【安価・ダンロンV3】モノクマ「安価で紅鮭団を盛り上げるよ〜」

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292 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/12/09(土) 22:54:12.27 ID:11LWNTJSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>289-291
天海はなん図書然りすしざんまい然り頭のいいキミ然りメタ的にはネタが豊富なだけに、それらがみんな使えないのがもどかしいですね。
293 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/12/15(金) 23:05:52.44 ID:OgPRzUdSO

生存報告。
出来れば年内に終わらせたかったんですけど無理っぽいですね。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/15(金) 23:48:17.83 ID:qQ6rp38HO
のんびり主のペースで書いてほしいが
更新楽しみにしてます
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/16(土) 01:38:06.11 ID:mWzD0L9D0
SSはエタることが多いから生存報告までして書き続けてくれるのはすごく嬉しいしありがたいよ。
296 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/12/21(木) 21:27:52.97 ID:tpcO531SO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>294-295
年内に終わらせたかったっていうのはスレ主の都合(早く別のSS書きたい)ですね。
書いては消しての繰り返しで全く進まなくてちょっと凹んでたので、温かい言葉が沁みます。
297 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2017/12/27(水) 22:16:03.40 ID:GU9w/qdSO

生存報告。
2017年が終わってしまう…。
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/30(土) 00:55:43.26 ID:o0WaP7adO
2018年が始まるから大丈夫やで
という冗談はさておき、生存報告してくれてるから安心できるよ。楽しみに待ってます
299 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/02(火) 23:04:18.02 ID:EZzBnC8SO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>298
2018年内に完結出来なくても2019年があるので安心ですね(白目)
何はともあれ今年も宜しくお願いします。
300 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/08(月) 23:04:48.91 ID:Ki5siY1SO

生存報告。
展開は考えてあるのに科白が思い付かない…。
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/12(金) 13:02:26.33 ID:4V1meDsy0
焦らなくていいから主の思うままに書いてくれ
いつでも待ってます!
302 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/14(日) 23:38:23.60 ID:pHpI7OdSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>301
暫く更新をしていないにも関わらずこのスレの存在を忘れないでいてくださって、本当にありがたいです。心苦しいのですがもう暫くお待ちください…。
303 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/01/17(水) 00:45:02.00 ID:6zN02CVSO

天海「それで充分なんとかなるんじゃないっすか」

入間「は?なんでだよ」

天海「ライトなり代替品なりを使うことで効果を上書きすればいいんすよ」

入間「だったら元に戻すなんて態々面倒くせーことしなくても、オメーのことが好きで好きで堪らなくさせればいいじゃねーか」

最原「それじゃ駄目なんだ」

入間「何が駄目なんだよ。要はピアノブスに嫌われてるのをなんとかしたいんだろ」

最原「…ねぇ入間さん。話は変わるけど、キミは僕のことをどう思ってる?」

入間「い、いきなり妙なこと訊くんじゃねーよ!…ていうか、それって正直に答えないと駄目なの?」

最原「答えを口に出す必要は無いよ。ただ思い浮かべてくれれば」

天海「言われなくても充分想像は付きますしね」

入間「じゃあなんでそんな質問したんだよ…」

最原「キミが僕に対して懐いている感情はライトを浴びた前後で変化したと思うんだけど、実際どうかな?」

入間「んー、確かにそうかもな」

最原「そのせいで僕たちの関係も前とは違ってぎくしゃくしてるでしょ?」

天海「入間さんに限らず赤松さんやアンジーさんもっすね」

最原「うん、僕はそれが寂しいんだよ。かつてキミたちとの間に存在していたはずの繋がりを、培ったのに費やした時間ごと取り上げられたみたいでさ」

入間「いまいち飲み込めねーけど、元に戻す以外の選択肢は考えられないっつーことか?」

最原「そうだね、その辺りが伝わったのなら他に言うことは何も無いよ」

入間「じゃあいよいよ無理だな。諦めろ」

天海「入間さん、そんな言い方─」

入間「どうせ理由を聞くまでは納得しねーんだろ?特別にオレ様が凡人でも解るように説明してやるからありがたく思えよ」ケケッ
304 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/01/17(水) 00:56:44.62 ID:6zN02CVSO

入間「あのライトの光には恐らく、特定の誰かに対して懐いている感情を任意のものに置き換える効果がある。それに対してオレ様が出来るのは似たような発明品を造ることだけ。ここまではいいな?」

入間「確かに現代科学で人間の心を変えることはある程度可能だ。でも限定的な範囲の感情を細かく調節するのはてんでダメなんだよ」

入間「今回のケースで言えば、徹底的に惚れさせるか無関心にさせるか嫌わせるか…10か0か-10って感じでどうしても極端になっちまう」

天海「つまり、ライトを浴びる以前のみんなの気持ちを再現出来ないと」

入間「そういうこった。ま、問題は技術面だけじゃねーけどな」

最原「どういう意味?」

入間「オレ様はもう、テメーのことをどういう風に思ってたか殆ど忘れちまったんだよ。多分他の奴らも同じだと思うぜ」

最原「……」

天海「なるほど。こういうのは他人に分かるものではないでしょうし、本人の記憶だけが頼りっすからね。それが用をなさないとなると…」

入間「話はこれで終わりだ。オレ様がしてやれることは何も無いってよく判っただろ?同時に、テメーらがこの場に留まる意味も完全に消え失せた訳だ」

天海「彼女はああ言ってるっすけど…帰ります?」

最原「…そうだね、長居しちゃ悪いし引き返そうか」
305 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/17(水) 00:59:01.01 ID:6zN02CVSO

一旦終了です。
久々の投下って緊張する…。
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 03:10:24.16 ID:dv6A3TZt0
どう思ってたのかすら忘れてしまうのはさみしいな
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 18:13:47.08 ID:bD+wGqfEO
更新待ってたー乙です
入間ならいけるかと期待したがこれどう収集つけにいくんだ…
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/01/23(火) 21:03:16.15 ID:lLEgYJMSO

>>303
訂正

×入間「だったら元に戻すなんて態々面倒くせーことしなくても、オメーのことが好きで好きで堪らなくさせればいいじゃねーか」

○入間「だったら元に戻すなんて態々面倒くせーことしなくても、オメーのことが好きで好きで堪らなくさせればいいじゃねーか」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2018/01/23(火) 21:13:57.07 ID:lLEgYJMSO

レスありがとうございます。

>>306
その辺りが今後話の軸になっていく…かも知れない。

>>307
どう収集つけるかってそれはもうデウス・エクス・マキナ的力業ですよ。
310 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/23(火) 21:21:51.85 ID:lLEgYJMSO

>>308
何も直ってないし酉入れ忘れた…。

>>303
今度こそ訂正

×入間「だったら元に戻すなんて態々面倒くせーことしなくても、オメーのことが好きで好きで堪らなくさせればいいじゃねーか」

○入間「だったら元に戻すなんて態々面倒くせーことしなくても、最原のことが好きで好きで堪らなくさせればいいじゃねーか」
311 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/23(火) 21:25:58.16 ID:lLEgYJMSO

テロップ【16日目・未明】


─カジノ─


モノキッド「どうしたんだぁ?まーたスコア下がってんじゃねーか!」

王馬「んー…なんか調子出なくて」

王馬(眠れないからゲームで時間潰しに来てみたけど、なんかいまいち集中出来なくて楽しめない…)

王馬「ていうか車で人を轢くゲームってどうなの?ゴア表現は一切無いからOKとかそういうやつ?」

モノクマ「人聞きが悪いなあ!」ガオー

モノキッド「父ちゃん!」

モノクマ「そんな青少年に悪影響を与えそうなゲーム、可愛い生徒にやらせる訳無いでしょ?それ人間じゃなくて魔物だから。なんならグレムリンだから」

王馬「そもそも高校生をギャンブルやり放題な環境に曝してる時点でアレだと思うけど」

モノクマ「じゃ、ボクはこれで」ヒョコッ

シーン

王馬(え、それを言うためだけに出てきたの?)
312 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/01/23(火) 21:30:07.81 ID:lLEgYJMSO

テロップ【十数分後】


─カジノエリア周辺─


王馬(色々と気を紛らわせる方法を試してみたけど全然駄目だ。気が付いたら最原ちゃんのことばっかり考えてる)

王馬(こんなことがこの先もずっと続くのか…?)

???「……」

???「」ダッ

???「キエエエエエエ!」ブンッ

王馬「うわっ?!」ドテッ

王馬「いてて…。とんだご挨拶だね、茶柱ちゃん」スック

茶柱「まさかと思いましたが、百田さんの言っていた通りだったんですね。アナタは本当に最原さんのことが…」

王馬「なるほど、あの時のネズミはキミだったんだ」

茶柱「王馬さんに大事な話があります。ちょっとだけお付き合いください」

王馬「そのためにオレがひとりになるタイミングを待ってたの?こんな真夜中まで?…拒否権を行使したいんだけど」

茶柱「男死にそんなものがある訳無いでしょう」

王馬「だったらせめて早く済ませてよね」

茶柱「アナタを投げた時、その心の奥底でどろどろとしたものが混ざり合い煮え滾っているのを感じました」

茶柱「王馬さん、自分でも薄々勘付いているでしょうがその感情はよくないものです。このままでは他でもない最原さんやアナタ自身が、取り返しのつかない痛手を負う破目になってしまいます」

茶柱「ですから、最原さんとは距離を置いてください。彼にまで害が及んでしまうのは流石に本意ではないでしょう?その気持ちを棄てさえすれば、誰も傷付かずに済むはずですよ」

王馬「……」

茶柱「聞いてるんですか?」

王馬「ぅ……っ……」

茶柱「今なんて言いました?もっとはっきり喋らないと聞こえませんよ」
313 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/01/23(火) 21:40:52.04 ID:lLEgYJMSO

王馬「うるさいっ、黙れ!」スチャ

ダッ

茶柱(王馬さんの手許で何かが鈍く光ったのを転子が認めた瞬間、彼はこちらに突進してきました)

茶柱「!」ガシッ

茶柱(相手の動きを封じるために右手首を掴んで捻り上げます)

茶柱「王馬さん、落ち着いてくださ─」ググ…

王馬「離せ!」

スパッ

茶柱「っつぅ…」

茶柱(王馬さんが拘束から逃れようとして藻掻くと、その手に握られた刃物の切っ先が転子の頬を掠めました)

王馬「…!」ハッ

茶柱「キエエエエエエ!」ガッ

王馬「わっ」ステン

茶柱(途端に彼の身体から力が抜けたので、透かさず体勢を崩し転ばせます。いつもならここで一気に攻め立てるのですが…)

王馬「……」

茶柱「……あの、大丈夫ですか?」

王馬「なんで襲い掛かってきた相手の心配してんのさ」

茶柱「王馬さん、転子の顔に傷が付いた時ちょっと驚いたような表情をしましたよね。元から危害を加える意志は無かったのでは?」

王馬「まさか。たったさっきまでキミを黙らせることで頭がいっぱいだったよ」

茶柱「でも、今は違いますよね。少しだけなら言い訳を聞いてあげないこともないですよ」

茶柱「あ、このナイフは転子が責任を持って預からせていただきます」ヒョイ

王馬「…茶柱ちゃん」

茶柱「はい?」

王馬「その傷、オレに手当させてくれないかな」
314 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/23(火) 21:42:41.86 ID:lLEgYJMSO

今日はここまで。
そろそろ王馬がヤバい。スレ主もヤバい。
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 22:05:21.17 ID:+QScgXC1o


百田も転子もストレート過ぎてちょっとデリカシーに欠けるんだよな
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/24(水) 02:25:24.04 ID:H5Na0UY6O

あの王馬がここまで追い詰められるとは厄介だな本当に
317 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/01/29(月) 22:24:53.58 ID:IL3Jlt0SO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>315
茶柱も夢野のことが無ければもう少し王馬の気持ちについて考えられるだけの余裕を持てたかも知れないので、この件に関しては結局王馬が悪いとも言えますな。

>>316
王馬は元々INTとMEN高めなのが強みのキャラなのにずっとそれらが下がるデバフに掛かっているような状態でいますからね。
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/30(火) 20:31:53.89 ID:l+aSzLQW0
続きがとても楽しみで毎日確認しに来てしまう…
みんな頑張れ…頑張れ…
319 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/04(日) 22:52:10.10 ID:JnP/e5zSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>318
不定期亀更新で申し訳無い…どうか気長にお待ちください。
320 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/08(木) 00:23:56.40 ID:lazAC2mSO

