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ドラえもん「ダンガンロンパ?」

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679 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:14:19.66 ID:GIEAlWj20

ミニドラ「ドララ〜?」

ミニドラ「ドラー?」


ドラリーニョとミニドラは頭を抱える。彼等に山田の深すぎるコンプレックスは難しすぎたようだ。


ドラリーニョ「ヒーローになりたいんだよね…………わかった! じゃあ今からなろうよ!」

山田「は?」

ドラリーニョ「キミ、名前は?」

山田「山田一二三ですが……」

ドラリーニョ「ヒフミくん、行こう!」

山田「ちょ、ちょっとドラリーニョ殿?!」


ドラリーニョは山田の手を掴むとぐいぐい引っ張る。


山田「ムリ! ムリですって! 僕みたいなデブは集中放火されちゃいますよ!」

ドラリーニョ「平気平気!」

山田「怖い! やっぱり僕にはムリなんです!」


無理やり手を振り払って山田は壁に取り縋る。


ドラリーニョ「でも行かないとヒーローになれないんでしょ?」

山田「だから! 僕はそれが出来ないからヒーローにはなれないって悩んでるんですよ!」

680 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:16:27.88 ID:GIEAlWj20

ドラリーニョ「悩んでてもなにも変わらないよ! 行動しなきゃ!」

山田「それが出来ないんです! もうほっといてください! 善意の押し付けなんて迷惑なだけですよ!!」

ドラリーニョ「…………」


黙り込むドラリーニョ。

相手は完全な善意なのに流石に言い過ぎたか。
そもそも自分が意気地無しなのが全ての原因なのに……と山田はまた落ち込む。


山田(……わかってますよ。僕より小さくてただ抽選で選ばれただけの苗木誠殿や、子供ののび太殿でさえ
    戦場にいる。僕が情けないのがいけないのに、相手のせいにしてさぞかし呆れたでしょう……)

ドラリーニョ「……怖いの?」

山田「怖いです」

ドラリーニョ「怖くなければ、平気?」

山田「そりゃ怖くなかったらとっくのとうに行ってますよ」

ドラリーニョ「じゃあ、ボクがキミを守ってあげるよ!」

山田「……え?」

ドラリーニョ「それだったら平気でしょ? 一人じゃできないことも二人なら大丈夫!」

山田「まだそんな……」

ドラリーニョ「ボクを信じて!!」ジッ

山田「……!」


ドラリーニョの顔は真剣だった。山田が目を逸らせないほどに。

681 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:18:04.24 ID:GIEAlWj20

山田「僕は……」


ドシーンドシーン!!


「わっ?!」


               ◇     ◇     ◇



葉隠「なんだこの地響き?!」

ドラメッド「外の様子を見るである!」


全員が廊下の穴に向かい、それを見た。


朝日奈「なに、あれ……」

舞園「……嘘ですよね?」

霧切「大きいわね……」

ビッグモノクマ「…………」


地平線には七体もの巨大なモノクマが隊列を成して歩いてくる。その大きさは横のビルと
比較すれば一目瞭然だ。彼等にはまるで世界の終わりを知らせる巨神兵の群れに見えた。


ドラえもん「ま、まずい! あんなの相手に出来ない!」

ドラメッド「……ワガハイが相手になるである」

セレス「あなた、何か手が?」

682 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:22:56.25 ID:GIEAlWj20

ドラメッド「もう我慢の限界である! 葉隠殿、これを!」


ドラメッドはもしも電話と共に、愛用のタロットカードを渡す。


葉隠「これは、おめーさんの……」

ドラメッド「師匠に貰った大事な品である。預かってくれぬか?」

葉隠「…………」

ドラメッド「では行ってくるである。マハラージャ!」

葉隠「あ、おい!」


ドラメッドは魔法の絨毯に乗って、一人巨大モノクマの群れに向かって行った。


ドラメッド「モノクマと言ったか。ただでさえ多勢に無勢だと言うのに
       ここまでやるとは! もうワガハイ怒ったのであーる!!」


そう叫ぶとドラメッドは巨大化した。普段は温厚なことで知られるドラメッドだが、
怒ると巨大化して暴れるのである。足元のモノクマ軍団を踏み潰しながら、巨大モノクマに迫る。


ドラメッド「うおおおおっ!」


元々大きい手を更に巨大化させハンマーのように相手を殴りつけた!


大神「ドラメッド殿か。助かる!」

マタドーラ「やっちまえー、ドラメッド!」

のび太「頑張れ!」

683 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:28:35.36 ID:GIEAlWj20

ケンイチロウ「まさか双方にこれほどの切り札があるとはな……」

ジェノ「ヒュー! やるじゃないの!」

雪丸「頼むぜ、でっかいダンナー!」


ドゴッドゴッとドラメッドはモノクマを薙ぎ倒していく。だが!


