 

ペチカに走り寄る那子の横から何かが飛来する。銛だ


那子「そう来ると思ったデース!」


那子が急停止してバックジャンプ。難なく銛を避けると同時に着地時に地面に右手を突っ込み何かをガッと掴んだ


那子「その辺、デスね!」


バッと地面を掴んだ握りこぶしを広げ、地面を抉り握りつぶして出来た無数の小さな石を撒く


那子「姿は消せても!」
 

砂ほど細かくない重みを持ったつぶてが魔法少女の肩で遠くへと飛んでいく
339 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:31:33.72 ID:9yGHt41Vo

だがつぶては何に当たるわけでもなく地面にぽてぽてと落ちた


那子「(この方向にはいない……)」

ジェノサイ子「今の内にペチカを……って、またいない!?」

那子「What!? ええい!」


恐らくメルヴィルは那子に銛を撃った次の瞬間に既に移動してペチカを回収していたのだろう


ジェノサイ子「2対1……けど、不利っぽいね」

那子「ぐぐぐ……!」


 那子&ジェノサイ子の数値……>>↓1コンマ二桁
 メルヴィルの数値……>>↓2コンマ二桁
 
 那子達の数値が勝っていた場合……ユウキが来る時間を稼いだ
 メルヴィルの数値が勝っていた場合……那子戦闘不能
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 22:35:08.85 ID:1jMtwUxDO
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 22:35:21.54 ID:eA0Rbjsjo
342 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:45:30.91 ID:9yGHt41Vo

 那子達の数値……85
 メルヴィルの数値……54


ジェノサイ子「出てきなよ卑怯モン!」

那子「正々堂々勝負しなサーイ!」


返事は無い。が、若干の気配はある


那子「ペチカ! どこにいるんデスか!」


2人が見えないところで、だが2人を見れるところでペチカがもがく


メルヴィル「声上げら殺す」

ペチカ「…………っ……!」
343 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:50:47.44 ID:9yGHt41Vo

ペチカ「(那子さん……夢ノ島、ジェノサイ子さん……ここ……!)」

ペチカ「(気付いて! …………いや)」


組み敷かれたまま、拳を握る


ペチカ「あなたは……クラムベリーにはなれない」

メルヴィル「なに?」

ペチカ「こんなの、魔法少女の戦い方じゃない。正々堂々戦えば、那子さんは、皆は……あなたには負けない」

メルヴィル「そりゃあクラムベリーだ違わな、おれざ。勝てばええびょん。いっとう最後ざ立っでだやづがあいっとうえれえざ」

ペチカ「……そう」

メルヴィル「ああ。お前だ違う」
344 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:54:48.24 ID:9yGHt41Vo

ペチカ「…………確かに、私は、強くないし……弱いけど…………」

メルヴィル「だがら死ぬ」

ペチカ「だけど、守ってもらうばかりじゃ……私は、顔向けできない!」


メルヴィルが何かアクションをすると踏んだペチカの動きを封じようとするが、1歩遅かった


ペチカ「みんなああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


2人の足もとが、ボフンと崩れ、ペチカとメルヴィルは何か液体の中へと落ちる


メルヴィル「なっ……!」

那子「今の、ペチカ!」

ジェノサイ子「な、なんだアレ!?」
345 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 22:59:38.35 ID:9yGHt41Vo

南瓜と海老の冷静スープ。ペチカが魔法で地面を材料に作り出した巨大なクレーターを満たすスープの中で2人がもがく


メルヴィル「(これぁ、ペチカの……!)」


突如生まれた空間に囚われ、ペチカを手放したが見失っていない。メルヴィルのすぐ下にまだペチカはいる

水中は水の流れで光の屈折がすぐに目まぐるしく変わるため、色を変えるだけのメルヴィルの魔法ですら完全な擬態とはならない。メルヴィルは魔法を解き、銛を握りしめた

スープの中でも目は開く。下にいるペチカが見える。こちらを睨んでいる


メルヴィル「(一突きで死なぜぇやる!)」


 身体能力(87)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→メルヴィルに絶剣を当てる
 失敗→避けられる
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:05:46.99 ID:HVSvHq15O
とう
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:07:21.91 ID:Y115L7OO0
ファンブル?
348 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:13:39.31 ID:9yGHt41Vo

