【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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577 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:39:30.01 ID:6ScmyZv60
エリカ『カモさんチームはまだ戦闘は難しいでしょうけど、B1は装甲が厚いわ

    焦らず、麻子たちの指示を聞いて出来る事からやって』

そど子『はい』

エリカ「レオポンさんチームは操縦に関しては心配してないわ。でも、癖が強い戦車には変わりがない。

    実戦形式で動かす中で、そのあたりを掴んで本番でもしっかり動かせるようにして」

ナカジマ『オッケー』

エリカ「それじゃあ始めましょう」
578 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:43:11.47 ID:6ScmyZv60





桃『アヒルさんチームだ撃て撃てーっ!!』

エルヴィン『うぉおおおおおっ!?なんでっ!?なんでこっち飛んでくるっ!?』

桃『また外れか……』

ねこにゃー『いやあれはもはや空間が曲がってないとおかしい弾道だったような……』

典子『何か知らないけど今のうちに逃げよう』
579 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:45:12.89 ID:6ScmyZv60






ゴモ代『う、うわわっ、冷泉先輩どうすればっ!?』

麻子『こう、レバーをグイっとしてなんかこう、シュッってやった後ウィィィンってやればいい』

ゴモ代『わかりませーんっ!』

そど子『ちょっと冷泉さんっ!ちゃんと教えなさいよっ!!』

麻子『……めんどくさいな』
580 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:47:41.73 ID:6ScmyZv60





ホシノ『ナカジマーエンジンがお熱っぽいぞ』

ナカジマ『仕方ない、ちょっとあやすね』

梓『嘘っ!?走りながらっ!?』

優花里『設備の無いところであのレベルの修理をできるだなんて!信じられないです!!』
581 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:48:48.38 ID:6ScmyZv60





左衛門座『ウサギ狩りだーっ!!』

梓『あんなところにっ!?』

エルヴィン『背の高いお前らはよく見えていたぞ』
582 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:49:41.57 ID:6ScmyZv60




シュポッ シュポッ

エルヴィン『……相打ちか。まさか車高の高さを利用してあんな攻撃をしてくるとはな』

梓『まさか車高の低さをあんな形で利用してくるだなんて……』

エルヴィン・梓『『……ま、実戦じゃ絶対できない動きだけど』』





エリカ「終わったわねー?それじゃあチームを変えてもう一回よ」

『はーい!』

エリカ「……」






エリカ「沙織、華……」ボソッ





583 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:52:26.38 ID:6ScmyZv60






エリカ「……」モグモグ

麻子「……逸見さん」

エリカ「麻子?なんでこんなところに……」

麻子「私の昼寝スポットは学園艦の各地にある。ここもその一つだ」

エリカ「そ、そう」

麻子「逸見さんはまたぼっち飯か」

エリカ「言ってくれるわね……」

麻子「秋山さんはどうした」

エリカ「……正直、今はあの子と話しても傷つけるだけよ」

麻子「……隣、いいか?」

エリカ「いいけど……昼寝はどうしたのよ」

麻子「少し、話をしよう」

エリカ「……」
584 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:57:00.35 ID:6ScmyZv60
麻子「逸見さん。沙織が何であんなに怒ったかわかるか?」

エリカ「……説教ならやめてほしいわ」

麻子「そうじゃない。ただ、沙織が誤解されているのはあまり嬉しくないから」

エリカ「誤解?」

麻子「沙織は、逸見さんが西住さんとやらの死を侮辱したから怒ったんじゃないんだ」

エリカ「……なら、何よ?」

麻子「沙織は逸見さんの『酷い言葉』に怒ったんじゃない。酷い言葉を『逸見さん』が言ったから怒ったんだ」

エリカ「……」
585 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 18:59:15.76 ID:6ScmyZv60
麻子「私は沙織が誰かをぶつのも、あからさまに人を避けるのも初めて見た。……沙織は誰とでも仲良くできる。

   もちろん中には反りが合わなかったりする奴がいたかもしれん。それでも沙織は表面上を取り繕って波風をたてないようにする。お互いのためにな」

エリカ「よくやるわね」

麻子「ああ、私もそう思う。だけど逸見さんにはああいう態度をとった。その意味を、その理由を……理解してほしい」

エリカ「……」

麻子「言いたいことはそれだけだ。こないだ言った通り、二人が仲直りしようがしまいが私は最後まで逸見さんについていく。……後は好きにするといい」スクッ 

エリカ「麻子」

麻子「……」

エリカ「私は、沙織を誤解したことなんて一度もないわ」

麻子「……なら、それをちゃんと言ってやれ。話せばわかるのに勝手に決めつけて、それが最後になるだなんてのを私は……もう見たくないんだ」スタスタ

エリカ「……はぁ、私って本当に馬鹿ね」
586 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/21(水) 19:00:31.89 ID:6ScmyZv60
相変わらず自分の文章は三点リーダーの消費が多いなぁと思います。

今日はここまで。次は土曜で。
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/21(水) 19:02:47.47 ID:9qORbLqq0
乙ー
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 00:41:11.09 ID:jhCntQN90
乙ッ!
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 04:17:12.98 ID:VHgu0Gl7o
乙ー
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 09:25:27.78 ID:RwdfsBLcO
乙、桃ちゃんやるやん
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 09:54:06.97 ID:HNnspzTSO
でもモテない
592 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:10:14.83 ID:bE28mdZg0




キーンコーンカーンコーン


ザワザワ

カエリドッカヨローヨー

ジャア、ワタシ アマイモノタベターイ




エリカ「……」

沙織「……華、帰ろう」

華「……はい」
593 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:13:51.12 ID:bE28mdZg0
エリカ「……っ沙織、華っ!!」ガタッ