テロップ【十数分後】


茶柱(お手洗いで血を奇麗に洗い流した後、転子は王馬さんと合流するため指定された通りの場所に向かいました)


─倉庫─


ギイッ

茶柱「王馬さん、いるんですよね?」

王馬「おっ。待ってたよー」ヒョコッ

茶柱「それでは怪我の処置をお願いします。…本当なら男死にこんなことを任せたくはないのですが、落とし前を付けて貰わねばなりませんから」

王馬「年頃の女子を傷物にした責任はきっちり取らないとだもんね」ガサゴソ

茶柱「変な言い方をしないでください」

王馬「茶柱ちゃん、少し屈んでくれない?」

茶柱「こうですか」チュウゴシ

王馬「うん、オッケー」ペリペリ ペタッ

王馬「はい終わり」

茶柱「もうですか?と言うか消毒もしないで絆創膏を貼っていいんですか?」

王馬「治りが遅くなるから消毒はしない。絆創膏は普通のやつじゃなくて保湿効果がある高機能絆創膏ね。これ箱ごと持ってきなよ、毎日貼り替えた方がいいから。傷口もその都度洗って」

茶柱「…一応、お礼を言っておきます。ありがとうございました」

王馬「……」

茶柱「……」

茶柱(王馬さんは不意に俯いたかと思うとそれきり黙りこくってしまいました。きっと、自分の気持ちや転子に言うべき言葉を整理するに、多少の時間が必要だったのでしょう。転子は彼が自然と喋り出すまで待たされることになりました)

王馬「…悪かったよ、いきなりあんなことしたりして。言い訳にしか聞こえないだろうけど、オレだって未だにオレ自身のしたことが信じられないくらいだよ」

茶柱「言い訳でも弁明でも、思う存分言いたいことを言ってください。こちらの主張ばかりを一方的に押し付けるのはフェアじゃないですからね」

王馬「そりゃどうも。…まあでも、オレが悪いっていうのは揺るがないと思うよ」

茶柱「アナタが悪いかそうでないかは転子が決めます。それにしても、どうしてそんなことを言うんですか?」

王馬「だってつい頭に血が上ってやっちゃったとしか言えないんだもん」

茶柱「しかし、なんの理由も無く癇癪を起こしたなんてことはありませんよね?」

王馬「こういうのって理屈じゃないんだよ。だから筋道の通った説明なんて出来っこないし、あんまり突っ込んで訊かれても困る」

茶柱「王馬さんがそんな調子では埒が明かないので言わせて貰いますけど…本当はアナタだってその気持ちを棄てたいと思っているんでしょう?」

王馬「でも棄てようと思って棄てられるものじゃないからね」

茶柱「手放さなければ結局傷付くのはアナタですよ。最原さんがその気持ちに応えることは無いでしょうから」

茶柱「彼に対する恋情を抱えたまま友人として付き合い続けられますか?無理ですよね?」

王馬「そうだね、もう友達としては見られないや。少し前までどんな気持ちで最原ちゃんと接してたのか、分かんなくなっちゃったし」
321 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/08(木) 00:33:28.72 ID:lazAC2mSO

王馬「茶柱ちゃんの傷の処置をして思い出したんだけどさ」

茶柱「と言っても、大したことはしていただいてませんが」

王馬「いちいち水差さないで。…ライトを浴びるずっと前に、最原ちゃんに怪我を手当して貰ったことがあるんだよ」

茶柱「それがどうしたんですか」

王馬「その時オレは、この人とならいい友達になれそうだって思ったはずなんだよね」

茶柱「はず?」

王馬「そう思うだけの理由が確かにあった気がするんだけど、なんか忘れちゃってさ。いつかは忘れたこと自体を忘れちゃうんだろうなー」

王馬「今、オレが最原ちゃんを想う気持ちに理由なんて無いもん。手に入らないと思い知らされるほど欲しくて堪らなくなって、ただ誰にも渡したくないっていう考えで頭が埋め尽くされるんだよ」

茶柱「…最原さんは、誰かの物になったりしませんよ」

茶柱「なぜなら彼は意志を持ったひとりの人間であって、決して物なんかではないからです」

王馬「……」

茶柱「やはり王馬さんは彼との関係を絶つべきです。アナタの話を聞いたことで、それしか道は無いという確信を一層固めました」

王馬「もし、嫌だって言ったらどうするの」

茶柱「そうなれば転子も黙ってはいられませんね」

王馬「出るとこ出たろか!ってやつ?怖いねぇ」

茶柱「転子は怒っているんですよ。王馬さんが自身の感情を制御しきれずに暴走してしまったのは、アナタだけのせいではないんでしょうけど…」

茶柱「それでも、夢野さんを悲しませたことは絶対に許しませんから」

王馬「え?夢野ちゃん?なんでそれを知って…あ」

王馬(そう言えば朝食会の時にトイレに行くって言って抜け出した後、暫く戻って来なかったっけ)

茶柱「転子からは以上です。何か言い残したことは?」

王馬「んー、もう何を言っても無駄そうだからいいや」

茶柱「では、話し合いはこれで終わりですね」

王馬「だね」

茶柱「転子は一足先に帰るので、着いてこないでくださいよ」クルッ

王馬「はいはい」

茶柱「今回はこの程度の掠り傷で済んだからよかったようなものの、アナタの様子を見るにいつ大事に発展するか判りませんので。そうなる前に、転子が力尽くで止めてみせます」スタスタ

茶柱「…そんな顔したって、ダメなんですからね」

ギイッ

パタン


王馬「……」

王馬(オレ、そんなに酷い顔してたかな)
322 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/08(木) 00:38:56.52 ID:lazAC2mSO

今日の分終わりです。
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 22:12:26.21 ID:qk/4QaVD0
おー更新きてた!乙です
自分の気持ち忘れていくのって怖いな…最初はこんなに深刻になるとは思ってなかったわ
続き楽しみに待ってます
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 22:23:18.34 ID:wcqPnQxIo
普通なら恋心は応援したいところだがこれはなあ…
王馬自身もしんどそうなのが滅茶苦茶伝わるし
他の皆含めてハッピーエンドになるのを祈るしかない
自分もこのSS楽しみにしてます
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/13(火) 21:42:12.89 ID:1B5Dor+V0
待ってるよー
326 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/14(水) 23:50:05.57 ID:9ABFWDzSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>323
番組側からすれば予定通りの順調な進行ですね。

>>324
最終的にどうなるかは書いてる奴にもまだ判りません。

>>325
お待たせしてます…(口癖)
327 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/20(火) 21:27:53.12 ID:MaGEpG5SO

生存報告。
インフルで数日間ダウンしてました。
328 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/24(土) 00:44:17.01 ID:zSmRIYPSO

テロップ【16日目・朝】


─最原の部屋─


最原(入間さんと天海くんは、特に元に戻りたいとは思ってないみたいだった。…赤松さんたちも同じなんだろうか?)

最原(僕の動機は最初からずっと自分自身のためではあった。だけど僕は心のどこかで、みんな元通りの関係になることを望んでる…僕と同じ気持ちでいてくれてるって、勝手な思い込みをしてたんだ)

最原(だからそうじゃないことが判って現実を突き付けられてたっていうか、凄くショックだ)

最原(僕がしようとしていることってなんなんだろう。単なるひとりよがりで、みんなにとっては意味の無いことだったりするのかな)

ピンポーン

最原(…今の時間だったら天海くん以外は食堂にいるはずだけど、誰だろう?)

ガチャ

モノクマ「やあやあ、おはようございます」ヒョコッ

最原「うわあっ?!」ビクゥ

モノクマ「んもー、クマを化け物みたいに」

最原「朝っぱらからなんの用だよ」

モノクマ「カジノの景品でさ、ハート型の鍵みたいなアイテムがあったでしょ?一昨日の夜に使ったばかりだから分かると思うけど」

モノクマ「それについて言ってなかったことがあるから、今更ながら説明しに来ました!」

最原「……何を企んでるんだ?」

モノクマ「うぷぷ、そんなのバカ正直に言う訳ないじゃーん!ま、ボクの話を聞き終えた後に自力で推理してみればいいんじゃないの?キミは超高校級の探偵なんだから」

最原「…………」

モノクマ「あのアイテムはね、言ってしまえば心の鍵なんだよ。鍵に選ばれた人は深層心理に押し込めてる願望をたったの1夜、それも使用者だけに解放するんだ」

モノクマ「で、最原クンは鍵を使って何を見たのかな?」

最原「…正直よく憶えてないんだけど」

モノクマ「まあ訊かずともこっちは把握してるよ。なんてったって最原クンがアレを使った時、赤松さんを引き当てるように確率弄ったのボクだしね」

最原「は?」

モノクマ「赤松さんも相当参ってたみたいだし、粋な計らいってやつですよ」ムフー

最原「なんでそんなことを…」

モノクマ「まだ解らないの?探偵の癖に察しが悪いなあ。もしかしたら夢をちゃんと憶えてないせいかも知れないけど」

最原「勿体振らずにさっさと言えよ」

モノクマ「赤松さんが、キミに触れたいという欲求を極度に抑圧していたからだよ」

モノクマ「いや、していると言うべきかな?現在進行形だし」

最原「それで不憫に思ったから『粋な計らい』をしたって?だったらどうして彼女を元に戻さないんだ」

モノクマ「赤松さんが今感じている感情はライトに因る症状の一種だ。治す方法はボクが知っている。ボクに任せて!…なんて、出来ることなら言ってあげたいんですよ」

最原「ふざけるのも大概にしてくれないかな」

モノクマ「でも、視聴者の意見は絶対だからな〜。そこは番組スタッフの一存じゃどうにもならないからな〜」チラッチラッ

最原「…!」

モノクマ「おっと、少し喋り過ぎちゃった。取り敢えずボクの口から言えるのはこれくらいだね」

モノクマ「精々よく考えなよ、自分の頭でさ。うぷぷぷぷ」
329 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/24(土) 00:56:17.86 ID:zSmRIYPSO

テロップ【約一時間後】


─食堂─


最原「…ってことがあったんだけど、天海くんはどう思う?」

天海「結論から言うと罠でしょうね。キミだってそれくらい判ってるんじゃないっすか」

最原「そうだね、モノクマーズが入間さんの発明品を壊した理由は一見現状維持のために思えるけど、きっと実際は違う。それこそ彼らが嫌うマンネリに陥ってしまうし」

最原「番組側の目的は、予め想定しているシナリオから僕たちが逸脱するのを阻止すること。そう考えるのが自然だ」

天海「アイツらは敷いたレールの先で、キミがのこのこ捕って食われに来るのを舌舐めずりして待ってるんすよ。そこに自ら飛び込んでいく道理は無いっす。最原君、俺と一緒に別の手段を考えましょう」

最原「天海くんの言いたいことは分からなくもないよ。でも他にみんなを戻す方法がある?あったとしても、モノクマたちはそれを悉く潰しにかかるはずだ」

天海「あんな奴の口車に乗るんすね。キミはもうちょっと冷静で賢い人だと思ってたんすけど」

最原(天海くんは僕の両肩に手を置くと、微妙に身を屈め同じ目線の高さからこちらを睨んだ)

天海「どうして言うこと聞けないんすか」

天海「俺はどうなったっていい。でも最原君は駄目っす。俺のせいでキミが危ない目に遭うような、そんな本末転倒なことがあっちゃいけない」ギリィ

最原「痛っ」ビクン

天海「あ…ごめんなさい」パッ

最原「天海くん、なんか変じゃない?だからって僕が全面的に正しいって言うつもりは無いけど」

天海「いや、ホントすみません。どうかしてたっす」

最原「そうだよ。自分はどうなってもいいなんて、そんな…」

天海「……しばらくひとりで頭を冷やしてくるっす」スタスタ

ギイッ

パタン


最原(もしかして、天海くんはライトを浴びる前から僕に対して持っていた好感を増幅されている?元に戻りたがらないのも、その癖ここ最近やたら協力的なのもそういう動機からだったのか?だとしたら、なんか複雑な気分だな)

最原(彼が僕を酷く心配していることも、恐らくそれだけ大事に思ってくれているであろうことも判る。でも、あれは友人への態度としては余りにも可怪しい)

???「最原さん」

最原(あれじゃまるで、聞き分けの無い弟か妹を叱るような─)

???「最原さん!」

最原「わっ!…茶柱さん?いつの間に?」

茶柱「天海さんとほぼ入れ違いで。この時間帯だったらアナタはまだ食堂にいると思って、態々会いに来たんです」

茶柱「最原さん、アナタに伝えなければならないことがあります。…取り敢えず、場所を変えませんか?」
330 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/24(土) 00:58:09.91 ID:zSmRIYPSO

今日はここまで。
友情ってなんだろう(哲学)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/24(土) 20:40:09.15 ID:hXWOhuhY0
うわぁ…なんかいよいよ天海もまずくなってきたな!!…いや割と序盤からまずかったわ
転子は王馬の話かな〜次も楽しみです
332 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/28(水) 20:18:51.51 ID:WgOgls2SO

レスありがとうございます。

>>331
まあ何が一番まずいかっていうと最原の前でも取り繕えなくなってきたところですよね。
333 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/28(水) 20:25:00.36 ID:WgOgls2SO

テロップ【16日目・午前】


─超高校級の合気道家の研究教室─


最原「アンジーさんが夢野さんを監視するようになったのって、そういう経緯があったからなんだね…。でも、王馬くんはなんでそんなことをしたの?」

茶柱「これといった考えは無く衝動的にやってしまったんでしょう。彼は今、自分の感情を自分ではどうにも出来ずにいるんです」

最原(もしかして、真宮寺くんが言っていた『非常に危うい状態』ってそういう意味だったのかな?)

