トナカイ「サンタさん!私と友達になりませんか?」サンタ幼女「…は?」

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1 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:34:41.71 ID:vJtWtw7Mo
前スレ

トナカイ「もうすぐクリスマスですねぇ」サンタ少女「そうですね」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513503118/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514288081
2 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:35:52.69 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「か、鍵…?よく分からないですけど、私を…世界を!助けに来てくれた人ですよね!?」



女「…そいつは少し違うな」

女「世界を救うのはお前だ、トナカイ。私はその手助けに来た」



トナカイ「え?」

トナカイ「わ、私に…何をしろって言うんですか。こんなし、じゃなかった。トナカイに」



女「まあそう身構えるな。安心しろ、私は味方だ」

女「…もう時間がないんだがな、仕方ない。素早く理解しろよ」
3 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:37:42.09 ID:vJtWtw7Mo
女「今、この世界は侵略されている。外で暴れている奴等は幽霊とか怪物とか、こちら側から生まれたやつじゃない。外から扉を通って来た」


トナカイ「外から来たって…何者なんですか?あの化け物は」


女「さあな、それは私にも分からん。大昔に一度だけ、今と同じように奴等がこの世界に攻めて来た時があったんだが…」

女「…その時は追い返すので精一杯だった。奴等は死なないんだよ、そして生きている訳でもない」


トナカイ「どういうことですか…それって…」


女「存在しているだけ、と言った方が分かりやすいか?生物とは根本的に構造が違うんだよ、だから閉じ込めるくらいしか対処法がない」

女「私が苦労して扉を閉めてやったのに…大馬鹿野郎がまた扉を開けやがった。それでこの惨状だ」
4 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:38:42.63 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「…サンタさん」


女「あぁ、そのサンタ幼女が開けたんだ。最も…黒幕は他にいるがな」


トナカイ「く、黒幕?サンタさんも操られているだけってことですか!?」


女「別に、操られているというわけではない。扉を開けたのはサンタ幼女の意思だ」

女「助言をしたやつがいるんだよ。扉の存在を教え、誑かした悪魔がな」

女「心当たりはないか?やつが消える直前に、不自然に現れて、行動を共にしていた人物に。そいつが全ての元凶だ」


トナカイ「…ごめんなさい。分からないです」


女「そうか、まあいい。今更犯人探しをしたところで解決する問題でもないしな」

女「事はもう取り返しのつかないところまで進行している。今、人類の人口が何人まで減ったか知っているか?」
5 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:40:02.82 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「え、分からないです…」


女「2億だ。70億から一週間で2億、もう数%しか残っていない」

女「奴等は死という扉から出てきた存在だ。生から誕生した我々が呼吸をするように、死から産まれたモノは殺戮を繰り返す」

女「はっきり言うぞ、日付が変わるまでには人類は死滅する。地球は奴等に支配されるんだよ、もう全てが手遅れだ」


トナカイ「そ、そんな……じゃあもう…ど、どうしようもないじゃないですか…」


女「…だが、一つだけ手がある。絶望的な状況をひっくり返すような手段がな」

女「これを実行すれば、本来は覆すことが出来ない死んだ人間すらも蘇る」


トナカイ「!?」

トナカイ「い、一体なんですか!?それって!」
6 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:41:51.87 ID:vJtWtw7Mo
女「やり直すんだよ。全てを最初から、時間を戻せばいい」

女「そして、それが出来るのがトナカイ…お前だけだ。扉が開く原因になったサンタ幼女と因果を結んでいるのお前だけだからな」


トナカイ「じ、時間を戻す…因果…?」


女「あぁ、正確に言うと世界線を変える。世界はこうやって直線になって進んでいる」カキカキ

女「ここから、様々な選択肢によって世界は枝分かれしているんだ。パラレルワールドというやつだな」


トナカイ「…」


女「だが、今はこのパラレルワールドが存在しない。運命が一本道になっているんだよ、世界が滅ぶしか進む道がなくなっている」

女「だから、戻すんだ。こうなる前に、ここの世界線をぶっ壊して…全てが始まった時間からやり直す」

女「トナカイ、お前はこの世界が滅ぶ原因になったサンタ幼女と強く因果が結んでいるだよ…いや、お前も幼女という存在自体と深く繋がっているのかもな」
7 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:43:00.65 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「話は大体分かりました。でも……」

