怪奇物語 この町の十不思議 安価

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1 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 10:41:51.40 ID:bPJbV1fnO
男「なあ、この町の十不思議って知ってるか?」

女「んー、まね」

男「クビきり女とか、髪伸び男とか」

女「違う、髪切り女と首刺し男でしょ。髪切り女はその名の通り、風のように皆の髪を切っていく女。首刺し男は……人間の首を刺身風に切り捌いて、スーパーのお刺身コーナーに置いていくって話」

男「詳しいじゃねえか(つか首刺し男怖すぎ)」

女「まね」

男「お前自身が十不思議ってオチはないだろうな」

女「……」

男「おいおいおい」

友「おい男ー、姉貴が楽しみにしてるって言ってたぞ十不思議探し」

男「あ、ああ」

女「はあ?」

友「おお女ちゃんもいたのか」

女「どういうこと? 姉先輩が楽しみに……もしかして、なーんか下心的な?」ギロ

男「え、いやまあ//」

女「私も行く」スック

男「え、なんで!?」

女「行くったら行く」イライライラ

男「なんか怖い……やっぱりお前も十不思議じゃ」

友「?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500601311
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 10:42:23.66 ID:H8Af20ORO
草生える
3 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 10:43:01.98 ID:bPJbV1fnO
先輩(友姉)「こんばんは〜、よっし友、男君連れてきたのね。えらいえらい」ナデナデ

友「子ども扱いすんなってのに」

男「こんばんはです///」

先輩「ふふ、男君。今日はありがとね。個人的興味に付き合ってもらって」

女「ぐ、相変わらず美人……ナイスバディ……かわいい系スレンダーの私と正反対……」ブツブツ

男「今かわいい系って? 先輩は美人系だろ//」

女「なっ!」

先輩「あら///」

男「///」

女「男の馬鹿……」イライライラ

友「面白そうだから俺もやろっ」

先輩「なに、友もついてくるの?」エー

友「急に扱いが悪い!」

女「私もついてきたんですけど……」

先輩「え、女さんも? 友を抑えといてくれるかしら……いいわよ」ニコッ

男(先輩可愛い///)

女「なんだかすごく腹が立つ」
4 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 10:50:30.80 ID:bPJbV1fnO
ザッザッザッ

男「夜道大丈夫ですか?」

先輩「ええ、全然。でないとこんなことしないわよ」

女「なんで先輩は始めたんですか? 十不思議を調べるなんて」

先輩「友、答えておいて」

友「え……あ、ああ、なんか研究興味がわいたんだって」

女「それだけのことを友に答えさせるとか……うー」イライライラ

男「先輩、ジュース買いませんか」ドキドキ///

先輩「あ、そうね// コーラがいいわ」

男「よっしゃ」タター

女「飲み物なら持ってきましたっ!」ガッ!

男「いでー!」

先輩「あら、男君大丈夫!?」

男「だ、大丈夫ですいてて」

女「ふんだ!」

友「ひひひおもしれー」


〜〜


男「ところで先輩。十不思議って他に何がありましたっけ」

女「何も知らずに来たの?」

男「うるせえ、イイんだよ」

女「先輩に聞こうって下心?」フーン

男「うるせえってば!」

先輩「男君が私に下心? 光栄だわ//」

男「////」

先輩「ま、まあ/// 教えてあげる、町の十不思議……と言っても、私もまだあれのほかに3つしか知らないんだけれども」

女「わ、私は4つ知ってるわよっ!」


十不思議 先にあげた二つ以外で、先輩と女が知っている三つ 安価↓1〜3

女だけが知っているやつ 安価↓5


本格開始は夜!
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 11:02:52.15 ID:B4UivsOOO
靴が片方の女
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 11:18:51.30 ID:+kXnxfCJ0
人を惑わす迷子少女
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 11:20:26.98 ID:LICcMnr8O
廃寺の階段
廃寺へと続く石段を一人で登っている途中に一瞬でも目を瞑ると一段目に戻される
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 11:20:44.50 ID:BgMYytE0O
不幸を呼ぶSNS
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 11:50:17.48 ID:vEeZoGm4O
舌切り男
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 21:43:41.35 ID:1cSiM0TRO
まだかの
11 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 21:51:04.68 ID:xrPJKY4uO
ss七不思議
ようやく書こうと思って開く直前に「まだ?」の声
12 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:03:12.32 ID:xrPJKY4uO
男「靴が片方の女?」

