【艦これ】皐月「司令官がボクのことを子供扱いしてる気がするんだ」

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38 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 16:28:45.65 ID:MEySW27k0
司令官「皐月はそういう映画が好きになったのか? じゃあ、別チャンネルでちょうどそんな感じのやってるから見るか」

皐月「う、うん……」

皐月(大丈夫、ボクが本当に寝ないで見てたら、きっと司令官もボクのことを見る目が変わるはず……!)


〜数分後〜

司令官「はは、皐月見ろよ、この俳優の演技下手だなー」

皐月「ほんとだよね! セリフが棒読みなのがボクでもわかるよ!」

司令官「こいつこんな顔してたぜ、こんな」ぎゅにゅー

皐月「ぶっ! あはははは! 違うよ司令官、こんな顔だって!」みにゃー

司令官「ぎゃははは! 似てる、似てるぞ皐月! お前がアカデミー賞だ!」
39 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 16:29:46.20 ID:MEySW27k0
皐月「それにしても、ホント何言ってるのかさっぱりわかんないよね、この映画!」

司令官「まったくだな! 監督、この映画で干されたんじゃねーのか? ちょっと検索してみようぜ」

皐月「どれどれ……? えっ、司令官、この人、ボクたちが劇場で見たあの映画撮ってるよ! あんなに面白かったのに!」

司令官「マジか、なんてこった……。あまりに売れなくて反省したのか?」

皐月「あ、しかもあの映画、続編やるんだ。……これ、そのプロモーションで放送してるんだね」

司令官「明らかに逆効果だろ! それとも視聴者を寝かせて、予告宣伝を睡眠学習でもさせるつもりか」

皐月「……続編の内容、なんだか怖くなってきたね……」

司令官「こいつは劇場で確かめないとな。公開日はいつだ? 観にいこう」

皐月「うん! えっと、そのあたりの予定あけておくね」

司令官「ああ、俺も合わせて休みを取るぜ。ま、最近平和だから余裕だろ」
40 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 16:30:29.94 ID:MEySW27k0
皐月「……あれ、目を離してる間に映画終わっちゃってる」

司令官「お、ほんとだな。最後ぐらいは見ておきたかったが」

皐月「ボクはいいかなあ。もう一回観たいとは思わないよ」

司令官「まあなー」

皐月(……あれ? 確かに寝ないで観れたけど、こういう感じじゃなかったはず……)

司令官「そうだ。皐月、さっきのキュアるん録画してあるから見ようぜ」

皐月「ホント!? ……じゃなくて! ボクはキュアるんは卒業したから!」

司令官「そんなうれしそうな顔をしておいて、何言ってんだ。もう一回入学してくれ。ほら、映すぞー」

皐月「あっ! も、もう!」
41 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 16:34:00.56 ID:MEySW27k0
皐月「……! …………! あっ……!」

司令官(完全に見入ってるな)

皐月「……終わったあ」

司令官「今回も面白かったなー」

皐月「………………うん」

司令官「……その割に微妙な顔してるぞ」

皐月「あのさ……司令官って、おたくなの?」

司令官「え? いやー……別にそんなこともないと思うけどな。人より映画は見てるけど……」

皐月「そうなんだ」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/26(金) 18:46:30.69 ID:pJGPxMcVo
ロリコンのオタクじゃなかったら皐月なんかと一緒にプリキュアなんて見ないぞ
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/26(金) 20:51:09.98 ID:0MCcZBIs0
司令官は子供だった?
44 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 22:41:44.47 ID:MEySW27k0
司令官「突然なんだよ」

皐月「えっと……。アニメを喜んで見るのは、おたくか子供だけだって」

司令官「なんだそりゃ」

皐月「そう聞いたから……」

司令官「まあ、俺はおたくでも子供でもかまわないけどな」

皐月「……ふうん」

司令官「だからなんなんだその顔は」

皐月「……あと、ボクはキュアるんにはなれないって。当たり前だけどね。キュアるんはアニメだし……」

司令官「何言ってるんだ、そうとは限らないだろ」

皐月「えっ!?」
45 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/05/26(金) 22:43:54.72 ID:MEySW27k0
司令官「皐月なら結構いいところまでいけるんじゃないかと思うんだよな。艦娘だし」

皐月「艦娘は関係あるの?」

司令官「人間より艦娘のほうがなれそうじゃないか? 人間の限界は大体わかってるけど、艦娘はまだわかってないからな」

皐月「んー? うーん? そうかなあ……?」

司令官「どこまでなるかにもよるな。服だけ変えるとかならすぐできるわけだろう」

皐月「それはそうだけど、でも着替えたくらいじゃなった気がしないよ」

司令官「そうとは限らんぞ。服を着替えた皐月が飛んだり跳ねたりしたら、割とそれっぽくなるかもしれない」

皐月「うーん……」

司令官「結局、大切なのは気持ちとコースとゴールなんだよ。なりたい、だから、どうやったらなれるか、どうしたらなったことになるのか」

皐月「……うん」

司令官「皐月がなりたいキュアるんはどんなものか、考えるといい」

皐月「そっか……。わかったよ、司令官。考えてみる」

司令官「ああ。俺は皐月を応援するぜ」

皐月「ありがとう……」

皐月(……すごく楽しかったし、大切なことも教わったけど。ひどく空回りした気分……)

皐月(結局、ボクは大人にはなれてないのかな……?)


(おわり)つづく
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 01:35:33.28 ID:3mFZqi4f0
乙って言いたいけど続くのか終わるのか分からん
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/27(土) 04:57:46.87 ID:JBBl31Hc0
おつおつ
ぜひもっと書いてくれ
48 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/05/30(火) 22:38:38.95 ID:2gdWcRz70
まだストックはあるのですが、その量も残りの話もあまりないので完結するまで書いてから投稿しようかなと思っています
いつも読んでいただきありがとうございます

>>46
今日の更新は終わり的な意味と、エタっても「終わりって書いてあるから仕方ないか…」と思ってもらうために書いています
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 00:07:20.98 ID:9bl7jPbw0
こやつ...!
策士か!!
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 13:18:33.17 ID:zuPgMbIso
これは期待
無理しない程度に頑張って下さい
51 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:11:02.32 ID:pMVMyh8u0
こんばんは
もうあと少しで完結だーと思って書いてたらどうも想定したエンディングが気に入らなくなり、
別の展開を書いていたら途中で行き詰まり、とりあえずどうしようもないので続きを投下します


前回までのあらすじ
自分が子供っぽいことを自覚した皐月は、初月と時雨による地獄の特訓をくぐりぬけた!
くぐりぬけたにはぬけたのだが、どうも皐月も初月も時雨も大人というものをよくわかってなかったため、
なんとなく空転している感じになったのであった
52 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:11:49.66 ID:pMVMyh8u0
司令官「皐月、そろそろ眠いんじゃないのか?」

皐月「んー……。うん、眠い」

司令官「お、今日は素直だな。じゃあ先に寝ていいぞ」

皐月「……司令官も一緒に寝ない? ボクだけ寝るのって、なんかわるいし」

司令官「おお! なんだなんだ、殊勝なことを言ってくれるじゃないか。嬉しいな!」

皐月「う、うん。いつも思ってたから……」

司令官「そうかそうか。じゃあ今日は四人で寝るか。俺と皐月と、くまたろうとねこじろうで」

皐月「……そうだね。そうしよう、司令官」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 02:14:41.89 ID:IVHf6d7Z0
待ってた
54 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:15:53.62 ID:pMVMyh8u0
司令官「じゃあ電気消すぞー」

皐月「うん、おやすみ……」

司令官「ふむ、くまたろうとねこじろう、ふわふわだよな。俺も抱き枕があるといいかもしれん」

皐月「それなら、これからはずっと一緒に寝る?」

司令官「ああ、そりゃいいな。しかし、さすがにそういうわけにもいかないわな」

皐月「……だよね」

司令官「なんだよ、皐月は寂しがりか?」

皐月「んー」

司令官「最初にここに来た時はそうでもなかったよな。あそこにいた頃から、結構経つだろ。みんなとも仲良くやってるし。だからか」

皐月「うん、そうかも」

司令官「そうだ。なんだったら、誰かと一緒の部屋に替えるってこともできるぜ。初月とか時雨とか」

皐月「それは楽しそうだけど……でも、そういうのじゃないから、いい」

司令官「……そうか? むう、今日の皐月はわからないな。……何か、悩み事でもあるのか」

皐月「……あるよ……。でも、司令官には教えない」ぷい

司令官「なっ!」

皐月「もう寝るね。おやすみ」

司令官「あ、ああ……」

司令官(これが思春期なのか……!?)
55 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:16:34.16 ID:pMVMyh8u0
司令官(な、なんなんだ、皐月の悩みって!? カレーとキュアるんと一緒に寝るのと……?)

