青島「どうして署内でうんこが漏れるんだ!」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:04:01.95 ID:k4J2UGZx0
>>23の1行目の『青島の痛』は『青島の腹痛』です。
読みづらくしてしまい、すみません!
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:06:26.60 ID:k4J2UGZx0
青島「入りまーす」

ガチャリと留置所の扉を開ける。
留置所内には、沢山の犯罪者達が留置されている。奥に進むと、個室が見えてきた。

その中でも最奥。
檻のような他の部屋とは違い、電子キーで閉ざされたその部屋に、踏み入れる。
鍵は既に開いていた。まるで誘い込むように。

真下「やあ先輩。随分遅かったですね」

真っ白い部屋に、真下が佇んでいた。
部屋の方隅には留置所内の粗末なトイレに座らせられた、雪乃の姿。
後ろ手に手錠をかけられ、猿ぐつわを噛まされている彼女を見て、慌てて駆け寄る。
しかし、トイレの水道管に引っ掛ける形で手錠がかけられている為、救出できない。

青島「真下!雪乃さんを解放しろっ!!」

真下「解放だなんて、大袈裟だなぁ。こんなのただのプレイの一環ですよ」

青島の怒声にも何処吹く風。
事件の犯人である真下はヘラヘラ笑って、今回の事件をプレイと称した。完全にイかれていた。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:09:58.62 ID:k4J2UGZx0
青島「お前のせいでどれほどの人が辛い目に遭ったと思ってるんだ!!」

真下「僕は愉しかったですよ。とっても、ね」

青島の糾弾は、真下には届かない。
あまりに価値観が違い過ぎていた。

真下「それより青島さん、いいんですか?」

唐突な問いかけ。何を指しているか不明だ。
話を逸らすつもりだろうかと訝しむ青島に、真下は心底愉快そうな笑みと共に言い放つ。

真下「すみれさん、今にも漏れそうですよ?」

その一言で振り返る。
するとそこには倒れ伏す、すみれの姿が。

青島「すみれさん!?」

真下「フハッ!」

狼狽する青島を嘲笑う、真下の不快な嗤い。
それに構わず、青島はすみれに駆け寄って抱き起す。彼女は今にも壊れてしまいそうだった。

すみれ「私が……漏らしても……」

すみれの荒い吐息に混じる願い。
掠れた彼女の声に、青島は耳を澄ませる。
小さな頭を掻き抱きながら、願いを聞く。

すみれ「あのバカを……逮捕して……」

青島「わかった……約束する」

その願いを受け取った瞬間。
すみれの身体から力が抜け、便の音が鳴り響く。

真下「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

それを聞いて高々と哄笑を響かせる真下。

青島の胸の内に秘める正義が、熱く燃えた。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:11:32.46 ID:k4J2UGZx0
真下「素晴らしい!素晴らしい脱糞でした!先輩もなかなか良かったですよ。あなた方の上司であることを、僕は誇りに思います」

ひとしきり笑った後、真下は部下を労った。
慈しむような表情を浮かべて、青島とすみれを褒め称える彼は、もしかしたらそう悪くない上司なのかもしれない。それでも、認めない。

青島「……上司?」

真下「ええ、次のボーナスは期待して下さい」

真下は偉そうにこちらを査定していた。
だが、こんな奴を、認める訳には、いかない。

青島「……お前が、俺の上司だって?」

真下「そうですよ。僕が先輩の上司です」

違う。断じて、違う。
上司が部下を選べて、部下が上司を選べないなど、ナンセンスにも程がある。
従う上司は、自分で決める。
それが、縦割り社会を生き抜く上での極意だ。

青島「お前は上司じゃない。ただの変態だ」

真下「へえ?では、誰があなたの上司だと?」

そんなことは決まっている。
青島にとって、付き従う上司はただ1人。

青島「……てなわけで、真下正義を逮捕します。よろしいですね……室井さん?」

室井『青島確保だァァァァァアアア!!!!』

懐に忍ばせた無線を介し、室井の絶叫が響き渡った。その命令を受け、真下正義を逮捕した。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:14:03.45 ID:k4J2UGZx0
真下「まったく、まんまと捕まってしまいましたね。まさか無線をしこんでいるとは……」

青島「独断専行して、室井さんに迷惑をかけるわけにはいかないもんでね」

あっさりと真下に手錠を嵌める。
諦観したように、真下は抵抗しなかった。
恐らくこうして逮捕されるまでが、彼にとってのゲームだったのだろう。何とも理解し難い。

真下「青島さんにも、そのうちわかりますよ」

青島「んなわけあるか」

真下「きっかけなんて、どこに転がっているかわからないものです。それより、室井さんにもここのトイレの情報を教えてあげて下さい」

不敵な笑みを浮かべて、真下はそう提案する。
もちろん、使用可能なトイレについては署員と情報を共有するつもりだったが、それを主犯者が口にするとは、どういう風の吹き回しだ?

