勇者「ドラゴンハート」

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235 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/03/20(水) 00:27:08.23 ID:M0a22y/A0

【逃走14日目 竜の巣のある山中】

姫「雪だ〜」ザックザック

奴隷「あまり遠くに行くとはぐれるぞ!」

姫「わかってます♪」ザックザックザック

奴隷「わかってんのかね?」

ドラゴン「元気があっていいではないか」ガタガタガタ

奴隷「平気か?」

ドラゴン「寒さに弱くてな」

奴隷「なんでそんな場所に巣つくるかね?」

ドラゴン「仕方あるまい、まさか800年後に火山活動が停止して雪山にかわるなどと誰がわかると思う!」

奴隷「おまえ、本当そればっかだな!」

奴隷「この調子で竜の巣にあるお宝売って逃走資金にあてる計画は大丈夫だよな?」

ドラゴン「たどり着けたらな…」

奴隷「……おまえまさか」

ドラゴン「まあ、ここは定番のセリフといこうではないか?」

ドラゴン「まず勇者が遭難したのか≠ニ……いや、スマン蹴るのは止めてくれ」

奴隷「遭難したのか!!?」

ドラゴン「遭難です!」

奴隷「死ね!」ドゴッ!
 
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 03:27:49.96 ID:yXO0C2PDO
やっと来たか乙
237 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/14(水) 01:59:39.58 ID:zIpWw6PA0

奴隷「このポンコツ!!」

奴隷「地上に来て緩んだのか!? さっさとポンコツ化した頭を治せ!」

ドラゴン「むう、儂とて無策でつれてきたのではないぞ? 昔出かける時には長期の留守にそなえ魔法の符丁、目印、暗号などなど… 思いつくだけ残しておいた」

奴隷「おお、じゃあさっそくそれを探しだせば…」

ドラゴン「うむ、問題は全部雪の下に埋まっとる点だが」

奴隷「この、 ド ポ ン コ ツ !!」

奴隷「どうすんだよ!シャレになんなくなるまえに山を下りるか?」

ドラゴン「だが収穫もある」

奴隷「おお!?」

ドラゴン「そうだな、実際この地に来てみて。わかった事が悪い事と良い事の2つあるのだが どちらから聞きたい?」

奴隷「え?遭難しておいてさらに悪い事あるの?」

ドラゴン「先に良い事から話そう!」

ドラゴン「良い事はエルフがこの地より離れた理由がこの寒さだという点だ」

奴隷「ん〜、その良い事≠チて少なくとも状況の改善になるような事とは違うような…」

ドラゴン「くっくっ、どんな素晴らしい発見だろうと必ずしも状況の改善につながるとは限らぬ」

奴隷「ああ、なるほど! それが悪い事≠ネんだな」

ドラゴン「まさにそれよ! 勇者もわかって来たではないか」

奴隷「はっはぁはぁ〜」
ドラゴン「はっはぁはぁ〜」

奴隷「死ね!」ドゴッ!
 
238 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/14(水) 02:03:45.41 ID:zIpWw6PA0

ドラゴン「ぐう、あまり本気で蹴るな…。寒さで縮んだウロコが響く」

奴隷「山を下りよう」

奴隷「暗くなって動けなくなる前に山を下りよう」

ドラゴン「うむ、それなんだがな…」

奴隷「まだ何かあるのか?」

ドラゴン「追っ手が周囲に囲まれておってな、下手に下りたら見つかるかもしれん」

奴隷「詰んでんじゃねえか!」ガシッ

奴隷「ひどい」ギリギリ

ドラゴン「あ、イタッ」

奴隷「雪山に連れてきて道に迷っただけでも相当なのに下りたら捕まるって空前絶後の壮絶ひどい」ギリギリギリ

ドラゴン「痛い痛い痛い!! 頭をしめるな!!」

奴隷「ゆるんだ頭に刺激あたえてんだからさっさと思い出せ!!」

ドラゴン「そんな都合よく思い出せるか!」

ドラゴン「よいか! 儂の巣とはそれすなわち儂が生涯をかけて集めた財宝を隠した宝物殿」

ドラゴン「見た目はただの洞窟なれどあらゆる者の侵入を防ぐために施された術は、高位の魔術師でさえ不可能!!」

姫「あっちに洞窟があったので休みませんか♪」

ドラゴン「おお! それこそ儂の巣に違いあるまい!」

ドラゴン「なにをしておる、置いていくぞ」ザックザックザック

奴隷「この旅の行先が心配になってきた…」
 
239 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/14(水) 02:05:35.11 ID:zIpWw6PA0

