【デレマス】美波「頼りたい。甘えたい。構われたい」

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1 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:01:08.84 ID:0+O9Xl2X0
(ある日。事務所)

美波「……」(読書中)

ちらっ

莉嘉「Pくん! Pくん! 見てこのシール!! すごいんだよ! 暗いところでも光るんだよ☆」

P「へぇ。すごいなー」

P「シールに印刷されてるのって美嘉?」

莉嘉「うん。おねーちゃんシールだよ☆ よく気づいたね☆」

P「桃色だからわりと目立つし」

莉嘉「えへへ☆ そしてこのシールは……とりゃ☆」

ぺたー

P「ぐぇ。おでこに貼り付けてくるんじゃない」

莉嘉「Pくんカワイー☆」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1504868468
2 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:01:43.79 ID:0+O9Xl2X0
ペタペタペタペタペタ……

P「タブレットに貼るんじゃない。ケータイに貼るんじゃない。スーツに貼るんじゃない」

莉嘉「これで真っ暗になってもPくんのものがわかるね☆」

P「暗闇に放置される状況がくるかどうかわからないがありがとう」

P「さて、莉嘉。お仕置きだ!」

わしゃわしゃわしゃわしゃ!

莉嘉「きゃー☆ Pくん髪の毛わしゃわしゃしないでよー☆」

P「うりうりー」

莉嘉「もー! お返しー!☆」

P「させぬぞ! うりゃー!」

美波「……」(ちらっ)

キャッキャ♪ キャッキャ♪

美波「(いいなあ)」
3 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:02:10.70 ID:0+O9Xl2X0
(とあるカフェ)

川島「……なるほど。つまり美波ちゃんはプロデューサーくんに甘えてみたいと」

美波「い、いえ! そういうわけでは!」

美波「ただ、その……莉嘉ちゃんを見ていたら少しだけ羨ましく感じたというか」

川島「ふむ。詳しく聞いてもいいかしら?」

美波「……」

川島「ほらほら。お姉さんにどーんと相談してみなさい!」

川島「……他に誰もいないんだし。こういう時くらい好きなように吐き出していいわよ?」

美波「……」

美波「ありがとうございます。川島さん」

川島「へい、若人よ。かかってきなさーい♪」

美波「ふふっ♪」
4 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:03:50.61 ID:0+O9Xl2X0
美波「普段、私って『お姉さん』としての立場になることが多いんですよ」

川島「うんうん。わかるわ」

美波「もちろん嫌というわけではないんです。頼られるのは嬉しいですから」

美波「……でも。時々、私も『頼る立場』になってみたり、気兼ねなく自分の思ったことをしたいことがあるんです」

美波「……///」

川島「あら♪ どうして照れているの?」

美波「だって、こんなこと……」

川島「『いけない』なんて思わなくてもいいのよ。美波ちゃんはしっかりしてるけどまだ19歳だものね。甘えたいって気持ちがあるのは当然よ」

美波「……はいっ」

川島「(私もアナウンサー時代に、ずっとお堅いキャラで通してたから気持ちはわかるのよね……)」
5 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:04:25.63 ID:0+O9Xl2X0
川島「じゃあ。やることは決まったわ。美波ちゃんがプロデューサーくんに甘えられるような作戦を考えましょう!」

美波「作戦?」

川島「ええ。実は、ちょうど甘え上手の子が来てるのよ」

楓「来ていたんです」(ばーん)

