穂乃果「ラブライブ!」海未「パーフェクトアンサー」

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492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/05/14(日) 23:13:33.68 ID:pg7IWwrhO
(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:28:19.32 ID:v9c9KvYeO






Chapter:2
だッて戦争終わらない



494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:29:01.16 ID:v9c9KvYeO

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やや古びた、ありきたりなデザイン。

そんな木造二階建てアパートの一階、『加藤』という表札の掛けられた部屋の前に、金髪の少女、絢瀬絵里は立っていた。

手には野菜など食品の入った買い物袋を提げている。
ちなみに部活帰りのため制服だ。

チャイムを鳴らす。

すぐに扉が開き、小学校高学年くらいの少年が顔を出す。


絵里「久しぶりね、歩くん。変わったことは無い?」


歩と呼ばれた少年が答える。


歩「久しぶりッて……絵里サン5日前にも来たじゃん」

絵里「それでも久しぶりなの」


そう言って絵里は部屋に入る。

勝手知ったるとはこの事で、彼女はテキパキと買い物袋の中身を冷蔵庫に入れ、反対に賞味期限の近づいた物から取り出していく。


歩「いーよ、そこまでして貰わなくても。
だいたい俺だって料理できるし」

絵里「はいはい。じゃあ一緒にしましょ」


そう言って、絵里はバッグからエプロンを取り出した。


ーーーーー
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495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:29:48.98 ID:v9c9KvYeO

調理を終え、生姜焼きに豆腐の味噌汁という夕食を2人で食べていると、歩が不意に訊いた。


歩「なぁ、結局絵里サンッて、兄ちゃんの彼女なの?」


絵里が『ブッ』と味噌汁を噴き出す。

賢い可愛いエリーチカ、などと言えたものではない。


絵里「ち、違うわよ!大体私は---」


---彼の事、覚えていないんだから。


思わずそう言いかけて、咄嗟に口を噤む。


歩「…私は?」

絵里「あ、いや…私は、じゃなくて。
確か加藤くん、彼女みたいな人いた気がするのよ」

歩「え、嘘。どんな人?」


それも、覚えていなかった。


歩「そーだッたんだ。前から絵里サンのコトたまに連れて来てたから、てッきり彼女だと思ッてた」


そんな記憶も、無い。


あるのは、『加藤勝』という人物と、自分が彼と何らかの形で関わっていたという曖昧なイメージだけ。

少なくとも恋仲ではない。
それとも、『なれなかった』のか。

そこでぼんやりと、ショートカットの少女の姿が脳裏に浮かぶ。

名前は確か、岸本---
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:30:20.59 ID:v9c9KvYeO


歩「絵里サン…?」


思索に耽りかけた絵里だが、歩の声で我に帰る。


絵里「あ…ごめんなさい、ぼけッとしちゃッて。冷めないうちに食べないとね」


週に何回かこうして彼が一人ぼっちで暮らすアパートを訪問する生活も、もう数ヶ月になる。

まだ幼い少年が一人で暮らしているのにも事情があった。

彼の両親は数年前に他界し、その後共に暮らしていた兄、勝も行方不明になっているのだ。
親戚は、お世辞にも彼の事を歓迎しているとは言えないらしい。


絵里(…そう。歩くんの事、頼まれた。
---でもいつ?どこで?)


肝心な事を思い出せない。
記憶が抜け落ちているのだ。

1年ほど前から、一人でこの部屋に来るようになった辺りまでの記憶が。

家族や友人にその時期の事を訪ねても、変わった様子は無かったと言われた。
また病院にも行ったが、原因は判らず仕舞いだった。


絵里(本当におかしい……一体何が…)


ただ一つ覚えているのは、『加藤勝』との約束だけだった。


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497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:31:07.39 ID:v9c9KvYeO

ーーーーー

家路の途中にあるファストフード店のボックス席に、穂乃果と海未は浮かない顔で座っていた。


海未「眠れましたか…」

穂乃果「ううん、全然…」


寝不足のまま行う事になった練習は散々なものだった。


海未「今日の事はともかく、状況を整理しましょう」


海未の提案に、穂乃果はコクリと頷く。


海未「まず、昨夜私達が行ッたゲームは本物で…『星人』などと言う生物も実在する」


海未がテーブルに新聞を広げた。

『多摩市の路上で男性のバラバラ死体』
『同市住宅街で破壊痕、爆弾か!?』

そんな記事が載っていた。


穂乃果「やッぱり、あの人…」


『ねぎ星人』との戦いに巻き込まれ、唐突に命を奪われた男性。

人体が容易く切り刻まれるあの光景を思い出し、穂乃果は歯噛みした。


海未「こういッた原因不明の破壊痕や殺人の類は、かなり前から全国で頻発しているみたいです。
正確にいつ頃からは分かりませんが…」

穂乃果「誰かに話す訳にもいかない……頭に爆弾が埋められてる」

海未「その通りです。あのミッションの最中に帰ろうとした人が殺されてましたが、恐らくは情報を拡散しようとしても同じかと」


家族や友人、警察に相談するという選択肢も封じられている。
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:31:44.46 ID:v9c9KvYeO

穂乃果「…逃げ出す事ができないなら、あのミッションを繰り返すしかない。
大事なのは、どうすれば解放されるかッて事なんだけど---」


ミッションの後に行われた『採点』。

あれが鍵だろう。


海未「あと何点で終わりなどと言われていました。
ミッションで『星人』を倒して点数を貯めれば、自由になれるのかも…」

穂乃果「うん。私はあと100点、海未ちゃんは確か95点……だったと思う」


一体何回のミッションをこなし、何体の星人を殺せばいいのか。

考えただけで嫌になる。


海未「あの西とかいう人が色々と詳しい筈です。どうにか連絡を取れればいいのですが」

穂乃果「流石に無理だよ。学校もわからないんだし」


歓迎できる事ではないが、次のミッションであの部屋に呼ばれた時に探りを入れる他無い。


穂乃果「あッ、そういえば」


穂乃果が何かを思いつき、声を上げた。


穂乃果「昨日部屋にいた北条くんはUTXだよね?」

海未「確かに…そう言ッてました」

穂乃果「会いに行ッてみよう!」


少なくとも無意味ではないだろう。


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499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:32:33.35 ID:v9c9KvYeO


海未「色々と大変な事が続いていますが、もう一つ重要な問題があります」


UTXへと向かう道中、海未が言った。


穂乃果「……あの人達のこと?」


ミッションや星人以前の、そもそもの元凶である者達。

穂乃果と海未を路地裏で襲った少年と男の事だ。


海未「ええ、私はすぐに意識を失ッてしまったのでよく分かりませんが、恐らくホームレス狩りの類ですよね?
放置しておく訳にはいきません」


だが、文字通り爆弾を抱えた2人には警察に名乗り出る事など不可能だ。


穂乃果「…うん、そうだね。
ああいッた事件を起こす人達ッて、何度も繰り返すから…」

海未「それでも爆弾がある以上、ひとまず放置するしかありませんね…」


自分達を殺しかけた者を見逃さぜるを得ないのはあまりにも気分の悪い話だが、どうしようもない事だった。


そんな会話をしている間に、秋葉原お馴染み、『A-RISE』の『Private Wars』が大音量で聞こえてくる。

UTXのスクリーンにいつも流されている曲だった。


穂乃果「『A-RISE』…」

海未「着きましたね」


すでに夜だが、部活や遊びで残っているかもしれない。

流石に直接探すのは無謀なので、周囲の生徒達に聞き込みを行う事にした。
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:33:08.31 ID:v9c9KvYeO


穂乃果は校舎から出てきた数人の女子グループに駆け寄った。


穂乃果「あッ、すみませーん。
北条政信ッていう男の子を知りませんか?
身長がこのくらいで、あと芸能科にいた」


名前だけでは分かりようがないので、手を上げて大まかな身長を示す。
そして、芸能科にいたというのは大きな手掛かりだ。


「北条?確か最近芸能科やめた子にいなかッたッけ。
モデルやッてたよね」

「あ、見た事ある!超イケメンだよね〜」


一発目から当たりのようだった。


海未「ちょッと用事があるのですが…、今どちらにいるかわかりますか?」

「いや、友達ッて訳じゃないし…。
ちょッとわかんないかなぁ」


無論そこまでの期待はしていない。

女子達に礼を言い、別れる。


穂乃果「やっぱりUTX生だッたんだ」

海未「間違いないですね。次は男子に聞きましょう。
友人なら居場所が分かるかもしれません」

穂乃果「そうだね」


男子生徒はあまり見かけず、数分間そのまま待つ事になったが、やがて付近のファミレスの前でたむろしているグループを見つけた。


穂乃果「行ッてみよう」

海未「ええ」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:33:54.62 ID:v9c9KvYeO

話しかけようと彼らに近づいた時。

そのファミレスの自動ドアが開き、見知った男子生徒が出てくる。

丁度彼女達が探し求めていた、北条政信その人だった。


北条「え?」


ファミレスの前の少女2人を発見し、唖然とする北条。


「おい北条、どーしたンだ?」


男子生徒の1人が不審がる。


北条「わりぃお前ら。ちょっと用がある」

「は?これからカラオケ行くッて---」

「え、ナニ?彼女?」


北条はそういい放つと、穂乃果と海未の手を引いてたった今出てきたファミレスの中へと戻る。


海未「き、昨日ぶりですね北条さん。
まさかこんな早く見つかるとは…」

穂乃果「元気だッた……?」


苦笑しながら発せられた穂乃果の問いかけに、北条は「ンな訳ないだろ」と即答する。


北条「あぁチクショウ……やっぱ夢じゃないのか…」


1分も間を空けずに再入店した北条に目を丸くした店員が、3人をボックス席に案内した。

席に着くなり、北条が切り出す。


北条「お前らもあの後、自分んちに戻されたのか?」

海未「そうです、気がついたら自室で寝かされていました」

穂乃果「私もだよ」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:34:41.18 ID:v9c9KvYeO

