海未「二つの光に導かれて」

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141 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:11:17.01 ID:YW9LSzjl0
カキカキ

海未「…ここはっ…て今はいないんでしたね」

海未(きっとここに穂乃果と凛がいたら穂乃果と凛の回答を確認をしてたでしょう)

海未(きっとここに希と絵里がいたら私の回答があってるか確認をしてもらってたでしょう)

海未(ここには…誰もいません)

ガランッ

海未「…?」 

海未(寂しさを感じたそんな時でした)

海未(隣の部屋から何かの物音が聞こえた)
142 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:13:17.55 ID:YW9LSzjl0
〜〜〜♪    〜〜〜♪



    〜〜♪



 〜〜♪         〜♪

143 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:14:03.82 ID:YW9LSzjl0
海未「…?」

海未「ピアノ…でしょうか…」

海未(隣の部屋、つまり真姫さんの部屋から聞こえてきました)

海未「…元気な曲調ですね」

海未(真姫さんの弾いてる曲はクールとかエレガントとかそういうものではなくて聞いてて元気の出るような曲調でした)

ガチャッ

海未(廊下に出てもっと近くで聞きたくなった)

海未(目を瞑り壁に寄りかかって音だけに集中しました)
144 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:16:23.16 ID:YW9LSzjl0
海未「………」

海未(終わりでしょうか)

海未(真姫さんの部屋から音が聞こえなくなった)

ガチャッ

海未「!」ピクッ

真姫「私のピアノ…聞いてた?」

海未「あ、は、はい…ダメだったでしょうか?」

真姫「いやいいのよ、ただどんな感じだったか聞きたくて…」

海未「どんな感じ…ですか…」

海未「すごく…元気になるような曲調だった、と思います」

真姫「なるほど…ありがとう」
145 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:17:25.75 ID:YW9LSzjl0
海未「あ、あの!」

真姫「ん?何?」

海未「真姫さんの…部屋で勉強してもいいですか?」

海未(やっぱり一人は寂しいんです)

海未(だからすぐに行動に移してた)
146 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:18:33.17 ID:YW9LSzjl0
〜真姫のお部屋

真姫「む……」ジッ

海未「楽譜ですか?」

真姫「ええ、さっきの歌あったでしょ?」

海未「はい」

真姫「あれはにこちゃんが歌う歌なのよ、歌詞はまだないけど」

海未「えっ…にこさんの歌は真姫さんが作ってるのですか?!」

真姫「そうよ、小さいころからピアノをやっててね」

海未「ピアノですか…」

海未(私の予想は完璧に当たってました、やはりお金持ちの人はピアノを習ってるんですよ)フフンッ
147 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:20:11.56 ID:YW9LSzjl0
真姫「そう、にこちゃんがアイドル始める時に頼まれたのよ、私の作った曲でアイドルをしたいって言われたから」

海未「なるほど…」

真姫「…でも上手くいかないものよね」

真姫「どうしてかしら…にこちゃんも精一杯やってるし私だって最高って思える曲を作ってるのに…」

海未「………」

海未(きっとここは慰めの言葉をかけるべき場面だったと思います、ただ分かりませんでした)


海未(この人になんて言葉をかけていいのかが)

148 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:22:41.46 ID:YW9LSzjl0
真姫「なんか…やっぱり上手くいかないと上手くいかない時があるのよ…」

真姫「……それが今でね、どんな曲作ればいいんだかよくわからなくて…」

海未「そう…なんですか…」

海未(真姫さんが言葉を放った後は毎回時を刻む音だけが私の耳に伝った)

海未(真姫さんの言葉はすごく歯切れが悪かった)

海未「じゃああの歌は…」

真姫「あの歌はまぁ…なんなの?にこちゃんらしい歌を作りたかったんだけどなんかよくわからなくて…」

海未「にこちゃんらしい歌?」

真姫「元気でみんなが笑顔になってくれるような曲にしたくて…」

海未「それはまた…難しいですね…」

真姫「…ええ、ほんとにね」
149 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:24:54.67 ID:YW9LSzjl0
ガチャンッ

「ただいまー」

真姫「あ、にこちゃんが帰ってきた、えっと海未も一緒に来て」

海未「は、はい」

ガチャッ

真姫「…何気なく呼び捨てで呼んじゃったけど大丈夫だった?」

海未「はい、むしろその方が嬉しいですから」

真姫「そ、そう…ならよかったわ」
150 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:26:44.62 ID:YW9LSzjl0
スタスタスタ

真姫「おかえり、にこちゃん」

にこ「あぁただいま…ってあれ?」

海未「ど、どうも今日一日お世話になります、園田海未ですよろしくお願いします」

にこ「矢澤にこ、よろしくね」

海未「はい、よろしくお願いします」ペコリ

にこ「今日は家族として過ごすんでしょ?かしこまったりするのあまり好きじゃないんだけど」

海未「す、すいません…」

にこ「謝るのも無しよ、それで二人は何してたの?」

真姫「私は曲作り、海未は勉強よね?」

海未「はい」

真姫「そんなところよ」
151 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:29:23.44 ID:YW9LSzjl0
にこ「そう、これからはどうするの?」

真姫「私は曲作り、海未は?」

海未「まだ勉強が終わってないので勉強の続きをします」

にこ「じゃあ私も混ざっていい?」

真姫「もちろん」

海未「大丈夫です」

にこ「じゃあ宿題持ってから行くわね」

真姫「分かったわ、私の部屋よ」

にこ「分かってるわよ」

にこ「それじゃ後で」

真姫「ええ」
152 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:31:14.75 ID:YW9LSzjl0
スタスタスタ

真姫「あれがにこちゃん、身体は小さいけどすごくしっかりしてるのよ」

海未「はい、確かにすごくしっかりしてそうでした」

海未「しかし、あの方がアイドルを…?」

真姫「そうよ、こう見えてもにこちゃんってすごい頑張り屋さんで親の力は最低限しか借りたくないって言って支援を拒んでるのよ」

海未「どういうことですか?」

真姫「お金の力があれば多少の人気は簡単に獲得できるのよ」

海未「なるほど…」
153 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:32:34.71 ID:YW9LSzjl0
真姫「別に私はにこちゃんが多少強くてニューゲームって感じでもよかったんだけどにこちゃんのプライドが許さないから」

海未「すごい方なのですね…欲に溺れないというか…」

真姫「そうね、すごい人だわ」

ガチャッ

海未(微妙な距離感を感じながらも会話が無いわけではありませんでした、姉であるにこさんもすごく優しそうだし真姫さんの話を聞けばすごく信念の強い人でした)

海未(それにきっと家族ってこういうものなんだと私は思います、程々の会話をして過ごす、きっと前の二軒で感覚が麻痺してるんだと思います)
154 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:35:38.46 ID:YW9LSzjl0
〜真姫の部屋

