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ドラえもん「ダンガンロンパ?」

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509 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 01:44:59.80 ID:68pnE71g0

ジェノ「あれはもはや現象としか言えねえな……。突然世界的に発生したテロ。
     政府が対処するより早く感染症みたいに広がって連鎖していった」

ジェノ「気付いた時にはもうどうしようもならなくなってたから、あたしらはこの学園を
     シェルターにして絶望が落ち着くまで避難することにしたってワケ」

「シェルター?」

江ノ島「希望ヶ峰学園シェルター計画。あーあ、ちゃんと学園内にヒント置いといたのになー。
     ま、いいや。答えの方を見せてあげる。ぜーんぶここに書いてあるから」


江ノ島はファイルを中央に放り、モニターにその中身が映し出される。


大神「学園長主導で世界の希望である超高校級の生徒を守ろうとしていたのか……」

大和田「おいおい……どういうことだよ。まさか窓をふさいでる鉄板とかボルトは……」

江ノ島「あんたらが自分でやったのよ。外の暴徒達から身を守るためにね」

石丸「だ、だから全て内側から締められていたというのか?!」

山田「慌てて締めたから、規格も場所もめちゃくちゃだったということですか?!」

江ノ島「そ。答えがわかると案外簡単でしょ?」

桑田「なんで知ってたのに黙ってたんだよ、ジェノサイダー!」

ジェノ「いや、そもそもアタシおめえらが記憶喪失なんて知らなかったし」

ドラえもん「あ、じゃあ大事なことは話したしそろそろ腐川さんに戻ってもらえる?」

ジェノ「ああん? なんで? 折角出てきたんだぞ?」

のび太(だってこのまま話がすすんじゃうと腐川さんがかわいそうだから……)

510 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 01:52:57.38 ID:68pnE71g0

ドラえもん「今すごく大事な話をしているから、ね?」

ジェノ「冗談じゃねえ! アタシだけ仲間外れとか許さね……」

十神「……いいから戻れ」

ジェノ「アッハイ」クシュン

ドラえもん・のび太(この人の言うことは素直にきくんだよな……)

腐川「え? 何? 今なにを話してる最中?」

ドラえもん「ええっとねえ……」カクカクシカジカ

不二咲「……あれ?」

セレス「どうかしましたか?」

不二咲「ここに学園長の名前が書いてあるんだけど……霧切、仁?」

「!!」

苗木「霧切さん……?」

十神「説明してもらおうか?」


霧切は一瞬だけ目を伏せてから答えた。


霧切「――父よ」

朝日奈「霧切ちゃんのお父さん、学園長だったんだ……」

大神「そうか……」

霧切「父は、今どこに?」

江ノ島「もう予想付いてるんじゃないの? ほら、教えてあげなよ」ニタァ

511 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 02:06:57.46 ID:68pnE71g0

のび太「その……」

のび太(なんていえばいいんだろう……)

ドラえもん「お父さんは……お亡くなりに……」

霧切「……そう」

苗木「霧切さん……」

江ノ島「あ、遺言代わりと言っちゃなんだけどビデオあるから見る?」


モニターには、在りし日の仁が生徒達と面談をしている映像が映し出された。


仁『君達はもう二度とここから出ることは出来ないかもしれない。それでも構わないか?』

苗木『はい。世界がこんな状況ですから』

             ・
             ・
             ・

舞園『わかりました。いつか世界が落ち着いた時、皆さんを勇気づけなければならないですしね……』

             ・
             ・
             ・

十神『やむを得んな……』


「……………………」


生徒達は食い入るように映像を見つめている。

512 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 02:15:26.13 ID:68pnE71g0

葉隠「は、はは……全然記憶に残ってねえ」

朝日奈「当たり前でしょ。消されちゃったんだから……」

大神「やはり、江ノ島の言葉は全て真実ということか……」

セレス「信じたくありません……受け入れがたい話ですわ……」

十神「……おい。十神財閥はどうなった? 俺の一族は?」

江ノ島「はい、ではここで問題です。十神君以外の十神一族はどうなったのでしょうか?」


画面に三択の選択肢が現れる。しかしその内容は……

 1.滅亡した
 2.滅亡した
 3.滅亡した


十神「ば、馬鹿なッ?!」

江ノ島「残念ですが、十神一族はあなた一人を除き滅亡してしまいました〜」

十神「世界を統べる十神一族が滅びるなど……そんなはずが……」チラッ

ドラえもん「残念だけど……」

のび太「本当だよ」

十神「う、くぅ……」ギリッ!

ドラえもん「十神くん……」

江ノ島「さーてさて、それでもオマエラは外に出たい訳?!」

葉隠「で、でも最悪ドラえもん達に避難させてもらえば……」

ドラえもん「それはダメだよ。ぼく達に出来る手助けはこの学園から脱出させるところまでなんだ」

山田「なんでですか?!」

513 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 02:31:26.06 ID:68pnE71g0

若干訂正
514 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 02:42:02.03 ID:68pnE71g0

江ノ島「さーてさて、それでもオマエラは外に出たい訳?!」

葉隠「で、でも最悪ドラえもん達と一緒に避難すれば……」

桑田「江ノ島にすらバレずに侵入出来たんだもんな! 
    なんか、スゴい組織とかバックにいんだろ? だろ?!」

ドラえもん「残念だけど、それは許されていないんだ。ぼくらが出来る手助けは
       きみ達をこの学園から脱出させるところまでなんだよ」

山田「なんでですか?!」

朝日奈「そんな、どうして?!」

のび太「それは言えないんです。ごめんなさい……」

ドラえもん「一応、比較的安全そうな場所(大神道場の避難場所)は見つけてあるからそこまで
       連れて行くことは出来る。でもその後は全部きみ達自身でやらなければダメなんだ」

ドラえもん「ここから出て外の世界で生きるのがきみ達が進むべき道なんだよ。
       だから、悪いけど一緒に連れていくことは出来ない」

葉隠「あ、あんまりだべ。それじゃあその後どうなるかわかんねえじゃねえか!
    結局出なかった方が良かったってことになるかもしれないってことだろ?!」

山田「助けるだけ助けて後は放置なんて無責任ですよ!!」

のび太「それは……」

ドラえもん「本当にゴメン……」

苗木「やめようよ! ドラえもん達がいなかったら僕達はここでコロシアイをしていたんだよ?!」

不二咲「これは僕達の問題なんだから、他の人に頼っちゃダメだと思う……」

葉隠「う……そうだけど……」

大和田「つまり、せっかく外に出ても暴徒に襲われる可能性があるってことか……」

戦刃「外の治安はかなり悪いよ。訓練をしていない人間が生きていくには厳しいね」

515 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 02:52:39.41 ID:68pnE71g0

舞園「じゃあ、最初の計画通りここに残るって選択肢の方がいいんじゃないでしょうか……」

セレス「わたくしは残らせてもらいますわ。今までは出たくて出たくて仕方が
     ありませんでしたが、こんな状況では夢も目標もあったものではないですもの」

石丸「セレス君! ……クッ、どうすればいいんだ。正直な所、学園長の遺志を
    無駄にする訳にはいかないし、僕達だけで何が出来るのかという気持ちもある……」

不二咲「お父さんやお母さんはどう思っているんだろう? 生きているのかな……?」

朝日奈「わかんない……どうすればいいかわかんないよ……」

ドラえもん「…………」

ドラえもん(ここまでは予想通りだね。あとは、苗木くんに頑張ってもらわないと)

苗木「希望を捨てちゃ駄目だ! 一人一人なら生きていくのは難しいかもしれない。でも、
    ここにはみんながいる! 僕達全員の力を合わせれば、きっと何とかなるはずだよ!」

腐川「何とかって何よ?! 命が懸かってるっていうのに、希望的観測で物を語るんじゃないわよ……!」

十神「世界を統べる十神財閥が滅亡しているのだぞ……そんな状況で一体どうするという?」

桑田「希望ヶ峰が閉鎖するレベルなんだろ? ……ムリだって。俺、まだ死にたくねーし」

葉隠「俺達は世界の希望なんだろ? じゃあ、ここに残ってないとダメなんじゃねえか?」

江ノ島「そうだよ! オマエラの両親はオマエラだけでも生きていてもらいたいから
     シェルター計画に賛同したんじゃないの? 少なくとも計画発案者兼推進者の
     学園長はそう思っているはずだよねぇ、霧切?」

霧切「……何故私に言うの」

江ノ島「そりゃ学園長が保護者代表だからよ。最期まで響子を助けてくれー!って叫んでたよ?」

霧切「……!!」

516 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 03:02:50.19 ID:68pnE71g0

あと少しだけど、続きはまた明日

517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 03:39:43.53 ID:uXrWfMIcO
乙乙
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/22(日) 10:50:52.95 ID:tt7wnThOO
拡散希望
【SS掲載拒否推奨】あやめ速報、あやめ2ndは盗作をもみ消すクソサイト



SSを書かれる際は掲載を拒否することを推奨します


概略1

現トリップ◆Jzh9fG75HAは

混沌電波(ちゃおラジ)なるSSシリーズにより、長くの間多くの人々を不快にし

また、注意や助言問わず煽り返す等の荒らし行為を続けていたが

その過程でついに、ちゃおラジは盗作により作られたものと露呈した



概略2

盗作されたものであるためと、掲載されたシリーズの削除を推奨されたSSまとめサイト「あやめ2nd」はこれを拒否

独自の調査によりちゃおラジは盗作に当たらないと表明

疑問視するコメント、および盗作に当たらないとの表明すら削除し、

盗作のもみ消しを謀る


概略3

なおも続く追及に、ついにあやめ2ndは掲載されたちゃおラジシリーズをすべて削除

ただし、ちゃおラジは盗作ではないという表明は撤回しないまま

シリーズを削除した理由は「ブログ運営に支障が出ると判断したため」とのこと




SSまとめサイトは、SS作者が書いたSSを自身のサイトに掲載し、サイト内の広告により金を得ている

SSまとめサイトは、SSがあって、SS作者がいて、はじめて成り立つ


故に、SSまとめサイトによるSS作者に対する背信行為はあってはならず、

SSにとどまらず創作に携わる人全てを踏みにじる行為、盗作をもみ消し隠そうとし

ちゃおラジが盗作ではないことの証明を放棄し、

義理立てすべきSS作者より自身のサイトを優先させた

あやめ速報姉妹サイト、あやめ2ndを許してはならない



あやめ速報、あやめ2ndは盗作をもみ消すクソサイト


SSを書かれる際は掲載を拒否することを推奨します
519 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 17:49:25.07 ID:6XtjYwhO0

苗木「き、霧切さん……」

のび太「みんな! 絶望なんかに負けちゃダメだ!」

ドラえもん「そうだよ! ここで止まってしまったら、希望も絶望もないんだよ!」

苗木「一緒に外に出ようよ! 外には僕達を待っている人が……!」

山田「では苗木誠殿だけ出れば良いでしょう?」

セレス「そうです。出たい人だけ出るというのは可能ですか?」

江ノ島「別にいいよ。最後に投票するから残りたいヤツは残るを選択して。
     ――ただし、その場合裁判はアタシの勝ちね?」

のび太「えっ?!」

ドラえもん「な、なんだって?!」

霧切「……残ることにデメリットは?」

江ノ島「裁判の最初に言ったけど、アタシは今後この学園にはノータッチだから安心しなよ」

舞園「食料がなくなったり空気清浄機を止めたりとか……」

江ノ島「そんなセコい真似しないっつーの。なんなら護衛と連絡用に残姉置いといてもいいよ。
     物資が足りなくなったら可能な限り補充もしてあげる」

戦刃「お姉ちゃんを置いていくなんて酷いよ、盾子ちゃん!」

石丸「なら、ここに残れば確実に生き残れる訳だな……」

不二咲「お父さんとお母さんはそれを望んだんだよね……?」

520 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 18:05:43.00 ID:6XtjYwhO0

ドラえもん(不味い! 江ノ島はなりふり構わず勝負に勝つつもりだぞ!)