どうやら北条も帰宅できたらしい。


海未「北条さんは、家族の人に何か気づかれましたか?」

北条「いや、深夜までいなかッた事にも気づかれてなかッた…」

穂乃果「それも私達と一緒なんだね」


そう言いながら、穂乃果がメニュー表を開く。
時間的に夕食を済ませてしまった方がいいという判断だ。

穂乃果と海未はリーズナブルな価格設定で人気のパスタを、既に食事を終えていた北条はコーヒーのみを注文した。


穂乃果「ちょッと待ッてね。家に連絡入れるから」

海未「あ、私も…」


携帯を取り出す2人に北条が問う。


北条「なぁ、俺の事探してたのか?」

穂乃果「うん、昨日のこと話した方がいいかなッて。
学校も近いみたいだしね」

北条「よく会えたよな…どンな確率だよ」


北条は呆れたように笑った。


海未「一応地元が同じですし、高校も分かッているので」

穂乃果「色々と話しておいた方がいい事だしね」


それには北条としても異論は無かった。

あの部屋は何なのか、またあのゲームは行われるのか、それはいつなのか。


そして、どうすれば抜け出せるのか---。


話さねばならない事は山ほどある。
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:35:28.97 ID:v9c9KvYeO

海未「さッき穂乃果には見せましたが、これを…」


海未が例の新聞を北条に差し出す。


北条「多摩市に男性の死体と破壊痕…。
死体ッて何だ?ねぎ星人に殺された部屋の連中か?」

穂乃果「ううん、違う。偶然ねぎ星人の近くにいた人」

海未「ミッションで死んだ人の死体は発見されてませんね」

北条「あの黒いボールが処理したンじゃないか?たぶん」

穂乃果「うん、そうかも…」


『転送』なる超技術を持つ球体だ。
死体を綺麗さっぱり消してしまうのも造作無い事だろう。


海未「『ガンツ』、ですか…」


西が言っていた、球体の名。

由来も言語も分からないが、言いようのない不穏さを感じる。


穂乃果「あ、そういえば……2人は気づいてた?
ミッションの最中、私達やターゲットは他の人達に見えてないみたいなの」

海未「確かに…そうでした」

北条「は?それッてマジかよ…。
道理で誰も警察とか呼ばなかった訳だ」


被害は反映されるのに、無関係の人々は危険な戦闘に気づく事はない。


つまり。


穂乃果「場合によッては、大勢の人が巻き込まれちゃうかも…」


まさにそういう事だった。
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:36:05.20 ID:v9c9KvYeO

北条「…だからッて、どうすンだ?」


北条が返す。


北条「俺達だって命懸けなんだ。
星人とかいう連中から他の人守ッてる余裕なんて皆無だぞ?」

海未「それはその通りですが…」

穂乃果「それでも、覚悟は決めるべきだと思う」


穂乃果が毅然と言った。


穂乃果「星人を倒さなきゃ帰れない。
なら、襲ッてくる星人に躊躇するべきじゃないと思う。逃げていても、被害が広がるだけなんだから」

北条「まぁ、その通りだよな。
タイマーみたいなの動いてたし、制限時間とかあるのかも…」

海未「制限時間、ですか。
もしリミットまでに敵を倒せなければ---」


何らかのペナルティが発生するのだろう。


例えば---


穂乃果「頭の、爆弾が…?」


自分達の生殺与奪は、完全にあの球体に握られている。
命令に従えなければ、容易く切り捨てられかねない。

穂乃果の発言を最後に、気味の悪い沈黙がテーブルを支配した。


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505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:36:57.27 ID:v9c9KvYeO

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「おい氷川、女釣れたから飯だぞーッて、まだやッてンのか」


派手な装飾の施されたホストクラブ風の広間。
それを見下ろす二階部分へ、黒い縮れ毛を伸ばしたラテン系の男が叫ぶ。

そこの豪奢なソファで何事か作業をしていた青白い髪の美男子が手を止めた。
氷川と呼ばれた彼の前に置かれたテーブルには、頭を切り開かれ絶命している犬が横たえられている。


氷川「先食ッてろ」

「ッたく。よく飽きねェなそンなの」

氷川「『ハンター』を根絶やしにする手掛かりがあッかもしれない。
手を抜く理由はねーだろ」


犬の血肉に汚れた氷川の手は、百円玉サイズの機械部品のような物を保持している。


「しッかし運が良かッたな。『転送』直前に確保できるとは」

氷川「結構前に試した事はあッたが、そン時は抵抗されて失敗したしな。
ジーンズの連中が襲ッてこなけりゃ、多少は上手くいッてたかもしれねーけど」

「ンで、結局わかッたのか?それが何なのか」


氷川がラテン系の男にソレを投げる。


氷川「発信機兼、爆弾ッてとこだな。
こッから俺らの五感を刺激する信号も出てるし、逃げようとしたハンターのアタマを吹ッ飛ばすのもコレらしい」


「ふーン」とその機械を眺めていた男だったが、やがて興味を無くしたように氷川へ投げ返した。
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:37:28.08 ID:v9c9KvYeO

「まァ細けー事はいい。連中を根絶やしにする手はありそうか?」

氷川「お前らは血の気が多過ぎンだよ。
コレからゴキブリ共の巣を逆探知できッかは微妙だし、東京にも『岡』や『前嶋』のよーな奴がいないとも限らねぇ」


「それはいッぺンやり合えば分かる事じゃねーか」


その時、別の人物が2人現れた。

発言した方は丸刈りの頭にサングラスをかけた男。
もう1人は白髪の大柄な老人。


「あンなねぎ一家に殺されてるよーな連中だ。大した事ねーとは思うがな」


と、丸刈りの男が続ける。


「俺達だけでも動くぜ、氷川。
連中が狩りに出てきたとこで---こッちが狩ッてやる」


ラテン系の男が言った。


氷川「好きにしろ」


氷川の了承を得ると、他の3人は広間へと降りていく。

そこでは大勢の黒服の人物が、若い女の生首から滴る鮮血を享楽的に浴びていた。


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507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:38:07.36 ID:v9c9KvYeO

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------うおぉ!?コレほんとに俺と同じ高校生かよ!
どーやッたらこんなデカくなるんだ!?


昼休みの教室。

これといって特徴の無い私立高校に通う少年---玄野計の目は、雑誌の扉絵を水着姿で飾るおっとり系巨乳美少女、優木あんじゅへと釘付けになっていた。

これは別に如何わしい代物ではなく、ごく一般的な情報誌である。

たまたまスクールアイドル界のトップグループ、『A-RISE』の特集が組まれただけなのだ。


「やッぱ玄野はあんじゅちゃんかー、童貞くせー」


隣の席でパソコンをいじっていた友人が言う。


玄野「うッせーな!つーか誰が童貞だよ」


実際、こう見えて玄野は彼女持ちだったりする。


「そーいや最近は『A-RISE』ばッかだけどさ、秋葉原にもう一ついい感じのグループできたッぽいぞ。
コレ見てみろよ」


玄野はパソコンを覗き込んだ。

スクールアイドルによる投稿が盛んな動画サイトの新着に、『μ's』というグループ名が載っている。


玄野「『μ's』?」

「ああ。音ノ木坂学院ッてとこのスクールアイドルらしい」


友人が最初の投稿をクリックする。

曲名は『START:DASH!!』。
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:38:46.67 ID:v9c9KvYeO

「最初はこの3人組だけだッたンだと。
今は9人だな」

玄野「あッれ…この真ん中の奴、見覚えあンな…」


桃色の衣装を纏いセンターで踊る少女に、どこか見覚えがあった。


玄野「昔どッかで会ッて…?あれ?」

「お、新しいのアップされてンじゃん」


μ'sの新曲、『僕らのLIVE 君とのLIFE』の動画が投稿されていた。

オープンキャンパスの際に校庭で披露されたものらしい。


「何見てるンだ?」


動画を再生しようとした時、長身長髪の男子生徒が2人に話しかけてきた。


玄野「お、和泉。スクールアイドルの動画だッてさ」

「お前も観るか?」


和泉と呼ばれた少年は誘いを受け、近くの椅子を引いてきて腰かけた。


和泉「最近何処でも流行ッてるな…。
これはどこのヤツだ?」

「秋葉原の音ノ木坂学院だな」

和泉「ああ…少子化の影響をモロに受けて大変なとこらしいな」


動画が読み込まれ、再生が開始される。

軽快なリズムに合わせ、9人の少女達が息ピッタリに踊っていた。
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:39:17.95 ID:v9c9KvYeO