沙織「……」

エリカ「あなた達と話がしたいっ!!」

沙織「……私は、逸見さんと話したくない」

エリカ「っ……」

沙織「……華、行こ」スタスタ

華「……沙織さん」


ガシッ

エリカ「お願い、話を聞いてっ……」

沙織「っ……うるさいっ!!」ダッ

エリカ「沙織……」
594 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:16:00.97 ID:bE28mdZg0






優花里「追ってくださいっ!!」






エリカ「優花里……?」

優花里「いいからっ!!早く行ってっ!!ここで諦めたら――――きっと後悔しますよっ!?」

エリカ「――――うんっ!!」ダッ
595 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:21:41.53 ID:bE28mdZg0
優花里「……エリカ殿、頑張ってください」

麻子「まったく、騒がしいやつらだな」

優花里「麻子殿……」

麻子「……秋山さん」

優花里「?」

麻子「……大丈夫だ」

優花里「……はいっ」





華「……私、置いてけぼりですね」

優花里「あ……」
596 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:25:19.89 ID:bE28mdZg0





ダダダダダッ!!

エリカ「沙織っ!!」

沙織「ついてこないでっ!!」

エリカ「嫌よっ!絶対に逃がさないわっ!!」



カエサル「何やってんだあいつら……」

エルヴィン「ラップランドか?」

カエサル「ゲルマン民族大移動だ」

左衛門座「いや、島津の退き口だな」

おりょう「いやいや逃げの小五郎ぜよ」

「「「それだっ!」」」



典子「隊長、ランニングですかっ!?お付き合いしますっ!!」

ねこにゃー「キャプテン、それは違うと思うな……」
597 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:28:53.75 ID:bE28mdZg0




ダダダダダッ!!


沙織「逸見さんとはもうなんでもないんだからっ!!」

エリカ「今さら他人行儀な呼び方しないでっ!!」






梓「エリカ先輩に武部先輩……?」

あや「どうしたんだろ?」

優季「痴話喧嘩かもよぉ?」

あや「男の取り合い……」

梓「変なこと言わないでっ!!」

紗希「……」ボーッ
598 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:32:07.85 ID:bE28mdZg0





ダダダダダッ!!


エリカ「お願いっ話を聞いてっ!!」

沙織「うるさいうるさいっ!!」





杏「逸見ちゃんたち何してんだろ」

柚子「廊下は走っちゃだめだよー……」

桃「武部の奴、体調不良だと言ってたのに元気じゃないかっ!?」



ナカジマ「廊下でレースかな?」

ホシノ「学校での交通ルールは守らないと」



ダダダダッ!

そど子「あなた達廊下を走るとか何考えてるのー!!」

ナカジマ「……参加者が増えたね」
599 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:38:46.59 ID:bE28mdZg0





―屋上―



沙織「はぁっ……はぁっ……」

エリカ「ぜぇ……ぜぇ……もう、逃げ場はないわよ……」

沙織「……もう、なんなのっ!?あなたと私はもう何の関係もないんだからっ!!」

エリカ「……沙織。私は……ここで終わりだなんて嫌」

沙織「っ……」

エリカ「沙織、私が嫌いなら、信頼できないならそれでも良いわ。だけど、私は――――」

沙織「こないでっ!!」

エリカ「……」

沙織「ねぇ、あなたは誰なの……?」

エリカ「っ!?何、言って」

沙織「私、あなたの事何も知らない……みほさんの事も、黒森峰での事も……」

エリカ「……沙織」
600 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:42:10.96 ID:bE28mdZg0
沙織「えり、逸見さんがみほさんをどう思ってるかっていうの、あれ本当なんだよね……?」

エリカ「……ええ。あの言葉は間違いなく――――私の本心よ」

沙織「それがわかったから私は……でも、私はあなたの優しいところもたくさん見てきたっ……」

エリカ「……」

沙織「あなたが戦車道に強い思い入れがあるって知ってる。だけど、あなたはそれを押し付けたりしなかった。

   厳しい時もあったけど、それがあったから皆戦車道を楽しんでる。一年生チームだって、あなたの厳しさがあったから本気になれたって

   アリクイさんチームも、あなたが見つけてきたんだよ……?」

エリカ「勝つために必要だと思ったから。……かもしれないわよ」

沙織「バレー部やアリサさんのために自分を傷つけて」

エリカ「……それが最適解だと思ったから」

沙織「自動車部の皆にだって、ずっと仲間だと思ってたって……」

エリカ「……それも、」

沙織「あなたはそんなに器用な人じゃないよ」

エリカ「……何も知らないだなんてよく言うわね。私の事、よく見てるじゃない」
601 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:47:36.16 ID:bE28mdZg0
沙織「ねぇエリカ。私達、あなたと出会ってまだ半年も経ってないんだよ?なのにエリカと出会ってから今日まで、本当に長かった。あなたとの思い出が沢山できたっ……」

エリカ「……私もよ」

沙織「でもね、だからかな。……あの時のあなたがどうしても許せなかった」

エリカ「それは、あなたが優しいからよ」

沙織「違う、違うのエリカ……私は、私はただ嫌だったのっ!あんな事を言うエリカがっ!」

エリカ「……」

沙織「誰だって嫌いな人や苦手な人はいるよ。私はそれを否定できるような聖人じゃない。なのに……あなたがみほさんの事を悪く言っているのが、どうしても耐えられなかった……