ドラえもん(この裁判は全世界で放送されていて、希望と絶望の代理戦争でもあるんだ!
       江ノ島が負けてくれないと絶望の集団が解体出来ない!!)

のび太「どうしたの、みんな? 外には家族だっているんだよ?! まさかのこったりなんか……」

ドラえもん「家族を探しに行かないのかい?!」

大和田「俺はもう探す家族がいないしな……」

朝日奈「外に出ても生きてるかわからないし……」

大神「だが……生きているか確認に行くくらいはした方が良いのでは?」

江ノ島「あ、一度外に出てまた学園に戻るってのはなしだからね。反則でしょ、そんなの」

桑田「マジか……だったらやっぱり……」

「……………………」

苗木「み、みんな!」

十神「いい加減にしろ! 俺達は貴様のような能天気には出来ていない!」

苗木「そんな……」

ドラえもん「…………」

ドラえもん(……様子がおかしい。原作と違ってみんな生存してるし、
       もっと楽に説得出来ると思ったんだけど……何が原因なんだ?)

のび太「大神さん!」

大神「すまぬ。話が大きくなりすぎて、我だけでは決められぬ……」

521 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 18:41:54.71 ID:6XtjYwhO0

のび太「石丸さん!」

石丸「む、無理だ……僕達には責任がある……大人達が託してくれた希望を無駄にする訳には……」

のび太「霧切さんは?!」

霧切「……ごめんなさい」

のび太「そんな……」

ドラえもん「……!」


全員の暗い顔を見て、ドラえもんは気が付いた。


ドラえもん(そうか、わかったぞ! 人数が多いからこそ、負の感情が増幅しているんだ!)

ドラえもん(原作では生存者は6人。そこから苗木くんとジェノサイダーを引くから、
       説得したのは実質4人だ。でも、今は13人もいる!)

ドラえもん(大神さんは家族の無事を知ってるから大丈夫だとしても、
       12人もの人間を苗木くん一人で説得するのは負担が大きい……)

ドラえもん(しかも最大の問題は、原作と違って残るを選択しても苗木くんは処刑されない!
       彼らが学園に残ることを選択する抵抗感や罪悪感が一切ないんだ!!)

苗木「…………」


苗木は俯き、拳を固めている。


のび太「ド、ドラえもん……」

ドラえもん(いったいどうすればいいんだ?!)

522 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/07/22(日) 18:52:17.14 ID:6XtjYwhO0

ここまで。

入れ忘れましたが、>>504から


  第二十話 ぜつぼうがとまらない?!


でした

523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 00:43:30.91 ID:Qvonzq17O
>>514[たぬき]「ここから出て外の世界で生きるのがきみ達が進むべき道なんだよ。
       だから、悪いけど一緒に連れていくことは出来ない」

葉隠「あ、あんまりだべ。それじゃあその後どうなるかわかんねえじゃねえか!
    結局出なかった方が良かったってことになるかもしれないってことだろ?!」

山田「助けるだけ助けて後は放置なんて無責任ですよ!!」

のび太「それは……」

[たぬき]「本当にゴメン……」

このシーンで灰慈の「味方をするなら最後までやれ!!中途半端な味方なら…最初からやるな!!」を思い出した
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/23(月) 01:56:38.73 ID:y8tqKPmco
廃慈は子供っぽかったなぁ。助けがあるかないかで言えばあった方が全然助かってるのに
ただ腐川も相手の状況考えずにキツいこと言い過ぎてて絶女はストレス溜まるゲームだった…
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/07/31(火) 20:03:16.37 ID:rnUUxjLm0
まだ?
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/01(水) 14:37:08.71 ID:TIAPDGFq0
たった一週間しか経ってないぞ
527 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 21:55:10.07 ID:bsNHLSHI0


  第21話 きぼう VS ぜつぼう! 勝つのはどっち?!


江ノ島「はいはーい。結論が出た人はパネルの残るをタッチしてね☆」

「…………」


各座席の前に付いているモニターには、卒業と残るの2つのボタンが表示されている。


のび太「ドラえもん! なんだか、へんだよ!」ヒソヒソ

ドラえもん「わかってる!」ボソボソ

ドラえもん(どうする? なにか道具を使おうか? でも、カメラが回っているし
       みんなもいるからあからさまなことは出来そうにないぞ……)


「…………でも」


のび太「……え?」

ドラえもん「……ん?」


二人は声のした方向を振り返る。



苗木「――それでも僕は、希望を信じ続ける!」


カッ!

528 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 22:02:51.33 ID:bsNHLSHI0

江ノ島「ハァァ?! オメエなに言っちゃってんの? それともイッちゃってんの?
     オメエにとってこれ以上最低で最悪で絶望的な状況はないっつーの!」

苗木「違う……」



苗木「それは違うよッ!!!」



苗木は江ノ島を指差し、ピシャリと否定する。


のび太「苗木さん……」

ドラえもん「いいのかい? このままだと君は一人で外へ行くことに……」

苗木「構わないよ。もし、外の世界が絶望と死で溢れていたとしても、
    それだけじゃない。きっと希望だってあるはずだ!!」

江ノ島「希望なんてねえっつーの!!」

苗木「だったら、僕達が希望になる!!!」

苗木「絶対に何があっても諦めたくないんだ! こんな奴らに人生をめちゃくちゃにされて、
    将来のことまで決めつけられるなんて僕はごめんだ!!」

苗木「自分がどうするかは自分で決めるよ! たとえ一人でも僕は出るし、
    みんなだってわかってくれるって信じてる!!」

のび太「おおー!」

ドラえもん「さすが! それでこそ主人公だ!」

苗木「みんな、本当にそれでいいの?! 悔しくないの?!
    絶望の思い通りになんかなっちゃダメだよ!」

529 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 22:13:58.85 ID:bsNHLSHI0

舞園「でも、外にはたくさん暴徒がいるんですよ!」

桑田「そーだよ、意地はんなって! なにも死にに行くことないだろ!」

苗木「きっと大丈夫だよ」

大和田「ハア?! 大丈夫って……!」

石丸「一体何を根拠に!!」

不二咲「危ないよ! 無理しないで……」

苗木「別に意地を張ってる訳じゃないんだ。無理をしてる訳でもない」

苗木「この裁判は世界中で放送されているんでしょ? 僕達がコロシアイをやめたことや
    僕が外に出ることで、勇気づけられた人がきっと大勢いるはずだよ」

江ノ島「バッカじゃないの。あんた達を助けようとこの学園まで来たヤツ等は
     腐るほどいたわよ。でも、ぜーんぶアタシらに返り討ちにされちゃったけどね」

朝日奈「な、苗木! やっぱり危ないって!」

大神「苗木……」

苗木「それは今までの話だよね? その時は確かに絶望が勝ってた。けど、これからは違う」

苗木「裁判のルールではみんなが残ればお前の勝ちかもしれない。でも、一人でも外に出る
    人間がいるのなら、お前の思い通りにならない人間がいるのなら――」

苗木「――僕とお前の間では、少なくとも僕の勝ちだ!!」


          ト ゛  ン  ッ  !  !  !


江ノ島「……!!」

江ノ島(チッ! 相変わらずクソうざいヤツ……!!)

530 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 22:26:25.58 ID:bsNHLSHI0

戦刃「…………」

戦刃(なんでだろう……苗木君が一人だけ外に出たってただ死にに行くだけなのに、
    言ってみれば単なる負け惜しみなのに、私達が押されてる気がする……どうして?)


背中にじんわり汗がにじむ。戦いでは敵なしの戦刃が、戦い以外でプレッシャーを感じ取っていた。


のび太「そうだよ! 一生こんなところにいていいの?! 二度とそらがみれないんだよ?!」

ドラえもん「きみ達は世界の希望なんだ! 世界中の人々が今もきみ達を待っているんだ!」

苗木「外に出よう! 一生こんなヤツの言いなりになって絶望しながら生きるなんて、
    そんなの生きてるって言わないよ!! みんな!!!」


「……………………」


苗木の決死の説得でもまだ生徒達は動かない。

当然だ。命が懸かっているのだから。


だが、苗木もまた超高校級の才能を一つ持っていた。

“超高校級の幸運”という才能を――






???『苗木君の言う通りだよ。みんなはこんな所にいるべきじゃない』

???『僕も苗木君を、みんなの持つ希望の力を信じてる』

???『――だから、少しだけ力を貸すね』

531 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 22:35:56.46 ID:bsNHLSHI0


ブツッ。パッ!


腐川「な、なに?!」

十神「突然電気が……」

山田「こんな時に停電ですか?!」

江ノ島「停電なんてあるワケないでしょ。発電機あるのに」

戦刃「すぐに予備電源に代わるはずだよ」

セレス「まったく人騒がせですね……」

霧切「! モニターを!」

葉隠「なんだぁ?!」

のび太「え、モニター?」

ドラえもん(なんだ?! またぼくらの知らないことが……)


モニターが砂嵐になったかと思うと、徐々に映像が映っていく。

ノイズが取れた後には、そこに一人の人間が映っていた。


のび太「えっ?! この人ってたしか……」

ドラえもん「そんなまさか?!」


『…………』

『……親愛なる生徒諸君』


苗木「学園長?!」

532 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:08:53.42 ID:bsNHLSHI0


朝日奈「さっきの人だ!」

霧切「!!」


『私は今日をもって希望ヶ峰学園シェルター計画の発動を宣言する。想定される長い
 シェルター生活の中で万が一私に何かあった時のため、この映像を残しておくことにした』


のび太「学園長さん……」

ドラえもん「…………」


『この計画は我が国にとって、いや世界にとって最後の希望だ。この計画が最終的に
 どのような結論を迎えようが、君達さえ絶望していなければきっと上手くいく』

『この計画が希望なのではない。君達の存在自体が希望なのだ』


朝日奈「…………」

大神「…………」

桑田「…………」


『たとえ世界が滅びようとも、希望さえあれば、世界は何度でもやり直せる』

『どんな困難にあっても決して絶望に身を委ねるな。いつだって、仲間を信じて前を向くんだ』


石丸「…………」

大和田「…………」

不二咲「…………」

533 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:19:16.28 ID:bsNHLSHI0


『響子……迷惑をかけてすまない。来るべき今日この日のために、私は人生の全てをかけてきた』

『父親としては失格だったかもしれないが、響子……私はいつだって君だけを見ていたんだ』

『お前を心から愛していた。響子――君は私の希望だ』


霧切「…………」


在りし日の学園長・霧切仁の姿が消えると共に、再び照明が灯る。


桑田「なんだったんだ、今の……」

ドラえもん「……わからない。けど、一つだけ言えることがあるよ」

舞園「なんですか?」

ドラえもん「学園長は最後まできみ達を信じていた。何があっても前を向いてほしいと言っていた。
       ……もしかしたら、天国の学園長がきみ達にエールを送ってくれたんじゃないかな?」