玄野「すげー。ほんとに新しいグループなのか?」


曲、衣装、ダンス。
どれを取ってもかなりのクオリティだ。


「プロフィール見たけどさ、作曲できるピアノ経験者と衣装製作がそーとー得意な子がいるらしいぜ。
あ、この金髪の子はロシアで本場のバレエやッてたンだとさ」


和泉「---絢瀬、絵里?」



その少女を目にした途端、和泉がそう呟いた。


玄野「え、この子知ッてンの?」

「なンだ、和泉ッてμ'sファンなのか」

和泉「…いや、違う…どッかで見た気がすンだよな」

「昔の知り合いとかか?サイン貰ってくれよ〜」


などと冗談めかして言われるが、和泉本人は至って真剣に考えていた。


和泉「中学の時か…?いや、そもそも男子校だッたし…」


曲が終わるまで『絢瀬絵里』を凝視していた和泉だったが、結局思い出す事は叶わなかった。


玄野「このグループいいな…。
次どッかでライブしたりすンの?」

「えーと、アキバで何かやるみたいだな。
うわ、俺この日行けねーし」
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:39:56.40 ID:v9c9KvYeO

ならば、と玄野は和泉に目を向ける。


玄野「なぁ和泉、俺達4人で行かないか?
多恵ちゃんもけッこースクールアイドル好きだしさ」

「おいおい羨ましーなリア充共!」


和泉が首肯する。


和泉「涼子もこの日空いてたし、いいぞ」

玄野「じゃあ決まりだな」

「お前らライブ行くなら、プロフィールくらい見とけよ?」


そう言うと、彼はパソコンの画面が切り替える。


玄野「えッと…、リーダーの子は高坂穂乃果……やッぱ昔会ッたよなぁ。
どこでだろ……あッ!」


ようやく思い出した。

幼い頃、家が近所でよく遊んでいたのだ。


「アイドルと面識あンのか、すげーじゃンか」

玄野「いや、ほんとに小さい頃だし。
向こうは俺の事なンか忘れてンじゃね?」


パソコンの前で駄弁っているうちにチャイムが鳴り、昼休みの終わりを告げた。


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511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:40:36.36 ID:v9c9KvYeO

ーーーーー

穂乃果「いやー、それにしてもまさか、ことりちゃんがメイドカフェでバイトしていたとは…」

海未「結構有名だッたのですね。通称ミナリンスキー……でしたっけ?」


『あの日』から数日後。

部活動等で多忙な生活を送っている中で、段々と例のゲームに対する意識は薄れてしまっていた。

ひょっとすると、もう呼ばれる事は無いのかもしれないとまで2人は考えている。


「ほんッとにお母さんには内緒にしてね、絶対!」


秘密を知られた親友2人にそう懇願するのは、共通の部活動で衣装製作を担当している少女、南ことりだ。


海未「大丈夫ですよ、μ's内での秘密にしておきます」

穂乃果「そうそう。
あ、それよりも…歌詞、決まりそう?」

ことり「うん、あのアドバイスのお陰で何とかなりそう!」

穂乃果「そッか〜、楽しみにしてるね」


近日中に控えた秋葉原でのライブ。

全員がメイド服を着用する事は確定しているが、新曲の用意が遅れていた。


海未「しかし、μ'sほど新曲のペースの速いグループも珍しいですよね」


海未がふとそんな事を呟く。

事実、彼女達の創作頻度はスクールアイドルの中でも稀に見るレベルだった。
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:41:25.07 ID:v9c9KvYeO

穂乃果「それは海未ちゃんと真姫ちゃんのお陰かな?
ね、ことりちゃん」

ことり「ほんとだよね。あんなにたくさん作れるなんて、尊敬しちゃう」


ちなみにことり自身も、平然とライブごとに衣装を新調できる程の実力者だったりする。


海未「いえいえ、大した事では……あ、私はここで失礼しますね」

穂乃果「うん、またねー」

ことり「じゃあ、明日ね」


そう言って親友達と別れ、自宅へ向かう海未。

連れがいないと自然に歩く速度も上がり、数分で家が視界に入る。


海未「さて。明日も早いことですし、すぐに寝ますか」


両親とも用事で遅くなるようだった。
食事を一人で済ませ、入浴の準備をする。

そこで、シャンプーが切れている事に気付いた。

ストックがあるかもしれないと思い洗面所を探すが、見つからない。


海未「仕方ありませんね、近くの薬局まで行きましょう」


面倒ではあったが、無い以上買う他ない。
財布と鍵だけ持ち、家を出る。

外はすでに暗くなり、街頭が灯っていた。

多少雲行きが怪しく、濡れたくはないので小走りで薬局へと向かう。
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:41:57.07 ID:v9c9KvYeO


その時だった。


ゾク------


首筋に、強い悪寒が走る。


海未「…風邪でもひきましたか?
気味が悪いですね…」


そこに手を当てて見るが、何かが付いている様子はない。

首を傾げながら薬局へ入店した。


目当ての物を購入し、そそくさと店を出る。

小走りで家へ戻ると、財布と鍵を置きに自室の扉を開ける。




------すると、目の前に漆黒の球体。




海未「---ッ!?」


あまりにも脈絡無く視界に飛び込んできたソレに、海未は絶句する。

そして気づく。

ここは自室などではなく、『あの日』の部屋だった。


海未「私はッ、いつの間に……!」

視線を真下に向けると、自分の下半身が転送の真っ最中だった。
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:42:30.89 ID:v9c9KvYeO

転送が完了し歩けるようになると、海未は部屋の周囲を見渡した。

海未の後方、玄関へ続くドアの近くに、ガラの悪い4人の青年と高齢の女性、そして彼女の孫らしき幼い少年が立っていた。


海未「新しい人が呼ばれたのですか…」


球体側に視線を戻すと、丁度2つの光線がそこから伸びていた。

片方からは金髪、もう一方からは見慣れた明るい茶髪が出現する。

稲森と、先ほど別れた穂乃果だ。


稲森「うわッ!またこの部屋かよ…」

穂乃果「あッ、海未ちゃん!」

海未「穂乃果…。どうやらまたミッションのようですね」


穂乃果は稲森を見ると、対し恐れと軽蔑の入り混じった表情を形作ったが、その訳は海未の預かり知るところではない。


さして間を空けず、北条とサダコ、西も部屋へと転送されてきた。

計12人。
これが今回の参加者だ。


穂乃果「また、始まるんだ---」

北条「前回ッきりで見逃して貰えるとか、期待してたンだけどなぁ…」

海未「私もです。甘い考え、でしたね…」


ともかく、これから起こる事を新たな参加者達に説明せねばならない。

特に小さな子供と老婆については、要注意だ。
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:42:59.80 ID:v9c9KvYeO

「オイ、ここ何なンだよ!」

「なぁ鉄ちゃん!俺達襲われて---大ケガしたよなッ!?」


青年達が叫び出す。

北条が彼らに歩み寄り、口を開いた。


北条「この黒いボールみたいのが、俺達をここに送り込んだンだ。
怪我を治したのもコイツ。
…ま、そんな事より大事な話があるンだ」


彼の言葉を穂乃果が引き継ぐ。


穂乃果「急に言ッても信じてくれないかもしれませんけど、聞いてください。
私たちはこれからこの球体に、訳の分からない怪物と戦うように命令されます。
拒否する事はできません」


「はぁ!?何言ッてンだよお前」

「冗談抜かすなや、こッちは死にかけてたンだぞ!」


当然、強い反発を受けてしまう。


穂乃果「嘘じゃありません!
これからラジオ体操の歌が流れて、武器が支給されます。そして---」


---殺し合いに送り込まれる。


そう言いかけたところで、球体から穂乃果の言った『ラジオ体操の歌』が流れ出す。

彼女の発言通りになったので、青年達も多少は話を信じてくれるだろう。


「おばあちゃん…」


少年が、不安げに老婆の裾を掴んだ。
老婆は彼の頭を優しく撫でる。
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:43:39.46 ID:v9c9KvYeO


『てめえ達の命は、なくなりました。
新しい命をどう使おうと私の勝手です。
という理屈なわけだす』


「はッ、俺らいッぺん死ンだッてよ」


青年の1人が鼻で笑う。


『てめえ達は今からこの方をヤッつけに行って下ちい』


海未「今回は…何星人でしょうか」

北条「わかンねーけど、何にせよやるッきゃないだろ」


前回の戦いを経験している者達が緊張した面持ちで見つめる中、球体が標的を発表する。


『田中星人
特徴 つよい (・8・)
好きなもの チョコボール
口ぐせ 雄三くん?』


『田中星人』などと称された今回の敵は、一昔前の露店か何かで売られていそうな、パッとしない人形の様な姿をしていた。


「お前ら、コレが宇宙人で、俺らと殺し合うッてのか?」


青年達の中でもリーダー格らしい、鋭い目付きの男が穂乃果達に問う。


穂乃果「そうです。これから本当に、危険な戦いをする事になるんです」


球体の両側面と背面が音を立てて開く。
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:44:21.71 ID:v9c9KvYeO

「なンだ、これ」

「オモチャかぁ?」


球体の内部に格納されている大量の銃を、青年達は興味深げに取り出した。


北条「俺達も、今回はちゃんと持って行こう」

穂乃果「そうだね。
あ、あの黒いツナギみたいな服も着た方がいいよね、海未ちゃ---」


ギョーンッ


唐突に、銃の発射音が部屋に鳴り渡った。


穂乃果「なッ…!?」


青年の1人が、球体に近づき銃を取ろうとしている西に撃ったのだ。


北条「お前ッ!何してンだッ!!」


北条が青年を張り倒し、銃を取り上げる。


「痛ッ!オモチャで何騒いでンだよ!?」

北条「オモチャじゃねーよッ!
これはなぁッ---」



西「---説教はいらねー、どけよホモ」


冷たい声が響く。

タイムラグは、とっくに過ぎた筈だった。
だが西は平然としており、銃を北条と揉み合う青年に向けている。

彼の首元から2つほど覗く円形の金属パーツから、キュィィィと甲高い音が鳴っていた。
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:45:02.56 ID:v9c9KvYeO

穂乃果「やっぱり、その黒い服---」


前回の『採点』が終わった後、西が海未に言っていた事を思い出す。


『スーツ』の重要性。


ミッションを生き残る上で不可欠な要素の一つが、この服だったのだ。


西「『オモチャ』なら当たッてもいーンだよな……死ね」

北条「おいッ、落ち着けよッ!」


西がトリガーに指をかける。


穂乃果「待ッて!」


穂乃果は彼に飛びついた。


ギョーンッ


銃が明後日の方向に発射される。


西「テメッ、何しやがンだ!」

穂乃果「殺すのはやめてッ!お願いッ!」


ポンッ!