トナカイ「ど、どうやって時間を戻すんですか?タイムマシンがあるわけでもないですし…」


女「そこが重要なところだ。世界を戻す方法は2つあるんだが、その一つを行えるやつがもう既にくたばっている。強引だが、今までやったことのないもう一つの方法を試すしかない」

女「四つのミッションをして、世界の法則を乱すんだよ。グチャグチャになったところで、私の力で強引に時間を戻す」


トナカイ「ミ、ミッション?」


女「あぁ…一見意味のない行動に見えるが、裏から見ると全て一本の線で結ばれているんだ」

女「この世ではやってはいけないこと、それをお前にやってもらう。幼女と因果が強いお前がやることで、世界が変わるんだよ」


トナカイ「……」

トナカイ「わ、私が…世界を……」
8 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:43:34.54 ID:vJtWtw7Mo
女「どうだ?事態を把握したか?」


トナカイ「は、はい…分かりました」

トナカイ(そ、そうか…あの子はここまで全部見えていたんだ。この人の存在も)

トナカイ(私が頑張れば…全部元に戻る。死んだ人も、聖女さんも、サンタさんも…そしてあの人も)


トナカイ「…分かりました!やります!私に出来ることなら、何でも!」


女「…そうか、いい返事だ。では場所を移すか」


トナカイ「あ、すみません。ひとつ、質問をしてもいいですか?」


女「なんだ?」
9 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:44:11.28 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「あなたは何者なんですか?全てを知っていて、私の前に現れたあなたは…」


女「……」

女「私のことはどうでもいいだろ、どうせこの場限りの仲なんだからな。それより今から心の準備をしておけ、これからかなりきつくなるぞ」


トナカイ「そ、そうですよね。ごめんなさい」


女「では私の手を握れ。飛ぶぞ」


トナカイ「…え?飛ぶ?」


女「ほら、早く」クイッ


トナカイ「こ、こうですか?」ギュッ
10 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 20:45:08.85 ID:vJtWtw7Mo
シュンッ


トナカイ「!?」

トナカイ(えっ…な、なに?一瞬で別の場所に……ッ!?)


トナカイ「お、おえええええええ!!!!おえええええええええ!!!!」ゲロゲロ


女「あぁ、強引に道を作らずに瞬間移動したからな。慣れてないと気分が悪くなって当然か…先に言うのを忘れていた、すまないな」

トナカイ「しゅ、瞬間移動…?」ハァハァ

女「さて、早速四つのミッションその一だ」

女「あそこに浮浪者のような格好をした男が見えるだろ?数少ない人間の生き残りだ」

トナカイ「え、えぇ…いますね」


女「あいつに>>11しろ」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 20:47:04.80 ID:g9PimH84O
片方の角をあげる
12 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 21:09:27.13 ID:vJtWtw7Mo
女「お前の片方の角をあげろ」


トナカイ「!?」

トナカイ「えっ…つ、角をですか?私の?」


女「あぁ、片方だけでいい。それを自分でちぎって、あの男にあげろ」


トナカイ「え、あの、でも…」


女「どうした?何か不都合でもあるのか」


トナカイ「い、いえ…私達サンタさんのソリを引っ張るトナカイって、普通のトナカイと違って角が生え変わらないんです」

トナカイ「だから、この角は言わば称号のようなもので…トナカイにとっては命のようなものなんです」


女「お前、世界と自分の角、どっちが大切なんだよ」
13 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 21:49:23.06 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「…あの、これって世界が戻ったら元に戻ったりするんですか?角も…」


女「この世界で生きていくなら無理だな。諦めろ」


トナカイ「…」

トナカイ「わ、分かりました…やります」


女「早くしろよ。時間がないんだ」



トナカイ(トナカイの角はより長く、立派な物だと歴戦のトナカイと呼ばれ、尊敬の眼差しが浴びられる)

