智絵里「こいのおまじない」

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1 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:15:21.46 ID:TaldHsmB0
智絵里「新曲、ですか?」

P「うん。ファンからの要望も多かったし、上の方でもそろそろ風色と違う雰囲気の歌を、って話になってさ」

智絵里「どんな曲なんですか?」

P「デモテープ来てるぞ。これだな」

智絵里「はいっ♪」

♪♪チェーリメーリチェリー

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511316921
2 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:15:44.85 ID:TaldHsmB0
……

智絵里「とっても楽しそうな曲ですねっ♪」

P「気に入った?」

智絵里「はいっ♪」

P「そのうちレッスンも入ってくるから、暇なときにでも聴いといてくれ」

智絵里「分かりましたっ」

P「風色と違ってダンスも動きが増えるけど……まあ、いろんな曲歌ってきたから今さら問題ないか。頼んだぞ?」

智絵里「はいっ♪♪」
3 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:16:14.26 ID:TaldHsmB0
レッスンスタジオ

ワンピースフワフワー

トレーナー「もっと楽しそうに歌っていいよー!」

智絵里「は、はいっ」

チェーリメーリチェリー

トレーナー「もっともっと!」

智絵里「は、はーいっ」
4 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:16:49.79 ID:TaldHsmB0
……

トレーナー「今日はこのくらいにしよっか」

智絵里「は、はい……」

トレーナー「音程とかリズムとかは問題なさそうだね」

智絵里「ありがとうございます」

トレーナー「でも、もっと楽しそうに歌っていいんだよ?」

智絵里「楽しくなさそうですか……?」

トレーナー「うーん、なんか遠慮してるって言うのかな?好きな男の子とデートした時ってもっと楽しくなかった?」

智絵里「えっ?」
5 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:17:18.28 ID:TaldHsmB0
トレーナー「どんな些細なことでも楽しくなったり、なんでもない言葉で嬉しくなったりしたでしょ?」

智絵里「あっ、えっと……」

トレーナー「?」

智絵里「で、デート…………したこと、ないです……」

トレーナー「あー、そっかー……」

智絵里「ご、ごめんなさい……」

トレーナー「いや、謝ることはないから!智絵里ちゃんアイドルなんだから!しょっちゅうデートされてても困るしね?」

智絵里「で、でも……」
6 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:17:47.66 ID:TaldHsmB0
トレーナー「うーん、じゃあ、デートするしかないかな!」

智絵里「えっ?」

トレーナー「さすがにアイドルだから本当に好きな人をデートに誘うわけにもいかないから……例えばプロデューサーさんとか!遊園地、誘ってみようよ!」

智絵里「え、ええっ?!ぷ、プロデューサーさん、ですか?!」

トレーナー「だって他に誰かいる?智絵里ちゃんとデートなんかしたら、普通の男の子なら勘違いするだろうし……」

智絵里「そ、そんなことは……ないと思いますけど……」

トレーナー「あるある。智絵里ちゃん、自分が人気アイドルだって自覚、ちゃんと持ってよね?……って、普通こういう場面で言わないんだけどなあ」
7 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:18:14.38 ID:TaldHsmB0
智絵里の部屋

智絵里「そうは言っても、プロデューサーさんとデートなんて……誘えるわけないよね……」

??「お困りかなっ?」

智絵里「へ?だ、誰ですか?!」キョロキョロ

??「こっちだよっ」

智絵里「だ、誰もいないのに声だけ……!」

??「ここ!ベッドの上!」

智絵里「えっ?……えっ?えっ?な、なんですかあなたは?!」

妖精「私は妖精さん!悩んでる女の子を助けてあげるのがお仕事だよ!」

智絵里「妖精さん……?」

妖精「うん♪えっと……あなたのお名前は?」

智絵里「わ、私ですか……?お、緒方、智絵里ですけど……」

妖精「智絵里ちゃん!よろしくね!」

智絵里「は、はあ……?」
8 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:18:42.91 ID:TaldHsmB0
妖精「それで!何に困ってるかな?」