司令官(全然思いつかないが……。でも、ひょっとすると俺が関係してるんだろうか)

司令官(俺が何かを……うーん……いったい……)

司令官(んー……。……。…………。………………)

司令官「…………んー……ぐー……」

皐月(……司令官、寝ちゃった。疲れてたのかな)

皐月(やっぱり……ボクって子供なんだろうなあ)

皐月(はあ…………)

皐月(でも、いつか大人になって)

皐月(そうしたら……。…………。………………)

皐月「…………ぅに……」
56 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:17:18.74 ID:pMVMyh8u0
皐月「というわけで、ボクはやっぱり子ども扱いされてるんだよ!」

初月「……ふむ」

時雨「……うーん」

皐月「あ、あれ? まったくそのとおりだー、ほんとほんとー、とか言わないの?」

初月「いや、なんというか……」

時雨「……別に子供でもいいんじゃないの?」

皐月「ええっ! ダメだよ!」

初月「前回の時からなんとなく思っていたが、今回は更にのろけを聞かされている気分だ」

時雨「司令官は変な意味でなく、子供好きなんだろうね。僕たちとは態度が違うもの」

初月「甘やかすのも好きなのだろうな」
57 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:17:47.65 ID:pMVMyh8u0
時雨「僕たちももうちょっと甘えたほうがいいのかな……」

初月「キュアるんを見はじめようか」

時雨「ぬいぐるみ、買ってほしい……」

初月「司令官のカレーも食べたいな」

時雨「それで、夜は一緒に寝る?」

初月「いいな」

時雨「いいね」

皐月「ちょ、ちょっとちょっと! 子供のまんまじゃダメなんだってば!」

初月「皐月はこれほど司令官に可愛がられていて、一体何が不満なんだ」

時雨「換わってほしいぐらいだよ」

皐月「それは、その……」

初月「なんだ? 言えないことがあるのか?」
58 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:18:49.31 ID:pMVMyh8u0
時雨「そもそも、前回から皐月はすごく楽しそうだったよね……。どうして急に大人になろうなんて思ったの?」

皐月「あ……えっと……」

初月「無理に言う必要はないが……」

時雨「ううん、僕は聞きたいな。皐月は仲間だし、あれだけの特訓も一緒にしたんだもの。ここまで来て隠し事はされたくない……」

皐月「……わかった。ここまでしてくれた二人に、ボクも隠し事はしたくないよ」

初月「皐月……。ありがとう」

皐月「いいってば。……あのさ、ボクが大人になりたい理由はね」

初月「…………」

時雨「うん……」
59 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:19:34.88 ID:pMVMyh8u0





皐月「しれ、司令官と、エッチがしたいからなんだ……!」






初月「       !      ?        」

時雨「は………………………………………………………?」


60 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:20:06.47 ID:pMVMyh8u0
皐月「でも……その、大人にならないとエッチはしてもらえないでしょ? だから」

初月「ストップ! ストップストーップ!」

時雨「落ち着いて!!! 皐月、皐月落ちついて!! 落ち着いてよ!!!!」がしっ ゆさゆさゆさゆさゆさ

皐月「し、しぐれ、しぐれがおちついてない! おちついて!」がくがくがくがくがく


ワーワーキャーキャー
ドカーン バターン
61 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:20:41.71 ID:pMVMyh8u0
(がちゃり)司令官「お、おい、どうした! 何を騒いでる!?」

皐月「あ」

初月「はあはあ……はあ……」

時雨「ぜー、ぜー、ぜーっ……」

司令官「……な、なにがあったんだ? 皐月、大丈夫か?」

皐月「な、なんでも……」

初月・時雨「「なんでもない!」」

司令官「いや、しかし……お前ら、なんで皐月にのしかかって」

初月・時雨「「なんでもない!!!!」」

皐月「その……うん、本当になんでもないんだ、ちょ、ちょっと転んじゃってアハハ」

司令官「……わ、わかった……。えっと……何かあったなら言えよ、三人とも……」……ばたん
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 02:21:11.77 ID:Xa6sV33Wo
なるほど(ボロンッ
63 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:21:20.62 ID:pMVMyh8u0
………………。


皐月「……二人とも大丈夫?」

初月「……ああ、すまなかった」すっ

時雨「ごめんね。取り乱しちゃった」(埃をはらう)

皐月「よ、よかった……」

初月「それで、だ……。皐月。先ほどの話だが」

皐月「エ、エッチのこと?」

初月「ッ……そ、そうだ。どこで聞きかじったのかはわからないが、あまりよくわかっていないことを迂闊に喋るのは」

皐月「ボ、ボクだってわかってるよ! 勉強もしたし……」

初月「勉強!?」

皐月「うん、動画とか……」

時雨「動画あ!?」

皐月「だから、エッチっていうのは×の×××を×××に××したり……あ、でもその前に××を」

時雨「や、やめて! わかったからやめて!」

初月「皐月……皐月が……あの天使のように純粋だった皐月が……どうしてこんなことに……」

皐月「…………やっぱりボクって子供っぽいんだ……」
64 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/06/12(月) 02:22:20.01 ID:pMVMyh8u0
皐月「二人はもう頼れない……。ここからは、ボクだけで進むしかない」

皐月「……でも、どうすればいいんだろう。ボクだけで何ができるんだろう……?」

皐月「……どうすればいい、だって? ちがう、ボクはまだ自分では何もしていないんだ!」

皐月「やってやる……! ボクは、ぜったいに……!」


(つづり)終わく
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 02:52:07.45 ID:IVHf6d7Z0
おつ
ヤってやれ!
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 03:48:48.21 ID:RJ1+1C1ao
子作りをしたいなら感染症や出産の危険も学ぼう
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 07:38:39.30 ID:rQA244jbO

予想外の展開
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 13:27:19.72 ID:Qk7Wyjl80
子供っぽいというかアホの子に近いかな?
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 13:40:11.95 ID:TyDnJJNEo
皐月ちゃんかわいいよ!
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 18:54:03.10 ID:dfbNUNboo
この健全SSがロリコン運営にR送りされる前に書き上げちまってくれ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 22:12:57.93 ID:NzSAVQV5o
つづけ!
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/25(日) 18:11:46.48 ID:epZSqR7n0
おまかわの舞
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/14(金) 00:04:13.11 ID:7gR9ivelo
ほしゅ
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/29(土) 16:22:30.63 ID:EMEDNwfz0
かわいい...かわいい...
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/14(木) 13:18:51.25 ID:50OjZMQro
舞ってる
76 : ◆36ujqGfUl2 [saga]:2017/10/12(木) 02:49:32.85 ID:7g9nvUGL0



皐月「……やってやるとは言ってみたものの……実際はどうすればいいんだろう」

皐月「うーん……とにかく司令官に、ボクのことを意識してもらわなきゃどうしようもないよね」パチッ ブイーン

皐月「よし! がんばるぞ!」カタカタカタカタタタッ


検索窓【エッチ 彼氏 誘う】
   【彼氏をその気にさせる方法】
   【初体験談 女の子 小学生】
   【ロリ シチュ R18】

77 : ◆36ujqGfUl2 [saga]:2017/10/12(木) 02:51:34.04 ID:7g9nvUGL0
―執務室

皐月「……ふー、なんだか暑いね、司令官」

司令官「ん? そうか? まだ5月だぞ」
(開始当初は5月だったのです)

皐月「そうなんだけど、夏の気配が漂ってきているっていうか……」

司令官「皐月はそんなに暑がりだったか……?」

皐月「あー、暑いなー。もう脱いじゃおうかな」(ちらっ)

