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シンゲキロンパ CHAPTER 03 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:00:25.85 ID:13pWOa8E0
過去スレ


シンゲキロンパ

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385881950/

シンゲキロンパ CHAPTER 02

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401577227/
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434846275/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509228024
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小テスト @ 2024/03/28(木) 19:48:27.38 ID:ptMrOEVy0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/zikken/1711622906/

満身創痍 @ 2024/03/28(木) 18:15:37.00 ID:YDfjckg/o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1711617334/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part8 @ 2024/03/28(木) 10:54:28.17 ID:l/9ZW4Ws0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1711590867/

旅にでんちう @ 2024/03/27(水) 09:07:07.22 ID:y4bABGEzO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1711498027/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:18.81 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459578/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:26:02.91 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459562/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:25:33.60 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459533/

にゃんにゃん @ 2024/03/26(火) 22:23:40.62 ID:AZ8P+2+I0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/gomi/1711459420/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:05:12.74 ID:13pWOa8E0




???『すごいよヒストリア』

???『もうこんなに読めるようになるなんて』

ヒストリア『だって、おねぇちゃんが教えてくれるから』

???『あ、だめだよ。鼻水垂らしてちゃ』

???『ヒストリアはもうちょっと女の子らしくしないと』



3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:15:07.57 ID:13pWOa8E0




???『はい、かんで』

ヒストリア『ふんんんんん』ズビー

???『おう』

???『はい、よくできました』



4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:20:16.94 ID:13pWOa8E0




ヒストリア『ねぇ?』

???『ん?』

ヒストリア『女の子らしくって何?』

???『そーだね』

???『女の子らしくっていうのは』

???『この子みたいな女の子のことかな』



5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:25:12.22 ID:13pWOa8E0




???『ヒストリアもこの子が好きでしょ?』

ヒストリア『うん』

???『いつも他の人を思いやっている優しい子だからね』

???『ヒストリアもこの子みたいになってね』

???『この世界は辛くて厳しいことばかりだから』

???『みんなから愛される人になって助け合いながら
    生きていかなきゃいけないんだよ」

ヒストリア『…うん』



6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:30:07.58 ID:13pWOa8E0




ヒストリア『じゃあ私、おねぇちゃんみたいになりたい』

???『え!?』

ヒストリア『私…大きくなったら
      おねぇちゃんみたいになれるかなぁ?』

???『……』



7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:40:07.71 ID:13pWOa8E0




???『いいよ!!』ガッパ

ヒストリア『わ!?』

???『いいよいいよ』

???『そのままでいいよ』

ヒストリア『うわ…』



8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:45:08.65 ID:13pWOa8E0




???『ごめんね、ヒストリア』

???『もう時間になっちゃった』




コツン




???『今日も私のことは忘れてね』

???『また会う日まで』

ヒストリア『え――』



9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:50:16.15 ID:13pWOa8E0




ピリ

ザッザッ




ヒストリア『あれ?』




ヒュウウウウウウウウ




ヒストリア『あの女の人…』

ヒストリア『だれ…?』



10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 07:55:11.50 ID:13pWOa8E0








CHAPTER 03

僕と私の兵団裁判

(非)日常編







11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 08:00:07.80 ID:13pWOa8E0
CHAPTER 03 

DAY 10




ヒストリア「…これが私の知る全て」

ヒストリア「私がここに来た理由」




アルミン(2度目の事件の翌日…)

アルミン(僕たちは全員、食堂でクリスタ…
     いや、ヒストリアの告白を聞いていた)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 08:05:21.22 ID:13pWOa8E0
アルミン(ヒストリアは僕たちに全てを明かした)

アルミン(クリスタ・レンズは偽名で、
     本名はヒストリア・レイスであること)

アルミン(ウォール・シーナ北部の小さな牧場で
     孤独な幼少期を過ごしたこと)

アルミン(5年前、ウォールマリアが没落してから数日後に
     領主の名を名乗る父親が現れたこと)

アルミン(その時に目の前で母親が殺されたこと)

アルミン(自分も殺されそうになったとき、
     偽名を名乗ることを条件に見逃されたこと)

アルミン(そして、それから2年間を開拓地で過ごし、
     12歳のときに訓練兵団に志願したこと…)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 08:10:15.23 ID:13pWOa8E0
ヒストリア「クリスタなら、こんな自分語りを始める前に
      昨日のことを謝るんだろうね」

ヒストリア「みんなを道連れにしようとしてごめんなさい…って」

ヒストリア「クリスタ・レンズはいい子だから」




クリスタ『違う違う違うッ!!』

サシャ『ク、クリスタ…』ガタガタ

クリスタ『一体何度言えばわかるの!?
     ユミルの計画に巻き込まれたのは私だよ!』

アルミン『違う! 巻き込まれたのはサシャだ!
     君が[ピーーー]はずだったのをサシャが殺してしまったんだ!』

クリスタ『違うッ!!』

アルミン『違わないッ!!』

クリスタ『…ッ!!』

アルミン『クリスタ、もうやめにしないか…!?』

アルミン『こんな事したって誰も救われない!』

アルミン『こんな事… ユミルもサシャも望んでない!!』



14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/29(日) 08:15:14.29 ID:13pWOa8E0
ヒストリア「でもヒストリア・レイスは、親からも誰からも
      愛されたことがなくて…」

ヒストリア「それどころか生まれたことを望まれなかった子で…」

ヒストリア「それもこの世界じゃ特に珍しくもない話で
      都の地下とかではよくあること…」




???『…お前さえ』

???『お前さえ産まなけ……』グッ



15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:25:10.21 ID:13pWOa8E0
ヒストリア「…正直に言うとね」

ヒストリア「私、どう謝ればいいかわからないの」

ヒストリア「ううん、もしかすると…
      自分が悪いことをしたって思ってないのかもしれない」

ミカサ「………………」

ヒストリア「どう?」

ヒストリア「みんながっかりしたでしょ?」

ヒストリア「本当の私はこんなに空っぽで」

ヒストリア「クリスタ・レンズみたいないい子はどこにもいなくて」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:35:10.33 ID:13pWOa8E0
コニー「そんなことねーよ」

ヒストリア「え…?」

コニー「だってよ…」

コニー「だって、お前は…
    サシャを助けようとしてくれたじゃねえか」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:40:06.53 ID:13pWOa8E0
ヒストリア「………………」

ヒストリア「…でも、私はみんなを道連れに」

ジャン「それでオレたちが恨んでるとでも思ってたのか?」

ジャン「…まあ確かに、ちょっとはムカついたけどよ」

ジャン「あいつが抱えたモンに比べれば…
    オレたちの怒りなんてちっぽけなもんだ」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:45:13.16 ID:13pWOa8E0




サシャ『みんなが死んで私だけが生き残るなんて…』

サシャ『そんなの絶対耐えられません』

サシャ『そんなの絶対…』

サシャ『絶対… 嫌ですから…』




ジャン「あいつは全部抱えて死んでいった」

ジャン「オレたちの怒りも、悲しみも、やるせなさも…」

ジャン「恐怖と絶望にひっくるめて全部、持って行っちまった」

ヒストリア「………………」

ジャン「お前はそんなあいつに手を差し伸べて、
    重荷を肩代わりしようとしただけじゃねえか」

ジャン「…そんなお前をどうして恨めるよ?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:50:10.87 ID:13pWOa8E0




サシャ『もういいんです、本当に』

サシャ『ここで私が犠牲になれば全て収まる…』

サシャ『だったらもう… それでいいじゃないですか』




アルミン「…もしもヒストリアがいなかったら、
     サシャは孤独のまま死んでいったと思う」

アルミン「ユミルの罠にはまって、訳もわからずに、
     何の心の拠りどころもなく…」

アルミン「だけど君が、最後までサシャの味方でいてくれたおかげで…」

アルミン「ほんの少しだけど、サシャは
     救いを得ることができたんじゃないかな」

ヒストリア「………………」

アルミン「だからさ、ヒストリア… うまく言えないんだけど」

アルミン「…ありがとう」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 08:55:12.16 ID:13pWOa8E0
ヒストリア「………………」

ヒストリア「……いいの?」

ヒストリア「本当に… こんな私を受け入れてくれるの…?」

ベルトルト「受け入れるも何も…」

ライナー「もうとっくに受け入れてるぞ」

ライナー「俺たちは仲間なんだからな…」

ヒストリア「うっ…」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:00:10.40 ID:13pWOa8E0








ヒストリア「うああああああああああああああああああ……!!」







22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:05:35.74 ID:13pWOa8E0
アルミン(ヒストリアは泣いた)

アルミン(声を枯らして泣き続けた)

アルミン(今まで溜め続けた思いを吐き出すように…)




ヒストリア「あああああああああああああああああああ……!!」




アルミン(こうして… ユミルとサシャの裁判は幕を閉じた)

アルミン(本当の意味で…)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:10:13.97 ID:13pWOa8E0








モノクマ「くっさーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」







24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:15:10.58 ID:13pWOa8E0
アルミン「…!!」

モノクマ「くっさいよオマエラ!くさすぎだよ!」

モノクマ「ちゃんとお風呂入ってる!? ちゃんと歯磨いてる!?」

コニー「モ、モノクマ…!」

モノクマ「あらやだ、あんた目ヤニ付いてるわよ!
     ほらこっち来なさい!お母さんが取ってあげるから!」カーッ ペッ

コニー「や、やめろ!きたない!」

モノクマ「おとなしくしなさい!まったくあんたって子は!
     遅刻は問答無用で減点だって、あれほど言って聞かせたでしょ!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:25:17.09 ID:13pWOa8E0
ベルトルト「遅刻って… 何のこと?」

モノクマ「何のこと…だと…」

モノクマ「訓練だよ訓練!もう忘れたのかオマエラ!」




11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。




ジャン「…ああ、そういえばあったなそんなの」

ライナー「訓練への参加は自由なんだろう?
     とやかく言われる筋合いは無いはずだが」

モノクマ「まあ、そりゃそうなんだけどさ…
     監督教官の身としては寂しいわけですよ」

モノクマ「こっちはウキウキしながら訓練メニューとか作ってんのに、
     オマエラはサボる上にくっさい話してるし」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:30:08.84 ID:13pWOa8E0
ジャン「くさい話だと…!?」

モノクマ「だって、そうじゃないのさ」




ジャン『な… なんだ…そりゃあ…』

クリスタ『…っ』

ジャン『お前正気かよ!? ふざけんじゃねえよ!』

ジャン『なんでオレたちが殺されなきゃならねえんだ!
    何の関係もないオレたちが…』




モノクマ「自分たちがブラウスさんの身代わりとして
     標的にされたと知ったとき…」

モノクマ「血相を変えて異を唱えたのは、
     どこのどなたでしたっけ?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:35:16.56 ID:13pWOa8E0
ジャン「…! あ、あれは…」

モノクマ「あれは?」

モノクマ「あれは… 何だっていうの?」

ジャン「…っ」

モノクマ「…ほらね」

モノクマ「いい加減に認めなよ。オマエラは
     己だけ助かればいいと思っている身勝手な生き物なんだ」

モノクマ「それを友情だの家族愛だの、
     ご大層なものを並べ立てて隠しているだけなんだ」

モノクマ「うぷぷ… 最初におしおきされた誰かさんが良い例だよね」




ミーナ『みんな…信じてよ!』

ミーナ『私は人類の為に!!みんなの代わりに!!』



28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:40:15.05 ID:13pWOa8E0
モノクマ「『重荷を肩代わり』?『俺たちは仲間』?」

モノクマ「かーっ、やだやだ。セリフがくさすぎて吐き気がするよ…オッ」

モノクマ「オエエエエエエエエエエエエエッ!!」ビチャビチャ

ジャン「…ッ!」

モノクマ「…ボクはね、もっと自分に正直になった方がいいと思うんだ」

モノクマ「もっと素直になって、
     怒ったり憎んだりしてもいいと思うんだ」

モノクマ「…あの2人みたいにね」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:45:16.05 ID:13pWOa8E0








ミカサ「………………」

アニ「………………」







30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:50:08.15 ID:13pWOa8E0
ジャン「…!!」

モノクマ「うぷぷ… さっきはみんなが
     レイスさんを受け入れるような流れだったけど」

モノクマ「全員が全員…って訳ではなさそうだねぇ」

ミカサ「………………」

アニ「………………」

モノクマ「ま、そりゃそうだよね。レイスさんは仮にも
     【ここにいる全員を殺そうとした】訳だから…」

モノクマ「あれが当然の反応だよねー」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 09:55:10.27 ID:13pWOa8E0
アルミン(僕はモノクマが示す2人を見た)

アルミン(ミカサは腕を組んで壁に寄りかかり、
     アニは頬杖をついたまま虚空を見つめている)




ミカサ「………………」

アニ「………………」




アルミン(2人ともさっきから言葉を発していない)

アルミン(そして、2人の眼差しには…
     どこか冷ややかなものがあった)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/29(日) 10:00:23.29 ID:13pWOa8E0
モノクマ「うぷぷぷ…」

モノクマ「そうそう、そうやって怒れよ。憎しみ合えよ」

モノクマ「言ったでしょ。オマエラはそういう生き物だって」








ミーナ『クズだよあんたらは!!』




ミーナ『認める訳ねーだろ!真っ白なんだよ私は!』




ミーナ『いい加減にしろよこのもやしが!!』








モノクマ「殺りたい放題、殺らして殺るから…」

モノクマ「殺って殺って殺って殺りまくっちゃえっつーの!!」
33 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/10/29(日) 10:05:15.10 ID:13pWOa8E0
今日はここまで
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 10:14:30.39 ID:EjShFpce0
めっちゃくちゃ懐かしいのが復活してる
とりあえず見返してくるか
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 19:57:25.10 ID:6ub7Wb5DO
うわぁこれ復活は嬉しい
嬉しいがまた>>1による焦らしプレイが始まるのか…
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 20:28:27.83 ID:GckSN+8Co
二章完結してたのか。エタったかと思って最後読んでなかった
結局サシャがクロだったのか…悲し過ぎる
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/29(日) 21:17:11.34 ID:F0q55t390
3章来たか
ずっと待ってたよ
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 14:49:04.96 ID:xbGSA4xdO
復活マジか
是非とも完結してほしい
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:10:04.02 ID:vbyJu0bY0
アルミン(僕は再びミカサとアニを見た)

アルミン(2人は何も反応しない。彫刻のように動かない)

アルミン(瞳に冷たい光をたたえたまま…)




ミカサ「………………」

アニ「………………」

ジャン「お、おい、お前ら…」

ミカサ「………………」

アニ「………………」

ヒストリア「ミカサ… アニ…」

ミカサ「………………」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:15:04.24 ID:vbyJu0bY0








ミカサ「…別に怒ってない」







41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:20:04.02 ID:vbyJu0bY0
モノクマ「………………」

モノクマ「…は?」

ミカサ「私は別に怒ってない。憎んでもいない」

ミカサ「勝手な想像で話を進めないで」

コニー「ミカサ…?」

ミカサ「私はただ呆れていただけ」

ミカサ「的外れなモノクマの物言いに…」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:25:03.28 ID:vbyJu0bY0
モノクマ「的外れ…?」

モノクマ「いやいや… だってキミは、
     裁判のときに言っていたじゃんか」




ミカサ『ここであなたのエゴイズムに殺される訳にはいかない』




モノクマ「レイスさんがやろうとしていた事を
     真っ向から否定して…」

モノクマ「メッタメタに批判してたじゃんか!」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:30:05.03 ID:vbyJu0bY0
ミカサ「確かに言った」

モノクマ「ほらみろ!」

ミカサ「でも、私はこうも言った」




ミカサ『…世界は残酷』

ミカサ『ずっと感じていた。ここは…そんな世界の縮図だと』




ミカサ「この世界は…」

ミカサ「みんなが幸せになるようにはできていない」

ミカサ「誰かを守るためには、誰かを犠牲にしなければならない」

ミカサ「【尊重できる命には限りがある】から…」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:35:08.44 ID:vbyJu0bY0
ミカサ「ヒストリアは【尊重できる命】としてサシャを選んだ」

ミカサ「ただそれだけ」

ミカサ「私はそれを憎らしい事だとは思わない」

モノクマ「ふーん… よく言うね」

モノクマ「イェーガーくんが殺されたときは
     あんな事言ってたくせに」




ミカサ『家族がいるのはあなただけじゃない…!』

ミカサ『自分の家族を救うために、
    他人の家族を犠牲にする理はない…!!』



45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:40:05.63 ID:vbyJu0bY0
ミカサ「…あれはエレンが殺されたから」

ミカサ「私の【尊重できる命】を守ることができなかったから」

ミカサ「あんなに近くにいたのに、
    守ることができなかったから…」

アルミン「ミカサ…」

ミカサ「………………」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:45:05.03 ID:vbyJu0bY0
ミカサ「…今の私にはやるべき事がある」

ミカサ「ので、まだ死ぬわけにはいかない。でも…」

ミカサ「【尊重できる命】を守ろうとしたヒストリア…
    そしてユミルの気持ちもわかる」

ヒストリア「………………」

ミカサ「だから…」

ミカサ「私は2人を恨むことができない」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:50:07.14 ID:vbyJu0bY0
モノクマ「…なんだよそれ」

モノクマ「憎んでないっていうの…?
     あんなに明確な殺意を向けられたのに?」

ミカサ「………………」

アニ「………………」

モノクマ「じゃ、じゃあ…
     レオンハートさんはどうなんだよ!」

モノクマ「キミも裁判のときに言っていたじゃんか!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 19:55:06.28 ID:vbyJu0bY0




アニ『サシャが殺人犯に仕立て上げられた。
   そんなの可哀想だから他の奴らが全員死ね』

アニ『あの女が言ってるのはそういう事だよ』




モノクマ「キミだって怒ってるんだろ!?」

モノクマ「レイスさんが勝手に自分たちを巻き込もうとしたから…」

モノクマ「殺したいほど憎んでるんだろ!?
     さっきから不貞腐れてるのはそういう事なんだろ!?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:00:15.33 ID:vbyJu0bY0
アニ「………………」

アニ「…え?私?」

モノクマ「…は?」

アニ「ごめん、聞いてなかった」

アニ「眠くて…」

モノクマ「うっ…」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:05:04.38 ID:vbyJu0bY0








モノクマ「うああああああああああああああああああ……!!」







51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:10:38.60 ID:vbyJu0bY0
ポヨヨーン




ベルトルト「…行っちゃった」

コニー「お、おい… 大丈夫か?
    モノクマのやつスネちまってたけど…」

ジャン「ほっとけ。いい気味だぜ」

ヒストリア「あ、あの…ミカサ…」

ヒストリア「私…何て言ったらいいのか…」

ミカサ「何も言う必要はない。あなたはあなたの戦いをしただけ」

ヒストリア「………………」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:15:04.24 ID:vbyJu0bY0
ライナー「ところで、ヒストリア…」

ライナー「さっきの話なんだが…」

ヒストリア「…え?」

ライナー「お前の過去の話に出てきた人物のことだ」

ライナー「幼少期、度々お前に会いに来ていたという…」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:25:04.93 ID:vbyJu0bY0




???『すごいよヒストリア』

???『もうこんなに読めるようになるなんて』

ヒストリア『だって、おねぇちゃんが教えてくれるから』

???『あ、だめだよ。鼻水垂らしてちゃ』

???『ヒストリアはもうちょっと女の子らしくしないと』




ヒストリア「お姉さんのこと?」

ライナー「ああ…」

ヒストリア「お姉さんが…どうかした?」

ライナー「俺は思うんだがな…」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/01(水) 20:40:02.84 ID:vbyJu0bY0








ライナー「そいつが俺たちの記憶を奪ったんじゃないのか?」







55 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/11/01(水) 20:45:26.90 ID:vbyJu0bY0
今日はここまで

今後は毎週日曜日に更新します
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 00:02:16.18 ID:ff91TCrIo
乙。頑張れ
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 07:23:44.88 ID:Fy2akeVx0
ミカサのやることって訓練で主席をとって、エレンを生き返らせることかな
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:00:14.71 ID:yXXJPy8z0
ヒストリア「…!?」

コニー「は…? ど、どういう事だ?」

ライナー「さっきの話を思い出してみろ」








コツン




???『今日も私のことは忘れてね』

???『また会う日まで』

ヒストリア『え――』







59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:10:02.94 ID:yXXJPy8z0
ライナー「その女性に会った後、お前はいつも
     そいつの事を忘れていた…」

ライナー「…そうだったな?」

ヒストリア「う、うん…」

ヒストリア「おでことおでこをくっ付けたら、
      急に頭が痺れたみたいになって…」

ヒストリア「次の瞬間には…
      その人が誰だかわからなくなってた…」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:15:19.28 ID:yXXJPy8z0
ジャン「ちょ、ちょっと待て! それってまるで…」

ベルトルト「【記憶を消された】…そう見えるよね」

ジャン「…!」

ベルトルト「その人は【記憶を消せる力】を持っていた」

ベルトルト「そして… その力を使って、
      ヒストリアの記憶を部分的に消した…」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:25:09.09 ID:yXXJPy8z0
ヒストリア「き、記憶を消したって… どうして…?」

ライナー「不都合だったからだろう」

ヒストリア「え…?」

ライナー「そいつにとっては、お前との面会は不都合な事だったんだ」

ライナー「だから、無かったことにした」

ヒストリア「無かった…ことに…?」

ライナー「何が不都合だったのかは知る由もないが…」

ライナー「それを忘れさせる為に使った【記憶を消せる力】…
     普通の人間ができる事じゃない」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:45:07.67 ID:yXXJPy8z0
アルミン「つまり、その人が【記憶を消せる力】を使って
     僕たちの記憶を無くしたっていうの?」

ライナー「ああ。もしくは、【それと同等の力を持った者】によってな」

コニー「そ、それなら…そいつが全ての黒幕なのか!?」

コニー「俺たちを拉致して記憶を奪った
    このコロシアイの【首謀者】なのか!?」

ベルトルト「…いや、それは違うと思うよ」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 12:50:14.44 ID:yXXJPy8z0




モノクマ『オマエラは元々、全ての記憶が無い状態だったんだよ?』

モノクマ『それを心優しいボクが保護して、
     なんとか訓練兵団入団直前の記憶まで戻してあげたってわけ』

モノクマ『つまり、オマエラの記憶を奪ったのは【別の誰か】で、
     ボクはそんなオマエラを助けてあげたの。アンダスタン?』




ベルトルト「モノクマは、記憶を奪った人間は
      【別の誰か】だって言ってたよね?」

ベルトルト「僕らを攫ったときには、すでに記憶が無い状態だったって…」

ジャン「だから、それはモノクマのウソだろ!」

ベルトルト「そうかな? 僕にはそうは思えないけど」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 13:10:06.10 ID:yXXJPy8z0
アルミン「…やけに確信めいた言い方をするね」

ベルトルト「…!」

アルミン「何かそう考える根拠でもあるの?」

ベルトルト「…いや、なんとなくそう思っただけだよ」

ミカサ「………………」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 13:20:31.57 ID:yXXJPy8z0
アニ「…ねえ、みんなちょっといい?」

コニー「…ん?」

アニ「どうでもいいけどさ…」

アニ「これからみんなで施設を探索してみない?」

ジャン「…は? 何だよいきなり…」

アニ「前にモノクマが言ってたでしょ」
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 13:25:03.68 ID:yXXJPy8z0




モノクマ『えー、コホン…』

モノクマ『この施設では、兵団裁判を一つ乗り越えるたびに
     新しい世界が広がるようになっております!』

ベルトルト『新しい世界だって…?』

モノクマ『ほら、この施設に何ヶ所か、鍵のかかった場所があったでしょ?』




アニ「最初の兵団裁判の後…
   この施設の鍵のかかった場所に入れるようになったよね?」

ライナー「飼育小屋、ライブハウス…それに書庫か」

アニ「でも、まだ入れない場所もいくつかあった」

アニ「今回そこが…空いたんじゃないかと思ってさ」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 13:50:10.38 ID:yXXJPy8z0
ベルトルト「…そうか。『兵団裁判を乗り越えるたびに』という事は…」

ライナー「今回、また新しい場所が開放された可能性があるな…」

アニ「…そういう事さ」

アニ「今からちょっと見に行ってみない?」

アニ「いつまでもこんな場所で話してるよりは、気も紛れると思うけど」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/05(日) 14:10:04.45 ID:yXXJPy8z0
ライナー「…なら、そうするか」

ライナー「話の続きはその後でもできるしな」

アニ「みんなもそれでいい?」

コニー「あ、ああ…」

ヒストリア「そうだね…」

ジャン「別に構わねえが…」

アニ「…決まりだね。じゃあ、また手分けして探しに行こうか」
69 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/11/05(日) 14:30:09.34 ID:yXXJPy8z0
今日はここまで
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:10:08.22 ID:3g6gnM7/0
― 林 ―




ジャン「…わりぃ、今戻った」

ライナー「随分遅かったな。何かあったのか?」

ジャン「あ、ああ…ちょっとな」

ライナー「…? まあいい。これで全員か?」

ベルトルト「いや、ミカサがまだだよ」

コニー「何やってんだ、あいつ…もうかなり経ってるぞ」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:15:35.47 ID:3g6gnM7/0
ライナー「…仕方がない、始めるか」

ヒストリア「え? ミカサはいいの?」

ライナー「このまま待っていても埒が明かないだろう。
     こっちも暇じゃないんだからな」

アニ「………………」

ライナー「あいつには後で俺から言っておく。
     じゃあ、それぞれ報告していってくれ」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:20:06.35 ID:3g6gnM7/0
コニー「よし、俺から言うぜ」

コニー「俺が行ったのはあそこだ。
    ほら、でっけえ煙突から煙が出てたやつ」

ライナー「ああ、そこは俺も気になっていた。
     今朝になって煙を上げ始めたんだよな」

アルミン「中に入れたの?」

コニー「ああ… 中は巨大な溶鉱炉だった」

ベルトルト「溶鉱炉…?」

コニー「いやあ、あそこ汗が止まらないくらい暑くてよ…
    マジで溶けちまうかと思ったぜ」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:25:12.61 ID:3g6gnM7/0
ベルトルト「溶鉱炉って…なんでそんなものが?」

アニ「意味なんて無いよ。ここはそういう場所なんだから」

ベルトルト「そういう場所って…」

アニ「モノクマが私たちに
   コロシアイをさせる為だけに作られた場所…」
   
アニ「…ここまで言えばわかるしょ?」

ベルトルト「………………」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:30:40.89 ID:3g6gnM7/0
モノクマ「んもう、人聞き悪いなあ!」

コニー「おわっ!? また出た!」

モノクマ「まあもちろん、“そういう使い方”をしてくれても
     一向に構わない訳だけれど…」

モノクマ「あれはそもそも、その為のものじゃないよ!
     【ある物】を作り出す上で欠かせないものなんだからね!」

ライナー「【ある物】…?」

モノクマ「おっ、気になる? やっぱ気になる?」

モノクマ「でも今は教えませーん!
     どうしても知りたければ…」

モノクマ「訓練に参加しろーーっ!!」




ポヨヨーン
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 10:55:15.48 ID:3g6gnM7/0
ジャン「…何なんだ、一体」

アニ「放っときなよ。どうせ訓練に参加させる為の口実だから」

ジャン「………………」

ライナー「…やれやれ、とんだ邪魔が入ったな」

ライナー「それじゃあ、気を取り直して、
     どんどん報告していってくれ」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 11:10:04.54 ID:3g6gnM7/0
ヒストリア「じゃあ、次は私から…」

ヒストリア「私はその溶鉱炉から
      ちょっとだけ離れた建物に行ってみたんだ」

ヒストリア「そこの鍵も開いててね」

ライナー「どうだった?」

ヒストリア「うーん、何だろう?
      うまく言えないんだけど…」

ヒストリア「色んな部品や機械が置いてあって…
      作業場…? いや、研究開発所みたいな…」

アルミン「何かを作る場所ってこと?」

ヒストリア「うん、そんな感じかな。
      作りかけの装置なんかも結構あったから」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 11:40:10.85 ID:3g6gnM7/0
アニ「私は別の建物を見てきたよ」

ベルトルト「もしかして、小高い丘の上にあった丸い屋根の?」

アニ「そうだけど… どうしてわかったの?」

ベルトルト「いや… その建物の方で
      ちらっと君の姿が見えたから…」

ライナー「鍵は開いてたのか?」

アニ「うん、中は… 観測所っていったところかな」

コニー「なんだそれ?」

アニ「気温や湿度、気圧なんかを事細かに測っているようだった。
   おまけに… 天気の予想なんかもしてたよ」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 11:45:40.02 ID:3g6gnM7/0
アルミン「天気の予想って…どういう事?」

アニ「そのままの意味さ。大きな黒板に色々書かれていてね。
   この日は晴れ、この日は雨って感じで…」

アニ「ちなみに、明日は【晴れ のち 曇り】だったよ」

ライナー「外の天気の事か?」

アニ「いや、この施設の中らしいけど」

コニー「…? この施設に天気なんてあんのかよ?
    一応、天井の明かりで昼と夜はあるようだけど…」

ヒストリア「うーん、その天井の明かりで
      晴れや曇りっぽくするって事なんじゃない?」
      
ヒストリア「雨は…よくわからないけど」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 11:55:05.61 ID:3g6gnM7/0
ライナー「ジャンはどうだった?」

ジャン「………………」

ライナー「おい、ジャン!」

ジャン「…! あ、ああ…」

ライナー「どうしたんだ、さっきから」

ジャン「な、何でもねーよ… ちょっと考え事してただけだ」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 12:00:33.16 ID:3g6gnM7/0
ジャン「えっと、オレが調べてきた場所についてだったな…」

ジャン「オレは…書庫に行ってきた」

コニー「書庫…? そこはもう開いてたじゃねーか」

ジャン「忘れたのか? 書庫の中には鍵のかかった扉があっただろうが」




ライナー『アニとジャンはどうだった?』

アニ『こっちも1つ解放されてたよ。
   本棚がたくさんあって、色んな書物がズラリと並んでた』

サシャ『それってもしかして…』

ジャン『ああ、書庫ってところだろうな』

ジャン『それと、その中にもう1つ扉があったんだが、
    そっちは閉鎖されてたぜ』



81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 12:05:33.78 ID:3g6gnM7/0
ライナー「あの扉が開いてたのか?」

ジャン「ああ」

ベルトルト「中は?」

ジャン「普通だよ。また本がズラリと並んでただけだった」

ジャン「あとはまあ… その奥にもう1つ
    鍵のかかった扉があったくらいだな」

コニー「ん? 扉の中にまた扉が…って事か?」

ジャン「そういう事だ」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/12(日) 12:10:29.18 ID:3g6gnM7/0
アルミン「僕の方は収穫なしだった」

ライナー「そうか… それなら後は俺とベルトルトだな」

ヒストリア「何か見つけたの?」

ライナー「まあな」

アルミン「わざわざこの林に僕たちを集めたって事は…
     もしかして、例の石碑?」

ライナー「さすがに鋭いな。その通りだ」

アニ「………………」

ライナー「それじゃあ、さっそく見に行くとするか」
83 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/11/12(日) 12:20:12.26 ID:3g6gnM7/0
今日はここまで
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/12(日) 12:55:44.59 ID:bj/NZO2D0
りん  
Blue Heaven 私立大東亜女学園3年D組
(男子0+1名/女子38+1名/計38+2名) 完結(全94話)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:00:15.29 ID:e3Nijx160


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            栄誉ある戦士 ここに眠る                

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            席次5位 エレン・イェーガー


            席次不明 ミーナ・カロライナ


            席次不明 ユミル


            席次9位 サシャ・ブラウス









86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:05:06.43 ID:e3Nijx160
ジャン「…!!」

ヒストリア「また増えてる…」

アニ「………………」

コニー「この前に見たときは…
    エレンとミーナだけだったよな…?」

アルミン「………………」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:10:19.91 ID:e3Nijx160
ライナー「今回加わったのはユミルとサシャ…」

ライナー「やはりここには、死んだ人間の名前が記されるようだ」

ベルトルト「おまけに、名前の横にある“席次不明”と“席次9位”…」

アルミン「ライナー、現時点での僕たちの成績は?」

ライナー「そう言うと思ってな。紙に書いたものを持ってきた」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:15:07.93 ID:e3Nijx160
名前          PT

ミカサ・アッカーマン  10
ミーナ・カロライナ   10
アニ・レオンハート   09
ライナー・ブラウン   09
ベルトルト・フーバー  09
ユミル         09
ジャン・キルシュタイン 08
コニー・スプリンガー  08
サシャ・ブラウス    07
クリスタ・レンズ    07
アルミン・アルレルト  06
エレン・イェーガー   00
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:20:03.07 ID:e3Nijx160
アルミン「…やっぱり一致しない」

ライナー「ああ。この通りで言ったらユミルは席次2位、
     サシャは4位になるはずだ」

ライナー「同じ点数で成績に差があるとしても、
     ユミルは3〜6位、サシャは9〜10位…」

ライナー「サシャは一応合うが、ユミルは合わない」

ヒストリア「エレンとミーナの順位も合わないっていうのは、
      前回の捜索でも言われてたよね…」

アルミン「………………」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:25:12.09 ID:e3Nijx160








ま  る  か  じ  り




席次不明

ミーナ・カロライナ 処刑執行







91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:30:02.83 ID:e3Nijx160








ト  モ  グ  イ




席次9位

サシャ・ブラウス 処刑執行







92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:35:06.71 ID:e3Nijx160
アルミン(…ミーナの時と同じだ)

アルミン(ここに記されたサシャの席次は、
     処刑の時に見たものと同じだ)

アルミン(これって…)




ヒストリア「ね、ねえ…」

ライナー「ん?」

ヒストリア「この席次っていうのが、今の私たちの成績と
      関係ないんだとしたら…」

ヒストリア「考えられる可能性は、前にライナーが言ってた…」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:40:07.58 ID:e3Nijx160








ライナー『俺たちが記憶を失う前の成績なんじゃないか?』








ライナー「…ああ、十分に考えられる」

ライナー「エレンとサシャの“本物の訓練兵団での成績”は
     5位と9位だった…」

ライナー「そう考えれば納得がいく」

コニー「な、なら… やっぱり今の俺たちは…」

ライナー「おそらく、モノクマの言う通り…
     その時の記憶をなくした状態なんだろうな」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:45:35.38 ID:e3Nijx160
ジャン「………………」

ライナー「まあ、“席次不明”については
     相変わらず分からないままだが…」

ライナー「俺たちが揃って記憶喪失だっていう話は、
     いよいよ現実味を帯びてきた」

ライナー「なにせ… ユミルが今回の事件を企てたのは、
     失われた記憶が戻ったせいだったんだからな」




アニ『モノクマは、失われた記憶を取り戻すことが
   今回の殺人の動機になると言っていた』

アニ『そして、もし…
   記憶が取り戻した人物がユミルであったのなら…』

アニ『今回の事件を企てたとしても不思議じゃない』



95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 16:50:13.90 ID:e3Nijx160
ベルトルト「…それにしても、信じられないよ」

ベルトルト「いくら記憶を取り戻したからって…」








モノクマ『どうしてレンズさん以外の全員を殺そうとしたんだろうね?』








ベルトルト「ユミルが… 僕たちを殺そうとしてたなんて」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:00:05.94 ID:e3Nijx160
アニ「ベルトルト」

ベルトルト「…!」

アニ「あれはモノクマがそう言ってるだけだから。
   何度も言わせないで」

アニ「ユミルはそんな事をするような奴じゃない」

ベルトルト「あ、ああ… 悪かったよ」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:05:06.63 ID:e3Nijx160
ライナー「…少し話が逸れたな」

アニ「………………」

ライナー「とりあえず、今回の捜索はここまでだ」

ライナー「一度、見つけた場所をまとめてみるか… ベルトルト」

ベルトルト「ああ、うん…」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:10:44.52 ID:e3Nijx160
  施設の特徴


・ 地下3メートルに巨大な鉄板?

・ 屋外をそのまま建物で囲った構造




  施設内の場所


・ 訓練所
 
・ 食堂・調理場(食糧が充実)

・ 寄宿舎(大浴場、各々の個室がある)

・ 倉庫(訓練道具、生活用品、薬品類などが充実)

・ 飼育小屋(牛、豚、羊、ニワトリ、馬などを飼育)

・ ライブハウス(演奏用のステージがある)

・ 書庫(鍵のかかった扉がある。1つは解放済み)

・ 溶鉱炉

・ 研究開発所(作りかけの装置などがある)

・ 観測所(天気の予想をしている)

・ 林(死者の名前が記された石碑がある)

・ 赤い扉(裁判場に続く昇降機への入り口)

・ 裁判場

・ その他、鍵のかかっている箇所
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:15:16.32 ID:e3Nijx160
ベルトルト「………………」

ライナー「…ん? どうした?」

ベルトルト「あ、いや…」








ユミル『へえ…わかりやすいじゃねえか。やるもんだな、ベルトルさん』




ユミル『相変わらず見やすいな、ベルトルさん』








ベルトルト「何でもないよ」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:20:08.64 ID:e3Nijx160
コニー「しかし、こうして見ると…
    今回解放されたのは訳わかんねえ場所ばっかりだな」

ヒストリア「溶鉱炉に研究開発所、それに観測所だもんね…」

ジャン「………………」

アルミン「…ジャン?」

ジャン「…ん?」

アルミン「ねえ、本当にどうしたの? さっきから全然…」

ジャン「な、何でもねーって…」

ジャン「ちょっと…考え事してただけだ」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:25:02.68 ID:e3Nijx160
ライナー「さっきも同じような事を言っていたが…」

ライナー「何を考えていたんだ?」

ジャン「別に何だっていいだろ…」

ジャン「それより、話はこれで終わりか?
    だったらオレは寄宿舎に戻るぜ」

ライナー「おい…」

ジャン「じゃあな」




スタスタスタ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/19(日) 17:30:13.35 ID:e3Nijx160
コニー「何だ? あいつ…」

アニ「………………」

ライナー「…仕方ない。俺たちも戻るとするか」

ライナー「だいぶ時間も経っているようだしな」

ベルトルト「そうだね…」

ベルトルト「続きは明日…っていう事にしようか」
103 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/11/19(日) 17:35:14.53 ID:e3Nijx160
今日はここまで
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 02:04:46.88 ID:op25XHgaO
105 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/11/26(日) 10:05:05.66 ID:mz89O69+0
アルミン(その後、食堂に戻った僕たちは食事を済ませ…)

アルミン(大浴場で汗を流した後、それぞれの個室へと戻っていった)

アルミン(個室に足を踏み入れた僕は、流れるようにベッドへと倒れ込み…)

アルミン(そのまま反射的に目を閉じた)




アルミン「………………」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 10:30:26.09 ID:mz89O69+0








アルミン(そして、瞼の裏に現れたのは…)

アルミン(昨晩に見たあの光景だった)







107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 10:40:04.89 ID:mz89O69+0








ライナー『座標はあいつが持ってる』







108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 10:45:04.65 ID:mz89O69+0




アニ『…あいつって?』

ライナー『モノクマだ』

ライナー『いや、正しくは…それを操っている人間か』

アニ『………………』

ライナー『あいつの言う【巨人に関する重大なヒミツ】っていうのは
     まさに座標の事だったんだ』

ライナー『あいつは座標を使ってこの施設から巨人を遠ざけてる。
     そうとしか考えられない』



109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 10:50:45.67 ID:mz89O69+0




アニ『…じゃあ何? あいつが卒業したクロに
   【巨人に関する重大なヒミツ】をあげるって言ったのは…』

アニ『“【始祖の巨人】をもつ自分を食べさせてあげる”って…
   そういう意味だったって言うの?』

ライナー『…さあな』

ライナー『だが、もしその通りだとすれば…
     俺たちの求めているものがすぐ目の前にある事になる』

ベルトルト『…そんな都合のいい話、ある訳ないよ。
      仮に本当だとしても…』

ベルトルト『こんなに手の込んだコロシアイを計画する人間が、
      簡単に【始祖の巨人】を手放すとは思えない』
      
ベルトルト『あれにはそれくらいの価値があるんだ』



110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 10:55:08.77 ID:mz89O69+0




ライナー『…なら、お前はこの状況をどう考えるんだ?』

ベルトルト『もしかしてだけど…
      ここは【楽園】の外なんじゃないかな?』

アニ『…【楽園】の外?』

ベルトルト『要するに、僕たちは今パラディ島にいるんじゃなくて…』

ベルトルト『大陸側にいるんじゃないか?それも敵国の…』



111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:00:08.27 ID:mz89O69+0




ライナー『…何だと?』

ベルトルト『大陸側なら、そもそも巨人がいないんだから、
      その脅威に晒されることもない』

ベルトルト『だけど、ここが僕たちの祖国であるマーレなら、
      僕たちを監禁する理由がない』

ベルトルト『つまり、ここは敵国…
      僕はこれが濃厚なんじゃないかと思う』



112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:05:19.45 ID:mz89O69+0




ライナー『…それならなぜ、パラディ島に潜入した俺たちが
     敵国に囚われているんだ?』

ライナー『なぜ俺たちだけじゃなく、
     あいつらまで捕まっているんだ?』

ベルトルト『それは… わからないけど』

ベルトルト『僕たちが記憶を失った数年間に、
      何かがあった…のかもしれない』

ライナー『………………』



113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:10:06.04 ID:mz89O69+0




ライナー『…アニ、お前はどう思う?』

アニ『…え?』

ライナー『お前はこの状況を、どう考える?』

アニ『………………』

アニ『私は…』



114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:15:12.41 ID:mz89O69+0




ライナー『…まあいい』

ライナー『とにかく、お前たちも気を付けろ』

ライナー『相変わらず状況はよくわからないままだが、
     1つだけ確実に言えるのは…』

ライナー『あいつは俺たちの敵だっていう事だ。
     もちろん、ここにいる連中もな』

アニ『………………』



115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:35:04.03 ID:mz89O69+0




ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
     【女型】が狙われる可能性もある』

ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』

ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』



116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:45:09.73 ID:mz89O69+0
◆ モノクマげきじょう ◆




モノクマ「ここは宇宙船の中。
     みなさまは宇宙を旅している最中なのです」

モノクマ「ノアの方舟をご存知ですか?
     そうです、我らは地球を捨て飛び去っているのです」

モノクマ「頭のおかしい隣人や、警察の横暴、
     酔っ払い運転や放火魔の危険性はありません」

モノクマ「排気ガスや、大気汚染が引き起こすぜんそくの心配も
     もういりません」

モノクマ「もちろん、受験や競争に悩まされる事もないでしょう」

モノクマ「ただ、自由で素晴らしい世界にもルールはあります。
     自由というのはルールで縛られた上で存在するのです」

モノクマ「もし、あなたが、あんなクソどうでもいい地球に
     どうしても戻りたいと、そう仰るのであれば…」

モノクマ「…ルールを守ってください。
     私の言っている意味はおわかりになるでしょう?」

モノクマ「では…秩序はみなさまと共に…」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 11:55:04.21 ID:mz89O69+0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『オマエラ、おはようございます!
     朝です、7時になりました! 起床時間ですよ〜!』

モノクマ『さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』







118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 12:00:12.67 ID:mz89O69+0
CHAPTER 03 

DAY 11




アルミン(朝か…)




アルミン「………………」




アルミン(あの夜の光景が頭から離れない)

アルミン(あれは一体…)
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/26(日) 12:05:07.07 ID:mz89O69+0
今日はここまで

来週はお休みします
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 12:38:19.73 ID:caku1KfO0
アルミンはライベルの記憶喪失が嘘だってことに気づいたがどうするか
割と週一更新が楽しみだったから残念だ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 15:43:13.94 ID:ylRB5SK+O

連載が進んで展開を変えたのかな?
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 05:40:15.04 ID:sgbKph+G0
― 寄宿舎 ―




ヒストリア「おはよう」

アルミン「…おはよう、ヒストリア」

ヒストリア「…大丈夫? ひどい顔だけど…」

アルミン「ああ、うん… あんまり眠れなくてさ…」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 05:45:14.44 ID:sgbKph+G0
アニ「おはよう」

アルミン「…!!」

アニ「?」

アルミン「…あっ…ああ… おはよう…ございます」

アニ「…ございます?」

アルミン「い、いや…その… おはよう」

アニ「………………」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 05:50:44.69 ID:sgbKph+G0
ヒストリア「…ねえ、本当に大丈夫?
      具合が悪いなら寝てた方が…」

アルミン「う、ううん… 大丈夫…」

アルミン「問題ないよ…」

ヒストリア「………………」

アニ「…大丈夫なら早く行こうよ、2人とも」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:00:12.61 ID:sgbKph+G0
― 食堂 ―




アルミン(食堂では、すでに他のメンバーが朝食をとっていた)




ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

ジャン「………………」

コニー「………………」




アルミン(彼らはちらりと僕らを見ただけで、
     すぐに目の前の食事へと目を戻した)

アルミン(がらんと広い空間に、カチャカチャと食器の音だけが響いている)
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:05:05.43 ID:sgbKph+G0
アニ「…やっぱり、みんな疲れが出てるね」

アルミン「………………」




アルミン(無理もない)

アルミン(たったの10日足らずで、悲惨な事件が立て続けに起きて…)

アルミン(仲間が4人も死んだんだ)

アルミン(僕だって、正気を保っているのがやっとなくらいで…)
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:10:10.40 ID:sgbKph+G0








ライナー『座標はあいつが持ってる』







128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:20:20.53 ID:sgbKph+G0
ヒストリア「…アルミン?」

アルミン「えっ…!?」

ヒストリア「アルミン、やっぱり様子が変だよ」

ヒストリア「うっすらと汗もかいてるし…
      部屋で休んだ方がいいって」

アルミン「い、いや、そんな事ないよ。
     本当に大丈夫だから…」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:25:07.82 ID:sgbKph+G0
アニ「…どうだか」

アルミン「えっ…」

アニ「今朝のあんたは明らかにおかしいよ」

アニ「まるで… 私たちに隠し事でもしてるみたいにさ」

アルミン「か、隠し事って…!」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:30:32.05 ID:sgbKph+G0








うわあっ!!


