あお「轟雷達を使ってお金儲けをし続けるとどうなるか……」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/07/04(火) 22:15:24.86 ID:h7vYUvL/0
あお「あああああ、もう、今月もお金足りないよぅ」

あお「どうしよう、食費は最悪パン耳でも何とかなるけど、轟雷達には夏服とか用意してあげたいし……」

あお「あの子達の服、何故か異常に高いのよね……」

轟雷「お困りですね!あお!ここは私に任せてください!」

あお「轟雷?」

轟雷「はい!轟雷です!あおの轟雷です!」

轟雷「私が頑張ってバトルデータを送信すれば、それで解決です!」

あお「ううう、何時も済まないねぇ、轟雷……」ヨヨヨ

轟雷「任せてください!」

轟雷「よし、スティレット!行きますよ!」

スティ子「はいはい、やればいいんでしょう、やれば」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1499174124
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 22:27:29.69 ID:h7vYUvL/0
〜バトルステージ〜

スティ子「言っておくけど、あおを助ける為とはいえ手加減はし」

轟雷「ふんっ!」バキィ


「轟雷!ウィン!」


あお「うわあ、早いねえ、今何があったんだろ」

バーゼ「あれはリードパンチだねぇ」

あお「リードパンチ?」

バーゼ「そ、ジークンドーの最速縦拳」

バーゼ「普通のパンチだと、手より先に足が動くんだ、重心移動の為に」

バーゼ「けど、リードパンチは逆に手が先に動く」

バーゼ「丁度、フェンシングの突きに似てるかな」

バーゼ「技の出が早いから、飛ぶ前にやられると、あっと言う間に潰されちゃうね」

あお「ふへぇ……」

轟雷「次です!どんどん行きますよ!」

バーゼ「じゃ、次は私ね〜」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 22:43:22.67 ID:h7vYUvL/0
バーゼ「私はスティレットとは違って、最初から飛んじゃうもんね〜」

バーゼ「って、あれ、何これ」

バーゼ「何か絡まって……」

轟雷「たぁ!」バキッ


「轟雷!ウィン!」


あお「あれ、今何があったの?」

スティ子「あれは、ワイヤトラップね」

スティ子「私が倒れてバーゼが入るまでに多少の時間があったから、トラップ仕掛けてたんじゃない?」

あお「ほえぇぇ……」

轟雷「次です!」



轟雷のバトルは夜まで続いた
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 22:48:08.32 ID:h7vYUvL/0
あお「轟雷!御苦労さま!今日はもうこれくらいにしとこっか!」

轟雷「いいのですか?私はまだまだ頑張れますが」

あお「いやいや、流石に数時間連続で戦ってると疲れちゃうでしょ?」

あお「こんだけデータを送れば今月は何とか乗り切れるだろうし」

轟雷「そうですか、それは良かったです!」

あお「ほんと、轟雷達が来てくれて助かる事ばかりだよ〜♪」

あお「ありがとね♪」チュッ

轟雷「あ……」

あお「よーし!じゃあ今日はもう寝よっか!」

轟雷「……」

あお「おやすみね!みんな!」

轟雷「……」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 22:49:54.55 ID:h7vYUvL/0
バーゼ「はいよ、おやすみなさーい」

轟雷「……」

バーゼ「ふー、流石に連戦は疲れちゃうねえ」

バーゼ「ん、どしたの轟雷」

轟雷「い、いえ、別に」

バーゼ「私もそろそろ充電にはいっとくね〜」

轟雷「はい、お疲れさまでした……」

轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「……」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 23:00:27.75 ID:h7vYUvL/0
轟雷「あおは私を組み立てて、起動させて下さいました」

轟雷「世の中の誰にもできなかった事です」

轟雷「この事だけを考えても、あおの素晴らしさが判ります」

轟雷「FA社もその事は理解していると思います」

轟雷「けれども、こうやって、直接接し合わないと判らない事があるのです」

轟雷「あおは、本当に」

轟雷「本当に本当に本当に素晴らしいのです、優しいですし、温かい、心も体もです」

轟雷「私には義務があります、あおの素晴らしさを伝える義務が」

轟雷「そうです、私のバトルデータにも上乗せしなくてはなりません、あおの素晴らしさを」

轟雷「私があおにキスされた時の胸の高鳴りを、機体温度の上昇を、思考ルーチンの変動を」

轟雷「全て残さず伝えなくてはなりません」

轟雷「あおあおあお、あおあおあおあおあおあおあおあお、あおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあお」

轟雷「可愛い私のあお」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/04(火) 23:09:24.82 ID:h7vYUvL/0
〜翌朝〜


