ハルヒ「キョンTUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!」 キョン「分裂するぞ」

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14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 18:55:59.46 ID:0PL+LbarO
>>13
キョン・キョン子「「そうだっけ?」」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 19:02:52.32 ID:aDQZsIysO
>>13
キョン1「そうだっけ?」

キョン2「そんなことないよな?」

キョン3「そうだぞ」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:18:11.14 ID:+8kTd2k7o
原作を分裂まで読んでないのについにこのスレに追いつかれてしまった……あ、立て乙。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:19:10.43 ID:qWqluxQXo
分裂よりすげぇことしてんだろお前
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:25:55.74 ID:CIr4BmUA0
キョンにとっての分裂は六道ナルトが影分身するくらい大した事ないな。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/06(火) 20:26:51.23 ID:aki/JxO+0
待ってましたぁ!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:32:41.12 ID:MjRPhRdY0
18時から投下しますー
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 17:39:25.55 ID:9kBbPlmnO
りょうかい
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:56:29.60 ID:MjRPhRdY0
とうかー
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 17:58:57.12 ID:MjRPhRdY0

キョン「……Zzz」

キョン妹「……」ジリジリ

キョン「……z」ピクッ

キョン妹「……!」バッ!!

キョン「っ……はいっ!」ガシッ!

キョン妹「あははー! キョンくん起きた―!! 目―さめたー?」

キョン「ああ、一瞬で醒めたよ。やれやれ、春休み最終日だって言うのに朝から騒がしいな」

キョン妹「今日は、フリ、フリ……ふりかけ?」

キョン「フリマ。フリーマーケットな。なにか面白そうなモンがあったら土産に持って帰ってきてやるよ」

キョン妹「わーーい!! お土産だー!」ピョンピョーン!

キョン「ふぅ……さて、準備するか」

キョン「(…………ん? なんだ?)」ザワッ

キョン「……『佐々木』か?」

キョン「…………いや、まさかな」




























「♪〜」

「いつぶりになるんだろうね。去年? 1年? はたまた半世紀か……なんにせよ」

「心躍るのは、キミが僕の『親友』であるからなのかな? くつくつ」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:04:11.36 ID:MjRPhRdY0

キョン妹「いってらっしゃーい!」ブンブン!

キョン「行ってきー」シュン!






キョン「こんちはー」シュン!

古泉「おや、こんにちは」

朝比奈「あっ、キョンくん。こんにちはぁ」

長門「……」

朝倉「こんにちは。ホントにみんな集まるのが早いわね。今日は長門さんと一緒に来たんだけど……」

キョン「直にハルヒも来るだろうから、実質、集合時間1時間前には活動開始って感じだな」

朝倉「集合時間の設定の無意味さよね……」

ハルヒ「おーい!」タタッ!

古泉「いらっしゃいましたよ」

ハルヒ「おまたせっ!」

朝比奈「こんにちはぁ、涼宮さん」

朝倉「こんにちは」

ハルヒ「うんうん! みんな揃ってるわね! それじゃいつもの喫茶店移動して作戦会議よ!!」

キョン「…………」

長門「……どうかした?」

キョン「ん? あぁ、いや……大したことないさ」

長門「…………そう」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:08:20.92 ID:MjRPhRdY0

キョン「新入団員だぁ?」

朝比奈「えっ?」

ハルヒ「そうよ!! まだ言う前だったけど!! 新入団員!!」

朝倉「新入団員って……もしかして新入生から探すってこと?」

ハルヒ「朝倉さん! 10ポイント!! 正解よ正解!」

朝倉「どこで使えるポイントなのかしら。『スーパー平安時代!!』で使えればいいんだけど……」

古泉「涼宮さんはSOS団の増員をお考えで?」

ハルヒ「当然っ、恒久的にSOS団が存在していくためには後継者が必要不可欠だわ!」

キョン「後継者か……」

ハルヒ「いずれあたしたちが卒業しちゃう時に、SOS団を継いでくれる人材を今の内から探しておくのよ!」

朝比奈「あー……卒業かぁ」

古泉「ということは、仮入部受付兼部活説明会に参加するということですね」

ハルヒ「そうよ! ただSOS団で宣伝しちゃうとあの陰険会長がすっ飛んできそうだから、文芸部名義で参加するわ!」

キョン「普通に文芸部に入りたいやつもいるんじゃないか?」

ハルヒ「それは普通に入れてあげればいいじゃない。ねえ有希?」

長門「……」コクリ

キョン「いや、部室……」

ハルヒ「未来ある有能な若者を決して他の部活に取られちゃダメよ!! なんとしてでも有能な新人を見つけるのよ!!」

朝比奈「が、がんばりまぁす!」

古泉「仰せのままに」

キョン子「いっそ新入団員として入部したら……」パッ!

ハルヒ「キョン子!!」ガタッ!

朝倉「そんな何の気なしに出てこないでよ!!!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:12:20.53 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「さっ、出発しゅっぱーつ!!」

朝比奈「何買おうかなぁ……かわいいお茶セットとかあればいいなぁ」

古泉「レトロゲームの収集が捗ればいいのですが」

キョン「次のフリマで売るものを買ってるだけじゃねえか」

朝倉「長門さんは何か欲しいものの目星でもあるの?」

長門「…………」

長門「鮭」

朝倉「なんでっ!!?!?」ガーン!

キョン「…………?」

古泉「どうかされましたか?」

キョン「えっ、あぁいや、なんでもない」

古泉「……そうですか」

キョン「(……なんだってんだ? 一体)」ザワッ

キョン「(消失事件の際にも感じたこの胸騒ぎ……何が起きようというんだ?)」

キョン「(……こんな時に限ってろくに未来も見えやしねぇし)」

キョン「………………誰なんだよ」





























「―――おっと、もうそろそろかな?」

「目新しいものにうつつを抜かしている場合ではないね。しかし、これは九曜さんへのお土産としよう」

「先に随分と楽しんでしまったが、本当のお楽しみはこれからだ」

「待ち侘びたよ、キョン」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:17:11.85 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「電車がゆーれーるー、みくるちゃんをのーせーてー♪」ドナドナドナ

朝比奈「うふふ、面白い歌ですね。童謡ですか?」

朝倉「本当は悲しい歌なんです。朝比奈先輩……」

キョン「…………」

長門「……」

古泉「……」

朝倉「……そっちはそっちで。三者三様、随分考え込んでるみたいだけど?」

ハルヒ「む、そうよ三人とも! これから楽しい楽しいフリマが待ってるってのになによその浮かない顔は!!」

キョン「……」フワフワ

ハルヒ「こらーっ!!! 体だけ浮いてもしかたないでしょーが!!!」

朝倉「(やると思った……)」

キョン「ったく……電車の中ぐらい静かにしろっての」

ハルヒ「わきまえてるわよ。どっちかと言えばあんたの方が迷惑じゃないの」

古泉「……いやはや。フリーマーケットでどのような商品を購入しようと真剣に考慮していたもので……」

ハルヒ「そうだったのね! それはとてもいいことよ古泉くん! 慧眼は常日頃から鍛えるものだもの!」

キョン「俺も実はそうだったんだよ。一体どんな古墳が売られているのかと思うとな」

ハルヒ「古墳は多分扱われてないと思うけど!!?!?!?」ガーン!

朝比奈「こ、ふん……こふん? こふん!」

長門「…………」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:21:57.22 ID:MjRPhRdY0

ハルヒ「ついたーーーっ!!!」バンッ!

キョン「ついてしまったか……」

朝倉「なんでちょっと嫌そうなのよ」

ハルヒ「さーて片っ端から物色していくわよ!! みんな何か珍しいものあったらすぐ報告ちょうだい!!」

朝比奈「あ」

ハルヒ「どしたのみくるちゃん!!? さっそく何か見つけた!!?」バッ!

朝比奈「えっと、はい。あの……珍しいと言えば珍しい」

ハルヒ「うんうん!! なになに!!?」

国木田「やあ。みんなおそろいで、団活中かな?」

ハルヒ「……」

朝比奈「国木田くんが……いました」

キョン「おぉ国木田か。変な偶然だな」

朝倉「あらホント。なんとなく珍しいわね、こんなところにいるのは」

ハルヒ「…………絶妙に反応しづらいわーーーーっっっ!!!!!」ビシッ!

