絵里「ハッピーバースデー希」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 14:44:50.46 ID:J7NrhMSmo
アニメ時空とかはあんまりかんがえてません

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496900688
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 14:48:41.81 ID:J7NrhMSmo
ピピピピ

絵里「……ん、もう朝……」

絵里(朝目覚めていつもの習慣で時間と一緒に日付も見る)

6月8日

絵里(この時の私は今日の日付を見ても何も思わなかった)

絵里(この日付の意味をあとで知ることになる)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 14:53:23.53 ID:J7NrhMSmo
希「えりち、おはよう」

絵里「おはよう、希!」

希「あれ、なんか今日やけに元気やん」

希「なにかあったん?」

絵里「なにかあったのじゃないでしょ、希」

絵里「今日は待ちに待った特別な日だわ」

希「え? なんやっけ?」

絵里「全国一斉模試の日よ!」

希「あぁ、なるほど」

希「そんなん楽しみにしてるんはえりちだけやと思うで」

絵里「そうかしら。楽しいじゃない」

絵里「成績には反映されないから気軽にできるし」

絵里「しかも全国レベルで何位か知ることができる」

絵里「こんな行事はこれくらいのものだわ!」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 14:58:00.66 ID:J7NrhMSmo
希「はいはいそうやね」

絵里「ちょっと、ずいぶんやる気なさげなのね、希」

希「一般的な態度よ、うちは」

希「なんなん? 一位でも取るつもりなん?」

絵里「そんなのとれるわけないでしょ。おそれ多いわ」

絵里「何位か自分の位置が知れることが楽しいじゃない」

希「えりちの理解できひんところのひとつになったわ」

絵里「え? そんな距離置くところかしら。おかしい、私?」

希「好みは人それぞれやから」

絵里「それ理解できないときに言う定型句じゃない!! やっぱりダメ?」

希「うんダメ」

絵里「言っちゃった! ついに言っちゃった!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 15:03:31.92 ID:J7NrhMSmo
希「えりちのバーカ! えりちなんてずっと机に向かう机女になっちゃっえばええねん!」

絵里「えぇ、なにそれ」

希「机女は今うちがつくった」

絵里「でしょうね。既存の妖怪みたいな言い方してたけどそうでしょう」

希「でもえりちにぴったり」

絵里「私ってそんなに机のイメージなでしょう?」

希「あるからつけたん」

絵里「ちょっと、嘘でしょ!?」

希「…………」

絵里「なんか言ってよ!」

希「ま、机言っても勉強だけとは限らんしな」

絵里「生徒会のこと言ってる?」

絵里「それならまぁ、わからなくもないけど」

絵里「でも机女なんて称号は認められないわっ」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 15:08:48.37 ID:J7NrhMSmo
希「じゃあ机っ娘(つくえっこ!)」

絵里「あ、それならかわいくて……」

絵里「って結局おんなじじゃない!」

希「あ〜、バレたか」

絵里「人のことばっかりバカにして」

絵里「希にだって悪いところのひとつやふたつあるのよ」

希「そんな必死にならんでも」

希「じゃあ机っ娘みたいになんか付けて?」

絵里「えぇ? 希から言うんだ……」

希「悪いところいっぱいあるんやろ?」

絵里「い、いっぱいなんて言ってないわ!」

絵里「…ひとつかふたつよ…」

希「じゃあその悪いところからあだ名が生み出せるはず」

絵里「ええ…う〜ん…」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 15:15:47.18 ID:J7NrhMSmo
希「でもえりちはこういうの思い付かなそうやね」

絵里「ええ、そうかも」

希「…遊び心ないから…」ボソッ

絵里「ちょっと、聞こえたわよ!」

絵里「聞き捨てならないわね」

絵里「意地でもあだ名を考えてみせるわ!」

希「テキトーでええやん」

絵里「だめよ」

絵里「希にぴったりで面白くてしかもかわいいやつじゃないとだめ」



希「えりち、もう模試始まるよ?」

絵里「待って……もう少しで……」

絵里「喉元まで出てるのよ」

絵里「……こいつをなんとか引っ張り出して……っ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:24:45.19 ID:J7NrhMSmo