茶柱「最原さんだけに白状しますけど…実は、この傷も王馬さんにやられたんです」

最原「!」

茶柱「アナタに関して色々と話をしていた時に、王馬さんがいきなり襲い掛かってきまして…。心底反省していたようですし怪我自体も掠り傷だったので、この件は不問に付しましたが」ガサゴソ

茶柱「持っていた凶器は没収しました。一応、証拠として見せますね」スチャ

最原「…王馬くんが持っていた折り畳みナイフだ。刃先にうっすら血が付いてるね」

茶柱「見憶えがありましたか。話が早くて助かります」

最原「実際信じ難くはあるけど、茶柱さんは嘘を吐いてまで他人を貶めるような人じゃないからね」

茶柱「……」

最原(表情が死んだ…別に褒めたつもりは無かったんだけど)

茶柱「話を戻します」

最原「あ、うん」

茶柱「王馬さんは嘘吐きだし、よく女子を困らせるし、いいところなんて見出だせない、本当にしょうも無い男死です」

最原(散々な言われようだな)

茶柱「しかし今回最原さんにお話しした事柄については、必ずしも彼だけが悪いのではないと考えています」

最原「そうだね、元を正せば例のライトのせいだろうし」

茶柱「やはりアナタも同じ意見ですか。では、王馬さんのためにも今後彼との交流を完全に絶っていただけませんか?」

最原「…え?」

茶柱「王馬さんの発作的な行動は最原さんが引き鉄になっています。だから、お互いに距離を置いて欲しいんです」

最原「茶柱さんは、本当にそれで解決すると思ってるの?僕にはそうは思えないよ」

茶柱「じゃあどうするべきだっていうんですか」

最原「それはまだ判らない。直接王馬くんの話を聞かないことにはなんとも言えないよ」
334 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/28(水) 20:32:58.28 ID:WgOgls2SO

茶柱「…止めてください。最原さんに何かあっては夢野さんに顔向け出来なくなってしまいます」

最原「彼女、あんな状況でも僕のことを気に懸けてくれたんだよね」

茶柱「夢野さんの貴重な頑張りを無駄にする気ですか?殴りますよ?」

最原「でもさ、彼の暴走に僕が深く関係してるなら尚更僕がなんとかしないとダメなんじゃないかな」

茶柱「なんとかするって…最原さんに出来ることなんて限られてるでしょう。アナタは自らの身を守る術も、他人の心情を察する鋭さも持ち合わせていないんですから」

最原「そう言われると困るな…。でも、逃げずに向き合うことなら僕にも出来るよ」

茶柱「……逃げ、ですか」

最原「うん。何も知らないまま、確かめないまま終わらせちゃいけない」

茶柱「アナタがこんなに依怙地だとは思いも寄りませんでした。百田さんのバカが伝染ったんですかね」

最原「頑固さで言えば茶柱さんもいい勝負でしょ」

茶柱「男死の癖に口答えしないでください。…折角忠告したのに、残念です」

最原「ゴメンね、どうしてもそれは聞き入れられない」

茶柱「そこまで言うなら…分かりました。では、今からネオ合気道の特訓をしましょう!」

最原「あ、あれ?なんでそうなるの?」

茶柱「『自らの身を守る術』を習得するためですよ。俄仕込みでも何もしないよりはマシなはずですから」

茶柱「最原さんは元々ネオ合気道を極める予定でしたし、いい機会じゃないですか」

最原(ああ、そう言えば茶柱さんの中ではそういうことになってたんだっけ…)

茶柱「転子は全力でいきますから、最原さんも死ぬ気でかかってきてくださいよ!」

最原(茶柱さんからネオ合気道の指導を受けて過ごした)
335 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/02/28(水) 20:35:56.07 ID:WgOgls2SO

テロップ【16日目・昼】


─最原の部屋─


ピンポーン

最原(今度は流石にモノクマじゃないよな?)

ガチャ

王馬「よっ、最原ちゃん」

最原「王馬くん。どうしたの?」

王馬「午後から時間空いてない?ちょっと大事な話があるんだよね」

最原「そっか、僕もキミに聞きたいことがあるから丁度よかった。ところでそれってどうしてもふたりきりじゃないとダメなのかな」

王馬「うん、ダメ。話の内容が内容だし、誰にも邪魔されたくないし」

最原「…分かった」

最原(茶柱さんは、王馬くんと直接話す時は第三者を同席させろって言ってたけど…これは仕方無いよな)

王馬「それじゃ校舎の正面玄関前で待ってるから、お昼食べたら直ぐ来てね」バタン

タッタッタッ…


最原(王馬くん、言動自体は普通っぽかったけど有無を言わせない感じだったな…)

最原(ちょっと怖いけどここで躊躇してる場合じゃないし、早くカロリーメイト食べて早く行こう)モクモク
336 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/02/28(水) 20:39:28.22 ID:WgOgls2SO

今回の投下終わりです。
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/01(木) 22:57:16.77 ID:/kVWooraO
乙です
めっちゃ続き気になるところで止まって楽しみだ
ネオ合気道は果たして役に立つのか否か
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 10:11:28.16 ID:OP1poxzm0
乙ですー
続きが気になる!
339 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/03/06(火) 22:09:18.09 ID:acZDU/TSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>337-338
一旦別のエピソードを挟む(次回更新分)予定なので最原の安否が判るのはそのまた次ですね。
340 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/03/09(金) 17:52:43.03 ID:50wLpAESO

テロップ【16日目・午後】


キーボ(赤松さんから背中を押してもらって踏ん切りが付きました。入間さんにボクの気持ちを…『アナタの想いには応えられない』ということを伝えに行きます)

キーボ(その上で今後どうするかを彼女と話し合いましょう)


─超高校級の発明家の研究教室─


ギィッ

キーボ「入間さん、いますか…?」

入間「……キーボ」

タッタッタッ

キーボ(彼女はこちらを顧みてボクの姿を認めると、一直線に駆け寄り─)

ガバッ

キーボ「うわぁ?!」

キーボ(勢いよく抱き付きました。お陰でバランスを崩しそうになりましたがすんでのところで踏み止まります)

キーボ「いっ入間さん、取り敢えず離れてください」

入間「もう無理…我慢出来ないよぉ…」ハァハァ

キーボ「顔が赤いですけど熱でもあるんですか?それなら部屋に戻った方がいいと思いますが」

入間「うるせー、余計なお世話だ…それよりオメーを改造させろ」

キーボ「改造?」

入間「ああ、見た目を最原そっくりに造り変える」

キーボ「?!」

入間「顔と髪を弄るぐらいだったら今直ぐ出来るし、それならオレ様もなんとかイケるし、とにかく浮気せずに済むんだよ!」

キーボ「…意味不明です。ボクにも解るよう説明してください」

入間「理解する必要なんてねーよ。天才の考えに間違いは無いんだから黙って随え」

入間「つってもテメーのするべきことと言えば、作業台の上で横になって大人しくすることだけだ。味覚センサーを取り付けた時と同じようなもんだしちゃんとやれるよな」

入間「大丈夫、痛くしないから…アタシに身を任せて?」

キーボ「…ボクの意見を無視して勝手に話を進めないでください!」

入間「な、なんだよ。怒ってんのか?」

キーボ「まずボクは、入間さんの改造を受ける気はありません。それでもやるというのなら全力で抵抗します」

キーボ「それと、入間さんがそういうことをしようとした理由は、例のライトが関係しているんですよね?」

入間「……」

キーボ「正直に話してくれませんか。アナタが何を言おうと責めたりしないので」

入間「ほ、本当に?」

キーボ「はい」

入間「じゃあ─」
341 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/03/09(金) 18:00:03.58 ID:50wLpAESO

キーボ(入間さんは全てを打ち明けてくれました。6日前に怪しげなライトの光を2度当てられた事。その後ボクや最原クンに対する印象が変わった事。辛抱し切れずに最原クンを襲おうとした事。今のままじゃダメだと思ってどうにかしようとしていた事)

キーボ「今までずっと、ひとりで抱え込んでいたんですね」

入間「だって、こんなの人に言えないだろ…」

キーボ「人には言えないからロボットであるボクに話したという意味じゃないですよね?」

入間「事情を知ってる奴もいたにはいたけど…最原は目の毒だし、王馬や天海はなんか怖ぇーし…」

キーボ「それで、今まで誰にも相談出来ずにいたと」

入間「キーボ…オレ様はどうすりゃいいんだ?」

キーボ「入間さんはどうしたいんですか」

入間「え?取り敢えず最原にムラムラしちまうのだけなんとかしたいって思ってるけど…」

キーボ「ボクは今の入間さんの想いを受け入れられないので、アナタには完全に元に戻って欲しいんです」

入間「えっ…な、なんでだよ?!」

キーボ「入間さん、落ち着いてください!」ギュ

キーボ(突如激した彼女を宥めようと手を握りましたが、直ぐ様振り解かれてしまいます)

入間「近寄るな!好きでもない癖に紛らわしいことするんじゃねーよ!」

キーボ「……っ」

キーボ(入間さんに反論したいのはやまやまですが、そんなことをしても却って彼女を混乱させるだけなので黙るしかありません)

入間「うぅ…なんでそんな目で見るんだよぉ…」ポロポロ

キーボ(入間さんが泣いている…あのライトさえ無ければ彼女は悲しまずに済んだし、ボクだってこんな思いをすることは無かった)

キーボ(全部、モノクマのせいだ…!)

