【ガルパン】エリカ「私は、あなたを救えなかったから」

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678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/01(日) 22:43:22.57 ID:kiyEcnF20

泣けてくる
679 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:04:50.69 ID:YxKhrdIk0





ザワザワ

杏「逸見ちゃん、全員揃ったよ」

沙織「えりりん、みんなを集めてどうしたの?」

エリカ「みんな、今日は練習前に話しておきたいことがあるわ」

沙織「話しておきたいこと?」

華「なんでしょうか?」

優季「先輩に彼氏ができたとかだったりして〜」

沙織「ええーっ!?ちょ、えりりん私聞いてないよっ!?」

エリカ「そりゃそんなの出来てないから言ってないわよ……話ってのは会長からよ。それじゃあ、お願い」
680 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:09:05.53 ID:YxKhrdIk0
杏「ん。――――みんな、この学校は好き?」

沙織「え……何急に……」

あや「学校が好きって……」

優季「愛着はありますよぉ?中学の時からいるしぃ」

梓「先輩に出会えてほんとに良かったですっ!」

優花里「私は、戦車道が始められてほんとに感謝してますっ!」

華「皆さんと出会えたのは、この学校があっての事です」

麻子「……まぁ、色々面倒なことはあったがここまで進級できたのはこの学校だからだと思ってる」

そど子「その面倒に私は含まれてないでしょうねっ!?」

カエサル「勝手知ったる地元。腰を据えて歴史に没頭できるのは他にはない長所だ」

ナカジマ「学園艦グランプリなんて他じゃできないだろうしねー」

ねこにゃー「ぼっちな私に、リアルな友達ができたのはここだからだよ」

典子「たとえ人数が足りなくとも、同じ志を持ったチームメイトに出会えた事が何よりの幸運ですっ!」
681 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:17:15.78 ID:YxKhrdIk0
エリカ「だってさ」

杏「そっか……うん。なら」

桃「っ……」

柚子「……」

杏「みんながこの学校を好きだってわかってほんとに嬉しい。……でも、このままじゃ大洗女子学園は無くなるんだ」


ザワッ……

沙織「ど、どういうことなの?」

杏「……私たちが出てる戦車道の全国大会。これに優勝できないと―――――我が校は廃校になる」
682 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:23:27.99 ID:YxKhrdIk0
優花里「なっ……どういうことですかっ!?」

沙織「廃校になるっていったい……」

杏「大洗女子学園は学園艦の統廃合の対象に選ばれたんだ。そのため、このままだと今年度末には廃校になる」

エルヴィン「随分急な話だな……」

妙子「部の復活どころか学園がなくなっちゃうなんて……」

あや「そんなのないよぉ……」

梓「で、でもっ!優勝すれば廃校にはならないんですよねっ!?」

エリカ「ええ、そうよ」

梓「だったらっ……」

エリカ「でもね、次の相手は前回の優勝校。戦車道を再開してまだ間もない私たちが本当に勝てると思う?」

梓「そんな……エリカ先輩何弱気な事っ……」

エリカ「弱気だとかそういう話じゃない、純然たる事実よ。プラウダの質は人も、戦車も全てにおいて今までの相手より上よ」

梓「っ……でもっ!私たちだって強くなりましたっ!戦車だって、一回戦の頃より増えて……」

エリカ「そう、戦車も増えた。何よりもあなた達が強くなった。それもまた紛れもない事実だわ」

梓「ならっ!!」

エリカ「……それでも、相手のほうが上なのよ」

梓「っ……」
683 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:29:05.70 ID:YxKhrdIk0
杏「……みんながこの学園を好きだってのはわかった。なら、もう一つ聞くよ――――――みんなはどうしたい?」

沙織「それは……」

杏「勝ち目が薄いのは今逸見ちゃんが言った通り。だからこのまま負けても誰も責めない。そもそも、廃校の事を生徒で知ってるのはここにいる人たちだけなんだから」

カエサル「……つまり、こう言いたいのか。悪あがきをせず、潔く負けて残り少ない大洗での生活を楽しめ、と」

杏「そういう選択肢もあるって事だよ。イベントでもなんでもたくさんやって、最後の思い出をみんなで作るってのも悪くないと思うけど?」

麻子「……確かに、一理あるかもしれん」

沙織「麻子っ!?」

麻子「私は戦車道に詳しいわけではないが、逸見さんの言ったことが間違ってるとも思わん」

沙織「だからってっ!!?」

桃「っ……嫌――」
684 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:29:38.37 ID:YxKhrdIk0





梓「嫌だっ!!」




685 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:33:35.83 ID:YxKhrdIk0
桃「澤……?」

あや「梓……?」

桂利奈「梓ちゃん?」

梓「私は……この学校が好きです。みんなと出会えて、先輩たちと出会えて、そして戦車道に出会えてっ!」

エリカ「……」

梓「みんな、諦められるのっ!?ここまで来れたから充分だって、負けても廃校になっても、よく頑張ったからいいってホントに自分に言えるのっ!?」

典子「……そうだな。どんなに追い込まれててもそこで奮起できないようじゃバレー部復活なんて夢のまた夢だ」

あけび「キャプテン……」

梓「エリカ先輩っ!!私は、あきらめませんっ!!相手が優勝校だろうと、数で、人で負けてようともっ!!」

エリカ「根性ってやつ?それで勝てるなら苦労しないわ」

梓「……戦う前に負ける事を考えるやつがありますか?」

エリカ「……言ってくれるじゃない」

梓「だって、他でもないあなたが、エリカ先輩がそうじゃないですか。聖グロとの試合からずっと、いつだって勝ちを目指してここまで来たんじゃないですかっ!!」

エリカ「……」
686 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:35:18.52 ID:YxKhrdIk0
あや「……そうだね、大変だったけど私たちはそれでも全力でやってきたんだもんね」