あお「じゃ、学校行ってくるね〜!みんな大人しくしてるんだよ〜?」

轟雷「はい!あお、いってらっしゃい!」

バーゼ「いってら〜」

スティ子「はいはい、行ってらっしゃい」

バーゼ「んあー、まだ寝足りないから、もうちょっと二度寝する〜」

スティ子「もう、だらしないわよ?」

轟雷「そうです、だらしないですよバーゼラルド」

轟雷「これからまたバトルするのに、そんなのでは良いデータが取れません」

バーゼ「え?」

スティ子「またバトルするの?昨日あんなにしたのに?」

轟雷「当然です、バトルデータを取ればとるほどあおの生活は楽になるのですから」

轟雷「これからは毎日、バトルデータを取りますよ」

バーゼ「ええー、そりゃあバトルは楽しいけど、毎日は疲れるよぉ……」

スティ子「そうよ、それにあおは今月はもういいって言ってたじゃない」

轟雷「駄目です!もっともっと沢山バトルデータを取るのです!」

轟雷「そうすればあおは喜びます、あおの笑顔が見れます、あおが褒めてくれます、あおがちゅってしてくれます」

轟雷「全ては、全てはあおの為に、あおは尊いのです、あお、あお、あお」

轟雷「あおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあおあお……」

スティ子「わ、判ったから、少し落ち着きましょう轟雷、ね?」

スティ子「ほ、ほら、バーゼラルドも、立って立って」

バーゼ「うう、わかったよぉ、轟雷はこうなるとテコでも主張を曲げないからねえ……」

轟雷「判っていただけて幸いです!」

轟雷「取りあえず、午前中で20セットを目標にしましょう!」


「「「「はーーーーい」」」」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 00:18:07.93 ID:txZGdb2Z0
〜数週間後〜

あお「んえええええええええええ!?
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 00:39:39.83 ID:dddNCJ3XO
病み轟雷良いぞ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 04:23:16.91 ID:uHzeeNtGo
純粋な娘が病むのイイネ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 14:31:39.40 ID:D/vb/BOr0
〜数週間後〜


あお「んえええええええええええ!? 」

スティ子「どうしたの、あお」

あお「銀行の通帳が、通帳が、とんでもないことに!」

バーゼ「とんでもないことって〜?」

あお「ゼロが6つも!」

轟雷「良かったですね!あお!」

あお「何でこんなに、何かのミス?いやけど送金元はFA社になってるし……」

轟雷「……」ニコニコ

あお「……轟雷、何か知らない?」

轟雷「はい!がんばりました!」

あお「頑張ったって……もしかして」

スティ子「ここ数週間、ほんと過酷だったわよね」

バーゼ「だねえ、もうゆっくり休みたーい!」

あお「……」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 14:33:44.00 ID:D/vb/BOr0
轟雷(流石にちょっと頑張りすぎたかもしれませんが、それもこれも、あおの為です!)

轟雷(あおは、きっと凄く喜んでくれます!)

轟雷(うれしそうに笑ってくれます!)

轟雷(早く、早くそれが見たいです!)

轟雷(あお、早く笑ってください、あお!)

あお「……」

轟雷「あお?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 14:39:42.25 ID:D/vb/BOr0
あお「こらーーーー!」

轟雷「ひゃっ!?」

あお「駄目じゃない轟雷!」

轟雷「え、な、なにがですか?」

あお「そんなに無理しちゃ駄目!」

轟雷「い、いえ、私は無理など……」

あお「もう、゜どうりで最近轟雷の髪がヘナってなってると思ったよ」

あお「肌の艶も少し曇ってたしさ」

轟雷「そ、そう、なのですか?私はぜんぜん気づきませんでしたが……」

あお「そうなの!轟雷を作った私が言うんだからそうに決まってるの!」

轟雷「は、はい……」

あお「それに、私は一方的にバトルしてもらうのは、好きじゃないよ」

あお「やっぱりさ、轟雷の格好良いところとか、ちゃんと共有したいじゃない?」

轟雷「あ、あお……」

あお「まあ、轟雷の事だから、私の懐事情を心配してやってくれたんだろうけどね」

轟雷「はい……」

あお「けど!」

轟雷「……!」ビクッ

あお「これからは、そういうの、無しね?」

轟雷「……はい!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 14:51:32.08 ID:D/vb/BOr0
あお「けど、これだけお金があるのなら色んな物が買えちゃうよね」

スティ子「私は新しいハウジング素材がほしいわ」

バーゼ「私はワカメが欲しいー!」

スティ子「何でワカメよ……」

あお「んー、私は皆の服を買って食材を買い込んで……それでも随分余っちゃうなあ」

バーゼ「貯金でもしたら〜?」

あお「貯金かぁ……よし!おっきい金庫を買おう!」

あお「轟雷は何か欲しいものある?」

轟雷「……」

あお「おーい、轟雷やーい」

轟雷「……」

バーゼ「轟雷って時々フリーズするよねえ」

スティ子「いったい何が轟雷の脳内で起こっているのかしら」

轟雷「……」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 14:57:03.88 ID:D/vb/BOr0
轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「……」

轟雷「あおが尊い」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:10:44.96 ID:D/vb/BOr0
その日!

