機動戦士ガンダム――ν World――【安価スレ】

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273 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 18:32:41.60 ID:WNbf6Wh4O
>>272、スマートな見た目だし、腕からビームとか撃つのは映えますからねぇ。

更新遅れて申し訳ない…。次はシステム判定です。直下コンマが5以上で搭載されてます。
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 18:33:28.61 ID:46Y/NayFo
275 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 18:35:55.11 ID:WNbf6Wh4O
残念ながら未搭載のようですね…。次は搭載人格です。↓3まで募集で、最低値を採用します。パイロットの設定はしばらく後に行います。
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 18:40:55.61 ID:5eFx5wXK0
陽気な兄ちゃん
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 18:47:05.17 ID:4aaWNcSEO
怖いもの知らずな子供
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 18:47:22.86 ID:DW8gGDOl0
冷静な成人女性
279 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 21:12:37.31 ID:WNbf6Wh4O
ようやく落ち着いたので、設定に入ります。

先ほど設定したガンダムのパイロットの特徴を↓3まで募集、その中でコンマが最高値のレスを採用します。
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:25:31.94 ID:jOavXYHC0
年齢サバ読みの妖艶な女性
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:31:29.91 ID:UBmcnLrsO
任侠味溢れる日本人
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:32:57.17 ID:46Y/NayFo
メカクレしょうしょ
283 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 21:36:51.00 ID:WNbf6Wh4O
女性パイロットですか。嫌がらせしてくるとかご褒美では?(年齢から目を逸らしながら)

次は名前です。これも↓3まで募集、最低値を採用です。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:41:06.59 ID:T04Jy3Ap0
アルテマイラ
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:50:56.93 ID:ZW+R0KIpO
ハンティス・ナイティ
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:51:12.58 ID:zo6uJdd8O
ハリティ・ラントス
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:51:31.29 ID:UBmcnLrsO
エリッサ・バヨミー
288 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 21:56:59.95 ID:WNbf6Wh4O
名前的に、アラブ方面からの移民なんでしょうか。最後に戦闘力です。直下コンマで決定します。
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:59:51.11 ID:jOavXYHC0
ほい
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 22:00:26.96 ID:jOavXYHC0
しまった弱い
291 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 22:01:30.92 ID:WNbf6Wh4O
ゾロ目で首の皮一枚繋がりましたね…。再度直下コンマ判定です。半分の値(小数点以下切り上げ)を加算します。
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 22:02:25.93 ID:T04Jy3Ap0
293 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/13(土) 22:05:38.45 ID:WNbf6Wh4O
弱い…。目安としては、最初期のイオク様くらいです。一般兵が5となっております。勝ったな(確信)。

明日に開始出来たらします。お疲れ様でした。
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 22:08:38.58 ID:jOavXYHC0

楽しみにしてるよ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 22:09:12.35 ID:CD3KOAel0
乗り遅れたぜ!このビッグウェーブ(安価)に!

お疲れ様。楽しみにしてますわね。
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 10:37:49.43 ID:FR9fX9q70
乙!
まーここはガンダム世界だからな。他の版権の作品を活躍させようとしても、難しいところはあるんだろうな
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/14(日) 12:51:02.09 ID:+BnbfYjK0
年増に厚化粧(機体)ってか   ※実際スゴイシツレイな発言
298 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 00:18:32.53 ID:a4drbmTh0
すみません…。ちょっと今日投下は無理です…。機体とパイロットまとめを書いておきます…。すまぬぅ…。

パイロット

【名前】ハリティ・ラントス

【性別】女

【年齢】ハリティさんじゅうななさい(28)

【外見】アラブ系の妖艶な女性。お好きなイメージでどうぞ。

【戦闘力】弱い。どうしてパイロットになったの?

【来歴】

大富豪の親父によって、強制的にパイロットにさせられた不遇な人。この世界の親はだいたいクズ。悲しいね。

本人は乗り気ではないし腕も良くないので当然、パイロットであることに不満マックス状態。サムサランちゃんが唯一の癒し。

他人と関わることが殆ど無かったため、本音を語り合える相手が欲しい今日この頃。妖艶な見た目に反し、意外とお茶目。


ガンダム

【名前】サムサラン

【外見】メトロイドのサムス。カラーリングも同じだが、顔はしっかりとガンダムってる。

【搭載人格】怖いもの知らずの無邪気な子供

【メインウェポン】腕部物質透過型ビーム・電撃弾投射砲『マウジャ&ケラウノス』

【サブウェポン】

・ツインアイ内蔵型小口径ビーム砲『カルナ』

・小型クラスター爆弾『グラウンド・ブレイカー』×8

・攪乱用閃光手榴弾『ブリッツ』×6

【来歴】

ハリティさんの親父が、とある技術者を脅迫して造らせた『ガンダム』。搭載人格はボクっ娘。萌え上がるガンダム。

遮蔽物無視ビームやクラスター爆弾、目からビーム、フラッシュバンと、搦め手ばっかり。

ビームの性質は威力を持ったγ線のようなもの。物質をすり抜けて襲ってくるが、威力は低い。人体への影響はアカンで。

厳密には、荷電重金属粒子を大量にγ崩壊させ、圧縮して放っている。物理法則的に大丈夫なのかは知りません(投げやり)。

電撃弾は比較的に安定して使え、機械のショートを起こして優位に立つための装備。機体はガラクタ、パイロットは黒焦げになってもらう!
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 00:28:55.97 ID:wMQAOB2/0
乙でした!またいつかよろしく〜!
300 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:29:23.23 ID:YYlUTvbS0
よっしゃ!投稿出来るくらいには完成しましたで!ってなわけで今から始めます!
301 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:31:06.85 ID:YYlUTvbS0
機動戦士ガンダムLoD 第三話


          ――その邂逅は開戦の狼煙――
302 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:32:18.14 ID:YYlUTvbS0
目的地の『ニュージュエラー』は、南アメリカ大陸に存在している。

