元勇者「あいつら元気してるかなぁ……」新米冒険者(♀)「あいつらって誰です?」

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11 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:03:26.95 ID:FrMxdW6l0
戦士 「お、いい匂いだな!」

魔法使い 「ふふっ、腕によりをかけて作りましたから」ニコッ

戦士 「お、おう」ドキドキ

勇者 「いただきます」ハムッ

僧侶 「お、おいしいですか?」ウワメヅカイ

勇者 「う、うん!」ドキドキ

勇者・戦士 「(夕飯終わってからが勝負だな……)」
12 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:13:44.67 ID:FrMxdW6l0
>>10
すまんの

夕食後

勇者「(いくぞ、いくぞ、いくぞ、いくぞ、いくぞ……)」

戦士 「(俺ならやれる、俺ならやれる、俺ならやれる……)」

勇者・戦士 「(今しかねぇ!)」

勇者 「そ、僧侶!」
戦士 「魔法使い!」

僧侶・魔法使い 「はい、なんですか?」

勇者 「今から話したいことがあるんだ。二人だけで」

戦士 「ちょっと、時間あるか?話したいことがあって……」

僧侶 「だ、大丈夫……です」

魔法使い 「いいですよ」

勇者「(グッドラック)」グッb

戦士 「(お前もな)」グッb
13 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:18:32.89 ID:FrMxdW6l0
〜湖畔〜

僧侶 「……。」

勇者 「……星、きれいですね」

僧侶 「そう、ですね。この辺りは特に」

勇者 「……」

僧侶 「…………」
14 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:23:00.23 ID:FrMxdW6l0
勇者 「その……月も、きれいd「ごめんなさい!」え?」

僧侶 「私、聖職者なので!その……いろいろあれなので!ごめんなさい!」

勇者 「あ……え……うん」

僧侶 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい――――!」

勇者 「…………。」

「…………。」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 23:23:58.68 ID:Z7HQmltA0
見てるから頑張れ
16 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:35:02.79 ID:FrMxdW6l0
元勇 「こうして、俺の告白は失敗に終わった。」

元勇 「ちなみにこの後、旅が終わるまで戦いの間もずっと気まずかったのを覚えている」

新米 「メシウマですね!で、もう片方はどうなったんですか?」

元勇 「……今日が結婚記念日だ」

新米 「ファ――――――!メシウマすぎですよww良い肴ですwwww」

元勇 「ハァ、思い出したら泣けてきた。なんだって聖誕日にこんな話しないといけないんだ」

新米 「まぁまぁ、元気出していきましょう!エーザイ!」

元勇 「俺今日もう無理。やってらんねー。どうせ客もいないし、店閉めるわ」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/05(日) 23:39:33.46 ID:APjd4NogO
ひとつだけアドバイス

読者の要望は聞くな。というか投コメ自体一切するな。悪い意味じゃない。あんたの為だ、本当に。
18 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:42:32.64 ID:FrMxdW6l0
>>15
ありがとーしょこらございます
もうちょっと続けます。

一週間位あと……

新米 「うごあぁぁぁぁぁ!窓に、窓に!」

元勇 「朝からうるせーぞ!」

新米 「名状しがたいコウモリのようなものがいるんですよ!」

元勇 「いくら思春期でも妄想はその辺に……ああ、こいつか。」

新米 「え、知合いですか?も、もしかして親戚……」

元勇 「なわけあるか。俺をなんだと思ってんだ」
19 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:49:04.98 ID:FrMxdW6l0
元勇 「こないだ話した昔の仲間、魔法使いの使い魔だよ。足のところに紙が括り付けられてるな」

新米 「うわ!よくそんなの触れますね」

元勇 「よく見るとかわいいんだぞ?ほい、取れた」

新米 「眼が九つもバラバラについてる生物をかわいいと思えるなら最近の思春期は末期ですよ。」

新米 「で、なんて書かれてるんですか?」

元勇 「えーと、同窓会のご案内……?」
20 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/05(日) 23:58:24.82 ID:FrMxdW6l0
〜同窓会のご案内〜
拝啓、元勇者様
新春の侯、いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
中略
同窓会に来い。
僧侶ちゃんも来るぞ☆
絶対参加だから、よろしくぅ!

