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川д川 ウホウホ!!鎮守府に颯爽と登場した貞子ゴリラ、トランスフォームウホ!! - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:01:35.33 ID:wOJezbEi0
提督「触ってねえよテキサスクローバーホールド極めるぞ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1425908876/

【艦これ】武蔵がチャリで来た
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428585375/

加賀「乳首相撲です」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429706128/

【艦これ】ウンコマン あるいは(提督がもたらす予期せぬ奇跡)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431856590/

時雨「流れ星に願い事」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1464825792/

【艦これ】居酒屋たくちゃん〜提督のクソ長い夜〜
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468896662/

磯風「蒸発した……?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477871266/

【艦これ】加古ちゃん空を飛ぶ、めっちゃ長く飛ぶ、すごい
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1479816994/

鈴谷「うわ不思議の国こわい、キモい」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484788439/

【艦これ】ヒトミとイヨの恰好がスケベなので
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493211800/


ゴ リ ラ 要 素 無 い で す
ゴリラは出てきませんしゴリラがトランスフォームもしませんしペッチャンコになったりもしません

今回のお話は◆vVnRDWXUNzh3さん作の『川д川 ある鎮守府が呪われたようです』の後日談になります ※許可貰いました
先にこちらのお話を読むとより一層楽しめるかもしれないし、楽しめないかもしれません。人によります
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493264370/


・提督の表記は『( T)』になっています。マスク超人です
・下ネタどころか今回ネタ詰め込み過ぎて大変な事になってる
・提督はドウェイン・ジョンソン並みのマッスルです
・ワイルド・スピード観た?最高やったな
・最終回……?何それ?新しい遊びっぽい?
・大型AAを使用しています。PCからの閲覧推奨です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494169295
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こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

エルヴィン「ボーナスを支給する!」 @ 2024/04/14(日) 11:41:07.59 ID:o/ZidldvO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713062467/

さくらみこ「インターネッツのピクルス百科辞典で」大空スバル「ピクシブだろ」 @ 2024/04/13(土) 20:47:58.38 ID:5L1jDbEvo
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暇人の集い @ 2024/04/12(金) 14:35:10.76 ID:lRf80QOL0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1712900110/

ミカオだよ。 @ 2024/04/11(木) 20:08:45.26 ID:E3f+23FY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1712833724/

アルミン「どうやら僕達は遭難したらしい」ミカサ「そうなんだ」 @ 2024/04/10(水) 07:39:32.62 ID:Xq6cGJEyO
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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:02:59.67 ID:wOJezbEi0
川д川「はーい!!いつもニコニコあなたの隣に這い寄る悪……」


( T)「」


川д川「霊……ニャルラトサダコ……」


( T)「てめぇ……」ガタッ






川;д川「脱兎の如し!!」ダッ!!


(#T)「待てオラ!!!!!!!!」ダッ!!




3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:03:39.33 ID:wOJezbEi0





〜川д川 ウホウホ!!鎮守府に颯爽と登場した貞子ゴリラ、トランスフォームウホ!!のようです〜





※ゴリラ要素はありません
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:04:59.50 ID:wOJezbEi0
(#T)「どこ行きやがったァァァ!!!!!!!」


う〜、怨念怨念。今、悪霊を追いかけて全力疾走してる俺はごく普通のマッスル司令官
強いて違うところをあげるとすれば筋力がやるせないほどパネェってとこかナ――― 名前は好きに呼べ


(#T)「チクショウ貞子あの野郎ォォォ!!!!!!」


恐らく皆さんは『えっなんでこいつ開幕早々キレてんの?キッショ、コミュ抜けるわ』とか思ってるのだろうが、ちゃんとワケがある
実は先日、『余所の鎮守府に悪霊が出現したので退治して欲しい』と知り合いからの依頼を受け、直々に出向いたのだが


(#T)「オアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」


倒したと思ってもすぐに出現するなんか水回りのカビみてーなしつこいタイプだったらしく
帰ろうとしては呼び止められを数回繰り返しようやく除霊(物理)した。まさかアロガント・スパークまでお見舞いすることになるとは

と、安堵してた矢先に今度はウチに現れた。電源入れてもいねーテレビから、ヌルッと出てきやがった
何でも被害に遭った伊58(いごっぱち)が言うには、クソ映画超映されてテンションがた落ちのテレビは特に入り込みやすいのだと。何言ってんだこいつ
やだ……心辺りあり過ぎ……モンスター・トーナメントとかいう時間ドブ捨て映画なんか観なきゃよかった……


(#T)「前は余所様の鎮守府だったから賢い喋り方と比較的紳士的なプロレスで勘弁してやったが今度はホームグラウンドだァ!!!」

(#T)「悪魔超人軍もドン引きするくらいの凄惨かつ残虐なプレイでぶち殺してやるァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


<死んでる


(#T)「そこかァ!!!!!!!!」ダッ!!


<話が通じない蛮族マジ怖い!!!!!!!
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:06:12.55 ID:wOJezbEi0
(#T)「ラーイ!!!!!!!!!!!!!!!!!」バァン!!


不知火「!?」

早霜「!?」


飛び込んだのは図書室である。二話連続で冗談にならないレベルのトラブルを持ち出しやがった部屋である。二話連続って何だ
お行儀よく読書していたのは、鎮守府のトラウマ映画四天王こと不知火と早霜。残り二人は皆さんご存知俺とヒトミだ。よろしく


(#T)「今ここに貞子みたいな女が現れなかったか!?」

不知火「ル、ルパンごっこですか?」

(#T)「ちっげーよまた古いコピペ引っ張ってきやがって!!」

早霜「貞子……フ、フフ……私の事かしら……?」

(#T)「違う違う!!クソ腹立たしい事に貞子3Dで八代目貞子を演じた橋本愛みてーな貞子!!」

不知火「では貞子なのでは?」

早霜「貞子みたいな女と言うから、誤解してしまったではないですか……」

(#T)「チクショウ俺の説明が悪かった〜〜〜〜〜〜!!とにかく、来なかったか貞子が!!!!」

不知火「いえ、一時間ほどここに居ますが、我々以外誰も……」

川д早霜「そんな素敵な出会いがあるのなら、私が気づかないはずがありませんし……」

不知火「ええ、その通……!?」


→川д早霜


不知火「!?!!??!??」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:07:20.78 ID:wOJezbEi0
( T)「そ、そうか。悪いな読書の邪魔をして……余所を当たるわ……」

不知火「しれっ……司令!?」

( T)「お邪魔しました」パタン


そっか、ここにはいなかったか。俺の思い違い……


(#T)「ってなるかボゲオラァーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」バァン!!


川;д川そ「オギャーーーーーーーーーーーー!!!???完璧なカモフラージュだったのにーーーーーーーー!!!!!????」


(#T)「1レス前見返してみろやテメェーーーーーーーーー!!!!露骨にはみ出してんだよ!!!!!!!」


【お分かり戴けただろうか……もう一度ご覧頂こう……】


→川д早霜 キャーーーーーーーーーーーーーーー!!


【早霜の背後からはみ出しているのである……】


不知火「早霜、貴方の背後……」

早霜「背後?あら、本当に貞子……」

川д川b「超絶可愛い貞子ちゃんにおまかせってね!!」

早霜「フフ、ウフフ……憑りつかれてしまったようね……」

(;T)「嬉しそうにすんな!!」

不知火「私が気づかないはずがない(笑)」

早霜「不知火さん、屋上……」ガタッ

(;T)「落ち着け早霜」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:08:21.62 ID:wOJezbEi0
不知火「この方はどちらから?呪いのビデオでも嗜まれていたのですか?」

早霜「ズルいですよ司令官……私たちも呼んでくださらないと……」

(;T)「ちげーよちょっと説明がめんどくさいから簡略化するけどかくかくしかじかだ」

不知火「はぁ、他所の鎮守府に出現した貞子さんを除霊(物理)したかと思っていたら、今度はウチに現れたと」

早霜「駄作映画を映させられ気分が落ち込んだテレビがあれば何処にでも現れると……フフ、ドンピシャね……」

川д川「ダイソン並みの吸引力でしたね。いやー、SAN値一桁台のテレビなんて初めてでしたよ」

( T)「ところで、今からぶち殺されるってのに随分悠長に構えてんなクソアマ。キャメル・クラッチで下半身とバイバイして貞子ラーメンになる覚悟はとっくに出来てるってか?」

川д川「死んでる」

( T)「じゃあ死ぬほどの苦痛を受けても死ねないって事だよな?」

川;д川そ「怪異に対してここまで攻め気な人初めて!!待って話を聞いて!!」

( T)「断る」ガッ!!


