クラリス「教会生まれのCさん」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

24 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:21:32.08 ID:FqcG0Fn80
>>23 修正

クラリス「……」

歌鈴「……まだ、信じられませんか?」

クラリス「……私にとっての妖怪は、残虐で、残忍で、人をエサとしか思ってないような怪物です」

クラリス「私を襲ってきた妖怪も、私が討伐した妖怪もそうでした」

クラリス「みな、自分が第一でしたわ」

朋「そうね、それもひとつの像だと思うわ」

朋(……みくちゃんだって、初めて会ったときはそんな感じだったし)

クラリス「……」

朋「でも、一つの妖怪の性質が全部の妖怪に当てはまるわけじゃないわ」

朋「人間だって同じでしょ」

朋「一人ひとりが違う個を持ってるわ」

クラリス「……」

歌鈴「……クラリスさんの気持ちはよくわかります」

歌鈴「だから、ちょっと残酷なことを言っているのかもしれません」

歌鈴「それでも……」

歌鈴「……みくちゃんのことを、妖怪じゃなく、みくちゃんとしてみてあげてほしいです」

歌鈴「妖怪ってレッテルを通してみるんじゃなくて、みくちゃん自身を」

クラリス「……」

クラリス「……それは、友としての言葉ですか?」

歌鈴「はい」

朋「そうよ」

クラリス「そうですか……」

クラリス「……」


………………

…………

……
25 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:22:09.83 ID:FqcG0Fn80
みく「……だいぶ減ったんじゃない?」

モバP「そうだな」

モバP「……よし、後は俺に任せろ」

みく「へ?」

みく「みく、まだまだぜんぜんいけるよ?」

モバP「いや、相手が少なくなると誤射するかもしれないしな」

みく「あー……さすがにそれは大丈夫とはいえないからにゃ」

みく「でもPチャンは大丈夫?」

モバP「疲れているように見えるか?」

みく「……ぜんぜん」

みく「はぁ……こんなやつに喧嘩売るなんて、みくは何考えてたんだろ

モバP「はは、懐かしいな」

モバP「……まあ、そういうわけだ。後は任せろ」

みく「ん、わかった」

みく「やばそうになったら助けてやるね」

モバP「おう、ありがとう」

みく「まあ、Pチャンに限ってそんなことはないと思うけどにゃ」
26 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:23:00.49 ID:FqcG0Fn80
みく「やっほー」

歌鈴「あれ、みくちゃん……どうしたんですか?」

みく「アイツが後は一人でやるってさ」

朋「……あ、そう」

みく「だから今からみくもここで傍観ー」

クラリス「……」

クラリス「……みくさん」

みく「んー?」

クラリス「……」

クラリス「……こほん」

クラリス「先ほどは、助けてくれてありがとうございました」

みく「……急にどしたの?」

みく「さっきまでのお前と大違いにゃ」

クラリス「……」

クラリス「……私が助けられたことは事実」

クラリス「ですが、そのことに対しての感謝はまだだったので」

クラリス「それだけです」

みく「ふーん」
27 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:24:19.40 ID:FqcG0Fn80
みく「さっきの歌鈴ちゃんたちの言葉を聴いて心が変わった、とかじゃないんだ」

クラリス「!」

朋「あ、それも聞こえてたんだ」

みく「言ったでしょ? みくの耳は猫の耳!」

みく「……ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかったよ」

朋「そっか……ふふ」

みく「で、どうなの?」

クラリス「……私は、妖が大嫌いです」

クラリス「それは、今も昔も変わりません」

みく「あ、そう」

歌鈴「……」

クラリス「……しかし」

クラリス「二人の言葉……そして、貴女の行動が考えるきっかけにはなりましたわ」

クラリス「妖も、それぞれ個を持っているということについて……」

歌鈴「クラリスさん……」

クラリス「私はまだ妖は許せません」

クラリス「顔も見たくないくらいには嫌い、大嫌いです」

クラリス「ですが、私は貴女を個としてみて……」

クラリス「妖怪ではなく、みくさんを見て」

クラリス「……『嫌いではない』という評価にいたりました」

みく「……微妙だにゃ」

朋「大嫌いからはずいぶん上がったと思うけどね」

クラリス「ええ、大きく上がりましたわ」

クラリス「会話を許せるくらいには」

みく「……」
28 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:26:05.30 ID:FqcG0Fn80
クラリス「とはいえ、まだ私は貴女を信じきったわけではありません」