場所 王都のいつもの酒場
時間 一月十四日 午後七時
会費 王様のお・ご・り☆

○出席 ・ 欠席
21 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:02:02.66 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ふざけてやがる」

新米 「僧侶さんも来るそうですよ!」

元勇 「行きたくねぇ……」

新米 「行っとくべきですよ!数少ない友達じゃないですか!」

元勇 「おふくろかよ……ハァ」

新米「お、観念しましたか?」
22 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:08:16.26 ID:tl1HPD2S0
元勇 「まあ、俺がいないと始まらないしな。」

新米 「お、珍しく強気の発言。そんなに中心人物だったんですか?」

元勇 「おうよ。俺がいないとこの世界滅びてたから」

新米 「中二病が許されるのは中二までですよ。ところで……」

元勇 「ん、なんだ?」

新米 「このおごる人。『王様』って、誰ですか?」

元勇 「俺たちから金を巻き上げる悪い奴だ」
23 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:14:41.56 ID:tl1HPD2S0
新米 「悪い奴なんですか」

元勇 「おう。金持ちでその金は俺たちから巻き上げるわけだから、当然その金は俺たちにおごるのに使う義務があるのさ。」

新米 「ふふ、仲良いんですね」

元勇 「なんでそうなる」

新米 「そんな風に悪態つけるのも、仲が良い証拠ですよ」

元勇 「いや、何かいい感じにまとめようとしてるけど全然違うからな。」
24 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:22:59.02 ID:tl1HPD2S0
新米 「王様っていうのもあだ名なんでしょ?私の知り合いにもいますよ、変なあだ名の人」

元勇 「別にあだ名じゃないんだが……で、どんな人がいるんだ?」

新米 「例えば、学校の駐車場から三階の窓のところにいる女子生徒と話している先生がいたんです。」

元勇 「ほうほう、それで?」

新米 「そこからついたあだ名は『ラプンツェル』。」

元勇 「髪の毛が長いやつか」

新米 「ちなみに私が付けました」

元勇 「意外とひどいよな」
25 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:32:42.55 ID:tl1HPD2S0
新米 「他にも『冷血クワガタ』とか『残念縦セーター』とかいろいろあるんですが。」

元勇 「ストレートにバカにしてるよな」

新米 「とにかく、話を戻します。元勇さん行くべきですよ。」

元勇 「ああ、まあ行ってみるよ」

元勇 「ああ、でも店番が……。」

新米 「多分だ大丈夫です。こわいけど」
26 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 00:33:31.89 ID:tl1HPD2S0
そろそろうとうとするので寝ます
できればまた明日
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 01:03:11.06 ID:ZuNxrMH6o
おつ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 01:26:05.86 ID:PP+GlsZA0


一般的に書く側のメール欄にsageはいらん
そうすると読んでる人に上げて更新を報せる効果あるから
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 01:30:05.09 ID:64So5UDdO
おつ

書ききってくれ
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 02:10:50.64 ID:+A4qrcn5O
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 04:27:28.31 ID:B9dVpFT6O

楽しみにしてる
32 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 06:49:05.28 ID:tl1HPD2S0
なんと今日は学校が休みなので書きます
33 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 06:55:14.44 ID:tl1HPD2S0
元勇 「お前じゃもっと怖いんだよ」

新米 「え、私そんなに信用されてない……」

元勇 「そうじゃなくて、防犯の話。泥棒とか入ってきたとき女の子一人じゃ怖いだろ?」

新米 「なんだかんだ言って私を心配してくれるんですよね。もう、ツンデレなんだからぁ」

元勇 「……こいつ置いて行ってもいいかな」

新米 「ああ、待ってください待ってください!そうだ、ギルドに依頼を出せばいいじゃないですか」
34 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 07:01:19.87 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ギルドかぁー。でもなんか損した気分になるな」

新米 「別に損でもないですよ!用心するにこしたことはないんですから」

元勇 「でも新米とはいえ冒険者がいるのに、さらに冒険者を雇うのか……いや待てよ」

新米 「お、いいアイデアでも浮かんだんですか?」

元勇 「新米も連れていけばいいじゃん」

新米 「わ、私もですか!?待ってくださいご両親に挨拶なんてそんな……」
35 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 07:08:10.34 ID:tl1HPD2S0
元勇 「頭に虫でも湧いてんのか。同窓会だって言ってるじゃん」

新米 「あ、そうでした。でも同窓会に全く関係ない人連れていきます?」

元勇 「まぁ、別にいいんじゃねーの?新米には聞いて損のない冒険のコツとかも教えてもらえるぜ?」

新米 「なるほど、それはいいですね!」

元勇 「ついでにただ飯も食えて王都観光もできる。旅行だと考えれば、楽しいだろ?」

新米 「超楽しみ―!」
36 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 07:15:39.76 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ま、費用は払ってもらうがな。と言っても、家賃や酒代とそんな変わらんだろうし、いつも通り払えばいい」

新米 「家を空ける分は割引されて、そこに旅費をあてるわけですね。」

元勇 「そゆこと。さぁそうと決まれば準備だ!と、返事を返さないと。おーい使い魔」

使い魔 「キョエエエエエエエエエ」

新米 「ひぃっ!」

元勇 「これを持って帰っておくれ」

使い魔 「キョエ、キョエエエエエエエエエ」バサッバサッ
37 : ◆TLlX830QlM [sage saga]:2017/11/06(月) 07:22:50.73 ID:tl1HPD2S0
元勇 「さあて、改めて準備。ええとまずはギルドに……」

新米 「もう、いないですよね……はぁ、怖かったぁ。私も準備しないと!」

元勇 「ここから王都まで四日かかるから、余裕を持って九日の早朝に出るぞ」

新米 「王都行きの馬車は予約取らないと埋まっちゃいますよ」

元勇 「あ、そうだった。ギルド行くついでに行っとくか。すまん、助かった」

新米 「いえいえー」
38 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 07:31:11.62 ID:tl1HPD2S0
>>28
了解です大佐!