アルの現在位置は旧ゴビ砂漠。

かつては礫が転がっていた砂漠は、岩肌が露出している部分と土が露出している部分に分かれ、昔の姿が嘘のようにも思える。

「…で、指示通りに進んでるんだが、この先にあるのって…アレ、だよな…?」

モニターにポップアップしたのは、輸送機のデータ。

テール一機を載せるのが限界の、元旅客機である。

災害によって、殆どの戦力が喪失した。

戦艦や戦闘機といった設備に格納するのが困難な物がその多くを占めており、比較的多く格納出来るMSは、半分以上が失われてもなお現役であった。

喪失した分を取り戻すべく、世界で実行された苦肉の策が、民間企業等で使われていた物を改造、再利用することであった――。

――新たに資源を採掘する余裕など、持ち合わせている筈も無かったので仕方のないことではあるのだが。

閑話休題。

アルが疑問に思っているのは『どうして、輸送機がある基地へ向かっているのか』だ。

補給自体は、幾つか存在する都市でも行える――。

――『ガンダム』の基本的な燃料は現行のMSと変わらないが、変換効率が桁違いな上、動力システムの理論が根本的に違う。

そのため、時間を掛けても辿り着くことは可能である――。

――どちらにせよ、輸送機を利用するのに変わりはないが、民間の物でも事足りる。
303 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:33:10.34 ID:YYlUTvbS0
【返答。『Life or Death』の開催を控えている以上、『ガンダム』の保護は優先されると考えたまでです】

「…つまり、『ガンダム』であるテールを軍が放置するわけがないから、そこに付け込んで輸送してもらおう、と」

人間みたいな考え方をするなぁ、とアルは関心を抱く。

弱みに付け込んだり、強みを徹底的に利用するのは、人間の十八番だ。

それを、機械に搭載された人格(もしくはAI)が、当たり前のように行っている。

そんな高度なプログラムを組み立てた、開発者の顔が見たくなったアルであった。

ピピッ、とMSを認識した音が鳴り、アルは視線をレーダーに向ける。

「…レーダーに反応。アイアン・トマホークが二機か。武装は解除しているようだな」

念のために狙撃用のスコープを下ろしておき、いつでも対応出来るように備える。

こちらの姿を確認したアイアン・トマホークは、光通信を行った。

「『我に攻撃の意思無し。同行願う』か。従った方がいいかな?」

アルはテールの意見を聞こうと、発言を促す。

すると、モニターには『従っても問題ない』という旨を記した文章が映される。

「…了解」

テールに従うのはともかく、赤の他人に従うのに嫌悪感を抱くアルだった。
304 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:35:39.59 ID:YYlUTvbS0
『初めまして。貴方が『ガンダム』のパイロットなのですね。お若いのに立派なことで』

「…立派じゃない。選んだのは俺の意志だが、テールと出会ったのは偶然だしな」

アルがテールと出会うまでに、沢山の命が消えた、消えすぎた。

故に、出会えたことを嬉しく思えても、自分が凄い存在だとは、立派だとは思えなかった。

その犠牲が無ければ、アルがパイロットになることは無かっただろうから。

そのことを理解しているから。

声色から何かを感じ取ったのか、責任者と思われる女性は、話を変えるために切り込む。

『…つかぬ事を訊きますが、貴方の目的はこの基地の襲撃ではないでしょう?』

こちらの指示に従ったのだから、と女性は付け加える。

「…まあ、な。『ニュージュエラー』まで輸送してもらいたいんだが」

『構いませんが、無償ですることは出来ません。何分、燃料も貴重なので』

――当然か。メリットが無けりゃあ、動かないよな。

予想していた言葉を聞き、眉をひそめる。

こちらが提示出来るメリットは『ガンダム』の技術しかない。

どうしたものか、とリニアシートに身体を預ける。
305 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:36:45.88 ID:YYlUTvbS0
どうするか悩んでいると、モニターに別のウインドウが展開される。

【提案。情報収集をさせるのはどうでしょうか?】

ふむ、とアルは腕を組む。

『ガンダム』の情報を保有しているのは『ガンダム』だけだ。

世界で利用されているデータベースと『ガンダム』が利用しているデータベースは別物で、テールら『ガンダム』のデータベースには、他の『ガンダム』の情報も保管されている。

逆に言えば、世界で利用されているデータベースに『ガンダム』の情報は存在しないのだ――。

――厳密には一部が存在しており、補充する必要がある武装のみがそれに当たる。

また、ガサランに搭載されている廉価版反重力システムは『ニュートン』を模倣したものであるが、『ニュートン』自身の情報は一切利用されていない――。

――直接見た科学者が自力で同じようなシステムを作ったものなので、厳密には模倣ではなく再現の方が正しいのだろうが、廉価版のため、悪いイメージがある模倣という表現を使った。

閑話休題(二回目)。

つまり、相手側に情報を手渡すのではなく、相手側を動かせることで情報を渡すのだ。

送られるデータよりも、自力で入手したデータの方が信頼性は高いだろう。

アルは、これ以上に有効的な代案を思いつかなかったため、テールの提案を採用する。

「…じゃあ、この『ガンダム』の調査をしていい、と言ったら?」

ピクリ、と女性の身体が動く。

「悪い話じゃないと思うぜ?都市で情報は集められてるだろうが、色々な『ガンダム』の情報が取れれば、それだけ他の奴らからイニシアティブが取れる」

『………』

女性が黙った。

そして、どこかに電話を掛けた後に返答する。

『…分かりました。輸送機の格納庫を開けてますので、移動をお願いします』

「交渉成立、だな」

『ああ、忘れていました。あなたの名前を教えていただけますか?』

「ん?俺はアルファルド。『アルファルド・スターリット』だ」

『スターリット…』

思い当たる節があるのか、意味あり気にアルの名を女性は呟く。

これ以上話す必要も無いのでアルは通信を切断し、静寂が広がったコックピット内で、アルは嬉し気に右手を握りしめた。
306 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:37:53.87 ID:YYlUTvbS0
『周囲に反応無し。発進の許可、出ました』