真下「あの人には漏らして欲しくないんです」

青島「室井さんが……?」

真下のおかしな発言に、困惑する。
室井さんはこの事件で被害を受けてない筈だ。
それなのにまるで、今にも漏らすかのように。

青島「あのコーヒーを飲ませたのか!?」

真下「はい。捜査一課の皆さん全員に、ね」

慌てて、無線に語りかける。
もはや、一刻の猶予もなかった。

青島「室井さん!留置所に使用可能なトイレがある!!それを使ってくれ!!」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:16:05.51 ID:k4J2UGZx0
室井「……」

青島の声を聞きながら、会議室で室井は思案に耽る。両の手のひらを合わせ、親指で眉間に刻まれた皺を揉む。それでも答えは出ない。

青島の無線とは別に、語り掛ける声がある。
それは警察庁でこれまで事件の推移を伺っていた長官である。彼の罵声が会議室に響く。

長官『室井!今すぐトイレに迎え!!警察官僚が糞を漏らすなどあってはならんっ!!』

それは極めて政治的な問題だった。
エリートが糞を漏らすなどあってはならない。
もし警察庁、もしくは警視庁のキャリアが糞を漏らせば、それはあまりに大きな汚点となる。
もちろん、出世の道は閉ざされる。
しかし、室井の事情など長官にとって知ったことではない。彼が危惧しているのは、この件が他の省庁に知られた際の風評被害だ。

1人2人が漏らした程度ならば、漏らした本人を処分すれば組織としての面目は保たれる。
しかし、それが10人、数十人単位で漏らしたならば、全員を処分するわけにはいかない。
もちろん、そんな組織を揺るがす大事件が起これば、長官の身も危うくなる。
組織を守る為、そして自身の保身の為に、長官は室井に声を大にして命令を下した。

長官『室井!!絶対に漏らすな!!可及的速やかにトイレに向かい、うんこをしろッ!!』

完全に頭に血が上った長官の怒鳴り声を聞きながら長考していた室井が、静かに目を開ける。
そして彼は現地責任者として、決断を下した。

室井「全捜査員に告げる。今すぐ、トイレに向かえ。階級や役職は問わない。早い者勝ちだ」

その言葉で、一斉に捜査員が動き出した。
我先にと留置所へと向かう。皆、必死だ。
その様子を暫し呆然と眺めながら、室井もゆっくりと立ち上がった。完全に、出遅れた。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:18:37.99 ID:k4J2UGZx0
新城「どちらに向かわれるのですか?」

会議室を出たところで、新城に尋ねられる。
同じ組織の頂点を目指す者同士、互い互いをライバル視している関係の男。
よもや邪魔をするつもりだろうかと、室井が警戒心を露わにすると、彼は質問を繰り返した。

新城「どちらに、向かわれるのですか?」

噛んで含めるような、問いかけ。
少しばかりの葛藤の後、室井は口を開いた。

室井「便所だ」

新城「フハッ!」

その回答に、新城は思わず吹き出す。
初めて聞く、堅物の彼のおかしな笑い声に目を丸くしていると、彼は表情を引き締めて、室井の耳元で小さく囁いた。

新城「……ご武ウンを、祈ってます」

妙なイントネーションだが、気にしない。
室井はそれっきり振り返ることなく、留置所のトイレを目指した。その後ろ姿を見つめる。

彼の臀部付近に……染みが広がっていた。

新城は室井のスラックスの染みを見て、またおかしな笑い声を上げる。もう、止まらない。

新城「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

新城の狂ったような嗤いが、響き渡った。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:20:30.49 ID:k4J2UGZx0
室井が漏らした頃、青島も限界を迎えていた。

青島「……これまで、か」

真下「さっさと留置所の空いているトイレで出してくれば良かったのに」

青島「室井さんより先に俺が用を足すわけにはいかない。あの人と俺は、一連托生だ」

そんな頑なな青島に、真下は頬を緩める。
いくら本人に否定されても、真下にとって青島は大切な部下であるし、尊敬に足る先輩だ。
だからこそ、気になったことがあった。

真下「どうして、すみれさんが漏らすのを看取ったんですか?青島さんのことだから、抱き抱えてでも他の牢にあるトイレに向かうと思っていました。それだけが、少し意外です」

