北方「イコ! チェイス!」チェイス「ああ」貴虎「2スレ目だ」

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9 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:24:31.88 ID:TajjnWIp0
トウカ!スルーヨ!
10 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:30:24.96 ID:TajjnWIp0





「へぇ〜え、いいじゃないのこのデカい剣。なぜかスゲーしっくりくる。なんつーか、これ担いで化け物相手に戦って……ウッ、アタマガイタイ」

「メダジャリバーを伊達さん用に改良したものです。従来品と同じようにセルメダルを込めることで瞬間的に凄まじいパワーを発揮できます。あと、コレも。
改良型のバースドライバーです。そのメダジャリバー主軸として戦うこと前提で調整されているので、使える武装はバースバスターとブレストキャノンのみに絞られてます」

「いいねぇ、キライじゃないよ、そういう尖った装備って言うの? 俺は後藤ちゃんみたいに色々使って戦うのは苦手だし」


 鴻上ファウンデーション社長秘書、里中から渡された身長ほどもありそうな巨大な剣を肩に担ぎ、仮面ライダーバース初代装着者伊達は笑った。話は数週間前に遡る







11 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:32:48.03 ID:TajjnWIp0







『やぁッッ!!! 元気そうだね伊達君ッッ!!!』


戦うドクター伊達明の耳朶を激しく打ちつけたのはいつものあの大声である。深海棲艦による攻撃の被災地をまわり、並んでいた最後の怪我人に治療を施し終わった後のこと、見計らったかのように自身の携帯が鳴り響いたのだ。電話に出たと思ったら耳元で全力で銅鑼を鳴らしたような声がしたわけだ



「久しぶり会長、んでもって声のボリューム下げて鼓膜破れる」

『おぉ、それはすまない! なんせ里中君が休暇中でね! いつものテレビ電話が出来なかったんだよ!!』

「おっかしいなぁ、深海棲艦の影響で国内除いて電話ってすごいかけづらい状況になって『それはそうとだねッッ!!!!』 」キーン


『君には新しい仕事をやってもらいたくて電話したのだよ。無論報酬は弾もう!! とりあえずそうだね……(ガシャガシャガシャ チーン!)円。手付金としてコレくらいでどうだね』

「詳しく聞きましょうか」


決して報酬に釣られたわけではない。決してだ










「さぁ〜て……避難状況と敵の位置はどうなってんの? 里中ちゃん」

「避難は9割方終了、敵は1分ほどでコンタクトです。どうやらあちこちに兵隊を仕込んだポッドのようなものをあらかじめ仕込んでいたようですね。感知次第バースのモニターに表示されます」

「オーライ、そんじゃ、久々この3人でやりますか! 後藤ちゃん、里中ちゃん!」

「はい、伊達さん!」







「変身!」ピーン パシッ ギイッギイッ カポン!

「変身!」ピン ギイイッ! カポン!

「(定時まであと数時間……やり仕舞いだから早く終わらないかなぁ)」ジャカコッ




『『『『『『『『『『人類、及び仮面ライダー発見、排除、開始』』』』』』』』』』





12 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:34:43.78 ID:TajjnWIp0
チェイスたちが居る場所とはまた別の海域






「火野提督、全部隊出撃準備完了しました」

「よし、それじゃ俺たちも出撃しようか」


水平線の向こうを見据えながら映司は未だ慣れない出撃命令を出す。抵抗はあったが、彼女達の強さを信じ命令を下す。腰に巻かれたオーズドライバーにはシャチ、ウナギ、タコメダルが装填されている。その両隣を腰にゲネシスドライバーを巻いた妙高と摩耶が固めている。と、摩耶がなにやら言いたげな雰囲気で映司を呼ぶ


「………おう提督」

「なにかな摩耶ちゃん」

「ちゃん付けはよせって。なんつーか、その……」

「?」

13 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:36:41.43 ID:TajjnWIp0

「(頑張って摩耶ちゃん)」クスクス

「……っだー! これからお前のこと、映司って呼ばせてもらうからな!! あと戦いが終わったら間宮おごれよ!」

「へ? あ、あぁうん。構わないけど」

「ッ! と、ともかく、そういうことだからな!!」///////

「えぇ……? なんで急に耳まで赤くなってるの? それにそっぽまで向かなくてもいいじゃない」

「あ、赤くなってねーよ!!」

「(この二人、中学生カップルみたいで可愛いですねぇ。片思いみたいですけど。最初はあれだけ反発してたのに、ねぇ)」クスクス

「ちょっと、私達差し置いてイイ雰囲気にならないでもらえるかしら?」スルッ ダキッ

「ヲ!」スルッ ダキッ



 摩耶との間にヲ級、妙高との間にメズール(ヲ級擬態)が割り込む。映司は両腕をガッチリ二人に絡め取られてしまった。摩耶の表情が目に見えて曇る



14 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:38:20.93 ID:TajjnWIp0



「出たなクラゲにシャウタ」

「弾ける波飛沫! キュアメズール!」

「華麗ニ舞ウ艦載機! キュアヲキュー!」

「「二人は海キュア!」」

「ナニイテンダフジャケルナ!」

「あー……のさ二人とも。これから出撃だから鎮守府に戻ってて欲しいんだけど」

「私達がいないうちにウワキされちゃ困るもの。ね、ヲーちゃん?」

「ヲ!」コクコク

「な、何言ってんだお前ら!! こ、この摩耶さまとえ、映司がそんな……」//////////

「あら、別にアナタのことを言ったわけじゃないけど。というかいつの間に坊やを呼び捨てに? これはもしかして、由々しき事態ってことかしら?」

「ヲ〜……」

「??」



 映司を挟んで会議を始める二人。間の映司は何がなにやらといった感じだ。鈍さは相変わらず治っていないらしい。なぜか映司の脳裏に知り合い全員からため息をつかれるビジョンが浮かんだ


15 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:39:37.76 ID:TajjnWIp0


「もうホラ二人とも。火野提督から離れてください。家を護り、夫の帰りを待つのも妻の役目では?」ボソッ

「「!!!!」」


妙高の言葉に、シャチとクラゲに電流が走る


「そ、そうね……私としたことが、初歩の初歩を失念していたわ…」

「ヲ!」

「そうと決まれば!」

「ヲ!!」


スルリと映司の腕の拘束を解き、今度は映司の手を握る二人


「私達は映司が帰ってくるまでココを護るわ。だから、ネ?」

「ヲ!」


メズールとヲ級がアイコンタクトする。ダイカイガンでもするのかな? と映司が思った瞬間手を下に強く引っ張られる。当然映司はバランスを崩して前傾姿勢になる。と




映司の両頬にマシュマロのような柔らかい感触が触れた。そして小さな小さな水音が耳に入る。


「「絶対に帰って来てね、旦那様♪」」



この言葉を皮切りに映司の周りは一気に騒がしくなった。いや出撃しろよお前ら後リア爆



16 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:42:07.42 ID:TajjnWIp0




「敵、現れたみたいだな」

「…………」


 腰に戦極ドライバーを付けた沢芽市防衛組のザックは城乃内からの通信を隣のペコに伝えた。ペコはといえば緊張した面持ちでマツボックリロックシードを強く握り締めている


「…………」

「……大丈夫か?」

「正直、不安だよ。俺、ザックや戒斗さんみたいに戦えるかな」

「やるしかないさ。大丈夫だ、ここにはたくさんの仲間がいる」

「……うん」


 最前線で戦い続けてきたザックの言葉は、常に戦うものの後ろに居ることしか出来なかったペコの心には響かなかった。彼の心に響く言葉を放てる人物は、もう少し後で参戦することになる。



17 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:45:45.48 ID:TajjnWIp0



「ヤツらが行動を開始したようだ」


黒いスーツの渋い男が回ってきた連絡をその部屋の全員に伝える。と、『二つの玉座』に座っていた片方の男が立ち上がる。座っているほうの男が立ち上がったほうの男を心配そうに見つめる


「……行くの?」

「ああ。俺たちの価値観から見ても、ヤツはこの世に居ていい存在ではない。必ず絶滅させる。お前はこの城を、民を護れ。お前達もだ」

「「「はっ!」」」

「……わかったよ、兄さん。気をつけて」


「貴様ら、誰に向かってモノを言っている?」

「U世」

「……フン」

 どこからか飛んできた血の様に赤いコウモリが吐き捨てるように言葉を放つが、立ち上がった男がコウモリを嗜める。と今度は金色のコウモリが飛んできて赤いコウモリを嗜めた


18 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:47:10.23 ID:TajjnWIp0


「家族として心配してるんだよ。俺も、ワタルも。安心しろって、もし父ちゃんが帰って来なかったら俺が責任を持ってカナコをシンデレラに」

「やかましいこのバカ息子が!! フミカさんをほっとく気か?!」ガン!

「いってぇ!! なにすんだこのアホ親父!! てかキレるポイントそこかよ?!」ゴン!


「「……はぁ」」


 低レベルな親子喧嘩を勃発するコウモリたちを見て二人のキングは嘆息する。



「おい、いつまでもじゃれてないで行くぞU世。侍女(ヴィレッタ)! サガーク!」


ダークキバの継承者、登 大牙が暗がりに向かって呼びかける。と、ベールの向こうから病的なまでに白い肌をした女性がゆらりと現れた。伴って円盤状の生物が女性の横へとついている。女性は優雅な動きで大牙へ近づき、頭をたれて跪く


「オ呼ビデショウカ、キング」

「俺の供回りをしろ。サガークと共に露払いを任せる」

「仰セノママニ、キング」


 優美な動きで女性は立ち上がると、その両頬にはステンドグラスのような模様が浮かんでいた。それに反応しサガークと呼ばれた円盤状の生物が彼女の腰に巻きつく。大牙の手元にはケンカを(強制的に)終わらせたキバットバットU世が掴まれている



19 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:47:41.00 ID:TajjnWIp0



「征くぞ」

「ハイ」



「「変身!」」


ガブリッ! ヘン・シン!