友「片方なくしただけじゃね?」

先輩「それだけ、なわけがないでしょう」

女「片方だけしか靴がない……もう片方の靴が必要ないという意味」

男「片足がない女ってことかな」

女「それがね」

男「どうなんです、先輩?」

女「ぎっ」

先輩「私にもよくわからないわ。名前しか知らないの」

男「女はわかるか?」

女「知らない」ベー

男「なんだよいじわるだな」

女「くのっ!」
13 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:04:14.10 ID:xrPJKY4uO
友「で、次のネタは? 人を惑わす迷子少女?」

男「ネタってなんだよ。迷子になった女の子の亡霊が人を連れ去ってしまう、とか?」

先輩「そんなところよ」

女「ちがいますー。連れ去るんじゃなくて、精神的に追い詰めてくんですー」

男「嫌味な……お前そいつの仲間?」

女「うるさあい!」ギャーン!

先輩(うるさいのはそっちよ……友と一緒にどっか行ってくれないかしら。ああ、男君と二人っきりが……いいっ)アアア///
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 22:04:51.02 ID:bGv6iNmRo
>>11
ワロタ
15 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:05:40.84 ID:xrPJKY4uO
友「廃寺の階段。これは一度でも目を閉じると一段目に戻されてしまう! 俺も知ってたぜ」

男「ほー、これは割と有名なのかな。俺は知らなかった」

先輩(友っ! 私に解説させなさいよっ! ばかっ! あ、あ! 知ってるの全部終わっちゃった! 男君の『わーさすが先輩いろいろ知ってるなあ』とか聞けないじゃないっ!!)ググアアアア!

ベチ!

友「いて!? 誰だケツ叩いたの?!」

先輩「気のせいでしょーいい子いい子。恐いと思うからそう見えるのよー」グリグリ

友「いつついつつ! なんだよお!」

男(俺も撫でられてみたい……///)

女(男また変なこと考えてる……ばかあ)クスン

……
16 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:06:59.64 ID:xrPJKY4uO
女「で、最後の舌切り男。舌を斬られた男とも、舌を斬ってくる男とも言われているわ。江戸時代の亡霊だーなんて人もいるの」

男「へえ、これはまだあいまいだな。とはいえ女もよく調べてる……」

女「え、えへへ//」

先輩(くっ!!)

男「……変な趣味だな」

女「ぎぐぎゃああああああああああああああああ!!」

先輩(ぷっ、くくくく……って、私もそう思われてる!?)ガーン!

友「美女の全裸幽霊でも出ないもんかな」ブツブツ


……
17 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:11:15.72 ID:xrPJKY4uO
男「色々出たな。結局、首刺し男と髪切り女を入れて6つか」

友「どうする?」

先輩「最初に調べるのは一番簡単な廃寺よ」

女「そうね、近いし」

男「そうか、だから先輩はここを待ち合わせ場所に選んだのか、さすが!」///

女(うわっ見え透いたお世辞! 馬鹿すぎる)

先輩「あら、そんなに褒められると……恥ずかしいわ///」

男「先輩///」

女(乗ってる! 馬鹿! 馬鹿! 馬鹿ップルすぎるっ! うわー最悪)

友(姉貴の弱点を探る旅にもなるかもしれん……これはしっかり見張らないとな。男たのむぜえ〜)

男「でも、廃寺……目を一度でも閉じると1段目に戻ってしまう。それだけなら、4人で歩いて、一人が目を閉じれば簡単に確かめられるかもしれませんね」

先輩「そうよ、さすが男君」

女「そんなのが通用するとは思えないわね。一人だけでいる時にしか起きない気がする」

男「うーむ、確かにそれもそうだ」

友「よし、試してみよう。言い出しっぺの姉貴が行くといいと思うぜ」

先輩「あら……」


4人のうち、誰が行く? 安価↓
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 22:13:56.27 ID:3KzNy30/0
先輩
19 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:21:15.92 ID:xrPJKY4uO
先輩「わかったわ、私がいく」