司令官「ああ、どうせ誰も見てないし、かまわないぞ(上着くらいは)」

皐月「かまうでしょ!」バンッ

司令官「なっ! ど、どうした皐月!?」

皐月「あ、いや! なんでもないなんでもないよーアハハ」

司令官「……な、なんなんだ? 何か悪いこと言っちまったか」

皐月「だからなんでもないって! そう! 暑いからちょっとぼーっとしてるのかも!」

司令官「ものすごく元気そうだが」

皐月「そんなことないよ! あー、暑いなー、暑くて溶けそう! 茹で皐月になっちゃうなー!」

司令官「そ、そうか。……じゃあ、エアコン点けていいぞ」

皐月「……あ、うん。点ける」ピッ ウイーン フオー

司令官「…………」 フオー

皐月「…………」 フオー

司令官・皐月(寒い……) フオー
78 : ◆36ujqGfUl2 [saga]:2017/10/12(木) 02:55:00.04 ID:7g9nvUGL0
― 一時間後

皐月「……」 フオー

司令官「……」 フォー

皐月「……」ガタッ

司令官「……ん?」

皐月「……」トストストス

司令官「ど、どうした皐月、急に近づいてきて。何かあったのか?」

皐月「……」ギュッ

司令官「え、お、なんだおい、どうしたんだよ?」

皐月「なんか寒くなってきちゃって……アハハ」

司令官「そ、そうか」

皐月「んー」ギューッ

司令官「皐月、そんなに寒いならエアコンを消……」

皐月「んんんー」ギューーッ

司令官「お、おい……ちょっと苦しいぞ……」

皐月「んぐぐぐぐー」ギュルゥッ

司令官「さ、さつき……ギブ……ギブアップ」バンバン

皐月「ん」パッ

司令官「ハアッ、ハア……艦娘なんだからちょっとは加減してくれ……」

皐月「……司令官……なにか思わなかった? こう……ギュッとされて……きもちいいとか……」

司令官「な、何言ってんだ皐月? 俺に絞められて喜ぶ趣味はないぞ」

皐月「……そう……ごめん、戻るね」スタスタ ガタッ

司令官「……」

皐月「……」

司令官(明らかに皐月がおかしい)

皐月(こんなに大胆なスキンシップも全然効かないなんて……やっぱりボクのカラダじゃだめなのかな)

皐月(……こうなったら……! アレしかない……!)
79 : ◆36ujqGfUl2 [saga]:2017/10/12(木) 02:57:44.29 ID:7g9nvUGL0
― 更に一時間後

皐月「……」

司令官「……」

皐月「……」

司令官「……」チラッ

皐月「……」

司令官(……今の所は何もなさそうだな)

司令官(……いや、待て……やはりおかしい)

司令官(皐月が静かすぎる……いつもなら、もっと俺に話しかけてくるはずだ)

司令官(また何かするつもりなのか? しかし、そもそも何のために、何をやっているのかすらわからねーんだよな……)

皐月(……そろそろ時間かな)

皐月「よし!」ガタッ

司令官「……っ」ビクッ

皐月「司令官! そろそろお風呂の時間だよね!」

司令官「あ? あー、そうか。浴場を開く時間だな。入りたいなら入ってきても……」

皐月「一緒に入ろう!」ズイッ

司令官「はあ!?」

皐月「ボクたち、戦友だよね!」ズイズイ

司令官「はああ!?」



つづくかおわるかします
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 04:03:03.78 ID:RbQLH1hm0

舞ってた
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/12(木) 19:38:12.59 ID:ILSc/AHFo
おつさっちん
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/13(金) 04:49:01.40 ID:hojBJBe90
>>76
皐月の検索ワードがガチ過ぎる件
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 21:27:18.81 ID:ZVOeshsUo
乙です
さっちんの検索ワードェ・・・・
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 06:18:47.05 ID:bgRVpFbro
おつ皐月かわいい
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/18(水) 16:07:02.36 ID:QFU0jYV4o
浴場で欲情
86 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:47:50.02 ID:7ZCND0HM0
皐月「司令官! そろそろお風呂の時間だよね!」

司令官「あ? あー、そうか。浴場が開く時間だな。入りたいなら入ってきても……」

皐月「一緒に入ろう!」ズイッ

司令官「はあ!?」

皐月「ボクたち、戦友だよね!」ズイズイ

司令官「はああ!?」

皐月「だから、たまには裸の付き合いをするのもいいと思うんだ!」ズズズズイ

司令官「えええええ!?」

皐月「だから行こう! 今すぐ行こう!」グイグイ

司令官「ま、待て皐月! 確かに俺たちは戦友かもしれんが、それ以前に提督と艦娘でな……!」ズルズル

皐月「えっ?」ピタッ

司令官「わ、わかるだろ? やっぱり一緒に風呂に入るのはまずい……」

皐月「ボクはかまわないから大丈夫だよ!」グイイイグイイイ

司令官「わかってねえ! せめて水着! 水着な!」ズルルルズルルル
87 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:48:48.93 ID:7ZCND0HM0




「…………(無言で目をあわせる)」

「…………(うなずく)」


88 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:50:58.12 ID:7ZCND0HM0
―浴場

司令官「やれやれ……思えば提督なんざやりはじめてから、一番風呂にゃ縁がなかったな。いい機会か」

皐月「司令官、こっちこっち! 座ってよ!」

司令官「お、おう……皐月、なんだその水着は」

皐月「え、これ? どう? 似合う?」

司令官「いや、よくわからん……。なんでビキニの上下がヒモで繋がってるんだ」

皐月「これはモノキニっていうんだよ! セクシーでしょ?」

司令官「?」

皐月(本気でわからない顔をされちゃった……)

司令官「よくわからんが、皐月がそういうのが好きならいいんじゃないか?」

皐月「……くっ」

司令官「なんだその反応」

皐月「いいからほら、座って座って! 背中をながしてあげるからね!」

司令官「へいへい」スッ

皐月(ふっふっふ……背中がガラあきだよ! 司令官!)チュルルッ ゴシゴシブクブク ペタペタ
89 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:53:04.78 ID:7ZCND0HM0
司令官「うお、何するんだ皐月……」

皐月「司令官の身体を洗ってあげてるんだよ……?」ヌルヌルズリズリ


皐月(そう……泡立てた石鹸をぬったボクの体で!)

皐月(これはエッチなことをする前に行われる定番の行為で、お店でもやってるって!)

皐月(それにくわえて露出とスキンシップの要素も含んでる! カンペキだよ!)


司令官「さ、皐月、お前……」

皐月「ど、どう? 司令官?」スリスリ

司令官「どうといわれても……」

皐月「な、なにか感想というか、感じるものとか……あるでしょ?」

司令官「……皐月」クルッ

皐月「司令官……?」

司令官「……」ギュッ

皐月「あっ……」ドキッ

皐月(きた! きちゃった! やった! やったよ! インターネットばんざい!)

司令官「皐月……いいか?」

皐月「う、うん……ボクはいいよ……!」
90 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:54:43.43 ID:7ZCND0HM0
司令官「そうか、じゃあ……」

皐月「……ん!」

司令官「こうだな」ヒョイ

皐月「……ん?」クルッ

司令官「いいか皐月。人の背中を流すときはな、このタオルを使うんだ」ゴシゴシ

皐月「…………」

司令官「確かに皐月の肌はすべすべだから、人肌でこするだけでもいいのかもしれんが……やっぱ人を洗う時はな」ゴシゴシ

皐月「ええーい! まだるっこしー!」ガタタッ

司令官「おい、まだ流してないぞ。早く湯船に入りたい気持ちはわかるが」

皐月「司令官!! ボクを子供扱いするのもここまでだよ!! 今こそ動画で習い覚えたあれそれを、披露しちゃうんだから!!!」

司令官「動画? 身体の洗い方動画か?」

皐月「ちがう……けど、まあだいたいそんなものかも! 行くよ! とおー!」バッ

司令官「なっ、皐月、風呂場で飛び掛ると危」
91 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:55:29.58 ID:7ZCND0HM0



「そこまでだ!」バーン ダダダッ

「現行犯で逮捕するよ!」ガシッ グイイイッ


92 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:56:36.39 ID:7ZCND0HM0
あれ? トリップが変わってますね…
93 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 00:57:57.86 ID:7ZCND0HM0
前回のトリップが間違ってたんですね…
気にせず続きます
94 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2017/10/30(月) 01:00:28.82 ID:7ZCND0HM0
皐月「なっ!!」ドタッ

