偽勇者「魔王の孫?」孫「助けて勇者様!」

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145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/07(金) 23:21:52.98 ID:W6h0gFoFO
側近「…戦う前に一度聞いておきたい…我ら魔族の味方にならないか?」

偽勇者「……」

側近「聖剣も失われ…姫様も魔王様の元にいる…人間に勝ち目はない…」

側近「私も命を救ってくれた恩人を殺したくはない…姫様も慕っている…お前の腕前ならば高い地位を頂けるだろう…どうだ」

偽勇者「だが残念だったな…お前は俺を殺せるつもりでいるみたいだがお前に俺は殺せねえよ…なんたって可愛い女の子達が俺を信じてくれているからな」

偽勇者「…お前こそ、もう一度俺の仲間にならないか…?」

偽勇者「一緒にカナを守ろう」

側近「…っ!」

偽勇者「…カナのお兄さんについて行かず、側近はカナをずっと守っていたんだろう…だったら…!今度も!」

側近「…ふざけるな!個々の力に限界があるのだ!私は思い知らされてきた」

側近「確かに…戦争の道具に使われるのは姫様の本意ではない!しかしだ!たった2人で守るよりは魔王軍が守るほうが安全だ!」

側近「私はずっと愚行を繰り返していたのだ…その私にまた愚行を犯せと言うのか!!!」

偽勇者「そうだ!…それにそれはカナのお前の主君が望んだことだ!」

側近「…グッ!貴様はその心をへし折ってから殺す!」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/07(金) 23:28:18.56 ID:W6h0gFoFO
新魔王城

魔王「…はぁはぁ!クソ!あんな戦いで俺の腕が切り落とされるとは…無様だ!」


魔王は傷口を抑えていた。

切られた腕の筋肉で閉じさらに上から手で押さえている。

魔王の鱗は魔翌力を無力化する回復魔法も無力化してしまうから傷口が自然に閉じるのを待つしかないのだ。

普通…魔王の身体に刃が通ることはない…それ程…強靭なのだが流石に空から降ってくることは想定外だ。

鱗のない掌、口内 から魔翌力を扱うことは出来るのに回復魔法は鱗に阻まれる…本当に難儀な身体だ。

魔王「…ふ、ふう」

カナ「……腕、痛むんですか?」

魔王「……うるさい貴様には関係のない事だ!」

カナ「回復魔法をかける部下は居ないんですか?」

魔王「うるさいと言っているだろう!」

カナ「それじゃあ…感染症になりますよ…回復魔法…!」

魔王「な…!」

魔法の力により腕が再生する…。

魔王の身体は外からの魔法を無力化するにも関わらず、その魔王の身体に魔法で干渉しているのだ…この少女は。

魔王にはそれが恐ろしくて堪らなかった。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/08(土) 02:44:08.42 ID:oqWuWwxDO

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148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/08(土) 02:55:25.78 ID:rO5gNNYdO
いつもsagaを教えてくださりありがとうございます

いつも忘れてしまうんです面目無い。
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:12:53.61 ID:nvqMIP1JO
団長「くそ…こんな所で…!」

魔物達「「グロロロ!」」

左翼は壊滅し中央も指揮官が地べたに這いずり戦う始末。

軍は混乱し建て直すものはいない。

この戦いは人間の敗北だろう。

全滅という最悪の結果で負ける。

新しく軍を再編するにもそれなりに時間がかかる。

団長「我々の負けか…」

魔物「キシャアアアア!」

魔物の爪が迫っていたが反応できなかった。

いや反応しようとしなかった…もう諦めていたのだ。

魔物「……ガッ?」

…ドサッ!

兵士「…勝手に諦めないでください…団長まだ終わってないですよ…」

団長を襲う魔物は兵士が斬り伏せた。

団長「しかし…この状況では…!」

兵士B「兵士!」

兵士「戻って来たか!右翼はどうだった!」

兵士B「団長…!右翼は未だ健在です激しく抵抗しています!勇者様が直接指揮を取るようです!」

団長「勇者様が!魔王城に居たのでは?まさかあの数を単騎で抜けて来たのか!」

兵士「団長…どうです!勝つことはできなくとも撤退する位なら出来そうですよ!」

団長「そうか…まだ」

団長「…」

団長「…よし!中央軍は右翼と合流させ…勇者の指揮下に入る」

団長「兵士…!俺は中央軍の有志を率いて壊滅した左翼の生き残りを掻き集め建て直す…そして殿を務めよう」

兵士「なっ!団長が殿をする必要はありません…私が!」

団長「…兵士!貴様が我が軍団で一番優秀な男だ…それに若いまだまだ国の為に働いてもらわないとなぁ」

団長「もう助からん左翼と心中するのは老兵だけでいい」

兵士「わかりました…」

団長「これ渡そう!」

兵士「これは…階級章ではないですか!」

団長「正式な昇任ではないが…ただの兵士に軍は動かせないからな…勇者と共に脱出しろ」

兵士「わかりました…団長代理として務めを果たします!」

団長「少しでも多くの味方を戦場から脱出させる!」

この戦いは後に魔王城の戦いと呼ばれる。

転移魔法により完全なる魔王軍の包囲が人間の軍を全滅まで追い込む。

だが、中央軍が右翼と合流したことと勇者が指揮をし、さらに死にかけた左翼が殿を務めることで撤退に成功する。

だが追撃はもちろんあり…魔王城に参陣した軍の半分は消失した。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/06/09(日) 02:38:53.80 ID:nvqMIP1JO
魔王城 処刑場

側近「中級火炎魔法?中級風魔法!」

凄まじいスピードと勢いで膨張する炎が迫る。

逃げ場をなくして一気に決着を付けるつもりだろう。

偽勇者「逃げ場がないなら突っ込んでやるさ!」

偽勇者「加速!?下級風魔法!」

身体灼き焦げる前に炎の中を突き抜け…側近に攻撃する 。

かなり無茶だがこれくらいのレベルの差がある。

無茶をしなければ倒せないならするのみだ。

風魔法を防具の様に身体にまとわりつかせる。

これで少しは熱を弾くはずだ。

偽勇者「うおおおお!」

側近(この広範囲の攻撃…避けるには上に飛ぶしかない!上に飛んで身動きが取れなくなった瞬間もっと強力なものを打ち込んでやる)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 08:49:47.78 ID:nvqMIP1JO
?


+
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/09(日) 08:53:28.19 ID:nvqMIP1JO
訂正

側近「中級火炎魔法?中級風魔法!」

側近「中級火炎魔法+中級風魔法!」

偽勇者「加速!?下級風魔法!」

偽勇者「加速!+下級風魔法!」

+が何故か?になっていたので訂正です
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/10(月) 00:48:04.33 ID:QpCimaKDO

?になるのは機種に因るから無視した方が無難かも
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