男「さすが先輩、勇気がある!」

先輩「ふふ/// 何かあった時はお願いね」

男「は、はい!」///

女「だいじょぶかしら?」

男「よし、俺達は近くで待機だ」

友「おう」


……

20 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:21:43.93 ID:xrPJKY4uO
20年前に潰れた寺だった。

優しい住職は子供たちの人気者。

住職は寺にやってきた子供達の笑顔を見る為に、階段横の地面にひまわりを植えた。

昔の住職もしてたんだって。

ひまわりが、みている。

ひまわりが、みている。

ひまわりが、みている。

ありもしない視線。

ありもしない視線。

だれかが見ているような気がする。

夏の熱い日差しに灼かれた石。

夜だ。もう、熱くない。

つめたい。

つめたい石の塊。その上を、一歩。

ことんと音がする。

上を見れば光。

星空が広がっているから、光。

下を見ると、闇。

つめたい石だから、闇。

光を見よう。上を見上げよう。

光に照らされたひまわりが見ている。

わっと叫んで、瞬きひとつ。

あれあれ気づけば一番下だ。

体から、血。

体から、血。


ひまわりさんと一緒にいよう。
21 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:31:25.69 ID:xrPJKY4uO
病院〜〜


男「先輩」

先輩「男……くん」ハッ

女「大丈夫ですか」

友「姉貴ーっ!」アウアウ

友父「階段から落ちたんだよ」

友母「なんであんな所に行ったの」

先輩「ひまわりが……見てた」


〜〜


女「友のお父さんとお母さん、出てったよ」

友「やっと話ができるな」

先輩「ええ……」

22 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 22:32:54.25 ID:xrPJKY4uO
男「……あのひまわり、昔の住職が植えてた上に、20年前の住職が植えたそうなんです」

先輩「そう」

男「昔の……明治時代らしいんですけど、当時の住職は子供好きで」

男「だけど子供たちはいつか大人になってしまうから、子供のまま殺して埋めて、その上にひまわりを植えたそうです」

先輩「……っ」

男「あれから、あの日から1週間。1週間のうちに、あの寺に残ってた古い書物に書いてあったんです」

男「植えてあったひまわりの下の土をしばらく掘ってたら……見つけました」

男「骨」

先輩「そう……だったの」

女「ひまわりの下の子供達が、仲間を増やすために……?」

友「いや、住職の怨念だろう」

男「昔の住職の怨念か、今の住職の怨念か、それが廃寺に乗り移った……とするのが正しいのかもしれない」

先輩「……」

男「先輩がなんとか助かったのは、もう子供じゃないからなのかもしれません」

先輩「そっか……そうかもしれないわね」

友「……お、男や女が行ってたら死んでたかもな! ガキだし!」ア、アハハハ

女「はあ!?」

男「なんだよそれ……(いや、友はこの場を明るくするために……)ふ、ふざけんなよお前こそ死ぬぞ!」

ワイワイワイ

先輩「……行きましょう」

男「え?」

先輩「住職に会いに、よ。昔からこの辺に住んでいる人ならきっとわかるわ」

男「先輩……まだやる気なんですか!?」

先輩「もちろんよ……負けられないわ」ニヤリ



そうして調べた結果、今の住職の居場所は……>>24
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 22:34:17.29 ID:EowI3FmBO
寺生まれの人の下で修行中
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 22:56:42.69 ID:3KzNy30/0
銭湯を経営してる
25 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:10:39.25 ID:xrPJKY4uO
さらに1週間後、隣町〜〜

男「先輩、足元ふらついてますよ」

先輩「ごめんね男君」ムニ

男(うお、寄りかかられて胸が///)

先輩(ふふふ、寄りかかったふりで胸を///)ニヤニヤ

女「またバカやってる……」ギグググ

友「お、ついたぜ! 銭湯! 早速女湯を調べよう」

先輩「こらっ」

友「ぐうう」

先輩(男君に女湯を調べさせ……その間に私が入浴……さすがに無理があるわね)チッ

男「元住職に聞けばわかることだろ」

女「そーそ、それで終わり! ……とは限らないけど、行きましょ」


〜〜
26 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:20:48.18 ID:xrPJKY4uO
元住職「ああ、あの先祖伝来のひまわり畑にそんな秘密があったとはの……」