すみれ「ちょっと、縁起でもないこと言わないでくれる?あたし、ピンピンしてるけど?」

心底不思議そうに問いかける真下に、思わぬ人物が返答を返した。倒れ伏したすみれである。

真下「ど、どうして……?」

真下は驚愕した。信じられない。
彼女は確かに漏らした筈。
他の誰の耳は誤魔化せても、真下の耳は誤魔化せない。あの排泄音は間違いなく本物だった。

青島「年の功だよ」

真下「えっ?」

困惑する真下に、青島がネタバラシをする。
しかし、まだ真下には何のことかわからない。

すみれ「和久さんから貰ったおむつ……履き心地抜群だったわよ?」

真下「フハッ!!」

すみれの駄目押しで、真下の愉悦が吹き出す。
そうか、おむつか。なるほど、その手があった。

真下「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」

この日、真下の小さな世界が……広がった。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:21:48.72 ID:k4J2UGZx0
雪乃「青島、さん……」

青島「雪乃さん……大丈夫?」

身を震わせて便意を堪えていた雪乃が、震え声で青島に声を掛けてきた。
随分放ったらかしにしてしまった。
すぐに助けなければ。

自身の身が危うい状況でも、青島は被害者を優先した。たとえ、雪乃が同じ警官だとしても。
その信念を、人は正義と呼ぶのだろう。
雪乃はこの日、正義とは何かを知った。

青島「真下、そろそろ彼女を解放してやれ」

真下「何の話ですか?」

青島「とぼけんな。手錠を解いてやれ」

青島が真下に雪乃の解放を求める。
しかし、此の期に及んで惚ける真下。

だが、彼は……

初めから、惚けてなど……なかった。

真下「雪乃さんの手錠は、ユルユルですよ?だって、キツく締めたら痛いじゃないですか」

ネタバラシをして、真下はヘラヘラ笑う。

その衝撃的な事実に、青島達は言葉を失った。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:24:00.26 ID:k4J2UGZx0
真下「だから言ったでしょう?プレイだって」

絶句する青島とすみれに、真下が説明する。
てっきり真下の戯言だと思っていたがどうやら真実だったらしい。本当にプレイだったのだ。

雪乃「青島さん……一緒に漏らしましょ?」

青島「……えっ?」

混乱の極みに追い打ちをかける雪乃。
青島の理解が追いつく前に、グルだった彼女は排便する体制に入った。トイレの上で。
対して青島は留置所の床に腰を下ろしている。
全然フェアじゃないのに急かされた青島は排便の準備を始めてしまう。理由なんて知らない。
ただ、置き去りにされるのが、怖かった。

雪乃「せーのっ!」

青島「ふんっ!」

雪乃の掛け声。青島は脱糞した。
微塵も躊躇いなく、下痢便を漏らす。
同時に、雪乃も便器にぶち撒けた。
やっぱり全然フェアじゃない。

だけど、何故か……幸せだった。

青島「フハッ!」

青島はこの日、便に対して愉悦を見出した。

青島「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:25:46.75 ID:k4J2UGZx0
そうして、事件は幕を下ろした。
いや、無理矢理幕を引いたと言うべきか。

湾岸署で引き起こされた『うんこハザード』の甚大な被害に憤慨した警察庁長官。
彼もまた、怒りの余り漏らしてしまったのだ。
事件は黒歴史として厳重に封印された。

そのおかげと言っては身も蓋もないが、湾岸署の署員ならびに警視庁、警察庁のキャリア組もお咎め無しであった。もちろん室井も無事だ。

真下も非公式の厳重注意で済んだ。
署長職の任も解かれることなく、健在である。

平穏が戻った湾岸署。
その応接室に清掃員が入っていく。

それはパンドラの箱。

中にはうんこ塗れのスリーアミーゴズ。

もう良い歳だろうに……

彼らは全員おむつを履いていなかった。

長年権力の座に居座ったプライドが仇となった。

そんな彼らをオチとして物語に終止符を打つ。


青島「応接室清掃できませぇ〜んっ!!」

和久「だめだこりゃ」


FIN
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 22:30:42.50 ID:2cAglWono
ひでえ臭いがするスレだった
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/05/31(水) 23:18:08.35 ID:7OqEZzaRO
タイトルからの文章力で草
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 00:17:48.08 ID:NtRBUlX5O
いつも高笑いで笑うわ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/01(木) 04:42:04.48 ID:pSIgfJkZO
鳥飼とか和久君とか出なくて正解
41.23 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)