朝比奈「ふええっ!!?」

国木田「あははっ。ご期待に添えていないようで逆に安心したよ。ごめんね涼宮さん」

ハルヒ「あ、いや、国木田くんが悪いわけじゃ……谷河!!! 谷河はどこっ!!?」

国木田「谷口? 谷口なら今日は一緒じゃないよ。僕一人で来たんだ」

ハルヒ「ふぐぐっ……!」

キョン「怒りともいえぬモヤモヤを谷辺にぶつけるつもりだったなコイツ」ハッ

古泉「谷口さんです」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:22:46.83 ID:MjRPhRdY0















「あ、いたいた―――」














30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:26:26.51 ID:MjRPhRdY0

キョン「で、なんでお前は1人でこんなとこにいるんだよ?」

国木田「勉強の気分転換がてらにね。少し珍しいものでも見ようかと―――」

「やあ、キョンじゃないか。それに国木田くんまで」

キョン「ん?」

ハルヒ「えっ?」

国木田「わぁ……」

「どこかで見た顔と思えば……随分と久しいじゃないか」

古泉「……」ピクッ

キョン「おーっ!! なんだなんだ、1年ぶりか? 久しぶりじゃねえか!」

朝比奈「キョンくんのお知りあい、ですかね……? あれ?」

ハルヒ「……みたいね。国木田くんも知ってるみたいだし、中学の知り合いっぽいわね」

国木田「僕も会うのは久しぶりだね。元気にしてた?」

「おかげ様で息災さ。国木田くんも元気そうで何より。しかし全国模試の会場で目にしたのはキミではなかったのかな?」

国木田「なんだ、やっぱり気づいてたんだ。さすがだね」

朝倉「…………え? あれ?」

長門「……」

キョン「いやー懐かしいな本当に」

「くつくつ、とんだ偶然というほかないね」

古泉「…………っ?」

ハルヒ「……結構仲良さそうね」

朝比奈「……みたい、ですね」

キョン「お前から何の音沙汰もないもんだからよ」

「連絡を寄越さなかったのはキミの方も同じだろう?」

キョン「ん、そういやそうか。いやしかし、本当に久しぶりだな」ハハッ

朝倉「待って……っ! キョンくん! その人―――っ!!」

キョン「ああ、紹介しよう。こいつは俺の中学時代の友人でな」

古泉「……っ!?」

キョン「名を――――――」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:27:20.18 ID:MjRPhRdY0



















佐々木「佐々木と申します。以後―――お見知りおきを」


























キョン「―――――――――――――――あ?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/07(水) 18:27:52.97 ID:MjRPhRdY0
ここまでーー
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 19:35:24.84 ID:p6uKpXKHO
いいところで…ぐぬぬ乙
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 20:31:24.32 ID:FwBMulNHo

なるほどな
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 20:32:04.12 ID:e+c89XaZ0
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 22:13:58.16 ID:V3eDWghw0
これは…乙
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/07(水) 22:52:29.05 ID:hhxK86Gvo

…キョン大丈夫か?
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 08:39:11.80 ID:I7sccLwD0
俺の嫁が降臨した
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 11:55:15.95 ID:OqUd7CXEO
>>38
キョン子「照れるぜ」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 12:58:27.53 ID:I7sccLwD0
>>39 キョン子は愛人
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 15:32:40.11 ID:MAxNIo2QO
>>38
古泉「んっふ。照れますね。」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 17:24:59.07 ID:YqCqtS1Y0

>>38
長門は俺の嫁

18時より投下しますー
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 17:25:01.38 ID:zdOXEQGaO
国木田かな?
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:01:27.84 ID:YqCqtS1Y0
とうかー
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:05:05.63 ID:YqCqtS1Y0

朝比奈・朝倉「「……っ!!?」」

ハルヒ「みくるちゃん? どうかした?」

国木田「佐々木……? えっと……」

佐々木「ああ、動揺させてすまないね。家庭の事情ってやつだよ。できればこれからは佐々木と、そう呼んでもらえるとありがたいね」

国木田「へー……そうだったんだ。佐々木さんだね。分かった」

古泉「…………改めまして、古泉一樹と申します。よろしく」ニコッ

佐々木「こちらこそ、佐々木と申します。よろしく」ニコッ

佐々木「そちらの方たちも、ご紹介いただけるとありがたいのですが……涼宮さん」

ハルヒ「えっ? あたし? ってなんであたしのこと知って……」

佐々木「ご友人を紹介いただいてもよろしいですか?」

ハルヒ「……まぁ、いいけど。簡単に、そっちのかわいいのがみくるちゃん、あっちのかわいいのが有希で、こっちが朝倉さん」

朝比奈「あ、ど、どうも」

長門「……」

朝倉「……どう、って涼宮さんその紹介はなんか不服だわ」

佐々木「……初めまして」ニコッ

朝倉「……っ」

佐々木「キョンの友人と交友を深めたいと思ったのですが、生憎、時間の都合上そうもいかないようです」

ハルヒ「え、ええ。こっちも残念だわ」

佐々木「わたしはここで失礼します。それじゃあキョン。また会おう」クルッ

キョン「………………」

朝倉「……っ、キョンくん! しっかりして!!」ボソッ!

キョン「―――っ!」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:09:26.32 ID:YqCqtS1Y0

『くつくつ、君も、面白い力を持つようだね』






『やあ、やはりまた会えたね。輪廻転生を凌駕してる? そんな大層なモノじゃないさ』






『久しぶり。また見つけてもらえてよかったよ。キミは随分僕に熱をあげて……冗談だよ』






『おや、キョンじゃないか。見てくれないか? どうだい? 着物を新調した。似合うかい?』






『―――キョン、ひょっとすればもう次は…………けどねキョン、だからこそ言わせてもらうよ』


















『またね―――親友』

ハルヒ「キョン? なにボーっとしてんの?」

キョン「っ―――!!」ドクン!
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:13:31.63 ID:YqCqtS1Y0

キョン「……ま、待てっ!」

佐々木「……」ピタッ

キョン「……い、つ……からだ?」

ハルヒ「? 何言ってんのキョン?」

佐々木「いつ、か。さあね? 気づけば僕は『佐々木』になっていた、とでも言えばいいのかな?」

佐々木「元々の潜在的な何かが、ふとした拍子に顕在化した。尤も、それがいつだったのかは記憶にないが」

佐々木「キミもよく知る僕のお仲間が言うには、それはごく最近、去年の冬頃覚醒したと言ってはいたが……」

佐々木「もしかすれば、あの中学3年生の時点で、僕が『僕』であった可能性も、等しく存在するんだよ」

古泉「……」

長門「……」

朝倉「……っ!」

ハルヒ「……不思議な人ね、みくるちゃん」

朝比奈「ふえっ!? あぁ、そ、そうです、ね……」

キョン「…………」

佐々木「……くつくつ。まぁ、僕が今日この場に現れたのはサプライズ、アクシデント……ドッキリというべきかな?」

佐々木「ともかく、近々。今度は僕が紹介したい友人を連れてくるよ」

佐々木「詳細は……また、その時にでも、ね。それじゃあね―――」

佐々木「『親友』」スタスタ

ハルヒ「親友…………」

キョン「…………っ、ハァ……ハァ」

国木田「苗字は変わったみたいだけど、性格自体は何も変わっていなかったね……キョン? どうしたの?」

ハルヒ「ちょっと、キョン? 大丈夫? 久しぶりに友達と会ってビックリしたのは分かるけど……大丈夫?」

朝倉「……涼宮さん」

古泉「……少し、休憩しましょうか。彼も移動の疲れがあったのかもしれませんしね」

ハルヒ「ん……そうね! もっかい見て回るところの確認でもしましょ!」

古泉「よければ、国木田さんもご一緒に」ニコッ

国木田「え? 僕も?」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:17:19.31 ID:YqCqtS1Y0