にこ「そういえば真姫ちゃん、曲は出来た?」

真姫「まだ、今作ってるんだけどあんまり上手くいかなくて…」

にこ「そう…まぁゆっくりのんびり作りなさいよ、別に急ぐ必要なんてないんだから」

にこ「焦って出来が悪くなっちゃうのが最悪のパターンだし」

真姫「え、ええ」

海未「………」カキカキ

海未(二人のアイドル事情を聞いてるとやはりあまりいい調子ではなさそうでした)

海未(私には関係ないですしあまり人には知られたくない会話だと思うのでなるべき耳を遠退けてるのですが…それでもちょっと気になってしまいます)
155 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:36:34.32 ID:YW9LSzjl0
真姫「はーあ、疲れたわ」

真姫「ごめんなさい、かなり早いけど先お風呂入るわね」

にこ「分かったわ」

海未「分かりました」

真姫「それじゃ」

ガチャンッ
156 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:37:46.12 ID:YW9LSzjl0
にこ「………」カキカキ

海未「………」カキカキ

にこ「…ねえ」

海未「な、なんでしょう」

にこ「すごい…言いにくいんだけどさ…」

海未「はい」

にこ「ここのところが分からなくて…えっと…海未分からないかしら?」

海未「ふむ…ちょっと待ってください」

海未「えっとここは…こうすれば正解だと思います」

にこ「そ、そうなの?」

海未「はい」
157 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:39:02.20 ID:YW9LSzjl0
にこ「じゃ、じゃあ申し訳ないんだけどこことここも分からない?」

海未「はい、分かりますよ、ここはこうして…こっちはこうすれば大丈夫です」

にこ「あ、ありがとう…私勉強はあまり出来なくて…」

海未「大丈夫ですよ」

にこ「ほ、ほんとに申し訳ないわね…」

海未「いえいえ」

海未「…あ、じゃあ一つお聞きしてもいいですか?」

にこ「ん?何?」

海未「……アイドルってどんな感じなんですか?」

にこ「んー大変だけどやってる私はとても楽しいわよ」
158 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:40:19.18 ID:YW9LSzjl0
海未「楽しい…ですか?」

にこ「ええ、そりゃあ人気だってあんまりないけど少しでもみんなが笑顔になればそれでいいかなって」

海未「笑顔…ですか」


にこ「にっこにっこにー!!」


海未「?!」

にこ「あなたのハートににこにこにー!」

にこ「笑顔届ける矢澤にこにこ!」

にこ「にこにーって覚えてにこっ!」

海未「…ぷっうふふふふなんですかそれ」クスッ
159 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:41:37.95 ID:YW9LSzjl0
にこ「はーやって笑顔になったわね」

海未「え?」

にこ「だって海未、私とあってからずっと真顔か悲しい顔しかしないもの」

にこ「少しくらい笑顔見せなさいっての」

海未「す、すいません…笑うのが下手なもので…」

にこ「だあ!もうその顔をしない!あんたはずっと笑顔の方がいいのよ、可愛いんだから」

海未「か、可愛い?!」カアアア

にこ「何照れてんのよ…まさかあんたそれで自分が可愛くないとか思ってるわけ?」

海未「あ、当たり前ですよ!可愛いなんて思ってるわけ…」
160 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:43:42.50 ID:YW9LSzjl0
にこ「はあああ?!なんなのよそれ!!こんないいスタイルと顔して自分に自信のないの?!」

にこ「ふざけんじゃないわよ!」

海未「す、すいません…」

にこ「謝るなっての!」

ゴロンッ

海未(不機嫌そうな顔をして真姫さんのベットにダイブしてた)
161 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:44:52.62 ID:YW9LSzjl0
にこ「んーっ!はー今日も今日とて疲れたわ」

海未「何かしたのですか?」

にこ「私だってアイドルだもの、予定の話し合いくらいはするわよ」

海未「なるほど…日程調整ですか」

にこ「むむ…なんか賢そうな言葉使ってると腹立つわね…」

海未「えぇ?!」

にこ「私には持ってないもの持ってるくせに何も使わないなんてこのっ!このこのっ!」コチョコチョ

海未「ちょっあははっひゃひゃやめてくださあはははっはは!!」


にこ「ほらほらっ!笑顔になれなれ!」


海未「そんはあひっ!そんなわらはせかたないですってっあひゃひゃひゃ!」
162 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:46:32.39 ID:YW9LSzjl0
〜その後、海未の部屋

海未「うー…」

真姫「はしゃぎすぎよ、よだれまで垂らして汗びっしょりってどんだけ長い間騒いでたのよ」

海未「すべてにこのせいでー…」

真姫「あーはいはい、分かった分かった」

海未「なんで私まで悪いみたいな流れになってるんですかー…」

真姫「少し経ったらお風呂に入りなさい、そんなんでご飯とかキモチワルイからやめてよね」

海未「酷いです…」グッタリ

海未「あの…にこは…」

真姫「自分の部屋でグッタリしてるわよ、はしゃぎすぎたって後悔してるくらいよ」
163 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:48:06.98 ID:YW9LSzjl0
海未「はぁ…」

真姫「溜め息を吐くのは私よまったく…」ハァ

真姫「動けるようになったらお風呂に入ること、私は隣にいるから分からないことがあったら私にききに来なさい」

海未「わ、わかりました」

真姫「じゃあね」

ガチャンッ

海未「すー…はー…」

海未(あの後ずっとコチョコチョ乱闘で今ある体力すべてを持っていかれました)

海未(でもそんな乱闘のおかげでにこと仲良くなれました)

海未(こんな散々な結果に終わりましたがにこと仲良くなれたのはとても嬉しく思います)
164 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:50:30.81 ID:YW9LSzjl0
海未「はー…」

〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜♪

海未「この歌は…」

海未(今日の夕方聞いたあの曲でした)

海未「……♪」

海未(自然と鼻歌を歌っていました、そうしていくうちにここはこういう歌詞ならいいだろうなんてインスピレーションがどんどん浮かんできてなんとなくその閃きを紙に書いていました)

海未「…あ、ここはこうした方がにこらしいですよね」フフッ

海未「……って私は何をしているのでしょう…」

海未(こんなことして何になるのでしょう、これを渡すのでしょうか?)

海未「……」フルフル

海未(恥ずかしすぎます!そんなことできません!)

海未「もういいです!さっさとお風呂に入ります!」

ガチャンッ!