キーンコーンカーンコーン

入間「」ビクッ

キーボ「…校内放送?」

モノクマ『さてさて、突然ですがこれから学級裁判を開くことになりました!オマエラ、中庭の裁きの祠に急いで集まってください!』

モノクマ『学級裁判は全員参加だから、拒否したらオシオキだよ!ま、来なくても無理矢理引っ張ってくけどね』

モノクマ『うぷぷ、それじゃ待ってるよ〜』

ブツッ

入間「なんだ、今のは…?」グス

キーボ「学級裁判とかオシオキとか言ってましたが、なんのことだかさっぱりですね。…とにかく、行くしかないと思います」

入間「…そうだな」

キーボ(ボクと入間さんはふたりで中庭の奥の建物へ向かいました。その間、ボクたちが言葉を交わすことはありませんでした)
342 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/03/09(金) 18:01:40.52 ID:50wLpAESO

一旦投下終了です。
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 23:26:17.20 ID:HteJPS2CO
乙です
このタイミングでのまさかの学級裁判
誰も死んでないよな…?
344 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/03/15(木) 22:38:52.52 ID:r8QdyDrSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>343
(R板じゃないのでエログロ展開は)ないです。
345 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/03/21(水) 21:44:25.01 ID:YsUtjD5SO

生存報告。
積みゲー積読が減りません。
346 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/03/27(火) 21:35:30.06 ID:GrVD03rSO

生存報告。
347 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/04/02(月) 21:13:30.36 ID:neVIZLfSO

生存報告。
348 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/04/04(水) 01:09:54.90 ID:stRHWaASO

テロップ【十数分前】


──超高校級の総統の研究教室─


最原「校舎の地下にこんな場所があったなんて…」キョロキョロ

王馬「仮にも悪の総統の拠点が、人目に触れるような場所にあっちゃ不味いし?」

最原「確かにここだったら誰も来ないだろうね」

王馬「という訳で、早速本題に入ろうか。なんとなく心付いてるだろうけど、話っていうのはあの妙なライトについてだよ」

最原「キミは例のライトの光を浴びたことで、僕に対して懐いていた感情を書き換えられた。そのせいで何かしらの不都合が生じているんだよね?」

王馬「そうだよ。…オレがあれこれ思い悩んでるのに最原ちゃんはなんにも知らないんだって思うと、いい加減ムカついてきてさ。だから、底を割って洗い浚いぶちまけることにしたんだ」

最原「うん、覚悟は出来てる」

王馬「出来てなきゃ困るよ。じゃあ、言うね」

王馬「オレはあのライトを浴びてからずっと最原ちゃんが…」

最原「」ゴクリ

王馬「お前が、憎くて憎くて堪らなかったんだよ」

最原「……」

王馬「最原ちゃんのことなんて1秒だって考えていたくもないのに、気が付くとキミを惨たらしく殺す妄想ばっかりしてた」

王馬「妄想だけで我慢出来るはずも無かったんだけど…でも殺しは組織の方針に反するし、オレとしても極力避けたかったんだ。そこで、キミを殺しちゃいけない理由をキミ自身に見出だせれば、そんな気は起こらなくなるだろうって考えた」

王馬「ライトを浴びた次の日からちょくちょく付き纏ってたのはそういうこと。ほんと、苦痛でしょうがなかったよ」

王馬「まあ、そこまでしたのに結局ダメだった訳で。実を言うと今この瞬間もキミの存在が許せない。今直ぐ消し去りたい。…でも本当はそんなことしたくないんだ。変だよね。最原ちゃんに対する殺意は紛れも無い本物なのに」

最原「王馬くん」

王馬「何」

最原「…大丈夫?凄い顔してるけど」

王馬「……まず自分の心配をした方がいいんじゃない。オレはほら、深呼吸でもすれば落ち着くから」スー ハー

王馬「だから、平気っ…」ヒュゥ

最原(言葉とは裏腹に、王馬くんの息差しは浅くて急でやや不規則なものになっていく)

王馬「ごめ…ちょっと、待って」カハッ

最原(王馬くんはスカーフを自分の口に押し当てるとその場に踞ってしまった。その姿は彼らしからぬ、なんとも弱々しいものだった)

最原「ねえ、王馬くんがさっき僕を殺したいとか言ってたのは嘘だよね?僕には、キミがそんな嘘を吐く理由もその真意も判らない。でも…」

最原「キミが今、とても苦しんでいるってことだけは判る」

王馬「……」
349 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/04/04(水) 01:23:29.61 ID:stRHWaASO

最原「僕は王馬くん…いや、王馬くんたちを助ける手段を知っているんだ。天海くんには止められていたし、踏ん切りをつけられずにいたけど」

最原「もう、終わりにしよう」スゥ

最原「モノクマー!!」

王馬「?!」

最原「今のも見てたんだろー!!話があるから直ぐに来てくれー!!」

モノクマ「うるさいなぁ、大声出さなくても聞こえるよ!」ヒョコッ

モノクマ「で、話ってのは?」

最原「そんなの分かってると思うけど…でも、ちゃんと口に出さないと駄目なんだろう?言質を取れないし、説明が無いとこの番組を見ている人たちが置いてけぼりになるからね」

モノクマ「あーはいはい、用件を簡潔にお願い」

最原「ライトの件に関して、視聴者に談判する場を設けて欲しい。それで視聴者が承諾したら赤松さんたちを元に戻してくれ」

モノクマ「お、言ったね?言いましたね?」ニヤニヤ

最原「それで、どうなんだ?」

モノクマ「ライトの効果を完全に消すのは技術的には問題無いし、視聴者からのOKさえ出ればやってあげるよ」

モノクマ「こっちとしては盛り上がればなんでもいいんで、最原クンの要求を聞き入れるのは吝かでないね」

最原「そうか…」ホッ

モノクマ「こうなったらもう居ても立ってもいられないね!早速学級裁判を開こう!さーて、校内放送でみんなを呼ばなきゃ!」ヒョコッ

最原「え、みんな?待ってよ、交渉は僕ひとりで…って、もういない」


キーンコーンカーンコーン

モノクマ『さてさて、突然ですが─』

……


王馬「随分と大事になっちゃったね」

最原「王馬くん。もう大丈夫なの?」

王馬「無理…死にそう…」ゼェゼェ

最原「よかった、元気そうで安心したよ」

王馬「取り敢えず、最原ちゃんはこれからどうするの?」

最原「どうするって…裁きの祠?って所に向かうつもりだけど」

王馬「ふーん、そっか。オレは寄らなくちゃいけない場所があるから、先に失礼するよ」クルッ

タッタッタッ… ガチャ バタン

最原(…なんか、逃げるように去っていったな)
350 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/04/04(水) 02:42:50.38 ID:stRHWaASO

テロップ【数分後】


─裁きの祠─


茶柱「最原さん!」ダッ

最原「わっ、どうしたの?」

茶柱「ご無事ですか?誰かに乱暴されたりしてませんか?」

最原「特にそういうのは無いけど…なんで?」

茶柱「いえ、ならいいんです」

入間「……」チラ

赤松「それにしても、どうしてモノクマは急に私たちを呼び出したりしたんだろう」

最原「実は─」

赤松「」サッ

最原(赤松さん、慌てて目を逸らした…。やっぱり分かってても傷付くもんだな)

最原「えっと、実は僕のせいなんだ」

キーボ「最原クン、何か知っているんですか?」

最原「うん。でも、それを話すのはみんなが集まってからにするよ」


テロップ【更に十数分後】


最原「大体揃ったかな」

星「王馬がまだ来てねーようだが…」

最原「王馬くんは大体事情を把握してるから問題無いよ。それじゃあ、経緯を掻い摘んで説明するね」

カクカクシカジカ

白銀「それで、こんなことになっちゃったんだね…」

最原「うん。つまり、僕の我儘にみんなを巻き込んでしまったみたいなんだ」

天海「…最原君、俺は忠告したっすよね?」

最原「本当にごめん。独断で動いてキミに迷惑を掛け─」

天海「そういうことを言ってるんじゃねーっす。俺がなんで怒ってるのか判らないんすね」

天海「キミはひとりで罠の中に飛び込むつもりだったんでしょう?自分が危険な目に遭っても、それで俺たちが元通りになるなら安いものだとか、そんな考えでいたんでしょう?」

天海「最原君の身に何かあったら、俺は…」

百田「だーっ!ごちゃごちゃうるせー!」

最原「!…百田くん」

百田「過ぎたことにネチネチ言っても仕方ねーだろうが!とにかく視聴者を説得すればそれで全部解決なんだろ?だったらそれでいいじゃねーか!」

真宮寺「それはどうかな。彼らが無条件でこちらの要求を呑んでくれるとは限らないヨ」

春川「赤松たちを戻す代わりに、とんでもない条件を押し付けられるかもね」

アンジー「今より状況が悪くなる可能性もあるなー?」

夢野「そうならないようにするには…やはり説得しかないのかのう」

東条「でしょうね。逆に視聴者さえ味方に出来れれば、モノクマは脅威でなくなるわ」

百田「そういうこった。オレは終一なら絶対やれるって信じてるぞ!なんせオレの助手なんだからな」

最原「ありがとう、百田くん」

天海「……」
351 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/04/04(水) 13:10:10.81 ID:stRHWaASO

王馬「いっけなーい、遅刻遅刻ー」ギイッ

入間「ひいっ!お、王馬?!」ビクゥ

ゴン太「……ねえ王馬君、入間さんにちゃんと謝ったんだよね?」

王馬「謝ったよ。謝ってアレなんだって」

最原(王馬くんと入間さんの間に何があったんだろう…)

王馬「それより最原ちゃん、別にキミが気に病む必要は無いよ」

最原「え?」

王馬「知らないところで話が付いて、それでキミひとりが割を食うような結果になったら、そっちの方がよっぽど後味悪いと思うんだよね」

白銀「外で話聞いてたの?普通に入ってくればよかったのに」

王馬「ついさっきまで入り辛い空気だったじゃんか」

百田「ま、今回ばっかりは王馬の言う通りだ。オレたちは仲間なんだから、あんま水臭いことすんじゃねーよ」

最原「……うん」

モノクマ「イイハナシダナー」ヒョコッ

赤松「きゃあっ!」

モノクマ「いやぁ、誰ひとり欠けることなく学級裁判を迎えられて、ぼかぁ嬉しいよ!」

星「まるで誰か欠けるのが前提みたいな口振りだな…」

春川「それより、その学級裁判とかいう奴をさっさと始めてよ」

モノクマ「そのためにもまずは場所を変えないとね…よっと」

ゴゴゴゴゴ…

ゴン太「これって、エレベーター?」

モノクマ「うん、このエレベーターに乗って地下の裁判場に行くんだ」

キーボ「どうやら、行くしかないみたいですね」

モノクマ「勿論、行かなきゃオシオキだもの」

最原(そして全員が中に入ると、エレベーターが動き出した)

最原(僕は奥の方に陣取り、ぐるりと周囲を見渡す)

最原(青い顔をして固く目蓋を閉じている赤松さん、相変わらずいまいち感情の読めない王馬くん、いかにも不安そうで落ち着きが無い入間さん、俯いて何か考え込んでいる様子の天海くん、珍しく真剣な面持ちのアンジーさん…)

最原(全て終われば、きっと元通りになれるんだよな?)

最原(大切なものを取り戻すために、僕は勝たないといけない。この、学級裁判で…!)
352 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/04/04(水) 13:13:26.49 ID:stRHWaASO

今日はここまで。
寝落ちェ…。
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 17:09:23.71 ID:5RfKqp0zO
乙です
そろそろクライマックスかな?
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/05(木) 14:31:07.10 ID:A3PcpnNx0
続きすごい楽しみ
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/06(金) 13:46:03.02 ID:b/Rgjujq0
乙です
ライト当てられた方の反応からこれからどう出てくるのか楽しみ
356 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/04/10(火) 23:16:42.74 ID:aaklbH3SO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>353
ですね。後もう少しで終わらせます。

>>354-355
そう言っていただけると嬉しいです。ご期待に添えるか分かりませんが頑張ります。
357 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/04/16(月) 22:50:45.19 ID:/Bb1sABSO

生存報告とちょっとしたお知らせ。
ずっと週1で生存報告がてら書き込みをしていたのですが、今回から月1ペースに変えます。
絶対に完結させるので気長に待っていただければありがたいです。
358 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/05/15(火) 21:04:14.66 ID:waumcAySO

生存報告。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/16(水) 05:26:48.09 ID:JbjfagCGO
ゆっくり待ってる
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/19(土) 14:06:47.26 ID:XqnBT79K0
待ってます!
361 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/06/14(木) 23:17:32.28 ID:UIwcXimSO

レスありがとうございます。
生存報告を兼ねて返信。

>>359-360
お待たせしてます…(口癖)
その代わりという訳ではありませんが近い内に小ネタを投稿するつもりです。
362 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/05(木) 01:42:45.98 ID:n3LcqydSO