智絵里「えっと、困ってる、ってわけでもないんですけど……」

妖精「私の魔法でなんとかできるかもしれないから言ってみて!」

智絵里「ま、魔法なんて使えるんですか?」

妖精「そんなにすごいことはできないけど……!お菓子食べる前に『おいしくなーれ♪』って念じて美味しくしたりとか!」

智絵里「それって本当に味が変わるんですか……?」
9 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:19:13.94 ID:TaldHsmB0
妖精「と、とにかく!細かいこと気にしないで話してみて!」

智絵里「えっと、じゃあ……今度、デートする女の子の歌を歌うことになって……」

妖精「うんうん」

智絵里「わ、私、デートなんかしたことなくて……」

妖精「うんうん」

智絵里「歌の先生に『もっと気持ちを込めて』って言われても、分からなくて……」

妖精「なるほど……じゃあデートしたらいいんじゃないかな?」

智絵里「先生にもそう言われたんですけど……」

妖精「そっか!誰かに見られたら困るんだね!大変だけど街の人たちの記憶を消して回って

智絵里「あわわっ、そ、そこまでしなくても大丈夫ですっ」
10 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:19:42.35 ID:TaldHsmB0
智絵里「えっと、仕事の関係の人にデートの練習?をしてもらうので、周りに見られてもそんなに困らない……わけでもないですけど」

妖精「うんうん」

智絵里「そもそも、それ以前の問題で……」

妖精「どうしたの?」

智絵里「デートに誘う勇気がなくて……」

妖精「なるほど……」

智絵里「断られたらと思うと……」

妖精「うーん、じゃあ私の魔法でなんとかしてあげる!」
11 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:20:10.15 ID:TaldHsmB0
智絵里「代わりに誘ってくれるんですか?」

妖精「誘うのは智絵里ちゃんだよ!私の魔法で智絵里ちゃんに勇気をあげるの!」

智絵里「勇気を……?」

妖精「うん!今魔法かけるから目を瞑ってて!」

智絵里「は、はいっ」


『ワン、ツー、スリー、えいっ♪』


妖精「はい、終わったよ!」

智絵里「何も変わってないような……?」

妖精「でも智絵里ちゃんの勇気は今までの百倍!明日デートに誘ってみて!」

智絵里「分かりました……本当にできるかな……」
12 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:20:37.26 ID:TaldHsmB0
翌日

智絵里「あ、あのっ、プロデューサーさんっ!」

P「おう、昨日のレッスンどうだった?」

智絵里「えっと、それなんですけど……」

P「どうした?なんかあったのか??」

智絵里「表情が固いって言われて……」

P「ほうほう」

智絵里「デートの曲だから、もっと楽しそうにって……」

P「まあ、暗い顔されても困るしなあ」

智絵里「でも、私……デートって、したことがなくて……」

P「うん」

智絵里「だから、その……」

P「うん」

智絵里「えっと……」
13 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:21:05.52 ID:TaldHsmB0
智絵里(や、やっぱり恥ずかしいし、断られたらどうしよう……やっぱり止めようかな……)


『これで勇気は百倍だよ!』


智絵里(で、でも、妖精さんも協力してくれたもんね……私から言わなきゃ!)

P「智絵里ー?どうし

智絵里「わ、私とデートしてくれませんかっ!」

P「……へっ?」
14 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:21:32.43 ID:TaldHsmB0
智絵里「あっ、いやっ、そのっ、れ、れんし

P「いいの?」

智絵里「えっ?」

P「いや、俺なんかでいいの?」

智絵里「は、はいっ!」

P「じゃあ、今度休みが一緒の日に遊園地行くか!」

智絵里「い、いいんですか……?」

P「まあ、バレなきゃ平気だし、バレても『イベントの下見』とか適当に理由つければなんとかなるだろ」

智絵里「はいっ♪」
15 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:22:01.11 ID:TaldHsmB0
智絵里の部屋

智絵里「えへへ……♪プロデューサーさんと、デート……♪」

妖精「智絵里ちゃん♪」

智絵里「あっ!妖精さん!」

妖精「どう?誘えた?オッケーもらえた?」

智絵里「はいっ♪妖精さんの魔法のおかげですっ♪」

妖精「そんなことないよ♪智絵里ちゃんが元々持ってた勇気のおかげ。私はなんにもしてないから♪」

智絵里「そ、そんなことないですっ!」

妖精「あるの♪でも、これでちょっと自信ついたかな?」

智絵里「は、はいっ♪」
16 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:22:30.81 ID:TaldHsmB0
妖精「じゃあ当日に向けて準備しなきゃね♪」