貞子の首根っこを掴み、早霜から引き剥がそうとする。しかし


早霜「グッ……!?」

( T)「ッ!!」


早霜の首に『手形の跡』が浮かんだのを見て咄嗟に放した
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:13:17.89 ID:wOJezbEi0
川;д川「ハッ、ハァ……ゴホッ、この人やべえ容赦ねえー……」

( T)「オイこのボケ。早霜に何しやがった」

川;д川「ボケも何も、ちょーっと強く結びつき過ぎたと言うか……」

( T)「解るように言え殺すぞ。解るように言っても殺すが」

川;д川「ヒエッ、た、例えるなら『スタンド化』してしまったようなものでして……」

不知火「司令、ここを」


不知火が指をさす先は、早霜の手首。貞子のクソ汚ぇ黒髪が手錠のように巻き付いている


(;T)「貞子へのダメージが早霜にも返ってくるって事かよ……」

川д川「Exactly(そのとおりでございます)」

早霜「あらあら……厄介な事になりましたね……」ワクワク

不知火「楽しそうね」

早霜「フフ、そう見えますか……?」

( T)「楽しんでる場合じゃねえんだよ。こいつ無差別にトラブル巻き起こすクソめんどくせえ存在なんだよ」

不知火「あら、七日後に死ぬ定番の呪いでは?」

川д川「前の作品(作者別)でも言いましたが、私そこまで強力な呪いは使えませんよ?精々全ての建造レシピで那珂ちゃんが建造される確率が80%になるだけで」

( T)「大当たりじゃねーか」

不知火「ジャックポットかしら?」

早霜「何一つ損は無いわね……」

川д川「那珂ちゃんが愛され過ぎてて引く」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:14:41.58 ID:wOJezbEi0
( T)「そもそもウチは基本的にドロップか余所で問題起こした艦娘を引き取って戦力にしてるから、そこまで困らないとして」

( T)「問題は80%那珂ちゃん以外にも地味でありながら微妙にキッツい呪いを巻き起こすことなんだよ」

不知火「例えば?」

( T)「俺が出向いた鎮守府だと龍驤のパッドバレとか、初……初……」

早霜「初月さん?」

( T)「いや違う地味な方」

早霜「初雪さん」

( T)「そうそれ。初雪のレズバレとか」

不知火「地味な方で思い浮かぶのも結構酷いですね。まぁ、ウチには居ませんが……」

( T)「後は弥生がボイスロイドになったり、こ……こ……こひ?」

早霜「子日さん」

( T)「そうそれ。子日がミッキーになったり」

早霜「ローク?」

( T)「違ぇよディズニーの方だよミッキーって聞いて真っ先に『レスラー』の方のミッキー思い浮かぶ奴そういねえぞ?」

不知火「艦隊に居ないからといって艦娘の名前がすぐに思い浮かばない司令もどうかと」

川д川「すっげえやここの鎮守府夢の国案件にも容赦なく突っ込んでいく」

( T)「いやディズニーも結構他作品のオマージュやってるし……最近だとモアナと伝説の海でマッドマックスやったり」

早霜「モンスターズ・ユニバーシティでは、『キャリー』の名場面が再現されてましたね……アレは、興奮しました……」

( T)「当のディズニーがコレなのに、ちょっとネタに使ったくらいで消されに来るって理不尽じゃない?」

川д川「私が悪かったのでこの話題やめませんか?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:16:10.33 ID:wOJezbEi0
( T)「とにかく、居るだけでクソめんどくせえ奴だ。早めに処理しとかねえと夕張が零式好感度測定器とか作りかねない」

川д川「ごめんなさい私基本ボケなんでツッコミさせるのやめて貰っていいですかね?他作品のネタ使うのもやめてくれませんかね?」

不知火「高性能の瓦として扱えばどうでしょう?46p連装砲ですら壊せない物でも、司令なら……」

( T)「叩き割れる。何故なら〜〜〜〜〜〜〜〜?」


不知火 早霜「「マッスルだから」」


( T)「イエー!!」パァン!!

不知火「イエー」パァン!!

早霜「いえー」パァン!!


川д川「仲良しかよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜呪ますして関係ぶち壊してえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


( T)「じゃあ地獄に逝ってもらおうか」

川д川「あっごめんなさいそれ来月からなんですよ」

( T)「ガーンだな……出鼻をくじかれてねーよ煮込み雑炊かテメーは」

川д川「ビックリするほどネタの範囲広いですね」

( T)「ありがとう死ね」

川д川「死んd 不知火「方法は?」 天丼許さない鎮守府はここですか?」

( T)「なぁに心配すんな。ウチには対怪異のスペシャリストがいるじゃねえか」


そう、皆さんご存知、陸軍が生み出した脚技の達人。霊能事件ならあいつにおまかせ……


( T)「助けに来てくれメシアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」


モンゴルmあきつ丸だ!!!!!!!!!!!
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:16:54.54 ID:wOJezbEi0
( T)「……」

不知火「……」

早霜「……」

川д川「……」


( T)「あれ?いつもならパッと出てきてくれるのに……」

川д川「ウンコでもしてるんじゃないですか?」

( T)「ウンコはテメーだ」

川д川「うら若き悪霊に対する言葉の暴力」

不知火「呼んできましょうか?」

( T)「そうだな、頼……」


不知火が席を立とうとしたその時、図書室の扉が弱弱しく開き


あきつ丸「お……お呼びで、ゴホッ!!ゴホッ!!ゲッホ!!提督殿……」


激しく咳き込み、息も絶え絶えなあきつ丸が、今にも倒れそうな足取りで現れた


(;T)「お、おいおいどうした?」

あきつ丸「実は今朝からゲッホゴホゴホゴホ!!で、ありまして……」

(;T)「咳で何言ってたか聞こえなかったが風邪だな?よし直ぐに休め!!」

あきつ丸「ですgゴホゴッホ!!ゲホゴホゲェッホ!!」

(;T)「今にもぶっ倒れそうな奴に頼み事なんか出来るかよ……不知火、早霜、悪いが色々と用意してもらってもいいか?」

不知火「勿論です」

早霜「あきつ丸さん、食欲は……?」

あきつ丸「ゴッホゴホゴッホゴホゴホホォ!!!!」

早霜「無さそうね……飲用ゼリー、持って行きます……後、お薬も……」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:18:23.81 ID:wOJezbEi0
【医務室】ダバダバドゥ!!



あきつ丸「面目ない……体調管理には気を使ってた筈なのでありますが……」

( T)「風邪なんて幾ら気をつけても引くときゃ引くもんさ。気にせず休め」


あきつ丸を医務室へと担ぎ込み、色々と処置をして一段落
薬の効果もあってか咳は幾分か落ち着いたようだが、こりゃニ、三日は安静にしていた方が良さそうだ


不知火「これも貞子さんが起こしたトラブルでは?」

( T)「だとしたら三十回くらい殺さないと俺の気が済まない」

川д川「貞子、こわーい♪」キャピ

( T)「六十回殺すわ」

川;д川「無関係ですごめんなさい。ほ、ほら、私呪まーすってやらないと発動しないタイプの怪異ですしおすし」

( T)「どっちにしろ殺すから弁解の必要は無いぞ?」

川;д川「とほほ〜〜〜〜、こいつは虎の穴に入り込んじまったようだぜ〜〜〜〜〜」

早霜「それで、あきつ丸さんの回復を待ってから解決するのでしょうか……?」

( T)「いや、そんな悠長にしてらんねぇ。あきつ丸、ちょっとだけ相談に乗ってくれ」

あきつ丸「ゲホッ、その怪異の事でありますね……」

( T)「ああ、ぶっ殺したと思ったらすぐさま復活した上にウチに入り込みやがってな」

川д川「おきのどくですが このちんじゅふは のろわれました▼」

( T)「百二十回殺す」

川;д川「発言する度に殺される回数が倍になっていく……だと……?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:20:30.87 ID:wOJezbEi0
あきつ丸「この鎮守府が元から強力な呪いに掛かっているのはさて置いて」

川д川「えっそんな業の深い場所なの?どうりで……」

あきつ丸「その手の悪霊……所謂、貞子タイプは完全な除霊が難しいのでありますよ」

( T)「殺せねえのか?」

あきつ丸「怪異とは、人からゲホッ、人から恐れられることで力を持つ代物でありまして」

あきつ丸「その力が強ければ強いほど、この世との繋がりが強固となっていくのであります」

早霜「つまり、国内外問わず高い知名度を誇る貞子さんは……本来ならば倒せる筈の無い強さの悪霊……と?」

あきつ丸「それはゲホゴホッ、オリジナルの場合でありますね」

( T)「オリジナル?」

あきつ丸「オリジナルが有名であれば、その分多くの贋作が世に出回るであります。これはその一つかと……ゲホ」

川д川「最近は萌え化したりエ口同人出されたり果てには呪って怨む系映画の某人妻とレズらされたりする貞子ですからねぇ」

不知火「贋作であるならば、倒せるのでは?」

あきつ丸「贋作であろうとも、貞子としての『一個性』が世に知れ渡っている限り、それは難しいのであります……」

( T)「っつーことは、オリジナル貞子に比べて呪いのレベルは数段階落ちるが、倒しづらさは本家と変わりないって事か」

あきつ丸「怪異にとっての認知度は、体力や寿命と言い換えても良いであります。知られることで、奴らはこの世を……ゲホッ、彷徨う時間を稼いでいるのであります」


なんだか話が拗れてきやがった。そんなデカい規模で存在している悪霊だったとは
チクショウ恨むぜ鈴木光司先生と中田秀夫監督
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:22:00.48 ID:wOJezbEi0
( T)「じゃあこのファッキンクソッタレの害悪霊を死ぬより辛い責め苦に遭わせるにはどうすればいいんだ?」

