結城友奈「逆行系勇者、三好夏凜!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 14:54:46.14 ID:VU4bUkhF0

このSSは結城友奈は勇者であるシリーズ全てのネタバレがあります
ゆゆゆいは白鳥歌野の章第2話終了までいっていれば大丈夫です

下記の内容はゆゆゆいで最終決戦が行われたと言う仮定で進んで行きます





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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 14:56:02.85 ID:VU4bUkhFo

*ゆゆゆい最終決戦の後

上里ひなた「皆さんの尽力のおかげで、無事この世界は終わりを迎えます」

三好夏凜(勝利の余韻に浸っていた私たちに、ひなたが申し訳なさそうにそんなことを言った)

犬吠埼風「なんじゃこりゃー!?」

高嶋友奈「わぁ!? 世界がだんだんぼやけてきているよー!」

ひなた「この世界は止まった時間でした。……だから残念ながら、皆さんが戻られた時にはここでの記憶の一切は失われていることでしょう」

乃木若葉「……何となく察してはいた。私の子孫がここでの記憶を持ち合わせていなかったからな。だが、この幸せな時間は例え記憶が失われたとしても確かにここに存在した」

白鳥歌野「ここでの記憶はマイトレジャー! だから、私はこれからも諏訪を全身全霊をかけて守っていける。皆、ありがとね!」

三ノ輪銀「いやー、折角仲良くなれたんだけどなー。未来の二人とも元気で! ……夏凜さん、須美と園子のことよろしくお願いしますね」

夏凜「銀、あんたもしかして──」

夏凜(私が言いかけたその時、世界は一層ぼやけて、眩しくなって、そして……)

夏凜(満足した皆の笑顔と共に、私たちは光の中に溶けていった)



3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 14:57:15.69 ID:VU4bUkhFo

*夏凜のアパート

夏凜「ここは……」

夏凜(見慣れた質素な部屋。最近は友奈達のせいでモノが増えてきているけど、まぎれもなく私の部屋だった)

夏凜「……戻ってきたのね」

夏凜(初代、先代勇者たちと過ごしたあの世界は本当に終わったと言うことなのだろう。……銀、あんたとの約束は必ず果たすわ。誓いを改めて胸に抱いたところで、気付く)

夏凜「まったく、何が記憶の一切が失われていることでしょう、よ?」

夏凜(いっつも的確なことばかり言っていたひなただったけど、最後の最後で間違えたらしい。でも、そうね、これは悪くない)

夏凜(もう出会うこともできないかつての勇者たちだろうから、この記憶が残ってくれたことだけは感謝したい)

夏凜(鏡に映った私がニヤニヤしていたのが恥ずかしくなって、いつもよりもきつめのトレーニングをしてその日は就寝した)



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 14:58:31.82 ID:VU4bUkhFo

*翌朝・学校

夏凜(こうして学校に通うのも随分と久しぶりのはずなんだけど、あの世界でも毎日通学していたからそんな感覚は微塵もないわね)

夏凜(階段を上り、廊下に出たら友奈の見慣れた後ろ姿を見つける。そう言えば、鍛錬に明け暮れていたせいでSNSで連絡を取ることさえ忘れていたっけ)

夏凜「ゆう……!?」

夏凜(友奈に声をかけようとして、気付く)

夏凜(それはありえない光景。だけど、あいつは確かにその姿で)

結城友奈「あ、夏凜ちゃん! おはよう!」

夏凜「……友奈。これって何かの冗談、なの?」

友奈「冗談? 東郷さん、何か冗談とか言った?」

東郷美森「いいえ、冗談何て言っていないわ。……三好さん、夏凜ちゃん? そんなに驚いた顔をして、何かあったの?」

夏凜(東郷はいつも通り。だけど──)

夏凜「なんで、また、車椅子に乗っているのよ……!」

夏凜(あの過酷な日々を思い出させる姿で東郷がそこに居た)



5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 15:00:33.23 ID:VU4bUkhFo

*授業中・教室

夏凜(……何となく察してきたわ)

夏凜(あの後、友奈と東郷は不思議そうな顔をするばかりだった。根本的に会話がすれ違っているような感覚と言えば良いか)

夏凜(だから、放課後、勇者部の部室であの二人を問い詰めることにしたのだが……)

夏凜(明らかな異常がこの教室にはあった)

夏凜(勇者部の六人目が登校してきていない。机だって存在しない)

夏凜(勇者を務めてきたから不思議なことには慣れているつもりだった)

夏凜(いつだったかは変な夢を見た記憶がぼんやりあるし、最近まで銀たちと一緒に戦ったりもしていた)

夏凜(ちょっとやそっとのことではもう戸惑わないと思っていた)

夏凜(だけど)

