島村卯月「シンデレラクエスト」

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1 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:03:21.08 ID:Xi0Aw7pG0

―――346王国 城


王様「よくぞ来た、勇者ウヅキよ」

卯月「……はい?」

卯月(え、なんですかこれ? 気が付いたら目の前に王様みたいな人がいるんですが……)

王様「お主も知っての通り、今世界は魔王の復活によって滅亡の危機に瀕している……」

卯月「魔王!? あの、私そんなの知りませ―――」

王様「世界を救えるのは、勇者であるお主だけだ!」

卯月「そもそも私、勇者なんかじゃないですよ!?」

王様「勇者はみなそう言うのだ!」

卯月「そうなんですか!?」

王様「どいつもこいつもやれ『私は勇者なんかじゃない』『身に覚えがない』『弁護士を呼べ』などと抜かしおって……もっと自分の運命を自覚せよ! そういうとこだぞ!」

卯月「うぇぇ!?」

王様「とにかく頼んだぞ、勇者ウヅキよ! なんかこう上手いこと魔王を倒して、世界に平和をもたらすのだ!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1494338600
2 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:04:13.20 ID:Xi0Aw7pG0

―――346王国 城下町


卯月「うぅ、どうしてこんなことに……私、勇者じゃなくてアイドルなのに……」

卯月(あのまま流されるような形で送り出されちゃったけど……そもそもここって一体? 世界観からして違うし……まるでゲームの世界みたい)

卯月「ゲーム……あ、もしかしてこれ……夢かな? じゃあほっぺたをつねれば」ムニッ

卯月「……いたたたたっ!? え、夢じゃないの!? じゃ、じゃあ私、異世界に来ちゃったってこと!?」

ちひろ「その通りです」

卯月「うぇ!? ち、ちひろさん!?……なんか小さいし、空飛んでるぅ―――っ!?」

ちひろ「ええ、手のひらサイズですし、空だって飛びますよ。私はちひろではなく、導きの妖精ちっひですから」

卯月「妖精!? ちっひ!?」

ちひろ「あ、でも呼び方変えるのも面倒でしょうから、ちひろのままで結構です」

卯月「あ、それはありがたいです」

3 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:05:15.28 ID:Xi0Aw7pG0

ちひろ「卯月ちゃん。あなたはこの世界を救うために、元の世界から事後承諾で転移させられました」

卯月「せめて承諾取ってからにしてくれません!?」

ちひろ「元の世界に戻る方法はたった一つ、魔王を倒すことのみです」

卯月「そんな!? む、無理ですよ、そんなの!」

ちひろ「大丈夫です。何度死んでも教会で復活できますから」

卯月「あ、やっぱりゲームみたいなシステムなんですね」

ちひろ「まあ死ぬ度に超絶痛みを感じますが」

卯月「今すぐ元の世界に返してください! 痛いの嫌です!」

ちひろ「我慢してください」

卯月「対応が冷たいっ!」

ちひろ「それと、私も旅に同行し適度に横からアドバイスをしますが、戦闘能力は皆無なのでその辺は期待しないようにお願いします」

卯月「ほ、本当に魔王倒さなきゃ駄目なんですか?」

ちひろ「駄目です。大丈夫、なんとかなりますよ」

卯月「なんとかなる根拠を教えてほしいです……」

ちひろ「ではまずは酒場に行って仲間を増やしましょう。まず間違いなく卯月ちゃんだけでは瞬殺されますし」

卯月「勇者なのに滅茶苦茶弱いんですね、私!」
4 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:05:49.37 ID:Xi0Aw7pG0

―――楓の酒場


楓「いらっしゃいませ」

卯月「楓さん!? ど、どうして楓さんが?」

ちひろ「卯月ちゃんだけではなく、346プロのアイドルのほとんどがこちらの世界に転移しているんですよ」

卯月「みんな来てるんですか!?」

ちひろ「ただ転移にちょっと失敗して、みんなこの世界のあちこちにバラバラに跳ばされちゃったんですが」

卯月「それみんな無事なんですか!?」

ちひろ「命の心配はありませんよ。……なんかさっきからいちいちリアクションがうるさいですね」

卯月「そんなこと言われても! この状況で驚かないなんて無理ですよ!」

ちひろ「慣れてください」

卯月「慣れたくないです……。で、でもどうして楓さんは酒場をしているんですか?」

楓「酒場で働けば、お酒が飲み放題だからよ」

卯月「そんな理由なんですか!? ていうか商品飲んじゃ駄目ですよ!」
5 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:06:48.88 ID:Xi0Aw7pG0