左衛門座「合戦に向かう以上勝利以外はいらないな」

ツチヤ「まだまだ先輩たちとやりたいことがたくさんあるんですっ!こんなところで終われませんっ!」

ももがー「やれることがあるならなんだってするももっ!」

ゴモ代「先輩が残してくれた伝統を無にしたくないです」

ホシノ「後輩に情けない姿は見せられないな」

ぴよたん「後に続くみんなのためにも、学園を守って見せるぴよっ!」

柚子「みんな……」

桃「そうだ……そうだその意気だっ!!」
687 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:39:52.14 ID:YxKhrdIk0
ねこにゃー「逸見さん、何か考えがあるんでしょ?」

エリカ「……どうしてそう思うの?」

ねこにゃー「だって会長も逸見さんも『勝ち目が薄い』とか『相手のほうが強い』とはいうけど、『勝てない』だなんて一度も言ってないんだもの」

エリカ「……言葉の綾よ」

ねこにゃー「それともう一つ。……この中で一番諦めが悪いのは逸見さんでしょ?」

エリカ「……はぁ。―――――よく知ってるじゃない」ニヤッ

梓「先輩っ……!」

ねこにゃー「逸見さんっ……!」

典子「隊長っ!!」

エリカ「みんな、どんなに絶望的な状況でも勝機を見つけ出す。それは戦車道をする上での最大の作戦であり礼儀よ。

    だけど、そのためには個々人の意志が強くないといけない。……答えなさい。あなた達、このまま終わっても良いのっ!?」
688 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:40:48.03 ID:YxKhrdIk0
沙織「みんな……」

優花里「……エリカ殿は信じてたんですね」

華「はい、みなさんが決して諦めるような人たちではないと」

麻子「……逸見さん、話してくれ。何かあるんだろ」

エリカ「……今のあなた達ならできるはず。逸見エリカの得意技<フェイバリット>を」

優花里「それは、いったい」

エリカ「一糸乱れぬ統率で、雷の如く敵の懐に入り込み、フラッグ車を撃破する」

優花里「そうか……」

エルヴィン「……なるほど」

左衛門座「して、その作戦名は」
689 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:41:15.42 ID:YxKhrdIk0








エリカ「作戦名は――――ゴロゴロ作戦。これで、勝ちに行くわよ」






690 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:41:44.56 ID:YxKhrdIk0
ここまで。次は土曜で
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 18:52:03.41 ID:IAKZNR5do
乙。わくわく。
692 :やっべ抜けてた。>>687と>>688の間に以下の文追加で。 ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/03(火) 18:55:42.80 ID:YxKhrdIk0



梓「私たちはこのまま終わりたくないですっ!!」

ねこにゃー「やっと見つけた居場所を守りたい」

典子「そのために必要なことは努力と根性でやってみせますっ!」

カエサル「座して死を待つ事が美徳だなんて思えんからな」

そど子「学園の風紀を守るためにも、学園を守って見せるわっ!」

ナカジマ「皆の努力を見てきたからね。最後まで付き合うよ」

桃「やっと掴んだ光明なんだっ!ここで、諦めてたまるかっ!!」


693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 18:58:51.20 ID:wUyajrcQ0
乙!
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 19:32:08.82 ID:/Yz7vzmpO
ゴロゴロ・・・乙乙
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/04/03(火) 19:45:07.63 ID:pPNR8+pMO

コレを楽しみに土曜まで頑張ろうと思う自分がいる
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 19:48:42.21 ID:BzIDFDTSO
>>677
死んで
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 21:19:29.16 ID:1DEFv2Y2O
乙であります!
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/03(火) 21:48:57.35 ID:/kZ8YSzbO
動物も一緒にゴロゴロ…
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 07:57:03.69 ID:Mg8ZdfL2o
乙ー
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 08:54:47.88 ID:4LIYx7kw0

エリカお前そのそのネーミングセンス……
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 18:36:13.94 ID:4tCsq/V/0
り、リスペクトしてるんだよ、多分
702 :やっべ抜けてた。>>687と>>688の間に以下の文追加で。 ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:13:00.22 ID:aEHKyHBZ0





―プラウダ高校学園艦―

ダージリン「カチューシャ、準決勝進出おめでとう」

カチューシャ「この程度当然よ。それより、あなた達こそ私たちが勝った相手に負けるだなんて」

ダージリン「勝負は時の運。と言いたいところだけれど、正直なところ私は黒森峰に負けたとは思ってないわ」

カチューシャ「……?あなたにしてはずいぶんと陳腐な負け惜しみね」

ダージリン「……私たちは、黒森峰の隊長と副隊長に負けたのよ」

カチューシャ「同じじゃない」

ダージリン「違うわ。……もっとも、それは対峙した人じゃないとわからないでしょうけど」

カチューシャ「どういうこと?」

ダージリン「二人の戦い方は戦車道というにはあまりにも……怒りがこもっていた」

カチューシャ「怒り……」
703 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:19:51.58 ID:aEHKyHBZ0
ダージリン「まだかろうじて西住流の体裁を整えていたのが逆に恐ろしいわ。もしも決勝だったら彼女達はきっと、なりふり構っていなかったでしょうから」

カチューシャ「……」

ダージリン「カチューシャ、あなた達が戦う大洗は」

カチューシャ「あいつがいるんでしょ。とっくに知ってるわよ」

ダージリン「……あなたは彼女との因縁があるものね。……向こうは知らないでしょうけど」

カチューシャ「まさかあんな無名校に転校してるだなんてね」

ダージリン「カチューシャ。あなたは、彼女と戦える?」

カチューシャ「愚問ね。相手が誰であろうと叩き潰すわ」

ダージリン「……そう答えると思ってたわ。……大洗の隊長は、逸見エリカは強いわよ」

カチューシャ「……あら、あいつそんな名前だったの?知らなかったわ」
704 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:24:57.92 ID:aEHKyHBZ0