 99……ファンブル
 
 
ユウキ「はぁぁぁぁ!」


ユウキが到着した時、突如として目の前の地面がスープになった。浮かぶ南瓜と海老がこれはスープだと物語っている

透き通ったスープが具材の中にメルヴィルとペチカの姿を見せる。ユウキはすぐさまジャンプし、飛び込んだ


メルヴィル「ッ!?」

ユウキ「(これで……!)」


水中での絶剣は初めてだったが、いけるはずだ。魔法少女なら

しかしメルヴィルの反応もまた速かった。ペチカに向けていた体をクルリと回転させ、銛でユウキの絶剣を受ける
349 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:19:21.53 ID:9yGHt41Vo

絶剣を受け銛は真っ二つになったが、そんなものはただの飛び道具の消耗品に過ぎない。メルヴィルはすぐさま次の銛を取り出し、ユウキに突き立てた


ユウキ「ッ、ゴポッ……!」


じんわりと赤いものがスープに混じる

ユウキの下腹部に突き刺さった銛をメルヴィルがグリグリと動かし、組み付こうとするユウキの手を鈍らせる


ユウキ「(ぐっ……じゃが……!)」


これなら絶剣を放てば確実に当たるはずだ


 身体能力(87-30=57)ロール……>>直下コンマ二桁
 (銛が突き刺さり力が入らない -30)
 
 成功→メルヴィルの左肩を貫く
 失敗→集中できずメルヴィルを逃がす
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:19:34.51 ID:eA0Rbjsjo
351 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:24:12.62 ID:9yGHt41Vo

 51……成功!
 
 
水中で叫ぶ。銛が刺さっている間は血がドバッと出ることはないはずだ。腹筋でなんとか銛をキュウと締め、ユウキはメルヴィルの顔を目がけ絶剣を繰り出した


メルヴィル「ッ!」


だがやはり狙いは狂う。メルヴィルの左肩に指先が突き刺さり、さらにスープの中に赤い染みがにじんでいく

両者、歯を食いしばって互いの目を睨みつける


ユウキ「(コイツを、殺せば……!)」

メルヴィル「(いっとうつええのは、おれだ!)」
352 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:30:10.02 ID:9yGHt41Vo

取っ組み合い、グリグリと肩を引き千切るつもりで手を深く突き出す。だが、突き刺さった場所が違う

銛の返しが更に内側から体内を抉り、ユウキはとうとう手をメルヴィルの肩から抜いてしまった


メルヴィル「……」ニィ

ユウキ「(クッ……!)」


恐らく左腕を上がらなくはさせただろうが、メルヴィルには右腕がある

パッと突き刺さった銛から手を離したメルヴィルはさらに次の銛を取り出した


ユウキ「(ッッ……!)」


 アカネの信頼度(07)ロール……>>直下コンマ一桁
 
 成功→上からアカネが飛び込んでくる
 失敗→アカネ疾走中
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:32:36.44 ID:1jMtwUxDO
354 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:36:48.41 ID:9yGHt41Vo

 04……成功!
 
 
そろそろ息も限界だ。ペチカのことも心配だが、そのペチカがどこにいるかも分からないほどに消耗した 

だがそれはメルヴィルも同じのはずだ。次の銛さえ凌げば、だが意識が薄まって来て力が思うように入らない

それでもユウキはメルヴィルを睨み続けた

睨み合っていたメルヴィルの目線が逸れる。それは気圧されたからではなく、また別の存在を視界内に入れたからだった


ユウキ「(なんじゃ……?)」


ユウキがスープに飛び込んで今に至るまで僅か30秒ほど。その30秒の間に2つの水柱が地上では上がっていた
355 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:43:49.61 ID:9yGHt41Vo