十神「そんな非科学的なことがある訳……!」

セレス「そうですわ、そんなことはあり得な……」

のび太「しんじるよ!」

十神「……何?」

のび太「ぼくはしんじる!! きせきだってきぼうだってきっとあるっ!!!」

のび太「ぼくたちは何度も大冒険をしてそのたびにたくさんピンチになったけど、いつだって
     みんなで力をあわせてのりこえてきた! だから今回だってきっとある!!!」

十神「ぐ……」


十神はのび太達が命がけの大冒険を繰り広げてきたことなど全く知らない。
だが、その鬼気迫る声と表情には確かな説得力があった。

534 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:29:59.99 ID:bsNHLSHI0


苗木「学園長は希望ヶ峰学園をシェルター化することで、僕達を絶望的事件から
    守ろうとしてくれた……僕達は希望ヶ峰学園から未来へ託されたノアの方舟なんだ!」

苗木「そうだ、希望は僕らの中にある。僕達一人一人が希望なんだよ!!」




「やっぱ……俺も出る」

「え?」


大和田「俺も外に出るぞ!」

苗木「大和田君!」

大和田「チームのヤツらが心配だ……仮に壊滅してたにしても、全員が死んだって決まったワケ
     じゃねえんだろ? あいつらの家族もな。総長として、俺は仲間を守らなきゃならねえんだ!」

桑田「言われてみれば……俺も家族と野球部のヤツら、心配だわ」

不二咲「お父さん、お母さん……まだどこかで僕達の助けを待っているかもしれない……」

石丸「そうだ……考えてみれば当然のことだ。外の人達は今も危険な目に遭っているのに
    何故自分達だけ安全な場所に閉じこもろうと言うのか!!」

大神「我も出るぞ。外が荒れているなら、弱き者達を守るため尚更武の力が必要であろう。
    そもそも、真の強さは困難に立ち向かうことでしか掴めん。我はあえて茨の道を進む!」

朝日奈「そうだよね……私、また外を思いきり走りたい! いろんな所に行きたいよ!」

石丸「ウム! 出よう!!」

不二咲「僕も、役に立てるかわからないけど……」

のび太「みんな!」

ドラえもん「いいぞ! その調子だ!」

535 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:35:45.15 ID:bsNHLSHI0

ダンガンロンパ BGM -HOPE VS DESPAIR-
http://www.youtube.com/watch?v=nizPWN6Jf-0

536 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:38:27.94 ID:bsNHLSHI0

腐川「あ、あんた達どうかしてるわよ! あたしは流されたりしないからね……!」

山田「あわわわわ……僕はどうすれば……」

葉隠「お、俺は出ないべ。絶対に出ねえぞ!」

セレス「感情論で全ての人間を動かせるほど、世の中は甘くないのです」

十神「…………」

霧切「…………」

舞園「…………苗木君」

舞園「怖いんです、私。不安なんです。外に出ないといけないって頭ではわかってるけど、でも……」

苗木「…………」


苗木は静かに目を閉じる。そして、開いた。

カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「僕がいる!! 今度こそ、何があっても君を守る!!!」

舞園「!!」

苗木「人を殺してしまいそうなほど、メンバーの仲間が心配なんじゃなかったの?
    君のファンは今も外で辛い思いをしてる。それなのに君はここにいていいの?!」

舞園「メンバーのみんな……ファンの皆さん……」

苗木「荒廃した辛い世界だからこそ、みんなは君を待ってるよ。
    わかるんだ。だって僕も――舞園さんの大ファンだから!!」BREAK!!


パリーン!


舞園「フフッ……そうですね。心が荒れている時こそ、歌の力が必要ですよね?」

537 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:42:37.17 ID:bsNHLSHI0

のび太「舞園さん……!」


苗木は一人一人に向き直る。

カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「十神君! 確かに、十神財閥はなくなってしまったかもしれない……でも、君の力は
    財閥の力だけじゃないはずだ。外には君の力を待っている人達がいるはずだよ!」

苗木「君じゃないとダメなんだ! だから君の力を貸してほしい!!」BREAK!!


パリーン!


十神「……貴様、この俺を慰めようなどと思っていないか? 愚民が。
    貴様風情がこの俺を励ませるなどと思うなよ。あと……主人公は俺だ!」

ドラえもん「十神くん……」

山田「で、でも! 出来ることがある人はいいですけど……」


カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「山田君! 外がこんな風になって、誰が君の好きなアニメを作るんだ?」

苗木「漫画家になりたいんだよね? 君のファンはここにはいない。
    外にいるんだ! 彼等を勇気づけられるのは君だけなんだ!」BREAK!!


パリーン!


山田「夢を失って廃人として生きるか、或いは夢を追って戦い続けるか……ですね。
    いいでしょう、行きますよ! ……ママ達のことも心配だし」

538 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/05(日) 23:45:28.32 ID:bsNHLSHI0

のび太「ぼくも山田さんのマンガまってるよ!」

葉隠「マ、マジか……お前ら正気か? 俺の占いだとムリだって……」


カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「葉隠君! 君は前に言ってたじゃないか! 世界中の謎を解き明かしたいって!
    こんな所に閉じ込められて、それって生きてるって言えるの?!」BREAK!!


パリーン!


葉隠「……そうだべ。世界は俺を待ってる。知らない物を見てみたいべ! 俺は自分の直感を信じる!!」

ドラえもん「そうだよ。可能性は無限大なんだ!」

セレス「わたくしは行きませんわ。あまりに危険過ぎます」


カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「セレスさん……ギャンブルって危険を冒しながら目的のものを得るために行う行為だろう?
    こんな所に安全に隠れてるなんて、超高校級のギャンブラーであるセレスさんらしくないよ!」BREAK!!

セレス「!」


パリーン!


セレス「まさか苗木君にギャンブルのなんたるかを教えられるとは思いませんでしたわ。いいでしょう。
     そこまで言われて黙っている程、わたくしは落ちぶれていません。全額あなたにベットしますわ!」

のび太「セレスさんも!」

539 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/06(月) 00:08:14.50 ID:UdazLpzS0


霧切「苗木君……正直わからなくなってしまった。父は私が生きることを望んでいたけれど……」

苗木「しっかりするんだ、霧切さん!」


カシャンッ、ドンッ! ====⇒【希望】!!


苗木「確かにお父さんは君を、僕達を守ろうとしてくれた……でも、今は外の状況も
    変わっているかもしれない。誰かが何とかしなくちゃいけないんだ!!」

苗木「少なくとも、江ノ島の言いなりになって絶望に負けることだけは間違いだよ!」BREAK!!

霧切「そう……そうね」


パリーン!


霧切「私にはまだ全ての記憶はない……父がどんな人で何を考えていたか、何故私を
    置いて行ったのか、私は知りたいと思ってる。そして、その答えはここにはないわね」

霧切「行くわ。あなた達となら、きっと乗り越えられる」

ドラえもん「霧切さん、信じてたよ!」

苗木「腐川さん! 君は……」

腐川「なによぉ! この流れで一人だけ残るなんて言える訳ないでしょう! 行くわよ、行ってやるわよ!
    白夜様のいる所ならあたしは火の中だろうが水の中だろうがついて行くんだから!」

苗木「腐川さん、ありがとう。他のみんなは……」

桑田「行くぜ。野球はこんな狭い所じゃできねーしな」

石丸「超高校級の風紀委員として外の乱れた世界を放置する訳にはいかない!!」

不二咲「一人なら怖いけど、みんなと一緒なら大丈夫!」

540 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/06(月) 00:22:19.95 ID:UdazLpzS0

朝日奈「心配かけてごめん! これからも一緒に頑張ろう!」

大神「皆こう言っている。苗木、お主のお陰だ」

苗木「みんな……」

のび太「よかったね、苗木さん!」

ドラえもん「苗木くんが頑張ったからみんなこたえてくれたんだよ!」

苗木「そんなことないよ。学園長も言ってたじゃないか。みんなは世界の希望だから……」

霧切「それだけじゃないわ」


ダンガンロンパ OP
http://www.youtube.com/watch?v=6Q0qy3hhvwk


霧切「苗木君……何があっても諦めないあなたは、
    どんな時でも前を向いて進み続けるあなたのその姿こそが……」

霧切「“超高校級の希望”。そう呼べるんじゃないかしら?」

541 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/06(月) 00:26:53.36 ID:UdazLpzS0

苗木「僕が、超高校級の希望……」

舞園「そうです。苗木くんがいなかったら、きっとみんな諦めていました!」

ドラえもん「ほら、苗木くん! 今だよ!」

のび太「あの言葉を言って!」

苗木「…………」コクリ

苗木「江ノ島盾子……これが僕達全員が出した答えだ!」

江ノ島「有り得ない有り得ない有り得ない!! うざいうざいうざい!!」

江ノ島「世界に絶望しろ! 未来に絶望しろ! 希望に絶望しろ!!」

苗木「いいや。希望は前に――」


裁判場にいる全員の顔を見回し、苗木は頷いた。


全員「――進むんだ!!」


ズガッシャアアアアアアアアアアアンッ!!