―西住邸―

まほ「……お母様、明日行われる準決勝で私達の相手が決まります」

しほ「ええ」

まほ「強豪のプラウダに対し、相手は素人集団です。順当に考えてプラウダが勝ち進むでしょう」

しほ「……ええ」

まほ「お母様、かねてよりお願いしていたように大洗が負けた場合、大洗の隊長を西住流より破門して頂きたい」

しほ「……」

まほ「元より、何故あいつが未だに西住流の門下生として名を連ねているのか。私には理解できません」

しほ「……私も大洗の試合には注目していました。1回戦、2回戦、共に少ない戦力を効率よく使うことで勝利を手にしている。

   西住流は勝利こそ至上。ならば、あの子の西住流も決して間違っては――――」

まほ「違うっ!!あんなのは西住流じゃないっ!!見苦しい、偽物だッ!!」

しほ「……」
705 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:30:49.97 ID:aEHKyHBZ0
まほ「……すみません。取り乱しました」

しほ「いえ、かまいません」

まほ「……お母様、私は西住流そのものです。あなたの娘である私こそが、次代の西住流を継いでみせます」

しほ「……ええ、その通りです。西住流の未来はあなたにかかっています」

まほ「ありがとうございます。……ならばもう一つ。破門に加えて、あれが二度と戦車道をできないようにして欲しいです」

しほ「……何故」

まほ「戦車道をさせないために黒森峰から追い出したのに、転校先でまた始めるような事をするのであれば、もう出場自体をできないようにするしかありません」

しほ「まほ、私にそこまでの権限は……」

まほ「無いとは言わせません。あなたは、『西住しほ』なのですから」

しほ「……確かに、あの子にはそちらのほうが幸せなのかもしれません。戦車道は今のあの子にとってあまりにも……重すぎる」

まほ「わかってくれてなによりです。なら、私はもう戻ります。練習があるので」スクッ

しほ「……まほ」

まほ「……」

しほ「……あの子を、許してあげて」

まほ「……お母さんがそんなに弱い人だと思わなかった」スタスタスタ

しほ「…………っ、みほ……」
706 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:33:37.60 ID:aEHKyHBZ0





沙織「うぅ……寒いよー……」

エリカ「ほら、ちゃんとカイロ貼っときなさい。なんなら腹巻でもしておけば?」

沙織「さすがにそれは……」

麻子「あったかくていいぞ」ポンポン

沙織「麻子は凄いね……」

華「この寒さと雪では花もしおれてしまいます……」

優花里「試合が始まればエンジンで少しは暖かくなるといいんですが……」

沙織「うーん、戦車も真っ白で見てるだけで寒くなるよ……」

エリカ「しょうがないでしょ」

沙織「えりりん、後ろ向くと髪のせいで戦車との境目が分からなくなるね……」

エリカ「沙織、あなた意外と余裕あるわね……」
707 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:39:38.20 ID:aEHKyHBZ0
ブロロロロ……




優花里「ん?誰か来ましたよ?」

エリカ「あれは……プラウダの」

カチューシャ「……」

ノンナ「……」

優花里「隊長である『地吹雪のカチューシャ』と副隊長である『ブリザードのノンナ』ですね」

カチューシャ「……ずいぶんと貧相な戦車。それに、戦車の色をこちらに合わせてくるだなんて、あなた随分人真似が上手いのね?」

エリカ「少しでも勝率を上げるためですよ。……初めまして、隊長の逸見エリカです」

カチューシャ「へぇ、あなたが大洗の隊長?よく知ってるわよ。……これなら楽に勝てそうね」

梓「っ……何、あの人」
708 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:42:44.01 ID:aEHKyHBZ0

エリカ「あら?そう思って頂けるなら幸い。この積雪ですもの、浮足立った奴の足を掬うだなんて簡単にできますから」

カチューシャ「……ふんっ、ならせいぜいカチューシャを楽しませてみなさい。去年の決勝みたいにつまらない結果は嫌だから」

エリカ「……ええ、こちらこそ」

カチューシャ「じゃあね、大洗の白雪姫さん。ピロシキ〜」

エリカ「え、ちょ……」

ノンナ「ダスビダーニャ」

沙織「なんか、相手の隊長小っちゃいけど態度は大きかったね」

優花里「それだけの実力がある。という事でしょうね」

エリカ「ええ、その通りよ。……それはそれとして、そろそろあのエセ英国人に痛い目を見せる時かしら?」

優花里「……悪気があるわけじゃないかと」

エリカ「なおさらタチが悪いわね。……この試合見に来てないかしら?そのまま雪に埋められるのに」
709 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:45:10.19 ID:aEHKyHBZ0





ダージリン「くしゅんっ」

オレンジペコ「……ダージリン様、やっぱり雪降る中で野点は無理じゃないですか……?」

ダージリン「あら、ペコもまだまだね。こんな言葉を知ってる?『心頭滅却すれば火もまた涼し』」

オレンジペコ「涼しすぎです……」

ダージリン「これも風情よ、楽しみなさい」カタカタ

オレンジペコ「震えてるじゃないですか……」

ダージリン「……紅茶を飲んで温まりましょう」

オレンジペコ「はぁ……ん?あれは……」
710 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:46:54.54 ID:aEHKyHBZ0