川;д川「私、悪霊だけど一般人にここまで恨まれたの初めて」

( T)「恨みはねえがウザいから死ね」

川д川「じゃあ那珂ちゃんなんて数千k ( T)「次那珂ちゃんのことウザい呼ばわりしたら千二百回殺す」 十倍である」

あきつ丸「殺せないなら、ゴホッ、封じ込めればいいのであります……」


川;д川そ「!?」


あきつ丸「密閉できる容器に霊を閉じ込め栓をして、呪術を込めた札を張り付ければゲホッゲホッ……貞子レベルの悪霊でも対処することが可能であります」

( T)「なんかどっかで聞いたことある方法だなオイ」

あきつ丸「ですが、その為には……悪霊とその憑依者との……ゲッホゲホゲホ!!」

(;T)「悪い、無理を……」

あきつ丸「大丈夫、であります……憑依者との繋がりを断ち切らねばなりません」

不知火「早霜の手首に巻き付いていた黒髪ですね」

あきつ丸「その通り……自分が出来れば早かったのでありますが、この体たらくで申し訳……ゴホゴホ!!」

(;T)「寝とけ寝とけ」

あきつ丸「自分に次いで霊力のある艦娘は雲龍殿であります……札は、自室に作り置きがゲホッ」

不知火「作り置き……?」

あきつ丸「不測の事態に備えて、一応……」

( T)「栓の出来る容器と、あきつ丸の作り置きの札。後は雲龍呼んでぶっ殺すと。よし、手順は……」


( T)「……」


( T)「早霜どこ行った?」

不知火「はい?そこに……あら?」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:22:45.94 ID:wOJezbEi0
少し目を放した隙に、早霜と悪霊ンコが医務室から消えていた
野郎、身の危険を感じて逃げやがったか


あきつ丸「逃げられ……追うであります提督殿!!面倒にゲホゲホゴッホゲホォ!!」

(;T)「わかったからあったかくして寝てろ!!ポカリここに用意したからちゃんと飲んで、後でうどんか何か持って行くからちゃんと食べて……」

不知火「司令!!急ぎましょう!!」

(;T)「ああ後!!暇になったらテレビも見ていいからな!!映画か何か観たくなったら適当に持ってくるから!!」

あきつ丸「じ、自分の事は良いので早く追うのでありmゲッホゴホゲホゲホォゴォォ!!」


あきつ丸の容体が心配でならないが、貞子の方も放っておけない
断腸の思いで不知火と共に医務室を飛び出し、あいつらの足取りを追う


(;T)「心配だなぁ〜〜〜〜あぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」

不知火「艦娘はそこまで軟ではありません。ご心配なさらず」


\ドーーーーーーーン!!!!/


(;T)「今なんか聞こえた?」

不知火「ええ……某黒づくめセールスマンの決め台詞のような……」


<しれーーーーーーーー!!!どいてどいてーーーーーーーー!!!!


(;T)「は?」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:23:19.62 ID:wOJezbEi0



ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

三  ======
 三  ||   || (時津風) <あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
 三  ||   || ( つ つ     しれーーー!しれーーーーーー!!!!!
 三_||_ || と_)_) _.  あぁぁぁん!!!!!!!!!!
三  ̄(_)) ̄(.)) ̄ (_)) ̄(.))





(;T)そ「はぁあああああああああああああああ!!!!????」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 00:23:49.71 ID:Z9goZ7tp0
ξ゚听)ξ「!?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:24:26.60 ID:wOJezbEi0
背後から迫ってくるのは超高速で転がる荷台の上で正座している時津風


(;T)そ「あ痛ってぇーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


呆気に取られ避けるのを忘れ、荷台の縁にアキレス腱を強烈にぶつけられ
そのまま時津風を巻き込み背中からすっ転んでしまった


時津風「痛い〜〜〜〜!!!お、重いぃ〜〜〜〜!!」

(;T)「痛ってぇ〜〜〜〜〜〜……いくらマッチョでも鍛えるには限界のある箇所をォ〜〜〜〜〜〜……」

時津風「早くどいてよぉ〜〜〜〜〜!!!」


俺のカチカチのケツの下敷きになっていた時津風の襟首を掴んで立ち上がる


(;T)「お前……何やってんの……?」

時津風「事故!!事故だから!!」

不知火「台車で遊ぶなと何度言わせれば……」

時津風「ちーがーうー!!怖い!!しれぇ助けて!!」

( T)「不知火、ステイ。仕置きは言い分を聞いてからでもいいだろ」

不知火「事故だとしても、先に言うべきことがあるのではないかしら?」

時津風「でもぉ……」

不知火「『でも』?」

時津風「ごめんなさい!!」


人殺しの眼光であった
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:26:11.46 ID:wOJezbEi0
不知火「妹がご迷惑を」ペコリ

( T)「いや、うん、それよりどうした?全長1kmもある長い坂を音の早さで転がっていきそうな勢いだったが」

時津風「んえーと、どー話せばいいのかなぁ〜?こう、廊下を歩いてたら窓から蜂が飛び込んできてね?」

( T)「うん」

時津風「ビックリして後ろによろめいたら、何故かそこに台車があってー……」

( T)「うん」

時津風「こうなった」

( T)「うそんな馬鹿な」

時津風「叩くよ?」


どうやったらまっ平な廊下で誰に押されてるワケでもなくあんな人殺しレベルのスピードが出るんだよ
しかし直ぐに思い当たる。言わずもがな、俺達が今追いかけてるあの悪霊だ


(;T)「時津風、それってついさっきの出来事だな?」

時津風「え?うん、もうその辺でガーッと行ったよ?」

(;T)「……」

不知火「……」

時津風「どしたの難しい顔して……?」

(;T)「時津風、部屋に戻って大人しくしてろ。出来る限り迅速かつ凄惨にぶち殺してくるから」

時津風「えっ誰を?」

不知火「ついでに台車も片してきなさい」

時津風「えぇ〜、あたしが出したんじゃないのに……」

不知火「『のに』?」

時津風「お片付けしてきます!!」ダッ!!


人殺しの眼光であった
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:27:16.81 ID:wOJezbEi0
(;T)「もうちょいさぁ……優しくしてやっても……」

不知火「司令は駆逐艦に甘すぎます」

( T)「お前それ時雨の前でも同じこと言えんの?」

不知火「ええ、勿論。それよりも」

( T)「ああ、もう始まっているみたいだな」


野郎が被害を起こした鎮守府では、こう名乗っていたらしい。『理不尽無差別系怪異』と
その名の通り、奴は伊58(いごっぱち)に憑りつき呪いの被害を無差別に広げていった
今のは間違いなくその呪いの影響だろう。地味に痛かったのが物凄い腹立つ


( T)「不知火、あきつ丸の自室から札と、適当な容器を持って来い。俺は奴を追う」

不知火「雲龍さんはどうしますか?」

( T)「電話で呼び出しておく。頼んだぞ」

不知火「了解。ご武運を」

( T)「そっちもな!!」


不知火と一旦分れ、早霜の追跡を再開する。場合によっては拘束も考えとかなきゃいけねえな


( T)「えーっと、雲龍雲龍……よし」


早足で歩きながら雲龍の番号に電話を掛ける


( T)「……」

( T)「クソ、でねえ!!」


あいつ絶対寝てやがる。のんびりしてんだからもう!!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:28:58.92 ID:wOJezbEi0
\ドーーーーーーン!!!!/


(;T)「チクショウまたかよ!!」


謎の効果音は聞こえるのに姿が見えないのが余計に不安を煽る
お次はどんな呪い(物理)が飛び出しやがる……?


<イーーーーーーーーーーハァ!!!!!!


(;T)「ん?」


種付けおじさん1「ヒャッハァーーーーーーーーーー!!!!!」ガッシャアン!!

種付けおじさん2「ウッヒョーーーーーーーーーーーウ!!!!」ガッシャアン!!

種付けおじさん3「アベマァーーーーーーーーーーーー!!!!」ガッシャァン!!


(;T)そ「うわぁ何こいつら!?」


窓をぶち破り飛び込んで来たのは、パンツ一丁の小太りハゲ親父三人組
盛り上がった股間が無駄に力強い主張をしている。やだ、あんなのぶち込まれたら壊れちゃう……


種付けおじさん1「ヒャーーーーーーハハハ!!今日の狩場はここだァ!!」

種付けおじさん2「どんな苦境でも屈しない艦娘をあの手この手で貪り尽してやるァ!!!」

種付けおじさん3「具体的に言うと提督のクビを回避して欲しければ体を差し出せとかなんかこう色々なアレでなァ!!」

( T)「楽しそうだな」

種付けおじさん1「ハァ〜〜〜〜〜〜?なんだぁテメェ〜〜〜〜〜〜〜〜?」

種付けおじさん2「も、もしかしてこいつが提督じゃねえのか!?やべえよやべえよ、秘密裏NTR計画が……」

種付けおじさん3「なぁにビビってんだ!!俺たちゃ艦娘すらねじ伏せる種付けおじさん三兄弟だぜェ!?男一人如き数秒で叩きのめしてやらァ!!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:30:05.21 ID:wOJezbEi0
( T)「ひぃ、ふぅ、みぃ。ちょうどいいな」

種付けおじさん1「なぁにを余裕ぶってやがる!!てめぇの手足をブチ折って、愛する艦娘を目の前でグチャグチャに……」

( T)「なぁ」




( T)「ム カ デ 人 間 っ て 知 っ て る ?」




種付けおじさん1「えっ」

種付けおじさん2「えっ」

種付けおじさん3「えっ」

( T)「知らないか。じゃあ身をもって、文字通り地獄を味わえ」



【凄惨かつ残虐な筋肉の暴力を音声のみでお楽しみください】


<ヒィ、ヒィィ!!曲がらない、その方向に腕は曲がらnぎゃああああああああああああ!!!!