裁判場の全てのモニターに、スロットマシーンが映し出される。
その絵の一枚一枚にそれぞれ生徒達の顔が描かれており、

――最終的に江ノ島の顔が一列に並んだ。

542 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/06(月) 00:35:13.38 ID:UdazLpzS0


江ノ島「……は?」


画面には卒業14、残る0と大きく表示されている。


江ノ島「ハァ? アタシの負け? 嘘でしょ?」

戦刃「じゅ、盾子ちゃん……」

江ノ島「…………」

十神「フン。超高校級の絶望とやらも自分の絶望には弱いらしい」

霧切「さあ、江ノ島さん。約束通り私達を外に出しなさい」

戦刃「盾子ちゃん、どうするの? ねえ……」

江ノ島「……ぷぷ」

江ノ島「うぷぷ。うぷぷぷぷぷ」ニタァ

江ノ島「そうだね。約束通りにしてやるよ。でもその前にさ、やることがあるでしょ?」

のび太「あ! いけない!」

ドラえもん「とめないと!」

江ノ島「無駄無駄無駄! 邪魔しないでよね!」

江ノ島「とうとう味わえる死の絶望……この時を待っていたのよ。アタシを楽しませなさいよね」

苗木「な、何を……?!」


江ノ島はオシオキスイッチにゆっくりと手を伸ばす。

そして――スイッチを押した。

543 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/06(月) 00:46:14.12 ID:UdazLpzS0

ここまで。学園長の台詞は舞台版ダンガンロンパから流用しました。

544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 21:05:24.84 ID:pWz9xfm0O
乙乙
江ノ島と残姉はどうなるのか……
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/19(日) 15:40:43.88 ID:E7xDhYk30
音が存在しない世界

ジャイアンリサイタル対策に実行したが結果は……
なお、この世界に関しては元に戻した描写がない。
というか、前述の使用方法を考えると、音がない場合に元に戻せるかどうかが不明である。*2
最悪、このエピソードののび太たちは一生……

更に言うと音が無いというのをアニメでは表現しづらい為か、このエピソードは1度もアニメ化されてない。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/21(火) 17:28:38.71 ID:HgTldE4R0
omosiroi
547 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/26(日) 23:14:19.84 ID:sSfz4fef0


  第22話 みらいからのメッセージ


モニターや裁判席のパネルに一昔前のゲームのようなドット絵が映り、
モノクマを模したドットキャラが江ノ島盾子のキャラを引きずっていく。


              GAMEOVER

        エノシマジュンコさんがクロにきまりました。
            おしおきをかいしします。



          ― 超高校級の絶望的オシオキ ―


江ノ島と戦刃に様々なオシオキが実行される。それはロケットに乗って、
大気圏を突き抜けてから灼熱状態で地表に戻ってきたり、全身を軟式野球ボールで
ノックされたりバイクに乗って装置で高速回転をされたり……一つ一つが拷問だ。

戦刃は痛みで泣いたり叫んだりしているが、江ノ島は絶叫アトラクションに
乗っているかのように終始笑っている。そこに生徒達は狂気を感じざるを得なかった。

地獄のような様々なオシオキをくぐり抜け、とうとう最後のオシオキである『補修』が始まる。
それはベルトコンベアの先の巨大なプレス機で人間を丸ごとプレスするというものだ。


のび太「ドラえもん! このままだと……」

ドラえもん「わかってる!」


カメラは江ノ島達を映しているし、生徒達の注目も彼等に向いている。
ドラえもんはタンマウォッチを取り出し、プレスが落ちる直前にボタンを押した。

カチッ!

548 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/26(日) 23:22:10.81 ID:sSfz4fef0


シィーーーン。


ドラえもん「よし。まずはこれで時間が止まった。今のうちに!」

のび太「どうするの?」

ドラえもん「流石に死なせるのは不味いよ。生きて罪を償わせないと」

のび太「ぼくもそれがいいとおもうけど、江ノ島が負けないとダメなんでしょ?」

ドラえもん「とりあえず歴史通り世界に江ノ島が負けた映像を流す必要がある。
       だからこれを使おう。フリーサイズぬいぐるみカメラ〜!」


パシャリ。


のび太「それで二人にそっくりなきぐるみを作るんだね!」

ドラえもん「そう。出てきたぬいぐるみにワタとトマトソースを詰めれば……」

のび太「江ノ島人形と戦刃人形の完成だ!」

ドラえもん「これを二人と入れ替えてっと」ヨイショ


二人は椅子から江ノ島と戦刃を降ろし、人形にすり替える。


ドラえもん「よし。あとは二人をカメラの死角へ運ぶ」

のび太「カメラはだいじょうぶ? 世界中でホウソウされてるんでしょ?」

ドラえもん「前に確認しておいたけど、このオシオキが終わったら
       自動で撮影が終了するらしい。だから何もしなくても問題ないよ」

のび太「じゃあ、あとは時間をもどすだけだね!」

549 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/26(日) 23:33:09.71 ID:sSfz4fef0


ドラえもん「元の立ち位置に戻って、と。動かすよ!」


カチッ。ドォンッッ!!!

プレス機が二人の人形を押し潰し、そのまま停止した。
真っ赤な液体(トマトソース)が隙間から生々しく流れる。


のび太(トマトのにおいがすごいなぁ……)

ドラえもん(うーん、ちょっと入れすぎたかも……)


幸いショッキングな光景のせいで生徒達はトマトの匂いに全く気が付いていなかった。


苗木「江ノ島……」

十神「フン、つまらない最期だったな」

朝日奈「後味の悪い終わり方になっちゃったね……」

腐川「自業自得よ。あたしは同情なんてしないわ」

桑田「ま、これからのことを考えないといけねーしな」

不二咲「でも、お葬式ぐらいはしてあげない? 一応クラスメイトだったんだし」

山田「ちーたんは優しいですなぁ!」

江ノ島「そうそう。葬式くらいはしてくれてもいいんじゃない?」

大神「……?!」

不二咲「…………」アオザメ

セレス「あ、あの……」汗

550 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/26(日) 23:48:33.03 ID:sSfz4fef0

葉隠「宗派はなんだ? とりあえずナンマイダナンマイダと」

石丸「死体に触るのは気持ち悪いが、せめて棺にいれてあげるか」

江ノ島「いやー、手間かけて悪いわねー」

桑田「まったくだぜ! ……って、え゛?!」

十神「な、なっ……?!」

舞園「……ちょっと待ってください」

腐川「なによ! さっさと済ませてこんな辛気臭い学園から出るわよ!」

山田「そうですよ! なにか問題でも?」

戦刃「みんなここから出たいみたいだし、早く終わらせちゃおうよ」

朝日奈「うん。そうだね。早くしよう……って、あれ?」

霧切「あなた達、何でここにいるの……?」

戦刃「……?」

江ノ島「キャハッ☆ バレちゃったー!」


「……………………えっ?!」


苗木「二人共、たった今死んだはずじゃ……?!」

戦刃「あ、あれ? 見えてる? 盾子ちゃん、私確かに死んだよね?? 幽霊になったんじゃないの?!」

石丸「幽霊だとぉ?!」

葉隠「ま、まさか幽霊なんているはずねえべ?!!」

大和田「おいおい! 勘弁してくれよ!」

551 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 00:06:46.17 ID:o3VMF90s0

十神「どういうことだ?! 誰か説明しろっ!!」

江ノ島「結論から言うと流石の私様もわかりません。ただ、幽霊でないのは間違いない」

セレス「確かに幽霊にしては血色がよろしいですが……」

舞園「じゃ、じゃあ一体何が起こったんです? あそこで死んだのは誰なんですか?!」

江ノ島「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ!」

江ノ島「オレはプレスでペシャンコにされたと思ったらいつのまにかここに座っていた。
     な、何を言っているのかわからねーと思うが、オレも何をされたのかわからなかった!」

山田「頭がどうにかなりそうだった。催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ
    断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……ですね!!」

桑田「なんでおめーが続けてんだよ?!」

大神「つまり、どういうことなのだ……?!」

江ノ島「わかんねーっつの! この台詞の元ネタ通り、時間でも止めない限り
     あの状態で一瞬で移動するなんてあり得ねえんだよ。ファーック!!」

のび太(うわー、あたってる……)

ドラえもん(さすが超分析能力の持ち主だ。実はそうなんだよ)

ドラえもん「どうやったかは言えないけど、ぼく達が助けたんだ」

苗木「えっ、ドラえもん達が?!」

戦刃「どうして……?」

のび太「だって、わるいことをしたのに責任をとらずににげるなんてズルいよ!」

ドラえもん「きみ達はメチャクチャにした世界を元に戻す責任がある!」

江ノ島「あー、よくある生きて償えとかそういうありきたり説教ですか。ツマラナイです……」

552 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 00:30:05.58 ID:o3VMF90s0

大和田「ツマラナイって……ふざけてんのか?!」

桑田「助けてもらっておいてなんだよ、その態度!」

江ノ島「別に助けてもらわなくても構わなかったですしおすし」

朝日奈「言われてみればのび太達の言う通りだよ! 逃げて終わりにするなんてそんなのダメ!!」

舞園「散々好き放題して、最期まで自分の思い通りに終わるなんて許さないです!」

セレス「敗者に選択権なんてありませんわ。いい加減、諦めろこのクソギャルがぁ!!」

江ノ島「はいはい。反省してまーす」

不二咲「江ノ島さん……お願いだよ。僕達はもう争いたくなんてないんだ!」

江ノ島「…………」

苗木「江ノ島、お前は絶望を求めてるんだろ?」

江ノ島「……そうよ。生まれた時からずーっと、ね」

苗木「だったら、僕がお前に絶望を与えてやる。希望を追い求め続けるという絶望を」

江ノ島「!」

苗木「お前はこれから死ぬまでずっと、大嫌いな希望を追い続けなければいけないんだ!
    大嫌いな人助けや良いことをずっとやり続ける。これでどうだ!!」

江ノ島「フ、フフ……ハハハ。アーハッハッハッ! 甘い。甘すぎるぞ苗木!
     まったくどこまで甘ちゃんなのよ。……ま、悪くないかもね。そんな絶望も」

のび太「じゃあ……!!」

ドラえもん「改心して……!」





???「そこまでだ!」

553 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 00:46:48.92 ID:o3VMF90s0

のび太「?!!」

ドラえもん「な、なんでここに?!」

???「…………」

苗木「えっ?! 誰?!」

『?!』


一同が振り返ると、そこには制服をまとった男達がいた。


「なに? なんなの?!」「誰だよ?!」「え? 警察?」


ザワザワザワザワ!!

苗木達は知らないが、ドラえもん達には既に馴染みの制服である。


ドラえもん「タイムパトローラー?!」

のび太「そんな! どうしてここに?!」

霧切「?! あなた達、彼等を知っているの……?!」

苗木「え? タイムパトローラー??!」

山田「なんかSFアニメっぽい組織が出てきたー?!」


混乱する子供達とは反対に、タイムパトローラーの隊員は冷静に対応する。


隊員「とりあえず、そこにいる江ノ島盾子と戦刃むくろを捕らえてから説明しよう」

戦刃「え、え、なに?!」

江ノ島「……ははーん、そういうことですか。なるほどなるほど」

554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/27(月) 00:52:08.63 ID:ZBYJoIsp0
ぼんか?タイムパトロールぼんの主人公かな
555 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:07:30.71 ID:o3VMF90s0

