神通「カリブの、海賊?」【艦これSS】

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561 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:44:10.98 ID:sE/Vv+Mi0



尚、グアム諸島の島民たちによれば、基地に二度目の襲撃がやってくる数時間前、
日本側に向かって、一隻の船が向かって言ったのを見た者が居るという。



しかもそれはただの船ではなく、とても古い真っ黒の帆船で、まるで大昔の海賊船のようだったと噂された。
タイミングがタイミングなので、それは幽霊船だ、不吉の証だ、海の悪魔デイヴィ・ジョーンズがやってきたなど、
様々な憶測がたてられたが、所詮は眉唾。ただのホラ話として片づけられた。



ちなみにタイミングで言えば、その時には既に泊地水鬼がその進路の先に陣取っていたこともあり、
龍の海域から現れた怪物を、古き海賊たちが打ち破ったのだと村の呪術師が憲兵たちにそう訴えたそうだが、
この報告書は笑って済まされ、その後シュレッダーにかけられた。



その数日前、グアム警備府では不審船と男数名を捕らえたという報告は上がっていたが、
調査官はこれと関連付けることはできず、この謎は、そのまま風化し、消えていった。





この謎の答えは、何だったのか。





それもまた、噂に埋もれた真実。






562 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:44:38.58 ID:sE/Vv+Mi0




























563 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:45:20.69 ID:sE/Vv+Mi0
5分休憩。
後にエピローグ。
564 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:49:42.08 ID:sE/Vv+Mi0
再開
565 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:50:09.56 ID:sE/Vv+Mi0
グアム諸島警備府 外国人士官区//






吹雪「ベケット少尉!」


ベケット「新米少佐だ。吹雪君」



引継ぎの書類が積み上がった机に座るベケットは、一枚の紙を見せた。
それは昇進の案内と、グアム警備府の司令官任命書だった。



吹雪「え、えぇ!? ベケットさん、司令官になるんですか!?」


ベケット「敬称」


吹雪「あ、とと。すみません。癖で」


ベケット「人前でなければ構わん。君と私の仲だ」



この世界に来てほぼずっと毎日のように顔をあわせていたのだ。
今更吹雪が多少抜けていることくらい承知の上だった。


566 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:50:40.98 ID:sE/Vv+Mi0



ベケット「さて、ようやくここまで来たな」


吹雪「……はいっ」


ベケット「これで練度不足のまま君が戦地に行くこともなくなったわけだ」





ベケットがこの世界に訪れたのは、人材も、資源も、
そして艦娘たちの不足が極限ともいえる頃だった。


救助され入院していた頃も、軍を手伝っていた頃も、ベケットは、
碌な装備も訓練ないまま、遠征や援護、防衛に使われ、
いつ沈むかわからない程、ボロボロになった吹雪を見ていた。


567 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:51:10.15 ID:sE/Vv+Mi0



ベケットの生涯において、基本的に悪人が多かった。


ジャックの様な無法者や、母を毒殺した父のような根っからの悪辣な人間、
そして東インド会社で出世争いをしてきた冷徹な同僚たち。

良き人など片手で数えられるほどだった。
しかしだからこそ、そういった人たちには心の底から感謝したし、
命の恩人であり、なにかと便宜を図り、助けてくれた吹雪の救けになろうとしたのだ。


ベケットが主計科に入って辣腕を振ったのも、
せめて装備や補給・設備だけでもなんとかしようとしたところが大きい。



568 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:51:51.04 ID:sE/Vv+Mi0



吹雪「……まさか、本当に、あの入隊したときの約束を守ってくれるとは思っていませんでした」


ベケット「私はよく嘘をつくが、そういう無駄な嘘はつかない」


吹雪「ふふっ、分かってます。頑張っていらっしゃったのは、私もよく知っています」


ベケット「受けた恩は返すさ。利益は常にイーブンが理想だ。お互いの利益の為にな」




ベケットは窓の外を見る。

基地は未だ泊地水鬼の攻撃で半壊している。とりあえず一つの目標は達した。
次の目標は、差し当たってこの基地の復興だろうか。

いや、次元の集積地である竜の海域が近いこの島では、また何が現れるかもわからない。
それこそ、現地民の逸話の様に、今度こそドラゴンが出てきてもおかしくない。


基地の復興ではなく、基地の要塞化に努めよう。
後、これを機にドックの建築をさせてもいいかもしれないとベケットは考えた。


以前から吹雪が鎮守府のそれを羨ましそうに言っていたのだ。
泊地水鬼のデータと引き換えに、本土に嘆願してみるのも悪くないと思った。


569 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:52:23.45 ID:sE/Vv+Mi0



ベケット「では、吹雪君。早速仕事だ。やることは多いぞ」


吹雪「こほん。お、お言葉ですけれども、新しいスタートを、こうすーっと終わらせるのは……」



ベケット「? どういうことだ」


吹雪「せっかくなので、その、秘書艦になれたら言いたい自己紹介みたいなのがありまして」



ベケット「自己紹介? 今更かね?」



吹雪「確かに私たちは今更ですけど! 普通は司令官になる前から一緒に仕事してる人なんてあんまりいないですから!
   普通初対面ですし、皆ちゃんとセリフ考えてるんですからね!」


ベケット「わかったわかった。よろしく頼む」



割と必死になってその重要性を伝えてくる吹雪だが、本当に今更過ぎるのと、
披露したくてたまらなさそうな表情を見て笑ってしまいそうになるベケット。


570 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:52:50.73 ID:sE/Vv+Mi0




しかしここで噴き出してしまうと、経験上、吹雪は絶対に拗ねるので、
グッといつものポーカーフェイスのまま、腹筋だけで笑いをこらえ、落ち着くために紅茶を飲む。





吹雪「えへへ、それじゃあ司令官!」



吹雪は満面の笑みで敬礼した。






吹雪「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」






だから全然「はじめまして」じゃない。
なんの疑問も持たず、用意していた自己紹介を、あまりにいい笑顔で言うものだから、
ベケットはついにたまらず、ポーカーフェイスのまま、紅茶だけを噴き出した。




吹雪は丸一日拗ねた。





571 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:53:16.50 ID:sE/Vv+Mi0
















572 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:53:47.43 ID:sE/Vv+Mi0
横須賀鎮守府 詰所//






漣「うわへへ」



力の抜けた奇妙な笑い声をあげて、漣は詰め所で寝転がっていた。
部屋の窓は締め切られ、風は全く入ってこない。

だがその代わりに、部屋に待望のクーラーが設置されたのだ!