<も、もうやめてくれ!!その皿抜いたら脚が動かなあああああああああああああああああ!!!!!

<だ、ダメだこれだけは俺のアイデンティティが!!潰しちゃダメなタm


【この後滅茶苦茶ムカデ人間にした】
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:31:40.65 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



【港湾】ンボンコペッタンコ!!


( T)「じゃあな。運が良ければどこかの浜辺に到着するか、船が拾ってくれるだろ」

( T)「それまで三人仲良く『繋がってろ』」


種付けおじさん1「あ、悪魔……悪魔がァ!!地獄に堕ちろ!!クソ、クソォ!!」 ※先頭

種付けおじさん2「んーーーーー!!!んんーーーーーん!!!」 ※真ん中

種付けおじさん3「んんーーーーー!!んーーーーん!!!!」 ※最後尾


( T)「糸で直接縫い付けなかっただけありがたいと思え。次はこんなもんじゃ済まさねえぞ」

( T)「たとえ便所にかくれていても息の根を止めるからな。それでは、しゅっこーう」


適当なボロボートに【詳しくはムカデ人間三部作を観よう】した種付けおじさん三兄弟とやらを乗せて海へと蹴り出す
幾らなんでも残酷じゃないかって?お前もムカデ人間にすんぞコラ。性犯罪者に人権なんてねえんだよ


(;T)「クソ、余計な手間を……だがこれくらいしねえとまた戻ってくるかもしれねえからな……」


時間にして十五分弱。ムカデ人間RTAなら新記録だが、これは手痛いロスだ
邪魔が入らない内に見つけねえと……!!


\ドーーーーーーーーーン!!!!/


(;T)「休む間も無しに……!!」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:33:04.54 ID:wOJezbEi0
( T)<I've got to be a macho♪ ※Village People/Macho man


間髪入れず携帯に着信。明石からであった


( T)「もしもし?」

明石『提督!!問題が発生しました!!』

( T)「ああうん、大体察しは着いてた。何があった?」

明石『ウォースパイトさんの艤装が謎の不具合を起こし、鎮守府内を暴走中です!!』

( T)「は?あんなもん地上で動かねえだろ」

明石『動いてるんです!!しかも結構なスピードで!!』

( T)「止めらr」 ドガガガガガガガガガガ!!!!


( T)「ん?」


ウォースパイトの艤装<ドガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!死ね


(;T)そ「うっおおおおおおおお!!????!?!??マジだ!!!????しかもこっち来てる!!!?????」ダッ!!


湾港のコンクリートをガリガリ粉砕しながら迫ってくるウォースパイトの艤装
時速にして四十ほど出てるだろうか。あんな鋼鉄の塊に轢かれたら流石のマッチョも膝小僧を擦りむいてしまう!!


(;T)「いやっ、ちょっ……速ぇええええええええええええ!!!!!!」

明石『なんとか止めてください!!』

(;T)そ「いや無茶言うなよ走ってる自動車止めろって言ってるようなもんだろ!!」

明石『自慢の筋肉が泣いてますよ!!』

(;T)「それを言われると弱いんだよクソ!!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:34:06.70 ID:wOJezbEi0
しかし速いが動きが直線的だ。こう、クッと曲がればやり過ごせる筈


(;T)「コーナーで差をつけろ!!」クッ!!


ウォースパイトの艤装<ドガガガガガガガガガッガガ!!!!!!!!!殺す


(;T)「ハハァ!!案の定だクソッタレ!!」

明石『止めました?』

(;T)「いや避けた」

明石『身を挺してでも止めてくださいよ!!肉塊になっても私は一向に構いませんから!!」

( T)「テメーを先に肉塊にす……」


ウォースパイトの艤装<ドガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!私を甘く見たな


(;T)「えっ……曲がって……」


ウォースパイトの艤装<ドガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!逃がさん


(;T)そ「うわあああああああああああ!!!!!またこっち来たーーーーーーーーーーーーーー!!!!!?????」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:35:03.51 ID:wOJezbEi0
熱源誘導ミサイルのように華麗なターンを決め、再び艤装が迫ってくる
チクショウ俺が何をしたってんだ神様。助けてくれマッスルの神様


(´・_ゝ・`)「呼んだ?」

(;T)そ「アンタ誰!?」

(´・_ゝ・`)「いや……マッスルの神様だけど……?」



              彡⌒ ミ
            (´・_ゝ・`)     ※全体像
            / `ニニ´彳 `` ー 、
        _,ノ´、,  ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
        /     ̄´   {-_,.  -、 、,'  ヽ
      /   〃,..     'r  _,.. 、}>、.. r-{.
     /、  _,..イ´      ト. ´   i  ´   }
     /  ゙ー'´ }ヘ     _,..ノヘ`ー- ...ィ! ',  ハ {
    ,' ,'     リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ  ノ}
   ,'八  ,  / \ミヽ、ヽ.   |!  } 彡N  ', ハ
   }  (.,/    ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.'  i
   ,ハ',  ii      {   入__ _ノ.__,ノ |  ∨  ,{
   i : v リ     /、  {   ゚ ´,| |   |,   }
   { Y, ,'    ィ‐‐-ミ、_`',      リ }   ,'   ヽ
    iヽ !   ,' :   ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y    ,}
    }. ∨   ./ ノ  /  ∨' ,.  _,./ !  `''"i ', {ノ'′
    ',  `ヽ_,..{,'  ノ   i   /´ 、  ヽ、.__ ,〉 ト,)
    ',  r‐ヤ  '     人ノ    >‐‐イ / ` }
    ヽ、∨       /`ヽ、 /   ハ , /
      y' ,'     ; /     `{   ,/-‐ /
      i      i'    /' ,/  ,.. ´
        i       ,リ   /-'" ,. '´



(;T)「えっ、あの、今それどころじゃないんで……」

(´・_ゝ・`)「なんだよ折角来てやったのに……あ、このままだとあそこの女の子に」


(´・_ゝ・`)


(;´^_ゝ^`)「あそこの女の子って逆さにすると『女の子のあそこ』になってちょっとエッチだね!!」ンホホ

(;T)「死ね」

(´・_ゝ・`)「ひどいよー」スゥッ……


突如現れたマッスルの神様を名乗るハゲは光の粒子となって消えていった。何だったんだ一体
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:36:07.49 ID:wOJezbEi0
それはそうと


ウォースパイト「ゼェ、ハァ、ア、Admiral……!!」

(;T)「ッ!!」


正面からは暴走する自分の艤装を追いかけていたのだろうウォースパイトが、息を切らせながら向かってくる
そして俺の背後にはいまだ全力の殺意を以て暴走する艤装。このまま避けてしまえば、艦娘が自分の艤装に轢き殺されるという笑い話にもならない事故が起きてしまう


( T)「修理の準備をしておけ明石。目も当てられないほど酷い状態になって返って来るから」

明石『はい?出来れば無傷d』

( T)「えっ何聞こえない?言葉わかんない」ピッ


明石がなんか面白い事言ってたけど無視して通話を切る


(#T)「提督超人をォォォー……」ジャッ!!


足を止め振り返り、艤装と真正面から向き合う。俺が敬愛する正義超人『テリーマン』はかつて、子犬を助けるために列車を止めた
なら、提督超人強度九十五万を誇る俺も同じ芸当が出来るはず……!!!!」


(#T)「舐めるんじゃあねぇえええええええええええ!!!!!!」ガッ!!


ウォースパイトの艤装<ドガガァッ!!!!!!!!


(#T)「グッ、クソッ!!!!」ジャリジャリジャリジャリ!!


受け止めた。受け止めたが、やはり人と艤装では馬力が違う
スピードは抑えられたが、止めることは適わない。猛烈な力で押されてしまう
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:37:04.14 ID:wOJezbEi0
(#T)「なら……ッ!!」


しかしこちとら天下無敵のナイスマッチョ。鋼鉄の塊如きに殺されるほど軟弱ではない


(#T)「オオオオオオ……!!!!」グワッ!!


押し負けるなら『押させなければいい』。地面から持ち上げてしまえば、ただの重い物体だ
そしてここからお見せするのは、バッファローマンが対マンモスマン戦で見せた新技……


(#T)「艤装十字架落としーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」ズガァアアアア!!!!!!


ウォースパイトの艤装<グワーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


『超人十字架落とし』。変形フロントスープレックスをぶちかます
受け身を取れない艤装は地面のコンクリートを粉砕し、背もたれの部分から派手に損壊。エンジンは息を引き取るように停止した


( T)「筋肉に……」

( T)「砕けぬものなし」ドドッド!!


皆も、暴走する艤装に襲われた時を想定して鍛えておこうな!!筋肉とのお約束だ!!