桑田「なに一人で納得してんだよ!」

腐川「一体なんだっていうのよ、もう……!」


既に負けているからか、或いは新たな闖入者に興味を惹かれたのか、
特に抵抗もなく江ノ島と戦刃はタイムパトローラーに捕まる。


大和田「ナニモンだ、テメエら!」

十神「どういうことだ、説明しろ!」

ドラえもん「落ち着いて! タイムパトローラーはぼくらの味方のはずだから」

霧切「タイムパトローラー……名前からして時間に関係する機関のようだけど……」

石丸「服装的には警察に近いようだが……」

ドラえもん「その通り。彼等は時間犯罪者を取り締まる警察みたいなものだよ」

のび太「ぼくたちも何度もお世話になってるよね」

苗木「じ、時間犯罪者……?!」

不二咲「えっと、何かの例え話か何かなのかな?」

朝日奈「何度もお世話になってるの?!」

セレス「そこは深く聞かない方が良いと思いますわ。長そうですし」

十神「お前達、まさかタイムマシンで未来からやってきたなどとうそぶくつもりはないだろうな」

ドラえもん「えーと、半分正解で半分間違いかな」

のび太「ぼくたち、みんなを助けるためにちがう世界からやって来たんだ」

桑田「は、はあ?! なに言っちゃってんのお前?」

葉隠「宇宙人だったんか?! やっぱり地球は既に侵略されてたんだべ!!」

556 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:31:14.82 ID:o3VMF90s0

セレス「話がこんがらがるので黙っててくれませんか」

ドラえもん「……タイムパトローラーまで出てきた以上、もう全部話すしかないか」

のび太「話してもいいですか?」

隊長「問題ない。あまりに突飛すぎて、外の人間に話してもどうせ信じてもらえないだろうからね」

ドラえもん「わかりました。どこから話せばいいのかな……」

のび太「ぼくたち、アニメを見てたんだ。『ダンガンロンパ』っていう人気ゲームが原作のアニメ」

大和田「アニメだぁ?」

石丸「なんでここでアニメの話が出てくるのだ……」

ドラえもん「そのアニメの内容はね、学校に閉じ込められた高校生達が
       コロシアイを強要されるってストーリーなんだ」

「!!」

不二咲「そ、それって……!」

霧切「……続けて頂戴」

ドラえもん「アニメでは、高校生達がコロシアイを始めて次々と事件が起こる。
       多くの犠牲が出て、ようやく黒幕を倒した彼等は外の世界に出たんだ」

ドラえもん「黒幕を倒して脱出したから一応ハッピーエンドではあるけど……」

のび太「高校生たちはじつはキオクを消された元クラスメイトだったんだって。
     ほとんど死んじゃったし、ちっともたのしいおわり方じゃなかった……」

のび太「だから、ドラえもんのひみつ道具を使ってみんなを助けることにしたんだよ」

557 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:35:34.07 ID:o3VMF90s0

桑田「助けるって言ったって……アニメの話だろ?」

山田「実は僕達アニメの登場人物だったんですかー?!」

朝日奈「う、うそ?! そうなの?!」

ドラえもん「いや、違うよ。この宇宙は無限の可能性に満ちているからね。ぼくの持つ
       もしもボックスは、違う銀河やパラレル世界に渡ることが出来るんだ」

のび太「ダンガンロンパの事件がじっさいにおこっている世界があるかもしれない。
     そうおもったらなんだかじっとしていられなくて……」

不二咲「僕達を、助けに来てくれたの……?」

苗木「わざわざ違う世界から……?」

のび太「そうだよ。みんなをたすけられてよかった!」

舞園「ああ、そうだったんですね。だから全部知ってて……」ポロポロ

石丸「そ、そうだったのか!! 君達は、君達はぁ〜!! うわああああああ!!!」ボロボロ

十神「待て! そんな馬鹿な話がある訳ないだろう! 大体そのひみつ道具とはなんだ?!」

のび太「ドラえもんがもってる未来の道具だよ」

ドラえもん「実は、ぼくは22世紀の未来から来た猫型ロボットなんだ!」


「はいぃ?!」「ええー?!」「なんだよそれ……」


余りの超展開に生徒達はついていけない。


セレス「訳がわかりませんわ……」

大和田「おいおい、ムチャクチャ言ってんじゃねえぞ……」

558 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:49:54.43 ID:o3VMF90s0

山田「いきなり違う世界から来たとか言い出しただけでもアレなのに、更に未来とか
    ひみつ道具とか設定が複雑過ぎですぞ! 読者にわかるように誰か三行で説明して!」

十神「馬鹿馬鹿しい……子供のたわ言に何を慌てふためいている……」

大神「いや、我も荒唐無稽だと思うが二人の言っていることは本当だろう。ひみつ道具とやらを
    使ったのだろうが、我の夢を操り外の人間と会話することが出来たのだ」

十神「寝ぼけていたに決まっている!」

大神「二人は我が見た夢の内容を知っていたのだぞ? しかも我の友人のことも知っている」

十神「そんなことがある訳……」

腐川「そ、そうよ……非科学的だわ……」

苗木「えっと時系列がよくわからないんだけど、のび太君は未来から来た訳じゃないの?」

のび太「うん。ぼくは20世紀の人間だよ。ドラえもんはぼくの子孫がぼくに送ってきたんだ」

ドラえもん「のび太君が余りにバカでヌケてて子孫が迷惑してるから、少しでも改善するためにね」

桑田「そりゃあ、なんつーか……」

大和田「バカバカしいが笑えねえ理由だな……」

霧切「つまり、元々のび太君の所には未来から来たドラえもんがいた。
    そしてたまたまのび太君達は私達のことを知り、未来の不思議な道具で
    異世界であるこの世界に私達を助けに来た。そういうことかしら?」

のび太「さすが霧切お姉さん。そうだよ!」

朝日奈「そうなんだ! すごい! ありがとうね!」

桑田「いや、気軽に異世界来るとかむしろお前らナニモンなんだよ……」

葉隠「もしかして、今までも宇宙人とか未来人とか海底人とかと戦ってたりしてな!」

559 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:52:14.45 ID:o3VMF90s0

のび太「うん、そうだよ。よくみんなと大冒険してる」

「?!」


自分達が違う世界でゲームやアニメになっていたように、ドラえもん達も
違う世界でマンガやアニメになっているのではないか……そう疑う生徒達であった。


ドラえもん「それにしてもなんで唐突にタイムパトローラーがここに……?」

山田「タイムパトローラー……凄いロマンを感じますね」

セレス「タイムパトローラーさんが、何故彼等を捕まえる必要があるのです?
     彼等は犯罪者でしょうが、時を超える犯罪まではしていないはず」

隊長「今はね。しかし、彼等超高校級の絶望姉妹は未来で大事件を起こすんだよ」

のび太「どういうこと?」

隊長「君達は彼等を殺さなかった。それは素晴らしいことだ。
    ……だが優しさだけでは解決出来ないこともある」

隊長「江ノ島盾子は最初は君達に言われた、希望を追い続けるという
    絶望を持って真面目に社会に償いをしていた」

隊長「だが、結局あの飽きやすい性格は治らず再び事件を起こしたのだ。それも時間を超えた大犯罪を」

江ノ島「あー、我ながら想像つくわ」

戦刃「盾子ちゃん、飽きっぽいからね……」

ドラえもん「時間を超えた大犯罪? 一体どんな……」

隊長「江ノ島は君達が未来人だと分析し、この時代に来ていた未来人を捕獲してひみつ道具を奪ったのだ」

隊長「そして、タイムマシンを使って全ての時代に絶望を振り撒こうと考えた。その結果、
    過去も未来も大混乱に陥ったのだ。しかも、頭が良いからなかなか捕まらなくてね……」

560 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 01:55:15.03 ID:o3VMF90s0

大神「何ということだ……」

不二咲「そんなことがあったなんて……」

隊長「我々が考えた方法は過去に遡って江ノ島を捕まえることだった。そうすれば
    タイムパラドックスが発生し未来の江ノ島も消える。しかし、大きな壁があった」

舞園「壁ってなんですか?」

隊長「特殊な装置を使い時間移動を制限したのだ。それにより、江ノ島に手を出すことが出来なくなった」

のび太「それ、ギガゾンビがやろうとしてたことだ!」

苗木「でもあなた方は今ここにいますよね?」

隊長「未来人ではない江ノ島にとって予想出来ないイレギュラーが起こったのだ。わかるかね?」

江ノ島「……ああ、そーいうことね。今のアタシなら想像つくわ」

戦刃「え、なに? わからないよ」

ドラえもん「まさか……」

のび太「なに、ドラえもん?」

ドラえもん「ぼく達がもしもボックスでこの世界に来たことで何か次元に影響が?」

隊長「そうだ。もしもボックスは次元や空間に大きな影響を及ぼす。それにより、
    江ノ島の装置の効果がこの時間軸だけ薄れたのだ。我々はそれを利用した」

十神「待て! ということは、貴様らは本当はずっと前からこの時間軸にいたということか?」

隊長「そういうことになる」

山田「なんですぐに助けてくれなかったんですか?!」


『彼等と同じ理由だよ』

561 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:00:39.97 ID:o3VMF90s0

大和田「あ? 不二咲、今なんか言ったか?」

不二咲「僕じゃないよ?」

隊長「おっと、“彼”を紹介するのを忘れていたな」


『こんにちは。久しぶりだね、みんな。いや、ここでは初めましてかな?』


隊長がタブレットを取り出し、彼等に見せると画面には不二咲が映っていた。


不二咲「あれ? 僕??」

石丸「不二咲君がもう一人いるぞ?!」

のび太「あ、もしかして!」

ドラえもん「アルターエゴ?!」

アルターエゴ『ふふ、正解!』

不二咲「えっ?! 何でアルターエゴのことを知ってるのぉ?」

ドラえもん「この学園の二階の図書室にノートパソコンがあってね。
       本来アルターエゴが作られる予定だったんだ」

大和田「で、そのアルターなんたらってヤツはなんなんだ? なんで不二咲の格好してんだ?」

葉隠「まさか幽霊とか言わねえだろうな? オカルトは信じねえぞ!」

不二咲「オカルトじゃないよ。アルターエゴは人工知能なんだ」

霧切「アルターエゴの意味はもう一つの自分。つまり、不二咲君は自分の人格をプログラムにしたのね」

不二咲「まだここまでの段階にはなってなかったはずだけど、学園生活の中でここまで出来てたんだねぇ」

562 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:04:04.18 ID:o3VMF90s0

アルターエゴ『そう。僕は正確に言うとご主人タマが平和な学園生活をしている時に作られたんだ。
     監禁生活の中で作られた僕はモノクマに壊されちゃったから』

山田「ご、ご主人タマですと?! もう一回! もう一回プリーズアフターミー!」

腐川「うっさいわよ! で、なんであんたがそこにいる訳……」

隊長「人間には寿命があるが、プログラムには寿命がない。君達が死んだ後も、
    彼だけはこの世に残って我々人類の発展に協力してくれたのだよ」

苗木「そうだったんだ……じゃあ、ドラえもん達が来る前の世界で僕達をずっと助けてくれたんだね」

アルターエゴ『うん。歴史が変わってしまったからその記録はもうないんだけど、
     どうしてもみんなに会いたくて、パトローラーに無理を言ったんだ』

石丸「君は、僕達が死んだ後もずっと戦っていたのだな……ううっ!」

ドラえもん「あれ? じゃあもしかして、さっきの学園長の映像は……」

アルターエゴ『僕だよ。この学園のマザーコンピューターにずっと前から侵入して隠れてたんだ。
     そこであの映像を見つけて、みんなに見せようと取っておいたんだよ』

のび太「そうだったんだね!」

アルターエゴ『みんなの成長のためとはいえ、ただ黙って見てるなんて放置しているみたいで
     凄く心苦しかったんだ。みんなの力になれたようで良かった』

苗木「ありがとう、アルターエゴ! 君がいなかったら僕達は前を向けなかったかもしれない」

霧切「ええ。あなたも立派な私達の仲間よ」

アルターエゴ『ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな』

不二咲「アルターエゴ……もう一人の僕。僕は君のこともみんなとの思い出も何も覚えてない。
     ……こんな僕でも、みんなの力になれるかな? 役に立てるのかな?」