ビックモノクマ「…………」


カシュッ。


ドラメッド「ム!」


カシュッカシュッカシュッ!


王ドラ「いけない、あれは!」

大亜「食らったらヤバいぞ!」

キッド「ミサイルだ! 避けろ、ドラメッドー!!」

ドラニコフ「ワウー!!」


ドドドドドドドドドドドド!!!

ドカンドカンドカン! ドカンドカンドカン! ドカンドカンドカン!


ドラメッド「ぬおおっ?!! グハァッ……」


バタアアアアン!!

ドラメッドはミサイルの集中砲火を受け、地面に倒れ込んだ。

684 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:38:52.01 ID:GIEAlWj20

「ドラメッドオオオオオオッ!!」


大和田「おいおい、嘘だろ……」

桑田「やべーって……」

大亜「馬鹿野郎! 手を止めるな! まだ敵はいるんだぞ!」

石丸「そうだ! まだ諦めてはいけない!」

十神「くそっ、考えろ! 考えるんだ! 何かあるはずだ!」

苗木「諦めちゃダメだ!」

セレス「……何ということでしょうか」

舞園「そんな、ドラメッドさんまで……」

ドラリーニョ「ボク、行かなきゃ!」

葉隠・山田「!」

朝日奈「! ダメ! 殺されちゃうよ!」

ドラリーニョ「でもこのままほっておくワケにはいかない! ドラメッドを助けないと!」

霧切「死にに行くようなものよ!」

ドラリーニョ「それでもいいよ! だってボクたち友だちだもん!」

ドラえもん「ドラリーニョ……」


朝日奈の手を振り払い、ドラリーニョは飛び出した。


葉隠「……おめーは行かないのか?」

ドラえもん「ぼくが行っても足手まといになるから……代わりに、ぼくはぼくのやるべきことをする!」

685 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:53:13.61 ID:GIEAlWj20

ポケットに手を突っ込み、ドラえもんはあーでもないこーでもないと思案する。


葉隠「自分のやるべきこと……」

葉隠(……そ、そうだ。さっさと逃げねえと)


見つかってはまずいとその場を離れ、葉隠は電話を掲げる。しかし……


『これを使うならワガハイとある約束をしてほしいのである』


葉隠(約束……)


『ワガハイの代わりにワガハイの夢を叶えてくれぬか?』


葉隠(……知らねえ。他人の夢なんて知ったこっちゃねえ!)


『ワガハイだけではない。ここで戦っているみんなに、それぞれワガハイのような夢や目標があるはず』


葉隠(クズって言われようがなんだろうが、俺は自分が一番大事なんだ。それで何がいけないんだ!)


『みんな……みんな! 自分や大切な人のために命を懸けて戦っている!
 中にはのび太君のようなこの世界と無関係の子供までが!!』


葉隠(……どうした。どうしたんだ、俺?! これで逃げられるんだべ! 安全な所に行けるんだ)


手が汗ばんでいる。額にも汗が浮かんでいるのを感じた。


『お主は仲間もその家族も自分の母親すら見捨てて一人逃げるのである。
 ならば、これくらい背負うのが筋というものであろう?』


葉隠(罪悪感なんて感じてる場合じゃないだろ! 命が掛かってるんだべ!)

686 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 02:55:20.65 ID:GIEAlWj20


しかし、電話を持つ手は震えるばかり。ふと蘇るのは母・浩子の姿だ。


葉隠(そういや母ちゃん、今はどこでなにしてんだろうな……)


もしここに浩子がいたらどんなことを言うだろうか。


浩子『母ちゃんわかってるよ』


浩子『康比呂はちょっと自分に甘くてやんちゃな所があるけど、根は優しくて
    最後はちゃんと決めてくれる子だって。あんたは格好いいもんね』


浩子『――母ちゃんはいつでもどんな時でも、絶対にあんたの味方だからね』


葉隠(母ちゃん、ちょっと親バカっていうか俺を美化してる所あるからな。今も俺がヒーローみたいに
    助けに来るってバカみたいに信じてて、どこかで待っているかもしれねえ……)

葉隠(でもそれは俺の母ちゃんだけじゃなくて、みんなの家族だってきっとそうだ……)

葉隠「…………」

葉隠「…………」








葉隠「……………………ダメだ」


へなへなと、葉隠はその場に座り込んだのだった。

687 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/04/21(日) 03:07:27.80 ID:GIEAlWj20

