夜神粧裕「デスノート?」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:12:42.81 ID:TWqzOMXa0
粧裕(早く授業終わらないかなー?)

粧裕(あれ?)

粧裕(何だろ? 校庭に何か落ちてる)

粧裕(後で見てみよーっと)

ソレデハジュギョウヲオワリマース

粧裕(あ、授業終わった)

テクテクテク

粧裕「……」キョロキョロ

粧裕「黒いノート?」キョトン

粧裕「DEATH NOTE……です……のーと? ぎゃっ! 中にも英語だらけ……はうとぅーゆーず……あーん! 英語よめなーい!」

粧裕「こういうときは〜〜……お兄ちゃ〜〜〜ん!!」タタタタッ
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:15:04.71 ID:TWqzOMXa0
夜神家


粧裕「助けて、お兄ちゃーん!」

幸子「どうしたの粧裕?」

粧裕「あれ? お兄ちゃんは?」

幸子「もう塾に行ったわよ」

粧裕「げ! なんでー? いつもより早ーい」

幸子「参考書とかを買いたいって本屋に寄って行くって言ってたわよ」

粧裕「何それー。もー、お兄ちゃんは本当に優等生〜〜〜!」

幸子「粧裕、あなたもライトを見習って……」

粧裕(げげっ! これ長くなるやつ!)

粧裕「はーい! 勉強しまーす!」タタタタ

幸子「あら? 聞き訳がいいのね」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:18:34.18 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋


粧裕「むぅ、お兄ちゃんを頼れない」

粧裕「仕方無いけど頑張って翻訳してみよっかな」

ペラペラカキカキジュショデシラベチュウ

粧裕「えーっと、何々? デスノート? 直訳で死のノート……死?」

粧裕「……このノートに名前を書かれた人間は死ぬ?」

粧裕「……」

粧裕「書く人物の顔が頭に入っていないと効果はない。ゆえに同姓同名の人物に一遍に効果は得られない」

粧裕「名前の後に人間界単位で40秒以内に死因を書くとその通りになる」

粧裕「死因を書かなければ全てが心臓麻痺となる」

粧裕「死因を書くと更に6分40秒、詳しい死の状況を記載する時間が与えられる」

粧裕「ぷっ」

粧裕「きゃはは! ばっかみたい! なにこれー!」

粧裕「もー、調べて損した」

粧裕「テレビでも見よーっと」ポチ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:23:00.33 ID:TWqzOMXa0
『昨日新宿の繁華街で無差別に六人もの人を殺傷した通り魔は今もなお、幼児と保母八人を人質にこの保育園にたてこもっております』

粧裕「わっ、怖ー……」

『警視庁は犯人を音原田九郎 無職42歳と断定。音原田は一昨日……』

粧裕「……あっ、そうだ」

粧裕「こんな悪い人はー、こうだー!!」

『音原田九郎』

粧裕「はい、これでこの犯人は死んじゃって保育園の人達は助かるね。人助け人助けー♪」

粧裕「なーんちゃってー」

『あっ、人質が出て来きました』

粧裕「?」

『皆無事のようです、入れ替わるように警官隊が突入! 犯人逮捕か!?』

粧裕「え? 何?」

『あっ、もう出てきました!?』

『今情報が入りました!! 犯人は保育園内で死亡!! 犯人は死亡した模様です!!』

粧裕「へっ?」

『警官が射殺したのではないと強調しております。人質の証言では犯人は突然倒れたと……』

粧裕「…………え?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:26:09.39 ID:TWqzOMXa0
粧裕(え? こ、このノート、嘘だよね?)

粧裕(あ、あたしが人を殺したなんて、嘘だよね?)

粧裕(そ、そうだよ、ぐ、偶然、絶対に偶然。そんな事ありえないよ)

粧裕(そう、偶然。偶然だよ、偶然……)

粧裕(……)

粧裕(偶然だって、証明しないと……)

粧裕(テレビ……悪い人、いない……)

粧裕(それなら……外に……)

ガチャットントントン

幸子「あら? 粧裕? どこかにいくの?」

粧裕「うっ!? う、うん、ちょ、ちょっと外に」

幸子「もう暗いんだから遠くまで行かないようにね」

粧裕「は、はーい」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:28:48.47 ID:TWqzOMXa0
繁華街


粧裕(わ、悪い人、死んでもいいような悪い人……)

粧裕(しょ、証明しないと、悪い人の名前を書き込んで、死なないって証明しないと……)

粧裕(早く、早く……あっ)

シブタク「俺、渋井丸拓男。略してシブタク。へへ、付き合ってよおねーさん」

女性「こ、困ります……」

シブタク「キャワイー!! 困った顔キャワイーーー!! さらっちゃいたくなってきたぜーーー!!」

女性「や、やめてっ! 誰か助けて!」

粧裕(あっ、悪い人だ……)

粧裕(顔も見える……あの人で証明、できる)

『渋井丸拓男 事故死』
『渋伊丸拓男 事故死』
『渋井丸拓夫 事故死』
『渋伊丸拓夫 事故死』

粧裕(お、お願い! 死なないで!)

粧裕(あっ、女の人が走って、あたしが名前を書いた人、追いかけて……)

ゴシャッ!!

粧裕「ひうっ!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:32:34.65 ID:TWqzOMXa0
『ば、バカヤロウ急に飛び出しやがっ……ひっ、ひええっ!!』

『キャーーーー!!』

『えっ、事故!?』

粧裕(……)タタタタッ

粧裕(はっ……はっ……)タタタタタ

粧裕「はぁっ! はぁっ!」タタタタタ

粧裕「ぜぇっ! はぁっ! うっ……」フラフラペタン

粧裕「こ、ここここ、これ、ほほほほ、本当、ほんとに、し、ししししし、死ん、死んじゃ……」

粧裕「うっ、うえぇぇぇぇっ、ひっく、ち、ちが、あたし、そんなつもりじゃ。ち、ちがうのぉ」

粧裕「お、おとうさ…………あっ、あぁっ…………」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:35:26.28 ID:TWqzOMXa0
粧裕(お、お父さんにバレたら……お父さんがあたしを捕まえるの?)

粧裕(警察官の子供が、殺人犯……お父さんも警察を辞めないといけなくなっちゃう?)

粧裕(そ、そうしたらお兄ちゃんももう警察官になれない……あ、あたしのせいで……)

粧裕(警察で一番偉い人になるはずのお兄ちゃんがあたしのせいで?)

粧裕(大好きなお父さんも、お母さんも、お兄ちゃんも、あたしのせいで世間から犯罪者の家族だって非難されちゃうの?)

粧裕(……だ、だめ)

粧裕(そ、それだけは、絶対に、だめ)

粧裕(だめ、だめ、だめだめだめだめだめ……)フラフラフラ
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:42:13.65 ID:TWqzOMXa0
夜神家


粧裕「だめ……だめ……だめ……」ブツブツ

幸子「粧裕、おかえりなさい。あら? どうかしたの?」

粧裕「だめだから……ちがうから……」ブツブツフラフラ

幸子「ライトもお父さんももうすぐ帰ってくるからご飯はそれからよー」

粧裕「!?!?!?」ビクン

幸子「粧裕ー? 聞いてるのー?」

粧裕「お、おおお、おとう、おにい……や、やだ、ば、ばれちゃ……」バタンッ

幸子「……どうしたのかしら?」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:43:24.36 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋


粧裕(あたしは人殺し? ちがう、あたしはノートに名前を書いただけ)

粧裕(でも、人が死んでる。違う、あれはただの偶然)

粧裕(二人目は偶然じゃないよね? 事故死って書いたよね? ううん、それも偶然)

粧裕(もし偶然じゃないとしても、悪い人だったししょうがないよね? 二人共死んでもいい人だったもんね?)

粧裕(そうなの? 本当にそうなの? そうじゃない。死んでもいい人なんていない)

粧裕(でも、それならどうするの? お兄ちゃんに相談するの? できない!! 絶対にできない!!)

粧裕(人を殺したなんて相談できない!! でもどうしよう? お父さんに? お母さんに? できないってばぁ!!)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:44:44.95 ID:TWqzOMXa0
二日目

粧裕(あれからみんな心配してあたしの様子を見に来てくれたけど誰にも顔を合わせてない)

粧裕(顔向けなんて出来ないよ。あたし殺人犯なんだよ?)