ドラゴン「ふむ、やはりここで正解か…」ペタペタ

奴隷「そんな入口で何やってんだ? 先に奥 行くぜ?」

ドラゴン「わかっておらぬな〜、そんなあからさまな場所罠があるに決まっておるだろ」

奴隷「あ〜、そうかい。 んで?秘密の入口に「開けゴマ」と呪文を唱えるのか?」

ドラゴン「くはっ、おとぎ話じゃあるまいし、勇者は自分の家に帰る時にはそう言うのか?」

奴隷「こいつ、巣を見つけたとたんに偉そうに」

ドラゴン「自分の家に帰る時はこう言うのだ」

ドラゴン「ただいま」


コ゛コ゛コ゛コ゛コ゛


 
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/14(水) 10:39:09.61 ID:KJSuxD1rO
生きてたんか!
ただ期間空きすぎて内容忘れたから少し読み直さんといけんな
241 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:31:11.16 ID:1iyQQEhA0

姫「ふわぁ」

奴隷「すげえ…」

キラキラキラキラ

ドラゴン「くっくっくっ、素晴らしいであろう?」

ドラゴン「数多の権力者を見てきたが金山まるごとくり貫いた天然の宝物殿を所有するのは、儂ぐらいよ」

姫「わたしの城とはスケールが違います…」

ドラゴン「で、あ〜ろ〜う〜な〜♪ ま、卑屈になることはない」

ドラゴン「魔界が出来て精々800年」

ドラゴン「それに比べて儂の黄金収集歴はざっと5000万」

姫 奴隷「ごせんまん!!?」

ドラゴン「くっくっくっ、言っておくが正解な時間はわからぬぞ。 何しろその時代には人間の祖先すら見当たらぬでな、暦の概念がまだなかったのだ」

奴隷「おまえ、歳いくつだよ?」

ドラゴン「ふむ、儂も実はよく知らぬのだ。 一度学者にいちばん古い記憶を聞かれ隕石の墜落≠ニそれによる氷河期≠ニ答えたらえらく驚いておったから驚くほど古いのであろう」
 
242 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:32:04.11 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「ま、こんな物は序ノ口よ」ガシッ

奴隷「急になんだよ?」

ドラゴン「よいか? ここでモテる雄のアドバイスよ」

奴隷「ああ、あのいつも役にたたないやつな」

ドラゴン「よいか? 雌は雄のナニを見て魅了されるかわかるか?」

奴隷「はいはい、財宝財宝。 すごいすごい」

ドラゴン「ブッブー! やっぱり勇者にはわからぬか〜〜」

奴隷「巣を見つける前もイラッとしたけど今も別の感覚でイラっとさせるな」

ドラゴン「それは強さ、すなわちパワー≠誇示させるのだ」ムキッ

姫「わーー」パチパチパチ

奴隷(疑いの眼差し)
 
243 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:34:39.43 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「これを見よ!」バッ

奴隷「木片?」

姫「わーー」パチパチ

ドラゴン「否っ! これこそ深海の主が住まい、竜宮城の大黒柱であるぞ!」

奴隷「つまり…木片?」

姫「わーわー」パチパチ

ドラゴン「これは大昔に儂と深海の主が知恵比べをした時の戦利品」

ドラゴン「当時のあやつは儂の所有するとある宝具にえらくご執心でな、儂に取り入ろうと猫なで声でまと割りついてきたのだ」

ドラゴン「それこそイカのように」

奴隷「それはどうでもよくね?」

ドラゴン「そこで下心の見抜いておった儂が双方の住みかで最も価値のあるものを交換しようと提案してな。乗ってきた瞬間、竜宮城の大黒柱をへし折って崩壊させてやったのよ」

奴隷「ひでぇ…」

姫「わぁ…」
 
244 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:35:43.04 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「いやいや、儂とて無傷とはいかぬかったのだぞ?」