ガッシャーン







131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/10(日) 06:35:41.29 ID:sgbKph+G0
アルミン「…!?」

ジャン「な、なんだ…!?」

ヒストリア「今の声は…!」

アニ「…!」

ライナー「ベルトルト…!」
132 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/12/10(日) 07:05:03.55 ID:sgbKph+G0
今日はここまで
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/10(日) 19:16:23.22 ID:WTFiUv0DO
うぉぉぉぉぉいここで一週間お預けかふざけんなうぁぁぁぁぁ
何はともあれ乙です。毎週更新楽しみです
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 08:50:06.84 ID:Wbn4bERv0
― 調理場 ―




ベルトルト「痛っ…!」

ライナー「おい!どうした!」

ヒストリア「大丈夫!?」

ベルトルト「う、うん、なんとか…」

アニ「…何があったの?」

ベルトルト「いや、ちょっと床で滑って転んじゃって…」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 08:55:05.82 ID:Wbn4bERv0
ジャン「って、何だこりゃ… 床がびしょ濡れじゃねえか」

コニー「あっ、わりい… それ俺がこぼした水だ」

アニ「…何で拭いておかないのさ」

コニー「いや、水なら放っておいても乾くと思って…」

ジャン「お前な…」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:00:08.67 ID:Wbn4bERv0
ヒストリア「怪我はない?」

ベルトルト「ああ、うん… ちょっと頭をぶつけたみたいだけど」

ライナー「頭を? どこに?」

ベルトルト「えっと、多分あれ…」

ベルトルト「だと…」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:05:06.47 ID:Wbn4bERv0
アルミン(ベルトルトの顔が凍り付く)

アルミン(その視線を追った僕たちの顔からも、一斉に血の気が引いた)




ライナー「…!」

ヒストリア「ねえ、あれって…」




アルミン(僕たち全員の視線の先には…)

アルミン(倒れて曲がった“物体X”の姿があった)
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:10:53.20 ID:Wbn4bERv0




6 “物体X”の破壊を禁じます。




コニー「な、なあ… これってマズいんじゃ…」

コニー「今ので壊れちまったとしたら、ベルトルトが…」

ライナー「馬鹿を言うな! そもそも、こうなった原因は
     お前にあるだろう!」

コニー「俺が悪いってのか!?」

アニ「…そりゃそうでしょ」

コニー「ど、どうすりゃいいんだ!? このままじゃ…」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:15:10.21 ID:Wbn4bERv0
モノクマ「エクストリーーーーーーーム!」

アルミン「…!!」

コニー「うわああああああああああ!?クマが出たあああああああ!」

モノクマ「だからさぁ…クマじゃなくて…」

モノクマ「モノクマなんですけど!しかも、監督教官…って、あれ?」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:20:03.50 ID:Wbn4bERv0
ライナー「モノクマ…!!」

モノクマ「はいはい、モノクマですよ。
     どったのみんな? 青ざめた顔しちゃって」

ベルトルト「い、いや… これは…」

モノクマ「何だか、すべって転んで“物体X”に当たっちゃった
     どうしようみたいな顔してるけど… どったの?」

ベルトルト「…!!」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:25:04.44 ID:Wbn4bERv0
アニ「…見てたんだね」

モノクマ「うん、見てたよ。っていうか、この施設において
     ボクに見えないものはほぼ無いからね」

ベルトルト「な、なら… これは…」

モノクマ「ああ、安心していいよ。壊れてないから」

コニー「ほ、本当か!?」

モノクマ「うん、でも気を付けてね。
     これは角度が命なんだから」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:35:20.48 ID:Wbn4bERv0
ライナー「それなら、規則違反はしていないから
     お咎めは無し…って事でいいんだな?」

モノクマ「まあね」

ベルトルト「ほうっ…」

ヒストリア「よかったね… 2人とも」

コニー「あ、ああ… マジで殺されるかと思ったぜ…」

ジャン「…お前はもう少し反省しろよな」

コニー「ああ、すまん… 次から飲み物は
    こぼしても分かりやすいミルクにするか」

アニ「…そういう問題じゃないでしょ」

モノクマ「ていうかさ…」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:50:09.92 ID:Wbn4bERv0








モノクマ「どうして誰も“物体X”のこと聞かないの?」







144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 09:55:15.60 ID:Wbn4bERv0
ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

ヒストリア「…え?」

モノクマ「いやほら、“物体X”なんてよく分からない言い方されたら
     気になるものじゃない? ふつう」

モノクマ「それなのに、今の今まで誰1人として
     それを聞きに来ないのは何故なのかなあ…と思って」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:05:04.15 ID:Wbn4bERv0
ジャン「別に… 聞く必要がないからだろ。
    ご丁寧に『物体X』なんて張り紙も貼ってあるじゃねえか」

ヒストリア「これが“物体X”だって事はみんな認識してたし…」

モノクマ「いやいや、ボクが言ってるのは
     【どれが“物体X”なのか】じゃなくて…」

モノクマ「【“物体X”とは何なのか】って事だよ」

モノクマ「みんなその辺り気にならないのかなあ…なんて」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:10:44.61 ID:Wbn4bERv0
コニー「それは…」

モノクマ「それは?」

コニー「そ、それは…」

コニー「………………」

コニー「あ、あれ…?」

コニー「そういや… なんでだ…?」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:15:44.03 ID:Wbn4bERv0
モノクマ「あー、わかった」

モノクマ「怖いんでしょ?」

コニー「は…?」

モノクマ「聞くのが怖いんじゃない?」

モノクマ「きっとそうだよ。オマエラは怖がってるんだ。
     【“物体X”とは何なのか】って聞くのを」

コニー「こ、怖がってる…?」

モノクマ「うん、まあ無理もないよね。
     オマエラの境遇を考えればさ…」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:20:13.48 ID:Wbn4bERv0
ライナー「…どういう事だ」

モノクマ「うぷぷ…」

ライナー「お前… 一体何を知ってる」




モノクマ『オマエラは元々、全ての記憶が無い状態だったんだよ?』

モノクマ『それを心優しいボクが保護して、
     なんとか訓練兵団入団直前の記憶まで戻してあげたってわけ』




ライナー「お前が俺たちを保護したという話と…
     何か関係があるのか?」

モノクマ「さあね。訓練に参加しないオマエラには教えませーん」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:35:11.31 ID:Wbn4bERv0
モノクマ「でも、これだけは言っておくよ」

モノクマ「この施設にいる限り、オマエラの安全は保証されてるんだ」

モノクマ「たとえオマエラがどんな人間であっても…」

モノクマ「ルールを守る限り、ボクがオマエラを守ってあげるよ」

モノクマ「そう、【ルールを守る限り】は…」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:45:18.38 ID:Wbn4bERv0
ジャン「ふ、ふざけんなよ…」

ジャン「何が守るだ…!」








エレン『おい…ミーナ…』




ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』




ユミル『……ウ……ァ……』




サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん〜〜〜〜!!!!』








ジャン「オレたちに…殺し合いをさせておいて…!」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 10:55:38.01 ID:Wbn4bERv0
モノクマ「それはそれ、これはこれ」

モノクマ「前にも言ったでしょ? これはギブ&テイクだって」




モノクマ『オマエラをここまで助けてやったんだから、
     少しくらいボクのわがままを聞いてくれたっていいでしょ?』

モノクマ『ボクの道楽に付き合ってくれたっていいでしょ?』




ジャン「…ッ!」

モノクマ「というわけで、ボクはこれで失礼するね。
     どうぞ良きコロシアイライフを」

モノクマ「そしてその為には、ルールの順守を」

モノクマ「では…秩序はみなさまと共に…」




ポヨヨーン
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:05:00.01 ID:Wbn4bERv0
アルミン(モノクマはそう言って、僕らの前から姿を消した)




ジャン「クソがッ!!」




ガンッ




アニ「…物に当たらないでよ」

ジャン「うるせえ!」

アルミン「ジャン!」

ジャン「…っ!」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:10:06.19 ID:Wbn4bERv0
ジャン「…部屋に戻る」




スタスタスタ




ライナー「おい!待て!」

ヒストリア「ジャン!」

ベルトルト「………………」

コニー「ああ、クソッ! なんでこうなるんだよ!」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:15:04.85 ID:Wbn4bERv0
アルミン(そうして、しばらく佇んでいた僕たちだったが…)




コニー「…俺も戻る」

ヒストリア「私も…」




アルミン(1人、また1人と調理場から姿を消した)

アルミン(重苦しい沈黙を残して…)
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:20:03.53 ID:Wbn4bERv0
アニ「…私たちも戻ろう」

アルミン「………………」

アニ「…アルミン?」

アルミン「えっ…!? ああ、うん…」

アルミン「そうだね…」

アニ「………………」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:25:32.27 ID:Wbn4bERv0
― アルミンの個室 ―




アルミン(個室に戻った僕は、流れるようにベッドへと倒れこんだ)




アルミン「はぁっ…」




アルミン(自然とついた溜息が震えている)

アルミン(まだ起きて間もないのに、信じられないほど気だるい)
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:30:09.49 ID:Wbn4bERv0




ジャン『オレたちに…殺し合いをさせておいて…!』




アルミン(ジャンの言った事は僕も感じていた)

アルミン(本当なら僕だって、あの場でモノクマに
     怒りをぶつけていたかもしれない)

アルミン(あの言葉を聞くまでは…)
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:35:22.05 ID:Wbn4bERv0








モノクマ『たとえオマエラがどんな人間であっても…』







159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:45:10.02 ID:Wbn4bERv0
アルミン(モノクマは何か知っているのか?)

アルミン(あの3人の事を…)




ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
     【女型】が狙われる可能性もある』

ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』

ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』




アルミン(鎧、超大型、巨人化… 確かに言っていた)

アルミン(僕らの故郷を襲ったのは、超大型巨人と鎧の巨人…)

アルミン(いや、まさかそんな…)
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:50:11.97 ID:Wbn4bERv0
コンコン




アルミン「…!!」




コンコン




アルミン「だ、誰…!?」

アニ「アニだよ」

アルミン「アニ…!?」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/17(日) 11:55:04.72 ID:Wbn4bERv0
ガチャ




アルミン「な、何か用…?」

アニ「………………」

アルミン「どうしたの…?」

アニ「…今、時間ある?」

アルミン「え…?」

アニ「ちょっと一緒に来てくれない?」
162 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/12/17(日) 12:00:17.05 ID:Wbn4bERv0
今日はここまで
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/18(月) 22:59:42.67 ID:eMllIX3f0
復活祝い乙
読み返してきたけどやっぱり面白いな。
完結までが長そうだけどワクワクするわ。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 07:45:40.71 ID:23lbfh1T0
― 観測所 ―




アルミン(アニに連れて来られたのは、予想外の場所だった)




アルミン「ここって、今回開放された…」

アニ「そう、観測所」




アルミン(アニはそう言って室内を見上げた)

アルミン(天井は半球状になっていて、
     大きな天窓が備え付けられている)
     
アルミン(中でも目を引いたのが、天窓に向かって伸びる
     巨大な筒状の物体…)
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 07:55:04.82 ID:23lbfh1T0
アルミン「あれって何だろう」

アニ「望遠鏡らしいよ。星を見るための」

アルミン「ほ、星を…?」

アニ「嫌味っていうか、悪趣味だよね。
   モノクマの性格がよく出てる」

アルミン「………………」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 08:10:34.12 ID:23lbfh1T0


DAY 11  晴れ のち 曇り

DAY 12  曇り

DAY 13  曇り

DAY 14  晴れ のち 曇り

DAY 15  晴れ

DAY 16  曇り

DAY 17  曇り

167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 08:20:02.90 ID:23lbfh1T0
アルミン(次に目が留まったのが、部屋の隅に置かれた黒板だった)



アルミン「あれってもしかして、昨日アニが言ってた…」

アニ「…そう、天気の予報さ。
   7日間分を書き出してるらしいよ」

アニ「今日はこの生活が始まって11日目だから、
   【晴れ のち 曇り】だね」

アルミン「…これって、この施設の中の天気なんだよね?
     意味あるのかな、天気なんて」

アニ「…さあ、私に聞かれてもね」
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:10:15.21 ID:23lbfh1T0
アルミン(そう言ったきり、アニは黙り込んだ)

アルミン(僕は慌てて次の話題を探す)




アルミン「そういえば、今回開放された場所って行ってみた?
     ここ以外で…」

アニ「行ってないよ。そのうち見てみようとは思ってるけど」

アルミン「そっか…」
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:25:01.16 ID:23lbfh1T0
アルミン(再び会話が途切れる)

アルミン(訪れる沈黙が苦しくて、僕はアニを横目で見た)




アニ「………………」




アルミン(僕をここまで連れてきたアニは、
     全く本題に入ろうとしない)

アルミン(かく言う僕も、なかなか切り出せずにいた)

アルミン(聞きたい事があるはずなのに…)
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:35:10.71 ID:23lbfh1T0




アニ『…じゃあ何? あいつが卒業したクロに
   【巨人に関する重大なヒミツ】をあげるって言ったのは…』

アニ『“【始祖の巨人】をもつ自分を食べさせてあげる”って…
   そういう意味だったって言うの?』




アルミン(…聞くなら今だ)

アルミン(アニに連れ出されたときから固めていた決意を
     僕は再び自分に言い聞かせた)

アルミン(だけど…)




ドクン




アルミン(喉まで出かかった言葉は、再び体の奥に押し戻されてしまう)

アルミン(自分の中の何かが、聞くのを必死に止めようとしている)
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:40:21.63 ID:23lbfh1T0
アルミン(僕はなんとなく予感していた)

アルミン(この事を聞いてしまえば、もう後には戻れない)

アルミン(すごく聞きたいのに…聞きたくない)




ドクン




アルミン(…くそっ、しっかりしろ)

アルミン(昨日は平静を保てていたじゃないか…)
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:45:09.45 ID:23lbfh1T0
アルミン(何度目かの葛藤の後、ようやく口を開きかけたときだった)




アニ「アルミン」

アルミン「えっ…!?」

アニ「あんたは気付いた?」

アニ「昨日、食堂でヒストリアが語った事…」
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:50:43.54 ID:23lbfh1T0
アルミン「…?」

アニ「あいつはね、ウォール・マリアが破壊された時期を…」

アニ「“5年前”って言ったんだよ」

アルミン「えっ…」
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/24(日) 09:55:15.68 ID:23lbfh1T0




アルミン⦅ヒストリアは僕たちに全てを明かした⦆

アルミン⦅クリスタ・レンズは偽名で、
     本名はヒストリア・レイスであること⦆

アルミン⦅ウォール・シーナ北部の小さな牧場で
     孤独な幼少期を過ごしたこと⦆

アルミン⦅5年前、ウォールマリアが没落してから数日後に
     領主の名を名乗る父親が現れたこと⦆




アルミン「…!!」

アニ「私たちが訓練兵団に志願したのは、
   ウォール・マリアが堕ちてから2年後だよね?」

アニ「モノクマの言うように、そこから数年間の記憶が
   抜け落ちているとしても…」

アニ「どうしてあいつは… はっきりと“5年前”だなんて
   言えたんだろうね」
175 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/12/24(日) 10:00:12.39 ID:23lbfh1T0
今日はここまで
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:30:08.26 ID:OkVx9Ybd0
アルミン(確かにそうだ…)

アルミン(モノクマは、僕らの記憶が欠落しているのは
     “数年間”としか言っていない)

アルミン(それを考えれば、ウォール・マリアが堕ちたのが
     何年前かなんて、はっきりとは言えないはずだ…)




アルミン「もし、ヒストリアの言う通り、ウォール・マリア襲撃が
     “5年前”の出来事だとしたら…」

アルミン「僕たちの記憶が抜け落ちている期間は
     3年って事になるよね…」

アニ「………………」

アルミン「確か、従来の訓練兵団での訓練期間も
     3年くらいだったはずだから…」

アルミン「僕たちは、訓練兵団での記憶を丸ごと消されていて、
     ヒストリアはその失われた記憶を取り戻してる…?」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:35:24.39 ID:OkVx9Ybd0
アニ「そう決めつけるのはまだ早いんじゃない?」

アルミン「え…?」

アニ「私は、ヒストリアが“5年前”って言ったのは
   無意識的だったんじゃないかと思ってる」

アルミン「無意識的って…どういう事?」

アニ「つまり、ヒストリアは消された3年分の記憶を
   取り戻しつつあるけど…」

アニ「…本人はそれに気付いていないって事さ」

アニ「知らず知らずのうちに、無くした記憶の一部分を
   口走ってしまったんじゃないか…ってね」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:40:15.68 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「うーん… そうなのかな?
     あれだけの発言で考えるにはちょっと…」

アニ「根拠は他にもあるよ」

アルミン「え…?」

アニ「だって、ヒストリアがあの発言をしたとき…
   誰も“5年前”っていう言葉に口を挟まなかったじゃない」

アルミン「…!」

アニ「あんただってそうでしょ?」

アニ「今私に言われて気付いたみたいだけど、あのときは
   “5年前”って聞いて何の違和感もなかったんでしょ?」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:45:09.87 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「…確かに、あのとき僕は何も思わなかったけど」

アルミン「他の人たちはわからないよ。単に聞き逃しただけか、
     違和感に気付いていながら敢えて口にしなかった可能性も…」

アニ「私はそうは思ってない」

アルミン「………………」

アニ「アルミン、ここまで言えばわかるでしょ?」

アニ「記憶が戻り始めてるのはヒストリアだけじゃない…
   あんたら全員が、失われた記憶を思い出しつつあるんだよ」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:50:10.77 ID:OkVx9Ybd0
アルミン(ドキリとした)

アルミン(失われた記憶…)

アルミン(モノクマではない【別の誰か】によって奪われたという、
     僕たちの過去…)




アニ「…私が心配してるのは、記憶を取り戻したことによる
   新たなコロシアイさ」

アニ「ユミルは記憶が戻ったせいであんな凶行に走ったんだ。
   私たちの中で、また同じような事が起こらないとも限らない」

アニ「もうあんな悲劇を繰り返すわけにはいかないんだよ。
   何か先手を打たないと…」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 05:55:18.81 ID:OkVx9Ybd0
アルミン(アニは珍しく焦っているようだった)

アルミン(いつもはあまり表情を見せない彼女だが、
     今は眉間にしわを寄せて考え込んでいる)




アルミン「…今日僕を呼んだのは、その打開策について相談するため?」

アニ「そう。あんたなら、何かいい考えを
   出してくれるんじゃないかと思ってね」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:00:11.72 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「…気持ちは嬉しいけど、正直どうすればいいのかわからないよ」

アルミン「失った記憶の中身がわからない以上は、対策も何も…」

アニ「…そう、わかった」

アルミン「ごめん、力になれなくて」

アニ「それなら、これだけは聞かせて」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:05:16.75 ID:OkVx9Ybd0








アニ「あんたはどこまで思い出してる?」







184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:10:18.87 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「え…?」

アニ「この生活が始まってから、あんたは何か思い出さなかった?」

アニ「見覚えのない光景が突然脳裏に現れるような…
   そんな体験をしなかった?」

アルミン「…!!」

アニ「ねえ、アルミン… 教えて」

アニ「あんたはどこまで思い出してる?」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:15:20.05 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「どこまで…って」

アニ「………………」

アルミン「そんなこと言われても…」

アルミン「僕は…」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:20:15.84 ID:OkVx9Ybd0








アルミン「…っ!!」







187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:25:19.05 ID:OkVx9Ybd0




???『おい… 何をする気だ!?』

???『やめろ!!』

???『ごめん… でも…』

???『もう耐えられない…』



188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/31(日) 06:30:14.03 ID:OkVx9Ybd0
アルミン「ううっ…!」




アルミン(今のは…!?)




アルミン「…っ」

アルミン「………………」




アルミン(…あれ?)

アルミン(アニがいない…?)
189 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2017/12/31(日) 06:35:25.03 ID:OkVx9Ybd0
今日はここまで
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/31(日) 08:35:31.31 ID:Fm1yPtF6O
アニは記憶を全く思い出していないから違和感に気づいたのかな
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:05:10.34 ID:CY3DC/7H0
― 書庫 ―




アルミン(いなくなったアニを探していた僕は、
     書庫にたどり着いた)

アルミン(第2の事件の前、アニがここで
     本を読んでいたのを思い出したのだ)




アルミン『ア、アニ!?』

アニ『…何をそんなに驚いてるの』

アルミン『い、いや…』

アニ『…私が本を読んでるのがそんなに意外?』

アルミン『そ、そうじゃなくて…
     てっきり誰もいないと思ってたから…』



192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:10:06.08 ID:CY3DC/7H0
アルミン「あの時はあそこにいたんだけどな…」




アルミン(僕は書庫の一角… 以前アニが立っていた
     本棚の前に目をやった)

アルミン(書庫の中に人気はなく、ひっそりと静まり返っている)




アルミン「ここじゃないのか…」




アルミン(僕は思わずため息をついた)

アルミン(急にいなくなるなんて… 一体どこに行ったんだよ)
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:15:07.99 ID:CY3DC/7H0
アルミン(諦めて踵を返そうとしたとき…)

アルミン(僕はふと、ある事を思い出して足を止めた)




ジャン『えっと、オレが調べてきた場所についてだったな…』

ジャン『オレは…書庫に行ってきた』

コニー『書庫…? そこはもう開いてたじゃねーか』

ジャン『忘れたのか? 書庫の中には鍵のかかった扉があっただろうが』



194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:20:22.62 ID:CY3DC/7H0
アルミン(そういえば…)

アルミン(この書庫の中にも、開放された扉があったんだっけ…)




ライナー『あの扉が開いてたのか?』

ジャン『ああ』

ベルトルト『中は?』

ジャン『普通だよ。また本がズラリと並んでただけだった』



195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:25:10.14 ID:CY3DC/7H0
アルミン(僕は再び書庫に向き直り、奥へと向かって歩いた)

アルミン(ぎっしりと詰まった本棚が立ち並ぶ、本の森…)

アルミン(その森の最深部… ちょうど本棚の陰になっている箇所に、
     ひっそりと佇む扉があった)




アルミン「…まさか、この中に?」




アルミン(…ないとは言えない)

アルミン(僕はしばらく迷った後、意を決して扉を開けた)
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/07(日) 06:30:11.27 ID:CY3DC/7H0
ガチャッ




アルミン「…えっ?」

ジャン「…ッ!?」




ガコン




アルミン「…ジャン?」
197 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/01/07(日) 06:40:51.05 ID:CY3DC/7H0
今日はここまで
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 04:16:22.90 ID:jjdDQszvO
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/09(火) 08:07:56.03 ID:whng+iuYo
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:20:18.99 ID:wTpdlixV0
アルミン(扉の中にいたのは、予想外の人物だった)




ジャン「ア、アルミン…!? なんでここに!?」

アルミン「それはこっちの台詞なんだけど…」

ジャン「…っ!?」

アルミン「僕はアニを探してるんだ。ここには来なかった?」

ジャン「き、来てねえよ! この扉が開放されてからは、
    オレの知る限り他の奴らは一度も…」

アルミン「…えっ?」

ジャン「…っ! と、とにかく、アニは来てねえ!
    探すなら他を当たれ!」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:25:23.62 ID:wTpdlixV0
アルミン(他を当たれって言われても…)




アルミン「ジャンはここで何をやってたの?」

ジャン「な、何って… 本だよ、本!
    ここにはそれ以外ないだろ!」

アルミン「本…」




アルミン(僕は辺りを見回した)

アルミン(さっきまでの部屋と同様、この空間も
     所狭しと本棚が並べられている)

アルミン(ただ違うのは… さっきよりも
     かなり埃っぽいという事だろうか)
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:30:17.43 ID:wTpdlixV0
アルミン「何の本を読んでたの?」

ジャン「なっ… 何のって…」

アルミン「いや、本ならさっきの場所にもあったから…
     ここにはもっと違う種類のものがあるのかなって」

ジャン「…っ!!」

アルミン「ねえ、一体何の…」

ジャン「し、知らねえ!
    オレが何を読もうと勝手だろうが!」




タッタッタッ

バタン
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:35:28.03 ID:wTpdlixV0
アルミン(ジャンはそのまま部屋から出て行ってしまった)




アルミン「…?」




アルミン(ジャン… 一体どうしたんだろう)

アルミン(なんだか昨日から様子がおかしかったけど…)
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:40:15.80 ID:wTpdlixV0
アルミン(1人取り残された僕は、
     ジャンのいた場所まで歩いていき…)

アルミン(近くの本棚を調べ始めた)




アルミン「…これか」




アルミン(ジャンが読んでいた本はすぐに見つかった)

アルミン(他の本はかなりの埃を被っているのに対し、
     その本だけは綺麗に取り払われていたのだ)

アルミン(加えて、その本がある位置には、
     埃の上に何回も取り出したような跡がついていた)
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 07:50:22.77 ID:wTpdlixV0








ガチャッ




アルミン『…えっ?』

ジャン『…ッ!?』




ガコン








アルミン(僕に気付いたジャンは、
     その本を慌てて本棚に押し戻していた)

アルミン(あの動揺っぷり…
     そんなにすごい事が書かれているのか?)
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 08:05:17.59 ID:wTpdlixV0
アルミン(僕は本棚に手を伸ばし、その本を手に取った)

アルミン(かなり古い本なのだろう。表紙は風化し、
     中の紙束は酷く黄ばんでしまっている)




アルミン「………………」




アルミン(僕は、なぜか高鳴り始めた己の心臓を意識しながら…)

アルミン(ゆっくりと、表紙をめくって読み始めた――――)
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 08:10:10.15 ID:wTpdlixV0








九つの巨人







208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/14(日) 08:20:16.72 ID:wTpdlixV0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『えー、施設内放送でーす』

モノクマ『えまーじぇんしー、えまーじぇんしー!』

モノクマ『オマエラ訓練兵諸君は、至急、
     訓練所にお集まりくださーい!』







209 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/01/14(日) 08:25:12.74 ID:wTpdlixV0
今日はここまで
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 08:56:26.79 ID:WndI5YK50
なんか思い出したのか?
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 10:45:12.13 ID:Z1Xwj2mu0
― 訓練所 ―




アルミン(訓練所には既に他のメンバーが集まっていた)

アルミン(僕が探していたアニは
     まだ来ていないようだったけど…)




アルミン「ミカサ!」

ミカサ「アルミン」

アルミン「今までどこに行ってたの!?
     昨日の探索から急にいなくなって…」

ミカサ「心配させてごめん。私は大丈夫」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 10:50:13.10 ID:Z1Xwj2mu0
ライナー「私は大丈夫… か」

ミカサ「………………」

ライナー「お前… 本当にどこにいたんだ?
     探索を放り出してまで行くような所なのか?」

ミカサ「あなたに干渉される筋合いはない」

ライナー「………………」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 10:55:28.53 ID:Z1Xwj2mu0
アニ「おまたせ」

アルミン「…!」

コニー「おっ、アニも来たな。これで全員か?」

ベルトルト「そうみたいだね」

ジャン「おい、モノクマ! 来てやったぞ!
    さっさと姿を現しやがれ!」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 11:10:26.94 ID:Z1Xwj2mu0
〜♪
〜♪


〜〜♪
〜〜♪


〜〜〜〜♪
〜〜〜〜♪




ポヨヨーン




アルミン(いつもの軽快な音楽が鳴り響く)

アルミン(だけど、そこには…)
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 11:15:16.19 ID:Z1Xwj2mu0
アニ「………………」

ベルトルト「………………」

ヒストリア「…あれ?」

ミカサ「………………」

コニー「モノクマのやつ… いねーぞ?」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 11:20:07.48 ID:Z1Xwj2mu0
アルミン(いつもとは違う展開に戸惑う僕たち)

アルミン(その後しばらく待っても、モノクマが現れることはなかった)




コニー「な、なあ… これってどういう事だ?」

ベルトルト「………………」

ヒストリア「何かあったのかな…?」

ライナー「さあな。本人が来ないなら確かめようもない」

アニ「………………」

ライナー「解散するぞ。時間の無駄だ」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 11:50:12.49 ID:Z1Xwj2mu0
アルミン(僕たちがその場から立ち去ろうとした時だった)




モノクマ「どういう事ですか!? 説明してください!」

モノクマ「ですから、詳しい話はこの後の会見で…」




アルミン(後方から、モノクマが早足に近づいてきた)

アルミン(1人でせわしなく動き回りながら…)
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 12:00:16.56 ID:Z1Xwj2mu0
ベルトルト「あれは… モノクマ?」

ライナー「そうみたいだが… 何をやっているんだ?」




モノクマ「その話は聞いていません!
     いつわかった事なのですか!?」

モノクマ「つい先ほどです。この度も急遽、
     私の不倫会見を取りやめてこちらの説明に…」

モノクマ「不倫会見はやらないという事ですか!?」

モノクマ「またそうやって逃げるおつもりですか!?」

モノクマ「どうかご容赦ください。
     人類の存続に関わる事ですので…」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 12:10:48.89 ID:Z1Xwj2mu0
アルミン(時にはうつむき加減で歩き、時には横でメモを取りながら
     モノクマがこちらに向かってくる)

アルミン(どうやら、1人で何人もの人物を演じているらしい)




ジャン「…また茶番かよ」

アニ「………………」




アルミン(モノクマの小芝居に呆れながらも、
     僕たちにはただ見守ることしかできない)

アルミン(モノクマはそのまま演技を続けながら、
     いつもの檀上に上がっていった)
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 12:30:20.84 ID:Z1Xwj2mu0
モノクマ「定刻になりました。ただいまより、
     訓練兵団主催の緊急記者会見を開催いたします」

モノクマ「なお、この度予定されていたモノクマ氏による
     不倫会見は後日に延期いたしますので、ご了承ください」

モノクマ「では、まず監督教官の同氏から、
     今回の速報を受けてご説明をお願いします」

モノクマ「はい、皆様、この度は
     お集まり頂きありがとうございます」

モノクマ「今から2時間ほど前、訓練兵団監査チームによる
     調査結果報告が上がりましたので、お知らせいたします」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/21(日) 12:35:15.10 ID:Z1Xwj2mu0








モノクマ「【裏切り者】の正体が判明いたしました」







222 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/01/21(日) 12:40:16.58 ID:Z1Xwj2mu0
今日はここまで
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 16:35:28.16 ID:WAjGbMRlO
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/28(日) 18:20:14.49 ID:G0CvW/4Q0
パシャッ パシャッ パシャッ パシャッ




モノクマ「どういう事ですか!? 【裏切り者】の正体とは!?」

モノクマ「そのままの意味です。我々訓練兵団はかねてより、
     訓練兵として紛れ込んだ【裏切り者】の正体を探っておりました」

モノクマ「今回、その調査が身を結び、誰が【裏切り者】なのかが
     分かった…という事でございます」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/28(日) 18:25:13.14 ID:G0CvW/4Q0




モノクマ『ネタばらしするとさぁ、
     実はオマエラの中には【裏切り者】がいるんだよ』

コニー『は…?』

モノクマ『そして仮にその【裏切り者】が1位を勝ち取った場合…』

モノクマ『【自分だけここから出たい】とか【自分以外を処刑してほしい】とか、
     そんな事言うかもしれないよねー!』




モノクマ「誰なのですか!? その【裏切り者】とは!?」

モノクマ「お答えしましょう。【裏切り者】の正体は…」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/28(日) 18:30:12.49 ID:G0CvW/4Q0








モノクマ「ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーです」







227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/28(日) 18:35:12.97 ID:G0CvW/4Q0
ライナー「なっ…!?」

ベルトルト「…!!」




パシャッ パシャッ パシャッ パシャッ




モノクマ「ライナーとベルトルト…!?」

モノクマ「【裏切り者】は1人ではなかったという事ですか!?」

モノクマ「はい。誠に遺憾ながら、我々訓練兵団は
     複数名の【裏切り者】の侵入を許してしまっておりました」

モノクマ「そして、何を隠そう、あの2人こそ…」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/28(日) 18:40:07.25 ID:G0CvW/4Q0








モノクマ「超大型巨人と鎧の巨人の正体なのです」







229 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/01/28(日) 18:45:10.80 ID:G0CvW/4Q0
今日はここまで
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/28(日) 20:34:05.03 ID:F+CoCtNDO
その情報は大変だ
コロシアイが始まっちゃう
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 10:35:50.75 ID:JVJbB+8y0
アニ「………………」

ヒストリア「…え?」




パシャッ パシャッ パシャッ パシャッ




モノクマ「なんと!? あの2人の正体が巨人!?」

モノクマ「しかも、人類の仇そのものである
     超大型巨人と鎧の巨人ですと…!?」

モノクマ「驚かれるのも無理はないでしょう。
     私自身、未だに信じられない思いですので」

モノクマ「しかし、事実なのです。人が巨人に変わることも、
     あの2人が多くの人を殺めたことも…」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 10:40:17.20 ID:JVJbB+8y0








モノクマ「それらは全部、本当のことでーす!!」







233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 10:50:43.62 ID:JVJbB+8y0
アルミン(僕たちは身動きが取れなかった)

アルミン(あまりにも唐突な、衝撃の告白…)

アルミン(僕たちはただ、ゲラゲラと笑う
     モノクマを見ることしかできなかった)




モノクマ「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」

モノクマ「あー、言っちゃった! ついに言っちゃった!」

モノクマ「“人類史上最大最悪の絶望的事件”の一端…
     その根幹とも言える絶望的な事実を…」

モノクマ「ついに言っちゃったーー!!」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 10:55:23.24 ID:JVJbB+8y0
アルミン(モノクマはもう小芝居をやめていた)

アルミン(唖然とする僕たちが可笑しくてたまらないというように、
     腹をかかえて笑い転げている)




モノクマ「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!」

モノクマ「ねぇねぇ、今どんな気持ち?」

モノクマ「仲間だと思っていた人間が
     実は人類の仇だったと知って…」

モノクマ「今どんな気持ち!?」
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 11:05:38.50 ID:JVJbB+8y0
コニー「い、いや… どんな気持ちっつーか…」

コニー「いくら何でもブッ飛び過ぎだろ…
    作り話するなら、もうちょっとそれっぽく…」

モノクマ「うぷぷ… ほら、よく言うじゃない。
     “事実は小説より奇なり”って」

モノクマ「事実っていうのはね、それが事実であればあるほど、
     にわかには信じがたい内容なんだよ」

ヒストリア「だ、だからって…
      そんな話、信じられる訳が…」

モノクマ「そう? ここにいる大半の人は
     思い当たる節があるみたいだけど」
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 11:10:29.30 ID:JVJbB+8y0




ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

アニ「………………」

アルミン「………………」

ジャン「………………」




コニー「…お、おい、どうしたんだよお前ら?」

ヒストリア「な、なんで… 何も言わないの…?」
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 11:20:21.73 ID:JVJbB+8y0
ジャン「…モノクマの言ってる事は、たぶん、正しい」

ヒストリア「え…?」

ジャン「憶えてるか? 昨日の捜索で、オレは
    書庫の中にあった扉が開いていたのを見つけたんだ」




ジャン『えっと、オレが調べてきた場所についてだったな…』

ジャン『オレは…書庫に行ってきた』

コニー『書庫…? そこはもう開いてたじゃねーか』

ジャン『忘れたのか? 書庫の中には鍵のかかった扉があっただろうが』



238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/04(日) 11:25:51.79 ID:JVJbB+8y0
ヒストリア「う、うん… 確か、その扉の中も
      ずらりと本が並んでたって…」

ジャン「そうだ。オレはそこで“ある本”に目が留まって、
    捜索の間ずっと読みふけっていた」

ジャン「アルミン… 今お前が後ろ手に持っている本にな」

アルミン「…!!」

ジャン「お前も読んだんだろ、それ」

アルミン「…うん」

ジャン「みんなに見せてやれ」
239 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/02/04(日) 11:30:19.23 ID:JVJbB+8y0
今日はここまで
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 11:43:08.54 ID:r6zhA/Yco
これすごく好き!乙です!
黒幕側は4人いるのかな?
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 12:34:14.56 ID:MBcp1cEv0
ジャンは気づいていたからあんな態度だったのか
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 08:40:35.82 ID:0JP41ytv0








九つの巨人







243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 08:45:17.87 ID:0JP41ytv0
ヒストリア「九つの…巨人…?」

コニー「ずいぶんと古臭い本だな…
    これがどうしたっていうんだ?」

アルミン「この本には、その、何ていうか…
     僕らの常識を超えた内容が記されていたんだ」

アルミン「そう、まるでモノクマの言うような…」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 08:50:23.95 ID:0JP41ytv0








モノクマ『【巨人に関する重大なヒミツ】をプレゼントしまーす!!』








アルミン「【巨人に関する重大なヒミツ】…
     そう呼べるような内容がね」

ヒストリア「えっ…?」

アニ「………………」

アルミン「…読んだ方が早いと思う。見てみて」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 09:40:33.22 ID:0JP41ytv0








これは、ある人物の証言をもとに著者がまとめた回想録の一部である――――







246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 09:45:27.88 ID:0JP41ytv0




1800年以上前、大地の悪魔はユミル・フリッツという名の少女と契約し、
彼女に『始祖の巨人』の力を与えた。

これがすべての巨人の始まりである。

巨人の力を得たユミル・フリッツは、道や橋を造るなど大陸の発展に大きく
貢献した。彼女の死後、『始祖の巨人』は『九つの巨人』に魂を分けられ、
これを継承した彼女の子孫たちは巨人の力によって広大な帝国を築き上げる。

子孫たちはユミルの民、帝国はエルディア帝国と呼ばれ――――



247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/11(日) 09:55:25.31 ID:0JP41ytv0
コニー「…は?」

ヒストリア「ユ、ユミル…!? ユミルってまさか…」

アルミン「…いや、ここに書かれているのは
     僕らの知ってるユミルとは別人だと思う」

ヒストリア「え…?」

アルミン「記述によれば、ユミルは死んでることになってるし…
     そもそもこれは、1800年以上も前の話だからね」

アルミン「…まあ、だからって無関係とも思えないけど」

ミカサ「………………」

アルミン「僕が見て欲しいのはそこじゃないんだ。
     ちょっとページを飛ばすよ…」
248 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/02/11(日) 10:00:15.08 ID:0JP41ytv0
今日はここまで
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 11:00:24.73 ID:8MeqxFI00




この章では、『始祖の巨人』から魂を分けられた『九つの巨人』について紹介する。

序章で述べた通り、エルディア帝国が世界で権勢を振るっていた時代、
『九つの巨人』はエルディア王家を含めた各名家に代々継承されてきた。

まずは、各巨人の通称と特徴を以下に述べる。



250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 11:20:43.05 ID:8MeqxFI00




@ 始祖の巨人

全ての巨人の頂点に立つ存在。
魂を分けた後も、その大元は代々王家に継承されていた。
エルディア帝国壊滅後は、フリッツ王と共にパラディ島へと逃れている。


A 女型の巨人

汎用性に優れた巨人。
高い機動力と持続力に加え、硬質化能力も併せ持つ。
範囲は狭いが『無垢の巨人』を呼び寄せることができる。


B 鎧の巨人

硬質化に特化した巨人。
全身を覆う皮膚は常に硬質化しており、盾としての機能を果たす。
その硬さを利用した突進攻撃も破壊力に優れる。


C 顎の巨人

強襲型の巨人。
小ぶりな分、『九つの巨人』の中でも素早さはトップクラスである。
強力な爪と顎で大抵の物は砕くことができる。


D 獣の巨人

濃い体毛に覆われた大型の巨人。
これといった特性のない巨人だったが、ジーク・イェーガーの継承によって
驚異的な能力を開花させる。詳細は次章にて述べる。


E 車力の巨人

四足歩行型の巨人。
並外れた持続力をもち、長期間の巨人化を可能とする。
用途に合わせた兵装が可能で、軍事作戦の幅を大きく広げることができる。


F 超大型巨人

60m級の超大型巨人。
その巨体ゆえに動きは遅いが、桁違いの破壊力を有する。
全身から発する高温の蒸気は攻撃、牽制、目眩ましなど汎用性が高い。


G 戦槌の巨人

マーレの英雄へーロスと共にエルディア帝国を滅ぼしたとされる
タイバー家の有する巨人。その詳細は謎に包まれている。



251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 11:35:50.69 ID:8MeqxFI00
ヒストリア「…!」