   あなたがあんなにも誰かを蔑んで、憎む顔を、見たくなかったっ……」

沙織「あなたの言葉は間違ってる。だけど、そんなの些細な事なのっ、私は……私はただ……あなたと一緒に笑顔でいたかっただけッ!!」

エリカ「……」

沙織「……エリカ、もう一度言うね。誰かを悪く言うあなたが嫌い」

エリカ「……」

沙織「だけど――――それ以上に、あなたを嫌いになる私が嫌い」

沙織「あなたは厳しくて、だけど優しい人だから。誰かを嫌ったり、憎んだりしないだなんて決めつけて、

   それが違ったから裏切られただなんて思って、こんなエゴにまみれた私に、あなたの友達でいる資格なんて――――」
602 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:53:16.10 ID:bE28mdZg0

   

ギュッ





沙織「エリカ……?」

エリカ「……沙織、あなたには感謝してる」

沙織「……え?」

エリカ「初めて話しかけてくれたこと、今でも感謝してるわ」

エリカ「一緒に戦車道をやると言ってくれたこと、本当はとっても心強かった」

エリカ「今日の訓練、私は見学してたわ。だって3人じゃ戦車動かせないもの……そんな誤魔化しでみんなを、自分を納得させた」

エリカ「3人だって動かすぐらいできるわ、戦闘は無理でもやろうと思えば練習できた。……でも、したくなかった」

沙織「……」

エリカ「初めてよ。あんなに戦車に乗りたくないと思ったのは。あなた達がいない戦車は……あんまりにも寒かったから」

沙織「えり、」

エリカ「私も同じよ沙織。あなた達と出会ってから本当に長かった。たくさんの思い出ができたの」

沙織「……うん」

エリカ「……沙織、あなたは何も間違ってない。間違ってるのは私なの。優しいあなたを無遠慮な言葉で傷つけたのは、私なの」

沙織「……」
603 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 19:57:52.58 ID:bE28mdZg0
エリカ「だけど、それでも私は―――――――あなた達の乗る戦車に乗りたい。あなたを傷つける事になっても、それでも私には……あなたが必要よ」

沙織「……えりりん」

エリカ「……何?」

沙織「私は、みほさんとえりりんがどんな関係だったのか何も知らないよ」

エリカ「……話すつもりはないしね」

沙織「えりりんが私たちに何か隠してるのも知ってる」

エリカ「……そう」

沙織「だから、きっとえりりんにも何か事情があるのかもしれない、理由があるのかもしれない。

   それでも、私はえりりんにあんな言葉を言ってほしくなかった」

エリカ「……ええ。でも、撤回するつもりはないわ」
604 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 20:04:26.65 ID:bE28mdZg0
沙織「私は、初めてえりりんの嫌いなところができたよ」

エリカ「……」

沙織「だからもっとえりりんの良いところを私に見せて」

エリカ「私には、戦車道しかできないわ」

沙織「それでいいから、それが見たいから――――いっぱい笑って、いっぱい楽しんで、みんなとの思い出をたくさん作ろうよ。ね?えりりん」

エリカ「……沙織」

沙織「なあに?」

エリカ「……ありがとう」

沙織「ううん、私こそありがとう。それと、ごめんね。ぶったりして……」

エリカ「ええ、痛かったわよ。誰かにぶたれたのなんて久しぶりだったから結構効いたわ」

沙織「ふふっ、私も鍛えられてるのかな?」

エリカ「かもね」

沙織「……えりりん」

エリカ「なあに?」

沙織「あなたと友達になれて良かった」

エリカ「……ええ、私も」












優花里「ううぅ……エリカ殿、沙織殿ぉ……」グスッ

麻子「ほら、あんまり大声出すと見つかるぞ」

優花里「す、すみません……」ズビッ

麻子「……良かったな逸見さん、沙織」
605 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/24(土) 20:05:31.19 ID:bE28mdZg0
はいここまで。次は火曜で。
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 20:07:20.92 ID:o16woxkl0
雨降って地固まり乙

>>あなた達がいない戦車は……あんまりにも寒かった

オッサンなのでファントム無頼思い出した
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 20:17:36.76 ID:j9hXV4F00
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/24(土) 21:35:00.50 ID:HNnspzTSO
逸見がファントムだって?
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 01:05:17.61 ID:XUF5iAMSO
>>608
さあ、ショータイムだ
などというボケはさておき、誰か管理局の白い魔王かワシちゃん呼んで来て〜と思ったけど、その必要は無くなった、のかな?
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 03:28:22.81 ID:/QBny/c7o
乙ー
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 09:29:41.30 ID:z2V1paBL0

しかし華さん忘れてンだけどこの後華さんでもうひと悶着あったりしたら笑うなw
612 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:01:06.98 ID:0ALf6fSk0






エリカ「沙織、私はまだ話さないといけない人がいるの」

沙織「……華、だよね」

エリカ「ええ」

沙織「……話しづらいなら、私から」

エリカ「駄目よ。……わかるでしょ?あなたにそうしたように、華とも向き合って話したいの」

沙織「……うん」
613 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:03:47.82 ID:0ALf6fSk0





キーンコーンカーンコーン



エリカ「華っ!」ガタッ

華「申し訳ありません。私この後お稽古事がありますので」スタスタ

エリカ「あ……」

沙織「完っっっ全に脈無しだね……」

エリカ「……どうしよう」

沙織「……こうなったら」
614 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:07:24.32 ID:0ALf6fSk0





沙織「手紙だよっ!」

優花里「ある種由緒正しいやり方ですね」

沙織「そうっ!メールとは違って手書きの手紙には温もりがあるのっ!」

麻子「私が就活するころにはそんな風潮全て滅んでて欲しいものだな」

優花里「就活するんですか?」

麻子「……別にニート志望というわけではない」

沙織「とにかくっ!想いを伝えるのに手紙を使うのは古今東西の常套手段っ!そこに恋も友情も関係ないよっ!」

エリカ「でも、何を書けばいいの?」

沙織「そこはほら、華に伝えたいことがあるでしょ?」

エリカ「伝えたい事……」カキカキ
615 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:14:13.05 ID:0ALf6fSk0






『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした。

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。     逸見エリカ』





616 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:14:54.65 ID:0ALf6fSk0
沙織「謝罪文っ!!?」

エリカ「え……だって、とりあえず謝るところから始めないと……」

沙織「始まるどころかこれじゃあただ謝ってるだけでしょ!?それも事務的なっ!