男「知らなかったんですか?」

元住職「ああ。ワシが思うに、ワシら代々の住職が毎日お経を唱えていたからこそ、その子達の念が抑えられていたのだろう」

友「あんたがやめたせいで、怨念が動いたって言うんですか?」

元住職「ワシは……そう思う。確かに20年前よく聞いた……あそこで遊んで、石段から落ちる子供がよくいたと」

女「昔の新聞調べたら書いてあったわ」

男「寺が取り壊しにならなかった理由はわかりますか?」

元住職「そう言うことにも金がかかる、それだけじゃよ」

友「そのせいで、だーれも近寄らない不気味な化け物寺になって、子供たちの骨もあの本も、だーれも見つけられなかったわけだ」

元住職「あの本?」

男「あ……廃寺に残っていた本の中から見つけたんです。昔の住職が、誰を殺したどこに埋めたって言うようなことが書いてあったんです」

元住職「……」

女「どうしたんですか?」

元住職「いや……なんでもない。どうじゃ、それより、今日はせっかくきたんじゃ。料金半額で、風呂に入らんか」

男「え?」

友「そりゃいい!」

先輩「ふうん……」

女「……?」
27 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:25:12.07 ID:xrPJKY4uO
カポーン


男「誰もいないな」

友「泳ぐぜ!」ザバザバ

男「よせ」

友「さーて覗くか」

男「よせ!」

友「姉貴の、見たくないか?」

男「や、やめろよ」


女「バカ! 声、聞こえてるわよ!?」


友「げ、しまった」

男「バカ騒ぎするからだバカ」

友「ううー」


先輩(馬鹿、女さん……友の言葉で男君の欲望が目覚めれば……と思ったのに!)ギリギリ

女「全く……ごめんなさい先輩、バカな男子達で」

先輩(馬鹿はあなたよ!)タップタップ

女(う、大きい……湯船に浮かんで……そ、それより!)ザバッ!!

先輩「きゃ、いきなりでないでよ……もう上がるの?」

女「せ、先輩はごゆっくり〜!」トテテー



28 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:28:08.66 ID:xrPJKY4uO
女「……たぶん、男のとこ!」タッタッタ


男性用脱衣所〜〜

ガサゴソガサゴソ

元住職「ない……ここにはないのか」ブツブツ

女「やっぱり!」バターン!!

元住職「う!?」

女「男の荷物を調べてる! 間違いないわ、元住職さん、廃寺にあった本を探しに来たんでしょ!!」

元住職「うぐ……ぐ」

男「どうした女!?」ガラガラガラ

友「きゃーえっちー!」

女「うるっさい! タオル巻いてるんだからいいでしょ! (う、男のハダカ……///)」

元住職「ぬうう……>>29
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 23:29:41.92 ID:bGv6iNmRo
いいから本を出せェ!!!
30 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:34:03.96 ID:xrPJKY4uO
女「きゃあっ!」

男「なにしやがるやめろ!」ガシッ

友「洗面器アターック!」ガン!

元住職「ぐお!」

女「き、気を付けて! (タオルが落ちる!)」///

先輩「何!? この騒ぎ!」バッ!

男「先輩?! (湯上り……!?)」チラ

友「姉貴!? (バスタオル姿か……いや、なんだ服着てるじゃねえか!) って」

元住職「くおんのおおおお!」ボガアアッ!!

男「ぐあああ!」

友「いでえええ! 姉貴が裸で来たかもしれないという期待感で二人そろって気を逸らされてやられてしまったー!」グエー!

女「はあ!? 馬鹿!!!」

先輩「友……実の姉にそれは……でも男君もそうなら……私///」

元住職「本を、出せ! 本をだせええーーーーーっ!」

男「こ、ここにはないっての!」ガッ

元住職「!?」ボゲエエエエッ!!