まほ「……」

ダージリン「まほさん」

まほ「……ダージリンか。何の用だ」

ダージリン「何の用かだなんて、随分ね。この寒い中ただ見てるのも退屈でしょ?良かった私たちの所に来ない?温かい紅茶も入れて差し上げますわ」

まほ「……断――」

???「いいじゃないですか。せっかくのお誘い、断るなんて失礼ですよ」

まほ「お前……」

ダージリン「あら?あなたも来てたのね」

???「お久しぶりです。ダージリンさん」

ダージリン「ええ、元気そうで何よりよ」

???「はい。決勝もあるのに、体調崩してる暇なんて無いので」

ダージリン「いい心がけね。さすが副隊長さん」

???「あはは……まだそう呼ばれなれてないので普通に呼んでください」

ダージリン「……そう。なら、あなたも一緒に来ない?―――――小梅さん」






小梅「ええ。是非とも」





711 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:49:43.22 ID:aEHKyHBZ0





エリカ「みんな、準備……はできてるわよね」

『はいっ!』

エリカ「なら、覚悟はできてる?」

『はいっ!』

エリカ「いい返事よ。何度も説明した通りゴロゴロ作戦は高度な連携が求められるわ。そのために廃校の件を伝えて意志の統一を図った。

    ……負けた時の事は負けた時に考えなさい。今は、全力で勝ちに行くわよ」

『はいっ!』

エリカ「カモさんチーム」

そど子『なんですか?』

エリカ「初試合がこんな追い込まれた状況なのは同情します。だけど、あなた達も大事な戦力なんです。悪いですけど、期待させてもらいます」

そど子『……はい。私たちだって廃校は嫌ですから』

エリカ「レオポンさんチーム」

ナカジマ『はいはいー』

エリカ「操作技術に関しては心配してません。だけど、それだけじゃないってのはもう十分知ってると思います」

ナカジマ『そりゃあね、ここの戦車全部私たちが診てきたんだから』

エリカ「堅い装甲、強い砲撃。あなた達が今回の攻撃の要になります。頼みますよ」

ナカジマ『……任せて』
712 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:53:40.54 ID:aEHKyHBZ0
エリカ「最後に……アヒルさんチーム」

典子『はいっ!』

エリカ「今回のフラッグ車はあなた達よ。作戦の都合上、移動速度の遅い89式と護衛のB1には離れてついてきてもらうことになるわ。

    視界は良くないけど決して私たちを見失わず、つかず離れずを保って」

典子『了解ですっ!』

エリカ「あなた達をフラッグ車に選んだのは私たちが前線に出るからってだけじゃないわ。

    ……今のあなた達ならたとえプラウダの猛攻を受けても生き残れるって信じてるからよ」

典子『……はいっ!』

エリカ「みんな……勝ちましょう。そのための全てを、私たちは持っているわ」

『はいっ!!』

エリカ「さぁ、そろそろ時間よ。相手が優勝校だろうと関係ない。私たち大洗の力、見せてやりましょうっ!!」

『おーっ!!』
713 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:54:16.84 ID:aEHKyHBZ0




『試合開始っ!!』







エリカ「パンツァー・フォー!!」






714 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/07(土) 19:54:57.45 ID:aEHKyHBZ0
ここまで。
書き溜めが心もとないのでしばらく週一での投稿になります。
次は来週の土曜で。
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 20:14:06.78 ID:0pU6OEFEO

やっぱ副隊長は小梅か
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 20:38:57.14 ID:w6sANY3n0

士気は高いがその作戦で大丈夫だろうか
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 20:48:42.61 ID:aStRWgflo
乙ー
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:05:08.82 ID:I3XC0Ct+O
気長に待ってる乙

・・えっまさかそっちなの・・?
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:26:16.68 ID:4kbfi+6w0

ネームドが少ないため、常時持ち上げられる小梅さん
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 21:40:42.04 ID:mnVjPpVM0
>>719
言うてみほエリカと並んで1年でレギュラー勝ち取ってるし事故後に2年でもレギュラー張れる実力とメンタルあるからな
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 00:56:13.78 ID:emaKvUTi0
言うて決勝なら単純計算で100人は参加するわけだし
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 20:21:22.68 ID:rMYRl2R00
普段はのんびり書いてばっかだが
ここで書くようになって初めて続きが楽しみな作品に出会えたかもしれない
ガルパン見てみようかな
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/08(日) 21:06:43.89 ID:UOivE6b+O
乙です!
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/09(月) 00:10:36.61 ID:FB+HPKtG0

確かに事故後に試合参戦できるメンタルはすごい
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/12(木) 00:55:07.59 ID:0xdvFmeB0
乙です。
このまほ姉怖ぇ……某壺屋みたいにガチで殺しにきそうだな
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 18:16:46.57 ID:ryw3ckmPO
時が来た
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 18:39:44.79 ID:GzYcfBrwO
待機待機
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/14(土) 19:36:54.26 ID:N/tm8TpI0
wktk
729 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:25:19.51 ID:cL5MO1Xc0




オレンジペコ「どうぞ。温まりますよ」

小梅「ありがとうございます。ほら、隊長も」

まほ「……始まったな」

オレンジペコ「装甲の厚いポルシェティーガーを先頭にして敵陣へ一直線。大洗は早めに決着を着けようとしてるみたいですね」

ダージリン「ペコ、それは正しいけれど正確ではないわ」

オレンジペコ「どういうことですか?」
730 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:29:45.43 ID:cL5MO1Xc0
ダージリン「大洗が、エリカさんがやろうとしているのは――――」

まほ「電撃戦<<ブリッツ・クリーク>>……エリカが、最も得意としていた作戦だ」

オレンジペコ「電撃戦……」

ダージリン「本来なら戦車だけでなく航空部隊と歩兵を合わせてやるものだけど、大洗は車両数の少なさをそのまま少数精鋭という強みに変える事で作戦を可能にしてるわ」

小梅「フラッグ戦ルールにおいて、最短距離でフラッグ撃破を目指す電撃戦は強力で、一見簡単なように見えますけど、その実、高い練度と統率が求められます」

オレンジペコ「……確かに、動かすのすら至難の業のポルシェティーガーを含めて、大洗は車種が全て違うのにあの速度であんな統率の取れた動きを……凄い、本当にまだ初めて半年も経ってないんですか?」