   謝るにしてもちゃんとえりりんの気持ちを伝えるようにしないと」

エリカ「そう……」カキカキ
617 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:20:26.57 ID:0ALf6fSk0






『この度は私、逸見エリカの不用意な発言によって五十鈴華様の気分を害してしまい大変申し訳ありませんでした

 今後はこのようなことが無いよう、最大限配慮し、注意致します。

 しかしながら、私の発言自体には華様への侮辱、あるいは不快にさせるような意図が含まれていたわけではなく

 あくまで私個人の西住みほへの感想であったため、発言を撤回することは無く訂正もいたしません。

                          
                                             逸見エリカ』



618 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:21:01.86 ID:0ALf6fSk0
沙織「そうじゃなーーーーーーーーいっ!!」

エリカ「えぇ……?」

沙織「確かに気持ちを伝えろとは言ったけどこれじゃあ開き直ってるだけじゃんっ!?」

エリカ「でも、私は私の考えを変えるつもりはないし、でもそのせいであなた達を傷つけて……私、ほんとに馬鹿みたい」

沙織「その話は終わったからっ!今は前を向いて華への思いを書き連ねてっ!!」

エリカ「私の華への思い……」

沙織「えりりんだって手紙書いたことぐらいあるでしょ?家族に、友達に。変に格式ばった書き方する必要ないんだよ。

   大事なのは何を伝えたいのか。口に出せない思いを文字に込めるのが手紙なんだから」

エリカ「……」
619 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:29:06.37 ID:0ALf6fSk0






『エリカさんお待たせっ!』

『別に待ってなんかいないわよ』

『そう?なら良かった。それじゃあ学校行こ』

『ええ、でも途中ちょっとポストに寄るわよ』

『手紙でも出すの?』

『ええ、陸の家族にね』

『へー。エリカさんちゃんと手紙で家族と連絡とってるんだね』

『別にメールや電話もしてるわよ?でもね、自分でペンをとって日々の事を書いてると、その時思った事、伝えたい気持ちが自然と文章に現れるのよ』

『そういうものなんだぁ』

『あなたもたまには家族に手紙でも書いてみれば?』

『お父さんはともかく、お母さんに下手な手紙書くと赤字で修正入って、お説教されそうだし……』

『あなた自分の母親をなんだと思ってるのよ……じゃあ隊長に出せば?』

『毎日会ってるのに?』





620 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:30:15.04 ID:0ALf6fSk0





『いいじゃない。交換日記みたいなものよ』

『……だったら私はエリ―――』

『二人とも、おはよう』

『隊長っ!?おはようございますっ!』

『エリカは朝から元気だな』

『そうでなくては黒森峰で戦車道なんてできませんよ』

『中々言うじゃないか。なら、今日も期待しているぞ』

『はいっ!』

『……むー』

『どうしたんだ※※?』

『お姉ちゃんはずるいよ』

『?』

『※※、なんか言った?』

『なんでもないよっ!ほら、ポスト寄るんでしょ。早く行こっ』

『あ、ちょ、引っ張らないでよ。隊長、それじゃあまた後でっ!』






621 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:38:07.08 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……」

沙織「えりりん?」

エリカ「……やっぱり私が今、華に伝えたいのはこの言葉ね」カキカキ
622 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:38:50.85 ID:0ALf6fSk0





『放課後、体育館裏で待つ  逸見エリカ』





沙織「果たし状っ!?」
623 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:45:34.16 ID:0ALf6fSk0





―体育館裏―





エリカ「……」











沙織「……華、来てくれるかな」コソッ

優花里「さすがにあれを無視するような方ではないかと……」コソソッ

麻子「あまり騒ぐなよ。逸見さんは一人で行くと言っていたのだから。それに、心配することは無いと思うぞ」コソソソッ

沙織「……来たっ!?」
624 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:48:52.03 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……華」

華「中々古風な誘い文句ですね、つい足が向いてしまいました。それにこの絵、

  判別ができませんでしたが、おそらく私の内臓をぶちまけてやるという意思表示だと解しました」

エリカ「え……あんこう、なんだけど……ちょっと余白があったから何か描こうかって。

    私たちのチームエンブレムだし、いいかなって……」










優花里「ほんとに何なんでしょうあれ……エンブレム見ながら書いてましたよね?」

沙織「だからやめとけって言ったのに……」

麻子「生まれ持ってのセンスはどうしようもなかったな」
625 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:52:48.74 ID:0ALf6fSk0
華「それで?私とのタイマンをお望みでしたら受けて立ちます」スッ

エリカ「なんであなたはそんなに好戦的なのよ……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「……私はもうあなたと共に歩むつもりはありません。果し合いではないというなら私はもう帰らせていただきます」

エリカ「っ……華っ!!」

華「……なんでしょうか」
626 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:53:33.17 ID:0ALf6fSk0