クラリス「……変なことをするようでしたら、私が貴女を討伐します」

みく「はん、やれるもんならやってみるにゃ!」

みく「お前なんか返り討ちにしてやるにゃ」

クラリス「……」

クラリス「……今、貴女への評価が『嫌い』に変わりました」

みく「奇遇だにゃ、みくも嫌いだよ」

クラリス「……」

みく「……」

歌鈴「お、お二人ともっ! そんな顔してにらみ合わないで……ねっ、ねっ?」

クラリス「……そうですね」

クラリス「やるなら、万全のときで……」

歌鈴「や、やらないでくだしゃいっ!」

クラリス「ふふ……冗談ですよ」

クラリス「貴女が真に人の害をなす存在となるまでは、手を出しません」

みく「はいはい。そんときは大人しくお前を返り討ちしてやるにゃ」

クラリス「……」

みく「……」

歌鈴「二人ともーっ!」

朋「ふふ……あ、そろそろ終わるみたいよ」

みく「ん……あ、Pチャンね」

クラリス「……」

モバP「よし……これでおしまいだ」

モバP「破ぁ!!!」

クラリス(……声とともに、彼の右手から光があふれました)

クラリス(その光は私のものよりも強く……)

クラリス(そして、優しい光……のように感じました)

クラリス(……その光は当たりいったいを包み込み)

クラリス(気がつけば、残っていた妖怪はすべて消えていました)

クラリス(そこに立っているのはTさんだけ)

クラリス(……寺生まれってすごい)

クラリス(改めて、私はそう思いました)
29 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:26:47.99 ID:FqcG0Fn80
モバP「……ふぅ」

朋「終わった?」

モバP「おう。全部終わった」

朋「ん、お疲れ」

みく「お疲れー……って感じの顔してないけどにゃ」

モバP「言っただろう、鍛えたんだ?」

歌鈴「……私も、鍛えたらそのくらい体力もつくのかな?」

モバP「ああ、きっとな」

歌鈴「そうですか……が、がんばらなきゃ……!」

クラリス「……お疲れ様でした、Tさん」

モバP「ああ、ありがとう」

モバP「……俺のこと知っているんだな」

クラリス「噂には聞いていて……そして、憧れていましたから」

モバP「憧れか……はは、なんだか気恥ずかしいな」

クラリス「そして、先ほどの戦いっぷりもうわさに恥じぬものでした」

クラリス「話を聞いて、憧れたものと同じ……いえ、それ以上のお姿でした」

モバP「……」

クラリス「……だからこそ、一つたずねたいのです」

クラリス「よろしいですか?」

モバP「……ああ」

クラリス「貴女は……どうして戦うのでしょうか」
30 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:27:35.92 ID:FqcG0Fn80
モバP「どうして……か」

クラリス「はい」

クラリス「……お聞かせ願えればと思います」

モバP「……」

モバP「……一つだけ勘違いしていることがあるな」

クラリス「?」

モバP「俺は妖怪退治専門じゃない」

モバP「人に害を為すモノを除霊しているだけだ」

クラリス「……」

モバP「だから、それが人に害を為すのなら」

モバP「特に、俺の仲間へ危害を及ぼすのなら」

モバP「人であろうと、霊であろうと、妖であろうと――」

モバP「――神であろうと、除霊するだけだ」

クラリス「……」

モバP「……もっとも、その力はまだ俺には足りてないんだがな」

クラリス「その仲間が……人以外でも?」

モバP「……」

モバP「人に害を及ぼすもののために戦う……これは、寺生まれとしての理由だ」

モバP「そして、仲間に害を及ぼすもののために戦うのは、俺としての理由だ」

クラリス「……」

モバP「クラリスの境遇は聞いた。理解は難しいだろう」

モバP「しかし、これが俺の答えだ」

モバP「仲間だと思ったなら、たとえ人であれ妖怪であれ神であれ仲間であり、敵だと思ったなら敵だ」

モバP「……質問の答えはこれでいいか?」

クラリス「……はい」

クラリス「ありがとうございました」

モバP「どういたしまして」

モバP「……とはいえ、これはあくまで俺の話だ」

モバP「クラリスは、自分が信じる道を進めば良い」

クラリス「……もちろん、そのつもりです」

クラリス「ただ、参考までにと」

モバP「……そうか」
31 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:30:25.43 ID:FqcG0Fn80
クラリス「さて……本日は助けていただき本当にありがとうございました。皆さん」