窓を開け放ち、ファンガイアのキングと供回りは深紅の流星となって黄金の狂気を絶滅させに飛翔した





20 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [ sage saga]:2017/06/10(土) 21:49:53.80 ID:TajjnWIp0
ココマーデ。あれ、主人公ぜんぜん出てないな次回でるよぜったい
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 21:55:44.91 ID:dCGkdU/Eo
乙です
22 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/26(月) 22:15:59.12 ID:+P4DSwGE0
明日更新。主役とみんな大好き4姉妹が魔改造されたようです
23 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:06:43.85 ID:10pQpHTN0
好き勝手するなら思い切り。というわけでトウカスルーヨ!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 21:08:31.09 ID:D0fsDszY0
遭遇だ!よっしゃラッキー!
25 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:11:59.27 ID:10pQpHTN0




 水平線に広がる邪悪な黄金の戦士達を見据え、チェイスはブレイクガンナー改を強く握り締める。蛮野が仲間にした仕打ちは今でも脳裏に焼きついて離れない。メディックを利用しブレンを侮蔑しハートを傷つけた。そして今回も人類を自分の身勝手な理想を押し付け絶滅させようとしている。


 さまざまな感情がない交ぜになりつつもチェイスの心境は落ち着いていた。蛮野に一種の憐れみを覚えつつもあった。だが許すわけにはいかない、改心するには彼はもう罪を犯しすぎた。人間であることを捨て、人間の心を捨て、何も生まれぬ破壊を蔓延させる存在。

仲間を護り、不穏分子を粛清する死神が再び動き出した。死神として、最後のターゲットを眼前に見据える。




チェイスの腰部にシンカイドライバーが出現する。外見はドライブドライバーのようだが、白と黒の2色で統一されており細部に深海の意匠が組み込まれている。

かつての仲間との絆の証であるシフトカー『シフトロイミュード』を起動し、腰のドライバーのエンジンキーを捻る


26 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:13:10.30 ID:10pQpHTN0


Fire All core!  Nexus our soul!


 シフトカーの天井部の鏡状の部分が虹色に発光する。起動したシフトカーを自らの艤装であるブレイクガンナー壊に装填



Full Tunning!!



 そしてブレイクガンナーのディストラクションマズルを押し込む



「変身!!」





Rider! Chaser! Type Brave Diver!






紫電が迸り、紫と黒が交じり合った光がチェイスを包む。光がやむと、そこには今までとは全く違う仮面ライダーチェイサーの姿があった。


27 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:14:54.77 ID:10pQpHTN0


 頭部の一部には新たに深海の意匠が施された装 甲が追加されており、右目には青いイ級の目のようなバイザーがモノクルのように装着されている。

 他にも腕や足、肩など全身に黒い装甲が追加され、右胸には紫色の死神マークが刻まれている。ブレイクガンナー壊にも変化があり、変化後の姿はタ級の深海連装砲に似ている。その姿は深海棲艦と仮面ライダーチェイサーのハイブリッドと呼ぶにふさわしい。



「蛮野天十郎。お前は俺が処刑する最後の『ロイミュード』だ。だがリセットは許さない。今度こそ撃滅する」



Tune  chaser deep Valkyries!


 チェイスの体に宿る深海の力を極限まで引き出す、新型武装バイラルコアをブレイクガンナー壊に装填。海水を巻き上げながら死神は粛清対象に向かって全速前進した







「征くぞ」






28 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:17:12.82 ID:10pQpHTN0





『敵対象【仮面ライダーチェイサー】補足、これより仮面ライダーチェイサーの撃滅をかいs(ガギャッ!)  』



 セリフを言い終わらないうちに量産型GDの首が360度回転し千切れとんだ。チェイサーがブレイクガンナーの底部でGDの横面を思い切り殴ったためだ。そして体を回転させ、その回転の勢いも付与した回し蹴りで首のないGDを蹴り飛ばす



Tune Chaser destroyer!




 仲間の体をぶつけられたたらを踏むGD部隊。チェイサーはブレイクガンナーのディストラクションマズルを押し込むと、イ級のような形をした深海駆逐武装が両腕に出現した。慌てているGDたちがいるところへチェイサーは新たに出現させた駆逐艦の武装の魚雷を容赦なく敵の塊へと発射する





「はあぁぁぁぁぁぁ!」ボシュボシュボシュ!



ドガァァァァァン!!!



 と、チェイサーの右目のバイザーに新たな敵影が表示された。敵陣後方にいるGD空母部隊が発艦した艦載機が迫っている。チェイサーは両腕の艤装をいったん解除し再びディストラクションマズルを押し込む



Tune Chaser  aircraft carrie!



チェイサーの左腕に空母ヲ級の被っている帽子のような艤装が、盾のように装着される。そして右腕には黒い杖が出現した。



「深海艦載機、発艦! 撃墜しろ!」


 水平に構えた盾の口から紫と黒の色をした艦載機が出現、チェイサーは敵艦載機へ向けて杖を振る。それに応じ艦載機は敵艦載機を撃墜しに出撃した。その隙に乗じてGDがチェイサーに近接格闘を仕掛ける



「ムダだ!!」



 掴みかかってきたGDを盾で受け、弾き飛ばす。GDが体を大きくのけ反らせた隙にチェイサーは杖をGDの足に絡め、空中へ打ち上げる。



「はあぁっ!!」


無防備な体勢で落下してきたGDにチェイサーは盾で強烈なパンチを叩き込んだ。吹き飛ばされた先でGDは仲間を巻き込んで爆発四散した









29 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:18:53.13 ID:10pQpHTN0







「金剛お姉さま、敵、捕捉しました。後30秒で射程に入ります」

「OK……皆、準備はいいネー?」

「はい! 勝手は! 榛名たちが! 許しません!」

「比叡! 気合!! 入れて!!! 行きます!!!!」



栄光の金剛型艦娘4姉妹が懐から取り出したのは大ぶりなUSBメモリのようなもの二つずつ。メモリにある小さな起動ボタンを押す



HEAT! METAL!

LUNA! TRIGGER!

CYCLONE! JOKER!

ACCEL!  ENGINE!



30 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:20:28.89 ID:10pQpHTN0



 それぞれ2本ずつのメモリを彼女たちは腰部ベルトに新しく増設されたメモリスロットに装填する。凌馬が作り出した新たなる艦娘の力の一つ。艦娘専用ガイアメモリ、『T・R(タイプリョウマ) ガイアメモリ』。



 艦娘たちに新しく増設されたガイアメモリ専用スロットに、起動したメモリを装填することで攻撃にメモリに内封された力が付与される。この金剛型4姉妹は全ての艦娘たちの中で最もガイアメモリと相性が良かったため、2本携行し使用することを許された。






「さぁ! ワタシの渾身のバーニングラヴ、受けてみるネー!」

「榛名! いざ、狙い打ちます!」

「さぁ! 貴方の罪を数えなさいッ!」

「さて。振り切らせてもらいます」



金剛の目が赤と銀色に、榛名は黄色と青色に、比叡は黒と緑に、霧島は赤と灰色に。それぞれ目がオッドアイに変化した。が、変化はそれだけではない


31 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:21:59.05 ID:10pQpHTN0
『排除、開始』




GDが背部に装着した艤装から砲弾をばらまいてくる



「Hey、そんなんじゃTepidネー!」


 金剛の艤装横部の一部が展開、盾のように前面に展開される。同時に金剛はメモリスロットのボタンを押す



HEAT! MAXIMUM DRIVE!!



展 開された装甲が瞬時に燃え上がり、直撃した砲弾を蒸発させた。近くに着弾した砲弾が巻き上げる海水が、盾に触れた途端蒸発していく



「本物のBurning Love!! 見せてあげるネ!」



 炎を纏った盾を展開し、さらに砲撃をしながら敵陣へ突っ込む金剛。GD部隊が危険を察知して下がろうとするが遅かった



「MAXAUM! BURNING LOVE!!!」



 海をかける紅蓮の隕石によるタックルは大量のGDを吹き飛ばし、戦闘不能にした。金剛に最も適合したメモリはヒートとメタル。包み隠さぬ熱い想いと姉妹と想い人を護るという鋼よりも強い想いに共鳴したのだろう。下の妹たちが見る金剛の背中はとても頼もしいものだった






32 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:23:15.83 ID:10pQpHTN0






「榛名が! お相手します!」



榛名も姉の金剛と同じように艤装の一部が展開、彼女は手のような形に展開した。


「幻惑の力、お見せします!」



LUNA! MAXIMUM DRIVE!!



榛名の輪郭がぼやけたと思った瞬間、榛名が複数人に分身した。


「いっけぇぇぇぇ!!」


分身の数体は弾道を不規則に変える砲撃で、その他の分身は展開されたアームを自在に伸ばして打撃を繰り出す。



幻惑にとらわれGD部隊はなすすべなく蹂躙されていった



33 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:24:54.80 ID:10pQpHTN0



比叡も同じく艤装を展開する。比叡は右の艤装に緑色の風を、左には紫に近い黒の炎のようなものを纏わせている


「切り札はいつだって自分! 戦うものに、追い風は吹く! いざ! 比叡!! 行きます!!」



 風を纏った砲弾を発射しながら姉や妹の援護をする比叡。そこへ高速で接近してくるGDがいた。慌てず左の艤装を動かし、迫ってきたGDにブチあてる。すかさずメモリをマキシマムドライブさせる


JOKER!MAXIMUM DRIVE!!