夏凜(これを認めるにはそれなりの時間が必要だったわよ……)

夏凜(それでも認めざるを得ないのは、同じクラスの勇者部三人の様子と今行っている授業内容、極めつけで黒板の日付けだ)

夏凜(──つまりは、私は転入してきた日の翌日、その明らかな過去に居るようだった)



6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 15:01:50.30 ID:VU4bUkhFo

*放課後・勇者部部室

風「へ? タイムスリップゥ!?」

夏凜「そうよ。あの世界から戻ってきたと思ったら、この時間に来ていたの。我ながら意味不明だけど事実なのよ」

友奈「東郷さん。タイムスリップって何だっけ?」

美森「時間跳躍、タイムトラベルという表現もあるのだけれど、今回の場合は過去に戻ってくることを言うわ。私はあまり読まないけれど、SF小説によくある題材ね」

犬吠埼樹「あ、あの! あの世界って何なのでしょうか?」

風「ぬおっ!? 人見知りの樹が自ら新入部員に質問をした!? 立派になったわね、樹」

樹「お姉ちゃん、大袈裟! ……夏凜さんは何だか優しい感じがするんです」

夏凜「て、照れるじゃない、樹! サプリキメとく? ……じゃない! もしかして、あんたら、あの世界のことも覚えていないの!?」

美森「……夏凜ちゃん。残念ながら私たちに不可思議な記憶はないようよ」

夏凜(皆の確認を取ってから告げた東郷の言葉は、私にそれなりのダメージを与えるのだった)



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 15:03:04.16 ID:VU4bUkhFo

友奈「夏凜ちゃん、元気出して?」

夏凜「別に落ち込んでなんか……」

美森「どう思いますか、風先輩?」

風「正直タイムスリップとかすぐには信じられないわよ。でもね、あれだけツンケンしていた子が一日でこれよ? 信憑性はあるんじゃない?」

美森「私も同意見です。となりますと問題はどうやって夏凜ちゃんを元の時間に戻してあげるかになりますが」

夏凜「……風と東郷は私の話、信じてくれるの?」

美森「非現実感はあると思うけれど、樹海化を見ている身で今更よ。それに今の夏凜ちゃんはとても勇者部らしいから、それなりの時間が経過していることは分かるの」

夏凜「勇者部らしいって何よ?」

友奈「悩んだら相談! だね」

樹「夏凜さんは勇者部五箇条を守ってくれているように見えます」

風「そうね。とてもじゃないけど昨日の夏凜じゃ、あたしたちに相談してくれる感じじゃなかったでしょ? だから、あたしたち勇者部は夏凜の話、信じるわ」

夏凜「あんたたち……」

夏凜(何だか胸に熱いものがこみ上げてくる。勝手に一人取り残された気持ちになってしまっていたから中々に来るものがあった)



8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 15:04:42.98 ID:VU4bUkhFo

風「とは言ってもどうしたもんかしらね?」

美森「現状の把握と原因の究明が主な流れかと」

夏凜「……現状の把握って、一応さっき説明したわよね?」

夏凜(不覚にも感動してしまったことを誤魔化すように私は質問をしていた)

美森「ええ。ただ、タイムスリップという認識が正確なものであるかはまだ断定できないの。例えば、夏凜ちゃんに何者かが偽物の記憶を与えて、逆行しているように見せかけている。そんな可能性も考えられるわ」

樹「それはそれでタイムスリップ以上に不思議ですね……」

友奈「私は難しいことよく分からないけど、これって神樹様が起こしてくださっている出来事なんだよね?」

風「世の中の不思議なことは大体神樹様よね〜」

夏凜「要は私の記憶が操作されていたとしても、タイムスリップだったとしても神樹様に何とかしてもらうしかないってわけね……。満開の時のように上手い事いけば良いけど」



9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/06/24(土) 15:06:23.31 ID:VU4bUkhFo

風「満開? 勇者の切り札のこと?」

夏凜「当たり前でしょ? 満開って言ったら……あ」

夏凜(そうよ。過去に戻ったってことはここに居る皆、またあの苦しみを味合わなければならないってことでしょ……! なんで今の今まで忘れていた私!?)

風「……何だか夏凜の顔色が青を通り越して白いんだけど」

友奈「大丈夫、夏凜ちゃん?」

美森「……風先輩、原因の究明にあたって問題になる点がいくつか出てくることが予想されます。その一つが、私たちが未来を知ることによる正史とのタイムパラドックス。先に起こることが分かった故に未来が変わってしまうということですね」

風「でも、夏凜からその辺の話を聞かないと解決もできないんじゃないの?」

美森「はい。だからこそ、私たちはどんな未来を知っても平静を保たなければなりません」

風「なるほど、そういうことね」



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