「真姫−!お風呂入りますねー!」
165 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:51:51.10 ID:YW9LSzjl0
〜その後

にこ「ほい!にこちゃん特製のハンバーグよ!」

海未「…案外家庭的なんですね」

真姫「当たり前でしょ、逆にどんなもの想像したのよ」

海未「キャビアとか…フカヒレとか…」

にこ「それは偏見の持ち過ぎよ…」

海未「そ、そうなのですか?」

にこ「ええそうよ」

海未「…ま、まぁとりあえずいただきます」

真姫「いただきます」
166 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:53:30.79 ID:YW9LSzjl0
にこ「どう?にこの特製ハンバーグは」

海未「おいしいですよ」

にこ「当たり前よ!なんせこのにこが作ったのだから!」

海未「この料理術はどこで?」

にこ「本とか見て学んだのよ、良い女っていうのは料理が出来る女なのよ!」

海未「は、はあ」

真姫「………」フッ

にこ「二人ともその冷めた反応はやめなさいよぉ!」

真姫「まぁともあれこのハンバーグは満点をあげてもいいわ、素直においしいもの」

海未「はい」
167 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:54:44.15 ID:YW9LSzjl0
にこ「あったりまえでしょ!にこちゃ」

真姫「はいはい」

にこ「最後まで言わせなさいよぉ!!」

海未「ぷっふふふふ」クスクス

海未(私はここらでこの二人のこと、やっと理解出来たような気がしました)

海未(微妙な距離感があったんじゃなくて近づきすぎずとも遠すぎず、バランスが取れた距離感がこの二人にはあるんです)

海未(私を慕ってくれる妹とか私を可愛がってくれる姉とかじゃなくてお互い迷惑をかけたり協力したり歳の差はあれど平等な位置で歩むのがこの二人なんだと思います)

海未(ここは笑いはあれど涙あり、怒りはあれど楽しさあり、まるで物語の1シーンが繰り広げられてるような場所です)

海未(そうだと分かった途端、私の心はまた充分すぎるほどに満たされてこの二人の魅力、知れば知るほど美しく見えました)
168 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:56:03.35 ID:YW9LSzjl0
海未「ごちそうさまでした」

にこ「お皿とかは洗面所の入れ物にいれといて」

海未「分かりました」

真姫「これからどうするの?」

海未「どうしましょう、勉強は終わったので正直やること無しです」

海未「…っあ」

にこ「ん?」

海未「…ちょっとやることを思いついたので私の部屋に行きますね」

真姫「わ、分かったわ」

海未「それでは」

スタスタスタ
169 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:57:21.81 ID:YW9LSzjl0
海未「…はぁ」

海未(どうしてあんなこと言ったんでしょう、言った傍から後悔した)

海未(自分の部屋にいって見つめるのはノートに途中まで書かれてた詩)

海未「………」

海未(ここまで来たんだから完成させたい、なーんて自己満足のために体が動き出す)

海未(途中までやって途中でやめる中途半端な感じは私大嫌いなので再び筆を動かしました)

海未「…〜〜♪」

海未(時々あの歌を口ずさんで頭の中にある詩を整理しました、この歌…真姫やにこに聞かれていないか不安ですね…)
170 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:58:39.72 ID:YW9LSzjl0

〜〜♪    〜〜〜♪


   〜〜♪



〜〜〜♪     〜〜♪

171 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 01:59:57.09 ID:YW9LSzjl0
海未「!」

海未(そして聞こえてきたのは真姫の演奏)

海未「…こんなに夜遅くに弾いて大丈夫なのでしょうか」

海未(ここは豪邸ですし音が漏れてないことはくらいはどこかで分かっていましたがそれでも私は心配に思う)

〜〜♪  〜♪

〜〜〜♪

ガーン!

海未「!!?」

海未(綺麗な音色から突然一つの不協和音が鳴りそれ以降何も聞こえなくなった)
172 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:00:54.63 ID:YW9LSzjl0
海未「真姫……」

海未(言葉は交わさずともなんとなく原因は分かってました)


海未(曲作りが上手くいかない)


海未(イライラしてもっと上手くいかない、上手くいかないと曲が作れない、曲が作れないとイライラするの悪循環)

海未(きっと真姫は今そのサイクルから抜け出せないのでしょう)
173 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:01:58.63 ID:YW9LSzjl0
海未「……よしっ」

ガチャッ

トントン

海未「真姫、入っていいですか?」

真姫「……いいわよ」

海未「失礼します」

ガチャッ

海未「って…何してるんですか…」

真姫「曲作りに疲れたから横になってるだけよ」ムスッ
174 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:03:09.20 ID:YW9LSzjl0
海未「はぁ…」

真姫「溜め息を吐くのはこっちよ」ハァ

海未「真姫」

真姫「何よ」ムッ

海未「歌詞…を書いてきました、事足らずかもしれませんがよかったらこれを参考に作ってみてください」

真姫「歌詞…?」

真姫「!」

海未「にこの歌なんですよね?だからにこを意識して書いたんです」

海未「私も少しくらいアイドル事情に参加させてください」


海未「今日は私だって矢澤家の一員なんですから…真姫の為に…にこの為に役に立ちたいんです」

175 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:04:13.96 ID:YW9LSzjl0
真姫「…海未」

海未「はい」

真姫「ありがとう…正直もう引け目を感じてたの…」

海未「曲作りに、ですか?」

真姫「ええ」

真姫「でも…もうちょっとだけ頑張ってみるわ」

真姫「この歌詞、参考にさせてもらうわね」ニコッ

海未「…!」パアアア

海未「はいっ!」

海未(三軒目だったからでしょうか、この時点で既に私の心は家族の一員のつもりでした)

海未(少し出過ぎた行動だったかもしれませんが結果的に成功したのでよかったです)

海未(…最初は“なんかな”と思いましたが、ここも悪くありませんね)フフッ
176 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:05:42.40 ID:YW9LSzjl0
ガチャンッ

にこ「…やるじゃない、あんた」

海未「…役にたてたならよかったです」エヘッ

にこ「それにしても歌詞なんてよくかけたわね」

海未「小さい時は詩が好きだったんですよ」

海未「ただまさかこんなにも書けるとは思いませんでしたが…」

にこ「あぁ確かにあんたすごく頭良さそうだもの、実際いいし」

にこ「納得だわ」
177 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:06:38.13 ID:YW9LSzjl0
にこ「というか私を意識した歌詞ってどんなのよ?」

海未「そういわれましても…」

にこ「まさか変な歌にしてないでしょうね?」

海未「そ、それはありません!真姫が認めてくれたんですよ」

にこ「そ、そうよね…」

海未「…まぁ後は真姫に任せましょう」

にこ「そうね」

海未(その後は特に何もありませんでした、なので今日は早く横になりました)
178 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:07:43.87 ID:YW9LSzjl0
海未「…ふう」

海未(一人で寝るのは二日ぶりでした、一人の時はどうしても青白い月の光を感じやすくなってしまうんです)

海未「…綺麗です」

海未(ただあの時とは違う、一人で寝てるはずなのに寂しくなかった)