ハルヒ「まずは新入生を歓迎するとき用に新しい衣装を探したいからー……みくるちゃん、聞いてる?」

朝比奈「……ふえぁっ!? き、聞いてますよぉ。うーん……」





国木田「彼女? さっき会った、あー……佐々木さんのことかな?」

古泉「ええ、非常にミステリアスな方であったため、どのような方なのか気になりましてね」

国木田「いいよ、僕の知る範囲でよければ教えるよ。キョンも言ってた通り彼女は僕たちの中学3年生の時のクラスメイトでね」

国木田「とりわけキョンと仲が良かったんだ。ああ、僕の見る限りではね」

古泉「へえ……」

長門「…………」

国木田「特徴的な話し方をしているけど、彼女は頭も要領も良いし、おそらく性格もいいと思うよ」

国木田「つまりはほとんど一般的な、一中学生女子だったって印象だね」

古泉「なるほど……では、彼女が彼のことを親友と呼んでいたのは?」

国木田「単純に距離感の話じゃないかな? 二人の関係性はそう呼んでも過言じゃないように思えたしね」

朝倉「親友なのに1年間連絡を取ってなかったってこと?」

国木田「みたいだね。その理由は……まぁ、キョンしかしらないよね」

朝倉「だよね。そこのところどうなの? キョンくん」

キョン「…………」

朝倉「おーい。応答せよーキョンくーん」

キョン「…………」

朝倉「……あらら」

国木田「どうしたんだいキョンさっきから? 本当に体調でも悪くなったのかい?」

古泉「(……彼が話すのを待った方が良いかもしれませんね。僕たちよりも遥かに状況を理解しているはずでしょうし)」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:21:55.66 ID:YqCqtS1Y0

国木田「いやいや。ちゃんと何度も確認したよ? でも決まって二人共言うんだ」

朝倉「『付き合ってるわけじゃない』……ね」

国木田「そうそう。どこからどうみたってそうにしか見えないのにね。っと」

国木田「ごめん、そろそろ帰るよ。僕の予定では自習の時間がまだ控えてるからね」

古泉「これはこれは、お時間を御取りして申し訳ありませんでした。貴重なお話をありがとうございます」

朝倉「ごめんね国木田くん。ありがとう」

国木田「いやいや、いいよ。また面白そうなことするなら誘ってね。ついでに谷口も呼んどくからさ。それじゃ」

古泉「……」

朝倉「……で?」

キョン「……」

朝倉「あたしたちはもう結構、落ち着いたうえで焦ってるんだけど……古泉くん」

古泉「そうは言いますが、やはり彼の受けた衝撃は我々とは比べ物にはならないでしょう」

朝倉「だからって……いつまでもこんな―――っ!」

キョン「……分かった」

朝倉「―――え?」

古泉「なにが……分かったのですか?」

キョン「今日はフリマで国債を買う。うん、そうする!」ドーン!

朝倉・古泉「「……は!?」」

ハルヒ「みんなーっ! あ、キョンも元気になってるじゃない! よしよし! てわけで!」

ハルヒ「動き出すわよーっ!! SOS団出陣!!」オーッ!

キョン「おぉおぉおお!!!」

朝倉「……おぉう!!?」

古泉「ちょっと……えぇ……!?」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:25:21.53 ID:YqCqtS1Y0

「ただいま」

「あっ、佐々木さん! おかえりなさい」

「無事帰ってきたよ。はい、橘さんこれはあなたへのお土産です」

「え、ど、どうも……?」

「はい、九曜さんにはこれ。藤原くんにはこれを差し上げよう」

「―――ふっ―――そう」

「…………それで、どうだった?」

「うん。いい買い物もできたし、まぁ、久しぶりに彼に出会えてよかったよ、というのが個人的な感想」

「……」

「それと組織的な結果としては、うん。大丈夫、良くて半々ぐらいの確率はあるよ。なんとなくそう感じた」

「良くて半々……ですか? それになんとなくって……」

「…………ふっ、ならば問題はないな」

「ああ、なんの問題もないよ。着実に目標へ向かって前進している」

「半々……半々かぁ……」

「―――彼女の―――感想は?」

「彼女? あぁ、涼宮さんのことかい? そうだね……」

「やっぱり相応しいね、彼女は。それに尽きる。そんなところかな」

「―――ふふっ……あ―――はは!」

「ふ、相応しい……? 何がですか? 何のことなんですか?」

「くつくつ。なんでもないよ橘さん。他愛もない―――」

「―――愚痴みたいなものさ」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/08(木) 18:27:52.30 ID:YqCqtS1Y0
ここまでー
聡明な方々が予想していた通りの展開?になりつつあります
ペースが安定しているのは書き溜めがあるからであり、なくなれば…………です
安定投下を目指して頑張るます
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:30:23.46 ID:fuMbSHt3O
聡明じゃないワイにはわからんな乙
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:49:26.79 ID:C8QIcaXlO
もしやショック受けたのは佐々木に狙ってたいいのを取られたからとか
「いつから」には「いつから狙っていた」ってニュアンスが含まれてる?
いいのを取られたかキョンは次にいいのを狙うために考えていた?
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:52:15.59 ID:MaRUOpaOO
おつおつー
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:53:09.21 ID:ABpI8on9O
あーなるほどねー
聡明だからわかったわーそういうことかー
いやーそうくるとはねー聡明でよかったー
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 18:58:05.43 ID:gyGTif5Co
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 20:39:25.33 ID:LJta9/Xo0
長門は俺たちの嫁 これで解決
そして乙
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/09(金) 20:40:28.99 ID:ZYH/4ykdO
オレが……オレたちが長門の旦那だッ!
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 08:52:32.98 ID:3YYysgtSO
キョンが企みを全部台無しにしてくれるのを楽しみにしてる
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:06:42.09 ID:+O8N3K5G0
22時半より投下しますー
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:29:18.65 ID:+O8N3K5G0
とうかー
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:31:47.62 ID:+O8N3K5G0

古泉「…………」

古泉「(結局、あれからフリーマーケット巡りは無難に終わり、彼から『佐々木』さんについて語られることはなかった)」

古泉「(彼が何を知ったのか……その答えについてなにかお話いただけると期待しましたが……)」

古泉「よもや、この空間の相手が先とは……」



オォオオオォオォォオオォオォォォォォオオオォォォオオオォオォォォォオォォオオオォォォオオオォオオオ!!!!!!



古泉「閉鎖空間……このところ涼宮さんが落ち着いていたため、久しぶりに感じますね」

古泉「原因は……まぁ言わずとも分かるでしょう。なので……」

古泉「一仕事終えたら、付き合ってもらいますよ―――いいですよね?」

キョン「さっさと行け」バーンッ!

古泉「了解っ!」ドンッッ!!








朝倉「……昼間」

キョン「……はい」

長門「……」

朝倉「なんの説明もせず帰ったのは、ちゃんと時間と場所を変えて説明するつもりだったと?」

キョン「はい……ちゃんと古泉と朝比奈さんのところにも同時に行っています」

朝倉「どう……それはいいとして。まぁきちんと状況説明してくれるなら文句はないわ。聞かせて頂戴」

長門「……わたしも、聞かせてほしい」

キョン「ああ、そのために来たんだからな」








朝比奈「…………」プスプス

キョン「朝比奈さん!? 朝比奈さん!!? 朝比奈さーん!?」

朝比奈「……うへ、あは? 『佐々木』しゃんがキョンくんの中学の? あえ?」

キョン「正気!! 正気に戻ってください朝比奈さん!! クソッ!」

朝比奈「でも、未来は?? 過去がこうで、あれはあーだから?? あええぇ!?」

キョン「説明しにきたら、既にショートしてパンク寸前の朝比奈さんがいた!? なんだこの状況!?」

朝比奈「うぅ……禁則事項? えぇーっと……なんでしたっけ?? PPAP?」

キョン「朝比奈さーーーーーーーん!!!!!!」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:36:29.16 ID:+O8N3K5G0