司令官「お、お前たち、何やってるんだ!」

初月「司令官。僕たちはずっと皐月を監視していたんだ」

時雨「何かするんじゃないかと思ってね。そうしたら、やっぱり」

司令官「……監視? お前ら、俺たちの風呂を覗」

初月「『監視』をしていたら皐月が行動を起こしたので拘束したんだ何も問題はないしむしろ褒められてしかるべきだ」

時雨「そうこれはあくまでも『監視』であって決して何もやましいことはないんだよ現にこうして成果も上がったわけだから僕たちは正しいことをしたんだよ」

司令官「何でそんなに必死なんだ」

皐月「か、監視だって!? どうしてそんなこと!」

初月「皐月、お前は今何をしようとしたのかわかっているのか? これはあくまでもお前に、これ以上の罪を犯させないための善意なんだ」

時雨「さあ、こっちに来て。尋問をして記録するからね。艦娘に弁護士を呼ぶ権利はないし自分に不利な証言もどんどんしてもらう」

皐月「あっ、ちょっと、まだ何にもしてないよ! 司令官、助けて!」ズルズル

司令官「まだって、何をするつもりだったんだよ」

時雨「というか、もう十分してたでしょ……。司令官、僕たちは皐月と話があるからこれで失礼するね。お騒がせしました」

初月「邪魔をしたな、ゆっくりと風呂を堪能してくれ、司令官。ほら、立って歩け皐月」

皐月「うわーん」

スタスタズルズル バタン
95 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2017/10/30(月) 01:01:42.52 ID:7ZCND0HM0



司令官「……なんなんだ、あいつら? やっぱ変だよなあ……」

司令官「まあ、今考えてもしゃあねえな。後で直接聞くか」

司令官「今はゆっくり風呂に入っとこう……」バシャッバシャッ ザブン

司令官「はあ……いい湯だ」

カポーン


96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 08:25:43.66 ID:sdj35gkFO
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 09:41:49.66 ID:ANKYBfbJo
つわり
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 20:22:30.37 ID:uJGfHq7A0
まだか?
99 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 21:48:36.89 ID:N7o+/gOs0
あけましておめでとうございます


―皐月の部屋

初月「皐月、ここに座れ」

皐月「はい」ストン

時雨「卓上照明を点けて……部屋の電気を消すよ」カチッ

初月「よし。今からここは尋問室だ。キリキリ吐いてもらうぞ、皐月」

皐月「悪いことなんかしてないのに……」

初月「それもきちんと理解してもらわないとな……。時雨、あれを出してくれ」

時雨「うん。皐月。カツ丼だよ」ドン

皐月「えっ? ええと……食べていいの?」

時雨「皐月が正直に話したらね」

初月「そういうことだ」

皐月「……えーっと……何を話せばいいのかな……?」

時雨「そうだね。まず、浴場で何をしようとしていたのか話してもらおうかな」

皐月「もちろん司令官とエッチしようとしてたんだよ」

初月「……(頭をかかえる)」

時雨「皐月、あのね。その……そういうことは、軽々しくしようとしちゃいけないんだよ」

皐月「ボクは真剣だよ!」

時雨「いや……それは、まあ、そうなのかもしれないけど」

皐月「ホントに真剣だってば!」

初月「……どう説得したものか……」
100 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 21:50:22.38 ID:N7o+/gOs0
時雨「えっと、質問を変えようか」

皐月「うん」

時雨「その、そもそもなんだけど……。どうして司令官と、エッ……チな、ことをしたいと思ったの?」

初月「そうだ。どこからそんなことをしろと吹き込まれたんだ」

皐月「あっ、まだ話してなかったっけ。えーっと……ちょっと長くなるんだけど……。この前、睦月型の集会に行ったんだよ」

初月「ああ、同型艦集会か?」

時雨「違う鎮守府にいる姉妹同士の集まりだよね。僕も2ヶ月に1回くらいはみんなと会ってるよ」

皐月「そうそう。睦月型は1ヶ月に1回、第四日曜日に会っているんだけど……その時に……」
101 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 21:52:49.17 ID:N7o+/gOs0
―睦月型集会 某鎮守府第十八会議室(レンタル料:4時間 1000円 飲食可能)


睦月「……それじゃあ、意見交換会も終わったところで、みんなで飲んだり食べたりしましょー! 飲み物もった? それじゃー、睦月型にかんぱーい!」

如月・皐月・長月・文月「かんぱーい!」カチーン

如月「んっ……んっ……ふう……美味しい」

皐月「はー! やっぱりピルクルはおいしいね!」

長月「ほう。まだそんなものを飲んでいるのか、皐月は」

皐月「ええ……なにそれ……? 長月だってコーラを飲んでるのに……?」

長月「甘いな。私が飲んでいるのはコーラ。つまり、炭酸が入っているんだぞ」

皐月「うっ、たしかにボクは炭酸が辛くて苦手だけど……」

長月「私のほうが一歩先を行っている、ということだ」

皐月「むむ……」

文月「ふたりともあんまり変わんないと思うなあ」

長月「なんだと? そういう文月こそメロンソーダを……」

皐月「あれ、でも炭酸の泡が立ってない……?」

文月「ふふふふ。そう! これはねー、緑茶なんだよ!」

皐月「りょ、緑茶っ!?」

長月「あの苦いお茶を、しかもストレートで……!」

文月「まあねー。あたしもこういう味がわかる? ように? なっちゃった? っていうか?」

皐月「むむむむ……」

長月「くっ……」
102 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 21:55:05.63 ID:N7o+/gOs0
文月「うふふー、ふたりもよかったらどう? まだまだペットボトルにいっぱい……あっ」カラッ

皐月「あれ? これ……ガムシロップ?」

長月「蓋が開いている……まさか」バッ

文月「あっ、ちょっ、長月ちゃん、あたしのコップっ」

長月「……甘い。やはりか。なるほど、そういうことか」

皐月「……へえー。ふーん? 甘い緑茶、おいしい? 文月」

文月「え、えへへへ」



如月「……平和ねぇ」

睦月「そうだねー」

如月「ねえ、睦月ちゃんもお酒飲みましょ? 飲めるんだからぁ」

睦月「……いちおう睦月からすると、よその鎮守府だからー、ちょーっと遠慮しておこうかなーって……」

如月「私だって同じ鎮守府から来てるんだから、そうだけど……。そんなに遠慮しなくてもいいじゃない、お休みなんだから」ゴクゴクゴクゴク ドポドポドポ ゴクゴクゴクゴク

睦月「あの、如月ちゃんこそ、もうちょっとゆっくり……」

如月「あー、だいじょうぶだいじょうぶ、もう私ぃ全然酔わないからぁ。もうぜんっぜんぜんぜんぜん。ホントホントホントに」ゴクゴクゴクゴク カンッ

睦月(……だから睦月は飲まないんだけどなあ)

如月「……はあ……」
103 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 21:58:21.52 ID:N7o+/gOs0
長月「……相変わらず如月はお酒を飲んでいるようだ」

皐月「また? あれ、ボクも飲んだことあるけどおいしくないよ」

文月「だよねー。文月たちがもっと大きくなったら、お酒の味もわかるのかなー?」

長月「……私は艦娘として産まれて3年ほどだが、大きくなる気配がないぞ」

皐月「……ボクは5年くらい? 特に変わった気はしない、かな」

文月「……文月はもう8年くらい……。艦娘って、ずっとこのままなのかなあ」

皐月「うーん。……これは昔聞いた噂話なんだけど……。艦娘は艤装をつけてると成長しないらしいよ。だから、艦娘をやめた子は成長するようになるんだって」

長月「なに? そうなのか」

文月「えーっ、皐月ちゃん、艦娘やめちゃうの?」

皐月「いやいや、ボクはまだやめないよ。……でも、戦争が終わったらみんなやめるでしょ?」

文月「そうなるの……かな?」

長月「ふうん? 皐月は艦娘をやめたら、何をするんだ?」

皐月「もちろん、ボクはキュアるんになるよ」

文月「えっ! キュアるんに!? すごーい!」

長月「ほう。それは私も興味があるな……。皐月はどうやってキュアるんになるんだ?」

皐月「それはまだわかんないけど。でも、大きくなったらきっとなれるよ! 未来の可能性は無限大って、ヒーローはみんな言ってるもん!」

長月「なるほど……!」

文月「あっ、じゃあ、じゃあ、文月は仮面ナイトになりたい!」

長月「私はファイブフォースになる!」

皐月「よーし! みんなでヒーローになって、劇場版で共演しよう!」

文月・長月「おー!」


如月「……戦後、ね。睦月ちゃんはどうするの?」

睦月「うーん、ケーキ屋さんとかお花屋さんとか……なにかお店をひらきたいなあ」

如月「ふふ、睦月ちゃんらしいわ。きっとなれるわよ。私なんかと違って……」

睦月(……あ、これ始まってる)
104 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 22:02:13.81 ID:N7o+/gOs0
如月「私みたいな滑稽な艦娘に、戦後なんてあるのかしら? 路頭に迷って橋の下を住所にするのがお似合いじゃない?」