美波「か、楓さん!? いつからここに!」

楓「ふふふ。話は聞いてましたよ♪」

川島「美波ちゃんがカフェに来る少し前に、何故かお店にやってきたのよ」

楓「今日はオフだと知っていたので、川島さんのマンションの前で張り込んでいたんですよ」

楓「で、川島さんが出かけるのを見て追いかけちゃいました♪」

美波「楓さん。言いにくいんですけれど、それは『ストーカー』です」

楓「ストーカーまがいのことをするくらい川島さんが好きなんですよ」

美波「楓さん。言いにくいんですけれど、それは『まがい』ではありません。『ストーカー』です」

川島「ほーら、楓ちゃん。遊んでないで本題に入りましょうねー」

楓「了解です」

美波「ストーカーの件に関してはいいんですか? 川島さん?」

川島「もう慣れたわ。どうせ『宅飲み』のお誘いだしね」

楓「ふふっ。今日も飲みましょう♪」

川島「まだ昼間よ。めっ」

楓「……」(しょぼーん)

美波「(子供みたいですね)」
6 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:04:52.51 ID:0+O9Xl2X0
(少しして)

楓「では。僭越ながら、私が『甘え』の手ほどきを致しましょう」

川島「楓ちゃん。お手柔らかにね」

楓「任せてください」

美波「よろしくお願いします」

楓「さて、まずは質問です。美波ちゃんはどうしたらプロデューサーさんが『甘えさせてくれる』と思いますか?」

美波「はあ」

楓「直感でいいんですよ」
7 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:05:29.46 ID:0+O9Xl2X0
美波「うーん。幸子ちゃんみたいに直接『甘えさせてください』と頼んでみるとか?」

川島「あら。美波ちゃんは言えるのかしら」

美波「……ムリデスネ」

楓「安心してください。そんな恥ずかしがり屋さんの美波ちゃんでも、上手に甘えられる方法があるんですよ」

美波「そんな方法があるんですか」

川島「そんな方法があるのね」

楓「ええ、それはズバリ。『ダメ人間になる』ことです♪」

川島「ストップ」
8 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:06:06.39 ID:0+O9Xl2X0
楓「……どうして止めるんですか。川島さん」

川島「止めるわよ。どうして止めないと思ったのかしら?」

川島「手段は選びましょう。婚期を逃した女性が口にする『自分以外の女性を全員消せばモテモテになる』理論くらい極端よ」

楓「最後まできちんと聞いてください。美波ちゃんも聞きたがってますから」

美波「……」

川島「完全に『不信感に満ちた目』になってるわ。心なしか楓ちゃんから距離を置いてるわ」

楓「まあまあ。ぜひ聞いてください。というより話したいんです♪」

川島「タチが悪いわね……」

美波「い、いちおう話だけは聞きましょうか」

楓「む。役立つ話ですよ」
9 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:06:39.64 ID:0+O9Xl2X0
楓「……実は、私も甘えることは苦手なタイプだったんです」

楓「雰囲気で『1人で何でもできる人』だって思い込まれていたからでしょうね」

楓「誰かにもたれかかろうとすると、いつも変な目で見られたんです。『楓さんらしくないですね』と」

美波「……」

川島「そうね。楓ちゃんも私たちと同じよね」

川島「実際のところ。中身はただの『おじさん』なんだけど」

楓「川島さん。ひどいです。泣きますよ」

川島「いいから。話を続けてちょうだい」

楓「はい♪」

美波「(切り替えが早いなぁ)」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/08(金) 20:07:30.64 ID:0+O9Xl2X0
楓「問題なのは『あの人は1人でも大丈夫』だと思われてしまうことなんです」

楓「すると放っておかれてしまう。そして甘えられなくなる。ここまではいいですか?」

川島「言っていることはまともね」

美波「はい」

楓「ですから『ダメ人間』になれば全てが解決するんです♪」

川島「いきなりそこに繋がるのがおかしいわ」

楓「美波ちゃんはどう思うかしら。ダメ人間になってみたいと思わない?」

美波「思いません」

楓「即答ですか」

川島「当然よ」

楓「しょんぼりです」
11 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:08:16.25 ID:0+O9Xl2X0
美波「というよりダメ人間とはどういう人のことを指すんですか」