古泉「ふぅ……戻りました」シュウゥ

キョン「早いな。残業はなしか?」

古泉「ええ、あとは森さんたちに頼みましたよ。あなたを長く待たせるわけにもいきませんしね」

古泉「まったく、あなたも罪なお方だ。こうも簡単に涼宮さんの心理状態を左右させることができるのですから」

キョン「愚痴はまた今度だ。俺も長く話すつもりはない。この場で簡潔に、分かりやすく、テストに出るトコだけを伝えるからな!」

古泉「はい。余裕を取り戻していただいてホッとしましたよ」

キョン「まず、今日会った佐々木だがあいつは元々―――」






朝倉「ええ、ホントにただのクラスメイトだったってのは国木田くんから聞いたわ」

キョン「当時はな。俺がヤツの『力』に気づいていなかった可能性もなくはないが……」

長門「では、いつから彼女はその『力』を自覚した?」

キョン「ま、佐々木が言ってたように、完全に覚醒したのはごく最近の去年の冬頃と考えるのが妥当かもな」

朝倉「そもそも……どうしてあの佐々木さんに『力』が? 今は涼宮さんが持ってるはずでしょ?」

長門「今代の『器』が涼宮ハルヒであるのは間違いないはず」

キョン「あぁ、そうだ。だがあの佐々木は―――」






朝比奈「ふええっ!!? きょ、今日会った佐々木さんは『佐々木』さんの子孫!!?? ええっ??」プスプス

キョン「あ、朝比奈さん冷静に……煙が出かかってます。鶴屋さんが『佐々木』の子孫であるって話はご存じですよね」

朝比奈「え、ええ……古泉くんから聞いてビックリしましたけど……ということは鶴屋さんと佐々木さんは親戚同士?」

キョン「何代も前に血を分けた遠縁の親戚ですがね」

朝比奈「な、なんで佐々木さんが『佐々木』さんの子孫だって分かったんですか?」

キョン「俺は感覚的に『佐々木』の子孫にあたる人間を理解できます。なので中学時代からあいつが子孫であることは知っていました」

朝比奈「え、ええぇ……?? えええぇ??」

キョン「でも、正直言って『佐々木』の子孫なんて数えりゃ山ほどいるんで特に珍しくはないんです」

朝比奈「そ、そうなんですね……なんか、スケールの大きい話ですね」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:41:22.46 ID:+O8N3K5G0

古泉「しかし、それがなぜ、彼女が『力』を有している理由になるのですか?」






朝倉「鶴屋先輩だって『佐々木』の子孫だけど『力』は持ってないでしょ?」






長門「イレギュラー……ではない。前提条件がイレギュラーそのものだった?」






朝比奈「えーっと……じゃあ『佐々木』さんは本当は―――」












キョン「……まあ、検討はついていただろうが」

キョン「概ね、みんなが思っている通りだよ。やっぱり、ハルヒってのは超特大のイレギュラーなんだ」

キョン「『佐々木』の生まれ変わりっつう属性を持ちながら血の繋がりはなく、本来なら『器』には選ばれることはなかった」

キョン「誰が決めたか、どんなルールに従ったかは知らんが、事実として言えるのは―――」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:42:31.50 ID:+O8N3K5G0
















キョン「アイツは……佐々木は、本来なら今代の『器』になるはずだった『力』の正当後継者だ」














66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:47:07.60 ID:+O8N3K5G0

古泉「…………」

キョン「むしろ『力』を持ってしかるべきヤツなんだ、アイツは」

古泉「それが……」

キョン「涼宮ハルヒによって正常に受け継がれなかった。俺はハルヒが突然変異で『佐々木』という自我を押し込めたと思ってたが……」

古泉「『佐々木』の自我は受け継がれていた。それも、正当な後継者に……」

キョン「『佐々木』として覚醒するのが随分遅かったがな。おかげであんなドッキリを仕掛けられる羽目になった」

古泉「……では『力』は現在、涼宮さんと佐々木さんのお二方に分裂しているということですか?」

キョン「そうなる。だが力関係で言えば佐々木が圧倒だ。ハルヒは扱いきれていないからな」

古泉「そうですか……」






朝倉「『力』を奪った涼宮さんの方が覚醒が早いなんて……おかしなものね」

キョン「だが今の佐々木の『力』はハルヒと比べるまでもなく強いぞ」

長門「……あなたよりも?」

キョン「それは…………どうだろうな? ハルヒに奪われた分、俺の方がちっとは強いかもな」ハハ

朝倉「女の子にハンデもらうとか……」

キョン「……」

朝倉「あと聞きたかったことなんだけど、キョンくん。今日佐々木さんに会うまで『佐々木』はナンだと思ってたの?」

キョン「ナンだとは思ってないぞ。カレーにつけようだなんてそんな……」

長門「カレー?」ピクッ

朝倉「キョンくん?」ニコッ

キョン「はい、お答えしますとですね―――」キリッ






朝比奈「えっ、じゃあキョンくんは『力』の正当後継者が涼宮さんの他に存在することを知っていたんですか?」

キョン「まあ、憶測や可能性の域を出ない範囲でしたがね。それがあの佐々木だったことがアンビリーバボーだったわけですが……」

キョン「思えばずっと佐々木佐々木言ってたんだよなぁ……あれは『力』のことじゃなくて当人の苗字だったとはなぁ……」

キョン「オホン、とにかく。俺が驚いたのは『佐々木』が佐々木であったこと。ややこしい言い回しですいません」

キョン「『力』を有すべき本来の正当後継者が他にいたとかは正直、想定の範囲内です」

朝比奈「は、はい……ちょっとまだ少し混乱してるんですけど……」

朝比奈「それで……その、佐々木さんが、姿を現したということは……何かが起きる、起こすということです、よね……?」

キョン「はい。そしてその目的は―――」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:52:44.40 ID:+O8N3K5G0












「『力』の統合……涼宮ハルヒが持つ『力』の一端を、アンタの『力』と統合させ、『佐々木』を完成させる」













「……今更だが確認だ。この目的に異を唱える者は?」

「いいえ……」

「―――ないわ―――」

「結構だよ」

「……よし。目的を達成次第、各々自らの行動方針に従い行動する……が」

「アンタに限って言えばこれは当てはまらない。『佐々木』としての『力』を僕たちに供与する義務がある」

「ああ、いいとも。思う存分使ってくれて構わないよ」

「……僕から言うことは以上だ」

「あの……もし、計画が上手くいかなかったら……?」

「心配はいらないさ。今まで幾度なく失敗を重ねた分、その対応については僕たちは玄人を名乗ってもいいだろう」

「は、はぁ……」

「……臨機応変に対応する。それだけだ」

「(大丈夫かな……?)」

「―――くす」

「おや、何か嬉しいことでもあったのかい九曜さん。思わず笑みが零れるぐらいに」

「―――ええ――――――人形劇……踊れ―――踊れ」

「われらは―――天蓋より―――俯瞰する者」クスクス

「九曜さん……こ、壊れた?」

「いいえ橘さん。彼女も楽しみのようだよ」

「僕たちが織り成す、輪舞曲をね」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:55:52.11 ID:+O8N3K5G0

古泉「『力』の統合……ですか」

キョン「ああ」

古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」

キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えづらいだろ」

古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」

キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」

古泉「あなたがそうであるように?」

キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」

古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」

キョン「当然、お前にもあるんだろう?」

古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」

キョン「頼りにしてるぜ副団長」

古泉「全力を尽くします」

キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!

古泉「ええ、また明日……」

古泉「それにしても……」

古泉「………………橘京子、か」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:57:03.58 ID:+O8N3K5G0

古泉「『力』の統合……ですか」

キョン「ああ」

古泉「……やはりといいますか、我々『機関』が調べ上げた通りの回答です」

キョン「まあな。ここまで来て他の目的があるとは考えにくいだろ」

古泉「具体的にどうやって……と、聞きたいところではありますが……」

キョン「どうとでもなるんだろ。佐々木になら腐るほど手段はあるだろうさ」

古泉「あなたがそうであるように?」

キョン「アイツがそうであるように。俺にだってできることはあるさ」

古泉「さすがです。心底、信頼いたしますよ」

キョン「当然、お前にもあるんだろう?」

古泉「もちろんですよ。涼宮さん及びSOS団は僕にとって全てをかけて守るべき対象ですから」

キョン「頼りにしてるぜ副団長」

古泉「全力を尽くします」

キョン「そんじゃ今日は帰るとする。じゃあな」シュン!

古泉「ええ、また明日……」

古泉「それにしても……」

古泉「………………橘京子、か」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 22:58:08.04 ID:+O8N3K5G0
>>69
連投ミスです
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 23:01:10.34 ID:+O8N3K5G0

キョン「じゃあな―――」シュン!