睦月「だ、大丈夫だってば、ね。睦月といっしょにケーキつくりましょ?」

如月「ありがとう、睦月ちゃん……うっ、やさしいね……ほんとうに……わたしなんかに……」

睦月「あーあー……、泣かないで……」


皐月・長月・文月「……?(顔を見合わせる)」

長月「……なあ。如月、何かあったのか?」

皐月「そういえば、この前の集会からおかしかったよね……」

文月「二ヶ月前の集会のときはすごく元気だったよね?」

如月「ふふ……みんなもごめんね。そう、確かにちょっと落ち込むことがあったけど……。でもね、つまらないことなのよ。気にしなくてもいいわ」

皐月「でも……」

睦月「ほらほら、如月ちゃん、お茶を飲んで落ち着いて」

如月「うん……。ふう……」

長月「如月……」

文月「……えっとー……」キョロキョロ

皐月「あー……。そ! そうだ、そうそう、そういえばさー。最近は集会、参加してる子が少ないよね? みんな何してるのかな?」

如月(ぴくっ)

睦月「あっ……!」
105 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 22:04:52.92 ID:N7o+/gOs0
長月「あ、ああ、そういえばそうだな」

文月「う、うんうん、弥生も菊月も最近こないよねー」

如月「……………………………………」

睦月「如月ちゃん……」

皐月「だよね、毎回来てたのに。みんな忙しいのかな?」

長月「そうかもしれないな。元気でやっているようではあるが」

文月「そういえば、なんでみんな来なくなっちゃったかって聞いたことないね……」

如月「……」ドポドポポポ ゴクゴクゴクゴク カンッ ドポドポドポドポ グイッゴクゴクククク ガンッ

皐月「わっ」

睦月「き、きさら……」

如月「みんなが来ない理由?」

如月「決まっているでしょ」

皐月「え……」

如月「男よ」

睦月「ちょっ……」

長月「おとこ……? 艦娘は全員女のはず……」

文月「はっ、ひょっとしてみんな、男の子になる病気に!?」

皐月「なにそれ……?」

如月「そうじゃない、そうじゃないのよ文月」

睦月「如月ちゃん……」

如月「全員、男の人とのデートに忙しいから、睦月型の集会には来れないのよ……!」

皐月・長月・文月「な、なんだってー!」

睦月「……うん。そういう理由で来れないって連絡がね……」

如月「そう、所詮、同型艦同士の絆なんて脆いものよね。男ができればこんな集まりなんかに……」

如月「いえ、違うの……。そうじゃない、そうじゃないわ……ごめんなさい、私だって……もしかしたら……」

睦月「如月ちゃん……」
106 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/04/03(火) 22:08:14.05 ID:N7o+/gOs0
皐月「そうだったんだ……みんなデートを……」

長月「知らなかったな……」

文月「……でも、それなら、みんなよかったねーってかんじ?」

皐月「あ……うん。確かにそうだよね」

長月「めでたいこと……だな」

如月「めでたくないわっ!」ガンッ

文月「ひゅいっ」

長月「き、如月……どうしてしまったんだ」

皐月「そうだよ、みんなが幸せになったのを、そんな風に……」

睦月「ごめんねみんな。如月ちゃんはちょっと辛いことがあって……」

如月「……いいわ、睦月ちゃん。私から話す。つまらないことだもの。こんなに引っ張ったのがばかみたい」

如月「……私、実はね……」

皐月・長月・文月「…………(ごくり)」


如月「私ね……私たちの司令官にフラれたの」


皐月「!?」

長月「なにっ……」

文月「えっ!」



(つづく)(たぶん)
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 22:24:45.40 ID:T0NXcUOA0
あら生きてたのか
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 22:45:42.19 ID:v0Qc5LV40
お、待ってましたぞ!
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 12:24:55.65 ID:X3dAdUZIO

22駆が天使すぎて尊い
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 13:24:56.35 ID:v4kPCtZwo
舞ってた
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/11(水) 13:28:42.04 ID:jnD33XkE0
時代は皐月!
112 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:26:42.37 ID:BRdgqKYF0
如月「私、いつも司令官のことをからかってて……。あの人が顔を真っ赤にするのが楽しかったの」

如月「最初は本当にそれだけだったんだけど――ちょっと趣味が悪かったわね――、いつの間にか、私は司令官のことが本当に……好きになっていて」

如月「いつもあの人と話して、私のちょっとした冗談に――いえ、もう冗談ではなくなってたのだけど――赤くなる姿を見ていて……幸せだった」

如月「それで……笑っちゃうんだけど、自分でも気づかないうちに、私は、あの人も私のことが好きなんだって思い込んでたみたいなの。……言葉にしなくても、きっと心は通じ合ってるんだ、って」

如月「でも、ね……。2ヶ月くらい前……。この前の集会のすこし前に……」

如月「司令官、ほかの艦娘と……ケッコンしちゃって……」
113 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:27:34.77 ID:BRdgqKYF0
皐月「…………」

長月「…………」

文月「…………」

如月「とまあ、こういうわけ。ばかでしょ、私。勝手に勘違いして、傷ついて。みんなの恋愛に嫉妬して……」

睦月「如月ちゃん……」

如月「こんな話しちゃってごめんね」

皐月「う、ううん! そんなことないよ!」

長月「話してくれてありがとう、如月。辛かっただろう」

文月「うん……。元気出して、ね?」

如月「ありがとう。私も話して楽になったわ。だから、三人とも……」ドポドポドポドポ ゴクゴクゴクゴク ガンッ

睦月「あっ、ちょっ……」
114 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:29:01.20 ID:BRdgqKYF0
如月「いい!? よーく聞きなさい!! あんたたちもね、気になる男がいるんだったら、さっさと首元ひっつかんで押し倒すのよ!!」

睦月「如月ちゃん!?」

如月「ていうか、セックスしなさいセックス! さっさとヤっちゃいなさいッ!」

睦月「きッ、如月ちゃんッ!?!?! 如月ちゃんッ!!!!!」

皐月・長月・文月「せっくす……???」

睦月「さ、三人とも聞いちゃダメ!」

如月「いいのよ睦月ちゃん! どうせここに来てないやつらもヤってんのよ! ヤりまくりでしょどうせ!」

皐月「何を……?」

如月「もちろんナニをよ、ナニを!」

睦月「質問しちゃダメ!!」

如月「あーーーーーーーーー!! くっそー!!!!!! 司令官、あの女のどこがいいの!! 私よりちょっと背が高くて、胸が大きくて、脚が長いだけじゃないの!!!!」バンバンバンッ バキッビシッ ビキッ

睦月「ああああ、机を叩かないで如月ちゃん! 壊れる、壊れるから!」

睦月(こうなるから艦娘は外のお店で宴会ができないんだよう……)

如月「くそくそくそくそくそくそ、ナガトォ!! あんな澄ました顔して、やることはやってたってわけ!! そんな気配全然なかったのに、完全に騙された……!!! 改二になったのに、薬指だけ露出して、自慢げに指輪を見せて……!!!!」メキメキメキメキリ

長月「ながと……」

睦月「じ、実名を出さないで如月ちゃん!!!!」

如月「男なんてー!!!! 司令官なんてー!!!!」バキベキグキイィ

文月「あ、つくえ……」

睦月「引き裂かないでえー!!!!!」


バキイベキイビキイ ワーワー キャーキャー ガシャーン


この鎮守府の司令官「……」

その秘書艦の吹雪「……」
115 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:30:08.50 ID:BRdgqKYF0
睦月「…………と、いうわけでー。本日の睦月型集会はここまでー。おつかれさま……」