元勇 「行ってきた」

新米 「どうでした?」

元勇 「全部ばっちり。よくよく考えれば、あと7日あるんだからゆっくりしてて大丈夫だったわ」

新米 「確かに、ちょっと焦りすぎましたね。あ、お仕事行ってきます!」

元勇 「ほい弁当。焦らず安全に頑張れよ。」

新米 「元勇さんも焦らず頑張ってくださいね」
39 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 07:38:06.91 ID:tl1HPD2S0
新米 「いってきまーす」

元勇 「いってらっしゃい」

元勇 「……ふぅ。とりあえず洗濯するか。そのあと昼寝しよ」

元勇 「……あいつがいないと静かだな」

元勇 「早く帰ってこないかな……」

元勇 「はっ、これだと完全に夫の帰りを待つ嫁じゃないか!」
40 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 07:44:57.89 ID:tl1HPD2S0
新米 「ただいまですー」

元勇 「おかえり。お風呂にするか飯にするか」

新米 「じゃあ……元勇さんで!」

元勇 「そーゆーのいいから。どっちだ?」

新米 「じゃあお風呂で」

元勇 「オッケー、沸かしてくる」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 07:49:21.39 ID:/+3WYmRTO
気持ち悪い
42 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 07:53:44.34 ID:tl1HPD2S0
元勇 「沸いたぞー」

新米 「はーい、今行きまーす!」

シュル、シュルル

チャプ

新米 「きゃ、熱い」

元勇 「冬だからな。温度差でそうなるんだろ」フーッフーッ

新米 「今日ですね、親切な男冒険者さんに会ったんですよ」ゴシゴシ

元勇 「そりゃよかったな」

新米 「ポーションがちょうど切れてしまって、どうしようかなーと思ってたら分けてくれたんです」
43 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 07:59:57.31 ID:tl1HPD2S0
元勇 「それナンパじゃないか?」

新米 「そうかもしれないですね。まぁ、ポーション貰ったんでいいですけど」ザバー

元勇 「新米はそこそこかわいいからな。気をつけろよ」

新米 「おや、ナンパですか?自分のモノ宣言ですか?」ワシャワシャ

元勇 「ちげーよ。年の差考えろ。俺が言いたいのはな、お前がそこそこかわいいということだ」

新米 「どういうことです」ワシャワシャ
44 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:03:55.18 ID:tl1HPD2S0
元勇 「男という生物はな、とびきり美人に行ったりはしないんだ」

新米 「美人ならいいんじゃないですか?」

元勇 「まぁ、確かにいいんだけど。『あれ、自分でもいけるんじゃね?しかも可愛い』みたいなのがそこそこかわいい」
45 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:09:17.60 ID:tl1HPD2S0
は、途中で投稿してしまった


元勇 「男という生物はな、とびきり美人に行ったりはしないんだ」

新米 「美人ならいいんじゃないですか?」

元勇 「まぁ、確かにいいんだけど。『あれ、自分でもいけるんじゃね?しかも可愛い』みたいなのがそこそこかわいい」

元勇 「そういうのが一番ナンパされやすいのさ」

新米 「なるほど。アラサーの言葉は含蓄がありますねぇ」

元勇 「アラサー言うな。まだ二十代だ」
46 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:15:00.14 ID:tl1HPD2S0
新米 「この間の話もそうですけど」ザバー

元勇 「なんだ?」

新米 「元勇さん結婚願望とかないんですか?」

元勇 「別に、無いわけじゃないが」

新米 「そろそろやばいんとちゃいます?」

元勇 「急に関西弁。でもまぁ、いっかなーって。充実した人生十分送ったし」
47 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:24:05.67 ID:tl1HPD2S0
新米 「まだまだ二十代なのにそんな枯れないでくださいよー」ヨイショット、チャプ

元勇 「枯れてもいいんだよ、俺は。湯加減どうだ?」

新米 「ちょうどいいです。じゃあ、もし私が今から『覗いていいですよ』って言ったら覗きます?」

元勇 「どうだろうな。言ってみりゃわかるんじゃねーの?」

新米 「覗いていいですよ☆」

元勇 「んな貧相なもの覗いてどうすんだ。」

新米 「覗かれても困りますけど、その返しもなかなかひどいですね」
48 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:25:03.05 ID:tl1HPD2S0
ご飯食べよ
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 08:30:19.08 ID:b6yR0tNrO
深夜な雰囲気好きだからがんばぇー

ファンタジーだと思ったら関西発言にドキッとしちゃったじょぉー
50 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:48:48.96 ID:tl1HPD2S0
エネルギーチャージ完了!