ここまで。

ドラリーニョは天使だと思う

688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 11:33:12.50 ID:RvrXtL7XO
乙!
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/22(月) 16:56:05.70 ID:FSEVnX4m0
乙追い付いた
主さんのダンロンキャラの心理描写ほんと好き
それにしてもドラメッドはやっぱ頼りになるなあ
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/23(火) 22:39:32.04 ID:7CRCa27d0
乙であります
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/12(日) 17:48:40.43 ID:l678n/Z50
[たぬき]ズはそういう意味では超高校生級の子たちの鏡みたいな立ち位置のキャラクターだよね
本来のネコ型ロボットにはありえない能力を持つ突然変異じみた落ちこぼれ集団で規格外品
(それ込みでも学園一の秀才である王ドラを除いてだけど)
お互い思うところもありそう
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/13(月) 00:59:21.49 ID:L1oWz9HB0
エピローグまで書き終わってるんだよね?それならもっと投下してほしいな
693 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:27:15.32 ID:kI/AMyHm0


  第29話 たちあがれ、おくびょう者!


葉隠(……重すぎる。俺に全員の夢を背負うなんてムリだべ……)


今まで逃げること、楽をすることしか考えていなかった葉隠だが、
それに伴う責任の重さを知り、初めて迷いを感じたのだった。


葉隠(俺はビビリだしお世辞にも運動神経がいいとはいえねえ。戦いに行ったって
    役に立つとは思えねえ。クズでダメな俺に出来ることってなんだ?)


ドラえもん『ぼくがすべきことをするんだ!』


葉隠(すべきこと……)


手からタロットカードが落ちる。


葉隠「そういや、ドラメッちのタロットはかなりの的中率だったな」


精度は葉隠のインスピレーション占いに劣るものの、カムクラの正体を暴いたりもしていた。


葉隠(このタロットと俺の占いを組み合わせれば……未来がわかる?)

葉隠「教えてくれ! 俺はどうすりゃいい? どうすればこの局面を乗り越えられんだ!」


タロットについてもそれなりに知識を持つ葉隠は、シャッフルして一枚引く。


葉隠「魔術師(マジシャン)……」

694 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:32:04.55 ID:kI/AMyHm0

葉隠(魔術師のカードは名前の印象とは逆に新たな一歩や希望を表す。ただ単に新しい
    展開なら星のカードでもいい。魔術師なら独創的な発想とか少し捻りが入る――)

葉隠「独創的な発想……それが何かわかればこの局面を切り抜けられるかもしれねえ。
    ……そうだ。独創的な発想の内容を俺のインスピレーション占いで占えば……?」


目を閉じて、葉隠は集中した。今までお金のためか保身のためにしか
占ったことなどない葉隠が、人生で最も心を込めて占った。


葉隠「――見えたべ!」


今までは占った映像が実現するまでは、それが当たりか外れか葉隠にはわからなかった。
だが、今は強い確信を持って言える。これは“当たり”だと。


葉隠「山田っち!」

山田「ヒィ! なんですか?!」


いつも飄々として、それでいて何かあったら周りを盾にして
すぐ逃げる葉隠の――普段とは違う鬼気迫る顔に山田は気圧された。


葉隠「山田っちが鍵だべ!」

山田「なにがですか?! もうダメなんですよ! みんな殺されて核ミサイルも降ってくるんです!
    世界は核で包まれてリアル世紀末が訪れるんですよおおお! ひでぶっ!!」

