安価で作る、異世界トーナメント

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21 : ◆G.Jo4hrQXg [saga]:2017/09/25(月) 21:04:39.39 ID:NA3jo5Ea0
第1試合・序章「ルーヴァ」

(だから私は、普通の生活は送れなかった)

(私は、見た目はどうみても女性のダークエルフ。なのに。世界樹の悪戯か、私には本来。男性にあるべき部分。つまり男性器が余分に付属している。
 それ故私は、森の中で異端扱い……。虐げられ、蔑まれる人生だった)


--1か月前—森の奥深く--


???「凄いじゃないか!」

ルーヴァ「ひゃぅっ!そ……そう?ですか……?」

???「ああ、こんなに簡単に毒を扱えるなんて。凄いことだよ!」

ルーヴァ「そういう本を……読むことしかなかったから……」

???「意味のない人生なんてない。そういう本を読んだからこそ、君という才能が存在するんだね!」

ルーヴァ「さ……才能なんて……そんな。私は……」

???「自信が、ないのかい?」

ルーヴァ「あるワケないんじゃないですか……。だって、私……」

???「それならば、自信をつければいい。うん!そうだ!
   ここに行けば、そして優勝すれば。君は自信をつけるどころか……。
【森での立場も逆転する】よ!!」

ルーヴァ「え。立場って……なんでそれを!?さっき会ったばっかりなのに……」

???「細かいことは気にするな! まあ、これを渡しておくね。それじゃ、僕はこれで」

ルーヴァ「え。ええ!ちょちょ、ちょっと! 待ってよ!」

???「………大丈夫。 また会えるよ」




--現在—

ルーヴァ(半信半疑だった。でも、ソレに縋るしかなかった。
     寿命1000年といわれるエルフの一族にとって。15歳が甘い考えと笑われるかもしれない。
     でも、あと900年もただ息をするだけのために生きるのは嫌だったッ!
     私は見返してやる。私は勝ち取ってやる。
     あの人は。初めて私を誉めてくれた。私には才能があるって……。)

ルーヴァ「だから、それを今ッ!証明するッ!」

22 : ◆G.Jo4hrQXg [saga]:2017/09/25(月) 21:15:10.51 ID:NA3jo5Ea0
第1試合 序章「フリード」


--2週間前—街はずれ—

戦士「グハァッ!」

フリード「井の中の蛙、大海を知らず。とは、お前ら人間どもの言葉だった気がしたが?」

 (正義とは……)

フリード「喧嘩をするなら、手加減はせん。俺は確かにそういった。それがどういうことかわかるな?」

戦士「ハァ……ハァ……。わ、悪かった……。俺がぶつかったんだ、いちゃもんつけたのは……。
   俺の方だよ……。すまん……」

フリード「謝罪を求めているわけではない。手加減はしない。つまり、この喧嘩は。最後までやるということだ……」

 (正義というものは……)

戦士「お。おい……。待て、待ってくれよ!やめろぉ……やめろぉおおおお」


 グチャ


フリード「喚くな。貴様も戦士だったのならば……な……」

戦士「……ヒュー……コヒュー」


 ドサリ

フリード「ふむ……。無駄な時間だったな……。
     まあ、これから死闘ができるのならば。よい前菜にはなったのやもしれぬがな」


 (正義とは……力。
  ただ強ければよい。富も名声もいらぬ。強ければ、強く居続ければ。私が正義だ)

23 : ◆G.Jo4hrQXg [saga]:2017/09/25(月) 21:33:50.43 ID:NA3jo5Ea0
第1試合 「ルーヴァ VS フリード」

司会「さて、それでは只今より。第一試合を始めたいと思います!
   対戦するのは!この二人だぁあああ!」


司会「まずはこの子! 幼女と思って侮るなかれ! 弓は百発百中の、猛毒使いのダークエルフ! ルーヴァ!」

司会「そして対するは、予選での【殺害数】ナンバーワンの獣人ッ!フリード!」

司会「第一試合から熱い戦いが見られそうです!
   さあ、ここで私が長々喋っていてもしょうがありません!早速、試合開始のゴングを鳴らしましょう!
   第一試合・レディーーーーーファィッ!!」


 カーンッ!



ルーヴァ「……不思議ですね」

フリード「?」

ルーヴァ「獣人。という種族は、所謂獣の擬人化という想像でしたが……。
     顔は狼。腕は牛、足は豹……。背中には翼……。あなたはどんな獣の獣人なんですかね?」

フリード「クク……何を言うかと思えば……。クックック。
     それならば、私も不可思議だと思うのだが?」

ルーヴァ「?」

フリード「開始のゴングが鳴ったのに、悠長に口を動かし喋るような。
     気の抜けたダークエルフなぞ、私の知りうる限り存在しないと思っていたが?」

ルーヴァ「うふふ……。それはそうですよ。私、ダークエルフの中でも異端ですから」

フリード「クックック。いや、お前はそもそも、この場に立つ者として異端だな。
     私はキメラの獣人……。足は速く力は強い。知能も高く空も飛べる……。
     これを教授してやろう……。冥途の土産になぁ!」



 ズァッ!



フリード「お前が弓を射るよりも先に近づきッ!ペラペラうるさい喉元を、きっさいてやろうッ!」

ルーヴァ「……3……2……1……」

フリード「自分の命のカウントダウンかぁ?……笑止ッ! 死ねェッ!」

ルーヴァ「……0」


ピタァッ!


フリード「……なッ……何を……した……?」

24 : ◆G.Jo4hrQXg [saga]:2017/09/25(月) 21:44:33.32 ID:NA3jo5Ea0
司会「おーっとどういうことだぁー!?
   一瞬で勝負が決まるとすら思えたが、フリード選手!あと1ミリというところで、ルーヴァ選手の喉元へ後ろ足を置いたまま。
   時が止まったように、静止したァーッ!」



ルーヴァ「ご清聴ありがとうございました。私の口の中に潜ませた、麻痺性の強い猛毒を……ね?」

フリード「チンタラ喋っていると思っておったが……。成程、気付きもしなかった……」

ルーヴァ「うふふ……。異端ですけど、私これでも。ダークエルフですので。
     こうも大きな的が目の前にあれば、私はゆっくりと弓を引けばいいだけですね……ごめんなさい」

フリード「グァッ……。ァア……ッ!」

ルーヴァ「無理やり動こうとしても無駄ですよ……。筋肉が麻痺しているのですから、靱帯が断裂するなら良い方かな」

 キリキリキリキリ

ルーヴァ「さようなら……」

フリード「……ァアアアアアッ!!!!」

 シュバッ!


 ブチブチブチブチッ!!
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