シンジ「具現化能力?」

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1 : ◆y7//w4A.QY :2017/12/11(月) 22:23:12.46 ID:ifvcBVkl0
ギャグテイストのSS書いてみたくなったんで投稿
100レスほどで完結させます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512998592
2 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/11(月) 22:26:22.43 ID:ifvcBVkl0
【ネルフ本部 ラボ】

リツコ「ええ、そうよ。今回、新薬の開発に成功したらしいの」

シンジ「えっと、なんですか? それ」

ミサト「シンちゃんはエバーのパイロットだから知ってると思うケド、ATフィールドの原理を試した薬ってこと♪」

リツコ「空間を歪め、認識能力に干渉するほど強力な磁場を発生させる。当人が妄想した思考に対し“自分は最初からそうだった”と他人に刷り込ませるのよ」

シンジ「は、はぁ。そんなのが可能なんですか」

リツコ「理論上では。治験、すなわち、人体にどんな影響が出るのか未確定」

ミサト「そ・こ・で! どぉ? 試してみない?」

シンジ「……えぇっ⁉︎ 僕がですか⁉︎」

ミサト「一般から公募を募って効果を検証するにはあまりに危険っていうか、ちょっち、ね」

シンジ「そんなっ⁉︎ だからって、なんで僕がっ⁉︎」

ミサト「シンジくんなら、素直だし。あんまり突拍子もない妄想しないんじゃないかなぁ〜って」

シンジ「い、嫌ですよ! どんな副作用がでるかわからないんでしょっ⁉︎」

ミサト「まぁ、そりゃそうだけどぉ。妄想が本当になるならあんなことやこんなこともやりたい放題よん?」

シンジ「そんな話じゃ」

リツコ「これは碇司令から直接下された命令でもあるのよ。あなたをご指名でね」

シンジ「……っ! 父さんが、僕を……?」

ミサト「わざわざシンジくんを指名するってことは、碇司令が最適だとご判断されたのよ。お父さんの期待に、応えたくない?」

シンジ「……ずるいや、そんなの……」

ミサト「本当に効果がでるのかマユツバもんだしさ。深刻に考えないで、ね?」

リツコ「万が一、続行が難しいと判断された場合には即座に実験を中止すると約束するわ」
3 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/12/11(月) 22:47:56.33 ID:ifvcBVkl0
【30分後】

シンジ「あの、なにも起こらないみたいです」

ミサト「って言ってますけど?」

リツコ「シンジくん、今なにを考えてる?」

シンジ「え? その、お腹すいてきたなと……」

リツコ「ミサトに対してなにか妄想してみてくれない?」

ミサト「ぬぁっ⁉︎ ちょっと! なんであたしに対してなのよ!」

リツコ「この場には三人しかいないじゃないの。私は観測が必要だし、それに、暇でしょ」

ミサト「人を勝手に使うなって言ってんのよ!」

リツコ「シンジくん、かまわないからやってみて」

シンジ「いきなり、ミサトさんに妄想しろって言われても。なにをすればいいんですか?」

リツコ「なんでもかまわないわ。例えば語尾に『にゃ』をつけるとか」

ミサト「あたしもうすぐ三十路なんですけどぉ⁉︎ 今さらそんなのつけられたらただの痛い大人じゃないの! まったく!」

リツコ「あら、おばさんに近づいてるって自覚あったのね」

ミサト「へいへい。あんただって同い年でしょーが」

シンジ「(ミサトさんが語尾に猫みたいな言葉をつけてる姿を妄想すればいいのかな。……なんで猫なんだろう)」

リツコ「……どう?」

シンジ「今、やりはじめたところです」ジー

ミサト「おやおや。シンジくんから凝視されるのは珍しいかも」

シンジ「茶化さないでくださいよ。ただでさえイメージするの沸いてないんですから」

ミサト「悪かったわね! かわいいイメージじゃなくて!」

リツコ「集中させておあげなさいな」

シンジ「(リツコさんってもしかして、猫が好きなのかな? 猫好きなリツコさんか……)」
4 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/11(月) 23:18:05.93 ID:ifvcBVkl0
リツコ『どうしたにゃ?』

シンジ「ぷっ」

ミサト「シンジくん……? まさかあたしを想像してありえないとか吹いてるんじゃないでしょーね?」

シンジ「あっ、いや、その」

リツコ「ミサト、いい加減にしなさいにゃ」

シンジ「いっ⁉︎」

ミサト「はぁ、そうは言うけどさぁ。なんだか時間の無駄なような気がしてきちゃった」

リツコ「無駄な時間にゃんてにゃいのよ。試さなければ成功は生まれにゃいもの」

シンジ「り、リリツコさんっ⁉︎」

リツコ「にゃに?」

ミサト「どしたの? なんかあった?」

シンジ「み、みみみっ、ミサトさん! リツコさんがにゃって言ってますよ⁉︎」

ミサト「……? リツコは“元々こういう喋り方”じゃない」

シンジ「な、なにいって」

リツコ「やはり、まだ薬が浸透していにゃいのかしら」

シンジ「そういえば、さっき、他人の認識を歪めるって言ってた。本人だけじゃなく、まわりも……」

リツコ「シンジくん。しばらく様子を見ようと思うのにゃけど」

ミサト「薬の投与は続けるの?」

リツコ「もちろんにゃ。とりあえず、三日ほど様子を見たいにゃあ」

シンジ「ぶふっ」

ミサト「……? なにか面白いところあった?」

シンジ「(こ、これは、すごい薬なのかもしれない)」
5 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/11(月) 23:43:30.91 ID:ifvcBVkl0
【帰宅中 車内】