楓「まあまあ。それより卯月ちゃん、酒場には何か用があって来たんじゃないの?」

卯月「あ、はい。実はかくかくしかじかで……」

楓「なるほど、仲間を探しに来たのね。ならちょうどいい子が―――」

未央「楓さん、ビール追加で!」

卯月「未央ちゃん!?」

未央「……しまむー? わ、しまむーだ! 会いたかったよ、しまむー!」

卯月「み、未央ちゃんも酒場で働いてたんだね」

未央「うん。楓さんに一緒に酒場で働かないかって誘われたんだ。私の力を貸してほしいって言われて」

楓「未央ちゃん、あなたはクビよ」

未央「唐突すぎる解雇通告!? な、なんでですか楓さん!? 私何もミスしてないですよ!? もう要らなくなったんですか私の力!?」

楓「そうじゃないわ。卯月ちゃんが魔王退治の旅の仲間を探しているそうなの。だから未央ちゃん、一緒に付いて行ってあげて」

未央「え、しまむー、魔王倒そうとしてるの?」

卯月「そうしないと元の世界に帰れないらしくて……」

未央「なるほど、帰るためには魔王倒せばよかったんだね。そういうことなら任せて! この未央ちゃんが力になるよ!」

卯月「ありがとう、未央ちゃん!」

ちひろ「未央ちゃんが仲間になりました」
6 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:07:35.51 ID:Xi0Aw7pG0

―――ソノヘンノ森


未央「さあ冒険の始まりだよ、しまむー」

卯月「勢いで旅立っちゃったけど……私たち、本当に魔王なんて倒せるのかな?」

未央「大丈夫だって。どうせらんらんが魔王だとかいうオチだよ」

ちひろ「それはないですね。蘭子ちゃんはこの世界に転移していませんので」

卯月「え? でもさっき、みんな転移してきているって言っていましたよね?」

ちひろ「ほとんどと言ったはずですよ。蘭子ちゃんはこっちに来たら面倒なことになりそうなので、呼びませんでした」

未央「面倒って言い方はあんまりじゃない?」

ちひろ「蘭子ちゃんがこっちに来たら、自ら魔王を自称して近隣の町の傭兵に討伐されてしまうかもしれないんですよ?」

卯月「……お空に上がった時にそんな感じだったので、否定できないです」

未央「……それだと、確かに呼ばない方がいいかもね」
7 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:08:52.98 ID:Xi0Aw7pG0

『きゅぴー』

卯月「きゅぴ?……な、何かいます!?」

未央「こいつは……魔物だよ!」

ちひろ「それはスライムですね。ザコなので、とっとと倒しちゃってください」

卯月「とっととって言われても……」

ちひろ「その腰に付けている剣で、ザシュッとやっちゃえばいいんですよ」

未央「これくらいの敵なら、しまむーだけでも倒せるよ。やっちゃえ!」

卯月「う、うん……」

スライム『きゅぴー』

卯月「ざ、ザシュッと…………」

スライム『きゅぴぃ〜』

卯月「…………」

スライム『きゅぴぃ〜……!』

卯月「無理です! 私には出来ませんっ!」

未央「なんで!? そいつ多分一撃で倒せるよ!?」
8 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:09:47.68 ID:Xi0Aw7pG0