「提督直伝!! ライダァーパァーーンチ!!」



吹き飛ばされたGDは他のGDを巻き込んで大爆発を起こした




34 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:26:21.51 ID:10pQpHTN0



「艤装状態、チェック……OK。振り切らせてもらいます」



 霧島の艤装展開状態はハサミのような装甲が展開される。メモリの作用によって目にも留まらぬ速さで砲弾を連射、敵陣をかき回す。砲弾をリロードしているスキに迫ってきたGDを艤装のハサミで受け止め、切り裂く。


「これだけでは終わりませんよ!」



ACCEL!  MAXIMUM DRIVE!!


 ハサミを水平に構え、目にもとまらぬ速さで敵に接近、回転切りを食らわせていく。さながらコマのようだ




「敵殲滅までかかった時間、9・8秒、計算通り。上々ですね」



回転を止め、艤装の間から余分な蒸気を放出した瞬間、大量のGDが真っ二つになり大爆発を起こした
35 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/06/27(火) 21:33:57.88 ID:10pQpHTN0
ココマーデ。金剛姉妹については某フィギュアを参考にさせていただきました。正直比叡の艤装にもうちょっとギミックがあれば何とか……なったようなそうでもないような。てかルナメモリ強すぎじゃね? さすが京水ネェさん

艤装の展開状態とメモリと正直ミスマッチなところがありますが見逃してくらさい、描写はこれが限界。
そしてチェイスのあふれ出るレ級感。お決まりのてんこ盛りフォームです

仮面ライダー×艦これ 無双状態!ではまた次回
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/27(火) 21:36:08.10 ID:tJBffuYro
乙です
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/28(水) 22:17:17.44 ID:ZiR4LrkBO
さて、重雷ズと武蔵、第6駆逐隊他その他はどうなるのか?
38 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:23:51.17 ID:tgTJS1zC0
トウカ!スルーヨ! ちなみですけどこのスレのホッポちゃんは北方痴女にはなりません、似たようなマントは羽織るかもですけど
39 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:25:13.50 ID:tgTJS1zC0




「どうした? こんなものでは私は墜とせんぞ!」


 修羅のごとく気迫で敵艦隊を次々と轟沈させる戦艦娘武蔵。遠距離には砲撃、近距離に近づいても戦艦の馬力ですさまじい威力の近接格闘。ライダーにならずともこれなのだからすさまじい。その横で武蔵を援護する駆逐艦がいた。


「戦艦じゃなくたって! 仮面ライダーにならなくたって!! 私は戦えるんだぁぁぁぁ!!」



 夕雲型19番艦、清霜。レ級に憑依され体と意思を奪われ、仮面ライダー骸王(ガイオウ)としてチェイスたちと戦ったが、レ級が蛮野に始末された際自分の意志と体を取り戻す。その後地獄憲兵たちに助けられ、傷を癒し戦線に復帰したのだ。

 憑依された時の経験が体に染みついているのか、特に訓練はしていないが砲雷撃戦や近接格闘もこなしている。彼女の隣で戦う武蔵という憧れの存在の影響もあるのだろうか。小回りの利く動きで武蔵を絶妙なタイミングで援護している



「まだいけるな、清霜!」

「全然問題ありません!」



40 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:27:04.61 ID:tgTJS1zC0



「…………………」



 意気揚々と戦果を挙げている彼女たちを見つめる小さな黒い影があった。深海棲艦をシフトカーにしたようなもの。レ級の魂が入ったシフトガイオウである。ドライバーとシフトブレスを媒介に清霜に憑りついていたのだ。


 蛮野に始末されかかって以来、レ級は今までの威勢が嘘のように臆病になっていた。ゆえに彼女は混乱していた。勝ち目のない蛮野との戦いへと身を投じる彼女たち。負けるとわかっていてなぜ?

 特に清霜は自分が体を乗っ取っていたせいで、今まさにとどめを刺されようとしているあの瞬間を見ているはずだ。それなのに。

蛮野は広大な海域全てからすさまじい量の資材を集め、もはや無尽蔵とも思える量のGDを生産している。それどころか……

レ級はリベンジしてやりたいと強く思っていたが、どうしてもあのトラウマが脳裏をよぎり、その一歩を踏み出せずにいた








41 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:29:47.42 ID:tgTJS1zC0





「撃破数通算100体目! トリプルスコア達成ィィ!! 俺はまだ止まらねぇぜぇぇぇーーーー!!」


 アーマードライダーの武装である龍撃丸と自身の愛刀の二刀流で、次々とGDを切り裂いていく仮面ライダー龍月こと天龍。隣の貴虎も次々とGDを撃破していくが、一向に数が減らない。ライダーになれない艦娘たちも入れ替わりながら砲雷撃戦を行っているが、それでも水平線から邪悪な黄金の戦士は湯水のごとく湧いて出てくる


「ク、ヤツはどれほど数をそろえてきたんだ?! ハアッ!! 切っても、倒しても! キリがない!! セヤッ!!! このままではジリ貧だぞ!」



「きゃあっ?!」

「大丈夫?! 一旦下がって……くっ?!」



 海軍ライダー連合艦隊が撃破した数はもう4桁は超えているだろう。だが向こうは撃破数を超える速度で進軍してくる、徐々に海軍側が押され始めた。入れ替わりながらといえど向こうはその僅かな隙に進軍してくる、轟沈した者はいないものの中破レベルでダメージを受けている艦娘は出始めている


「戦線を一旦下げる! 負傷したものを護るように陣を組め! 攻撃の手は休めるな!!」


 指示を出しながら貴虎はゲネシスドライバー改のプレミアムメロンエナジーLSを外し、ソニックアロー改のドライブランチに装填する


『ロック・オン!!! ワン テン ハンドレッド サウザンド! プレミアムメロンエナジーィィーー!!!!』


上空に放たれたエネルギーの弓矢は、巨大なメロンへと姿を変える。次の瞬間メロンが弾け、大量のエネルギーの矢がGDの頭上に降り注いだ






42 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:30:48.16 ID:tgTJS1zC0





「がはっ?! っぐ……」

「脆イモノダナ、戦極 凌馬。ヤハリ天才ハ私ダケトイウコトガココニ照明サレタ。クックククッククク……」



 悠然と立っているGDの眼前。虎の子のELS、さらにはゲネシスドライバーまでも破壊され力なく海上に浮かぶ凌馬の姿があった


「……っくく、悪いけど走馬燈は見飽きたんだ……これ以上は死ねないね! っがはあっ?!」


 瀕死の状態になってもなお軽口をたたく凌馬を容赦なく蹴り飛ばす蛮野。仮面で見えないが、おそらくその表情は歓喜に満ちているのだろう。声も感情の高ぶりから少し上ずっている



「貴様ノ趣味ニ合ワセテヤロウ。辞世ノ句ヲ読メ」

「やはり君は……チンケで陳腐で下らない男だな」

「消エロ」



43 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:32:33.37 ID:tgTJS1zC0



黄金のオーラを纏い、上空に飛び上がるGD。凌馬は懐に隠しておいたザクロロックシードに手をかける。直撃寸前に起爆し少しでも巻き込んで倒す。


「(はは……バックアップの精神は全員戦闘に出撃、オリジナルである僕を除いて全滅。うん、まぁいいか。やるべきことは全部やったし。償いきれたかと聞かれればそうでないけれど。……ごめん、工廠長。ありがとう、おさらばだ)」


カチッ











『嫌だね。そんな世迷言は聞けないな!!』



ドガァァァァァァン!!!!
















「グハァァァァァ?!」

「?!」



凌馬がザクロロックシードを起動した瞬間、周囲に円状のバリアが展開、GDを弾き飛ばした。その形はまるでレモンのようで



「?! な、なにが起こって……」

「すり替えておいたのさ!!」



困惑する凌馬の頭上に深海のタコヤキ艦載機が出現、さらに艦載機から小さな影が舞い降りる。



「勝手に死ぬことは許さない。そう約束したはずだな、愛弟子よ」


「こ、ここ……こここここ?!」










「工廠長?!?!」

「深海から来た妖精! 工廠長!」デッデデーデデデ!



全ての鎮守府の工廠の長、工廠長妖精さんが降り立った
44 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:33:40.18 ID:tgTJS1zC0



「ホウ? アノ時逃ガシテシマッタ妖精ノ頭カ。魚ノ餌ニデモナッタト思ッタガ」

「お前が思うほど私たちや姫様たちは弱くない!」

「ホザケ!!」





「フ、私が本当に一人でここに来たと思っているのか?」

「ナニ?! グハアッ?!」


Tune MAX FLAIR!


『『キシャァァァ!!』』



 先ほど工廠長を運んできたタコヤキ艦載機が突如炎上、高速でGDに炎の体当たりを食らわせた。この艦載機たちはチェイスと北方が出会って間もないころに出会ったタコヤキ艦載機たちである


 鎮守府を防衛している北方性姫のホッポガンナーから、マックスフレアの能力を受け取ることで強化されている。さらに追撃として2機いるうちの一機が炎の機銃で、もう一機が艦爆で追い打ちをかける


「小癪ナァァ!!」


GDがタコヤキたちに翻弄されている間に工廠長は凌馬へと歩み寄る


45 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:34:59.30 ID:tgTJS1zC0


「すまない工廠長……僕はもう割とダメだ……」

「シャキッとしろバカ弟子!! 何のためのソレだと思ってんだ!」パァン!