漣「おひょひょひょひょ、クーラー最高っすなぁー!」



クーラー設置という念願が叶い、ついでに部屋も若干広く増設され、
鎮守府の提督に以前から言われていた休暇がようやくまとめて出され、
曙も回復し、姉妹全員安全圏にて勤務中。彼女は今、天国にいる気分だった。



天龍「にしてもちったあ片付けろよ」


部屋が広くなったのをいいことに、漣は増設されたスペースを
瞬く間に雑貨で埋めた。


573 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:54:16.78 ID:sE/Vv+Mi0



天龍「これとかよぉ、……正直不気味だろぉー」


漣「あっ、いけないんだー、人形を粗末にすると罰が当たるんだよぉ、セニョール!」



漣は、砲塔に取りつけたウサギの人形を両手で動かし、妙に迫力のある邪悪な声で腹話術をする。
とりあえずそのボージョボー人形を元の場所に結びなおす。


お土産用に持って帰ってきたもの凄い量のボージョボーは、やはりというか余った。


吹雪に教えてもらった「結婚の結び方」のおかげで飛ぶように捌けたが、
やはり数が多すぎたのか、余ったボージョボー人形が部屋の各所に置かれている。
一見すれば土着信仰の司祭の部屋だ。


574 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:54:50.04 ID:sE/Vv+Mi0



そんな部屋に、神通が入ってくる。
神通は部屋に入るや否や、詰め所の壁をジッと見つめた。


神通「またこの人形が増えてるんですけど」



漣「甘いですね。まだ余ったボージョボー人形は108体あるぞ」


天龍「大丈夫か? それだと最後腕を折られるぞ?」


漣「へ? 何が?」


天龍「お、コイツ読んでないでやんの!」



天龍は漣に見せつけるようにガッツポーズを決める。
ネットや漫画・アニメ等、この方面では天龍の師匠を自負していた漣は青い顔で両手をつく。



漣「嘘嘘嘘、うわちょっとまって、うわー、このショックちょっとヤバイうわー」



うな垂れる漣を他所に、神通はもはや気にも留めていない。



575 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:55:29.08 ID:sE/Vv+Mi0



天龍「で、神通はこんなクソ暑い外で何してたんだ?」


神通「私の訓練と、駆逐艦たちの訓練と、整備点検と、トレーニングです」


漣「トーレニングって訓練じゃないんですかね?」



漣もショックから立ち直って会話に入る。



神通「訓練は戦闘行為全般、トレーニングは肉体強化ですよ。
   駆逐たちもついてこれる程度ですから、大したことはありませんよ」



当然でしょう? という顔で首をかしげる。
漣はグエーと苦虫を噛み潰したような顔で口を開けた。


それはきっと駆逐艦が付いていける程度のレベルというのではなく、
正しくは、脱落すると何があるかわからない恐怖に駆られて
死に物狂いでようやくついていけるレベルなのだろう。彼女が知らないだけで。


576 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:55:56.35 ID:sE/Vv+Mi0



漣「……鬼教官すぎる!」



神通「簡単ですよ、こう、互いに向き合って、
   トップスピードで突っ込んで、ギリギリで回避するっていう」


漣「漣なら死ぬかもですね」



神通「たまに避ける直前で探照灯で目潰しをしたり」


漣「死にました。おしまい」


天龍「死ぬオチはちょっと……」



577 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:56:26.43 ID:sE/Vv+Mi0



神通「あの年代は成長期ですから、厳しい訓練をした方が良いかと」


漣「成長期っていうのは身体のほうもそうですけど! 心の成長期でもあるんですよ!
  そんなヤクザなチキンレースまがいのことさせてたらみんな心が歪みますよ!」



天龍「リラックス。リラックスよマジで」


神通「リラックス、って、具体的に何をすれば?」


漣「リラックスってそんな悩むことでもないと思うんですが、
  そうですねー、……じゃあ、漣おすすめ、ゲームとか?」



神通「結局そういうのですか」



ハァ、と呆れたように溜息をつく神通。
いつもならそれでオチが付くが、今回は正直神通が常識人を気取った対応をしているのが納得できなかった。



578 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:56:59.32 ID:sE/Vv+Mi0



漣「好きなゲーム、……そうでなしにしても、何か知ってるゲームとかあります?」


神通「ゲームボーイってあるらしいですね。頑丈な奴」


漣「おぉもぅ機種が化石」



天龍「うーんじゃあ、トランプとかはどうだ?」


神通「ははぁ、まぁそれくらいなら……」



天龍「漣!」


漣「よし来た!」



漣は、部屋の隅に置かれた、色々な娯楽用品の入った小さい棚、
通称『漣BOX』からトランプを出すと、シャッフルして配り始めた。


579 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:57:25.31 ID:sE/Vv+Mi0



漣「トランプがお好き? けっこう。ではますます好きになりますよ。
  さぁさぁ、どうぞ。ババ抜きのニューモデルです」


天龍「最後までアレンジ頑張れよ」


漣「んああぁ、仰らないで」




漣と天龍は掛け合いを終え、一先ず手札の整理にかかる。
ふと、どちらともなく神通を見ると、配られたカードを射殺さんばかりに睨んでいた。

その様子に漣が慌てて止める。



漣「ストップストップ!」


神通はなぜ止められたのか分からない、という不思議そうな顔を、
ピリピリとしたオーラを纏いながらしていた。


580 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:57:54.88 ID:sE/Vv+Mi0



天龍「お前、本当にトランプみたいな娯楽やったことあるのか?」


神通「いいえ」


即答であった。これには二人も頭を抱える。


漣「えぇ……」


天龍「前線たってこれくらいあるだろ。華の二水戦って娯楽もなかったのか」


神通「いえ、こんなカードゲームくらいありましたよ」


天龍「だろ?」



話が読めない、という顔を天龍達がしていると、
それに気づかず、当たり前の様に神通は続ける。



神通「ですが、帝国海軍は常在戦場・常勝不敗。
   国家の連合軍が蠢く前線では、舐められないことが大事でしたから。
   娯楽のトランプは知りません。卓上の戦争としてのトランプなら知っています」