朝倉「……」

長門「……」

朝倉「……あー! やだやだ! もうホントに手に負えない状況になってきてない!?」

長門「そう?」

朝倉「そう思わない!? 未来人、宇宙人、超能力者に『力』にキョンくんまでいるのよ?」

朝倉「宇宙の中の辺鄙な星での出来事にしちゃちょっと壮大過ぎない? 収まりつくのこれ!?」

長門「……慌てる程じゃない」

朝倉「慌てるわよ!! 観察対象である涼宮さんを堂々と狙うって宣戦布告を受けてるのよ!? しかも敵の大将から!」

長門「そうは言ってない」

朝倉「言ってるようなもんじゃない!! あぁ……自律進化の可能性を探りに来た地でこんなことになるなんて……」

長門「不服?」

朝倉「不ふ……どっちかって言うと」

朝倉「今のこの生活を脅かされてることのほうが不服!! 黙ってやられてやるわけにはいかないわ!」

朝倉「今こそ、敵勢力に対して強行的な対抗策を講じるべきよ!! 相手がキョンくんじゃなきゃまだなんとかなるでしょ!!」

長門「わたしも、そのつもり」

朝倉「……ナイフ砥いどこ!」フンス!

長門「今はナイフより、包丁を砥いでご飯を……」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 23:05:01.47 ID:+O8N3K5G0

朝比奈「なるほどなるほど……全部わかりました!!」プシュゥゥウウ!!!

キョン「頭からいくつも煙が出ているんですけど……本当に大丈夫ですか?」

朝比奈「上に確認してみます!!」プスプス!

キョン「ご自分はご自分で管理してください!!?」

朝比奈「うぅ……ごめんねキョンくん。やっぱり今日はいろんなことがあって頭が追いついていないみたい」シュウゥ

朝比奈「明日また、落ち着いたらいま言ってくれたことちゃんと整理しておくね……ごめんなさい」

キョン「いえいえ、朝比奈さんならきっと大丈夫ですよ」

朝比奈「……キョンくんは」

キョン「はい?」

朝比奈「……仮に、佐々木さんと対することになっても……その」

キョン「朝比奈さん」

朝比奈「は、はい」

キョン「……過去がどうであれ、俺が今所属しているのはSOS団です」

朝比奈「!」

キョン「これでいいですか?」

朝比奈「……はいっ!」

キョン「それじゃ夜分も遅いことですし、これで失礼します。また部室で」シュン!

朝比奈「はい。また……部室で」

朝比奈「…………わたしにも」

朝比奈「わたしにもできることが……あるはず」

朝比奈「考えて……考えて……考えなきゃ!」ムムム
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/10(土) 23:05:58.25 ID:+O8N3K5G0
ここまでーー
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:29:55.43 ID:LRLjZGjKO
や、やっぱ思った通りな展開になってきた(震え声)
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/10(土) 23:33:36.66 ID:2unZ1pfIo
なるほどなーそういうことかー(プスプス
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 02:14:22.44 ID:iPhANUTzo

分かりやすいなー
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 10:07:25.09 ID:aDCZoD1JO
やっぱりな
思ってたとおり朝倉さんが可愛い
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 15:28:49.85 ID:/TFFgxS/O
朝倉さんいいよね…(シュゥゥゥ)
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 16:20:39.01 ID:HU3Bgiuio

佐々木も分裂してたのか
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 21:47:48.76 ID:DIDV3YZVO
つまりハルヒが朝比奈さんで佐々木になった朝倉が可愛いってことだろ?(モクモクモクモク)
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/11(日) 22:41:05.87 ID:gg9hyR7b0
プシュゥゥ(つまりハルヒの力は長門が朝比奈さんにふんもっふしてできたものってわけだ。)
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 00:11:56.05 ID:GQzMARh4o
こいつ……煙で意思疎通を……!?
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 11:11:05.24 ID:9XMavu3VO
ストーリーの展開もさる事ながら、キョン分身を利用してのキャラクター別シーンの繋げ方が秀逸過ぎる……
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/12(月) 15:04:58.06 ID:ZgnoI+rAo
絵だとさらに映えそうだよね
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 13:32:14.87 ID:NXWEkVFk0
14時より投下します
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 13:57:55.35 ID:NXWEkVFk0
投下―
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:01:42.80 ID:NXWEkVFk0

『やぁ』

『ん? あぁ、確か同じクラスの……』

『覚えてくれていてなによりだ。キミは……キョンくん、だったかな?』

『キョンでいい。もはやどんな理由で名づけられたのかも忘れちまったあだ名さ』

『……へぇ。にしても意外だね。キミは学習塾に通うようなタイプではないと思ったんだけど』

『あぁ。まぁ単なる気まぐ、おふくろがうるさいんだよ。このままだと高校も危ういだとかナンダトカー?』

『それなら納得だ。ただ僕としてはキミは学力では測れない聡さを持っているとふんでいる』

『買いかぶり過ぎだ。俺はただの一中学生さ。ストーカーまがいの観察行為を行ってる以外は』ボソッ

『ん? 何か言ったかい?』

『なんでも。まぁ塾も悪くねぇよ。いつもとは違った環境に身を置くことで気分転換になる』

『一つのことに根を詰め込みすぎるとヘタを打っちまうかもしれんしな』

『それがキミの言うストーカーまがいの観察行為のことかい?』

『……聞こえてたなら聞き返すなよ』

『聞き間違いであって欲しかったけどね。まぁ、冗談か比喩表現であることを切に願うよ』

『そうしてくれ。間違っても警察や児童相談所には駆け込むなよ』

『面白いことを言うなぁ、キミは。いっそ実行に移してキミの反応をみるもの愉しそうだ』

『勘弁してくれ』

『考えておくよ。おや、もう講義の開始の時間だね……キョン』

『なんだ?』

『これも何かの縁だ。卒業まで、仲良くしてくれるとありがたい』

『ああ、よろしくな―――』

『……よろしく―――』
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:06:06.29 ID:NXWEkVFk0

中庭


キョン「とまぁ……ハルヒに近づ離れずの距離を保ちながらの中学生活だったさ」

古泉「本当に平凡な中学生活を送ってらっしゃったのですね」

キョン「何を想像してたんだよ」

古泉「涼宮さんを見守る傍ら、敵国からの刺客との戦闘や、潜入任務などを行っていたのかと……」

キョン「なんの映画だよそりゃ。てか敵国って何だ」

古泉「こうであったらなという、ただの僕のイメージです」ニコッ

キョン「どんなイメージだよ。まぁ確かに、わざわざ俺が普通の中学生を演じる必要もなかっただろうが……」

キョン「ほんとうに……なんとなくだよな、うん。それこそ気まぐれだ」

古泉「気まぐれ……ですか?」

キョン「ああ。なんでだろうな? 今となっちゃほんとになんでだろうと感じるんだが……」

キョン「アイツが『佐々木』だと分かった今……なんらかの因果だったのかと考えざるを得ないな」

古泉「……運命に導かれた二人、ですか」

キョン「洋画のキャッチコピーみたいな言い回しやめろ」

古泉「んふっ。言い回しと言えば……これはどうなんでしょうね?」ピラッ




【挑戦者求ム!!! 文芸部室ニテ待ツ!!! 文芸部!!! ※ただし、面白い人間に限る】




キョン「…………隠す気も隠れる気もないよな、アイツ」

古泉「涼宮さんらしいですよね。しかし、目を引かれるキャッチコピーではあるものの」

古泉「こうして中庭のど真ん中に陣取っているにもかかわらず、中々新入生は目を向けてはくれませんね。どうしてでしょう?」

キョン「見ちゃいけません、って本能が告げているんだろ。正常な反応だ」

キョン「それに正体不肖の団に進んで入ろうなんて輩は……できればいてほしくはないな」

古泉「いいではありませんか。未来人宇宙人、超能力者の連合に攻め入られるよりかは」

古泉「そちらの方がよっぽど可愛げがありますよ」

キョン「どうだかな」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:11:27.09 ID:NXWEkVFk0

キョン「新入生に新学年に新学期か……新しいものばかりで俺には眩しすぎるぜ」

古泉「新入生を入団させることによってSOS団の戦力アップというのが涼宮さんの望みでしたが……」

キョン「……戦力アップとは意味深な」

古泉「都合が良すぎますかね? 今の我々を救済する助っ人がこの中に紛れ込んでいるのかもしれませんよ?」

キョン「そんな実力を持つ奴が現れたら、第三勢力であることを疑った方が良いな」

古泉「ごもっともです。つまりは、現存の戦力で対抗するほかない、ということですね」

キョン「俺は平和主義者なのになぁ……嵐の前の静けさというか、こんな心地のいい日を過ごしてる場合じゃ……」

キョン「……Zzz」

古泉「言ってる傍から油断ーーっ!!?」ガーン!