希「えりち、模試はどうやった?」

希「ってその暗い顔見るとよくなかったみたいやね」

絵里「…うまく集中できなかったのよ…」

希「もしかしてうちのあだ名を考えてたから?」

絵里「ええ」

希「ふっ」

希「ふふふ…」

絵里「なにがおかしいのよ」

希「そんなに真剣に考えてるえりちが面白かった、ふふ」

希「そんなに真剣に考える?」

絵里「むぅ」

希「ぱっと切り替えてテストに集中できそうなもんやけど」

絵里「…仕方ないでしょ、集中できなかったんだから…」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:27:54.11 ID:J7NrhMSmo
希「で、結局思い付いたの?」

絵里「…まだ…」

希「えりちはかわいいね」

絵里「急になによ…///」

希「そんなことに真剣に悩めるえりちがかわいい」

絵里「なんかバカにされてるみたい」

希「そんなことないよ?」

希「うちそんなえりち大好きやもん」

絵里「ちょ、ちょっと、そんなこと正面から言う?///」

希「照れてるえりちもかわいい」

絵里「///」

希「ごめんね」

絵里「え?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:34:12.47 ID:J7NrhMSmo
希「うちがあだ名をつけてとか余計なこと頼まなければえりちは楽しみにしてた模試に集中できたのに」

絵里「いいわよ別に。希の謝ることじゃないわ」

希「謝りたかったから」

絵里「ふふ、なによそれ」

希「ごめん」

絵里「謝らなくていいって言ってるでしょ? 私がそんなことで希のことを嫌いになるとでも思ってるの?」

希「……」

絵里(え? 本当にそう思ってるの?)

希「うちってけっこう余計なこと言いがちやから」

希「えりちのことを傷つけたこともあると思うし」

絵里「…バカね」

希「ちょ、バカって──」

ナデナデ

絵里「そりゃ傷つけたらだめだけど」

希「………」

絵里「私はそんなことじゃ希のことは嫌いにならないし」

絵里「離れたりもしないわ」

絵里「だって私たち友達でしょ?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:38:11.57 ID:J7NrhMSmo
希「と、友達…///」

絵里「そこで照れるの? 変な希ね」

希「えりちだってさっき照れてたやん」

絵里「そ、それは急に好きとか言われたら照れるわよ」

希「えりちも変わってる」

絵里「はいはい。じゃあふたりとも変わった人間ってことでいいでしょ?」

希「テキトーやん」

絵里「うふふ」

希「…………」

絵里「…………」

希「いつまでうちの頭撫でてるつもりなん?」

希「さっきからずっと撫でつづけてるけど」

絵里「希の頭撫でてたらだんだんクセになってきちゃった」

希「だから?」

絵里「ずっと撫でてる」

希「なんでやねん!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:54:23.91 ID:J7NrhMSmo



希「まあ確かにうちとえりちは友達やね」

絵里「ん?」モグモグ

絵里「急になに?」ゴクンッ

希「ほら、模試のあと話してたやろ?」

絵里「ええ、そうね」

希「えりちから友達やって言われたときは照れちゃったけど」

希「冷静に考えてみるとたしかにうちらは友達やなって」

絵里「ふふふ」

希「なにかおかしい?」

絵里「お昼ご飯食べながらそんなこと考えてたの?」

希「いやあれからずっと」

絵里「冷静に考えないと気づけないってどうなの?」

絵里「だって私たち一年生の頃からずっとふたりでいたのに」

絵里「どう考えても友達でしょ」

希「うん。今はそう思う。でも友達ってイメージとちがった」

絵里「なによ。私といて楽しくなかったの?」

絵里「ってまあ楽しくはないか。私ってそんなに付き合いがいい方でもないし生徒会もやってるし」

希「そういうことやない」

絵里「え?」

希「たしかにえりちはぜんぜん遊んでくれないし生徒会のことばっかやけど」

絵里「むぅ」

希「なんですねてるの。えりちが自分で言ったんやん」

絵里「まあね」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 18:58:24.56 ID:J7NrhMSmo
希「友達って楽しく遊んでキラキラしてるイメージなん、うち」