『了解。離陸を開始します。屋外の従業員は速やかに退避してください』

けたたましいサイレンが鳴り、地面に設置された滑走路灯に光が灯る。

管制塔の指示に従い、輸送機はエンジンの稼働率を上げる。

『3、2、1。発進、どうぞ』

そして、強烈なGが掛かる。

「ぐぅ…。こんな中で寝ていられるとか、お嬢様は流石だねぇ…」

しかめっ面のまま、独り言ちるアル。

その言葉は、誰にも聞かれることは無く。

テールがスリープモードに入ったためモニターも消え、コックピットは暗闇に包まれる。

念のためにハッチをロックし、そのまま眠りに付いた。

新たな街で何が待っているのか、心の底から楽しみにしながら。
307 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:38:39.12 ID:YYlUTvbS0
「スターリット…。聞いたことがある名ですね」

離陸から四時間後。

技術班から送られてきた書類に目を通しながら、女性は別のことで思考していた。

気になってしょうがない女性は、殉職者リストをチェックし、抽出を行う。

「…あった。やはり、軍人でしたか」

PC画面には、まだ年若い男女が映し出されている。

死亡時期は災害と一致しており、それぞれの殉職地は遠く離れていた。

「どちらも機体はワイルドハント…。皮肉ですね。名も知らぬ誰かを守るために、侵略者である機体を使ったなど」

殉職理由の欄に記載されているものに目を通して、苦笑する女性であった。

「…装甲の材質は今と変わっていないのですか。意外」

「しかし、武装が一癖も二癖もありますね。特に、主砲が特殊です」

トラップ・シューターの弾を解析するが、弾自体はただの榴弾だった――。

――榴弾と言っても、炸薬量が多く爆弾のようなものだったが。

しかし、主砲の機構が異常過ぎた。

異常過ぎるおかげで、主砲のデータを取ることが出来ないほどに。

「『ガンダム』…。どうして、過去の遺物にこのような技術が…」

開発者の意図が読めない女性は、諦めたように書類を机に置いた。
308 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:39:43.74 ID:YYlUTvbS0
更に三時間後。

ようやく、アルらは『ニュージュエラー』へと到着した。

「っはぁ〜!活気付いてるなぁ!こんな大きな都市に来たのは初めてだぜ!」

格納庫に運ばれたテールとは通信機を使ってやり取り出来る。

なので、心置きなく街に出ることが出来た。

――あの人たちは信用出来る。契約を反故にしなかった上に、補給もしてくれたからな。

コックピット内にずっといたことで、凝り固まった身体を伸ばして解しながらアルは思う――。

――補給したのは『Life or Death』に関わる機体だからに過ぎないのだが、その意図をアルは知らない。

「ディア。ぜーったいに、俺から離れるなよ?」

「…はい」

未だに落ち込んでいるディアだが、仕方がない、とアルも納得していた。

忌み嫌っていたとはいえ、父が、家族が死んだのだ。

一朝一夕で切り替えることは容易ではないことなど、アルも理解している。

「…まあ、俺はこの街に来たかっただけだし?ディアの好きにしていいぜ?」

「アルに一任します」

――せっかく気を遣ったのに…。だが、文句は言えねぇわな。

賑やかな大通りを見物しながら、アルはこれからの行動を考えた。
309 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 22:40:16.99 ID:YYlUTvbS0
行動安価です。↓2でお願いします。

1:やっぱこれだね、ニュジュエのカジノ。
2:腹が減っては戦は出来ぬ。飯にしようぞ。
3:基地とか見学したい…したくない…?
4:レディがいるならお買い物っしょ!
5:面白そうだしスラムに突撃あるのみ!
6:自由安価でごぜーますよ!番号を書かないでも大丈夫ですよ!
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 22:47:49.44 ID:xwMW2E990
2
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 22:48:30.03 ID:3kVmWjeQ0
4
312 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:17:33.22 ID:YYlUTvbS0
これからも落ち込んでもらっては困る、とアルはお嬢様の機嫌を直すことにした。

――ディアだって女だし、興味がないわけじゃないだろ。

「じゃあ、買い物でもするか。レーションを買うためにスーパー寄って、後は服とかアクセサリーとか…」

「………」

ピクリ、とディアが反応したのを、アルは見逃さなかった。

「偶には、同乗者さんを労わないとな?ってわけで、俺の奢りだ」

「いえ、私の方がお金を持ってますし…」

「拒否権は無し。断るんなら、旅はこれでおしまいだ」

「…分かりました」

渋々、といった感じで了承したディア。

その心は、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

対するアルは、女性が好きな物なんか分かるわけがないので、頭を悩ませていた。
313 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:18:23.11 ID:YYlUTvbS0
「飯はこんなもんだろ。次は、お嬢様の欲しいものを買う番だ。どこに行く?」

袋いっぱいに保存食を買い溜め、片手で持ちながらアルは問う。

「えっと…」

ディアは顎に手を当てて黙考した後おそるおそる、といった感じで口を開く。

「…差し出がましいようですが、服を色々と見たいですね」

「了解。では、参りましょうか。お嬢様」

その態度が気に障ったのか、不機嫌な顔をする。

「もう…。すぐに茶化すんですから…。…でも、ありがとうございます」

最後の呟きだけは、喧騒の中に溶けていった。

――どういたしまして。

それに応えたアルの呟きも、同じく消える。
314 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:19:31.04 ID:YYlUTvbS0
チンピラを片手間にあしらいながら、ブティックに辿り着いたアル一行。

到着した頃には、ディアも笑顔を浮かべていた。

「わぁ…!」

様々な装飾が施された服に、目を輝かせるディア。

「あー…。奢りとは言ったが、あまり高いのは勘弁な?俺が死ぬ」

「大丈夫ですわ。その辺りは弁えていますので」

「ならいいが…」

ウキウキしているのが一目で分かるほど、今のディアははしゃいでいる。

完全に、とはいかないがそれでも、充分なほどに精神状態は回復したようだ。

今回の行動が功を奏したことを嬉しく思ったアルだった。
315 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:21:14.58 ID:YYlUTvbS0
「…ん。分かった。今から戻る」