エリカ「ご飯食べに行くわよっ!」




627 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 18:59:34.11 ID:0ALf6fSk0





エリカ「……」モグモグ

華「……」モグモグ







沙織「こっそりついてきたけど……さっきから無言だね」

優花里「ただ黙々と口にものを運んでいるだけです……」

麻子「デザート頼んでいいか?」
628 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:00:10.25 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……ここのハンバーグ結構おいしいでしょ」

華「そうですね」

エリカ「遠慮しないでもっと頼んでもいいわよ?ここは私が出すから」

華「遠慮します。あなたにそこまでされるいわれはないので」

エリカ「……」

華「……」







沙織「あぁ……また黙っちゃった……」

優花里「見ているこっちのお腹が痛くなります……」

麻子「フォンダンチョコッシュか……ちょっと気になるな
629 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:01:22.95 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……華、私ともう一度戦車に乗って欲しい」

華「同じことを言わせないでください」

エリカ「私にはあなたが必要なの」

華「あなたがそうであっても、私は違います」

エリカ「っ……」








沙織「っ……えりりん」

優花里「頑張ってくださいっ……」

麻子「熱っつ!?なんだこれ中のチョコが熱っつ!?めっちゃこぼれるなこれ」
630 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:08:13.46 ID:0ALf6fSk0
エリカ「……そうね。あなた意外と頑固だものね」

華「わかってくれたようで何よりです」

エリカ「……沙織も、あなたも、優花里も麻子も。自分だけの意志を、信念を……道を持ってる。それは、私には無いものよ」

華「……」

エリカ「私は、道や信念だなんて立派なものを持ってない。戦車道も私にはそれしか無いからやってるだけ」

華「……」

エリカ「……だけど大洗に来て、戦車道を再開して、私……楽しかった。戦車も練度も、何もかも足りなくても……それでも。

    あなた達と、みんなと。全身で全力で勝利を求め続けた今日まで本当に楽しかったわ」

華「……」

エリカ「華、私はあなたに許してもらおうとは思わない。だけど、もう一度チャンスをちょうだい。もう一度だけ、私と共に歩んでほしい」

華「……あなたは、私に弁解しないのですか?自分が死者を愚弄するような輩であることを否定しないのですか?」

エリカ「……しないわ。私にとって西住みほはどうしても許せない存在だから」

華「つまり、私に道を曲げてあなたと共に歩めということですね」
631 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:09:03.37 ID:0ALf6fSk0
エリカ「そうよ。そう、私は……私にはあなた達が必要なの。だから絶対に離さない――――たとえ、あなたの意志を無視しても」

華「……ワガママ、自分勝手。でも……情熱的ですね」

エリカ「……同じ事を最近私も思ったわ」

華「あなたは、私以上に頑固ですね。自分が間違っているとわかって、その上で押し通すと言っているのですから」

エリカ「……かもね」

華「……正直なところ元々私はあなたへの怒りはそれほどもっていません。私が離れたのは西住みほさんの事もありますが、何よりもあなたが沙織さんを悲しませたからです」

エリカ「……」

華「ですから、あなたが沙織さんと和解した時点で私もあなたへのわだかまりはなくなっていました。沙織さんは優しい方です。

  だけど、人を見る目は確かですから。……だからと言って何もなしに元の鞘に収まるつもりはありませんでしたが」

エリカ「……」
632 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:10:29.82 ID:0ALf6fSk0
華「エリカさん」ピッ

エリカ「何、その指?」

華「望み通りチャンスをあげます。……代わりに誓ってください」

エリカ「……何を」

華「もう、沙織さんを悲しませないと。私はあなたの主義思想についてとやかく言うつもりはありません。

  ですが、沙織さんは私にとって大切な友人です。たとえ沙織さんが自分で選んだ道だとしても、私は……沙織さんのあんな顔をもう見たくないのです」

エリカ「……」

華「戦車道を始めたことで私は自身の華道をより深めることができました。優花里さんや、麻子さんだけでなく、たくさんの方々と出会えました。

  戦車道は私にとって大切な物になりました。……あなたには感謝しています。だから……エリカさん、お願いです。私に、この指を折らせないでください」

エリカ「……誓うわ。もう、沙織を悲しませない」

華「……信じます。エリカさんの言葉ですから」










優花里「なんか結婚の許しをもらいに来た恋人と、娘を愛するお父さんの会話みたいですね」

沙織「やだもー!私、ちゃんと素敵な旦那さんと幸せになるからねお父さんっ!!」

麻子「うっわ制服についてしまった……沙織、洗ってくれ」

沙織「えー?もうしょうがないなぁ……」

優花里「亭主関白だ……」
633 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:18:42.40 ID:0ALf6fSk0
華「……あなたの闇は決して小さくない。でも、例えそれで傷つく人がいたとしても歩みを止めないというのであれば……それもまた、道なのでしょう」

エリカ「華……」

華「エリカさん、我がままで、頑なで、歪で、だけどひたむきなあなたの想い。しかと受け止めました」

エリカ「……」

華「そして、忘れないでください。私たちと今日まで歩んできた足跡は間違いなくあなただけの道なのだということを」

エリカ「……」

華「その道に何を見出すのかはまだわかりません。ですが、どんな結果であろうとも私たちはあなたのそばにいます――――友達ですから」

エリカ「……うんっ!」









沙織「えりりんっ……良かった……」

優花里「エリカ殿、やりましたねっ……」

麻子「だから言ったろ。心配することは無いって」
634 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:21:21.38 ID:0ALf6fSk0
エリカ「華……ありがとう」

