川崎「あ……あたしと付き合ってくんない?」 八幡「!?」

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/25(月) 21:10:53.30 ID:U0qw6ijeO
小町と母親だけじゃ心配な比企谷家に川崎家を受け入れる展開じゃないのを見て読むのをやめました
103 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:11:47.20 ID:rAQ2h7MRO

八幡(重装備ではないから、2、3個装備を付け直してポーチを装着して……これでいいか)

八幡(ほかの隊員たちも動けるように準備してる。それにさっきまで静かだったのにざわめきが大きい)

八幡(マジで2等級なんてのが来るのか……? 観測機の故障を祈るばかりだ)


影「サーーッ」


八幡「!?」

八幡(今、地面を滑るように影が動いていった……)

八幡「(バッ)」

八幡「……なッ」

八幡「雪ノ下……由比ヶ浜、空に……なにか居る……」


雪ノ下『そんな…………』


由比ヶ浜『うそ………………』


八幡「おい!」

八幡(周りもざわめき出した。ん!? 空の にいた奴が降下してる)


???「(スタッ……)」


八幡「謎の個体、河原の岩に着地した。戦闘態勢に入る……」
104 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:13:34.12 ID:rAQ2h7MRO

八幡(真っ白な……メンシュハイト? ここからじゃちょっと遠くてやっきり見えない)

八幡(ほかの隊員たちもすでに戦闘態勢に入っている)

八幡(……すげぇ緊張感だ。この場にいる全員が白いメンシュハイトの一挙手一投足を監視している)


雪ノ下『比企谷くん…………こちらのレーダーで追っていた件のメンシュハイトの反応が消失したわ…………』

雪ノ下『……そして、その場所への出現が確認された。推定2等級のメンシュハイト…………』


八幡「……指示は」


雪ノ下『……待機、だそうよ』


由比ヶ浜『……いきなりのことで審議が止まっちゃったみたい……。とりあえず指示が出るまではなるべく動かずその個体を刺激しないようにって』


八幡「了解……」

八幡(全員が銃を向け、息を飲んでいる。ヤバい。鳥の声もしねぇし、風も起きねない。静かすぎで鼓膜の裏から心臓の音が聞こえてくる)

八幡(くっそ……。なるべく動かないようにって、こんな緊張状態何分も続けられねぇよ。早く指示を…………)


男性隊員「はぁッ……はぁッ……」


八幡(なんだあいつ……。わりと近くの男の隊員がめちゃくちゃ震えてる)
105 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:15:05.41 ID:rAQ2h7MRO
男性隊員「はぁッ……はぁッ(ガチャ)」


八幡(銃を構えなおした……。あいつ呼吸が乱れまくってるが大丈夫か……? 周りにいる同じ部隊は白いメンシュハイトに釘付けで男の体調が悪いことに気づいてない……)


男性隊員「はぁッ……はぁはぁはぁ(ギッ……)」


八幡(人差し指が動いてる……まさか引き金を……!?)

八幡「おい! やめ──」


銃声「パァン!」


八幡「(バッ)」

八幡(着弾……したのか?)

八幡(出血したのかどうかも確認できねぇな)


白メンシュハイト「(チラッ)」

レーザー「ビィィンッ!」

 ──バキバキバキィッ!


八幡(極大レーザーの攻撃!? ……隣の部隊が森の一部とともに消滅しちまった…………。なんて破壊力だ)


男性の声「うおおおおおお!」


男性の声「ファイァァアアアア!!」


八幡(待機って指示だろうが!)
106 : ◆hr9g98PXaA [sage saga]:2017/09/25(月) 21:16:40.69 ID:rAQ2h7MRO
八幡(巻き込まれないように伏せておくか(バッ))


──ドドドドドンッ!!

──ビィンッ!!


雪ノ下『比企谷くん!!』


由比ヶ浜『ヒッキー!!』


──バキバキバキバキ!!

──ドドドドドンッ!!

──ビィィィンッ!!

 …………


八幡(銃声が減っていく……戦力がジリ貧だ……)

八幡(早く! 早く収まれ!)


レーザー「ビィィン!」


八幡「うおお」

八幡(あ、頭の上をレーザーが横切った……。あっぶねぇ……)


──ドンッ!


八幡「爆発っ!?」


由比ヶ浜『今の(ブチッ)』
107 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/25(月) 21:18:17.57 ID:rAQ2h7MRO


 ──ヒュー


八幡(よりにもよってメンシュハイトの方に飛ばされてる!)

八幡「(ドサッ!)」

八幡「痛っ……!」

八幡(ああ、これ、ダメな奴だ……。爆発と落下のせいで怪我が……)

八幡「………………あ?(チラッ)」


白メンシュ「(チラッ)」


八幡(女の子……? ほとんど人間と同じ姿じゃないか…………)

八幡(…………こんな女の子を……。場違いな感情なのかもしれないが…………可哀想……だろ…………)


白メンシュ「(スッ……)」


八幡(なんで……そんな………………悲しそうな顔、するんだ……………………(ガクッ))
108 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/25(月) 21:19:54.43 ID:rAQ2h7MRO
続きは明日の夜に……
ほな、また……
109 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/26(火) 20:54:33.89 ID:0DhoCUkQO

[病院]

川崎「はぁ……はぁ……(ダダダッ)」

川崎「はぁ……ここ、か…………」

扉「ガラガラ」

川崎「失礼……します……」


 ──ピッ……ピッ……ピッ……


八幡「………………」


川崎「あ……あぁ……………………(ポロポロ)(フラフラ)」


八幡「………………」


川崎「ごめんなさい…………(ガクッ)」

川崎「比企谷…………(ぎゅっ)」
110 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:55:54.19 ID:0DhoCUkQO


川崎(1週間ずっと昏睡状態って聞いたけど……)

川崎(絶対に目を覚ます……よね)

川崎(このままずっと起きないなんてことはないはず)


扉「ガラガラ」


小町「……あ、沙希さん。来てたんですね」


川崎(こいつの妹の……)

川崎「う、うん」


小町「……わざわざありがとうございます(ペコッ)」


川崎「いや、別にそんな……」


小町「…………唐突なんですけど沙希さん」


川崎「な、なに」


小町「結婚とか考えてます?」
111 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:57:05.71 ID:0DhoCUkQO


川崎(けけけけけけ、結婚?)