楓「具体的には、お酒に呑まれて泥酔したり、脱いだ服を部屋に放ったらかしにしたり、ベッドの周りに漫画が積み重ねてあったり……」

美波「わかりました。なりたくありません」

楓「まだまだあるのに……」

川島「どうしてダメ人間の要素を誇らしげに言おうとするのよ」

楓「冗談はさておき。『隙』というものは大切だと思います」

川島「そうね」

美波「隙とは?」

楓「しっかりしているだけでなく、『1人にさせておくと駄目だ』と思わせる部分を持つことですよ」
12 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:08:52.00 ID:0+O9Xl2X0
楓「例えば、プロデューサーさんは仕事はできますよね」

美波「ええ」

楓「でも、私生活がだらしなかったとしたら『私が支えてあげなくちゃ』という気持ちになりませんか?」

美波「……確かに」

楓「それと同じです。しっかりしててもいいんです。けど、完璧であってはいけません」

楓「『美波には俺が付いていなければ……』と思わせるような『魔性の女』を目指すんです」

楓「そうすれば甘えるチャンスは自然とできるんですよ」

美波「ま、魔性の女……っ!」

川島「パチパチパチパチ。さすが楓ちゃん」

楓「ふふふ。隙があるから人は人を好きになるんですよ♪」

楓「そして私がいつも酔い潰れるのは計算だったわけです」

川島「それは嘘よね」

楓「やっぱりバレちゃいます?」
13 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:09:23.64 ID:0+O9Xl2X0
美波「んー、魔性の女、といっても難しいですね……」

川島「ドジっ子みたいなポイントはどうかしら? 何か思い浮かばない?」

美波「……」

美波「あ。ひとつ名案が浮かびました♪」

楓「どんな案なんですか?」

美波「ブラウスです」

川島「……ブラウス?」

美波「はい。プロデューサーの前でわざとボタンを掛け違えておくんです」

美波「それに気づかないフリをしておいて、プロデューサーさんが気づいたら『直してください』って甘えてみるんです」

美波「どうですか。いい案だと思うんですけど♪」

川島「美波ちゃん。それは『甘え』じゃなくて『誘惑』になっているわ。プロデューサーくんに襲われるわよ」

美波「ええ!?」

楓「確実に情事に発展しますよね」

美波「そ、そんなにイケないことなんですか?」

川島「自覚がないのが怖いわね」

楓「魔性といえば魔性ですね」
14 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:10:24.66 ID:0+O9Xl2X0
(少しして)

楓「とやかく言っても始まりませんから、とりあえず実行してみましょう♪」

楓「明日。私と美波ちゃんはお仕事の後にバーベキューがありますよね。その時がチャンスです」

川島「そうね。『甘えてみたい』って意識するだけでもだいぶ変わるんじゃないかしら」

美波「はいっ。川島さん。楓さん。相談に乗ってもらってありがとうございました」

楓「いいんですよ。お礼は一緒に飲むだけで♪」

川島「未成年を誘うんじゃありません」

楓「み、未成年だったんですか……!」(がーん!)

川島「楓ちゃん。わかってて言ってるわよね?」

美波「前回もこのノリで『介護要員』として付き合わされましたね。今回はそうはいきませんよ」

楓「……だって素面の人がいないと潰れるまで飲めないじゃないですか」

美波「潰れるまで飲むのをやめたらいいじゃないですか」

楓「……!」

美波「そんな『何を馬鹿な』みたいな顔をされても困ります」

川島「楓ちゃん。いい加減にしましょうね?」

楓「……仕方ありません。酔い潰れるのはプロデューサーがいる時だけにします」

美波「(プロデューサーさん。同情します)」
15 : ◆hAKnaa5i0. [saga]:2017/09/08(金) 20:11:21.66 ID:0+O9Xl2X0
休憩します
あざといポーズの柚を貼っておきますので癒されてください
https://i.imgur.com/msDRTwr.png
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/08(金) 20:18:15.87 ID:KPcV21XTO
やったあ!美波ssだ!ありがとうございます!
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