偽勇者「魔王の孫?」孫「助けて勇者様!」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/06(土) 02:34:38.19 ID:JfVHw4MkO
勇者とはその時代ごとの騎士の最高位でありどの国にも属さず、魔王が現れれば各国を束ね討伐軍を指揮する者のことだ。

そして俺がなる事できなかった存在だ。

勇者になる為の試験に合格できなかった俺は故郷にも帰らず、詐欺師のような事をしながら暮らしていた。

商人「お急ぎではない方!暇な方!寄ってらっしゃい!見てらっしゃい!ここには有るはかつて先代勇者様所縁の伝説級の一品達!魔物狩りに使うもよし!家宝にするもよし!お買い得だよ!」

町人A「本当か?偽物じゃないのか?」

商人「本当です!それに今日は特別に当代の勇者様が武具の切れ味、性能を披露してくださるのでごゆっくり見学なさってください!」

町人A「ゆ、勇者様がこの場に…それはすごい」

偽勇者「お、俺が勇者だ!い、今からこの剣を使って演武する!はぁ!」

掛け声をと共に俺は武の型を披露する。

美しく力強い演武は偽物を本物だと思わせるほど観衆を魅了していた。

当たり前だ勇者になる為に全てを捨てて修行して来たのだから。

だから詐欺師のような事をしてる自分が情けない。

型を一通り披露した俺は観衆に一礼し、商人の後ろに下がった。

後は商人が口八丁でなんとかするだろう。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515173678
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 02:57:52.96 ID:iNoN9gyA0
期待
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/07(日) 18:23:20.61 ID:WgNQwM5nO
はよ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age sage]:2018/01/09(火) 00:19:57.17 ID:1tK8hTlkO
と思っていたがどうやら今回はうまくいきそうにないみたいだ。

町人B「待てよ?本当にそいつ勇者様か?確かに動きはすごかったけどよ、当代の勇者様は女って話だぜ?」

町人A「え!じゃあ俺たち騙されてんのか?ふざけんなよ」

孫「……」

町人C「行こうぜー平和な時代だから武器なんて必要ないし」

商人「ああ…待ってください!話だけでも!行かないでください!今月ほんと厳しいんです!」

商人「……」

偽勇者「確かに平和な時代だから武器なんて必要ない、売れなくても仕方ないさ」

偽勇者「それに先代勇者所縁の品なんて嘘つかずに普通に売った方が売れるんじゃないか?」

商人「黙れ…!先代勇者が一度は手に触れた武器だ嘘は言ってない」

商人「それに平和な時代なんだ…色々と試行錯誤しないと武器なんて売れないよ」

商人「それに君の存在意義がなくなるじゃ無いか?君は僕に借金をしているから商売に協力させているんだ、普通に売ってたら君なんていらないんだよ」

偽勇者「……」

商人「当代の勇者様が女なら、いっそのこと君の男根切り落とすか?そしたら武器とか売れると思うんだけど?」

偽勇者「わかったよ!今まで通りにするから怖いこと言わないでくれ」

偽勇者「ん?」

孫「……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/13(土) 21:15:06.49 ID:s2LuuBgyO
孫「ジー」

商人「うぅ〜勇者が女の子だなんて…これからどうやって武器を売ればいいんだ…やっぱりちんこを切り落として女装させるしか…」

偽勇者「お〜い!お客さんだ」

商人「ん?」

孫「こんにちわー」

商人「こんにちわ、今日は街でおつかいですか?」

孫「ううん、お客さんです!」

商人「お客さん?ここにはお嬢ちゃんの欲しがるようなものは売っていないよ」

孫「勇者様に用があるの!私を助けてほしい」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/13(土) 21:15:34.71 ID:s2LuuBgyO
偽勇者「俺?いや!お嬢ちゃん!さっき町人達が言ってたこと聞いてないのかい?俺は別に勇者じゃないよ」

孫「ううん!あなたは勇者様よ!私にはわかるわ」

偽勇者(わーすごい目をキラキラさせてるな勇者じゃないと言いにくいな、でも言わないとな)