元勇 「今日は新メニュー候補のこいつだ」

新米 「今日のご飯は……グラタン?」

元勇 「惜しい。マスのクリーム煮だ」

新米 「だいぶ洒落てマスね。」

元勇 「二点。さ、食べてみてくれ」

新米 「いただきマース!」
51 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 08:55:54.08 ID:tl1HPD2S0
元勇 「どうだ……」

新米 「んー!元勇さんは良いお嫁さんになれますよ!」

元勇 「嫁にはなりたくねぇな」

新米 「家事一通りできますしね」

元勇 「新米ができない分をやってるだけだがな」

新米 「でも、このマスはいいですよ」
52 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:01:22.87 ID:tl1HPD2S0
元勇 「それはよかった」

新米 「おいしいザマスよ」

元勇 「よかったでガンス」

新米 「フンガー」

元勇 「真面目にやるぞ」

新米 「んーでもビールにはもうちょいしょっぱいのがいいですね」
53 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:05:41.55 ID:tl1HPD2S0
元勇 「やっぱりそうか」

新米 「でも普通に料理としてはおいしいですし、何よりポカポカになります」

元勇 「じゃあ、新メニュー決定。ちょっと仕込みが面倒だが」

新米 「元勇さんは料理どこで習ったんですか?」

元勇 「……僧侶が料理得意でな」

新米 「……失礼しました」
54 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:16:27.46 ID:tl1HPD2S0
そんなこんなで日は過ぎ……キングクリムゾン!

元勇 「おい、起きろ、起きろ」

新米 「んんー、あと五十六億七千年眠らせてくだしゃいー」

元勇 「弥勒菩薩か。今日は出発の日だぞ。朝一の馬車予約してるんだから急げ」

新米 「うにゃ、そうでした。」

元勇 「ほら、顔洗って歯ぁ磨け。俺は弁当作っとくから」

新米 「オカンですか?」
55 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:30:46.84 ID:tl1HPD2S0
元勇 「おにぎりとサンドイッチ完成。たくあんも入れとこ。」

新米 「朝ごはんまだですかー」

元勇 「時間ないから馬車で食べるぞ」

新米 「馬車の旅初めてなんですよー、楽しみです!」

元勇 「そ、そうか。まぁ、期待せずに待っとけ。」

新米「どういう意味です?」
56 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:37:51.72 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ここが馬車の駅だ」

新米 「お客さんあんまりいないですね」

元勇 「朝早いからな。さて、俺たちが乗る馬車は……」

御者 「おーい、元勇者さんでございやすか」

元勇 「はい、そうです」

御者 「あっしはここから次の駅までの御者でございやす。マナーをお守りなさって、快適な旅を」
57 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:43:15.55 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ええ、快適な旅を。」

御者 「用心棒は雇われてらっしゃるんですかい?」

元勇 「いえ。この娘が冒険者なので、大丈夫です」

御者「なるほど。こんなかわいらしいお嬢さんがねぇ」

新米 「かわいらしいって、そんなことありますよー」

元勇 「ちょっとは謙遜しろ」
58 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:51:13.99 ID:tl1HPD2S0
御者 「それでは、発車しやーす」パシッ

パカラ、パカラ

新米 「おお、動きました!」

元勇 「さ、今のうちに飯食うぞ」

新米 「はーい。サンドイッチですか」

元勇 「……嫌か?」

新米 「そんな、元勇さんの料理は何でもおいしいので大歓迎ですよ!」
59 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 09:57:22.09 ID:tl1HPD2S0
元勇 「そう言ってもらえるとうれしいな」

新米 「お、デレ期到来ですか?」

元勇 「別にデレてねー」

新米 「……馬車って意外と遅いんですね」ハムハム

元勇 「まだ町の中だからな。さっさと食べ終わらないと舌噛むぞ」

新米 「え、早く食べよう……」
60 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 10:03:36.29 ID:tl1HPD2S0
元勇 「町を出るな……」

御者 「町を出ますんで、ご注意くだせえ」

新米 「おお!ついに町を出ますよ!」

元勇 「気をつけろよ」

新米 「え、なにw―キャフッ!」

元勇 「ほら、言わんこっちゃない」
61 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 10:17:14.20 ID:tl1HPD2S0
ちょい落ちます
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 10:20:07.89 ID:Kl2+dqHwO
続きはよ
63 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 10:38:05.03 ID:tl1HPD2S0
再開