コニー「お、おい… 鎧の巨人と超大型巨人って…」

アルミン「うん… ウォール・マリアを破壊したあの2体の巨人だよ」

アルミン「ここに書いてある巨人の特徴と絵が… 完全に一致してる」

ミカサ「…ねえ、アルミン、
    『九つの巨人』というのは9体いるのでしょう?」

ミカサ「ここには8体分の記述しかないけど、9体目は?」

アルミン「それが… わからないんだ。
     このページだけ下の方が破られてて…」

ミカサ「………………」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 12:05:12.99 ID:8MeqxFI00
コニー「え、えーっと… つまりこれって…
    どういう事だ…?」

ヒストリア「この『九つの巨人』のうちの2体が
      ウォール・マリアを壊しにやって来たって事だよね…?」

ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

ヒストリア「というか、ここに書かれている内容って…」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 12:10:15.72 ID:8MeqxFI00








ヒストリア「まるで、巨人の正体が人間だと言っているような…」







254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 12:55:04.39 ID:8MeqxFI00
モノクマ「うぷぷ… そういう事」

モノクマ「超大型巨人と鎧の巨人って、何もない場所から突然現れたんでしょ?」

モノクマ「それから、壁の中では一番強度の低い門の部分を破壊したんでしょ?」

モノクマ「そして、逃げ惑う人たちには目もくれず、
     その場で急に消えちゃったんでしょ?」

モノクマ「つまり、そういう事だよ」

コニー「どういう事だよ!?」

モノクマ「彼らは他の巨人たちとは違うって事さ」

モノクマ「知性を有し、なりたい時に巨人になって、
     なりたくない時には巨人じゃなくなる」

モノクマ「それが彼ら… 『九つの巨人』なんだよ」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 13:05:11.78 ID:8MeqxFI00
ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

モノクマ「じゃあ、あとは好きにしちゃってちょーだいな。
     煮るなり焼くなり、好きにしちゃってちょーだいな」

アニ「………………」

モノクマ「…あ、そうだ。忘れるところだった」

モノクマ「ついでと言っちゃなんだけど、ここでオマエラの
     訓練成績の中間発表をしておくね」

ヒストリア「ちゅ、中間発表…?」

モノクマ「現時点でのオマエラの成績は、こうなってまーす!」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 13:15:52.71 ID:8MeqxFI00
名前          PT

ミカサ・アッカーマン  1690
ミーナ・カロライナ   10
アニ・レオンハート   00
ライナー・ブラウン   00
ベルトルト・フーバー  00
ユミル         00
ジャン・キルシュタイン 00
コニー・スプリンガー  00
サシャ・ブラウス    00
ヒストリア・レイス   00
アルミン・アルレルト  00
エレン・イェーガー   00
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 13:25:15.19 ID:8MeqxFI00
アルミン「…!!」

ジャン「なっ…!?」

アニ「………………」

ヒストリア「…えっ?」

モノクマ「それではみなさま、素敵なコロシアイ生活を」

モノクマ「うぷぷぷぷ…」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 13:25:43.90 ID:8Ua9ru4M0
ミカサにこの点差はもう追いつけなさそう
まあ願いなんてわかりきってるしいいのか?
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/18(日) 13:40:05.31 ID:8MeqxFI00








モノクマ「アーッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」







260 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/02/18(日) 13:45:02.70 ID:8MeqxFI00
今日はここまで
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/18(日) 21:19:42.24 ID:8A9/iHjVo
乙〜
ずっと追っかけてる
面白いから頑張ってね!
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 08:20:31.86 ID:0P1QtQ6M0
ポヨヨーン




アルミン(耳障りな高笑いと共に、モノクマは姿を消した)

アルミン(後に残されたのは…)




ジャン「おい、ミカサ!」

ミカサ「………………」

ジャン「お前… これはどういう事だよ!?」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 08:25:08.36 ID:0P1QtQ6M0




ユミル『訓練は自由参加だったはずだ。
    サボったからってペナルティはねえよ』

クリスタ『で、でも…全員はさすがに…』

ユミル『全員でサボるからこそ意味があるんだよ。
    これなら【裏切り者】に出し抜かれる心配もないしな』




ジャン「訓練で出し抜くのはなしだって…
    みんなで示し合わせてたじゃねえか!」

ミカサ「そんな約束をした覚えはない」

ジャン「なっ…!!」

ミカサ「そんな事よりも、今はもっと確認すべき事があるはずだけど」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 08:40:35.35 ID:0P1QtQ6M0
アルミン(ミカサはそう言ってちらりと目を流す)

アルミン(その視線の先を追ったジャンは、ギュッと歯を噛みしめた)




ジャン「…ああ、そうだったな」

ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

ジャン「どういう事なのか… 説明してもらおうじゃねえか」
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 10:11:08.88 ID:0P1QtQ6M0
ライナー「…説明?」

ジャン「とぼけるんじゃねえよ!」

ジャン「元々怪しいと思ってたんだ!
    お前らだけ入団式以前の記憶がないとか言ってたよなぁ!?」




ライナー『改めて説明させてもらうと、こういう事だ』

ライナー『みんなには入団式直前までの記憶があるようだが、
     俺たち2人に限ってはそうじゃなかった』

ライナー『自分の名前と必要最低限の知識…それしか残されていなかった』

ライナー『話を聞いてるうちに思い出してきた部分もあるが、
     それでもぼんやりとしかわからない』

ライナー『ミーナは家族の為に殺人を犯したと言っていた。
     だが俺たちは…家族の名前すら思い出せない』



266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 10:15:19.11 ID:0P1QtQ6M0
ジャン「おまけに、最初にそれを知ったアルミンに
    口止めまでしてたって!?」




アルミン『そうなんだ…僕はてっきり、
     二人は古くからの友人だと思っていたんだけど』

ライナー『…信じられねえのはわかる。
     だから俺たちも言い出せなかった』

ライナー『特に【裏切り者】の存在が示唆された今…
     真っ先に怪しまれるのは俺たちだろうからな』




ベルトルト『…ねえアルミン、
      虫のいい頼みだっていうのは承知してる。だけど…』

アルミン『…わかってる。この件は誰にも言わないよ』

ライナー『…すまねえな』



267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 10:35:33.45 ID:0P1QtQ6M0
ライナー「あの話は嘘じゃない」

ジャン「あぁ!?」

ライナー「俺たちには本当に記憶がなかった」

ライナー「アルミンに口止めをした理由も、あの状況では
     俺たちが真っ先に疑われると思ったからだ」

ライナー「…その事はすでに話しているだろう」

ジャン「あの時とは状況が違うだろうが!お前らは名指しされたんだぞ!?
    お前ら2人が【裏切り者】だって事を!」

ライナー「逆に聞きたいんだが、どうしてモノクマの言う事を
     そう簡単に信じるんだ?」

ライナー「人間が巨人になるなんて…
     突拍子もない話だとは思わないのか?」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 11:10:25.42 ID:0P1QtQ6M0
アニ「…ライナーの言う通りだよ」

ジャン「…!」

アニ「ジャン、もう少し冷静になりなよ」

アニ「あんたがライナー達を疑ってるのって、
   その本を読んだからなんでしょ?」

アニ「でも、そこには…」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/02/25(日) 11:15:27.90 ID:0P1QtQ6M0
ジャン「んな事ぁわかってんだよ!!」

アニ「…!!」

ジャン「オレだってわかってんだよ!
    突拍子もない話だって事くらい!」

ジャン「こんな話を簡単に信じちまってる自分も
    どうかしてるって思ってる!」

ジャン「でもよ… じゃあこれはどう説明するんだ!?」

ジャン「自分の中にあるこの激しい感情は…
    どう説明するっていうんだよ!?」
270 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/02/25(日) 11:20:21.69 ID:0P1QtQ6M0
今日はここまで
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/25(日) 14:53:17.63 ID:H2btFnvz0
このメンバーにミーナが入ってんの違和感ありまくりだな
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 12:40:07.03 ID:rBS2n6Ru0
ジャン「オレがその本で、人間が巨人になる事を知ったとき…」

ジャン「真っ先に浮かんだのは、お前ら2人の顔だった…!」

ライナー「………………」

ベルトルト「………………」

ジャン「何故かはわからねえ… でもよ…」

ジャン「オレの中の“何か”がずっと訴えかけてくるんだよ!
    あいつらはオレたちの…人類の敵だってな!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 12:55:53.15 ID:rBS2n6Ru0
ジャン「なあ… お前らは一体何なんだよ!?」

ジャン「自分たちが巨人である事を隠して、オレたちの仲間ヅラして…」

ジャン「楽しかったか!? 被害者たちの哀れな姿を眺めるのは!」

アニ「ジャン…」

ジャン「わかってんのかよお前ら!? 自分たちが一体何をしたのか!」

ジャン「お前らはな… 最低最悪の大量殺人鬼なんだよ!!」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 14:45:11.14 ID:rBS2n6Ru0
アルミン「ジャン!!」

ジャン「…!!」

アルミン「ジャン… 落ち着いてよ」

アルミン「まだそうと決まったわけじゃないから…」

ジャン「…ッ」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 14:50:51.39 ID:rBS2n6Ru0
ライナー「…潮時だな」

アニ「…!」

ベルトルト「ラ、ライナー…?」

コニー「し、潮時って… どういう事だ?
    自分たちが【裏切り者】だって認めるのか?」

ライナー「そうじゃない。お前たちと行動できるのは
     ここまでって意味だ」

ヒストリア「ど、どういう事…?」

ライナー「俺たちが【裏切り者】であろうがなかろうが、
     そんなのはどうでもいい…」

ライナー「そういう強い疑念が生まれてしまった以上、
     もう今までの関係に戻る事は不可能だろう」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 15:05:07.09 ID:rBS2n6Ru0
ライナー「今後俺たちは、2人だけで行動する。
     お前たちとの接触も必要最低限に留める」

ライナー「…その方が安心だろう」

アニ「ちょっと待ってよ、ライナー。
   それじゃモノクマの思う壺…」

ライナー「わかってる。だが、今はこれが最善だ」

ライナー「このまま俺たちがここにいたら、
     新たな争いの火種になりかねない」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 15:15:07.59 ID:rBS2n6Ru0
ライナー「行くぞ、ベルトルト」

ベルトルト「ラ、ライナー!待ってくれ!」




スタスタスタ




ヒストリア「ちょ、ちょっと待って!」

コニー「お、おい! 本当にそれでいいのかよ!?」

ミカサ「………………」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/04(日) 15:20:04.74 ID:rBS2n6Ru0




スタスタスタ




ライナー「…言っただろう、これが最善だと」

ベルトルト「………………」

ライナー「俺たちは… 俺たちのやり方でケリをつける」
279 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/03/04(日) 15:30:12.35 ID:rBS2n6Ru0
今日はここまで
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/05(月) 19:52:43.03 ID:uZvsAmANo

見てるよ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 01:05:07.42 ID:B0eqyFTh0
アルミン(こうして、ライナーとベルトルトは
     僕たちのもとから去っていった)

アルミン(残された僕たちは、しばらくその場に留まっていたが…)

アルミン(あたりが暗くなり始めると、夕食を摂るために
     食堂へ向かった)




アルミン「………………」

ミカサ「………………」

ジャン「………………」

コニー「………………」

アニ「………………」

ヒストリア「………………」




アルミン(誰も何も話さない)

アルミン(ふと見ると、みんなの顔には
     ひどい疲れの色が表れていた)
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 01:15:28.61 ID:B0eqyFTh0
アルミン(重苦しい食事を済ませた後…)

アルミン(僕たちは大浴場で汗を流し、それぞれの個室へと戻っていった)




アルミン「………………」




アルミン(天井を見ながら思考を巡らせる)

アルミン(僕の中にあったのは、言いようのない不安と混乱と…)

アルミン(とてつもなく大きな疑問)
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 01:30:07.73 ID:B0eqyFTh0
アルミン(あの2人が【裏切り者】だとしたら…)

アルミン(アニは?)




ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
     【女型】が狙われる可能性もある』

ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』

ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』




A 女型の巨人

汎用性に優れた巨人。
高い機動力と持続力に加え、硬質化能力も併せ持つ。
範囲は狭いが『無垢の巨人』を呼び寄せることができる。



284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 01:40:05.54 ID:B0eqyFTh0
アルミン(…とても偶然とは思えない)

アルミン(もし、アニもライナー達の一味だとしたら…)

アルミン(どうしてあの時、モノクマに名指しされなかったんだ…?)




アルミン「………………」




アルミン(人類の仇… 【裏切り者】…)

アルミン(何だろう… 何か引っかかる…)

アルミン(何か…)
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:20:05.68 ID:B0eqyFTh0
◆ モノクマげきじょう ◆




モノクマ「……………」

モノクマ「何見てんだよ。オマエラ…誰だよ」

モノクマ「どうせ「まだコロシアイが起きないのー?」
     「早く誰か死ねよー」とか思ってんだろ?」

モノクマ「まったく、悪趣味だね」

モノクマ「でも、同感だよ」

モノクマ「あー、早く誰か死なないかなー」

モノクマ「ホント、ひとの生き死にって見せ物として最高だよねー」

モノクマ「命をなんだと思ってるって言うヤツもいるけど、
     別に命に価値なんてないんだよ」

モノクマ「どうせ死んだらすぐに忘れられるし、
     代わりなんていくらでもいるしね」

モノクマ「そういう意味ではデスゲームの死人は幸せだと思うよ」
     
モノクマ「死をネタにされるだけでも幸せなんだよ」

モノクマ「うぷぷ…つぎは誰にどんな幸せが訪れるのかな?」

モノクマ「ワックワクのドッキドキだよねー」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/11(日) 10:45:08.10 ID:B0eqyFTh0








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『オマエラ、おはようございます!
     朝です、7時になりました! 起床時間ですよ〜!』

モノクマ『さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』







287 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/03/11(日) 11:00:23.31 ID:B0eqyFTh0
今日はここまで
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/11(日) 16:31:49.96 ID:ZmfeSHcgO
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/12(月) 01:46:43.34 ID:BScS6bADO
あと3ヶ月以内の更新で誰か死にそう
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 16:20:13.97 ID:IzaM8m+h0
CHAPTER 03 

DAY 12




アルミン(翌朝、僕たちは食堂で朝食を摂っていた)

アルミン(同じテーブルにいるのは、コニー、ヒストリア、そしてアニ…)




コニー「…他の奴らはどうした?」モグモグ

ヒストリア「ライナーとベルトルトはともかく…
      ミカサとジャンもいないね」

アニ「…ミカサは訓練でしょ。ジャンは知らないけど」

コニー「訓練か… 今までちょいちょい居なくなってたけど、
    まさかそういう事だったとはなあ…」モグモグ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 16:45:13.47 ID:IzaM8m+h0
ヒストリア「………………」

コニー「………………」モグモグ

ヒストリア「…ねえ」

コニー「…うん?」ゴックン

ヒストリア「大丈夫なのかな、訓練…
      このままだとミカサが1位になっちゃうけど…」

コニー「別にいいんじゃねーか? 結局【裏切り者】は
    ライナーとベルトルトって事になったんだし…」

コニー「【裏切り者】が1位を取る心配が無くなったんだから、
    むしろ俺は安心してるけどな」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 16:50:16.22 ID:IzaM8m+h0
アニ「…本当にそう思ってるの?」

コニー「…え?」

アニ「本当に… あいつら2人が【裏切り者】だと思ってるの?」

コニー「ど、どういう意味だよ…
    だって、モノクマがそう言ってたじゃねーか」

アニ「ライナーも言ってたけど、どうしてモノクマの言う事を
   そう簡単に信じるの?」

アニ「これはどう考えても、私たちにコロシアイをさせるための口実…」

アニ「つまりは動機だよ」

コニー「………………」

アニ「あいつの口車に乗せられてどうするのさ…」
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 17:00:02.93 ID:IzaM8m+h0
アルミン「………………」

ヒストリア「…アルミン、どうしたの?
      さっきから黙り込んでるけど…」

アルミン「………………」

アルミン「…やっぱりおかしいよ」

ヒストリア「…え?」

アルミン「昨日からずっと考えていたんだ…
     どうしてモノクマは【裏切り者】の正体を明かしたんだろうって」

ヒストリア「それは… 今アニが言ったように、
      私たちにコロシアイをさせるためじゃ…」

アルミン「もちろんそれはあるだろうけど、
     それでも腑に落ちない点がいくつかあるんだ」
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 17:15:30.32 ID:IzaM8m+h0
アルミン「まず、ライナーとベルトルトが
     本当に【裏切り者】だったとして…」

アルミン「それをあの場で明かす意味って、
     あんまりないと思うんだよね」

アルミン「だって、正体を明かしちゃったら…
     もう【裏切り者】としては機能しなくなっちゃうから」

ヒストリア「だから、それはコロシアイを…」

アルミン「僕たちにコロシアイをさせるためだったら、
     正直に【裏切り者】を明かす必要はないんだよ」

アルミン「僕がモノクマだったら、全く別の人物の名前を言うと思う」

アルミン「真の【裏切り者】の正体は言わずに…」
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 17:20:09.47 ID:IzaM8m+h0
ヒストリア「…えっ?」

コニー「…?」

アニ「………………」

アルミン「………………」

ヒストリア「そ、それってつまり…」
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/18(日) 17:25:03.69 ID:IzaM8m+h0








ヒストリア「あの2人以外に真の【裏切り者】がいるってこと…?」







297 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/03/18(日) 17:30:10.39 ID:IzaM8m+h0
今日はここまで
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 16:25:17.46 ID:CvI3+c0k0
アルミン「…そう考えればしっくりくるんだ」

アルミン「そもそも、【裏切り者】っていうのは
     モノクマ側の人間を指すんだろうけど…」

アルミン「あの2人は… モノクマと
     敵対しているようにしか見えなかった」

アニ「………………」

アルミン「つまり、ライナーとベルトルトは
     【裏切り者】なんかじゃなくて…」

アルミン「【裏切り者】の濡れ衣を
     着せられただけなんじゃないかな」

アルミン「真の【裏切り者】の存在を隠すために…」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 16:45:07.77 ID:CvI3+c0k0
コニー「…? え、えーっと…」

アルミン「…モノクマにとっては一石二鳥の作戦だよ」

アルミン「真の【裏切り者】の存在を
     僕らの目から遠ざけられる上に…」

アルミン「僕たちを疑心暗鬼にさせ、仲間割れさせる事で、
     コロシアイが起きやすい状況を作り上げる…」

アルミン「…今の状況のようにね」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 16:50:09.46 ID:CvI3+c0k0
ヒストリア「そ、そんな… それじゃあ、私たちは…」

ヒストリア「まんまとモノクマの策略に乗せられてたって事…?」

アニ「…だから、最初からそう言ってるでしょ」

アニ「あんなに凝った小道具まで作って…
   本当に悪趣味なやつだよ」

コニー「こ、小道具…?」

アニ「どこかの誰かが大騒ぎしてた例の本さ」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:00:11.61 ID:CvI3+c0k0








九つの巨人







302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:05:25.60 ID:CvI3+c0k0
コニー「ま、まさか… あれもモノクマが仕組んだってのか?」

アニ「…他に誰がやるのさ」

コニー「…!!」

アニ「あんなデタラメを真に受けた誰かさんが
   大声で喚き散らしたおかげで…」

アニ「何の関係もないライナーとベルトルトは
   私たちから孤立してしまった」

アルミン「………………」

アニ「まったく… もう少し冷静に考えて行動してほしいね」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:15:20.35 ID:CvI3+c0k0
カチャ




アニ「…ごちそうさま」

コニー「ん? まだ半分くらい残ってるじゃねえか」

アニ「あんまりお腹減ってなくて」

ヒストリア「大丈夫?」

アニ「いつものことだよ。私、朝は弱いから」

アルミン「………………」

アニ「じゃあね」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:30:04.07 ID:CvI3+c0k0
― 訓練所 ―




アルミン「アニ!」

アニ「…アルミン?」

アルミン「はあ……はあ……」

アニ「どうしたの? まだ朝食食べてたでしょ?」

アルミン「…追いかけてきたんだ、アニを」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:40:06.00 ID:CvI3+c0k0
アルミン「これからどこに行くの?」

アニ「ライナーとベルトルトのところだよ。
   無茶してないか心配だからね」

アルミン「………………」

アニ「…何? 何か言いたそうな顔だけど」

アルミン「…いや、別に」

アニ「…まあいいや。私もあんたに聞きたい事があったんだよね」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:45:06.77 ID:CvI3+c0k0
アルミン「…聞きたい事?」

アニ「さっき食堂でしてた話だけど…
   あんた、肝心な事を話してなかったよね」

アルミン「…え?」

アニ「真の【裏切り者】は誰なのか…って事だよ」

アルミン「………………」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 17:55:14.00 ID:CvI3+c0k0
アニ「もし、あんたの言う通り、ライナーとベルトルトが
   【裏切り者】の汚名を着せられただけで…」

アニ「真の【裏切り者】が他にいるとしたら…
   それは誰だと思ってるの?」

アルミン「………………」

アニ「何の考えも無しに、あんな話をした訳じゃないんでしょ?」

アルミン「………………」

アルミン「真の【裏切り者】は…」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/03/25(日) 18:00:07.44 ID:CvI3+c0k0








アルミン「アニじゃないかと思ってる」







309 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/03/25(日) 18:05:10.86 ID:CvI3+c0k0
今日はここまで
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 18:10:51.94 ID:leX2aVlSo


やっぱり怪しいよね…
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 06:50:06.06 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」

アニ「…私?」

アルミン「………………」

アニ「私が真の【裏切り者】だって… そう言ってるの?」

アニ「私がモノクマと通じてるって…?」

アルミン「…うん」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 06:55:06.57 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」

アニ「…あはっ」

アニ「あはははははははははははははははっ!!」

アルミン「…!?」

アニ「すごいねアルミン… あんたって奴は」

アニ「まさかここまでとは思わなかったよ…」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 07:00:08.94 ID:lauY8/fN0
アルミン「アニ、それじゃあ…」

アニ「まったく… 傷つくよ」

アルミン「…!」

アニ「一体… いつから」

アニ「アルミン… あんたは私を
   そんな目で見るようになったの?」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 07:05:06.81 ID:lauY8/fN0
アルミン「……3日前の夜」

アニ「…え?」

アルミン「見たんだ、僕…」

アルミン「君が、ライナーとベルトルトと…」

アルミン「訓練所の隅で話しているのを…」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 07:10:07.75 ID:lauY8/fN0




ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
     【女型】が狙われる可能性もある』

ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』

ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』



316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 07:15:28.80 ID:lauY8/fN0
アニ「………………」

アニ「…そう、あれを聞いたんだ」

アルミン「…うん」

アニ「………………」

アルミン「安心して。この事はまだ誰にも話してないから」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 09:55:09.24 ID:lauY8/fN0
アニ「…それで、望みは何?」

アルミン「…え?」

アニ「私を脅しに来たんでしょ? 何をしてほしいの?」

アルミン「いや、そういう訳じゃなくて…」

アニ「じゃあ、この場でその話を打ち明けた理由は何?」

アルミン「それは…」

アニ「………………」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:05:27.46 ID:lauY8/fN0
ガッ




アルミン「…!!」

アニ「あんたさぁ… 一体どういうつもり?」

アニ「あの場面を盗み見て、私を脅すでもなく
   ノコノコとこの場にやって来て…」

アニ「馬鹿なの? 口封じに殺されるとは思わなかった?」

アルミン「ア、アニは… そんな事しないだろ…!」

アニ「あんたに私の何がわかるの?
   出会って10日くらいしか経ってないのに…」

アニ「私がそんなに良い人に見えた?」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:15:14.70 ID:lauY8/fN0
アルミン「い、良い人…?」

アルミン「そ、その言い方は… あまり好きじゃない…」

アニ「…え?」

アルミン「だって、それって…」

アルミン「自分にとって都合の良い人のことを…
     そう呼んでいるだけじゃないか…!」

アニ「…っ!」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:20:26.92 ID:lauY8/fN0




アルミン『良い人か…』

アルミン『それは… その言い方は僕はあまり好きじゃないんだ』

アルミン『だってそれって… 自分にとって都合の良い人のことを
     そう呼んでいるだけのような気がするから』

アニ『……』

アルミン『すべての人にとって都合の良い人なんていないと思う』

アルミン『誰かの役に立っても他の誰かにとっては
     悪い人になっているかもしれないし…』

アルミン『だから… アニがこの話に乗ってくれなかったら…』



321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:25:30.29 ID:lauY8/fN0








アルミン『アニは僕にとって悪い人になるね…』







322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:30:18.70 ID:lauY8/fN0
ドサッ




アルミン「うっ… ゲホッ! ゲホッ!」

アニ「………………」

アルミン「アニ… 僕はただ…」

アルミン「君の力になりたいだけなんだ…」

アルミン「良い人でも悪い人でもなく… 1人の仲間として…」

アニ「………………」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:35:09.95 ID:lauY8/fN0
アニ「……もう少し早く言ってほしかったよ」

アルミン「…え?」

アニ「…何でもない」

アニ「とにかく、アルミン… あんたの気持ちはよくわかった」

アニ「だけど、これはあくまで私たちの問題だから…
   あんたの力を借りるわけにはいかない」

アニ「気持ちだけ受け取っておくよ」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:40:28.53 ID:lauY8/fN0
ギュッ…




アルミン「…!? ちょ、ちょっ… アニ…!?」

アニ「――――――」

アルミン「…!!」

アニ「アルミン… おかげで少し気が楽になったよ」

アニ「ありがとう…」

アルミン「う、うん…」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/01(日) 10:45:10.70 ID:lauY8/fN0
バッ




アニ「………………」

アルミン「………………」

アニ「…ごめんね、急に抱き着いたりして」

アルミン「い、いや、別に…」

アニ「じゃあ、また」
326 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/04/01(日) 10:50:03.92 ID:lauY8/fN0
今日はここまで
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 11:04:55.96 ID:aIjt0sYaO

328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 23:16:53.59 ID:aHHqD6TMo
アニは記憶あるのかな?
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:05:22.81 ID:fdspCi7l0
― 大浴場 ―




アニ「…来たね」

アルミン「………………」

アニ「尾けられてない?」

アルミン「大丈夫…だと思う」

アニ「…そう」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:10:11.79 ID:fdspCi7l0
アルミン(アニと訓練所で別れた後、僕は大浴場に来ていた)

アルミン(彼女と再び話をするために…)




アニ『1時間後に大浴場に来て。そこで全て話す』




アルミン(訓練所で僕に抱き着いたアニは、耳元でそう囁いた)

アルミン(僕はその言葉を信じて、アニに従ったのだ)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:15:14.30 ID:fdspCi7l0
アルミン「…でも、どうして場所を変えたの?」

アニ「あそこだと誰の目があるかわからないからね。
   誰かさんにも秘密の会話を聞かれたし」

アルミン「だからって、なんで大浴場に…」

アニ「この時間に風呂に入るやつなんていないでしょ」

アルミン「………………」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:20:24.19 ID:fdspCi7l0
アニ「…さて、本題に入ろうか」




アルミン(アニはそう言うと、ゆっくりと歩み寄ってきた)

アルミン(下を向いて息を吐き、意を決したように僕の目をのぞき込む)




アニ「…はじめに聞かせてほしいんだけど」

アルミン「…?」

アニ「訓練所であんたが言った言葉… あれは本心?」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:25:26.05 ID:fdspCi7l0




アルミン『アニ… 僕はただ…』

アルミン『君の力になりたいだけなんだ…』

アルミン『良い人でも悪い人でもなく… 1人の仲間として…』




アルミン「…うん、本心だよ」

アニ「本当に私の力になってくれるの?」

アルミン「うん」

アニ「これから私が打ち明ける話を聞いても?」

アルミン「それは…」

アニ「………………」

アルミン「…話の内容によるかな」

アニ「…それもそうだね」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:30:10.37 ID:fdspCi7l0
アルミン(アニは少しだけ笑って下を向いた)




アニ「………………」




アルミン(それからしばらく、アニは何も話さなかった)

アルミン(伏目になり、髪を耳にかける動作を何回も繰り返している)




アルミン「………………」




アルミン(僕はただ黙って、アニの言葉を待った)
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:35:25.08 ID:fdspCi7l0
アニ「………………」

アニ「…結論から言うね」

アルミン「………………」

アニ「結論から言うと… 
   あんたの予想は半分当たってて、半分外れてる」

アルミン「半分…?」

アニ「当たってる方の半分は… あんたが盗み聞きした会話のこと」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:40:12.98 ID:fdspCi7l0




ライナー『最悪の場合、俺の【鎧】やお前らの【超大型】、
     【女型】が狙われる可能性もある』

ライナー『いいか、絶対に気を抜くなよ?』

ライナー『いざとなれば…巨人化して対抗することも考えておけ』



337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/08(日) 06:45:09.12 ID:fdspCi7l0
アルミン「それじゃあ…!」

アニ「…そう」

アニ「私の正体は女型の巨人…」

アニ「ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…」

アニ「大勢の人たちの命を奪った」
338 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/04/08(日) 06:50:18.83 ID:fdspCi7l0
今日はここまで
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 16:03:27.34 ID:+jBOmzRqO

340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/15(日) 09:10:04.68 ID:v2mDp9T10
アルミン「…!!」

アニ「………………」

アルミン「『ライナーとベルトルトと一緒に』って事は…」

アニ「…そう、ライナーは鎧の巨人で、ベルトルトは超大型巨人」

アニ「だから、モノクマの言っている事は事実なんだ」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/15(日) 09:30:09.61 ID:v2mDp9T10
アルミン「だ、だけど… あの時の襲撃に女型の巨人なんて…」

アニ「…忘れた? あの本に書かれていた女型の巨人の説明」




A 女型の巨人

汎用性に優れた巨人。
高い機動力と持続力に加え、硬質化能力も併せ持つ。
範囲は狭いが『無垢の巨人』を呼び寄せることができる。




アニ「女型の巨人は『無垢の巨人』…
   つまり九つの巨人以外の巨人たちを呼び寄せることができる」

アニ「私はその能力を使って、島の巨人たちを引き付けながら
   壁に近づいた」

アニ「そして壁に到達すると… ライナーとベルトルトが
   壁を破壊して、その騒動に紛れる形で壁内に潜入した」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/15(日) 10:40:36.05 ID:v2mDp9T10
アルミン「じゃあ、あの本に書かれている内容も…」

アニ「事実さ。少なくとも、私の知見とは【完全に一致してる】」

アルミン「それなら、僕たちは…」

アニ「パラディ島に逃れたエルディア人の子孫さ」

アニ「そして、私たち3人は、その中に潜む【始祖の巨人】を
   奪還するために送り込まれたマーレという国の戦士…」

アニ「…大陸側に残ったエルディア人の末裔なんだよ」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/15(日) 10:55:19.47 ID:v2mDp9T10
アルミン「………………」

アニ「…あの本はどこまで読んだの?」

アルミン「大体は目を通したよ」

アルミン「だから、エルディアとかマーレとかパラディ島とか…
     それらの名前が何を指しているかくらいはわかってる」

アルミン「アニたちが【始祖の巨人】を取り戻そうとしている理由も、
     巨人の力を所有するマーレの国力を確固たるものにするため…だよね」

アニ「…すごいね、アルミン。ただでさえ突飛な内容なのに、
   もうそこまで読み取ったの?」

アルミン「うん… でも、何ていうか… 現実味がないんだよね」

アルミン「まるで、おとぎ話を読んでいるみたいで…」
344 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/04/15(日) 11:05:03.25 ID:v2mDp9T10
今日はここまで
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 16:15:07.71 ID:5y9KKBTao
焦らされてる……
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/16(月) 23:56:16.41 ID:aGk0ZiF50

モノクマ側の裏切り者っているのか?
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 08:10:37.89 ID:1qsJDujk0
アニ「……現実味がない、か」

アルミン「…え?」

アニ「…いや、無理もないよ」

アニ「結局、私たちは箱の中の猫だからね。
   箱を開けてみなければ、その中の猫の生死はわからない」

アニ「…いや、もしかすると、はじめから
   箱の中に猫なんていないのかもしれない」

アニ「それがわかるのは、箱を開けた人間だけ…」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 08:20:16.32 ID:1qsJDujk0
アルミン「…アニ?」

アニ「…ああ、ごめん。話が逸れたね」

アルミン「………………」

アニ「とにかく… 今の私に言えるのはこれだけだよ」

アニ「あの本の内容は真実で、私たち3人の正体は巨人…」

アニ「あんたらは、かつてフリッツ王と共にパラディ島へと逃れた
   エルディア人の子孫で、世界中の憎まれ者…」

アニ「私たちは、フリッツ王と袂を分かち、かつてエルディア人が犯した
   罪を償うためにマーレに残ったエルディア人の末裔…」

アニ「私たち3人は、その贖罪の一環として
   【始祖の巨人】を取り戻すために送り込まれたマーレの戦士…」
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 08:25:43.20 ID:1qsJDujk0
アニ「…わかる? あんたらにとっては
   私たちが【裏切り者】に見えるだろうけど…」

アニ「私たちにとっては… あんたらこそが【裏切り者】なんだよ。
   少なくとも、私たちは大人からそう教わった」

アニ「立場によって誰が【裏切り者】なのかは変わるんだ」

アニ「…それだけは忘れないで」

アルミン「………………」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 08:40:28.00 ID:1qsJDujk0
アニ「…でも、立場の是非について
   今ここで議論するつもりはないよ」

アニ「今はもっと話さなきゃいけない事がある…」

アニ「私たちにとっても、あんたらにとっても…
   想定外の事が起きているからね」

アルミン「…それって、ここでの生活のこと?」

アニ「…そう。その事に関しては、私たちもあんたらも状況は同じ」

アニ「同じ入団式で急に意識を失って、
   気が付いたらこの施設に閉じ込めれていて…」

アニ「モノクマを名乗る何者かに殺し合いを強要されている」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 09:10:22.46 ID:1qsJDujk0
アニ「…これが外れてる方の半分」

アニ「私がモノクマと通じてるっていう、あんたの予想」

アルミン「………………」

アニ「私は真の【裏切り者】なんかじゃない」

アニ「あんたらと同じ… この監禁事件の被害者なんだよ」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 09:15:41.15 ID:1qsJDujk0
アルミン「でも、それならどうして…
     アニはモノクマに名指しされなかったの?」

アルミン「君もあの2人と同じなのにどうして…」








モノクマ『ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーです』







353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 09:40:12.61 ID:1qsJDujk0
アニ「おそらくだけど… あいつは
   私たち3人の仲間割れを狙ったんだと思う」

アルミン「えっ…?」

アニ「今あんたが言ったことは、
   ライナーとベルトルトも感じていたんじゃないか…ってね」

アニ「あの2人から直接聞いたり言われたりした訳じゃないけど…」

アニ「…あの一件以来、どうにも避けられているような気がするんだ」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 12:25:15.49 ID:1qsJDujk0
アルミン「避けられているって… アニが?
     ライナーとベルトルトに?」

アニ「…そう」

アニ「あんたが覗き見したあの日から… 私たちは毎晩、
   こっそり集まって話し合いをしていたんだ」

アニ「…まあ、毎晩と言ってもまだ2回しかやってないけどね」

アニ「昨日の夜に3回目をやるはずだったんだけど…
   私にはお声が掛からなかったんだ」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 12:40:24.44 ID:1qsJDujk0
アニ「モノクマがあいつらを【裏切り者】として
   名指ししたのが昨日…」

アニ「…私には、あの一件で
   あいつらの心境に変化が生じたとしか思えない」

アニ「“なぜ自分たちだけが名指しされて、
   同じ『九つの巨人』を持つアニの名が呼ばれなかったのか…”」

アニ「“もしかして、アニはモノクマと通じているんじゃないか…”」

アニ「…そんな疑念を抱いたとしか思えないんだ」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 12:45:08.99 ID:1qsJDujk0
アルミン「つまり、モノクマのあの発表は、
     ライナーたちと僕らの仲を切り裂く事だけが目的じゃなくて…」

アルミン「ライナーたちの間でも
     仲間割れを起こさせるのが目的だった…っていう事?」

アニ「…私にはそうとしか考えられない」

アニ「悔しいけど… 完全にやられたよ」

アニ「おかげでライナーとベルトルトは孤立して、
   私もライナーたちやあんたから疑念の目を向けられた」

アニ「コロシアイが起きやすい状況を作るという
   あいつの策略にまんまとハマってしまったんだ」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 12:55:51.63 ID:1qsJDujk0
アルミン「コロシアイ…」

アルミン「コロシアイが… 起きやすい状況…」








エレン『おい…ミーナ…』




ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』




ユミル『……ウ……ァ……』




サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん〜〜〜〜!!!!』








アルミン「そんなの駄目だ…!」

アルミン「あんな悲劇は… もう…!」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 13:00:52.86 ID:1qsJDujk0
アニ「…アルミン、私に力を貸してほしい」

アルミン「アニ…」

アニ「私たち3人がやったこと…
   あんたにも思うところはあると思う」

アニ「私たちの立場、あんたらの立場…
   ここで語り尽くせない思いはお互いにある」

アニ「だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい」

アニ「目の前の脅威からみんなを守るために…」

アルミン「………………」

アニ「アルミン… どうか私に力を貸して」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 13:05:31.96 ID:1qsJDujk0
アルミン「………………」

アルミン「…わかった」

アニ「…!」

アルミン「力を貸すよ。断る理由があるもんか」

アニ「アルミン…」

アニ「…ありがとう」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/22(日) 13:10:15.92 ID:1qsJDujk0
アルミン「…それで、これからどうする?」

アニ「うん… まずはあの2人に会いに行こう」

アルミン「あの2人って…」

アニ「ライナーとベルトルトさ」

アニ「この状況を打ち破るには… あいつらの力も必要だからね」
361 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/04/22(日) 13:15:06.08 ID:1qsJDujk0
今日はここまで
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/24(火) 20:54:16.59 ID:eBjLdKmFo
アルミンは賢いなぁ
これがエレンならこうはいかなかっただろう
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:20:23.23 ID:bT3kFqUr0
― 研究開発所 ―




アルミン(僕たちがやって来たのは、
     今回新しく開放された建物だった)




ヒストリア『色んな部品や機械が置いてあって…
      作業場…? いや、研究開発所みたいな…』

アルミン『何かを作る場所ってこと?』

ヒストリア『うん、そんな感じかな。
      作りかけの装置なんかも結構あったから』




アルミン(ヒストリアが言っていたように、
     中にはおびただしい数の機械や装置類があった)

アルミン(見覚えのあるものから、まったく使い途のわからないものまで、
     様々な物体がごちゃまぜになって散乱している)
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:25:13.70 ID:bT3kFqUr0
アニ「…ここにはいないね」

アルミン「あれ? 2人がいる場所は知らないの?」

アニ「言ったでしょ。避けられてるって」

アニ「モノクマのあの発表以来、
   私とあの2人は行動を別にしているんだよ」

アニ「まったく、どこで何をしているやら…」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:30:14.54 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…アニ、1つ聞いてもいいかな?」

アニ「ん?」

アルミン「アニはさ… 入団式以前の記憶はあったの?」

アニ「…入団式以前の記憶?」

アルミン「ほら、ライナーとベルトルトは
     入団式直前までの記憶がないって言ってたじゃないか」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:40:17.19 ID:bT3kFqUr0




ライナー『改めて説明させてもらうと、こういう事だ』

ライナー『みんなには入団式直前までの記憶があるようだが、
     俺たち2人に限ってはそうじゃなかった』

ライナー『自分の名前と必要最低限の知識…それしか残されていなかった』

ライナー『話を聞いてるうちに思い出してきた部分もあるが、
     それでもぼんやりとしかわからない』

ライナー『ミーナは家族の為に殺人を犯したと言っていた。
     だが俺たちは…家族の名前すら思い出せない』



367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:45:09.67 ID:bT3kFqUr0
アニ「…ああ、あれね」

アルミン「うん、つまり…」

アニ「つまり、あの2人の言っている事が本当なら、
   あいつらの一味である私も同じ状態だったんじゃないか…」

アニ「あんたが聞きたいのは、そういう事?」

アルミン「…うん」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 06:50:13.59 ID:bT3kFqUr0
アニ「結論から言うと… 私は違うよ」

アルミン「…え?」

アニ「私には最初から入団式以前の記憶があった…
   あいつらと違ってね」

アルミン「『あいつらと違って』って…
     じゃあ、あの2人の言ってる事は…」

アニ「本当だよ。あいつらには本当に
   入団式より前の記憶が無かったんだ」

アニ「ここでの生活が始まったばかりの頃、私はこっそり
   あの2人に巨人の話を持ち掛けた事があるんだけど…」

アニ「…2人とも、何の話かわからないって様子だったからね」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/29(日) 06:55:21.81 ID:bT3kFqUr0
アルミン「それじゃあ、あの2人は…
     途中でその記憶を取り戻したって事?」

アニ「そう言ってたよ。具体的には、
   【ユミルの事件のすぐ後】にね」

アルミン「【ユミルの事件のすぐ後】って…」

アニ「そう… あんたがちょうど
   私たちの密会を盗み見た頃さ」

アニ「あいつらは記憶を取り戻して、自分たちの使命を
   思い出した事で、私にも召集をかけたんだ」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:00:43.59 ID:bT3kFqUr0
アルミン「【ユミルの事件のすぐ後】に、
     2人の記憶がそろって戻った…?」

アルミン「………………」

アニ「…まあ、ここであれこれ考えるより、
   詳しい話は本人たちから直接聞けばいいんじゃない?」
   
アニ「どうせこれから会うんだし」

アルミン「…ああ、それもそうだね」

アニ「じゃあ、このまま他の場所も回ってみようか」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:10:16.92 ID:bT3kFqUr0
アルミン(その後、僕たちは施設内の建物を見て回った)

アルミン(食堂、倉庫、書庫、ライブハウス…)

アルミン(しかし、確認した建物のいずれにも…)

アルミン(ライナーとベルトルトの姿はなかった)
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:35:48.41 ID:bT3kFqUr0
― 訓練所 ―




アルミン「うーん… どこにもいないね…」

アニ「………………」

アルミン「2人ともどこに行ったのかな…」

アルミン「まだ確認してない場所もあるけど…」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:40:16.50 ID:bT3kFqUr0
アニ「…どこにもいないというより」

アニ「誰もいないね」

アルミン「…え?」

アニ「ライナーとベルトルト以外の連中の姿も見えないよ」

アニ「これじゃまるで…
   私とあんたの2人しかいないみたいだ」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:45:14.08 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…まあ、この施設ってかなり広いからね」

アルミン「こんな巨大な空間にたったの8人しかいないんだから…
     ばったり出くわす確率の方が低いよね」

アニ「………………」

アルミン「こうなったらもう、全部探してみるしか…」




ポタッ
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:50:22.17 ID:bT3kFqUr0
アルミン「…え?」




ポタッ




アニ「…雨?」




ポタポタッ
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/04/29(日) 07:55:14.15 ID:bT3kFqUr0
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア




アルミン「えぇ!? あ、雨!?」

アニ「…!?」




ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア




アルミン「し、しかも、すごい土砂降りだよ!」

アニ「くっ… とりあえず、近くの建物に避難するよ!」
377 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/04/29(日) 08:05:11.48 ID:bT3kFqUr0
今日はここまで
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/29(日) 12:53:16.95 ID:HAe5aiP30
血が垂れたのかと思ったらガチ雨か
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 00:24:56.83 ID:53n0HwVJo
血が垂れたのかと思って、全員死んだかと思ってビビったじゃねぇか……
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 01:13:59.70 ID:bJxf3rL6O
しかし不穏な気配
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/30(月) 21:33:28.82 ID:z3jATamu0
>>362
アルミン唯一の長所だからな
伊達にエレンの取り巻きやってない
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 07:30:06.61 ID:0yOF2WY+0
― 寄宿舎 ―




アルミン(大雨から逃げるように、僕たちは
     一番近くにあった建物に駆け込んだ)




アルミン「ハァ…ハァ…」

アニ「………………」




アルミン(たった10秒ほど走っただけなのに、
     僕もアニも全身がずぶ濡れになっていた)

アルミン(髪は水気を吸って顔に張り付き、
     足元には大きな水溜まりが広がっている)
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 07:45:24.67 ID:0yOF2WY+0
コニー「…どうしたんだ、お前ら?」

アルミン「…! コニー!」

コニー「お、おいおい… 全身びしょ濡れじゃねえか!
    ちょっと待ってろ、拭くもの持ってくるから…」




アルミン(コニーはそう言うなり、大浴場から
     2人分のタオルを持ってきてくれた)




アニ「…ありがとう、助かったよ」

コニー「一体何があったんだ?
    まるで大雨にでも当たったみたいじゃねえか」

アルミン「…その通りだよ」

コニー「…え?」

アルミン「突然、雨が降り始めたんだ…
     ほんの、ついさっき…」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 07:50:12.10 ID:0yOF2WY+0
コニー「あ、雨って… この施設内でか?」




アルミン(信じられぬという顔で、
     コニーが僕たちの後ろの扉を開ける)

アルミン(そして、外の様子を一瞥するなり… すぐに閉めた)




コニー「…マジだ。雨が降ってる」

アニ「だから、そう言ってるでしょ」

コニー「い、いや、でもよ… なんでいきなり…」
    
コニー「つーか、どうやって降らせてんだ?
    ここって一応、屋内… なんだよな?」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 07:55:41.30 ID:0yOF2WY+0
アルミン「それ自体は不思議な事じゃないよ」

コニー「…え?」

アルミン「以前モノクマが言っていたように、
     ここの天井には光を調整して発する機構があるんだ」

アルミン「溜めた水を雨のように降らせる事だってできるかもしれない」




アルミン⦅この施設にも昼と夜がある⦆

アルミン⦅数十メートル上にある天井の照明で光量を調整し、
     外の時間帯をリアルに再現する…⦆

アルミン⦅…というのがモノクマの説明だった⦆
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 08:00:13.23 ID:0yOF2WY+0
コニー「マジかよ… そんな事できんのか」

アニ「まあ、モノクマならそれくらいやっても驚かないね」

アルミン「うん…」




アルミン(だけど… 何だ?)