ウォースパイト「Admiral!?Are you crazy!!!???」

( T)「No. I am Macho man.」※訳「いいえ、私は筋肉男です」


英語でのお喋りも完璧だ。マッスル英会話に通っていて良かった
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:38:13.08 ID:wOJezbEi0
ウォースパイト「Anyways……ゼェ、ハァ、止まって良かったわ……」

( T)「マッチョじゃなかったら死んでたね。もしもし明石?とりあえず全壊寸前までぶっ壊して止めたから回収と修理頼むわ」

明石『持ってきてくだs』

( T)「なんだって!?俺の筋肉がはちきれんばかりのマッスルだって!?わかった!!切るぞ!!」ピッ


明石がまた面白い事を言ってたが電話を切る。俺は今それどころじゃない


( T)「艤装は明石が回収してくれるから、そのまま置いといていいぞ」

ウォースパイト「ゼェ、ゼェ……オ、オーケー……」

( T)「体力ねえのによく食らいついたな……所で、早霜か雲龍を見かけなかったか?」

ウォースパイト「は、早霜なら……ハァ、ングッ、Dojoの方に……」

( T)「道場だな?よし」

ウォースパイト「そ、その、Admiral?さっき隣で浮かんでいた男性は……?」

( T)「俺もよくわからんけどマッチョの神様を名乗ってるハゲだった。こわい」

ウォースパイト「Admiral……プロテインの取り過ぎで……」

( T)「お前も見えてたじゃねーかなんで俺一人だけやべえ扱いになってんだよ」


汗だくウォっさんと別れ、道場へと向かう。呪いと思われるトラブルをまた一つ処理したが、謎の効果音はまだ聞こえない
これはチャンスだ。今の内に貞子を追い詰めて泣いたり笑ったり出来なくしてやる
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:40:29.12 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



道場前に到着。ここでは主に柔術、剣術、矛術などの鍛錬を行っている
今日も誰かが使用しているらしく、中からは


<ドッゴッガッバギィ!!!!


訓練用の疑似刀がぶつかり合う激しい音が聞こえてくる。今絶対折れただろ?


( T)「早霜はいr \ドーーーーーーーーン!!!!/ チクショウ油断してた」ガラッ!!


引き戸を開けた瞬間に鳴り響く謎の効果音。タイミングを見計らっていたか


叢雲「オラァアッ!!」ガッ!!

天龍「ギッ……!!」バガァ!!


ちょうどその時、激しい打ち合いを制した叢雲が、天龍が持つ木刀を薙ぎ払う
天龍の手から放れた木刀は、激しく回転しながら此方へと吹き飛び


(;T)そ「あ゙っ」ガツン!!


切っ先が、股間へと直撃した


(;T)「」

天龍「ク……」


俺と天龍が膝から崩れ落ちると同時に


叢雲「よっ……っしゃあああああああああああああああああ!!!!!!!」


叢雲の勝鬨が、声高々に響き渡った
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:41:43.05 ID:wOJezbEi0
叢雲「はい私の勝ち!!今日の飲み代アンタの奢り!!」

天龍「チクショオオオオ!!手が滑ったあああああああああああ!!!!」


:(;T):「死……死ぬ……」


盛り上がってる所悪いんだけど、お前ら股間に重大なダメージ受けた俺の事無視か?
常人ならタマが潰れるレベルの威力だったんだけど。俺がアクション仮面並みの金玉強度を持ってなかったらお世継ぎ作れなくなってたんだけど


「フ、フフ……」


(;T)「あ……?」


早霜「フフ……」


タマの激痛で薄れゆく意識の中、蹲る俺の傍に早霜が現れる


(;T)「待……て、早し……」


川д早霜


見上げた早霜の瞳は白濁に染まり、血の気が抜けた肌には、青い血管が這い巡るように浮かんでいる
『異常』だ。伊58(いごっぱち)がいた鎮守府から、このような目に見える憑依者の異常は報告されなかった
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:42:57.16 ID:wOJezbEi0
川д早霜


川゚д早霜「呪 ま ー す」ド ォ ン


(;T)そ「ガァッ……」


股間の痛みを超える、割れるような頭痛に襲われ
立ち去る早霜を追いかけることも出来ず、そのまま意識を失った―――――





【サービスカット】


              彡⌒ ミ
            (´・_ゝ・`)「僕の飛行筋肉どう?似合ってる?」
            / `ニニ´彳 `` ー 、
        _,ノ´、,  ,..>、リ,. -- 、. ヽ--、
        /     ̄´   {-_,.  -、 、,'  ヽ
      /   〃,..     'r  _,.. 、}>、.. r-{.
     /、  _,..イ´      ト. ´   i  ´   }
     /  ゙ー'´ }ヘ     _,..ノヘ`ー- ...ィ! ',  ハ {
    ,' ,'     リヾニ=ニ´ ,. ‐'' h ー 、 ハ リ  ノ}
   ,'八  ,  / \ミヽ、ヽ.   |!  } 彡N  ', ハ
   }  (.,/    ∨ ヽ('' ´`` /´`'!,∨ ! ,.'  i
   ,ハ',  ii      {   入__ _ノ.__,ノ |  ∨  ,{
   i : v リ     /、  {   ゚ ´,| |   |,   }
   { Y, ,'    ィ‐‐-ミ、_`',      リ }   ,'   ヽ
    iヽ !   ,' :   ハ`ヽ、..__,/-',〉-‐‐y    ,}
    }. ∨   ./ ノ  /  ∨' ,.  _,./ !  `''"i ', {ノ'′
    ',  `ヽ_,..{,'  ノ   i   /´ 、  ヽ、.__ ,〉 ト,)
    ',  r‐ヤ  '     人ノ    >‐‐イ / ` }
    ヽ、∨       /`ヽ、 /   ハ , /
      y' ,'     ; /     `{   ,/-‐ /
      i      i'    /' ,/  ,.. ´
        i       ,リ   /-'" ,. '´



【サービスカットだぞ?抜けよ】
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:44:03.45 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



( T)「……」


<水ぶっ掛けるか?

<熱湯の方がいいんじゃない?

<よし、じゃあ沸かしてくるわ


( T)「沸かしてくるわじゃねーよビル・ボスかよお前らは」ムクリ


叢雲「チッ!!!!!!天龍、起きたわよ」

天龍「なんだよつまんねぇな」

( T)「ゲロ吐くまで蹴り飛ばすぞ」


何か事件が起こる度に失神してる気がしてならないが、俺の所為ではないので苦情は受け付けない。受け付けないっつってんだろケツにTENGA捻じ込むぞ
場所は変わらず道場の出入り口付近。スマホで時間を確認すると、十分ほど気絶していたらしい


( T)「してやられた……待ち伏せとはな」

叢雲「アンタ今日は誰と戦ってんのよ?」

( T)「貞子だ。お前らここに早霜がいたのに気が付かなかったのか?」

天龍「あー、ぶっちゃけそれどころじゃねえし」

叢雲「一瞬でも気を抜いたら即一本取られてるわよ」

天龍「二時間くらい全力で打ち合ってたしな」

( T)「武具持ち武闘派筆頭は加減をしらねえのか?」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:45:37.07 ID:wOJezbEi0
これでまた振り出しに戻ってしまった。加えて、早霜の異常に先ほどとは打って変わった貞子の表情
あれは完全に『殺し』に来ていた。ね……ね……ねひ?がミッキーになる程度の生ぬるい呪いじゃねえ
奴は明確な殺意を以て、俺を亡き者にしようとしている。それも、早霜という依り代兼人質を抱えながらだ


(;T)「この無防備な十分間に何も無かったのは不幸中の幸いか……」

雲龍「それは私が霊防壁を張っていたから」

(;T)「そうか、ありがとうな雲龍」


(;T)


(;T)そ「お前ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!お前を探してっ……電話出ろよォーーーーーーーーーー!!!!!!」

雲龍「面倒くさい彼女じゃないんだし、提督からの電話に一々構ってられないわ」

天龍「でも寝てたんだろ?」

雲龍「しっ、コラ、天龍」


案の定寝ていたらしい雲龍だが、都合よく向こうから現れてくれた


雲龍「不知火に叩き起こされたのよ。のっぴきならない事態が起こってるって」


そう言って雲龍は、俺の胸元に張り付いていた札を引きはがす


雲龍「もう少し到着が遅かったら、呪いで死んでたかも」

( T)「そんなヤバかったの俺?」

叢雲「笑えるくらい痙攣してたわよ?」

天龍「俺らの横隔膜が死ぬかと思ったぜ」

( T)「お前らって本当に悪魔」
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:46:42.20 ID:wOJezbEi0
雲龍「被害報告、聞きたい?」

( T)「頼む」

雲龍「先ず金剛が爆発」

( T)「いつも通りか」

雲龍「鎮守府中のテレビが少女漫画原作の実写映画しか映さなくなった」

( T)「地獄かよ」

雲龍「提督のパンツが全てハート柄に」

( T)「海外レトロアニメの悪役かよ」

雲龍「それと……」


夕立「提督さん!!目を放した隙に時雨が銀髪金眼で抜き身の日本刀持ってたお姉さんになっちゃったっぽい!!」バァン!!