海未(今はあの二人がいるから、今ここにあの二人がいなくても…いなくても私の近くにいるって思うだけで…)


海未(寂しさなんて忘れてしまうんです)


海未「おやすみなさい」

海未(最後に一人呟いて今日を終えた)
179 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:08:34.43 ID:YW9LSzjl0
〜次の日、学校

海未「そういえば私たち…」

真姫「違う学年だからお昼までずっと離れ離れね」

にこ「そう…まぁ仕方ないわね」

真姫「それじゃ、お昼に」

にこ「あーい」

海未「は、はい」

スタスタスタ
180 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:09:19.67 ID:YW9LSzjl0


海未(この二人は良くも悪くもドライです、冷たいわけでもありませんが温かいわけでもありません)


海未(私たち三人はべたべたくっつくということもせず別れる時はすんなり別れるスッキリした関係でした)

海未(前回の二人みたいに濃いことをした感じはしませんでしたがあの二人の役にたてただけでも心は充分に満たされました)

海未「……〜♪」

海未(昨日聞いた歌を口ずさんでた、気分は天にも昇るほどの晴れ模様、誰かがいるだけでもこんなに違うんですね)

キーンコーンカーンコーン
181 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:11:10.68 ID:YW9LSzjl0
〜昼、屋上

ガチャッ

海未「あ、もういたのですか、早いですね」

にこ「あんたが遅いだけよ」

真姫「そうね」

海未「すいません…授業が長引いてたもので…」

にこ「分かった分かった、あんたはいい加減謝り癖直した方がいいわよ」

海未「こ、こればっかりはつい…」

にこ「はぁ…困った人ねぇ…」
182 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:12:28.07 ID:YW9LSzjl0
にこ「まぁここ座りなさいよ、さっさと食べちゃいましょ」

海未「はい」スタスタ

にこ「はい、お弁当」

海未「ありがとうございます」パカッ

海未「これは…また随分と家庭的ですね…」

にこ「当たり前でしょ、こう見えても私たち高級食材なんて食べたことないのよ」

海未「え?」

真姫「せいぜい食べても蟹くらいまでかしら、キャビアとかその辺は食べたことないのよ」

海未「そ、そうなんですか?!」

真姫「当たり前でしょ」

真姫「…それに私はどこかの高級レストランで何かを食べるよりにこちゃんが作ってくれたご飯の方がおいしいから」

にこ「あったりまえでしょ!私の腕は超一流なのよ!」

海未「す、すごいのですね…」
183 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:14:31.71 ID:YW9LSzjl0
真姫「確かに私たちは一般の家庭より遥かにお金を持ってるけどやってることは一般と何の変わりもないのよ、私たちが思うのはお金なんかに頼りたくないってこと」

真姫「愛情のこもってない高級料理よりか愛情のこもった一般料理の方がおいしいの、私たちはそれに気付いてるつもりだから」

海未「…なるほど」

海未(この二人はすごい賢かった、自分の持つ力に溺れない自分を巧みに知ってる二人だった)

海未(私にとっては愛、というよりかは尊敬の意が強かった、この二人はすごい、そう思うばかりでこの二人と歩む道はとても山があっても谷があっても難なく超えられるような気がした)

海未(ただ、そんな思いも今日で一度途切れてしまうことを私は知っている)

海未(時刻は放課後、この時間はいつも切ないばかりだった)
184 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:16:11.15 ID:YW9LSzjl0
〜放課後

キーンコーンカーンコーン

真姫「海未」

海未「!」

海未「真姫、どうしたのですか?」

真姫「ちょっときてよ」グイッ

海未「わぁ?!」

海未「ちょ、ちょっとどうしたんですか?」ズルズル

真姫「いいから」
185 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:17:25.21 ID:YW9LSzjl0
スタスタスタ

真姫「はい、ここ入って」

海未「音楽室…?」

ガララッ

にこ「やっときたわね」

海未「にこ…?」

真姫「はい、そこ座って」

海未「は、はい」
186 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:18:44.15 ID:YW9LSzjl0
真姫「昨日、歌詞くれたわよね」

海未「はい」

真姫「曲…完成したからまず海未に聞かせたくて…」テレッ

海未「…!」

海未(その時、私の心から何かがこみ上げてきた)

海未(心が何かで満たされた)

海未「…分かりました、ではいつでもどうぞ」ニコッ
187 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:20:25.59 ID:YW9LSzjl0
真姫「ええ!にこちゃん!」

にこ「準備おーけーよ!」

真姫「いくわよ!」

海未「はい!」

にこ「ええ!」
188 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:22:33.21 ID:YW9LSzjl0

〜〜〜〜♪   〜♪



  〜〜♪
 


〜♪   〜〜♪
189 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:24:25.46 ID:YW9LSzjl0


「とっど〜け!魔法〜!」


「笑顔の魔法!みんなを幸せに〜♪」


「にっこりの魔法!笑顔の魔法!」

「涙さ〜よならっ!」

「にっこにこにこにこ〜だよ〜」

「ほら楽しくなれ〜♪」


「にこっ!」


海未(ホントに最高の一言でした)

海未(この切なさが訪れる時にこんな笑顔にしてくれるってなんて素敵な方たちなのでしょう)

海未(やはりこの人たちにはこの人たちにしかない良さがあります)

海未(今日、この身をもって体感しました)
190 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:26:47.06 ID:YW9LSzjl0
真姫「終わっちゃったわね…」

海未「はい…」

真姫「…もしよかったらこのまま私たちの家に帰らない?」

海未「え?」

真姫「なんて冗談よ」フフッ

真姫「もし私たちのところに帰ってきてくれるなら、また歌詞書いてね」

にこ「私は海未以外認めないわよ!」

真姫「ちょっと私の歌詞は?!」

にこ「真姫ちゃんのもいいけど海未のがいいかな〜って」ニコプリ

真姫「は?」

にこ「えへへ〜」テヘッ
191 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:28:57.15 ID:YW9LSzjl0
真姫「はぁ…まぁそういうことよ」


真姫「…待ってるから」


にこ「絶対に帰ってきなさいよね!!」


海未「…まだ何も言えませんが……」


海未「もし三人一緒に暮らすことになったらたくさん曲を作りましょうね!」


真姫「もちろんよ!」

にこ「期待してるからね!」

海未「それでは!」ダッ
192 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/04(日) 02:30:10.68 ID:YW9LSzjl0
真姫「ええ!」

にこ「待ってるわよ!」

海未「また!」

タッタッタッ

海未(初めてだった、こんなに気分爽快に帰り道を走れるなんて)

海未(やっぱりあの人たちはすごい、それしか言葉がでませんでした)

海未(だから走る私の気持ちの中には“あの二人となら全て上手くいきそう気がする”なんてメルヘンな気持ちで覆われて)


海未(一つの家しか選べないという大切なことを忘れていた)