「っし。ディア、帰るぞ」

「分かりました」

沢山の荷物を抱えて、テールの元に戻ろうと踵を返す。

「んぶ!?」

「あら、ごめんなさい」

すると、女性にぶつかってしまった――。

――正確には、その女性の胸に。

「んー!んー!」

「ごめんなさいね。急に体が固まっちゃって」

すかさず女性はアルの頭を抱え込んで、胸から離さない。

ジタバタするアルを見て、ディアは怨嗟の声を漏らす。

「…私だって、それなりにはありますのよ…。アレですか?大きい方がいいのですか?大人の方が好きなのですか?」

言葉の割にオーラはどす黒いわけではなく、ぷんすか!という擬音が似合っていそうなディアを見て、楽しそうに女性は手を離す。

「ボーイフレンドをからかってごめんなさい。お嬢ちゃん」

「ボ、ボーイフ…!?」

「ないない。散々働かされてるんだぜ、俺」

慌てるディアと、冷静に否定するアル。

その対比がツボに嵌ったのか、女性は腹を抱えて笑う。

「あはははは!面白いわねぇ!あなたたち」

「…うん。ようやく決心が付いたわ。私も頑張らないと。…死にたくないし、殺したくないもの」

最後に小さく呟き、女性は去っていった。

その顔はどこか、哀しくも見えた。

「…何だったんだ」

「…ボーイフレンド…。アルが…?無…くはないですが…でも…」

「呟いてないで行くぞ」

ブツブツ、と呟くディアを片手で背負い、アルは歩いていく。

テールからの連絡に、内心頭を抱えながら。
316 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:22:16.98 ID:YYlUTvbS0
「はぁ…。どうして距離を取らないといけないかねぇ」

機体に戻り、最高速度で『ニュージュエラー』から離れる。

何となくだが分かる、これから始まることに警戒しながら。

【理由。都市から出てくる『ガンダム』たちへの対処のためです】

待機中にテールは、突然発信された電波を受信した。

その内容が、これから戦闘が始まる、とのことだったので至急、アルたちを呼び戻したのだ。

「そういえば、他の『ガンダム』の情報を見てないな。どれどれ…」

アルはデータベースにアクセスし、ガンダムパイロットの欄を確認する。

色々な人が映されていく中、見知った顔が表れた。

「…アル、この人って…」

「パイロットだったのか。…ってことは、これから戦り合うのは…!」

そう言うと同時に都市の防壁が開放されて、中から数機のMSが出てきた。

悪趣味な金色塗装のMSが三機。

そして『ガンダム』。

「護衛付きとか卑怯だなぁオイ…!」

『ごめんなさい。だけど、ルールに則ってるから…。そう文句は言わないでほしいわね』

「だよなぁ!」

『ガンダム』間連絡用回線でされた返答wp、アルは声を荒らげながらも肯定する。

実際、護衛機を付けてないアルが悪くもある――。

――彼のような風来坊に同行する人など、普通はいるわけがないのだが。

『Life or Death』は今、幕を開けた。
317 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:27:44.82 ID:YYlUTvbS0
直下コンマ判定です。ファンブルさえ起こさなければ大丈夫…なはず。

1:ファンブル。不味いですよ!
2〜4:失敗。大丈夫だ、問題ない。
5〜7:成功。ナカナカヤルジャナイ
8、9:クリティカル。次回判定時に補正+。
0:BGM【TRANS AM RAISER】
00:BGM【明鏡止水〜されどこの掌は烈火の如く】
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 23:28:23.94 ID:FV1bzBJF0
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 23:28:48.34 ID:usqvDgumO
てい
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 23:29:10.40 ID:32B3sbXj0
Oh…
321 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:40:13.62 ID:YYlUTvbS0
世界に生中継されているこの戦闘だが、大会というには味気ない。

実況がいるわけでも、解説がいるわけでもない――。

――色々なものの生き残りを懸けた戦いなので、華々しさなど不要なのだ。

あるのは、一定範囲を囲んだビームのバリアだけである。

「まずはこっちからだ」

遠距離から時雨を連射する。

ビームであるそれは、離れていても威力が高い。

ましてや、軽装甲の機体相手なら尚更だ。

『正確な射撃ね…。でも、これだけ離れていたら回避出来るわ』

『私が先頭に立ちます。姉さんとリアンは援護をお願い』

『ああ』

『わ、分かりました』

一機のウィルスタードを前衛に、その後ろに三機が並び、陣形を作る。

後衛はウィルスタード二機に挟まれ、サムサランが中央にいる形だ。

『…大丈夫。あれだけ頑張ったんだもの。訓練したんだもの。皆と一緒なら、大丈夫』

右腕のビーム砲に、粒子を充填する。

【ボクたちならやれるよ!ささ、張り切って行ってみよー!】

『…ええ。そうね…!』

そして、それをテールに向け、放った。
322 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:55:13.92 ID:YYlUTvbS0
【警告。サムサランがビームを発射して来ました。回避を】

「ああ!」

射撃を止め、砲塔を向けたまま下部のキャタピラを横に動かし、加速。

直後に、藍色のビームが先ほどいた場所を通り抜けた。

「おぉう…。実物はやっぱり違うな…」

ビームは障害物をすり抜け、遥か彼方の岩山に当たる前に霧散した。

「ってオイ。人体への影響は凄いんじゃなかったか」

モニターにポップアップする調査書。

そこには、霧散後はイオン化するので問題ない、と書かれていた。

「重金属イオンとか洒落にならねぇよ!」

問題ない?なわけ。

環境破壊がマッハですよマッハ。

「一発でも受けるわけにゃあいかねぇな…。当たったら死ぬ」

サムサランの挙動一つ一つを、アルは注意深く観察する。

【外れたね。じゃあ、一気に突っ込もう!】

『…それはダメね。いつトラップを仕込まれてるか分からない』

アルらが情報を見ているように、ハリティたちも情報を確認している。

そのため、テールの厄介さを知っている。

『この武器もあまり使いたくはないし…。どうしたものかしら…』

最善策が思い浮かばず、少し焦りを覚えたハリティたち。

その焦りは吉と出るか、凶と出るか。
323 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/15(月) 23:55:59.67 ID:YYlUTvbS0
直下コンマ判定です。条件は先ほどと同じです。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 23:57:14.29 ID:xNVZT+u30
325 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:02:34.41 ID:UcDcJIiE0
『当たれ!』