粧裕(もうやだ。何でこんな事になっちゃったの? やだよ、こんなのおかしいよ)

粧裕(誰か助けて。もう悪いことなんてしませんから、神様……助けてください)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:45:50.76 ID:TWqzOMXa0
三日目

粧裕(頭がボーっとする)

粧裕(なんだかよくわかんなくなってきちゃった)

粧裕(そもそもノートに書いただけで人って死ぬんだっけ?)

粧裕「あはっ、そんなわけないじゃん」

粧裕「そうだよ、そんなわけないって!」

粧裕「あははっ、そうだって! 死ぬわけないって! ばっかじゃないの?」

粧裕「こんなノートに名前書くだけで死ぬなんてありえないって! あははははっ!」

粧裕「殺人? あたしはそんな事できないでーす! 殺人犯はーそのテレビに映ってる人ーーー!!」

『生中継。強盗殺人犯逮捕! 中岡字松四郎。犯人は昨夜未明コンビニへ押し入り……』

粧裕「こんなノートインチキだってしょうめーい!! はいっ!」

『中岡字松四郎』

粧裕「38、39、40〜〜〜はい! 証明完了〜〜〜!!」

『こ、これはどうしたことでしょうか? 護送中の犯人が急に倒れましたよ!?』

粧裕「ん〜?」

『どうやら犯人は護送中に死亡、死亡した模様です!』

粧裕「ぎゃっ! またまたまたぐうぜーん! きゃはははっ!」

粧裕「次次ぃ〜!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:47:03.93 ID:TWqzOMXa0
『放火魔現行犯逮捕。白身正亜希。犯人は現行犯で逮捕、現在は生中継で……』

粧裕「3度目の正直は終わっちゃったよ〜〜〜?」

『白身正亜希』

粧裕「はーい! これでどーだ!!」

『おや? 現場で動きがあった模様です』

粧裕「おやおや〜?」

『は、犯人が倒れていますね……えっ!? し、失礼いたしました。どうやら犯人は死亡したという情報が……』

粧裕「ぎゃーーーーー!! ぐっうぜーーーん!! あっはっはっはっはっはっは!!」

粧裕「もーーーうっ、次ーーー!!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:48:25.80 ID:TWqzOMXa0
数時間後

粧裕「はっははっあははははっ、これで300人目ー!!」

粧裕「偶然が続きすぎるからすぐに死んだかわかんない人達まで書いちゃった!!」

粧裕「そーれーもー、世界中の凶悪犯罪者の名前っ!!」

粧裕「これでー、しんだらー、あたしはー、さーつじーんはーん……」

粧裕「あー……つかれた……」

粧裕「」バタン
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:50:14.00 ID:TWqzOMXa0
四日目

粧裕「…………」

『世界中の刑務所で起きた謎の伝染病!? 連続獄中死!!』

粧裕「…………」

『世界中で相次いだ凶悪犯罪者の不審死、どう思いますか○○さん?』

粧裕「…………」

『現在分っているだけでも52人という話ですが、突然死亡したとの……』

粧裕「…………ごぽっ」

粧裕「うっげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」ゲロゲロゲロ

粧裕「げぽぽぽぽぽっ、ごぽぽぽっ、げほっ」ロロロロロロロ

粧裕「」バタン
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:53:13.16 ID:TWqzOMXa0
五日目

粧裕「あっ、あーっ、あーーーーっ」

リューク「お、おい?」

粧裕「悪魔? それとも死神? ねぇどっち!?」

リューク「お、おう。俺、死神のリュークだけど」

粧裕「やっぱり!! はーいおっしまーい!! あたしおっしまーい!! きゃはははははは!!」

リューク(な、なんだこいつ?)

粧裕「あたしの魂もってくんでしょーーー? ねーーー? もってってよーーー! はーやーくーーー!」

リューク「あー……こりゃあれか。デスノート使って他人を殺した事実に耐えきれられなくなったってことか?」

粧裕「なにー? ねー死神さーん。はやくあたしを殺してよー。そうしないとあたしまた誰か殺しちゃーう」

リューク「普通の人間がデスノートを使うと恐怖や苦悩に囚われるというが……こいつは普通の人間だったってわけか」

リューク「つまらな……んん?」ノートカクニン

リューク「おおっ!? 何だこりゃ!? お前一体何人殺したんだ!?」

粧裕「んー? 304人だけどー?」

リューク「たった五日でここまで殺るとは……おまえ凄いな」

粧裕「もー、そんな事いいからはやくあたしを殺してよ。死神さんが殺さないとあたし何人殺すかわかんないよーーー」

リューク「ん? 俺はお前を殺したりしないぞ?」

粧裕「……え?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:55:00.76 ID:TWqzOMXa0
リューク「俺はお前に何もしない」

粧裕「…………」

リューク「俺はそのノートの落とし主であり、そのノートが人間界の地に着いた時点でノートは人間のものになる。そして俺はノートの所有者に憑くだけだ」

粧裕「…………」

リューク「そのノートはもうお前の物で、俺はお前に憑く。ただそれだけの事だ」

粧裕「…………ころさないの?」

リューク「ああ」

粧裕「…………」

リューク「ん? 何やってんだ?」

『夜神粧』

リューク「お、お前何やってんだよ!?」

粧裕「死ぬ」

リューク「待て待て! そんなことしたら折角人間界に落とした……あぁ、まーいいか。ここならすぐ別の奴が見つけるだろ」

粧裕「」ピタリ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:56:58.20 ID:TWqzOMXa0
粧裕「どういうこと?」

リューク「うおっ!?」

粧裕「あたしが死んでもこのノートを持って帰らないの?」

リューク「ああ」

粧裕「なんで?」

リューク「そりゃ、俺は人間界に来る為にそのノートを落としたんだからな」

粧裕「意味が分からない。説明して」

リューク「お、おう。俺がそのノートを落とした理由は、退屈だったからだ」

粧裕「……たい、くつ?」

リューク「ああ、死神がこんな事を言うのもおかしいが、生きているって気がしなくてな……」

リューク「今の死神ってのは暇でね。昼寝してるか博打打ってるかだ」

リューク「死神が人間を殺すなんて普通のことだ。だからといって死神界の奴をノートで書いても死なない。退屈で退屈で……人間界にノートを落として人間に使わせるのを眺めるのが面白いと俺は踏んだ」

粧裕「……なに、それ」

リューク「と、いう訳だ。お前が使わないなら使わないでいい。ノートに自分の名前を書くのも自由だ。そうなったら俺は次に拾う奴に憑くだけだ」

粧裕「……つまりこういうこと? あたしはあなたの退屈しのぎの為に殺人犯になっちゃったっていうこと?」

リューク「使ったのはお前だろ?」

粧裕「ふっ、ふふ、ふはっ、あはっあは、あはははははははははははははははははっ!!」

リューク(!?)ビクッ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 17:58:44.45 ID:TWqzOMXa0
粧裕「死神さん死神さん。ちょっと聞いてもらえる?」

リューク「お、おう」

粧裕「あたしのお父さんは警察官なの。すっごく正義感が強くて悪いことは許せないお父さん。尊敬できてすごく頼りになる最高のお父さん。お母さんもそんなお父さんを信頼して警察官の妻という事に誇りを持っているお母さん。たまに厳しいけどどんなことも相談できるし大人になったらこんな女の人になりたいなって思ってるお母さん。そしてお兄ちゃんはほんとうにすごいお兄ちゃん。高校生なのにお父さんもお兄ちゃんのことを頼りにしていてお兄ちゃんのおかげで解決した事件もあるの。頭もよくってかっこよくってなんでもできてあたしにも優しくてほんとうにほんとうにほんとーーーーに自慢の最高のお兄ちゃん」

リューク(な、なげーな)

粧裕「でもあたしは殺人犯」

リューク(顔怖っ!!)