海未(いい意味でも悪い意味でも呑気だった)
193 : ◆iEoVz.17Z2 [sage saga]:2017/06/04(日) 02:34:02.16 ID:YW9LSzjl0
ここで一旦中断します
気が向いたらまたすぐに更新するかもです
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 13:58:50.98 ID:RVPkI8py0
楽しみに待ってます
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/04(日) 22:31:31.17 ID:HTfS4NC5O
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/05(月) 05:03:34.63 ID:DZ1Mt1b3o
ちょっと、もの凄い心にグッとくる…
楽しみにしてます!
197 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:16:06.45 ID:hUOeONTF0
〜〜〜

タッタッタッ

海未「…!」ピタッ

海未「…ここでしょうか」

海未(地図を見て四軒目で合ってるかどうかを確認をした)

海未「すー…はー…」

ピンポーン

海未「………」

「はーい」
198 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:17:19.97 ID:hUOeONTF0
ガチャッ

海未「あ、ど、どうもえっと今日一日お世話になる予定の園田海未、と申します」ペコリ

海未(こうして挨拶をして感じるのは一軒目と比べて挨拶に慣れ過ぎてた)

海未(やはり私は既に依存してる、みんなのくれる愛情に依存してるのが分かる)

「あ、は、はい!ど、どうぞ!!」

海未「お、お邪魔します」

「は、話は聞いてます!今日はよろしゅ…あっ…噛んじゃった…」

海未「ふふふっよろしくお願いしますね」クスッ

「よ、よろしくお願いします!」
199 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:18:46.82 ID:hUOeONTF0
「あ、え、えっと…」

海未「?」


花陽「南花陽…って言います、えっと…自己紹介が遅れてすいません…」


海未「いえいえ大丈夫ですよ」ニコッ

花陽「!」パアアア

海未(迎えてくれた人はおそらく高校生でしょうがすごく気弱でおそらく私と同じかそれ以上の子でした)

花陽「えっと、ここがリビングです」

花陽「お姉ちゃん、海未さんが来たよ」

「えっ?!ご、ごめんなさい!そんなに重要な人が来てたなんて…」オロオロ

海未「い、いえ…」
200 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:19:54.65 ID:hUOeONTF0
「えっと、おかえりなさい♪」

海未「た、ただいま帰りました…?」

「はいっ♪」


ことり「あ、私は南ことりです♪海未ちゃんって呼んでもいいかな?」


海未「は、はい!」

ことり「ふふっじゃあよろしくね、海未ちゃん♪」

海未(もう一人はとても優しそうな人でした)

海未(コンディションはしっかり整えるようにも見えますし手芸をしてたようなのでまさに女の子、という感じがしました)
201 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:21:13.26 ID:hUOeONTF0
花陽「あ、お茶持ってきますね!」

ことり「ううんいいよ、ことりが持ってくからかよちゃんは好きなことやってていいよ」

花陽「う、うんごめんねお姉ちゃん」

ことり「大丈夫♪」

花陽「勉強終わったらまたくるから」

ことり「はーい」

海未「ま、また」

花陽「はいっ!」

スタスタスタ

ことり「改めておかえり、海未ちゃん」

海未「ただいま…です?」
202 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:22:40.52 ID:hUOeONTF0
ことり「お母さんから話は聞いてるよ、今日はよろしくね♪」

海未「はいっ」

ことり「んー海未ちゃんって家に帰ってから何するの?」

海未「家ではまず宿題をしますよ」

ことり「そっか、じゃあ宿題しよっか♪」

海未「大丈夫なのですか?」

ことり「ん?何が?」

海未「何か作ってるようでしたが…」

ことり「うん!別に大丈夫だよ、急いでるわけじゃないし」

海未「分かりました、じゃあやりましょうか」

ことり「うん!あ、どうせならかよちゃんも呼んでいいかな?」

海未「はいっ」
203 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:23:30.70 ID:hUOeONTF0
ことり「おーい!かよちゃーん!」

ガチャッドタドタドタ

花陽「は、はいぃ!」

ことり「そ、そんなに急がなくても大丈夫だよ?」

花陽「ご、ごめんなさい」

ことり「別に謝らなくても…」

海未「ふふふ…」クスクスッ

ことり「ん?どうしたの?」

海未「いえ、なんだか私と花陽さんってすごく似てるなって」

花陽「私と海未さんが…?」

海未「はい、気弱な感じですぐ謝ってしまうところがそっくりでつい…」
204 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:25:00.46 ID:hUOeONTF0
ことり「海未ちゃんもそんな感じなの?」

海未「はい、人と接するのは得意ではないので…」

ことり「そうなんだ、なんかそんな風には見えなかったな」

海未「人は見た目だけじゃわかりませんよ」

ことり「うん、その通りだねっ」

ことり「あ、そうそうかよちゃん」

花陽「はい」

ことり「今から海未ちゃんとお勉強するんだけどかよちゃんも一緒にしない?」

花陽「じゃ、じゃあ一緒にやるね」

花陽「ちょっと待ってて、筆記用具とか持ってくるから」

ことり「うん♪」
205 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:26:55.79 ID:hUOeONTF0
海未「じゃあ私たちも準備しましょうか」

ことり「はーい」

ことり「あ、飲み物は何がいい?」

海未「なんでもいいですよ」

ことり「もーそう返されるのが一番困るんですっ」

海未「す、すいません…」

ことり「そうやって謝られるのも困るんですよっ」

ことり「そういう時はお茶でもいいからお茶っていってください」

ことり「頼まれる側としてはその人に一番の飲み物を持っていきたいですから♪」

海未「じゃ、じゃあお茶でお願いします」

海未(何の話でしょう、と思いながら筆記用具に手を伸ばした)

海未(ここの二人はすごく一般的な人だと思った、そりゃあ最初に行った二軒も一般的でしたがここは特にそんな感じだと思います)

海未(…まぁ三軒目はちょっと一般的ではないですけど)
206 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:28:00.25 ID:hUOeONTF0
花陽「お待たせしました、えっとここ座りますね」

海未「はい」

ことり「かよちゃん勉強大丈夫?分かる?」

花陽「先生の話とかちゃんと聞いてるから…大丈夫だと思う」

ことり「そっか、ならいいけど」

ことり「はい、お茶♪」

海未「あ、ありがとうございます」

ことり「知ってる?私と海未ちゃんって同じクラスなんだよ?」

海未「そ、そうなんですか?」

ことり「あ、ひどーい…ことりのこと気付いてもくれてなかったんですか?」プンプン

海未「す、すいません…」
207 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:29:28.27 ID:hUOeONTF0
ことり「とりあえずここに住まないってことになっても学校の方でもよろしくね♪」