如月「ん……くー……しれいかあん……ぐす……」

皐月「おつかれさま……」

長月「はあ……どっと疲れたな」

文月「如月ちゃんのあばれぶり、ちょっとすごすぎだったよ……」

長月「よっぽどストレスが溜まっていたんだろう。発散できたのならいいんだが」

睦月「ほんとにごめんね、三人とも……よいしょ」ヒョイ

如月「うにゃー……くー……すー……」

皐月「睦月、一人でだいじょうぶ? ボクが如月を運ぼうか?」

睦月「だいじょぶだいじょぶ、睦月は元気がとりえだもん。……それよりも」

皐月「うん?」

睦月「三人とも……、今日如月ちゃんが言ってたことは忘れてね。いい?」

皐月「もちろん誰にも言わないよ」

長月「ああ、如月の名誉はできうる限り守るつもりだ」

文月「……この鎮守府の人たちにはバレちゃってるけど……だまっててくれるって言ってたよ!」

睦月「そ、それもだけど……せ、セックスとか……」
116 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:30:55.97 ID:BRdgqKYF0
皐月「え? あー、そんなことも言ってたね。よくわかんなかったけど」

睦月「それも忘れてね? いい? 絶対だよ?」

長月「よくわからないが、わかった」

睦月「本当にだよ? 本当にだからね? ネットで検索とかしちゃダメだからね?」

文月「よくわかんないけど、はーい」

睦月「……ふう……。それじゃ、睦月たちは行くね。次回はまた連絡するってことで……解散」ピシッ

皐月・長月・文月「了解」ピシッ
117 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:32:02.13 ID:BRdgqKYF0
皐月「んー、ん……っ。……はあ。今日は大変だったけど、楽しかったね」

長月「まさか如月がああいう風に乱れるとはな」

文月「そうだよね。……如月ちゃんがあんな風になっちゃうなんて……」

文月「………………んー」

文月「ね、ね、ふたりとも。如月ちゃんの言ってたこと、どうおもう?」

皐月「言ってたこと?」

文月「好きな人がいたら、『せっくす』しろーってやつ」

長月「ふむ。言葉の意味はわからなかったが、とにかく勢いはすさまじかった」

文月「……あのね、あたし帰ったら、司令官に言ってみようとおもうんだ」

皐月「なにを?」

文月「文月と、『せっくす』してーって」

皐月「おおー」

長月「……ということは、文月は私たちの司令官のことが……」

文月「……うー、恥ずかしいよぉ。でも、如月ちゃんを見てたら……」

皐月「何かせずにはいられない、かあ。わかるかも」

長月「そうだな。あれだけ後悔していた如月が必死で私たちに伝えてくれたのだから、きっと無意味なことではないのだろう」
118 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:32:33.48 ID:BRdgqKYF0
皐月「でもさ、睦月は絶対忘れて! って言ってたよ」

長月「皐月。しかしな。もう私たちだって子供ではないんだ。長女とはいえ、いつまでも睦月の言うことを聞いているだけでは成長がないとも思わないか?」

皐月「おー! 確かにそうかも!」

文月「そうそう、きっとそうだよ! ね、長月ちゃんも一緒に『せっくす』しよーって言わない?」

長月「私も?」

文月「うん! よくわからないけど、好きな人とすることだったら、きっとみんなでしたほうが楽しいと思うの!」

長月「なるほど、一理ある」

皐月「いいなあー。二人は同じ鎮守府で」

文月「えっ、それなら皐月ちゃんもこっちに来たらいいのに」

皐月「ん……それも楽しそうだけど。でも、ボクはまだあの基地に残るよ」

文月「えー、きっと皐月ちゃんと一緒ならもっと楽しいのに……」

長月「文月、察してやれ」

文月「え? ……あっ、そっか」

皐月「……へへっ」

文月「そっかそっか! わかった! じゃ、皐月ちゃんもがんばってね!」

長月「ああ。所属は違っても、私たちはいつでも仲間だ」

皐月「うん! ありがとう! ……それじゃ、ボクは行くね!」

文月「ばいばーい! またねー!」

長月「次の集会で会おう。気をつけてな」

皐月「うん! 二人もそれまで元気でね!」

皐月「……よーし、ボクも帰ったらインターネットで『せっくす』のことを調べるぞ!」
119 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:35:09.49 ID:BRdgqKYF0
――現在 皐月の部屋

皐月(……というようなおおむねのいきさつを、実名は伏せて、ある程度ぼかした上で時雨と初月にしたけど……。なぜか二人はうんざりするほど苦そうな顔をしてる)

初月「ひどい話だった」

時雨「……皐月の姉妹、どうなったんだろう……?」

皐月「まだわかんない。もう二人がいる鎮守府の司令官とエッチしたのかな?」

初月「していないと信じたい」

時雨「……はあ。聞いてるだけで疲れたけど、でも大体事情はわかったよ」

初月「そうだな。よくわかった。皐月、こんなことはもうやめよう。お前の姉妹の言う通り、全部忘れろ」

皐月「ええーっ! なんで!」

初月「なんで、もクソもない。いいか。お前は酔っ払いのたわごとを真に受けて、ひどく偏った知識を得た上で、これ以上ないほど誤った行いをしようとしているんだ。目を覚ませ」

皐月「でも!」

初月「デモもケモもアモもない! お前は愚かなことをしている! もうやめるんだ! わかったな!」

皐月「ううう」

時雨「お、落ち着いて初月……。ええと、皐月。僕も、もうちょっとよく考えたほうがいいと思うよ」

皐月「時雨まで……」

時雨「皐月の気持ちは、わか……らなくもないかもしれないんだけれど、やっぱり順番があるというか」

皐月「順番?」

初月「…………」

時雨「うん。せっ……その……そういうことをするなら、もうちょっと段階を踏んでいかないといけないと思うんだ」

皐月「段階って、何をすれば……?」

初月「……はぁ。皐月、こんなのは常識だぞ。お前はそんなことすらわかっていなかったんだ。どれだけ自分が愚かで幼かったのかを知り、自覚しろ」

皐月「むっ!」
120 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:42:59.80 ID:BRdgqKYF0
時雨「は、初月、そんな喧嘩腰じゃ!」

皐月「ふうぅーん! じゃあバカで幼稚なボクは、賢くてオトナな初月サマに教えてもらおうかな! どういう順番でどんな段階が必要なのかさ!」

初月「ああ、教えてやろうじゃないか! それはだな!」

時雨「……!」

皐月「それは!?」

初月「それはだな、それは……!」

時雨「……そ、それは……?」

初月「…………」

初月「……………………」

初月「……ええと…………」

初月(……しまった。僕だって、どうすれば男性と適切な性交渉を行う関係になれるかなんて、わかるわけがないぞ!)

初月(そうだ、そんなことがわかっていたら、今頃……!)

皐月「……どうしたのさ、初月サマ。黙り込んじゃって」

時雨「………………」

初月(……なんで皐月と一緒に時雨まで固唾を呑んでこっちを見つめているんだ!)

皐月「あれ、どうしたの? ひょっとして、初月サマもわかんないのかな?」

初月「……!」

皐月「あっ、そうだよねー。初月だって、別にエッチなことをしたことがあるわけじゃないんだし」

初月「……ち、違う!」

時雨「エッ!? したことあるの!!??」

初月「ち、ちが、違う! わからないわけじゃないという意味だ!」
121 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 02:45:05.18 ID:BRdgqKYF0
皐月「じゃあ教えてよ!」

初月「……よし、教えてやる。よく聞いておけ」

時雨「……!(ごくり)」

初月(だからなぜ時雨までそんなに期待に満ちた目をするんだ!)

初月(くっ、どうすれば……! これでは時雨からの援護砲撃も期待できそうにない……)

初月(……時雨? そうだ! 時雨の部屋に置いてあった少女漫画を思い出せ! あれを参考にすれば……!)

初月「……いいか。まず、大切なのは出会いだ」

皐月「出会い? もうボクは司令官に出会ってるよ!」

初月「……まあ、そうだな。だが、あー……そう。しかし、大切なのには違いないだろう。出会っていない相手とは何もできない」

皐月「そりゃそうでしょ」

初月「そして、出会いによって第一印象が決まる。ここが大事なんだ。その印象というのはいつまでも引きずるからな」

時雨「…………(めもめも)」

初月(なんでメモを取ってるんだ時雨!)

