ミリP「これから百合子腹と呼ぶ!」百合子「後生ですから止してください!」

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1 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:42:54.36 ID:+o3eGOCj0
===
N『ある日の、765プロ事務所』

プルルルルル……。

小鳥「あっ、プロデューサーさん。"いつものトコ"からお電話です」

P「あいあい、ありがとうございます小鳥さん」ガチャ

P「はい、こちらニコニコ765プロ! 只今お電話変わりまして――」

小鳥「……ふっ、始まりましたよ律子さん」ニヤリ

律子「えぇ。分かってますとも小鳥さん」ニヤニヤ

美咲「?」

P「うん。はいはい。あー、えー、それはまた、なんですねぇ……」

P「ええ、それはそれは……てっめー! ざけんなこの野郎っ!」

美咲「!?」ビクッ!!

律子「きたっ!」

小鳥「始まった!」

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2 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:45:07.30 ID:+o3eGOCj0

P「お? 言ったな、こら!? やる気か? このっ! おうおうおうおう上等じゃねーかこん畜生め!!」

美咲「えっ? えぇっ!?」

P「今さら冗談でしたじゃ済まねーかんなっ! 絶対泣かせる! 絶対泣かせるっ! 首を洗って待ってやがれ!」

P「てーいっ!!」ガチャ、チーンッ!

美咲「なっ、なっ、一体……。何があったって言うんです!?」

P「けっ! 全く忌々しい……。青羽さん!」

美咲「は、はいっ!」

P「電話に塩撒いといて、塩っ!」

美咲「そこまでですか!?」がたたっ!

小鳥「美咲ちゃん!」

律子「塩持って来ようとしなくていいですから!」
3 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:46:35.92 ID:+o3eGOCj0

P「くっあぁぁぁ〜〜〜っ!! ちょおおおおっと事務所がウチよりデカいからって、調子に乗りやがってあんにゃろうめ!」

P「律子! ちょっくら出掛けてくらぁ!」

律子「どこ行くんです?」

P「もち、劇場っ!」

ドカドカドカドカ、バタンっ!


美咲「あ、嵐のように去って行った……」

律子「……はぁ〜、参った」

小鳥「ふふふんっ♪ 今回は早めに切りましたね、ジャッジの必要がないほどに」

美咲「え、えーっと?」

律子「いえいえいえいえ、小鳥さん。確かに電話は切りました。三分経たずに切りました」

律子「それでも少し涙目でしたし、あれは完璧なまでの負けですよ」

小鳥「物言いですか? またですか? たまには潔く勝負を降りましょうよ」

美咲「なんの話をしてるんです……?」

律子「それじゃ、私の財布が持ちませんし……ビデオ判定!」

小鳥「撮ってません」

律子「なら、今回も間を取ってプロデューサーに出してもらう」

小鳥「賛成! ……と、言うワケなんで美咲ちゃん?」

美咲「はい? な、なんでしょうか音無先輩」

小鳥「プロデューサーさんを追いかけて」

律子「晩御飯の約束、取り付けちゃって来てください♪」

美咲「は、はいぃ?」
4 :ジュリア「てけてんてんてけ、ジャカジャーン♪」 ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:48:23.02 ID:+o3eGOCj0
===

N『ところ変わって、ここは765プロ劇場事務室前』

コンコンコン

紬「失礼します」

このみ「あら、紬ちゃんじゃない。いらっしゃい」

紬「えっ……このみさん?」

響「紬。事務室になにか用?」

紬「……と、響さん?」

紬「私はプロデューサーを探しているのですが、お二人のその恰好は……」

響「自分たちは、手が空いてる時のバイトだぞ」

このみ「アダルトな事務のお姉さんに見えるかしら?」

志保「あ、アルバイトですか?」

P「そうだ、バイトだ。ウチはスタッフが足りないから」

志保「ひゃあ!? プ、プロデューサー!」
5 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:49:39.09 ID:+o3eGOCj0

このみ「あ、来た来た」

響「はいさい、プロデューサー!」

P「しょくぅん、元気にぃ、やっとるかねぇ?」

このみ「相変わらず、社長に似てない物真似ねぇ」

P「そういう事を言わんでください」

志保「そ、それよりなにより急に背後に立たないでくださいっ!」

P「急に背後に立つなって……。ぼーっと入り口を塞いでる方が悪い!」

志保「えっ? そ、そんな。並んで立ったら夫妻だなんて……」

このみ「言ってない言ってない」

響「どういう耳をしてるんだか」

紬&P「こういう耳です」

このみ「やると思った!」

響「……で、なんの用なのプロデューサー」

P「なんの用って……。俺はPだぞ? 仕事しに来たに決まってるじゃん」
6 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:51:36.21 ID:+o3eGOCj0