新米 「スピードが上がってガタガタしますう、う、う、う、う」

元勇 「ハァ、新米からは目が離せんな」

新米 「ベロがいひゃいです」

元勇 「我慢しろ」

新米 「お尻も痛いです」

元勇 「それも我慢」
64 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 10:48:52.26 ID:tl1HPD2S0
御者 「はい、駅に到着しやした」

元勇 「はい、心付け」

御者 「どうもありがとうございやす。お嬢さん、大丈夫ですかい?」

元勇 「はっはっはっは」

元勇 「心付け二倍にしときます」
65 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 10:53:56.37 ID:tl1HPD2S0
新米 「おえぇ――自主規制――っ!」

元勇 「おい、大丈夫か?」

新米 「気分悪いです。」

元勇 「ハァ……次の馬車では寝てろ。俺を枕にしてていいから」

新米 「ありがとうござい……おえ――自主規制――」

元勇 「こいつ昼飯食えねぇな」
66 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:00:02.67 ID:tl1HPD2S0
元勇 「ほら、次のが来たぞ。とりあえず水飲め」

新米 「うぅ、ありがとうございます」

元勇 「寝てていいから、な。ああ、乗ります乗ります」

御者2 「へい、どうぞ」

元勇 「ほら、乗るぞ」

新米 「おんぶしてくださいー」
67 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:04:14.03 ID:tl1HPD2S0
元勇 「えぇ、そんぐらい……ったく、ほら乗れ」

新米 「ん、しょっと」

元勇 「軽いな、意外と」

新米 「意外とってなんですか」

元勇 「昔はケガした戦士を引きずってたからな。そう感じるんだ」

新米 「ふふ、背中、おっきいですね」
68 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:11:37.73 ID:tl1HPD2S0
元勇 「お邪魔します」

老年紳士 「いえいえ、話し相手が増えて嬉しいですよ」

孫娘 「ええ、そうですよ。おや、そちらの方……」

元勇 「ああ……ちょっと酔っちゃってて。寝かせて大丈夫ですかね」

紳士 「もちろんですとも。娘さん……でもなさそうだが、妹さんですかな?あ、申し遅れました。私は老年紳士と申します。こっちは孫娘です。」

元勇 「私は元勇者です。いや、うちに下宿している新米冒険者ですよ」
69 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:21:47.36 ID:tl1HPD2S0
紳士 「とても仲の良さそうに見えましたのでね。あなた方は、どちらに?」

元勇 「王都までです。そちらは?」

紳士 「私共も王都までなんですよ。さっきの駅近くで農場を経営しておりましてね。親戚が王都にいるもんですから」

孫娘 「ふふ、久しぶりに従妹と会えるんです。」

元勇 「それは楽しみでしょう。私は王都で昔の仲間と会うんですが、こいつ一人だとこうなるので、連れてきたんです」

紳士 「本当に、仲がいいんですな。」


新米 「むにゃ……鯖に大根じゃなくてブリに大根ですよ……」
70 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:28:48.59 ID:tl1HPD2S0
孫娘 「……すると、その鯉がヒトデに負けてしまって」

元勇 「おお、それはすごい」

孫娘 「ええ、大変だったんです。そのあと、ヒトデと鷹が戦うんですけど……」

元勇 「……」

紳士 「どうか、されましたかな?」

元勇 「なにか、様子がおかしい。気配を感じます」


新米 「むにゃ……カレーにピーマンはシチューに柚子胡椒位普通ですよ……」zzz
71 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:39:31.66 ID:tl1HPD2S0
パカラパカラパカラ、パカラ…パカラ……パカラ………パカラ、ピタッ

紳士 「止まった!」

孫娘 「なにか、あったんでしょうか?」

元勇 「ちょっと待っててください。確認してきます」

元勇 「御者2さん、どうかしたんですか?」

御者2 「……盗賊でさぁ。クソ、あと少しだってのに」

元勇 「ここにいてください。私がどうにかします。」


新米 「むにゃ……猫は流体力学上液体ですよぉ……」zzz
72 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:49:51.82 ID:tl1HPD2S0
元勇 「(敵の数は……七人。こんな夕方から仕事をしてるってことは、最近調子づいてきた若手か)」

盗賊1 「おい、そこの馬車。止まれ。」

盗賊2 「俺たちの言うとおりにすれば痛いようにはしねぇ」

盗賊3 「ただし、もし従わないときは……殺す」

御者2 「ひぃ!ご勘弁を!」

元勇 「(今日の夕飯は……肉がいいな)」


新米 「むにゃ……ミディアムレアじゃなくてウルトラレアでお願いします……」zzz
73 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 11:57:53.15 ID:tl1HPD2S0
元勇 「(まずは一人)」ドスッ