海未「よろしくお願いします」

ことり「あ、私も筆記用具とか持ってくるね」スタスタ

海未「ふー…」

花陽「あの…ごめんなさい」

海未「ん?何がですか?」

花陽「お姉ちゃんって嬉しいとあんな感じにお節介な人になっちゃって…色々めんどくさいと思うんです」

花陽「で、でも!すごく優しくて色々してくれて…頼りになるお姉ちゃんなんです!」

海未「だ、大丈夫ですよそのくらい分かってますから」

花陽「そうですか…よかった…」ホッ

海未(花陽さんはすごく姉思いでいい人だなと思いました、きっとそう慕ってくれる秘密がことりさんにはあるのでしょう)
208 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:30:55.19 ID:hUOeONTF0
海未「………」カキカキ

花陽「………」カキカキ

ことり「もー二人とも真剣すぎだよ、もっとお話しながら勉強しよ?」

海未「ですがそれだと集中できな」

ことり「今日くらいは勉強を二の次三の次にしても問題ありませんっ」

ことり「大事なのは楽しむことだよ、海未ちゃんかよちゃん」

海未「は、はあ」

花陽「う、うん」

ことり「海未ちゃんもかよちゃんも頭いいんだから別に急がなくたって大丈夫でしょ?」

海未「急ぐ必要がないっていうのはまぁ…」

花陽「でも早く終わらせた方が楽だよ?」
209 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:31:49.40 ID:hUOeONTF0
ことり「もーじゃあ早く勉強終わらせよ?」

ことり「かよちゃんも海未ちゃんも分からないところない?」

海未「私は特に…」

花陽「私も…」

ことり「じゃあ早く終わらせてよ?ことりもすぐ終わらせるから」カキカキカキ!

海未(ことりさんはとてもわがままな人でした)

海未(見た目ではとてもわがままな人には思えなかっただけになんか意外でした)

海未(そして勉強が終わると這い寄るように私の元へきてお話を始めました)

ことり「海未ちゃんってメイドカフェとかいくの?」

海未「い、いえそのような場所には…」
210 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:32:58.54 ID:hUOeONTF0
ことり「うーんカラオケとかは?ゲームセンターは?」

海未「全然…」

ことり「そっかー」

ギュッ

海未「?!」

ことり「丁度いいや!私と一緒にきてよ!!」

海未「あえぇ??!!ちょ、ちょっとどこにいくんですか?!」

ことり「あ、そうだ、準備とかしてかないと」ピタッ

パッ

ことり「ちょっと待ってて!」ダッ
211 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:34:21.06 ID:hUOeONTF0
海未「…あのっ」チラッ

花陽「あ、えっと…私にはよく…」

海未「ことりさんってあんな感じなんですか?」

花陽「いえ…いつもはもっとおとなしくて穏やかな感じなんですけど…」

花陽「テンション上がるとあんな感じになってしまって…」

海未「変わった人ですね…」

花陽「お姉ちゃんはなんでもかんでも溜め込むタイプだから…えっと…そういうのもあるんだと思います」

海未「…そうなんですか」

海未(きっとことりさんは私と同じタイプなんだと思う、なんでもかんでも溜め込んで…何かで発散する)

海未(ただ私と違うところもある、ことりさんは何かで吐けるけど私は吐き出すことが出来ない)

海未(そういうところは見るとことりさんがものすごく羨ましく感じた)


海未(眩しく感じた)


212 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:35:18.84 ID:hUOeONTF0
ことり「ほらほらいくよー!」グイッ

ギュッ

海未「ま、待ってくださいよー!」

タッタッタッ…


海未(ことりさんが握ってくれた手は穂乃果や希とまったく同じ温かさと心地よさがあった)
213 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:36:21.01 ID:hUOeONTF0


海未「……あの」

ことり「ん?なーに?」

海未「この格好は…」

ことり「メイド服だよ?」

海未「なんで私はこんな服を…?」

ことり「ここはメイド喫茶だよ?メイド服じゃないとおかしいじゃん」

海未「わ、私はメイドをするなんて一言も…というか勝手に連れられてここに来たんですよ!!」

ことり「まぁまぁここでメイドをして悪いことはないよ?」

海未「それはことりさんだけでしょう!」
214 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:38:10.10 ID:hUOeONTF0
ことり「ここではことりさんじゃなくてミナリンスキーって呼んで?それに普段でもことりさんじゃなくてことり、とか呼び捨ての方が嬉しいな♪」

海未「み、ミナリンスキー?」

ことり「ここでの私の名前だよ、本名は公開してないんだからね?」

海未「そ、そうなんですか…」

海未「ってそうじゃなくて私はメイドなんてやらな」

ことり「海未ちゃん、おねがぁい…!」ウルウル

海未「うっ…」

海未(なんですかその声と目は…)
215 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:39:29.50 ID:hUOeONTF0
海未「…な、何をすればいいんですか?」

ことり「やってくれるの?!ありがと〜!」

ギューッ

海未「うっ…」

海未(可愛い顔して悪魔のような誘惑をする人でした、そのわがままっぷりはあの穂乃果を凌ぐほどで私の思った感じだと“甘えぼうな妹”が出来たような感じでした)

「ミナリンスキーさーん!」

ことり「はーい、今いきまーす」

海未「い、いってらっしゃい…」

ことり「何いってるの?海未ちゃんもいくんだよ?」

海未「は?」
216 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:41:21.62 ID:hUOeONTF0
ことり「海未ちゃんも今はメイドさんなんだから行くのは当たり前だよ?」

海未「いやでも呼ばれたのはこと」

ことり「ミナリンスキー」

海未「…ミナリンスキーさんが呼ばれたわけであって私は呼ばれてないじゃないですか」

ことり「この呼び出しは応援の呼び出しだよ、手が足りないから来てってこと」

ことり「だから海未ちゃんもいこ?」

ギュッ

海未「!」


ことり「大丈夫、ことりがリードするから♪」


海未「…分かりましたよ」ハァ

ことり「うん♪じゃあいこっか♪」
217 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:43:07.70 ID:hUOeONTF0
スタスタスタ

「キャー!ミナリンスキー!」

海未「?!」

ことり「皆さまおかえりなさいませ♪」

ことり「私ミナリンスキーもこれから皆さんのご奉仕させていただきますのでよろしくお願いします♪」

「わー!!!!」

海未「な、なんですかこれ…」ボソボソッ

ことり「こう見えても私、秋葉で伝説のメイドって言われてるんだよ?」ボソボソッ

海未「伝説のメイド…?!」

ことり「まあとりあえず海未ちゃんは私の手を離さないで?」

海未「は、はい」
218 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:44:53.54 ID:hUOeONTF0
スタスタスタ