粧裕「どうしてなのかな? ううん分ってる。自分のした事を認めたくなくって現実逃避をして何人も何人も殺しちゃった最低最悪の殺人犯」

粧裕「それがあたし」

リューク(だから顔怖ぇーよ!?)
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:03:34.38 ID:TWqzOMXa0
粧裕「いいよ。使ってあげる、これ」

リューク「お?」

粧裕「最低最悪の殺人犯になったけど、そんな最悪の人間にしか出来ないことがあるって思いついたんだ」

リューク「それって何だ?」

粧裕「このノートで世の中を変える」

リューク「?」

粧裕「1日、たった1日であたしの殺した凶悪犯罪者のことが話題になっている。もしもこれがずっと続いたらどうなると思う?」

リューク「どうなるんだ?」

粧裕「犯罪者が皆心臓麻痺で死んでいく。どんな人でも「悪人が誰かに消されている」って事に気がつく。そうなったら誰も悪いことが出来なくなる」

リューク「ほぉ」

粧裕「毒を以て毒を制する。あたしに出来ることなんてもうこれしかない」

リューク「お前どれだけ殺すつもりだよ?」

粧裕「うるさい」

リューク「まあ、使うんだったらいいけどよ」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:05:40.19 ID:TWqzOMXa0
月の部屋


月「はぁ……」

月(粧裕が部屋に閉じこもってもう五日)

月(一体どうしたって言うんだ? 今までこんな事など一度も無かった)

月(粧裕に聞こうとしても、放っておいての一点張り。この二日は急に笑い声を上げるなど精神状態がおかしくなっている行動を取り始めている)

月(まさかとは思うが粧裕が学校でいじめられている可能性も考えてこの数日で粧裕の中学を調べたが、粧裕のクラスの子は粧裕を心配していた。怪しいところなど何も無かった)

月(何が原因だ? 家族間は良好だ。学校の悩みでもない。……まさか男か!? い、いや、それも無い。粧裕が誰かと付き合うなんてすぐ分かることだ。それなら何だ? 一体何が原因で……)

月(……今までは時間が解決するだろうと、粧裕が自分から出てくるのを待とうと考えていたが、これ以上は無理だ。悪い方向へと向かっていっている)

月(多少強引になるが粧裕が部屋のドアを開けるまで呼び続ける。ドアを開けたら粧裕を連れ出して僕の部屋で何があったのかを聞き出す)

月(僕の行動で更に状況が悪くなるかもしれない……いや、粧裕は僕のことを信頼してくれている。その僕が心から粧裕の事を考えての行動だと伝われば粧裕も僕にだけ悩みを打ち明けてくれるはずだ)
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:07:20.73 ID:TWqzOMXa0
月(よし……行くぞ)ガタッ トントントン

月「粧裕、僕だ」コンコン

月「このままでいいから少しだけ……え?」ガチャッ

月(この数日がなんだったのかと思うほどあっけなく開いたそのドア)

月(真っ暗な粧裕の部屋に廊下からの明りが差し込んで五日ぶりに見る粧裕の姿がそこにあった)

月「さ、粧裕?」

月(自分の目を疑った)

月(ボサボサになった髪で目元が全く見えない。口元には嘔吐物がこびりついていて服も自分の嘔吐物に塗れている。そして粧裕が生み出す雰囲気というものは負のオーラをこれでもかと含まれるものだった)

粧裕「お兄ちゃん」

月「あ、ああ」

月(しかしそれも全て粧裕が顔を上げた途端消えうせたのだ)

粧裕「ごめんっ! 何だかちょー具合悪くって今までぴくりとも動けなかったの!」

月(いつもの表情だ。頬はこけて目も焦点があってはいないが、表情だけはいつもの表情だった)

粧裕「お父さんもお母さんも心配してるでしょ? 早く謝んないといけないよー」

月(それが僕に更なる不安を抱かせた。だけどそれを問いただす前に粧裕はおぼつかない足取りで歩いていく)
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:08:43.85 ID:TWqzOMXa0
月「お、おい、そんなフラフラで階段を下りようとするな。危ないだろ!」

粧裕「平気平気」

月「そんな訳あるか!」

月(そうやって粧裕を抱きかかえようとしたのだが)

粧裕「触んないで!!」

月「っ!?」

粧裕「あっ……よ、汚れるから! あたし、今げーげーでばっちいから!」

月(粧裕は僕を力なく突き飛ばした。その力は到底僕をたじろかせるようなものではなかったのに、僕は粧裕からの拒絶を受けてその場に立ち尽くしてしまう)

月(そのまま粧裕はふらふらと階段を下りて、階下から父さんと母さんの驚きとも安心ともとれる声が聞こえ僕もやっと足を動かすことが出来た)

月(不安はあった。だけど、数日するとその不安も殆ど無くなっていた)

月(粧裕が元に戻ったからだ。この数日が一体なんだったのかというほど粧裕はいつも通りの姿に戻ってくれたのだ)

月(いくつかの疑問はあった。しかし粧裕が元に戻ってくれたというだけで僕は安心してしまったんだ)
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:10:51.06 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋


粧裕(あの日からあたしは凶悪犯をこのノートで殺し続けている)

粧裕(もう1週間。最初にあったノートに書き込むことで人の命を奪うという恐怖感や罪悪感はもうない)

粧裕(我ながら信じられない。いや、もしかしたらあたしは元々こういう人間だったのかもしれない)

リューク「粧裕ー、リンゴくれー」

粧裕(あれから死神には様々なことを聞いた)

粧裕(ノートのルール。死神について。人間界と死神界のこと)

粧裕(ノートの所有権を放棄することによって記憶を失うことが出来ると聞いたときは心が揺らいだ)

粧裕(だけどすぐにその誘惑を断ち切った)

粧裕(所有権を放棄したらこの死神は別の人間にこのノートを渡す。そしてこの死神は次の人間がノートを使った後にいけしゃあしゃあと現れるのだろう)

粧裕(あたしが放棄することによって別の人がこんな苦しみを味わう。もしそれがお兄ちゃんだったら? お父さんだったら? お母さんだったら?……ありえない)

粧裕(もう使ってしまったあたしが持ち続けないといけない。そして使い続けないといけない)

粧裕(何度か話をしてわかってしまった。この死神は人間がノートを使って死神には考え付かないような事を見たがっている。それが自分の意にそぐわないこと……退屈なことだと判断した場合、この死神は所有者も簡単に殺すのだろう)

粧裕(普通にノートを使うだけではいけない。それが分った時、あたしは自分が最初に思いついたことに対して、運がよかったと心底思った)
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:13:38.19 ID:TWqzOMXa0
リューク「それでお前ってノートを使って世の中を変えるって言ってたけど今はどんな感じなんだ?」

粧裕(来た)カチャカチャ

リューク「ん? 救世主キラ伝説? なんだこりゃ?」

粧裕「あたしの事」

リューク「ほぉ」

粧裕「言ったよね? 犯罪者が心臓麻痺で死んでいけばどんな人でも悪人が誰かに消されてることに気がつくって」

リューク「ああ」

粧裕「これがそう。キラ……殺し屋から名前を取っているらしいけど、あたしはもう世界的に「キラ」になってる。もう「キラ」で検索するだけでこの手のページがごまんとあるの」

粧裕「みんなもう気付いてる、わかってる。悪人が誰かに消されてるって」

粧裕「たったの1週間でこれ。これから世の中は変わっていくよ」

リューク「そーなのか?」

粧裕「そう。これは始まり」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:14:57.10 ID:TWqzOMXa0
粧裕「誰だって死ぬのは嫌。だけど悪いことをしたら確実に殺されるのが分ってしまう世の中に変わる。そうしたらどうなると思う?」

リューク「悪いことをしなくなる? のか?」

粧裕「そう。その意識が芽生える。悪いことをしたら駄目だっていう意識が。誰の心に芽生えるの。恐怖心としてね」

粧裕「目に見える恐怖って人の行動を束縛するの。誰もが悪いことをする前に躊躇するようになる。悪いことができなくなる」

リューク「そんなもんなのか?」

粧裕「まあ、それでも人って言うのはふとした拍子に、感情が思い通りに行かなくて衝動的に犯罪を犯してしまう。でもその頻度は絶対的に少なくなるのは間違いないの」

粧裕「まずはそうなるように世の中の意識を変えていく。ううん、世の中は変わっていく」

粧裕「その次は……」ザザッ

リューク「ん? 何か始まったぞ?」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:16:37.98 ID:TWqzOMXa0
『番組の途中ですがICPOからの全世界同時特別生中継を行います。日本語同時通訳はヨシオ・アンダーソン』