菊一文字則宗「あの、禍憑を食い止めていたのですが……ここってどこですかね?めいじ館ってどの方角にあります?」


雲龍「アレ」

(;T)「……????」


夕立「ど、どうするっぽい?」

菊一文字則宗「えっと……」


(;T)「丁重におもてなしして差し上げろ」

菊一文字則宗「そんな、悪いですよ。見ず知らずの僕なんかに。それにお母……コホン、隊長さんの元へ早く帰らないと……」

(;T)「いいから、この問題根深いから」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:47:24.57 ID:wOJezbEi0
時雨(と入れ替わったとされる抜き身の日本刀持ってた銀髪金眼のお姉さん)は後回しにして、先に貞子だ


( T)「不知火に会ったってんなら、手順も聞いてるな?」

雲龍「ええ、でも問題が一つ」

( T)「問題」

雲龍「密閉できる容器が無いわ」

( T)「ハァ?空き瓶でもなんでもあるだろ?」

雲龍「鳳翔さんと大鯨が山ほどイチゴジャムを作って、それの保存に……」

( T)「マジかよ」

叢雲「美味しいわよねぇ。毎年の楽しみだわ」

天龍「春の風物詩だよな」

( T)「呑気かよ」

雲龍「どうする?一瓶丸々飲む?」

( T)「幾らうめえっつってもそりゃキツイわ」


大井「ああ、いたいた。提督、探しましたよ」


手詰まりの最中現れたのは、何故か炊飯器を抱えた大井っちだ
どうしたのだろうか、トチ狂ったのだろうか。炊飯器を北上に見間違えるほど頭がアレになったのだろうか


大井「これ、またキモいアイテム拾ったんで処理しといてください」

( T)「俺はゴミ箱か?」

大井「男だろ?引き取れ」

( T)「はい」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:48:37.41 ID:wOJezbEi0
( T)「まーったくなーんでこんなもん拾ってきちまうんだよ……」

雲龍「あら……? 提督、よく見せて貰っても?」

( T)「え、あ、どうぞ」


擦れた花柄の、昔ながらの炊飯器を手渡す
開口部にはなんか汚い紙切れが張り付いていた


天龍「おめーが謎アイテム拾ってくるのはいつものこったが、今回のはただのゴミでしかねーじゃん」

大井「ならアンタが持って帰ってもいいのよ」

天龍「ゴミを?」

大井「ゴミを」


雲龍「うん……やっぱり」

( T)「何かあんのか?」

雲龍「微弱だけど、霊力を感じる。この中に霊が封印されてるわね」

( T)「マジ無理しんどい。もう鎮守府焼き払う」

叢雲「やめなさい。幾らあんたでも処罰が下るわよ」

( T)「しらん。大本営も焼き払う」

天龍「ガキか」

大井「物騒な子供ね」

雲龍「ねぇ、これ使えるわよ?」

( T)「マジ?」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:51:35.12 ID:wOJezbEi0
雲龍「ええ。中の悪霊を何とかすれば、強力な入れ物になるわ」

( T)「つまり、一回開けなきゃならんのか」

雲龍「慣れっこでしょ?」

( T)「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……御開帳っと」ベリッパカッ

叢雲「ちょっ」

天龍「いきなりかよ」

大井「躊躇いが無いわね」

悪霊「グオガガ!!」

( T)「はい捕まえてぇ!!!!」ガッ

悪霊「!?」

( T)「握殺ッ!!!!!!!!」グシャア!!!!

悪霊「ンアアアアアアアアアアアアアア……」シュワァアアアアアアア……

雲龍「お見事」

( T)「こんな事ばっか得意になっても社会じゃクソの役にも立たないのに」

天龍「提督って人間だよな?なんで霊を掴めんだ?」

( T)「概念を掴む感覚に慣れたら誰だって出来る」

天龍「何言ってんだこいつ」


霊を殺すコツは、消滅した方がマシだと思うほどの苦痛を与えることだぞ!!経験者からのアドバイスだ!!


雲龍「ま、低級霊ならこんなものよね。問題は早霜に憑りついている悪霊なのだけれど」

( T)「だが、これで用意は整った。不知火は?」

雲龍「早霜をマークしてる。電話一本で居場所は割れるわ」

( T)「さすぬい(流石不知火)。始めるぞ。俺ら流のゴーストバスターズをな」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:52:17.12 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



【司令室】


不知火「……」


川д川「……」


川д川「コソコソと……それで隠れているつもりですか?」


不知火「……随分と、雰囲気が変わったようだけれど」


川д川「ここの空気が合っているみたいでしてね。この世の春とでも言いましょうか」


不知火「不知火には、吸いなれた空気ですが。悪霊にとっては違うのでしょうか?」


川д川「良い質問です。『霊場』をご存じで?」


不知火「恐山などの、神仏の霊験あらたかな場所……かしら」


川д川「ご名答。本来、霊場というものは神の使いである動物の霊や、ご先祖の霊等の上等霊が集う場所なのですが、ここは全く真逆の霊場でして」


不知火「真逆?」


川д川「悪霊や地縛霊等が好みやすい、言わば『霊の掃き溜め』のような場所なのです。当然、呪いや邪神なども集まってくる」


不知火「ああ、道理で。低俗な貴女方が好みそうなこと」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:53:42.15 ID:wOJezbEi0
川д川「ええ。獣は地、鳥は空、魚は水。生きとし生きるものが活力に漲れる場所があるように、我々のような不浄の者にも身に合った場所がある」


川д川「たかだか『嫌がらせ』をする程度の弱小霊だった私にも、あの『化け物』を殺せるだけの力がついた……」


不知火「お笑い草ね。悪名高いあの貞子が、一般人を化け物呼ばわりだなんて」


川д川「アナタが言うのはあくまで『オリジナル』の貞子。私は贋作に過ぎない……だけど、それも今日まで」


川゚д川「この霊場の呪いを蓄え、私はオリジナルを超える贋作となる……!!」


不知火「……大層な野望ね。悪霊とは思えないアクティブさだわ」


川゚∀川「それで、どうしますか?提督は死に、封印する容器にはイチゴジャム。駆逐艦娘一人がパワーアップした私を倒せますか?」


不知火「そうね……三つほど、言わせてもらうとしましょう」


川゚д川「ほう?」


不知火「一つ、イチゴジャムは最悪飲めば容器が空く。二つ、司令は貴女如きに殺されるほど弱くは無い」


川゚д川「三つめは?」


不知火「三つ……時間は不知火の味方である」


川;゚д川「ッ、まさか!!」


不知火「そのまさかよ。今です!!司令!!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:54:14.62 ID:wOJezbEi0






菊一文字則宗「えっ?」ガチャッ





不知火「えっ」

川д川「えっ?」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:55:32.91 ID:wOJezbEi0
<菊ちゃんダメっぽい!!そこ今オバケいるから入れないっぽい!!


菊一文字則宗「えっ、オバケですか?僕ダメなんですよ……斬れないし」


<その意見には激しく同意だけど早く出るっぽ……あっ、提督さん!!

<何してんのおま……お客さんスマン今取り込み中でそこ入れないんだよ


菊一文字則宗「ごっ、ごめんなさい……禍憑なら僕が対処してやれたのですけど……」


<禍……何? と、とりあえず食堂でアイスでも食ってくれよ。夕立、引き続き案内頼む

<了解っぽい。行くよ菊ちゃん


菊一文字則宗「はい。あっ、あの、失礼しました!」パタム


<そこの角カンッカーンって曲がったら食堂だから!!うん!!ごゆっくり!!


不知火「……」

川д川「……」


(#T)「待たせたなァクソ貞子ォ!!!!!!!念仏を唱える準備は出来たかオラァ!!!!!!」バァン!!!!!


川д川「リカバリー力すごい」

不知火「司令……台無しです……」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:56:57.33 ID:wOJezbEi0
なんか不知火が頑張ってシリアスな雰囲気を醸し出してくれてたが、入室タイミングがずれた上に
マイペースなお客さんが先に入ってしまった。ほんとどこから来たんだあの銀髪金眼で抜き身の日本刀持ってたお姉さん


( T)「ちょ、さっきのもう一回やろう?今度はちゃんとタイミング合わせるから」

不知火「司令、それどころではないです」

雲龍「早く済ませましょうよ」

天龍「さっさと入れよ」

叢雲「幽霊ってどれ?あれ?」

大井「まんま貞子ね……」

川;д川そ「うわぁ予想以上に大勢来た。しかも緊張感の欠片もない」

( T)「ウチの連中にそんなもん期待してんじゃねえ!!」

川;д川「天龍あたり前の鎮守府の摩耶様みたいな反応するかと思ってたのに」

天龍「一度幽霊って奴をぶった斬ってみたかったんだよ。ヲ級と似たようなカスカスの斬れ応えかどうか確かめたくてな」

川;д川「ヒエッ、シリアルキラー……可愛げの欠片もない……」

( T)「萌えない、媚びない、容赦しない。地獄の血みどろマッスル鎮守府三法だ覚えとけタコ!!」

叢雲「思い付きで適当な事喋らない」

( T)「はい」

雲龍「満足かしら?そろそろ終わらせたいのだけれど」

( T)「はい」

川д川「では仕切り直しで」

( T)「お願いします」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:58:45.20 ID:wOJezbEi0
川д川「ほう、生きていたんですね。今の私が放てる最大の呪いを掛けたはずですが」