刺すようなプレッシャーを醸し出す神通。本人は至って真面目だ。
何だこの回答は。満足そうに胸を張るな。


581 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:58:20.52 ID:sE/Vv+Mi0



そうツッコもうとしたが、神通は再びトランプに目を落としたので、そのタイミングを見失う。


神通「…………」


天龍「トランプをそんな親の仇みたいな目で見るなよ……」


漣「そーそー、民主党じゃなく、もっと共和党みたいな表情で見ましょうよ」


天龍「それぶっちゃけ最近どっちもトランプを親の仇みたいな目で見てないか?」


漣「じゃあアメリカ軍産複合体みたいな表情でも良いです。(ニッコリ)ですよ」



そんな二人の掛け合いを一切見ずに、黙々とカードをきっていく神通。
二人は肩をすくめる。


漣「とりあえずあれですね、一回肩の力抜くために負けてみては?」


神通「わざと負けるのは性に合いません」



582 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:58:50.52 ID:sE/Vv+Mi0



実に頑なである。取り付く島もない。
勝ちにこだわるのも大事だが、今彼女が必要としているトランプはそういうトランプではない。
皆とワイワイやるトランプなのだ。



天龍「なんつーかリハビリみたいなもんだよ。負ける楽しさも知るみたいな」


天龍がほぼ直接真意を言葉にして神通に伝えた。
これで分かってくれるだろうか。そう思った二人だが、甘かった。

神通は険しい目で二人を見た。



神通「では、……実力で負かせばよろしいんじゃないですか?」





その言葉に二人して顔を見合わせる漣と天龍。


口調こそ厳しいが、勝負には乗り気だ。煽ってくるとは思っていなかった。
思ったより良い性格をしている。




神通は、意外にこれでも楽しんでるのではないか。



583 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:59:16.77 ID:sE/Vv+Mi0


そうなれば、話は変わってくる。
漣と天龍は見合わせた顔に悪い笑みを浮かべて神通に振り向く。




天龍「言ってくれるねぇ、神通さんよぉ」


漣「絶対に負けられない戦いが今日のこの一戦!」


漣と天龍が手札をシャッフルしてどっかりと座る。




神通は依然厳しい表情を崩していない。

しかしカードを次番の天龍が取りやすい位置に突き出している辺り、
案外三人で仲良くやっていけそうな気がした。




漣「では、負けた人が間宮のアイス奢りで」

天龍「お、いいねぇ、……げっ」



神通の手札からカードを引き、表情が崩れる天龍。初手でジョーカーを引いてしまったのだ。
動揺する天龍だが、漣がそれを訝しげに見ていたので、慌てて漣に手札を向ける。



584 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/15(火) 23:59:44.54 ID:sE/Vv+Mi0



天龍「いや、別に違うから、何も。」


漣「あっ、ふーん……(察し)」


天龍「ダメみたいですね……(冷静)」


神通「……ふふっ」



ギョッとして神通の顔を見る二人。


まさか隊を組んで初めて見た笑いの原因がこれとは。
しかし当の神通は、何でみられているのだろう、とはたとした顔で首をかしげる。
ネタは関係なしで、偶然笑ったのだろう。



しかしそうなると、なぜ笑ったのかという話。


585 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:00:20.22 ID:ugAEatBZ0



漣「ふっふっふ……」

神通「どうしました?」


天龍「フフフ、楽しいか」

神通「普通です」




まだ付き合いが短いから人となりが分かり切っていないが、
楽しかったから笑ってくれたのだったらいいな、と二人は思った。




漣「では、神通さんの番ですよ、……どうぞ!」



586 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:00:55.83 ID:ugAEatBZ0



漣が手札を突き出す。真ん中の一枚だけ妙に突き出ている。
内心で、くだらないと思いながら、右端のカードを取る。

それがジョーカーであった。

仲良く三人ともジョーカーを引き続けて、一周して戻ってきたのだ。




漣「おっ、大丈夫か大丈夫か?」

神通「だ、大丈夫……」


漣「これは奢り候補筆頭ですね間違いない」

神通「負けませんから大丈夫です」


天龍「フフフ、怖いか」

神通「普通です」




三人のトランプは続いていく。



587 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:01:23.51 ID:ugAEatBZ0


結局このトランプは第二戦、第三戦と続き、結果翌朝まで、実に10時間に渡る大激戦となった。
ちなみに、疲労困憊の消耗戦のせいか、途中から記録をつけるのを忘れ、勝者は不明。
三人は全員が出し合って特大の間宮アイスを食べた。



その後も、この三人組には様々な衝突や出来事、紆余曲折が降りかかる。



そのたびに何度も彼女たちの艦隊は解散の危機に晒されたが、

結果的に、三人の仲は戦後になっても続き、



それは終生のものとなった。





588 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:01:52.00 ID:ugAEatBZ0
















589 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:02:19.23 ID:ugAEatBZ0
深海棲艦もジャック・スパロウたちも居なかった、どこかの別世界//






1945年12月。計14人を乗せた米軍の航空機5機が、フロリダ半島南沖で突如行方不明になった。
その後、遭難機の捜索に向かった13人のクルーも姿を消し、その遺体も発見されなかった。


彼らは長期の飛行時間を持つベテランパイロットであり、みな歴戦の猛者であった。


この編隊の隊長であったチャールズ・キャロル・テイラー中尉と、
捜索の為に向かったクルーの無線には一つの共通点がある。



二人は無線通信で、「白い何か」を見た。

そしてその直後、通信途絶。行方不明となった。




590 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:02:46.64 ID:ugAEatBZ0




その後、海上で300機の飛行機による5日間の大捜索が行われたが、
遺体も、飛行機の残骸も、なにも見当たらなかった。



そしてそれは飛行機だけではない。
ここを通りかかった船、軍船や客船、貨物船、輸送船、大小様々な船も行方不明となっている。
結果、今日に至るまで、100を超える船や飛行機、1000以上の人が消息不明となった。



あまりの出来事に様々な調査が行われた。




結果、様々な説が出た。
メタンハイドレードの海中爆発、強力な下降気流、海中の藻という自然現象によるもの。
更には敵対国の攻撃・陰謀、果ては宇宙人やなど様々だ。


しかしそのどれも、宇宙人はさておいて、飛行機と船を行方不明にさせる合理的な説明には足らない。



591 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:03:35.25 ID:ugAEatBZ0



もし。もし、すべての要素を兼ね備えているものが居れば、
深海に潜ることのできる、攻撃の意思を持った、高度の飛行機を墜とす対空能力と、
軍船すらも沈める海上戦闘力があるものだということだ。


しかし兵器ではない。兵器ならば100年もレーダーにかからず、ひと所にとどまることはできない。
ならば、通常のレーダーでは捉えられぬ肉体を持つ生物の仕業としか合理的足りえない。