「イったい?! でももうこのダメージじゃこの体は……」

「何言ってんだ。その体は、お前と、私たちの技術の結晶なんだぞ? そう簡単にあのパクリ野郎に壊されてたまるかってんだ」

「え? あ」






『ちなみにお前の体の予備だが、対深海棲艦用のチューニングしといたぞ』

『なにそれ私聞いてない』

『今言ったからな』







「あれいつの間に僕の体すごい魔改造されてる?!」

46 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:41:00.20 ID:tgTJS1zC0

「さっきのザクロLSはお前専用のダメコンに改造しといた。あいつに一矢報いることができるくらいには回復できる。それと、コレをお前に渡しに来た」

「……僕の、戦極ドライバーに、レモンロックシード……」

「そうだ。初心忘れるべからず、だ。そしてもう二つ」


工廠長が手渡したのはゲネシスコア、そして凌馬が作ったことのないエナジーロックシドだった


「これは……新しいエナジーロックシード?!」

「ライダーシステムに艦娘の力を融合できるのはお前だけじゃないんだぜ? ソレは私たち妖精が作ったエナジーLSだ。一人前になった、お前へのプレゼントだ」

「一人前? 僕が?」

「さぁ、行ってこい! お前の力を見せてやれ!!   『天才科学者、戦極凌馬』 !!」





「師匠」

「なんだ」

「本当にありがとう。それしか言葉が見つからない」

「へっ、帰ったら一献付き合えや」



本当に本当に。なんて遠い回り道。体を失いプライドを砕かれ。人の手を借りつつ、それでも彼は歩み続けてきた。心を知り人間になれた。そしてようやく、一人前になれたのだ。涙を出せないはずの凌馬の頬に一滴の雫が伝う。それは海水ではない、人間・戦極凌馬が流した初めての涙だった






「では、行ってくる!!」



47 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:42:30.50 ID:tgTJS1zC0



「オ喋リハ済ンダカ? ハアッ!!!」

『『ギャッ?!』』


タコヤキ艦載機を叩き落とし、激昂したGDが二人を見据える。凌馬はいつものように、悠然と。飄々と立ち上がる



「蛮野天十郎。やはり君では僕には勝てないな」

「先ホドマデ一方的ダッタノニカ?」

「よくあることさ。正義のヒーローには、いや! 仮面ライダーには!! 必ず逆転劇がやって来る! そう!! 今がその時さ!!」









レモォン!! グレィプフルーツエナジィーー!!








「変身!!」


カモン! レモンアームズ! インクレディブルフェアリィーズ! ジンバーグレィプフルーツ!! ハハアッ!!



48 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/10(月) 21:44:11.41 ID:tgTJS1zC0
ココマーデ。>>46でms、エナジーロックシードです。ディーラーがエナジー化するとこだった……あっちこっち場面切り替わりすぎて申し訳ない
49 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:05:04.37 ID:RSkjJECo0
ドーモ、ワタシ=デス。凌馬が蛮野に一矢報いたようですよ。トウカ、スルーヨ
50 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:06:09.31 ID:RSkjJECo0






「そこだッッ!」ヒュバッ

「チィイ!!」ギィン!バシィ

「そらそらどうした?」ヒュヒュヒュ ザンッ!

「小癪ナァァ!! 奪イ取ッテクレル!」ギリリ バチィン

「フフ、いい能力だ、感動的だな。だが無意味だ。残念だが君の本体ともいえる武器奪取システムについては対策済みだ。どうした? 随分と焦っているようだが?」ヤレヤレ

「クォンノォクソ野郎!!」ギリリ ブォン!

「口が悪いぞ? どうした? 笑えよヴァンノ?」バシッ ドゴッ!



 ソニックアロー改とレイピアの二刀流でGDを激しく攻め立てる仮面ライダーデュークJG(ジンバーグレープフルーツ)。GDが背部の艤装から砲弾をばらまくが、デュークはそれを左肩に新しく増設された肩掛けマントで弾き飛ばす。


51 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:07:13.53 ID:RSkjJECo0


「バカナ?! タカガアーマードライダーガ、砲弾ヲ弾キ飛バスダト?! ソンナ出力ナドデータニ無イ……コンナ、コンナバカナコトハアリエナイ?!」

「忘れてはいないかい蛮野天十郎? この体とシステムは、妖精さんたちと僕の技術の結晶だよ? いわば艦娘とライダーのハイブリッド、僕と妖精さんたちとの絆の証なのさ。ただの独りよがりで作った君のポンコツボディとはモノがちがうんだよ!!」

「戦極凌馬ァァァァァァァァァ!!!!!」


 GDが全出力を開放、すさまじいエネルギーを放出しながらデュークに突進する。デュークはそれをマントで受け流し無防備な背中にレイピアとソニックアローの合わせ突きを叩き込む。そして突き刺したそこから一気に獲物をクロス状に振りぬいた。

GDの背中に深いXのような切り傷ができる。


「アグァァァァァ?!」

「まだまだこんなものではない! 本来のスピードをお見せしよう……」



 デュークの輪郭が揺らめいたと思うと、GDの体に鋭い一突きが叩き込まれた。



「ナニ?! コノ私ガ…捉エキレナイダト?!」

「デューク・ミラージュ。残像を残すほど驚異的な加速……クロックアップほどではないにしろ、ジンバーチェリーをはるかに超える速度に加速できる! さて! 今度の剣捌きはどうだァァァ!!」


 
 あらゆる方向から剣戟が叩き込まれ、GDは千鳥足で無様に踊っているかのようにも見える。






52 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:09:03.19 ID:RSkjJECo0




「さて、そろそろ終わりにしよう」


『ロック・オフ……ロック・オン……』




 グレープフルーツELSをゲネシスコアから取り外し、ソニックアロー改のドライブランチに装填。同時にカッティングブレードを3回倒し、LSのパワーも引き出す。弦を引き絞り、ELSの強力なエネルギーがソニックアロー改の先端部に収束されていく。射線上にはレモンの断面図のようなエネルギーが並んだ



「砕け散れ蛮野天十郎!! 人類と艦娘の未来のために!!」


『レモンスパーキング!!』


『グレィプフルーツエナジィーー!!』



 限界まで濃縮された強力なエネルギーの弓矢がついに放たれる。GDはそれを両腕をクロスさせて防御しようとするが



「ガファァァァァァァ?!」



GDの左腕が砕けた。間髪入れずデュークは次の一手を打つ


53 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:09:54.64 ID:RSkjJECo0


『カモン! レモンオーレ! ジンバーグレィプフルーツオォーレェ!!』



「セェイヤァァァァァァァァァァ!!!」



カッティングブレードを2回倒し、レイピアにエネルギーを収束。そしてそのままGDへとブン投げる



「アグォォォォォォ?! ッ、小癪ナ……」



放たれたレイピアは見事GDの胸の中心部を貫く。悶えながらも残った右手でレイピアを引き抜こうとするGD。だが




『カモン! レモンスパーキング! ジンバーグレィプフルーツスパーキィング!!』



「これで本当に! 最後だァァァァァァ!!!」




デュークは残り全エネルギーをすべて右足に収束。飛び上がり、黄金にも似た色のオーラを纏いながらGDへとライダーキックを放つ!



キックはGDの胸に突き刺さったレイピアへと直撃、エネルギーの一部がレイピアを伝ってGDの内部機関に大ダメージを与える。




「貫けエェェェェェェ!!」

「コノ私ガ……三流風情ニィィィィィィィィ!!」








ダメ押しのキックがGDを貫き、GDは跡形もなく砕け散った






54 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:10:57.58 ID:RSkjJECo0






「ぷはぁ、もう無理……」


 とどめに全てのエネルギーをかけたせいか、デュークは倒れ変身を強制解除された。機械の身体だが、もはや満身創痍の凌馬。だがその表情はどこか満足気だった。無事だったタコヤキ艦載機たちに乗って工廠長が凌馬へと近づく。



「どうやら、あの個体は特別製だったようだね。自分の力を僕に見せつけるために作ったんだろうな。ま、結果は御覧のあり様だけど、ね」

「お前やりすぎだ。あそこまでしなくてもあいつは倒せてたろ?」

「はは……大事な娘たちをひどい目に合わせたヤツだ、これくらいは、ね?」

「…………ウソだな」

「ぎく」

「まぁあながちはずれじゃないだろうが。どーせあのフルーツ被って変身することをディスられたりしたんじゃないのか?」

「なんでわかったの?! エスパー?!」

「やっぱりか。そういう子どもっぽいとこは半人前のころから変わらんな。ほら、出て来いよ。どーせもう少しも動かせないだろその体?」

「かなわないなぁ、ほんとに」


 凌馬のボディの胸が開き、妖精さんモードの凌馬がはい出してきた。あの素敵なマスクはしていない。これが今の凌馬の本体だ



55 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:11:36.36 ID:RSkjJECo0



「そういや、なんで体に意識をダウンロードするなりしなかったんだ? そっちのほうが容量とかの効率がいいんじゃないのか?」

「今の僕は一人にして多数、個体一つ一つがリンクでつながっている。その方法だといくら天才の僕でも処理が追い付かなくなって動きが鈍くなってしまう。だから他の個体も妖精さんボディを作り、外付けハードとして処理は個々に任せているのさ。そしてなにより」



垂れた前髪をかきあげ凌馬はこれ以上ないくらいのドヤ顔で言い放つ










「ロボットの操縦はロマンだからね!!!」
56 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/07/25(火) 22:16:55.22 ID:RSkjJECo0
ココマーデ。凌馬は勝ちましたが、全体としては艦娘ライダー側が押され始めています。そして貴虎たちが撃破した量産型GDはいまのところ〜級レベルの艤装しかつけてません。つまり姫鬼は……
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/25(火) 23:06:12.00 ID:6C8i29hKo
乙です
58 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:01:34.54 ID:pDxlsjO40
お盆休み? 都市伝説ですね。もっと書きたいのぉぉん……トウカスルーヨ
59 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:03:33.65 ID:pDxlsjO40