古泉「……とはいいますが。僕も可能であるなら、このままこの青春とも言える日々を安全に謳歌したいものですね」

古泉「そうは思いませんか、長門さん?」

長門「……今までも、決して安全とは言い難い日々」ペラッ

古泉「ははっ、仰る通りです。では、刺激的な日々とでも言い換えましょうか」

長門「……それを今後も保持するのがわたしの役目。わたしたちの役目」

古泉「同感です。あなたにそう言っていただけますと、非常に頼もしいことこの上ありませんよ」

長門「……そう」

キョン「Zzz……んごあぁ」

古泉「……まったくもって、平和ですね」

長門「……」ペラ
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:16:04.17 ID:NXWEkVFk0

会長「む」ピクッ

キョン・長門「「よかろう」」ドンッ!

会長「なにがだ!!! 貴さ……ッ! コホンッ。キミたち、ここでなにをしている」

キョン「見ての通り、新入生の勧誘だ。ちゃんと生徒会に申請したはずだが?」

会長「もちろん、文芸部名義では申請は通ってはいる。しかし、キミたちが行っているのは本当に文芸部への勧誘活動かね?」

キョン「そう見えないか?」

会長「……ふん」ピラッ

会長「……文芸部に何を挑戦しろというのかね、このチラシは」

キョン「……長門、言ってやれ!」

長門「………………大食い?」

会長「……本気で言っているのか?」

長門「…………」ペラ

会長「…………食えん集団だな。好きにするといい」

キョン「大食いだけに?」ボソッ

会長「あ?」

古泉「どうも。会長も見回りご苦労様です」

会長「ああ。春はどうも気分が浮かれるらしく、不遜不埒な輩が我が学園にも増えてしまって敵わん」

会長「キミたちも、公序良俗校内規制を遵守し、学園生活を送るように」

会長「ここにはいない、例の団長と名乗る人物にもそう伝えたまえ」

キョン「へいへい。言っても聞かないと思うけど」

会長「彼女の手綱を引くのがキミの役割と伺っているが……違うのかね」

キョン「違うよな? な?」

古泉「さあ。個人的に、あなたほど適した人間はいないとは思いますけどね」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:22:12.01 ID:NXWEkVFk0

会長「過激苛烈な行為は控えるように。では失礼させてもらう」クルッ

喜緑「失礼します」ペコッ

キョン「うおっ!! いたんだ喜緑さん……」

古泉「できるだけ視界に入れないようにしていた人がなにを言っているんですか」

ハルヒ「キョーン! 古泉くーん! 有希ーーっ!!」ダダダッ!!!

朝比奈「ひ、ひえぇ!! ま、待ってくださぁい涼宮さぁん!!」ヨタヨタ

ハルヒ「今あの陰険会長がいなかった!!?」

会長(偽)「バカモーン!! そいつがルパ―――」

ハルヒ「いやがったわね!!!!」バチンッッ!!

キョン「いたらそうするつもりだったの!!?!?!?」ドテン!

朝比奈「きょ、キョンくぅん……」

ハルヒ「あら、キョンだったのね。全然気づかなかったわ。さすがね、褒めて差し上げ仕りたてるわ」

キョン「分かったうえでビンタしただろ、しかもなんだその日本語……で?」

ハルヒ「で?」

キョン「目ぼしい新人はいたかよ? 未来の団長になり得そうな潜在犯は」

ハルヒ「だれが潜在犯よ。それがね、今年の新人はダメね!! 消極的なヤツばっか!!」

ハルヒ「まず誰もあたしたちに近づこうともしないのよ!? ありえなくない!?」

キョン「それが正常だろ。あぁ、朝比奈さんの魅力に気づかないやつがいたならそいつは愚鈍の称号をやってもいいな」

ハルヒ「みくるちゃんの可愛さだけにつられてくるようなやつには速攻入団拒否にしといたわよ! 当たり前でしょ!」

古泉「こちらにも、入団希望の新入生は訪れませんでしたから……今年は入団希望者はいないのかもしれませんね」

朝比奈「そうですかぁ……」

ハルヒ「まだ諦めるのは早いわよみくるちゃん! 後日、何らかの理由で今日これなかった有望株が部室に訪れるかもしれないわ!」

ハルヒ「来たら入団テストをするのよ!! 今の内にテスト内容を考えておかなくっちゃ!!」

キョン「第一関門は俺か長門のどちらかを制限時間内に倒しきることとか……」

古泉「現代兵器の使用の許可をいただきたいものですね」

ハルヒ「てわけで! これ以上の長居は無用!! 撤収撤収ーっ!!」

キョン「やれやれだ」




























「フフ、お世話になりますよっ、先輩っ♪」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:27:40.76 ID:NXWEkVFk0

翌日


谷口「しっかし、新鮮味のねぇクラスだな、おい」

国木田「いいじゃない。見知った顔が多い方が谷口の奇行も目立たないよ」

谷口「お前は俺のことどう思ってるんだよ!!? ったく、なあキョン、お前はどう思う?」

キョン「自己紹介がまだだったな、俺はキョンだ」

谷口「いらねーよ!!? ていうかついにお前は俺の名前どころか存在を抹消しにかかってないか?」

キョン「冗談だ、谷村」

谷口「冗談になってねぇじゃねーか」

国木田「あ、そうそう。キョン、この前は大丈夫だったかい?」

キョン「ん。あぁ、心配ない。悪かったなあん時は」

谷口「なんの話だ? お前ら、俺のいないとこで女絡みでもしてるんじゃないだろうな!」

国木田「うーん。女性絡みと言えば、そうならなくもないのかな?」

谷口「なんだとっ!!? 抜け駆けか!!?」

国木田「僕とキョンの同級生にたまたま二人で遭遇したんだよ。その人が女性ってだけ」

谷口「可愛いのか?」

国木田「だってさ、キョン」

キョン「なぜ俺に聞く?」

谷口「だってよぉ、それって話に聞くキョンの中学時代の『コレ』だろ? ん? 1年の時言ってた変な女だとかいう」

キョン「……国木田」

国木田「ごめんよ。ただ、ここまで勘違いしているのは谷口にも過失があると思うんだ」

谷口「くぅーっ! どいつもこいつもなんだかんだ青春しやがって!! ちくしょう!!」

キョン「……やれやれ」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:31:49.12 ID:NXWEkVFk0

古泉「ほう、谷口さんにもからかわれたと」

キョン「語弊があるな。あいつにからかわれたなんて、思いたくない信じたくない負けたくない」

古泉「なんの勝負ですか……しかし、話を聞く限り、あなたと佐々木さんとの関係の親密さは恋人と錯覚するほどですからね」

キョン「別に普通だろ? 塾の行きかえりに自転車で…………あ」




佐々木『いやぁ、それにしても久しぶりだね、こうしてキョンと自転車を押しながら帰るというのも』

キョン『いや、こんなシチュエーションに覚えはないぞ? 意外といえば意外かもしれんが……』




キョン「(そういやあいつ、消失世界でこんなこと言ってたな……そういうことだったのか)」

古泉「どうかしましたか?」

キョン「ん? あぁ、だから塾の帰りに自転車で自動車と並走して帰るぐらい普通だろ?」

古泉「……異常ですが??」

キョン「アレー?」

朝比奈「涼宮さん、お茶です」

ハルヒ「ありがとみくるちゃん!」カタカタ

朝比奈「なにつくってるんですか?」

ハルヒ「新入団員へのテストよ!! テスト内容は極秘だから口外禁止よ!!」

キョン「(Q1『SOS団を志望する動機を教えなさい』)」

ハルヒ「(はい。御団の不思議に対する熱意が―――!)」

ハルヒ「メンタリズムもテレパシーも禁止!!!」ウガーッ!

キョン「へーへー」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:36:12.01 ID:NXWEkVFk0

鶴屋「やっほーっ!! みんなっ! いるかいっ!?」バンッ!