西を撃った青年の斜め後方に、青白い爆発が起こる。


北条「これで分かッたろ!本物なンだよこの銃は!」


北条が叫んだ。
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:45:38.20 ID:v9c9KvYeO

「いーから中島離せや!」

「ゾク舐めてンのかコラッ!」


他の青年達が北条を取り囲んだ。
彼らも銃を手にしている。


北条「ゾクッておい……そんなのまだいンのかよ…」


とにかく、かなりマズい状況になった。

いつ過酷なミッションが開始されるかわからないにも関わらず、準備どころか仲間割れをしているのだ。


西「オイ、お前から殺されたいのか?
俺はそこの馬鹿にスーツの耐久力を削られた。生存率がだいぶ下がッたンだよ」

穂乃果「だからッて殺す必要はない!」

西「テメェが指図してンなよッ!!」


穂乃果を振り払い、銃を突き付ける西。


海未「やめなさいッ!」


さらに、海未が球体から素早く銃を取り出し、西へ向けた。


西「ははッ、撃てンなら撃てよ」

海未「くッ…」


そもそも西は『スーツ』なる物を着ている為、撃たれてもまだ余裕はあるだろう。

一方、穂乃果と海未に防御手段は無い。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:46:21.21 ID:v9c9KvYeO

「うわぁぁん!おばーちゃぁん!」

「亮太!大丈夫だからね、おばあちゃんが守るから…」


泣き叫ぶ少年を老婆が抱き締め、互いに凶器を向け合う惨状を見せまいとする。


稲森「あーあ。どーすんの、これ」


稲森は我関せずといった様子だ。


「鉄ちゃん!こいつボコるぞッ!」

「ヤキ入れてやるッ!」


『鉄ちゃん』と呼ばれたリーダー格が北条に歩み寄り、右の拳を上げ---突如として襲来した黒い影に吹き飛ばされた。


「がぁッ…!?」

「鉄ちゃんッ!」

「なンだよこの女!?」


顔まで覆い隠す長い黒髪---サダコだ。

彼女はいつの間にか、前回海未が着用したのと同じ黒い服を纏っている。


「いッてぇなぁ!」


『鉄ちゃん』なる青年がサダコの腹に右ストレートを叩き込む。

が、次の瞬間には彼の方が拳を抑えて蹲った。


「かッてェ…コンクリかよこのアマ…」

北条「た、助かッたぜサダコ…」


ひとまず、こちらの騒動は収まった。
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:47:17.81 ID:v9c9KvYeO

穂乃果「初めての人が囮なら…、殺したらそれこそ生存率が下がる。
そうだよね?わかッてるでしょ」


穂乃果がそう言うと、西は舌打ちして銃を下ろした。


西「お前らよく聞け。次俺を撃ッたりしたらソッコー殺す。
俺の足を引ッ張ッたりしても殺す」


本気なのは間違いなかった。

沈黙する人々に、穂乃果が呼びかける。


穂乃果「これでわかッた筈です!
この武器も服も本物ッ…私達はこれから殺し合いをしに行くンです!」


彼女は球体後方のラックから、次々と銀色のケースを取り出していった。


穂乃果「自分の名前が書かれたのを取ッていッて、中の服を着てください!
時間がない、早くッ!」

「コレ、何だよ。コスプレか?」


『鉄男』と刻印されたケースを手に取ったのは、サダコに撃退されたリーダー格。

ゾクを自称する他の面子も、『沼田』『西川』『中島』と刻印された物をそれぞれ開ける。


北条「そこのお婆さん、お孫さんにも着せてやッてくれ」

「は、はい…」


北条が老婆と少年にもケースを渡し、玄関へと誘導した。
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 01:48:00.67 ID:v9c9KvYeO

北条「よし、女は玄関の方行ッて…男はここだ。早く着替えてくれ」

稲森「うッわ、コレ裸になンねーと着れないのかよ」

「水着みてーなモンかぁ?」


稲森とゾク達が黒い服を不思議そうに眺めている。

男性陣の着替えのため、既に済ませたサダコも玄関に向かった。


穂乃果「私のは…あ、あッた。
海未ちゃんも早く行こ、転送が始まッちゃうよ?」

北条「おい園田、お前も早くあッちに---どうした?」


着替えの話になってから無表情で立ち尽くしている海未へ、北条が不審そうに問いかけた。


海未「穂乃果…北条さん……」


海未が2人に向き直る。
その声は震えていた。


海未「…スーツ、家に置いてきちゃいました……」


突然の告白。


穂乃果と北条が絶句する。

その一方で先ほどの剣幕は何処へ行ったのやら、西が「ふッ」と吹き出した。


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/01(木) 02:07:36.69 ID:v9c9KvYeO
終わります
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:02:48.33 ID:dHbYpGxLO
(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:02:56.84 ID:5mAPo0PkO
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:06.60 ID:roRXtdZbO
 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん〜! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:14.43 ID:y9132Pn4O
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:22.21 ID:tZovkVW/O
Aqoursの好感度スレまとめ

善子 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1482032895/

曜 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487678425/

ルビィ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487668185/

千歌 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487693644/
>>2
ダイヤ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487770928/

花丸 → http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1487777497/

梨子→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488373777/

果南→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488454481/

鞠莉→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488464531/
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:30.33 ID:CqMHJnJiO
ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:38.07 ID:MWQPFZE1O
初投稿です。別板で荒れたので立て直し。
ドラマ『電車男』のパロディ(ほぼパクリ)です。
キャラ崩壊オリジナル設定あり。
長くなりますがお付き合いください。
いくつかレスついたら始めます。

再開したんか
ここでも埋め立てくらったらここの方がいいよ
ラブライブ!ss総合【転載禁止】
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10627/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495543304
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:46.97 ID:2rGCMcvmO
真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:03:54.90 ID:nFSrf9ZwO
スレ汚し失礼します

★★★自治スレより重要なお知らせ★★★
>>2
ラブライブ!板で違反スレの乱立、スクリプトによる保守を目的とした板荒らしに対策するため板設定の変更に関する投票を行います
賛成/反対の投票ですので投票お願いします。


投票日:2017年3月12日


詳しくは
自治スレ、荒らし報告相談 Part.5
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1489154599/
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:04.13 ID:nmlM6sAaO
(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:13.02 ID:hYf0xbq1O
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:22.77 ID:ywMAXAnpO
 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん〜! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:31.78 ID:AT74/9C+O
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:40.93 ID:8RB7V0ycO
Aqoursの好感度スレまとめ

善子 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1482032895/

曜 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487678425/

ルビィ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487668185/

千歌 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487693644/
>>2
ダイヤ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487770928/

花丸 → http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1487777497/

梨子→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488373777/

果南→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488454481/

鞠莉→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488464531/
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:04:53.69 ID:Hhgl+ObDO
ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/01(木) 04:05:04.65 ID:JM0tRt59O
初投稿です。別板で荒れたので立て直し。
ドラマ『電車男』のパロディ(ほぼパクリ)です。
キャラ崩壊オリジナル設定あり。
長くなりますがお付き合いください。
いくつかレスついたら始めます。

再開したんか
ここでも埋め立てくらったらここの方がいいよ
ラブライブ!ss総合【転載禁止】
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10627/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495543304
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 19:27:18.91 ID:vw9ioAJ9o
埋め立てってどんだけ暇人なんだか
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:03:13.76 ID:Kj+TuvBHO

ーーーーー

海未「こッ…ここは…?」


転送されてまず視界に入ったのは、コンクリートのフロアに整然と並ぶ無数の乗用車だった。


海未「デパートか何かの駐車場、でしょうか…」


しかし周りに店舗への入り口は見られず、人影もない。
単なる立体駐車場のようだ。

ともかく、他のメンバーと合流しなければならない。


海未「穂乃果ぁ!
北条さん、サダコさん!」


呼び掛けるが返事はない。
建物の構造上、かなり響く筈だった。

柱に掛けられた案内図を確認する。


海未「…5階建て、ですか」


さらに屋上まである。

今彼女がいるのは1階。
他のメンバーの転送先が上階だった場合、声はそう届かないだろう。

敵が潜んでいるのはこの建物の内部であろうから一度外に出るという手もあるが、禁止エリアの存在が躊躇わせる。

銃を構え、周囲を警戒しつつ上階へ続くスロープを目指す。
部屋着のポケットには、予備の銃の他に刀も押し込んでいた。

もっとも、『あの服』無しで接近戦が出来るとは考えていないが。
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:03:57.17 ID:Kj+TuvBHO

海未「私はともかく……初めての人達が孤立していたら大変ですね」


特に注意すべきは老婆とその孫だ。

部屋で支給された戦闘服を着せ、また老婆には銃を持たせたとはいえ、実際に戦えるとは思えない。

あの青年達は------まだ大丈夫だろう。
見るからに修羅場を経験していそうな集団だった。

そもそもゾクとは何なのか。


海未「そういえば、あの服がないとディスプレイも使えません…」


『ねぎ星人』の時は、あれで大まかな標的の位置を確認できた。

今の彼女には防御手段に加え、索敵手段も無いのだ。

転送直後に仲間の名を叫んだのは、本当に失敗だった。

物音を立てぬよう、神経を張り詰めさせて移動する。


海未「ん……?」


キョォォォォォッ!