絵里「うん」モグモグ

希「いつも一緒にいて」

絵里「うん」モグモグ

希「思ってることもすなおに話せる」

絵里「ええ」モグモグ

希「でもうちらはそうやないやん」

絵里「むぐっ!?」

絵里「」ゴホゴホ

希「え、えりち大丈夫?」

絵里「え、ええ」ハァハァ

絵里「いきなりとんでもないこといわないでよ」

希「え?」

絵里「わたしたちだっていつも一緒にいて思ってることすなおに話してるでしょ?」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:19:40.58 ID:J7NrhMSmo
絵里「そりゃ楽しく遊んでるとかキラキラしてるとかは知らないけれど」

希「もちろん友達やと思ってるよ?」

希「ただイメージとは違ってて」

希「うちの持ってたイメージは子どもじみてたなと」

絵里「へえ」モグモグ

希「うちはえりちと一緒におって楽しいしえりちが好き」

希「それでいいんやなって思ったん」

希「だからうちは今が最高」

絵里「なら良かったわ」

絵里「私となんて友達じゃないって言われたらどうしようとそわそわしてたわ」

希「そんなこと言わへんよ」

絵里「でも希の持ってる友達のイメージは子ども染みてるなんておろそかにしなくてもいいと思うわよ」

希「え?」

絵里「けっこうそういうの素敵だって思うわ」

絵里「たしかに現実と理想はちがうけれど」

絵里「理想を持っていると言うことは大事よ?」

絵里「だから大切にしてほしいな」

希「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:22:58.46 ID:J7NrhMSmo
希「…えりちに…」

絵里「え?」

希「えりちに期待してもいい?」

絵里「なにが?」

希「理想の友達」

絵里「ああ、そういうこと」

絵里「任せなさい!」

絵里「いままでずっとふたりで友達をやってきたんですもの」

絵里「希の理想の友達を叶えて見せるわ!!」

希「ふふふ、ずいぶん威勢がええね」

絵里「そうかしら?」

希「これからよろしくね?」

絵里「ええ!」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:30:11.68 ID:J7NrhMSmo



穂乃果「みんなそろってる?」ガラッ

絵里「穂乃果。まだ私だけよ」

穂乃果「ふぅん」

穂乃果「ちょうどいいや」

絵里「?」

穂乃果「ちょっとこっちに来てほしいの」

絵里「ええ…なにかしら?」

穂乃果「ここらへんでいいかな」

絵里(人気のない廊下の隅)

絵里「こんなところまで連れてきてどうしたの?」

穂乃果「希ちゃんは?」

絵里「希なら未提出の課題があるからって職員室に行ってるわよ。希もいたほうがよかった?」

穂乃果「それはだめなの。絵里ちゃんだけで…」

絵里「なによいったい」

穂乃果「実はもう他のメンバーには伝えてあるんだけど…」ボソッ

絵里「え、えぇ…」ドキドキ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:35:25.48 ID:J7NrhMSmo
穂乃果「明日って希ちゃんの誕生日でしょ?」

絵里「え?」

穂乃果「それでみんなでサプライズパーティーを計画してて……」

絵里(希の……誕生日……)

絵里(……そうだったかしら……)

絵里(そういえばそうだった気もする……)

穂乃果「それで絵里ちゃんにも手伝ってほしいの」

絵里(ヤバい)

絵里(すっかり忘れてたわ)

絵里(明日……まさか明日だったなんて……)