川崎(結婚って婚姻のこと……だよね……)

川崎(結婚……なぜ結婚……)

川崎「ま、まぁ一応は……」


小町「そうですか……」


川崎「ど、どうして?」


小町「いえ、なんとなく気になったので」


川崎「そ、そう……」

川崎「(チラッ)」


八幡「………………」

──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(結婚……か……)


小町「(ジッ……)」


川崎「(クルッ)」


小町「(スッ……)」
112 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:58:39.18 ID:0DhoCUkQO


川崎「お花とか持って来た方がいいよね。あたし急いでたから何も持って来てなくて……」


小町「気にしなくて大丈夫ですよ。お兄ちゃんは交友関係がミジンコの全長より狭いので人が来てくれただけで喜びます」


川崎「そ、そう……」

川崎(言い過ぎじゃない? でもこんな冗談が言い合えるくらい仲がいいってことかな)

川崎(人にはブラコンブラコン言うくせに……)

川崎(というかこいつの話ではちょっと病んでるみたいな感じだったけど……けっこう普通に見える。取り繕ってるだけ……かも知んないけど)

川崎「……いつ頃に目が覚めるかとか……わかんないかな」


小町「それがまったく。体の怪我の方はあと2、3ヶ月はかかるそうですけど」
113 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 20:59:41.17 ID:0DhoCUkQO


川崎「そんなに……」

川崎(前線で戦ってるから常に命の危険があるんだ……命があっただけマシなのかもしれない)


小町「じゃ、小町は帰ります。沙希さん、またお兄ちゃんに会いに来てくださいね!」

扉「ガラガラ」


川崎「……うん。また来るよ」


小町「ありがとうございます! それでは!」

扉「ガラガラバタン」


川崎「次来るときは……お花、持って来るから」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
114 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:01:15.73 ID:0DhoCUkQO


[病院]


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(もうすこしで2週間か……。こいつが戦地で倒れてから3週間になるのかな)

川崎(毎日通ってるけど、一向に目を覚まさない……)

川崎「ねぇ、いつになったら目を覚ますの?」


八幡「………………」


川崎「…………」

川崎「……そういえば今朝はあんたのお母さんが来てたよ」

川崎「すっごく疲れてた。……それに泣いてたよ」

川崎「あんたが早く起きないと、あんたのお母さんも小町ちゃんもつらいよ」

川崎「…………あたしも、つらいんだから……」


八幡「………………」
115 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:02:32.94 ID:0DhoCUkQO


川崎「……この先、何日も、何週間も、何か月も、何年もこのままなんて…………嫌だよ………………」

川崎「……またいっしょに……デートしたいよ………………」

川崎「もっとたくさんお話ししたいよ…………(ポロポロ)」

川崎「ねぇ…………」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
116 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:03:40.23 ID:0DhoCUkQO


[川崎家]


川崎「……ただいま」


大志「姉ちゃん!」


川崎「……ん?」


大志「ニュース見た!?」


川崎「いや……」


大志「なんか、インドで1等級のメンシュハイトが出たらしいんだよ!」


川崎「いっ、1等級?」

川崎(最近オーストラリアで、初の2等級が出たって話だったのに……)


川崎(人が勝てる相手なの……?)
117 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:04:43.06 ID:0DhoCUkQO


[奉仕部部室]


雪ノ下「どうぞ」

紅茶「コトっ」


由比ヶ浜「ありがとゆきのん」


雪ノ下「先生もどうぞ」

紅茶「コトっ」


平塚「悪い」


雪ノ下「(スゥ……)それで、どうして比企谷くんを一般の病院へ? 軍の方で様子を見た方が良かったのではないですか?」


平塚「あいつの家族の状態を考えるとなぁ。あの家族から比企谷まで取り上げてしまったら、もう元どおりにはならないだろうからなぁ」


由比ヶ浜「……ヒッキーのお家でなにか……?」


平塚「………………。父親が行方不。母親は日常生活に支障が出るほど精神を病み、妹も若干病んでしまっている」

平塚「比企谷がいてどうにか形をとどめている」

平塚「寝たきりになってしまって、すこし不安定になっているかもしれないがな……」
118 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:05:48.67 ID:0DhoCUkQO


由比ヶ浜「そうだったんですか……」


雪ノ下「病室であった時にはそのような素振りはありませんでしたが……」


平塚「比企谷がお前たちに自分の傷を晒したことがあったか?」


雪ノ下「…………」


由比ヶ浜「…………」


平塚「そういう兄弟なんだよ、彼らは」

平塚「それよりも……あいつが欠けてしまって私らの部隊は休暇か……」


由比ヶ浜「いつも使ってる小会議室すら使わせてもらえませんしね……」


雪ノ下「他の機能しない部隊も、無理やり休暇を取らされたようだし……一体なんなのかしら」


由比ヶ浜「他の部隊と統合とかはないんですか? さすがに人手が足りてないのに隊員を休ませるって効率が悪い気がするんですけど……」
119 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:06:50.69 ID:0DhoCUkQO


平塚「まぁ……上が、防衛軍のブラック化を防ぐために尽力してるんじゃないか?」

平塚「適当に違う環境に放り込んだり、精神をすり減らしているやつの精神をさらに削ったりして、簡単に人を使い潰せないのさ」

平塚「なかなか替えのない仕事だからなぁ」


由比ヶ浜「日本企業の闇が垣間見えちゃった……」


雪ノ下「しかしこれからどうしましょうか……」


由比ヶ浜「なんも仕事させてくれないしねー(ぐだー)」


平塚「そうだな……」

平塚「他の休暇中の部隊は……慰安旅行、鍛錬、復興の手伝いなんかをしているな」


由比ヶ浜「ヒッキーがいないのに慰安旅行はちょっとね」


雪ノ下「鍛錬といっても私たちは戦闘員ではないから適切ではないわね」


平塚「なら、……復興の手伝いだな」

平塚「念のために装備やらは持って行こう」
120 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:08:10.02 ID:0DhoCUkQO


[テレビ]