生存報告がてら小ネタ投下。



─食堂─


春川「もうどうしたらいいのか…」

東条「こんな所でめげてちゃ駄目よ。作戦を練り直しましょう」

???「春川さん、東条さん、何話してるの?」ヒョコッ

春川「わっ…なんだ、赤松か」

赤松「あ、もしかして訊いちゃいけない奴だったかな」

春川「別に隠すほどの事でもないんだけど…」

東条「ねえ、春川さんさえよければ彼女にも意見を聞いてみない?」

春川「そうだね。別の着眼点が欲しいし、赤松ならいいかも」

赤松「?」

春川「実は…恋愛相談なんだよね」

赤松「えっ、春川さん好きな人いたの?!相手は─」

春川「す、好きっていうかちょっと気になってるヤツがいるんだよ」カァ

春川「でも、そいつに異性として見られてる気がしなくて悩んでてさ。それで東条に話を聞いてもらってたの」

東条「その件で依頼を受けたのは数日前ね。色々とお手伝いをしたのだけれど、恥ずかしながらまだ目に見えた成果は出ていないようなの」

赤松「今までどういうアプローチをしてきたの?」

春川「やれるだけの事は大体やったよ。ボディタッチしてみたり、沢山デートに誘ったり。でも思ったような反応は返ってこなくて…」

赤松「うーん…だけど、嫌がられてる訳じゃないんだよね?」

春川「完全に脈が無いって判ればまだ諦めもつくんだけどね」

赤松「白黒はっきりさせたいんなら告白してもいいんじゃない?」

春川「それはまだちょっと…するにしても最後の日かな」

赤松「最終日までに出来る限りのアピールをしておきたいって訳だね」

春川「赤松はどうすればいいと思う?」

赤松「異性として意識されたいんだよね?だったら女の武器を使おうよ。春川さん、その人をプールに誘ってみない?」

春川「プールって事は水着…だよね」

東条「赤松さんって恋愛に関してもなかなか積極的なのね」フム

春川「他人事だから好き勝手言ってるだけのような気もするけど」
363 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/05(木) 01:43:52.61 ID:n3LcqydSO

赤松「ダメかな?」シュン

春川「だ、だって私は…」ジーッ

赤松・東条「?」

春川「…アンタらみたいに大きくないし」

赤松「え?何が?」キョトン

春川「そこで聞き返してくるとか信じらんない。この際はっきり言うけど胸だよ胸」

赤松「あ、ああ…」

東条「春川さん。貴女が想いを寄せている彼は、胸の大きさだけで女性を判断するような人ではないはずよ」

春川「そりゃそうだろうけど」

東条「けど?」

春川「……それを言ったら、いよいよ女の武器を使う理由が無くなるじゃん」

東条「そうかしら。春川さんのすらりとした脚はとても魅力的だから、活かすべきだと思ったのだけれど」

春川「胸の大きさだけじゃないってそういう意味だったの?」

東条「使える物はなんだって有効に使わないと、全力を尽くしたとは言えないわ」

赤松「結局どうするの?」

春川「じゃあ…や、やってみようかな」カァー…
364 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/05(木) 01:46:29.26 ID:n3LcqydSO

テロップ【翌日】

─室内プール─


百田「しっかし遅いなぁ、ハルマキの奴」

東条「女の子は着替えに時間がかかるのよ。…ドリンクを持ってきたから、これでも飲んでゆっくり待ったらいいんじゃないかしら」

百田「おっ、サンキュー。ほんと気が利くな」ゴクゴク



テロップ【一方その頃…】

─更衣室─


春川「やっぱ今からでも別の水着にしたい…」

赤松「うーん、いいと思ったんだけどな」

春川「だってこれ、殆ど裸と変わらないし…ちょっとずれたら見えちゃうじゃん」

赤松「サイズぴったりだし大丈夫でしょ」

春川「確かに気持ち悪いぐらいぴったりだよ。これモノクマが準備したんだよね?どんだけ用意周到なのアイツ」

赤松「とにかく!春川さんスタイルいいんだから、自信持ちなよ」

春川「ほ…本当に?信じていいんだよね?」

赤松「私じゃなくて自分を信じるの。ほら、行ってらっしゃい」トン

春川「う、うぅ…これで百田に引かれたら恨むからね!」タッタッタッ…



─再び室内プール─


東条「あら、来たみたいね」

百田「でもアレって…」

東条「それじゃあ私は用具入れの整理をしてるから、何かあったら呼んでちょうだい」フフッ

百田「お、おう」

春川「百田…」テクテク

春川(この水着は最低限隠さなきゃいけない部分を辛うじて隠しているだけの、最早衣類とは言えないような代物だ)

春川(確かスリングショットとかいうんだっけ…これ考えたヤツ頭可怪しいでしょ絶対)

百田「……」

春川「なんか言ったらどうなの?」

百田「すげー恪好だな」

春川「気の利いた科白ひとつ言えないんだね。まあ判ってたけど」

百田「ん、いや…いいんじゃねーのか」ソワッ

春川「っ!」カオマッカ

百田「放課後電磁波クラブみたいでよ」

春川「…………?」
365 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/05(木) 01:53:35.81 ID:n3LcqydSO

以上です。
去年はプールを活かしたイベントをロクに書かないまま夏が終わってしまったので「今度こそは」と使命感に駆られて書きました。
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 02:00:58.44 ID:/Cv+lc2lo
どんな水着か調べてみたらこれはヤバい…
普通のプールは入れなさそう
367 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/09(月) 02:20:45.54 ID:bspZRcMSO

レスありがとうございます。

>>366
実際、着用を禁じている海水浴場があるみたいですね(Wikipediaを見ながら)
368 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/07/09(月) 02:23:34.33 ID:bspZRcMSO

─地下裁判場─


星「なんだ?ありゃあ…」


『イェーイ見てるー?』『このメンバーのコロシアイ見たかった』『まさかの学級裁判』『楓ちゃんの吐瀉物ペロペロ』『平和とは』『取り敢えずキャラを殺せばいいみたいな風潮はどうかと思う』『どうせならほのぼの路線貫け』『結局死人は出なかったな』『すごく…ボクサーです…』『最原くんの髪の毛食べたい☆』『V4は今まで通りコロシアイ学園生活でよろしく』『希望とか絶望とかはもう要らない』『モノファニーは俺が貰いますね』『結構好きだったんだけどなあ恋愛観察バラエティ』『これもう黒歴史だろ』『そういえば音楽用語ってみんなイタリア語なんだっけ』『貴方の股間にティロ・フィナーレ!』


モノクマ「視聴者の皆さんの貴重なご意見だよ。裁判を進める上での参考にしてね」

白銀「なんだか既視感があるっていうか、どこぞの動画サイトみたいだね」

夢野「んあー…キショいのう」

最原(アレの何をどう参考にしろっていうんだ…)

モノクマ「ではでは、学級裁判のルールをざっくり説明します」

モノクマ「オマエラには視聴者を説伏してもらいます。情に訴えるもよし、理詰めで攻めるもよし、とにかく『ライトを浴びた人たちを元に戻してあげたい!』と多くの視聴者に思わせられたらオマエラの勝ちです」

モノクマ「それが出来なければ、ここにいる16人のキャストには洩れ無くオシオキを受けて貰いまーす!」

モノクマ「はい、説明終わり。という訳で各自、思い思いのアピールをしてください」

入間「つーかオシオキってなんだよ?!オレ様に何する気だ?!」

モノクマ「それは後で必ず話すことになるから今は気にしなくていいよ。ほら、物事には順序って奴があるからね」

百田「そもそもそんなの聞く必要ねーだろ。オレたちがそのオシオキとかいうのを受けるなんて有り得ないからな!」

真宮寺「根拠は無さそうだけど、とにかく凄い自信だネ…」

ゴン太「でも、視聴者って人たちに納得してもらうにはどういう話をすればいいんだろう?」

春川「まずは実際に被害を受けたヤツらに、好きに喋らせればいいんじゃないの。外野が何を言ったって説得力なんてたかが知れてるし」

アンジー「だったら、ライトを浴びたアンジーにはその資格があるんだよねー?」

茶柱「アンジーさんが真っ先にアピールをしたがっているようですね。…赤松さんたちはそれでいいんですか?」

赤松「私は構わないよ。丁度、自分の気持ちを整理する時間が欲しいと思ってた所だから」

王馬「オレもオレも。後の方が印象に残り易いしね」

茶柱「男死には訊いていませんが?」

入間「別に、順番に拘りはねーな。好きにしやがれ」

東条「…天海君は?」

天海「俺はそもそも、取り立ててこの場で何かを主張したいとか無いんで。無理に絞り出しても余計なことばかり言っちゃいそうだし、裁判を徹して静観してるっす」

東条「そうね、確かにそれが1番いいでしょうね…」ボソッ

最原「……」

アンジー「決まりだねー?それじゃあ、神様の有難いお告げを心して聞くがいいぞー!」


テロップ【夜長アンジーの主張】

アンジー「あのね…神様は凄く、凄ーく怒ってるよ?」マジトーン

アンジー「当然だよねー。それだけ酷いことをしたんだもん。そんな悪行に関わった人には、8親等引っ括めてありとあらゆる天罰が下るであろうって神様が言ってるよー」

キーボ「例えばどんな罰が?」

アンジー「んーとねー…朝、時間が無くて焦ってる時に必ず足の小指を硬い物にぶつけちゃうとか」

白銀「地味に結構かなり困る奴だね…」

アンジー「でもでもー、人間誰しも過ちを犯すものだし悔い改めるのに遅過ぎるなんて事は無いんだよー?」

アンジー「という訳で、この機会に改心すればなんと!天罰が奇麗さっぱり免除されちゃうよー。とってもお得だねー」

アンジー「にゃははー、信じる者は救われるー!」

王馬「キミはそれで本当に視聴者が言う通りにするとでも…思ってるんだよね、うん」

夢野「なんといってもお得じゃからな」

アンジー「じゃあ、神様寝ちゃったしアンジーは全てが上手くいくようにお祈りしてるよー」

入間「イカ松と種馬は後の方がいいんだったか?なら次はオレ様だな」
369 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/09(月) 02:25:27.32 ID:bspZRcMSO

短いですが今日はここまで。
1レスに詰め込み過ぎたかな…。
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/09(月) 11:39:43.50 ID:zv7Ap7unO
ぶれない☆コメにワロタw
371 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/25(水) 02:39:01.44 ID:I6FtXU1SO

レスありがとうございます。

>>370
視聴者のコメント羅列ネタを見たら語尾に☆マークが付いてるものを真っ先に探しちゃうのって、何気にあるあるだと思うんですよね。
372 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/07/25(水) 02:41:12.96 ID:I6FtXU1SO

テロップ【入間美兎の主張】

入間「そうだな…オレ様は、ライトを浴びた時からずっと幸せだった。毎日が充実していて楽しかった」

入間「代わりに大事な何かを忘れちまったような気がしたけど、そんなのどうでもいいって思えるくらいにはな」

キーボ「入間さん…」

入間「でも幸せで楽しいばかりじゃなくて、時折どうしようもない不安を感じることがあったんだよ」

入間「上手く言えねーんだけど…自分のちぐはぐな心が継ぎ目からほつれてばらばらになって、元に戻らなくなるんじゃないかっていう─いや、本当に何言ってんだ」

入間「でも…それでも、ダーリンを想うこの気持ちだけは、手放したくない、って」ポロ…

入間「う…ぁあ…」ポロポロ

ゴン太「い、入間さん?!大丈夫?どこか痛いの?」

入間「ちげーよ…そうじゃねーよぉ」ポロポロ

ゴン太「『だーりん』って人に何かされたの?酷いこと言われたとか?」

入間「なんでそうなるんだよ!ダーリンは悪くねー!ついでにオレ様もな!」ズビ

入間「オレ様が変になっちまったのはライトを浴びたからで…やったのはモノクマで…それは番組を観てる奴らが望んだことで…」ハッ

入間「諸悪の根源は視聴者(テメーら)じゃねーか!」

入間「最原にあんな目で見られたのも、ダーリンに振られたのも、涙が止まらないのも、全部視聴者のせいだ!」

入間「だからっ…責任取らなきゃ承知しねーぞ…!」

白銀「…いつもに増して何を言ってるのかさっぱりだね」

真宮寺「事情を知っている人には概ね察しが付くんじゃないかな?」

天海「彼女の主張は間違ってないっすよ。言い種はアレっすけどね」

春川「夜長といい、人にものを頼む態度には見えないよね」

最原(確かにアンジーさんと入間さんの発言にはかなりハラハラさせられた。でも、それ以上に心配なのが…)チラ

最原「王馬くん、キミはどうかな」

王馬「ここでオレに振ってくる?今の赤松ちゃんの本心を聞くのが怖いから、なるべく後回しにしたいとか?」

最原「別にそういうんじゃ─」

王馬「ま、キミの気持ちなんて関係無いんだけどね。オレなら全然OKだよ!」

赤松「だったら…お先にどうぞ」

王馬「という訳で、まずは見て欲しい物があるんだ」ガサゴソ

王馬「これなーんだ」

つ拷問致死薬
373 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/07/25(水) 02:48:58.27 ID:I6FtXU1SO