女「足引っかけでやっつけた!?」
31 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:39:21.02 ID:xrPJKY4uO
タッタッタッタ……

女「何とか逃げ切ったわね」

男「いくら何でも、廃寺から本を盗んでくるわけないだろうが」

友「そうそう、あそこに残してきたんだよな」

先輩「あの取り乱し方、何かあるわよね」

男「はい、俺もそう思います」

女(当たり前のことをカッコつけて言うなっつの……)

友「あの本になにか、まだ秘密があるって言うのか?」

男「全部読めたわけじゃないしなあ」

先輩「もう一回、あのお寺に行きましょ」

男「はい」

友「よっしゃ! そうと決まれば早く行こう!」

女「そうね! 今すぐ行きましょ!」
32 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:41:13.51 ID:xrPJKY4uO
廃寺〜〜

男「誰も目を閉じなかったか?」

女「えっと、何度か瞬きしたかも」

友「俺は目に虫が入って」

先輩「やっぱり、複数人だと霊も動きづらいのかしら?」

男「かも……さ、あの本を調べよう」

友「ん? なんかこの前より荒れてないか?」

女「あ、ほんと! どういうこと? ちゃんと元通りにしたはずよ? あの調べた後に」

男「悪ガキでももぐりこんだのかな……探そう」


ワイワイドサドサ……



……
33 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:46:53.46 ID:xrPJKY4uO
ホー、ホー……

男「すっかり外が暗くなったぞ」

女「やっと見つけたわ」

友「スマホのライト様様〜」

先輩「さ、読んでみましょう。私にならわかることがあるかも」

男「よし……えっと、まずは明治時代の住職が殺しまくったことが書いてあって」

友「首を斬っただの頭を踏みつぶしただの、胸糞悪いなー」

先輩「本当ね……血の跡がうっすらと……あら?」

男「はい?」

先輩「この血の跡、1ページごとにちょっとずつずれているわ」

男「へえ?」

先輩「ちょっと形をメモして、次のページの血の跡を、同じ紙に書き写すと……あっ」

男「なんですか?」


バタンッ!!!


元住職「その本を……よこせえええええええええっ!!」ガアアアアッ!
34 : ◆x.53aZIM6g [ saga ]:2017/07/21(金) 23:50:08.20 ID:xrPJKY4uO
友「うわわわわ! 廃寺の古本投げ!」ポイポイポイ!

女「渡してどうすんのよ!」

元住職「ぐああああ!」

友「角が当たって意外と効いてる」

男「でも決定打にならない……つか、決定打になったらそれはそれでヤバいんだけどさ」

先輩「とにかくこうなったら、正当防衛を証明して警察に……」

元住職「警察……やめろおおおおお!」グオオオオッ!!

男「うわっ!」サッ

元住職「うがあああああ!」ドドドドド!!

女「え、男が避けたらそのまま行っちゃった……バカ?」

友「バカだ」

先輩「違うわ! 錆びた包丁を持ってきたっ!」

元住職「ふくくく……くくくくくっ」ギヒヒヒイ

男「やばい! 逃げろ!」

ダダダダーーーーッ!!

女「殺されるーーーっ!!」
35 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/21(金) 23:51:44.72 ID:xrPJKY4uO
ダダダダッ!バダン!


友「寺から脱出! 石段突入ーっ!」

男「完全に逃げ切らなきゃダメだろー!」

女「やばいやばいって! あ!」ズルンッ

ガキッ!

男「女! コケた!?」

女「あ、あああ……足がっ」

先輩「早く来なさいっ!!」

元住職「しねええええええ!!」シュバッ!!

男「女……くそっ!!」バッ!!


男どうする? 安価↓
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 23:53:34.80 ID:3KzNy30/0
女のパンツを見せて動揺させ、その隙に逃げる
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/21(金) 23:53:41.49 ID:IDCtwF0/o
目を瞑る
38 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 00:01:55.27 ID:cvsBGPGJO
男「うおおおっ!」ガシッ

女「え」ピラン♪

元住職「!?」

男「今だ逃げろ!」ダダーッ

女「バカー! って、おんぶ///」

先輩「なっ、こ、このっ」

元住職「ふ、ふざ、ふざけるなーっ!!」ガアアアアアアア!!

友「写メ! 犯罪証拠だ!」パシャ!

元住職「うお!?」

男「……そうだ。友! すまん!」ガシッ

友「え!? 俺のスマホ奪ってどうするんだ!? そうか、スマホアタックだな!? ……やめろおおおおおおおおおお!!」

男「ほーら、犯罪の証拠が入ってるぞっ! ちなみに本も寺の中だっ!」ポーーーンッ!