( T)「生憎ウチには有能な艦娘が揃っているんでね。早霜は?」

川д川「フフ、お姫様なら此方に」


背を向けていたデスクチェアーが、軋んだ音を立てて半回転する
座っていたのは、RZA主演のカンフー映画『アイアン・フィスト2』でパイ侯に気を吸い取られて死んだ女のような肌色をした早霜だ


( T)「殺る気にさせるのが、お上手だな?ますます腹が立ってくる」

川д川「フフ―フ、悪霊ですから。ですが、殺されるのは貴方です」


貞子の周りに、黒い塵が舞い上がる。のっぺりとした黒髪が、風も無く逆立ち始めた


川゚д川「呪力は十分。ここにいる全員を呪い殺すだけのパワーは溜りました。七日間を待つ必要も無い」

不知火「このっ……」

川゚∀川「下手に動けば早霜さんの命はありませんよ?まぁ、早いか遅いかの違いですけどね」

不知火「チッ……」


( T)「ふむ、手詰まりか」


人質の早霜、なんか謎のパワーアップを遂げた貞子。これは筋肉でどうこうできる範疇を超えちまっている


川゚∀川「諦めが早いですね?口だけの見掛け倒し野郎でしたか」

( T)「性犯罪者三人を半殺しにして暴走する艤装ぶっ壊して股間に大ダメージ受けてまだ行動してる俺をちょーっとは評価してもらいたいね」

川゚∀川「すごいすごい(笑)」

( T)「ムカつくゥ〜」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 00:59:46.42 ID:wOJezbEi0
( T)「いやぁ参った参った。流石は日本一の知名度を誇るホラー・モンスターだ。御見それした」

川゚∀川「もっと褒めてくれてもいーよー?」

( T)「殺s……いや、ここまで追い詰められたのも久しい。乳首相撲以来か?」スッ

天龍「何言ってんだこいつ」

( T)「二年くらい前に色々あったんだよ……テメーがセクハラ提督の幽霊くらいのクソザコナメクジだったなら、ここまで手こずらずにすんだってのに」

川゚∀川「AAすらあてがわれなかったモブ中のモブと一緒にしてもらっちゃ心外ですがねぇ。さて、最後のお喋りはここまでで良いですか?」

( T)「あーもう正直お手上げだ。参った、降参、一思いにサクッと殺してくれ」スッ

川゚∀川「では……ハイクを詠むがいいですよ、提督さん!!」


( T)「あーっと!!最後に一つだけ!!」


川゚∀川「命乞いなら受け付けませんよ!!」

( T)「違う違う。ちょいと面白い話をな」

川゚∀川「ほう……?」

( T)「こりゃ、どこの鎮守府にも言えることだがな。司令室には変わったギミックがある」

( T)「テメーも小耳に挟んだことがあるだろうが、『模様替え』っつってな。家具や壁紙を自動かつ迅速に交換することが出来る」

川゚∀川「……ええ。聞き及んでいますが、それが何か?」

( T)「まー、自動っつーくらいだから、提督や艦娘がその家具に座ったまま交換したら危ねーんだよ」スッ

川゚∀川「……?」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:02:50.57 ID:wOJezbEi0
( T)「だから、家具の交換前に椅子やソファーに誰かが座っていたら、強制的に押し出す機能が付いている」

( T)「んで、ウチの連中は悪戯好きでな。俺くらいのマッチョでも余裕で出入り口まで吹っ飛ぶパワーまで改造しちまってんだ」スッ


川;゚д川「ッ!?」


気づいたか。だがもう手遅れだ


( T)「こんな風にな」スッ

叢雲「はいっと」ガッシャコン!!


俺が出したハンドサインの指示に従い、叢雲がスマホで司令室模様替え操作を行う
現状、この部屋の家具に座っているのは『早霜』だけだ。艦娘とは言え艤装が無ければちょいと強いだけの小娘。軽い体はデスクチェアーから投げ出される


川;゚д川「クソッ!!」ゴワッ!!

雲龍「遅い」ザンッ!!


雲龍の近接艤装、仕込み杖の刃が奔る。早霜の手首を繋ぐ貞子の黒髪は、呪いを伝達する間も無く断ち切られた


不知火「天龍さん!!」

天龍「おうよ……っとォ!!」


宙に舞う早霜の体は不知火と天龍が受け止める。貞子との繋がりが断たれた彼女の肌には、急速に血の気の色が戻っていった


川;゚д川「マズいッ……!!!!」ダッ


一気に劣勢にまで追い込まれた貞子は、窓からの脱出を試みるが


(#T)「逃がすかこの野郎ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」


こ の 俺 が そ れ を 許 す と で も ?
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:05:24.41 ID:wOJezbEi0
(#T)「捕まえてぇ!!!!!」ガシッ!!

川;д川そ「ぎゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!セクハラ!!エッチ!!変態!!」

(#T)「ひっくり返してぇ!!!!!」グルンッ!!

川川川そ「オギャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!前髪がーーーーーーーーーーーーーー!!!!?????」


(#T)「バッファローBOMB!!!!!!!!!!」ドゴォォォオオオオオ!!!!!

川川川「マンモスッ!!」ゴパァ!!


司令室の床が陥没するほどの全力のパワーボムを見舞う。フゥー!!気持ちいいー!!
一般人ならRZA主演のカンフー映画『アイアン・フィスト2』のラストで頭ブッ砕けたパイ侯のようにおっ死ぬ威力だが、そこは幽霊殺しても死なない
だが、俺の攻撃はこれで終わりじゃねえ。シメに入るぞ!!


(#T)「大井っちィ!!!!!!!!」

大井「その呼び方やめなさいよ!!」パカッ


大井は抱えていた炊飯器を床へと置き、蓋を開く


(#T)「ようやくこいつの既視感の正体がわかったぜ……なぁ、貞子?」


(#T)「死 ぬ よ り 苦 し い 永 遠 を 過 ご す 覚 悟 は で き た か ?」


川;д川「や、やめ……」

(#T)「やめぬーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!喰らえェーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:07:23.48 ID:wOJezbEi0
(#T)「マッスル式……魔封波スープレックスゥゥゥオアアアアアアアアアアアアアアアアアアア死ねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!二千四百回死ね!!」ドゴォォォオオ!!!



川;゚д川そ「オギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッス!!!!!!!????????」



炊飯器目がけてこれまた全力のスープレックス。貞子は頭から中へと吸い込まれていく


川;д川「そ……そんな……私はただ……無差別に嫌がらせを振りまいて右往左往する愚民共を見て楽しみたかっただけなのに……」シュウウウウウ……

大井「かなり悪質じゃないの」

不知火「野望もダダ漏れでしたしね」

川;д川「オオオオ……怨めしや……覚えていろマッスル……近い内に私をこの封印から解く羽目になるぞ……」シュウウウウウ……

( T)「はよ入れや」ギュムッギュムッ

川;д川そ「あいたたたたやめてください!!私体固いんですから!!押し込むのやめてくださいいいいぃぃぃぃ……」シュポッ

( T)「はー、入った入った。不知火」ガチャッ

不知火「はい」ペタッ


貞子を無理やり押し込んだ炊飯器を閉め、お札を貼る。魔封波、これにて完了だ
ありがとう鳥山明先生。おかげでまた一つ魔を封じ込めました


炊飯器<くっさ!!なんか……くっさ!?腐った魚みたいな匂いが若干する!!


大井「うるさいわね……電源刺して炊くわよ?」

天龍「炊き立て貞子」

雲龍「フフッwwwwwww」

( T)「叢雲、ドラム缶とコンクリの手配頼むわ。二度と浮上できない深海に沈めるから」

叢雲「深海棲艦になって戻ってきたらどうすんのよ?」

( T)「もう一回殺せるドン!!」

叢雲「なるほど、アンタらしいわ」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:08:11.84 ID:wOJezbEi0





炊飯器<やめてーーーーーーーー!!!!めちゃモテ愛され系悪霊貞子ちゃんにワンモアチャンスプリーズ!!!!!!!




( T)「ねえよ」


これにて、一件落着である。疲れた……
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:09:51.72 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



【数日後】イボンコハペッチャンコナノ……!!