「くっ、やつらはどれだけ数を用意してきたんだ?! 沈めても沈めてもキリがない!!」

「ボヤいてないで、どんどん撃つ! いっけーーー!!」



海域の空気が硝煙で濁るほどの激しい砲雷撃戦。それでもGDの進撃は一向に止まらない。だが艦娘たちは諦めずに攻撃を続ける。



「索敵に反応……? あ、あの艤装は?!」

「どうしたの?! 攻撃を続けなきゃ……」

「皆逃げてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



 それまでの攻撃が生ぬるく感じるくらいの爆撃が艦娘たちを襲う。海面全てがまるで地獄の窯の底のように燃え上がった。圧倒的な火力、物量。姫級、鬼級の艤装を装着したGDが敵陣後方から出現した。さらに戦艦棲姫の艤装が単独で大量に出現、自動で照準を合わせて砲撃してきた。


防衛線が一気に後退させられる。





60 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:04:35.78 ID:pDxlsjO40





「修復バケツ、急げ!」

「こっちはもういい、足りていないところは?!」

「こっちに6つ回してくれ!」

「弾薬、燃料、その他もろもろ、OK! 行ってこい!」

「よし、第4部隊、再出撃します! みんな、続いて!」



海上は蛮野との戦争、各鎮守府では妖精さんたちの戦いが佳境を迎えていた。だが一つだけ、異常な動きのある鎮守府があった







「フゥ、久シブリネ、外ノ空気ハ」

「姫様ガ覚醒ナサレタ……懐カシイ気配ダ」

「ナラ私達ノスベキコトハ決マッテイル」



呉鎮守府の極秘地下研究施設。長い廊下に、人が入れるほどの大きさのビーカーが大量に並んでいる。ビーカーには数刻前まで液体と『中身』が入っていたはずだが、今は空だ



61 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:06:40.14 ID:pDxlsjO40



「本当にいいのかい? 君たち。まだ完全には至らないんだろう?」

「今戦ワナイデイツ戦ウノ? 私達ヲ甘ク見ナイデ」

「艤装ハ現地調達シタホウガ早ソウネ」

「ドウヤッテソコマデイクノ?」

「……そうだね、私が趣味で開発していたコレを実践投入しよう。安全性と性能については問題ない、これを使えば第一線で戦っている彼女たちに並ぶくらいには戦える」

「なんでその第一線のやつらには配らなかったんだ」

「計算上なら現在の装備でも十分すぎると予測してたんだけどね、敵の勢いが思ったよりもすさまじい。本来なら僕がヒマなときに超本格的なごっこ遊びして遊ぶ為のものだったんだけど……いざという時のために、戦闘補助のような形で運用はできるけれどね」

「ゴッコ遊ビデ戦闘能力ガ必要ナノカ……?」

「こいつにツッコんでたらキリないぞ。ありったけの在庫出してこい、最終調整は私たちもやる」

「頼むよ。ではリベンジ開始だ。彼らにも同伴を願おう、連絡をつないでくれ。君たちにも懐かしい顔がいるから動きやすいだろう」








62 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:07:31.40 ID:pDxlsjO40




「外でもドンパチやってるみたいね……いざとなれば私たちも出なきゃいけないわね」

「ヲ!」


 火野英司が提督を務める鎮守府で、ヲ級とヲ級に擬態したメズールが執務室で話していた。外では鴻上ファウンデーション組が次々と湧いて出てくるGDを撃破していっている。だがシステム上バースシステムは燃料切れを起こす、それまでにすべて撃滅できるのか?


 メズールの胸の奥をちりちりとした感情が駆け巡る。グリードだったころには感じたことのない感情。ヲ級を介してたまったセルメダルはかなりのもので、今なら全盛とはいかないまでもかなり強い力を発揮できる。

 メズールは怖かった。徐々に人間らしくなっていたのに、もう一度グリードになってしまえばもう戻れないような気がして。だがそれは自分の愛する者たちを護れないということ。800年以上生きた彼女は初めて自分の中に芽生えた感情と静かに戦っていた



と、メズールの頭の上に何かが乗った。無意識に俯いていたらしい。顔を上げるとヲ級が優しくメズールの頭をなでているところだった。優しい笑みを浮かべながら、愛おしい者を慈しむように


「……そうね、勇気を出さなくちゃね」

「ヲ!」



63 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:08:32.53 ID:pDxlsjO40



 メズールは踵を返し、英司が使っている提督机の下にある金庫を引きずり出す。そして自身の手を液状化させカギを強制的に解除、中にあるものを取り出す。金色で縁取られた風車のような円盤、海のような青さで彩られたライダーベルト。そして群青と深紅の2枚のコアメダル

それらをもって彼女たちは出撃ドックまで走る。覚悟は決めた。もう迷わない



「坊や、怒るでしょうね……でも、怒られてでもやらなきゃならないことがあるのよ」

「私達ダッテ、護ラレテバカリジャナインダカラ!!」



ヲ級がライダーベルトを腰にあてがい装着。そして群青と深紅のコアメダルをベルトに装填する。



「行くわよヲーちゃん。今から私たちは」

「二人デ一人ノ!」









「「仮面ライダーよ!! 変身!!」」




 メズールのセルメダルで出来た体が一瞬で分解、頭のあったところから青いメダルが虚空へと舞いあがる。それをヲ級がキャッチし、3枚目のメダルとしてベルトに装填。その瞬間、メズールの身体だった無数のセルメダルが舞い上がり、ヲ級の身体へと吸収されていく。



『シャチ! クジラ! オオカミウオ!』


64 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:09:08.15 ID:pDxlsjO40


青い水の奔流のようなエフェクトを纏い、少女たちは変身する。やがてエフェクトを切り裂いて、青、群青、深紅の3色の鎧を纏った新たなる仮面ライダーが現れた


『『私たちはユラヒメ。仮面ライダーユラヒメ。愛しい人たちと海を穢した報い、受けてもらうわ』』



戦闘区域となったすべての海が爆発したかのように弾けた。海の女神の降臨を祝福するかのように





65 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/08/13(日) 22:11:53.35 ID:pDxlsjO40
ココマーデ。やるときはトコトンはっちゃけよう。その結果がこれだよ。まだまだ序の口だけど多分……
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/14(月) 05:57:28.36 ID:vhXl9Kt6o
乙です
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/15(火) 22:43:04.34 ID:TLsPv7XFO
68 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:21:30.24 ID:sbc5eFWi0
頼まれて書いてたssがひと段落したのである程度進みがよくなりそう。今夜もトウカスルーヨ

チョットダケーヨ
69 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:22:30.33 ID:sbc5eFWi0





「呉島提督! 敵陣後方、姫級及び鬼級の艤装をつけた蛮野が!!」

「こちらでも確認した!」

『マズいことになったね貴虎。援軍を手配しておいた、それまで持ちこたえてくれ! 中破以上のものは下がらせるんだ!』

「わかっている!」


挟み撃ちで襲ってきたGDを一気に回転切りで轟沈させながら貴虎は答える。仮面ライダー艦娘連合軍残り残存兵力は半分を切っていた






70 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:24:37.08 ID:sbc5eFWi0





「最終決戦、間に合ったみたいだね。みんな無事だといいけど」

「あらあら〜、なんだかすごいことになってるわね〜」

「なるほど、アイツらじゃなくて俺が駆り出されたわけだ。で? 俺たちはお前たちが相手している奴には不向きだと思うんだが?」

「そこは私の出番だよォ!! 世界を征服されたら私も困るからなァァァァァ!!!」

「「うるさい」」

「…………」ガーン

「怒られちまったな」

「そういえばあの娘はどうしたんです?」

「さすがに置いてきた、優秀な助手を失うわけにはいかないからな」

「あらあら、素直に死なせたくないからって言えばいいのに。ウフフ」

「やかましい」



離脱していた戦士たちの帰還、そして新しい戦士の乱入で戦いはさらに混迷を極めていく。





71 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:25:34.32 ID:sbc5eFWi0





「くが……かっ……は…………」

「栄光ノ金剛型モ私ノ力ニハ遠ク及バナカッタナ。小細工ヲ弄シテモ、コノ圧倒的戦力差デハ焼ケ石ニ水、ダ。ヘァーーーーーッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!」



残弾がほぼ尽き、中破状態でGDに首を掴みあげられている金剛がいた。周りには彼女の最愛の妹たちが大破状態で蹲っている


「(チョット……張り切りすぎマシたね……どうにかして、比叡たちだけでも……)」

「妹ヲカバッテ中破、カ。泣カセルナァ? ソウダ、余興ヲ思イツイタゾ? 貴様ノ最愛ノ妹達ヲ貴様ノ目ノ前デ沈メテヤルノダ」

「な、(ギリッ) あぐっ!!」

「ヘハァァァァ……マズハメガネカラダ!!!」


 掌にエネルギーを収束し霧島を狙うGD。やらせはしない、金剛は最後の力を振り絞り霧島のほうへ向いているGDの横っ面を思い切り殴る。殴られた勢いで顔が真後ろにまで回転するGD。エネルギーの収束をやめ、手でごきんと無理やり顔を戻すGD。

仮面をつけているのにその激しい激情が表情に表れているようだ。GDは金剛を思い切り殴り返し、大破状態にまでダメージを与える


「コノクソ女ガァァァァァァァァァァァ!!!!!」

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

「忌々シイ!! 忌々シイィィィィィィィィィ!! 殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!殺ス!!」



 発狂したように殺すを連呼し、倒れた金剛を無理やり立たせて投げ飛ばすGD。弄る気は失せたのだろう、必殺シークエンスを起動し右足にエネルギーを集中させる


72 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:26:35.39 ID:sbc5eFWi0


「死ネェェェェェェェェェ!!!!」





ザクッ!