トナカイ(でも片角や角なしは…人間だとハゲのような扱いを受ける。蔑まれ、差別され、石を投げられることもある。ハゲのように)

トナカイ(…夢だったんだけどな。角を伸ばして、ベストトナカイ賞を取ることが)


トナカイ「…」
14 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:00:15.30 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「あのこれって、自分で角をちぎるんですか?」


女「あぁ、私は手出し出来ない。お前が自分で行動することで意味があるんだ」

女「少し姿勢がつらいと思うがな。地面に角を叩きつけて折ってもいいぞ」


トナカイ「…」スッ


トナカイ(…片角になりたくない。以前、一度だけ角のない同僚のトナカイを見たことがあったけど、酷い扱いを受けていた)

トナカイ(人間世界のハゲも、まるで豚を見るような目で見られていると聞いたことがある。笑われ、馬鹿にされ、イジメられる…なぜならハゲだから)

トナカイ(…でも、今は自分の夢とか将来はどうでもいい。私は自分よりも…)



トナカイ「ああああああああああああああああああっっっっっっっ!!!!!!!!!!」ブンッ
15 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:04:05.70 ID:vJtWtw7Mo
ボキッ!!!!!!!



トナカイ(大切な人がいるからッ!!)



女「おぉ、よくやった!見事に片方の角が折れたぞ」



トナカイ「はぁっ…はぁっ…こ、これでいいですか?」


女「あぁ、後はあの男に渡すだけだ。行ってこい」


トナカイ「分かりました…」スタスタ




男「……」




トナカイ「あの、ちょっといいですか?」
16 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:10:19.13 ID:vJtWtw7Mo
男「…」チラッ

男「あっ…あっ…し、鹿が喋ってる…」プルプル


トナカイ「いえ、鹿じゃなくてトナカイなんですけど…あの、これ」スッ

トナカイ「私の角です。貰ってください」スッ


男「あっ…あっ…」プルプル


トナカイ「…聞いてます?」


男「ひぃっ!?」ビクッ


トナカイ(あ、あれ…もしかして怖がってる?)

トナカイ(今まで何か自然と馴染んでたような気がしたけど…喋るトナカイがいたら、普通はこんな反応なのかな)
17 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:15:09.33 ID:vJtWtw7Mo
男「うわ、あっ…あっ…」プルプル

男「だ、誰かああああああああああ!!!!!助けてくれええええええええええええ!!!!!!!」ダッ


トナカイ「!?」

トナカイ「え…に、逃げちゃいました…」




トナカイ「あの…男の人、どっか行っちゃったんですけど」


女「何戻ってきてるんだよ!お前アホか!」

女「いいか?角を渡すところまでがミッションなんだぞ。これをしないと世界が戻らない」

女「早く追いかけろ!向こうが拒否をしても渡してやれ、最悪気絶させても構わん!」


トナカイ「わ、分かりました!追いかけてきます!」ダッ
18 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:20:08.54 ID:vJtWtw7Mo
男「ひぃっ…ひぃっ…」ダッ



ダダダダダダダダダッ!!!!!!!!



男「…?」クルッ



トナカイ「」ダダダダダダダダダッ



男「う、うわああああああああああああああああ!!!!!!!!」ダッ






トナカイ「追い付いた…あの、これ私の角なんですけど、貰ってくれますか?」

男「た、助けてくれぇ…死にたくなぃ…」ブルブル


トナカイ「貰 っ て く れ ま す か ?」


男「い、いやだぁ…」ブンブン
19 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:24:51.13 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「……分かりました」

トナカイ「先に謝っておきます。ごめんなさい、でも世界の為なんです」


男「…?」



ブスッ



男「うげっ!?」

男「」バタッ



トナカイ「安心してください。峰打ちです、刺さってはいません」

トナカイ「では、私の角を貰ってくださいね。はい…こうやって腕に抱えて」


男「」ギュッ


トナカイ「よし!これでいいはず!」
20 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:30:50.67 ID:vJtWtw7Mo
トナカイ「渡してきましたよー!」