皐月「ふうーん。でもさ、そんなの今はどうでもいいじゃん! これからボクはどうすればいいのさ!」

初月(まったくその通りだが今考えながら喋っているんだから黙って聞け!)

初月「……ふん。本当にそう思っているのか?」

皐月「……はあ?」

初月「お前は、自分が司令官にどんな第一印象を与えたか把握できているのか、ということだ」

皐月「ど、どんなって……。えーっと……」
122 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 03:03:58.43 ID:BRdgqKYF0
―― 二年前 孤島基地

司令官「よう、お前が俺のお迎えか。ずいぶんと小さいな」

皐月「……そ、それが、砲撃されて潰れた建物から助け出されて言うセリフ!?」

皐月「くっ、この瓦礫……! えいっ!」ガシャン

司令官「悪い悪い。小さくてもさすがの力だな、艦娘は。ありがとな。で、脱出ルートは確保できてるか」

皐月「僕の姉妹が敵を止めてくれてる! こっちのほうに走れば……走れる? 司令官さん」

司令官「ああ。日ごろの行いがよかった。ケガもしてない」

皐月「それは何より。じゃ、行くよ、司令官さん! ボクが先行するから、ついてきて!」

司令官「小さい割に頼もしいじゃないか」

皐月「小さいは余計! 行くよ!」ダッ

司令官「おお」ダッ


皐月(そして、ボクたちは敵海域の反対側に着けた脱出艇に向けて走り出したんだ)
123 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 03:10:48.86 ID:BRdgqKYF0
――現在 皐月の部屋

皐月「んー……。小さいけど頼もしいって言われたかな」

初月「なるほど。僕は真面目で硬そうだと言われた。時雨は?」

時雨「えっ、僕!? 僕は……その、かわいい子が来て、嬉しい、って……」

皐月「へー! 確かに時雨はかわいいもんね! 僕もそう思ったよ!」

初月「……そうだな……。単なる真面目な堅物とは違ってな……」

時雨「ちょっ、ちょっと、二人ともそれぞれに困るからやめて!」

皐月「それで、第一印象はわかったけど、どうすればいいの?」

初月「……あ、ああ。そうだったな」

初月「自分がどう思われているのかわかったら、次は関係を進展させていくことだな」

時雨「ど、どうやって!?」

初月「ど、どうやってと言われても……。話したり、一緒に過ごしたり、相手のことを聞いたりする……だろう、普通は」

皐月「ふうーん……?」
124 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/05/30(水) 03:36:47.88 ID:BRdgqKYF0
――二年前 基地裏手の森林


皐月(敵……深海棲艦も上陸しはじめていたけれど、事前に準備しておいた罠があいつらを足止めしてくれていた)

皐月(司令官はこの小さな島と基地を知り尽くしていたし、少人数だったから……。ボクたちは発見されず、移動することができたんだ)



司令官「……ふむ。これはどうも、無事に脱出できそうじゃないか。俺は7割くらい死ぬと思ってたんだが」

皐月「救助されてる途中でそういうこと言う? なんでそんなに余裕あるのさ」

司令官「覚悟はしていたよ。作戦を立てたのは俺だしな」

皐月「……敵の主戦力をこの島に引きつけて、包囲させる」

司令官「で、敵を引き込めるだけ引き込み、補給線を断って背後を突く」

皐月「敵をこの島に集めたら、仕掛けた爆薬で吹き飛ばし、用意しておいた艦隊でトドメを刺す……」

司令官「我ながら無茶をしたもんだ」

皐月「無茶すぎるよ」

司令官「仕方ない。普通に叩くには深海棲艦が増えすぎていた。この基地一つと引き換えられるなら安い」

皐月「……そこもだけど、そこじゃないよ。自分一人だけギリギリまで残って、艦娘たちを全員、先に脱出させるなんて……」

司令官「まあな。でも、艦娘はみんなかわいいから死なせたくなかった」

皐月「……みんな怒ってたよ。あなたが脱出してないって聞いて」

司令官「さすが俺の艦娘たちだ。素直でいい子ばかりだな」

皐月「ひどい人」

司令官「褒め言葉だよ、それは」

皐月「……。……敵はこっちには来ていないみたいだ。行こう」

司令官「ああ、わかった」


皐月(……ボクの司令官の第一印象は、こんな感じだったんだ)
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 04:18:50.08 ID:zjvFoTPwo
舞ってた
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 04:45:42.91 ID:1otkC/Xjo
面白いぞ もっとやれ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 05:55:39.54 ID:+ltVK2rA0
卑しい妹にゃしぃ…
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 16:53:52.10 ID:7qJcZGCA0
はよ
129 : ◆yJGN1SPTmzFo [saga]:2018/10/24(水) 23:54:52.14 ID:rf3PVEZo0
SS速報VIP復活おめでとうございます


――現在 皐月の部屋

皐月「……でも、ボクと司令官も出会って二年くらい経ってるから、結構いろんなことを喋ったと思う」

初月「……それはそうだろうがな。いや、きっとまだ足りないんだ、だから進展がないわけだ。もっとじっくり話せば……」

時雨「でも、ただ喋ってるだけで……その、そういう関係になれるものかな」

皐月「だよね。それなら、世界中の仕事場の人たちはエッチなことをしてることになるもんね」

初月「この会話、頭痛がする」

皐月「初月! ボクたちはどうすればいいのかな!」

初月(知るか!)「そ……そうだな……。ただ会話をするだけでダメなら……」

初月「こう……特別な雰囲気で、話をすることが大切なはずだ」

皐月「特別?」

時雨「た、たとえばどんな?」

初月「えーと……(少女マンガでは)ケンカをしたり、危険な目にあったり、だな」

時雨「え? そ、そういうものなの?」

初月「あー、もちろんこれは極端な例だが……そうだな……こう……なんというか……そうだ。極限状態でこそ、相手と自分の本音がぶつかりあって、互いの理解が深まる、ということもあるんだ。多分……」

初月「……極限かあ」
130 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:01:37.97 ID:SCfGYY5C0
――二年前 基地裏手の崖


皐月(ボクたちは走って走って、やっとの思いで事前に用意して隠してあった、脱出艇のある崖までたどり着いた。ここまでは作戦通り)

皐月(問題は、大きく外れた流れ弾が崖を崩して、脱出艇が潰されていることまでは作戦に書いていなかったことだった)


司令官「これはダメだな。俺の悪運も尽きたか?」

皐月「どうしよう……。ボクだけじゃ、司令官さんを運ぶのは危なすぎる……。とにかく、急いで代わりの船に来てもらわないと!」

司令官「それじゃ、お前の姉妹がもたないだろう。救出用の部隊は、少人数の睦月型駆逐艦なんだろう?」

皐月「……きっと皆なら、もたせてくれる」

司令官「分が悪すぎる。俺はいい。お前たちだけで脱出しろ」

皐月「ばっ! バカにしないでよ! そんなことできるわけがない!」

司令官「俺は砲撃を受けた時点で瓦礫に潰されて死んでいた、と報告すればいい」

皐月「はあ!?」

司令官「死体が見つからなくても、ウソに自信がなくても、事情は斟酌してくれるはずだ。不安なら俺に命令されたと言えば……」

皐月「ふざけるな! ボクたちはあんたを自殺させるためにここに来たんじゃない!」

司令官「俺を助けるためにお前達が死ぬことはない、と言ってるんだ。そもそも俺が死ぬのは作戦に織り込み済みで……」

皐月「それがバカにしてる、って言ってる! この基地の艦娘だってあんたのことを……!」

司令官「だがどうする。お前の姉妹がやられたら、代わりの船だってここには来られない。俺を助けようとしたら全員が死ぬ可能性が高い」
131 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:06:16.13 ID:SCfGYY5C0
皐月「だからって、置いていくなんてできない!」