「ナ、ナン……………ダト?! ッガアァァァァァァ!!?」

「アリガタク思イナサイ、オシオキタイムヨ」



金剛たちの背後から伸びてきた深紅の閃光がGDの右足を貫いた。思わぬ横槍に姿勢を崩し落下するGD。横やりを入れたのは



「キングノ名ノ下ニ、蛮野。貴様ヲ絶滅サセル、異論ハ認メナイワ」



かつてダークキバを襲撃、敗北しファンガイア側に寝返った南方棲戦姫こと仮面ライダーダークサガだった


73 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:27:41.14 ID:sbc5eFWi0



「か、仮面ライダー? いや、その気配は深海棲艦……!」

「早ク起キテ逃ゲナサイ。ソコデ転ガッテラレルト邪魔ヨ」

「深海棲艦である貴女が、なぜ……」

「勘違イスルナ。私ハタダ、キングノ為ニ戦ッテイルダケダ。キングハ無用ナ犠牲ハヨシトシナイ、ダカラオ前達ヲ逃ガス」


ダークサガはジャコーダーを構える。



「裏切リ者メ……皆殺シダ!!!!!!」

「来ナサイ。見セテアゲルワ、キングノ従者ノ実力ヲ」


 ジャコーダーの刃が妖しく深紅に煌く。その瞬間GDの一体の喉笛に刃が突き刺さっていた。突き刺したままダークサガはGDを引きずり寄せる。無様に転倒し、引きずられるようにしてダークサガの足元へ連れてこられたGD、その顔面を容赦なくダークサガは踏みつぶす。


 ガチュリ!の音とともにGDは沈黙、間髪入れずダークサガは再びジャコーダーを振るう今度は別のGDの首にジャコーダーを巻き付け、そのままハンマーのように振り回しGDの群れの中へ叩き付けた。




「裁キノ時ヨ」


74 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:31:39.85 ID:sbc5eFWi0


取り出したウェイクアップフエッスルをサガークに吹かせ、破滅のメロディーを海域に響かせる



『ウェィクアップ』


聞き取りづらい言葉で処刑宣告を下すサガーク。同時にその海域が蒼い月の浮かぶ夜へと変わった



「こ、これは?!」

「強制的に野戦海域に変化、デスか……姫級はやはり格が違いマスね」



 ジャコーダーの底部をサガークの横部へと挿入、引き抜く。ジャコーダー底部とサガーク横部が蒼いエネルギーで繋がれ、魔皇力を刃へと注入する。蒼白く光る刃を天へと掲げた後、勢いよく海へと突き刺す。突き刺したところからファンガイア王家の紋章が赤く浮かび上がる


ヒュパッ ザクザクザクザク!!



鈍色の海の底から大量の蒼いエネルギーの刃が突如として大量に飛び出し、大量のGDを下から上へと串刺しにする。


「堕チナサイ」



ジャコーダーのグリップを弾くように撫でた瞬間、GDの身体が蒼白く発光し一斉に爆散した



「『光届カヌ奈落ノ侍女、敵(カタキ)ノ骸ヲ主ニ捧グ』……ソレガ私ノ真名ダ」



爆炎で照らされた彼女の姿は禍々しくも美しい姿をしていた
75 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/04(月) 21:34:01.79 ID:sbc5eFWi0
ココマーデ。サガ大好きです。だからこうなった。こっから拘束制御術式第0号が解放されたような展開になります、お楽しみに
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/04(月) 22:00:57.61 ID:qgtivR6eo
乙です
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/05(火) 23:41:38.32 ID:z92azNunO
キチガイA「何だ!?何が起きている!??」
キチガイB「○(規制)だ!!○(規制)が起きている!!!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/06(水) 00:36:17.64 ID:tzJRiYfmO
79 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 20:55:20.54 ID:lFoC9pY40
913ギア予約しちった……5万……フフ怖
今回は個人的にもっと活躍が見たかったライダー二人が出ます。
80 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 20:56:55.35 ID:lFoC9pY40





「この圧倒的すぎる物量……こんなの、常に資源を回収しつつ即建造、出撃しなきゃできない芸当。なにかしらトリックがあるはず……」


 仮面ライダーユラヒメは杖状の武器『アメノミハシラ』を水面下に沈ませ現在の海の状況を調べていた。水を支配するグリードの力は艦娘の最高性能の電探すら凌駕する索敵能力があった。

と、無数のGDの遥か後方に不可思議な反応をユラヒメは見つけた


「この巨大で異常なエネルギー反応の物体……何かしら?」

「ドウスルノ?」

「とりあえず、バレないように調べてみましょう。もしかしたらこの戦いを終わりにできる何かがあるかもしれないわ」


 こっそり英司から拝借していたカンドロイド、電気ウナギカンドロイドを数体水面下に放つユラヒメ。この一手がこの戦いの終局を呼ぶ一手となる。






81 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 20:58:04.25 ID:lFoC9pY40






「っく、大丈夫か清霜?!」

「はあっ、ゲホッ……大丈夫、です!」


 武蔵がGDを蹴り飛ばしながら清霜に問うと、清霜はGDを投げ飛ばしながら答えた。撃破数は二人合わせれば3桁に届く、だが二人とも大破状態だ。気力と火事場の馬鹿力に近いものでなんとか轟沈せずに済んでいる。だが長くは続かなかった


「げふっ?! あが……」

「清霜ォ! がはあっ?!」


清霜がついにGDに捉えられ、殴り飛ばされ体制が完全に崩れ海面に叩きつけられた。武蔵もそれに気を取られ、ほかのGDからキツい一撃をもらい倒れる。そのスキにGDは円状に武蔵と清霜を取り囲む



「はあっ、はあっ、くっ……万事休す、か?」

「はぁ、はぁ、むさし、さん……」


勝利を確信したGDたちは掌に一斉にエネルギーを収束し始める。



「沈メ!!」










「悪いが沈むのは貴様らだ」



その不敵な声は海中から響いてきた




82 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 20:59:27.88 ID:lFoC9pY40




ザバァァァァァン!!!




突如GDと武蔵たちの間になにか急速に浮上してきた。



降り注ぐ海水が晴れ始め、何者かの姿があらわになる。漆黒の鎧に走る金色のライン、頭にはどこか王冠を思わせる頭飾り、右手に携えた美しい黒と金色の剣。


「ギアシステム000、通称オーガ……人がつけた名とはいえ、鬼の名を持つ私にはふさわしい」


腰に巻かれた黒と金色のベルト、帝王のベルトのうちの一つ『地のベルト』によって変身したその名は仮面ライダーオーガ。手に持つ短剣を撫でながらオーガは満足そうにつぶやく


「レプリカ品とか言ってたけど、何だ。手加減してる時の私くらいには力出せるじゃないか」

「何者ダ!」

「貴様のよく知っている人物。だが知る必要はない、すぐに貴様らは沈むのだから」


   


オーガフォンに備え付けられたミッションメモリーを右手の短剣の柄に刺し、短剣を銃に変形させるオーガ。さらにオーガフォンを開き、エンターのボタンを押す


『Exceed Charge』


おどろおどろしい音声とともにベルトの金のラインから右手の剣へと疑似フォトンブラッドが収束していく。


「泣き叫んで……沈んでいけ!!」


収束した強烈なエネルギーは銃口から黄金のビームとなってGDを薙ぎ払い、消し飛ばした。


ゴバッ!!!!



83 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 21:01:01.49 ID:lFoC9pY40



「あのクソを私の手で消し飛ばせるなんて……スカッとするな……」


噛み締めるような、恍惚とした声色で短剣を撫でるオーガ。突然の乱入者に武蔵と清霜は何が何だかわからないといった反応を示す


「き、貴様!」

「何?」

「海軍所属の者か? 名乗れ!」

「人間の組織に与した覚えはないけれど、貴女たちの敵ではない。敵の敵は友、というやつだ」

「答えになっていないぞ!」

「私は戦艦水鬼。北方棲姫様に仕える者」


 銃モードにしていたオーガストランザーを長剣モードへと変更し、戦艦水鬼こと仮面ライダーオーガは敵陣へと突っ込んでいった。集り来るGDを次々と一刀両断し、あるGDへと一直線に突進していく


「見ぃつけた……私の艤装を、返せ!!」


 オーガの正面には戦艦水鬼の艤装を装着したGDがいた。GDの中でも姫鬼級の艤装をつけたものは隊長格なのだろう、そのGDが合図を送ると海中から一斉に戦艦棲姫の艤装が出現しオーガへと襲い掛かる



「たかが複製品で私が止められるとでも思ったか、愚か者め!!」


 振るわれる巨拳を紙一重で避け、長剣を艤装の脇へと滑り込ませそのまま振り上げる。艤装の大きな腕が空へと舞い、本体は古い機械の駆動音のような苦悶の悲鳴を上げる。

 オーガは切り飛ばした腕を空いた片手で掴み、背後から砲撃しようとしていたほかの艤装へと投げつけ、その陰に隠れながら接近する。そして再びストランザーへと疑似フォトンブラッドを収束させる


『Exceed Charge』


「オーガ・ストラッシュ!!!」



 収束した疑似フォトンブラッドは長大な刃となり、薙ぎ払うように振るわれた。上半身と下半身で2分割された艤装が次々爆発していく中、わずか生き残った艤装と艤装付きGDが砲撃体制をとる。が



84 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 21:01:48.20 ID:lFoC9pY40



「ムダだ」



『Exceed Charge』


「コバルト・ヘヴィレイン!!」



ドバババババババババ!!