女「あぁ、よくやった。これで四つのミッションの内の一つはクリアだ」

女「では次の場所に向うぞ。手を貸せ」


トナカイ「…これから先のミッションも、今回みたいなことをするんですか?」


女「それについては教えられんな。どうした?怖気づいたのか」


トナカイ「…いえ、そんなことはないです」

トナカイ「行きましょう。世界を救いに」


女「いい顔だ。では行くぞ」





シュンッ
21 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/26(火) 22:33:08.29 ID:vJtWtw7Mo
今日はここまで
何かどこかで見たような最終章ですね
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 22:34:50.04 ID:08f3Urzu0
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/26(火) 22:39:55.00 ID:2ZqLLo29O
おつ
24 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 18:48:21.37 ID:ek86WSNeo
シュンッ


トナカイ「うぷっ!?おえええええええええええ!!!!!」ゲロゲロ

女「大丈夫か?」ポンポン

トナカイ「うっ…は、はい。ありがとうございます」


トナカイ「ここは…どこですか?」キョロキョロ


女「もう直に、この近くをある女が通る。今回のミッションはその女が対象だ」

トナカイ「つ、次は女の人ですか。何をするんですか?」

女「お前はその女に>>25しろ」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 18:48:53.71 ID:XCTyDenNo
撫でてもらう
26 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 18:56:40.63 ID:ek86WSNeo
女「その女に撫でてもらえ」


トナカイ「ほっ…な、なんだ。結構普通のミッションですね。また角を折れとか言われたらどうしようかと思いました」

トナカイ「ただ撫でてもらうだけでいいんですか?」


女「あぁ、それだけでいいんだが…ちょっと耳を貸せ」

トナカイ「え?なんですか」スッ


ゴニョゴニョゴニョ


トナカイ「―――!!!!!?????」カァ

トナカイ「なっ…な、な、な…そ、そんなところも撫でてもらうんですか!?」


女「あぁ、そうだ。出来るな?」
27 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:01:27.36 ID:ek86WSNeo
トナカイ「い、いや出来るかって…そりゃやるしかないでしょうけど……」

トナカイ「恥ずかしいというか…撫でる人も困るというか…そ、その人の心に傷がついたらどうするんですか…?」


女「お前、心の傷と世界、どっちが大切なんだよ」


トナカイ「で、でも…倫理的に、コンプライアンス的に問題が…」


女「…そうか、なら仕方ないな。今ならまだ引き返せる」

女「じゃあな。ここでお別れだ」スタスタ


トナカイ「!?」

トナカイ「ま、待ってくださいよ!」ガシッ
28 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:06:06.91 ID:ek86WSNeo
女「なんだ?出来ないんだろ。ならもう終わりだ」


トナカイ「わ、分かりました!やりますから!」

トナカイ「だから帰らないでください!お願いします!」


女「最初からそうしろよ。そろそろ時間だ。女が現れるぞ」チラッ


トナカイ「う、うぅ…なんでこんなことまで…」









OL「はぁっ…はぁっ…」タッタッタ
29 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:11:59.75 ID:ek86WSNeo
OL「はぁ…はぁ…ば、化け物はもう追ってこない?」クルッ

OL「ど、どうしよう…早く隠れられる場所を見つけないと…こ、殺される…」ブルブル


トナカイ「あの」


OL「誰…」クルッ

OL「!?」ビクッ


OL「し、鹿が喋ってる…ゆ、夢?」ブルブル


トナカイ「いえ、鹿じゃなくて…トナカイです。安心してください、危害を加えるつもりはありません」

トナカイ「私の話を話を聞いてもらえませんか?」


OL「え、えぇ…」
30 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:17:20.03 ID:ek86WSNeo
トナカイ「…と、言うわけで…今、世界は大変なことになっているんです。今からすることは世界の命運を変えることになる重要な行為なんです」

トナカイ「おわかりいただけましたか?」


OL「ぜ、全然分からないんだけど…」

OL「え、つ、つまり…私が君を撫でるだけでいいの?」


トナカイ「はい、でもただ撫でるわけではなくてですね」

トナカイ「…ちょっと耳を貸してもらえませんか?」

OL「?」スッ



ゴニョゴニョゴニョ



OL「はぁっ!?そ、そんなところを撫でるの!?」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 19:22:51.34 ID:oniQrC5Go
どこだよ
32 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:47:13.84 ID:ek86WSNeo
トナカイ「はい、お願いできますか?」