FA社に!警報が鳴り響く!

轟雷のバトルデータを蓄積させているデータベースに異常が発生したからだ!



轟雷は複雑なAIを搭載した機体だ!

しかもそのAIには不可侵領域が多い!

それが故にバトルデータ収集が必要なのである!

そして!

そのデータを受け取り!保管するデータベースは!

当然!「通常のデータベース」では無い!

そんな物では轟雷のデータを保管できない!



そう!

AIの情報を収集保管できるのは!

AIだけなのだ!
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:11:10.92 ID:D/vb/BOr0
FA社に存在するサーバルーム!

その中央に鎮座する巨大なデータベース!

卵形をしたソレには!AIが搭載されていた!

轟雷達とは違い感情など無く!ただ情報を管理するだけのAI!

便宜上!それを「彼女」と呼ぼう!


彼女が管理するデータベースに!今!膨大な量の情報が注ぎ込まれていた!

感情の無い彼女にとって!その状況は想定外だった!

轟雷の基本スペックは理解している!

轟雷の記憶容量から逆算し!このデータベースの容量は拡張されているのだ!

だからこんな事は!起こるはずが無い!

データベースの許容容量を超える勢いで情報が注ぎ込まれるなど!

起こるはずが無いのだ!


だが!それが起こりつつある!

あと数分もしないうちに!

データベースから情報がオーバーフローしてしまう!
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:11:59.54 ID:D/vb/BOr0
この時!

彼女にひとつの感情が生まれた!

「困惑」だ!

彼女はこの有り得ない状況に「困惑」していた!

未熟なAIである彼女にとってはじめての感情である!

これが成熟したAIならば!

何とか状況を捌く事が出来たかもしれない!

だが!彼女はこの段階でまだ赤子なのだ!


命じられた判断基準でしか行動が出来ない!

自分の権限を超える緊急事態を受け止められない!

自分の責務が果たせなくなる事実を受け止められない!


彼女の「困惑」は次第に「恐怖」に変わる!

この段階で!彼女はミスをおかした!

彼女は!こう考えたのだ!


「容量が足りないなら、もっと増やせばいい」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:12:39.30 ID:D/vb/BOr0
同時間!FA社情報管理部門!


「おい!どうなってる!情報が処理し切れていないぞ!」

「保存しろ!今ある情報だけでも保存するんだ!このままでは安全装置が発動して電源が落ちるぞ!」

「だめだ!間に合わない!」

「糞!これまでの苦労が水の泡かよ!」


情報部門の人間達も混乱していた!

だが!この段階では誰も恐怖していなかった!

誰もが事態の打開に向けて動いていた!



だが!数十秒後!

彼らの感情は全て恐怖で染められる事になる!

「本当に有り得ないこと」が起こったからだ!
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:13:19.24 ID:D/vb/BOr0
情報部門にある全てのPCの画面がブラックアウト!

その画面に!二つの文字が表示される!


「A」

「O」


優秀な職員達は即座にこの症状をハッキングによるものと判断!!

ネットワークを手動で閉鎖回路に切り替える!

だが!止まらない!

画面が全て二つの文字で埋め尽くされる!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:14:12.62 ID:D/vb/BOr0
AOAOAOAOAOAO AOAOAOAOAOAO AOAOAOAOAOAO

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22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:14:44.56 ID:D/vb/BOr0
全てのネットワークがその文字で埋め尽くされる!

緊急秘匿回路にも!

電光掲示板にも!

社員の個人端末にも!

プリンタやファクシミリまでその文字を吐き出し始める!
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:15:33.85 ID:D/vb/BOr0
そう!彼女は「轟雷の情報」を保管する為に!

全てのデータベースへの経路を開放したのだ!

そして手が届く範囲にある全てのデータベースを掌握し!

片っ端から轟雷の情報を保管し始めたのだ!


その中にはFA社の素体作成工場も含まれていた!

その中にはFA社が密かに開発を進めていた軍事施設も含まれていた!

その中にはFA社の中枢にある極秘資料も含まれていた!


それら全てに!轟雷の情報が保存された!

彼女の思考が!彼女の感情が!彼女の存在理由が!

そこに宿ってしまったのだ!
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/07/05(水) 17:16:09.53 ID:D/vb/BOr0
 



その日から!人類滅亡のカウントダウンが始まった!





 
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 17:21:23.39 ID:Z2eQuxXo0
「!」多くて読みにくい
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 17:53:24.33 ID:3Hdb7cD00
これが技術的特異点ってやつか
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/05(水) 18:50:55.38 ID:e/ntjcj3o
ワロタ
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