アルミン(このモヤモヤした感じ…)

アルミン(何か引っかかる…)
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 08:05:29.34 ID:0yOF2WY+0
コニー「それよりもお前ら、風呂入ってきたらどうだ?」

コニー「服は相変わらずびしょ濡れだし、そのままだと風邪引くぞ」

アニ「ああ、そうさせてもらうよ。
   アルミン、先に入ってもいい?」

アルミン「えっ… ああ、うん」

コニー「はあ、早く止んでくれるといいけどな…
    これじゃあ、飯食いに食堂にも行けねーぞ」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 08:10:39.45 ID:0yOF2WY+0
アルミン(その後、僕とアニは交代で風呂に入って体を温めた)

アルミン(しかし、突然降りだした雨は一向に止む気配がなく…)

アルミン(食堂へ行けなくなった僕たちは、コニーが部屋に持ち込んでいた
     【詰め合わせスペシャル】を分け合って食べた)

アルミン(そして、そのまま部屋で談笑しているうちに一日が終わり…)

アルミン(僕は自室へ戻ってベッドに横になった)
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/06(日) 08:15:30.90 ID:0yOF2WY+0
ザアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア




アルミン(かすかに聞こえる大雨のノイズ)

アルミン(暗い部屋の中、僕はその音にじっと耳を傾けながら
     静かに目を閉じた)




アルミン「………………」




アルミン(少しずつやって来る睡魔)

アルミン(まどろみの中で、僕は確かに感じていた)

アルミン(胸の内で不安が渦巻いているのを…)
390 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/05/06(日) 08:20:16.16 ID:0yOF2WY+0
今日はここまで
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 06:20:40.82 ID:CnL0JfM80
◆ モノクマげきじょう ◆




モノクマ「…落ち着いて聞いてくれ。
     焦ってはいかん」

モノクマ「なぁに、キミがこのモノクマ劇場を見ている時点で、
     すべてはもう手遅れなんだ」

モノクマ「キミらのような若い者にはわからんかもしれんが、
     ボクのような綿100%のマスコットにとっての希望は…」

モノクマ「コロシアイをしてでも生き残りたいと、
     希望に燃える若者がいることなんだ」

モノクマ「もし、それが失われることがあれば、
     これほど絶望的なことはないよ…」

モノクマ「愛する生徒のみんなが…人類の希望の担い手が…」

モノクマ「裏切りあい、騙し合い、殺し合う様を思うだけで…」

モノクマ「ボクは…悲しくて悲しくて…」

モノクマ「血と涙を流し、希望に歪むみんなの顔が、
     見たくて見たくて…」

モノクマ「………………」

モノクマ「つい。やってしまったよ」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 07:00:09.66 ID:CnL0JfM80








「キーン、コーン… カーン、コーン」




モノクマ『オマエラ、おはようございます!
     朝です、7時になりました! 起床時間ですよ〜!』

モノクマ『さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』







393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 07:05:24.73 ID:CnL0JfM80
CHAPTER 03 

DAY 13




アルミン(朝か…)




アルミン「………………」




アルミン(なんだか体が重い…)

アルミン(でも、とりあえず起きなきゃ…)
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 07:15:14.27 ID:CnL0JfM80








ド ゴ ー ー ー ー ー ー ー ー ン ! !







395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 07:20:30.41 ID:CnL0JfM80
アルミン「!?」




アルミン(な、なんだ…!?)

アルミン(何かが爆発したような轟音が…)




ミシミシッ…




アルミン(かなり近くだ…!)

アルミン(みんなは…!?)
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 08:20:26.17 ID:CnL0JfM80
― 寄宿舎 ―




アニ「アルミン!」

アルミン「アニ! 今のは!?」

アニ「寄宿舎の外で爆発があったんだ。
   今、ミカサが現場を見に行ってる」

アルミン「…!!」

アニ「私たちも行こう」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 08:30:41.19 ID:CnL0JfM80
― 爆発現場(寄宿舎の外) ―




アルミン「ミカサ!」

ミカサ「アルミン…」

アルミン「…!! こ、これは…」

ミカサ「…見ての通り。ここで何かが爆発した」
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 08:45:26.45 ID:CnL0JfM80
アルミン(僕たちがミカサを見つけたのは、
     寄宿舎を出てすぐの場所だった)

アルミン(ミカサの隣には、大きく抉られて
     穴の開いた地面が広がっている)




ミカサ「おそらく、爆発物は地面の中に
    仕込まれてあったのだと思う」

アルミン「地面の中…?」

ミカサ「昨日の大雨で地面がぬかるんでいたせいで、
    爆発時にこんなに大きな穴ができた…」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 09:30:13.32 ID:CnL0JfM80
アルミン(僕は自分の足元を見た)

アルミン(雨は一晩のうちに上がっていたようだが、
     水を吸った地面は足跡をくっきり残すほどぬかるんでいる)




アルミン「………………」




アルミン(この大穴が爆発によってできたものだとしても…)

アルミン(どうして、爆発物を地面に…)
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 10:00:08.08 ID:CnL0JfM80
アニ「アルミン、あれ…」

アルミン「ん?」




アルミン(僕はアニの指し示す先を見る)

アルミン(そこには、地面の穴から一筋の足跡が
     ある方向に向かって続いていた)




アルミン「…足跡?」

ミカサ「それは私も気になっていた。
    まるで、この穴から誰かが這い出たように…」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 10:05:42.90 ID:CnL0JfM80
ジャン「お前ら!」

アルミン「ジャン!」

ジャン「な、何だよこれは… どうなってんだ!?」

アニ「さっきここで爆発があったんだ。
   こんな風に、地面が大きく抉れるくらいにね」

ジャン「爆発って…!」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 10:10:23.82 ID:CnL0JfM80








ド ゴ ー ー ー ー ー ー ー ー ン ! !








403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 10:15:18.03 ID:CnL0JfM80
アルミン「!?」

アニ「!?」

ミカサ「…!!」

ジャン「なっ…! ま、また爆発か!?」




ミシミシッ…




ミカサ「この方向は…」

アニ「あの足跡が続く先…!」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/13(日) 10:25:05.69 ID:CnL0JfM80
アニ「確かめに行くよ!」

アルミン「アニ!」

アニ「嫌な予感がする… 早く行かないと!」

アルミン「危険だよ! それに、他のみんなは!?」




ミシミシッ…




ジャン「…こうなったらどこにいても危険は同じだ」

ジャン「オレは寄宿舎に残って他の奴らの安否を確かめる!
    お前らは先に今の爆発を確かめて来てくれ!」

アルミン「ジャン!」

ジャン「いいから早く行け!」
405 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/05/13(日) 10:30:08.46 ID:CnL0JfM80
今日はここまで
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/13(日) 14:25:13.62 ID:POQjpe2t0
ジャンが怪しい……
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 08:25:26.90 ID:4/Tr0ycO0
― 爆発現場(研究開発所の外) ―




アルミン(ジャンに背中を押されるように、
     僕たちは爆発現場にやって来た)

アルミン(第2の爆発があったのは…)




アルミン「ここって… 研究開発所だよね?」

アニ「そうだね。さっきの爆発と同じで、
   建物に被害はないようだけど…」

ミカサ「…爆発の痕跡もよく似ている。
    こんなに地面が抉れて…」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 08:55:41.98 ID:4/Tr0ycO0
アルミン(僕は目の前に広がる地面の凹みを見た)

アルミン(穴の中央からいくつも伸びた筋と焦げ跡が
     爆発の勢いを物語っている)

アルミン(それは、さっき寄宿舎の外で見た
     爆発の痕跡とそっくりだった)




アニ「…足跡はここで終わってるね」

ミカサ「………………」




アルミン(寄宿舎の爆発現場から伸びていた足跡は、
     ここの爆発痕で途切れていた)

アルミン(まるで、爆発でできた穴に吸い込まれるように…)
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 09:20:10.35 ID:4/Tr0ycO0
ミカサ「…まさか、ここで誰かが爆発したんじゃ」

アルミン「いや、それはないよ」

ミカサ「…え?」

アルミン「もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
     血肉とか、衣服の残骸とか…」

アルミン「でも、ここに見られるのは爆発の筋と
     僅かな焦げ跡だけだから…」

アルミン「寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
     そこが爆発しただけだと思う」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 09:35:09.01 ID:4/Tr0ycO0
アニ「じゃあ、誰かが寄宿舎から
   研究開発所に歩いて行って…」

アニ「その後を追うように、そこが爆発したってこと?」

アルミン「うん。そして、足跡がここで途切れているから…」

アルミン「その人は多分、今も建物の中に…」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 09:55:10.49 ID:4/Tr0ycO0
アルミン(僕はそう言って研究開発所の扉を見た)

アルミン(昨日アニと来たときには誰もいなかった場所)

アルミン(その中に今、誰かがいる…)




アニ「………………」

ミカサ「………………」

アルミン「………………」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 10:10:09.66 ID:4/Tr0ycO0
アニ「…開けるよ」

アルミン「…うん」




アルミン(僕は扉に手を伸ばす)

アルミン(力を入れると、ゆっくりと軋む扉…)

アルミン(ゆっくりと開く絶望への扉…)
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 10:20:31.54 ID:4/Tr0ycO0








アルミン(そして僕らは目撃する)

アルミン(後に、この監禁生活で最大の謎となる…)

アルミン(新たな惨劇の始まりを…)







414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 10:30:18.37 ID:4/Tr0ycO0
アルミン「うわああああああああああああああっ!!」

ミカサ「…ッ!!」

アニ「……な……」








アニ「ベル…トルト…?」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/20(日) 10:35:08.89 ID:4/Tr0ycO0








CHAPTER 03

僕と私の兵団裁判

非日常編







416 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/05/20(日) 10:40:14.49 ID:4/Tr0ycO0
今日はここまで
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 11:19:59.33 ID:f7olL+4fO
まじかー
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 11:27:50.73 ID:hTfyYpPv0
爆発って巨人化の衝撃だったりしないかな
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/20(日) 17:49:22.41 ID:kcCGZy9Uo
ベルトルさんこっちでもいったか……
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 06:15:18.70 ID:ShtYurY10
アルミン(それはあまりにも異様な光景だった)

アルミン(研究開発所の中にいたのは…)




アニ「ベルトルト!!」




アルミン(アニが“その人”に駆け寄る)

アルミン(その後を追うように、僕とミカサも現場に足を踏み入れた)
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 06:35:22.40 ID:ShtYurY10
ミカサ「こ、これは一体…!?」




アルミン(ミカサが思わず口元を押さえる)

アルミン(僕はこみ上げてくる何かに必死に抗いながら、
     “その人”とアニに近づいた)




アニ「…そ…」

アニ「そんな…」




アルミン(アニは放心状態になっていた)

アルミン(僕はそんな彼女を横目で見ながら、状況の把握を始める)
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 06:55:10.54 ID:ShtYurY10
アルミン(この現場の異様な点は3つある)

アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)

アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)

アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
     多数の剣が突き刺さっていること…)




アニ「ベル…トルト…」




アルミン(被害者は顔のど真ん中を槍で貫かれているため、
     誰であるかの判別が難しくなっている)

アルミン(しかし、身長や体つき、髪や耳などのパーツから、
     その死体がベルトルトであることは明らかだった)
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 07:10:19.73 ID:ShtYurY10
ジャン「おい、無事か!?」

コニー「何の悲鳴だ!?」

アルミン「…! みんな…」

ヒストリア「…!!」








ヒストリア「きゃああああああああああああああっ!!」
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/27(日) 07:15:33.80 ID:ShtYurY10








「ピンポンパンポーン…!」




モノクマ『死体が発見されました!』

モノクマ『一定の自由時間の後、『兵団裁判』を開きまーす!』







425 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/05/27(日) 07:20:14.86 ID:ShtYurY10
今日はここまで
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/27(日) 13:44:34.61 ID:ffFHwP4so


あれ?アニアルミンミカサで三人見てるのに
アナウンス鳴ってない。アニかミカサが犯人てことか?
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/05/29(火) 12:20:40.78 ID:R72iKaeUO
ライナーはどこいったんだ?
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 00:20:31.04 ID:An2ve1v30
モノクマ「いやっほうっ!!」

モノクマ「アドレナリンがぁーーー染み渡るーーーッ!!」

アニ「………………」

モノクマ「いやあ、今回はいつコロシアイが起きるのかと
     ハラハラしてたけど…」

モノクマ「やっぱりオマエラは期待を裏切らないッ!
     優秀な教え子を持ってボクは幸せだよ!」
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 00:25:05.52 ID:An2ve1v30
コニー「べ、ベルトルト…!? ベルトルトなのか!?」

ジャン「嘘だろ…!? なんでこんな…」

モノクマ「なんでって… 当たり前でしょ」

モノクマ「だって、コイツは罪のない多くの人達を
     死に追いやった張本人なんだよ?」

モノクマ「このくらいの報いは受けてしかるべきじゃない?」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 00:40:15.25 ID:An2ve1v30
ヒストリア「ま、まだそうと決まったわけじゃない!
      それはあなたがそう言っているだけで…」

モノクマ「あー、うんうん、それもそうだね。
     でも、そんな事はこの際どうでもよくってさ」

モノクマ「実際にこうして殺人が起きたんだから、
     次にオマエラが何をしなければいけないのか… わかるよね?」

ヒストリア「な、何をって…」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 00:45:22.91 ID:An2ve1v30








ミーナ『イヤだぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁあああ!!』




サシャ『ん゛ん゛ん゛ん゛んんんんんんんん〜〜〜〜!!!!』








ヒストリア「また… あれをやるの…?」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:00:09.60 ID:An2ve1v30




8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。




モノクマ「もちろん!」

モノクマ「だって、それがルールだから!
     コロシアイが起きた以上は…」
     
モノクマ「兵団裁判という別のコロシアイを
     生き抜かないといけないんだよぉ!」

ヒストリア「…!!」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:05:06.49 ID:An2ve1v30
モノクマ「さてと、そういう訳ですので…」

モノクマ「今回もこれを渡しておくね。
     ボクがまとめた死体に関するファイル。その名も…」

モノクマ「…ザ・モノクマファイル3!!」

モノクマ「そしてなんと! 今回は特別サービスとして…」

モノクマ「事件の真相につながる2つのヒントを
     オマエラに教えちゃいまーす!!」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:10:17.10 ID:An2ve1v30
ミカサ「…ヒント?」

モノクマ「そう! 1回しか言わないからよく聞いてね!」

モノクマ「ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!」

モノクマ「つまり、前回のブラウスさんみたいに、
     知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!」

モノクマ「ヒントその2! ルールをよく読め!」

モノクマ「以上となりまーす!!」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:25:06.91 ID:An2ve1v30
ジャン「ま、待て待て! いきなり過ぎて訳がわかんねーよ!」

ジャン「大体、ヒントってなんだ!? そんなの今まで無かったじゃねーか!」

モノクマ「だから、特別サービスだって言ってるじゃん」

モノクマ「これくらい言ってあげないと不公平だと思ってね」

ジャン「はあ!?」

モノクマ「だってさ、今回の事件…」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:30:12.10 ID:An2ve1v30








モノクマ「ある意味、ユミルさんの事件よりも難解だから…」







437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:35:16.02 ID:An2ve1v30
アルミン(…ユミルの事件よりも難解?)




ヒストリア「ど、どういう意味…?」

モノクマ「うぷぷ… それはね…」

モノクマ「今ボクが配ったモノクマファイルを読めばわかると思うよ」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:45:17.92 ID:An2ve1v30








アルミン(僕たちは手元の冊子に目を落とした)

アルミン(ページに手をかけ、そっとめくる)

アルミン(それが真犯人の仕掛けた罠であるとも知らずに…)







439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/03(日) 01:50:15.38 ID:An2ve1v30
■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。
440 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/06/03(日) 01:55:04.77 ID:An2ve1v30
今日はここまで
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 02:31:22.71 ID:1TU9BbJfO
どういうことだってばよ…
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/03(日) 03:00:29.14 ID:r/TgqNfI0
投稿早いな
まさかライナーとベルトルトを名前入れ替えてたってこと?
でもなんのために
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:20:19.23 ID:duRfaNFE0
ミカサ「………………」

ヒストリア「…え?」

モノクマ「うぷぷ…」

コニー「お、おい… こりゃどういう事だ…?」

モノクマ「どういう事も何も、書いてある通りだよ」

モノクマ「今回クロに殺されたのはライナー・ブラウンくんで、
     これからオマエラはその捜査をするんだ」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:25:15.11 ID:duRfaNFE0
ジャン「お前… ふざけてんのか?」

ジャン「あそこで死んでるのはベルトルトだろ?」

モノクマ「ボクはいたって真面目ですけど?」

ジャン「い、いや… いやいやいや…」

ジャン「どう考えたっておかしいだろ!
    あの死体はどう見たってベルトルトだろうが!」

モノクマ「だーかーらー! 今回殺されたのはライナー・ブラウンくん!
     それ以上でもそれ以下でもないの!」
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:30:12.58 ID:duRfaNFE0
アニ「…違う」

アニ「あの死体はベルトルトだ…
   私が見間違えるはずがない…」

モノクマ「…あのさ、オマエラがどう思おうが勝手だけど」

モノクマ「今回クロに殺されたのはブラウンくんで間違いないよ」

モノクマ「いくらフーバーくんの事を気にしても仕方ないんだよ。
     だって彼は捜査の対象外だもの」
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:35:28.17 ID:duRfaNFE0
ジャン「お、お前… いい加減に…!」

モノクマ「いい加減にするのはオマエラの方だろっ!!」

ジャン「…!!」

モノクマ「最初の兵団裁判のとき、みんなの前で言ったよね?」




モノクマ『あのねぇ…あのファイルはね、
     いわば兵団裁判をスムーズに進める為の潤滑剤なんだ』

モノクマ『議論が滞ったとき…ちょうど今のような状態のときに、
     助け舟としてオマエラを支えてくれる存在なんだ』

モノクマ『冷静に考えてみなよ。
     ボクがそんなキーアイテムに不正を施すと思う?』




モノクマ「今までずっとそうだったでしょ?」

モノクマ「イェーガーくんの事件、ユミルさんの事件…
     どれもモノクマファイルに書いてあることは本当だったでしょ?」

モノクマ「そりゃそうだよ。あのファイルに不正を働いたら、
     ゲームが成立しなくなっちゃうんだもん」
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:40:12.57 ID:duRfaNFE0
モノクマ「つまり、そのファイルに書いてある内容も本当の事…」

モノクマ「今回殺されたのはライナー・ブラウン!
     これはまごうことなき事実だあっ!!」

ジャン「…っ!」

モノクマ「さてと… そういう事だから、ボクは退散するね」

モノクマ「後ほど、裁判場でお会いしましょう… うぷぷぷぷ」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:45:15.12 ID:duRfaNFE0








モノクマ「アーッハッハッハッハッハ!!」







449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:50:16.47 ID:duRfaNFE0
ポヨヨーン




アルミン(邪悪な笑い声と共に、モノクマは姿を消した)

アルミン(ただ唖然とする僕らを残して…)




コニー「な、なあ… 何が一体どうなってんだ…?」

コニー「あの死体が… ライナーだっていうのか?
    ベルトルトじゃなくて…」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 07:55:09.19 ID:duRfaNFE0
アニ「違うッ!」

コニー「…!!」

アニ「あれはベルトルトだ! 私が見間違えるはずがない!」

アルミン「ア、アニ… 落ち着いて」

ジャン「ああ、ありゃどう見たってベルトルトだ…」

ジャン「確かに顔は潰れちゃいるが、
    背丈や外観はまさしくあいつのものだ」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 08:00:33.21 ID:duRfaNFE0
ヒストリア「で、でも、モノクマは…」

ジャン「ああ… あの死体がライナーだって言ってる」

ジャン「正直オレも何が何だかわからねえが…
    このまま手をこまねいているわけにもいかねえだろ」

ジャン「何もしなかったら、オレたちも殺されるんだからよ」
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 09:05:09.28 ID:duRfaNFE0
ヒストリア「………………」

アルミン「…ジャンの言う通りだね」

アルミン「捜査を始めよう。僕たちにできる事をやるんだ」




アルミン(そう… 僕たちにできる事…)

アルミン(コロシアイを防げなかった以上、今の僕たちにできるのは…)

アルミン(知恵を絞って、これ以上被害を広げない事だけだ)
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 09:10:29.15 ID:duRfaNFE0
アニ「………………」

アニ「……許さない」

アルミン「…え?」

アニ「絶対に許さない…」

アニ「今回だけは… 絶対に…」
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/10(日) 09:15:11.53 ID:duRfaNFE0








―  捜 査 開 始  ―







455 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/06/10(日) 09:20:11.34 ID:duRfaNFE0
今日はここまで
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 16:19:39.69 ID:KEmbyi7D0
このスレの主人公って誰?
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/13(水) 16:21:47.12 ID:KEmbyi7D0
このスレの主人公って誰?
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 12:25:33.61 ID:AOeK7Rjjo
事件の真相も楽しみだが、バックボーンがどうなっているのかもやはり気になるところだ
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 15:07:12.11 ID:zX7xI4Bto
そもそもベルトルト?ライナー?
もう一人はどこ行ったんだ?別の場所で死んでるのか
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 09:40:35.81 ID:Pe5Zloa50
ミカサ「…じゃあ、捜査を始めよう」

ジャン「ああ、だがその前に… 見張り役はどうする?」

コニー「見張り役?」

ジャン「殺害現場の見張り役だよ。
    いつもはライナーとベルトルトがやってくれてただろ」




ライナー『俺たちか?俺たちはまぁ…“見張り役”ってやつだな』

アルミン『“見張り役”?』

ライナー『現場を荒らされない為に監視する人間のことだ。
     犯人に証拠を隠滅されたら、手詰まりになりかねないからな』




ライナー『現場の見張り役は任せておけ。
     俺とベルトルトがここに残る』

アニ『…わかった。頼んだよ』



461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 09:45:29.51 ID:Pe5Zloa50
コニー「ああ、そうか… 今回はあいつら、いないんだったな」

アニ「………………」

ヒストリア「それなら、私が残るよ。
      私が捜査するよりも、その方がいいと思うし…」

ミカサ「…もう1人は? 見張り役は2人必要だったはず」

コニー「俺がやるよ。だからお前ら… 頼んだぞ」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 10:35:43.27 ID:Pe5Zloa50
アルミン(ついに始まった3度目の捜査…)

アルミン(ヒストリアとコニーの2人は現場の見張り役に着き、
     僕、ジャン、アニ、ミカサの4人が捜査を開始する)




アルミン「じゃあ、まずは…」

アニ「………………」

アルミン「アニ!」

アニ「…!」

アルミン「アニ… 気持ちはわかるけど、今は」

アニ「…ああ、そうだね。ごめん」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 10:50:24.71 ID:Pe5Zloa50
アニ「…まるで1回目の事件とは逆だね」

アルミン「…え?」

アニ「何でもない。それよりも、まずは…
   これを見てみようか」




アルミン(アニがそう言って示したもの)

アルミン(それは、ついさっき配られた黒い冊子…
     モノクマファイルだった)
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 11:00:17.15 ID:Pe5Zloa50
アルミン「モノクマファイル? それはさっき読んだけど…」

アニ「じゃあ、気付かない?
   この内容には明らかにおかしな点があることに」

アルミン「…え?」

アニ「私は読んだ瞬間に気付いたけどね」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 11:05:05.28 ID:Pe5Zloa50
■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 11:15:13.40 ID:Pe5Zloa50
アルミン(このファイルのおかしな点…)

アルミン(ぱっと思いつくのは、死体と被害者が一致しないって事だけど…)




アルミン「………………」




アルミン(…待てよ?)

アルミン(アニが言ってるのって、もしかして…)




【モノクマファイル 3】



467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 11:30:20.25 ID:Pe5Zloa50
アルミン(ファイルから目を上げた僕は、そのまま事件現場に視線を移す)




アルミン「………………」




アルミン(この現場の異様な点は3つ…)

アルミン(1つ目は、被害者が宙に浮いた状態で拘束されていること)

アルミン(2つ目は、2本の槍で被害者の頭部と胴体が貫かれていること)

アルミン(そして3つ目は、被害者の体や床に
     多数の剣が突き刺さっていること…)
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 11:55:41.43 ID:Pe5Zloa50
コニー「なんつーか、見れば見るほど異様だよな…」

コニー「あの死体がライナーでもベルトルトでも…
    正直、『ここまでやるか?』って感じだ」




アルミン(被害者を拘束して、槍や剣でメッタ刺し…)

アルミン(一見すると、相当な恨みを持った人間の犯行のように思える)

アルミン(そして… その恨みにも、僕たちには心当たりがある)
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/17(日) 12:00:15.28 ID:Pe5Zloa50




モノクマ『なんと!? あの2人の正体が巨人!?』

モノクマ『しかも、人類の仇そのものである
     超大型巨人と鎧の巨人ですと…!?』




アルミン(…でも、本当にそうなのか?)

アルミン(本当に… 恨んでいただけであんな殺し方をしたのか?)

アルミン(もし、あれらの1つ1つにちゃんとした意味があるんだとしたら…)




アルミン「あの死体… ちゃんと調べてみようか」

アニ「…そうだね」
470 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/06/17(日) 12:05:11.62 ID:Pe5Zloa50
今日はここまで
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 01:04:34.94 ID:HOLnZgl40
なんかアルミンが主人公みたいになってて草
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/21(木) 09:15:10.93 ID:V3OUTVm7o
え?主人公じゃないの?

それよりアナウンス的に最初に見つけた三人の誰かが犯人になるんじゃないのか?
叙述トリックで実はアルミンが犯人とかないよな?動機的に一番怪しいのはミカサだが、
それだと露骨過ぎるしなぁ…
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/23(土) 17:07:16.38 ID:yaziGZue0
今はアルミン視点になってるだけで主人公じゃないでしょ
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 08:30:19.35 ID:Z6GPAua60
― 研究開発所(死体近辺) ―




アルミン「うっ……」

アニ「………………」




アルミン(間近で死体を見ると、その凄惨さに改めて驚く)

アルミン(エレンやユミルの死体も
     目を覆いたくなるようなものだったけど…)

アルミン(この死体は、群を抜いて異質だった)
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 08:35:13.42 ID:Z6GPAua60
アルミン「…アニ、大丈夫?」

アニ「………………」




アルミン(アニの顔が青い)

アルミン(平静を保っているように見えても、
     その内心は激しく動揺しているようだった)




アルミン「少し休んだ方がいいんじゃ…」

アニ「…私は大丈夫」

アルミン「………………」

アニ「続けよう」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 08:45:09.29 ID:Z6GPAua60
アルミン(アニが死体を調べ始める)

アルミン(僕は一つ呼吸をおいて、アニに続くように死体に向き直った)




アルミン「………………」




アルミン(最初に目がいったのは、頭部と胴体を貫く黒い槍だった)

アルミン(宙に浮いた体の急所を貫く2本の凶器…)
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 08:50:41.63 ID:Z6GPAua60
アルミン「…ちょっと手に持ってみてもいいかな?」

コニー「ん? ああ…」




アルミン(僕は見張り役のコニーに一声かけてから、槍に手を伸ばした)




アルミン「ふんっ…!」




アルミン(力を入れ、胴体に刺さった槍を引き抜こうとする)

アルミン(しかし…)
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 09:05:10.83 ID:Z6GPAua60
アルミン「な、何だこれ… 重っ…!」




アルミン(精一杯力を入れても、その槍はびくともしなかった)

アルミン(床に突き刺さってはいるようだけど、それにしても…)




コニー「お、おい! あんまり現場を荒らすな!」




アルミン(慌ててコニーが制止に入る)

アルミン(僕は槍から手を離し、一歩下がって死体を見つめた)
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/06/24(日) 09:40:07.87 ID:Z6GPAua60
アルミン(槍は宙に浮いた頭部と胴体を貫いている…)

アルミン(特に頭部は、その形を綺麗に保ったまま貫かれている)

アルミン(かなりの強い勢いじゃないと、こうはならないはずだ)




アルミン「………………」




アルミン(あの槍は1人でどうこうできるほどの重さじゃなかった)

アルミン(そんな槍を… どうやって勢いよく死体に突き刺したんだ?)




【2本の黒槍】



480 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/06/24(日) 09:50:12.50 ID:Z6GPAua60
今日はここまで
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/24(日) 12:17:12.74 ID:dxf/X9690
面白いけど原作が途中な分オチつけるの大変そう
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 08:50:32.27 ID:ze6Yrlk20
なんでマルコを差し置いてモブのミーナが出てるの?
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 07:30:06.59 ID:jWVc5fPV0
アルミン(続いて目に入ったのは剣だった)

アルミン(死体や周りの床に突き刺さった多数の剣…)




ミカサ「これって…」

アルミン「え?」




アルミン(ミカサが床に刺さった剣の1本を引き抜く)

アルミン(刀身に視線を這わせ、しばらく何かを考え込んでいたが…)
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 07:35:14.29 ID:jWVc5fPV0
コニー「お、おい! どこに行くんだ!?」

ミカサ「ちょっと調べ物」

コニー「調べ物って…
    こ、こら! 剣は持って行くな!」




アルミン(コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
     建物の外へと向かっていった)




コニー「…ったく! どいつもこいつも…」

アニ「………………」
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 09:05:41.18 ID:jWVc5fPV0
アルミン「ミカサ、待って!」




アルミン(僕は建物から出ていこうとするミカサを
     慌てて呼び止めた)




ミカサ「?」




アルミン(ミカサを追い越して研究開発所の扉を開ける)

アルミン(外を見ると、いくつかの足跡があった)

アルミン(寄宿舎の方向からこちらに向かう足跡が、全部で7人分…)
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 09:30:08.12 ID:jWVc5fPV0
アルミン「…ありがとう。もういいよ」

ミカサ「…? うん…」




アルミン(ミカサは困惑しながらも、建物の外へ出て行った)




【足跡】



487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/01(日) 09:55:43.80 ID:jWVc5fPV0
アルミン(ミカサを見送った僕は、改めて死体に向き直る)




アルミン「………………」




アルミン(ミカサが引き抜いていったあの剣…)

アルミン(何本かは死体の腕や脚に、そして残りの大半は床に突き刺さっていた)




アルミン「………………」




アルミン(この死体の致命傷は2本の黒槍によるものだ)

アルミン(一方で、この剣が刺さっているのは腕や脚…
     とても致命傷にはなり得ない)

アルミン(殺すために刺したんじゃないとしたら… 一体何のために?)




【多数の剣】



488 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/07/01(日) 10:05:35.18 ID:jWVc5fPV0
今日はここまで

次は長めに投稿します
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 15:57:54.24 ID:jjo0uf0s0
なんでスレ主はアルミンを主人公にしたんだ?
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 16:49:22.85 ID:iWmxo/PGO
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 20:05:20.87 ID:NFt1EMNq0
アルミン以外に推理して解決できるタイプの頭いい設定キャラがいない、あとはアルミンにした理由が後々判明する可能性
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/05(木) 00:19:34.78 ID:LhDKrWcro
予定では後どれ位で終わりそうなんだ?
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 07:35:52.92 ID:hT/RuanN0
ヒストリア「………………」

コニー「ん、どうした? ヒストリア」

ヒストリア「いや、この死体の状態…
      なんだか、最初の事件に似てるなって思って…」

コニー「最初の事件って… エレンか?」

ヒストリア「うん… エレンも発見されたときは、
      こんな感じで宙づり状態だったでしょ?」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 07:40:07.28 ID:hT/RuanN0








アルミン『エレン!!!!』







495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 07:45:04.71 ID:hT/RuanN0
コニー「ああ、そういやそうだったな…」

アルミン「………………」

コニー「あのときは確か、姿勢制御の練習中に
    エレンがバランスを崩して…」

コニー「無防備になったエレンを
    ミーナが殴り殺したんだっけか…」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 07:50:07.41 ID:hT/RuanN0
モノクマ『何度でも言うけどね…』




【エレン・イェーガーを殺す】
【エレン・イェーガーを殺す】
【エレン・イェーガーを殺す】








モノクマ『“オマエ”に選択肢なんてないんだよ!!』







497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 07:55:16.11 ID:hT/RuanN0
ヒストリア「………………」

コニー「でもよ… 今回の事件はあれよりも酷いぞ」

コニー「あの事件は後頭部に石を振り下ろしただけだったけどよ…
    今回は槍や剣でメッタ刺しだぜ?」

コニー「なんか、すげえ執念を感じるよな…」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:00:15.02 ID:hT/RuanN0
アルミン「いや、それ以前に…」

アルミン「そもそも、どうしてこの死体は
     こんな場所で宙づりになってるんだろう?」

コニー「…え?」

アルミン「エレンの場合は、姿勢制御の練習中にバランスを崩したから
     説明がつくんだけど…」

アルミン「この死体の場合は… 宙づりになってる理由が
     まるでわからないんだ」

アルミン「まさか、こんな場所で姿勢制御の練習を
     していたわけでもないだろうし…」
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:05:04.57 ID:hT/RuanN0
アニ「その理由なら、もう見つけたよ」

アルミン「えっ…」

アニ「これを見てごらん」




アルミン(アニがそう言って差し出したのは…)

アルミン(少し厚みのある紙束だった)
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:10:38.13 ID:hT/RuanN0
開発品リスト


@立体起動装置    12台

A時限爆弾      3台

B特殊ガス発生装置  1台

C蓄音機       1台

D金属探知機     1台

E拘束トラップ    1台
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:15:32.25 ID:hT/RuanN0
アルミン「これは…?」

アニ「この建物にある装置の一覧… らしいよ」

アニ「どうやらこの場所では色んな装置が作られていて、
   これはそれらをリスト化したものみたいだね」




【開発品リスト】



502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:25:11.44 ID:hT/RuanN0
アルミン(アニの説明を聞いた僕は紙束をめくった)

アルミン(それぞれのページには、詳細な図とともに
     各装置の使い方や注意点が細かく記されている)

アルミン(僕はそのままペラペラと紙束をめくっていたが…)

アルミン(あるページを見た瞬間、ぴたりと手が止まった)
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:30:16.97 ID:hT/RuanN0
E拘束トラップ


<概要>

フットスイッチを踏んだ相手を瞬時に拘束できるトラップです。


<使い方>

(1)装置を組み立てます(四脚を立てて下さい)。

(2)フットスイッチを任意の場所にセットします。

(3)四脚の交点から伸びるワイヤーをフットスイッチに繋げます。

(4)相手がフットスイッチを踏むのを待ちます。


<その他機能>

 ・ 折り畳んで持ち運ぶことができます。

 ・ フットスイッチが反応する重量を設定できます。
 
 ・ 四脚にあるスイッチで拘束の解除が可能です。
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:35:23.62 ID:hT/RuanN0
アルミン「ねえ、この【拘束トラップ】って…」

アニ「…気付いたみたいだね」

アニ「そう… その死体を拘束しているのが、まさにそれさ」

アルミン「それじゃあ、この人は…」

アニ「ああ… このトラップに引っかかって、捕まったんだろうね」
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:40:19.76 ID:hT/RuanN0
アルミン(僕は死体を拘束している装置を見た)

アルミン(死体は天井付近から伸びた1本のワイヤーで吊るされていたが…)

アルミン(よく見ると、ワイヤーの付け根から4本の脚が伸びていて、
     それぞれが部屋の角で踏ん張るような形になっていた)




コニー「へえ〜… でっかいテントの骨組みって感じだな。
    この部屋全体を覆ってたのか」

ヒストリア「大きいけど、折り畳めば持ち運びもできるみたいだね…
      一応、1人でもセッティングはできるみたいだよ」
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:45:31.97 ID:hT/RuanN0
アルミン(リストに夢中になっているコニーとヒストリアを尻目に、
     僕は4つの脚のうちの1つに向かった)

アルミン(調べると、何やらスイッチのようなものがある。
     押してみると…)




ガチャ…




アルミン(死体を拘束していたワイヤーが外れ、プラプラと宙で踊った)
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:50:17.40 ID:hT/RuanN0
コニー「…! お、おい! またお前ってヤツは…!」

アルミン「あ、ああ… ごめんごめん」

アニ「…怒る前に、あんたらも仕事しなよ。見張り役なんでしょ?」

ヒストリア「…ごめんなさい」

ジャン「………………」
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 08:55:06.97 ID:hT/RuanN0
アルミン(シュンとして定位置に戻るコニーとヒストリアを見届けてから、
     僕はアニに話しかけた)




アルミン「この装置の説明によれば、どこかにフットスイッチっていうのが
     あるはずなんだけど…」

アニ「ああ、それならこの建物の入口にあったよ」

アルミン「…入口?」

アニ「この建物に入ってすぐの所さ。そこに仕掛けられてたみたいだね」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 09:00:17.16 ID:hT/RuanN0
アルミン(僕は建物の入口付近を振り返る)

アルミン(目を凝らすと、扉のすぐ内側の床に
     四角の板のようなものが敷いてあるのがわかった)




アルミン「全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?」

アニ「そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから」

アルミン「あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
     だとしたら、この建物に入ろうとして…?」

アニ「…そう考えられるね」




【拘束トラップ】



510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 09:05:17.82 ID:hT/RuanN0
アニ「…それと、ちょっと気になる事があるんだ」

アルミン「気になる事?」

アニ「リストにある開発品…
   その何個かが見当たらないんだよ」

アルミン「…え?」

アニ「見当たらないのは、時限爆弾2つと…」

アニ「…特殊ガス発生装置」
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/08(日) 09:15:27.98 ID:hT/RuanN0
アルミン(時限爆弾と特殊ガス発生装置…)

アルミン(その2つが見当たらない…?)




アルミン「…他の場所も調べる必要がありそうだね」

アニ「そうだね… 行ってみようか」
512 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/07/08(日) 09:30:26.98 ID:hT/RuanN0
今日はここまで

>>492
次章で完結予定です
時期は未定ですが、このままのペースで投稿は続けます
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 09:40:11.69 ID:OUTCI0OE0
なんでアニがアルミンの相棒みたいになってんの?
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 10:22:04.51 ID:B0gRtgMe0
乙です
どうなるか楽しみなので週一でなくても終わりまで応援します
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 13:30:24.29 ID:eDVuOUNY0
― 爆発現場(研究開発所の外) ―




アルミン(研究開発所から出ると、爆発現場が視界に飛び込んできた)

アルミン(それと、さっき見た7人分の足跡に加えて、
     新たな足跡がもう一筋…)




アルミン「これはミカサの足跡だね」

アニ「みたいだね。この方向からすると…」




アルミン(アニが足跡の続く先に視線を向ける)

アルミン(僕も同じように視線を追うと、
     煙を上げる巨大な煙突が目に入った)
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 13:55:46.92 ID:eDVuOUNY0
アニ「…どうする? 私たちも行ってみる?」

アルミン「…いや、まずは目の前にあるものから見ていこう」




アルミン(僕はそう言って地面に開いた穴に向き直る)

アルミン(アニはしばらく足跡の先を見つめていたが、
     思い直したように僕の隣に屈み込んだ)
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 14:00:10.98 ID:eDVuOUNY0
アニ「それにしても、大きな穴だね」

アルミン「うん… 雨が降って地面が
     ぬかるんでいたっていうのもあると思うけど…」

アルミン「ここまで地面が抉れるって事は、
     よほど大きな爆発だったんだろうね」




【巨大な爆発痕】



518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 14:15:05.62 ID:eDVuOUNY0
アニ「今回の爆発… やっぱり犯人が仕組んだ事だと思う?」

アルミン「…うん、多分ね」

アルミン「寄宿舎から研究開発所に続く足跡、
     その始めと終わりに立て続けに起きた爆発…」

アルミン「そして、それらを追うようにして発見した死体…
     どれも無関係とは思えないよ」

アニ「………………」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 14:25:07.07 ID:eDVuOUNY0
アルミン(だけど、それだと疑問が残る…)

アルミン(この爆発も犯人の計画の一部だとしたら、
     一体何のために…?)