元住職「な! な、なにいいい!?」ア、ウ、ア!?キョロキョロ

男「今だ、全員! とにかく逃げろーーーーーーーっ!!」

先輩「そっか、犯罪の証拠を囮に……え、ええ!」

友「俺のスマホー!!」

女「男の背中///」ドキドキ

ダダダダダーーーーーーーーーッ!!
39 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 00:05:06.96 ID:cvsBGPGJO
元住職「あいつら、逃がしては置けん……だ、だが今は、あれを消さねば」グッ

ヨロッ、ヨロッ

元住職「ぐぬ……この年で石段は堪える……ぬうう」

ハア、ハア、ハア……

元住職「目に汗が……う、ぬう」

プチッ



−−−目を、閉じた


元住職「!?」



−−−目を、閉じた



元住職「この声は……この声は!?」



−−−−ひまわりさんと、一緒にいよう。



元住職「幼女……うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




元住職「         あ            」
40 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 00:17:01.30 ID:cvsBGPGJO
……。



翌日〜〜

男「あの階段の一段目に、元住職の死体……らしいものがあったってよ」

友「らしいもの?」

男「完全にバラバラのぐっちゃぐちゃで、服装以外では何もわからなかったって。まあDNA鑑定やらなんやらするらしいけど」

友「そうだ、俺のスマホは!?」

先輩「あんたが殺したことになったりして」

友「そ、そりゃねえよお! むしろ、あの坊主が俺を殺そうとした証拠だろ!?」

女「ま、アンタもよくやったし証言してあげるわ」

友「よくやらなかったら証言しなかったってこと!?」

女「あ、そりゃないわね確かに。御免」

友「お、おお」

男「ふう……で、俺が骨を見つけたあの日さ、警察を呼んだんだよ。で、そのあとたくさん子供の骨が見つかったって……先輩には言いそこなったっけ」

先輩「ま、予想はつくけど」

男「その中で、20年前くらいの骨が一人分あったんだって、警察の人に今朝聞いた。石段の一番上のとこらへんに」

先輩「……」

男「そして、先輩が発見した、血の跡。これを全部つなぐと……?」

先輩「まず最初に私が見つけたのは、和という文字だったわ。そして、残りのページの血の跡をすべて合わせると……」

友「あ、廃寺に残ってるって言ったのウソだったのか」

男「あ、ああ。まあその時は先輩が持ち出してるって気づかなくてさ」

女「それより内容は!?」

先輩「ええ……」


−−人殺しの和尚さん、ひまわりさんと一緒にいよう


先輩「……って」

男「つまり、ひまわり……の下に埋められた子供たちが呪ったのは、和尚さん、つまり住職だったってわけか」

友「なんで子供まで殺したんだ」

男「さあなあ……仲間を集めようって霊の話は多く聞くしなあ。いや、むしろ……20年前に元住職に殺された子供だけが、住職を狙っていたんじゃないか?」

女「ああ、ずっと昔の子供たちは子供を呪い殺し、20年前の子供は元住職をって? ふうん」

男「つまり、元住職を殺したことで20年前の子の恨みは晴れたかもしれないけど、昔殺され続けた子供達の怨念は……」






ひまわりの花言葉 私はあなただけを見つめる……
41 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 00:20:31.31 ID:cvsBGPGJO
今回はここまでです
書いてる途中で、ひまわりが日本にいつ出回ったか調べた時、花言葉を初めて知ってぞくりとしました

次に調べる十不思議 安価↓ むろん、既出の物から


新登場人物 安価↓3〜5
必ず登場はするがどんな役回りになるかは未定です
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 00:21:11.14 ID:FXQUXLTto
迷子
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 00:29:16.14 ID:O8qesxjDO
んー
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 00:33:05.86 ID:EXgH9fRc0
女の妹、中学生、姉より胸大きい
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 06:38:36.87 ID:NsR0S9Pk0
男の兄
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 08:20:11.96 ID:DysYQjLBO
巡査
47 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 09:36:46.72 ID:vHznvq0CO
男の家〜〜