このみ「仕事ねぇ」

響「椅子に座って雑誌読むのが?」

P「ちっちっち、分かってないなぁ我那覇君」

P「流行に合わせて方針を変える。それはプロデュースにおける基本の基本!」

このみ「NU<ヌー>だったかしら? 愛読書」

響「オカルト専門雑誌だぞ」

紬「……ものの見事に偏って」

P「必要不可欠な知識なの! アイドル事務所のハズなのに、ワケのわからん怪奇現象ばかり起きおって!」

このみ「あ、それよそれ!」

響「ちょうど今朝も報告があって。見回りしてる当直さんが、また妙な物音を聞いたって」

このみ「今月入って十回目」

響「二日に一回のペースだね」

P「ほらな? ほらな!」

紬「そ、それはまた……。物の怪の類なのでしょうか?」
7 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:52:48.09 ID:+o3eGOCj0

このみ「妖怪の仕業かどうかは知らないけど……」

響「結構みんな聞いてるよね。夕方一人で居る時とか」

紬「ひっ……!」

このみ「レッスンルームに会議室――」

響「衣装室にだって出るらしいぞぉ〜!」

紬「…………っ!」

P「なっ、どうした紬? 急に俺の方寄って来て」

紬「……いざとなったら盾にしようかと」

P「その時は逆に差し出しちゃる」

紬「プ、プロデューサーなら大事なアイドルを守るのも、務めなのではないですか!?」

P「だったら日頃から愛想よくしろ、この強情気むずか泣き虫娘っ!」

紬「……あ、それはそうと私、アナタにご用事が」

響「おっ、喚き散らさず切り返した」

このみ「うんうん、すっかり逞しくなって」

紬「そんな、まだまだ未熟です」

P「ああ、純情おぼこが染まって行く……何故だっ!?」

響「そりゃ、いつもからかう」

このみ「アンタが悪い」
8 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:54:32.53 ID:+o3eGOCj0
>>7訂正
○紬「……あ、それはそうと私、アナタに用件があったのです」
×紬「……あ、それはそうと私、アナタにご用事が」
9 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:56:33.10 ID:+o3eGOCj0
===

・劇場楽屋兼控え室

P「……で、なんだな」

P「揃いも揃ってお前たち。一体全体どうしたって?」

可奈「あの、えっと」

百合子「そのぉ……」

未来「プロデューサーさん。どうか怒らないで聞いてくださいね?」

志保「この二人、衣装が入らなくなりました」

P「何、またか!? ……おい紬ぃ!」

紬「ここに来る途中で言いましたが?」

P「今すぐ紗代子を呼んで来い」

紬「使い走りでもないのですが……」スタスタ

百合子「だったら行こうとしないでください!」

可奈「お願い、まだ見捨てないでっ!」

未来「可奈ちゃん敬語が抜け落ちてる」

P「反省っ!」

可奈「ウキッ!」

P「よく知ってんなぁ」

志保「……笑いを取りに来たんですか?」

P「いや、できるだけこの場を和ませようと」

百合子「だったら多分に逆効果です〜!」
10 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:58:08.70 ID:+o3eGOCj0

紬「…………」そわそわ

紬「あの、プ、プロデューサー?」

P「ああ、うん。紬も紬でよくできました、えらいえらい」

紬「それだけ……ですか?」むすぅ…

未来「おざなりだ!」

百合子「協力したのに」

可奈「ちょっと紬さん可哀想かも」

志保「……あなた達、怒られる割には平気そうね」

百合子「はっ、針のむしろに座る気持ちだよ!」

可奈「地獄の責め苦に耐えていますっ!」

未来「わ、私は、私は! えーっとぉ……!?」

P「落ち着け未来。お前は違う」

未来「あっ、そっか。そうでした」でへへ〜♪

P「……ただ、センターとしての責任がなぁ」

未来「生クリーム舐めるの我慢しますぅ!」

志保「プロデューサーさんっ!!」

P「ごめーんちゃい」


志保「……はあああぁぁ〜!!!」

百合子「ああ、すっごくイライラしてる……!」

可奈「あの怒りがこっちに来るんだよぉ……?」
11 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 18:59:56.44 ID:+o3eGOCj0

志保「二人は黙って!」

百合可奈「はい!」

P「解散!」

一同「はいぃっ!?」

P「いや、まぁ、なんつうかね?」

P「手間が省けてよかったよかった」あっはっはー

可奈「何がよかったって言うんですかぁ!?」

百合子「成り行き次第じゃ血を見ますよ!」

未来「私たちがっ!」

紬「未来さんは関係ないのでは……?」


志保「……はぁ」

志保「もちろん、納得のいく説明はあるんですよね」

P「志保ぉ……!」

志保「な、なんです? 急に改まって」

P「お前は静香より優しいなぁ」

志保「……は?」

可奈(マジ泣きだ!)