早霜「ハァ……勿体無いわね……憑りつかれたことを覚えていないなんて……」

( T)「呑気言ってんじゃねえよ俺もお前も死に掛けたってのに」

不知火「コメディキャラクターだと思って油断していましたね。これからはもっと怪異に対する警戒を厳にする必要があるかと」

( T)「そんないつもいつも気ぃ張ってられっかよ……出たとこ勝負で大丈夫だって」

不知火「そういうテスト勉強一夜漬けのような認識でいるから毎回命の危機に晒されるのです」

( T)「耳が痛い。映画観る人!!」

早霜「はい」

不知火「はい」

( T)「今日は『イップマン 最終章』でも観るか!!」

不知火「カンフー映画ですか?司令にしては無難なチョイスですね……」

( T)「主演、アンソニー・ウォン」

不知火「やはり司令は司令でした」

早霜「人肉饅頭の怪演は……フフ、忘れられそうにないですけど……」


貞子が起こした数々のトラブルも、数日経てば一旦は落ち着いた
先ず、風邪を引いてたあきつ丸が全快した。本人は『春だからと言ってお腹出して寝ないのであります』とコメントしている
これは別に呪いとは関係ないが、一応の報告だ。アドバイスやお札は十二分に役だったので、やっぱりメシアは頼りになる

暴走をしていたウォースパイトの艤装も、問題なく動くようになったそうだ。もうあんなゴテゴテの主砲が付いた鉄の塊に追いかけられたくはねえな
しかし、当のオールドレディは全力疾走をした影響で筋肉痛に悩まされていた。マッスル鎮守府始まって以来の貧弱艦娘をどう鍛えようか考案中だ

性犯罪者三人は知らん。くたばったんじゃね?
あと俺のパンツは元の柄に戻らなかったのでハートのままだった。股間とケツの割れ目部分にデカデカとプリントされてる奴は燃やして捨てた
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:11:23.27 ID:wOJezbEi0
さて、炊飯器に封印した貞子だが


炊飯器<おーいおいおいおい……もうオッサンの放便音なんて聞きたくないでござる……


出来る限りの嫌がらせをしてやろうと、俺専用便所の音姫(用を足している最中に流れる流水音)になってもらった
トイレの片隅に古い炊飯器が置いてある絵面は少々精神的にクるものがあるが、今までしてきた迷惑の報いを与えないとな
それに、奴は封印間際に気になることを言っていた。『近い内に私をこの封印から解く羽目になるぞ』と

無視して深海に沈めても良かったのだが、ここは呪われた鎮守府。備えに越したことは無い
まぁ解いてもすぐに押し戻す気ではあるが、それは封印の解除と引き換えに貞子が何をしてくれるかによるな


( T)「うーん……」

不知火「どうしました?」

( T)「いや、なーんか重要な事を忘れている気が……」


まだ呪いの残根が残っているのだろうか、この数日何かスッキリとしない
こう、気の抜けた炭酸水っつーか……気軽に接することが出来るスリルが無くなったっつーか……


菊一文字則宗「隊……提督さん、剣術の指導終わりました」ガチャッ

( T)「おーう、ご苦労さん。どうだよウチの連中は」

菊一文字則宗「皆さん筋が良い……というか、僕の剣術とは全くの別物で、正直戸惑いますね」

( T)「ああ、お前さん突きが得意っつってたもんな。ウチの連中大体力技だから」

菊一文字則宗「僕の様な細身の刀では、二度受けるのがやっとですね……それでは、僕は夕立さんと約束があるので失礼します」

( T)「はいよー」


不知火「……」

早霜「……」

( T)「……」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:12:32.91 ID:wOJezbEi0




(;T)そ「時雨だーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」




不知火「今ですか司令?」

早霜「てっきり既に割り切っているものかと……」

(;T)「んなわけねーだろアホでもウチの第三位だぞ!!損失デカすぎるわ!!」

不知火「菊さんも菊さんで鎮守府に馴染みましたからね……」

(;T)「貞子が言ってた近い内に云々はこれの事だったんだ。不知火、菊さんを呼び戻せ。早霜、あきつ丸と雲龍呼んで来い」

早霜「解くのですか?」ワクワク

(;T)「それは貞子の出方次第だ。あとワクワクすんな二度と憑りつかせねえからな」

不知火「どうするおつもりで?」

(;T)「んん……楽に越したこたぁねえが最悪……」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:13:04.48 ID:wOJezbEi0







(;T)「俺らが『向こう側』まで時雨を迎えに行かなきゃならねえかもしれない」







54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:14:26.97 ID:wOJezbEi0
―――――
―――



十九世紀の日本、『銘治』
侍の歴史は終わりを告げ、華やかな文明開化を迎えたこの時代には、一つの脅威が襲いつつあった
驚異の名は『禍憑』。人の身では到底かなわぬ異形の化け物である

唯一対抗せしめるのは、名を冠する刀に宿す、天下轟く少女達『巫剣』
彼女達は禍憑の殲滅、並びに治安維持の為に組織された特殊機関『御華見衆』として
日夜、日本の平和を守るために戦い続けている

ここはそんな御華見衆の支部。浅草と上野の近くにある『めいじ館』
表向きは洋風茶屋として活動しているこの場所は、見目好い女給と、恰幅が良く豪快な性格である女将が話題を呼び
連日客が賑わう東京のちょっとした名物として知られているのであった


しかし、今日は巫剣とはまた別の
『海の異形』と戦う少女の、不機嫌そうな顔がそこにあった





時雨「……」

時雨「どうして、こんなことに……」




55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:16:03.91 ID:wOJezbEi0
城和泉正宗「コラッ、またサボってるの?」

時雨「うるさいよ赤髪ツインテのテンプレートツンデレヒロイン。僕は保護されるべき立場なのになんでウエイトレスの真似事なんかしなきゃならないのさ」

城和泉正宗「アンタが行く当てが無いって言うからお母さんの善意でお世話になってるのに、何なのその言い草!!」

時雨「突然異世界に飛ばされた傷心の僕に労働を課すだなんて聞いてないし」


「やかましいね。仕事はすんだのかい?」


やいやいと口喧嘩をしていた二人は、凄みのある声色に身を跳ねさせる
厨房からのしりと現れたのは、身長二メートル近い巨体を持つ


@#_、_@
 (  ノ`)  \デェエエエエエエエエエエン!!!!/


巫剣と契約することで本来の力を引き出すことの出来る『巫剣使い』であり
めいじ館の名物女将でもある『流石母者』。巫剣達からの愛称は『お母さん』である


@#_、_@
 (  ノ`)「城和泉、表の掃除を頼んでた筈だが?」

城和泉正宗「いっ、今からするとこだったのよ!!」

@#_、_@
 (  ノ`)「そうかい。ならさっさと済ませな。あんまり遅かったら昼飯は無いからね」


城和泉と呼ばれた赤髪の少女は、箒を手に飛び出すように外へと駆け出す
一方時雨は、蛇に睨まれたカエルのようにその場から動けずにいた
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/05/08(月) 01:18:14.94 ID:wOJezbEi0
@#_、_@
 (  ノ`)「さって、アンタは洗い物だ。モーニング終わりの食器が山ほど溜っているからね」


母者は時雨の襟首をひょいとつまみ上げると、厨房の方へと歩き出す


時雨「もうやだ帰りたい!!厳しい様に見えて実はゲロ甘な提督のとこに帰りたい!!」

@#_、_@
 (  ノ`)「あー、アタシもこれ以上クソガキの面倒は御免だよ。だけど子烏丸からの調査報告が来るまではこき使ってやる」

時雨「このテンパのクソババア!!」

@#_、_@
 (  ノ`)「何とでも言いな。働かざる者食うべからずはしっかりと守ってもらうよ」

時雨「う、うう……」




\提督たすけてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!/




数日後、行方不明となっていた菊一文字則宗が
想像を絶する肉体を持つ漢と、変わった風貌の少女数人を連れて帰ってくるのだが


それはまた、別のお話―――――



おわり
57 :>>1 [sage saga]:2017/05/08(月) 01:23:25.60 ID:wOJezbEi0
ベルトスクロールアクションRPG『天華百剣 斬』の壮大なステルスマーケティング(ノルマ達成)
この続きを書くかどうかは別として、急に展開が下りてきたのでこのようになりました
キャラ詳細が知りたかったらアプリをダウンロードするか公式HPをチェックだ!!菊一文字則宗はいいぞ!!

地獄の血みどろマッスル鎮守府は◆vVnRDWXUNzh3さんの活動を応援します。ありがとうございました
58 : ◆vVnRDWXUNzh3 [sage]:2017/05/08(月) 01:28:45.17 ID:Z9goZ7tp0
乙です、リアルタイムで全部読ませていただきました。初叢を始めさせる程度の能力しか無かった川д川がここまで凶悪になってるこの鎮守府は魔境か何かですかね……ともあれ、使っていただきましてありがとうございました!

( ^ω^)「因みに天華百剣は本当に面白えから絶対やれお」

( ^ω^)

( ^ω^)「菊ちゃんと牛王ちゃんぐうかわ」
59 : ◆vVnRDWXUNzh3 [sage saga]:2017/05/08(月) 01:32:05.40 ID:Z9goZ7tp0
◆vVnRDWXUNzh3は今後ともマッスル鎮守府を全力で応援します。
嫌がられてもします

 (^ω^)ヘ(T)へ
 ∠(∞)V(∞)V
  / | ノ l
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 01:56:13.97 ID:+sVUzmXA0
おつですw
冒頭で腹筋持ってかれたのに、勢いが相変わらず凄いww
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 02:05:15.91 ID:w4FM8bJ+O
あ、刀剣乱舞じゃなくてそっちの方なのか…
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 07:35:54.88 ID:2zK0GSXDO
おっつおっつ
今回も腹筋を鍛えてもらえたわ。
次回も楽しみに待ってる。
流石の鎮守府さんの次回作も楽しみにしとるよ。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 13:03:14.51 ID:cFSa5Hteo
ツン荷台…じゃなくて時津風荷台で無理だった
どっちの作品も好きだし面白かったです
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/08(月) 23:16:18.88 ID:pxBaGJLso

あいかわらずかおす
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 22:58:46.64 ID:35gyxFM80
あれ?これが最終回?
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