華「こちらこそ――――ごちそうさまです」ピンポーン

エリカ「……え?」

華「あ、ここからここまで全部お願いします。……ああ、サラダも」

エリカ「ちょ、華?」

華「ここはエリカさんが出してくれるのですよね?」

エリカ「いや、あなた断っ……」

華「それは、エリカさんと仲直りしていなかったからですよ。もとの関係に戻れた以上、遠慮するほうが無粋というものです」

エリカ「いや、それはそう……なの?」

華「ええ。だからこそエリカさんも食事代を持つだなんて言ったんですよね?」

エリカ「……はぁ、わかったわよ。好きにしなさい」

華「はいっ♪じゃあデザートも……このフォンダンチョコッシュというの、美味しそうですね?」

エリカ「……いいわよ。好きにしなさい」

華「はい、遠慮しません♪」










沙織「華のあんな振る舞い初めて見た……えりりん大丈夫かな」

優花里「た、たぶん……ほら、余裕な表情を」

麻子「……いや」
635 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:29:12.01 ID:0ALf6fSk0





エリカ「私の財布、頑張ってっ……負けないでっ……1円でも多ければ大丈夫だからっ……」ブツブツ










沙織「……まずそうだったら私たちも出そう?」

優花里「……ですね」

麻子「逸見さん、まぁあれだ。……頑張れ」
636 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:30:58.59 ID:0ALf6fSk0
華「エリカさん、ほらアーン」

エリカ「んっ……」モグモグ

華「美味しいですね?」

エリカ「……ええ」

華「今度は……そこにいるみなさんと来ましょう」コソッ

エリカ「……そうね、みんなには心配かけてばっかだから」

華「ふふっ、エリカさん?」

エリカ「何?」

華「試合、頑張りましょう」

エリカ「……言われなくても。華、頼りにしてるわ」

華「任せてください」
637 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/27(火) 19:31:41.73 ID:0ALf6fSk0
ここまで。次土曜。
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 19:53:55.82 ID:ubCA1C/aO
乙乙

お役所かってツッコミと外野の3人よ
後まほは何故伏せてたのか・・
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 21:40:52.28 ID:vH06qkgI0

エリカの財布は大丈夫かな…
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 22:25:55.06 ID:/zy1/ofiO
最初の謝罪文が完全に世界のヘイポーで草
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 22:45:59.51 ID:eFqYGM7pO

絵が下手・・・?考えすぎ・・・?
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/27(火) 23:23:14.99 ID:Ph1XzNBe0
あ……
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 00:27:50.04 ID:DA3kf/vo0
そういえばどこぞの妹さん美術が苦手でしたねぇ
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:00:16.56 ID:zjVZIW0x0
そういやまほもずっとお前って呼んでるよな...
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:13:19.66 ID:X/cnOfpoO
エリカ最初に昔の癖でクラスメイトのフルネームくらいは覚えてる、って言ってるけどエリカそんな雰囲気ないよね・・・?でもエリカ=みほ説はみほの元の知名度が高いだろうから色んなキャラと出会って決勝まで顔出しで上がって行ってる事を考えたらやっぱ無理があるか?
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 01:52:23.44 ID:obCoqTS0O
本編見る限りみほの知名度は低いぞ
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 09:23:01.33 ID:aPAdTzBBO
そいや本編でみほが言ってたっけ名前云々って
ヤバい続きが気になって仕方ない
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 11:18:56.89 ID:pNQDlUl+0
とりあえず展開予想は止めといた方がええと思うぞ
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 12:20:15.46 ID:gNxgVwaPo
予想はよそう
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 12:24:24.43 ID:5TMxPcE0O
クラスに来たときに「銀髪」って出てるからこのエリカはただ絵が下手なだけのエリカだよ
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 12:25:42.24 ID:5TMxPcE0O
雪みたいに綺麗を拡大解釈してるだけだった、すまぬ上は訂正
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/28(水) 13:35:40.22 ID:P8Zzd1LM0
自分でペンをとって日々の事を書いてると、その時思った事、伝えたい気持ちが自然と文章に現れるのよ
あっ…(
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 14:30:22.12 ID:X/cnOfpoO
こういう予想はあんまり良くないのかな?とりあえず読み直したら色んな発見があって改めて面白かった、続きが楽しみだ
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 15:34:44.63 ID:twOxPe450
ホントに華さんでもうひと悶着あって草w
しかしえりりんこれはやっぱり……
いや俺勝手予想皆混乱

どのみちカッちゃん辺りが何か言うだろうし……
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 17:47:41.60 ID:WTn8qxUX0
銀髪=元の髪色の抜けた白髪って説も捨てきれない。
これは続きが気になる。
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 18:54:49.29 ID:HANIROm90
ペパロニは「西住みほの事は」って言ってたしなぁ
エリカはエリカだと思うんだが…

まぁあまり深読みするのはやめるとしよう
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/29(木) 14:54:47.02 ID:SOIo4/J2o
(誰か>>649に突っ込んでやれよ)
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/29(木) 15:44:08.10 ID:szfCay9L0
皆自分の展開予想を発表するのに必死だから…
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 12:52:31.24 ID:omJVNaeu0
読者が展開予想して作品がエタるなんてのはよくある話
660 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:05:49.33 ID:IIBNUqA30



エリカ「今日の訓練はこれで終わり。みんな、よく頑張ったわね。それじゃあ解散っ!!」


ザワザワ 

ツカレター

オフロハイリニイコー



エリカ「……」

杏「逸見ちゃーん」

エリカ「会長?」

杏「今日もお疲れー。最近は特に熱が入ってるねー」

エリカ「何よ急に」

杏「いやー、一時はどうなるかと思ったよ。仲直り出来て何より何より」

エリカ「……やっぱり気づいてたのね」

杏「生徒の事はよく見てるからね」

エリカ「そう。……あなた達にも心配かけたわね」

杏「いいよいいよ、逸見ちゃんには世話になってるからね。……それよりも、後で生徒会室来てくれる?」

エリカ「……?」
661 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:12:32.59 ID:IIBNUqA30