ニュースキャスター「インドで出現した推定1等級のメンシュハイトですが、依然として東北東に進み続けています」

ニュースキャスター「このメンシュハイト、ときおり姿を完全に観測できなくなるそうですが、どういったことが起きているのでしょうか」


防衛軍幹部「彼らは異次元からやって来ていると言われています。ですので、元の世界とこちらの世界を彷徨っているのだと考えられます」

防衛軍幹部「他には瞬間移動だとかゼイレ化しているだとか、様々な予想がされています」

防衛軍幹部「しかしながら、決定的な証拠がなく憶測の域を出られません」


ニュースキャスター「そうなんですか……」

ニュースキャスター「それと、このメンシュハイトの進路についてですけれども、もしかすると日本へ到達するのでは、と言われています」

ニュースキャスター「メンシュハイトが海をまたいでやってくることはありえるのでしょうか」
121 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:09:23.64 ID:0DhoCUkQO


防衛軍幹部「少なくともこれまでの記録で海を越えたということはないです」

防衛軍幹部「ですが、今回出現した推定1等級のメンシュハイトに、私たちの常識がどれだけ通用するのかはわからないです」

防衛軍幹部「メンシュハイトが我が国へ来ることはないなどと無責任に断言することはできません」

防衛軍幹部「国民の皆様は、『もしも』を想定し、近くの避難所や避難経路の確認、そして備蓄もしっかりとしましょう」


ニュースキャスター「はい。といことで、続いてはメンシュハイト襲来の際の対応と、非常食の──」
122 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:10:10.95 ID:0DhoCUkQO


[テレビ・中国からの中継]


リポーター「な、なんということでしょう!」

リポーター「インドに出現後、ネパールを横断し中国に突入したメンシュハイトですが、中露合同の部隊が壊滅状態に陥りました!」

リポーター「危険区域ギリギリの場所でカメラを回していますが! すぐ近くまでメンシュハイトが来ているのか、轟音と揺れが大きくなっています!」

リポーター「ッ!? あっ、あれは! メン──(ブチッ)」
123 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:11:01.28 ID:0DhoCUkQO


[テレビ・中国からの中継]


ニュースキャスター「えー、推定1等級のメンシュハイトは中国国土を東へ横断し、日本海へと近づいている状況です」

ニュースキャスター「中国からの応援要請により、各国の防衛軍が中国へ向け──」
124 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:11:35.14 ID:0DhoCUkQO


[マンション]


平塚『……緊急の召集がかかった。ただちに支部へ来るように』


雪ノ下「…………はい」
125 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:12:38.52 ID:0DhoCUkQO


[病院]


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


由比ヶ浜「……はい。わかりました。すぐに行きます」


川崎「…………結衣、あんた………………」


由比ヶ浜「………………」

由比ヶ浜「…………このトランクケース、ヒッキーの装備が入ってるの(チラッ)」

由比ヶ浜「………………いちおう置いてく。もし……、もしヒッキーの身が危なくなったら……」


川崎「…………あたしが守る」


由比ヶ浜「…………うん」

由比ヶ浜「……それの中に入ってる銃は無理だと思うけど、剣なら使えると思う」

由比ヶ浜「でも、危なくなったらまず逃げて」

由比ヶ浜「……ヒッキーを…………お願い(バッ)」
126 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:13:44.02 ID:0DhoCUkQO


川崎(あ、頭下げなくても……)

川崎「…………うん」

川崎「…………………………命に代えてもあたしが守る」


由比ヶ浜「………………それじゃっ(ダッダッダッダッ)」


川崎(……結衣、泣いてた……)

川崎(もしかして…………(チラッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎(……そっか………………)

川崎「…………絶対に守るよ」

川崎「あんたがあたしを守り抜いたみたいに……」

川崎「…………今度はあたしの番……だね(ぎゅっ)」


八幡「………………」


川崎「……好きだよ………………八幡……………………」


八幡「………………」
127 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:14:26.73 ID:0DhoCUkQO


[  ]






















八幡(……………………………………)













八幡「………………………………声……………………………………?」















128 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:15:49.15 ID:0DhoCUkQO


[防衛軍基地本部]

 ──ガヤガヤガヤガヤ

観測員「メ、メンシュハイトの反応消えました!」


司令官「またか!?」

司令官「……アメリカの軍は捉えていないのか」


観測員B「……どの国の観測機も捉えられていないようです」


海老名「……ヤバいですよーこれかなりヤバいです!」


司令官「どうした!」


海老名「対象のゼイレと思わしき波長がですね…………」


司令官「まさか…………」


 ──ガヤガヤガヤピタッ……


海老名「……韓国にて……観測されました………………」

海老名「…………数秒後に実体化すると思われます」


司令官「………………いよいよまずい状況になってきたなぁ……(グッ……)」
129 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:16:46.93 ID:0DhoCUkQO


[病院]


  ──ビーーーーッビーーーーッ


川崎「な、なに?」

川崎(外から聞こえるけど何かの警報?)

窓「ガラガラッ」


 ──ビーーーーッビーーーーッ


アナウンス『推定1等級のメンシュハイトが日本に出現しました』

アナウンス『場所は、中国地方、鳥取』

アナウンス『繰り返しお伝えします──』


川崎「あ、ああ……嘘…………」


八幡「………………」
130 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:17:34.23 ID:0DhoCUkQO


[比企谷家・リビング]


小町「…………(ジーッ)」


アナウンサー『ええ、メンシュハイトは上陸後北上を続け、現在は岐阜県に突入したところです(焦)』

アナウンサー『凄まじい速度で移動を続けています(焦)』

アナウンサー『このまま都心部へ進行する恐れがあり、国は──』


小町「…………(ジーッ)」
131 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:18:42.14 ID:0DhoCUkQO


[ゲームセンター]


 ──ガンガンガンガン♪


戸部「っべー! 隼人くん今の警報聞いたっしょ!? アイツ静岡まで来てんだって! これマジで千葉来ちゃうんじゃね!?」


大和「そんな縁起でもないこと言うなよ……」


葉山(姫菜からメール……?)