盗賊7 「うっ……」パタリ

盗賊6 「この間の女は上物だったな」

盗賊5 「ああ、いい悲鳴あげちゃって……最高だったぜ」

元勇 「(クソ野郎はあとでじっくり悲鳴をあげさせてやる)」ドスッドスッ

盗賊6 「うぉっ……」パタリ

盗賊5 「ぐぁ……」パタリ


新米 「むにゃ……え、ウルトラレアないんですか?じゃあ、SSRで……」zzz
74 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:07:52.05 ID:tl1HPD2S0
盗賊4 「おい、盗賊5!盗賊6!盗賊7!……あいつらどこ行ったんだ」

元勇 「(さて、どこだろうな)」ドスッ

盗賊4「ぐっ……親方、敵だぁ……」パタリ

元勇 「(クソッ甘かった!)」

盗賊3 「どこだ、出てこい!」

元勇 「こっちだよ!」ドスッ

盗賊3 「ぐわぁっ」ゴリッ,パタリ



新米 「むにゃ……ソース?出展はウィキペディアです……」
75 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:13:39.19 ID:tl1HPD2S0
盗賊2 「こっちか!?」

元勇 「どこ見てんだよ」ドスッ

盗賊2 「なっ、どあぁ!」バキッグシャッ

元勇 「(あと一人……)」

盗賊1 「(クソ……こうなりゃ人質をとるぞ!)」

盗賊1 「オラァッ!」
76 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:19:21.31 ID:tl1HPD2S0
孫娘 「きゃっ!」

新米 「むにゃ……」zzz

盗賊1 「女が二人……さて、どっちを選ぼうか」

孫娘 「ひぃ……」ボイーン

新米 「むにゃ……」ツルペッターン

盗賊1 「……よし、お前だ」ガシッ

孫娘 「いやぁ、放して!」

紳士 「ま、孫娘ぇ!」


新米 「むにゃ……エクセルはゲームですよ?……」zzz
77 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:25:57.03 ID:tl1HPD2S0
盗賊1 「おい、こいつがどうなってもいいのか!」

孫娘 「た、助けて!」

元勇 「クソ……」

盗賊1 「よぉし……武器はねぇな。ひざまずけ。」

元勇 「(この状況、どうすれば……)」

盗賊1 「さて、どうしてくれようか……あぁ?」


新米 「むにゃ……だからシチューにライスは外道じゃないです!……」zzz
78 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:31:11.41 ID:tl1HPD2S0
盗賊1 「とりあえず……脱げ」

元勇 「なっ、お前、まさか……!」

盗賊1 「そうだ、ホモだよ!」

元勇 「クソ……」パサリ

盗賊1 「いい体してるじゃないか」

新米 「だからシチューはライスが一番うまいって言ってるだろうがあああああああああああああ!」シュッ,ドスッ

盗賊1 「グァッ!」
79 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:31:49.53 ID:tl1HPD2S0
>>78
すみません、ホモじゃなくてバイで
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 12:37:43.35 ID:IwM8oWBUo
せっかく面白かったのに…
安易なホモ、バイネタは…
81 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:38:09.80 ID:tl1HPD2S0
盗賊1 「クソ……この貧乳ちんちくりん小娘があああああああ!」

新米 「は……え……?」

元勇 「どこ見てんだよこのドアホが!」ゲシッドスッメリッ

盗賊1「ぁあ……」パタリ

孫娘 「ああ、ありがとうございますっ」ダキッ

新米 「あ、痴話喧嘩でしたか?」

元勇 「全然違うがファインプレーだ。ありがとう」

新米 「……どういたしまして?」
82 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 12:39:45.88 ID:tl1HPD2S0
>>80
ごめんなさい
以後気を付けます

ごはん食べてきます
83 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:04:44.10 ID:tl1HPD2S0
再開3センチ そりゃぷにってことかい?ちょっ!

元勇 「さて、ロープでぐるぐる巻きに縛ったわけだが、どうしようか」

御者2 「そいつら多分賞金首だから、次の駅の詰め所に連れってったら金がもらえやすぜ」

新米 「今日は豪華なディナーですね!」

元勇 「今日の豪華なディナーと王都の豪華なディナー、どっちがいい?」

新米 「じゃあ、我慢しますよ……」

孫娘 「元勇者様……」ポッ
84 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:17:02.79 ID:tl1HPD2S0
元勇 「孫娘さんは大丈夫ですか?ケガしてたりとか……」

孫娘 「いえ、大丈夫です。あなたのおかげで///」ギュッ

元勇 「は、はぁ(胸が、胸が当たってるんですよ!)」

紳士 「娘の成長も早いが、孫の成長も早いものですなぁ……」

元勇 「え、ええ……(特にお胸が)」

新米 「むぅ……」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 13:20:28.43 ID:qv8xGMU4O
お、ホモの話してる?
86 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:23:28.02 ID:tl1HPD2S0
新米 「元勇さんは今は私の枕なんです!孫娘さんのじゃないんです!」