ドラゴン「見よ見よ、柱のここに触手の跡がはっきりと残ってあるだろ?」

奴隷「その上のでっかい凹みは?」

ドラゴン「儂の反撃の一撃を頭に叩きつけた跡だな」

奴隷「ひでぇ」

ドラゴン「そうは言っても深海の主と豪語する海生軟体動物の高周波をともなう猫なで声は寛容な儂でも我慢の限界というのがあって」

奴隷「だからって家壊す必要ないだろ!」

ドラゴン「ならば次だ!」

ドラゴン「こちらは北端の呪術士集団ドルイドが造りし最古の魔獣!!」

ドラゴン「知識の象徴であるオウムの頭と当時の最強生物、人喰いクマをあわせもったその名もアウルベア!!」

ドラゴン「くっくっくっ、その噂を聞きつけた儂はさっそく挑みかかり、一捻りで倒したのち剥製にして持ち帰ったのだ…」

姫「この頭部、作り物ですね」

ドラゴン「ギクッ!」

姫「それにこれ剥製じゃなくて服のように着ることが出来るようになってます」

ドラゴン「ギクッギクッ!」

奴隷「ドラゴンさん?」
 
245 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:36:53.56 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「はい?」

奴隷「この魔獣はつまり偽物だったんだな?」

ドラゴン「だがよく出来た作りでな、動いたところなど本物と見間違えても仕方ないと…」

奴隷「よく出来た偽物だったんだろ!」

奴隷「何か? 噂聞きつけて行ったはいいが中に人が入っただけの偽物で?」

ドラゴン「うむ…、見た目は中に人間が入っているとは知らなかったのでな…」

奴隷「んで? 中の人ごと戦利品として持ち帰ったのか?」

ドラゴン「勇者よ、中の人などおらぬと言ってだな…。そこはなかなか繊細な案件なのだ」

奴隷「要するにただの着ぐるみじゃん!」

姫「着てみました♪」
 
246 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:39:56.95 ID:1iyQQEhA0

奴隷「ジー」

ドラゴン「なんだその目は?」

奴隷「おまえの言ってることをどこまで信じたらいいかと疑ってる目」

ドラゴン「何を言っておる、金銀だけが財宝ではない。 こういった物にも文化的価値というものが存在し」

奴隷「んで? これ見せたメスの反応は?」

ドラゴン「・・・・」

奴隷「ほらな〜」

ドラゴン「いや、これ、あれだから、まだ古い時代のだから」

ドラゴン「これから先は人間の他に亜人も生まれ文化も多様性に富み、儂の収集物も多彩な彩りをもってゆくぞ」

奴隷「多彩なゴミじゃないのか?」

ドラゴン「くっくっ、舐めてもらっては困る」

ドラゴン「儂の巣は次元の断層を利用しており想像よりずっと広い」

ドラゴン「見てまわるだくでも幾日もかかるダンジョンのような構造は全…」

ドラゴン「全…、何部屋だったかな?」



道化「全57部屋にそれを結ぶ305の通路と清潔な水場が30」
 
247 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:43:42.34 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「なっ…」

姫「どうして…」

奴隷「ここに?」


道化「ずっと待ってたのに遅いよ」
 
248 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:45:27.45 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「逃げるぞ!」ガシッ

バサッ!

姫「ドラゴンさん!」

道化「逃がすか! 槍隊整列!」

兵士「はっ!」

ガシャガシャガシャ

ドラゴン「くっ!」

バサッ!

姫「ドラゴンさん!」

ドラゴン「くはっ、逃げ道などいくらでもあるから心配するな!」

姫「うしろーー!!」

ドラゴン「なに?」

道化「無駄無駄ァ!」

ズバッ!

ドラゴン「ぐうっ」

ドザァーーー!!!

姫「ドラゴンさん!」

道化「さあ、年貢の納め時だせドラゴンさん」

ドラゴン「ナメるなぁぁーーー!!!」コォォォォ!!

ドラゴン「ドラゴンブレス!」

道化「灼熱閃光魔法!」


ドゴオォォーーン!!!!

ドラゴン「ぜぇぜぇ…」

姫「嘘? 相殺した?」

道化「今のはメラではない……」

道化「ギラだ」
 
249 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:48:03.69 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「それがどうしたー!」

ブォン!