が、そんな怪物がいるわけがないと、こんな妄言は説にもなりはしなかった。




なお、この事件にはほかにも説がある。

この海域には宇宙で見られるようなブラックホールが密かに存在し異世界と通じていて、
それに飲み込まれてしまうと戻れなくなるのだろうという説。


もちろん、そんなものがあれば、海水そのものを飲み込むため、ありえない。



592 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:04:16.00 ID:ugAEatBZ0



では、そのブラックホールは普段閉じていて、どこかの海域の次元とつながった時だけ開くというのはどうだろう。


そしてそこから、深海に潜ることのできる、攻撃の意思を持った、高度の飛行機を墜とす対空能力と、
軍船すらも沈める海上戦闘力をもった白い見た目の異世界の生物が出てきたのだ、という説もありうるのではないか。

事実、あの海域には怪物が潜むと言われている。当然、これも眉唾の説だ。







『アァ……!』





593 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:04:43.85 ID:ugAEatBZ0





1963年9月22日、アメリカ空軍大型輸送機C133カーゴマスターが10人の乗員を乗せてこの海域の上を飛んでいた。






『マタ…アノソラニ……アア…キレイ……大きな、翼…!』





そしてすぐ、カーゴマスターは消息を絶ち、機体の破片も乗組員の死体も、パシュートや救命具も発見されなかった。










後にこの世界で、この一帯は、魔の三角水域。




「バミューダ海域」と呼ばれるようになった。





594 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:06:05.63 ID:ugAEatBZ0






多くの船や飛行機、そして人々が行方をくらませた魔の海。




彼らは、この海域で何を見たのだろうか。

白い何かとはどういうものだったのだろうか。

当時最新鋭の戦闘機や巨大な船を沈ませる原因は一体なんだったのだろうか。




全ては、死者のみが知っている。
だがそれを我々が知るすべはなく、故に原因仮説を立てるしかない。



理由を聞こうにも、"Dead men tell no tales" 。死人に口なしである。















『フッ……、ウッフフフフフフ……!』









なお、この海域における沈没の原因は、現在においても未だ特定されていない。













595 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:06:32.87 ID:ugAEatBZ0




















596 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:08:03.25 ID:ugAEatBZ0
太平洋 海上//








ジャック「おぶぇ!」




ジャックたちは、海中から現れた。

竜巻の時のように気が付いたら戻っていた、ということはなく、
ひたすら海中に沈み、ある地点から、ひたすら浮上するという苦行に耐え、
ようやく、海上に姿を現せた。



ギブス「ぅげっほ、おぇ……!」

バルボッサ「っぐ、がはぁ……!」



さしもの大海賊たちも、これには流石に参ったのか、朦朧とした意識で木箱や手すりや壁にもたれかかる。


597 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:08:29.13 ID:ugAEatBZ0



ジャック「バ、パールは……」



甲板がさっきまでと違うことに気づいた。

それはブラックパールではなく、フーチー号のものであった。
太陽は真上に上っている。向こうを去ったのは夜明けの直前だった。
海中で入れ替わったのだろうか。懐に手をやると、そこにはパールの入ったボトルシップがあった。



ジャック「……ここは、」


ジャックはズブ濡れになった身体で、一緒に浮上してきたお気に入りの帽子を甲板から拾うと、
辺りを見渡した。極寒というほどではないが、真夏の刺すような日差しではない。
少し冬の兆しが見える秋の空。そして、見慣れた大西洋の海。




ジャック「……帰ってきたか、愛しの海」



598 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:09:12.18 ID:ugAEatBZ0



日にちとしては数日程度だろう。

しかし期せずして訪れた今回の一件には、彼が経験した他の冒険たちに勝るとも劣らぬ苦労があった。
ここがカリブの海であれば、さらに言えばトルトゥーガであればもっと帰郷感が出たであろう。
それだけが残念だが、しかし、ここは、自分たちの時代の、自分たちの海だ。

ジャックは満足そうに、大きく潮の香りを吸い込んだ。





「せんちょほー!」



そんな余韻をぶち壊したのは、息の漏れた老人の悲鳴。
何事かと後ろを振り向くと、そこにはクイーン・アンズ・リベンジが、今にも接弦しそうな距離に浮かんでいた。



意識のハッキリし始めた三人はそれぞれ目を合わせ、今更ながら思い出す。



そういえば、竜巻に飲まれる前、ジャックとバルボッサは海戦をしていたのだ!


599 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:10:01.40 ID:ugAEatBZ0



三人が剣を同時に抜く。


が、それを見て復讐号の屈強なゾンビ船員が、ジャックの船の乗組員たちに剣を向ける。

あの竜巻の後どうなったかの詳細は不明だが、少なくとも、
ジャック側が一人残らず捕まっているらしいことは見て分かった。





バルボッサ「さて、悪く思うなよジャック」



バルボッサが悠々と歩き出す。ジャックは表情を変えず、冷静に頭を回転させた。



彼我の戦力差は、歴然。向こうは船員がすべて無事、ジャック側は残らず人質。
船員を見放して逃げるのはあり得ない。寝覚めもそうだが、何よりバルボッサがこうして
敵に回った今、ギブスと二人では船が動かせない。


生き残るには、この状況を一変させる、少なくとも人質達が一斉にこっちに
戻ってこれる為に、敵を一旦全滅させるくらいの強力な一撃が欲しい。




では何があるか。当然、ない。万事休すだ。




600 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:10:35.62 ID:ugAEatBZ0



ギブス「野郎!」



ジャックが窮しているのを感じ取ったのか、隙を作ろうとバルボッサに切りかかるギブス。
しかし、バルボッサは落ち着いて懐からフロントリックの銃を取り出した。
ギブスはそれを見て、足を止める。



ギブス「……、この期に及んで、まだそんなもん隠してたのか」


バルボッサ「当たり前だ。お前たちとは、やはり頭の出来が違うようだ」


ギブス「だが、ここに来るまでに随分と濡れたじゃねえか。
    いつぞやの様に、湿気って撃てないなんてオチだろ?」




バルボッサはその一言を聞きうっすら笑うと、やすやすと銃を発砲する。


弾はギブスの横をかすめるように飛んでいく。
そして再び別の銃を、ゆっくりと服の内側に入れた皮製の袋から取り出した。



ギブス「濡れても問題のない未来の銃が作られるまでは、こうして防水対策をとっているのだよ」


601 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:11:21.87 ID:ugAEatBZ0



この銃は一丁につき装弾数は一発のみだ。しかしあとこの銃がいくつあるだろう。

この男のことだ。あらゆる場所に隠しているに違いない。覆しがたい不利を悟ったギブスは、
縋るような目でジャックと目を合わす。一方ジャックはそれを見て、バツの悪そうにゆっくり目を逸らした。