元勇 「(俺の体に俺の自由はないのか!)」

御者2 「発車しやす。」

元勇 「孫娘さん、危ないですので離れて……」

孫娘 「優しいんですね」ニコッ

元勇 「(違うんだよ……)」
87 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:27:10.36 ID:tl1HPD2S0
孫娘 「元勇者様、お耳を貸してくださる?」

元勇 「……ええ、どうぞ」

孫娘 「……好・き」ボソッ

元勇 「あ、あの私は――!」
88 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:31:06.35 ID:tl1HPD2S0
またやってしまった

孫娘 「元勇者様、お耳を貸してくださる?」

元勇 「……ええ、どうぞ」

孫娘 「……好・き」ボソッ

元勇 「あ、あの私は――!」

孫娘 「わかっています。あなたにはその気がないというのは」

元勇 「(ふぅ、よかった)」

孫娘 「ですから、私が振り向かせるだけですよ☆」

元勇 「」
89 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:38:31.44 ID:tl1HPD2S0
新米 「(なんかモヤモヤする……)」

新米 「わ、私の枕ですから」

孫娘 「うふふ」ゴゴゴゴゴゴゴ

新米 「むぅ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

紳士 「いやぁ、若さとはすばらしいものですなぁ」

元勇 「紳士さんってすごいいい性格してますよね(棒)」
90 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:45:31.87 ID:tl1HPD2S0
御者2 「駅につきやしたぜ」

元勇 「すっかり夜だなぁ」

新米 「ごはん食べてお風呂入って寝ましょう」

元勇 「その前に詰め所に行くぞ」

盗賊たち 「ぐえぇ……」

新米 「そうでした」
91 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 13:59:08.37 ID:tl1HPD2S0
元勇 「お巡りさーん」

警備兵 「はいはい、なんですか」

元勇 「こいつらなんですけど」

盗賊たち 「尻が、尻がいてぇよぉ」
「くそ、ズボン下げて引きずるなんて」
「尻がいてぇよぉ」

警備兵 「おお、彼らは指名手配された賞金首ですね」

元勇 「いくらですか?」

警備兵 「全員で500ゴールドです」
92 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:06:28.93 ID:tl1HPD2S0
新米 「すごいじゃないですか!てか元勇さん強かったんですねww」

元勇 「これでも昔より甘くなった方さ」

新米 「いや、カッコつけられても」

元勇 「(本当なんだよなぁ)」

警備兵 「はい、賞金の500ゴールドです」ドン

元勇 「銀行に預けよ」

新米 「思ってたよりすごいですね、500ゴールド」
93 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:12:26.58 ID:tl1HPD2S0
元勇 「銀行行ってきた」

新米 「いよいよご飯ですね!」

元勇 「今日は色々あっておなかすいたし、肉食べて―な」

新米 「私は魚気分です。お、ここが宿兼酒場ですか」

元勇 「部屋空いてるかな……」

新米 「大丈夫ですよ!」
94 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:20:19.10 ID:tl1HPD2S0
宿の主人 「すまねぇな、部屋は一つしか空いてねぇんだ」

元勇 「……どうする?」

新米 「そこに泊まるしかないでしょう?仕方ないですよ」

元勇 「でも、抵抗あるんじゃないか?」

新米 「じゃあ元勇さんはこの寒い外で寝ますか?」

元勇 「まぁ、最悪は」

新米 「私が無理ですwwいいじゃないですか、同衾ですよ?ぴちぴちの16歳と」
95 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:26:23.22 ID:tl1HPD2S0
元勇 「仕方ねーから同衾してやるよ」

新米 「お巡りさん、こいつです」

元勇 「外で寝かすぞ」

新米 「イッツジョークですよー!いや、目がマジなんですけど」

元勇 「ハァ……じゃあそういうことで」

宿の主人 「おう、わかった(人の前でイチャイチャしやがって……)」
96 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:35:19.18 ID:tl1HPD2S0
新米 「ごっはんーごっはんー」ルーン

元勇 「どんだけ楽しみなんだよ」

新米 「だって胃の中空っぽですもん」

元勇 「ゲロったからな」

新米 「じゃー私は川魚の塩焼きとビール!」

元勇 「肉野菜炒めとクラゲとキュウリの胡麻和えとビールで」

主人 「あいよ」
97 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:43:58.98 ID:tl1HPD2S0
新米 「なんか焼き鳥も食べたくなってきたな……すいませーんネギマ二本追加で」

主人 「あいよ。おい従業員、ちょっと手伝ってくれ……」

元勇 「魚頼んでつぎ焼き鳥かよ」

新米 「いいじゃないですか。私、串に刺さった食べ物好きなんです」

元勇 「なんか猟奇的だな」

新米 「そんなことないですよ。元勇さんは焼き鳥何が好きですか?」
98 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:47:20.84 ID:tl1HPD2S0
元勇 「俺は鶏皮と豚バラだな」