前衛のウィルスタードが、岩を遮蔽物に利用しながら接近してくる。

スナイパーライフルでの狙撃を織り交ぜての移動は、かなりの脅威になるだろう――。

――あくまで、一般兵を相手にした場合、だが。

気にも留めていないようにひらりひらり、と躱すアル。

追撃に発射したミサイルも、砲塔を向けて放たれた、ビームマシンガンとフィン・ファンネル(待機形態)に悉くを撃ち落とされる。

――まずは一つ。

迫り来るミサイルも、ライフルも、冷静にアルは対処していく。

『くっ…!接近すれば…!』

一発も当たらないのに痺れを切らした一人が、陣形から突出する。

『ダメ!前に出ないで!』

ハリティの制止も虚しく、護衛機はビーム・ナギナタを展開、急加速する。

「…前に出てくるから。だから死ぬんだ」

アルはフィン・ファンネルを二基射出、残りの六基を開口し、護衛機へと向ける。

――残念だがあんたは、もう逃げられない。
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:02:40.09 ID:sfAoIe920
そういや戦闘中ディアちゃんはどこに
327 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:06:19.44 ID:UcDcJIiE0
『情報通り…!』

「チィッ!」

護衛機はフィン・ファンネルに包囲される前に、岩を足場にして細かな方向転換を繰り返す。

パイロットへの負荷は大きいが、フィン・ファンネルのビームを被弾するよりはマシだった。

バルカンのように連射されるビームを、アルから向かって左に移動して回避する――。

――それが、命取りだった。

『が…!?あぁぁぁあ!』

回避している時に、足場にする場所をビームで撃ち抜かれた。

なので、脚部バーニアを使って滞空時間を伸ばそうとしたところ、それは襲った。

トラップ・シューター。

いつ撃たれたか、どこに撃たれたか、どこにあるのかすらも分からない、不可視の魔弾。

アルは既に仕込んでいたのだ。

ミサイルを迎撃した時に。

上半身からブスブス、と煙を出し、地面へとなだれ込むウィルスタード。

『熱…い…。だけ…ど…』

大火傷を負ったが、パイロットは存命している。

任務を全うしようと、焼け爛れた腕で操縦桿を握る。

それに呼応して、機体がゆっくりと動き出す。

だが――。

「悪く思うな。『Life or Death』…だろ?」

――戦意がある人を見逃すほど、アルは甘くはない。

無慈悲な光が、一つの命を燃やし尽くした。
328 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:07:26.45 ID:UcDcJIiE0
>>326、コックピット内で蹲ってます。外だと何されるか分からないからね、仕方ないね。

今回も直下コンマ判定です。条件は同じですが、補正値は+1されています。
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:15:06.47 ID:o0GqcyoK0
ほいな
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:15:37.73 ID:x8FJ3ahwO
高く
331 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:20:06.63 ID:UcDcJIiE0
『アニタッ!…おのれぇ!』

味方を墜とされたことが怒りとなり、それが行動に表れる。

MSはパイロットの精神状態を如実に反映する、いわば鏡のようなものだ。

陣形を維持こそしているが、その動きは直線的になっていた。

フィン・ファンネルによる牽制射撃を回避するが、ビームが脚や腕を掠める。

冷静な思考が出来なくなっている今では、回避だけで手一杯だった。

『クソ…!クソ!クソォッ!』

いいように弄ばれている。

その現実を認識するとともに、更なる怒りが募っていく。

『よくもアニタを…!私の妹をォ!』

フィン・ファンネルによる弾幕が薄くなったのを見るとすぐに、ウィルスタードはスナイパーライフルを連射する。

当たるわけがない、と分かっていながらも、撃たずにはいられなかった。

溢れんばかりに溜まった怒りがそうしろ、と囁くから。
332 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:21:39.76 ID:UcDcJIiE0
『沈め!沈めェ!』

我武者羅に放たれる武器の数々。

それが歴戦のエース――しかも彼女と違って冷静な――に当たるはずがない。

『熱くなったら相手の思うつぼよ!一回下がって…!』

『雑魚が口を出すなァッ!』

『ッ…!自分が弱いことくらい分かってるわよ…』

【ハリティを悪く言うなー!】

『仲間割れしないでくださいよぉ…』

残りの二機も援護するが、それで状況が好転するわけでもなく。

「…これで終わりだ」

サムサランのクラスター爆弾『グラウンド・ブレイカー』を時雨で全弾爆破させたのちに、銃口を機体群に向ける。

その目は、酷く冷え切っていた。

『ぐあっ!』

『きゃあぁぁ!』

ビームの雨が薄い装甲を穿ち、耐え切れなくなった部位が爆発する。

腕を、脚を失い、バランスを取れなくなったウィルスタード二機が倒れ伏す。

『腕をもがれようが…。心臓を貫かれようが…!貴様だけは私がぁ…!』

それでも、立ち上がる。

妹の仇を取るために、武器を取る。

『一刀必滅…!うおおぉぉぉぉ!』

ビーム・ナギナタを無事だった左手に構え、ありったけのバーニアを吹かして接近する。

「馬鹿が…!攻撃しないなら、撃たなかったのによぉ!」

反射的に撃たれたトラップ・シューターは、寸分違わずコックピットを貫いた。
333 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:25:38.83 ID:UcDcJIiE0
またもや直下コンマ判定です。補正値は+2に上昇しました(クリ二連続のため)。ハリティ一人になったため、条件変更です。

1:ファンブル。不味いですよ!
2、3:失敗。大丈夫だ、問題ない。
4〜7:成功。ナカナカヤルジャナイ
8、9:クリティカル。次回判定時に補正+。
0:ブシ仮面ラッシュ
00:どこからともなくスイカバーアタック
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 00:30:24.54 ID:x8FJ3ahwO
はい
335 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:37:46.57 ID:UcDcJIiE0
『あっ…。うぅ…』