ことり「おかえりなさいませ♪ご主人様♪」

ことり「ほら、海未ちゃんも」ボソッ

海未「え、え?!」

ことり「おかえりなさいませってほら!」

海未「お、おかえりなさいませ!ごしゅじゅ…」

海未「〜〜〜〜〜っ!」カアアア

ことり「ふふふっこちらは私の大切な人、もとい今日一日限定の海未ちゃんです♪」


海未「あ、え、えっと…よろしくお願いします!」

219 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:46:03.55 ID:hUOeONTF0
〜その後

海未「はー…」

ことり「海未ちゃんお疲れ様♪」

海未「疲れました…」

ことり「海未ちゃん大人気だったね♪」

海未「ことりさんのせいですよ…」


ことり「こ・と・り!」


ことり「私はことりさんじゃないよ?」

海未「…ことりのせいですよ」
220 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:47:32.21 ID:hUOeONTF0
ことり「私のせいじゃないよ?海未ちゃん自身が招いた人気だよ?」


ことり「クールだけどすっごい弱気でかぁわいいメイドさん♪ミナリンスキーのライバルかも?なーんて呼ばれて」ウフフ


海未「なんですかその矛盾は…」ハァ

ことり「みんな海未ちゃんが今日一日限定のメイドさんって聞いた時お客さん驚いてたじゃん、幻のメイドなんて言われちゃって」クスクス

海未「悪目立ちですねそりゃあ…」

ことり「これからも一緒にメイドさんしてくれるとうれしいなぁ♪」

海未「それは…また険しいですね…」

ことり「うーんそっか…あ、でもメイドさん楽しくなかった?」

海未「…あまり」

ことり「………」ウルウル

海未「あ、あー!楽しかったですよ!はい!とても楽しかったです!」
221 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:49:06.42 ID:hUOeONTF0
ことり「うふふ、海未ちゃんは優しいね」

海未「はぇ…?」

ことり「私が涙目になった瞬間すぐに感想変えて」クスクス

ことり「焦る海未ちゃんも可愛いね♪」

海未「なっ…私をからかわないでくださいよ!」

ことり「えへへごめんねっ」テヘッ

海未「…で、でもまぁ楽しかったですよ」

海未「大変でしたけど…」

ことり「そっか、ならよかったよ」
222 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:51:13.51 ID:hUOeONTF0
ことり「海未ちゃんって自分からは何もしなさそうだったからこうやって思い切って無理矢理連れてきた方が絶対にいいなって思ったの」

ことり「私自身お母さんから色々海未ちゃんのこと聞いて私が海未ちゃんを引っ張っていきたいなって思ってね…」

ことり「………」ウルッ

海未「…?」

ことり「……はい、海未ちゃんお茶だよ」

海未「あ、ありがとうございます」

海未(さっきまでずっと笑顔だったことりさんが突然顔を曇らせた)

海未「あつっ…」

海未(貰ったお茶はものすごく熱かった、今は春、熱いお茶より冷たいお茶の季節なのに)
223 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:53:06.72 ID:hUOeONTF0
ことり「…ことり、これでもずっとお姉ちゃんやってきたけど未だにことりがお姉ちゃんだ思えたこと、あまりないんだ」

海未「…どうして?」

ことり「だって…かよちゃん…振り向いてくれないんだもん」

海未「振り向いてくれない?」

ことり「かよちゃんに楽しんでもらうために色々やった、いろんな場所を巡ったしかよちゃん用の可愛い服とかたくさん作ったけどかよちゃん、ずっと同じ態度なんだもん」


ことり「小さい時はあんなに甘えてくれたのに…」


ことり「家ではご飯の知らせとか何かを借りに来る時だけしか喋らなくて…なんか業務連絡してるみたいで…」
224 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:54:18.43 ID:hUOeONTF0
ことり「今日海未ちゃんを無理矢理引っ張ってみたけど海未ちゃんもあまり楽しそうじゃなくて…なんだか気を遣わせちゃったみたいで…」


ことり「ことり…かよちゃんのお姉ちゃんにも海未ちゃんを引っ張る先導者にも向いてないのかな…?」ウルッ


海未「そんなことありませんよ」


ギューッ

ことり「うみちゃっ…」

海未「花陽さんもことりさんのこと慕ってくれてますよ、ただ私と同じでそれを口にして言わないだけです」

海未「今日花陽さん言ってましたよ、ことりさんはすごく優しくて頼りになるお姉ちゃんだって」

海未「それに今日のメイド、結構楽しかったですよ、ホントに」

海未「流れ的に気を遣わせちゃったみたいに感じたかもですがウソではありませんよ」

海未「“またの機会”があればまたやりましょう、メイド」

ことり「…!」パアアア

ことり「うん!」
225 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:55:23.31 ID:hUOeONTF0
海未「そろそろ帰りましょうか、もうここでお仕事はないんですよね?」

ことり「うん!」

ことり「あ、そういえばまたことりさんって言ってたよね?私の名前は」

ことり「こ・と・り!」

海未「わ、分かってますよ…」

ことり「分かってないからいってるのっ!」

ことり「ほら、もういくよっ」グイッ

海未「わ、わぁまだお茶飲んでませんって!」

ことり「行こうって言ったのは海未ちゃんでしょ!」

海未「そ、それは言葉の綾ですよ!」

ことり「もういいから、それ片付けるからね!」
226 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 01:58:53.27 ID:hUOeONTF0
海未「あぁ…もったいない…」

ことり「じゃあ帰ります!お疲れ様でした!」

<お疲れ様でした−!

ことり「ほらいこっ!」

海未「分かりましたよ…」ハァ

海未(今、ことりを抱きしめてあげれたのは私自身の“強さ”だったのでしょうか)

海未(きっとここが一軒目だったら私はきっとことりに何も言ってあげることが出来ない、そんな気がした)


海未(そろそろ気付き始めてた)


海未(大切なモノを、大切なコトを)


海未(だけど答えはいつまでも見つからなかった)
227 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:00:15.07 ID:hUOeONTF0
〜南家

ことり「ただいま」

ことり「ほら海未ちゃんも」

海未「た、ただいま戻りました」

花陽「おかえりなさい、お姉ちゃん海未さん」

「おかえりなさい」

海未「!あなたは…」

「ごめんなさい、驚かせようと思ったのだけどあまり驚けるような展開じゃなかったわね」フフッ

海未「え、えっと…」

海未(出てきたのは三日前、私の引き取り先を見つけてくれた学校の理事長でした)
228 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:01:36.89 ID:hUOeONTF0
ことり「あれ?知り合い?」

理事長「色々あってちょっとだけね」

ことり「そうなんだ」

海未「あ、あなたがここにいるってことは…」

理事長「そう、私がことりと花陽の母よ?」

海未「やはり…」

海未(よくよく考えればことりと理事長は髪型がまったく同じ…花陽さんはどういうわけか違うけど似てることにまったく気付けませんでした…)