卯月「たとえ魔物でも、剣で斬るなんて残酷なこと……私には無理です!」

未央「え、えぇー……それを言ったらもうどうしようもないよ? 旅ここで終了だよ? まだ旅立ってから30分も経ってないのに」

ちひろ「大丈夫ですよ、卯月ちゃん。卯月ちゃんたちの武器には特別な魔法がかけられているので、魔物を傷つけることはありません」

卯月「特別な魔法?」

ちひろ「その武器で攻撃して魔物の体力が無くなると、魔物は魔界に送還されるんです。殺したりすることはありませんので、思いっきりやっちゃって大丈夫ですよ」

未央「だってさ、しまむー。随分都合がいい設定だけど、これなら戦えるよね?」

卯月「そ、そういうことなら……えいっ!」ザシュッ

スライム『きゅぴっ!?』シュワァァ

未央「あ、ホントだ。光に包まれて消えてくよ」
9 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:10:17.27 ID:Xi0Aw7pG0

ちひろ「テレレレッテッテッテー♪」

未央「レベルアップ音!?」

ちひろ「今の戦闘で、卯月ちゃんのレベルが2に上がりました」

卯月「この世界観、本当にゲームなんですね……」

ちひろ「ちなみに、未央ちゃんは今レベル5です。酒場で働いていたおかげですね」

未央「戦闘以外でも経験値貰えるんだ」

ちひろ「そして、今の戦闘でチュートリアルは終了となります」

卯月「ここまでチュートリアルだったんですか!?」

ちひろ「ここからは本格的な冒険が始まります。元の世界に帰るために、頑張って魔王を倒してくださいね」

卯月「……で、出来るだけ、頑張ります」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 23:15:03.48 ID:Z45gngHo0
大魔王だと…!?何川ちひろなんだ…!?
11 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/09(火) 23:17:01.78 ID:Xi0Aw7pG0
書き溜め無しでテキトーに書いていきます

なので旅の途中で唐突に魔王戦に突入する可能性がありますが、ご了承ください
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 23:18:27.03 ID:MV15gSNB0
魔王は紅か蒼の乙女じゃないですかね?
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/09(火) 23:54:26.65 ID:HAQBkjaE0
『ふわぁ〜……』
14 : :2017/05/10(水) 02:29:54.23 ID:JE7TQ9PM0
黒井社長か玲音じゃないの
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 03:45:25.31 ID:AlcfJDCxo
魔王なんて悪い存在ちひろ以外に居るわけ無いだろjk
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 07:33:49.82 ID:ccGLsCWko
>>14
ageんな[ピーーー]
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 08:30:20.71 ID:wgbbUVG5O
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 13:06:22.44 ID:mz9LvmYUO
>>16
こういう奴は減らないよな何様よ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 16:53:59.56 ID:8jDh0mrho
ちっひは禍ツ神だから魔王は部下も同然じゃん
あれ?何で窓から緑色の光g(いjのjbcえqじょえんqんかふじこhqvwぢいおqjdくぇぴjcw
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/10(水) 18:37:06.66 ID:IwlnEjjU0
Paは強い人多そう茜ちんとかニンジャとか
21 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:20:18.71 ID:O7+OKHs30

―――ヒトツメノ村


ちひろ「無事、最初の村に辿り着けましたね」

卯月「無事……って言えるんでしょうか、これは」



未央(どく)「…………」



ちひろ「死んではいないので、広義の意味では無事です」

卯月「まさかどく状態を与えてくる魔物が出るなんて……」

未央(どく)「……しまむー、私もうここから動けないから。あと一歩でも動いたらHP0になるから。お願い、急いでどくけし草手に入れてきて!」

卯月「わ、分かった!」

22 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:21:00.75 ID:O7+OKHs30

―――道具屋


卯月「すみません、どくけし草を―――」

亜子「売り切れでーす」

卯月「え、そんな―――って、亜子ちゃん!?」

亜子「あ、卯月ちゃん。こんなとこで何してるの?」

卯月「こっちの台詞だよ!? 亜子ちゃん、どうして道具屋やってるの!?」

亜子「儲かるからに決まってるじゃん」

卯月「単純明快!」

ちひろ「どうやら、こちらに転移してきた子たちはそれぞれたくましく生きているようですね」

亜子「で、どくけし草だっけ? 悪いけど今ないよ」

卯月「そ、そんな……未央ちゃんがどく状態になってるの! 早く治してあげないと……!」

亜子「え、今そんな危ない状況なの? でも無いものは無いし……あ、そういえばこの村には天才魔導士が住んでるんだよ」

卯月「天才魔導士?」

亜子「アタシは会ったことないけど、その人ならどくを消す魔法くらい使えるんじゃない? 家の場所は知ってるから教えてあげる」

卯月「あ、ありがとう!」
23 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:21:38.90 ID:O7+OKHs30