ミサト「さっきは、ごめんね」

シンジ「(いつまで効果が続くんだろう。やっぱり、妄想が他人に影響するって良くないことだよな)」

ミサト「あちゃー。もしかして、ふてくされてる?」

シンジ「……え? すいません、考え事してて」

ミサト「そう、それならいいんだけど。さっきのやりとり、謝っとこうと思って」

シンジ「なにをですか?」

ミサト「お父さんをダシに使うのは、悪いことしたかなって」

シンジ「あぁ…‥」

ミサト「本当は、薬なんてどうでもいいの。リツコがどうしてもっていうから建前上付き合ってるけど、息抜きの遊びになりそうだと思ったし」

シンジ「……」

ミサト「自分に対する言い訳ばっかりね。ごみん」

シンジ「気にしてないですよ」

ミサト「……助かる」

シンジ「あの、もし、仮になんですけど、この薬が本物だってわかったらどうなります?」

ミサト「本物って? 効果が確認されたらって話?」

シンジ「はい」

ミサト「さぁ……? 運用方法までは確認していないけど……妄想を他人に被せられるとしたら、用途は多岐に渡るんじゃないかしら」

シンジ「例えば?」

ミサト「ざっくり言うと、政治利用とか? 相手を選ばないのであれば取り引きに使えるんじゃない? だって、事実上相手を意のままに操れる、“支配”できる」

シンジ「(めちゃくちゃじゃないか)」

ミサト「ぷっ、真っ青な顔色しちゃってぇ。まさか、信じてるの? だぁ〜いじょぶよ! そんな都合の良い薬があるわけないんだから!」

シンジ「父さんは、どうしてこれを研究してるんですかね」

ミサト「そりゃあ、今言った通り、実現できればインチキ並みのポテンシャルがあるから?」

シンジ「そ、そうか……そうですよね」

ミサト「気楽にやって。ただのビタミン剤だと思えばいいからいいから」
6 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/12(火) 00:14:34.54 ID:7OfkqVDEO
【ミサト宅 リビング】

アスカ「ちょっとぉ〜? まだお風呂沸いてないじゃなぁ〜い!」

シンジ「あ……ごめん。忘れてた」

アスカ「ご飯食べた後に入るからスイッチ入れておいてって言ったのにぃ!」

シンジ「自分で押せばいいじゃないか」

アスカ「あんたがわかったって言うから信頼してまかせたのに。なぁ〜に、その言い草!」

シンジ「……わるかったよ」

アスカ「あぁ〜ぁ、見たいテレビ番組があるからその前に入ろうと思ったんだけどなぁ、今から沸かしてたら間に合いそうにないわねぇ」

ミサト「録画すれば?」

アスカ「ここにある録画機、先週に壊れたって伝えたけど?」

ミサト「……そうだったっけ?」

アスカ「家主がポンコツなら家電もポンコツね!」

ミサト「そりゃ申し訳ございません」

シンジ「どうする? お風呂、今沸かす?」

アスカ「ためといて。後で追い焚きして入るから」

ミサト「シンちゃん、先にはいっちゃいなさい」

シンジ「でも、洗い物ありますから」

ミサト「……アスカ」

アスカ「……?」ゴロゴロ

ミサト「ソファーで雑誌読みだしてないで。アスカが洗い物ぐらいしてあげなさい」

アスカ「えぇ〜〜〜〜っ⁉︎ なんであたしがぁっ⁉︎」

ミサト「たまにはそれぐらいしたってバチあたんないわよ。シンジくんは家事全般を一手に担ってるんだし」

アスカ「ミサトがすればいいじゃない!」

ミサト「あたしは家賃を払ってるのよ。家主として。いうなればあんたらは居候」

アスカ「横暴だわ! あたしはパイロットとしてネルフに従事してるのよ!」

ミサト「シンジくんだって、パイロットよ?」

アスカ「それはシンジが悪いのよ! 自己主張をはっきりしないから!」

ミサト「優しいからやってくれてるのよねぇ〜?」

シンジ「は、はぁ」

ミサト「それに比べて。今日ぐらいという言葉がでてこないもう一人の冷酷なこと」

アスカ「それを言う⁉︎ ヘルパーなり雇ったらいいだけの話でしょ!」

ミサト「ちょっち、お財布事情がねぇ〜」

アスカ「とにかく! あたしはい・やっ!」
7 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/12(火) 14:30:24.20 ID:BQLM+Xvz0
【ネルフ本部 執務室】