『私は全世界の警察を動かせる唯一の人間、リンド・L・テイラー。通称「L」です』

粧裕「……何? L?」

『相次ぐ犯罪者を狙った連続殺人。これは絶対に許してはならない史上最大の凶悪犯罪です』

『よって私はこの犯罪の首謀者、俗に言われている「キラ」を必ず捕まえます』

リューク「必ず捕まえるってよ。くくっ」

粧裕「……」

『キラ。お前がどのような考えでこのような事をしているのか大体想像はつく。しかし、お前のしている事は……』

『悪だ!!』

粧裕「あたしが、悪…………」

リューク「お? どうした? こいつ殺すの?」

粧裕「…………そんな事分かってる」

リューク「あん?」

粧裕「……」プチッ
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:18:17.48 ID:TWqzOMXa0
リューク「おい、あいつ殺さねーの?」

粧裕「殺さないよ」

リューク「何で? お前を捕まえるとか言ってたぞ?」

粧裕「あの人は全世界の警察を動かせるような人みたいだし、あたしを捕まえようと動いてる人なんて正義の人に決まってるでしょ。そんな人は殺す必要なんて無い」

粧裕「それにあたしを捕まえるなんて誰にもできやしない」

粧裕「このデスノートをおさえない限り証拠なんて何も残らない。あたしを捕まえるなんて絶対に不可能なの」

リューク「それもそうだな」

粧裕「あたしは坦々と悪人を殺していく。それだけだよ」

リューク「なんだよ、面白い事になると思ったんだけどな」

粧裕「……面白い事なんてすぐ起きない。リンゴでも食べながらあたしのすることを見てて。いつか面白いものを見せてあげるから」ポイッ

リューク「ウホッ、リンゴ!」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 18:19:15.92 ID:8FhUG3vp0
月より優れてるぞw死神の眼もすぐ契約しそう...
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:24:42.04 ID:TWqzOMXa0
Lの部屋


L(あの生中継から1週間。結局リンド・L・テイラーは今もなお生存している)

L(関東から順に人口の多い地域に生中継を行なったが、何の反応も無い……)

L(この一連の事件の最初の犠牲者は新宿の通り魔だと考えてキラを炙り出してみようと思ったのだが、キラは動かず、か)

L(あれほどキラを挑発してもキラはテイラーを殺さなかった。私の予想では高い確率でテイラーは何らかの形で死亡するものだと考えていたのだが……)

L(テイラーが今も生存しているという事はやはり、テイラーがテレビでもネットでも報道されていない犯罪者。テイラーを犯罪者だとキラは認識できなかった……そう考えるのが自然)

L(となるとキラは犯罪者以外は殺さない……いやそう考えるのは早計だが……)

L(……キラの人物像、修正を加えなければならないな)

L(そして、次の一手……この犯罪者たちの死因、凶悪犯で今だ死亡していない人間たち……これらの事を全て考えて…………)
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 18:32:20.44 ID:FsrYFZqPO
だいぶ前にも粧裕が拾ったSSがあったな
あれはなんとか数人の犠牲で済んだがこのSSだともう手遅れ感半端ないしどうなる事やら
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:35:54.31 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋


粧裕「ふぅ……」

リューク「今日はノート使わねーの?」

粧裕「まあね」

リューク「何かのんびりしてるな。世界中の警察が動き出したってのに余裕じゃないか」

粧裕「言ったでしょ。警察が動いても証拠が出ないって」

リューク「楽観的だな」

粧裕「そんな事はないよ。いつだって気を張ってる」

コンコン

粧裕「っ!」

月「粧裕、少しいいか?」

粧裕「……お兄ちゃん? どうしたの?」ガチャ

月「いや、そのな」

粧裕「?」

月「最近お前の宿題を見ていないと思って、勉強のほうは大丈夫か? 良かったら見てやるけど」

粧裕「……」

粧裕(お兄ちゃん……あたしが部屋に閉じこもった時から、ちょくちょく理由をつけてあたしの事を気にしてくれる)

粧裕(とても嬉しい……お兄ちゃんのおかげであたしは正気を保っていられるのかも……)
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:41:23.78 ID:TWqzOMXa0
粧裕「え! いいのー!? それじゃ、お願い! 数学の二次関数が難しいのー」

月「ああ、お安いご用さ」

粧裕「えへへー」

リューク「気を付けろよ、粧裕……」

粧裕「?」

リューク「今、机の中にあるデスノート。触られたら触った人間は俺の姿が見える」

粧裕「!!」ピクッ

粧裕(そういう大切な事を今頃……この死神は……)

月「どうかしたか? 粧裕」

粧裕「お兄ちゃんの部屋いこーよ」

月「え?」

粧裕「あたしの部屋よりお兄ちゃんの部屋で勉強した方が頭良くなる気がするのー! ほらほら早くー!」

月「お、おいおい、押すなよ。わかったって」

リューク「おー、行動が早いな」

粧裕(せっかくお兄ちゃんとの時間なのにこの死神のせいで……)

粧裕(駄目……平常心、平常心……)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:48:23.94 ID:TWqzOMXa0
約1時間後

月「凄いじゃないか。前に見た時よりも問題を理解出来てる。というか全部合ってるぞ」

粧裕「えっへへー! あたしも努力してるのです!」

月「それなら次の問題を……」

『あなた、おかえりなさーい』

粧裕「あ、お父さん帰ってきたみたいだね」

月「っと、それじゃもう夕飯か」

粧裕「ご飯の後次の問題お願いしまーす!」ガチャ タタタタ

月「ああ、わかったよ」カチャ トントントン

粧裕「お父さん、お帰りなさーい」

月「おかえりなさい」

総一郎「ああ、ただいま」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:58:34.82 ID:TWqzOMXa0
夜神家ダイニング


月「父さん、粧裕が最近勉強を頑張ってるんだ」

粧裕「ぎゃっ! いきなりどーしたのお兄ちゃん!?」

月「さっきの問題、あれは普段から努力していなければ出来ないほどの問題だったからね。隠れて努力してる粧裕の事を父さんや母さんにも知ってもらいたくてね」

総一郎「そうなのか?」

幸子「あらあら? ライトに頑張ってるなんて言わせるなんて凄いじゃない」

粧裕「んもー! やめてよ、はずかしーよ!」

月「ははは、父さんも粧裕を褒めてやってよ」

総一郎「ああ、そうだな……偉いぞ粧裕……」

幸子「あなた?」

月「……」

粧裕「お父さん? 何だか疲れてる?」
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 18:59:26.72 ID:TWqzOMXa0
総一郎「っ! いや、少し考え事をだな」

月「食事中まで考え込むようならそれはもう重症だよ。今回の事件のこと?」

総一郎「……まあ、そうだな。雲をつかむ様な事件だ」

月「犯罪者を狙った連続殺人事件……キラ、か」

粧裕「……」

総一郎「ああ……犯人の目星も浮かび上がらない。現状分っている情報では死亡推定時刻から犯人は学生じゃないかと言われているが……」

粧裕「……」

幸子「お父さん、食事のときにそういう話は」

総一郎「まあいいじゃないか。前にライトの意見で進展した事件もあったこともある」

リューク「学生ね。くくっ」

月「学生……か。学生って言うのは僕が考えている犯人像の一つだね」

幸子「もう、ライトまで」

総一郎「ライトはどんな犯人像を描いているんだ?」

幸子「ああもう。粧裕、こうなったらどうしようもないわ。ご飯を食べて早めに片付けちゃいなさい」

粧裕「んー、わかったー」

幸子「本当に二人共どうしようもないんだから……」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 19:04:53.51 ID:TWqzOMXa0
月「犯人は、単独犯であり裕福な子供」

粧裕「……」

月「そして恐らくは念じるだけで人を殺せるような能力を手にしてしまった子供」

粧裕「!」

総一郎「……ライトにしては珍しいじゃないか。そんな突拍子の無いことを」

月「いいや、これはもう間違いない。心臓麻痺で凶悪犯のみが殺されている。それも世界各地で同じように。そして日本で殺された被害者と同時刻に別の国で殺されている。こんな芸当をやってのけることなんてもう普通の殺人事件じゃない」

総一郎「……続けてくれ」

月「最初は組織立っての犯行かとも考えたが、こんな事をやってのける組織なんてかなり大掛かりで大人数の組織になる。そして、そんな組織なら手がかりの一つくらい絶対に出てくる。だけどそれもない」

月「犯人の証拠一つも見つけられない。現場にも何も残っていないし、手がかり一つ現れない。何故? それは犯人が犯行時に現場にいないから。そんな事どうやって? と、言う形で可能性をどんどん潰していったら、自分でも信じられないがそういう結論にたどり着いたんだよ」