クラリス「それでは。私はこれで」

歌鈴「あっ、あのっ! クラリスさん!」

クラリス「……」

歌鈴「えっと……あ、あのっ、わた、私……っ!」

クラリス「歌鈴さんも疲れているでしょう……今日はゆっくりとお休みなさい」

クラリス「そして、また後日……教会でお話しましょう」

歌鈴「!」

クラリス「……おや、来てくれませんか?」

歌鈴「は、はいっ! いきますっ! いきますっ!!」

クラリス「ふふよかった……」

クラリス「あ、でも貴女は来ないでくださいね」

朋「そこは譲らないのね」

クラリス「あくまで、妖怪という悪しき者は入れられませんから」

みく「はん、頼まれたっていかないから安心しにゃ」

クラリス「……」

みく「……」

クラリス「ふふ……」

クラリス「それでは、またいずれお会いしましょう……」

朋「ん、またね」

モバP「帰りも気をつけろよ」

クラリス「ふふ、ありがとうございます」

クラリス「……」

モバP「……さて、じゃあ俺たちも帰るか」

朋「そうね……」

みく「……しかし、朋チャン来た意味なかったね」

朋「いいのよ、あたしの出番なんてないほうがいいんだから」

歌鈴「でっ、でも! 朋さんがいると安心できますし……」

朋「ふふっ、フォローしてくれてありがと、歌鈴ちゃん」
32 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:31:50.78 ID:FqcG0Fn80
クラリス「ふふ……」

クラリス(……仲睦まじいことです)

クラリス(みながみな、仲間のために戦っている……)

クラリス(きっと、これが彼らの力なのでしょうね)

クラリス(それは、私のものとは大きく違うもの)

クラリス(私は平和を手に入れるため……彼らは平和を守るため)

クラリス(同じようで、全く違う力……)

クラリス「……」

クラリス「……」

クラリス(もしも、私も妖怪の言葉を聞き入れていたら)

クラリス(妖怪にも個があると知っていたら……)

クラリス(……いえ)

クラリス(きっと、それでも変わらなかったでしょう)

クラリス(あのときの憎しみも、今持つ憎しみも、薄らぐものではありませんから)

クラリス(……)

クラリス(……それでも、今日のこの出会いで私は)

クラリス(私は……)

クラリス(……)

クラリス(いいえ。やはり、まだ変われません)

クラリス(……この内なる妖への憎しみが消えていませんから)

クラリス(……)

クラリス(しかし、これから……妖の個をみていく上で、いつか変わるかもしれません……)

クラリス(……)

クラリス(……そのためにも、今度会ったときに、みんなの話をもう少し聞いてみましょう)

クラリス(彼女たちを知ることで、また心境が変わるかもしれませんから……)

クラリス(……思えば、私の話ばかりしていましたから……彼女たちのことをほとんど知りません)

クラリス(いえ、追い払ってしまったのは私なんですが……)

クラリス(……)

クラリス(……)

クラリス(……お菓子の用意をしておけば許してくれるでしょうか)








おしまい
33 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:33:26.22 ID:FqcG0Fn80
寺生まれのPさんと神社生まれのDさんと教会生まれのCさんの3人とか、妖怪みくにゃんとか、占い(?)をするふじともとか、書きたかったことを混ぜました。


誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。
読んで下さった方ありがとうございました
34 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:36:45.44 ID:FqcG0Fn80
最近書いたの
菜々「はっ! ここは……つきのみや駅?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500108240/

モバP「依田は芳乃と海へ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1499348191/

朋「今日はそばを離れないからね!」【SS】
http://wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1498919404/

芳乃「朋殿の願いをー」茄子「叶えるのでしてー♪」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498835773/
35 : ◆6QdCQg5S.DlH [sage saga]:2017/08/05(土) 03:37:32.15 ID:FqcG0Fn80
よかったらこちらもよろしくお願いします
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/05(土) 11:56:18.66 ID:jRjVY3z70
おつ
43.83 KB Speed:0   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)