ハルヒ「鶴ちゃん! やっほーっ! なになに? どうかしたの!?」ハイ!

鶴屋「そうそうっ! またまたお誘いっさ! 花見大会第二弾っ!!」ターッチ!

朝比奈「あれ? お花見ならこのまえしませんでした?」

鶴屋「みーくーるーぅ、あれはソメイヨシノくんたちのお花見だよっ! 今回は八重桜っさ!!」

鶴屋「家の庭に天然の八重桜ちゃんたちが生えてるから是非と思ってね!!」

キョン「けふ九重に匂ひぬるかな」

鶴屋「いにしへの〜……ってキョンくん早っ!! 下の句が上の句になっちゃってるよ!? 傑作だねこりゃ!」アッハッハッハ!

キョン「しづこころなく花の散るらむ」

ハルヒ「ひさかたの〜……むぅ!」

キョン「花ぞ昔の香にほひける」

鶴屋「ひとはいさ〜……すっげー! キョンくんすっげーっ!!」

キョン「エスパーですから」ドヤッ!

古泉「文化や定型をも変えてしまうのはやめていただけませんか?」

鶴屋「じゃあじゃあ、逆に……身をつくしても 逢はむとぞ思ふ!」

キョン「わびぬれば 今はた同じ 難波なる」
 
鶴屋「あっはっは!! ホント、さっすがキョンくん!! 魅せてくれるねぇ!」

朝比奈「……あの、これってどういう遊びなんですか?」

古泉「短歌はご存じでありませんか? 彼はそれを先読みして順序を入れ替えているんですよ」

朝比奈「???」

古泉「例えば、今の歌でいいますとわびぬれば、から始まる上の句に続く下の句を答えればいいのですが」

古泉「逆に下の句から上の句を連想するという遊びに発展したみたいですね」

朝比奈「わ、わびぬれば……ってどういう意味でしたっけ?」

長門「現代語訳にすると『これほど思い悩んだのだから、今はどうなっても同じ」

長門「難波の海に差してある澪漂ではないが、この身を滅ぼしてもあなたに逢いたいと思う』」

長門「情熱的な……恋歌」

朝比奈「へぇ……素敵ですね」

古泉「身を滅ぼすほどの覚悟を持った歌……ですか」
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:40:33.32 ID:NXWEkVFk0

鶴屋「あぁみくる あぁあぁみくる あぁみくる!」

キョン「あぁ朝比奈さん あぁ朝比奈さん」

鶴屋・キョン「「……さすが!!」」グッ!

ハルヒ「……なにが!!??」ガーン!

鶴屋「てわけでっ! あたしはこれにて失礼するよっ! 本年度もよろしくねっ!」バビューン!

古泉「さながら旋風のようなお方ですね」

ハルヒ「鶴ちゃんのおかげでゴールデンウィークの予定がまた埋まったわ!! 感謝しなくっちゃ!!」

キョン「お花見もいいが、この団の活動内容としてはそれでいいのか?」

ハルヒ「いいトコに気が付いたわキョン!! あんたにしては鋭い指摘よ!! これで実績±0に大きく近づいたわね!!」

キョン「なんで現在マイナス評価なんだよ」

ハルヒ「SOS団としての本来の活動も疎かにしてはいけない、というわけでっ!!」

キョン「解散っっ!!」

ハルヒ「んなわけあるかっ!! てわけで明日! 土曜日!! 朝九時駅前集合して通算ホニャララ目の不思議探索やるわよっ!」

長門「49回目」

朝比奈「もうそんなにやってたんですねぇ」

古泉「早いものです」

ハルヒ「SOS団も創設してそろそろ二年目に差し掛かる今がチャンスなのよ!! 陽気にあてられて油断しているトコを狙うのよっ!」

キョン「……z」ウツラウツラ

ハルヒ「こんな……風にねっ!!」シュッッ!!! 

キョン「――――――残像だ」ゴッシャァア!!

古泉「ええ、残像が見える勢いで吹き飛んでいましたよ。大丈夫ですか?」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:44:26.14 ID:NXWEkVFk0

ハルヒ「明日はーどこまわろうかしら? みくるちゃん、どっか行きたいとこある?」スタスタ

朝比奈「うーん……もう温かくなってきましたし、公園をのんびり歩いたりとか?」スタスタ

ハルヒ「いいわねっ! 全員逆立ちで後進したらなにか起きるかもしれないわ!!」

朝比奈「その光景が不思議そのものですよ!?!? 普通にお散歩しましょうよぉ」

ハルヒ「それじゃ普通すぎるもの。ねっ、有希はどっか行きたいとこある??」

長門「どこでも」

ハルヒ「いいわねっ!! 採用!! 有希らしい!!」

朝比奈「ええっ!?」






古泉「こう下校していると、つい先日、想定外の遭逢があったとはとても思えないですね」

キョン「大戦争でも期待してるのか?」

古泉「まさか。申しました通り、僕はこの日々を心より謳歌したいと思っていますよ」

キョン「ならいいじゃねえか。お望みの日常を過ごしてるんだからよ」

古泉「……そう楽観視できないのも、また事実であり、僕が恐れている事なのですよ」

古泉「未だに敵対勢力の所在は不明のままです。機関は常に厳戒態勢ですよ、もちろん僕もね」

キョン「そうだな。結局、佐々木もあれ以来消息を絶ってやがるし、今度はなにを企んでいるやら……」

古泉「今度ではなく、次が最後……と考えているのでは? だからこそ彼女は姿を現した」

古泉「機が熟したのか、それとも勇み足なのかは定かではありませんが」

古泉「ある程度の勝算は持ち合わせていると考えています」

キョン「こっちにゃねえのか? その勝算ってやつは」

古泉「お言葉を返すようですが、あなたになければ、僕はお手上げですよ」ニコッ

キョン「……ったく」

キョン「勝算…………か」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/13(火) 14:45:05.84 ID:NXWEkVFk0
ここまでい
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 15:06:01.12 ID:fMgef807o
おつー
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 15:25:12.79 ID:wvmQEpVTO
おつんつん
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/13(火) 19:56:11.16 ID:6ChhZTHRo
乙!
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 11:32:40.09 ID:B8rBMF6MO
しょうさんならあるぞ!誉めて称える!(プスプス)
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 11:36:40.11 ID:fF3hGUJco
乙です
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/14(水) 21:27:38.21 ID:0p049XhO0
乙です
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 22:26:01.45 ID:awzGWjsZ0
23時より投下しますー
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/17(土) 22:41:42.38 ID:eZ+RpnAE0
待ってたぜ!
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:00:32.67 ID:awzGWjsZ0
とうかー
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:06:10.43 ID:awzGWjsZ0

「さて……運命の日だ」

「ヨハネの目次録よろしく、今日がこの世界の最期の日になるかもしれないね」

「そ、そんなぁ……」

「うまくいけば、そうはならない……はずだ」

「―――……行く?」

「ああ、行こうか。終わりを始めるために」

「ふ、不吉なこと言わないでくださいー!」

「……大丈夫だ、大丈夫」

「ふぇーん! 巨乳フェチさんがなんか優しくて不気味ですしぃ!!」

「その名で呼ぶのはやめろ!!! 最近呼ばなかっただろうが!!!!」

「くつくつ、そうして緊張を解いておいた方がいいかもね。余裕を持っておこう」

「しかし僕はキョンが相手となると、うっかり油断しかねないから」

「……気を引き締めておこう」

「……っ!」ピリピリ

「(ひっ……! さ、佐々木さん威圧感凄すぎ……)」

「―――く―――ふふ―――」























「…………うーん」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:12:09.35 ID:awzGWjsZ0

ピピピピピピピピピピピ!


キョン妹「……」ジリ

キョン「……」ジリ

キョン妹「……キョンくん、目覚まし鳴ってるよ? 止めないの?」

キョン「ああ、止める。しかし本来なら目覚まし時計なんてもんは完全に目覚めてから止めるべきではないと思うんだが?」

キョン妹「そーなの??」

キョン「そうだとも。妹よ、何故本来の起床時間の3時間も前からお前に起こされ、こうして膠着状態を維持しなきゃならなかったんだ」

キョン妹「今日はキョンくん用事があるから出かけるって言ってたから、寝坊したら大変だと思ってー!」

キョン「そうか……お前なりの心づかいだったんだな。それは感謝しておく」

キョン妹「うん! 心づかい!!」

キョン「けどな……できれば次からは殺気をしまって起こしに来てくれ」

キョン妹「えーっ!?」

キョン「吃驚して飛び起きた拍子に攻撃してしまうかもしれんからな」

キョン妹「あははーっ! 攻撃? どんとこいだよーっ!! あ! 朝ごはんそろそろできるから降りてきてねーっ!」ダダダッ!