ガチャ

エリカ「来たわよ」

杏「おー逸見ちゃんよく来たね。ままっ、入って入って」

桃「会長お手製のあんこう鍋だ」

柚子「おいしいよー」

エリカ「生徒会室なのにこたつに鍋って……あなた達ほんとに好き勝手やってるわね……」

杏「いいじゃんいいじゃん。北緯50度を超えてもう寒くてしょうがないんだから」

桃「次のステージは雪原か……プラウダのホームみたいなものだな」

杏「向こうについたら管理局で選手と戦車の登録しないとなー」

桃「会長、この寒さですしそれは私が行きます」

杏「いいって」

桃「だったらせめて名簿の作成ぐらい……」

杏「それも大丈夫。私が全部やっておくよ」

桃「しかし、サンダースの時からずっと会長が全部やって……」

杏「いーのいーの、こういうのは一番偉い私がやるもんなの」

エリカ「なんか、随分やる気ね?」

杏「いやいや、河嶋達には準決勝までの時間を有効に使ってほしいからね。このぐらいの雑務は私がやるよ」

桃「会長っ……」ウルッ

エリカ「ちょろいわねぇ……」
662 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:15:48.54 ID:IIBNUqA30
柚子「逸見さん、こっちは雪原での経験がないけど大丈夫?」

エリカ「全車両の雪原塗装や、防寒の準備なんかは進めてるわ。操縦手のみんなにも私から雪上での操縦のコツとか注意事項は話してあるし」

杏「そういや、さっき自動車部が頑張ってたねー」

柚子「会場は雪原なのに戦車まで白いんじゃ見てるこっちも寒くなるよー」

エリカ「仕方ないでしょ。できる策はとっておかないと」

杏「だね」

エリカ「……それで?何の用よ」

杏「慌ただしいなぁ。ごはんまだなんでしょ?ほら、よそってあげるから」

エリカ「そう?ありがとう。ごちそうになるわ」

桃「?今日はやけに素直だな」

エリカ「先日、ちょっと浪費しちゃってね……できるだけ出費は抑えたいのよ……」

桃「お前、学生の内に金遣いが荒いと将来苦労するぞ」

エリカ「桃ちゃんに言われると効くわね……」

桃「どういう意味だっ!?」
663 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:20:13.07 ID:IIBNUqA30
杏「はい、どうぞ」

エリカ「いただきます」

杏「どう?」

エリカ「……確かにおいしいわ。こだわりを感じる味ね」

杏「気に入ってもらえたようでなによりだよ」

エリカ「……」モグモグ

杏「……それにしても、逸見ちゃんがここに来てからずいぶんと慌ただしくなった気がするよ」

エリカ「巻き込んだあなたが言う?」

杏「あーそれもそうだね。でも、悪くなかったでしょ?」

エリカ「……そうね」

桃「もうすぐ準決勝か……」

柚子「ここまで来れるとはね……」

杏「そうだなー……ほんとうに、ここまで来れるとは思ってなかったよ」

エリカ「……」
664 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:22:58.16 ID:IIBNUqA30
杏「逸見ちゃん。今日呼んだのはね、一度逸見ちゃんに話しておきたかったんだよ。この学園の事を」

エリカ「転校して4か月もたてばもうだいぶ知ってるわよ」

杏「そういう事じゃないってわかってるでしょ?」

エリカ「……どういう風の吹き回し?あれだけ黙秘していたのに」

杏「私も話すつもりは無かったよ。でも、私たちがここまでこれたのは逸見ちゃんのおかげだから」

エリカ「……あなた達だって頑張ったじゃない」

杏「あはは、ありがと。……3人で決めたんだ、逸見ちゃんにちゃんと真実を伝えようって」

エリカ「……私は、あなた達の事情に大体の察しはついてるわ」

杏「それでも、言葉にしてちゃんと伝えたいんだよ。お互いが分かっているつもりにならないために」

エリカ「……」
665 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:27:45.05 ID:IIBNUqA30
杏「逸見ちゃん、この学校は、大洗女子学園は……このままだと廃校になる」

エリカ「……そう。やっぱり……学園艦は維持運営費がかさむものね、公立の学園艦は順次統廃合していく。ニュースで聞いたとおり。……まさか自分が当事者になるとは思わなかったけど」

杏「みんなそうだよ。私も、河嶋も、小山も。卒業するまで、卒業してもずっとこの学園艦があると思ってた」

柚子「……遅くとも来年度にはこの学校は学園艦ごとなくなるの」

エリカ「……」

杏「正直、理由は理解できるんだよ。逸見ちゃんの言う通り学園艦は維持費がかかる。国のお金だって無限じゃないんだから。そんで、

  どの学園艦を潰すかってなったら生徒数が減少してて、なんの実績もないうちが選ばれるのもまぁ、仕方ないと思う」

エリカ「……だけど、理解はできても納得はできなかった」

杏「……うん。どれだけ正しい理由であろうと、大洗が廃校になる事でその浮いたお金でもっと正しい事ができるとしても――――ここは私たちの学校なんだよ。

  親元を離れてる子が多い中、それでも寄り添って生きてきたんだ。学園艦は、私たちにとってもう一つの故郷なんだよ」

エリカ「……」

杏「まぁ、向こうの答えは最初から決まってるんだ。それをいくら生徒会長とは言え生徒の言葉で覆すことなんてない」

エリカ「……だけど、あなたは譲歩を引き出した」

杏「向こうがどれだけ本気かわからないけどね。軽い口約束だよ『戦車道の大会で優勝すれば廃校は取り下げる』ってね。

  20年以上前にやってた事で今さら優勝できるだなんて向こうも思ってないよ」

エリカ「そこに私が転校してきた」
666 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:31:51.95 ID:IIBNUqA30
杏「天啓だと思ったね。これは大洗を存続させろって神様が言ってるんじゃないかって」