智絵里「準備……?」

妖精「狙いのカレの気持ちをがっちり掴む可愛い服を選ばないと♪」

智絵里「そ、そんな狙いのカレだなんて……!」

妖精「違うの?」

智絵里「違……わない、こともないですけど……で、でも!これは歌のための練習だから……!」

妖精「だったらなおさら本気じゃないと♪」

智絵里「えっ?」

妖精「だって、歌詞の女の子はきっと一生懸命おしゃれして、相手の男の子と仲良くなろうと頑張ってるよ?」

智絵里「た、確かに……」

妖精「だから、智絵里ちゃんも、たくさんおしゃれしないと、歌の参考にならないよ♪」

智絵里「はい……!」
17 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:22:59.55 ID:TaldHsmB0
妖精「相手の人はどういう女の子が好きなの?」

智絵里「うーん……」

妖精「カワイイ系?セクシー系?」

智絵里「どんな女の子が好きなんだろう……?」

妖精「街中でどんな女の子に視線が行きがち?」

智絵里「えっと……ティンと来る、とか言ってたような……」

妖精「……どういう人?」

智絵里「私にも、よく分かりません……」
18 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:23:25.47 ID:TaldHsmB0
妖精「じゃあ、ここは相手の好きそうなところを突くんじゃなくて、智絵里ちゃんの魅力で攻めよっか?」

智絵里「私の、魅力……?」

妖精「ズバリ!智絵里ちゃんの魅力は?」

智絵里「え、ええっ?!私に魅力なんて……」

妖精「あるある!いっぱいあるよ!」

智絵里「そ、そうかなあ……」

妖精「アイドルでしょ?魅力ないわけないから!」

智絵里「そ、そうです、よね……!」

妖精「ファンの人にはどんな風に言われるの?」

智絵里「えっと……な、なんか自分で言うのも恥ずかしいんですけど……」

妖精「どうせ私しか聞いてないから!」

智絵里「て、天使、とか、妖精、とか……///」

妖精「もしかして私と同族?」

智絵里「に、人間ですっ」
19 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:23:52.41 ID:TaldHsmB0
妖精「確かに、かっこいいとかきれいっていうよりは可愛い系だよね」

智絵里「可愛い、の方が言われることは多いです」

妖精「じゃあその可愛さを強調した服を選んでみよう♪」

智絵里「はいっ」

妖精「クローゼットの洋服出してみて!オープン・セサミ!」

……

妖精「あ、クローゼット開けてくれるかな?」

智絵里「えっ、魔法で開けるんじゃないんですか……?」
20 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:24:18.27 ID:TaldHsmB0
……

妖精「これで全部?」

智絵里「はい」

妖精「少なくない?」

智絵里「そうですか?」

妖精「それに、全部普段から着てる服でしょ?」

智絵里「そうですね」

妖精「よーし!じゃあ買いに行こう!」

智絵里「えっ?」

妖精「一世一代のデートだよ!可愛い服探しに行こう♪」

智絵里「は、はいっ!」
21 : ◆99skM4/jE2 [sage saga]:2017/11/22(水) 11:24:44.87 ID:TaldHsmB0
……

妖精「これとー、これとー、あっ、これも似合いそう♪」

智絵里「わわっ、こ、こんなにたくさん……!」

妖精「試着と試食はするだけしよう!着てから選べばいいから♪はいっ、試着室はあっち♪」

智絵里「は、はいぃぃっ」

……

妖精「まずは明るい色で春色コーデな感じ♪」

智絵里「似合ってる、かな……?」

妖精「似合ってるけど持ってる服とあんまり変わらないかな?」

……

智絵里「ど、どう?」

妖精「意外とパンツも似合うね!」

……

智絵里「こ、これはダメですー……!」

妖精「キャミソールとミニスカート、だめ?」

智絵里「だ、だめです……!」
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