紬(一体なぜ……?)

百合子(静香ちゃんなら一呼吸も置かずに噛みつくから……)
12 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 19:01:19.77 ID:+o3eGOCj0

未来「後で教えてあげちゃおっと」

P「やめてっ!」

未来「はっ! 私ってば声に出てた!?」

P「勘弁して! もうマジであの子はメンドイから!」

P「毎回機嫌を取るのが大変なの!」

志保「……うどんでいいんじゃないですか」

百合子(あ、志保ったら急に投げやりに)

P「見るか、俺の財布の中。うどんのレシートで一杯だぞ?」

可奈「うわぁ……半分以上が領収書」

P「これが経費で落ちなくてさぁ」

未来「経費で落ちないとどうなるんです?」

P「全額自腹」

紬「おとろしか……!」

百合子「止めてくださいお金の話は! 紬さんが怯えてしまってます!」

P「紬、東京の家賃は高かろう?」

紬「うぅ、うぅぅ……!」コクコクコク……!

P「払う物も払ってしまったら、仕送りもそんなに残るまい」

紬「世知辛か……!」

未来「良くないですよ、いじめるのは〜」

志保(そういえば今月はウチも厳しくて……)

可奈「志保ちゃんまでもがちょっとブルー!?」
13 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 19:02:55.06 ID:+o3eGOCj0
===

P「まぁ、うどんは怖いって話だよ」

紬「後はお金も大事」

志保「凄く大事」

百合子「嘘みたい。さっきまでイライラしてたあの志保が」

可奈「すっかり大人しくなっちゃった……!」

未来「プロデューサーさん、魔法みたい!」

P「ふぐぅっ!?」

可奈「えぇっ! なんでダメージ!?」

P「ま、魔法使いになりそうだから……?」

百合子「風のですかっ!!」

P「違うけど、そうじゃなくて」

百合子「違うんですか……」

未来「なんですか?」

P「……ちょっと言いはばかられる事柄です」

百合子(……っ! エッチなやつだ!)

未来「っ! エッチだー!」

P「未来はお口を閉じようねー?」

未来「お菓子があれば閉じれるんですけど……えへへっ♪」
14 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 19:04:01.55 ID:+o3eGOCj0

志保「はっ! ……そ、そうです。ソレです!」

志保「二人の衣装が入らない話。すっかり忘れるところでした」

P「えぇ〜? まだするのぉ〜?」

志保「まだも何も、一切話は進んでませんっ!」

可奈「あーあ、魔法でお腹が引っ込めばなー」

可奈「引っ込め、引っ込め、引っ込め込め〜♪」

志保「夢みたいなことを歌わない!」

未来「だけど夢を忘れちゃ!」

百合子「ダメだよ志保! ……くっ! やはりダークセーラーの力に引っ張られて……!」

志保「フッ……生意気なマイティセーラーは、そのぷにぷにお腹が恥ずかしくないの?」

百合子「的確に弱点を突く攻撃っ!」

P「いやぁ、実に素晴らしい攻めですねぇ〜」


紬「……なんなん、茶番?」

百合子「いや、そのぉ……」

百合子「ごっこ遊びでカロリー消費できないかなって」

可奈「かなかな〜♪」
15 : ◆Xz5sQ/W/66 [saga]:2017/09/13(水) 19:05:16.54 ID:+o3eGOCj0

P「そういえば、カラオケで痩せるってのもあるよなぁ」

志保「説得力はありますね。恵美さんの例がありますし」

紬「ひゃっ!? お、お化け? どこっ!?」

百合子「紬さんが!」

可奈「プロデューサーさんに引っ付いた!?」

未来(もうホントびっくり!!)

P「驚いてるのは顔で分かるぞ」

未来「ビックリしました!」

P「うん、分かる!」

紬「……はっ!? う、うちは一体なんてことを……!」

可奈「あっ、紬さんが部屋の隅に……」

未来「座っちゃった」

百合子「……なんだか座敷童みたい」

紬「もうほうっといてぇ……見んといてぇ……」

P「こうしてまた一人の若い娘が、厳しい現実に打ちのめされてしまったのだ……完!」

志保「終わってません」

P「琴葉と対だな」
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