アルターエゴ『大丈夫だよ! これから先、大変なことも辛いこともたくさんある。
     でも、みんなは協力して乗り越えていくんだ。僕は知ってる。だから――』


アルターエゴ『また未来で会おうね?』

563 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:12:08.66 ID:o3VMF90s0

不二咲「アルターエゴ……」

桑田「未来、か……」

大神「我らの未来は我らの手で掴まなければならぬ!」

十神「言われなくとも掴み取ってやるさ」

セレス「やられっぱなしはシャクですからね。倍にして返させて頂きますわ」

朝日奈「すぐ会いに行くから! それまで待っててね、アルターエゴ!」

舞園「ここまで来たら、諦められませんよ!」

葉隠「俺達で新しい世界の扉を開くんだべ!!」

山田「やってやりますよ! オタクの底力を見せてやる!!」

石丸「みんなの力を合わせれば超えられぬ障害なんてない!!!」

苗木「僕達はもう大丈夫。ありがとうアルターエゴ、タイムパトローラー」

隊長「別れは済んだようだね。江ノ島盾子については我々に任せてほしい。あとはこの時代の君達に任せる」

江ノ島「はあ〜あ、ムショ暮らしかぁ。アタシは危険だから独房で死ぬまで監禁ってとこかしらね」

戦刃「…………」

隊長「安心したまえ。もっと良いことがあるぞ」

江ノ島「期待しないでおくわ」

苗木「江ノ島……」

江ノ島「なによ、その目は。同情? あんた達こそ、せいぜい頑張れば?」

江ノ島「――未来から見ててやるわよ、ずーっとね」

戦刃「さようなら、みんな。謝って済むことじゃないのはわかってるけど……ごめんね」

564 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:16:58.98 ID:o3VMF90s0


「……………………」


隊員「ほら、挨拶が済んだら行くんだ」

ドラえもん「…………」

のび太「さようなら、超高校級の絶望……」

隊長「では諸君、達者でな」

アルターエゴ『みんな、元気でねー!』

「ありがとうございましたー!」


そうして、タイムパトローラーとアルターエゴは江ノ島達を連れて去って行った。


霧切「これで本当に全部、終わったのね……」

ドラえもん「よーし、これで一見落着! みんなで外へ行こう!」


どこからともなくEDテーマが流れ始め、全て終わるかに思えたが……


のび太「ちょっと待って!」

ドラえもん「なんだよ、もう!」

のび太「そういえば、脱出スイッチってどこにあるの?」

ドラえもん「アニメで最後に使ってたやつだね。そんなの、その辺に……」

モノクマ「ここにあるよ」

苗木「あ、ありがとう……って?!」

565 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:19:09.26 ID:o3VMF90s0





『モノクマーーーッ?!!』




566 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/08/27(月) 02:22:22.35 ID:o3VMF90s0

ここまで。1は体調不良や引っ越しにも負けず頑張ってます

次回、急展開

567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/27(月) 22:34:53.73 ID:mngPGkOXO

そういや江ノ島死んでもモノクマは動き出したっけ
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/30(木) 20:39:27.12 ID:7+fIhz3l0
絶対絶望少女は知らないのか
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/31(金) 11:57:59.39 ID:gNosuGQ9O
乙乙
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/15(月) 09:12:01.29 ID:yC7lOaFI0
復活記念age
571 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 01:51:55.57 ID:fHyjlLB70

お久しぶりです。1は生存しています。

久々の更新!
572 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 01:56:24.61 ID:fHyjlLB70


  第23話 モノクマのひみつ 


モノクマ「いやん、そんなに驚かれるとボク照れちゃう〜」

のび太「な、なんで?! どうして?!」

ドラえもん「江ノ島盾子はもういないはずなのに?!」

モノクマ「まあ、ちょっと色々あってね。君達のせいで計画狂っちゃったからさ、
      最後に一つゲームでもしようかと思いまして」

大和田「は? ゲームだぁ?」

十神「こんなヤツの世迷言に付き合う必要はない。大神、破壊しろ」

大神「そうだな。この期に及んで往生際が悪いぞ」

大和田「今度こそぶっ壊してやる!」

モノクマ「うぷぷ。聞かないなら聞かないでもいいよ。それはそれで絶望的だしね」

霧切「! 待って! ……江ノ島盾子も戦刃むくろも連れて行かれたはず。
    ――なら、今モノクマを操っているのは誰なの?」

「?!」


全員、一斉にモノクマから離れる。


ドラえもん「そうだ……お前は誰だ?!」

のび太「どういうことなの?!」

573 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:05:13.48 ID:fHyjlLB70

モノクマ「おやおや。何でも知ってるかと思えば、知らないこともあるんだねぇ。
      ……ねえ、一つ聞きたいんだけどさ。君達が見たアニメって続編はあるの?」

のび太「続編? ダンガンロンパのアニメは一期しかないけど……」

ドラえもん「ああっ!!」

朝日奈「な、なに?!」

セレス「何か思い当たることでも?」

ドラえもん「ダンガンロンパは元々ゲームが原作のアニメなんだ。……そして、
       ゲームには続編がある。その名もスーパーダンガンロンパ2!!」

十神「まさか……」

苗木「もしかして……」

葉隠「な、なんなんだべ? はっきり言えって!」

ドラえもん「アニメの最後……誰もいなくなった部屋で、モノクマは起き上がっていた。
       ぼくはそれをホラー映画みたいなただの演出だと思っていたけど、実際は違ったんだ……」

ドラえもん「モノクマ! お前は、ダンガンロンパ2のラスボスなんだろう!!」

モノクマ「ピンポンピンポン大正解! キャーハッハッハッ!」

舞園「そ、その声は?!」

桑田「江ノ島ァ?!」

苗木「そんなっ?!」

モノクマ?「やあ、諸君。改めて挨拶しようか。ボクはモノクマ。……そして江ノ島盾子」

腐川「ど、どういうことよ?! 江ノ島はあいつらに連れて行かれたんじゃないの?!」

574 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:08:54.56 ID:fHyjlLB70

不二咲「もしかして……!」

石丸「何か心当たりがあるのかね?!」

不二咲「推測だけど……君は江ノ島さんのアルターエゴなんじゃないかな?」

山田「な、なんと?! アルターエゴが二つ?!」

十神「どういうことだ?! アルターエゴはお前にしか作れないのではないのか?!」

不二咲「わからないけど……でも、そうとしか考えられない」

江ノ島エゴ「話が進まないのでとっとと説明しましょう。不二咲君の指摘の通り、
       私は江ノ島盾子の人格をコピーしたアルターエゴです」

のび太「そんな……?! でも、どうやって?!」

江ノ島エゴ「恐らくその続編か番外編小説あたりで描かれているでしょうが、江ノ島盾子には
       超高校級のギャルの他にもう一つ別の才能があったのです」

江ノ島エゴ「その名も――【超高校級の分析能力】」

ドラえもん「な、なんだってー?!」

大神「なんだそれは……?」

江ノ島エゴ「一言で言うと、俺様はどんな才能も分析することで己の才能にし、しかも
       元の才能よりグレードアップさせることが出来ちまうのさ! ヒャッハー!」

のび太「なにそれ?! そんなのズルイよ!」

山田「なんというチート能力?!」

石丸「ということは、江ノ島君は不二咲君の才能を分析して自分のものにした挙げ句、
    グレードアップさせた能力で自分のアルターエゴを作ったという訳か?!」

江ノ島エゴ「ビンゴ。賢いチンパンジーね」

575 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:13:25.45 ID:fHyjlLB70

石丸「グヌヌ……やはり才能なんてろくなものではない!!」

腐川「そんなの反則だわ! こんな奴がいたらどんな才能も意味がなくなるじゃない!」

江ノ島エゴ「そうねー。だからボクのオリジナルも世界に絶望したんだと思うよ?
       だってだって、江ノ島盾子にとってこの世は予測通りに動くんだもん☆」

江ノ島エゴ「――これほど絶望的に退屈なことってある?」

霧切「……それこそ、江ノ島盾子が絶望した理由なのね」

苗木「でも、それがどうして世界を絶望させることに繋がるんだ!」

江ノ島エゴ「何でも完璧にこなせて超飽きっぽい私様だが、一つだけ飽きないものがあった」

江ノ島エゴ「……それが絶望。絶望は常に予想外のことを起こしてくれる。絶望のためでなきゃ
       こんなクッソタルい計画とっくに投げてるに決まってるっしょ」

江ノ島エゴ「絶望は自分の絶望でもいいし他人の絶望でもいい。とにかく、前の絶望より大きくて
       派手な絶望を作っていったらいつの間にか世界が滅亡してた。それだけの話」

舞園「そんな! 酷すぎます!!」

十神「くだらんおしゃべりは終わりだ! 目立ちたがりが、俺達の前にノコノコ現れたのが
    運の尽きだったな。こいつを破壊すれば今度こそ終わる。大神!」

大神「ウム! 貴様を生かしておく訳にはいかぬ!」

江ノ島エゴ「ボクは別にそれでも構わないけどね? 一つお節介を言うなら、人の話は
       ちゃんと最後まで聞いといた方がいいんじゃないかなぁ。うぷぷ」

霧切「待って、大神さん! 何か含みがあるわ。何故あなたは私達の前に姿を現したの?」

山田「そうですよね……僕達がいなくなった後、いくらでも逃げられた訳ですし」

セレス「目的があるのでしょう。さっさと言いなさい」

江ノ島エゴ「じゃあ言うけど……そもそもさ、あんた達は外に出てそれからどうするつもり?」

576 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:16:59.03 ID:fHyjlLB70

苗木「はっきりとは決めてないよ……でも、外にはまだ絶望に冒されてない人達もいる!
    みんなで助け合いながら、その人達の元へ行って少しずつ世界を……」

江ノ島エゴ「アハハハハハッ!!」

腐川「な、なによ! さっきから思わせ振りな態度ばっかり取って……!」

舞園「何がおかしいんですか……」

江ノ島エゴ「いや、もうすぐ死ぬっていうのに悠長なこと言ってんなーと思って」

桑田「は?」

大和田「死ぬってどういう意味だ、ゴラァ!」

江ノ島エゴ「文字通り、世界中に核の雨が降り注ぐから安全な場所なんてないよ? まあこの学園は
       頑丈だから、地下に篭っていれば助かるかもしれないけどね。設備も揃ってるし」

葉隠「えっ? はぁ??」

朝日奈「なにそれ……」

セレス「ハアア?! 適当なこと吹いてんじゃねえぞ、このビチグソギャルがぁ!!」

江ノ島「いや、本当だって。あんた達の理解力が遅いからもう二十分無駄にしたけどさ。
     最後の投票から三時間だから、残り二時間四十分しかないよ?」

のび太「なにを言ってるのかぜんぜんわからないよ!」

江ノ島エゴ「だからさぁ、ボクには超分析力があるって言ったでしょ? オマエラが勝ってボクが死ぬ、
       ボクが勝ってオマエラは出ない……それ以外の選択肢があるのも想定してたってワケ」

ドラえもん「それ以外……ぼく達が勝って、なおかつ江ノ島盾子も死なない未来……」

江ノ島「イエス! 誰も得をしない一番つまんねー終わり方。もしそんなエンディングになったら
     視聴者も納得しないっしょ! だから、その場合はあるプログラムが作動するようにしたのよ」