理事長「どこ行ってたの?」

海未「えっとメイ」

ことり「あ、ちょっと色々回ってたの!ゲームセンターとか!」

理事長「そうなの」ウフフッ
229 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:02:49.04 ID:hUOeONTF0
理事長「じゃあ楽しかったでしょうに、ご飯出来てるから手洗ってらっしゃい」

ことり「うん!分かった」

海未「わ、分かりました」

理事長「じゃあまたリビングで」

スタスタスタ

ことり「ふう…」

海未「あ、あのどうしてあんなウソを?」

ことり「お母さんにはメイドしてること内緒なの」

海未「どうして?」

ことり「メイド喫茶は私の隠れ場所だから♪」

海未「ふ、ふむ?」
230 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:03:36.94 ID:hUOeONTF0
ことり「まぁそういうことだよ」

海未「えぇ?!それ何の説明にもなってないですよ!」

ことり「いいからいいから♪」

海未「も、もういい加減ですね…」

スタスタスタ
231 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:04:31.91 ID:hUOeONTF0


海未「これはまた豪勢で…」

理事長「奮闘して色々作っちゃって…食べきれなかったら残しても構わないわよ」

海未「は、はい」

海未「あのそれで…」

理事長「はい?」

海未「なんか花陽さんだけご飯の量多くないですか?」

ことり「花陽ちゃんは」


花陽「当たり前です!!日本人たるものご飯抜きでは過ごしていけません!むしろ皆さんの量が少ないんですよ!」


海未「うぇ…えっ…?」

理事長「んんっ」

花陽「はっ…!」
232 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:05:52.37 ID:hUOeONTF0
ことり「あはは…花陽ちゃん、お米のことになると性格変わるから…」

海未「へ、へえ…」

海未(花陽さんも変わった人ですね…)

理事長「まぁとりあえず食べてちょうだい」

ことり「はーい、いただきます」

海未「いただきます」

花陽「いただきます!」

海未(この家族で囲む食卓はすごく和やかだった)

海未(会話はよくあるけど一軒目のように騒がしいわけではなく緩くお話をしながら食べる、それがここでした)

海未(なんだかここが一番家庭感があって落ち着ける場所だなと思いました)

海未(ふわふわしてて甘ったるく羽毛のように柔らかい、何を言ってるか分かりませんがそんなような場所でした)
233 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:07:08.32 ID:hUOeONTF0
海未「ふう、ごちそうさまでした」

理事長「はい、食器は私が片付けるからそこに置いといてもらって結構よ」

海未「は、はい」

理事長「それと私は海未さんと大事なお話があるからことりと花陽は食べ終わったら一度自分の部屋に行きなさい」

ことり「はーい」

花陽「う、うん分かった」パクパク!

花陽「ご、ごちそうさま!」

理事長「そ、そんなに急がなくても大丈夫よ?」

花陽「ううんじゃ、じゃあいくね!」

タッタッタッ!
234 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:08:13.69 ID:hUOeONTF0
理事長「あ、ちょっと!」

理事長「はぁ…まったくあの子は…」

海未「あの…花陽さんって…」

理事長「ああいう子なのよ、迷惑かけるのがイヤだからなんでもかんでも自分のいいように済ませちゃって」

理事長「ことりもそうだけど普段は落ち着きがあるけど何か起こるとよそよそちゃって困ったものよ」

ことり「ちょっとお母さんどういうこと!!」

理事長「ふふふ、可愛らしいって意味よ」

ことり「絶対違うでしょそれっ!」

海未「そうなんですか…」

ことり「はー…ごちそうさま、じゃあことりもいくね」

ことり「お話終わったら来てね海未ちゃん、ことりのお部屋は二階だからね」

海未「分かりました」

スタスタスタ ガチャンッ
235 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:10:33.38 ID:hUOeONTF0
理事長「…じゃあ短いですが少しお話をしましょうか」

海未「はい」

理事長「今日で四軒目よね?」

海未「はい」

理事長「五軒目はないから明日は海未さんの住みたいところの家に行きなさい」



理事長「海未さんはそこで暮らすのよ」



海未「…はい」

理事長「はい、じゃあお話終わり」

海未「はい…あ、え?」
236 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:11:31.28 ID:hUOeONTF0
理事長「長いと思った?ホントに少しよ、だって私もめんどくさい話とか好きじゃないし分かりやすく本件だけ伝えれば大丈夫でしょ?」

海未「そ、そうですがなんというか…サッパリしてますね…」

理事長「ふふふ、まぁそういうことよ」

海未「わ、分かりました」

海未「では」

理事長「はーい」

ガチャンッ

海未「…ふーっ」

ことり「お話早かったね」

海未「!」ピクッ
237 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:12:33.47 ID:hUOeONTF0
ことり「えへへ、やっぱり気になっちゃって」

海未「…聞いてたのですか?」ジトッ

ことり「ま、まさか誤解だよ」

ことり「私は海未ちゃんを待ってただけ」

海未「そ、そうですか…」

ことり「どうせこの後暇でしょ?」

海未「ま、まぁ…」

ことり「なら私の部屋にきてよ、したいことがあるんだ♪」

海未「したいこと?」

ことり「うん♪」
238 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:14:03.10 ID:hUOeONTF0
〜その後

ことり「海未ちゃんこれとかどう?」ニコニコ

海未「あの…もうやめません…?」

ことり「えーことりはまだ堪能してないんだけどー」

海未「私の意見ガン無視に始めたのでそろそろ私の意見を尊重しません?」


ことり「このチャイナ服着てくれたらね♪」


海未「はぁ…」
239 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:14:59.09 ID:hUOeONTF0
海未「そういえばこの大量の服はどこから…?」

ことり「全部私が作ったんだよ?」

海未「こ、これをですか?!」

ことり「うん♪」

海未「す、すごい…」

海未(あの後私はことりの着せ替え人形をさせられました)

海未(ことりの部屋のクローゼットやタンスからぞろぞろと出てきたコスプレ衣装のようなものを着せられています…)
240 : ◆iEoVz.17Z2 [saga]:2017/06/07(水) 02:16:34.69 ID:hUOeONTF0
ことり「ありがとう海未ちゃん♪海未ちゃんのおかげで写真フォルダが潤ったよぉ〜♪」

海未「そ、そうですか…よくわかりませんけど私が役にたてたならよかったです」

海未「わ、私の部屋は隣でしたっけ?」

ことり「そうだよ、何もないけどね」

海未「構いませんよ、それでは」

ことり「うんっ」

ガチャッ

海未(それからは何もありませんでした、ことりがところどころ私の部屋に入ってりは出たりをしてちょっかいを出したりして大変でしたがそれでも特徴的なことはなく気付いたら深夜になっていました)


『12:13』


海未「…もうそんな時間ですか」

海未(ベットで横になって時計を確認した)
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