兄「おう男、大丈夫だったか?」

男「アニキ帰ってたのか」

兄「そりゃそうだろ、弟が殺人犯に襲われて事情聴取受けたんだからな」

男「すまん」

兄「すまんじゃねえよ、大丈夫かって聞いてるんだ」

男「……大丈夫だよ」

兄「そうか。それならよかった」

男「……アニキ」

兄「ん?」

男「この町の十不思議って知ってるか?」

兄「学校の七不思議じゃなくてか? いやー聞いたこともない」

男「そっか……この町を離れる時は気を付けろよ。特に、廃寺の石段には近づくな」

兄「そりゃ行かねえよ、警察がいるし、殺人犯の銭湯ジジイが死んだ場所だろ? あいつの怨念でもうろついてたら気持ち悪いわ」

男「うん……うん」

兄「じゃ、俺帰るわ」

男「もう帰るのか?」

兄「お前が元気そうだからな。じゃ」ガチャッ

男「ありがとよ……」フウ
48 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 09:41:30.02 ID:vHznvq0CO
男「さて……と。図らずも刑事事件を解決(?)したわけだ」

男「そして、一人の女の子の無念を晴らすことに貢献できた。んだろうか……」

男「ひまわりに見入られた和尚さん、人を殺して真っ逆さま……なんて」

男「他の十不思議にも何かあるのかな。何か……」

男「よし、次に調べるのは迷子の少女にしよう。みんなに連絡だ。あ、でも友はスマホ押収されちゃったんだっけ」

男「……まあ、先輩に言えば大丈夫だろ」トゥルルルル……


先輩『男君!? うれしいわ電話をくれて!』

男「あ、先輩///」

先輩『なあに? ご用事は? なんなら、あなたのお家で聞こっか!?』ワクワク///

男「は、はい、できれば……う!?」

女「男〜、こんにちは〜〜〜〜?」ゴゴゴゴゴゴ

男「……お、女もちょうど来たんで、来てください……できれば友も」

先輩「ちっ」
49 :全治全能の未来を予言するイケメン金髪須賀京太郎様に純潔を捧げる [sage saga]:2017/07/22(土) 09:41:32.25 ID:1i17oUrF0
山本五十六大将赤犬を覇気でオモラシさせる英霊じゃよ
50 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 09:50:28.26 ID:vHznvq0CO
〜〜

男「で、やりようによっては霊を救うこともできるかも……って思ったんだ」

友「うーん、昔の子供達の霊もさ、骨が掘り出されて成仏したかもしれないしな」

女「うんそうね」

男「なら、次も子供の霊から助けられたらって思うんだよ。ほら、迷子少女ってあったろ?」

友「おお、男に幼女趣味があったとは」

男「ちげえよ!」

先輩「ふざけないで」ギロリ

友「ひえええ」

女(少女趣味……私は体的にあり? なし? ……年的には妹とか言わないでしょうね)

友「幼女と言えば女の妹だ。あの年と思えないおっぱいしてるからいずれは超乳?!」

女「るさい!!」

男「やめとけそんな話……女、詳しいこと知ってるか?」

先輩(ぐ、女さんを頼りにしている……)ヌヌヌ

女「人を惑わす迷子少女。真っ白なワンピースを着た、黒髪の少女。髪型はストレートともポニーテールとも言われているわ」

男「ワンピースは確定?」

女「さあ……まあ、他にそういう話は聞かないわね」

先輩「男君はワンピース好き?」

男「え? あ、まあ」

先輩「そう」ニコッ

友(絶対後で着てくる気だ)
51 : ◆uNOqeZtsKc [ saga ]:2017/07/22(土) 10:07:52.00 ID:vHznvq0CO
女「で、夜道でその女の子と出会うと、心惑わされてしまう……と言うわ」

友「幼女趣味に目覚めるのか?」

女「ばか」

男「ありえなくはないぞ……近年、女の子を襲った犯行の報道は増えている」

先輩「まさか、元住職もそれが原因で?」

女「あ」

男「あり得ますね」

友「……意外といい線行ったか俺」

男「かもな……女、他には何もわからないのか?」

女「精神異常をきたした人が何人かいる……ってだけ」

先輩「その人たちには会えるのかしら?」

女「>>53

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/07/22(土) 10:18:55.28 ID:NsR0S9Pk0
比較的軽度の人が近くの病院にいるらしい。
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