穂乃果「聞いてる?」

絵里「………」

穂乃果「絵里ちゃん!」

絵里「え? ああ、ごめんさない。ちょっと考え事をしてて」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:40:02.34 ID:J7NrhMSmo
穂乃果「……もしかして絵里ちゃん……」

穂乃果「希ちゃんの誕生日忘れてた?」

絵里「そ、そんなわけないでしょう!」

絵里「だって私は希の一番の友達だもの!」

絵里「しっかり覚えていたわ!」

穂乃果「そうだよねぇ。ごめんね、変なこと言っちゃって」

絵里「別に構わないわ」

絵里(とても言えない)

絵里(この私が希の誕生日をすっかり忘れていたなんて……)

穂乃果「実はもうほぼ準備は整ってて」

絵里「あらそうなの?」

穂乃果「そうなんだよ。絵里ちゃんってずっと希ちゃんといるからできるだけばれないように関わらせないようにしてたの」

穂乃果「怒らないでね?」

絵里「怒らないわ。準備してくれてありがとう」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:47:52.39 ID:J7NrhMSmo
穂乃果「それで絵里ちゃんには希ちゃんにお手紙を書いてほしいの。これなんだけど」

絵里「ありがとう。しっかり書いておくわ」

穂乃果「よろしくね。できたら明日の朝までには穂乃果に渡してほしいの」

穂乃果「急になっちゃってごめんなさい」

絵里「いいわ」

穂乃果「ありがとう! いいパーティーができそうだよ!!」

絵里「よかったわ」

絵里(…穂乃果たちはちゃんと希の誕生日を覚えていたのね…)

絵里(しかもしっかり事前の準備まで…)

絵里(それなのに一番希に近い私が誕生日すら忘れていたなんて)

絵里(気まずいというか……)

絵里(ものすごく申し訳ないわ……)

絵里(ごめん……ごめんなさい、希……)

穂乃果「ところで絵里ちゃん」

絵里「え? なにかしら?」

穂乃果「絵里ちゃんは希ちゃんにどんなプレゼントを用意してるの?」

絵里「え……と……」

絵里(そんなもの準備していないのだけど!!)

絵里(……まずいわ、これはまずい……)

穂乃果「絵里ちゃんならきっとすごいプレゼントを用意してるんだろうなってμ`sのみんなと話してたんだ〜」

絵里「え、ええ…」

穂乃果「なんたって希ちゃんの誕生日だからねっ!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 19:52:03.09 ID:J7NrhMSmo
絵里「え、ええ、そうね……」

絵里(そうよ。誕生日といえば誕生日プレゼントだわ……私なんにも準備してない……)

絵里(しかも誕生日はもう明日……)

絵里(……どうしよう……)

穂乃果「で、なにをあげるの?」

絵里「えっとぉ……」

絵里(穂乃果の無邪気な笑顔がつらい…)

絵里「と、当日までのお楽しみよ!」

穂乃果「そっか。わかった! 楽しみにしてるねっ! じゃあお手紙よろしくねっ!」タッ

絵里「…………」

絵里(……誕生日プレゼントどうしよう……)

絵里(なにをあげればいいのかまったく思い付かないわ)

絵里(しかも期限は明日……)

絵里「どうすればいいの……?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 20:03:12.13 ID:J7NrhMSmo


絵里「……」ガラッ

絵里(誰もいない)

絵里(μ`sのみんなはどうしたのかしら)

絵里(希の誕生日)

絵里(希の誕生日を忘れていたなんて)

絵里(考えてみればいままで希の誕生日を祝ったことなんてなかったわ)

絵里(なぜかしら)

絵里(あんなに希と一緒にいて)

絵里(友達なのに……)

絵里「…私ってバカ…」

絵里(希に友達なんて威勢良く言った自分が恥ずかしい……)

絵里(誕生日を一回も祝ったことがないなんて)

絵里(友達だって言える資格なんてなんわね……)

絵里(…誕生日プレゼントどうしよう…)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 20:10:16.31 ID:J7NrhMSmo
ガラッ