新米 「は?」

元勇 「ダルムとかヘルツも好きだけど、やっぱり鶏皮と豚バラだよな」
99 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:50:35.33 ID:tl1HPD2S0
新米 「ごめんなさい何言ってるかさっぱりです」

新米 「そもそも豚は焼き鳥じゃないですよね」

元勇 「何言ってんだ。立派な焼き鳥じゃないか」

新米 「いやいやいやいや。焼き鳥ではないですよ。鳥じゃないし。」

元勇 「でも串にささって焼かれてるじゃないか」
100 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 14:57:43.87 ID:tl1HPD2S0
新米 「串に刺さってりゃみんな焼き鳥ではないでしょ。」

元勇 「いや、焼き鳥だって。」

新米 「絶対違いますよ!……でも、それはまぁまだ序の口です」

元勇 「まだあるのか」

新米 「ダルムとかヘルツとか聞いたことないんですけど」

元勇 「ダルムはダルムでヘルツはヘルツだ」

新米 「それがわかんねーんですよ!」
101 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:09:50.15 ID:tl1HPD2S0
元勇 「確か、ダルムが豚の小腸で、ヘルツが豚の心臓だ」

新米 「だから豚は焼き鳥じゃないんですよ!」

元勇 「いや、絶対焼き鳥だっての」

新米・元勇 「むむむむむ」

主人 「へい、野菜炒め、川魚、クラゲとネギマ。そんでもってビール二杯だ」

新米 「……もう、どっちでもいいですね」

元勇 「だな」

新米・元勇 「乾杯!」
102 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:17:04.86 ID:tl1HPD2S0
新米 「……ぷはぁ。ク――っ!」

元勇 「……ふぅ。うまい。前々から思ってたが、人間って酒の前では圧倒的に無力だよな」

新米 「それは呑んだくれの思考ですよww」

元勇 「例えば、これから戦おうっていう二人の前に酒を出す」

新米 「アホですか」

元勇 「そうすると二人は酒を飲みだすだろ?」

新米 「だろ?って言われても……」
103 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:21:59.15 ID:tl1HPD2S0
元勇 「すると、酒に酔っぱらってもう戦えないわけだ」

新米 「それで強くなっちゃったどうするんですか」

元勇 「……確かにな」

新米 「ぷっwwww元勇さんは飲むとバカになるタイプなんですね」

元勇 「そうかもしれん」

新米 「あははははwww」
104 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:28:06.35 ID:tl1HPD2S0
元勇 「そんな楽しい雰囲気をぶち壊す暗い話」

新米 「お、また告白の失敗ですか?」

元勇 「いや、今回は色恋の類じゃないが、もっとえぐいかもしれん。覚悟しろ?」

新米 「はい、どうぞww」

元勇 「あれは、まだ俺が義務教育を受けていた頃の話……」
105 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:39:58.06 ID:tl1HPD2S0
当時俺はクラスでも大人しい方だった。たまたま席は一番後ろだった。

中学生勇者 「(うーん、ここがこうで、こうだから……うーん)」

先生 「授業も終わりなので、出来上がった人のプリントを後ろから回してください」

勇者 「(まだプリント終わってない……仕方ない、とばしてもらおう)」

前の席の女子1 「(勇者くんまだプリント終わってないな。飛ばしてまえに回そう)」ハイ

前の前の席の男子 「(プリント回ってきた。前に回そう。)」ハイドウゾ

三つ前の席の女子2 「(プリント回ってきた。1、2……足りないな。さては女子1、貰い忘れたな?)」

女子2 「女子1ー!」

女子1 「ん、なに?」

女子2 「後ろの人の分、もらうの忘れてない?」

女子1 「いや、まだ終わってないみたい」
106 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:43:59.21 ID:tl1HPD2S0
元勇 「俺はとても傷ついた……。」

新米 「いや、まったく傷つくポイントがわからなかったんですが。女子1が終わってないことに気付いていたこととかですか?」

元勇 「いや、そうじゃないんだ。文章をよく読めばわかる」

新米 「文章を……?」

元勇 「考えろ。俺の悲しみを」
107 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:44:37.23 ID:tl1HPD2S0
皆さんも考えてみてください
ちなみにほぼ実話です。
108 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:47:11.44 ID:tl1HPD2S0
平日のこの時間に募集しても人いないとは思いますが
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/06(月) 15:49:15.85 ID:Kz6dzDeco
元勇者の席が一番後ろなのに女子2が声をかけたのは女子1
つまり存在を忘れられている
110 : ◆TLlX830QlM [saga]:2017/11/06(月) 15:51:42.64 ID:tl1HPD2S0
>>109
惜しいです

もしかすると皆さんにとってはとるに足らないことかもしれませんが、僕にはかなりこたえました
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