ミカサ『…まさか、ここで誰かが爆発したんじゃ』

アルミン『いや、それはないよ』

ミカサ『…え?』

アルミン『もしそうなら、もっと痕跡が残るはずだよ。
     血肉とか、衣服の残骸とか…』

アルミン『でも、ここに見られるのは爆発の筋と
     僅かな焦げ跡だけだから…』

アルミン『寄宿舎からこの場所まで元々足跡が続いていて、
     そこが爆発しただけだと思う』



520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/15(日) 14:35:06.91 ID:eDVuOUNY0
アルミン(…待てよ?)




アルミン「ねえ、アニ… さっきのリスト持ってるかな?
     開発品が載ってたやつ」

アニ「…ああ、これ? 一応持って来てるよ」

アルミン「ちょっと見せてもらっていい?」

アニ「…? いいけど…」
521 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/07/15(日) 14:40:21.14 ID:eDVuOUNY0
今日はここまで
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/16(月) 15:15:08.33 ID:KhOeVGAS0
アニが相棒みたいになってるのに違和感が…
相棒はライナーのほうが良かったんじゃないの?
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/17(火) 15:55:47.01 ID:t7cDBt8g0
本誌でもアニに話しかけてるアルミン出てきたし自分は違和感感じなかったのでこれからも楽しみ
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/17(火) 16:30:13.24 ID:/dmGioNVo
それより不自然なほど作中のキャラがベルトルトについて触れないな
死体がライナーならベルトルトは生きてるか別の場所で死んでるはずなのに
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 11:04:36.10 ID:Fcgx0HtI0
>>524
それが今回の答えに関係してそうだね
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 17:00:25.08 ID:jm18rGZS0
今も更新続けてくれてて嬉しい
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 17:20:17.87 ID:FmGaI8870
開発品リスト


@立体起動装置    12台

A時限爆弾      3台

B特殊ガス発生装置  1台

C蓄音機       1台

D金属探知機     1台

E拘束トラップ    1台
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 17:25:10.03 ID:FmGaI8870
A時限爆弾


<概要>

指定した時間に爆発させることができる爆弾です。
AとBの2つのモードがありますので、状況に応じて使い分けて下さい。


<使い方>

(1)モードを選択します。

(2)時間を設定します。

(3)爆発させたい場所に仕掛けます。


<モード選択>

 ・ Aモード

   爆発時に破片を飛ばします。
   殺傷能力は高いですが、爆発範囲は狭くなります。

 ・ Bモード

   爆発時に破片をミクロの状態まで細分化します。
   殺傷能力は低いですが、爆発範囲は広くなります。
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 17:45:08.10 ID:FmGaI8870
アニ「…時限爆弾?」

アルミン「うん… 爆発っていう言葉でピンと来たんだ。
     今回の爆発に使われたのは、この時限爆弾じゃないかって…」

アニ「…なるほどね」




アニ『リストにある開発品…
   その何個かが見当たらないんだよ』

アルミン『…え?』

アニ『見当たらないのは、時限爆弾2つと…』

アニ『…特殊ガス発生装置』



530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 18:00:39.38 ID:FmGaI8870
アニ「研究開発所からは時限爆弾2つが消えていた…」

アニ「今回起こった爆発は2回だから、もしかすると…」




アルミン(いや… それだけじゃない)

アルミン(僕の考えが正しければ、今回の爆発は…)




【時限爆弾】



531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 18:10:07.21 ID:FmGaI8870
アルミン「爆発現場はもう1つあったよね」

アニ「…寄宿舎のすぐ外だね。行ってみる?」

アルミン「うん」




ガチャッ




ジャン「おい、ちょっと待て!」

アルミン「…ジャン?」

ジャン「お前ら、念のために言っとくが…
    ここから先は絶対に1人になるんじゃないぞ」

アニ「…どういう事?」

ジャン「わからねえのか!?」
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/22(日) 18:15:04.43 ID:FmGaI8870








ジャン「“もう1人”が襲ってくるかもしれねえって事だよ!」







533 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/07/22(日) 18:20:05.36 ID:FmGaI8870
今日はここまで
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/26(木) 11:43:12.84 ID:KUkQDmcm0
アルミンの相棒はジャンとかのほうがいいと思うんだが
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/27(金) 11:15:05.01 ID:civ0r0Ww0
毎週更新乙です
感情豊かだけど頭脳派なアルミンと何事にも冷静なアニの協力体制が面白い。ミカサが少し不穏な気配
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 02:11:50.72 ID:UNLvbJnG0
アルミンの相棒はミカサかジャンのほうがいいと思うんだがスレ主はアルアニ厨か?
アルアニなんてエレヒス以上に矢印ないのにな
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 02:13:17.74 ID:jhXxzW03o
どうでもいい
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 10:50:05.71 ID:nBQ0TUr+0
感想で相棒とかどうでもいい事で文句言ってたの同じやつかよ
相棒ごときでカプ厨判定して気持ち悪い
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 12:42:11.10 ID:UNLvbJnG0
アルミンの相棒が敵のアニというのがな
スレ主はカプ厨としか思えない
普通に味方キャラのミカサジャンのほうがしっくりくるんだけどな
アルミンは敵と手を組むとかそういうキャラじゃないし
ストヘス区でエレンが女型と戦うことを躊躇していたときもアルミンとミカサは仕方ないと割り切っていた
気持ち悪いのはどっちだって話だよね
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 12:53:27.82 ID:AMFihM57o
相棒がどうとか決めるのはスレ主だろ
文句があれば見なければいい
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/29(日) 13:15:39.37 ID:B/TJwUpI0
うるせぇよ誰が相棒でもいいだろうがアンチは失せろ
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 13:34:45.57 ID:nL2oztbeO
露骨な恋愛描写があるなら叩かれても仕方ないとは思うけど、別に相棒くらいなら良くない?
まあ自分も個人的な意見ならジャンが相棒のがいいけど、どうするかを決めるのはスレ主だし、超えたらヤバイラインを超えてないなら別いいでしょ。
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 14:02:09.34 ID:uV8uRWy2o
単に推理モノで相棒は女キャラが多いことと、ミカサは容疑者枠にしたいからあえて外しただけだろう
あとアニなら今回みたいに巨人関連で情報提供出来るし。話の都合も考えず作者批判するなし
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 14:11:21.29 ID:nBQ0TUr+0
前から続いているシリーズでssなんて書き手の自由なのに文句言う人間なんてよく考えたらいないからたぶん荒らしでした
最初に構ってしまいみなさんすみません
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 20:36:20.28 ID:UNLvbJnG0
なぜミカサが容疑者枠?
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/29(日) 23:13:55.19 ID:3EclLpgq0
単純に元ネタの主人公っぽいのが104期の中ではアルミンだしヒロインっぽいのがアニだったっていうだけかと思ってた
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/30(月) 18:25:15.33 ID:uKrYqmO+0
アルミン「“もう1人”って… 誰のこと?」

ジャン「決まってんだろ! ライナーだよ!」

ジャン「いや、正確には…
    “ライナーと呼ばれてた人間”だ!」

アニ「…“ライナーと呼ばれてた人間”?」

ジャン「あの死体はどう見たってベルトルトだった…」

ジャン「なのに、あれがライナーだっていうんなら…
    考えられる可能性はそれしかねえだろ!」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/30(月) 18:35:38.27 ID:uKrYqmO+0
アルミン「…もしかして、あの2人が偽名を名乗ってた
     って言いたいの?」

ジャン「ああ、そうだよ!」

ジャン「オレたちがベルトルトだと思ってたのが
    実はライナーっていう名前で…」

ジャン「ライナーだと思ってたのが
    全く別の名前の人間だった…」

ジャン「そう考えれば辻褄が合うんだよ!
    あの意味不明な状況もな!」

アニ「………………」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/07/30(月) 19:05:08.00 ID:uKrYqmO+0
アルミン「でも、襲ってくるっていうのは…」

ジャン「死体発見を知らせるモノクマの“声”
    が聞こえても、あいつは姿を見せていない…」

ジャン「おかしいと思わねえか?
    大きな爆発もあったっていうのによ」

アニ「………………」

ジャン「だからオレはこう考えた。
    あいつが今も姿を隠しているのは…」
    
ジャン「精神的に危険な状態にあるからじゃねえか…ってな」
550 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/07/30(月) 19:20:05.65 ID:uKrYqmO+0
今日はここまで

次回は 08/08(水) に投稿します
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 19:21:07.08 ID:8VSktQ/So
アニが無言なのが気になる
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/30(月) 21:42:28.96 ID:XcWu5hvR0
乙です
叙述トリックですね。アニはエレンの事件の時アルミンの事覚えていたかのような台詞あったしライベルの事も覚えていたようだけどどう動くか
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 01:25:19.97 ID:oFBnpaIN0
エレン[ピーーー]必要あった?
普通にエレンが主人公でアルミンが相棒でいいじゃん
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/31(火) 19:35:44.04 ID:tugZ2URi0
ssとかだいたい見切り発車で途中で終わるのに終わりまでイメージしてるのはすごい
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 09:45:41.44 ID:/O9f5p+x0
アニはとりあえずエレンやアルミンと絡ませようという安易な考えきらい
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 19:43:08.57 ID:6+nRI0/R0
次は発売日の前日か
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:15:27.77 ID:M4hO0dul0
アルミン「精神的に危険な状態…?」

ジャン「あいつら… ライナーとベルトルトは
    巨人の疑いをかけられて、オレたちから孤立してた」

ジャン「超大型巨人と鎧の巨人といやあ、
    オレたち人類にとっては仇そのものだ」

ジャン「アルミン… お前だって忘れたわけじゃないだろ?」

ジャン「なにせお前は、奴らから直接被害を受けた
    シガンシナ区の出身なんだからよ」
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:20:03.38 ID:M4hO0dul0








エレン『駆逐してやる!!』

エレン『この世から… 一匹残らず!!』







559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:25:17.59 ID:M4hO0dul0
アルミン「………………」

ジャン「要するに、あいつらは… オレたち全員に
    殺される動機を持たれていたんだ」

ジャン「そんな中で、あいつらのうちの1人が死んだ…」

ジャン「“もう1人”はこう思うはずだ。
    『次に殺されるのは自分なんじゃないか』ってな」
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:30:13.65 ID:M4hO0dul0
アルミン「…ジャンの言いたい事がわかったよ」

アルミン「つまり、“もう1人”は自分が
     殺されるかもしれないという疑心暗鬼に陥っていて…」

アルミン「自分の身を守るために、僕たちを
     攻撃してくるかもしれないって事だね?」

ジャン「…そういう事だ」

ジャン「最悪の場合、ガチで殺しに来るかもしれねえ。
    だから、お前らも…」
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:35:12.96 ID:M4hO0dul0
アニ「…よく言うよ」

ジャン「あ…?」

アニ「あいつらを孤立させたのはどこの誰?」

アニ「事の真偽もわからないまま、モノクマの情報に踊らされて…」

アニ「必要以上に騒ぎ立てて、あいつらを追い詰めたのは…
   一体どこの誰なの?」
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:40:11.58 ID:M4hO0dul0
ジャン「…お前、オレに喧嘩売ってるのか?」

アニ「ああ、売ってるよ」

アニ「私はね… あいつらを孤立させるきっかけを作った
   あんたが一番怪しいとすら思ってる」

ジャン「てめえ…!!」

アニ「ジャン、あんたさあ…」
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:45:05.13 ID:M4hO0dul0








アニ「まだ私たちに隠してる事があるんじゃないの?」







564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:50:11.81 ID:M4hO0dul0
ジャン「なっ… 何言ってんだよ、急に…!」

アニ「あんたの様子がおかしかったのは、てっきり
   例の本を見つけたせいだと思ってたんだけど…」

アニ「どうやら、それだけじゃないみたいだね」

ジャン「…っ!」

アニ「どうにも気に入らないんだよ…」

アニ「私たちの身を案じて忠告するようなフリをしながら、
   ジロジロと探りを入れてるようなその態度が…」
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 13:55:31.97 ID:M4hO0dul0
アニ「ねえ、ジャン…」

アニ「この期に及んで… あんたは一体何を隠してるの?」

ジャン「し、知らねえよ!」




バッ




ジャン「とにかく、忠告はしたからな!
    あとはどうなっても知らねえぞ!」

ジャン「じゃあな!」
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 14:00:08.86 ID:M4hO0dul0
ダッダッダッ




アルミン「………………」

アニ「…ジャンの言ってる事はあり得ないよ」

アルミン「…え?」

アニ「あの2人が偽名を使ってたって話さ」

アニ「私は幼いときからあいつらを知ってる。
   偽名なんて使ったら一発でわかるよ」
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/08(水) 14:15:28.24 ID:M4hO0dul0
アニ「だから、今回殺されたのはベルトルト…
   それは確かなんだ」

アニ「間違いないんだよ…」

アルミン「………………」

アニ「…アルミン?」




アルミン(何だ? この違和感…)

アルミン(何か、とんでもないものを見落としてるような…)
568 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/08/08(水) 14:20:06.15 ID:M4hO0dul0
今日はここまで
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 14:27:02.65 ID:2Wfw1MHao
毎度毎度焦らすのが得意なやつだ
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 14:46:34.22 ID:V8cNmucio


思ったんだが、原作(ダンガンロンパの方)で記憶操作とか人格書き換えが出てる以上
アニの記憶が正しいとは限らないよな。そもそも廃人化してるメンバーにモノクマが何かして
復活したらしいし、たまたま今まで死んだメンバーが本人だっただけで
今生きてるメンバーの何人か人格シャッフルされててもおかしくない
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/08(水) 21:49:49.92 ID:fPtjd/k00
いつも乙です
>>570
ダンガンロンパ見てなかったからその設定は知らなかった。その設定このssで使ってるかはわからないけど謎が謎を呼ぶ感じ面白い
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 10:00:19.69 ID:nS39C8200
アニ「アルミン!」

アルミン「…!!」

アニ「どうしたの、ぼーっとして」

アルミン「あ、ああ、ごめん… 何でもない」

アニ「………………」
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 10:10:13.27 ID:nS39C8200
アルミン「えーっと… それじゃあ、
     1回目の爆発現場に行こうか」

アニ「…そうだね」

アニ「あと、一応… 警戒だけはしておこう」

アルミン「…え?」

アニ「“もう1人”が襲ってくる事に対しての警戒さ」
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 10:10:28.93 ID:oH20m31cO
【決講】風花「副作用には気をつけて下さいね!…シモッチって何かしら?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1530920009/
【決講】茜「不屈の魂、夢ではありません!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1531525117/
【決講】摩美々「まみみのホーム・アローン、始まるよー」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533339190/
【決講】のり子「青コーナー、キィィングティィレッスルゥゥゥ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1533946743/
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 10:15:15.86 ID:nS39C8200
アルミン「それって、ジャンの言ってた…?」

アニ「うん… 癪だけど、
   あいつの言う事にも一理あるからね」

アニ「“もう1人”… ライナーの行方がわからない以上、
   どんな可能性も起こり得るって事さ」

アルミン「………………」

アニ「それじゃあ、行こうか」
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 10:50:10.34 ID:nS39C8200
― 爆発現場(寄宿舎の外) ―




アルミン(現場に到着するなり、
     僕は巨大な爆発痕の調査を始めた)

アルミン(だいぶ足跡で荒されているけど、
     僕が見たかったものに対しては支障がないはずだ)




アルミン「………………」




アルミン(時には地面に顔を近づけ、細かい部分まで観察する)

アルミン(そして、ゆっくりと隅々まで見た後、
     ついには観察対象を大穴の外にまで広げていった)
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 10:55:21.71 ID:nS39C8200
アニ「…どうだった? アルミン」

アルミン「うん…」




アルミン(ひとしきり調査を終えると、僕はアニに向き直った)




アルミン「やっぱり無いね」

アニ「…そう。それじゃあ…」

アルミン「うん… おそらく、さっき話した推測の通りだと思う」
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 11:05:35.68 ID:nS39C8200
アルミン(…よし、少し時間は掛かったけど、
     これで爆発の手掛かりは掴めた)




アニ「次はどうする?」

アルミン「うーん…」




アルミン(僕は次に捜査すべき場所を考える)

アルミン(一応、候補はあるけど…)
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 11:10:25.50 ID:nS39C8200
アルミン(僕は考えながら周囲に視線を巡らせる)

アルミン(そしてふと、すぐ近くにある
     寄宿舎の入口に目が留まった)




アルミン「………………」

アニ「…? どうかした?」

アルミン「…ねえ、アニ」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/12(日) 11:15:25.45 ID:nS39C8200








アルミン「もしかして… “もう1人”は
     寄宿舎にいるんじゃないかな」







581 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/08/12(日) 11:25:07.18 ID:nS39C8200
今日はここまで
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/12(日) 19:53:49.08 ID:ymkG2uip0
乙です。
まさか更新あるとは読み直そうとしてラッキーでした
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/17(金) 13:22:45.29 ID:IXuTDfm10
物体Xが何なのかもまだ不明なのか
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 09:36:52.98 ID:BWFUKar50
うーん続きが気になる
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 05:30:23.34 ID:ndPtDpkL0
アニ「…え?」

アルミン「今までの手掛かりを総合すると、
     そうとしか考えられないんだ」

アルミン「まず、今朝の状況を
     思い出してほしいんだけど…」




アルミン『…足跡?』

ミカサ『それは私も気になっていた。
    まるで、この穴から誰かが這い出たように…』




アルミン「最初の爆発があったとき、寄宿舎から
     研究開発所に続く【1人分の足跡】があったよね?」

アルミン「大雨が降る少し前に、僕たちは
     研究開発所の中を確認してるけど…」

アルミン「その時は、あの死体がなかったから…」

アルミン「あの【1人分の足跡】は
     ベルトルトのものである可能性が高いんだ」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 05:35:26.22 ID:ndPtDpkL0
アニ「…どうして?」

アルミン「帰りの足跡がなかったからだよ」




アルミン『全然気が付かなかった… あれがフットスイッチ?』

アニ『そうみたいだね。この説明文にある図とよく似てるから』

アルミン『あれを踏んで拘束されたって事なのかな…
     だとしたら、この建物に入ろうとして…?』

アニ『…そう考えられるね』




アルミン「状況から見て、ベルトルトは
     研究開発所の入り口に仕掛けられたフットスイッチを踏んでる」

アルミン「そして、罠に拘束された後、
     【2本の黒槍】に貫かれて殺された…」

アルミン「つまり、あの足跡は…
     ベルトルトが寄宿舎を出て殺されるまでの道筋なんだよ」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 05:40:11.81 ID:ndPtDpkL0
アニ「…犯人の足跡である可能性は?」

アルミン「もし、あれが犯人の足跡だったのなら、
     ベルトルトの足跡がないのは不自然だよ」

アルミン「足跡を隠さなきゃいけないのは、
     ベルトルトよりも犯人の方だと思うから…」

アニ「………………」

アルミン「おそらく、この事件には… 
     何かしらのトリックが使われているんだ」

アルミン「足跡を残さずに研究開発所に向かい、
     ベルトルトを殺すことのできるトリックが…」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 05:45:13.97 ID:ndPtDpkL0
アニ「…もし、あの足跡がベルトルトのものだったとして、
   それがさっき言った事とどう繋がるの?」




アルミン『もしかして… “もう1人”は
     寄宿舎にいるんじゃないかな』




アルミン「あの足跡がベルトルトのものだったっていう事は…」

アルミン「“もう1人”は、寄宿舎から出ていないって事になるんだよ」

アニ「どうして? 他の場所に潜伏してる可能性も…」

アルミン「それはないよ。だって…」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 05:50:23.09 ID:ndPtDpkL0




3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。




アルミン「兵団規則では…
     寄宿舎の個室以外では眠れないことになっているから」

アニ「…!!」

アルミン「今朝見たときに、足跡が
     ベルトルトのものしかなかったって事は…」

アルミン「雨が降ってから爆発が起きるまで… つまり、昨日一晩で
     寄宿舎を出た人間はいなかったっていう事だよ」

アルミン「そして、今確認しても… 足跡はこの爆発痕周辺と
     研究開発所に続く【7人分の足跡】しかないから…」

アルミン「“もう1人”は多分、今も中に…」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/19(日) 06:05:13.89 ID:ndPtDpkL0
アニ「………………」

アルミン「…寄宿舎の中、調べてみない?」

アルミン「もしかしたら…」

アニ「…わかった」

アニ「調べてみよう」
591 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/08/19(日) 06:10:32.23 ID:ndPtDpkL0
今日はここまで
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 08:40:14.08 ID:ndsMlkS30
― 寄宿舎 ―




アルミン「ここがライナーの部屋…」

アニ「………………」

アルミン「開けるよ」

アニ「…うん」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 08:45:04.21 ID:ndsMlkS30
ガチャガチャ




アルミン「鍵がかかってる…」

アニ「………………」

アルミン「うーん、これじゃあ…」

アニ「仕方ない、開けてもらおう」

アルミン「えっ?」

アニ「モノクマ」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 08:50:13.49 ID:ndsMlkS30




モノクマ「お呼びですかーーーーっ!?」




アルミン「おわっ!?」

アニ「ライナーの部屋に入りたいんだけど、開けてくれない?」

モノクマ「えっ!? レオンハートさんが!?」

モノクマ「ブラウンくんの部屋に!?」

アニ「…何よ」

モノクマ「い、いやあ… まさか…」

モノクマ「さすがのボクも、そっち方向の矢印は
     想像していなかったから…」
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 08:55:11.91 ID:ndsMlkS30
アルミン「…矢印?」

モノクマ「だってさあ、レオンハートさんって
     ブラウンくんに対してはツンデレっていうより…」

モノクマ「ツンしかなかったじゃない!
     殺意すら感じるほどに!」

アニ「………………」

モノクマ「でもやっぱり、人は見かけによらないんだね…
     ボクもまだまだ修行が足りないなあ」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 09:00:10.59 ID:ndsMlkS30
アニ「開けて」

モノクマ「あっ、でもアルレルトくんにとっては複雑かな?
     まあそういう三角関係も…」

アニ「開けて」

モノクマ「…わかったよ。開ければいいんでしょ、開ければ」




カチャッ




モノクマ「はい、開けたよ。後はお好きに…」
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 09:05:13.78 ID:ndsMlkS30
アルミン「あっ、待って」

モノクマ「?」

アルミン「ライナーの部屋だけじゃなくて…
     この寄宿舎の中の鍵は全部開けてくれない?」

モノクマ「えっ、全部?」

アニ「…アルミン?」

アルミン「“もう1人”が潜んでるのはこの部屋とは限らないよ。
     念のために、ね」
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/26(日) 09:10:25.02 ID:ndsMlkS30
モノクマ「まあ、ボクは別にいいよ。
     1つも全部も変わらないし」




カチャカチャカチャッ…




モノクマ「はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ」

アルミン「ありがとう、もういいよ。
     また何かあったら呼ぶから」

モノクマ「…なんかクマ使いがこなれてきてない?
     ていうか、荒くなって…」

アルミン「それじゃあ行こうか、アニ」

アニ「うん」

モノクマ「………………」
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 10:46:22.78 ID:8H0rsrO/0
更新してた
600 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/08/26(日) 12:00:29.59 ID:ndsMlkS30
一旦中断します
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 12:09:26.42 ID:/opdgm7wo


お約束なら死んでるんだろうな
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/26(日) 13:11:41.30 ID:8H0rsrO/0
乙です
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/27(月) 14:00:49.10 ID:SJyNgyB00
― 大浴場 ―




アニ「アルミン」

アルミン「アニ、どうだった?」

アニ「駄目だね… 女子の部屋は全員分見たけど、
   誰もいなかった」

アルミン「こっちもだよ… 男子の部屋には誰も」

アニ「そう… その様子だと、この大浴場も
   ハズレみたいだね」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/27(月) 14:05:09.48 ID:SJyNgyB00
アルミン「部屋にもいない、大浴場にもいない、か…」

アニ「………………」

アルミン「この寄宿舎の出入り口って、1つだけだよね」

アニ「…そうだね。裏口どころか、
   この建物には窓が1つも無いからね」

アルミン「………………」

アニ「残念だけど、あんたの推理は不正解…ってこと?」
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/27(月) 14:45:31.36 ID:SJyNgyB00
アルミン「………………」

アニ「いや、そういえば… まだ見てない場所があるね」

アルミン「…え?」

アニ「この寄宿舎に、外から入れる
   もう1つの扉があるんだけど… 知ってた?」

アルミン「えっ… さっき、裏口はないって…」

アニ「裏口じゃないよ。この寄宿舎の
   どこにも繋がっていないからね」

アルミン「…?」

アニ「要するに、寄宿舎に併設してる外付けの部屋ってことさ」

アニ「この施設の調査でも何回か確認したんだけどね…
   2回の裁判を経ても、未だに施錠されてる所だよ」
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/08/27(月) 14:55:31.69 ID:SJyNgyB00
アルミン「でも、施錠されてるなら… あっ」

アニ「そういう事… さっきモノクマが言ってたでしょ」




モノクマ『はい、鍵のかかった部屋は全部開けたよ』




アニ「あの場所も寄宿舎の一部だと見なされているなら、
   鍵が開いた可能性がある…」

アニ「たとえそこが、兵団裁判を終えないと
   開かないような場所でもね」

アルミン「………………」

アニ「せっかくだから、そこも調べてみる?」

アルミン「…そうだね」
607 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/08/27(月) 15:00:33.20 ID:SJyNgyB00
今日はここまで
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/28(火) 10:03:38.74 ID:520MGiAc0
乙です
もう一人見つからないと死んだのがライナーと言われた理由の解明が難しいままだね
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/28(火) 10:15:24.94 ID:520MGiAc0
モノクマは今回殺されたのはライナーで皆が見た死体をベルトルトとは言ってないのか
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/02(日) 09:00:35.55 ID:fgC5o6vT0
― ??? ―




アニ「着いたよ」

アルミン「本当だ… 今まで全然気が付かなかった」

アニ「目立たない所にあるからね。
   私も偶然発見したようなもんだし」

アルミン「………………」

アニ「…それじゃあ、開けるよ」

アルミン「…うん」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/02(日) 09:05:10.03 ID:fgC5o6vT0
ガチャッ…




アルミン「開いた…!」




ギギギギ…




アニ「…真っ暗だね」

アルミン「うん… 何も見えな…」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/02(日) 10:00:16.63 ID:fgC5o6vT0
パチッ




アルミン「うわっ!?」

アニ「…!!」

アルミン「きゅ、急に明かりが…」

アニ「ア、アルミン… これ…」

アルミン「…!!」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/02(日) 10:20:35.91 ID:fgC5o6vT0
B特殊ガス発生装置


<概要>

特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。


<使い方>

(1)ガスカプセルをセットします。

(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。

(3)ガス発生のスイッチを押します。


<ガスカプセル>

 ・ 毒カプセル(紫)

   致死性の毒ガスを発生させます。

 ・ 麻痺カプセル(黄)

   身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
   効果時間は約5分間です。

 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。

 ・ 淫乱カプセル(ピンク)

   エッチな気分にさせるガスを発生させます。
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/09/02(日) 10:40:17.30 ID:fgC5o6vT0
アルミン「間違いない、この外観…」

アルミン「開発品のリストに載ってる
     特殊ガス発生装置だ…」

アニ「………………」

アルミン「これって確か、2つの時限爆弾と一緒に
     無くなってたんだよね?」

アニ「…ああ、そうだね」

アルミン「どうしてこんな所に…」




ゴオオオオ…




アルミン「…ていうか、この場所は…?」
615 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/09/02(日) 10:45:20.74 ID:fgC5o6vT0
今日はここまで
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 13:02:02.74 ID:z86g5NGa0
乙です
最後おかしなカプセルが
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/09/02(日) 17:28:17.50 ID:ojJxsWBHO
菜々「え?何を今更…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1535800392/
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 22:50:43.78 ID:iykOB/xh0




モノクマ「お答えしましょーう!!」




アルミン「うわっ!?」

モノクマ「ここはずばり、空調室です!」

アニ「…空調室?」

モノクマ「一言で言うなら、空気を循環させるための部屋!」

モノクマ「新鮮な空気をオマエラの部屋にお届けするための
     重要な部屋なんだよ!」
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 22:55:05.33 ID:iykOB/xh0
アルミン(僕は部屋の中を見回した)

アルミン(よく見ると、高速で回転する丸いものが
     壁に埋め込まれている)




アルミン「…もしかして、あれで空気を?」

モノクマ「おっ、よくわかったね。その通りだよ」

モノクマ「あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…」

モノクマ「中にあるフィルターで綺麗にしてから、
     それぞれの部屋に送り届けてるの」
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:00:07.77 ID:iykOB/xh0
アルミン「空気を送り届ける…?」




アルミン(僕は改めて壁の回転物体を見た)

アルミン(そのすぐ手前には、先ほど僕たちが見つけた
     特殊ガス発生装置が置かれている)




アルミン「………………」




アルミン(その位置関係を見たとき…
     僕の中で閃くものがあった)
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:05:04.60 ID:iykOB/xh0
モノクマ「ほら、寄宿舎の部屋って窓がないでしょ?
     それでもオマエラが息苦しさを感じなかったのは…」

アニ「…アルミン?」




アルミン(僕は閃いた予感を抱きつつ、
     特殊ガス発生装置に近付いていく)

アルミン(装置を調べると、丸く凹んだ部分に収められた
     派手な色の物体を発見した)

アルミン(その色とリストの説明文を見比べ、僕は確信する)
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:10:37.62 ID:iykOB/xh0
モノクマ「まあ、今のオマエラに説明してもピンと来ないだろうけど、
     これも文明の利器ってやつで…」

アルミン「アニ、寄宿舎に戻ろう」

アニ「…え?」

モノクマ「ねえ、ちょっと、聞いてる?」

アニ「寄宿舎はもう調べたでしょ? 今さら何を…」

アルミン「もう一度調べてみるんだ」

モノクマ「………………」

アルミン「…ある人物の部屋を」
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:15:04.79 ID:iykOB/xh0
― ある人物の個室 ―




アルミン(その人物の部屋は、廊下の一番奥にあった)

アルミン(僕の中の確信がますます深まる)




アニ「…で? この部屋に何があるって言うの?」

アニ「ここはあんたが調べたんでしょ?
   あんたの言う通り、ライナーはいないみたいだけど…」

アルミン「探してるのはライナーじゃない」

アニ「…え?」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:20:05.01 ID:iykOB/xh0
アルミン(怪訝そうに眉をひそめるアニを尻目に、
     部屋の中を見渡す)

アルミン(ベッドがある壁に四角い金網を見つけると、
     僕はゆっくりと近づいていった)




アニ「それにしても、この部屋…
   なんか変じゃない?」

アニ「昨日来たときにも思ったけど、
   妙に息苦しいっていうか…」
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/17(水) 23:25:08.39 ID:iykOB/xh0
アルミン「やっぱりそう思う?」

アニ「…?」




アルミン(僕はベッドの上に上り、金網に手をかけていた)

アルミン(両手で枠をつかみ、ガタガタと揺さぶる)

アルミン(すると、ほどなくして金網が外れ、
     真っ暗な空間が姿を現した)
626 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/10/17(水) 23:30:07.04 ID:iykOB/xh0
今日はここまで

下記サイトでの投稿は中止します
http://sstokosokuho.com/ss/read/14339
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/18(木) 04:40:15.34 ID:hM7jfWRbO

あっちだとちょっと読みづらかったから、復旧して良かった
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/18(木) 21:34:53.60 ID:kphm661q0
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 08:45:06.90 ID:wWGjctwz0
アルミン(僕はそのまま空間に顔を突っ込んだ)

アルミン(中は小さな通路のようになっているようだが、
     光が届かないせいで奥まで見ることができない)




アルミン「ねえ、アニ… 明かりとか持ってないかな?」

アニ「………………」

アルミン「…アニ?」

アニ「持って来てもいいけど…」

アニ「いい加減に教えてくれない?
   あんたが今何を調べているのか…」
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 15:20:19.02 ID:wWGjctwz0
アルミン(僕は振り向いてアニを見た)

アルミン(相変わらずの無表情だが、
     どこか不貞腐れているようにも見える)




アルミン「えっと… さっきモノクマが
     空調室の説明をしてたよね?」




アルミン『…もしかして、あれで空気を?』

モノクマ『おっ、よくわかったね。その通りだよ』

モノクマ『あのプロペラで送られてきた空気を吸い込んで…』

モノクマ『中にあるフィルターで綺麗にしてから、
     それぞれの部屋に送り届けてるの』



631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 15:25:39.50 ID:wWGjctwz0
アルミン「おそらく… この穴は空調室に通じてるんだ」

アニ「…どうしてそう思うの?」

アルミン「モノクマは、空調室で作られた空気を
     それぞれの部屋に送り届けてるって言ってたよね」

アルミン「それと、空気を循環させるとも…」

アルミン「つまり… 僕らの部屋には新しい空気を取り込む入口と、
     古い空気を排出するための出口があるはずなんだ」
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 15:35:04.68 ID:wWGjctwz0
アニ「…なるほど、その金網に覆われた穴が
   空気の出入口だと考えたんだね」

アルミン「うん。向かい側の壁には、
     もう1つ同じような金網があるしね」




アルミン(おそらくは、これらのどちらかが入口で、
     もう一方が出口なのだろう)

アルミン(そして… 空気の流れから察するに、
     僕が金網を外したのは入口の方だ)




アニ「…でも、それがどうしたの?
   今回の事件と何か関係があるの?」
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 15:45:24.57 ID:wWGjctwz0
アルミン「空調室にあった特殊ガス発生装置は、
     部屋に空気を送り出す回転体の手前に置いてあったんだ」

アニ「それは私も見たけど…」

アルミン「そして、特殊ガス発生装置には、
     【水色】の物体が収められていた…」




アルミン(瞬間、アニがはっと目を見開いた)

アルミン(僕が言いたいことを理解したのだろう)
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/10/28(日) 15:55:14.41 ID:wWGjctwz0
アニ「…ねえ、あの装置は確か、
   ガスを発生させる時間を決めることができたよね?」

アルミン「うん。さっき調べてるときに
     ガスの設定時間も確認したけど…」

アルミン「【あの時間】には、間違いなく
     ガスが発生していたはずだよ」

アニ「…なるほど」




アルミン(アニは何事かを考え込んだ末、僕に言った)




アニ「明かりを取りに行こう。ついてきて」
635 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/10/28(日) 16:00:10.57 ID:wWGjctwz0
今日はここまで
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 17:20:24.01 ID:8sI1/4OY0
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 18:18:09.66 ID:LQeXXuNf0
乙です
物体xも気になるなぁ
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:15:05.13 ID:k5Bk2gEb0
― アニの個室 ―




アニ「…これだよ、ほら」




アルミン(僕たちがやって来たのは、アニの個室だった)

アルミン(アニは部屋に入るなり、“それ”が置いてある
     机の上に向かっていった)




アルミン「それって… ランタン?」

アニ「そうだよ。倉庫から持ってきたんだ」
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:20:42.73 ID:k5Bk2gEb0
アニ「それじゃあ、戻ろうか」

アルミン「うん」




アルミン(アニがランタンを手にして部屋を後にする)

アルミン(僕はアニに続いて部屋を出ようとした)




アルミン「………………」

アニ「アルミン? 行くよ」

アルミン「あっ、うん…」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:25:07.81 ID:k5Bk2gEb0
― ある人物の個室 ―




アルミン(元の部屋に戻ると、僕たちは
     先ほど開けた四角い穴へと駆け寄った)

アルミン(アニがランタンに明かりを灯し、僕に渡してくる)




アルミン「ありがとう」




アルミン(アニは黙って頷き返す)

アルミン(僕は手にしたランタンと一緒に、
     顔を穴の中に突っ込んだ)
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:30:40.29 ID:k5Bk2gEb0
アニ「どう? 何か見える?」

アルミン「うーん、奥は突き当りになってるみたいだけど…」




アルミン(あるとしたら、あの突き当りを曲がった先か)

アルミン(幸い、僕は体が小さいから、
     このまま上半身も滑り込ませられそうだ)




アルミン「もうちょっと奥を見てみるね」

アニ「…あんまり無茶しないでよ?」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:35:10.27 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(僕はランタンを持った手を前に伸ばしながら、
     体を穴の中にねじ込んだ)

アルミン(体を揺すりながらゆっくりと前進すると、
     徐々に突き当りへと近付いていく)




アルミン「くっ…」




アルミン(想像していたものの、やっぱり体勢がキツかった)

アルミン(体が締め付けられて上手く息ができない)
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 19:40:16.68 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(だけど、僕の予想通りなら…
     息が苦しいのは体勢のせいだけじゃないはずだ)




アルミン「ふぬっ…!」




アルミン(僕は気合で体を前進させ、
     ついに突き当りまで顔を到達させた)

アルミン(そのままゆっくりと顔を横に向けると…)
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 20:05:04.15 ID:k5Bk2gEb0








アルミン「うわああああああああああああああああああああ!!」







645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/03(土) 20:15:18.20 ID:k5Bk2gEb0
アルミン(僕は恐怖で完全に取り乱した)

アルミン(急いで穴から離れようとするが、
     体がつかえて上手く動けない)




アニ「アルミン!?」




アルミン(アニの声が遠くから聞こえる)

アルミン(次の瞬間、腰に誰かの腕が絡みつくのを感じた)

アルミン(僕を穴から引きずり出そうとしているのだろう)
646 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/03(土) 20:25:06.55 ID:k5Bk2gEb0
今日はここまで
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/03(土) 21:46:52.98 ID:OL4YWpSro
死体か…
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 07:58:02.81 ID:QigWd0Q00
乙です
また気になるところで終わるなぁ、アニの部屋出る時のアルミンも気になるし
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:00:11.11 ID:GzPPaT5x0
ググッ




アルミン(腰にかけられた強い力で引っ張られ…)




バッ




アルミン(ほどなくして、僕は穴から抜け出すことができた)
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:05:15.22 ID:GzPPaT5x0
アルミン「はぁ……はぁ……」

アニ「大丈夫…!?」




アルミン(アニが心配そうに駆け寄ってきた)

アルミン(どうやら、急に暴れ出した僕を見て
     引っ張り出してくれたらしい)
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:10:15.61 ID:GzPPaT5x0
アルミン「あ、ありがとう… 助かったよ」

アニ「どうやら怪我はないみたいだね。
   それなら…」




アルミン(アニは僕の目を覗き込んできた)




アニ「アルミン、あんたは一体何を見たの?」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:15:07.05 ID:GzPPaT5x0
アルミン(さっきの光景が頭をよぎる)

アルミン(僕は質問に答える代わりに、アニにランタンを手渡した)




アニ「………………」




アルミン(答えようとしても、言葉が出てこなかったのだ)

アルミン(実際に見てもらう方が早いだろう)
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:25:12.53 ID:GzPPaT5x0
アルミン(アニはランタンを受け取ると、
     穴の中に身を滑り込ませた)

アルミン(僕以上に小柄なアニは、
     するすると中を進んでいく)

アルミン(そのまま、アニは壁から
     下半身だけを出した状態になっていたが…)




アニ「…っ!!」




アルミン(ほどなくして小さな悲鳴を上げると、
     僕の助けを借りながら穴の外へ這いずり出た)
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/04(日) 14:26:04.76 ID:PZb+rFJSo
いや、何があるか言えよw
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:30:05.78 ID:GzPPaT5x0
アニ「はぁ……はぁ……」

アルミン「………………」

アニ「な、なんで…」




アニ「なんでモノクマがいるの…?」



656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:40:06.95 ID:GzPPaT5x0
アルミン(そう… 僕たちが見たのはモノクマだった)

アルミン(あの狭くて暗い空間で、
     モノクマが僕たちを見つめていたのだ)




アルミン「わからない… でも、明らかに異様だった」




アルミン(モノクマはピクリとも動かなかった)

アルミン(そして、その身体は奇妙な方向にねじ曲がり、
     穴の中に乱暴に押し込められたような状態だった)

アルミン(まるで残虐死体のように…)
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 14:55:31.67 ID:GzPPaT5x0
アニ「誰かがやった…ってこと?」




アルミン(何のために?)

アルミン(なんでモノクマを…?)