ダージリン「ええ。隊長はもちろん、隊員の練度と意思統一が素晴らしいわ。才能……そんな言葉でまとめたくないほど」

まほ「……やっぱりか」ボソッ

小梅「……」

オレンジペコ「え?」





まほ「どれだけ取り繕っても……偽物は、偽物でしかないということだ」




731 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:35:34.13 ID:cL5MO1Xc0





エリカ「みんなっ!遅れてないっ!?」

優花里「全車両ちゃんとついてきてますっ!!」

エリカ「レオポンさん、そっちはどうっ!?」

ナカジマ『今のところ大丈夫。寒いからエンジンも熱くなりすぎなくて丁度いいくらいだよ』

エリカ「よしっ!このまま一気にフラッグ車を叩くわよっ!!」

優花里「まさしく電撃戦っ!!テンション上がりますっ!!稲光<ブリッツ>の如く、速攻ですっ!!」

沙織「でも、本当に敵がこの先にいるの?」

エリカ「フィールドは広くてもスタート地点は決まってる。その上で予想していたいくつかのルートに相手の編成を加味すれば進行ルートは絞れるわ」

華「なるほど……」

エリカ「加えて、この移動速度。エンジンいじってるとはいえ、種類の違う戦車で隊列を組んだままこの速度でくるだなんて予測できないはずよ」

沙織「だけど失敗したら……」

エリカ「囲まれて全滅でしょうね。だからこその一撃必殺。二の太刀いらずってやつかしら?」

左衛門座『今薩摩隼人の話した?』

エリカ「してないから集中しなさいっ!!」
732 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:37:43.08 ID:cL5MO1Xc0
優花里「エリカ殿、そろそろ」

エリカ「……見えたっ!敵の側面っ!!」

沙織「ほんとにここに来てた……」

優花里「部隊の展開はまだしてないようですっ!」

エリカ「フラッグ車は……いたっ!!全車、フラッグ車に砲撃を集中してっ!!」

『了解っ!!』

優花里「……あれ?」

沙織「ゆかりん、どうしたの?」

優花里「いや……10、11……相手の部隊12輌しかいないです」

沙織「他のは後ろで待ってるとか?私たちだってカモさんとアヒルさんは後ろの方だし」

麻子「もしくは待ち伏せか」

優花里「ですが、そうだとしても3輌で待ち伏せは……相手は私たちがどこから攻めてくるかわからないはずです」

沙織「なら……」

エリカ「……」
733 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:45:42.02 ID:cL5MO1Xc0








『あら?あなたが大洗の隊長なのね、よく知ってるわよ。……これなら楽に勝てそうね』







エリカ「……まさかっ!?」

ダァンッ!!

沙織「きゃぁっ!?」

優花里「砲撃ですっ!?」

エリカ「っ……どこからっ!!」

優花里「えっと………あそこですっ!!あれは……T-34/85が2輌、それにISっ!?木々に隠れてこちらを狙ってますっ!?」

麻子「……おい」

エリカ「っ!?敵部隊の進行方向が変わった、こっちに向かってくるっ……」

沙織「ばれてたっ!?」

優花里「まずいですっ!?」
734 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 21:54:19.89 ID:cL5MO1Xc0
ノンナ『カチューシャ、W号射程内です。この距離なら外しません』

カチューシャ「そう、ならさっさとやっちゃって」

ノンナ『……よろしいのですか?』

カチューシャ「いいわよ。この程度の相手に策を取ろうとした私がバカだったわ。頭を潰して、指揮系統が乱れたところを頭を潰して終わり。さっさと帰るわよ」

ノンナ『……わかりました』

カチューシャ「……大洗の隊長さん」






カチューシャ「予想通り、つまらない試合だったわ」







735 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:00:58.21 ID:cL5MO1Xc0

エリカ「麻子ッ急いで下がってっ!!」

麻子「間に合うか……」

優花里「ああ……来ますっ!?」





ダァンッ!!






736 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:10:14.90 ID:cL5MO1Xc0





沙織「っ…………当たってない?」

ナカジマ『あんこうチーム無事ー?』

優花里「レオポンが盾にっ!?」

沙織「え、でもレオポンさんって私たちの前にいたんじゃ……」

エリカ「とにかく今は下がるわよっ!!みんな、急いでっ!!」







ノンナ『申し訳ありませんカチューシャ、W号を撃ち漏らしました』

カチューシャ「あら?珍しいわね」

ノンナ『W号前方にいたポルシェティーガー明らかにスペックを超えたスピードで後退し、そのままW号の盾になりました』

カチューシャ「へぇ、何したのかしら?まぁいいわ。当初の作戦通りそのまま部隊と合流してフラッグ車以外全部倒しちゃって」

ノンナ『良いのですか?』

カチューシャ「気が変わったわ。私たちの実力を見せつけてやるんだから」

ノンナ『……わかりました』
737 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:13:33.81 ID:cL5MO1Xc0






エリカ「早く下がってっ!!」

典子『隊長、いったい何が……』

エリカ「敵に作戦が見破られてたわっ!!アヒルさんは護衛を付けるからそのまま後退してっ!!」

典子『っ……了解っ!』

エリカ「みんな、とにかくフラッグ車を守りなさいっ!」

『はいっ!』

エリカ「レオポンさんチーム、応答してっ!!」

ナカジマ『はいはいー』

エリカ「動けるっ!?」

ナカジマ『うーん、ごめんちょっと無理っぽい。辛うじて撃破判定出てないだけでちょっとでもエンジンに負荷かけるとボンッしそうだね』

エリカ「っ……」

ナカジマ『砲塔は使えるからこのまま殿を務めるよ。まぁ、私たちはここまでだけど』

エリカ「……ごめんなさい、私のせいで」

ナカジマ『違うよ。逸見さんの作戦が最善だったんだ。それが失敗したなら他の策でも同じことだったよ』

エリカ「……」

ナカジマ『気にしないで。まだ試合は終わってないんだから。……私たちを次もこの子に乗せてね』

エリカ「っ……はい。絶対にっ……」
738 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:20:54.44 ID:cL5MO1Xc0