残りのウィルスタードのパイロットは、被弾と倒れた時の衝撃で気絶した。

護衛機を片付けたアルは、視線をサムサランへと向ける。

「…で、まだやるのか?今降伏してくれれば、殺さずに済むんだが…」

『…出来ないわよ。私は都市を、皆の想いを背負ってる。だから、退くことだけは出来ない』

【ボクたちなら勝てるもん!トェーテン、オリジンの君にだって勝ってみせるから!】

何があっても、止める気は無いようだ。

――なら潰す。選んだのはあんたらだ。恨むなよ。

『ケラウノス…最大出力!』

右腕のビーム砲から、電撃が奔流となって押し寄せる。

しかし、こちらは戦車にして、戦車に非ず。

『ニュートン』を稼働させ、宙に舞う。

「さて…と。容赦しないから、な?」

トラップ・シューターの狙いは足元。

――まずは、機動力を奪わせてもらう。
336 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 00:50:51.61 ID:UcDcJIiE0
【不味い!一回下がって!】

『えっ?きゃあっ!』

サムサランの警告も虚しく、ハリティは被弾、脚部を損傷した。

【損壊率70%…!ヤバいよこれ。もう満足に動けない!】

『不可視の弾丸…。これほどまでに厄介…なのね…』

バランスを崩したサムサランは、左手で身体を支え、クラスター爆弾を発射する。

『地上にいる時より効果は薄いけど、何もしないよりはマシよ!』

「…そんなわけないだろ」

クラスター爆弾はその性質上、爆弾をばら撒くまでにある程度の高度を要求する。

そして、アルたちは今、宙にいる。

アルが取る行動など、一つしかなかった。

フィン・ファンネル(待機形態)を全てクラスター爆弾に向け、ビームを浴びせる。

すると、クラスター爆弾は分解されることなく、爆散した。

『っ!なら、次はマウジャを…』

銃口をテールに向けようとする刹那、ビームの雨が右腕を撃ち抜いた。

『いやぁぁぁぁ!?』

【ごめんハリティ!ちょっと機体を動かすよ!】

右腕が吹き飛んだ衝撃で、サムサランは宙に浮く。

同時に『ブリッツ』を投擲し、バーニアを吹かす。

左腕でメインカメラを隠すと、辺りが閃光に包まれた。
337 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 01:00:55.04 ID:UcDcJIiE0
「くっ…。目眩ましか。テール、回復までに何秒掛かる?」

【計算。…あと10秒ほど必要ですね】

「この土壇場で使ってきた、か。武器は殆ど潰したが…いや、まだあったか」

アルは思考を巡らせる。

この状況でクラスター爆弾を撃っては来ないだろう。

かといって、腕部のビーム砲は完全に使えない。

となると、残っている武装は。

「テール、回復させる前に動かすぞ」

【了解。稼働率を上昇させます】

テールが後ろへと下がった瞬間、小さなビームが元いた場所を撃ち抜いた。

「…残念だったな。あんたの力じゃ、届かない」

とどめを刺すために、アルはフィン・ファンネル全基射出した。
338 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 01:11:44.57 ID:UcDcJIiE0
【あっはは…。避けられた…かぁ…】

最後の切り札。

ツインアイ内蔵型小口径ビーム砲『カルナ』は、何もない空へと飛んで行った。

先ほどのように、こちらが情報を知っている以上、相手も情報を知っているいて当然だった。

つまり、あの状況で使える武器はこれしかない、と最初から教えているようなものだったのだ。

【そりゃ、当たるわけないよね。ボクたちの負け、だね】

『…ええ』

機体を包囲するフィン・ファンネル。

試合の決着の付け方は単純。

『ガンダム』の中枢部――つまり人格を搭載しているガンダムフェイス――を破壊することだ。

つまり、殺す必要は無いのだが、そんな余裕を見せるわけがないので基本、どちらかが死ぬ。

それ故に、あのような大会名になっているのだ――。

――どちらかの人格が、少なくとも一つの『ガンダム』が死ぬことは確定しているから、でもあるのだが。

「…どうしたらいいかな。このまま機体を消し飛ばすか、メインカメラだけ破壊するか」

抵抗出来ない状態に陥ったサムサランをどうするか、それはアルの自由だ。

抵抗できないなら、命を奪う必要も無い。

だが、何もされない、という保証もない。

【譲渡。それを決めるのはアルです。ご自由にどうぞ】

「…そうかい」

――さて、殺すべきか、生かすべきか。
339 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 01:13:11.48 ID:UcDcJIiE0
↓1〜3までに、ハリティを生かすかどうかをお願いします。また、お供のウィルスタードパイロットをどうするかを↓4で決めます。
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 01:16:43.35 ID:x8FJ3ahwO
生かす
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 01:23:30.34 ID:RJbyfT+TO
生かす
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 01:23:41.92 ID:7qvR6yYyO
生かす
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 01:23:54.32 ID:gfvU857CO
生かす
344 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 01:37:13.08 ID:UcDcJIiE0
「…まあ、必要も無いのに殺すことはないだろ」

回線を開き、パイロットと話が出来るようにする。

「ハリティ…さんでいいよな。今からメインカメラを破壊するから、そこから出てくれ」

『…嫌よ。こうなったら、最期までこの子の傍にいるわ』

「死んだら意味ないだろうが…!」

『それでもよ!それでも…一人で逝くなんて…寂しいじゃない…!』

彼女もアルと同じく、長い時間を共に過ごしてきた。

だから、無邪気なこの子と離れたくないのだろう。

――なら、その意思を尊重する、か。

「絶対にコックピットから出るなよ。メインカメラだけを破壊する」

『…どうしても殺したくない、と?』

「そりゃあな。好きで殺してるわけじゃないし」

「俺が頑張ることで、救われる命があるなら救うさ。守るさ」

アルの言葉を聞いて、ハリティは黙る。

彼も必死に生きてきただけなのだ。

仲間を奪った彼が憎いが、これは試合であって死合でもある。

こちらも――厳密には仲間が――殺す気で行ったのだから文句は言えない。

【ハリティ…。聞こえる…?】

『ッ!?ラン、どうしたの!?』

【良かったぁ。聞こえてるんだね】

回線越しに聞こえる子供の声。

安堵しているような声色が、アルの精神を摩耗させる。
345 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 01:50:31.39 ID:UcDcJIiE0
【ボク…。ボク自身が嫌だったんだ。誰かに求められて造られたわけじゃない】