総一郎「そうか……」

粧裕「……」

リューク「あってるな」
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 19:08:14.78 ID:TWqzOMXa0
月「そしてそんな能力を人間が手に入れたとすれば……犯罪者を減らしていくと共にそれを見せしめにして世の中を良くしようなんて考えるのは、せいぜい小学生高学年から高校生くらいまでだ」

粧裕「……」

リューク「あってるぞ」

月「幼い子供ならそんな能力使えないか、自分の周りの嫌いな人間を殺してしまうくらいだろう……」

月「逆に成人以上の大人なら自分の幸せのためだけに使う。出世やお金のためだ。その能力を利用すれば大金持ちになる方法なんていくらでも考えられる」

月「犯人は純粋な子供。犯罪者だけを殺していることからも自分の確たる正義感も持っている。何不自由なく暮していて急に人を殺せてしまう能力を手に入れてしまった裕福な子供。自分専用の携帯、パソコン、テレビも持っている中学生が一番妥当かな」

粧裕「…………」

リューク「おい、お前の兄貴、お前の部屋覗いてんじゃねーの?」

粧裕(黙れ死神……お兄ちゃんがそんな事をする訳ない……もしお兄ちゃんがあたしがキラだって知ってたら……)
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 19:20:00.58 ID:TWqzOMXa0
月「あくまでこれは現段階でのプロファイリングでこれからの捜査状況でいくらでも変わってくる。僕が今言えるのはこれ位までかな」

総一郎「……お前にはいつも驚かされてばかりだな」

月「?」

総一郎「今お前が話した内容と同じような話を捜査本部の一番お偉い人が言っていた。そのお偉いさんが言うには……」

月「待って父さん。それは僕にも話していい内容なの?」

総一郎「!!……すまない、やはり疲れているようだ……今の話は忘れてくれ」

月「わかったよ。粧裕……お前も今の話は友達とかに言ったら駄目だぞ」

粧裕「へ? 何の話だっけ?」

月「……しっかりしてきたなと思ったらぼーっとして。ああ、テレビ見てたのか?」

粧裕「お父さんとお兄ちゃんが何か難しいこと話してるからテレビに集中してたの! もうテレビの音量上げてもいいの?」

月「ほら」リモコンワタシ

粧裕「ありがとーお兄ちゃん!」トトトトト ソファーニポフン

月「父さんも疲れてるんだ、片づけ位やっておくから早く休んでくれよ」

総一郎「……ああ、すまないな」

粧裕「あっ、早樹! 新曲だしたんだー! きゃーーーーカッコイイーーー!!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 19:27:56.46 ID:TWqzOMXa0
粧裕(お父さん……あんなに疲れて……これも、あたしのせい……)

粧裕(ごめん……でも……もう止める事なんてできない……)

粧裕(そしてお兄ちゃん……)

粧裕(やっぱり、お兄ちゃんは凄いね……このままだとあたしのやってることばれちゃうかも……)

粧裕(……いやだ!! そんなの絶対嫌!! お兄ちゃんにあたしが人殺しだ何てばれるのは絶対に嫌だ!!)

粧裕(ばれないようにしないと。お父さんもお母さんもお兄ちゃんにもばれないように、騙し続けないと。その為にやれることを、どんなことでもやれるようにならないと……)

粧裕(自分一人の力で何でも……やってみせる)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/28(火) 19:28:51.00 ID:TWqzOMXa0
今日はこれくらいで。
また続き書いてきます。
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 19:29:34.57 ID:W/JJC8sVO
期待
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 19:36:15.34 ID:H1Ngi/+Ho

どこまでいけるか
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 19:42:40.42 ID:ftbbY3Oio
乙 楽しみ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 19:55:58.06 ID:bAy+MyKD0
乙です
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 20:24:57.34 ID:6MFI0bdk0
学校行かなくなった時期や笑い声などから月はもうわかってるかもね
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 20:45:09.01 ID:rr8I3vhu0
ミサミサや高田、魅上の反応が気になるな
後ろ二人が出るとこまで行かんかもしれないけど
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 21:57:40.21 ID:tr35TClqO
ライトは邪魔なら家族でも見捨てる気だったけど
それがないのがかえって面白い
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 22:08:55.59 ID:8pEJF+goo
でもぶっちゃけ学生までは絞れてもそこから先は絞れないよな
月は挑発のために時間ズラしたしサユもビビって変えそうだけど普通にやってたらまず特定ムリ
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:39:12.65 ID:TWqzOMXa0
粧裕の部屋


リューク「おいおい、お前もしかして実の兄貴に捕まるんじゃねーの?」

粧裕「少し黙って」

リューク「でもよー、アイツなんか半端ねーぞ? バレる前にデスノートに書いて……」

粧裕「黙れって言ってんでしょ!?」

リューク(怖っ!?)ビクッ

粧裕「ふーーっ! ふーっ! ふぅ……ふぅ」

粧裕「あたしが家族をデスノートに書き込むなんて天地が逆さまになってもありえないこと。冗談でも、二度と、そんな事言わないで」

リューク「お、おう」

粧裕「言ったらもうリンゴあげないから」

リューク「!? そ、それは困る!! 絶対に言わない!!」

粧裕「分ればいいの」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:40:38.55 ID:TWqzOMXa0
粧裕「……でも、学生か。死亡時間から……そういう事も考えておかないと……」

リューク「時間なんてデスノートに書いてばらばらにできるだろ」

粧裕「できるね」ノートトリダシ

リューク「お、さっそくやるのか?」

粧裕「やらないよ」

リューク「ん? なんで? 死ぬ時間からお前のことばれるんじゃねーの?」

粧裕「バレるわけないでしょ。学生なんて世界中にどれだけいると思ってるの? あたしは変わらずに凶悪犯を殺し続けるの。世の中が変わり始めるまで坦々と毎日変わることなく」

リューク「その世の中が変わり始めるってどーいうことだよ?」

粧裕「聞いたら楽しみなくなっちゃうよ?」

リューク「くっ、それは困るな……楽しみにしておくとするか」

粧裕「そうだね、それまでは……ほらっ」ポイッ

リューク「ウホッ」キャッチ

粧裕「リンゴを食べることを楽しみに毎日すごせばいいでしょ」

リューク「お前、俺の事わかってるじゃないか」シャリシャリ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:42:29.25 ID:TWqzOMXa0
粧裕(このまま凶悪犯を殺し続けていって、世界中の犯罪が少なくなっていけば)

粧裕(もしかしたら、本当にもしかしたらだけど……あたしのやっていることが、犯罪の抑止力になるって認められて……)

粧裕(警察に認めてもらえれば……あたしは、お父さんやお兄ちゃんと一緒に世界を守ることができる……)

粧裕(お父さんやお兄ちゃんは表から……あたしは裏から……表と裏で世界をより良く犯罪の無い素晴らしい世界にできる……かもしれない……)

粧裕(……分ってる。そんな可能性なんて、無いに等しいって)

粧裕(……でも、今のあたしが、殺人鬼になってしまったあたしが持てる希望なんて……)

粧裕(それくらいしか……)
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:49:04.64 ID:TWqzOMXa0
Lの部屋


L(キラは何も変わらない)

L(どこからか分らないが犯罪者を殺し続けている)

L(何一つ変わらず日々が過ぎていく)

L(正体も何も分らない、殺人の方法も不明、現状何も分らない)

L(しかし一つだけはっきりしたことはある)

L(キラが殺していない犯罪者。いや、キラが殺せない犯罪者が存在することを)

L(キラの殺人対象になっており、まだ殺されていない犯罪者の共通点は3通り)

L(一つ、公になっていない犯罪者。警察などが極秘で捕まえた犯罪者など、メディアには名前も顔も公表されていない)

L(二つ、公になっているが名前が間違っていたり通名の犯罪者)

L(三つ、名前は本名であるが、顔が写真や映像で存在しない犯罪者)

L(これらのことから判断できるのは……キラの殺人方法には顔と名前が必要。どちらがかけても駄目、両方必要。さらにキラ自身はこの情報を自分自身で気付いていない可能性が高い。もしくは低い確率になるが、気がついてはいるが問題ないと判断している)

L(さらには警察が極秘で逮捕した犯罪者などは誰も死んでいないことから警察関係の情報は漏れてはいない。……楽観的な思考かもしれないが、今のキラの人物像を考慮すれば……漏れてはいない……そうなれば日本警察捜査本部もICPOも問題なく動かせる)