 上空からオーガのものとは違うシステム音声が響き、青い光弾が降り注ぎGDや艤装を纏めて大破させる


「「「「?!」」」」


「ウフフフ……アツいの? アツいでしょぉ?!」



 上空から新たなライダーらしきものが出現した。白い装甲に青いラインが走り、背部には飛行ユニットらしきものが装着されている。先ほどのエネルギー弾の雨はここから放たれたようだ。優雅に海面に着地し、オーガと背中合わせでGDを睨む




「遅いぞ飛行場」

「飛ばすならともかく、自分で飛ぶのは初めてなんだから仕方ないじゃない。まぁ悪くない感覚だったけど」


「まさか、また深海のライダーか?!」

「今度は空飛んでます!」


85 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 21:10:00.10 ID:lFoC9pY40


 新たに現れた仮面ライダーはサイガ。ギアシステム315に登録されるライダーでこれもレプリカだ。この世界のオーガギアとサイガギアのオリジナルはシステム構想の時点でボツとなっている。本来の目的とはかけ離れた運用だが、とある科学者がギアの情報を盗み、趣味で開発したものを彼女たちは使用している


「貴様ラ姫共! 呉鎮守府急襲ノ時ニモロトモ始末シタハズダ!!」

「アンタ程度に私達が始末できるはずないでしょう? 深海と海軍、折角兵力を分断していたのにアンタが何の考えもなしに私たちを見捨てるから、こうやって合流したんじゃない」


 仮面ライダーサイガこと飛行場姫は再びフライングアタッカーを起動、サイガギアのミッションメモリーをアタッカーのハンドル部に装填。トンファーエッジを解き放つ


「さて鉄くず共。貴様らの相手をするのが私の仕事なの。さぁ、楽しみましょう」



 フライングアタッカーの背部から深海のカタパルトが伸び、辺りに深海艦載機を一斉に発艦。サイガは艦載機を引き連れトンファーエッジを構えGDの群れに突進した





86 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/09/18(月) 21:11:27.96 ID:lFoC9pY40
次回はこの戦闘の続きです。木場さんオーガの時くらいにカッコよく描写できるかしら
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 21:24:27.31 ID:MHd6CO1Go
おつー
\オーガ!オーガ!オーガ!/が\カイザカイザカイザ/にかわったのも全て乾巧ってやつの仕業なんだ
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 21:55:21.97 ID:js68ul7lo
乙です
89 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:08:37.21 ID:tkNpudhB0
帝王ならぬ皇女が荒ぶります。トウカスルーヨ
90 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:10:53.85 ID:tkNpudhB0




『『ギシャァァァァァァァァ!!!』』


 古くなった機械の悲鳴のような鳴き声を上げる戦艦水鬼の艤装。同時に大破状態だったGDの体が少し再生する。だがそれはGDの計算外だったらしい


『再生率24%、ダト?! バカナ?! 深海棲艦ノ自己再生能力ヲ数十倍ニモ増強シタコノ体ガ?!』

「本当に、アイツは趣味でここまでのものを作り上げたというのか? 脳みそが規格外のようだな……」




ダガガガガガガガガガガ!!


 サイガが艦載機たちと共に上空を飛び回り、海上のGDを根こそぎ焼き払う。接近戦を挑んでくるGDに対してはトンファーエッジで受け流し、ついでと言わんばかりに両断する




「ギアシステムシリーズの必殺に使用される疑似フォトンブラッドは本来対深海棲艦用に作られたもの。姫級鬼級がダメージを負った際の能力強化に対抗するために開発されたものとあいつは言っていたけど、その反応……深海の力を模倣した貴様にも有効なようね、蛮野」

「一つ間違えば我々に向けられていたかと思うと空恐ろしいな」







91 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:12:47.11 ID:tkNpudhB0



『ヌゥゥゥゥアァァァァァァァァ!!!!』


激昂したGDがオーガへと近接格闘を仕掛けに接近する。だが同時にそれはオーガの射程へと足を踏み入れる愚策だった


 艤装の巨大な腕を振るい重い一撃を叩き込もうとするGDだが、オーガはそれを同じく拳で迎え撃つ。巨大な拳と小さな拳がぶつかり合い、その衝撃で辺りに水しぶきを舞い上げた。


「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」



ガヅャッッ!!!


 勝負はわずかにオーガが優勢、ぶつかり合っていた艤装の腕が大きく後ろへとそらされる。体を回転させ体制を瞬時に整えたオーガはガードの緩んだ艤装の顎へと思い切りキックを叩きこんだ


『ギギギィィィ?!』


片方の自由が利かなくなった艤装だが、間髪入れず残った片方の拳をオーガを狙って海面に叩きつける。オーガはそれをかわし、拳を踏み台にして高く飛び上がり無防備になった頭に踵落としを叩き込んだ。


ガギョッッ!!


 バランスを崩し横へと倒れる艤装。艤装を装着していたGDは艤装接続コードに引っ張られるようにして横倒しになる


『アグ……ぁ』











『Exceed Charge』


92 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:51:23.45 ID:tkNpudhB0


 その音声を認識したときGDはガードをしようと必死に辺りを見回した、がオーガがいない。オーガは踵落としの反動を使って更に飛び上がっていたのだ。尋常ではない身体能力である。疑似フォトンブラッドを凝縮した黄金の刃を真下のGDに向けるオーガ



「ひとまず目の前の貴様を沈めることで私の溜飲を下げよう。くたばれ」


GDが空から降り注ぐ黄金の必殺の剣に気付いたのは、己の顔面に突き刺さる寸前だった



93 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:52:54.76 ID:tkNpudhB0



「さぁ、私の艤装も返してもらうわよ」


 サイガは己の艤装に悠々と腰掛けるGDへと狙いを定めるとモノアイが妖しく紫色に発光する。刹那、すさまじいスピードでGDへとサイガは突進していった

 迫るサイガを叩き落そうと飛行場GDは大量の深海艦載機を発艦、同時に周りのGDへと攻撃支持を飛ばす。サイガはそれを上空へと飛び上がることで回避する。


高く、高く、高く。GDたちの攻撃とは無関係にサイガは高く空へと飛んでいく。硝煙の雲を切り裂いて、冷たい雲を突き抜けて、高く。そして



「あぁ、なんて……キレイ」



飛行場姫は初めて空を見た


 見下ろす眼下に広がる限りなく青い海、そして見上げれば頭上に眩しい太陽が輝いている。息をのむほど美しく、涙が流れるほど澄んだ景色だった。



 艦載機たちはいつもこんな景色を見ながら戦っているのだろうか?いや、敵しか見えていなかっただろうな。そんなことを思いながらしばし自由落下を楽しむ。と、無粋な金色が美しい青を穢しているのが見える。

 遠ざかる空の青、強くなってくる火薬の臭い。やはり私の戦場は、ここだ。

94 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:54:02.60 ID:tkNpudhB0

姿勢を整え、サイガショットにミッションメモリーを装填。サイガフォンのエンターキーを押す


『Exceed Charge』


体の蒼いラインを通って疑似フォトンブラッドがサイガショットに充填される。アタッカーのブーストを最大出力で吹かす


「消えろ。この美しい世界に、薄汚い貴様らは無粋すぎる」



 上空1000mからの最大出力(マキシマム)スカイインパクトがGDの群れの中心へと叩きこまれる。海上には蒼白く巨大なΨ(プサイ)が浮かび上がり、範囲にいたGDは軒並み灰燼と化した


95 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:55:04.81 ID:tkNpudhB0


『バカ……な……』


 致命的なダメージを受けつつも健在の艤装GD。GDのセンサーが背後から風を切る音を認識したと同時にGDは艤装から弾き飛ばされる


『ッッガ?!』


 高速接近したサイガがトンファーエッジで艤装の接続コネクタをすれ違いざまに切り落としたのだ。そしてさらに脚部に疑似フォトンブラッドを充填する


『Exceed Charge』


すさまじいスピードを維持しながらGDへと取って返し、強烈な飛び蹴りをGDへと叩き込んだ。



「私の艤装を無断で使っていた罪だ、貴様だけは直々に手を下してやる」

『ガァァァァァッァァ?!?!』


吹き飛ばされ、海面に叩きつけられると同時に蒼白い円錐がGDを拘束する



「コバルトスマッシュ!!」



GDの真上から強烈な必殺の蹴りが降り注いだ




96 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:56:26.65 ID:tkNpudhB0




 オーガフォンをベルトから外し、変身解除する戦艦水鬼。糸が切れたように倒れ伏す自らの艤装に歩み寄り、艤装接続コードを自分の背部の接続コネクタに刺す。艤装が再び息を吹き返し、戦艦水鬼に跪く



「罪を犯せば贖いが必要となる。己の身を削って贖い続けろ」


『ギィァァァォォォォォォォォォォ!!!!!!』



その咆哮は広い海域に響き渡り、辺りにいた戦艦棲姫の艤装が一気に機能停止した


「さぁ、逆襲の時間だ。と、その前に」



戦艦水鬼は振り返り、武蔵と清霜を見やる。そしてなんとオーガギアを武蔵に投げ渡した



「な、これは?!」

「私には艤装がある、それはあくまで艤装を取り戻すまでの一時しのぎとして使ってきた。貴様にくれてやろう、上手く使え。そしてレ級!」



戦艦水鬼の前に小さなシフトカーがふよふよと飛んでくる。まるで怒られるのを恐れる子どものようだ



「いつまでウジウジしてるつもりだ? 貴様も私と同じでありながら醜態をさらすのか」

「……………」


小刻みに揺れるシフトカーを一瞥し、戦艦水鬼はGDの群れへと航路を変え、進んでいく。



97 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:57:58.70 ID:tkNpudhB0



「戦艦水鬼の言葉も一理あるのは仕方ないわね。ま、あとは自由にやりなさい。コレあげるわ。さてと、だれか適当な艦娘にこのギア預けとかないと」


 武蔵と清霜に高速修復材が入った小瓶を投げ渡し、変身解除した飛行場姫はギアを預ける艦娘を探しに進んでいった。




高速修復材の小瓶を見つめる武蔵と清霜。そして互いを見て頷き、修復材を頭からかぶる。若干だが体の傷は癒え、またある程度なら戦えるようになった。


「ねぇレ級」


空中に浮いたまま震え続けるシフトカーに近づく清霜。


「私はずっと戦艦になりたいって思ってた。そうすればもっとたくさんの命が救えるって。もっとたくさんの人が守れるって。そう思ってた。でも違ったんだ」


清霜の眼尻に雫がにじむ。


「戦艦にならなくっても、護れるものがある。駆逐艦には駆逐艦にしかできないことがある、その中でも私にしかできないことがあるんだ! だからレ級、お願い。力を貸して! あなたと、私とでしかできないことがあるから!!」