―――天才魔導士の家 前


卯月「ここが……すみませーん! 天才魔導士さん、いらっしゃいませんか!? お願いがあるんです!」

『はいはい、今行きますから』

卯月「……? 今の声どこかで聞いたような……」


《ガチャ―――》


ありす「この天才魔導士クールタチバナに何かご用―――」

卯月「……ありすちゃん?」

ありす「……」


《―――バタンッ!》


卯月「どうしてドア閉めるの!? ありすちゃん! ありすちゃんったら!」
24 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:22:10.37 ID:O7+OKHs30

ありす『あ、ありす? 人違いじゃないですか? 私はクールタチバナですよ?』

卯月「いや、ありすちゃんだよね!? お願い! 未央ちゃんがどく状態になっちゃって今にも死にそうなの! ありすちゃんの力を貸して!」

ありす『未央さんが?……仕方ないですね』


《ガチャ―――》


ありす「ありすではないですが、力を貸しましょう」

卯月「ありがとう!」

ちひろ「未央ちゃんのことを知ってる時点で、ありすちゃんと認めたもののような気がしますが……」

ありす「タチバナですっ!」
25 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:23:05.00 ID:O7+OKHs30

―――ヒトツメノ村 入口


未央(どく)「え、ありすちゃん?」

ありす「違います。私は天才魔導士のタチバナです。あなたのどくを治しに来てあげました」

未央(どく)「おぉ! 上から目線なのが若干気になるけど、治してもらえるならいいや! 早く治して!」

ありす「はいはい。では……クリアー!」シャーンッ

未央(どく)「これは……!? 体が光に包まれてく……!」

ありす「これでもう大丈夫です」

未央(どく)「ありがとう、ありすちゃん! これでようやく動けるよ!」

卯月「……あれ? 未央ちゃん、まだどくの表示が消えて―――」

未央(どく)「じゃあ私も村を見て回ろっかなー」《HP1→0》



棺桶「」チーン
26 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:23:30.58 ID:O7+OKHs30

卯月「未央ちゃん!?」

ちひろ「死にましたね」

卯月「ありすちゃん、未央ちゃん死んじゃったよ!?」

ありす「……あ、MPが切れてました」

卯月「『あ』じゃないよ!? うぅ……未央ちゃあーんっ!」

ちひろ「大丈夫ですよ。教会で生き返らせましょう」

ありす「そ、そうですそうです。すぐに生き返らせられますよ、これくらい」

卯月「……ゲームの世界観って、死の扱いこんなに軽いの?」
27 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:24:26.17 ID:O7+OKHs30

―――教会


クラリス「教会へようこそ」

卯月「これは予想出来てました」

ありす「クラリスさん。未央さんが死んでしまったので、生き返らせてください」

クラリス「はい、分かりました。……では、未央さんはレベル5ですから、500マニーの寄付をお願いいたします」

卯月「マニー?」

ちひろ「この世界の通貨です。卯月ちゃん、ポケットにICカードが入っているはずですよ」

卯月「ICカード?……あ、本当に入ってました」

ちひろ「魔物を倒したり物を売ったりすると、そのICカードに自動的にマニーが加算されます」

卯月「世界観にそぐわない近未来的なアイテムですね……というかクラリスさん、お金取るんですか!?」

クラリス「お金を取るわけではありませんよ。ただ、心ばかりの寄付を頂けたらと」

卯月「……もし寄付しなかったらどうなるんですか?」

クラリス「どうもしません。ただ、私も何もしないだけです」

卯月「やっぱりお金取ってますよね!?」
28 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:25:17.59 ID:O7+OKHs30