キーボ「確かそれは、最原クンの研究教室に置いてあった物ですよね?」

夢野「ウチの透視系小魔法『アナライズ』に拠るとかなりヤバい毒薬じゃな」

真宮寺「魔法なんて使わなくても、ラベルを見れば一発で判りそうなものだけど…」

王馬「ざっくり言うと自白剤みたいなもんだよ。最終的には死に至らしめるタイプの」

百田「そんなものどうすんだよ?」

王馬「こうするんだよ」パキ

最原(王馬くんは毒薬瓶を口明けすると、コップ代わりか外した蓋に中身を少量垂らした)

茶柱「あの、まさか…」

王馬「この薬って1滴だけでも効くんだよね。沢山飲んだりしたらヤバそうだしこれくらいにしとこうか」

王馬「どうせ撮影してるんでしょ?ちゃんと写してよね、飲んだ振りなんて言われちゃ堪ったもんじゃないから」グビッ

ゴン太「おっ王馬君?!」

赤松「何してるの?!それって飲んだら死んじゃうんでしょ?!」

王馬「あ、なんなら舐めた方がいっか。毒食わば皿までって言うもんね」ペロペロ

ゴン太「ムシしないでよ!」

王馬「うるさいなー、今からオレが話すんだから静かにして」

ゴン太「ゴ、ゴメン」

東条「差し出がましいようだけど、心配してくれている獄原君に対してそんな言い方をするのはどうかと思うわ」

ゴン太「いいんだよ東条さん。ゴン太は気にしてないから…」

東条「…そう。なら、口を挟んで申し訳無かったわ」

王馬「うわー、なんかめっちゃ嫌な感じの汗出てきた…。本格的に効いてきたかな」ダラッ…

アンジー「おお、小吉が血を採られた後のイケニエみたいになってるよー」

白銀「こんな風になるまで血を抜いちゃうの?」

王馬「さてと、ようやくまともに話が出来るね」

王馬「…偽り無いオレの本音、一言一句聞き逃さないでよ」


テロップ【王馬小吉の主張】

王馬「この度は随分と愉快なことをしてくれたね。オレ自身が当事者でさえなければさぞや面白かったろうに、残念だよ」

王馬「たらればの話はさて置き…視聴者目線で何か事件を起こしそうなのって断トツでオレだと思うんだよね。でも、その期待には応えられない。意地でも応えてやらない」

王馬「この先、心を弄られまくって終いには原形が無くなったとしても、絶対にオレはお前らを喜ばせるようなことはしない」

王馬「それだけは憶えとけよ」

星「確かに王馬ががこんな所で死ねば、視聴者の期待は裏切られるだろうが…。そのためだけに命を絶つのか?」

ゴン太「だ、駄目だよそんなの!王馬君が悪いことをしそうになったらゴン太が止めるから、だから死なないでよ…!」

王馬「…オレはさっきキミを邪険にしたのに、本当にゴン太は優しいね」

茶柱「ゴン太さんの言う通りですよ。別に今直ぐ死ぬ必要なんてありません。王馬さんが女子に何かしそうになったら転子が止めるまでです」

白銀「茶柱さんが男子相手にツンデレを発揮した…?!」

入間「熱でもあんのか?臍で茶沸かし女」

茶柱「男死は死すべきですが、態々目の前で死なれても困りますからね」
374 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/07/25(水) 02:55:59.83 ID:I6FtXU1SO

百田「でもこのままだとマジで死んじまうんじゃねーのか?」

最原(状況が状況なだけにみんな焦っている。でも、あの毒薬って確か…)

東条「取り敢えず毒を吐き出してもらった方がいいわね。出来れば腸内洗浄も─」

天海「それには及ばないっす」

赤松「…どういうこと?」

天海「王馬くん、言いたいことを言い終えたんならさっさとアレを飲んでください。徒にみんなを混乱させるのは感心しないっすよ」

王馬「たはー、バレちゃってたかー」

つ解毒剤

ゴン太「解毒剤…?それを飲めば王馬君は助かるの?」

赤松「あーもう、何してるの?!毒が回り切る前に早く飲んじゃわないと!」

王馬「んー、死ぬまではまだ余裕があるはずだけど、ネタが割れた以上は引っ張る意味無いもんね」パキ

王馬「息苦しいし気持ち悪いし何より嘘を吐けないせいでストレス最高潮だしもう飲むよ」ゴクゴク

王馬「っふー…さっぱりしたぁ」

夢野「全く、紛らわしい事をしおって…」

王馬「しょうがないじゃん、最原ちゃんの研究教室に置いてあった中で使えそうなのがこれしかなかったんだから」

星「なんにせよ俺の勘違いでよかったぜ」

春川「敢えて勘違いされるように振る舞ってた節もありそうだけどね。どうせ、みんなの反応を見て内心面白がってただろうし」

アンジー「どうして蘭太郎は解毒剤があるって知ってたのー?」

天海「最原君と毒薬が置いてある棚の点検をしてたんで。そうっすよね、最原君?」

最原「あ、うん…」

キーボ「本当に王馬クンは人騒がせなんですから…心配して損しましたよ」

キーボ「あ、今『ロボの癖に人騒がせとか言っちゃうんだー』って思いましたね?それと、ロボットだって他人を思いやることは出来るんですよ」

王馬「なんでそんなにピリピリしてるの?」

キーボ「誰のせいですか!」

春川「…酷い茶番だったね」

真宮寺「いい加減話を先に進めようか。赤松さん、そろそろいいかな?」

赤松「う、うん。なんとか」
375 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/07/25(水) 02:58:40.36 ID:I6FtXU1SO

テロップ【赤松楓の主張】

赤松「最初は、あれから辛かったことや大変だったことを喋ろうと思ってたんだけど、やっぱり止めておこうかな」

赤松「この番組の視聴者なら、今までずっと私たちを見てきたはずでしょ?だから、今更言われるまでもないよね」

赤松「人の感情を強引に捩じ曲げた結果何が起こったのか、キミたちはよく知っているはずだよ。もしかすると、私たち以上にね」

赤松「それを踏まえて私が言えるのは、私たちを元に戻して欲しいってことだけ。理由は言わなくても解るよね」

赤松「だから…どうか、お願いします」ペコリ

モノクマ「うぷぷ」

赤松「…え?」

モノクマ「うぷぷぷぷ…アーハッハッハッハッハ!」

百田「なんだよ、いきなり笑い出して…気味のワリぃ奴め」

モノクマ「失敬失敬。オマエラが何も知らないで可笑しなことを言ってるから、ついね」

東条「まだ何か隠しているの?」

モノクマ「気になる?知りたい?」

キーボ「確かに、気にはなりますが…」

モノクマ「そんなオマエラのために、こんな物をご用意しました!」

最原(モノクマが合図を出すと僕たちの前にモニターが降りてきた)

最原(そこに映っていたのは、僕がよく知っているはずの人物だった)


最原?『あ、あのっ、僕はダンガンロンパが大好きで─』
376 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/07/25(水) 03:02:19.98 ID:I6FtXU1SO

一旦投下終わりです。
ペース配分考えるの面倒臭いなー…。
377 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/08/25(土) 20:49:23.17 ID:e8YWyB1SO

生存報告。
息抜きに非安価SSを書き始めたのでよかったら暇潰しに読んでください。あっちは直ぐに終わる予定です。

夢野「なんじゃこの映画は…ハウス?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535175427/
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 22:54:56.92 ID:MXXM5EuBO
生存報告くると安心する
のんびり完結待ってます
379 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/10/15(月) 08:07:58.10 ID:zkoIYrCSO

生存報告。
380 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/11/16(金) 00:25:36.08 ID:Nai7E7SSO

>>378
前回書き込んだ時は見落としてしまいましたが、暫く更新が無かった期間にレスをくださってありがとうございました。
381 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/11/16(金) 00:28:58.17 ID:Nai7E7SSO

百田「アレは…終一なのか?」

最原「ち、違うよ!僕はあんなこと言ってないし、あの制服も全く見憶えが無いから違う!」

最原「違う、はずなんだけど…」

アンジー「あれあれー?歯切れが悪いねー?」

最原「でも本当に知らないんだ」

キーボ「念のため訊いておきますが、最原クンに顔のよく似た兄弟がいたりは…」

最原「…ううん、いないよ。僕はひとりっ子だから」

天海「それにしても、全く記憶が無いっていうのも妙じゃないっすか?」

白銀「そんなの口ではなんとでも言えるよね」

赤松「し、白銀さん?」

白銀「わたしだって本当はこんなこと言いたくないよ。けど、あんなの見せられちゃったらどうしても考えちゃうじゃない…!」

白銀「例えば、わたしたちが知っている大人しくて優しい最原くんは演技の賜物で、今見せられたアレが本当の彼なんじゃないかとか─」

天海「いい加減にしてください!!」

白銀「っ…」ビク

茶柱「男ッ死!白銀さんが怯えているじゃないですか!」

天海「……ごめんなさい。ちょっと冷静じゃなかったっすね」

入間「モサい原が何言おうが、映像に残ってる以上は言い逃れ出来ねーぞ」

モノクマ「まあまあ、あんまり責めないであげてよ。最原クンがなんにも憶えてないのは本当だしね」

モノクマ「それに他のみんなだって同じなんだから」

入間「…は?」

モノクマ「それじゃあ、次いってみましょう!」


赤松?『私、コロシアイとか向いてると思うんです。基本的に他人を信用しないんで』


赤松「な、何アレ?私、あんなの知らないよ…」

ゴン太「そもそも『だんがんろんぱ』とか『ころしあい』とか…なんの話をしてるの?」

モノクマ「それを今から教えてあげるんだよ。残りのみんなのVTRに乗せてね」


王馬?『1度、人が無惨に殺されるところを生で見てみたかったんです。それが叶うなら手段は選びません。勿論自分で手を下すことも考えてます』


モノクマ「そもそもこの番組は個性的な16人の高校生が殺し合うっていう企画だったんだ。そして、みんなはそのキャストを選出するオーディションに応募してきた、ごく普通の高校生だったんだよ」


天海?『俺ってほんと周囲の人間に恵まれなくて…そんなんだからフラストレーション溜まりまくってるんすよね。もうなんでもいいからストレス発散したいんすよ』


モノクマ「それがこんな生温い恋愛観察バラエティになっちゃったのは、かつてのキミたちにとっては間違い無く不幸なことだろうね」


アンジー?『アンジーは悪い子だからねー。どうせ死んだら地獄に行かなくちゃならないんだったら、その前に好きなだけ悪いことしたいんだー』


モノクマ「とにかく、めでたく合格してダンガンロンパV3─この番組に出られることになったキミたちは個性を植え付けられて、フィクションの存在として生まれ変わったって訳」
382 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2018/11/16(金) 00:33:18.06 ID:Nai7E7SSO

星「おいおい…相変わらず何を言ってるのかさっぱり解らねーぞ」

夢野「生まれ変わったとか言っておったが、ウチはここに連れて来られる前からずっとウチじゃぞ!こ、子供の頃の記憶だってあるんじゃからな!」

モノクマ「だーかーらー、それもこれも全部植え付けられたものなの!」

東条「そんなこと、有り得ないわ…!」

モノクマ「それが出来るんだって。なんなら感情の一部を書き換えるより簡単なくらいだよ?」

最原「!」

モノクマ「キミたちの超高校級っていう肩書も、今までの生い立ちも、何かと頼りにしてきた才能も、会いたがってた家族や友達も、ここで築いた人間関係も、全部そういう設定ってだけなんだよ」

モノクマ「何もかもフィクションなんだ」

真宮寺「キっキキキキミはななな何を言って─」スッ

姉清「是清や、落ち着きなさい。あのような戯れ言を信じるのですか」スッ

真宮寺「ね、姉サン…」

入間「ナメクジ野郎がぶっ壊れやがった!」

ゴン太「えっ、真宮寺君ってナメクジさんみたいに『しゆーどーたい』だったの?」

モノクマ「別にそんな設定は無いよ」

春川「この気持ちすら一切合切が嘘なら、ここにいる私たちはなんなの…?」

モノクマ「うぷぷぷぷ。取り戻そうとしたものが本当はどんなものなのか知って、絶望してくれた?」

赤松「…………」

王馬「オレと限りなく同化してた王馬小吉のイメージが分離して宙に浮いてる感覚…何が言いたいのか分からないけど不思議な気分だよ。王馬小吉、お前は誰なんだ?」

茶柱「あの、ちょっといいですか」

モノクマ「どうしたの、茶柱さん。そんなポカンとしちゃってさ」

茶柱「モノクマはさっきから現状を凄く深刻な事態だと思い込ませようとしているみたいですが…これって割と普通のことですよね」

モノクマ「……んん?」

モノクマ(なにいってだこいつ)
383 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2018/11/16(金) 00:38:27.99 ID:Nai7E7SSO

