叔母「今日からもココに住んで」男「ラブホテルですね」

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154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/21(金) 08:17:33.17 ID:KYN3NGMDO
でも。

女(ちゃんと考えててくれたんだ。あの時のこと、ちゃんと忘れずに言おうとしてくれた)クス

女「まったく。真面目なんだか不真面目なんだか、よくわかんない奴よね───」

女(──ってヤバ! また暴走してアイツのこと置いてきちゃった、今はどこに…!?)キョロキョロ


「お? どこかで見たと思えば、昨日シフト中に会った『お弁当くん』じゃない?」

男「え!? あ、コンビニの店員さんの…同僚さん、ですよね?」

「そうそう! ウチ、スーパーでも働いてるんだ。今日はフツーにお買い物?」

男「まあ、そんな感じです」

「案外、普通に生活してるんじゃない。アイツがキミを公園から拾ってきたと知った時は、一時はどうなるかと思ってたけど」カラカラ

男「ひ、拾ってきた…いや俺、野良生物とかの類じゃないんで…」

「いや野良の類でしょ〜〜。ガツガツ弁当食べてるキミ、まんま懐いてきた猫そのものだったしさ〜〜」

男「うう…その節は本当にありがとうございました…」

「いやでも割と本気でさ、元気そうでよかったよ。…大丈夫? お金ある? お姉さん、ここのスーパーのシフトすぐ終わるけど」

男「は、はい?」

「ウチでご飯食べさせてあげよっか? あ、心配ならアイツ連れてくるし、それに寝るところ無いなら泊まってってもいいけど?」ニコニコ

男「へ? あ、いや今日は────」


がしっ


男「おわっ!? ……女さん?」

「お?」

女「駄目、でしょ。今日はうちに泊まるって───いっ、言ったじゃない!!」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/21(金) 08:34:53.51 ID:KYN3NGMDO
男「…………」

女「………ぁ…」かぁぁ

男「うん、良いんだ、わかってる。キミがね、そーいうコトをぶっちゃっけるって、堂々言い切るってさ」カァァ

女「ごめん…また考えなしに発言した…」パッ

「おやおや〜〜?」じぃー

男「うぐッ」ビクッ

「ふむふむ。どうやら案外、やり手な感じかなキミ?」キラリン

男(不当な評価を受けてる気がするがッ、傍から見て妥当な評価な気がして否定しづらい……!!)ダラダラダラ

「今日は飼い主さん居たわけだ。あはは、今度気が向いたらお姉さんのところに流れてきても良いよ? これ住所ね!」バーイ☆


スタスタ


女「……流れるの?」チラ

男「何も言わないでくれ。俺の状況、そうとう変だって、わかってるから。言わないでくれ……」ズーン

女(変も何も、他人の言うこといちいち気にする性格がラブホに住むから、らしくなくなるんじゃない……)じー

男「ご、誤解するんじゃないぞ! 一応は感謝として受け取るだけで、本当に住所をたどっていくわけじゃないからな!」

女「……」

男「視線に信用性を感じない…!!」

女「よくもまあ、ああも私に返事をしようとした輩が即座に他の女性に言い寄られてちゃあねえ……」じー

男「……晩ごはん、俺が作るってことで納得しませんか?」

女「荷物持ちも貴方」

男「……了解です」

女「皿洗いもしなさい。きちんと寝床は用意してあげるわ、ちゃんとね」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 11:15:16.35 ID:858e3SZpO
きたー
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 00:32:33.14 ID:WUvhJ4T4O
男「わかりました…全身全霊を込めてピッカピカにさせていただきます…」ペコォー

女「よろしい。では早速ながら買い物かご忘れたから取ってきなさい、十秒以内に」ぴっ

男「りょ、了解です!!」

ババッ ダダー!

女「……いい加減に覚悟決めるか、わたしも」


〜〜〜


トボトボ…

女「………」

男(ああ、無事に買い物済ませても、なんて気まずい空気…今までのこと、これからのことを考えたら…)

女「ねえ」

男「はいッ! なんでしょうか!?」ババッ

女「何よその反応。まあ一応、聞きたいことがあるの。うちに着く前にどうしても貴方に聞いておきたくて」じっ

男「な、なに?」

女「ちゃんと答えてくれるって、約束できる? きちんと答えるって自信持っていえる?」

男「そう前置きされるとかなり警戒するんだが…ま、まあ居候の身だし、覚悟を持って答えようじゃないか」

女「……すき?」

男「ぇ?」

女「あたしのこと、すき?」

男「いや待ってくれ!? それって、まず、答えても何も俺はキミに改めて返事をしようとしてただろ!?」

女「まどろっこしいのよね、正直。今そう思ったの、突然に」

男「唐突なダンディズムを発揮しないでくれよ…!!」ドッドッドッドッ
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 00:50:52.48 ID:WUvhJ4T4O
女「そんなあたしってキライ? だめな女?」チラ