エリカ「……」

杏「……ごめん。本当はそんなの思ってなかった。ただ、どうせやるなら経験者がいたほうがみんな楽しめるかなって」

エリカ「最初に私に言った事、嘘じゃなかったのね」

杏「私だってそれなりに戦車道を調べたんだよ。たった一人のエースで戦況が覆るほど、戦車道は甘くない」

エリカ「ええ、その通りよ。なのにあなたは大会に出ることを選んだ。無様に負ける可能性のほうが高かったのに」

杏「……」

エリカ「それはたぶん―――――桃ちゃんのためなのよね」

桃「……」

杏「……なんでそう思ったの?」

エリカ「何となくよ。会長も副会長もどこか廃校について達観してるから。……ていうか、今にも泣きそうな桃ちゃん見てたら私も同じ気持ちになるわよ」

桃「な、泣いてないっ!」グスッ

柚子「ほら桃ちゃん、ハンカチ」

桃「だから泣いとらんっ!」
667 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:34:11.83 ID:IIBNUqA30
エリカ「……桃ちゃん、この学校好き?」

桃「大好きだっ!……だから、守りたいんだ……」

エリカ「……」

杏「……逸見ちゃん、次の試合……勝てると思う?」

桃「会長っ!?何を弱気な事をっ!?」

柚子「桃ちゃん」

桃「っ……すみません」

杏「いいよ。……で、どう?」

エリカ「……正直、私が部外者なら棄権したほうが時間の浪費をしなくて済むと思いますね」

桃「っ……」

杏「そっか。だよねぇ……」
668 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:38:49.31 ID:IIBNUqA30
エリカ「戦力差があまりにもありすぎる。準決勝では参加車輛が15輌までになるのに対してこちらが使えるのは8輌。

    おそらくこれが大洗のフルメンバーになるわ。時間も、戦車も、人も。これ以上探してる余裕はないんだから」

桃「でもそれはサンダースの時だってっ!」

エリカ「ええ、そうよ桃ちゃん。サンダースの時も2倍近い戦力差があった。それでも勝てたのは運が味方したからよ」

桃「なら今回だってっ!!」

エリカ「戦車道に限らず戦いは数こそが最大の勝因よ。相手は前年度の優勝校、それに加えて準決勝は雪原ステージ、相手のホーム。

    ……勝てると思う?サンダースでの幸運がまた降ってくると思う?」

桃「でも、それでもっ!!」

杏「河嶋。逸見ちゃんの意見は正しいよ」

桃「っ……だけどっ戦う前に諦めるだなんて事したくないっ!!」

エリカ「……一つだけ策があるわ」

桃「ほんとかっ!?」

エリカ「ええ。……でも、あくまで1割に満たないであろう勝率をわずかに上げる程度のものよ」

桃「それでもっ無いよりましだっ!!」

エリカ「……そしてこの作戦をするにあたって条件がある」

杏「条件?」

エリカ「廃校の件を戦車道の履修者全員に伝える事よ」

杏「……逸見ちゃん、それは」
669 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:41:30.40 ID:IIBNUqA30
エリカ「……あなたがみんなに学園の存続を背負わせたくないのはよくわかるわ。だけどね、この作戦には高い練度となによりも意識の統一が必要になる。

    みんなは現状全力でやってくれているわ。だけど、それはあくまで試合中での事。あの子たちは自分たちがどれだけ追い込まれているのか知らないの」

杏「……それを知ったってプレッシャーになるだけじゃない?」

エリカ「私は、みんながその程度で潰れるような子だとは思ってないわ」

杏「……そっか。……うん、そうだね。わかった」

エリカ「なら、明日早速――――」

杏「私から言うよ」

エリカ「……いいの?」

杏「むしろ私以外に誰が言うのさ?言い出しっぺは私なんだから」

エリカ「……わかったわ」

桃「……」グスッ
670 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:44:29.25 ID:IIBNUqA30
エリカ「……桃ちゃん」

桃「……なんだ」

エリカ「大洗ってどんな学内行事があるの?」

桃「体育祭、合唱祭、学園祭……」

杏「去年は大カレー大会なんてのもやったよ」

柚子「ほかにもハロウィンの仮装祭り、夏の水かけ祭り、泥んこプロレス大会だなんてのもやったんだ」

杏「まぁ、大体は私の思い付きだけどねっ」

エリカ「ふふっ、楽しそうね。……なら、今年も期待しているわ」

杏「逸見ちゃん?」

エリカ「……勝つわよ。絶対に」
671 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/03/31(土) 23:45:25.17 ID:IIBNUqA30
ここまで。次火曜で。
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 23:51:15.77 ID:mzirwk/g0
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 23:57:52.10 ID:8kgnz79G0
桃ちゃんかわいいなあ
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 01:17:23.48 ID:csdzks0TO
乙です!
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 12:56:46.97 ID:6+5XAcFno
乙ー
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 19:03:19.34 ID:y/NfA9aaO
乙、ここまで待ち遠しいの久し振りだわ
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