今回の分は以上です。

次回は重要な安価を取るので人がいそうな時間帯に投下したいのですが、何時頃がいいんでしょうか?
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/16(金) 11:33:57.44 ID:dYr75w9TO
深夜ていいじゃない?
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 17:13:38.22 ID:fLf7FAO2O
21~12時ぐらいなら人いそう
386 : ◆DGwFOSdNIfdy [sage saga]:2018/12/18(火) 20:37:52.27 ID:TtJ3F1Gv0

レスありがとうございます。生存報告がてら返信。

>>384-385
回答感謝です。参考にしますね。
387 : ◆DGwFOSdNIfdy [sage saga]:2018/12/26(水) 01:48:15.60 ID:W5z5B6uN0

ジッポ催眠の元ネタに気付いた人マジで0人説
https://imgur.com/RHKXQMB
388 : ◆DGwFOSdNIfdy [sage saga]:2019/02/04(月) 23:18:46.13 ID:BJdO1gzn0

生存報告。
(2017)年内に終わらせるとはなんだったのか…。
389 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/10/20(日) 11:59:49.77 ID:1YtiZww90

明日の21時頃更新(予定)。安価取ります。
390 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/10/21(月) 21:04:45.74 ID:ibTxd5wq0
茶柱「師匠が言っていたんです。自分が誰だか分からなくなるという感覚は多くの人が経験することで、特に丁度今の転子たちくらいの歳ではありがちな事なのだと」

真宮司「確かにアイデンティティの拡散は思春期・青年期に於ける通過儀礼みたいなものではあるけれど…」

白銀「いくらなんでも今回みたいなケースは特殊過ぎない?」

東条「でも、よくある事だと言われたら重く受け止めていたのが少し馬鹿らしく思えてきたわ」

星「今までの人生が全て嘘だったと聞かされた時は流石に動揺したが、俺にとっちゃ都合のいいところもあるしな」

モノクマ「いやだからさ、そもそもその師匠自体が存在しないんだって」

茶柱「例えそれが真実だとしても…師匠の教えは転子の心の中で生きています」

モノクマ「なんなの?アホ過ぎてボクの言ってることが理解出来ないの?」

百田「モノクマが何を言おうが関係ねー、オレはオレだ!」

春川「ほんと能天気だよね、アンタら。こんなことでへこたれるようなタマじゃないのは判ってたけどさ」

百田「ああ、それが百田解斗っていう人間だからな」

赤松「…そうだよ、あんな酷いことを言う人たちなんて知らない。私が友達になる約束をしたのは、ここにいるみんなだけだもの」

最原(赤松さんはそう言うと、血の気の引いた顔を上げて真っ直ぐにこちらを見据えた)

最原(本当は視界に入れるのも辛いはずなのにちゃんと目と目を合わせて、引き攣ってはいるものの口許には笑みを浮かべている)

最原(彼女の言う『みんな』の中には間違い無く僕も含まれているのだと…無言の内に伝えようとしたのだろう)

赤松「」フラッ

バタン!

夢野「あ、赤松が泡を吹いて倒れてしまったぞ…」

ゴン太「どうして急に倒れちゃったの?もしかして病気?!」

王馬「原因は精神的なものだろうから大丈夫だと思うよ」

ゴン太「じゃあ身体のどこかが悪いんじゃないんだね」

最原(ゴメン、赤松さん…僕のせいで…)

モノクマ「はあ…なんかボクとしては好ましくない空気になってきたけど、気を取り直して残りも流すよ」

アンジー「そんなの見る必要無いって神様が言ってるよー」

モノクマ「ふんだ!勝手に全員分流しちゃうもんね!」

最原(そしてここにいるみんな…によく似た誰か?のVTRが順繰りに映されて、残りは入間さん・白銀さん・キーボくんだけになった)

最原(これまでの映像は同じ所で撮られたもののようで殆ど変わり映えしない画面が続いていたが、今までとは明らかに違うミーティングルームのような場所が映された)


見知らぬ大人A『あなたの才能はコスプレイヤーでいいんですよね?でも、これって入れ替わりとか疑われるやつじゃないですか』

見知らぬ大人B『コスプレと変装は別物としても、才能を応用すれば似たような事は出来そう…と思われても仕方無い、かな?相手が一般人なら尚更』

見憶えのある女性『うーん…わたしとしては基本いい感じにステってなるべく疑われないようにしたいんだけどなー。あ、寡黙とかじゃなくてなるべく目立たないようにって意味ですよ』


最原(数人ほどの大人の中にひとり、この場にいる高校生とそっくりな人の姿があった)


見知らぬ大人A『そこに拘って議論が進まなくなったりしたら困るし…そうですね、コスプレは出来ても変装は出来ないって事にしたらいいんじゃないですか?でも口で言ってるだけじゃ説得力無いから何か─』

見憶えのある女性『あの記憶を植え付ける…なんだっけ、思い出しライト?』

見知らぬ大人A『合ってますよ』

見憶えのある女性『あれ使ってなんとかなりません?他の生徒の衣装を着るとキモいブツブツが出るように条件づけるとか』

見知らぬ大人C『ああ、心因性蕁麻疹的な?プラシーボ効果みたいなものでなんとかなりそうですかね』

見知らぬ大人A『取り敢えず科学技術班に相談してみます』

見憶えのある女性『じゃあそれで、お願いしますね』
391 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/10/21(月) 21:14:19.06 ID:ibTxd5wq0


最原「白銀さん、いくつか訊いていいかな」

白銀「…何を?」

最原「あの映像の中の、ホワイトボード手前の席に座っている女性はキミだよね」

白銀「うん…そうみたい」

最原「本当にどんなに些細な事でもいいんだけど、あれに関して何か憶えてたりしない?」

白銀「……」

最原「…僕たちは高校生が殺し合う企画のオーディションに合格したキャストだって、さっきモノクマは言っていた。でも映像を見ると、キミはまるで仕込み側の人間みたいだった」

最原「キミは一体…」

白銀「」プルプル

茶柱「最原さん、そもそもあんなものはデタラメで─」

白銀「うぷぷ」

最原「?!」

白銀「うぷぷぷぷぷ…アーッハッハッハァ!」

ゴン太「ど、どうしたの?モノクマみたいな笑い方して…」

白銀「キミにも解り易く言うとね、それはわたしがモノクマの仲間だからだよ!」

ゴン太「ええっ、白銀さんが?!」

星「オメーは俺らと違って映像の内容に心当たりがあるんだな?」

白銀「そうだよ、あなたたちと違って何も忘れてないもの。あ、ちなみに今回のテコ入れもわたしの発案なんだ。つまり一連の事件の犯人はわたしと言っても過言じゃないね!」

アンジー「ふーん…つむぎが…」

白銀「おっと、わたしだけを責めるのは止めてほしいな!」

王馬「この期に及んで上に指示されたからとか視聴者が望んだからとか言い訳する気?どう見てもノリノリだったよね」

白銀「一応それもあるんだけどね?わたしはあくまでアイデアを出しただけなの」

キーボ「何が言いたいんですか」

白銀「ま、それは口で説明するより見てもらった方が早いね」


キーボ?『』

白銀『すごーい!かっこいー!やっぱりちょっと苗木誠みあるなー』

見知らぬ大人D『元々そういうデザインコンセプトだったんで』

白銀『早くこの子が動いて喋るところを見たいなー』


白銀「この辺は別に気にしなくていいよ。どうせみんなの想定範囲内だろうし」

キーボ「っ…」

白銀「大事なのはここからだよ」


入間?『で、どうなんだ?』

白銀『うん。これは本当に感情を書き換える事が出来るみたいだね。汎用性も高そうだし動機として使える…って科学技術班の人が言ってたよ』

入間?『そこは心配してねーよ』

白銀『ああ、キミは自分がテレビに出られるかどうかって事にしか興味無いんだっけ』

入間?『そこまで分かってんならとっとと答えやがれ』

白銀『はいはいおめでとう、キミも晴れてダンガンロンパ世界の一員です』

入間?『……』
392 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/10/21(月) 21:19:22.09 ID:ibTxd5wq0

入間「……」ダラダラ

白銀「あれれー?なんだか見た事ある発明品が出てきたねー?」

入間「オ、オレ様はあんなの見た事ねーし…知らねーぞ」

天海「確かにアレは、俺に使われたライトとよく似てるっす。話を聞く限り性能も近いようだし試作品か何かっすかね」

白銀「ま、そんなところ」

夢野「あのライトは入間が作ったものじゃったのか?!」

入間「ち、違…オオオレ様はナニも知らねーんだって!」

アンジー「うーん、これはどっちかなー?」

王馬「一応嘘は吐いてないっぽいよ。オレたちと同じように記憶は失ってるみたいだね」

東条「…どちらにせよ入間さんには才能があるの?」

白銀「それがね、作ったのは入間さんなんだけど発明したのは彼女じゃないんだよねー」

百田「どういう事だ?」

白銀「入間さんのお母さんはね、入間さんと違って本物の天才美人発明家だったんだ。でも、佳人薄命・才子多病の言葉通りに若くして亡くなってしまったの。そんな彼女の莫大な遺産の中には、生きている内に創り切れなかった発明品の設計図もあった。入間さんはそれを元にあのライトを作ったってだけ。プラモデルを組み立てるのと変わらないよ」

白銀「でも入間さんがそれを作ってうちの会社に持ち込みさえしなければ、赤松さんも王馬君もアンジーさんも天海君も最原君もキーボ君も入間さん自身も苦しむ事は無かったんだよ?」

白銀「ねぇ謝りなよ。迷惑掛けて苦しめたみんなと、自分を棚上げして一方的に剣突食わせた視聴者の皆さんやわたしたちスタッフ一同に謝ってよ!」

入間「うぅ…オ、オレ様は…アタシはっ…」

キーボ「ふざけるなっ!!」

入間「!…キーボ」

キーボ「身に憶えが無いせいでロクに反論出来ない相手を非難するのが本気で正しいと思ってるのか?そもそもテコ入れだって、コロシアイだって、それを望む人間さえいなければ…!」

最原「…入間さん。キミには多少迷惑を掛けられた事もあったけど…キミのせいで苦しめられたなんて、少なくとも僕はこれっぽっちも思ってないよ。それはキーボくんも同じなんじゃないかな?」

入間「ほ、本当に…?」

キーボ「そうですよ。だから、あんな人の話なんて聞かなくていいんです」

白銀「そこまで言われたら流石に傷付くなぁ…いいもん、ここからは視聴者さんだけに向けて話すから」

白銀「本来の学級裁判に於けるオシオキは処刑で、肉体的な死が齎される…ってところまではどなたもご存知かと思いますが、これコロシアイ学園生活じゃなくてだんがん紅鮭団なんですよね。そのままだと捻りが無いので今回のオシオキはテコ入れの内容と絡めて精神的な死にしまーす!」

白銀「視聴者の方々には、ここにいる高校生たちの運命を決める権利がある訳です。留年か卒業か─即ちオシオキか否か」

白銀「オシオキでやる事は至ってシンプル。この学園に来る前の記憶を失ったキャストの人格をまた元通りに上書きし直します」

春川「元通りって…私たち全員、さっき映像で見たようなクソヤローにされるの?」

白銀「ここ16日間の思い出は奇麗さっぱり消してリセットするからある意味問題解決だね!ついでに、来るだけ来て体感的には何もしてないのに直ぐ帰らされるとなったら元のみんなが可哀相だから、その状態で紅鮭団を5日間延長します。大人の事情で放送はダイジェストになりますがご了承ください」

白銀「視聴者がオシオキを選ばなければ記憶と人格の再度書き換えは無し。好感度操作ライトの効果だけ消して、後は今の状態のまま外へ出てってもらいまーす」

白銀「それじゃあ投票タイム、スタート!」



エンディング分岐
安価↓3で多数決

1卒業(最原とライト使用者の個別卒業イベント)