【…ううん。ボクは求められてた。『ガンダム』のボクが】

【だけど、ボクそのものは求められてなかった】

サムサランが開発されたのは、一人の富豪の私欲を満たすため、ただそれだけだった。

富豪が欲しかったのは『ガンダム』であって、サムサランが欲しかったわけではない。

【…けどねハリティ。君は、ボクを見てくれた。『ガンダム』じゃない、ボクそのものを】

【もう、ボクはダメだから。壊れちゃう前に言うね】

音声にノイズが走っていく。

中枢部が限界に近付いているのだろう。

【ボクは、そんなハリティが大好きだよ!だから、生きて!】

【大好きなハリティが生きてることが、ボクの願いだから!】

「…すまん。介錯を…させてもらう…」

フィン・ファンネルから放たれたビームが、正確に中枢部だけを撃ち抜いた。

『ラン…!ラン!あぁ…。あぁぁぁぁぁ…!』

光が消えたコックピットの中で、ハリティはただ、泣き続けた。

己の無力さが、大切な人を殺したことを嘆きながら。

「………」

――最低だな。俺は。

そしてアルは、今まで命を奪ったことに対する自己嫌悪に陥っていた――。

――今回のことが、明確に殺めている事実を突きつけたからだ。

一人は嘆き、一人は悔やみ。

一つの死合は、幕を閉じた。
346 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/16(火) 02:17:33.36 ID:UcDcJIiE0
ちょこちょこ誤字してるの恥ずかしい…。脳内変換をお願いします。ちゃんとウィルスタードのパイロットも一人は生きてますよ。ええ。

次回の主役はレイベルです(確定事項)。こちらもガンダム戦ですが、こっちはオートで進めます。設定もこちらでやっておきます。

安価をすることは無いと思いますが、ご了承ください。また投稿するまでにお時間をいただきたく…。お疲れ様でした。

オマケと言っては何ですが、某2VS2の世紀末ゲームっぽい感じの情報を投下しておきます。ガバガバです。


【トェーテン・ビーネンコルプ】

【パイロット】アルファルド・スターリット&ディア・エニシ&テール

【COST】2500

【耐久力】640

【変形】×

【換装】○

【各種武装】

射撃 トラップ・シューター 5発/10秒 弾頭50/爆風20ダメージ ダウン値弾2.0/爆0.5 不可視

射撃CS トラップ・シューター(設置) 3発/5秒 爆風80ダメージ ダウン値2.0 不可視弾のトラップ 味方は見える 一定距離移動後固定

格闘 フィン・ファンネル(待機形態) 400発/5秒40発 1ダメージ ダウン値0.05 24発よろけ バルカン的な

格闘CS ヤタガラス・システム 100カウント/リロード無し 1秒10カウント消費 赤ロック無限 誘導切り無視 誘導強化 被ダメ2倍

サブ射撃 時雨(移動撃ち) 2回/15秒 一発12ダメージを10連射×2 ダウン値0.25 4発よろけ サイコザクのあの機動 開始時に誘導切り

特殊射撃 フィン・ファンネル(展開) 3回/20秒 一発20ダメージを8連射 ダウン値0.5 4発よろけ もう一度同じコマンドで発射

方向入れ特殊射撃 フィン・ファンネル(包囲) 上とだいたい同じ 包囲して射撃 弾数は共有でサバーニャ方式

特殊格闘 ニュートン最大稼働 100カウント/30秒 CT10秒 1秒5カウント消費 BG消費半減 BG消費無しでレバー方向に移動 5カウント消費

BA 全弾発射 ユニコーン的な感じ ダメ設定めんどい
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 05:22:47.19 ID:IIyDq++50
乙です
次も楽しみにしてますわね。

弾幕はってチマチマダメージ稼ぐ感じの機体かな?
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 05:25:18.56 ID:TGDMBg4n0
オツカレサマデシタ!
ハイクを詠んだからカイシャクされた。マッポーの世なら致し方なし
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 08:04:59.74 ID:wgcBJNUs0
悲しい、な。だが、これがガンダムってものだったか……
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 22:46:04.96 ID:3+6zxwHP0
まぁ恨まれるにしても、殺して恨むヤツが一気に増えるより、生かしたヤツらだけに恨まれてた方が痛みは少ないと思いたい
351 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/17(水) 20:17:35.17 ID:yXNaqNWOO
突然すみません。次のお話では安価は無いと言っていましたが、安価は2つあります(ガバ)。

内容は『サムサランをどうするか』と『これからどうするか(どんな行動を主軸にするか)』です。

サムサランの現状と加入するキャラのまとめは後ほど投下します。
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 20:29:51.88 ID:xUmqpJ0i0
おk 楽しみ
353 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/01/18(木) 00:32:22.27 ID:NWoLsXP3O
はい。落ち着いてきたので、まとめ等々を投下しておきます。

質問等がありましたらご一報を。問題ない範囲で返答したいと思います。

【サムサランの状態】

右腕のビーム砲損壊及びメインカメラ(中枢部)損壊、脚部損傷。武装と脚部は修理、補給可能。

中枢部は他の機体のもので代用出来るが、ガンダムタイプのものじゃない場合は性能が著しく落ちる(中枢部の性能差のため)。

また、テールの中枢部を移植すればそのまま使用可能。テールの武装を取り付けることも出来る。強化プランとしても使えるネ!逆も然り。

基地(または都市)で補給出来るMS関係のものは、中枢部以外の部品(武装も含む)、弾薬、燃料の3種類。金は要らないので気にすんな!

新メンバー

【名前】リアン・アルベール

【性別】女

【年齢】16歳

【外見】フランス系の外見。オドオドしてる。

【戦闘力】一般兵レベル。叩けば伸びるかも?