葉山(ポチポチ……ポチ……)

葉山(「今すぐ避難して!」…………か)


大岡「これって避難とかした方がいいんじゃね?」


戸部「それな!」


大和「さすがに千葉には来ないと思うんだけどなぁ……」


大岡「念のためだって!」


戸部「………………海老名さん今どこいんだろ……(ボソッ)」


葉山「…………」
132 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:19:40.42 ID:0DhoCUkQO


[防衛軍基地支部]


平塚「まっずいなぁ…………」


雪ノ下「どうされたんですか?」


平塚「静岡の東端でメンシュハイトの反応が消えたそうだ」


由比ヶ浜「ま、まさか………………」


平塚「…………千葉にやって来る可能性がおおいにある」


由比ヶ浜「そ、そんな……」


雪ノ下「わ、私たちはどうしたら……」


平塚「ゼイレの供給要員……くらいだな。比企谷がいないのではそのくらいしかできないだろう……」


由比ヶ浜「ヒッキー…………」


雪ノ下「……比企谷くん……」
133 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/26(火) 21:22:25.00 ID:0DhoCUkQO


[病院]


 ──ビーーーーッビーーーーッ

アナウンス『推定1等級のメンシュハイトが千葉県に出現しました』

アナウンス『県民の皆様は、落ち着いて、速やかに──』


川崎「そっそんな………………」

川崎「(チラッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……
134 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/26(火) 21:25:52.00 ID:0DhoCUkQO
書き溜めてた分は全部投稿したから次から更新の量は少なくなると思う
また明日の夜に…… ほな、また……
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/26(火) 21:50:22.62 ID:TEgh4lXLO
おつ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 23:54:34.38 ID:zVZPvqC+O
なぜオリジナルでやらないの?
137 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:14:34.06 ID:qdIwBeIGO
>>135
ありがとう!
138 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 06:18:10.83 ID:qdIwBeIGO
>>136
HACHIMANを書きたかったのと、八幡川崎も書きたかったから一緒に書いたンゴ……
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:01:23.16 ID:ZWoVKnFDO
ええんやで
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 15:43:07.32 ID:52e8JPUB0
おもろいやん
141 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:02:48.57 ID:R7ZbQ7ePO


[  ]


 醜い。目に映る景色はどこを見ても異様で吐き気を誘う。

 空は血を啜(すす)ったような深紅。建造物は内蔵で形作られたかのようで脈動(みゃくどう)している。


 私は……何を…………。

 脳の奥に霧がかかり、記憶を探ろうとすれば頭痛がした。

 ああ、気持ちが悪い。

 呼吸すらままならないほど空気が汚い。

 私を取り囲む何もかもが、汚い。

 ──こんな醜悪(しゅうあく)なものは壊してしまえ。


 私が腕を振るうと、周囲に立ち並ぶさながら臓器のようや建造物が弾け、飛び散った。

 世界からすこし、汚物が減った。


 私は世界を浄化させたのだ。

 もっと、もっとこの世界から醜さを奪い、美しさを取り戻さなければならない。


 私は必死に腕を振るう。


 刻一刻と、穢(けが)れた空気は私の肺を蝕(むしば)む。

 滾(たぎ)る魂の熱が冷めぬうちに、わずかでも目に映る不浄なすべてを取り除きたい。

 その一心で私は進む。
142 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:03:57.96 ID:R7ZbQ7ePO


 つまめるほどの小さな輝く玉が、流星群のように私の体を捉(とら)えた。


 この輝き……懐かしい。

 そして、美しい。


 暗く醜い世界でただこれだけが煌めいて、清々しい。


 そしてまた光の群れは、数え切れぬほどに私へと吸い込まれる。


 光の出所を見遣れば、人の形をとった異形の生き物が立っていた。

“それ”の構える何かから光は発生しているらしい。


 なぜだろうか。もう体が動かない。

 ただ、孤独な私の中には暖かな懐かしさがあった。


 倒れる。気持ちの悪い地面へ体が打ち付けられる。

 ──いや、気持ち悪くなどない。これは……。


 ……これは、アスファルト、だ。


 弱り、自己が薄れゆく中、異形な生き物を見上げる。


 銃を手にした若い少女が立っていた。

 もちろん、人の子だ。


 朧(おぼろ)げな視界で空を見た。


 白い瞬(またた)きが散らされた濃紺の空には、大きく輝く銀の月が浮かんでいた。

 その空に違和を覚える。


 私はもう眠ろう。


 閉じた瞼はもう開くことがなかった。
143 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:12:10.63 ID:R7ZbQ7ePO
↑俺ガイルに関係ない人物だから書き方変えたけど気にしないでええで
144 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:17:26.43 ID:R7ZbQ7ePO


[病院]


 ──ドゴォォォン!


川崎「!?」

川崎(もしかして近くに来てるの!?)

川崎(ど、どうしよう……)


 ──ドタドタドタ!


女性「キャァァァァアアア!!」


女性「皆さん押さないように!」


男性「さっさと行け!(怒)」


子供「お゛母゛さ゛ぁ゛ぁぁぁん(号泣)」


川崎(え、もしかして避難してる?)

川崎(でも下手に動いたらどうなるか……)

川崎(それにピンポイントでこの病院の近くを通るとは思えないしじっとしておくべきじゃないかな……)
145 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:20:52.58 ID:R7ZbQ7ePO


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


──ドゴンッ!!


川崎(揺れ!? かなり大きい!)

川崎(もしかしてこの病院にめちゃくちゃ接近してる……?)

川崎「…………ッ」


 ──ゴン! ドン!

川崎(揺れが大きくて立ってられない…………。仕方ない)

川崎「(スタタッ)」


八幡「………………」

 ──ピッ……ピッ……ピッ……


川崎「ごめんっ!(ブチブチッ)」

川崎(点滴とか勝手に取るのはまずいのかもしれないけど、これがあると逃げられない!)