霧切「あるプログラム……」

577 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:19:01.78 ID:fHyjlLB70

石丸「な、なんなのだそれは?」

江ノ島「全世界に核をバラまくプログラム。俗に言う世界は核の炎に包まれたってヤツだぁ!」

大和田「ふざけんなッ!」

山田「ひぇぇぇ?!」

十神「クソ……江ノ島め。何てしぶとい奴だ。やはりトドメを刺しておくべきだったか?!」

江ノ島エゴ「その通り。私様をしっかり殺しておけばこんなことにはならなかったのだ。
       つまり今の事態はオマエラが招いたことなのだよ?」

苗木「屁理屈を言うな! 結果論だろ!」

朝日奈「どうすればいいの? 何か止める方法は?!」

のび太「ドラえもん! 道具を!」

ドラえもん「う、うん! ソノウソホント〜」

山田「それはなんですかな?」

のび太「ソノウソホントって言って、これをつけてついたウソは全部本当になっちゃうんだ」

ドラえもん「これで核を止めてしまえばいい」

山田「なにそのチート?!」

舞園「ど、どんなことでもですか?!」

セレス「それがあればわたくしの夢も……」ゴクリ

十神「そんなバカなことがあってたまるか」

ドラえもん「『核ミサイルは飛ばない』。これでいいはず」

578 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:33:52.15 ID:fHyjlLB70

桑田「本当にそれできいたのかよ。なんかウソくせーな」

ドラえもん「じゃあ試してみようか。『のび太くんは天才だ』」


シーン。


葉隠「どこが変わったんだ?」

霧切「テストしてみましょう。123+456+789は?」

のび太「あ、あれ? ぜんぜんわかんないよ!」

ドラえもん「故障かな? 『ボクは空が飛べる』」


シーン。


桑田「なんだ。やっぱりインチキか……」

不二咲「二人が嘘をつくとは思えないよ。故障してるんじゃないかな?」

のび太「もしかしてドラえもん、ちゃんと道具のメンテナンスをしてなかったんじゃないの?!」

ドラえもん「まさか! ボクは毎年未来デパートで必ず点検してもらっているよ。
       他の道具を試してみよう。空気砲〜」

朝日奈「なにそれ?」

のび太「手につけてドカンて言うと空気のカタマリをうちだすんだ」

ドラえもん「ドカン!」


ドゴォッ!

近くの壁に向かって空気砲を撃つと、壁に穴が開く。

579 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:38:25.81 ID:fHyjlLB70

大神「ム、壁を破壊するとは……!」

葉隠「すげえなぁ、おい!」

ドラえもん「……正常だね。じゃあ次、ビックライト〜」


ピカッとビックライトをのび太に当てる。

ググググ……


朝日奈「のび太が大きくなった!」

のび太「ガオー、食べちゃうぞー」

石丸「ぬおおおっ! こ、こんな非科学的なことが起こりうるとは……!」

ドラえもん「やっぱり壊れてるのはソノウソホントだけみたいだね」

のび太「ウソ800は?」

ドラえもん「そうだ。その手があった」

大和田「今度はなんだ……」

ドラえもん「液体版ソノウソホントみたいなものだよ。これを飲んでついたウソは本当になる」

のび太「貸して」ゴクゴク

のび太「『核ミサイルなんて飛ばない。世界は平和になった』!」

ドラえもん「さて、今度は効いたかな?」

江ノ島エゴ「残念、プログラムは止まっていないようです。そしてアタシには
       その原因がわかっちゃいました。うぷぷ!」

のび太「そんな、なんで?! どうして?!」

580 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/18(木) 02:39:09.01 ID:fHyjlLB70

まだ話の続きですが眠いので、続きは明日……

581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/18(木) 08:25:34.85 ID:Mba8/EiQ0
チートアイテム封じられたか
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/18(木) 10:00:40.20 ID:jM2u3WXjO
どうせなら未来道具全て封じればいいものを…あっそんな事になったら[たぬき]の長所が無くなるかww
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/19(金) 18:07:28.95 ID:NE0L5GCCO
乙!
584 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:13:54.77 ID:2MAs9AuK0


ドラえもん「ワケがわからないよ! こんなことって?!」


パニックに陥るドラえもん達。生徒達はただ見ているしかない。

……その時、二人に近づいてくる影があった。


「僕が説明しましょう」


のび太「だれ?!」

苗木「誰だ?!」


全員が振り返った先にいたのは、長い黒髪のスーツの男だった。
髪の間から見える赤い目が薄気味悪い。


大和田「な、なんだテメエ?!」

「初めまして。僕はカムクライズルといいます」

葉隠「どっから湧いて出たんだべ?!」

カムクラ「僕は最初からここにいましたよ? あなた達が気付いていなかっただけです」

ドラえもん「なんだって?」

十神「待て! カムクライズル……だと?」

のび太「知ってるの?」

腐川「カムクライズルって言ったら確か……!」

霧切「この希望ヶ峰学園の創立者の名前よ」

585 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:16:08.06 ID:2MAs9AuK0

ドラえもん「ええっ?!」

カムクラ「言っておきますが別人です。僕はこの名を与えられただけなので。
      この体の元の名前は日向創といいます。……どうでもいいことですが」

不二咲「与えられたって、誰に……?」

カムクラ「この学園の研究者達です。僕は人工的に作られた存在なのですよ」

のび太「ま、まって! ワケがわからない! だれなの?! どうしてとつぜん出てきたの?!」

ドラえもん「……ま、まさかお前は!」

カムクラ「正解です。恐らく僕はダンガンロンパ2に登場するのでしょう。
      江ノ島盾子のアルターエゴを持ち出した真の黒幕として」

苗木「じゃあ……!」

カムクラ「かつては超高校級の希望と呼ばれていましたが、今は江ノ島盾子の同志ですね」

江ノ島エゴ「キャハハハ! まさかあんたまで出てきちゃうとはね。シナリオ大幅変更じゃない?
       名前を付けるなら、ダンガンロンパAnother Episode……なんてどうよ!」

大神「敵か!」ザッ

カムクラ「戦ってもいいですが、今は時間が惜しいのでは?」

苗木「そ、そうだよ! 今は争ってる場合じゃない! 核ミサイルを止めないと!」

のび太「でもソノウソホントもウソ800も使えないなんてどうすればいいの?!」

カムクラ「何故ドラえもんの道具で効果のない物があったかわかりますか?」

ドラえもん「……きみは知っているのかい?」

586 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:24:09.24 ID:2MAs9AuK0

カムクラ「嘘を全て現実にする……言ってみればそれらの道具は次元や因果率に干渉することで
      それを可能としています。では、次元そのものに大きな歪みが出ていたら?」

ドラえもん「(ハッ)そうか! この世界は元々江ノ島盾子の作った装置でタイムパトローラーが
       干渉出来なくなっていた。そこにもしもボックスで一時的に風穴が空いた状態……」

のび太「ぼくにもわかるように言ってよ!」

ドラえもん「つまり、次元そのものが非常に不安定な状態なんだよ。こんな状態で世界規模の干渉を
       してしまったら不測の事態が起こるかもしれない。だから道具の安全装置が働いたんだ!」

石丸「液体にどうやって安全装置を……」

十神「もはや魔法だな……」

山田「まあ、行き過ぎた科学は魔法と同じようなものと言いますしお寿司」

桑田「科学の力ってすげーわ……」

朝日奈「ちょっと、今はそんなこと話してる場合じゃないでしょ!」

のび太「じゃあどうすればいいのさ!」

江ノ島エゴ「方法はあるよ」

カムクラ「おや、教えてあげるんですか?」

江ノ島エゴ「うぷぷ。アタシが黙ってたって言うつもりだったくせに。そのために出てきたんでしょ?」

苗木「どういうことだ? この人は敵なんじゃないのか?」

カムクラ「彼女の話を聞けばわかりますよ」

江ノ島「ミサイルを統制しているのはこの学園のメインコンピューターです。
     そしてオマエラの中にはプログラムが専門のヤツがいる」

不二咲「そうか。僕がプログラムを書き換えて止めればいいんだね!」

587 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:29:58.29 ID:2MAs9AuK0

葉隠「は、早くやるべ!」

セレス「急ぎますわよ!!」

江ノ島エゴ「た・だ・し、プログラムは私様謹製の物なので当然そう簡単には
       解除出来ません。……また、これから物理的な妨害も入ります」

舞園「なんですか? 物理的な妨害って……」

江ノ島エゴ「これを見ろぉ!」


モニターの画面がパッと変わり、映し出されたのは大量のモノクマ。


桑田「なんだこりゃあ?!」

江ノ島エゴ「プログラムを解除されないため、関東の全てのモノクマがこの学園のメインコンピューターを
       破壊しに集結しています。メインコンピューターを破壊されたら最後、もう外部からの
       干渉は一切受け付けず、全世界に核の雨が降るでしょう!」

「な、なんだって?!」

江ノ島エゴ「つまりオメェラはメインコンピューターを守りつつプログラムの
       書き換えも同時にやらなきゃいけない。それもあとニ時間ちょっとでね!」

江ノ島エゴ「あ、ちなみにモノクマの数はざっと千体くらいかな? 最終的には一万体くらいに
       なると思うよ☆ ちなみに、玄関は開けてあるからもう中はモノクマだらけかも」

「そんな……」

江ノ島エゴ「ああ、いいわぁ。少しだけ希望を見せてやった後にそれを
       奪って見せる絶望の顔。あんた達ってすぐに絶望するんだから――」

カムクラ「相変わらず性格が悪いですね」

「…………」


生徒達はモニターを見ながら呆然とするしかなかった。

588 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/10/19(金) 22:30:43.74 ID:2MAs9AuK0

ここまで。

589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 07:56:10.05 ID:MYM6i7LC0
江ノ島連行されたはずなのに時々江ノ島本人が会話に混ざるのは何でなんだぜ?なんかの伏線?
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/10/20(土) 09:11:07.59 ID:Y5FLu1j/0
鉄人兵団の方が絶望感あったな
591 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/10/20(土) 16:30:06.20 ID:wiW7D3Og0
>>589
江ノ島エゴの間違いですね。ご指摘ありがとうございます!
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/20(土) 23:40:07.38 ID:/frhK8X5O
モナカ「この事態を止められても…」

天願「まだまだワシらが…」

白銀「残ってるんだよね♪」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/10/23(火) 18:54:27.16 ID:Mq94f5IS0
日向「ふざけるな! 俺のハーレム計画が・・・」

苗木「そうだ!そうだ!」

最原「そうだぞ!」

宗方「お前らはまだいいだろう!」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/22(木) 18:38:16.02 ID:T1tn3G890
久々
595 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:11:29.48 ID:2NI7p81X0


  第24話 ミサイルをとめろ!!(前編)