清霜の腰部にドライバーが出現する。



98 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:58:31.00 ID:tkNpudhB0



『Fire dual engine!』


「私と君とで、できること!」

「アイツラヲ、ブッ飛バス!!」



99 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 21:59:29.83 ID:tkNpudhB0



 渡されたオーガギアを見る武蔵。なぜ彼女は私にこれを託したのだろうか。都合よくそこにあった棚のようなもの? なぜか武蔵はそう思えなかった。


「戦いが終わったら、聞きたいことが山ほどあるな。いいだろう、やってやる。こんな夢の共闘、二度とない。存分に楽しませてもらおう!!」


ギアを腰部に装着、オーガフォンを開き、シークエンスをこなす。



0 0 0  standing by………



「行くぞ清霜。第二ラウンドだ」

「はい!!」



「「「変身!!!」」」


『compleat』







100 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/01(日) 22:03:24.39 ID:tkNpudhB0
今回はココマーデ。いよいよ終止符を打つ時が近づいてきました。
他にも登場させたいライダーの派生フォームや艦娘の覚醒とかありますが、それは本編が終わったらにしておきます。これ以上のばすとちょっとね。それでは
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/01(日) 23:16:10.14 ID:5R+O/byDo
乙です
102 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:08:42.58 ID:8K7lj41h0
昨日投下しようと思ってたんだけどね、なんかエラいことなってたね。仕方ないね

トウカスルーヨ
103 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:11:26.75 ID:8K7lj41h0





「(状況は芳しくない……多少の援軍が来てくれたが、敵の数が圧倒的すぎる。しかもこちらが把握している数だけでこの数なのだ、実際はもっとだろう……それに先ほど入った通信……気になる)」


 海軍総本部、対蛮野掃射作戦本部にて元帥は唸る。周りでは部下や妖精さん、そして元帥の秘書官である大淀がせわしなく情報交換や手続きに奔走している。考えうる限りの手を尽くしその都度作戦を立て現場へ届ける、だが何度作戦を立て直そうと物量で押しつぶされそうになる。

 轟沈した艦娘もすでに出ている、場所によっては自決を提案する鎮守府もいた。なんとかそういった案を押しとどめ、粘らせているがいつまで持つか……

 それに元帥は先ほど入電してきた情報に引っ掛かりを感じていた。敵陣営後方に謎の高エネルギー物体があるという情報だ。これが敵の核か? だがその通信は鎮守府関係者が使う周波数ではなく、鴻上ファウンデーションの社長秘書という差出人から、あろうことか鎮守府の通信機器にハッキングしてきて送られてきたものなのだ。

 鴻上ファウンデーションの社長とは知り合いだが、あの男を全面的に信用はできない。だがこの情報が本当なら……なんとかして確認をとれないか思案していると、作戦会議室の重い扉が思い切り開いた音がした。




104 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:13:02.40 ID:8K7lj41h0




「デェァーーーーーーーーーーーーッハッハッハッハッハ!!!! この壇 黎斗・神が!!! このry」

「すいませんがこのクソ忙しいときに一般人は立ち入り禁止ですお引き取りください」ゲシッ バタン




元帥は再び戦況を確認しつつ作戦をry



「ちょーーーーーーーーーーーと待てぇぇぇぇ!!! 神であるこの私が!! まるで邪魔をしに来たような扱いを受けていいとおも おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」ヒューーン シュポン


「話がややこしくなるからもう黙ってろ。おう、邪魔するぜ」

「「お邪魔します」」



改めて入室してきたのは第一戦線で戦っている呉島貴虎の弟、光実と軽巡洋艦龍田、そして白衣を着た白髪交じりの男だった。この白衣の男は花家大我、世界をゲーム病のパンデミックから救った医者の一人である。


105 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:14:10.03 ID:8K7lj41h0


そして浅葱色の機械に吸い込まれたのは壇黎斗、ゲーム病のある意味



『壇 黎 斗 ・ 神 だ!!!!!!!』



…………………壇 黎斗・神、ゲーム病のある意味パイオニアというか大体こいつのせいというか、そんな感じのアレである。驚くべきことに凌馬よりもブッ飛んでいる、ネタ的な意味で


『ぐぬぬ……』

「次騒ぐと私の薙刀でソレごと真っ二つにするからね?」

『ウェイ』



「君たちはなぜここに?」

「逆転の一手になるかもしれないものを届けに来たんです」

「大規模な作戦なんだ、組織の頭の許可とその頭脳を借りる必要があるからな」


まさかの言葉に元帥の表情が変わる。


「……本当かね?」

「ただし、成功するかどうか」

『私の辞書に失敗の文字はなぁぁぁぁい!!!!』

「……それがこの状況を好転させることができるかどうかはわからんがな」

「どういうことですか?」

『よしわかった、説明しよう。例のものを』パチン


106 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:15:49.10 ID:8K7lj41h0


 龍田が持っていた大きなケースを机に置き、開ける。出てきたのは二つ


『ガシャコンバグヴァイザー]、専用バックル。そして新型ガシャット、艦隊指揮シュミレーションゲーム、通称『艦これガシャット』だ』ドヤァァァァァ



「……」シャガッ

「龍田、抑えて。後でたっぷりやらせてあげるから」ギュ

「ァ……ふにゃぁ……」プシュゥ

「「「「「(リア爆)」」」」」








『……ゴホン。このゲームは名の通り自身の艦隊を指揮し敵艦隊を倒すゲームだ。発動することですべての艦隊をプレイヤーの思うがままに動かすことができる。そしてバグヴァイザー]とバックルがこのガシャット専用のドライバーとなっている』

「早い話、戦況を一瞬にして変身者が把握、作戦をダイレクトに戦場に反映させることができる。艦娘達と直接連絡を取り合いながらの戦闘が可能になる。ただ……」

『変身者にはすさまじい負担がかかる。当たり前だ、一気に大量の情報が脳に叩きつけられるのだからね。だから』


光実がもう一つのケースを開ける。そこには大量の艦これガシャットが入っていた


『オリジンガシャットとはまた別のベータ版艦これガシャットだ。起動すれば変身者と同じゲーム面にインできる。変身者と疑似的にリンクすることで変身者の脳にかかる負担を軽減できるだろう。こちらは起動するだけでいい、必要なのは処理を補助する脳だけだ』

「とはいっても、変身者の許可を得ることができれば艦隊指揮も可能だがな。ただこっちのプレイヤーは頭を使う作業がしづらくなる」

「なるほど……」

「そういうワケだ。こいつを使って誰かが変身、元帥のアドバイスを貰いつつ艦隊の指揮を執る。負担軽減のための有志を集めてほしい」

107 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:17:18.14 ID:8K7lj41h0

「で、でも今大本営でもてんやわんやで手すきの人なんてほとんどいません!」

「話は聞かせてもらったよ!」


 大挙して会議室に入ってきたのは妖精さんたちだった。


「補給や最低限の人員は残して、残りの妖精を全員集めてくるよ。それなりの数になるよ」

「よし、これで人員はそろったようだな。それじゃ、誰がコイツで変身するかだ」スチャ


少し考え込む元帥。


「その変身は、私にも可能かね?」

「なに?」

「私が直接それを使って指揮すればラグの問題は解決するだろう?」

「そういやコイツは適正手術は必要なのか?」

『不可能ではないぞ? 今回開発したソレは通常のゲーマドライバーやバグルドライバーとは用途が違うからな。ゲーマドライバーは対バグスター用のものだ、今回の開発した『バグルドライバー]』とは戦闘補助用として開発した、用途の根底がそもそも違う』

「なるほど、適合手術はいらないってことか」

『だが負担はかかるぞ? そこの妖精たちの協力があるといっても脳への負担は免れられないし、変身維持のための体力ももちろん必要だ。その老体で変身など到底無謀ry』


「フン!」リンゴパッカーン

「り、リンゴを……」

「割った……握り潰すでなく、握り割った……」

「……で? なにか言ったかね?」フキフキ シャリシャリ

『な、なにも問題はな無いようだなな……』ガクブル



108 :シグナルイロハ ◆3.K/vgceb. [sage saga]:2017/10/17(火) 22:18:09.73 ID:8K7lj41h0


「では妖精さん達、そして君たち、協力してくれ」

「「「「「「「アイサー!」」」」」」

「わかった」

「わかりました。ボクらは直接火力支援を行います」

「君もかね?」

「ボクも、仮面ライダーですから」

「わかった、信じよう。出撃したまえ」

「「「了解!」」」


「これより戦線を押し返す。行くぞ」






『艦隊これくしょん!!』

『バン・バン! シュミレーション! I ready for Battleship!』

『ブドウ!』

『スタァーフルーツ!』







「「「「変身!!」」」」



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