ホシノ「みんな、逃げられるといいな」

ツチヤ「私、すること無くなっちゃったんですけど……」

スズキ「やっぱ急造品じゃ3秒も持たなかったね」

ナカジマ「うーん、せめて決勝までに5秒はいけるようにしたいなぁ」

ホシノ「なんだ、もう次の試合の事を考えてるのか」

ナカジマ「ん?そりゃそうだよ。逸見さんは次もこの子に乗せてくれるって約束してくれたんだから」

ツチヤ「ははっ、先輩逸見さんの事気に入ってるんですねー」

ナカジマ「まーねー、妬ける?」

ツチヤ「もー何言ってるんですかー」

ホシノ「……来たぞ」

スズキ「……よし、それじゃあもうひと頑張りしますか!」

ナカジマ「うん。……逸見さん、頑張って。さぁ――――かかってこいっ!!」
739 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:28:27.47 ID:cL5MO1Xc0





オレンジペコ「大洗は一気に追いつめられてしまいましたね……」

ダージリン「そうね。カチューシャの読みは完璧だったわ」

まほ「読み……そんな大層なものじゃないな」

オレンジペコ「どういうことですか?」

まほ「ある程度チームの練度があって、その上で戦力差を考えればあいつがとる選択肢なんて一つしかない。……たとえ、他の選択肢があったとしても」

オレンジペコ「……?」

ダージリン「まほさん、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまり良い事とは言えませんわ」

小梅「そうですよ隊長」

まほ「……ふん」

ダージリン「ペコ、カチューシャはね誰よりもエリカさんの事を知ってるわ。エリカさんの得意技もね」

まほ「……」

オレンジペコ「なるほど。プラウダがあんな早い段階で待ち伏せをしていたのも、エリカさんが電撃戦を仕掛けてくるとわかってたからですか」

ダージリン「ええ、そうよ。……最も、彼女を知ってる人なら全員同じ読みをすると思うけれど」

オレンジペコ「……?ダージリン様、相手が事情を知ってる前提で話すのはあまりいい事ではないのですよね?」

ダージリン「あらごめんなさい」

小梅「……」
740 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:29:05.73 ID:cL5MO1Xc0






まほ「自身の考えにこだわった結果、仲間を危険にさらす。……やはり、お前は救えないな」





741 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/14(土) 22:30:57.14 ID:cL5MO1Xc0
今日はここまで。次の土曜にまた。
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:40:44.83 ID:ryw3ckmPO

また面白くなってきた
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/14(土) 22:41:55.66 ID:rtTxLqJG0
得意としていた、ね
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 08:02:38.77 ID:fmLBTCZEO
相変わらず気になるとこで置いてくよなぁ!?乙
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/15(日) 09:46:47.50 ID:3mrjlsI80
エリカさんをこれ以上いじめないであげて……!
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 17:55:36.37 ID:0865zT+Uo
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/15(日) 17:56:19.89 ID:0865zT+Uo
間違えた乙ー
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/18(水) 15:54:53.52 ID:ojkc3VkCO
以降は土曜更新ってことなのかい>>1ーシャ
749 : ◆eltIyP8eDQ [sage saga]:2018/04/19(木) 19:54:48.25 ID:7Qzyp/DJ0
その予定です同志>>748

書き溜めが出来次第投稿日を増やす予定ですが、当面は週一予定です。

なお、たまに息抜きで書いてるこのスレとは関係ないSSは随時投稿すると思います。あくまで気が向いた時ですが。
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 22:29:24.26 ID:L5Iu5m6Eo
楽しみ
751 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:44:00.63 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「全車固まらないでっ!!KVの榴弾を食らったらひとたまりもないわっ!!距離を取りつつお互いの位置を把握し続けてっ!!」

梓『はいっ……でもっ……』

杏『まずいねー追い込まれてる』

エリカ「っ……障害物のない平原じゃ狙い撃ちされるわっ!射線を取られないようにしつつ障害物のある街を目指しなさいっ!!」

エルヴィン『了解だっ!!』

エリカ「お願いみんなっ……なんとか耐えてっ……」

典子『隊長っ!街が見えましたっ!!』

エリカ「そのまま街に入ってっ!!建物を壁にしつつ迎え撃つわよっ!!」

典子『了解っ!!』
752 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:45:10.73 ID:k4ZSLE/V0




ノンナ『カチューシャ、そちらは状況はどうですか』

カチューシャ「ポルシェティーガーにT-34が2輌道連れにされたわ。まったく、あいつらはシベリア送り25ルーブルね。

       手負いの虎にまんまとやられるようじゃまだまだよ」

ノンナ『大洗は雪原を抜け、障害物の多い街を目指しているようです』

カチューシャ「ま、そうするわよね。私たちはこのまま追い立てるわよっ!!」

ノンナ『Да』

753 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:51:42.60 ID:k4ZSLE/V0








ダァンッ!!  ダァンッ!!

梓「早くっ!!建物を壁にしてっ!!」

桃『逸見っ!!全員街に入ったぞっ!!』

エリカ「このままフラッグ車を守りつつ迎え撃ちますっ!!まずは―――」

ダァンッ! ダァンッ!!

エリカ「っ!?どこからっ!?」

沙織「えりりん!?あれっ!!」

エリカ「っ!?あんなところにっ!?」

ねこにゃー『逸見さん、こっちも……』

典子『これは……』

桃『囲まれたぁっ!?』

エリカ「そんな……」

ダァンッ! ダァンッ!!

沙織「えりりん、どうするっ!?」

エリカ「とにかく反撃を……でも、このまじゃ……」
754 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 18:54:10.92 ID:k4ZSLE/V0

ダァンッ!! ガァンッ!!