絵里「?」

にこ「絵里だけ?」

絵里「…えぇ」

にこ「なんて暗い顔してんのよ」

絵里「え?」

にこ「明日はあんたの大好きな希の誕生日だっていうのに」

絵里「…そうね…」

にこ「?」

絵里「にこは希への誕生日プレゼントはなににするの?」

にこ「はぁ? にこ?」

にこ「にこは髪飾りよ」

にこ「希に似たアイドルがいて」

にこ「そのアイドルのトレードマークの大きい花の髪飾りの模擬品があるからそれをあげるの」

絵里「しっかり考えているのね…」

にこ「あんたに言われたくないわ」

にこ「どうせあんたのことだからアホみたいに真剣に考えてて」

にこ「さぞ素晴らしいプレゼントを用意してるんでしょうね」

絵里「…そう思う?」

にこ「はぁ? さっきから意味がわからないわ」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 20:47:30.84 ID:UYCUDe+SO
無邪気圧力ほのかわいい
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/06/08(木) 22:16:04.44 ID:Uj2cce7VO
絵里ちゃんはこういうとこ鈍そうかわいい
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/08(木) 23:58:22.19 ID:J7NrhMSmo
絵里「…………」

にこ(なんなのよ、いったい。今の絵里すごく話しづらいんだけど……)

絵里「……ところで」

にこ「え?」

絵里「パーティーっていうのはどんな風になるの?」

にこ「ああ、たしか希にばれないようにあんたにも内緒にしてたんだったわね」

にこ「明日の放課後にここを飾って」

にこ「家庭科室であらかじめ用意しておいた焼き肉でパーティーをするのよ」

にこ「で、そのあとここで誕生日ケーキを食べる」

にこ「最後にプレゼントを渡して」

にこ「あんたが希に書いてきた手紙を朗読する」

にこ「ざっとこんなもんね」

絵里「え? ……ちょっと待って」

にこ「なんか他にやりたいことでもあるの?」

絵里「そうじゃなくて」

絵里「朗読? 私……手紙を朗読するの?」

にこ「そうよ」

絵里「私だけ?」

にこ「まあそうね」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/09(金) 00:03:31.71 ID:0iK8aBBuo
にこ「希といえば絵里だからね」

絵里「………」

にこ「なに? みんなの前で朗読するのが恥ずかしいの?」

絵里「いえ……朗読するなんて穂乃果から聞いてなかったから驚いただけ」

にこ「大差ないでしょ」

絵里「…………」

にこ(また黙ってる)

にこ(どうしちゃったのかしら、絵里は)

にこ(なんか気まずいわねぇ)

絵里(…朗読…)

絵里(いまのいままで誕生日の存在を忘れていた私に)

絵里(いったいなにを語れっていうのよ…っ!)

絵里(……どの口が語れるのかしら)

絵里(誕生日を忘れてしまっていた私にはもう友達の資格なんてないのに……)
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/06/09(金) 00:09:58.59 ID:0iK8aBBuo
にこ「ま、まあ誕生日パーティーの最後を締めるんだから絵里くらいでないとダメってことよ」

絵里(そんな大役私には務まらない)

絵里「……にこ」

にこ「な、なによ」

絵里「……実は、私……っ」

にこ「…うん…」ドキドキ

絵里「希の誕生日を忘れていたの」

にこ「…………」

にこ「……は…?」

絵里「だから」

絵里「希の誕生日を」

絵里「この私が」

絵里「忘れていたのっ!」

にこ「…………」

絵里「しかもね」

絵里「これまでに一度も希の誕生日をお祝いしたことがなかったの」

絵里「一度もよ?」

絵里「……笑っちゃうでしょ?」

絵里「あれだけ長いこと希の近くにいて」

絵里「希の誕生日を祝ったことがないなんて……」

絵里「私にっ」

絵里「……私に希の友達は名乗れないわ……」
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