偽勇者「だからね、お嬢ちゃん俺たちは武器を売るために嘘をついてたんだよ」

孫「フフン!それ嘘でしょ!私にはあなたが勇者様だと言う証拠があるわ!ほらこれ!」

偽勇者「あ……これは」

少女が俺に差し出したのは今一番見たくないものだった。

架空の勇者が世界を救う王道の物語が書かれた絵本だ。

そして俺の夢の始まりだ。

この絵本に描かれた勇者に俺は憧れたのだ。

だから夢に敗れた俺はこの絵本を見たくなかった。

偽勇者「ああ…まだ出版されてたのか、これ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/14(日) 21:56:52.61 ID:tEtO5hm8O
孫「だって!この絵本の勇者様と貴方の格好そっくりですもの!」

そっくりなのはその絵本の勇者の格好を真似たからだ。

俺は勇者ではない嘘つきの卑怯者なのだ。

偽勇者「お嬢ちゃんこの絵本はフィクションでほんとじゃないん」

ーバチン!

偽勇者「痛い!なにするんだ!」

商人「ゴメンね〜このお兄ちゃんが酷い事言って…でも安心してね!このお兄ちゃんほんとに勇者様だから!」

孫「だよね!勇者様だよね!」

偽勇者「おい!嘘ついてもしょうがないだろ!」

商人「…チッ!ゴメンね!お嬢ちゃん裏で勇者様とお話しがあるから少し待っててね!」

孫「うん!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/14(日) 21:57:27.92 ID:tEtO5hm8O
ー店の裏ー

偽勇者「俺は別に話すことなんてないぞ」

商人「…偽勇者くん!」

偽勇者「なんだよ…」

商人「…わかるかい!君!子供は可愛いだよ!子供は宝なんだよ!子供は尊いだよ!」

商人「こんな目をキラキラさせた子に!君を勇者だと信じている子に!君が勇者じゃないとは言えないだろ!」

偽勇者「お前子供好きなのか?」

商人「そうだよ!小さい子が大好きなのさ!」

商人「でも恋愛対象とかそう言うんじゃないからね!」

商人「いいかい?嘘をつき通すんだよ!どうせ子供のお願い事なんだ!そう大したものじゃないよ」

偽勇者「そう大したものじゃないって他人事だから言えるんだよ…」

商人「わかったかい!!!」

偽勇者「わかった!わかった!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/15(月) 00:10:51.09 ID:kiM8u6B1O
ー食堂居酒屋ー

商人「それでお嬢ちゃんのお願い事ってなにかな?」

孫「私を西の都まで護衛して欲しいの!」

偽勇者「西の都だと!!」

商人「こりゃ物凄く遠いね…道中は野生の魔物もいるだろうし…大変だ」

偽勇者「何が大したことないだよ…恨むぜ」

偽勇者「でもなんで西の都なんだ?終戦したとはいえあそこはまだ平定されていないから魔族がウヨウヨいるぞ」

孫「私は実は魔族と人間のハーフなのです」

偽勇者「ハーフ?どう見たって人間じゃないか」

商人「そうだね?魔族とのハーフぱ必ず身体的特徴が現れるはずだけど…例えば肌の色とかね」

商人「でも君は私が羨ましいと思うほど真っ白な肌とすらっとした体…魔族の猛々しさがどこにもないじゃないか?」

孫「はい…私は1/4しか魔族の血を継いでないので身体的特徴が少ないんです、ほぼ人間と変わりません」

孫「頭のてっぺんに小さなツノが生えてるくらいです」

少女は顔を赤らめた。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2018/01/15(月) 00:11:44.40 ID:kiM8u6B1O
偽勇者「でもなんで西の都に?ほぼ人である君じゃ危険じゃないか?」

孫「それは…私の生い立ち深く関係することです」

孫「私が物心ついた頃には既に血の繋がった家族は皆死んでいると育ての親に教えられました」

孫「私はずっと天涯孤独だと思っていました」

孫「でも最近になって育ての親が教えてくれたのです血を分けた兄がいる事を!」

孫「兄は人としてではなく魔族として生きようと西の都に旅に出たと教えられました」

孫「私は天涯孤独じゃないと証明したい!血の繋がった唯一の兄と会いたいのです!」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/15(月) 00:13:22.40 ID:kiM8u6B1O
孫だとなんか変だと感じたので名前の安価を取ります

協力お願いします

安価下2
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/15(月) 02:52:35.60 ID:VQJ5M9wA0
子糸
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