アルミン「モノクマ、いるか?」




アルミン(僕はどこへともなくモノクマを呼んでみた)

アルミン(しかし、部屋の鍵を開けてもらった時とは違い、
     モノクマは一向に姿を現さない)
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/04(日) 15:00:36.69 ID:GzPPaT5x0
アルミン「………………」




アルミン(おそらく、これ以上は考えても仕方がないだろう)

アルミン(それに… 予想とは違う結果だったけど、
     見たいものは見ることができた)

アルミン(正直言って、もうここに用はない)




アルミン「次の場所に行こうか」

アニ「えっ、あれはいいの?」

アルミン「もういいよ。あとで聞けばわかる事だし」

アニ「あとで聞くって…」

アルミン「………………」

アニ「はぁ… まあ、いいけど」
659 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/04(日) 15:25:15.92 ID:GzPPaT5x0
今日はここまで
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 07:28:11.14 ID:XMGmmY/j0
今回2日連続だったのか、ありがたい乙です
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/05(月) 07:34:21.74 ID:XMGmmY/j0
モノクマ呼ばれても来ない時あるのか
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 20:40:32.00 ID:kAN7vNR00
― 観測所 ―




アルミン(次に僕たちがやって来たのは観測所だった)

アルミン(建物に入ってすぐ、巨大な望遠鏡が目に付く)




アニ「ああ、ここね…」




アルミン(この場所には一昨日、
     アニに連れられてやって来ていた)

アルミン(だから、ここを訪れるのは今回で2度目だ)
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 20:45:06.04 ID:kAN7vNR00
アニ「…で? こんな所に何の用?」

アルミン「うん、ちょっと気になる事があって…」




アルミン(僕はそう言いながら目的のものを探す)

アルミン(それは一昨日と同じように、部屋の隅に置かれていた)
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 20:50:23.84 ID:kAN7vNR00


DAY 13  曇り

DAY 14  晴れ のち 曇り

DAY 15  晴れ

DAY 16  曇り

DAY 17  曇り

DAY 18  曇り

DAY 19  晴れ

665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 21:00:14.74 ID:kAN7vNR00
アルミン「………………」

アニ「この黒板がどうかした?」

アルミン「これってさ… 
     今日から7日分の天気の予報なんだよね?」

アニ「…そうだけど」

アルミン「それじゃあ、昨日までの天気予報は
     全部消されちゃったのかな…」
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 21:05:16.57 ID:kAN7vNR00
アニ「ああ、それなら…
   こっちの紙にまとめてあるよ」

アルミン「え、あるの?」

アニ「うん、ほら…」




アルミン(アニはそう言って、黒板のそばに掛けられた
     紙束を引っ張り上げる)

アルミン(僕はそれを受け取り、中身に目を通した)
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 21:15:12.06 ID:kAN7vNR00


DAY 01  晴れ

DAY 02  晴れ のち 曇り

DAY 03  曇り

DAY 04  晴れ

DAY 05  晴れ

DAY 06  曇り

DAY 07  曇り のち 晴れ

DAY 08  曇り

DAY 09  晴れ

DAY 10  晴れ

DAY 11  晴れ のち 曇り

DAY 12  曇り のち 大雨 時々 雷

668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/08(木) 21:25:13.61 ID:kAN7vNR00
アルミン「…!」




アルミン(やっぱりそうだ…)

アルミン(これは… どう考えてもおかしい)




アニ「…アルミン?」

アルミン「アニ… 次の場所に行こう」

アニ「………………」

アルミン「おそらく、次で最後だから…」
669 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/08(木) 22:45:13.19 ID:kAN7vNR00
今日はここまで

しばらく不定期で投稿します
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/10(土) 17:54:33.30 ID:qe+86gbq0
乙です
年末に向けて忙しくなるでしょうし、ゆっくりまったりでどうぞ
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/13(火) 00:16:16.06 ID:OY/LRY2N0
乙です
楽しみに待ってます
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 19:55:11.86 ID:74bAmRE+0
― 訓練所 ―




アルミン(“最後の場所”に向かう途中、
     僕たちは2人の人物と出くわした)




アルミン「ミカサ! ジャン!」

ミカサ「アルミン」

ジャン「よ、よう…」

アニ「………………」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 20:05:11.82 ID:74bAmRE+0
アルミン(手を上げるミカサとは対照的に、
     ジャンはどこか気まずそうにしている)




ジャン「………………」




アルミン(おそらく、あの出来事が尾を引いているのだろう)

アルミン(ふとアニを見ると、彼女もまた
     ジャンを無遠慮に睨みつけていた)
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 20:10:04.73 ID:74bAmRE+0








アニ『まだ私たちに隠してる事があるんじゃないの?』







675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/13(火) 20:20:30.75 ID:74bAmRE+0
ミカサ「どう? 捜査の方は」

アルミン「まあ、色々とわかったかな。そっちは?」

ミカサ「…こっちも色々と」




アルミン(お互いに煮え切らない返事を返す)

アルミン(情報共有なら後でできるし、
     今はそんな事をしている時間もない)
676 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/13(火) 20:25:11.87 ID:74bAmRE+0
今日はここまで
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 13:28:58.24 ID:NDsvjjAh0
なんでマルコを差し置いてモブのミーナが出てるんだ?
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 15:40:14.58 ID:fvFA8fLy0
アルミン「これからどこに行くの?」

ミカサ「倉庫。アルミンは?」

アルミン「僕たちは… 溶鉱炉に」

ミカサ「…そう」




アルミン(ミカサはしばらく何かを考え込んでいたが…)

アルミン(やがて僕を見据えると、何かを差し出してきた)
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 15:45:27.22 ID:fvFA8fLy0
アルミン「…? これは?」

ミカサ「超硬質ブレード。兵団専用の、巨人殺しの剣」




アルミン(ミカサから差し出された剣を受け取る)

アルミン(独特の形状を持つそれは、僕には見覚えがあった)




アルミン「これってもしかして…」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 15:55:15.41 ID:fvFA8fLy0




コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』

ミカサ『ちょっと調べ物』

コニー『調べ物って…
    こ、こら! 剣は持って行くな!』




アルミン⦅コニーの制止も意に介さず、ミカサは剣を持ったまま
     建物の外へと向かっていった⦆








ミカサ「そう。それは、私が現場から持って行った剣」

アルミン「…どうしてこれを?」

ミカサ「その剣は溶鉱炉で作られている」

アルミン「えっ…!?」
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 16:15:26.82 ID:fvFA8fLy0
アルミン(意外な事実に驚き、僕は改めて剣を見る)

アルミン(じゃあ、現場にあった無数の剣は…)




ミカサ「あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている」

ミカサ「今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい」

アルミン「えっ、比べるって…」

ジャン「おい、いつまで立ち話してるんだ。
    もう時間ないだろ。行くぞ」

ミカサ「ああ、うん…」
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 16:20:43.25 ID:fvFA8fLy0
アルミン(ミカサとジャンが背を向ける)

アルミン(その姿を見届けるようにして、
     アニも反対方向に歩き出した)




アニ「アルミン、私たちも行くよ。
   溶鉱炉でしょ?」

アルミン「あっ、うん…」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 16:25:52.46 ID:fvFA8fLy0
ザッザッザッ




アルミン「………………」




クルッ




ダッダッダッダッ
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/17(土) 16:30:13.28 ID:fvFA8fLy0
アルミン「ミカサ」

ミカサ「…? どうしたの? 溶鉱炉に行くんじゃ…」

アルミン「いや、その前に…」




アルミン「ちょっとお願いがあるんだけど…」
685 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/17(土) 16:35:11.68 ID:fvFA8fLy0
今日はここまで
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/27(火) 20:40:33.65 ID:lRiuTful0
― 溶鉱炉 ―




アルミン「暑っ…!」




アルミン(建物に入ってからの第一声がそれだった)

アルミン(中には巨大な溶鉱炉があり、
     グツグツとした紅いもので満たされていた)
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/27(火) 20:50:07.24 ID:lRiuTful0
アニ「これは… 中々凄い場所だね」




アルミン(アニが額に汗を浮かべながら呟く)

アルミン(『マジで溶けちまうかと思った』という
     コニーの表現は誇張ではなかったようだ)




アニ「…あまり長居はしたくないね」

アルミン「うん… もう時間もないし、早く調べよう」
688 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/11/27(火) 20:55:38.00 ID:lRiuTful0
今日はここまで
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 16:35:09.83 ID:66sDkX0i0
アルミン(僕はさっそく辺りを見渡した)

アルミン(よく見ると、空間の隅に
     鋭く光るものが並べられている)




アルミン「あれは…」




アルミン(その光るものには見覚えがあった)

アルミン(それはまさに、僕がミカサから渡された剣…
     超硬質ブレードだった)
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:05:17.17 ID:66sDkX0i0




ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




ミカサ「…ミカサの言ってた事は本当だったみたいだね」

アルミン「うん… それにしても凄い数だ」




アルミン(壁沿いにならべられた剣は
     ざっと見ただけでも100本以上ある)

アルミン(剣はいくつかのグループに分かれていて、
     グループの上部には日付が記されていた)
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:10:13.29 ID:66sDkX0i0




ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アニ「…ミカサの言ってた事は本当だったみたいだね」

アルミン「うん… それにしても凄い数だ」




アルミン(壁沿いにならべられた剣は
     ざっと見ただけでも100本以上ある)

アルミン(剣はいくつかのグループに分かれていて、
     グループの上部には日付が記されていた)
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:15:44.00 ID:66sDkX0i0
アルミン「…もしかして、製造された日付ごとに
     分けられているのかな?」

アニ「………………」

アルミン「アニ? どうかした?」

アニ「ちょっと聞きたいんだけど…」

アニ「あんたが最後の場所としてここを選んだのは
   どういう理由?」
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:20:22.10 ID:66sDkX0i0
アルミン「えっ…」

アニ「………………」

アルミン「理由は…」

アルミン「えーっと… ミカサが研究開発所を出て
     真っ先に向かった場所だからだよ」

アルミン「ほら、憶えてる? 僕たちが研究開発所から
     外に出たときの事…」
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:25:25.21 ID:66sDkX0i0




アルミン『これはミカサの足跡だね』

アニ『みたいだね。この方向からすると…』




アルミン⦅アニが足跡の続く先に視線を向ける⦆

アルミン⦅僕も同じように視線を追うと、
     煙を上げる巨大な煙突が目に入った⦆




アルミン「ミカサの足跡はこの溶鉱炉まで伸びていたよね?」

アルミン「だから、ちょっと気になってたんだ。
     ミカサはどうして溶鉱炉に目を付けたんだろうって」
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:35:17.87 ID:66sDkX0i0




コニー『お、おい! どこに行くんだ!?』

ミカサ『ちょっと調べ物』

コニー『調べ物って…
    こ、こら! 剣は持って行くな!』




アルミン「でも、ここに来てその謎が解けたよ」

アルミン「ミカサは溶鉱炉に向かう前に
     やけに剣を気にしていた…」

アルミン「つまり、ミカサは現場にあった剣が
     この溶鉱炉で作られたものだと知っていたんだ」

アルミン「だから、どうしてその剣が現場に残されていたのか…
     その事が気になったんだと思う」
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:40:27.44 ID:66sDkX0i0
アニ「へぇ…」

アルミン「へぇって… どうしてそんな事を聞いたの?」

アニ「別に… じゃあ、この場所を“最後”だなんて
   言ったのはどうして?」

アルミン「それは… 今までの捜査時間から考えて、
     あと回れるのは1ヶ所くらいだなって思っただけだよ」

アニ「そう…」
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:50:26.47 ID:66sDkX0i0
アルミン(どうしたんだろう、さっきから…)




アニ「………………」




アルミン(アニは相変わらず表情を変えない)

アルミン(この場所の熱気のせいで顔には汗が浮かんでいるが、
     それ以外で外観に変化は見られない)

アルミン(彼女の頭の中では、一体何が渦巻いているのだろうか)
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/08(土) 17:55:14.52 ID:66sDkX0i0
アルミン(アニの様子を気にかけていた時だった)




アルミン「…ん?」




アルミン(視界の隅に何かが映った)

アルミン(最初は気のせいかと思ったが、どうも違うらしい)

アルミン(非常に目立たないが、それは確かにそこにあった)
699 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/08(土) 18:00:09.63 ID:66sDkX0i0
今日はここまで

>>690はミスです
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/08(土) 22:18:59.81 ID:jbsYqPyX0
乙です。考えたら生き残ってる人数がもう少ないんだよな。裏切り者が本当にいるのかどうか
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/10(月) 21:10:09.23 ID:SUeLXehU0
グツグツグツ…




アルミン(熱く煮えたぎる紅い液体)

アルミン(溶鉱炉という名前から考えて、あれが超硬質ブレードの
     元になるのだろう)




グツグツグツ…




アルミン(それは巨大な炉から少し離れたところにあった)

アルミン(目を凝らさないとわからない、床についた小さな痕…)
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/10(月) 22:00:12.40 ID:SUeLXehU0
アルミン「これは…?」




アルミン(何の痕だろう)

アルミン(どうしてこんな場所に…?)




グツグツグツ…




アルミン(取り立てて気に留めるべきものではないかもしれない)

アルミン(だけど何故か、僕にはそれが気になって仕方なかった)
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/10(月) 22:10:20.47 ID:SUeLXehU0
アルミン(僕はそのまま溶鉱炉の周りを回ってみた)

アルミン(すると、同じような痕が1つ、2つ…)

アルミン(全部で4つの痕が炉の周りに残されていた)




グツグツグツ…




アルミン(4つの痕は円形の炉を囲んで等間隔に並んでいる)

アルミン(これは一体…)




【炉の周りの小さな痕】



704 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/10(月) 22:15:08.83 ID:SUeLXehU0
今日はここまで
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/12(水) 18:40:16.61 ID:Y4KxLkDe0
アニ「アルミン」




アルミン(名前を呼ばれて振り返ると、
     アニが怪訝そうな顔をしてこちらを見ていた)




アニ「何やってんの。危ないよ」

アルミン「えっ… ああ」




アルミン(どうやら心配してくれていたらしい)

アルミン(僕は気付かないうちに、開きっぱなしの炉に
     かなり近づいてしまっていた)
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/12(水) 18:45:15.33 ID:Y4KxLkDe0
アルミン「ここ… かなり危ないよね。
     落ちたらひとたまりもないよ」

アニ「そうだね… でも、一応
   安全対策はしてあるみたいだよ」

アルミン「安全対策?」

アニ「もう少し炉に近付いてみて」




アルミン(何のことかわからず、僕は言われるがままに
     炉に足を踏み出した)

アルミン(すると…)
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/12(水) 18:50:14.13 ID:Y4KxLkDe0
ウィィィィィィィィン

ウィィィィィィィィン




アルミン「え!? な、何…」




ガタン




アルミン(それは一瞬の出来事だった)

アルミン(僕が足を踏み出すと同時に、
     けたたましい音が鳴り響き…)

アルミン(開いていた炉が、金属の蓋で覆われたのだ)
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/12(水) 19:00:06.60 ID:Y4KxLkDe0
アニ「その炉に近付きすぎると、床が検知して
   自動的に炉が閉じる仕組みらしいよ」

アニ「そこの壁に説明が書いてあった」

アルミン「へ、へぇ…」




アルミン(だったら最初から閉じればいいのに…)

アルミン(そう言葉が出かかったが、口に出すだけ無駄だろう)

アルミン(アニの言葉を借りれば、
     ここはそういう場所なのだから…)




【溶鉱炉の安全対策】



709 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/12(水) 19:05:11.31 ID:Y4KxLkDe0
今日はここまで
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/12(水) 19:23:55.41 ID:iaQYpZSeO
怖い…
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/13(木) 08:58:41.00 ID:xOFhtR+V0
乙です
長く続けてるのも凄いし内容もおもしろいから続けられなくなった時が怖い
その場合謎の答えだけはどうか
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 19:35:15.75 ID:fcNAnGok0
アニ「…で? 大体見終わった?」

アルミン「いや、まだ確かめたい事があるんだ」




アルミン(僕はそう言って手にした剣を眺めた)

アルミン(ミカサから渡された1本の剣…)
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 19:45:35.73 ID:fcNAnGok0




ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アルミン「ミカサはこの剣を
     “比べてみろ”って言ってたよね」

アニ「…ああ、そうだったね」




アルミン(僕は剣を手にしたまま壁に近付いた)

アルミン(日付ごとに区分けされた多数の剣…)

アルミン(それらを眺めているうちに、ある疑問が浮かんできた)
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 19:50:38.80 ID:fcNAnGok0
アルミン「これって、いつの剣なんだろう?」

アニ「え?」

アルミン「ミカサから渡された…
     つまりは現場にあった剣だよ」

アルミン「あそこにある多数の剣が
     ここから持ち出されたものだとしたら…」

アルミン「あれらはいつ作られたものだったんだろう?」
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:05:11.78 ID:fcNAnGok0
アニ「なんでそんな事が気になるの?
   作られた日付に意味があるとでも?」

アルミン「それはわからないけど… あっ!」




アルミン(僕はある日付が記された剣の一群に目を向けた)




アルミン「ほら、あの日付だけ剣の数が少なくなってるよ!」

アニ「…本当だね。他のグループの半分以下だ」




アルミン(改めて日付を確認してみる)

アルミン(『DAY 12』… この生活が始まって12日目…)

アルミン(今日は13日目だったはずだから、つまりは昨日だ)
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:20:20.10 ID:fcNAnGok0
アルミン「犯人はこの日付の剣を持ち出したのかな?」

アニ「そうかもしれないけど…」




アルミン(日付にまでこだわるのは
     さすがに考えすぎではないか…)

アルミン(きっとアニはそう思っているのだろう)




アルミン「………………」




アルミン(だけど…)

アルミン(もし、そこに重大な意味があるとしたら…?)
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:30:09.21 ID:fcNAnGok0








「キーン、コーン… カーン、コーン」








モノクマ『楽しいなっ、楽しいなっ!
     兵団裁判が始まるぞっ!!』

モノクマ『兵団裁判…それは花火のような一瞬のキラメキ…
     生と死のぶつかり合いが生む、魂の閃光…』







718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:35:06.45 ID:fcNAnGok0








モノクマ『…という訳でッ!!』

モノクマ『そんじゃあ、オマエラは、
     いつもの場所に集合をお願いしまーす!』

モノクマ『ユー、施設のフロア末端にある
     赤い扉にインしちゃいなよ!』

モノクマ『うぷぷ、じゃあ後でね〜!!』







719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:40:15.61 ID:fcNAnGok0
アルミン「…!!」

アニ「どうやら時間切れみたいだね」

アルミン「しまった… まだちゃんと比較できてないよ」

アニ「仕方ないよ。詳細はミカサから聞こう」

アルミン「そうだね…」
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/13(木) 20:45:07.25 ID:fcNAnGok0
ガタン




アルミン「…!? な、何…!?」

アニ「どうやら、閉じていた炉がまた開いたみたいだね」

アルミン「炉が…?」




グツグツグツ…




アルミン「………………」

アニ「…アルミン? 行くよ」

アルミン「あっ、うん…」
721 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/13(木) 20:50:04.32 ID:fcNAnGok0
今日はここまで
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 16:05:10.35 ID:YmhSY/Fm0
― 赤い扉 ―




アルミン(赤い扉の向こうでは、
     モノクマの号令を聞いたみんなが集まっていた…)




ジャン「…これで全員か?」




アルミン(ジャンが僕たちの顔を見回した)

アルミン(ここにいるのは、僕、アニ、ミカサ、ジャン、
     コニー、ヒストリアの6人…)
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 16:15:35.66 ID:YmhSY/Fm0
ミカサ「…“もう1人”は?」




アルミン(ミカサがみんなの疑問を代弁する)

アルミン(しかし、いくら待っても
     “もう1人”がやって来る気配はない…)




コニー「ていうか… モノクマもどうしたんだ?
    俺たちを呼び出しておいて…」
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 16:25:52.08 ID:YmhSY/Fm0




モノクマ「ボクならここだよ〜!!」




コニー「おわっ!?」

モノクマ「うぷぷ、驚いた?」

モノクマ「実はボク、オマエラが到着する前から
     ずっとここにいたんだよ…?」

コニー「えっ…」

モノクマ「気付かなかった…?
     うぷぷぷ… ずっと… オマエラの背後に…」

コニー「なっ…! 
    きゅ、急に怖いこと言い出すんじゃねーよ!」
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 16:40:20.77 ID:YmhSY/Fm0
アルミン「モノクマ… 今までどこにいたの?」

モノクマ「は? だから、ずっとここにいたって…」

アルミン「ふーん… それで、寄宿舎で呼んでも
     全然気付かなかったんだね」

モノクマ「…? いやいや、空調室の鍵、開けてあげたじゃん」

アルミン「まあしょうがないよね。
     あんな場所でああなってたら…」

モノクマ「いや、だからさっきから何の話を…」
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 16:50:18.44 ID:YmhSY/Fm0
ジャン「おい、モノクマ!」

モノクマ「もう! 今度は何さ!」

ジャン「“もう1人”… ライナーはどうした!
    まだ来てねえぞ!」

モノクマ「だ・か・ら! 何回言えばわかるんだよ!
     ブラウンくんは今回の被害者でしょーが!」

ジャン「ふざけんな! あそこで死んでるのはベルトルトだろうが!」

モノクマ「知るかっ! 大体、あんな状態で
     どうやってここに連れて来いって言うのさ!」
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:00:17.22 ID:YmhSY/Fm0
アニ「…埒が明かないね」

モノクマ「全くだよ。そういうのは
     これから思う存分解き明かしてくれればいいのに」

アニ「………………」

モノクマ「という訳で、さっさと昇降機に乗り込んじゃって」

モノクマ「楽しい楽しい裁判が待ってるから…」
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:05:23.43 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(そうだ…)

アルミン(やらなくちゃ…)

アルミン(やらなくちゃ…いけないんだ…)

アルミン(殺人を犯した犯人を
     放っておく訳にはいかない…)

アルミン(残った僕らの為にも…)

アルミン(そして、死んだ“彼”のためにも…)
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:15:29.71 ID:YmhSY/Fm0




ライナー『俺とベルトルトには、
     この施設に連れて来られるまでの記憶が一切なかった』

ライナー『自分の出身はもちろん、家族の名前や
     小さい頃の思い出なんかが全部…抜け落ちてしまっているんだ』




ベルトルト『唯一覚えていたのは自分の名前と、
      日常生活や壁の中についての知識…』

ベルトルト『それと、“自分は兵士にならなきゃいけない”っていう…
      異様な使命感だけなんだよ』




アルミン(ライナーとベルトルト…)

アルミン(あの2人には謎が多かった)

アルミン(モノクマは、あの2人が【裏切り者】だと言っていた)

アルミン(それだけでなく、壁を襲撃して
     大勢の人間の命を奪った巨人の正体だとも…)
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:30:10.53 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(そして…)




アニ『私の正体は女型の巨人…』

アニ『ライナーとベルトルトと一緒に壁を襲撃して…』

アニ『大勢の人たちの命を奪った』




アルミン(アニは僕に全てを明かした)

アルミン(モノクマの語った内容は真実であること…)

アルミン(自らも彼らの仲間として、多くの人々を殺めたことを…)
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:40:14.31 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(だけど…)

アルミン(それでも…)




アニ『私たち3人がやったこと…
   あんたにも思うところはあると思う』

アニ『私たちの立場、あんたらの立場…
   ここで語り尽くせない思いはお互いにある』

アニ『だけど、今はそれらを一旦心から外してほしい』

アニ『目の前の脅威からみんなを守るために…』




アルミン(アニはみんなを守ると言った)

アルミン(あの言葉に嘘はない…)

アルミン(僕はそう感じた。だから、彼女を信じたんだ)
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:50:07.35 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(僕はちらりとアニを見た)




アニ「………………」




アルミン(平静を装っているが、固く握られた拳が
     細かく震えているのがわかる)

アルミン(あの震えに嘘はない)

アルミン(僕は… アニの思いを踏みにじった犯人が許せない)
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 17:55:18.30 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(僕は、肺の奥から大きな息を吐き出し…)

アルミン(昇降機に向かって歩き出した)

アルミン(そして、メンバー全員が、
     昇降機に乗り込んだところで…)

アルミン(昇降機の扉は自動で閉まり…)

アルミン(そして、動き出した)
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 18:00:05.60 ID:YmhSY/Fm0
アルミン(ゴウン、ゴウン…という音と共に、
     僕らは高く高く昇っていく…)

アルミン(もう、後戻りは出来ない…)

アルミン(すべての決着を付けない限り、
     僕らはもう戻れない…)

アルミン(しばらくした後、
     ようやくエレベーターは上昇をやめ…)

アルミン(そして扉が開く…)

アルミン(残酷な運命の扉が…)
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 18:05:10.70 ID:YmhSY/Fm0
― 裁判場 ―




モノクマ「ふむふむ…
     こうやって全員揃ったところを見てみると…」

モノクマ「なんだか、ずいぶんと人数が減っちゃったよね!
     兵団生活もいよいよクライマックスって感じかしら!」

ヒストリア「全部、あなたのせいでしょ…!」

コニー「なんで…俺らに、
    こんな残酷な事をさせるんだよ…!」

モノクマ「ありゃりゃ? ボクって嫌われてんの!?
     こんなにカワイイのに!?」
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 18:10:04.95 ID:YmhSY/Fm0
アニ「いつまでふざけている気なの。
   さっさと始めてよ…」

モノクマ「…もちろん始めますとも!」

モノクマ「緊迫の兵団裁判はCMの後で、
     みたいな引き延ばし演出をするつもりもないしさ!」

モノクマ「…じゃあ、始めますよ!
     自分の名前が書かれた席に着いてくださーい!」
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 18:15:11.71 ID:YmhSY/Fm0








アルミン(そして、またもや幕が開く…)




アルミン(命がけの裁判…命がけの騙し合い…命がけの裏切り…)

アルミン(命がけの謎解き…命がけの言い訳…命がけの信頼…)




アルミン(命がけの……兵団裁判……)







738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/15(土) 18:20:10.72 ID:YmhSY/Fm0








兵団裁判 開廷!







739 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/15(土) 18:25:04.93 ID:YmhSY/Fm0
今日はここまで
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/15(土) 19:50:49.80 ID:iTC5CHi10
今週は何度も更新乙です
2人とも死んでて一気に2人分の裁判になるのかな?
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/15(土) 20:05:01.24 ID:OJIPKZc+o
十中八九見つからなかった方は溶鉱炉にドボンだろうな…
床にセンサーがあるってことはどうにかして投げ入れたんだろう
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 07:40:15.19 ID:Zcv8nX8n0
モノクマ「まずは、兵団裁判の簡単な説明から始めましょう!」

モノクマ「兵団裁判の結果は、オマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。
     だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…」

モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが
     晴れて卒業となりまーす!」
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 07:50:23.12 ID:Zcv8nX8n0
コニー「こうして見ると、マジで人数減っちまったよな…」

ヒストリア「元々私たちは12人いて、
      今ここにいるのは6人だから…」

ヒストリア「もう半分もいなくなっちゃったんだね…」

モノクマ「まあ、これからさらにいなくなるんですけどね!」

ジャン「けっ! 悪趣味な野郎だぜ…!」
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 08:00:28.28 ID:Zcv8nX8n0
ミカサ「それよりも、モノクマ… あれはどういう事?」

モノクマ「ん? あれとは?」

ミカサ「ライナーとベルトルトの席…
    どうして何もないの?」




アルミン(全員の視線がライナーとベルトルトの席に集中する)

アルミン(そこには、席に着くべき主たちの姿がなかった)

アルミン(だが、それだけではない…)
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 08:10:09.94 ID:Zcv8nX8n0




ライナー『議論の前に聞いておきたいんだが…あれってどういう意味だ?』




アルミン⦅ライナーの指差した先には、空いた席に立てられた顔写真があった⦆

アルミン⦅エレンの写真だ。大きなバッテン印が描かれている⦆




モノクマ『死んだからって、仲間外れにするのは可哀想でしょ?
     友情は生死を飛び越えるんだよ』




アルミン(コロシアイで犠牲になった人物の席には、
     バッテン印が描かれた顔写真が置かれている)

アルミン(エレン、ミーナ、ユミル、サシャ…
     この4人の席には顔写真があるのだが…)

アルミン(ライナーとベルトルトの席には、何も置かれていないのだ)
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 08:15:51.84 ID:Zcv8nX8n0
ミカサ「あの2人が生きているにしても、死んでいるにしても…
    あんな風に席が空っぽなのはおかしい」

ミカサ「あれはどういう…」

モノクマ「うーん、そうだねぇ…」

モノクマ「それじゃあ、今回はその話題から行ってみようか?」

ミカサ「…は?」

モノクマ「すなわち、【あの2人は現在どういう状態にあるのか】…」

モノクマ「それを議論してみればいいんじゃない?」
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 08:30:44.53 ID:Zcv8nX8n0
アニ「…いきなりそんな事を話し合うの?」

アニ「正直、それはこの事件最大の謎だと思ってたんだけど…」

モノクマ「んー、でもさ、少なくとも
     【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていう点については…」

モノクマ「今与えられている情報だけですぐに導き出せると思うよ?」

ジャン「何だと…!?」

モノクマ「それじゃあ、張り切って行ってみよー!」
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 08:50:06.35 ID:Zcv8nX8n0








―  議 論 開 始  ―




【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】







749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 09:00:14.31 ID:Zcv8nX8n0
ヒストリア「【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていうのは…」

ヒストリア「つまり、【あの2人が生きているのか死んでいるのか】っていう事…?」

ミカサ「そういう事なら…」

ミカサ「【2人とも死んでいる】のではないの?」

ジャン「いや、オレの予想では…」

ジャン「【どちらか1人はどこかに隠れている】んだろうぜ」

コニー「んー、そうなのか…?」

コニー「【2人とも生きている】可能性はねーのか?」

アニ「せめて、何か【ヒント】でもあればね…」

アニ「アルミン、あんたはどう思う?」




アルミン(僕の予想では…)








▶【ヒント】







750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/16(日) 09:15:17.96 ID:Zcv8nX8n0
ヒストリア「【あの2人は現在どういう状態にあるのか】っていうのは…」

ヒストリア「つまり、【あの2人が生きているのか死んでいるのか】っていう事…?」

ミカサ「そういう事なら…」

ミカサ「【2人とも死んでいる】








それに賛成だ!







751 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/16(日) 09:20:08.78 ID:Zcv8nX8n0
今日はここまで
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/16(日) 12:49:17.66 ID:O4lBhI+xO
おつおつ
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/16(日) 22:53:26.55 ID:FPRoxgFA0
やっぱ二人とも死んでるよな
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 02:37:32.40 ID:c7JQfeG10
このアニビッチっぽいな
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 19:35:14.13 ID:/6ayKXSi0
アルミン「ミカサの言う通り… ライナーとベルトルトは
     2人とも死んでいるんだと思う」

ヒストリア「えっ、2人とも…!?」

アニ「………………」

ジャン「いや、ちょっと待てよ!」

ジャン「オレたちは1人分…
    ベルトルトの死体しか発見してないんだぞ!?」

ジャン「なのに、どうして…
    2人が両方とも死んでるなんて言い切れるんだ!?」
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 19:40:08.17 ID:/6ayKXSi0
アルミン「ヒントだよ」

ミカサ「…ヒント?」

アルミン「ほら、憶えてない?
     死体を発見したときにモノクマが話した言葉を…」




モノクマ『事件の真相につながる2つのヒントを
     オマエラに教えちゃいまーす!!』



757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 19:45:08.12 ID:/6ayKXSi0
アニ「確かに… そんな事を言っていたね」

コニー「2つのヒント…? どういうのだっけか?」

ヒストリア「ええっと、確か…」




モノクマ『ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!』

モノクマ『つまり、前回のブラウスさんみたいに、
     知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!』

モノクマ『ヒントその2! ルールをよく読め!』

モノクマ『以上となりまーす!!』



758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 19:50:20.48 ID:/6ayKXSi0
コニー「…? それで2人が死んでる事がわかるのか?」

アルミン「そう推察できる… と言った方が正しいかな」

ジャン「どう推察するんだ? 正直オレにはさっぱりなんだが…」

アルミン「注目すべきは2つ目のヒントだよ」




モノクマ『ヒントその2! ルールをよく読め!』



759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 19:55:25.92 ID:/6ayKXSi0
アルミン(ルールをよく読め…)

アルミン(この『ルール』が指し示すもの…)

アルミン(それは…)




▶【兵団規則】
【石碑の文字】
【倉庫の物品管理表】








これだ!







760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 20:00:07.24 ID:/6ayKXSi0
アルミン「2つ目のヒントである『ルールをよく読め!』…」

アルミン「この『ルール』っていうのは、
     兵団規則の事を表しているんだと思う」

ジャン「兵団規則って… 例の、手帳に書いてあるやつか?」

アルミン「うん… 僕らにコロシアイをさせている元にもなっている
     あの『ルール』だよ」
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 20:10:04.99 ID:/6ayKXSi0
■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。

15 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 20:15:04.59 ID:/6ayKXSi0
アルミン「この手帳に記された兵団規則…」

アルミン「この中にある項目の1つを読めば、
     2人がもうこの世にいないことが推察できるんだ」

コニー「え、マジか…?」

アニ「………………」

ミカサ「…アルミン、教えて」

ミカサ「それは一体、どの項目だというの?」
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/17(月) 20:20:16.28 ID:/6ayKXSi0
アルミン(2人の死亡説の根拠となる項目…)

アルミン(それは…)




【1番目の項目】
【2番目の項目】
【3番目の項目】
【4番目の項目】
【5番目の項目】
【6番目の項目】
【7番目の項目】
▶【8番目の項目】
【9番目の項目】
【10番目の項目】
【11番目の項目】
【12番目の項目】
【13番目の項目】
【14番目の項目】
【15番目の項目】








これだ!







764 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/17(月) 20:25:12.63 ID:/6ayKXSi0
今日はここまで
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 20:34:22.32 ID:c7JQfeG10
アニよりジャンを相棒にしてほしかったな
脳筋のアニよりジャンのほうが絶対推理に向いてるだろ
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 20:44:55.29 ID:/Vp6ld6T0
連日の更新乙です。
いよいよ兵団裁判が始まったし一気に読めるの嬉しい
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/17(月) 22:56:22.87 ID:BnVgOitt0
最近連投乙です
2人分だとしたら裁判も難しくなるな
人数も減って今後どう展開していくのか楽しみ
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/20(木) 20:20:12.66 ID:fJzDnnSW0
アルミン「8番目の項目だよ」




8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。




ジャン「8番目ってこれか? 兵団裁判について書かれた…」

ヒストリア「…? これで2人が死んでることが推察できるの?」

アルミン「うん。よく読んでみて」

アルミン「ここには『訓練兵全員参加が義務付けられる』
     って書かれてあるよね?」

アルミン「つまり、兵団裁判に参加しない事はルール違反なんだ。
     だから2人はもう死んでるんじゃないかと思ったんだよ」
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/20(木) 20:25:04.45 ID:fJzDnnSW0
アニ「…なるほどね」

コニー「え? どういう事だ?」

アニ「つまりこういう事だよ。もし2人が既に死んでいる場合、
   兵団裁判にはそもそも参加できない」

アニ「もし1人がどこかに隠れていた場合でも、
   兵団裁判への不参加はルール違反だから…」

アニ「その時点でそいつは殺される」

コニー「…!」

アニ「だから、この場にいない時点で
   そいつの死亡は確定してる… そういう事さ」
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/20(木) 20:30:20.24 ID:fJzDnnSW0
ミカサ「…そうなの? モノクマ」

モノクマ「………………」

ヒストリア「…モノクマ?」

モノクマ「…うぷぷぷぷ」
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/20(木) 20:35:24.78 ID:fJzDnnSW0








モノクマ「アーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」







772 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/20(木) 20:40:06.99 ID:fJzDnnSW0
今日はここまで
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:00:11.00 ID:XLS3wHYl0
モノクマ「大・正・解〜!!」




アルミン(モノクマの高らかな笑い声と共に、
     2人の席にバッテン印の顔写真が現れる)




モノクマ「アルレルトくんの言う通りです!」

モノクマ「ブラウンくんとフーバーくんは2人とも…」




モノクマ「もうお亡くなりになってまーす!!」



774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:05:07.15 ID:XLS3wHYl0
コニー「…!!」

ジャン「な… 何だって…!?」

アニ「…っ」

モノクマ「いやあ、やっぱりアルレルトくんは凄いなあ」

モノクマ「たったあれだけのヒントで
     ここまで事件の根幹を言い当てちゃうなんて…」

モノクマ「今頃、この事件のクロは
     心臓バックバクしてるんじゃないの〜?」
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:10:14.95 ID:XLS3wHYl0
ヒストリア「ちょ、ちょっと待って…!」

ヒストリア「今回2人が死んでいるなら… 兵団裁判はどうなるの?」

モノクマ「はい?」

ヒストリア「2人が同一人物に殺されているならわかるけど…」

ヒストリア「もし、2人を殺したのが別の人間だったら?
      私たちは一体誰に投票すればいいの?」
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:15:14.26 ID:XLS3wHYl0
コニー「別の人間が殺したって… そんな事あるのか?」

アルミン「あり得ない話じゃないと思う」

アルミン「そして、その場合の投票先は
     確かにルールには明記されていない…」

ミカサ「…その辺はどうなの、モノクマ?」
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:20:10.06 ID:XLS3wHYl0
モノクマ「…へえ、凄いね。そんな考え方もできるんだね」

モノクマ「前はみんな同一人物だって決めかかってたのに…」

コニー「…は?」

モノクマ「でも、そうだよね。確かにその通りだよね」

モノクマ「2人が死んでるのなら、
     そういうパターンを考えて然るべきだよねぇ…」
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:25:13.20 ID:XLS3wHYl0
モノクマ「では、お答えしましょう!
     そういう場合は、早い者勝ちです!」

アルミン「…早い者勝ち?」

モノクマ「別の犯人による別の殺人が同時に起きた場合、
     先に死体が発見された方のクロのみが投票対象となります」

モノクマ「つまり、ブラウンくんを殺した犯人と、
     フーバーくんを殺した犯人が別々だった場合は…」

モノクマ「【先に発見された方】の犯人のみが、
     クロ扱いになるんだよ」

モノクマ「【後に発見された方】を殺した人は“殺し損”って事だね。
     そして、【後に発見された方】は“殺され損”…」

モノクマ「あ、この事は兵団規則にも追加しておくね。今更だけど」
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/22(土) 10:30:07.30 ID:XLS3wHYl0
■ 兵団規則 ■


1 訓練兵達はこの施設内だけで共同生活を行いましょう。
  共同生活の期限はありません。

2 夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。
  夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3 就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。
  他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。

4 この施設について調べるのは自由です。
  特に行動に制限は課せられません。

5 監督教官ことモノクマへの暴力を禁じます。
 
6 “物体X”の破壊を禁じます。

7 仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、
  自分がクロだと他の訓練兵に知られてはいけません。

8 訓練兵内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、
  訓練兵全員参加が義務付けられる兵団裁判が行われます。

9 兵団裁判で正しいクロを指摘した場合は、
  クロだけが処刑されます。

10 兵団裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
  クロだけが卒業となり、残りの訓練兵は全員処刑です。

11 訓練兵達は50日間の訓練を行います。
  訓練への参加は強制ではありません。

12 訓練の総合成績が一番優秀だった者には、
  “ファイナルデッドルーム”への挑戦権が与えられます。

13 倉庫から物品を持ち出す際は、
  管理表に必要事項を記入しましょう。返却時も同様です。

14 コロシアイ兵団生活で同一のクロが殺せるのは2人までとします。

15 別の犯人による別の殺人が同時に起きた場合、
  先に死体が発見された方のクロのみが投票対象となります。

16 なお、兵団規則は順次増えていく場合があります。
780 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/22(土) 10:35:10.69 ID:XLS3wHYl0
今日はここまで
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 19:08:52.56 ID:42TxVRyOO
先に発見されたのが結局ベルトルトなのかライナーなのかも必要なのね
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 19:12:43.39 ID:x8LWMs1Ho
前は…って言ってるからこのコロシアイ何度も繰り返してたりして
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/23(日) 15:50:15.22 ID:QnQO7Koc0
ジャン「だ、だけどよ… 今回はベルトルトの死体しか
    発見されてないんだろ…?」

ジャン「だったら、後も先も何も…
    ベルトルトを殺した犯人を見つければいいって事だよな?」

モノクマ「まあ、そうだね。今回は1人分の死体しか
     発見されていない訳だから…」

モノクマ「オマエラはブラウンくんを殺したクロを
     言い当てればいいって事になるね」

ジャン「いや、だから!
    俺たちが見つけたのはベルトルトの死体だろうが!」

モノクマ「だーーっ! この分からず屋!
     今回裁判の対象になってるのはブラウンくんだってば!」
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/23(日) 15:55:16.51 ID:QnQO7Koc0








―  議 論 開 始  ―




▶【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】







785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/23(日) 16:05:12.74 ID:QnQO7Koc0
モノクマ「今回クロに殺されたのは【ブラウンくん】!」

モノクマ「今オマエラはその裁判をしてるの!」

モノクマ「一体何回言えばわかるのさ!?」

ジャン「オレ達が発見したのは【ベルトルトの死体】だ!」

ジャン「確かに顔は潰れちゃいたが…」

ジャン「【髪や体格】からあいつである事は明白だ!」

モノクマ「ああ、もう面倒くさい!」

モノクマ「とにかく、ボクはウソなんて言ってません!」

ジャン「それが既にウソなんだろうが!」

ジャン「クソッ、【根拠もなく】デタラメを言いやがって…!」




アルミン(…このままでは水掛け論になるだけだ)

アルミン(まずは、この事件の前提となる部分を示してみよう)
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/23(日) 16:10:44.34 ID:QnQO7Koc0
モノクマ「今回クロに殺されたのは【ブラウンくん】!」

モノクマ「今オマエラはその裁判をしてるの!」

モノクマ「一体何回言えばわかるのさ!?」

ジャン「オレ達が発見したのは【ベルトルトの死体】だ!」

ジャン「確かに顔は潰れちゃいたが…」

ジャン「【髪や体格】からあいつである事は明白だ!」

モノクマ「ああ、もう面倒くさい!」

モノクマ「とにかく、ボクはウソなんて言ってません!」

ジャン「それが既にウソなんだろうが!」

ジャン「クソッ、【根拠もなく】








それは違うよ!







787 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/23(日) 16:15:33.44 ID:QnQO7Koc0
今日はここまで
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 18:28:21.34 ID:yHKa83zz0
連日の投稿乙です
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 23:07:51.97 ID:8vudfWir0
乙乙
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 08:35:15.77 ID:Y1er7HU60
アルミン「ジャン… モノクマは根拠もなく言ってる訳じゃないよ」

ジャン「ああ…? 根拠があるってのか?」

アルミン「モノクマファイルだよ」

アルミン「ほら、あそこにはちゃんと
     被害者の名前が記されていたよね?」
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 08:40:06.77 ID:Y1er7HU60
■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 08:45:10.00 ID:Y1er7HU60
ジャン「お前、何言ってんだ…!?
    あれはそもそもモノクマが作ったもんだろ!」

ジャン「だったら、それがデタラメである事も
    十分に考えられるだろうが!」

アルミン「ジャン、落ち着いて。
     あれがデタラメだなんて考えられないよ」

ジャン「ああ!? なんでだよ!」

アルミン「だって、もしあれがデタラメだったら、
     この裁判そのものが成り立たなくなるんだから…」
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 08:50:36.91 ID:Y1er7HU60




モノクマ『今までずっとそうだったでしょ?』

モノクマ『イェーガーくんの事件、ユミルさんの事件…
     どれもモノクマファイルに書いてあることは本当だったでしょ?』

モノクマ『そりゃそうだよ。あのファイルに不正を働いたら、
     ゲームが成立しなくなっちゃうんだもん』




モノクマ「そうそう。アルレルトくんの言う通りだよ」

モノクマ「この兵団裁判は兵団規則の中でも
     肝となる項目なんだから…」

モノクマ「それに関わる部分に
     インチキなんかする訳ないじゃーん!」
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:05:25.14 ID:Y1er7HU60
ジャン「だからそれが信じられねえって…」

アニ「信じるしかないでしょ」

アニ「確かにそいつは信用に値しないクズだけど、
   【自分が作り出したルールには異様なこだわりがある】ようだし…」

モノクマ「クズ呼ばわりとは悲しいなぁ…」

モノクマ「でもまあ、つまりはそういう事!」

モノクマ「ボクって、クマ1倍ルールにはうるさいって
     サファリパークでも有名だったんだから!!」
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:15:17.21 ID:Y1er7HU60
アルミン「それに、あのファイルがウソじゃないっていう根拠は
     もう1つあるんだ」

ヒストリア「えっ…?」

アルミン「あのファイルには、今までのファイルとは
     明らかに異なる部分があったんだよ」




アルミン(そう、それは…)




【渡されたタイミング】
▶【殺害日と死因】
【ファイルの表紙】








これだ!