ギブス「ギブス君! 今回の旅ではよく頑張ってくれた! その働きに免じて生かしてやる。
    ボートにでも乗ってさっさとどっか行け!」



よく言う。こんな海のど真ん中で放置されたらどの道、陸にたどり着けず死ぬ。
ジャックはそれを察して笑ったが、ギブスは一瞬だけジャックに目を向け、それに頷いた。



ギブス「わかった。パーレイだバルボッサ。その提案に乗ろう。俺は船に乗って逃げる」

ジャック「おい!」



バルボッサ「よろしい。海賊の掟に従い、その宣言を受けよう」


ギブス「よし、悪いがジャック。あんたとは今日までの付き合いだ」



ジャック「おいこらギブス!」



602 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:12:13.52 ID:ugAEatBZ0



ギブス「ツキも策もないアンタと付き合ってたってこのまま死ぬだけだ。
    せめて船乗りなら、最後の命、船に賭けてえ」


バルボッサ「クハハハハ! お前は船長より何倍も利口だ!」


ジャック「このタマナシめ!」


ギブス「海賊の掟に従った正当な行為さジャック。
    船と、後、しばらく分の酒と食い物は頂いていく。あとは戦利品もだ」




そういうと、ギブスは階段を上がり、元居た前方甲板の方へ歩いていく。そこにはいくつかの木箱と樽があった。
バルボッサもその様子をじっと見続けている。ジャックも歩いていくギブスを見て、一瞬目を伏せると、
怒りが堪えられないとばかりに怒鳴り散らした。




ジャック「このクソギブス! ブタ野郎! 醜い鼠め!」



その醜態に、バルボッサは愉快そうな目線をジャックに向ける。



603 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:14:31.51 ID:ugAEatBZ0



バルボッサ「もう少し気の利いたことは言えんのか?」


ジャック「うるせえ! つか、海賊の掟というなら、窃盗は孤島置き去りの刑に処せられる罪だぞ!」



バルボッサ「ほざけ! バーソロミュー・ロバーツの条文によれば、置き去りの刑に処される窃盗は金品に限られる!
      また、別の項目にて、乗組員は戦利品や食料、酒に平等に分配される権利を持つと記載されている!」




何処で知ったのか、まるで法律の専門家の様に反論するバルボッサ。難破船入り江でもそうだったが、
この男は海賊の掟に精通している。ジャックがわざと拡大解釈した点を間違いなくついてきた。




ジャック「掟によれば、仲間を置き去りに逃げたやつは死刑だろ?」

バルボッサ「ふむ、確かにそうだな」




一瞬真剣に悩むそぶりを見せるバルボッサだったが、すぐに破顔した。



バルボッサ「彼はさっきまでの世界で、イギリス海兵として私の部下扱いだった。
      ならばジャックを見捨てようとも裏切りにはなるまい?」

ジャック「……そりゃズルい」


バルボッサ「かの大海賊バーソロミューは、別世界で別の船長に従う罪を定めていない!
      これで問題ない。まぁ、それにだジャック」




バルボッサは改めて、銃をジャックに向ける。



604 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:15:13.32 ID:ugAEatBZ0



バルボッサ「海賊の掟とは、心構えの様なものだ。破った罰を与えたいなら、お前の親父でも連れてこい」


ジャック「そうかい。なら、俺はただフーチーと、パールとで沈むだけだ」




ジャックは懐からボトルシップを出すと、両手を上げる。




バルボッサ「パールをよこせ」

ジャック「あぁ、それもいい」

バルボッサ「何?」



ジャック「くれてやる!」


バルボッサ「! 止せーっ!」





そういうと、ジャックはボトルシップの瓶を上に放り投げる。

バルボッサは巨体を揺らし、義足であるにもかかわらず全力で走った。



瓶が落ちてくる。バルボッサは頭から滑りこんで、見事すんでのところでキャッチした。

当然、ジャックはその隙をついて、寝転がるバルボッサに切っ先を向ける。



605 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:16:23.82 ID:ugAEatBZ0



バルボッサ「貴様ぁ!」

ジャック「お前ならキャッチすると思ってたぜ」



悪びれもせず言ってのけるジャック。
パールへの執着心に関しては、バルボッサはジャックと並ぶほど情熱を見せている。
それを知っていたジャックは、この結果を予想して投げたのだ。



バルボッサ「だが、こんなものは時間稼ぎにもならんぞ!」


ジャック「そうかな?」



そう、状況は大して好転していない。
ピストルは落としたが、バルボッサはまだ剣を持っている。

この拮抗状態は何度かあったが、結局は、トリトンの剣をもつバルボッサが有利だ。




ジャック「それは見方による」




606 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:16:54.18 ID:ugAEatBZ0




好転はしていない筈。


しかし、ジャックの表情は、明らかに一転している。
完全に行き詰ったはずのジャックが、いつもの、勝利を確信した時の憎らしい笑顔になっていた。


何かするつもりだ。これは不味い。





バルボッサ「お前らっ! こいつを取り押さえろぉっ!!」




そう思いバルボッサは自分の船員たちに向かって叫ぶ。

復讐号が接弦し、屈強な海賊たちが乗り込んでくる。
捕虜は両腕と腰を縄でつながれている。ジャックが何かしようにも、数が足りない。


この100人近い船員を、一瞬で片づけること等できまい。
バルボッサが攻撃命令を下したのはそうした思惑があってのことだった。





ただ、それが致命的なミスだった。




607 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:18:03.29 ID:ugAEatBZ0






ギブス「ジャァック!!」






逃走準備をしていたはずのギブスが前方甲板から何かを放り投げる。






ジャック「キャプテンだ! 俺の名は、キャプテン・ジャック・スパロウだ!」






ジャックは剣を手放し、それを空中で受け取る。

彼がバルボッサの意識を逸らしている間に、ギブスが木箱からそれを取り出していたのだ。
それが何かわかったのは、この船で、いや、この世界で彼ら三人だけだろう。








それは、機関銃であった。







ジャック「っ撃てええぇ!!」


ギブス「アイ・キャプテン!」






608 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:19:03.52 ID:ugAEatBZ0




それは、対泊地水鬼戦の為、パールに持ち込んでいた木箱に入っていたものだ。
亡者戦の時に殆どを使い果たしたが、半分は舵取りをしていたギブスは2丁余らせていた。


彼は水中で船が入れ替わる際、流されてはならないと、この木箱を手放さぬよう掴み続けたいたのだ!