ふと、何処からともなく甲高い音が聞こえてきた。

周りの車両を見ても、特に音を発していそうなものは無い。
そもそも、どれもエンジンはかかっていないようだった。

上のフロアから、だろうか。

訝しむ海未の耳に、続いてバシュッ!という音が届く。
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:04:49.97 ID:Kj+TuvBHO

海未「まさかッ、星人の…!?」


誰かが襲われたのか。

小走りでスロープへと向かう。
彼女は一番端にあるミニバンを越え---


ドンッ


---そこから飛び出してきた人影と衝突した。


海未「痛ッ…」


尻餅をつく海未。

このフロアにも転送されてきた者が居たのか。
顔を上げる。



『雄三くん?』



人影の正体は、『人』ではなかった。


無機質なボディに、安っぽいペイントで描かれた服。

そして不気味な笑みを形作る、胡桃割り人形のような顔。


海未「……田中、星人」


今回の標的、田中星人そのものだった。


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:05:35.89 ID:Kj+TuvBHO

ーーーーー

立体駐車場、2階フロア。

黒いラバースーツのようなモノを纏った老婆とその孫である少年が、コンクリートの床に倒れ伏していた。

その服の所々に取り付けられた円形の金属パーツからは、ジェル状の物質が溢れ出している。


「お、ばあ、ちゃ……」


目、耳、鼻---顔中の穴から血を流しながら、幼い少年は隣の祖母へと手を伸ばす。
視覚も聴覚も嗅覚も、殆ど残っていなかった。


グチャ


老婆の頭に何かが振り下ろされ、彼女の脳漿を撒き散らす。


「ひッ、ひッ、ひッ---」


発狂し痙攣を起こす少年。
だがそれも長く続かなかった。


ドンッ!


少年の胴に、重たい何かが着地する。

破裂した腹部、また口から、赤黒い臓器が吐き出された。


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545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:06:14.51 ID:Kj+TuvBHO

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立体駐車場、3階フロア。


穂乃果「そッちッ!
なるべく広いとこで戦おうッ!」

北条「ちッくしょッ!なンでこいつら飛んでンだよッ!?」


転送先の目の前にいた、3体の田中星人。

足の裏からジェットエンジンよろしく推力を出して飛び、迫る来る彼ら(?)に、穂乃果も北条も逃げ惑うしかなかった。


北条「がぁッ!?」


急に加速した田中星人の1体が北条に突っ込み、車のボンネットへ押し倒した。


穂乃果「ほッ、北条くん!」


咄嗟に助けようとする穂乃果だが、彼女の前に残った2体が着地する。


『雄三くん?』

『雄三くん?』


などと、訳の分からない言葉を発した。


穂乃果「こんなのが、星人---宇宙人だッての…?」


回答に迷っていると、田中星人達の見るからに硬質な顔面の表情が、作ったような笑みから目を剥いて『怒り』へと切り替わった。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:06:49.40 ID:Kj+TuvBHO

ガチャリ、と田中星人達の口が上下に開いたかと思うと、その奥が発光し出した。

攻撃が来る。


穂乃果「ふッ…!」


自分でも信じられない程に素早く、黒い戦闘服のジョイントから銃を抜き出した。


ギョーンギョーンギョーンッ


より近い方の田中星人の胴に突き付け、迷わず撃った。


バババンッ!!


タイムラグを経て1体目の田中星人が爆散するのと、残りの個体の口から不可視の衝撃波が放たれるのは、ほぼ同時だった。


穂乃果「ぐッ…!?」


バシュッ、と風を切るような音と共に、穂乃果の体が後方へと吹き飛ばされる。


北条「おッ、おい高坂!?」


車の上で別の田中星人と揉み合っていた北条が叫ぶ。

その一瞬の動揺を突き、星人が北条の肩を押さえつけた。


コオォォォッ…


この個体も衝撃波を放とうと、口内にエネルギーを溜め始める。
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:07:28.15 ID:Kj+TuvBHO

北条「こンッ、のォッ!」


北条の戦闘服が、血管のような筋を浮かばせ膨張する。


北条「らァッ!!」


拘束を振り解き、北条の右拳が星人の?を捉えた。

星人は回転しながら斜め上に飛んでいき、天井の梁に激突して落下する。

北条は銃を抜き出し、四肢がおかしな方向に曲がり動かなくなった標的に撃った。

撃破を見届けるや否や、穂乃果と交戦する最後の1体へと駆ける。


北条「無事かッ!?」

穂乃果「なんとか!」


起き上がった穂乃果と北条で、星人を前後から挟撃する形になる。


穂乃果「お互いを撃たないように!」

北条「わかッてる!」


星人の頭部が180度回転し、北条の側を見た。
そして再度正面、穂乃果を向くと、その作ったような顰め面を元に戻す。


ダンッ!


そして足の裏からのジェット噴射で飛び上がり、駐車場の奥へと消えた。


穂乃果「逃げた…」

北条「追うか?」

穂乃果「ううん、こッちから攻める必要は無いと思う。
それより他のみんなと合流しないと…」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:08:02.83 ID:Kj+TuvBHO

周囲を見渡すと、長髪の女性、サダコがこちらへ向かってきていた。
戦闘の騒音を聞きつけたのだろう。


北条「うわ…」


ストーカーされている北条としてはあまり嬉しくないが、あの部屋でも助け船を出された以上ぞんざいには扱えない。


穂乃果「サダコさーん」


穂乃果で手を振ると、サダコも応じた。


北条「なぁ高坂、奴らの死体見てみろよ」


北条が、銃撃を受け爆散した2体の田中星人を指差した。

ロボットのように見えたが、その残骸からは血肉が飛び出し、また毒々しい色合いの羽毛や嘴まである。


穂乃果「何、これ……」

北条「鳥か?気味悪いな…」


こんな妙な連中が、地球を侵略する宇宙人だとでも言うのか。

訳が分からない。

それはともかく、まずは他のメンバーを探さなければならない。
特に新入りと戦闘服を着ていない海未は危険だ。


そして当然、他の星人も全滅させねば、帰る事は叶わない。


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549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:08:50.75 ID:Kj+TuvBHO

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立体駐車場、4階フロア。


鉄男、沼田、西川、中島---『ゾク』と称する4人の若者達は、部屋の球体に映っていた奇妙な人型の何かと対峙していた。


沼田「鉄ちゃん、こいつ田中星人だぜ」

西川「よくできてンなぁ」

中島「ンだよコイツ。撃ッていーの?」


余裕ぶって銃を突きつける3人と異なり、このグループのリーダーである鉄男は露骨に警戒心を露わにした。


鉄男「なンかおかしーッてそいつ。
離れた方がいーんじゃねェか?」

中島「何ビビッてンだよ、コイツ殺せばクリアなンだろ?」

西川「こーいうの興奮するぜホント」


この面々で唯一、長柄の銃を持ってきていた沼田が前に出る。


沼田「おッし、俺が殺る」


彼は銃口を田中星人の額に押し当てた。


沼田「あ、引き金2つあンだけどコレ」


そのまま振り返り、仲間に問う。

田中星人の口が開き発光し出した事には気づかない。
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:09:30.67 ID:Kj+TuvBHO

中島「どッちも引いたら出たぜ」

沼田「そーなの?ンじゃ、撃つわ」


バシュッ!!


引き金に指をかけた、その瞬間。

4人の中でも一番大柄な沼田の体が宙を舞う。


鉄男「ぬッ、沼田ッ!?」

西川「コイツッ、何か撃ッたぞ!」

中島「おッ、おい撃てよ!
撃て撃て撃てッ…!」


中島と西川が銃を撃とうとするも、寸前に田中星人は飛び上がっていた。

何もない空間を2つの銃口が照らす。


西川「さッ、3発で弾切れかよ!?」


乱射するとすぐに青白い照明が赤く変わった銃を見て西川が叫んだ。


鉄男「そンな事いーだろ!あいつ沼田んとこ飛ンでッたぞ!」

中島「やべッ、マジかよ!?」


床に転がる沼田のすぐ横に、田中星人がズンと着地する。

そして再び、その口内を発光させた。


沼田「じゅッ…銃落としたッ!
助けてくれッ!」


沼田が震えながら叫ぶ。
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/21(水) 20:09:34.47 ID:JC47hsjSO
おつかいのスレは間違っています
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/21(水) 20:10:04.89 ID:Kj+TuvBHO