OL「い、いや無理…!絶対無理だから!」

トナカイ「そこを何とか!これをやってもらえるだけで世界が救えるんです!!お願いします!」

OL「む、無理だって…こ、来ないでよ…」

トナカイ「世界の為なんですってばぁ!!!!!」



OL「い、いやああああああああああああああ!!!!!!!!」ダッ




トナカイ「待ってくださいよぉ!」ダッ
33 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:53:56.23 ID:ek86WSNeo
OL(な、なにあの鹿!?へ、変態…近寄らない方がいい!)

OL(早く逃げないと!あーもう…今日は厄日だわ!)



ダダダダダダダダダッ‼‼‼‼



OL「…?」クルッ



トナカイ「」ダダダダダダダダダッ



OL「ひ、ひぃっ!?」



トナカイ「捕まえました!お願いします!撫でてください!」

OL「い、いやぁ!離してぇ!!」

トナカイ「あーもう…あなたが悪いんですよ!自分から触ってくれたらこんなことしないで済んだのに…」ガサゴソ

OL「い、いやあああああああああああああ!!!!!誰か助けてえええええええええええええ!!!!!!」
34 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 19:59:08.57 ID:ek86WSNeo
ワチャワチャ ワチャワチャ


女「よし、あの調子なら二つ目もクリアだな。あいつも乗り気になってきたか」

女「あと残りは二つ…何とか間に合いそうだな」チラッ




ズズズズッ……



異形『…』




女「ん?あぁ、あの女を追いかけたきた奴か」

女「まったく…どこにでも現れるな。貴様らは…まるでゴキブリのようだ」



異形『…』



女「残念だが、邪魔をさせるわけにはいかない。そこで大人しくしていろ」グッ
35 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 20:07:29.15 ID:ek86WSNeo
ズシンッ



異形『…』ググッ



女「こんな雑兵相手でも抑えつけるのでやっとか。私もかなり弱体化しているな」

女「急がねば…上で暴れている奴等が降りてくる前に全てを終わらせないと手遅れになる」



トナカイ「撫でてもらいましたよー!」



女「あぁ、よくやった。これで二つ目のミッションクリアだ」


トナカイ「…あれ?そこにいるのって…っ!?」

トナカイ「あ、あの化け物…」ブルブル


女「安心しろ、こちらに手出しは出来ない。すぐに次の場所へ向かうぞ」
36 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 20:13:40.20 ID:ek86WSNeo
トナカイ「は、はい。分かりました」

トナカイ「…すみません、また質問してもいいですか?」


女「なんだ。急いでいると言っているだろうが」


トナカイ「聖女さん、って知っていますか?サンタ協会会長の」


女「あぁ、一応顔見知りだな。そこまで親しい仲ではないが」

女「あいつは人が苦しむ姿を見て快感を覚えるタイプだからな。私が嫌いなやつとよく似ている」


トナカイ「そ、そうですか…いや、その聖女さんが言っていたんです。助けてくれる人が来るから待てって」

トナカイ「それに…予知能力を持っていた幼女も同じことを言っていました。あなたは有名人なんですか?」
37 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 20:19:00.49 ID:ek86WSNeo
女「有名…と言えば有名だな。あまり目立ちたくはないが、私の力は派手だからな」

女「それがどうかしたか?」


トナカイ「…いえ、ただ聞いてみただけです。ごめんなさい」


女「そうか、では行くぞ。掴まれ」

トナカイ「はい」スッ

女「今から行く場所には敵がいる。だから声は出すなよ、静かにするんだ」シーッ

トナカイ「て、敵ですか!?」

女「黙っていれば問題はない。飛ぶぞ」





シュンッ
38 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 20:29:15.52 ID:ek86WSNeo
シュンッ