バルボッサ「伏せろぉおお!!!」





絶え間ない発砲音。バルボッサの叫びもむなしく、機関銃の弾丸が船上を埋め尽くす。


乗り込んできたばかりの復讐号の船員たちは、何が起こっているかもわからないまま、
ほぼ全てが撃たれ、そのまま海に落ちていった。




609 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:19:34.71 ID:ugAEatBZ0




ジャック「お前ら! 飛び移れぇ!」



ジャックが復讐号に囚われていた船員たちに向かって命令する。
練度不足と経験不足と、何が起こっているかわかっていないせいで、
その命令をポカンとした顔で聞いている船員たち。


「おまへら! にげるぞほ!」




正気に戻したのは、同じくつながれていた老人の声。


我に返った船員たちは、我先にとフーチー号に飛び乗る。
腕や腰を繋がれているのでかなりもたついたし、殆どの者が不自然な体勢で
甲板に倒れこんでいるが、なんとか、不格好ながらも全員が船に戻ってこれた。


ギブスが腕と腰の縄を斬ってやり、ジャックの船員が復活していってる中、
座り込んだバルボッサと機関銃を向けるジャックがそれを見て会話していた。




ジャック「で、お前はどうする?」


バルボッサ「チッ……!」



610 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:20:50.59 ID:ugAEatBZ0



機関銃で撃たれれば死ぬ。剣と違って、初速も威力も段違いであるため、
さっきまでとは逆に、バルボッサが余計な動きをすれば死ぬ。

しかし一方で、ジャックも船全体が人質に取られているような状況で、
バルボッサがやけを起こせば巻き込まれるかもしれない。なんども言うが、
こんな海の真ん中で、船が致命的に損傷し、取り残されれば、全員死ぬ。





バルボッサ「フン……」



バルボッサもその状況を理解していた。

彼は何も言わずに立ち上がると、自分の船に戻っていく。


外舷と手すりを超えるのは大変そうだな、と思っていると、復讐号のロープを操って、
自分を船に運んでいた。相変わらず便利そうな剣で、ジャックは少し羨ましく思った。




バルボッサが船縁の上に立ち、フーチー号を見下して居直った。


ジャックはそれを楽しそうに見上げて言った。



611 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:21:38.81 ID:ugAEatBZ0





ジャック「ヘクター君! 今日という日を忘れるな!
     捕らえ損ねちまったな、この俺を! 怨敵ジャック・スパロウを!」」






バルボッサの立ち居振る舞いが精一杯の虚勢と知るジャックは、
あふれんばかりの笑みで、躊躇なく煽る。







バルボッサ「覚えていろよジャック! 次は必ず殺す! 必ずだ!」






その喚き言葉を聞き流し、ジャックは行動が自由になった船員たちを見回す。




612 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:22:10.01 ID:ugAEatBZ0



ギブス「キャプテン、いつでもご指示を」


ジャック「うむ、ご苦労。ギブス君」


ジャックは船首に立つと、帽子の角度を直し、船員たちに堂々とした態度で振り返った。





ジャック「では諸君、針路を東にとれぇ!」




ギブス「アイ・キャプテン! 面舵いっぱーい!」


「アイ! 面舵いっぱーい!」



613 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:22:40.95 ID:ugAEatBZ0



ギブス「帆を大きく張れぇー!」


「アイ! 帆を張れぇー!」


ギブス「おい! 揚げ縄を引けぇー! マストのロープを緩めろぉー!」


「アイ! ギブス副船長!」



「全く、進水ひとつに手間取るとは、まだまだひよっこどもだねへぇ」


ギブス「おい、爺さん。なに論評してやがる」


「年だから、力仕事はきつひんだ」


ギブス「濡れた甲板掃除でもしてろ!」


「アヒ! ギブスふくせんちょほ!」










614 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:23:06.15 ID:ugAEatBZ0
フーチー号 甲板//








もたもたしながらも、ゆっくりと船は進みだす。
直角になった帆は順風をしっかり受け、真っすぐに船が海を行く。


ひと息ついた船内で、船員たちが休憩する中、
一人舵にもたれかかり空を見上げているジャックに、ギブスが話しかけた。




ギブス「災難だったなぁ、今回は」


ジャック「ギブス君、それは適切じゃないな」



ギブス「……、あぁ、確かに。今回も、だな!」


ジャック「素晴らしい」




二人して笑いあう。




615 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:23:51.12 ID:ugAEatBZ0



ギブス「しかし船長、これから先どうするんだ?
    元は黒髭のボトルシップを解除する手がかりとその船員を集めにヨーロッパに
    針路をとったが、そいつももうなくなっちまったしな」



ジャック「ま、なるようになるだろ」


ギブス「ジャック……」




ジャック「憐みの目を向けてくれるなギブス。確かに黒髭の遺産はデカかった。
    船も、宝も、色んなものが詰まったとっておきの財産だった。
    実に惜しいものだった。……いや、ほんとに惜しい。それは認めるさ」



合理化しようとしているが、どうしても辛そうにその艦隊たちの損失を惜しむジャック。
あれがあれば、色々なことが出来ただろう。実に惜しいと思ったのは事実だ。



しかしジャックは自分の手で幾らか頬を軽く叩き、切り替える。



616 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:24:17.90 ID:ugAEatBZ0




ジャック「だが見方を変えるんだ。あんなドでかい艦隊を持ってたら、手間だ。面倒だ!
     ベケットを見たろう? 色んなもんを抱え込むと、あんな風に引きたくても引けない時がある。
     男としての誇りを賭けるんならいざ知らず、あんなのはゴメンだね」



立ち上がり、船首の方へ身体を翻す。







ジャック「海賊は、自由でなきゃいけない」






それは、ジャックの持つ不変の哲学。彼はいつだって自由に生きてきた。
そしてこれから先もそうだろう。策が外れたって、ツキが無くなったって、
部下を失っても船を失っても、ジャックはいつだってそうだった。


だから、ギブスはどんな紆余曲折があっても、
なんだかんだいつまでもジャックの船に乗っているのだ。




617 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:24:52.10 ID:ugAEatBZ0



ジャック「じゃ、気ままに行こうか。海賊らしく、色んなものが詰まったとっておきのお宝探しの冒険にでもな。
     そういう潮風に乗って進んでくれたまえギブス君」

ギブス「なんじゃそりゃ」



ジャック「簡単だ。お宝へ導いてくれそうな潮風を探す。嗅ぎ分けろ。そして乗る。お分かり?」




ジャックは鼻をひくつかせる。ギブスも律儀にそれに倣った。





ジャック「うーん、こっちだ。……あ、いや待った違った、やっぱこっち」



ギブス「ジャック。今から向かうヨーロッパ辺りにはアトランティスっつう大陸があったそうだ」


ジャック「馬鹿にするな、それくらい知ってる」



618 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:25:35.74 ID:ugAEatBZ0




ギブス「じゃあこれはどうだ? そのアトランティスを超えた先、異なる世界につながるヘラクレスの柱というのがあるそうだ。
    泥の様に絡みつく海を抜けると、巨大な怪物がウヨウヨいる海域があるらしい」