L(この二つ……いや、キラの最初の殺人が新宿の通り魔殺人事件の犯人だと推測して、三つ……)

L(……いける)

L(キラ、おまえを追い詰めることが出来るかもしれない)
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:51:40.76 ID:TWqzOMXa0
凶悪犯連続殺人特別捜査本部


総一郎「今日の捜査報告はこんなところです……L」

L「お疲れ様です。それでは注文を何件かお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

総一郎「はい、どのような用件でしょうか」

L「報道班へマスコミと連携してやっていただきたいことがあります。一つは関東地区から犯罪者の報道をある程度操作していただきたい。内容としましては、二人、もしくは四人の凶悪犯罪者の名前を偽名にし、顔写真映像を入れ替えて報道していただきたいのです」

総一郎「それは……AとBいう犯罪者がいた場合、両方偽名にして報道し、AにはBの顔写真映像、BにはAの顔写真映像を映す、という事ですか?」

L「ええ、その認識であっています。それをこのような形で報道していただきたい。関東地区で報道した場合は他の地区では犯罪者の名前もは本名、顔も入れ替えていない本来の報道を流す。それを同じように関東、中部、関西と1日おきに流していってください」

総一郎「……それは一体?」

L「次に、報道操作した地区で、凶悪犯が死ななかった場合、翌日から数日……いえ、3日ですね。3日間、報道操作をせずに凶悪犯の情報を報道してください」

L「そして、3日、凶悪犯の死亡状況を確認し、毎日凶悪犯が死亡するようでしたら報道操作です。また凶悪犯の情報を替えて報道。死ななかったら次は2日報道操作せず……と、言った形で間隔を狭めていき、最終的には毎日報道操作、操作せずと交互に繰り返していきます」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:52:32.21 ID:TWqzOMXa0
L「キラが現状、報道される凶悪犯を坦々と殺している、毎日変わらず日課のように行なっている……そんな状況で今私が言った事を試すと面白いことがおきるかもしれません」

総一郎「……L、今の発言は不謹慎と思いますが」

L「ああ、すみません。発言を取り消します。他の各国でも念の為同じ事をやってみますが、本命は日本です。これが成功すれば……キラの居場所をかなり限定できる範囲まで突き止めることが出来るかもしれません」

『!!』ざわっ…ざわっ…

総一郎「ほ、本当ですか!?」

L「はい。またこれは時間との勝負と考えていますので出来れば今日から行ないたいのですが、間に合いますかね?」

総一郎「報道班、どうだ?」

刑事「大丈夫です! やれます!」

総一郎「そうか……L」

L「はい。協力に感謝します」

L(さぁ、どうなる?)
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 22:54:28.63 ID:OOtegP11O
面白い
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:54:29.64 ID:TWqzOMXa0
2週間後

凶悪犯連続殺人特別捜査本部


総一郎「え、L!」

L「予想通りです。キラはどうやら自分の能力の上に胡坐をかいているようですね」

総一郎「ここまで来れば我々でも分かります。キラは日本の関東地区にいるんですね」

L「はい。間違いありません」

総一郎「貴方の指示された報道操作を行なって初日、関東地区で凶悪犯が殺されませんでした」

L「ですが、次の日から3日、報道操作を行なわなかった場合は凶悪犯は例外なく死亡した」

総一郎「また報道操作を行なって凶悪犯は殺されず、報道操作を行なわなかった場合は殺されている……」

L「今は毎日交互に報道操作、操作せずと繰り返したら……凶悪犯がまるでスイッチのように操作日は死亡せず非操作日は死亡するようになりました。間違いありません、キラは日本の関東地区に潜伏しています」

『ざわっ……ざわっ……』

L「では、次はもう少し限定していきましょう。まずは東京都、神奈川、千葉と同じように……」

総一郎「待ってください! L、これは……キラの殺人には名前と顔が必要、そういう事になるのですね!?」

L「はい、ご覧の通りです」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 22:58:51.61 ID:TWqzOMXa0
総一郎「それならばもう完全に報道規制を行い、今後は一切犯罪者の氏名や映像を表に出さない方向にしていけば……」

L「…………それはやめましょう」

総一郎「何故ですか!? そうすれば人命が!!」

L「ネット、ありますよね。インターネット」

総一郎「え? ええ」

L「恐らく無法状態になります。キラに殺してほしい犯罪者が氾濫する無法地帯に。今でさえそういった兆候はあります、キラに対して殺人依頼を行なうような馬鹿の集団が見受けられるのです。まあ、そういったものはそちらの情報班が逐一チェックされていると思いますので言わずとも分るとは思いますが……」

L「報道を完全規制した場合、そういった類のものが爆発的に増えると予想できます。それも警察庁の情報班が処理しきれないほどに。そうして、キラもその真否が分らぬネットの海に紛れ込んでくる可能性が高い」

L「そうなった時にキラが一人でもその情報を鵜呑みにして殺したとしましょう。するともう悲惨なことになります。報道規制がされているので犯罪者を裁けないキラはネットの情報で極悪犯罪者を殺していきます。少しでもプログラムに長けた人間ならキラの目に付くようなサイトや情報を作り出す。手が付けられません、キラは馬鹿に言いように使われて無差別殺人犯になります」

総一郎「そ、それは仮定の話でしょう」

L「はい、そうです。ですが、可能性は高いと思いますよ。キラは恐らくそこまで頭が回らない。報道規制がされたらネットに、何て楽なほう楽なほうに流れていく可能性もありますね」

L「そういった不確定要素かつ、危険要素が高い未来を検討するより、今この瞬間に全力を尽くしませんか? キラの逮捕がもう目前の今に」

総一郎「!!」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 23:00:43.28 ID:TWqzOMXa0
L「キラは我々が殺しに必要な条件に気付いてることを知らない。この報道操作は今後も有効という事です。それならば恐らく2ヶ月以内にはキラの潜伏する市または区まで限定できるかもしれません」

総一郎「で、ですがそのためには今のやり方を続けて……」

L「そうですね。犯罪者は相当数犠牲になるでしょう」

総一郎「それならば!」

L「ですが、キラを捕まえなければ被害は続きます。現状この作戦を続ければキラにたどり着くのです。キラが気付いていない今しか行なえない作戦です。報道規制をした場合こちらからキラにお前の殺しには顔と名前が必要だと言ってしまう様なものです。そうするとあまり頭の回らないキラでも対策するかもしれません。その時点でキラはまた実体の無い状態に戻ってしまいます」

総一郎「くっ……」

L「2ヶ月です。地区を絞り込んでしまえば次のステップに移行できます。その場合は情報規制も視野に入ってきます。いかがでしょうか?」

総一郎「…………」

刑事「あ、あのー?」

L「はい、どうされましたか。ええと、松田刑事」
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 23:04:15.95 ID:TWqzOMXa0
松田「その、キラがこちらの状況を把握した上で操作をかく乱する為に今の状況を作り出しているという可能性は?」

L「それは捜査本部の情報がダダ漏れで、尚且つキラは我々の作戦を理解したうえで犯罪者の生死を調整している、そういう事ですか?」

松田「あ、えーっと、その」

L「その様な状況を仮定すれば相当やりやすくなりますね。捜査本部に関係する人間がキラなのですから。ですが、捜査状況が漏れているという事はありえませんのでご安心ください」

L「またキラが、殺しの条件を知られている事を利用して捜査状況をかく乱するという愉快犯的な行動はまずしないでしょう」

松田「そ、そうなんですか?」

L「やるならもうやってます。私がキラを挑発したあの生中継の時に。キラは犯罪者を殺すことに対してそういった意思の感じる何かを行なっていません。坦々と犯罪者を殺す、まるで作業を行なっているようで、それだけが不気味なところだと私は感じていますね」

松田「あ、その、すいませんでした」

L「いえ、貴重な意見、参考になります」

L「夜神局長、他に意見など何かありますか?」

総一郎「いえ……」

L「それは私の案を通していただけると考えてよろしいですかね?」

総一郎「……はい」

L「ありがとうございます。では本日も同じように報道操作をお願いします。徐々に地域を限定していきますので逐一指示します。報道班の皆さんは大変かと思いますがもうひと踏ん張りお願いします」