ありす「まあここは私が払いますよ。私にも少し責任がありますので」

卯月「……少し?」

ありす「どうぞ、500マニーです」

クラリス「善意の寄付をありがとうございます。では……未央さんカムバック!」


《ポンッ》


未央「……ふぇ?」

卯月「未央ちゃん! い、生き返って良かった……!」

未央「え、生き返ってって……まさか私死んでたの!? ちょっとありすちゃん!?」

ありす「未央さん、無事で何よりです」

未央「いや無事じゃなかったんだよね!? 死んでたんでしょ!?」
29 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:26:00.10 ID:O7+OKHs30

ありす「今、未央さんは生きている。それでいいじゃないですか」

未央「良くないよ! 思い出したけど、死んだ時体中に超絶痛みが襲ってきたんだからね!?」

卯月「ち、ちひろさんが前に言っていたこと、ホントだったんだ……」

ちひろ「HPが減ってもそれほど痛みを感じない代わりに、死んだ時は超絶痛みを感じるようになっているんです。まあ、仕様ですね」

卯月「嫌な仕様ですね!」

未央「ありすちゃんったら!」

ありす「過ぎたことをネチネチと……分かりました。お詫びに私も未央さんたちの旅に同行しますよ」

卯月「え、本当に?」

ありす「そろそろ元の世界に帰りたかったので、ちょうどいいです」

未央「……でもその前に私に言うことがあるよね?」

ありす「……すみませんでした」

未央「よろしい」

ちひろ「ありすちゃんが仲間になりました」
30 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:26:37.39 ID:O7+OKHs30

―――ソコイラの森


ありす「この天才魔導士クールタチバナが仲間になったからには、魔物なんて敵じゃないです」

卯月「うん、頼りにしてるね」

ありす「ところで、未央さんの武器はどんなものなんですか?」

未央「私? 私はこれだよ」

ありす「じ、銃ですか、それ?」

未央「そう。しまむーの剣と同じで、お空に上がった時のやつだね。これで魔物をバンバン撃っちゃうよー!」

『きゅぴー』

卯月「きゅぴ?……ま、またスライムです!」

未央「なんかスライムばっかりと遭遇してる気がするなぁ……まあいいや、ばきゅーんっ!」バキュン

『きゅぴ?』

未央「え、効いてない!?」
31 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:27:31.23 ID:O7+OKHs30

ちひろ「そのスライムはただのスライムではなく、物理攻撃が効かないタイプのやつですね。魔法しか通用しませんよ」

未央「こんな序盤でそんな面倒なの出てくるの!?」

卯月「魔法なら……ありすちゃん、お願い!」

ありす「やれやれ、もう出番ですか。では見せてあげましょう。……天才魔導士の力を!」

未央「あ、ありすちゃんの周囲に、魔力が集まって……!」

ちひろ「……あ、なんかまずそうなので離れたほうがいいですよ」

卯月「へ?」

ありす「迸れ、数多の雷よ!」



ありす「スパーキングサンダーノヴァ!」


《ズガガガガッ、ズガ―――――――――――ンッ!》


卯月・未央・スライム『きゃぁああああああああああああっ!?(ぴぎいっ!?)』

32 : ◆mqlRkew9nI/5 [saga]:2017/05/10(水) 22:29:18.97 ID:O7+OKHs30

ありす「……ふぅ、片付きましたね。どうですか、お2人とも? これが私の実力で―――」

棺桶×2「」チーン

ありす「す……」

ちひろ「2人とも巻き添えで死にましたよ」

ありす「……ちょっとやりすぎました」

ちひろ「仕方ないので、さっきの村の教会まで戻りましょう。ありすちゃん、天才魔導士なんですから、瞬間移動の魔法くらい使えますよね?」

ありす「使えますが……もうMPないです」

ちひろ「え、一回魔法使っただけでですか?」

ありす「私、天才なのでほとんどの魔法は使えるんですが……MPは魔法を一回使えるくらいしかなくて」

ちひろ「とんだ天才魔導士ですね……。では、教会まで歩いて戻りましょう。棺桶2つ、頑張って運んでくださいね」

ありす「うぅ、重そうです……」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/11(木) 02:39:22.32 ID:L8iOxo++0
しっかりしてくれよ橘さん……
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