1つは那子。ペチカを助けるために声を上げて飛び込んだ

もう1つはアカネ。飛び込み、メルヴィルの右腕をユウキ越しにガシリと掴んだ


メルヴィル「ッ……!」

アカネ「…………!」


那子はペチカを探しながらスープの中に違和感を感じていた


那子「(なんか、底に流され……)」


存在しないはずの水流があったのだ

荒野エリア、草原エリアといった平地の下には地下に空洞がある。丁度その空洞の天井すらペチカの魔法はブチ抜き、スープへと変えたのだろう。地上から見ればスープの水位が目に見えて下がっているはずだが、魔法少女達がそんなマップ設定を知る由もない

飛び込んだ魔法少女達はどうにかして泳がなければ地下空洞に落ちてしまう


 アカネは……>>直下コンマ一桁

 奇数→水流を厭わずメルヴィルを刀で突き刺そうとした
 偶数→メルヴィルを引き剥がしユウキを担いで水面へと向かった
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:48:53.01 ID:Y115L7OO0
SAD
357 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/05(土) 23:55:38.85 ID:9yGHt41Vo

アカネは既に刀を抜いていた。右手で逆手に持ち、抵抗のできないメルヴィルを貫こうと突き出す


メルヴィル「ッ……!」


既にメルヴィルの肺の中の空気はほとんど無い。下手をすれば溺死だ

一番強い者が一番偉い。信条に身を任せてきたメルヴィルは最後まで諦めない


 アカネの数値……>>↓1コンマ二桁
 メルヴィルの数値……>>↓2コンマ二桁-40
 (メルヴィルの圧倒的不利 -40)
 
 アカネの数値が勝っていた場合……メルヴィル撃破
 メルヴィルの数値が勝っていた場合……一命をとりとめる
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:56:43.09 ID:Y115L7OO0
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 23:56:51.20 ID:DmLsaCUxo
360 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/06(日) 00:02:18.20 ID:X0RMY699o

 アカネの数値……09
 メルヴィルの数値……20-40=0
 
 
ズブリ、と切っ先がメルヴィルの胸に沈んだ。心臓を一突きだ


メルヴィル「カ…………ッ!」

アカネ「……!」


アカネが刀から手を放したかと思えば続けざまに脇差を抜き、メルヴィルの額を突き刺す

赤い染みがいよいよ広がり、メルヴィルはアカネを睨みながら瞳孔を開いた
361 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/06(日) 00:06:56.08 ID:X0RMY699o

動かなくなったメルヴィルが水流に任せ底へと沈んでいく

そのメルヴィルに組み付いていたユウキもまた

アカネはユウキを担いで上がろうとするが、底に行けば行くほど強くなる水流に逆らえず下へと落ちていった



 幸運(46)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→なんとか溺れずに済んだ
 失敗→溺れて意識を手放した
 
 ペチカと那子は……>>↓2コンマ一桁
 
 奇数→那子がペチカを担いで上がっていた
 偶数→2人もまた落ちていった
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 00:10:35.71 ID:F67On847o
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 00:11:38.56 ID:mFqStdCDO
364 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/06(日) 00:15:24.73 ID:X0RMY699o

 71……失敗
 
 
ユウキ「(……ア、カネ……ちゃん…………)」


アカネが必死に水をかく。だが間に合わない

薄れゆく意識で下を見た。底には穴が空き、ちょうど誰か2人が吸い込まれるのも見えた

だがそれきり、ユウキは意識を手放した
365 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/08/06(日) 00:16:13.69 ID:X0RMY699o

今日はここまで
そうちゃんも近いうちに終わりますどっちも長時間空いてスマナイトオモッテイル
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 00:20:06.17 ID:F67On847o
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 06:31:45.31 ID:RzcLux6Ao

コンマが奮ってると思ったら最期に……
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/06(日) 14:43:27.90 ID:deSSFo6K0
メルヴィルとの死闘で倒れた絶剣のユウキ。頼む。死なないでくれ! もし前回と同じように主人公を失ってしまったら……
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 20:55:59.91 ID:v3b+VWjq0
つづきは
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/17(木) 21:39:41.32 ID:XdELY4L80
スノーホワイト
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/17(木) 21:40:16.77 ID:XdELY4L80
リップル
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/17(木) 21:40:43.74 ID:XdELY4L80
ラ・ピュセル
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/30(水) 22:35:26.16 ID:CdiLaIi00
トップスピード
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/30(水) 22:35:56.28 ID:CdiLaIi00
ルーラ
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/31(木) 22:11:51.80 ID:bUFjDntf0
スイムスイム
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:20:14.89 ID:cJwsAWS60
ユナエル
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/02(土) 17:20:56.85 ID:cJwsAWS60
ミナエル
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 17:44:30.36 ID:ddS/LPl5o
おお、復活してたのか、うれしいな
379 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 21:57:21.58 ID:aiWxrVm1o