川崎「……ッ、よっこいしょ…………重…………」


八幡「………………」
146 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 18:29:44.22 ID:R7ZbQ7ePO
川崎(ていうか筋肉すご…………(照)。防衛軍だから鍛えてるのか…………)

川崎(そんなことより! トランクケース!(ガッ)」

川崎(これも重い…………)

川崎(でも持って行かなきゃ…………(ズッズッズッ))

扉「ガラガラ」

川崎「(ズッズッズッ)」


男性「(ドカッ!)」


川崎「痛っ」

八幡「(ドサッ)」

トランクケース「ゴトンッ」


男性「邪魔だクソ女!」


川崎「……(憤怒)」


男性「ひっ(ダダダッ)」


川崎「ごめん…………」


八幡「………………」


川崎「よいしょ……」

川崎(背負い直すのも体力使うなぁ……。そうだトランクケースも……(ガッ))

川崎「…………(ズッズッズッ)」
147 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:39:22.83 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関]


川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(どうにか外に出れた……)

川崎(いろんなとこで煙が上がってる……)

川崎(どこに逃げ──」


 ──ドガンッッ!!!


川崎「(グラッ!)」

川崎(やばっ、倒れそう!)

川崎「(バッ!)」

川崎(う、嘘……病院が崩壊して瓦礫が……(チラッ))


八幡「………………」


川崎「ごめんっ!(ひょい!)」


八幡「(ドサッ!)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」
148 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 18:53:37.89 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地支部]


由比ヶ浜「あ…………そんな………………」


雪ノ下「……………………ッ」


平塚「なぜよりにもよってあの病院を……ッ」

平塚「くそっ!」


由比ヶ浜「どうしよう…………ヒッキーも……沙希も……………………あぁ………………(ガクッ)」

由比ヶ浜「あの場に残さずに…………無理にでも基地に連れて来るべきだったんだ…………」


雪ノ下「……………………」

雪ノ下「…………そんな簡単に諦めてはいけないわ」

雪ノ下「2等級メンシュハイトに誰よりも接近したのにも関わらず死ななかった男なのよ…………」

雪ノ下「こんな簡単に死ぬはずない……」


平塚「…………」


雪ノ下「私は比企谷くんと川崎さんを信じるわ」

雪ノ下「私たちは今やるべきことをやりましょう」


由比ヶ浜「………………」

由比ヶ浜「…………………………うん」


平塚「…………私が行こう」


由比ヶ浜「えっ」


平塚「私ではゼイレの貯蔵は底が知れる。それに、現在指揮を執っているのは本部の奴らだ」

平塚「若者に混ざり微々たるゼイレを供給する人間がひとりいなくなったところで、戦況は変わらない」


雪ノ下「な、なら私たちもっ」


平塚「お前たちは残れ」

平塚「ではな…………(カッカッカッカッ)」
149 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:10:54.55 ID:R7ZbQ7ePO


[ゼームセンター前]


大和「おっ、おい、すぐ近くに来てるみたいだぞ!(ダッダッダッダッ)


大岡「ほ、ほら! やっぱさっさと避難しとくべきだったんだ!(ダッダッダッダッ)


葉山「そんなことより走れ!(焦)(ダッダッダッダッ)」


戸部「んなわかってるべー!(ダッダッダッダッ)」


瓦礫「ドガァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! …………」


大岡「なんだっ!?」


葉山「病院が……」


戸部「そんな……粉々に…………」


大和「……病院ってことは…………病人が………………」


大岡「そんなの気にすんな! 自分の命優先だ!」


大和「…………ッ」


戸部「…………ッ」


葉山「…………ああ、そうだ。まずは自分の命を最優先で守らなくちゃいけない(……グッ)」

葉山「だから今は走れ。人を助けるのは自分が助かった後だ……」


戸部「ああ」


大和「おう」


大岡「お、おう! それが正しい!」
150 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 19:56:16.02 ID:R7ZbQ7ePO


[防衛軍基地本部]


観測員「対象、現在千葉で暴れまわってます!」


司令官「くっ……どうにかここで東京への進行を食い止めなければ…………」

司令官「もし東京にこの規模の被害があれば…………日本は機能しなくなるぞ…………」


 ──シーン……


海老名「あっ優美子?(ボソッ)」


三浦『なに?』


海老名「今何中?(ボソッ)」


三浦『……ゼイレの回復待ちだけど』


海老名「今千葉にメンシュハイトが来てるんだけど、メンシュハイトのそばに……」


三浦『……………………もしかして隼人?』


海老名「……うん。戸部くんたちと走ってる」


三浦『ちょっとその映像こっちに寄越して』


海老名「りょーかい」
151 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:01:01.93 ID:R7ZbQ7ePO
[住宅街]


戸塚「えほっえほっ……」

戸塚(復興のお手伝いに来たのに……なにこれ………………)

戸塚(メンシュハイトが近くを通ったせいで通り道にあった大きな病院が………………)

戸塚(病院には怪我した人たちがたくさん………………助けに行かなきゃ……!)
152 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:12:50.62 ID:R7ZbQ7ePO


[病院玄関・瓦礫下]


川崎「んっ…………」

川崎「いったぁ…………」

川崎(全身がズキズキする……)

川崎(比企谷は……!)


八幡「………………」


川崎「……よかったぁ…………」

川崎(背負ったままだと庇えないからとっさに地面に投げちゃったけど……なんとか生きてるみたい……)

川崎(あれ、瓦礫に埋もれてるはずなのにそんなに重くない……それに光も…………)

 ──ガバッ!

川崎「うっ……まぶしっ……」


戸塚「川崎さん!?」


川崎「あ、とっ戸塚?」


戸塚「うわぁ傷だらけ……。今出してあげるからもう少し頑張って! よいしょっ!(ドカッ)」
153 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:14:26.99 ID:R7ZbQ7ePO


川崎「う、うん……」

川崎(そういえば体が動かない…………瓦礫に挟まって動けるスペースがないんだ……)

川崎(戸塚が来てくれてなかったらどうなってたか……)


戸塚「よ……っ(ドカッ)。……出られる?」

右手「スッ」


川崎「……ん(コクッ)(ガシッ)」

川崎(んしょ……っ。出られた!)