ジャック「また別世界で、巨大な怪物か。で、お宝は何がある?」






ギブス「聖杯さ!」






ジャックは興味深そうな視線を向ける。




ギブス「それもポンセ・デ・レオンが見つけた銀の聖杯なんて安物じゃない。
    生命の泉なんかなくったって、それ単体でなんでも願いをかなえてくれる聖杯だ!」



ジャック「ほほう、博識だな。そこまでは知らなかった」


ギブス「知ってたんじゃねえ。嗅いだんだ。そういう潮風をな」





そういってギブスは鼻をヒクヒクと動かした。まるで豚か猪のようでジャックは笑った。





619 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:26:45.66 ID:ugAEatBZ0



ジャック「よろしい、ジョシャミー・ギブス君!
     『ブヨブヨした醜い猫背のブタ野郎』というあだ名は改めよう。
     これから君は『ブヨブヨした醜い猫背の「有能な」ブタ野郎』だ」



ギブス「アイ・キャプテン!」


ジャック「結構、では諸君、行こう!」




ジャックは舵を思い切り面舵の方へ切る。行先はイギリスから変更だ。

行先を思案する。泥の様に絡みつく海といえば、藻で有名なサルガッソだろうか?
それともジブラルタル海峡だろうか? あそこの入り口は確かに柱と言っていい。


聖杯が手に入れば、すべての願いが叶う。


生命の泉でその念願は失せたと思っていたが、やはり永遠に自由な航海をする欲には抗いがたい。
それにその力でボトルシップにはいったパールを戻すというのもありだ。他にも願いは沢山思いつく。



ジャック「ま、何を願うかは手に入れてからだな」



情報は十全ではない。行先は不明。伝説上のものに過ぎないのか、それすらもわからない。
だが、ベケットも言っていたように、そういった噂話にひとかけらの真実が眠っている場合もある。



そのひとかけらを探すため、船で海を渡り続ける。これこそが自由な海賊の楽しみ方だ。




620 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:27:14.59 ID:ugAEatBZ0



船が針路を変えたことで、休んでいた船員たちが一斉に立ち上がり、舵を取るジャックの方を見る。


何かあったらすぐに船長の指示に従うべく行動するという船員の基本を、
バルボッサの襲撃が彼らの身体に教え込んだようだ。





ジャック「少しはマシになったな、野郎ども!」



満足そうに笑うと、ギブスも笑った。船員たちもそれにつられて笑う。






ジャック「じゃあ行こう! 
     目指すはアトランティス! 
     目指すはヘラクレスの柱! 
     目指すは、聖杯!」






おぉ! と船員たちが応える。









621 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:27:55.55 ID:ugAEatBZ0





真っ黒なフーチー号が、真っ青な大西洋の海を行く。
風は順風。波高し。穏やかな風に乗る潮の香りは強い。




「ヨー、ホー、ヨー、ホー……」




そんな中、船員の誰かが呟くように歌を歌う。
それを聞いた近くの船員も、ニッと笑って一緒に歌い始める。




「海賊暮らしは気楽なもんさ、ヨー、ホー、ホー」





陽気な男たちである。数時間前まで死の間際にあったというのに、
今では楽しそうに歌を口ずさんでいる。いやしかし、これこそがカリブの男である。




622 : ◆JjxDNGokTU [saga]:2017/08/16(水) 00:28:26.68 ID:ugAEatBZ0






ジャック「ヨー、ホー、ヨー、ホー」





それにつられて、ジャックも歌を歌い出す。
いつしか船全体で大きな合唱になっていった。







『ヨー、ホー、ヨー、ホー、海賊暮らしは気楽なもんさ、
 楽しく一杯やろうじゃないか、ヨー、ホー、ヨー、ホー!』







呑気で陽気な歌声が、フーチー号を包み込む。




歌と戦いと船と、あとは酒の一つでもあれば、カリブの男はいつだって無敵だ。





最早怖いもの知らず。今回の旅は何が待ち受けているだろう。
きっと、どんな海でも、どんな敵でも、彼らは笑って突き進むに違いない。






623 : ◆JjxDNGokTU [saga sage]:2017/08/16(水) 00:30:35.71 ID:ugAEatBZ0









そんな楽し気で勇ましい笑い声を乗せて、海賊たちの船は進んでいく。



















自由を求め、一路、水平線の先へ。







カリブの海賊、ジャック・スパロウの冒険は続いていく――。













                                                 END







624 : ◆JjxDNGokTU [saga sage]:2017/08/16(水) 00:31:03.35 ID:ugAEatBZ0


































625 : ◆JjxDNGokTU [saga sage]:2017/08/16(水) 00:32:37.03 ID:ugAEatBZ0


終わりの言葉何も考えてなかったので、大層なことを言えません。
なので、月並みに。



長らくお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


一先ずは、この言葉で締めとさせていただきます。




重ねて、御礼申し上げます。ありがとうございました!!




626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/16(水) 00:43:08.42 ID:3e6Nc+a50
乙。面白かったです。
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 01:01:10.27 ID:tZ1iOjXkO
おつっした
面白かったっす
次回作も期待です
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/16(水) 12:12:10.90 ID:jJsszQEpO
乙でした


神通=サンはかわいいなぁ、漣ちゃんもキュートでした
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/16(水) 21:53:37.61 ID:ugAEatBZ0
とんでもねえssだった

過去作があったら教えてくだちい
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 09:59:37.74 ID:UUjyhe+gO
ようやく読み切れた
面白かったです
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/17(木) 22:05:18.48 ID:SpjSuBRv0

素敵なSSでした
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 03:02:14.08 ID:FsZ++gwQo
タイトルに釣られて見たけど力作でした
お疲れ様でした!
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/18(金) 18:44:08.48 ID:OZ/BP/XuO
乙!
起承転結のそれぞれに魅力があって
時間を忘れて読んだわ
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 01:14:42.95 ID:liYJ/Zky0