・・・・・・


ユウキが意識を失っている間

アカネはユウキを抱えたまま地下の空間に出た。スープと共にゴツゴツとした岩場に打ち付けられ、ダメージを負う


アカネ「ッ……」


少し擦りむいたが特に問題はない。庇うように落ちたため、ユウキは無事なようだ

いや、無事ではないだろう。メルヴィルに刺された銛が下腹部から生えている。これを治療しなければならない


アカネ「ぁ……どう、する…………」


とりあえず傷口を見るために服を脱がせようとする。だがゴスロリ服など触ったことの無かったアカネに手際を求めるのは酷だ

ビリビリと布が破ける音が洞窟に響く

露わになった白い腹は未だに赤い血を流しているようだった
380 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 21:57:49.52 ID:aiWxrVm1o

那子「Wow、ペチカー! ユウキとアカネがいマース!」

アカネ「っ……!」


そういえば一緒に落ちてきたスープでびしょ濡れの那子がペチカと共に現れた


ペチカ「い、生きてますよね……?」

アカネ「……」コクッ

那子「でも息してないみたいデスけど?」

アカネ「!?」


アカネが急いでユウキの胸に耳をつける。ドクンドクンと心臓は鳴っていた
381 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 21:58:17.28 ID:aiWxrVm1o

アカネ「……」ホッ

那子「いやホッとしてる場合じゃないデスよ。回復薬使いまシタ?」

アカネ「……」フルフル

ペチカ「は、早く使わないと!」


ペチカが急いで端末を操作し、フルポーションをユウキに使う。ゲーム上はこれで大丈夫なハズだが、ユウキは目を覚まさない


那子「……というか、こんなの刺さってたら治るものも治らないんじゃ」

アカネ「…………抜く……」

ペチカ「ヒッ……!」


アカネが銛に手をかける。貫通しなかった銛はかえしのために非常に抜きにくい


 銛は……>>直下コンマ一桁
 
 奇数→上手いこと抜けてくれる
 偶数→なかなか抜けず余りの痛みにユウキが目を覚ます
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 21:58:58.42 ID:mri2/4jno
はい
383 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:10:40.39 ID:aiWxrVm1o

アカネ「……」グッ


手に力を込め、銛を動かす。腹の皮膚が引っ張られ、血がブシュッと出た

缶詰を開ける時に漏れる液体のようで、ペチカは思わず目を逸らす


那子「Oh……」

アカネ「……!」ググッ


更に血が出る。那子は万が一のために回復薬をいつでも使えるようにスタンバイ

ユウキの体がピクリと動くが、それはあくまで体だけが反射的に、電気信号のように動いているに過ぎない

ズズ、ズズと少しずつ銛を抜いていく。天井に空いた穴からの光以外に頼れる光源は端末のライトしかないため、非常に手元は曖昧だ
384 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:14:12.57 ID:aiWxrVm1o

どれくらいの時間が経ったか、もしかしたら少ししか経っていないかもしれない

そんな中ようやく銛の先端が見えた。赤い何かと一緒に


ペチカ・那子「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!!」

アカネ「ッ!!」


思わずアカネがユウキに覆いかぶさりズンッと銛を戻す。抜いたらまずい物が出てきてしまっていた

のしかかった場所が胸だったからか、アカネの体重で圧迫された肺は上手いこと中のスープを出せていた


ユウキ「い、ったああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

アカネ「!!」
385 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:16:26.81 ID:aiWxrVm1o