川崎「ね、ねぇ、下に比企谷が!」


戸塚「えっ(バッ)」

戸塚「はっ、八幡!」


八幡「………………」


川崎(八幡…………)
154 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 20:28:39.43 ID:R7ZbQ7ePO


戸塚「川崎さん、僕じゃ力不足だから一緒に引っ張り出して欲しい」


川崎「わかった!」


川崎・戸塚「「よいしょ……っ、よいしょ……っ、よい……しょっ!」」


八幡「(ズズズ……)」


川崎「け、怪我はない……よね。良かったぁ……(ぐだっ)」


戸塚「でも川崎さん……川崎さんの体……」


川崎「…………いいよ。あたしは」

川崎(破片で身体中切っちゃったけどこのくらい……)

川崎(アドレナリンだっけ。それのおかげであんま痛くないし)

川崎「あれ(グラッ)」


戸塚「あっ、危ない!(ガッ)」


川崎「……あ、ありがと…………」


戸塚「無理しちゃダメだよ……。メンシュハイトはまだ近くにいるけどもう戻ってくるとは思えないからここで八幡と休んでて」


川崎「うん……」


戸塚「それじゃ(タッタッタッ)」


川崎(他の人を助けに行っちゃった……)

川崎(それにしても……よく潰されて死ななかったなぁ……(チラッ)」

川崎(ああ、病院、完全に崩壊したんじゃなくて上の方が崩れちゃっただけか……)

川崎(不幸中の幸い、か)
155 : ◆hr9g98PXaA :2017/09/27(水) 21:07:48.94 ID:R7ZbQ7ePO


平塚「川崎!」


川崎「平塚先生!? どうしてここに?」


平塚「お前……その傷…………」


川崎「あたしは大丈夫です」


平塚「そうか……比企谷は?」


川崎「大きな怪我はしていないですね……」


平塚「はぁ……心配かけさせて……」

 ──ピピピピピ

平塚「失礼」


川崎「いえ」


平塚「はい。こちら平塚。…………な……っ! では近隣の…………いや、しかし……………………………………」

平塚「………………了解しました」


川崎「…………どうかしました?」


平塚「………………奴の進路上に大規模避難所がある…………」

平塚「……避難所は最高でも2等級までを想定して作られた建造物だ」

平塚「…………」


川崎「じ、自衛軍の人は!?」


平塚「…………あのメンシュハイトを追って、衝突のたびに壊滅させられている…………」

平塚「あのメンシュハイトが大規模避難所へたどり着く前に駆けつけられる隊員は……私と……」

平塚「…………比企谷しかいない」
156 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/27(水) 21:50:16.86 ID:R7ZbQ7ePO
続きは明日の夜に…… ほな、また……
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 22:56:07.11 ID:cHdOsK0So
おつ
158 : ◆hr9g98PXaA [>>157]:2017/09/28(木) 06:28:49.55 ID:7fdG0fQgO
サンクス!
159 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 06:30:11.18 ID:7fdG0fQgO
>>155
自衛軍ちゃうくて防衛軍ンゴ……
160 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/28(木) 18:50:25.54 ID:zshRe47yO

川崎「で、でも……比企谷は…………」

川崎「先生じゃどうにかできないんですか!」


平塚「……ゼイレが衰え始めた私では到底戦力になり得ない」

平塚「…………だが、行かない理由にはならないな」

平塚「できないからやらないなど、そんな無様な姿は晒さない」


川崎「それなら行っちゃダメです……! そんな命を無駄にするような……」


平塚「……無駄ではないさ」

平塚「仮に私が死んだとしても、それは意義あるものだ」

平塚「ちょうど装備もあるようだし……(チラッ)」

平塚「借りるぞ、比企谷(ガチャガチャ)」


川崎「あ…………」


平塚「こいつは……なかなか食うな。数分持つか……?(シュッ)」

平塚「ではな」


川崎「待ってください!(ガバッ)」


平塚「…………待てないさ。私はあいつを止めなければならない(バッ)」


川崎「ッ」


平塚「……(ダッダッダッダッ……)」


川崎「嫌だ……どうして…………」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 23:40:56.09 ID:ugiH8Cga0
次は川崎と付き合ってからの日常だけを書いてくれ
162 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:18:18.91 ID:3g8v4/+hO


[防衛軍基地本部]


観測員「だ、誰だ!」


司令官「……。なぜ大人が単身で向かっているんだ……あれでは………………」


海老名「…………先生……なんで…………」


司令官「たしか付近にあとひとり学生がいただろう!」


海老名「彼は2等級のメンシュハイトとの交戦で昏睡状態にあります……戦えるような体じゃ…………」


観測員B「くっ、援軍はまだか……これでは間に合わない…………ッ」
163 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 00:19:57.71 ID:3g8v4/+hO
すまんちょっと忙しくて書けなかった
あしたまた続き書くで
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:02:27.20 ID:55XMUQ40o
気を悪くしないでほしいんだが、本当に前半の日常パートは誰も文句言ってないんだよ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 01:37:59.87 ID:GpeQJtWBo
二次創作に文句て
信じられないくらいバカか
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 06:17:46.70 ID:8B8PqgLpO
>>161
どうしてもサキサキの人には見劣りするんで・・
167 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:30:13.43 ID:3g8v4/+hO
言い訳なんだがSS初投稿だからすこし大目に見てや……
168 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 07:35:56.40 ID:3g8v4/+hO
>>166
参考までにその作品教えてクレメンス
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:36:03.58 ID:GpeQJtWBo
あの人後半くどくなるから読まなくなったな
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:41:10.97 ID:cn/1meClo
八幡「初詣?」小町「うん!」
八幡「三つの謎?」
あと「しっぽ?」「見た?」ってやつはまだ続いてるんじゃないかな
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 08:49:38.37 ID:GpeQJtWBo
八幡「なんだ、かわ……川越?」沙希「川崎なんだけど、ぶつよ?」

八幡「クリスマスイベントが中止?」

この2つでアドリア海のエースになった人
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:04.67 ID:qD5XK5q2O
むしろ評価されてんのは居候の方じゃね?