梓『ウサギさんチーム、主砲身吹っ飛びましたぁっ!!?』

エルヴィン『隊長、このままじゃ全滅だ』

ねこにゃ―『じりじりと輪を狭めてきてるよ……』

エリカ「あれは……教会?……とにかく逃げないとっ!!全車、あの教会に入ってっ!!」

『了解っ!!』

ねこにゃー『逸見さん危ないっ!!』

エリカ「っ!?」


ダァンッ!!

ガインッ!!


エリカ「猫田さんっ!?」

ねこにゃー『な、なんとか大丈夫……角度が良かったのかな?とにかく早くっ!!』

エリカ「っ……みんな急いでっ!!」
755 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:00:27.33 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「……どうにか全員退避できたみたいね」

沙織「砲撃、止んだね……」



ザッザッザッ


優花里「あれは、プラウダの……」

エリカ「……隊長自らがおいでだなんて随分ね。何の用?」

カチューシャ「降伏しなさい。あなた達に勝ち目はないわ」

エリカ「……舐めた事言ってくれるわね。そんな事するわけ」

カチューシャ「おとなしく降伏すれば大洗の隊長、あなたを我がプラウダ高校に迎え入れてあげるわ」

エリカ「……はぁ?」

沙織「何言ってるのっ!!そんなの、認められるわけないでしょ!?」

桃「ふざけるのも大概にしろっ!!」

カチューシャ「逃げ出したとはいえ黒森峰にいたのなら、少しは役に立つかもしれないからね」

エリカ「……」

カチューシャ「それに、どうせ負けたら廃校になるんでしょ?なら廃品利用も強者の美徳よ」

沙織「っ……廃校の話、知ってるんだ」

麻子「逸見さんはゴミ扱いか」

エリカ「……断る。たとえ帰る場所が無くなろうと、一緒に戦ってくれたみんなに背を向けて、あなた達の元へ行くほど恥知らずじゃないわ」

カチューシャ「……私は寛大よ。3時間あげる。ゆっくり考えなさい」
756 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:04:31.75 ID:k4ZSLE/V0


ザッザッザッ


華「塩でも撒きましょうか」

麻子「持ってきてないな」

沙織「それじゃあ雪でも撒く?白いし」

優花里「すでに辺り一面にまかれてます……」

エリカ「……とにかく、相手の方からわざわざ立て直しの時間をくれたんだから有効に使いましょう。とりあえず修理と点検、あと……」

優花里「偵察です!」

エリカ「そうね、この窮地を脱するためにも敵の配置確認は必須よ。優花里、頼める?」

優花里「お任せをっ!!」

エルヴィン「なら、私も行こう」

エリカ「ありがとう。でも、もう2人くらい欲しいわね」

麻子「なら、私が行こう」

エリカ「え?」

沙織「麻子がぁっ!?」

麻子「そんな驚く事か」
757 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:07:30.50 ID:k4ZSLE/V0
沙織「だって外寒いんだよ?雪降ってるんだよ?なのに麻子が自主的に行きたがるだなんて……」

麻子「……私だって、廃校を撤回させたいのは同じだ。それに私は目がいいからな。2.0だ」

エリカ「……そう。なら、頼んだわ」

麻子「任せろ。あと、そど子も連れて行く」

そど子「私もっ!?」

麻子「お前も確か目が良かったろ」

そど子「なんでそんな事知ってるのよっ!!」

麻子「だって、校門から遥か離れた私を普通に目視してただろ」

そど子「あれは、あんな時間にフラフラ歩いてるのはあなたしかいないからよっ!!」

麻子「じゃあ目、悪いのか」

そど子「2.0よっ!!」

麻子「なら問題ないな」

そど子「だからってあなたと行く理由にはっ……」

麻子「秋山さん、相手の戦車の特徴を教えてくれ。一回聞けば覚える」

優花里「麻子殿……さすがですっ!!」

そど子「聞きなさいよっ!?」
758 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:13:29.82 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「……まさかここまで詳細な情報が集められるだなんて」

エルヴィン「グデ―リアンの機転で、敵から直接話を聞くことができたからな」

麻子「私たちはそど子のせいで見つかりかけたが」

そど子「私のせいっ!?」

エリカ「……」

杏「……逸見ちゃん、どう?」

エリカ「……完全に包囲されている。いくらこちらが降伏しないと言っても、その気になればこの建物ごと私たちを倒せるわ」

梓「建物ごと……どこか、穴はないんですか?」

エリカ「……ここだけ守りが薄いわね」

桃「ならそこから突破すればっ!」

エリカ「こちらがそう考えると思ったからこの配置にしたのでしょうね。……つまり罠よ」

桃「っ……」
759 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:16:21.00 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……」

梓「エリカ先輩……」

エリカ「……そんな不安な顔しないの。大丈夫、必ず手はあるわ」

梓「先輩っ……!」パァッ

エリカ「とはいえ、ちょっと考える必要があるわね」

沙織「えりりんどこ行くの?外は寒いよ?」

エリカ「丁度いいわ。頭冷やしながら考えたいから。10分もしたら戻るわよ」スタスタ

沙織「あ、えりりん……」

麻子「沙織、寒い。温かい飲み物をくれ」

沙織「え?うん、ちょっと待ってて」

桃「……」
760 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:19:56.92 ID:k4ZSLE/V0




エリカ「ふぅ、確かに寒いわね。カイロ、もっと持ってくればよかった……」

エリカ「……どうする。せめてレオポンさんチームがいれば話は変わったのに私の失策のせいで……」

エリカ「……何か、何か手があるはず。こんなところで諦めたら……」
761 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:21:25.62 ID:k4ZSLE/V0





やーってやる やーってやる やーってやーるぜ

いーやなあーいつをボーコボコにー




762 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:45:51.82 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「っ!?」