ユウキ「な、何がどうなっ、ぐあああぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

ペチカ「ユウキさん!」

那子「ハ、ハロー……」


意識が戻って良かったのか悪かったのか、なんともいえない表情の2人とは裏腹にアカネはパァッと明るい表情になる


アカネ「よかった……!」

ユウキ「お、おう……! なにが、よかった……! ぐぅぅぅぅぅぅ……!!」

那子「あ、あんまり動かない方がいいネー。ソーセージがコンニチハしてるからネー……」

ユウキ「はぁ? ちょっと、アカネちゃんどいてくれ。腹の下あたりが、すごく……!」

アカネ「駄目……」
386 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:20:29.38 ID:aiWxrVm1o

銛のかえし部分に引っかかってしまったのだろう。内臓まで巻き込んでズルズル引き出してしまったら回復薬を使っても本当に死ぬかもしれない

那子が回復薬を使ってくれるものの、痛みが引いては寄せ引いては寄せを繰り返す状況だ

ユウキは意識を失うまでを思い出しながら、アカネの手術まがいな「銛からソーセージを外す作業」が早く終わってくれと願った


那子「これ、塞がるんですかネ?」

ペチカ「ううっ……どうなんでしょう……」

アカネ「もう…………すぐ………………」カリカリ

ユウキ「ぁ……! っ……ぁ……!」パクパク

那子「Oh! ユウキ、今死んじゃダメデース!!」
387 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:24:47.38 ID:aiWxrVm1o

数分後、なんとか外し終わった

銛がポイと投げ捨てられ岩肌にカランコロンと音を立てて転がる。ようやく痛みの地獄から解放されたユウキにとってこの音はかつてないほど安心させてくれるものとなった


ペチカ「あ、傷が塞がって……」

那子「回復薬のコンボが聞いたようデース」

ユウキ「かなり違和感じゃが……まぁ、うん。動けるようにはなっとるの」


リアルさをウリにしたゲームだが、回復薬での回復は曖昧な表現だった。傷の再生速度がバカみたいに速いと覚えればいいのか、とにかくもう二度とこんな傷は御免である


ユウキ「ここは何処じゃ? 地底王国か? 猿の惑星か?」

ペチカ「私が、多分地面に穴を開けちゃったから……落ちてきたんだと思います」
388 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:27:21.08 ID:aiWxrVm1o

かなり広い空間のようで、上の穴にはジャンプして届くような高さには無い


那子「隠しステージとかですかネー」

ユウキ「ううむ……あ、そうじゃ! メルヴィルは……!」

那子「……あっちに」


那子が指差した先には手足を投げ出して横になっているものがあった

胸と頭に刃が突き刺さったまま、動かない


ユウキ「ああ、あれか……アカネちゃんよくやったの」

アカネ「……」コクッ


ユウキに頭を撫でられ、アカネは嬉しそうにうなずいた
389 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:32:03.88 ID:aiWxrVm1o

「おーい! 大丈夫か!」


上から声が聞こえてきた。この声はクランテイルだろう

那子が元気な声で返事をする。病み上がりには少々耳がキンキンと堪えた


那子「はしごとか無いデスかー!? ロープとかー!」

クランテイル「なんだってー!」

那子「はーしーごー!!」

クランテイル「すまん、無い!!」

那子「ショップ行って来いデース!!」
390 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:37:54.50 ID:aiWxrVm1o

メルヴィルの死体の傍に寄り、ユウキはひとりごちた


ユウキ「これで、終わり……なんじゃろ?」


刀を服で拭き、鞘を納めたアカネは首を振らない

ペチカもそのはずですと答えるが、いまいち自信なさげだ


那子「確かに、ファンファーレとか鳴ってもいいはずですよネー」

ユウキ「うむ、演出があるはずじゃ」


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁
 
 成功→メルヴィルは魔王ではない可能性に気付く
 失敗→不思議に思いながら何も分からない
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 22:38:55.69 ID:zRhkuEeoo
392 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:51:13.30 ID:aiWxrVm1o