でもこの人はクロスものとか非日常はやらないからここの>>1とは方向性違うでしょ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:15:31.48 ID:seMaO/cro
おもしろい(小並感)
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 10:31:03.44 ID:cn/1meClo
結局好みが別れるから好きなのだけ読んどけっつーことだね
175 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:46:25.85 ID:kIOtHkUIO


[病院玄関]


川崎「ぁぁ………………」

川崎(どうしたら……………………)

川崎(………………)

川崎(………………ああ、そうだ。あまりのことで忘れてた)

川崎(あたしはこいつのことを守らなきゃいけない)

川崎(大人数の命をどうこうしようなんてあたし程度が考えたところでどうにもできないんだ)

川崎(……とにかく安全な場所へ…………)

川崎「……っ、よいしょ…………」

川崎(……………………遠くへ…………)
176 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 22:58:29.98 ID:kIOtHkUIO


[千葉大規模避難所]


 ──ゴォォォオオオン!


民衆「うわあっ」

民衆「きゃー」


大志(やっぱ姉ちゃん携帯とらねぇ…………(チラッ))

大志(姉ちゃん以外は家族みんな避難できたのに……)

大志(どこかに避難できてたらいいけど……)
177 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:07:05.71 ID:kIOtHkUIO


[商店街]


川崎「(ズキンッ)痛…………っ」

川崎「はぁ……はぁ……」

川崎(身体中が痛い……。さっきまでは気にならなかったけど、結構きつい……)

川崎(人気(ひとけ)がないし、2割くらいの建物が崩壊してる。心細くて気力もどんどん削がれる……)

川崎(足も頭も痛い。全身がズキズキして一歩踏み出すのが辛い)

川崎「はぁ……はぁ……はぁ……」

川崎(それでも歩かないと…………こいつは、あたしが守るんだ…………)
178 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:26:33.41 ID:kIOtHkUIO


八幡「…………か…………わ……さき………………」


川崎「!?」


八幡「…………下ろして……くれ……」


川崎「だっダメ! 今はとにかく逃げなきゃ……」


八幡「…………とりあえず、俺を置いて……携帯を見ろ…………」


川崎「…………なんで?」


八幡「……ずっと鳴ってたぞ。家族からじゃねぇのか」


川崎「っ!!」

川崎「…………一旦下ろすね」


八幡「ああ……(ドサ)」


携帯「ポチポチ……」

川崎「っ…………」

川崎(本当だ……何回も家族から電話が…………)

川崎(大志の留守電がある……聞いてみよう(ポチ)」


大志『もしもし姉ちゃん? 俺ら商店街の奥にある大規模避難所に来てる。もしこの留守電聞いたら折り返──』


川崎「嘘………………」


八幡「(ジッ……)」


川崎「嘘…………嘘……………………」

川崎「(クルッ)」

川崎(大志たちが…………あそこに…………?)
179 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/29(金) 23:50:52.98 ID:kIOtHkUIO


八幡「どうしたんだ川崎」


川崎「………………」

川崎「大志たちが…………あそこの大規模避難所にいる…………」


八幡「………………」


川崎「大志も京華も……家族が……みんな…………」

川崎「そこに……1等級のメンシュハイトが…………向かってる……。でも、あの施設は………………最高でも2等級までを想定してるって…………だから……………………」

川崎「だから…………………………」

川崎「あああぁぁぁぁああああ……………………(ペタン)」

川崎(もう……何も考えられない…………)

川崎(大志が…………みんなが…………死んじゃう……………………)

川崎(終わりだ…………なにもかも………………終わりだ…………………………)

川崎(なんで…………どうしてあたしはこんなにも無力なの………………)

川崎「なんでっ……………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「うっ………………うぅ………………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「みんなぁ…………あぁ……ひぐっ…………(ポロポロ)」


八幡「………………」


川崎「ごめん……えほっ……うぅ……………………ごめんなさい…………(ポロポロ)」

八幡「…………ッ」

八幡「………………(グググッ)」


川崎「んふっ、えほっえほっ…………うっ、あぁ…………(ポロポロ)」


八幡「……(スタ……スタ……)」


川崎「……ひぐっ…………うぅ…………うっ(ポロポロ)」


八幡「(ピタッ)」

八幡「川崎(ポンポン)」


川崎「うぐ…………んっ……?(ポロポロ)」


八幡「心配しなくていい……」

八幡「しばらくここにいてくれ」

八幡「……俺があいつを…………ぶっ倒す」
180 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 00:41:16.87 ID:EkiK4F1EO


[病院前]


戸塚「あれっ、八幡!? 動いて大丈夫なの?」


八幡(瓦礫の下敷きになったぽい人が広い場所に座らされてる……。この全員を戸塚が……?)

八幡「ああ。なぁこのあたりでトランクケース見なかったか?」


戸塚「あれじゃないかな。落ちてた荷物はあそこに集めてあるから、あっちに置いてなかったらわからないな」


八幡「助かるぜ戸塚」


戸塚「いいよいいよ。それよりどうしてトランクケース?」


八幡「ちょっとな」

八幡(あった……!)

八幡(平塚隊長がなんかガチャガチャやってたが俺の刀だけ持ってったのか……)

八幡(先生のゼイレを考えると、武器と同時に装備の機能まで使えないからな……)

八幡(とりあえずこれを装着してっ(ズババッ)」


戸塚「えっ……」


八幡「よし!」

八幡(システム起動)

八幡(…………よし、ゼイレはある程度吸っただろうから補助を作動させて……)

八幡「待ってろ……!(ダダダダダダダダッ!)」


戸塚「えっ? えっ!? 八幡!?」
181 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:03:57.93 ID:EkiK4F1EO


[千葉大規模避難所付近]


平塚「くっ…………」


メンシュハイト「…………」


八幡「隊長!(ダダダッ)」

八幡(一帯が瓦礫の海だ……。


平塚「比企谷!?」


八幡(あれが例のメンシュハイト……)

八幡(……ただの子供にしか見えねぇ)

八幡(……とりあえずは隊長を回収だっ(バッ))


平塚「うおっ、な、なにを!」


八幡「安全な場所へ(ダダダッ))


平塚「お前っ、まさかアレと戦うつもりか!」


八幡「…………(ダダダッ)」


平塚「…………ふっ、そうか。…………私はもう限界が近くてな。替わりが欲しかったところだ」
182 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/09/30(土) 12:05:27.75 ID:EkiK4F1EO