L(さあ、キラ、お前の影が見えてきたぞ)
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/28(火) 23:05:07.24 ID:TWqzOMXa0
以上です。
また続きを書いてきます。
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 23:17:34.56 ID:bAy+MyKD0
乙です
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/28(火) 23:26:27.16 ID:8FhUG3vp0
よしこの世界線なら南空ナオミは安心だな
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 00:06:45.24 ID:kWlVPNQB0
乙です
魅上はともかく高田は月が彼女作る必要が無いから出てこなさそう
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 03:14:27.60 ID:VDF2/Mvgo
乙ー
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 07:29:12.89 ID:tHJrt5+nO
リンド・L・テイラーが殺されなければ…って言う人もいるけど
やっぱりLは追い詰めてくるのね
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 08:04:35.36 ID:sSXBLADKo
名前書いた人間が死んだかどうか粧裕は調べなかったんかね
調べなくても死んでると確信してたか、調べるのもめんどくさいほど殺してたか
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 08:11:31.45 ID:vzKux3jfo
サユがネラーだったらバレてたが、まあ女の子だしね
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 08:23:09.06 ID:hdvGXkJ0O
>>67
Lにとってもこのssでの方法は悪手なんだけどね
この時はある程度人道や道徳を考慮して手法を考えるから、犯罪者とはいえ特定まで時間も被害も大きい上に虱潰しの人海戦術でしか答えを導き出せないってのはかなり苦戦させられてる
そもそもこういう人海戦術を行わなくて済むようにLが呼ばれてる訳だし
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 10:15:19.76 ID:fxad2xJQO
まあ兄の方は煽り耐性0どころかマイナスだったし
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 14:02:19.59 ID:rb0fHYEg0
前にやってたアイマスクロス連想したけど
地力があって凡人自覚した徳川家康タイプだと原作よりも厄介になるんだよな
無理やり原作=織田信長的な見方で
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 14:26:30.15 ID:wn+s3oD1O
>>68
精神がイカれる状態ぽいしノートに書く→"偶然"その人が死んでるって考えだから生死には無頓着だったんじゃない?
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 18:02:00.06 ID:TI1+PIGJo
粧裕ちゃんが可愛いssかと思ったらガチデスノssだった…でも面白いよぅ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:21:54.25 ID:zljesD0n0
粧裕の部屋


粧裕「今日はこれくらいかな」

リューク「ククククククククククククッ」

粧裕(……? この違和感、最近良くあるけど……)

粧裕「……リューク、最近あたしがノートを使うとき良く笑ってるよね?」

リューク「まあな」

粧裕「何がそんなにおかしいの?」

リューク「いや」

粧裕「……いやって何? 何かあるでしょ?」

リューク「別に何も、ククククククククッ」

粧裕(こいつ……)
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:22:56.51 ID:zljesD0n0
粧裕「」カタッ

リューク「お? どーした?」

粧裕「」ガチャッ タタタタタ

リューク「部屋飛び出して行って、戻ってき……おっ!!」

粧裕「リンゴ食べる?」

リューク「食う!」

粧裕「それじゃ、何がおかしいのか教えて。教えてくれないとリンゴあげない」

リューク「お、おい!! そりゃ卑怯だろ!?」

粧裕「いるの? いらないの? いらないならあたしが食べちゃおっと」シャリッ

リューク「あ、あー! 待て、待て! い、言うから食うな!!」

粧裕「はい、それじゃ、なにがそんなにおかしいの? 最近笑うときの「ク」が多すぎ」ポイッ

リューク「ホッ」リンゴキャッチ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:23:40.54 ID:zljesD0n0
リューク「いやな、最近お前が見てるテレビで変な事が起きててな」シャリシャリ

粧裕「変なこと?」

リューク「ああ、犯罪者の名前が間違えて放送されてる」

粧裕「……間違って?」

リューク「そうだ」

粧裕「……いつから?」

リューク「2週間くらい前かな?」

粧裕「…………それって、あたしがデスノートに名前を書いた犯罪者も含まれてる?」

リューク「ああ、お前はそいつらをデスノートに書いてたぞ」

粧裕「…………名前は違うから死んでないよね? その犯罪者」

リューク「死んでないな」

粧裕「…………」バンッ!!!!

リューク「うおっ!? ど、どうした、いきなり机叩いて?」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:24:42.59 ID:zljesD0n0
粧裕「……どうしてわかったの?……そっか、名前が間違って発表されている犯罪者とかいるかも……それに顔の公表されてない凶悪犯も殺せてない……そこからばれた……だとしたら……」

リューク「おーい、粧裕?」シャリシャリ

粧裕「あたしは最近ほとんど凶悪犯の情報をテレビで得てた……犯罪者の名前が違って放送されていたなら犯罪者は死んでいない…………意図的に行なわれていたら……2週間…………」

リューク「どうしたー?」ゴクン

粧裕「リューク。何で気付いてたのに言わなかったの?」

リューク「あ? 名前が間違ってた事か?」

粧裕「そう」

リューク「そりゃ、何か変なことしてんなーって面白かったし、おまえも気付かずにそいつらの名前を書いてるのが面白くてな」

粧裕「……」ビキィッ

粧裕(怒るなあたし……冷静に、冷静に……)
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:25:39.02 ID:zljesD0n0
粧裕「ふぅぅぅぅ……次は教えて」

リューク「あん?」

粧裕「偽名になってる犯罪者、教えて」

リューク「えー面倒くせーよ」

粧裕「……そう、ならもうリンゴあげない」

リューク「ち、ちょっと待ってくれ!? 何でだよ!?」

粧裕「だってそうでしょ? あたしは善意でリュークにリンゴをあげてる。面倒くさくてもリュークが頼むからあげてるの。それなのにリュークはあたしが頼んでも面倒くさいってあたしの頼みを聞いてくれない。ならあたしもリュークの頼みなんか聞かない」

リューク「ま、待て待て待て! それは困る!」

粧裕「なら分かるでしょ? 自分がどうすればいいのか」

リューク「わ、分かった。だけど偽名になってるかどうかだけで名前は教えれないぞ! 名前も知りたかったら目の取引だ!」

粧裕「……目?」

リューク「ああ、死神の目の取引だ!」

粧裕「何それ? 知らないんだけど」

リューク「あれ? 言ってなかったっけ?」

粧裕「教えて」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:30:47.55 ID:zljesD0n0
リューク「あーそうだな、多分言ってねーな。えーっと死神の目ってのは人間の顔を見るとそいつの名前と寿命が顔の上に見えるんだ」

粧裕「!」

リューク「だから俺には人間の名前が偽名でもわかる」

粧裕「……便利な目だね。それで取引って?」

リューク「ノートを拾った人間にだけ死神の目の取引が出来て、取引をするとそいつの目を死神の目にしてやることが出来る」

粧裕「!!」

リューク「寿命の半分を頂くがな」

粧裕「…………寿命の半分」

リューク「どうするよ? 死神の目にすればもう偽名かどうかなんて気にしないで済むぞ」

粧裕「……」

リューク「……」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:35:23.43 ID:zljesD0n0
粧裕「今は、いらない」

リューク「ほう」

粧裕「必要になったら言うから準備はしておいて」

リューク「ククッ、大丈夫だ。いつだって出来る。コンタクトを入れ替えるのと変わらない数秒だ」

粧裕「……それじゃ、約束を守ってもらうから、今から見る犯罪者達が偽名かどうかだけ教えて」

リューク「ん? ああ。わかったけど、テレビは何で犯罪者を偽名で放送したんだ?」

粧裕「あたしの居場所を突き止めるためだろうね」

リューク「あん? そーなのか?」

粧裕「うん。多分もうあたしが名前と顔が分らないと殺せないってこともばれてる。それを逆手に取られたって感じ。多分テレビで放送する地域とかを区切って偽名の凶悪犯が死なない地域を絞り込んで行ってるんだろうね。このまま気がつかなかったら危なかったかも」

リューク「ん? 犯罪者が死ななかったらおまえの居場所わかんの?」

粧裕「わかるの。でももう気がついたからこれ以上は分からないよ」

リューク「ふーん。何か余裕だな? おまえの居場所ばれたんじゃないの?」

粧裕「こんな短期間で分からないって。これが半年とか1年とかなら違ってたと思うけど、多分よくてあたしが東京にいるって気づいたくらいじゃない? もうこれからは偽名の凶悪犯なんてノートに書かないからどうしようもないと思うよ」

リューク「ほー」

粧裕「……でも、少し気をつけないと。まさかあたしの殺し方を見てこんな手を打ってくるなんて……」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:37:18.90 ID:zljesD0n0
粧裕(しばらくはテレビの凶悪犯を殺すにも気をつけて色んなところから凶悪犯の情報を得ないと)

粧裕(だけど、この手口……何ていうか、犯罪者使って実験しているようで…………その犯罪者を殺しているあたしが言えた事じゃないか……)

粧裕(マスコミとか警察も協力してるだろうし、これを行なわせたのって……あのLって人だろうな……)

粧裕(あたしのことを悪だって言って……それは間違ってないけど……犯罪者を実験台にするのは、正義なのかな?)