 69……失敗
 
 
ユウキ「まぁ、これでゲームは終わりじゃろう」

ペチカ「です、よね」


そこに上から再び声


クランテイル「すまん! ロープもはしごも売っていない!」

那子「えー!」

ユウキ「なんで端末に送らず大声の会話なんじゃ?」

ペチカ「同じパーティーじゃないからでは?」

ユウキ「え? あ、そうか。今あやつはプフレ達と同じパーティーか。そういえば今回あの2人を見てないのぉ」
393 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 22:56:26.93 ID:aiWxrVm1o

上にのぼる手段が無いとどうすればいいか、やることはひとつだ。ただ待つことだけ

この暗い中、魔法の端末をポチポチいじって暇をつぶすくらいしかできない

痺れを切らした那子が洞窟内を探検していたが、一通り見終わって何もなかったようで、口をとがらせて戻って来た


ユウキ「おうおかえり〜長かったの」

那子「結構広かったデスけど、なーんにも無かったデース」

ペチカ「丸一日探検してた?」

那子「Wow! 本当デース! 2日目になってマース!」

ユウキ「うげっ、もうそんなにか!?」

アカネ「……」

ユウキ「はぁ〜暇じゃのー」
394 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 23:03:04.31 ID:aiWxrVm1o

あまりに暇なので色々とデータを漁るほどになっていた


ユウキ「あのゴブリン達、一応群れで社会があったんじゃな」

那子「ドラゴンは色ごとに好物が違うって……意外と細かいですネ」

ペチカ「みなさーん、ご飯ですよー」

ユウキ「おお! 待っておったぞ!」


この空間で楽しみはペチカの料理くらいだ。材料はそこら中にあるのだから


ユウキ「そういえばアイテム欄は全部埋まったか?」

ペチカ「いえ……あ、でもRを引く前にファルからレアアイテム一覧みたいなのは見せてもらいましたよ」

ユウキ「なに、そんなサービスがあるのか!?」


 知力(14)ロール……>>直下コンマ二桁

 成功→今の状況をファルに説明してもらう
 失敗→なーんだとご飯を食べる
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 23:06:03.75 ID:7LEelTF4o
396 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 23:17:15.82 ID:aiWxrVm1o

 75……失敗
 
 
ユウキ「まぁでも何が当たるか分からない方が面白いと思うがな。分かってるとそれが当たらなかった時に悔しさ倍増じゃ」

ペチカ「それもそうですね。あ、そういえばメルヴィルみたいなアイテムもありました」

ユウキ「なんじゃそれ」

ペチカ「透明なんとかって、周りの風景と同化できるとか」

ユウキ「それは怖いな。奇襲し放題じゃないか」

ペチカ「ええ。でも誰かがそれを当てたのかは分からないですね……」


と、頭上から何かが振ってきた


ユウキ「どわぁぁ!? って、お前……クランテイル!?」

クランテイル「……丁度飯時か」

ペチカ「え、どうして……?」
397 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 23:23:21.72 ID:aiWxrVm1o

那子「いきなりなんデスか!? あ! まさかペチカのご飯食べたさに……」

クランテイル「そうじゃない。いやそれもあるが……いや違う! プフレとシャドウゲールと連絡が取れないんだ」

那子「What?」

ペチカ「え、同じパーティーなのに?」

クランテイル「ああ……メッセージは送ることができるんだが、返信がまったく無い」

ユウキ「2人の場所は?」

クランテイル「魔王城だ」

ユウキ「ううむ……会いには行ったのか?」

クランテイル「……行けなかった」

ユウキ「なに?」

クランテイル「通行証はあったんだが、図書館エリアと魔王城を繋ぐ道に壁が出来ていてな……どれだけ壊そうとしても無駄だった」

ユウキ「……それって、どういうことじゃ?」
398 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/03(日) 23:23:47.48 ID:aiWxrVm1o

短いけど今日はここまで
また明日に
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 06:42:39.89 ID:mmEUhyI/o
乙です
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 07:26:23.98 ID:FIHPrfqZo
乙 更新待ってた
401 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:06:36.65 ID:/FyhK3O+o

クランテイル「このゲームの仕様かどうか分からないが、今になって魔王城への道が塞がれるのはどういうことなんだ……」

ユウキ「魔王はもう倒したのにな」

クランテイル「やはりメルヴィルは倒していたか。ペチカが無事でよかった」

ペチカ「え、いやぁ」

那子「まぁ落ちてくるときにペチカがケガをしないよう上手く着地したのは私ですけどネ!」

クランテイル「それは当たり前だ」


 共通の敵を倒したことによりペチカ達の信頼度が上がった!