道化「これはイオ」

ボゴン

ドラゴン「ゴホッ!」

道化「これはバキ」

ザシュザシュザシュ

ドラゴン「ぬう…」

道化「んで、こいつがメラ」

ボム!

ドラゴン「ぐっ!」

姫「大丈夫ですか?ドラゴンさん!」

ドラゴン「頭を出すな! こやつは姫を狙っておる」

道化「そうだよ♪ だからちゃんと守ってあげないと、姫様に当たったら僕が魔王様に叱られちゃう」

ボッボッボッボッボッボッボッボッボン

ドラゴン「ぐふっ!」

ドスーン!

姫「ドラゴンさ〜ん!」

ドラゴン「」

道化「ほい、拘束魔法」

じゃらじゃらじゃらじゃら

道化「ガッキン!」

道化「はい、一丁完了。 姫様のお帰りは魔王様もずっと待っておられます」

姫「嫌…」

道化「嫌って言われても三人仲良く捕まっちゃったらどうしようも…」

道化「あれ? 勇者様は?」

奴隷「後ろだ!!」
道化「後ろだ!!」

ガキーン!!

奴隷「ちっ」

道化「よう、久しぶり。 また剣の腕あげた?」
 
250 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:49:02.85 ID:1iyQQEhA0

道化「でもな」

パキッ!

奴隷「剣にひびが!」

道化「いけねぇな、勇者様。 地上より魔界のほうが武器の性能がいいのはロールプレイングゲームの基本だぜ!」
 
251 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:51:29.53 ID:1iyQQEhA0

道化「つまり、馬鹿にハサミ持たせたら危ねえってことだ!」

ザンッ!

奴隷「ちっ」

道化「さあ、いつまで持つかねぇ」

ザンッザンッザンッ

奴隷「くっ」

キン!

パキッ

道化「そらそら、気をつけないと折れちゃうぞぉ〜っと♪」

奴隷「くぅ…」

キン、キン、キン!

バキッ!

道化「さあ、こいつで仕舞いだ!!」

ブォン!

奴隷「くっはっ、うまくいった」


パーーーン!!!


道化「なっ、白羽取りだとぉ〜!?」

奴隷「馬鹿は馬鹿だな」

ドゴッ!
 
252 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:53:08.47 ID:1iyQQEhA0

道化「ごはっ、糞…」

奴隷「悪いな、折れた剣のかわりにこっちをもらうぜ」

道化「そりゃないんじゃない? 人の物を盗るなって言われなかった?」

奴隷「どの口が? まあ、惜しむ気持ちもわかるほどの良い剣だけど…」

奴隷「…なんだろう? 手に馴染む」

ドラゴン「勇者よ、ボサッとするより止めを!」

奴隷「お、おう」チャキッ

道化「きゃ〜助けて〜!」


道化「衛兵さ〜ん!」


衛兵「…気色の悪い声を出すな」スタッ

奴隷「なに!?」

ガッキーーン!!

衛兵「・・・・」

姫「衛兵さん…」

奴隷「おまえは…くそ! 敵か味方かはっきりしろ!!」

衛兵「悪いな、私も微妙な立場なのだ」
 
253 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:55:04.56 ID:1iyQQEhA0

奴隷「だから微妙じゃなくてはっきりしろと言ってるんだ!」

衛兵「…本心では戦いたくないと思ってるよ」

ドスッ!

奴隷「がはっ!」

衛兵「だがそれ以上に魔王様が怖いのだ!」

ドム!

奴隷「なんだそれ! 魔王のどこが怖いってんだ!」

衛兵「おまえは知らないだけだ」

ガスッ!

奴隷「またそれか、ドラゴンも何かあるならちゃんと言え」

衛兵「知ろうともしなかった子供が偉そうなことを言うな!!」

ボゴッ!ドガッ!

奴隷「なら俺はどうしたらいいか教えろ!」

衛兵「姫をつれて遠くまで逃げて欲しかった…」

奴隷「!!?」

ドゴッ!

メキッ!