【来歴】

災害によって一族、友達、その他諸々を全て喪った少女。

ハリティと出会うまでに色々あったため、とあるトラウマを持っており、刺激されたらパニックになる。

性格は非常に心優しく、争い事を好まない。だが、恩を返すため、見捨てられないためならなんでもする一面もある。今回戦ったのもそのため。

ずっと孤独に苛まされていたため、依存性が高い。ヤンデレにはならないはず。たぶんきっとメイビー。

得意なのは牽制と料理。彼女の手に掛かれば、ただの保存食もクソヤバいほどに美味くなるのだ(語彙力不足)。
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 12:07:57.26 ID:hPTQvUWoO
サムサランベースにテールの武装全部乗せというロマンも可能ってこと?
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 16:25:43.34 ID:+S6Ruw8v0
サムサランベースにすると踏み潰すこうげきが出来なくなりそう
356 : ◆Ljj.rtZBFM [sage]:2018/01/18(木) 19:31:14.14 ID:NWoLsXP3O
>>354、可能ではありますが、フルウェポン化させる時は判定が発生します。失敗したらダイジョーブ博士のアレ的な感じに。

>>355、エクシアの某配管工風ジャンプは使えるのでモーマンタイ。

テールの主砲はギラ・ズールのランゲ・ブルーノ砲のように装着型のアタッチメントになります。

マシンガンは普通に手持ち式、FFはラックを改修して腰部や背部とかに取り付ける感じですかね。
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:56:10.70 ID:QgL35qQm0
>>353の「金は要らないので〜」を「金(きん)は要らないので〜」と読んでしまい、テールも金ピカにする気か!?と一瞬思ってしまった
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/02(金) 01:11:16.53 ID:1Ts/N0+60
もうエタるのか残念だ
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/02(金) 14:42:28.91 ID:Gz4Ap7VD0
エタった?
360 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/03(土) 00:00:46.30 ID:c+n49wn0O
エタってないですよぅ…。リアル多忙につき、書き溜めが全然出来ておりませぬ…。

アニメみたいに毎週投下したかったんですが…。悔しい…。まだ当分忙しいので、気長に待っていただけたら…と…。申し訳ない…。
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 00:54:51.82 ID:c/ElXBLH0
了解
気長に待つよ
リアル大事だからね
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/03(土) 09:28:30.86 ID:d1reOn8eo
体壊さんでな、まってるから
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/04(日) 15:47:50.40 ID:mdVjAKgK0
ゆっくりで大丈夫だよ 失踪とかじゃなくて安心した
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/16(金) 21:57:20.46 ID:8TU1yBiQ0
保守よ!
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 05:05:50.58 ID:Uo1QjpH40
わたし、待つわ
いつまでも、待つわ
366 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/26(月) 15:08:00.65 ID:uuxOsB14O
やっと第4話完成&休みを貰えたので初投稿です。すっごいきつかったゾ…。

明日の昼開始予定です。大変遅れてすみません!許してください!何でも島村卯月。
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/26(月) 17:44:50.61 ID:E+5xP66h0
遂にきたか!この時が!
貴方のガンダムを読んで
この僅かな我慢をぬぐい去り
投稿出来なかった期間が企業の仕組んだ卑劣な罠だったと証明し
私は完全なる満足を得るのだ!
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/02/27(火) 03:07:55.90 ID:ppy/k9M4O
まってたぜぇ!
369 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/27(火) 17:22:07.06 ID:QtotTEsA0
昼…昼って何だっけ(痴呆)。すみません寝過ごしてました。修正しながらなので、投稿が遅くなることがあります。

あと、安価が一つ増えますがご了承ください。
370 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/27(火) 17:23:11.32 ID:QtotTEsA0
機動戦士ガンダムLoD 第四話


          ――自由――
371 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/27(火) 17:23:50.47 ID:QtotTEsA0
戦闘が終わり、バリアが解ける。

「…胸糞悪いな。この大会」

心中を吐露するアル。

今回の戦闘は、いつにも増して精神的な負担が大きかった。

いくら歴戦のエースとはいえ、未だに二十歳を超えていないのだ。

精神はまだ未熟なのだから、無理もない。

「アル…。あの方たち、どうしますの…?」

ディアの問いにアルは答えない――。

――答える気力が無い、と言った方が正しいか。

終始無言のアルを、ただじっと見つめる。

数分後、アルはハッチを開け、外を見る。

「…もうすぐ夜になる。その前にどこかで休まないとな」

その言葉は誰に向けているのか。

本人すらも、それは分からない。

重い腰を上げ、バールを片手にアルは残骸へと向かった。
372 : ◆Ljj.rtZBFM [saga]:2018/02/27(火) 17:24:53.55 ID:QtotTEsA0
「…おーい、生きてるか?」

ウィルスタードのハッチをバールで軽く叩く。

『う…。あぅ…』

「生きてるみたいだな。ハッチは大丈夫か?無理ならこじ開けるが」

呻き声が聞こえたのなら、命に問題はないと思いたい。

次の返事を待つが、その返事がなかなか来ない。

「…仕方ない。ちょっとうるさくなるが我慢してくれ」

両手でバールを振り上げたその時、後頭部に銃口が突き付けられる。

「やめてあげて。リアンのトラウマが刺激されるから」

「…それよりも、俺を撃った方がいいんじゃないか?そうすりゃ、敵討ちが出来るぞ」

出来るかどうかは別にして、と付け加える。

震える手を押さえ、引き金に指を掛ける。

だが、引けない、引きたくない。

仲間を奪った男が目の前にいるのに、絶好のチャンスを掴めない。

「…まあ、無理だよな。俺を撃ったところで、状況は変わらない」

「あんたたちが敗北した事実は不変だ。戻ったところで、いいことは無いだろう」

「…それでも、仇を取ることくらいは」

「じゃあ、何で引き金を引かないんだ?それだけで終わる、簡単なことなのに」

「…ッ」

ハリティは言葉に詰まる。

認めたくない事実を、年下の少年に突き付けられたから。
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