2留年(だんがんモブ鮭団ダイジェスト)
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 22:38:37.54 ID:uEn2NckR0
1
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/22(火) 16:51:21.89 ID:ehb8Fk3F0
1
395 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga sage]:2019/10/22(火) 18:17:38.19 ID:HNXX+lyJ0

多数決でもう結果確定したので〆ます、安価ありがとうございました。
今更ですが↓3で〜というより↓3までで〜と書いた方が語弊無かったですかね。
396 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/11/09(土) 05:59:18.03 ID:ZBBj5DHO0

モノクマ「えー投票の結果、みなさんはめでたく当番組を卒業する運びとなりました!」

真宮寺「これは、視聴者の説得に成功したと見てよさそうだネ」

百田「やっと帰れるのか…随分長居しちまったな」

東条「そう言えば、番組の延長が私達に告げられた時点で明確な期日は決まっていなかったのよね。それには何か理由があったのかしら」

モノクマ「実はあのライトの効果は時間が経過する程強くなっていって、二百四十時間前後で完全に定着するんだ。そうなるとどう足掻いても元通りには出来ないね。十日を上限に設定したのはそういう事。もし誰もアクションを起こさなければ累計二十日目にそのまま放り出す予定だったよ」

春川「ああ、そうだったんだ。それなら最原のした事は間違ってなかったんじゃないの」

最原「あ…うん」

アンジー「約束通りちゃんとアンジーを戻してくれるんだよねー?」

モノクマ「面白くないっちゃ面白くないけどクマに二言は無いからね」

モノクマ「じゃあライトを浴びた人は一旦ここに残って、用が無い人は先にエレベーターからまた上に行ってねー。全員揃ったら晴れてみんなで卒業って事で」

最原(この学級裁判で新たな問題が出てきた事もあって円満な解決とは言い難いかも知れない。でも、取り敢えず最悪の事態は避けられたようで心の底からほっとしている)

モノクマ「あ、ちなみにライトの効果除去は強制じゃないからね。そこは生徒の自主性を重んじます。但し、戻る手立ては他に無いものと思った方がいいよ」

白銀「それを踏まえたうえで、アナタたちはどうする?」

入間「う、うるせーな。コスプレ陰険ババアは黙ってろ」

白銀「あーあ、すっかり嫌われちゃったなあ」

最原「……」

入間「けっ」

アンジー「かえでーかえでー」ペチペチ

赤松「うー…んぅ」

アンジー「起ーきーろー」ペチペチペチペチ

赤松「うぐ……アンジーさん?」

アンジー「お寝坊さんだなー、楓が眠ってる間にもう全部終わっちゃったよー」

赤松「そっか、私裁判の途中で倒れちゃったんだっけ…一体あれからどうなったの?」

アンジー「」ムギュ

赤松「?!どうしたの、急に抱き着いて…」

アンジー「楓が今までずっと頑張ってた事、神様はちゃんと知ってるよー」ギュー

赤松「へ?」

アンジー「辛かったよね。大変だったよね。でも、もう我慢しなくていいんだよ」

赤松「うん…本当にもう、終わりなんだね」

最原(珍しいな、神様を信じていない人に対してアンジーさんがああいう事を言うなんて)

最原(…ひょっとするとあれは本当はアンジーさんが言われたい科白なのかな)

王馬「天海ちゃんも元に戻してもらうの?」

天海「はい」

王馬「へぇ、意外だなー」

天海「本当にそう思ってるんすか」

王馬「えっそこ疑うんだ」

天海「寧ろ殆ど確信してるっすよ。今ばっかりは手に取るようにキミの心が読める気すらするっす」

王馬「オレには天海ちゃんが何を思ってるかなんて全く判らないけど」

天海「へぇ─」

王馬「でも、もしそれが本当ならオレの気持ちを慮ってもう何も言わないでくれるよね?」

最原(王馬くんと天海くんも少し気になるけど…僕にはそれ以上に確かめておきたい事があった)

最原「白銀さん」
397 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/11/09(土) 06:08:17.05 ID:ZBBj5DHO0

白銀「ん?どうしたの」

最原「オシオキの内容ってキミが考えたの?」

白銀「うん、絶望的なものでさえあればわたしの好きにしていいって言われてたから。結局キミたちがオシオキ回避したせいで無意味になっちゃったけどね」

最原「それは違う。余りいい気はしないけど、多くの視聴者は放送を通して僕たちというキャラクターに対して多少なりとも愛着を懐きつつあったはずだ。コロシアイを好き好んで観るような層であれば、例えばただ僕たちが酷い目に遭うようなオシオキとかなら需要はあったと思う。…今までのようにね。でも視聴者は、顔が同じだけの別人に興味は持てないんじゃないかな」

最原「白銀さんは本当にそんな事にも気付けなかったの?もしかすると、キミはこの結果を見越して敢えてあんなオシオキを設定したんじゃ…」

白銀「いやいや、その発想は無かったなー。いかにしてキミたちに嫌がらせをするかって事ばかり考えてたからすっぽり頭から抜け落ちてたっていうか?」

王馬「……ふーん」

赤松「あの、白銀さんたちはなんの話をしてるの?」

アンジー「つむぎが実はモノクマの仲間でびっくりーって話だよー」

赤松「しっ白銀さんが…?!」

王馬「うん、もういいって赤松ちゃん。その段階の話はとっくに終わってるんだよ」

天海「結構大事な所で気絶してたから仕方無いっすね」

赤松「白銀さんは…私が落ち込んでた時に楽しませて、慰めてくれたのに」

白銀「赤松さんがその時に何を思ったか知らないけど、わたしはあなたを着せ替え人形にして遊んでただけだよ?他のみんなが本気で心配している裏で、ドッキドキとワックワクを抑えるのが大変だったんだから」

天海「赤松さん、なんの因果か今回はたまたまそうならなかっただけで…一歩間違えていれば白銀さんは俺たちにコロシアイをさせていたんすよ」

赤松「…そっか、そうだったんだ」

白銀「幻滅した?」

赤松「したよ。…私は、キミとも友達になりたかった」

白銀「もー折角また彼と話せるようになったっていうのに、そんなしょぼくれた顔しないでよ」

赤松「嬉しいのに、色んな事があり過ぎて喜ぶどころじゃないよ…」
398 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/11/09(土) 06:12:02.57 ID:ZBBj5DHO0

入間「…………」

キーボ「入間さん、効果の除去は一部だけでも可能なのか訊かなくていいんですか」

入間「え、あの、それは」

キーボ「迷っているんですね」

入間「キーボは、どうしてほしい?」

キーボ「ボクとしては入間さんとまた元通りの関係になりたいです。でもそれ以上にアナタに後悔してほしくない。そうならないためによく考えてください」

入間「ダーリン…」

白銀「入間さーん、みんな待ってるよー」

赤松「あっ、私たちなら気にしなくていいから!」

王馬「オレは待たされるの嫌だけど」

入間「はぁ?ザコ共の事なんて知るか!」

アンジー「まぁ美兎だったらそう言うよねー」

入間「ただ…オレ様の時間は一刻万金だからな。モノクマ、とっととヤッてくれ」

モノクマ「ちなみに片方の効果を残してもう片方だけ消す事も出来るよ」

入間「いや、全部消せ」

モノクマ「本当にいいの?」

入間「気が変わらない内に早くしやがれ」

キーボ「…無理してませんか」

入間「辛いけど、このままキーボを好きでいた方が辛くなりそうだろ」

キーボ「そうですか」

キーボ(いずれにせよ彼女なりに納得していただけたようでよかったです)

モノクマ「キーボクンと最原クンはいつまでここにいるの?もう他のみんなは行っちゃったよ」

最原「そろそろ僕たちも行こうか」

キーボ「…はい」

キーボ(エレベータへ乗り込む直前になんとなく後ろ髪を惹かれる思いで振り向くと、同じようにこちらを見返す入間さんと視線が合いました。彼女は一瞬だけ僅かに目を見張った後、微笑んで言いました)

入間「またな」

キーボ(…『今の』入間さんと会う事なんて、もう無いのに)
399 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/11/09(土) 06:19:43.26 ID:ZBBj5DHO0

今回の投下終わり。残りは卒業イベントだけです。今から寝ます。
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 07:16:29.63 ID:LTW6KE8S0
投下乙
401 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/12/05(木) 06:55:51.47 ID:ghyFjCRp0

【卒業イベント@・くるくるイルマティック】


最原(本当にライトを使われたみんなが元に戻ったか確認するためにも、才囚学園から出る前にひとりひとりと少しだけ話す事になった)

入間「…はー」

最原(よりによってトップバッターが入間さんというのがちょっと怖いところではあるんだけど)

最原「入間さん…えっと、調子はどう?」

入間「なんだその訊き方。もうちょっとなんかあるだろ」

最原「じゃあはっきり言うけど、本当にもう僕に対して我慢しきれない程の欲望を掻き立てられたりしない?」

入間「妙にエロ小説臭くて童貞って感じの語彙力だな…まぁそこに関しては大丈夫だろ、今こうしてオメーと普通に喋ってられる時点で」

最原「うーん…言われて見れば確かにそうかも」

入間「数日の間は違和感を覚えるだろうけど直にそれも無くなっていく…ってあのババアは言ってたぞ」

最原「白銀さんの事?」

入間「いちいち確認すんじゃねーよ、判んだろ」

最原「…あの…」

入間「なんだよ。はっきり言え」

最原「…入間さん、元気ないよね」

入間「……そう見えんのか」

最原「やっぱり例の映像が気になる?」

入間「あんなの見て平気でいられる方がどうかしてんだろーが」

最原(そうだよな…殆ど偶然でギフテッド制度に選ばれただけの僕と違って、入間さんは発明家としての才能に高いプライドを持っていた。きっと、今までのアイデアが全て他人のものかも知れないという可能性が心懸かりになっているんだろう)

入間「最原…お、怒ってない?」

最原「え?なんで?」

入間「オレ様の発明品がきっかけで大変な事になっちまっただろーが」
402 : ◆DGwFOSdNIfdy [saga]:2019/12/05(木) 07:01:47.48 ID:ghyFjCRp0

最原「でも白銀さんの言い分を信じるならアレはキミのお母さんが─」

入間「は?あんな口から出任せを鵜呑みにしてんのか?言っとくけどオレ様は録画で見せられたもの以外はこれっぽっちも信用してねーからな」

最原「…そうなんだ。ならよかった」

最原(入間さんは僕が思っていたよりずっと逞しかったようだ)

最原「でも、それって裏を返せばあの映像自体は本物だと考えてるって事だよね」

入間「多分な。映像には合成は疎か、前後のカットを除けば編集の痕跡すら見付からなかった。オメーのあのキモオタ全開の口上は捏造じゃねーぞ。残念だったな!」

最原「真面目な話をしたいんだけど」ムス

入間「好きにしやがれ」

最原「白銀さんの発言は矛盾を含んでいて信憑性に欠ける。だけどVTRの方はちょっと無視出来ない。となると、僕たちがここに来る前の記憶を擦り替えられたっていうのは大いにあり得る」

最原「キミはどうする?もし、今も自分の帰りを待っているはずの親が、実際はとっくに死んでいたとしたら」

入間「……」

最原(明らかに入間さんの表情が曇った。やっぱり悪い事訊いちゃったかな)

最原(つい忘れがちだけど…彼女は変人である以前に、発明家である以前に、高校生の女の子なのだ)

入間「…そんなの訊いてどうすんだよ」

最原「僕も他人事じゃないし、お互い心の準備をしておいたほうがいいと思って」

入間「そうかよ」

最原「外の世界はどうなってるんだろうね」

入間「ただひとつ確かなのはオレ様の美貌と才能が向こうで渇望されている事だけだな」

最原「ポジティブだね」

入間「事実でしかないだろ」

最原「じゃあ確かめに行こうか。僕たちにはそれが出来るんだから」

最原(学園から出さえすればフィクションのような日々はそれきりで終わるものだとばかり思っていた。でも、僕が日常に帰るのはもう少し後になるかも知れない…)
403 : ◆DGwFOSdNIfdy [sage saga]:2019/12/05(木) 07:08:56.67 ID:ghyFjCRp0
こんな感じで書けたら投下していきたいと思います。
乙ありがとうございます。
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2023/01/07(土) 07:24:22.06 ID:ldG3e85I0
あげ
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