鉄男「テメッ!!」


鉄男が田中星人の背後から飛びついた。

彼のスーツが膨張し、急激に筋肉が発達したかのように見える。

田中星人の硬質な体がミシミシと音を立てるのを、鉄男は感じた。


沼田「テッ、鉄ちゃんヤベーよ!
攻撃翌来るぞッ!」

鉄男「はァッ!?」


田中星人の頭部が180度回転し、その目は鉄男を見据えていた。
その口から、光るエネルギーが溢れ出る。


鉄男「ヤッベッ…!?」


鉄男が照準から逃れるべく首を捻ったその瞬間、田中星人の口内から不可視の衝撃波が放たれる。

それはコンクリートの床に命中し、反動で鉄男と田中星人が組み合ったまま宙を舞った。


鉄男「うおォッ!?」

西川「おッ、おい大丈夫かよ!」

中島「ンな訳ねーだろッ!加勢すンぞ!」


そう言って西川と中島が駆け寄り、銃を回収した沼田も続く。


鉄男「お前ら撃つなよッ!?
俺も巻き込むッて!」


倒れ込みながらも田中星人を離さずに、鉄男が叫んだ。
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:10:37.77 ID:Kj+TuvBHO

鉄男「おッ…おおォォォッ!!」


バキッ…


鉄男の締め上げが効き、ついに田中星人の胴に亀裂が入る。


沼田「鉄ちゃん…すげ…」

中島「やッ、やれるぞォッ!」


沼田達が見守る中。

パカり、と田中星人の頭頂が展開した。


鉄男「…は?」


唐突に抵抗が無くなる。


西川「なンか…見えてンぞ」


西川が、田中星人の頭部に見える空洞を指差した。


『ギィエエェェェッッ!!』


そこからズルリと飛び出したのは、毒々しい色の体毛を持つ二足歩行の鳥類。
羽は無かった。


鉄男「ンだよコイツ!?」

中島「逃げてくぞ!」


『ヒューッ、ヒューッ』


その鳥は荒く空気を吸いながら、ヨタヨタとその場を離れようとする。


鉄男「アイツ、息できてなくねェか?」

沼田「どーでもいーッて。
つーか、今なら殺せンじゃね?」
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:11:19.47 ID:Kj+TuvBHO

沼田が長柄の銃を拾い上げ構えても、鳥は反応しなかった。

スコープらしき物を覗いて照準を定め、2発続けて撃つ。


ギョーンッ、ギョーンッ


沼田「当たッたか?」

西川「さァ?」


バババンッ!


鳥の体、その上半分が体液を撒き散らして吹き飛んだ。


中島「すッげ、倒したじゃンか」

沼田「どーだよ!俺がヤッてやッた!」

鉄男「つーかアレ何もんなンだよ?
地球にいるか、あンな鳥」

西川「作り物にしちゃァ出来過ぎだよな」


田中星人の正体である鳥の死体に近付き観察する。
やはり見覚えなど無かった。


沼田「写真撮ッとこ……あ、ケータイあの部屋に置いてきた」

鉄男「時間もわかンねーな。
中島、西川…お前らは持ッて---」


振り向いて、気づいた。
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:12:37.10 ID:Kj+TuvBHO

並ぶ車両の間から、複数の人影らしき何かが顔を出している。


『雄三くん?』

『雄三くん?』

『雄三くん?』

『雄三くん?』

『雄三くん?』


たった今倒した田中星人が、5体。


鉄男「お前らぁッ!!
------まだ終わッてねーぞッ!!」


鉄男は咄嗟に叫んだ。


西川「どンだけいンだよ!」

中島「おい!どーする鉄ちゃん!?」

沼田「全部殺すッきゃねーだろッ!」


田中星人達の口が一斉に開く。

攻撃する気だ。


鉄男「ゾク…舐めンじゃねェぞォッ!!」


雄叫びを上げ突貫する鉄男に、全員が続いた。


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556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:13:48.25 ID:Kj+TuvBHO

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立体駐車場、5階フロア。


安っぽい塗装のされた金属の破片と羽毛の混じった血肉が、コンクリートの床中に散らばっていた。

そこで無傷で佇むのは、メンバー随一のベテランたる西と、前回は子供のねぎ星人を一方的に殺戮しただけの稲森。


西「ンでお前、何で俺に付いて来てンの」

稲森「まァ、そー言うなッて。一人よりか効率いいだろ?
足引ッ張ッたりしないからさ」


同じ階層に西を見つけるや否や、稲森は常に彼の後に付いていた。

分かりやすい生存戦略である。


稲森「てかさ、さッきのアレどーやッたのか教えてよ。姿消すヤツ」

西「教える義理とかねーし…つーか今、1匹獲物横取りしたよな?」


カチャリ、と長柄の銃の先を稲森に向ける西。

稲森は作り笑いを浮かべ、「いやいや」と反論する。


稲森「今の奴、例の見えないビーム出そうとしてたじゃん。
助けるつもりだッたンだッて」

西「余計なマネすンな。助けとか俺には要らねー」


攻撃の予備動作には気づいており、助けが要らないのは事実であるが、西としても稲森を遠ざける気はさして無かった。

戦力としてはおこぼれに与るだけの無能だが、敵の数が多い今回のミッションにおいて囮は居るに越した事はない。
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:14:37.09 ID:Kj+TuvBHO

西「このフロアの連中は片したか…」


戦闘服の左手首から立体映像を表示し、確認する。

敵影はゼロだった。


稲森「どーすンの、上行く?下行く?」

西「まず上、屋上だ」


西がスロープへと進み、稲森も続く。

屋上の駐車場にも、屋内フロア同様多くの車両が停められていた。

しかし田中星人は見当たらない。


稲森「屋上にはいないのか」

西「いや、来るぞ」


立体映像に逆三角形で表示される敵影。
駐車場を表しているであろう四角形のエリアの外から、ソレが一つ、高速で近付いていた。


西「…飛ンでやがる」


これまで撃破した田中星人とは、恐らく性質の違う相手だろう。


稲森「飛ンでるッて……あッ!」


頭上を見上げた稲森が声を上げた。

巨大な何かが風を切り進む音が、西の耳に届く。


西「ははッ、来やがッたッ!」
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:16:22.92 ID:Kj+TuvBHO

西は歯を剥き、獰猛に笑った。

そして遂に、上空から漆黒の存在が飛来する。


『グルルルァァァァァッッッ!!!』


全長5mは軽くあるだろう。
強靭な翼に、鋭い歯の並んだ嘴。

ファンタジー作品に登場するような怪鳥が、田中星人のボスだった。


稲森「おッ、オイオイオイッ!?」

西「随分とでッけーカラスじゃねーか」


動揺する稲森とは対照的に、西は平然と銃のスコープを覗いていた。


稲森「こッンなのッ、どーやッて倒すンだよッ!?」

西「別に…、ふつーに殺ればいンだよ」


漆黒の怪鳥が2人を睥睨する。

視線を向けられた途端、稲森は西と同じ銃を震えながら構えた。


『許…すまじ……小さき者共……』


地の底から響くような低い声が、怪鳥から発せられた。
不思議とソレは、女声であるように感じられる。


西「喋ンのかコイツ。珍しーな」


相変わらず西は動じなかった。
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:17:03.37 ID:Kj+TuvBHO

『我が子らを殺めた者共……この身滅ぶまで滅してくれよう…ッ!』


怪鳥が翼を大きく広げ、飛び上がる。
突風が西と稲森を直撃した。


『覚悟せよッ!!小さき者共ッ!!』


咆哮しながら、怪鳥が迫り来る。


西「じゃーな」


ほぼ同時に、パチパチと火花を散らしながら西がその姿を消した。


稲森「えッ…?はあぁぁぁッ!?」


当然の事だが、怪鳥の狙いは稲森に絞られてしまう。


『グラァッ!!』


稲森「あッ、あぁッ、チクショォッ!?」


ギョーンギョーンギョーンッ


錯乱しながら銃を乱射する彼の目の前に、怪鳥の嘴が突き出された。


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560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/21(水) 20:17:37.32 ID:Kj+TuvBHO

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『雄三くん?』

『雄三くん?』

『雄三くん?』


気づけば、囲まれていた。


海未「えッ、と……」


立ち尽くしたままの海未だったが、銃だけは固く握り締めて離さなかった。


ところでこの問い、どう返すのが正解なのだろうか?


『雄三くん?』


また同じ質問。

意を決し、海未は答える。


海未「は、はい……そうです…」


肯定すれば見逃して貰えるかもしれない、などという思いがあった。


『スイカの名産地?』


しかし、さらに意味不明な質問を投げかけられる。
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:18:28.62 ID:Kj+TuvBHO

海未「すッ、スイカ…!?」


3体分の視線が突き刺さる。


海未 (何処ですかソレ!?)