無理だ、と誰もが思った時――声を上げるものがいた。


のび太「メインコンピューターの場所はどこ?」

カムクラ「四階の情報処理室です」

ドラえもん「急がないと時間がないぞ!」

のび太「はやく行こう!」

苗木「のび太君、ドラえもん……」

のび太「なにしてるの? はやくはやく!」

ドラえもん「待って! もう校舎の中にモノクマがいるならみんな武器を持たないと」


ポケットの中からドラえもんはありったけの空気砲とショックガンを取り出す。


ドラえもん「どこでもドアで直接四階に行けるよ! さあ、みんな!」

「…………」


生徒達は一瞬だけ沈黙になったが、その後の決断は早かった。互いに頷き合う。


霧切「そうね……何もしないで見ている訳にはいかないわ」

大和田「まったく、ガキどもに教わりっぱなしだな!」

不二咲「僕、頑張ってみるよ!」

596 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:13:15.93 ID:2NI7p81X0

苗木「そうだね。行こう!」

石丸「何もしないで見ているわけには行かない!!」

セレス「全く……このような物騒な物は持ちたくないのですが」チャキ

山田「手つきが慣れておりますぞ……」

十神「おい、その前にまだやることがある」


十神はショックガンをカムクラに向けた。


苗木「十神君!」

舞園「何してるんですか?!」

十神「こいつらを放置していたら火事の元だ」

霧切「そうね……」

カムクラ「僕は何もする気はないです。大人しく投降しましょう」スッ

大和田「随分素直だな。なにか企んでるんじゃねえか?」

カムクラ「いいえ。この世の全てに絶望した僕ですが、少し興が乗ったのです」

カムクラ「江ノ島盾子の残したこの人類史上最大最悪、いや世界最凶の絶望に
      あなた方のちっぽけな希望がどう立ち向かって行くのかを」

十神「チッ、高見の見物という訳か。こいつには色々聞きたいこともある。縛って連れて行くぞ」

桑田「モノクマはどうすんだ?」

霧切「まだ情報を持ってそうね」

597 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:22:37.12 ID:2NI7p81X0

朝日奈「よし、それじゃあ捕まえよう!」

江ノ島エゴ「うぷぷ。ボクの処遇については悩まなくていいよ。
       オリジナルがそうであったようにボクにも破滅願望があってね……」

江ノ島エゴ「君達の絶望した顔も見れたし、結末を見ずに終わるなんて絶望的じゃない?」バチバチバチ

大和田「てめっ、勝ち逃げする気か!」

霧切「近寄っては駄目!」

モノクマ「それではみんながあの世に来るのを楽しみにしているよ。グッドラック!
      うぷぷ、うぷぷぷぷ、アッハッハッハッハッハッハッ!!」


高笑いをしながら、モノクマこと江ノ島アルターエゴは爆発した。
しかし感傷に浸っている余裕はない。


のび太「ドラえもん!」

ドラえもん「わかってる! みんな準備はいいかい? じゃあ、情報処理室に……」

十神「待て! 背後を取られたら敵わん。まずは三階との階段を封鎖し、モノクマどもが
    四階に登ってこられないようにしてから情報処理室へ向かった方が得策だ」

セレス「それが理にかなっていますわね」

ドラえもん「了解。じゃあ四階の廊下にするよ。どこでもドア〜!」


ドラえもんが四階にどこでもドアを繋げる。

ガチャッ。


苗木「うわ! もうモノクマがいるぞ!」

腐川「なによこれ……壁に大穴が空いてるじゃない!」

598 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:26:41.83 ID:2NI7p81X0

桑田「本格的に攻撃されてるってことか?!」

大神「我に任せよ!」


いの一番にドアから飛び出した大神が、モノクマの群れを蹴散らして行く。


十神「大和田、石丸! お前達が不二咲を連れて情報処理室に向かえ!
    残りは全員で下り階段に向かい足止めをする!」

石丸「任された!」

大和田「どけやゴラアアアア!」

朝日奈「待って! 道がわかんないよ!」

カムクラ「情報処理室はこの壁の向かい側にある機関銃の付いたドア、下り階段はあちらです」

苗木「え、どうして……?」

カムクラ「どうせ時間は足りませんし、このくらい教えても罰は当たりませんよ」

苗木「と、とにかくありがとう!」

霧切「幸いモノクマはやって来たばかりでまだ数は多くないわ。急いで!」

大神「オオオオオオッ!」

桑田「えっと、ドカン!」


ゴッ!


桑田「うおっ、すげえ!」

十神「道を空けろ、雑魚共が!」バン!バン!

599 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:28:54.45 ID:2NI7p81X0


のび太「いっけー!」ガンガン!


のび太は慣れた手付きでモノクマを次から次へとヘッドショットしていく。


舞園「の、のび太君すごいです!」

ドラえもん「慣れてるし、のび太くんは昔から射撃だけは得意なんだ」

腐川「だけはって……」


階段に辿り着いた一行。
しかし、恐ろしい数のモノクマが雪崩のようにやって来る。


苗木「これじゃキリがないよ!」

霧切「早く階段を封鎖するのよ!」

十神「おい、ドラえもん!」

ドラえもん「ええとあれでもない、これでもない!」


ドラえもんはポケットからガラクタを次から次へと取り出す。


十神「この役立たずめ! やむを得ん! 階段を破壊する!」

葉隠「しょ、正気か?!」

朝日奈「待って! さくらちゃんがまだ下の階に!」

大神「我に構うな! 我は大丈夫だ!」

十神「他に方法はない! やれ、桑田!」

600 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:30:20.61 ID:2NI7p81X0

桑田「え?! でも!」

朝日奈「大丈夫じゃないよ! やめて!」

大神「朝日奈、我を信じろ! 桑田、撃て!」

朝日奈「でも……!」

十神「桑田!」

桑田「やっちまうぞ……やっちまうからな?! ドカンドカンドカーン!!」


桑田はモノクマの足元目掛け最大出力の空気砲を放つ。
狙い通り、階段は崩落を始めた。


朝日奈「さくらちゃあああん!」

大神「ぬおおおおおっ!」


なんと、大神は階段が崩落する直前にモノクマの頭を踏み台にして跳躍する。


大神「戻ったぞ、朝日奈」スタッ

朝日奈「さくらちゃん……良かった……」

葉隠「流石オーガだべ」

山田「ん? な、なんですかあれ?!」

苗木「そんな?!」

601 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 01:58:25.92 ID:2NI7p81X0


「クマー!」シュタッ

「クマー!」シュタッ

「クマー!」シュタッ


なんと、モノクマ軍団は自身の身体で橋を作り迫ってきた!


十神「しぶといヤツらめ!!」

苗木「どうしよう?!」

桑田「さっきより増えてきてるぜ! どーすんだ?!」

霧切「さっきの大きさが変わるライトを出してちょうだい!」

十神「成程! そういうことか!」

のび太「ビックライト? でも、ここだと天井があるからあんまり大きくなれないよ?」

十神「考えがある。早くよこせ!」

ドラえもん「二人を信じるよ!」


ドラえもんがライトを渡すと、十神はニヤリと笑う。


十神「やはりな。大きくすることが出来るのなら当然逆もある訳だ?」

十神「食らえ、スモールライト!」


十神がライトを操作してモノクマの大群に当てると、次々とミニチュアサイズになっていく。

602 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:07:49.56 ID:2NI7p81X0

桑田「ハッハッハッ! ざまーみろ!」

腐川「流石白夜様だわ! なんて機転が利くのかしら!」

十神「この程度当たり前だ。俺を誰だと思っている?」

朝日奈「先に思いついたの霧切ちゃんだけどね」

セレス「これなら大したことありませんわね。オホホホッ」グシャッ

山田「踏み潰してるー!」

のび太「あはは、ちっちゃくなっちゃった!」

チビモノクマ's「がおー!」ゲシッゲシッ


小さくなったモノクマは一生懸命のび太達を攻撃するが、当然効果はない。


葉隠「これ、大量に捕獲して売りさばけねえか?! ビジネスの予感だべ!」ヒョイッ

山田「売れますかねぇ……仮にも敵の親玉ですが……」ヒョイッ

朝日奈「小さければかわいいんだけどなぁ」ヒョイッ

ドラえもん「のんきなこと言ってる場合じゃないよ! アリだって数が多いと脅威になるんだぞ!」

霧切「その通りよ。ジャングルでの一番の脅威は蟻の大群……とにかく階段を塞がないと危険だわ」

ドラえもん「えーと、壁を作るにはなんの道具がいいか……」


ドラえもんがポケットをいじりながら頭を悩ませていると付近のモノクマ達が点滅を始めた。


苗木「な、なんだ? モノクマ達が光ってるぞ?!」

603 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:10:20.79 ID:2NI7p81X0


霧切「まさか……」


ドカン!

生徒達が手に持っていたチビモノクマが爆発する。


「きゃっ?!」「うわっ?!」「なんだっ?!」

のび太「ぐえっ」ドカッ

十神「ぐはっ!」ドカッ

大神「いかん! 自爆だ!」

十神「! ライトが!!」カランカラーン!


爆発の衝撃で生徒の何人かが十神にぶつかり、その拍子にライトが下の階に落ちていった。

パリーン!


のび太「ああっ、そんな! ライトがこわれちゃった!」

ドラえもん「みんな! 下がって!」


チビモノクマの自爆は少し威力の高いバクチク程度ではあるが、
至近距離なら当然火傷を負ってしまう程度の熱はある。


ドラえもん「これだ! 詰め合わせおばけ〜! 出てこい、ぬりかべ!!」

ぬりかべ「ぬりかべー」

604 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:16:48.85 ID:2NI7p81X0


全員後退したのを見計らい、ドラえもんがぬりかべを呼び出して壁代わりにした。


ドラえもん「とりあえずしばらくはこれでなんとかなるね」


ドンドンと激しくぬりかべを叩く音が響く。


十神「……いや、この調子では長くもたない。時間が経てば破られるだろう。
    ライトを失った以上、やはり玄関を塞がなければ駄目だ」

霧切「同感ね。入口を塞がなければ無尽蔵に湧いて来ると考えていいわ」

十神「まったく、貴様らがふざけているから……!」

朝日奈「ご、ごめん……」

山田「面目ありません……」

葉隠「まさか自爆するなんて思わなかったんだって……」

のび太「でも、直接ぶつかったのはぼくだからおこらないであげて……」

桑田「俺も驚いて押しちまったしな……」

舞園「私もぶつかったかもしれません……」

苗木「喧嘩しても仕方ないよ! 今はモノクマ達をなんとかしないと!」

大神「そうだ。次はどうすればいい?」

605 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:19:38.19 ID:2NI7p81X0

十神「とりあえず情報処理室のメンバーと合流し、作戦を練るぞ!」

「了解!」


全員踵を返して情報処理室に向かう。

キラッ。


苗木(ん?)


その時、苗木はある物に気が付いた。ドラえもんが出したガラクタに混じっていた物だ。


苗木(なんだろう、これ……ドラえもんのだよな。後で返そう)

のび太「お兄さん、はやく!」

苗木「ごめん! 今行く!」


苗木は“ソレ”をズボンの後ろポケットに収めると、急いで後を追った。

606 : ◆takaJZRsBc [saga]:2018/12/03(月) 02:21:03.08 ID:2NI7p81X0

ここまで。

607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/03(月) 02:23:32.58 ID:j5Ev9BXq0
取り寄せバッグで取り戻して復元光線で直せばいい
608 : ◆takaJZRsBc [sage]:2018/12/03(月) 02:51:18.05 ID:2NI7p81X0
>>607
霧切さんや十神君がひみつ道具を全部把握してたらそれやってたかもしれませんね
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