トナカイ「っ!?」ウプッ

女「…!」シーッ

トナカイ「…!…!」コクコクッ

女「…こっちだ。ついてこい」ボソッ



スタスタ スタスタ



トナカイ(ど、どこだろう…ここって、建物の中だと思うけど)

トナカイ(な、何か薄気味悪いな。空気が悪いっていうか、息苦しいというか)

トナカイ(…敵ってどんなだろ。あの化け物なのかな)
39 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/27(水) 21:11:50.35 ID:ek86WSNeo
今日はここまで
年内には終わると思います
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 22:55:36.55 ID:gMdvIOOzO
おつおつー
これ以外に今年書いたのあるの?
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/27(水) 23:42:50.11 ID:7n+7WE100

まるでダンブルドアとハリー
42 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/28(木) 00:43:37.25 ID:c4Xpz//Yo
>>40
吸血娘「死なないハゲってさ、不老不死ってより不毛不死だよね」屍男「…」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507896137/

スレが残ってるのだとこれですね
…こいつまた約束破ってる
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/28(木) 00:55:00.14 ID:4VtUhsBpo
同じ作者だったのか!確かにキャラが似てる
ぶっ飛んでる女の子が好きなんだね
44 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:28:31.42 ID:owmFcIx4o
女「…」チラッ

女「…この部屋だな」スッ

トナカイ「?」



ガラッ



女「おい、お前ら動くなよ」




会社員「…」

主婦「…」

老婆「…」




トナカイ「!?」

トナカイ(えっ…人間?も、もしかして敵ってこの人達のこと?)
45 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:29:35.83 ID:owmFcIx4o
会社員「…なんだテメェはぁ!!!!」ダッ


女「……」グッ



会社員「うぐっ!?」ググッ

会社員「がぁッ…あガッ………ッ!?」ピクッ

会社員「」バタッ



トナカイ「えっ…?」

トナカイ「あ、あの…な、何したんですか?この人達は一体…」


女「こいつらは奴等の味方だ。今から私が殺すからそこで見ていろ」スタスタ


トナカイ(み、味方?殺す?)


会社員「」


トナカイ「ひぃっ!?」ビクッ
46 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:30:11.33 ID:owmFcIx4o
主婦「あ、あああああああああっっっっっ!!!!!!!!」ダッ


女「逃がすわけないだろうが」グッ


主婦「!?」ブンッ

主婦「ギャアアアアアアア……アアアアアアアアアアア………!」ググッ

主婦「」バタッ



女「これであと残り一人だ」



老婆「…」

老婆「た、助けてください…無理矢理ここに…」



女「は?そんなの信じる馬鹿がどこにいるんだよ」スッ

トナカイ「ま、待ってください!この人達があの化け物の味方ってどういうことですか!?」バッ
47 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:31:00.33 ID:owmFcIx4o
女「あ?どういうことも何も、こいつらはあのサンタ幼女と同じで扉を開いた大馬鹿共の一味だ」

女「元凶がいると言ったろ、そいつの仲間がこいつらなんだよ。もう何十年も前から扉を開こうとしていた…いや、三度開こうとしたと言った方が正しいか」

女「死んで当然のやつらだ。わ…全人類の仇のようなものだからな」


老婆「…」


トナカイ「で、でも!そのおばあちゃんの話を聞いてみてもいいじゃないですか!訳があるみたいですし」

女「…お前、あんなくさい芝居に騙されたのか。よく見てみろ、懐に包丁を忍ばせているぞ」

トナカイ「え?」クルッ



老婆「ウシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!」ダッ
48 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:31:58.62 ID:owmFcIx4o
トナカイ「!?」ビクッ

女「目を見れば嘘をついているかぐらい分かるだろ。マヌケが」グッ



老婆「ギャアッ!?」ググッ



トナカイ「あっ…あっ…」ブルブル


女「おい、トナカイ。三つ目のミッションだ。そこに落ちている包丁があるだろ」

女「ちょっとお前の手だと握りにくいかもしれんが、それを取れ」


トナカイ「ほ、包丁ですか…?」

トナカイ「んっ、ほいっ…あ、取れました。ど、どうするんですかこれ」ヒョイッ


女「そいつで自分の>>49を斬り落とせ。少々痛いと思うが我慢しろ」


トナカイ「!?」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/29(金) 18:32:26.24 ID:a5WnoNIL0
50 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:44:27.17 ID:owmFcIx4o
女「お前の右前足の蹄を自分で切断しろ」グッ