全く、本当に全く知らなかった。


海未「や…、山梨」※正解:熊本等


勘で答え、恐る恐る田中星人達の顔色を伺う。

いつの間にか、作ったような笑みが顰め面へ豹変していた。


海未「ちッ、違ッ…!本当は…えッと…」


慌てて訂正を図る海未だが、もう遅い。

田中星人達の口が一斉に開き、甲高い音と共に発光し出す。


海未「ちょ…!?嘘ですよね!?」


戦闘は避けられない。

一か八かで銃を1体に突きつけた。


海未「やッ、やめなさい!
撃ちますよッ!?」


だが、田中星人達には通じなかった。
そもそも銃が何なのか理解していないのかもしれない。
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:19:04.20 ID:Kj+TuvBHO

海未「------!」


ならば、やられる前に。


ギョーンギョーンギョーンッ


1体目に銃撃を浴びせ、同時に星人達の間を縫って飛び出し、脇目も振らずに駆け出した。

そして背後から爆発音が響く。


海未「やりましたかッ!?」


距離を取り背後を振り返ると、銃撃した田中星人の上半身が消失し、残された下半身から鮮血が噴き出して残り2体を濡らしていた。


海未「やッた…」


その2体の口内もいつの間にか発光しなくなっていた。
両目を見開き、驚いたような表情を形作っている。



ギロッ…



次の瞬間、先ほどよりも数段険しい2つの『顰め面』が海未に向けられる。


海未「あ---」


前回戦った巨大なねぎ星人と同程度に痛烈な殺気を感じた。
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:19:44.45 ID:Kj+TuvBHO

海未「だッ…!誰かッ!!」


つい助けを求めてしまう。

そんな海未の目の前で2体の田中星人がロケットの如く飛び上がった。


海未「はッ、はぁッ!」


回れ右して逃亡を図るが、あの服のアシスト無しでまともに立ち回れるはずがない。

文字通りの一瞬で追いつかれ惨殺されるのがオチだろう。


海未「こうッ、なッたらッ!」


手近な車両のボンネットに跳び乗る。
制服より多少は動き易い部屋着なのが幸いした。
予備の銃を左手で掴む。


海未「燃料は…この辺ですねッ!」


ギョーンギョーンギョーンッ

ギョーンギョーンギョーンッ


車両の上を伝いながら銃を車体に乱射し、そのまま飛び降りた。

今出せる限界の速度でその場を離脱する。
銃の照明はどちらも赤くなっていた。


ドゴォォォォッ!!


銃撃とは比べ物にならない爆音がフロア中に轟く。

直接撃った車両が、両隣のものも巻き込んで爆発したのだ。
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:20:25.33 ID:Kj+TuvBHO



『ギェェェェッ!?』


田中星人1体が爆発に巻き込まれて吹き飛び、転がる。

頭部がスライドし、毒々しい体毛の鳥が叫び声を上げて飛び出す。


海未「なんですかアレッ!」


二足歩行をしており、翼は無い。
喘ぎながら周囲を走り回るが、目に見えて衰弱していっていた。


『ヒューッ、ヒューッ…』


最後の星人が海未の前に着地した時、その鳥は倒れ込み、そのまま動かなくなった。


海未「呼吸ができない…のですか」


ともかく、ついに一対一に持ち込めた。

チャージを終え撃てるようになった二丁の銃を目の前の田中星人に向け---


バシッ


海未「---えッ?」


彼女の動体視力を遥かに超えるスピード。

一歩踏み出し距離を詰めた田中星人が右腕を振るい、両手に握った銃を瞬時に払い落としたのだ。
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:21:52.03 ID:Kj+TuvBHO

海未「いッ、たッ…!」


手首にビリビリと激痛が走る。
捻挫したかと感じるほどだ。

確かに海未は2体の星人を仕留めた。
だが、1体目は単なる不意『撃ち』に過ぎず、2体目も似たようなものだ。


---つまり、こちらが手を晒したここからが本番である。


海未「忘れて、いました……星人は……」


人間より、強い。


ブンッ!


ボクシングでいうところのコンビネーションよろしく、右腕を戻す動きと合わせて左腕が振るわれる。


海未「くぅッ…!」


反射的にバックステップをとる海未。

膂力はともかく、彼女の運動神経はそこいらの高校生と比べ数段上である。

武道の経験が活きた。


ブンッ、ブンッ、ブンッ!


顔の向きだけは海未を見据えたまま一切変えずに同じ動きが繰り返される。
単純な動作だが、一発で相当なダメージになるであろう。

油断はできない。
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:22:57.31 ID:Kj+TuvBHO


コオォォォッ…!


田中星人の口内が再び発光する。

先ほどは仲間を撃って中断させたが、間違いなく強力な攻撃を放つのだろう。


海未「そンッ、な…」


パンチの回避で手一杯の海未に、対策する余裕は無い。

武器はポケットの刀のみ。


海未 (…そういえばこの刀、どこまで伸ばせるのでしょうか)


不意にそんな事に思い至る。


海未 (ボタンを押せばいくらでもいけるなら…!)


何度目か分からないパンチを、今までより大きく跳び、避ける。
ポケットに手を入れ、刀を素早く取り出した。

後方へ移動しながら円柱形の鍔を星人へ突き出す。


海未 (狙うなら……体内ッ!)


発光する口に狙いを定め、握りと鍔の間にあるボタンを押した。

高い音を出し滑らかに伸びていく刀身。
一般的な長さを超えても止まらなかった。

比例して質量が増大する。
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:23:44.14 ID:Kj+TuvBHO

海未「おッ、もい…!」


金属製である以上、刀とは重い物である。

取り落とさぬよう気を張りながらも、切っ先を星人の口にかける。


海未「---はぁッ!!」


そこからは一切躊躇なかった。

仲間を銃撃された時同様に目を見開く田中星人の体内へ、柄頭に右手を添えて刀を押し込む。


海未「らああァァァッ!」


ブチブチと肉の裂ける音が聞こえる。

田中星人の四肢はもう動いていなかった。


『ギッ、ギェェッ!?』


海未「早ッくッ…!
死になッ…、さいッ…!」


田中星人の口から血液が溢れる。


キュゥゥゥン…


そして遂に、機械仕掛けの体がその機能を停止した。


海未「---ふッ」
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:24:15.16 ID:Kj+TuvBHO

星人に背を向け、一気に刀身を引き抜く。


ビシャァァッ!


鮮血が勢いよく飛び出し、海未の背中を濡らした。


海未「やッた…」


勝利と同時に、激しい脱力感に襲われる。
無理もない事だった。

周囲に新たな敵影がないのを確認し、海未は手近なセダンのボンネットに座り込む。


海未「…穂乃果と、合流する前に…少し、休憩を---」


荒い呼吸を整える。

そういえば、星人に飛ばされた銃も回収せねばならなかった。
また敵と遭遇する直前に上層から聞こえた攻撃らしい騒音も気にかかる。


だが今は、疲労に勝つ事は叶わなかった。


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/21(水) 20:24:43.98 ID:Kj+TuvBHO
終わります
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/22(木) 02:13:05.48 ID:Qjbk9ITRO
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/22(木) 02:13:15.50 ID:szV7ANmLO
>>569
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/22(木) 02:13:23.75 ID:EWmAOL4eO
>>568
穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496555035/

ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ

穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net
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573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/25(日) 09:21:17.27 ID:wetHYdPSO
気力のない荒らしだな
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/30(金) 20:41:17.00 ID:GIEhTDC/O

ーーーーー

穂乃果「5体…あと5体いる」


戦闘服の左手首から表示される立体映像を見て穂乃果が言った。


北条「どうする高坂、全員で行ッて倒しちまうか?」

穂乃果「そうしたいとこだけど、初めての人達や海未ちゃんと合流しないと。
他にも敵はいるだろうし」

北条「つッても制限時間があッたろ。
1時間で全部倒さなきゃなンなくて、もう15分は経ッてる」


北条も立体映像を出し確認する。

西あたりが他の敵を全て殲滅してくれれば有難いが、それは甘い認識だろう。


穂乃果「なら私は他の人を探してくる。
2人はこのフロアにいる敵を、1体でいるのから各個撃破してくれない?」

北条「おい、1人で行動する気かよ?」


ストーカーと組む事以上に、単独行動を許すのは乗り気になれない。


穂乃果「戦闘はできるだけ避けるから大丈夫…。
やっぱりあのお婆さんと小さい子や、この服着てない海未ちゃんが心配だから」


よろしく、と言うと、穂乃果は他のフロアへと続くスロープへ走って行った。
こちらを振り返り、人差し指を立て下に向ける。
1・2階から回るつもりのようだ。
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/30(金) 20:41:50.61 ID:GIEhTDC/O

北条「大丈夫かなアイツ…、とにかく俺らも動くぞサダコ」


立体映像を今一度確認すると、手近な位置にいる光点が別のものへ接近していた。

恐らく先ほど逃げた星人だろう。
仲間と合流し北条達の存在を伝える気だ。


北条「ちッ、5体同時に来られたら流石にやべーッて…!」


まずはこの2体を排除すべきだろう。

そう判断し、北条はサダコを手招きして進んだ。


サダコ「……」


相変わらず何も喋らない不気味な女であるが一応戦闘に参加する意思はあるのか、長柄の銃をしっかりと保持していた。


北条「なぁ、そッちの銃ッてなんか機能付いてンのか?」


言葉は無い。
まさか照れているのか。

ともかく、武器については把握しておきたいところだ。

北条や穂乃果が使った拳銃サイズの物とは違い、サダコの持つ銃の長い銃身にはポンプアクションショットガンのようにスライドが付いている。

一方で、側面からはスコープが突き出し、またストックもある。

散弾銃なのか狙撃銃なのかわからない。
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/30(金) 20:42:27.05 ID:GIEhTDC/O

北条「…あ」


そのような事を考えているうちに、空いた駐車スペースに立つ2体の田中星人が視界に入った。


ギョーンッ


不意に銃のサウンドが鳴る。


北条「サダコ?」


北条の後ろに続いていたサダコがスコープを覗き撃ったのだ。


バンッ!


発射から間を開け、田中星人の1体が爆散する。


北条「すッげ……当てやがッた」


いちいち感嘆している余裕は、勿論ない。

残りの一体はしばし目を丸くし驚いていたが、北条達に気付くと即座に行動に出た。


ガチャンッ


田中星人の右腕と左足が90度曲がる。

その次の瞬間には、滑稽さすら感じる機械的な姿勢を保持したまま駆け出してきた。
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/30(金) 20:42:59.01 ID:GIEhTDC/O

北条「おッ、おいおい!?
コイツ走れンのかよッ!」

サダコ「ッ…!」


ギョーンッ


サダコが再び狙撃するも、田中星人は速度は維持したままクルリと方向転換し、その射線から逃れていた。


ドンッ!