冬月「例の試験薬は息子に渡したんだべ?」

ゲンドウ「ああ」

冬月「そげな薬、実現可能だとオラには思えねぇっぺよ」

ゲンドウ「問題ない、効果は確認済みだ」

冬月「あんれまぁ〜……本当に試しただか?」

ゲンドウ「冬月、少し黙れ」

冬月「なんでだぁ?」

ゲンドウ「いや、いい」

冬月「しんがしまぁ、どういう風の吹き回しなのか見当がつかねぇ」

ゲンドウ「気まぐれだ。それ以上はない」

冬月「監視はどうすんだ?」

ゲンドウ「俺個人でやる。表だった動きはするつもりがない」

冬月「おどれーた。活用しねぇのか?」

ゲンドウ「……都会はどうだ?」

冬月「……? なんでそげなこと聞く? オラはここにきてなげぇど」

ゲンドウ「そうだったな」

冬月「子供に与えるにしてはやりすぎだと思うんだげどなぁ」

ゲンドウ「まだ解明する点はある。強力な暗示の状態と酷似しているからな。どの程度までなら本人や周囲の人間が違和感を感じないか不可思議だ」

冬月「……ところで試したっていづだ?」

ゲンドウ「……」

冬月「なんで目を逸らす」

ゲンドウ「タイムスケジュールに支障はない。確認すべきはその一点だ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/12(火) 15:08:15.10 ID:SKkrV6u7O
冬月www
9 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/12(火) 15:23:09.44 ID:pt384Az6O
【深夜 ミサト宅 リビング】

ミサト「んがーっ、んがーっ、ふごっ、ぬふふ、あんっ、だめよぉ。そんなところ……むにゃむにゃ」

シンジ「ミサトさん、ソファーで寝てちゃ風邪引きますよ」ユサユサ

ミサト「ん、うぅ〜ん、もう飲めないぃ〜」

シンジ「テレビもつけっぱなしで」

C.C『力があれば生きられるか?』

シンジ「……深夜アニメか。なんてやつなんだろう」パサ

ルルーシュ『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。貴様たちは……死ね!』

シンジ「コードギアス……。そういえばケンスケが面白いって言ってたような、再放送か」

クロヴィス親衛隊『くふっ、ぬっはっはっ、イエス、ユアハイネス!』パァンッ ドサ

シンジ「うわぁ、死んじゃった」

ルルーシュ『あの日から……俺はずっと嘘を付いていた。生きてるって嘘を。(中略)だけど手に入れた。力を。だから!』ニヤ

シンジ「あれ? もう終わりか。……妄想を具現化できるなら、僕にもあんなことが」

ミサト「んごーっ、んごーっ」

シンジ「碇シンジが命じる! 貴様たちは死ね!」ビシ

アスカ「……はぁ?」

シンジ「……」シーン

アスカ「なにやってんの、あんた」
10 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/12/12(火) 15:26:29.59 ID:BQLM+Xvz0
シンジ「まだ起きてたのっ⁉︎」

アスカ「まぁね。喉が渇いたから麦茶飲みにきたのよ。そんであんたはテレビにリモコン向けてなにしてんの」

シンジ「あっ! これは、そのっ、ちゃ、チャンネル変えようと思って!」アタフタ

アスカ「ふぅ〜ん」パカッ

シンジ「(いつも通りだ。僕の声は聞こえてなかったみたいだ)」ホッ

アスカ「これ最後の一杯分みたいだわ」コクコク

シンジ「あぁ、うん、わかった」

アスカ「……ふぅ。それじゃあたしは寝るから」

シンジ「おやすみ、僕もミサトさんを部屋に連れていったら寝るよ」

アスカ「あ、そーだ。ねぇ、シンジ」

シンジ「ん?」

アスカ「碇シンジが命じる!!」

シンジ「……っ⁉︎」ギョ

アスカ「……ホントにガキね」

シンジ「き、聞こえてたのっ⁉︎ そんな、ずるいよ! そのまま気がつかないふりしてくれれば!」パカ

アスカ「羞恥心はあるんだ? 言わなくてもよかったけど、あんまりにもマヌケな姿だったし」

シンジ「あ、う……」

アスカ「そういうのはGrundschule……こっちだと小学生だっけ? までに卒業するもんじゃないの?」

シンジ「その、普段はこんなことしないよ。さっきのはたまたまで」

アスカ「たまにでもやってるのが問題なのよ」

シンジ「(そうだ、アスカのイメージを……いや、だめだ。やっぱりそんなこと)」

アスカ「碇シンジが命じる!!」

シンジ「……二回もやらなくていいじゃないか」

アスカ「ぶっ、ふっ、改めて言うとおかしくなってきた」

シンジ「(だめだ、我慢、我慢しなくちゃ。アスカは一緒に住んでるんだから、たまたま居合せるのは当然で。やってた僕が悪いんだ)」

アスカ「明日、学校でヒカリに言ってやろーっと!」

シンジ「な、なにもそこまで! もういいじゃないか! 普段はやらないって言ってるんだから!」

アスカ「言われたくない?」

シンジ「当たり前じゃないか……恥ずかしいよ」

アスカ「どぉ〜しよっかなぁ?」

シンジ「(なんで、たった一度でここまで。アスカだって、だめだ、だめだだめだ)」
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