男「うぐッ」

女「だからすぐに返事できなかった? ……だから、微妙な距離で誤魔化し続けてた?」じっ

男「……ッ」ドッドッドッドッ

女「──こんな横暴で空気読めなくて、雑で馬鹿な私だから、アナタは好きになってくれない?」


ぴたり


男「それは違う」

女「……うそよ」

男「嘘じゃない。確かにキミは横暴で暴力オンナで、後ろからドロップキック決めてくるヤバイ奴だ」

女「あのね、泣くわよ? 意外とわたし、泣き虫なんだから」

男「それも知ってる。あとアホみたいに負けずキライで誰彼構わず、なりふり構わず、迷惑考えず突貫していく」

女「うぐッ」

男「これは全部事実だ。覆しようもない現実で、いまさらなかったことにもできないし、…やめることだってできないだろうし」

女「…何が言いたいのよ」

男「だから! …だから俺はキミに、悪くないって、言いたいんだよ」

女「…………」きゅっ…

男「──それでいい、そのままの女さんが俺はすっ、すきだって……ことを…」カァァ

女「…男…」

男「あ〜〜もうッ、なんてことを唐突に聞き出すんだ…!? 顔、どうなってるのか想像もつかない…消えてなくなりたいぃい…」ズーン

女「……」ぽやぽや

男「おいこら、そこ。一人でポヤポヤするんじゃない、俺にも聞いてきたんだからそっちも聞かせてくれ!」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:01:42.56 ID:WUvhJ4T4O
女「え? わたし? …私の気持ちってこと?」

男「そうだよ! この際だ、言いたいこともあるんだろうし全部ココでぶっちゃければいい、なんだってバッチコイだ!」(ヤケクソ)

女「私の……気持ち……」

女(私の思うアナタの好きなところ。私が好きになったアナタの部分)ぽやー


ドキドキして、静電気みたいにパリピって、心が暖かくなる、ぽやぽやとした気持ち。


女「アナタの好きなところは……」




それは、




女「…………うんん??」ピタリ

男「…………なんでそこで黙るんだ?」

女「あれ、待って、ちょっとここまで出かかってるんだけど」

男「おい。人に対する気持ちを魚の骨ごときで例えるな、……え? ちょっとまってマジで言ってるの?」

女「違うのよ!? あれ!? ん〜〜〜!? そうだ! アナタの好きなところって言えば、そう! 顔、とか…!」じぃー

男「う、うん。まあ良いんじゃないか? そ、そーいう好きってのも普通でいいと思うから…」

女「……いや別に……私好みの顔じゃない、気がするわ……」

男「俺のフォロー返してくれ」

女「…………」ダラダラダラダラダラダラダラダラ

男「あのさ、参考までにっていうか、実際のところを聞いておきたいんだけどさ、良いかな」

女「ハイ」
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:14:18.48 ID:WUvhJ4T4O
男「もしかして俺って実は……正直なところキミに好かれてない? ラブ的な意味で……」

女「ばっっ!?!? そんっ、なことぉー……!? ないって、いうかぁー……!?」キョドドドドド

男「泳いでる泳いでる。すっごい目が泳いでる」

女「超超超だいすきなんですけど!? 馬鹿にしないでくれる?! アナタに好きって言われたら超嬉しかったし!?」

男「大体のことろ、異性に好きって言われたら普通に嬉しいよね」ジトー

女「ほぐぅ!? でもアナタに告ったじゃにゃい!? あれは嘘だって言いたいわけ?! 私の気持ちなのに!?」

男「だからその告ったときの気持ちを今、聞いているんだろう」ジトトー

女「でも、だからっ、──だってすきなの! 大好きって言葉になにか言葉で表せなきゃいけない法律でもあるんですかーー!? ありませんよねーー!?!?」

男(段々とキャラが崩壊していってる……)

女「良いじゃない別に! 言葉にしなくたって言い表せなくたって! わたしが、アナタを好きだって言いたい、言わせたいの! それで十分なの!」ガーッ

男「……思ったんだけどさ、それってつまり…」ボソリ


女「イヤーーーーーーーーーーーッ!!! それ以上は言わないでぇーーーーーーーーー!!」ズバァッ!


男「座り込んで耳をふさいでも駄目だ、言わせてもらう」グイッ

女「ひぃいぃい〜〜ッ!?」ズササッ

男「言うよ」じー

女「や、やめっ…やめて…っ!」ブンブンブン

男「それってさ」


男「なんか恋に恋してない、それ」


女「」カッキーーン

男(ものの見事に固まってしまった……)
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:28:01.54 ID:WUvhJ4T4O
男「いや、あの、そこまでショック受ける指摘だった? これ?」