司令官「俺はこの島をよく知っている。戦闘が終わるまで隠れていられるかもしれない」

皐月「そんな無茶な! それならボクも一緒に!」

司令官「いや、ダメだ。提督より、艦娘の方が探知されやすいのは知っているだろう。隠れるなら俺だけのほうがいいんだ」

皐月「それは……そうだけど……」

司令官「わかってくれ。お前は俺を見捨てるんじゃない。単にこれが現状で、最も俺が生き残る可能性が高い方策なんだよ」

皐月「…………」

司令官「……あのな。お前は俺を潰れた基地から引きずり出して、ここまで引っぱって来てくれた。それだけで、俺の生存率はずいぶんと上がったよ。俺が生き残れたら、それはお前のおかげだ」

皐月「……。そう。わかった」

司令官「……納得しがたいのはわかるが、しかし……って、お? おお、そうか?」

皐月「司令官さんの言うことはもっともだと思う。従うよ」

司令官「……そうか。よかった。じゃ、頼むぞ」

皐月「うん。……それじゃ、ボクは行くよ。遺言書とか持ってたら、受け取っておくけど」

司令官「それはもう本部にも弁護士にも渡してある。そうだな、後は……。この基地にいた艦娘たちに伝えてくれ。ありがとう、ってな」

皐月「ごめんなさいは、言わなくていいの?」

司令官「何でだ? 俺は何一つ悪いことはしていない」

皐月「やっぱり、ひどい人」

司令官「最高の褒め言葉だ」

皐月「……じゃあね」

司令官「ああ。元気でな。大きくなれよ」

皐月「うるさいよ」


皐月(そう言ってボクは、司令官の元を離れて一人で崖を降りた。そのまま姉妹たちが戦っている海域に向かって、それから……)
132 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:08:25.06 ID:SCfGYY5C0
――現在 皐月の部屋

皐月「でも、そういうこともなかったわけじゃないしなあ……」

時雨「そ、そうなの? 僕はケンカしたり、すごく危ない目にあったりはしたことがなくて……」

皐月「無い方がいいと思うよ! 間違いなく!」

時雨「でも……」

皐月「それにさ、危ないことがあったからって、別にエッチができたわけじゃないんだよ!」

初月「それはそうだろうな」

皐月「で、初月! 結局、ボクはどうすればいいの!?」

初月「え、いや……」

時雨「初月……!」

初月「だから……」

皐月「初月!」

時雨「初月……!」

初月「ええと……」

皐月「うん!」

時雨「……!」

初月「…………ああ、もう知らん! あとは告白でもなんでも、好きにすればいいだろう!」

皐月・時雨「「告白!?」」

初月「そうだ! そこまで相手と様々な経験を積んだと思うならば、あとはハッキリ自分の気持ちを伝えるくらいしかないだろう!」

皐月「それだ! それだよ! じゃあボク、早速行ってくるね!」バッ タタタタ バタン

初月・時雨「「あっ」」

初月「…………」

時雨「…………」

初月「し、しまった! 追うぞ、時雨!」

時雨「うん!」
133 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:10:15.99 ID:SCfGYY5C0
――執務室

皐月「こんばんは、司令官……!」ガチャッ

司令官「おお、びっくりした。どうしたんだ皐月、初月と時雨と遊んでたんじゃないのか」




皐月「司令官! 抱いて!」

司令官「………………」




司令官「抱っこしてほしいのかな?」

皐月「違うよ! エッチなことをしてほしいの!」

司令官「皐月がおかしくなった」

皐月「おかしくなってない! ボク……ずっと司令官のことが好きだったんだ!」

司令官「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

皐月「だから、エッチなことも動画でいっぱい勉強したんだ! 初月と時雨に大人になるための特訓をしたり、一緒にお風呂に入ったりしたのもみんなそのためだったんだ!」

司令官「全部繋がったな! いやまて動画ってなんだ!?」

皐月「だから×××××を×××な×××で」

司令官「そういうことは言わなくていい! くっ、艦娘のネット環境にもファミリーセーフティを適用するべきだったか……!」

皐月「司令官!」

司令官「な、なんだよ」

皐月「どうなの!?」

司令官「だから何が!」

皐月「ボクとエッチしたいの!? したくないの!?」

司令官「しない!」

皐月「」ガガーン
134 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:14:15.43 ID:SCfGYY5C0
司令官「あー、そういうのはだな、もっと大人になってから……」

皐月「お、大人になっても司令官は全然反応してくれなかったじゃないか! 辛いものを食べたり、キュアるんの夢を諦めたりしたのに……」

司令官「そういうことか……。あのな、そういうのが大人だと思ってる間はまだ子供なんだよ」

皐月「そんな……! ううっ、初月と時雨め……!」

司令官「二人を恨むのはお門違いじゃないのか。よくわからんが」

皐月「むむむ……」

司令官「……あー、なんだ。皐月の気持ちは嬉しいとは思う」

皐月「えっ! じゃあしよう!?」

司令官「しない! でもな……こうなってしまうと、言いづらいんだが……」

皐月「??????????」

司令官「あのな、俺はな」(手袋を外す)

皐月「あっ……!! それって! ……指輪!?」

司令官「そうだ。俺、結婚してるんだよ。艦娘でも軍人でもないやつと」

皐月「えっ……?」

初月・時雨「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????」」
ガラッ ドタドタ グシャッ

司令官「おわっ! な、なんだ、二人もいたのか!」

時雨「し、司令官! 本当なの!?」

初月「裏切ったな司令官! 僕たちをもてあそんでいたわけか!」

司令官「ちょ、ちょっとまて、結婚してるのは本当の話だが、裏切ったって何の話だ。もてあそんだとか」

時雨「グスッ、そんな……ひどい……」

初月「時雨……泣くな……うっ、くっ……」

司令官「な、なんで泣くんだよ! って、ま、まさか……」

時雨「そうだよ……僕も……司令官の、こと……グス……」

初月「ひどい男だ、お前は……散々に優しくしておいて……それなら、僕たちのことなんて放っておいてくれれば……」

皐月「えーっ、そうだったんだ!」

司令官「は!? お、あ、ま、ちょっとまて、そんな、そんな急に言われても……まさかこんなことになるとは」

司令官「い、いや……違うな。ふう……」
135 : ◆yJGN1SPTmzFo [sage saga]:2018/10/25(木) 00:17:59.44 ID:SCfGYY5C0
司令官「……すまん。気持ちは本当に嬉しい。ありがとう。だが、俺はすでに妻がいる身だ。お前達の気持ちに応えてはやれない。許してくれ」(土下座する)

時雨「あっ……! や、やめてよ司令官! ごめん……僕こそ、びっくりして……」

初月「……そうだ、悪いのは僕だ。勝手に想いを寄せて、それが叶えられなければ、貴方をなじって……申し訳ない」

司令官「いや、俺の方こそ……。……俺からは何もしてやれない。すまない」

皐月「司令官、子供はいるの?」

司令官「え? いや、いない、な」

皐月「そっか」

司令官「……? な、なんだよ」

皐月「なんでもないよ」

司令官「そうか? ならいいんだが……」

皐月「さ、初月、時雨、行こう。ボクたちはフラれちゃったわけだし」

時雨「……さ、皐月はなんともないの……?」

初月「……そうだ、お前こそあんなに必死になって……」

皐月「ボクはいいんだ。二人が元気になってくれれば、それだけでいいよ」

時雨・初月「「皐月っ……!」」ギュッ

司令官「……皐月。侘びというわけではないが……。落ち着く時間も必要だろう。これを預けるから、好きに使ってくれ」(財布を渡す)

皐月「うん……わかった。さ、二人とも行こう? おいしいものでも食べにさ」

時雨・初月「」コクコク

皐月「じゃ、ボクたちは行くね」

司令官「ああ。……ごめんな、皐月」

皐月「……ごめんな? ふふふっ」

司令官「ん?」

皐月「じゃあね、司令官」バタン

司令官「………………」

司令官「…………ふう」ストン ギッ

司令官「まさかこんなことがあるとはな……。あー、よもや、また煙草が恋しくなる日がくるとは」

司令官「…………配置転換も考えたほうがいいか? 同じ姉妹がいるところにでも……」

司令官「…………」

司令官「まさか、皐月がなあ……それに、あの二人まで……」




次回、最終回


かもしれません
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 01:25:58.57 ID:bh+ljmwB0
二次でこんな可愛い時雨初めて見たかもしれない。
大体病んでるか無駄にゲーム以上に心が成熟しすぎて
外見相応の少女の可愛げがさっぱり無いかばっかりだけに。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/25(木) 05:52:25.11 ID:Dv8rbXsWo

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