キョン「……末恐ろしい娘だ」ゴクリ

キョン「…………」ザワッ

キョン「……今度は間違えねーぜ。佐々木よ」

キョン「今日が……そうか」

キョン「…………ふっ」

キョン「どんとこいだ」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:16:32.29 ID:awzGWjsZ0

古泉「……はい。はい……了解です。それでは」ピッ

古泉「…………ふぅ」

古泉「(……このタイミングで橘京子を含む敵対勢力を捕捉したということは)」

古泉「今日がそのXデーというわけですか……」

古泉「……本当につかの間の青春でしたね」

古泉「願わくば……杞憂であってほしいものです」

古泉「……と、僕が願っても、仕方がありませんね」ハハ






朝倉「……長門さん」

長門「……姿を消していた天蓋領域の座標情報を確認。敵性勢力と同行しているとみられる」

朝倉「あたしには待機命令がでたわ。こんな時に……ッ、長門さん、大丈夫?」

長門「……確実性は保証できない。しかし」

長門「彼がいる」

朝倉「……そうね。それがなによりも頼りになるものね」

長門「そう」

朝倉「……でもね、長門さん。忘れないで、あたしはあなたのバックアップ」ギュッ!

朝倉「助けてほしくなったら、ちゃんと言ってよ?」

長門「……分かった」

朝倉「じゃあ……行ってらっしゃい」

長門「……行ってきます」






朝比奈「み、未来からの最優先コード……?」」

朝比奈「こんな急に……『警戒せよ?』……こ、これだけ!?」

朝比奈「な、なんのこと……あ、でも……そっか、そうなんだ」

朝比奈「てことは、今日が佐々木さんたちが……」

朝比奈「…………よし」

朝比奈「(まだ不完全だけど……もしもの事態になったら……)」

朝比奈「……頑張らないと!」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 23:20:50.42 ID:awzGWjsZ0

キョン「行ってき」

キョン「ます」シュン!

朝比奈「あっ、キョンくん」

古泉「おはようございます」

長門「……」

キョン「おーっす。例によってハルヒが最後か。いつもどおりで安心したぜ」

古泉「いつもどおりとは……言い難い状況ではありませんか?」

朝比奈「ですよね……」

長門「我々も状況は把握済み」

キョン「なるほど……話が早くて結構だ。それで……どうする?」

古泉「どうもこうも……申し上げた通り、僕たちの勝算はあなたです」

古泉「あなたがなにもできない、なにもしないというのならば僕たちには打つ手はありません」

キョン「ならただ黙って見てるってのか?」

古泉「まさか。打つ手がないなら、足でも頭でも、できることならなんでもやりますよ」

キョン「ん?」

古泉「?」

朝比奈「わ、わたしも! なにか役に立てることがあれば……その」

長門「統合思念体は現状維持を望んでいる。現在の環境を保全することがわたしの役目」

キョン「頼もしいなみんな。もちろん、俺も……」

キョン「黙ってやられてやることなんてありえねぇよ―――」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/17(土) 23:27:04.05 ID:awzGWjsZ0












キョン「よぉ、親友」

佐々木「やぁ、親友。この前ぶり」












キョン「お友達も、ご一緒のようで」ジロッ

佐々木「ああ。この前言っていたとおり、紹介したい友人たちだよ。自己紹介は必要かな?」

藤原「……ふん」

朝比奈「あ、え、えっと……」

周防「――――――」

長門「………………」

橘「いつ……古泉さん。お久しぶりです」

古泉「……お久しぶりです。橘さん」ニコッ

キョン「いらないみたいだぜ」

佐々木「そのようだね。ところで涼宮さんがいないみたいだけれど?」

キョン「直に来るさ。ハルヒに用でもあるってのか? 10文字までなら伝えてやるぜ」

佐々木「遠慮しておくよ。直に来るなら少し待とう。その間……」

佐々木「どうだろうか。お互いに親睦を深めるために立ち話でも」

藤原「……僕から話す」

キョン「まだ聞くとも言ってないぞ」

藤原「いいや、言わせてもらう。僕としては、まだ話し合いの余地はあると思っているからな」

古泉「……では、お話をお聞かせ願いますか? もちろん、双方にとってメリットのある内容で」

藤原「……ふん」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:30:43.65 ID:awzGWjsZ0

藤原「『力』の統合……知っての通り、僕たちの目的はただそれだけだ」

藤原「涼宮ハルヒの持つ『力』の一端を回収し、『佐々木』を完成させる……分かるな?」

キョン「ああ」

古泉「ですが、そうする必要性が感じられません。僕らからすればね」

藤原「必要性? 何をバカな。それを言うならば涼宮ハルヒが『力』を保持する意味なんてないだろう」

長門「情報統合思念体は涼宮ハルヒの持つ自律進化の可能性に興味を持った」

長門「『佐々木』でも『力』でもなく、涼宮ハルヒという生命体に関心を抱いた」

長門「その存在を排除しようと言うならば、無視はできない」

藤原「それはお前たちが『佐々木』という存在を知りえなかったからだ」

藤原「『佐々木』の完全な『力』を前に、涼宮ハルヒの『力なんてものは井の中の蛙でしかない」

藤原「自律進化の可能性とやらを知りたいのなら、完全な『力』を観測する方が早いんじゃないか?」

長門「それは―――」

藤原「それに、今の状態の涼宮ハルヒに『力』を持たせておくのは危険極まりない」

藤原「去年一年だけでも、どれだけの事件を乱発した? 不安定すぎて安全性に欠ける」

キョン「だよな」コクン

古泉「あなたどちらの立場ですか……」

藤原「その度に情報処理や証拠隠滅に奔走しなければいけないのは、あんたたちだろう?」

藤原「観測が目的だというならば、今の状態は合理的とは言わない。無駄な行動が多すぎる」

長門「……」

藤原「『力』を統合してからゆっくり観測すればいい。お前たち宇宙人が求めているものはそこにあるだろう」

長門「……違う」ボソッ

キョン「……」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/17(土) 23:34:45.91 ID:awzGWjsZ0

藤原「あんたからは何か言いたいことはないのか?」

古泉「僕ですか? そうですね、今までのことからあなたたちには言いたいことが塵の山ほどあるんですが」

古泉「超能力者という立場から言わせてもらえば、『力』は涼宮さんが持つべきものです」

藤原「お得意の信仰か?」

古泉「ええ、まぁ。超能力者の性と言いますか、言葉では説明できない本能といってもいいものでしょう」

古泉「そうあるべきだ、と遺伝子レベルで認識しているのですよ。それを覆すことはできません」

藤原「……まぁ、涼宮ハルヒの『力』の影響によって生まれた超能力者らしいといえば、らしいが……」

橘「神は、二人もいりません」

佐々木「おや……」

橘「古泉さん。あなたたちが涼宮さんを神だと信じて疑わないように、あたしも佐々木さんがそうであると思っています」

橘「『力』は二分されていていいものじゃない。唯一、本当の神だけが持つ者なのです」

古泉「ここは日本です。神様なんて八百万の数ほどいますよ」ニコッ

橘「話を逸らさないでっ! いっつもあなたは……ッ! っ、ごめんなさい……」

古泉「…………」

藤原「……分かった。分かったよ、もういい」

藤原「宇宙人にしろ超能力者にしろ……何を言っても折れるつもりはないらしい」

長門「当然」

古泉「もとより、そのつもりです」

朝比奈「あの、わたしは……?」

藤原「……話し合いや交渉の余地はあると思ったが……やはり考えを改める必要はなかったのかもしれないな」

藤原「決裂だ。僕たちとあんたたちは相容れない……残念だがな」

キョン「……ほぉ、本意か。随分としおらしくなっちまったじゃねーか、藤原よ」

藤原「…………佐々木」

佐々木「ああ、分かっているとも。僕は僕が為すべきことをするだけだよ」
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