コンクリートの太い柱が銃撃を食らい抉られる。
飛んだ破片が周囲の車両を凹ませた。


北条「動き回られちゃ銃はダメだ!
下がッてろッ!」


北条が前に出て仁王立ちする。

田中星人は彼に向け真っ直ぐ進んだかと思うと、床を蹴って滑空に移行した。


北条「ぐぅッ…!?」


頭から突っ込まれるも、北条は辛うじて田中星人を受け止めた。


コォッ!


田中星人も負けじとばかりに推力を上昇させる。
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/30(金) 20:43:31.22 ID:GIEhTDC/O

北条「うッ、おォッ!?」


力負けし、北条の足が床を離れた。

咄嗟に田中星人から手を離すが、逆に向こうが北条の胴に組みついていた。

田中星人は北条を拘束したままフロアを滑空しつつ、何度も高度を下げて彼を硬い床に叩きつけた。


ガンッ! ガンッ! ガンッ!


衝撃を受け、戦闘服の円形パーツから甲高い音が響く。


北条「やッべッ!壊れるッ、てッ…」


留めとばかりに、田中星人が口内を発光させ出した。


北条「こッンのッ、離せッ…つのォッ!」


血管のような筋を浮かべ、北条の右腕が膨張する。


北条「はあぁぁッ!!」


今にも何かを発射しようとしていた田中星人の顔面に、北条は渾身の力で拳を叩き込んだ。

金属製の無機質な顔が潰れ、ヒビ割れた箇所から体液が溢れる。

続いて、ポンッと田中星人の頭部が丸ごと吹き飛んだ。
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/30(金) 20:43:58.09 ID:GIEhTDC/O

北条「うわッ!?」


田中星人の残骸と共に落下し、北条はコンクリートの床に仰向けに倒れる。


北条「いッてー…急に爆発しやがッて、エネルギー充填してたッてとこか?」


食らっていたらマズかっただろう。

動かなくなった敵を押し退け起き上がる。
サダコが駆け寄って来るのが見えた。


北条「あと3体だ。とッとと済ませよう」


立体映像を確認する。

残りの星人はバラバラにこのフロアを動き回っており、近い位置にも1体いた。


北条「やれそうだッたら狙撃してくれ」


そう言うと、サダコはコクリと頷く。


北条 (なんつーか、段々コイツに慣れてきてねぇか?俺)


などと思いながら、北条は歩き出した。


ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/01(土) 02:54:43.22 ID:8Xm68aqSO
(・8・ )

( ・8・)

( ・8・ )わかった、この話はやめにしよ?はいチュンチュン
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:13.93 ID:66TdBpZWO
>>82
>やっぱりちかっちはみかんだよね
http://q2.upup.be/f/r/FqMXUU3jso.jpg

初投稿です。別板で荒れたので立て直し。
ドラマ『電車男』のパロディ(ほぼパクリ)です。
キャラ崩壊オリジナル設定あり。
長くなりますがお付き合いください。
いくつかレスついたら始めます。

再開したんか
ここでも埋め立てくらったらここの方がいいよ
ラブライブ!ss総合【転載禁止】
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10627/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495543304
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:21.17 ID:CKmECa+mO
>>580
穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496555035/

ダイヤ「ルビィ……手を握りましょう、少しは安心できるかもしれませんわ」ギュ

ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」プルプル

ダイヤ(やはり……怖くないなんてことありませんわよね……)


果南「ルビィ、難しいとは思うけど……身体を強張らせてると余計に辛くなるから」

果南「できる限りリラックスした状態でいてね?」

ルビィ「は、はい……」
果南「……話は済んだかな?」ゴムソウチャク

ルビィ「…………」ビク...


鞠莉「ルビィ……膝枕、ここに頭を乗せて?」ポンポン

ルビィ「はい……」スッ...


果南「ダイヤ……そんな遠くにいないでルビィの傍で励ましてあげてよ」

ダイヤ「……わかりました」スタスタ

穂乃果「ベイスターズファイトだよっ!」 Part69 [無断転載禁止]©2ch.net
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583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:29.18 ID:CSKeoc8yO
>>580
9 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:32:29.95 ID:DV9Bek1G
曜「梨子ちゃん♪行こ?」
>>2
梨子「え、ええ…」

曜「どう?学校には慣れた?」

梨子「うーん…まだ、かな…
曜ちゃん以外に喋る子あんまりいないし…」

曜「そうなの?そっかぁ…」

梨子「うん…」

曜「さ、着替えよっか」

梨子「そ、そうね」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:37.02 ID:hwRUkR2SO
1 名前:名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止 [sage] :2017/03/11(土) 00:24:27.16 ID:DV9Bek1G
アニメ本編とは別時空です
>>2
梨子「はぁ…転校して来た途端変な人に絡まれるし付いてないな…私…」

曜「ん?あっ、転校生の子だ♪」

梨子「あ、どうも」ペコリ

曜「千歌ちゃんに追いかけられてばっかりで大変そうだね」アハハ

梨子「千歌ちゃん…あぁ、うん…そうですね…」

曜「んーと…同い年だからタメ口でいいよ?」

梨子「そっか、じゃあそうするね
えーっと…」

曜「あっ、私?私は渡辺曜!曜でも曜ちゃんでも好きに呼んでね♪」

梨子「ふふっ、じゃあ曜ちゃんて呼ぼうかしら」

曜「了解♪じゃあ私は梨子ちゃんって呼ぶね!」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:45.08 ID:ojTARSKQO
真姫「さっきのハンバーグの肉汁を無駄なく利用するためね」

曜「フライパンにトマト缶、水、コンソメを加え、煮立てる」

真姫「このために深めのフライパンを使うのね」

曜「煮立ったらハンバーグ、エリンギを加え、再び煮立たせる」

曜「煮立ったら弱火だよ」

曜「このとき砂糖、ソースを加え、塩、ブラックペッパーで味を調えておこう」

曜「アクを取りながら弱火で約20分煮込む」
http://imgur.com/6IvFaq1

真姫「20分…。暇ね」

曜「煮込み時間は長くすると濃厚になるけど、煮込みすぎるとハンバーグがカチカチになるから様子を見ながら気を付けてね」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:48:52.89 ID:Y/inWQb2O
Aqoursの好感度スレまとめ

善子 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1482032895/

曜 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487678425/

ルビィ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487668185/

千歌 →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487693644/
>>2
ダイヤ →http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1487770928/

花丸 → http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1487777497/

梨子→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488373777/

果南→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488454481/

鞠莉→ http://karma.2ch.net//test/read.cgi/lovelive/1488464531/
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:49:00.75 ID:2PYXSPqeO
スレ汚し失礼します

★★★自治スレより重要なお知らせ★★★
>>2
ラブライブ!板で違反スレの乱立、スクリプトによる保守を目的とした板荒らしに対策するため板設定の変更に関する投票を行います
賛成/反対の投票ですので投票お願いします。


投票日:2017年3月12日


詳しくは
自治スレ、荒らし報告相談 Part.5
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1489154599/
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:49:15.46 ID:WrdNB4ltO
>>586
 包装を破いて、お二人の口に突っ込みます。

「んん〜! 甘い! うまい!」

「なにこれ! あまーいっ! すごーいっ!!!!」

 二人の顔がほころぶのをみると、こちらも差し上げた甲斐があるというものです。

「だいぶ回復されましたね? ではもう一度トロッコを漕いでください」

「え?」

 二人の顔が固まります。

「で、でもこの先って……」

「谷だよねー?」

「ええ、谷です。安心してください、飛びますから」

「はぁ!?」

「え!」

 ジャガーさんは驚愕、カワウソさんは期待の表情を浮かべました。

「と、飛ぶって!? あんた鳥のフレンズなの!?」

「いいえ、違います」

「じゃあ無理だよ!」

「大丈夫です。ここからスピードをつけてれば、谷を飛び越せるかもしれません」

「飛び越せなかったら?」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:49:22.94 ID:dT6cdIecO
>>585
(数分後)

曜「粘りが出てきたね。それくらいでいいかな?」

曜「それを4等分にして、空気を抜き小判型に丸め、真ん中を少しへこませておいて」

真姫「…うん」コネコネ

曜「ハンバーグ(タネ!)完成」
http://imgur.com/C3GvPwb.jpg

曜「その間にフライパンに油を少しひいて暖めるね」

曜「このときフライパンは深めなのを使うとあとあとの処理が捗るよ」

曜「充分に暖まったら、並べ強火で焦げ目が付くまで焼く」ジュー
http://imgur.com/QusePK0.jpg

真姫「ふむふむ」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/01(土) 03:49:31.98 ID:JzmkhKpkO
>>582
>>82
>やっぱりちかっちはみかんだよね
http://q2.upup.be/f/r/FqMXUU3jso.jpg

初投稿です。別板で荒れたので立て直し。
ドラマ『電車男』のパロディ(ほぼパクリ)です。
キャラ崩壊オリジナル設定あり。
長くなりますがお付き合いください。
いくつかレスついたら始めます。

再開したんか
ここでも埋め立てくらったらここの方がいいよ
ラブライブ!ss総合【転載禁止】
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10627/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495543304
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/01(土) 15:59:53.51 ID:D0pPZvBe0
荒らしのせいでイマイチ見辛い
エタった前スレの方が見やすいならURL知りたい
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