粧裕(……駄目、警察やああいう人は世界にとって必要な人達)

粧裕(……凶悪犯みたいな死んでもいい人間とは違う)

粧裕(……殺してもいいのは犯罪者だけ)

粧裕(殺すのは犯罪者、死んでもいい人間は、悪人だけ……)
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:38:17.98 ID:zljesD0n0
Lの部屋


L(キラの殺し方が変わった)

L(テレビだけじゃなく、様々な情報媒体からランダムに犯罪者が殺され始めた)

L(情報操作に気付いた? それとも偶然?)

L(恐らく気づかれている。明らかに今までの殺し方ではない。殺し方が完全に変わった)

L(何故気付いた。犯罪者が偽名だという事がわかるようになった? この可能性が一番高いが……もう一つ)

L(捜査本部かマスコミ関係者の情報を知る手段を手に入れた? 可能性は低い、だが……)

L(低い可能性を0%にしておくか……)

L「ワタリ、私だ」

ワタリ「はい、L。何か?」

L「警察の目の届かないところに行きFBI長官につないでくれ」

ワタリ「わかりました」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:38:54.48 ID:zljesD0n0
長官「……L、極秘で日本警察内部を調査してもらいたいとは?」

L「非常に低い確率ですが、キラがいる可能性があります」

長官「低い確率とは……一体どれくらいの?」

L「ほぼ0です」

長官「それは、調査しても無駄足になるのでは……」

L「なる可能性は高いです」

長官「我々も中々忙しいのですが……」

L「アメリカの犯罪者でキラに殺されたと思われる者は327名。全世界でダントツです。このまま野放しにしておいていいのでしょうか? この調査でキラが発見できればキラを見つけることもできないと信用が落ちているFBIには追い風となるのでは?」

長官「…………わ、わかりました、やりましょう」

L「ありがとうございます。それでは、日本警察内部、特にキラ事件に関わっている者と今回の情報操作に関わったマスコミ関係者、その身辺を徹底的に調べてください」

長官「わかりました。それでは……」

L(これで捜査本部の情報が漏れていないと証明できれば、キラは偽名を看破する能力を身につけたことになる)

L(人を念じただけで殺せて、その条件は名前と顔。そして偽名も見破ることが出来る……)

L(能力が増えた……そして今後もまだ能力が増える可能性もある……)

L(厄介な事になってきたが……手元にある情報を組み立てて策を考えるしかないな……)
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/29(水) 22:39:24.87 ID:zljesD0n0
また書いてきます。
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 22:41:19.25 ID:/xSFXlaMO
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 22:43:32.85 ID:qzSjPAuF0
乙、なんか月より良い勝負してる感あるな
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 23:03:04.27 ID:VDF2/Mvgo
乙ー
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 23:13:52.53 ID:Ub1LA1ESo
>>87
月はスペックは高いが幼稚ですぐ挑発に乗るからな
さゆは頭脳は並だけど月みたいにカッとならないのが強い。リュークにストレートに交渉するし
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 23:13:57.00 ID:kWlVPNQB0
乙 ばれたらヤバいと思ってるがLを抹[ピーーー]べき敵と見てないのが大きいな...
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 23:19:48.03 ID:z4MdjuAko
月はLとの勝ち負けに拘ってたからな
こっちは挑発にも乗らないし頭脳合戦も乗らないだろうから、探すのが大変
ただLが見当つけて接触してきたら原作月ばりに立ち回れるとは思えんが
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2017/11/29(水) 23:26:50.27 ID:TIzQhUZH0

月は自分が神と錯覚したけど、裕香は人のままだからね。
条件が多少分かったぐらいで反応が一切無い超常の力で殺しまくる相手にどうしろと
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/29(水) 23:54:26.39 ID:1kwMGfAqo
裕香とかいう新キャラについて
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 00:28:47.52 ID:6P3fZVrt0
粧裕と変換しようとしたら間違えたんだろう…
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 00:54:26.56 ID:oIsf5UJhO
美香ちゃん!君のことが好きだ13ニチィ
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 07:08:47.22 ID:N5+gVGWIo
粧裕は邪魔な人でも悪人じゃなければ殺さないだろうところを見るに、レイ・ペンバーとかLは殺しの対象じゃなさそうだよね
逆に悪人の殺しに必要なら死神の目も貰いそう

月との違いがどうでるのか楽しみだわ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 07:35:18.33 ID:G9AL2ycKo
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/02(土) 00:41:27.35 ID:CVe5UJ1w0
粧裕外出中


リューク「粧裕、ちょっといいか?」

粧裕「……外ではあんまり話しかけないでって言ったよね? あたしの声はリュークと違って人に聞えるの」

リューク「いや、だからこそ今話しておきたい」

粧裕「?」

リューク「俺は粧裕が嫌いじゃない……いや、むしろリンゴを良くくれるから好きだ」

粧裕「……何? 急に……」

リューク「これはお前がいつも俺にリンゴをくれている礼でもあるが、俺自身が気持ち悪いから言うのが本音でもある」

粧裕「……まわりくどいんだけど」

リューク「俺はいつも粧裕の後ろにいるからすぐにわかったんだが……」

リューク「目障りなんだよ。この二日間……」

リューク「ずっと、粧裕をつけている人間がいる」

粧裕「!?」ビクッ
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/02(土) 00:42:46.32 ID:CVe5UJ1w0
リューク「そいつに俺は見えてないがいつも見られてる気分だ」

粧裕(つけている!? あたしを!? そんな馬鹿な!? どうして!? ばれたの!?)

粧裕(お、落ち着いて……そんなわけがない、証拠も何も無いのにどうしてあたしがキラだってばれるの? キラとしてあたしをつけているんじゃない……ということは……)

粧裕(ストーカー……)

リューク「お? 殺る時の目してるじゃないか。ノートも持ってるしすぐ殺るのか?」

粧裕「……馬鹿、あたしにはまだ顔も名前もわからないんだよ? 殺そうにも殺せないし、凶悪犯かどうかもわからないのに殺せるわけないでしょ」

リューク「目の取引をすれば……」

粧裕「やらないって。ちょっと考えさせて」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/02(土) 00:44:09.60 ID:CVe5UJ1w0
翌日


リューク「今日もいるぞ」

粧裕「……そいつは学校にいる間もずっとあたしを見てた?」

リューク「ああ」

粧裕「……気持ち悪い、本当に殺したほうがいいかも……」

粧裕「……」

粧裕「リューク、あたしをつけている奴ってあたしの家までつけてくる感じ?」

リューク「いや、いつもお前が家に着く前には消えてるな」

粧裕「……ふーん」

粧裕「……リューク、少し協力してくれない?」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/02(土) 00:45:07.48 ID:CVe5UJ1w0
リューク「あん? そいつの名前とかは教えれないぞ?」

粧裕「掟なんでしょ? そこまで期待して無いよ。リュークにはそいつを見続けてもらいたいの」

リューク「俺がお前をつけてる奴を見るのか?」

粧裕「うん。それでそいつがあたしをつけるのをやめるその瞬間を教えて」

リューク「? 別にいいけど。何するんだ?」

粧裕「ストーカーってさ、自分がストーカーされる立場になるって考えないんじゃない?」

リューク「ほぉ」

粧裕「明日は休日。朝から出かけて、昼に家に戻るフリをして、そいつがあたしのストーキングを止めた瞬間逆につけてやる。そいつの家とかわかれば後は簡単。名前とかもわかるし、調べて悪質な犯罪者だったら殺せばいい」

リューク「ストーカーのストーカー。面白そうだな」

粧裕「あたしは尾行なんて初めてなんだから、ストーカーの様子をよく見ておいてね。うまくいったらちゃんとリンゴをあげるから」

リューク「その言葉を待っていた」
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