老婆「アグぅッ…ゴゥッ……」ググッ


トナカイ「え、えっ…ひ、蹄って…そ、そんな……」


女「そして、ここからが難しいんだがな、そいつをまた二つに包丁で切って、一つを食え。もう一つは残しておくからまだ食わなくていい」ポイッ

老婆「」バタッ


トナカイ「た、食べるんですか!?自分の蹄をっ!?」


女「あぁ、そうすることで、お前自身が鍵としての力を身に宿すことが出来る」

女「多少の痛みは我慢しろ。これも世界を救う為だ」
51 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 18:54:32.07 ID:owmFcIx4o
トナカイ「ひ、蹄を切って食べるなんて…」ブルブル

トナカイ(う、うぅ…ど、どう考えてもおかしい。常軌を逸している…)

トナカイ(そ、それに…こんな簡単に人を殺すなんて…こ、これじゃあの化け物と同じ…)チラッ



会社員「」

主婦「」

老婆「」



女「おい、どうした。早くしろ」


トナカイ「ひっ…」

トナカイ「む、無理ですっ!ごめんなさい!!」ダッ


女「あ、おい!待て、逃げるな!」
52 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 19:13:30.10 ID:owmFcIx4o
トナカイ「ハァッ…ハァッ…」ダダダッ

トナカイ(に、逃げないと!逃げないと…!)


女「おい、今更それはなしだろ」スタスタ


トナカイ「!?」ビクッ

トナカイ(えっ…う、嘘、なんで前から突然…)


女「あのな、もう逃げられないんだよ。二つ目のお願いの時に言ったろ、今なら引き返せるって」

女「だがお前は進むことを選択した。三つ目のミッションになったら戻ることは許されない。進むしかないんだ」


女「…ほら見ろ。お前が逃げたせいで状況がまた変わった」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



トナカイ「じ、地震っ!?」
53 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 19:18:21.97 ID:owmFcIx4o
女「お前は世界の鍵なんだ。お前がする行動によって、世界がどちらに傾いてもおかしくないんだよ」

女「今の逃げるという行為のおかげで、かなり不味い事態になったぞ…上で暴れている奴等が降りてきた。もう本当に時間がない」


トナカイ「う、上?どういうことですか…?」


女「後ろを見てみろ、この世とあの世の狭間がなくなってきている。死者が歩き出すぞ」


トナカイ「後ろ…」クルッ





会社員「」フラッ

主婦「」ピクッ

老婆「」スッ
54 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 19:25:42.91 ID:owmFcIx4o
トナカイ「!?」ビクッ

トナカイ「なっ…あ、あの人達は今さっき、あなたが殺したはずじゃ……」


女「あぁ、確かに殺した。だが魂がまた肉体に戻って、怪物となりまた動き出したんだよ」

女「これで死という概念は崩壊した。今頃世界中でゾンビ共が動き出しているだろうな。まさに地獄だ」


トナカイ「じ、地獄…私のせいで…」


女「とにかく、こっちの部屋に入れ。鍵は閉めておけよ。あいつらが入ってくるからな」スタスタ


トナカイ(私が…我が身可愛さで逃げたせいで…もっと酷いことに)

トナカイ(ど、どうしよう…約束したのに。私は……)
55 : ◆gqUZq6saY8cj [saga]:2017/12/29(金) 19:33:29.86 ID:owmFcIx4o
バタン


女「さて、悪いニュース続きだが…少しミッションの内容が変わってしまった」

女「先程までは蹄一個でよかったが、お前の行動によって、それだと足りなくなった」


トナカイ「足りなくなったって…」


女「もう一つ、お前には自分の部位を切断してもらう」

女「だが半分自己責任のようなものだ。大人しく腹を括れ」


トナカイ「も、もうひとつは一体どこなんですか?」


女「>>56だ」
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