 ペチカ:04
 那子:04
 クランテイル:04
 アカネ:08
402 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:07:10.25 ID:/FyhK3O+o

クランテイル「……ところで、皆は使ったか? 記憶回復装置」


その言葉に全員がピクッと反応し、うつむいた。それだけで十分答えになる

クランテイルがそうかと息を吐くと、ペチカが漏らす


ペチカ「メルヴィル……って人、似てましたよね」

那子「そうですネー、ストロベリーに」

クランテイル「クラムベリーだ。森の音楽家……」

アカネ「ッ……」

ユウキ「アイツがクラムベリーとどう関係があったのか、それはもう分からん。死人に口なしじゃからな」

クランテイル「だが、私達皆、いや……このゲームに参加している魔法少女全員がクラムベリーを知っている」

ペチカ「それって、あの人が教官だった魔法少女が集められてるってこと……?」

那子「Hum……その可能性はありそうですネー」
403 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:08:18.42 ID:/FyhK3O+o

クランテイル「ここにいる全員が、あの殺し合いを生き残った……か……」

ペチカ「っ……」コクッ

アカネ「音楽家……」

クランテイル「アカネが音楽家と連呼する理由も分かった。謎は全て解けた……のか?」

那子「でもペチカみたいなタイプがクラムベリーの試験に合格するなんて、すごいですネー!」

ペチカ「へっ!? い、いや……」

クランテイル「やめないか。思い出したくない……はずだ。私だって忘れたままの方が良かったと思っている」

那子「……そうですネ、Sorryペチカ。自分でもファッキンな思い出デース」


ペチカ達がクラムベリーの話をしている

ユウキもまた思い出す。クラムベリーのことを

丁寧な口調と物腰。その中にある野性


ユウキ「チッ……」


小さな舌打ちのつもりだったが、聞こえていたようでペチカなんかは分かりやすく遠慮がちな態度になった
404 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:08:57.56 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「ああスマン、なんでもないぞ」

クランテイル「ユウキの強さにも納得がいった。それだけ強ければ奴にも認められたんだろう」

ユウキ「そんなんじゃ無いわい。ワシは負けたわ」

那子「それを言ったら私もクラムベリーに勝ってないデース」

ペチカ「私も……何もできなかった…………」

ユウキ「……ふむ、暇じゃしワシの話に付き合うか」

那子「これ知ってマース! 隙あらば自分なんちゃらってやつデース」

ユウキ「そんな年頃じゃ。年寄りは若者に色々話したくなるんじゃよ」

クランテイル「何歳なんだ……」


 ユウキはクラムベリーの試験のことを……>>405
 
 1.思い出しながら話す
 2.かいつまんで話す
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 22:09:37.65 ID:MMVqJy8vo
406 : ◆IPYIJYmMYgAf [saga]:2017/09/04(月) 22:22:50.76 ID:/FyhK3O+o

ユウキ「時間はある。長くはしないつもりじゃが、まぁ聞け」


全員が傾注する。アカネも興味津々といった顔で覗き込んで来た


ユウキ「ぶっちゃけワシが魔法少女なんぞになった時は何かの間違いじゃと、これは夢じゃと思ったわ。まぁ同じ思いだった奴もいるじゃろうが」


ゴスロリの美少女など、ジジイの自分にはどう考えても合わない。というより合う想定でこの世界は回っていない

それは3日もすれば慣れた。適当に人助けをして過ごせとファヴを名乗る電子妖精には言われた

慶市の住んでいる町は郊外とも言うべき町の、さらに田舎ともいえる所だった。人口はそれほど多くなく、別に全員が顔見知りというわけではないがコミュニティは分かりやすい

担当地域と呼ばれる区域は結構広く、数週間かけて人助けをして回った

老後の楽しみが映画と筋トレと孫以外に出来たことを喜んだ。だがそれはあくまで最初だけだった
298.38 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)