796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:30:56.38 ID:Y1er7HU60
アルミン「それに、あのファイルがウソじゃないっていう根拠は
     もう1つあるんだ」

ヒストリア「えっ…?」

アルミン「あのファイルには、今までのファイルとは
     明らかに異なる部分があったんだよ」




アルミン(そう、それは…)




【渡されたタイミング】
▶【死因と死亡状況】
【ファイルの表紙】








これだ!







797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:35:22.18 ID:Y1er7HU60
アルミン「今回渡されたファイルには、
     被害者の【死因と死亡状況】が記されていないんだ」

ヒストリア「あっ…」

アニ「………………」

ミカサ「…確かに、ここに書かれているのは
    【被害者の名前】と【殺害時刻】だけ」

ミカサ「今までのファイルには
    ちゃんとそれらも記されていたはず…」
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:40:22.35 ID:Y1er7HU60
■ モノクマファイル 1 ■


被害者はエレン・イェーガー。
死亡時刻は午前1時半頃。

死体発見現場となったのは訓練所の一角、
立体機動の適性検査を行った場所。

被害者はそこにあった姿勢制御訓練の装置で、
半ば宙吊りの状態で死亡していた。

死因は頭部への打撃による頭蓋内圧の上昇。
その他、身体に目立った外傷は見られない。
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:45:16.38 ID:Y1er7HU60
■ モノクマファイル 2 ■


被害者はユミル。
死亡時刻は午前12時頃。

死体発見現場はライブハウス。
そこで行われたパーティーの最中に死亡した。

死因は服毒による多臓器不全。
毒の副作用による肉体の膨張や変色が見られる。

その他、身体にはいかなる外傷も見られない。
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 09:50:12.11 ID:Y1er7HU60
■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 10:05:34.71 ID:Y1er7HU60
ヒストリア「本当だ…!」

コニー「確かに… 今回のファイルはやけにあっさりとしてんな」

ジャン「だ、だが…」

ジャン「どうして【死因と死亡状況】が記されていない事が
    ウソじゃない事の根拠になるんだ?」

アルミン「よく考えてみて」

アルミン「モノクマファイルに書かれている内容にウソはない。
     この事が本当だとすると…」

アルミン「【モノクマファイルにウソは書けない】…
     こういう事にもなると思うんだ」
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/24(月) 10:15:08.36 ID:Y1er7HU60
アルミン「つまり、今回書かれている内容が
     あまりにも少ないのは…」

アルミン「【それ以上書くとウソになってしまうから】…
     そうなんだろ、モノクマ」

モノクマ「………………」

アルミン「つまり、ファイルに書かれている
     【被害者の名前】と【殺害時刻】は信用できるけど…」

アルミン「【それ以外】は圧倒的に信用できない…
     そういう事なんだろ?」
803 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/24(月) 10:20:04.84 ID:Y1er7HU60
今日はここまで

>>795はミスです
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/24(月) 15:44:54.71 ID:TlYc/VEbO
なるほど
805 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/25(火) 18:15:26.70 ID:AUDdVP7k0
コニー「え、えーっと…?」

コニー「【それ以外】っていうのは…
    要するに【死因と死亡状況】の事か?」

アルミン「そうだよ。例えば…」

アルミン「今までのモノクマファイルの書き方に倣えば、
     今回はこんな風に記されると思うんだ」
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 18:25:44.75 ID:AUDdVP7k0
■ モノクマファイル 3 ■


被害者はライナー・ブラウン。
死亡時刻は午前4時頃。

死体発見現場は研究開発所。

被害者は宙吊り状態のまま、
身体中を槍や剣で貫かれていた。

死因は頭部を貫かれたことによる脳の損傷。
その他、大小無数の傷が散見される。
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 18:30:39.01 ID:AUDdVP7k0
コニー「おお、それっぽいな!」

アニ「…確かに、今回の状況を
   素直に受け取ればそうなるだろうね」

ジャン「つまり、今お前が付け足した…」




死体発見現場は研究開発所。

被害者は宙吊り状態のまま、
身体中を槍や剣で貫かれていた。

死因は頭部を貫かれたことによる脳の損傷。
その他、大小無数の傷が散見される。




ジャン「この部分がウソかもしれねえって事か?
    ウソになるからモノクマが書けなかったと…」

アルミン「…うん。そう考えればしっくりくるんだ」
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 18:50:37.76 ID:AUDdVP7k0
ヒストリア「あの状況が偽装工作…ってこと?
      本当の【死因】を隠すための…」

ミカサ「…そうだとしても、よくわからない」

ミカサ「仮にその人が毒殺されたとして、
    犯人がその事実を隠そうとした場合でも…」

ミカサ「身体を大きな槍で貫いたり、無数の剣を突き刺したり…」

ミカサ「そんな事までする意味がわからない。
    手間が増えて面倒になるだけ」

ジャン「確かにな…」

ジャン「それに、ただの偽装工作だったら
    【死亡状況】をファイルに書けない理由がわかんねえな…」

ジャン「『身体中を槍や剣で貫かれていた』っていうのは
    見た状況をそのまま記せばいいだけなんだから…」

ジャン「【死因】とはまるで関係ないはずなのによ…」
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/25(火) 18:55:53.86 ID:AUDdVP7k0
アルミン(確かにその通りだ…)

アルミン(【死因】を隠すための偽装工作だとしても
     あの状況は異様だし…)

アルミン(【死亡状況】までウソになる理由がわからない)

アルミン(わからないけど…)




アルミン「………………」




アルミン(その謎こそが、この事件の重要な鍵になるはずだ)
810 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/25(火) 19:00:04.75 ID:AUDdVP7k0
今日はここまで
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/26(水) 00:35:44.67 ID:enbgaSjp0

もう全く分からないべ
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 21:15:31.54 ID:EgRRJkOv0
アニ「…面白い推理だけど」

アニ「完全には解け切っていない…って感じだね」

アルミン「…うん」

アニ「だったらさ… ここで議論のアプローチを変えてみない?」

コニー「…? どういう事だ?」

アニ「話題を変えようって事さ。
   他にも謎や手がかりはあるんだし…」

アニ「わからないことにいつまでも
   頭を悩ませたって仕方がないでしょ?」
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/12/26(水) 21:25:08.95 ID:EgRRJkOv0
ミカサ「…確かに、このままだと議論は進まない気がする」

ミカサ「この問題は一度置いて、
    他の事を話してみるのもいいかもしれない」

コニー「だけどよ、話題を変えるったって、
    一体何を話せばいいんだ?」

アニ「そうだね… じゃあ、まずは情報共有でもしてみようか」

ヒストリア「情報共有…?」

アニ「今回私たちは3つのグループに分かれて
   捜査をしていたでしょ?」

アニ「私とアルミン、ミカサとジャン、コニーとヒストリア…」

アニ「それぞれが調べて得た情報を
   ここで出し合う…っていうのはどう?」
814 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2018/12/26(水) 21:30:11.66 ID:EgRRJkOv0
今日はここまで
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/29(土) 02:12:02.46 ID:0SVksDdD0
他の章は裁判開始前でもある程度わかったけど今回はほとんどわからん
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/02(水) 12:15:23.95 ID:SXitPH9F0
アルミン「…アニに賛成だよ。議論をするにしても、
     情報が出揃ってからの方がいいだろうしね」

コニー「いや、でもよ… グループに分かれて捜査っつっても…」

コニー「俺とヒストリアは違うだろ?
    見張り役だったんだから、捜査なんてしてねえぞ?」

アニ「確かにそうだけど… 何か気付いた事はなかった?」

アニ「あの現場に一番長く居たのはあんたらなんだ。
   どんな些細な事でもいい。気になった事があれば教えてくれない?」
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/02(水) 13:25:10.60 ID:SXitPH9F0
コニー「急にそんな事言われてもなぁ…
    ヒストリア、何かあるか?」

ヒストリア「うーん、一番気になったのは
      あの死に方そのものだけど…」

アニ「…死に方そのもの?」

ヒストリア「うん、さっきの話に戻っちゃうんだけど…」

ヒストリア「ただ殺したいだけだったら、
      どうしてあんな手間をかけたんだろうって…」
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/02(水) 13:40:21.55 ID:SXitPH9F0
ヒストリア「それで、私なりに色々と考えてたんだけどね」

ヒストリア「もしかすると犯人は、被害者の顔を
      隠したかったんじゃないかと思って…」

ジャン「…それって、あいつの顔が貫かれてた件か?」

アルミン「………………」

ミカサ「確かに、あの状況で顔は判別できなかったけど…」

ミカサ「髪や体格でベルトルトである事はわかったはず。
    誰かがわかれば顔を隠す意味なんてない」

ヒストリア「うーん、それはそうなんだけど…」
819 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/02(水) 14:05:13.02 ID:SXitPH9F0
今日はここまで
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 15:05:20.63 ID:5cvCAYiy0
ヒストリア「…あっ」

ジャン「…? どうした?」

ヒストリア「思い出した… 私、今の話を考えてたときに
      あの人の顔をよく見てみたんだけど…」

コニー「え… あの人ってベルトルトか?」

ヒストリア「うん、これくらい顔を近付けて…」
    
コニー「うええええっ!?
    あ、あんなグチャグチャの顔を間近で見たのか!?」

アニ「…あんたもその場に居たんじゃないの?」
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/06(日) 15:15:12.48 ID:5cvCAYiy0
ヒストリア「そしたらね… あの人の顔に
      布切れみたいなものが付いてるのを見つけたんだ」

ミカサ「…布切れ?」

ヒストリア「ほら、これ…」

コニー「うわあ、何だこれ… 真っ赤じゃねえか」

ヒストリア「血で真っ赤に染まっちゃったんだろうね…」

アルミン「これが被害者の顔に付いてたの?」

ヒストリア「うん、ちょうど頬のあたりに…」




【血塗れの布切れ】



822 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/06(日) 15:25:07.78 ID:5cvCAYiy0
今日はここまで
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/09(水) 08:28:43.54 ID:VGUq52Lu0
ヒストリアは流石に大丈夫そうか
それとも喋りすぎで怪しいか?
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 21:28:40.09 ID:YznVKECY0
今回の犯人よりも、裁判後人数から考えて物語自体の終わりに向かいそうだけどそっちの方が全く予想つかない
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 06:08:10.72 ID:n+v/nCzt0
ミーナなんかよりもリヴァイやマルコを出してほしかった…
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 07:30:11.91 ID:NUHfVZMy0
>>825
進撃のss最近少なくて寂しいから自分でその登場人物で書いてくれ
書いたら見に行くから教えて
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 13:29:45.13 ID:n+v/nCzt0
>>826
そもそもどうやってスレ作るの?
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 17:04:53.59 ID:GJs1ImRu0
ググってもわからないなら、君にネットは早いってことだよ^^
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 20:20:28.65 ID:NUHfVZMy0
>>827
スレ作らなくてもpixiv?とかssnote?とかもあるよ
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 23:21:11.94 ID:n+v/nCzt0
>>829
ssnoteなんてマイナーなところも知ってるのか
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 00:10:33.80 ID:TFTlZcfT0
アニ「布切れね… 他には?」

ヒストリア「私はそんなところかな… コニーはどう?」

コニー「俺か? 俺は別に…」

コニー「ほんの少し見張りして、あとは遊んでたからなぁ…」

ミカサ「…遊んでた?」

コニー「ほら、あそこって色々な道具が置いてあっただろ?」

コニー「中でも蓄音機ってのが面白くてよ。
    自分が吹き込んだ声が返ってくるんだぜ?」
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 00:15:04.90 ID:TFTlZcfT0
開発品リスト


@立体起動装置    12台

A時限爆弾      3台

B特殊ガス発生装置  1台

C蓄音機       1台

D金属探知機     1台

E拘束トラップ    1台
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 00:20:10.44 ID:TFTlZcfT0
アルミン「蓄音機… 確かにあるね」

ミカサ「自分の声が返ってくるって、どういうこと?」

コニー「ラッパみたいなところに喋ると、
    喋った言葉をそのまんま返してくるんだよ!」

コニー「声色もそっくりですげえ面白いんだって!
    お前らもやってみろよ!」

ジャン「はぁ… お前のその呑気さが羨ましいぜ」
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 00:25:07.50 ID:TFTlZcfT0
アニ「ミカサとジャンは? どこを捜査してきたの?」

ミカサ「私たちが行ったのは…」

ジャン「溶鉱炉と訓練場、それから倉庫だな」

アルミン「溶鉱炉は僕らも行ったよ。実を言うと、
     ミカサが行くのをみて僕らも行ってみようと思ったんだ」

ミカサ「………………」
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 00:30:18.30 ID:TFTlZcfT0
アルミン「ちょっと聞きたいんだけどさ…
     ミカサはどうして溶鉱炉に目を付けたの?」




ミカサ『そう。それは、私が現場から持って行った剣』

アルミン『…どうしてこれを?』

ミカサ『その剣は溶鉱炉で作られている』

アルミン『えっ…!?』




アルミン「ミカサはあの現場であの剣を目にして、
     すぐに溶鉱炉に向かってたよね?」

ミカサ「………………」

アルミン「これは僕の予想だけど…」

アルミン「もしかしてミカサは、事件が起こる前から
     溶鉱炉で剣が作られていることを知ってたんじゃない?」
836 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/13(日) 00:35:20.91 ID:TFTlZcfT0
今日はここまで
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/13(日) 12:24:24.21 ID:WwEcIEE10
乙です
今回の裁判は長くなりそうだから次スレ行きそうかな
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/14(月) 15:40:09.94 ID:9r/GlHUv0
ミカサ「…私を疑ってるの?」

アルミン「そういう訳じゃないよ。ちょっと気になっただけで…」

ミカサ「………………」

ジャン「…話せよ。隠してたって怪しまれるだけだぜ」

ミカサ「…私が剣について知っていたのは、
    訓練で教わっていたから」

コニー「訓練…?」

ミカサ「訓練の1つに、超硬質ブレードの
    特性を学ぶ座学があった」

ミカサ「私はそのときに溶鉱炉へ行って…
    実際の製造をモノクマから教わった」
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/14(月) 15:45:09.49 ID:9r/GlHUv0
ヒストリア「…そうなの? モノクマ」

モノクマ「はい、その通りです」

モノクマ「もはや真面目に訓練を受けてくれるのは
     アッカーマンさんだけだったからね…」

モノクマ「あたしゃ悲しいよホントに!」

ジャン「そういやお前は、オレたちに抜け駆けで
    訓練を受けてたんだったな」

ミカサ「………………」
840 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/14(月) 15:50:08.73 ID:9r/GlHUv0
今日はここまで
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/23(水) 20:35:14.19 ID:MIGRoYC70
コニー「…え? っていうか、現場にあった剣って
    溶鉱炉で作られてたのか?」

アルミン「そうだよ。もっと言うと、溶鉱炉自体が
     あの剣を作るための場所だったみたいだね」

コニー「そうなのか… ん?」

ヒストリア「…? どうしたの?」

コニー「いや、何か… あれ? うーん…」
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/23(水) 20:45:37.76 ID:MIGRoYC70
アニ「…それで?」

アニ「あんたら2人は溶鉱炉を調べて何か掴んだの?」

ミカサ「…溶鉱炉はアニとアルミンも調べているみたいだから、
    被ってしまう部分もあると思うけど…」

ミカサ「まず私が見つけたのは、作られた剣の一部が
    持ち去られているらしいという事だった」

ヒストリア「…そんな事わかるの?」

ミカサ「あの溶鉱炉では毎日一定数の剣が作られていて、
    作られた剣は日付毎に分けられている」

ミカサ「それで、私が捜査で確認したときには
    ある日付の剣が他よりも少なくなっていた…」
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/23(水) 21:10:12.15 ID:MIGRoYC70
アルミン「それは僕らも確認したよ。
     12日目の剣が圧倒的に少なかったかな」

ヒストリア「12日目っていうと…昨日?」

アルミン「うん。ちゃんと本数を数えた訳じゃないけど…」

アルミン「事件現場にあった剣と
     同じくらいの数が足りないようだったね」

ジャン「ああ、本数ならちゃんと数えたぞ。
    無くなってたのは全部で16本だ」

ジャン「現場にあった剣は、死体に刺さってるのが9本、
    床に刺さってるのが7本で、全部で16本だった…」

ジャン「数もぴったり合ってるから、犯人は全て
    12日目の剣から持ち出したとみて間違いないだろうな」

アニ「…へえ、すごいね。現場の剣も数えてたんだ」
844 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/23(水) 21:15:07.22 ID:MIGRoYC70
今日はここまで
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/31(木) 00:47:10.58 ID:r32AFMdC0
まだか
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/31(木) 18:35:13.35 ID:tOLtPTRq0
ミカサ「だけど、気になったのはそれだけじゃない…」

ミカサ「12日目の剣は数だけじゃなく、
    切れ味が他の剣と比べて明らかに違っていた」

コニー「切れ味…?」

ミカサ「あのブレードは本来、巨人のうなじを切り落とすために
    かなり鋭利で丈夫に作られている」

ミカサ「それなのに、12日目の剣は…
    木の人形も満足に切れない“なまくら”だった」
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/31(木) 18:45:11.69 ID:tOLtPTRq0




ミカサ『あの溶鉱炉では超硬質ブレードが
    自動精製されている』

ミカサ『今まで作られたものがストックされているから、
    そのブレードと比べてみるといい』




アルミン「…もしかして、ミカサが僕に
     『比べてみるといい』って言ったのは…」

ミカサ「そう、切れ味の違いのこと。試してみた?」

アルミン「ああ、ごめん… 時間切れで
     そこまでは確認できてないんだ」

ミカサ「そう…」




【剣の切れ味】



848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/31(木) 18:55:20.76 ID:tOLtPTRq0
コニー「つーか、木の人形…?
    そんなモンあったっけか?」

ジャン「訓練所の片隅にあったぞ。オレもミカサに
    ついて行くまでは気付かなかったけどな」

ジャン「さすがは1人で訓練に参加しただけあって、
    オレ達の知らない事もよく知っているらしい」

ミカサ「………………」
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/31(木) 19:05:12.61 ID:tOLtPTRq0
ジャン「ああ、そうそう、訓練所といえば…
    1つ重要な手がかりを見つけたな」

アニ「…聞かせてくれる?」

ジャン「足跡だよ」

ヒストリア「足跡…? 足跡なら訓練所に
      いっぱいあったと思うけど…」

ジャン「そうじゃねえ。オレが言ってんのは
    【一番最初に付いてた足跡】だ」
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/01/31(木) 19:20:13.08 ID:tOLtPTRq0
アルミン「【一番最初に付いてた足跡】って…」




アルミン⦅僕はアニの指し示す先を見る⦆

アルミン⦅そこには、地面の穴から一筋の足跡が
     ある方向に向かって続いていた⦆




アルミン「寄宿舎の爆発現場から
     研究開発所まで伸びていた足跡のこと?」

ジャン「ああ」

アニ「確かに重要な手がかりではあると思うけど…
   あの存在はもうみんな知ってるんじゃないの?」

ジャン「だからそうじゃねえ。
    わかったんだよ。あの足跡の持ち主が」
851 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/01/31(木) 19:25:19.13 ID:tOLtPTRq0
今日はここまで
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/02(土) 17:15:11.52 ID:82Li5HZP0
ヒストリア「えっ…!?」

コニー「な、何だって…!?」

アニ「………………」

コニー「だ、誰なんだよ! 誰の足跡だったんだ!?」

ジャン「ベルトルトだ」

コニー「…は?」

ジャン「あの足跡はベルトルトのもんだ。
    現場にあった死体の靴と照合したから間違いねえ」
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/02(土) 17:25:14.67 ID:82Li5HZP0
コニー「な、なんだ… ベルトルトのか…」

ジャン「…は? なんで驚かねえんだよ?」

コニー「いや、だって… 当たり前じゃねえか?
    ベルトルトはあの現場で死んでたんだから…」

コニー「そこに続く足跡は
    ベルトルトのもん以外あり得ないだろ?」
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/02(土) 17:45:08.75 ID:82Li5HZP0
ジャン「コニー、お前… もうちょっと頭を使えないのか」

コニー「は…?」

ジャン「ベルトルトが研究開発所で死んでいた。
    だから、そこまでに続く足跡はベルトルトのもの…」

ジャン「その考え自体は普通だ。
    だがな、それだと説明のつかねえ事があるんだよ」

コニー「な、何言ってんだ…?
    言ってる意味がまるでわかんねえぞ…?」




アルミン(ジャンが何を言おうとしているのか…)

アルミン(わかる気がする。それは…)
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/02(土) 17:50:05.55 ID:82Li5HZP0








―  閃 き ア ナ グ ラ ム 開 始  ―







856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/02(土) 18:00:15.26 ID:82Li5HZP0


  あ  あ  ん  ん  と  は  に  の  し


  あ  ん  あ  ん  の  に  は  し  と  


  あ  ん  に  ん  の  あ  し  は  と  








  は  ん  に  ん  の  あ  し  あ  と








そうか わかったぞ!







857 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/02(土) 18:05:04.38 ID:82Li5HZP0
今日はここまで
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 10:00:13.17 ID:d+S6apwc0
アルミン「ジャンが言いたいのって…
     犯人の足跡だよね?」

コニー「は… 犯人の…?」

アルミン「ベルトルトが研究開発所で
     殺されたのだとしたら…」

アルミン「あそこにはベルトルトと犯人…
     2人の人間がいたことになるんだ」

アルミン「それなのに、残っていた足跡は
     被害者であるベルトルトの1人分だけ…」

アルミン「確かに、これだと状況の説明がつかないよ」
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 11:55:43.13 ID:d+S6apwc0
ジャン「…ああ、その通りだ」

ジャン「本来なら、現場までの足跡は
    2人分残ってなきゃおかしいだろ?」

ジャン「そうじゃなきゃ、犯人はどうやって
    殺害現場まで行ったのかっていう問題が出てくる」

アルミン「うん… つまり、【一番最初に付いてた足跡】…」

アルミン「【僕たちが最初に発見した足跡が1人分だった】








ちょっと待ったぁ!







860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 12:00:20.91 ID:d+S6apwc0
コニー「おい、お前ら… 
    やっぱりなんか変だぞ」

アルミン「えっ、変って何が…?」

コニー「なーんかさっきから引っかかってんだけどよ…」

コニー「今の発言は特に変だ! おかしいぞ!」
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/03(日) 12:05:15.13 ID:d+S6apwc0








―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【2本の黒槍】
▶【足跡】
【無数の剣】
【開発品リスト】







862 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/03(日) 12:10:10.76 ID:d+S6apwc0
今日はここまで
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 13:25:02.91 ID:U+A/nEPdo
ベルトルトなのかライナーなのかわからないけど、
どちらにしろ大柄だから足跡を綺麗に辿れば一つで済むよね
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/03(日) 18:28:08.98 ID:CNmbRqJR0
乙です
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/09(土) 17:10:04.73 ID:Rw29KUAM0
コニー「俺が引っかかってんのは…/
                 /えーっと、あれだ」

コニー「あっ、そうそう! お前らが最初に/
                     /見たっていう足跡が…」

コニー「本当に1人分/
           /だったのかって事だ!」

コニー「そもそも、俺が/
            /寄宿舎から出たときには…」

コニー「すでにたくさんの/
             /足跡があったんだぞ!」
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/09(土) 17:15:09.11 ID:Rw29KUAM0








―  発 展  ―




アルミン「もしかして、コニーは…」

アルミン「僕たちが嘘をついているって言いたいの?」







867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/09(土) 17:25:05.20 ID:Rw29KUAM0
コニー「いや、その、なんつーか/
                /嘘じゃなくて…」

コニー「そう! 見間違えた/
              /可能性があるんじゃねーかって事だ!」

コニー「もし、お前らが足跡の数を/
                 /見間違えていたのなら…」

コニー「【足跡は最初から2人分あった】のかもしれないだろ?」




アルミン(いや、足跡は1人分しかなかったはずだ)

アルミン(根拠だってある。それをコニーに示してみよう)
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/09(土) 17:30:08.24 ID:Rw29KUAM0
コニー「いや、その、なんつーか/
                /嘘じゃなくて…」

コニー「そう! 見間違えた/
              /可能性があるんじゃねーかって事だ!」

コニー「もし、お前らが足跡の数を/
                 /見間違えていたのなら…」

コニー「【足跡は最初から/
             /2人分あった】








その言葉、斬らせてもらう!







869 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/09(土) 17:35:17.45 ID:Rw29KUAM0
今日はここまで
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/11(月) 13:05:06.80 ID:V0U//FUZ0
アルミン「いや、足跡は間違いなく
     1人分しかなかったはずだよ」

コニー「な、何でそこまで言い切れるんだ…?」

アルミン「2回確認してるからだよ。
     死体を発見する前と後でね」

ヒストリア「…後? 後って言っても…」

ヒストリア「その時はもう、みんなの足跡でぐちゃぐちゃに
      なってたと思うけど…」
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/11(月) 13:30:09.29 ID:V0U//FUZ0
アルミン「確かに、死体を発見した後に見たときは
     みんなの足跡も一緒に残されていたけど…」

アルミン「そこに足跡が何人分あったかで、
     元々の足跡については確認できるんだ」

コニー「…??」

アニ「…要するに、簡単な算数でしょ?」

アニ「足跡の総数から私たちの人数を引けば、
   元々あった足跡の数がわかる…」

アニ「アルミンが言いたいのはそういう事だよね」

アルミン「うん…」
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/11(月) 13:45:48.06 ID:V0U//FUZ0




アルミン『ミカサ、待って!』




アルミン⦅僕は建物から出ていこうとするミカサを
     慌てて呼び止めた⦆




ミカサ『?』




ミカサ「もしかして、研究開発所から出て行こうとした
    私を呼び止めたのは…」

アルミン「うん、足跡の数を確かめたかったんだ。
     みんながあの建物に集まっている状態でね」
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/11(月) 13:55:09.97 ID:V0U//FUZ0
ジャン「…それで、どうなんだ?」

ジャン「お前がその時に見たっていう足跡は
    何人分だったんだよ?」




アルミン(死体を発見した後に僕が確認した足跡…)

アルミン(その数は…)




【6人分】
▶【7人分】
【8人分】








これだ!







874 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/11(月) 14:00:07.77 ID:V0U//FUZ0
今日はここまで
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 07:45:41.83 ID:jxRcGPgF0
焦らすねぇ
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/12(火) 19:00:13.15 ID:bzD5uQrr0
アルミン「足跡は7人分だったよ」

ヒストリア「7人分ってことは…」

ヒストリア「私たちは今6人いて、あの時は
      全員が研究開発所に集まっていたから…」

アニ「…1人分多い計算になるね」

アニ「つまり、その1人分は最初からあったって事さ」

アニ「そしてそれは、さっき言われた通り…
   ベルトルトのものだって事になる」
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/12(火) 19:05:18.72 ID:bzD5uQrr0
コニー「そ、それじゃあ…  最初の足跡は
    本当に1人分しかなかったって事か?」

アニ「そういうこと。そもそも、最初の足跡は
   アルミンだけじゃなくて私やミカサも確認してるよ」

アニ「あれはどう見ても1人分だった…
   そうだよね、ミカサ」

ミカサ「…うん」
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/12(火) 19:20:25.27 ID:bzD5uQrr0
アルミン「だけど、それだと問題が出てくるんだ」

ヒストリア「…さっき言ってた、犯人の足跡のこと?」

アルミン「うん、だけどそれだけじゃない」

アルミン「【あの足跡がベルトルトのものである】っていう事実が
     かなり厄介になってくるんだよ」

コニー「…? ど、どういう事だ…?」
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/12(火) 19:30:08.10 ID:bzD5uQrr0








アルミン(あの足跡がベルトルトのものだと何が厄介なのか…)

アルミン(もう一度整理してみよう)







880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/12(火) 19:40:06.78 ID:bzD5uQrr0








―  ロ ジ カ ル ダ イ ブ 開 始  ―







881 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/12(火) 19:45:19.15 ID:bzD5uQrr0
今日はここまで
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 08:16:33.23 ID:eI01PkMV0
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 17:25:45.62 ID:R5dq14ST0








QUESTION 01


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       足跡を1人分しか残さない方法として考えられるのは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




▶【足跡をたどって歩く】
【立体機動装置を使う】
【テレポートする】







884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 17:35:23.00 ID:R5dq14ST0








QUESTION 02


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その方法は実現可能?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【どんな条件でも可能】
▶【ある条件を満たせば可能】
【不可能】







885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 17:40:41.50 ID:R5dq14ST0








QUESTION 03


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その条件とは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【行きの足跡が帰りの足跡よりも大きいこと】
▶【行きの足跡が帰りの足跡よりも小さいこと】







886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 17:45:34.92 ID:R5dq14ST0








QUESTION 04


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       帰りの足跡の持ち主としてあり得ないのは?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




【ミカサ・アッカーマン】
【ライナー・ブラウン】
▶【ベルトルト・フーバー】
【アニ・レオンハート】
【エレン・イェーガー】
【ジャン・キルシュタイン】
【コニー・スプリンガー】
【サシャ・ブラウス】
【クリスタ・レンズ】
【アルミン・アルレルト】
【ミーナ・カロライナ】
【ユミル】







887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 17:50:16.05 ID:R5dq14ST0








QUESTION 05


――――――――――――――――――――――――――――――――――――

       その理由は?
                                    
――――――――――――――――――――――――――――――――――――




▶【死体が靴を履いていたから】
【死体の靴が行方不明だから】
【死体の正体がわかっていないから】







888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/13(水) 18:00:10.71 ID:R5dq14ST0








DIVE RESULT




<1> 足跡を1人分しか残さない方法として考えられるのは? 【足跡をたどって歩く】

<2> その方法は実現可能?                【ある条件を満たせば可能】

<3> その条件とは?                   【行きの足跡が帰りの足跡よりも小さいこと】

<4> 帰りの足跡の持ち主としてあり得ないのは?      【ベルトルト・フーバー】

<5> その理由は?                    【死体が靴を履いていたから】








推理は繋がった!







889 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/13(水) 18:05:12.29 ID:R5dq14ST0
今日はここまで
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 01:59:08.26 ID:umdANPaHO
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/17(日) 09:35:18.31 ID:C0ffW8pE0
アルミン「その事を説明するために、少し話題を変えるよ」

アルミン「今回、事件現場までには1人分の足跡しか
     残っていなかったけど…」

アルミン「足跡を1人分しか残さずに現場を行き来する方法…
     実はない訳じゃないんだ」

コニー「え…!? そ、そうなのか!?」

アルミン「うん… 足跡をたどって歩けばいいんだよ」
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/17(日) 10:05:04.78 ID:C0ffW8pE0
ヒストリア「足跡をたどって…?」

アルミン「まず、寄宿舎に潜んでいたベルトルトが
     研究開発所に向かう」

アルミン「どうしてそんな事をしたのかっていう理由は
     ここでは省くよ」

アルミン「あとはその後、犯人がその足跡に合わせるように
     研究開発所に歩いていく」

アルミン「そして、そこでベルトルトを殺した後、
     同じ足跡をたどって後ろ向きに寄宿舎に歩く…」

アルミン「そうすれば、1人分の足跡しか残さずに
     現場を行き来してベルトルトを殺すことができるんだ」
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/17(日) 10:15:27.09 ID:C0ffW8pE0
ミカサ「…確かに、その方法なら1人分の足跡しか残らない」

アルミン「うん、だけど… この方法には穴があるんだよね」

コニー「穴? どこがダメなんだ?」

アルミン「ベルトルトの体格を思い出して欲しいんだけど…」

アルミン「かなり大柄だったよね? 靴のサイズだって、
     この中の誰よりも大きかったはずだよ」
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/17(日) 10:20:11.71 ID:C0ffW8pE0
アルミン「犯人になったつもりでイメージしてみて」

アルミン「自分よりも大柄なベルトルトの足跡をたどった場合…
     どうなると思う?」

ヒストリア「…あっ」

アニ「………………」

ヒストリア「足跡が… 収まらない…?」
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/17(日) 10:25:03.26 ID:C0ffW8pE0
アルミン「そうなんだよ。自分よりも靴のサイズが大きい人物の
     足跡をたどろうとすると…」

アルミン「どうしても、その人物の足跡の中に
     自分の足跡が残ってしまうんだ」

アルミン「その場合、見かけ上は1人分の足跡しか
     残っていないように思えるけど…」

アルミン「よく観察してみると、そこには
     2人分の足跡があることがわかるはずなんだ」
896 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/17(日) 10:30:30.42 ID:C0ffW8pE0
今日はここまで
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/20(水) 17:30:11.94 ID:D9kbGvTx0
ヒストリア「な、なるほど…」

アニ「…で? 実際の足跡はどうだったの、ジャン?
   確認したんでしょ?」

ジャン「綺麗に1人分だったぜ。
    足跡の中に足跡があるなんて事はなかった」

コニー「そ、それなら…
    そのトリックを使うことは無理…ってことか?」
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/20(水) 17:40:10.24 ID:D9kbGvTx0
ヒストリア「…ちょっと待って。本人じゃなくても
      ベルトルトの足跡を残すことはできるんじゃない?」

コニー「…?? ど、どういう事だ?」

ヒストリア「ベルトルトの靴を履くんだよ」

ヒストリア「まず犯人は、ベルトルトの足跡を辿って
      研究開発所まで行く」

ヒストリア「この時点では、足跡が二重に付いちゃうけど…」

ヒストリア「研究開発所でベルトルトを殺した後、
      靴を奪って履いていけば…」

ヒストリア「元の足跡を綺麗に辿ることで、ベルトルトの
      足跡しか残らなくなる… これならどうかな?」
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/20(水) 17:50:12.61 ID:D9kbGvTx0
アルミン「…それは無理だよ」

ヒストリア「えっ… どうして?」

アルミン「ベルトルト… あの死体が靴を履いていたからさ」

アルミン「さっきジャンが言ってたでしょ?
     『死体の靴と照合した』って」




ジャン『あの足跡はベルトルトのもんだ。
    現場にあった死体の靴と照合したから間違いねえ』



900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/20(水) 17:55:18.14 ID:D9kbGvTx0
ヒストリア「…!!」

ジャン「…そういう事だ」

ジャン「あの死体がちゃんと靴を履いていた以上、
    今のお前の推理は成り立たなくなる」

ジャン「厄介な部分はそこなんだよ。最初の足跡が
    ベルトルト以外の奴のものならともかく…」

ジャン「あの足跡がベルトルトのものだってわかった時点で、
    足跡のトリックが不可能になっちまうんだ」
901 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/20(水) 18:00:22.39 ID:D9kbGvTx0
今日はここまで
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 18:35:11.74 ID:9UymxQ/P0
乙です
長い裁判になりそうだ
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/21(木) 17:20:06.05 ID:erXyThFdo
一個一個潰してくのは大変だな
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/21(木) 20:25:31.72 ID:nmviDv2E0
コニー「じゃ、じゃあ… 犯人はどうやって
    研究開発所に行ったり来たりしたんだ?」

ジャン「それがわかんねえから悩んでるんだろうが」

ミカサ「最初の足跡がベルトルトのもので、
    ベルトルトが靴を履いていたのなら…」

ミカサ「その足跡は間違いなく、ベルトルトが
    現場に向かったときに付いたものという事になる」

アルミン「…うん。そして、犯人は一切の足跡を残さずに
     現場を行き来したという事にもなるね」
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/21(木) 20:45:13.91 ID:nmviDv2E0
アニ「…そういえばあんたは、捜査の段階から
   あの足跡がベルトルトのものだって言ってたね」

アルミン「………………」

アニ「そして、こうも言ってた」




アルミン『おそらく、この事件には… 
     何かしらのトリックが使われているんだ』

アルミン『足跡を残さずに研究開発所に向かい、
     ベルトルトを殺すことのできるトリックが…』




アニ「推理だけで足跡の持ち主を見抜いたあんたでも…
   そのトリックは見抜けないの?」

アルミン「…今のところはね」
906 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/21(木) 21:00:14.32 ID:nmviDv2E0
今日はここまで
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/24(日) 10:15:10.50 ID:wB2/XybL0
アルミン「ただ… 今回の犯行がかなり計画的なものだった事は
     間違いないと思う」

ジャン「…まあ、そりゃそうだな。こんな手の込んだ殺し方、
    とても行き当たりばったりとは思えねえ」

ジャン「ミーナの事件というよりはユミルの事件に近い…ってとこか?」

ヒストリア「………………」
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/24(日) 10:30:42.05 ID:wB2/XybL0
コニー「ユミルの事件か…」

コニー「でも、今回は“殺意がないのに殺した”パターンじゃ…
    ねえよな?」

アニ「…当たり前でしょ? 殺意がないのに
   どうやってあんな殺し方ができるの」

アニ「そもそも、その事については
   モノクマが言及してたじゃない」




モノクマ『ヒントその1! 今回の事件は殺意を持ったクロによる犯行です!』

モノクマ『つまり、前回のブラウスさんみたいに、
     知らないうちに自分が殺人者になっている可能性はないってこと!』




アニ「今回の事件は『殺意を持ったクロによる犯行』…
   そういう意味では、ミーナの事件に近いんだよ」
909 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/24(日) 10:35:34.40 ID:wB2/XybL0
今日はここまで
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 02:26:11.95 ID:JeVKys540
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 17:45:04.85 ID:SM28iH/M0
アルミン「………………」

ミカサ「…誰の事件に近いとか、この際どうだっていい」

ミカサ「それよりも、情報共有の続きは?
    まだ全部終わっていなかったはず」

ヒストリア「…確かに、少し話が逸れちゃったね。
      どこまで行ったっけ?」

ジャン「俺とミカサの捜査報告の途中までだ。
    足跡の持ち主を突き止めたところで止まってる」

アルミン「それなら… 続きを聞かせてくれるかな?」
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 17:50:04.83 ID:SM28iH/M0
ジャン「いいぜ。と言っても、そこから別に
    大した話がある訳じゃないけどな」

アニ「それで、足跡を調べた後はどこに行ったの?」

ジャン「書庫だ。例の本を取りにな」

ヒストリア「例の本って…」
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 17:55:07.56 ID:SM28iH/M0








九つの巨人







914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 18:00:09.70 ID:SM28iH/M0
ヒストリア「巨人について書かれていた、あの…?」

ジャン「他にどの本を取りに行くってんだよ」

コニー「…あれ? あの本ってアルミンが持ってなかったか?」

アルミン「あの後すぐに返しに行ったよ。
     その時、ジャンには本を返す事を言ってたんだ」
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 18:05:07.99 ID:SM28iH/M0
ジャン「今回殺されたのはベルトルト… しかも、モノクマから
    【裏切り者】のカミングアウトがあったすぐ後だ」

ジャン「だったら、犯人の動機にも大きく
    関わってくる部分だと思ってな…」

ジャン「…ほら、この通り、ここに持ってきたぜ」




【九つの巨人】



916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 18:10:13.32 ID:SM28iH/M0
アニ「正直、その本に関しては
   あんたに色々と言いたい事があるけど…」

ジャン「………………」

アニ「…まあいいや。続けてくれる?」

ジャン「…書庫にはこの本を取りに行っただけで特段捜査はしてねえ。
    する必要もないと思ったからな」

ジャン「そんで、俺とミカサは色々話した後、
    倉庫に向かうことにした」

ジャン「前回の事件みたいに、何か手がかりが
    あるんじゃねえかと思ってな」
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/02/25(月) 18:15:30.06 ID:SM28iH/M0




アルミン『これからどこに行くの?』

ミカサ『倉庫。アルミンは?』

アルミン『僕たちは… 溶鉱炉に』

ミカサ『…そう』




アルミン「そういえば、捜査のときにジャン達とすれ違ったけど…
     倉庫に行くって言ってたね」

ジャン「…ああ、そういやそうだったな。ちょうどその時だ」

アニ「…それで、目ぼしいものは見つかった?」

ジャン「いや、これといっては無かったな」

ジャン「あとは例の物品管理表だが…
    まあ見てもらった方が早いだろ。これだ」
918 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/02/25(月) 18:20:11.11 ID:SM28iH/M0
今日はここまで
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/03(日) 16:10:06.98 ID:E18F3dbo0
物品 ショベル、つるはし

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 01 11:54
返却 DAY 02 06:45  


物品 工具セット

名前 ジャン・キルシュタイン

持出 DAY 03 19:25
返却 DAY 04 00:20


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 04 00:20
返却 DAY 04 13:48


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 06 00:18
返却 DAY 06 02:48


物品 救命セット

名前 ■■■■■■■■  ヒストリア・

持出 DAY 06 11:
返却
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/03(日) 16:20:06.24 ID:E18F3dbo0
物品 救命セット

名前 ライナー・ブラウン

持出 DAY 06 11:44
返却 DAY 08 15:21   


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 07 00:16
返却 DAY 07 02:30


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 08 00:12
返却 DAY 08 02:55


物品 詰め合わせスペシャル

名前 サシャ・ブラウス

持出 DAY 09 00:21
返却 DAY 09 02:57


物品 詰め合わせスペシャル

名前 コニー・スプリンガー

持出 DAY 10 15:43
返却


物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却


物品 ランタン

名前 アニ・レオンハート

持出 DAY 11 19:21
返却
921 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/03(日) 16:25:08.69 ID:E18F3dbo0
今日はここまで
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 17:26:06.60 ID:Qsly1eQ+0
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 21:53:44.46 ID:Qsly1eQ+0
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/10(日) 09:05:26.61 ID:bGVbTIqe0
コニー「ああ、これか…」

コニー「これ見ると、どうも…
    今までの裁判を思い出しちまうんだよな」

ジャン「…あの2つの裁判では、この管理表が
    重要な手がかりになってたからな」

ヒストリア「………………」

ジャン「今回も手掛かりになるかはわかんねえが…
    一応確認はしておこうぜ」
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/10(日) 09:15:07.11 ID:bGVbTIqe0
ミカサ「前回の裁判の後に物品を借りているのは…」




物品 詰め合わせスペシャル

名前 コニー・スプリンガー

持出 DAY 10 15:43
返却


物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却


物品 ランタン

名前 アニ・レオンハート

持出 DAY 11 19:21
返却




ミカサ「コニー、ヒストリア、アニの3人…
    誰も借りた物品を返していない」

ジャン「まずはこの3人から話を聞かせてもらおうか。
    どういう用途でこれらの物品を借りたのかをな」
926 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/10(日) 09:20:17.09 ID:bGVbTIqe0
今日はここまで
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/15(金) 17:35:07.76 ID:Xs45z3pt0








―  議 論 開 始  ―




【拘束トラップ】
【時限爆弾】
▶【特殊ガス発生装置】







928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/15(金) 20:45:11.13 ID:Xs45z3pt0
コニー「俺がその物品を借りたのは…」

コニー「【小腹が空いたから】だ」

コニー「それと、その… なんだ」

コニー「【サシャの弔いにもなる】と思ってな」

ヒストリア「私がその物品を借りたのは…」

ヒストリア「【眠れなかったから】だよ」

ヒストリア「前の事件以来、よく寝付けなかったから…」

ヒストリア「今のところ【まだ2回しか使ってない】けどね」

アニ「私がその物品を借りたのは…」

アニ「まあ、【ヒストリアの理由と似てる】かな」

アニ「部屋を真っ暗にしてランタンを灯すと…」

アニ「【心が落ち着いてよく眠れる】んだよ」




アルミン(…ん? あの人の発言、何か気になるな…)

アルミン(僕の持っている情報と照らし合わせてみれば…)
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/15(金) 20:50:13.21 ID:Xs45z3pt0
コニー「俺がその物品を借りたのは…」

コニー「【小腹が空いたから】だ」

コニー「それと、その… なんだ」

コニー「【サシャの弔いにもなる】と思ってな」

ヒストリア「私がその物品を借りたのは…」

ヒストリア「【眠れなかったから】だよ」

ヒストリア「前の事件以来、よく寝付けなかったから…」

ヒストリア「今のところ【まだ2回しか使ってない】








それに賛成だ!