八幡「間に合ってよかったです…………」


平塚「ああ本当にだ。あと数分もすれば判断力が完全に鈍ってやられていたな」


八幡「戦闘員を引退したのに無理するからですよ」


平塚「……その通りだ」


八幡「(スタッ)。隊長はここにいてください。武器は持って行きます」


平塚「……ああ」

平塚「…………ひとつ、いいか。奴の行動パターンだが」

平塚「『読みやすい動き』の一言だ。けれども、勝てない。次にどうくるかわかっていても、力の差がありすぎて対応しきれない」

平塚「こちらで相手の動きをコントロールしようとも、避けるのに精一杯でどうにもできなかった……」


八幡「……わかりました。それじゃ、休んでいてください」


平塚「ああ……任せたよ」


八幡「はい(ダッ)」
183 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/02(月) 00:09:30.60 ID:6qRxb5VaO
しばらく忙しくて続き書けなさそう……
すまん
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 00:22:11.88 ID:mGEYnzjC0
ええんやで待っとるで
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 01:06:37.84 ID:S7MdMo4QO
楽しみにしてる!
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/02(月) 05:47:03.69 ID:3SC5j+QlO
なあに気にするな
SS書き手にとって「突然忙しくなって更新が遅くなる」のと「突然書きためてたデータが消える」のと「突然事故や病気になる」のはよくあることだ
187 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/03(火) 08:43:09.48 ID:yRRBELQMO
助かる
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/04(水) 13:51:54.07 ID:b1HBVHXGO
謎のオリジナルよりもンゴとかキモすぎる
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/04(水) 23:10:06.70 ID:90dgmCLv0
追いついた
見てるで
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 11:44:31.94 ID:aTLoTJdco
しずちゃんも歳には勝てんかったか
191 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/06(金) 00:45:52.00 ID:5BeJpYq/O
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 09:12:14.75 ID:wY/foiIOo
えぇ〜サキサキにこう言われたらもう待つしかないじゃん・・・
193 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:11:35.23 ID:DfI2lJQEO


 ──


「昇進、本当におめでとう。だが、適度に体を休めるように。無理して好転することは何もないからな」


「…………休みたい気分じゃないんで」


「……………………」

「…………メンシュハイトとはどこから来るのか、ゼイレとは何か、考えたことはあるだろう?」


「まあ、そうですね。…………質問の焦点は……判明していない部分、であってますか?」


「そうだ。正確には……」


「判明してるんですよね」


「…………ああ」
194 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:15:35.47 ID:DfI2lJQEO


「もう10年も経ってます。サンプルが不足しているようなことはないはず」

「いつまでも自分の敵も武器も知らないままでいられないでしょ」


「人間は臆病だからな……。恐怖を前に目を閉じるか、怯えぬよう根を暴くか、あるいは己を欺くか……。そうして安らぎを得る」

「…………此度の人類は、真実を求めた」


「…………まぁ、みんなうすうす気づいてますよ。その真実ってのに」


「…………」


「あんな間近で死体を見て、メンシュハイトがいかなる生物なのかわからないはずがない」

「……人から生まれる強大なエネルギーのありかを察せないはずもない」


「…………おそらく、私は還暦どころか中老にすら届かないかもしれない」
195 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:21:12.36 ID:DfI2lJQEO


「……」


「……歳を重ねるごとにわかってしまうんだよ。もうすぐそこまで終わりが迫っていることが」

「そして君は……このままなら、今の私の歳と並ぶことなく尽きる」


「…………」


「……休息は必要だ」

「………………ではな」


「………………もう、人類に休んでる暇はないですよ」


「…………」


 ──
196 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/09(月) 20:23:50.50 ID:DfI2lJQEO
時間はかかるけどしっかり完結させるで
ほな、また……
197 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/09(月) 20:24:57.37 ID:DfI2lJQEO
すま上げるわ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 05:21:26.89 ID:V2O9xYFFo

気長に待っとるで……
199 : ◆hr9g98PXaA :2017/10/10(火) 22:08:18.62 ID:EF3UfJhIO


[千葉大規模避難所前]


海老名『リンクできた。ゼイレ供給開始します』

海老名『15分後に日本防衛軍が駆けつけるからそれまではなんとか持ちこたえて!』


八幡「了解」

八幡「……戦闘、開始する(ダッ)」


海老名『…………なんか私がサポート頼まれたから詳細話すね』

海老名『対象の身長は140センチ程度。小柄。歩行速度は日本人平均以下だけど、だいたい1時間おきに数キロから数百キロ転移する』


八幡「なんだよそれやべぇな……。運良く避難所に着く前に転移しねえの?」


海老名『これまでのパターンから次の転移は30分から40分後。残り時間と進行方向から……確実に避難所は通過する』


八幡「…………」
200 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:09:50.03 ID:EF3UfJhIO


海老名『攻撃方法は、接触した物質の爆破。物体と接触した部分だけが爆破してるみたい。自身に対する爆破のダメージはおそらくないかな』


八幡「普通に歩いてるように見えるけど足裏は攻撃通るのか?」


海老名『うーん………………。足裏への攻撃はまだ確認されてないから試す価値はあるかも』


八幡「了解」

八幡「平塚先せ……隊長の話だと普通に戦って勝てるとは思えないんだが。何か対抗策は立ってないのか?」


海老名『研究チームが検証中。今がってる案で一番現実的なのは……ゼイレ枯渇を狙う、とか』

海老名『正直それ以外の案は、検証のしようがなくてね…………』


八幡「じゃあそれで行くわ。ついでに今俺が検証出来そうな案を伝えてくれ」


海老名「わかった。それじゃ……」
201 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2017/10/10(火) 22:11:04.61 ID:EF3UfJhIO


[比企谷家]


リポーター『先ほどの青年が戻ってきました! 女性隊員から受け取った刀状の武器を持って駆けていきます!』


ニュースキャスター『彼ひとりで大丈夫なんでしょうか……』

ニュースキャスター『……あ、はい。はい。…………大規模避難所から、住民がでてきたとの報せがありました』

ニュースキャスター『避難所の出入り口は小さいですので全員が退避するまでかなりの時間が……』


小町「え…………」

小町「…………(ダダダッ)」

小町「……お兄…………ちゃん…………?」
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