女「それは禁句なの…」

男「禁句なんだ…」

女「お姉ちゃんがね、言ってたの『恋はきちんと測りなさい。重さと距離と、その意味を』って」

男「あの先生がそういった関連話すると、色々と重みがあるなあ…」

女「決して恋に恋しちゃいけないの。それだけはきちんと考えて、馬鹿なあたしも慎重にやらなきゃって思ってた」

男「うーん、待ってくれ。確かに俺がそうだとは言ったけれど、まず、色々と先延ばしにしたのは俺じゃあないか」

女「……今はアナタの謝罪も素直に受け取れない……」ズゥーン

男「気にするなあ。だったらこう、納得したら? ……俺が好きだって言って、嬉しかったから付き合うって……」テレテレ

女「……じゃあ言うわよ」

男「お、おう?」

女「貴方、私が今まで散々と悩んでたのに、いざ考えてみれば『なんか違和感ある』って言い出して何も思わないの?」

男「…………………………」

女「どうよ?」

男「俺も自信が無くなってきた……だと……!?」

女「でしょーーーー!?!?! なんか違うのよ! 私と貴方、付き合うって、好き合うってなんか違和感すごい!」

男「さっきまでは暖かい気持ちと恥ずかしさでいっぱいだったのに、なんだろう…違和感…恐怖…意味がわからない!?」

女「そうそうそう!!」バシバシバシ

男「こ、こんなことってあり得るのか…!? そ、そうかコレがキミが感じたっ、そのなんていうかっ───」


男&女「…………なんだろう?」コテリン


男「ともかくっ、なんともし難いよくわからない感情に囚われてしまった、とみて良いのか…?」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:44:36.93 ID:WUvhJ4T4O
女「…思うのよ、わたし。これって案外、勝負ってことにならない?」

男「そうか! なるほど! ごめん、実は何言ってるのか全然わからない。大丈夫?」コクコク

女「お互い告白した、好きかもって思えた、でも違和感があるから──微妙になってる」

男「……まさか」



そう、最初から気づいてたんだ。

クラスメイトに相談したときから、いや、もっと前から、貴方と出会ったときから運命づけられていた。

わたしたちはやっぱり頭がおかしい関係性、だってこと。



女「好きになったほうが、負け」ニヤリ

男「……本当に、すごいね君って」

女「良いじゃない、それってとっても素敵なことよ。告白の有無を一瞬で終わらせない私たちってすごいじゃない!」フフン

男「……うん、すごいね、それを面と向かって否定で居ない俺はもうなんだっていいさ……」ホロリ



【女宅お泊り編 後半に続く】


第十六話 終
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/22(土) 01:53:47.48 ID:WUvhJ4T4O
〜オマケ〜

店員(ふぅあ〜〜〜…やあっとシフト終わった、お酒買ってかえろーっと)フワワ

店員「んむ?」チラ


「──それでいい、そのままの女さんが俺はすっ、すきだって……ことを…」カァァ

「…男…」


店員(おやおや〜? 弁当くんと、飼い主ちゃんだ。こーんなところでイチャイチャと、青春だなあ〜)

店員(彼ってやり手のヒモ男子かと思えば、案外、純愛まっしぐらだったのね。お姉さんちゃちゃ入れちゃうところだったわ、危ない危ない)

店員「若いっていいね〜〜……んん? 雰囲気ちょっと、変?」チラ


「もしかして俺って実は……正直なところキミに好かれてない? ラブ的な意味で……」

「超超超だいすきなんですけど!? 馬鹿にしないでくれる?! アナタに好きって言われたら超嬉しかったし!?」

「良いじゃない別に! 言葉にしなくたって言い表せなくたって! わたしが、アナタを好きだって言いたい、言わせたいの! それで十分なの!」


店員「……………………………………………」


「貴方、私が今まで散々と悩んでたのに、いざ考えてみれば『なんか違和感ある』って言い出して何も思わないの?」

「俺も自信が無くなってきた……だと……!?」

「でしょーーーー!?!?! なんか違うのよ! 私と貴方、付き合うって、好き合うってなんか違和感すごい!」

「さっきまでは暖かい気持ちと恥ずかしさでいっぱいだったのに、なんだろう…違和感…恐怖…意味がわからない!?」

「そうそうそう!!」バシバシバシ

「こ、こんなことってあり得るのか…!? そ、そうかコレがキミが感じたっ、そのなんていうかっ───」


「…………なんだろう?」コテリン



店員「いや普通に初めて付き合うのが怖いだけでしょ。くっそーイチャつきよってからに」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 01:55:07.42 ID:WUvhJ4T4O
色々と復活しまし、した、つもりです…

気まぐれに投下します… ではではノシ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/22(土) 18:59:36.96 ID:x6fMrLSoo
叔母さんとの恋を望んでた読者が8割だったのにな
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/23(日) 10:11:20.96 ID:LeKoYF98o
>>165
それはたしかにあるな
男が叔母の写真を持ってるとことかでどう恋愛にもっていくのかなとずっと思ってたから
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 21:56:39.22 ID:R72HjMtg0
おつ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 12:19:08.95 ID:zBELQWr+o
やっと追いついた

169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 10:46:04.11 ID:f+9dp1z00
更新乙
やっぱり面白い
次回もよろしく
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/19(水) 14:48:21.07 ID:1YXdgwyk0
まだか
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