凄すぎて言葉にできない感動
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 20:52:35.75 ID:4q37BaWLo
>>629
酉はずして自演で自作紹介のきっかけ作りですか
言われなくたって過去作リスト貼りたいなら貼ればいいものを
最後の最後でしょうもないもの見せられたのがただ残念です
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 22:19:27.33 ID:/HSR9/AzO
くっそワロタ
自演なんて必要ないほど面白かったのに
今頃恥ずかしさのあまり、ジタバタしてんじゃないかな
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/19(土) 22:57:42.51 ID:PHL4+BbRo
あとから自分でもやらかしてたのに気づいて、急遽過去作紹介すんのやめたんだろうな…
せっかくの作品に自分で泥塗るようなこと、してほしくなかったな
638 : ◆JjxDNGokTU [sage]:2017/08/20(日) 01:59:14.96 ID:GlKuvQ0Q0
……、もうこのまま落ちていくなら言うまいとも思ってましが、
一応、これ投稿してたのお盆の帰省時で、携帯から同じwifi使って見てくれてた弟のレスです。

とはいえ信じていただく証拠もありませんし、そんな偶然もそうそうないかと思います。
ただ流石に、もう何度目かの投稿になるこの掲示板のシステムぐらい知ってますから、こんなお粗末なことは狙ってしません。

……どちらにせよ、荒れるのは仕方ないと思いますので、せめて読んでくださったことだけでも感謝させてください。

639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 02:20:07.21 ID:stWEGDHkO

640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 02:23:39.55 ID:stWEGDHkO
ミスった
ていうか信じて貰えると思った?しばらくサンドバッグになってもらわないと許すわけないっていうか
何回も投稿してるならどんな理由であれこういうのは許すされないって分かってるよね?
掲示板の治安の問題なんだわ
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 02:33:11.64 ID:stWEGDHkO
つか投稿のシステムがわかってるならなおさら自演してる確率高くなるしw
肯定的な感想全部自演だったりしてw
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 02:35:15.78 ID:stWEGDHkO
sage忘れたけどちょうどいいや
これを機に引退
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 02:39:10.69 ID:stWEGDHkO
ああもうまたミスった
これを機に引退しろよ?くっさいssかいてないでさ
あとエレ速で自演して星5つけるのもやめろ目障りなんだわあれ
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 03:07:14.58 ID:irm1PTVo0
お、おう…とりあえず落ち着いて書き込もうぜ?
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 06:55:02.07 ID:scFwy1PDO
終わりの言葉何も考えてなかったので、大層なことを言えません。
なので、月並みに。



長らくお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


一先ずは、この言葉で締めとさせていただきます。




全ては弟の仕業です!!
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 07:11:41.17 ID:cYBaBfrho
すでに完結したSSのスレでID赤くしてる方がよっぽど目障りな事実
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 08:07:38.77 ID:QK33i5T8O
弟さんですか?
648 : ◆JjxDNGokTU [sage]:2017/08/20(日) 09:21:15.76 ID:GlKuvQ0Q0
>>645
でもよくよく考えたら実家から出る前に軽い気持ちで「読んだら感想くれ」って言って
帰ったのが全ての元凶な気がしますので、もう私の仕業でいいと思います。
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 09:46:17.76 ID:waFVwEElO
とんでもねえssだった

過去作があったら教えてくだちい
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 11:08:27.74 ID:yD0IRhC2o
そうだったんですか!じゃあ仕方がないですね!
弟が携帯使って書いたと言い切ってる割には該当レスは末尾が0だし、
弟くん感想くれって言われたはずがメインは過去作聞くことにしか見えないけど仕方ないですね!





掲示板に慣れてて普通はボロ出してこなかったからこそ、やらかした今はことさらに冷静気取ってるんでしょ
親兄弟に積極的に読ますこと自体がレアケースなのは置いとくとして、
感想頼まれて直に言わず匿名掲示板のレスで書き込む身内がどこにいんだ
設定のつめが甘いんだよ
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 11:36:51.58 ID:N4tNSeU90
乙ー
長かったけど面白かったよ
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 11:38:30.01 ID:gt1erdSJO
夏休みに友達もおらずこんな所で粘着してる子ほんと可哀想
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 11:54:45.97 ID:CL4zG2k0o
友達もいて楽しい夏休み送ってる設定の君はここで何してんの?
作者が粘着されてたからどうなの?
他人のはずの君になんか不都合があるのー?
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 12:22:06.02 ID:OZQ8bVTnO
終わりの言葉何も考えてなかったので、大層なことを言えません。
なので、月並みに。



長らくお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


一先ずは、この言葉で締めとさせていただきます。




私に弟などいません!!
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 22:01:48.10 ID:pMFKMaJd0
やっぱ末尾Oって糞だわ、某所のクロススレ埋め立て荒らしもOだし
656 : ◆JjxDNGokTU [sage]:2017/08/20(日) 23:33:10.09 ID:GlKuvQ0Q0
>>650
携帯の書き込みでも同じwifi通せば同じIDになるのでは?



どの道、こんな思いもよらぬ事故でこんな結果になったのは、なんとも言えないというか。

掲示板の治安、って言葉も出てきましたけど、もうこれから先書いてもこの掲示板の悪影響になりそうです……。
どうあれ私の身から出た錆。責任取って筆は置こうと思います。ありがとうございました。
これ以上は反論は致しません。戒めとして、このスレもSSも晒すなり荒らすなりしてくださって結構です。



不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。


657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 00:23:58.98 ID:qRVpLK7Po
作品は面白かったので良し
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/21(月) 00:43:54.86 ID:vgKkw5fTO
反論する意味が分からんわ
言い分が事実だとしても弟が〜とか言わずに「はい、自演です」って言えばすっぱり終わったのに
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 11:10:31.13 ID:tHm9Cv0FO
>>658
どっちでも邪推して騒ぎまくる奴が出るのは確定だし
いいんじゃない?wifiの存在も知らないで末尾がどうこうと恥ずかしい推理するやつもいるし

筆置くってのが引退の意味だったら惜しいけど
それならそれで是非ここ以外のよそで頑張って欲しいな
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/21(月) 13:05:08.18 ID:MXITUYiIo
携帯端末や専用ブラウザ、PCブラウザ等で末尾はそれぞれ違う
同じWi-Fi経由してた場合はID一緒で末尾だけが変わる
と、ここまでが愚昧な俺の理解が及ぶ範囲なのですが

Wi-Fi経由で携帯使って弟が書いた、と本人が言ってるレスの末尾が0なのはどういうことなのか、
Wi-Fiについて恥ずかしくないだけの知識をお持ちと自負しておられる>>659様にぜひご高説を賜りたいですね
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