930 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/15(金) 21:15:24.44 ID:Xs45z3pt0
今日はここまで
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/16(土) 19:35:20.44 ID:l6sQs/AY0
アルミン「ちょっと待って!」

ヒストリア「えっ…」

アルミン「2回…? 2回しか使ってないの?」

アルミン「君はユミルの事件以来、
     寝付けなかったから睡眠薬を借りたんだよね?」

ヒストリア「…? そ、そうだけど…」
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/16(土) 19:45:18.90 ID:l6sQs/AY0
アルミン(…それはおかしい)

アルミン(物品管理表によると、ヒストリアの記述はこうだ)




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




アルミン(つまり…)




【睡眠薬を別の用途に使った】
▶【睡眠薬を使わなかった日があった】
【睡眠薬を借りたというのはウソ】








これだ!







933 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/16(土) 20:00:07.64 ID:l6sQs/AY0
今日はここまで
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/17(日) 03:35:24.29 ID:txPG+ckSO
つまり!
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/17(日) 09:30:23.49 ID:K+5x9V5W0
アルミン「…もしかして、睡眠薬を
     使わなかった日があったんじゃない?」

ヒストリア「…!」

コニー「…ん? なんでそうなるんだ?」




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




コニー「ヒストリアが睡眠薬を借りたのは11日目だろ?」

コニー「今日は13日目だから…
    2回使ってるのが普通なんじゃねえか?」
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/17(日) 09:35:33.23 ID:K+5x9V5W0
アルミン「違うよ、コニー。
     睡眠薬が借りられた時間をよく見てみて」




物品 睡眠薬

名前 ヒストリア・レイス

持出 DAY 11 01:12
返却




アルミン「ヒストリアが睡眠薬を借りたのは
     11日目になったばかりの時間… つまり夜中なんだ」

アルミン「つまり、今日が13日目で、
     睡眠薬を毎日使っていたのなら…」

アルミン「合計で3回使っているはずなんだよ」
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/17(日) 10:00:05.31 ID:K+5x9V5W0
アニ「…なるほど。2回しか使っていないのなら、
   1回使わなかった日があったって事だね」

アルミン「そういう事だよ。どうかな、ヒストリア?」

ヒストリア「そ、その通りだけど…」

ジャン「ちなみにいつなんだ? その使わなかった日ってのは」

ヒストリア「昨日だよ。なんだか知らないけど、
      夕方になる前からぐっすり眠っちゃって…」
938 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/17(日) 10:15:08.40 ID:K+5x9V5W0
今日はここまで
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 16:49:23.16 ID:PGdAE9QpO
だれや……
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/25(月) 18:40:13.60 ID:V/b12k+K0
ミカサ「…ヒストリアも?」

ヒストリア「…えっ?」

ミカサ「私も… 昨日は昼過ぎに寝てしまった。
    気が付いたら次の日の朝だった」

ジャン「…お、おいおい、マジかよ。オレもだぜ」

ヒストリア「…!」

ジャン「オレも昨日の昼過ぎに眠気に襲われて…
    そのまま朝まで眠っちまった」
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/25(月) 18:50:27.77 ID:V/b12k+K0
コニー「な、なんだそりゃ…?
    みんなそんなに疲れちまってたのか?」

ヒストリア「私も今までそう思ってたんだけど…」

ジャン「自分1人ならともかく、他の奴らも
    同じように眠っちまったってのは… 不自然だろ」

ミカサ「他の3人はどうなの?
    アルミンとアニとコニーは?」

コニー「俺はいつも通り夜に寝たけど…」
942 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/03/25(月) 19:10:31.05 ID:V/b12k+K0
今日はここまで
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 03:02:31.22 ID:Sh/24WhRO
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2019/04/04(木) 22:17:39.49 ID:Bi88qXXX0
物体xはなんだったのか
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/06(土) 17:10:18.80 ID:MRR7/eUY0
アニ「…なるほどね」

コニー「は…? 何がなるほどなんだ?」

アニ「ヒストリアとジャンとミカサが
   同じように眠ってしまった…」

アニ「…その理由に合点がいったよ」

ヒストリア「えっ…!?」

アニ「ちなみに、私とアルミンも通常通り夜に寝たよ」

アニ「つまり… 妙な睡魔に襲われたのは、
   ヒストリア、ジャン、ミカサの3人という事になる」
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/06(土) 17:25:16.53 ID:MRR7/eUY0
ヒストリア「アニとアルミンとコニーは眠らなかったの…?」

アニ「そう。昼過ぎから夕方前なんていう
   妙な時間に眠りこけてしまったのは、あんたら3人だけ…」

ジャン「な、何なんだよ… その理由ってのは」

アニ「…アルミン、見せてあげて」
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/06(土) 17:30:22.95 ID:MRR7/eUY0
B特殊ガス発生装置


<概要>

特殊なガスを発生させることのできる装置です。
用途に応じたガスカプセルをお使い下さい。


<使い方>

(1)ガスカプセルをセットします。

(2)ガス発生の時刻と時間を設定します。

(3)ガス発生のスイッチを押します。


<ガスカプセル>

 ・ 毒カプセル(紫)

   致死性の毒ガスを発生させます。

 ・ 麻痺カプセル(黄)

   身体の自由を奪う麻痺ガスを発生させます。
   効果時間は約5分間です。

 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。

 ・ 淫乱カプセル(ピンク)

   エッチな気分にさせるガスを発生させます。
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/06(土) 17:45:14.04 ID:MRR7/eUY0
ヒストリア「これって、研究開発所にあった…?」

アルミン「うん。リストの中の開発品の1つだよ」

アルミン「特殊ガス発生装置… 実はこれが、
     寄宿舎の“とある場所”で見つかってるんだよ」

コニー「は? き、寄宿舎…? なんでそんな所に…」
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/06(土) 18:00:08.83 ID:MRR7/eUY0
ミカサ「…アルミン、教えて」

ミカサ「その“とある場所”というのは… 一体どこなの?」




アルミン(特殊ガス発生装置を見つけた場所…)

アルミン(それは…)




【コニーの個室】
【大浴場】
▶【空調室】








これだ!







950 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/04/06(土) 18:10:09.96 ID:MRR7/eUY0
今日はここまで
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/07(日) 16:05:47.28 ID:KCvkMBgQ0
アルミン「空調室だよ」

コニー「空調室…? なんだそりゃ?」

ジャン「…そんなの寄宿舎にあったか?」

アルミン「空調室は寄宿舎に外付けされてる部屋で、
     寄宿舎内部から入る事はできないんだ」

アルミン「それに、普段は鍵がかかってるみたいだから…
     みんなが気付かなかったのも無理はないよ」
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/07(日) 16:25:06.33 ID:KCvkMBgQ0
ヒストリア「で、その… 空調室…?
      っていうのはどういう場所だったの?」

アルミン「モノクマが言うには…」




モノクマ『一言で言うなら、空気を循環させるための部屋!』

モノクマ『新鮮な空気をオマエラの部屋にお届けするための
     重要な部屋なんだよ!』




コニー「…?? どういう事だ?」

アルミン「どういう事も何も、そのままの意味だよ」

アルミン「要するに… 僕たちが個室で吸っていた空気は
     空調室から送られて来ていたんだ」
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/07(日) 16:40:11.52 ID:KCvkMBgQ0
ジャン「ちょ、ちょっと待て! そんな場所で
    特殊ガス発生装置が見つかったって事は…」

アルミン「ようやく気付いたようだね」

アルミン「そう… ジャン、ミカサ、ヒストリアの3人は、
     装置から発生したガスを個室内で吸った可能性がある」

ミカサ「…!!」

アルミン「その証拠に… あの装置には“ある色”の
     カプセルがセットされていたんだ」




アルミン(“ある色”とは…)




【紫】
▶【水色】
【ピンク】








これだ!







954 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/04/07(日) 16:45:24.35 ID:KCvkMBgQ0
今日はここまで
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/16(火) 21:14:05.09 ID:pruXkoKi0
乙です
今回の事件手帳に死因は書かれてないのか
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 13:35:12.60 ID:/OIfY7aC0
アルミン「水色のカプセルだよ」

ヒストリア「水色って…」




 ・ 睡眠カプセル(水色)

   深い眠りへと誘う睡眠ガスを発生させます。
   効果時間は最低18時間です。




ヒストリア「睡眠ガス…!?」

アルミン「うん。つまり、3人が同じ時間帯に
     眠りについてしまったのは偶然じゃなかったんだ」

アルミン「誰かによって【意図的に仕組まれた】








そいつはおかしいぜ!







957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 13:45:12.70 ID:/OIfY7aC0
コニー「ちょっと待てよ、アルミン…」

コニー「もしその装置が使われたってんなら…
    説明のつかない事があるぞ」

アルミン「…えっ?」

コニー「おいおい、忘れたのか?
    お前にも心当たりがあるはずだぜ」
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/04/21(日) 14:10:10.90 ID:/OIfY7aC0








―  反 論 シ ョ ー ダ ウ ン 開 始  ―




【2本の黒槍】
【多数の剣】
【拘束トラップ】
【巨大な爆発痕】
▶【穴の中のモノクマ】
【溶鉱炉の安全対策】







959 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/04/21(日) 14:15:24.14 ID:/OIfY7aC0
今日はここまで
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 14:40:14.54 ID:3WHR+Gnx0
コニー「3人が部屋で眠っちまったのは/
                   /昨日の昼過ぎから夕方前だったよな?」

コニー「つまり、睡眠ガスが発生してたのは/
                     /その時間帯だったって事だろ?」

コニー「その装置から発生したガスが/
                  /俺たちの部屋に送られたって…」

コニー「だけどよ、それって/
              /変じゃねえか?」

コニー「アルミン、昨日の事を/
               /よく思い出してみろよ!」
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 15:00:11.69 ID:3WHR+Gnx0








―  発 展  ―




アルミン「昨日の事って…」

アルミン「急に大雨が降ってきたときの事?」







962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 15:10:25.18 ID:3WHR+Gnx0
コニー「そうだ! お前とアニが/
                /寄宿舎に駆け込んできたとき…」

コニー「【俺はお前らにタオルを持っていった】よな?」

コニー「俺はそれまで寄宿舎の部屋で/
                  /過ごしてたけどよ…」

コニー「眠りこけちまうようなことは/
                  /なかったぞ?」

コニー「つまり、【あの時間帯にガスが出てたってのは間違い】なんじゃねえのか?」




アルミン(いや、あの時間帯にガスが発生していた事は間違いない…)

アルミン(コニーだけが眠らなかったのには理由があるんだ)
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/06(月) 15:15:10.89 ID:3WHR+Gnx0
コニー「そうだ! お前とアニが/
                /寄宿舎に駆け込んできたとき…」

コニー「【俺はお前らにタオルを持っていった】よな?」

コニー「俺はそれまで寄宿舎の部屋で/
                  /過ごしてたけどよ…」

コニー「眠りこけちまうようなことは/
                  /なかったぞ?」

コニー「つまり、【あの時間帯にガスが/
                   /出てたってのは間違い】








その言葉、斬らせてもらう!







964 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/05/06(月) 15:45:13.09 ID:3WHR+Gnx0
今日はここまで
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 16:08:43.24 ID:yraopyTmO
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/12(日) 09:10:17.94 ID:GMTPtBcA0
アルミン「いや、確かにあの時間帯にはガスが
     発生していたはずだよ」

アルミン「あの装置ではガスを発生させる時間を
     決めることができるんだけど…」

アルミン「僕は捜査のときにその時間を確認してるから…
     それは間違いないはずだよ」




アニ『…ねえ、あの装置は確か、
   ガスを発生させる時間を決めることができたよね?』

アルミン『うん。さっき調べてるときに
     ガスの設定時間も確認したけど…』

アルミン『【あの時間】には、間違いなく
     ガスが発生していたはずだよ』




ジャン「…その時間ってのは、ちょうどオレたちが
    眠っちまった時間なのか?」

アルミン「うん… 僕がガスの発生を確信したのも、
     3人が眠ったっていう時間帯と一致してたからなんだ」
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/12(日) 09:35:06.27 ID:GMTPtBcA0
コニー「け、けどよ! 俺は本当に眠らなかったんだぞ!?
    その時は確かに部屋にいたのに…」

アルミン「コニーだけが眠らなかったのには理由があるんだよ」

コニー「は…?」

アルミン「寄宿舎にあるそれぞれの個室には、空調室に通じる
     空気の出入口があるんだけど…」

アルミン「コニーの部屋だけ、空気の出入口が
     あるもので塞がれていたんだ」

ヒストリア「…あるものって?」

アルミン「モノクマだよ」
968 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/05/12(日) 10:00:07.73 ID:GMTPtBcA0
今日はここまで
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/15(水) 08:27:37.18 ID:iY1EkTuIO
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/16(木) 19:05:09.51 ID:E4wTuTP20
ジャン「は…!?」

コニー「モ、モノクマだって…!?」

モノクマ「………………」

ミカサ「…どういう事? アルミン」

アルミン「言葉通りの意味だよ。
     空気の出入口の中にモノクマがいたんだ」
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/16(木) 19:15:07.85 ID:E4wTuTP20
アルミン「モノクマの体に邪魔されて
     空気の出入りがなくなった結果…」

アルミン「ガスが室内にまで届かなかったんだ。
     だからコニーだけが眠らなかったんだよ」

コニー「そ、そういや、何日か前から
    妙に部屋の空気が悪かったような…」

アニ「…確かに、昨日アルミンとあんたの部屋に行ったときも
   変な息苦しさを感じたね」




アニ『それにしても、この部屋…
   なんか変じゃない?』

アニ『昨日来たときにも思ったけど、
   妙に息苦しいっていうか…』



972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/16(木) 19:20:07.09 ID:E4wTuTP20
ジャン「い、いや、つーかよ… なんでお前の部屋の
    空気の出入口にモノクマがいたんだ?」

コニー「そんなの俺が聞きてえよ…
    モノクマ、お前何してたんだ?」

モノクマ「………………」

コニー「…モノクマ?」

モノクマ「………………」
973 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/05/16(木) 19:25:22.34 ID:E4wTuTP20
今日はここまで
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/16(木) 20:55:33.99 ID:BA975M5g0
乙です
モノクマはどう答えるのか
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 16:00:13.39 ID:7Ma45AlH0
コニー「…おーい?」

モノクマ「………………」

ヒストリア「…どうしたんだろう? 全然反応がないよ」

ジャン「けっ、どうせ都合が悪い事だから
    だんまり決め込んだんだろ」

アニ「………………」
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 16:10:15.70 ID:7Ma45AlH0
アルミン「…モノクマへの確認は後にして議論を進めるよ」

アルミン「今までの話からわかったのは…」

アルミン「昨日の昼過ぎから夕方にかけて、寄宿舎の空調室で
     睡眠ガスが発生していた事」

アルミン「その時に部屋にいたミカサ、ジャン、ヒストリアの3人が
     ガスを吸って翌朝まで眠ってしまった事」

アルミン「コニーも一応部屋にいたけど、空気の出入口に何故か
     モノクマがいたせいでガスを吸わずに眠らなかった事…」
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 17:10:08.11 ID:7Ma45AlH0
ヒストリア「ガスを発生させたのが
      誰なのかはわからないけど…」

ヒストリア「睡眠ガスを発生させたって事は、
      私たちを眠らせたかったって事だよね?」

ジャン「…当たり前だろ。他に何の目的があるってんだ」

ヒストリア「いや、そうじゃなくて…
      何のために眠らせたかったんだろうって」

ヒストリア「私たちが起きてると
      何かまずい理由でもあったのかな…?」
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 17:15:07.71 ID:7Ma45AlH0
アニ「…いい視点だね」

アニ「じゃあ、その点も含めて…
   一度ここでみんなの疑問をぶつけ合ってみない?」

ミカサ「…疑問? 睡眠ガスに関する事?」

アニ「とりあえずはそうだね」

アニ「もしかしたら、それで何かがわかるかもしれないよ」
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 17:30:06.18 ID:7Ma45AlH0








―  議 論 開 始  ―




【モノクマファイル 3】
【2本の黒槍】
【多数の剣】







980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 18:00:20.02 ID:7Ma45AlH0
アニ「昨日の昼から夕方にかけて睡眠ガスが発生していた…」

アニ「ここで疑問になるのは、【誰が】ガスを発生させたのか…」

アニ「【何のために】ガスを発生させたのか…」

アニ「もっと言うなら…」

アニ「【どうしてあの時間帯に】ガスを発生させたのか…」

ヒストリア「そういえば、アニとアルミンは…」

ヒストリア「ガスが発生したときに【どうして部屋にいなかったの?】」

アニ「ちょうど2人で外に出てたんだよ」

アニ「ちょっとした用があってね」




アルミン(…ん? あの人の発言…)

アルミン(何か引っかかる…)








▶【どうしてあの時間帯に】







981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/05/19(日) 18:05:48.34 ID:7Ma45AlH0
アニ「昨日の昼から夕方にかけて睡眠ガスが発生していた…」

アニ「ここで疑問になるのは、【誰が】ガスを発生させたのか…」

アニ「【何のために】ガスを発生させたのか…」

アニ「もっと言うなら…」

アニ「【どうしてあの時間帯に】ガスを発生させたのか…」

ヒストリア「そういえば、アニとアルミンは…」

ヒストリア「ガスが発生したときに【どうして部屋にいなかったの?】








それは違うよ!







982 : ◆qbWu2o7Q.Y [saga]:2019/05/19(日) 18:15:10.94 ID:7Ma45AlH0
今日はここまで
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/19(日) 23:11:57.60 ID:pzUABWRX0

久々に来たら結構進んでるからよみなおしてくる
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/20(月) 01:29:09.43 ID:OiMv08N7O

そろそろ次スレ突入か
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:47:32.05 ID:+V6yDrVp0
≪ピーンポーン!大・正・解!オマエラの選択は間違ってなかった!【超高校級の幼馴染み】松永時雨君を殺したクロは、【超高校級のロックシンガー】渋谷沙織さんなのでしたー!満場一致で大正解…って言いたいけど、小鳥遊さんだけ不正解!渋谷さんが自白してるの聞いてるのに、何がどうして“美山君”に投票しちゃってるの?うぷぷ、まあ兎に角おめでとう!≫
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:48:19.49 ID:+V6yDrVp0
Chapter1 オシオキ編

どんなに努力をして作り上げた「栄光」も

たった一回の「過ち」で全て崩れる


砂のお城

≪ピーンポーン!大・正・解!オマエラの選択は間違ってなかった!【超高校級の幼馴染み】松永時雨君を殺したクロは、【超高校級のロックシンガー】渋谷沙織さんなのでしたー!満場一致で大正解…って言いたいけど、小鳥遊さんだけ不正解!渋谷さんが自白してるの聞いてるのに、何がどうして“美山君”に投票しちゃってるの?うぷぷ、まあ兎に角おめでとう!≫
 
「違う…こんなの、絶対に違う!違うのだよ!」
 
 
モノクマの正解発表も、梓ちゃんのか細い拒絶も、沙織ちゃんの高笑いも、全てが煩わしく感じる。裁判場の喧騒にあるのは、憐憫、侮蔑、怒りが籠もった視線。そして彼が−何時も穏やかな表情を崩さない彼が、感情を露わにした。父親である自分を「舌が重くなり、言葉に出来ない程に」敬愛していた娘・コーデリアが処刑され、己の愚かさを嘆いて死んだリア王のように…静かに、そして彼女に怒りをぶつけた。
 
 
「……答えろ、渋谷沙織」
 
「あーっはっはっはっはっは!!」
 
「渋谷沙織……お前は、どうして松永君を殺したんだ」
 
「きゃは、きゃはははは!!あーーーっはっはっははは!!!」
 
「何時までも壊れた笑い袋みたいに笑ってないで、答えろ。どうして、どうして彼を殺した?彼はただ、みんなでここから出たかっただけだ!コロシアイを望まなかった彼をどうして殺した!?」
 
「きゃはははは!!きゃはははは!!」
 
「……………………」
 
『美山君?』
 
「いい加減煩いぞ、貴様はそうやって罪から逃げるつもりか?」
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:49:16.82 ID:+V6yDrVp0
福石調ふくいし しらべ
 
 
「!!」
 
「福石…調?誰なのそいつ」
 
 
福石調−その名前を聞いた瞬間、沙織ちゃんは高笑いをピタリと止めた。その後、その名前を告げた美山君を睨んだ。憎悪に満ちた桃色と赤の瞳が、儚くも美しい桜色の髪と熟成された葡萄酒色の瞳を持った探偵助手を射抜く。
 
「はあぁっ?福石……調?美山柊ぃ!何でテメーがその名前を、そんなダッサイ名前を知ってんだよおおぉぉぉ!?」
 
『……もしかして、芸名?』
 
「ああ、渋谷沙織は芸名。本名は俺がさっき言っていた福石調。こいつは今まで、渋谷沙織という“冥界の女王”を演じていたに過ぎん」
 
「だぁかぁらぁぁ!そんなダッサイ名前が私様の名前なわけねぇだろうが!!ああ゛ん、ちょんぎるぞ!?」
 
「………そうやって、貴様は己が作った冥界の楽団・ペルセポネーのリーダー“渋谷沙織”に縋り付いているのか?親のネームバリューに相応しくあるために、自分にも他人にも厳しい女王を演じているのか?俺から言わせれば、貴様のような奴は芸能界にはごまんといる。二世タレントだの二世俳優だの、親の七光りと嘲笑われ、挙げ句の果てには芸能界から親子共々去るなんてザラだからな」
 
「煩い!パパやママは関係ない!何なんだよ、美山柊!お前もパパやママのおこぼれに肖ろうとするクソ共みたいに、私を利用するんだろ!?」
 
「な、なに…何が、起きてるの?」
 
「化けの皮が剥がれた…それだけのことだ」
 
 
化けの皮が剥がれた?まさか、あたし達が今まで見ていた渋谷沙織は偶像で……今見ている渋谷沙織−基福石調が、彼女の本当の姿なのだろうか?
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:50:15.68 ID:+V6yDrVp0
≪うぷぷぷぷ、なーんか面白い展開になって来たんじゃない!?と言うか、何で美山君は渋谷さんの本名知ってるの?あれ?あれれ、あれあれあれあれ〜、もしかしてさ≫
 
 
 
 
 
渋谷さんの秘密、美山君に渡っちゃってた?
 
 
「はぁっ?」
 
沙織ちゃん…否、調ちゃんは素っ頓狂な声色で疑問を投げかけた。え?どういうこと?だって、調ちゃんの秘密を持っていたのは時雨君じゃないの?
 
「…論より証拠、だな」
 
美山君がジャケットの懐から取り出したのは、綺麗な切り口の封筒。それは動機としてバラ撒かれた「美山柊本人の」名前が書いてある封筒だった。
 
 
その中に入っていた紙の内容は……
 
 
 
“渋谷沙織とは福石調の芸名。同時に福石調自身によって作られた虚像である”
 
 
ハッキリとした文字で、書かれてあったのは…美山君の秘密ではなく、調ちゃんの秘密だった。
 
 
『そんな…なら美山君があたし達の前で言っていたのは、何だったの!?』
 
「ああ、あれか?あれはちゃんとした個人的な俺の秘密だ。俺は元々この中性的な顔にコンプレックスを持っているから、自分から先に秘密をバラした…それだけのことだ」
 
「じゃ、じゃあ…時雨君が持っていたのは、調さんの秘密じゃなくて……柊君の秘密だった?」
 
「つまりお前は、最初からターゲットを間違えていたんだよ。[ピーーー]相手を、間違えていた……と言いたいが、本当はモノクマが出した動機は“本来の動機を隠す為の単なる口実”なんじゃないのか?福石」
 
「……………………」
 
 
本来の動機を隠す為?どういう意味?どういうことなの?一体全体、何が起きているのか分からなくなっている。
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:51:09.69 ID:+V6yDrVp0
「福石調。貴様は最初から、松永時雨を狙っていたんだろ?」
 
『えっ……』
 
「お、おい!どういう意味だよ美山!福石は最初から、松永を狙っていたって!」
 
「疑問に思っていたのは、この事件の犯人が何故刻村や三十石を“狙わなかったか”だ。普通に考えて、殺人を犯すのは至極難しい。只でさえ科学捜査が進んでいる警察や法医学がある。だがここには警察や法医学に詳しい奴等はいない…尤も死体に触れる機会が多い俺や、法医学や薬学にも触れたことのある狩谷は別だが。福石、貴様はどうして」
 
『どうして非力な人間を、選ばなかったかって言いたいんでしょ?』
 
「媛子?」
 
 
もう…堪えられなかった。自分の口から聞かなきゃ、納得出来なかった。
 
 
『何で…何で時雨君なの?何で……何でなの?何で、時雨君殺したんだよ!?ふざけんな!芸名使ってるのがそんなに重要か?親の七光り?んなもん誰でも使ってんだよ!!あたしをいじめていた女子グループのリーダーもそうだった!父親が社長だからって、中小企業に寄付してるからってやりたい放題!挙げ句の果てにはあたしが弟から誕生日プレゼントとして貰ったキーホルダー奪って転売しやがった!!だけどそのご自慢の父親は、会社潰して失脚して、そのまま家族共々転落人生送ってるよ!』
 
「媛子、ちゃん……」
 
『答えろよ福石調!何で時雨君殺したんだ、何で時雨君なんだよ!?言えよ、言え!ハッキリ喋れよ、このクソビッチ!!!』
 
自分でも醜いと思った。きっと駄々を捏ねてる子供みたいに−地団駄踏んで、喚いて、形振り構わないで彼女を責めているんだ。それでも、あたしは止めなかった。もう…止めるなんて選択がなかった。
 
調ちゃんは暫し俯いてから、こう言い放った。
 
 
 
 
 
「だってあいつ、大した努力もしない癖に何時もヘラヘラしててムカついたんだもん」
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:51:42.11 ID:+V6yDrVp0
福石調の回想
 
 
私のパパとママは所謂有名人だった。
 
ママは幾つものファッション雑誌の表紙を飾るカリスマモデル、パパは有名なロックバンド・ダンピールのギタリスト。その両方の血を受け継いだのが私・福石調だった。パパとママは一人っ子の私に沢山の愛情を注いでくれた。時々イタズラやお仕事を邪魔しちゃったら怒られたけど、それでも私はパパとママが大好きだった。パパは私がギターを習いたいと言ったら、どんなに仕事で疲れていても嫌な顔しないで教えてくれた。
ママも同じ。ママみたいにお洒落になりたいと言ったら、私にファッションのコツを教えてくれた。勿論年相応の値段と風合いをちゃんと理解させてくれた。
 
だから私はクラスでも浮いてはいなかった。寧ろ人気者の立場だった。女の子からは羨ましいと言われ、男の子からは告白されるのが日常。
中学生になってクラスメートの女の子からイジワルをされても平気だった。何の努力もしない奴の「単なる嫉妬」に時間を割くのは勿体ないし、何よりもパパとママの「名前をキズモノにしたくないから」。
 
パパやママは「有名になるには、才能だけじゃ食べていけない。才能を生かすも[ピーーー]も、その人の“努力”が左右するんだ」って私に毎日言っていた。
 
 
だから私は…何の努力もしない奴、親の七光りを周りにひけらかしてる奴が大嫌いだった。そういう奴程、努力することを蔑ろにするから。だから私は人の何倍も、何十倍、何百倍、何千倍と努力した。芸能界は根も葉もない噂や過去のレッテルでクルリと掌返しを平気でする汚い世界。だからこそ嫌がらせや陰口、大物の権力なんかに負けたくなかった。
 
その為には、自分にも他人にも厳しくならなきゃいけなかった。だから私は−「渋谷沙織」という女王を作った。冥界の楽団・ペルセポネーのリーダーであり、ロックシンガーとして絶対的存在として君臨する「女王」を。福石調である時と渋谷沙織である時とをちゃんと使い分けて生きてきた。付いて行けないと離れた人を思って悲しくなったこともあった。そんな私を見捨てずに付いて来てくれた、渋谷沙織の理想を分かってくれるバンドのメンバーは掛け替えのない人。
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:52:54.60 ID:+V6yDrVp0
私は松永時雨という「存在」が大嫌いだった。最初に会ったあの時から大嫌いだった。
【超高校級の幸運】の刻村コーキも嫌いだった。だけどそれ以上に【超高校級の幼馴染み】の松永時雨が大嫌いだった。
 
はあっ?【超高校級の幼馴染み】?何それ、それって才能なの?ただ単に一緒にいただけで?澪島紅羽の隣にいただけで?はあ?何の努力もしないで、幼馴染みってだけで希望ヶ峰にスカウトされた?
 
 
 
 
 
ふっざけんなよ!!!
 
幼馴染みってだけで希望ヶ峰にスカウト!?何の努力もしないで、何の苦労もしないで、希望ヶ峰にスカウト!?そんなふざけた話あるかよ!私は何千倍と努力してここまで来たのに!たかが幼馴染みで、超高校級なんて肩書きが付いたなんて認めない!
 
だから私は−[ピーーー]なら松永時雨にすると決めた。だからそのための計画も練った。そしてあの時が来た。モノクマが動機を配布したあの時。私の秘密が入った封筒には何故かあいつの、松永時雨の秘密が入っていた。
でもこれは願ってもいなかったチャンスだ。松永時雨も自分の名前が書いてあった封筒の中身を見ていたもの。あいつの封筒には誰だか分からない秘密。その封筒の中身の人物に罪も着せられる−だから計画を実行することにした。
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:54:05.58 ID:+V6yDrVp0
脅迫状で呼び出し、あの教室に誘い込んだけど…アイツは、本当にムカつく奴だった。
 
 
教室に先に着いていたのは松永時雨の方だった。あいつは何故か澪島紅羽のコートを着てフードを被っていたけど、そんなの私の計画には関係なかった。私が殺したい相手を、ターゲットを誘き出すのには成功していたんだもの。服装が変わっているのなんて些末な問題だったから。その時私はギターケースの中身をギターから凶器や着替えに入れ替えた状態で背負っていた。夜中にギターケースを背負っていても、私の肩書きは【超高校級のロックシンガー】だもの、怪しまれることはなかった。
 
「…………………」
 
 
「あら?松永時雨じゃない。こんな場所で何してるの?」
 
 
「…………………」
 
 
「黙っていても分かりますわよ?だって貴方様は【超高校級の幼馴染み】ですものね。幼馴染みの代わりに脅迫状を受け取ったのかしら?」
 
「……あの脅迫状、やっぱりお前だったのかよ」
 
被っていたフードを下げて見えた顔は、ボトルグリーンの髪に銀鼠色の瞳のあいつの顔。私が殺したくて堪らないあいつの顔。私はほくそ笑んで松永時雨に脅迫状を返して貰った。こっそりギターケースにしまってある凶器を取り出して、隠し持ったまま話しかけた。
 
 
「貴方様の秘密、私様は知っているの。バラされたくないなら、私様の言うことを聞き入れることね」
 
「……お前だけが知ってるんだよな、俺の秘密を」
 
「ええそうよ」
 
 
そう言った時、あいつはこう言い放った。まるで女王に反逆するように。
 
 
「バラすならバラせよ。お前の好きにしろ」
 
 
はっ?
 
私は耳を疑った。何て言った?バラすなら、バラせばいい?はぁっ?何それ、何その言葉。
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:55:06.65 ID:+V6yDrVp0
「あ、貴方様。自分が何言ってるのか、分かっていらっしゃるの?私様は、貴方様の秘密を握っているのよ?だから大人しく言うことを」
 
「生憎嫌われるのは慣れっこなんだよ。お前が皆に何を言い触らそおうが、どうだっていい。俺の秘密をバラすとか言って、俺を良いように利用する魂胆だったみたいだな」
 
「っ……何よ。貴方様って人は、自分の立場を理解していらっしゃるの?あなたは弱者なの!私様に秘密を握られている弱者なの!だから」
 
「はっ。そうやって、人の秘密掴んでマウント取ったつもりか?だったら俺はお前を軽蔑するよ、渋谷。お前はそうやって、自分が上にいないと不安で仕方ないんだな…可哀想な奴」
 
「っ!!」
 
「俺は別に秘密がバレようと、一向に構わねー。それで周りの奴等が離れたことなんて何度もあったからな。でも…俺はそんなの全然気にしねーよ。所詮人付き合いってそんなものだって思うし、そういうのは俺の親を見て何度も知ってる。俺の親もいいとこの出身なんだ。だから金の無心とか、コネ目当てのお近づきも見たことあるんだよ。でもあいつは…紅羽だけは違う。俺の親とか、経済力とかじゃなくて−松永時雨を見てくれた。俺個人を認めてくれた。だから俺はこの先、何があっても紅羽の傍にいる」
 
 
嗚呼、煩い煩い。うるさい、うるさい!うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!
 
偉そうな口を、何でそんな偉そうに口答えしてられるのよ!あんたは努力もしないで、ただ澪島紅羽の傍にいただけの「凡人」の癖に!!
 
 
「この先何があろうと、俺の命は」
 
 
気付けば私は、何時の間にか
 
 
「何時だって、紅羽アイツと一緒に」
 
 
隠し持っていた、洋裁鋏の片方で
 
 
 
 
「………えっ?」
 
 
 
松永時雨の腹を刺していた
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:55:49.60 ID:+V6yDrVp0
紅羽視点
 
「後は、茉波媛子の推理通りですわ」
 
『…………………』
 
「あ、あの……媛子、さん?」
 
「お、おい!茉波!」
 
 
媛子ちゃんは無言で渋谷さん−基福石さんに近付いて
 
 
彼女の頬を思いっ切りひっぱたいた。
 
 
「な、なっ!何しますの!?痛いじゃない!謝りなさいよ、私に」
 
『何で?』
 
「ひっ!」
 
『何で謝らなきゃいけないの?悪いことしたのは調ちゃんの方じゃん。人殺しの癖に、偉そうにしないでよ』
 
「ま、茉波媛子…」
 
『ねえ、痛い?痛いよね?叩かれたら誰だって痛いの。でも……時雨君はその叩かれた何倍も、何百倍も、何千倍も痛かった!!!』
 
「ひ、ひいぃぃぃ!!」
 
 
腰が抜けて立てない福石さんは必死に逃げようとした。でも媛子ちゃんはそれを赦さんとばかりに彼女の髪を鷲掴みにして思い切り引っ張っていた。
福石さんは「痛い!痛い!」と叫ぶが、媛子ちゃんのことを誰も止めに入らない。
 
 
至極当然だ−彼女はそれ相応の報いを受けてもおかしくない罪を犯した。
 
殺人という−赦されない罪を犯した。
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:56:25.17 ID:+V6yDrVp0
『痛い?痛いよね?時雨君はもっと痛かった!!お腹に刃物突き立てられて、血が沢山出て!死にたくなくて死にたくなくて死にたくなくてたまらなかった!ふざけんなよ!!だったらお前は努力したのか!?互いが違うことなんて分かり切ってることだろ!?理解する努力も、受け入れる努力もしなかった癖に!!偉っそうに動機ベラベラ喋りやがって!!!』
 
「うう、ううううううう!!許して!許して!許して!許してくださぁい!!痛い!痛い!痛い!千切れる、お願いだから止めてえぇぇ!!」
 
『ふざけんな!ふざけんなよ!!!返して!返して!時雨君返してよおおぉぉぉぉ!!!』
 
 
キャットファイトをただ傍観していたクソクマが退屈そうに欠伸を一つ。その後呆れ気味にこう言った。
 
≪はあ〜あ、キャットファイト見てるのもそろそろ飽きて来ちゃったなぁ。ねえ、そろそろアレ行ってもいいかなー?≫
 
「…アレ?何のことだよクソクマ」
 
≪クソクマじゃないっての!アレって言ったら澪島君、アレに決まってるじゃない!学級裁判で無様に負けたクロへのオ・シ・オ・キ!処刑だよ!≫
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:57:02.04 ID:+V6yDrVp0
オシオキ−その言葉を聞いた福石さんは身体を強ばらせていた。媛子ちゃんも髪を掴んでいた手を思わず離してしまった。その隙を見逃す訳がない福石さんは、媛子ちゃんを突き飛ばした。咄嗟に夕海さんが媛子ちゃんを受け止めてくれたから安心したけど、オシオキって何だろう?
 
≪うぷぷぷぷ。これをやらずに、コロシアイは語れないよ!学級裁判で負けてしまったクロには、オシオキという罰を受けてもらわないとね!≫
 
「い、嫌だ。死にたくない!死にたくない!」
 
≪はにゃ?死にたくないだって?松永君だって、本当は死にたくなかったのに…それを無碍にするのはどうなの?という訳で、今からご用意します!とっておきの、最期のファンサービスをね!≫
 
「し、死にたくない、死にたくない!ここで死ぬなんて冗談じゃない!今ここで死んだら、私は何の為にこの手を血で汚したのか分からなくなるじゃない!」
 
≪今回は【超高校級のロックシンガー】である渋谷沙織さん−基福石調さんのために≫
 
「…生きてやる!」
 
≪スペシャルな、オシオキを、用意しましたー!!≫
 
「どんなに惨めでも、無様でも、泥水を啜ろうと、腐肉を喰らおうと、あんた達にどんなに非難されようとも、私は………私は!」
 
 
 
 
 
 
 
生き残ってやる!!!
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:57:42.31 ID:+V6yDrVp0
そう叫んだ後、福石さんは裁判場から走り出した。その姿からは、ボク達が何時も見ていた「女王」の面影は全くない。目の前に居たのは−己の罪から死刑という「罰」から必死に逃げる哀れな罪人でしかなかった。
 
「生きる、生きる、生きる、生きてやる!私はこんな所で死ぬわけにはいかないんだ!!渋谷沙織の歌を待っているファンの為に、渋谷沙織の帰りを待っているメンバーの為に、何より…私に音楽と愛を注いでくれたパパとママの為に!!!」
 
≪さあ、張り切って参りましょう!オシオキターイム!!≫
 
 
 
「死んで堪るかああぁあぁあぁあぁぁ!!!」
 
ピコンと木槌でモノクマが何かのスイッチを押した音が聞こえた。軽やかな音とは裏腹に、残酷な死刑宣告の音だった。死刑囚を送る人達は、いつもこんな気持ちなのだろうか…
 
 
「あの世で時雨に謝ってよ、ヒトゴロシの女王様」
 
「逃げて…逃げてくれ……渋谷クン。逃げて…逃げて、くれ」
 
小鳥遊さんがポツリと呟いた声は、聞こえないふりをした。
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:58:26.29 ID:+V6yDrVp0
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999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:59:04.58 ID:+V6yDrVp0
どうして?どうしてみんな何も言わないの?どうして賛美してくれないの!?私はこんなにも努力したのに、私こそ相応しいのに!
 
 
その理由はオーディエンスの一人の悲鳴で判明した。
 
「きゃああああああ!!あの女の子の後ろに、死体があるわ!!!」
 
思わず渋谷は後ろを向いた。そこにあったのは
 
 
 
 
 
先程まで動いていた「バンドメンバーの血塗れの死体」だった。
 
「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
 
オーディエンス達は口々に渋谷への非難囂々。
人殺し、死神、疫病神、鬼子、呪いの歌姫、悪魔の歌声と罵る声に堪えられず、ステージから下りようとした渋谷の足をナニカが掴んだ。
 
 
 
 
「死んじまえ、ヒトゴロシ」
 
 
白い腕がやがて渋谷の両足から首から下までを雁字搦めにしていく。藻掻けば藻掻く程絡み付いていく蟻地獄に、やがて渋谷沙織の「仮面」が剥がれていく。渋谷沙織から福石調に戻っていくのを見届けたのか、主催者であるモノクマがこう告げた。
 
≪それでは皆さん、また次回の冥府ロックフェスをお楽しみに!!≫
 
そう締めくくった後、福石の頭上に落ちてきたのは
 
 
 
 
 
 
髑髏や薔薇をモチーフにした、巨大且つ大量の銀色の十字架。福石が十字架に直撃する寸前、画面は暗転した。
 
再び映し出された映像には…落下した十字架の隙間から、赤い液体が流れていた。
 
 
 
モニターの映像はそこで終わった。
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/23(木) 07:59:40.39 ID:+V6yDrVp0
≪イヤッホウウゥウゥゥゥ!エクストリィィーーム!アドレナリンが、迸ってクセになりますなあぁぁあぁ!≫
 
「い、いやああぁぁあぁ!!!」
 
「何、あれ…何なのよ……」
 
「う、うわあああぁぁぁぁ!!!」
 
「福石が、福石がペチャンコにされちまったああぁあぁぁ!!!」
 
「やだ!もう…もうやだあああぁぁ!!青奈、帰りたいよおぉぉ!!」
 
「渋谷クン……嘘だぁぁーーー!!!」
 
『…………………』
 
「悪趣味極まりないな…あんな風に、まるで見せしめみたいに処刑するなど、下衆の極みだ」
 
今ボク達がモニターで見せられたものは何だろうか。否、あれがオシオキというものなんだろう。「この空間で」殺人を犯した「クロ」が受ける罰であり…コロシアイに至った動機提供も、死体発見も、捜査も、学級裁判も、全てがオシオキに至るまでの「通過儀礼」でしかなかったような錯覚に陥ってしまいそうだ。
1001 :1001 :Over 1000 Thread
      (ヽ、 _ヽ、  )\     ヽヽ
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     )ヽ           |  /  /  ( ((|   ) ヽ
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  >   ゙゙゙゙' .,illlll゙    lllll|  llllllllll!!!!!  llll !ll! iiii,, <_.
/_   .,illlll'   ,,,,,,,llllll,,,,,,,,,,      ,,,iillll!!゙   >
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  | 3 | ◎| ̄ ̄6)  なんというむせきにんなわしだ!!
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カイジ「自衛隊でも入るか!」 @ 2019/05/22(水) 20:22:58.65 ID:D5BQmf0o0
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