栗毛の少女『あははっ、嫌なあいつって誰だろうね?』

エリカ「っ……消えろ。あなたの相手をしてる暇はないの」

栗毛の少女『どうせ、何もできないよ。あなたの考えなんて上辺だけなんだもの』

エリカ「……今日はずいぶんと喋るのね」

栗毛の少女『ホントはわかってるんでしょ?』

エリカ「……」

栗毛の少女『調子に乗ってみんなを鼓舞して大失敗♪まるでボコだね』

エリカ「……黙りなさい」

栗毛の少女『ああそうだね、ボコはちゃんと自分の信念があるから。何もないあなたとは似ても似つかないね』

エリカ「うるさいっ……」

栗毛の少女『廃校の危機にかこつけて、自分のしたことから逃げたかったの?』

エリカ「違うっ……私は、私は学校の……みんなのためにっ……」

栗毛の少女『だったら、選択肢なんてないよ?』

763 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:51:47.52 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……いいえ、あなたには頼らない。私と、みんなならきっとこの状況を打開できるはず」

栗毛の少女『あははははっ!!まだそんな事言えるんだ?そんな事、かけらも思ってないくせに』

エリカ「違うっ!?私は……ちゃんとみんなを信じてっ……」

栗毛の少女『嘘つき』

エリカ「……違う、違うっ!!私は、みんなを……仲間を信じてるっ!!だからきっと、今回だってっ……」

栗毛の少女『信じてなんかいないよ。だって、あなたはまだ何も教えてないもの』

エリカ「……」

栗毛の少女『無理だよ。あなたには』

エリカ「っ……黙れ」

栗毛の少女『あなたにそんな力も勇気もないよ。だってそれがあったなら―――――私はここにいないもの』

エリカ「黙れっつってんでしょっ!!!!」






「ひっ!?」





764 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:55:39.62 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「っ!?誰っ!?」

桃「い、逸見……」

エリカ「桃ちゃん……なんで……」

桃「な、なんかお前の様子がいつもと違う気がして……誰かと話してたのか?」

エリカ「……独り言よ。気にしないで」

桃「そ、その割には随分と荒れてたみたいだが……」

エリカ「そういう時もあるのよ」

桃「そ、そうか……」

エリカ「……」

桃「……なぁ、逸見」

エリカ「何?」
765 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 19:59:11.31 ID:k4ZSLE/V0
桃「その……困ったことがあるなら、言ってくれ」

エリカ「……だから、さっきのはただの独り言だって」

桃「そうじゃない、それだけじゃない。……お前は、会長に似ているから」

エリカ「えぇ……?」

桃「そんな嫌そうな顔をするな……会長は、一人で抱える傾向がある。……お前みたいにな」

エリカ「……」

桃「それは、お前や会長が悪いんじゃない。……頼りない私たちが、私が悪いんだ」

エリカ「……そう?桃ちゃんもずいぶん頑張ってると思うけど」

桃「お世辞はよせ。……少なくとも、廃校の一件に関して、お前と会長にばかり負担をかけてい事ぐらい自覚している」

エリカ「……」

桃「だから、せめて何かお前の力になれる事があるなら言ってくれ。それぐらいしか、私にはできないから……」
766 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:15:39.06 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……桃ちゃん」

桃「な、なんだ?」

エリカ「あなたも、みんなも……私を責めないのね」

桃「……責める理由がどこにある」

エリカ「みんなを煽って、これなら勝てるって希望を持たせて、なのにこのザマよ?……私のせいって言われても仕方ないわ」

桃「……お前が一番戦車道に精通しているんだ。そのお前が立てた作戦でダメだったなら他の奴でも同じことになってた……いや、そもそも試合は終わってただろう」

エリカ「……自動車部のみんなも同じような事言ってたわ」

桃「なら、みんなもそう思っているさ。くよくよするぐらいなら、どうにかしようと足掻くんだ」
767 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:20:19.51 ID:k4ZSLE/V0
エリカ「……ねぇ」

桃「今度はなんだ?」

エリカ「私ね、桃ちゃんの事好きよ」

桃「はぁっ!?な、何言ってるんだ急にっ!?」

エリカ「そんな動揺しないでよ……人としてよ。変な意味じゃないわ」

桃「そ、そうか」

エリカ「真っ直ぐで一生懸命で……大切なものを守るためにどこまでも全力なあなたは、私にとってまぶしかったわ」

桃「私は生徒会としてやるべき義務があるからなっ!!」

エリカ「それが空回りする時もあるけどね?」

桃「うっ……」

エリカ「……それだけ。そろそろ戻りましょ。吹雪いてきたわ」

桃「あ、ちょっとまてっ!?」
768 : ◆eltIyP8eDQ [saga]:2018/04/21(土) 20:20:59.51 ID:k4ZSLE/V0
ここまでー。また土曜に。
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 20:24:50.19 ID:4WhCDge+o
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 21:58:24.48 ID:apB5qHVg0
桃ちゃんって何かボコに被るよね
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 22:00:21.53 ID:2KvwBfuEO

亡霊のように出てくるみほとエリカのやり取り見てるとcod boのメイソンとレズノフを思い出す
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 22:20:02.64 ID:q1ugJAUco
乙ー
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/21(土) 23:24:19.16 ID:jIdfjBgaO
乙です!
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 01:15:58.45 ID:LYkA57VH0
やっぱコンタクトにしただろこいつ
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 09:06:51.44 ID:qc+0uBy/O
何処まで向かってくんやろ、期待乙
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/04/22(日) 18:37:53.04 ID:utMRVvsn0
エリカ「私の名は! ミホトル! ズミノフ! これは私の復讐だ!!」
エリカ「1 2 3 5 7 11 13 17 19」
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/04/22(日) 20:34:49.53 ID:ayTV2/e10
>>776
つまんね
そのゴミみたいなレスをよくよく読み返して同じようなゴミレスを二度としないように反省しろ
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