奴隷「ぐうっ」

衛兵「それをピクニック気分であっさり見つかって、期待外れもいいとこだ」

奴隷「…ごめん」ドサッ
 
254 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 01:57:24.07 ID:1iyQQEhA0

ドラゴン「いかんな…」

姫「衛兵さんは魔界でも選り抜いた実力者ですから」

ドラゴン「それもあるが勇者に攻撃の意志がなさすぎる」

姫「なさすぎる?」

ドラゴン「うむ、どうも勇者は敵味方の判定が極端でな。一度仲間と思えば訓練中の手合わせでも剣筋に乱れがでるのだ」

姫「…長く友人がいない年月が続いたせいでしょうか?」

ドラゴン「…それ、本人には言うでないぞ」

姫「でも、それならどうしたら?」

ドラゴン「拘束を砕いて援護する。姫は隠れていてくだされ」グッグッグッ

姫「戦えますか?」

ドラゴン「お陰さまで友には恵まれておる」

バキッ!

ドラゴン「さあ、逃げろ!」

バサッ!

衛兵「!!?」

ドラゴン「ぬおぉぉぉ!!!」

バサッバサッバサッ!!

ドゴォ!!

衛兵「ぐぉっ! ドラゴン! そもそもはキサマがぁ!!」

ドラゴン「怒るでない、友人だろ?」
 
255 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 02:01:52.72 ID:1iyQQEhA0

道化「ほい拘束魔法」

じゃらじゃらじゃらじゃら

ガッシャン!

ドラゴン「ぬあ、また!?」

衛兵「道化、私ごと拘束してなんのつもりだ!!」

道化「はぁはぁ、剣はかえしてもらいますよ。 これがなくっちゃ魔王様からの密命が実行出来ないからね」

衛兵「密命だと!?」

道化「ええ、魔王様はこうおっしゃいました」

道化「籠の鳥は籠の中だからこそ価値がある。 価値もないのに手間どるようなら無理に連れて帰ることもない」チャキッ

姫「嘘? お父様が…」

道化「はい、手間なんでちゃっちゃっと死んでください姫様!!」

シュバッ!

奴隷「くそっ!!」

ドスッ!

姫「奴隷さまーー!!」
 
256 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 02:04:37.41 ID:1iyQQEhA0

道化「ほらよ!」

ズバッ!

奴隷「っあ!」

道化「あらよ♪」

ズブッ!

姫「やめてぇーー!!」

奴隷「はぁはぁ…」

道化「奴隷、さま、ね…」

奴隷「がはっ!」

姫「待っててください! 今、治癒魔法をかけます」

道化「無駄ですよ〜、3度目が致命傷になってます」

姫「なんてことを!」

奴隷「はぁはぁ、安心しろ姫。不本意ながら俺には女神の加護があるかぎり死んでも復活する」

道化「不本意か、そりゃけっこう!!」

ビリッ!

姫「何を!?」

道化「さあ姫様! 勇者様の背中を見てください、ほらここ魔王様の印と勇者の紋章があってごちゃごちゃしてたのがずいぶんとスッキリしたと思いません?」

姫「勇者の紋章が消えたから?」

道化「はい、こいつはまもなく復活することなく死んで本意をとげることとなります」

姫「何をしたの?」

道化「嘘をつきました」
 
257 : ◆VTkGRpPzmUQh [saga]:2019/08/15(木) 02:08:55.08 ID:1iyQQEhA0

道化「その1、姫を殺せと魔王様からの密命を受けたと言ったこと」

姫「そんなことでは!」

道化「そう、そんなこと≠ヘあり得ない」

道化「とっても特別な可愛い可愛い一人娘だから」

姫「そんなんじゃないです」

道化「ええ、ええ、そんなんじゃなくても勇者様は身をていしてかばってくれると思ったんです」

道化「だって、勇者様にはこの剣で刺されてもらう必要があったのだから」

奴隷「その剣は…なにがおかしい…」

道化「でしょうね、この剣は魔界の武器と言ったのも嘘なんですよ、勇者様」


道化「さあ、とくとご覧じあれ」

道化「この剣こそまだ幼き勇者が女神より加護と共に授かり」

道化「魔王殺しにして勇者の加護を消し去り勇者を殺せるたったひとつの武器」


道化「そう聖剣≠ネり!!」


 
258 : ◆VTkGRpPzmUQh [sage]:2019/08/15(木) 02:13:07.79 ID:1iyQQEhA0
今日はここまでです
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/16(金) 20:25:22.52 ID:m2te1SYDO
乙乙
待ってたで
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:57:55.31 ID:IHuDNWy0O
エタったな
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