葉隠「落ち着け、山田っち! それを止める鍵がお前さんなんだって!」

山田「僕? 僕に何か出来るわけないじゃないですか。僕はただのしがないキモオタですよ?!
    あんなに凄い人達が束になってかかってもどうにもならないのに!!」

葉隠「出来る! クズの俺にだって出来た! だから山田っちだって出来る!
    周りなんて関係ねえ! 大切なのは一歩を踏み出す勇気なんだって!!」

695 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:34:30.06 ID:kI/AMyHm0

山田「突然どうしたんですか? ガラにもない……」

セレス「落ち着きなさい、山田君」

山田「セレス殿……」

セレス「いつもなら真っ先に逃げることを考える沈没船のネズミのような葉隠君が
     珍しく必死に説得しているのですよ? 話だけでも聞いてみては?」

葉隠「……酷い例えだべ」


苦笑するが反論は出来ない。現につい先程まで葉隠は自分一人だけでも助かろうとしていた。


霧切「何か勝算があるのね?」

葉隠「見えたんだべ! 山田っちが巨大なロボットに乗って戦う姿が!」

山田「ハァ?! ガンダムじゃあるまいし。一体どこにロボットがあるっていうんですか?!」

ドラえもん「ザンダクロス……」

「え?」


ドラえもんの呟きに、全員が振り返った。


ドラえもん「そうだ。絶対絶命のあの時だって、ザンダクロスがいてくれたから僕達は戦えたんだ!」

霧切「そのザンダクロスは今どこに?」

ドラえもん「……もういない。歴史が変わったから。どこかの宇宙にはいるかもしれないけど」

山田「結局無意味じゃなかったですか! 無駄な希望なんて持たせないでくださいよ!
    そんなのただ絶望するより残酷だ! 現実は漫画じゃないんですよ!」

696 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:37:52.68 ID:kI/AMyHm0

山田「作者が紙に描けばどんなピンチだってなんとかなる漫画の世界じゃない!!」

「…………」

ドラえもん「そうだね。余計なこと言ってゴメン……現実はそんな甘いものじゃないよね……」

舞園「……諦めちゃ、ダメですよ」

ドラえもん「舞園さん……」

舞園「だって、ドラえもんさん達は! 絶望した私を救ってくれたじゃないですか!」

舞園「私だけじゃない……。桑田君や腐川さんだって、
    のび太君とドラえもんさんがいてくれたから救われたんですよ!」

舞園「それは無意味だったんですか? そんなことはないはずです! いいえ、私はそう思いたくない!」

ドラえもん「舞園さん……」

舞園「まだ希望があるかもしれません! 他の道具を見て見ましょうよ!」

葉隠「そうだべ! そのサンタクロースを召喚できる道具もあるかもしれねえし!」

ドラえもん「そうだよね! ボクには思いつかないだけで、
       みんななら使いこなせる道具もあるかもしれない!」


ドラえもんはポケットから次々と道具を取り出すが、
出てくるものは扇風機、冷蔵庫、ラジコン、クレヨンなどのガラクタばかりである。


ドラえもん「ハァー! ハァー! もうこうなったらこの地球破壊爆弾で……!!」

セレス「馬鹿ですか?! こっちまで死ぬわ!!」

霧切「これは何かしら?」

ドラえもん「それは携帯扇風機で……」

697 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:38:45.00 ID:kI/AMyHm0

朝日奈「こっちは?!」

ドラえもん「えーと、瞬間圧縮機……」

葉隠「これはオーパーツだべ! 俺の占いは三割当たる!」

ドラえもん「それは単なるおもちゃだね」

山田「…………」


山田は彼等がガラクタを手に持ちあれやこれやと騒ぐのを手持ち無沙汰に眺めていた。
何故彼等が諦めないのか不思議だった。


山田(どうせ、ムダなんですよ……家族はみんな死んでいるし帰る所もないし……
    僕達だってどうせもうすぐ死んじゃうんだ……)


だったら、最後くらい好きにしよう。好きなことをして時間を潰そう。
そう思って山田は自分が何をしたいか考えた。


山田(絵でも描こうかな……集中すれば周りも気にならなくなるし)


その時、山田の目に映ったのは落ちていたクレヨンだ。


山田(これも未来の道具ならなにか効果があるのかな……)


現実逃避とほんの少しの好奇心で、山田はそのクレヨンを手に取った。
リュックからノートを取り出し、最も描き慣れているぶ〜子を描いてみた。


山田「……なんだ。ただのクレヨンか」



ポンッ!

698 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:40:39.77 ID:kI/AMyHm0


山田の呟きと同時に紙からぶ〜子が飛び出てきた。


山田「ぶ、ぶ〜子?!」

ぶ〜子「…………」


山田は知る由もなかったが、彼が手にしたクレヨンは描いたものを実体化させる立体クレヨンである。
あくまで子供用のおもちゃであり、紙から出てきたものは本物より大幅に劣化して現れる。

しかし山田の類い稀なる画力とぶ〜子に対する熱意が、ほとんど本物に近い完璧なぶ〜子を生み出した。


霧切「どうしたの?!」

山田「そ、そこに落ちていたこのクレヨンで絵を描いたらぶ〜子が……」

ドラえもん「それは立体クレヨンだね。描いた物が立体となって紙から飛び出てくるんだ」

セレス「では、そのクレヨンで武器を描けば……!」

ドラえもん「ムリだよ。所詮は絵だもん。張りぼてなら出せるけど本物は出せないんだ」

葉隠「なんだ……ガッカリだべ……」

山田「偽物……」

ぶ〜子「…………」


ぶ〜子はフワフワと辺りを漂っている。

その姿は二次元と三次元の違いはあれど、山田がずっと脳内で思い描いていたそれだ。
このぶ〜子は山田自身が生み出した正真正銘本物のぶ〜子なのだ。

699 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:42:13.44 ID:kI/AMyHm0


山田「ぶ〜子……」

ぶ〜子「…………」




二人の目が合う。


700 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:44:37.00 ID:kI/AMyHm0

ぶ〜子「…………」ニコッ!

山田「!!」


心のない張りぼてのはずのぶ〜子が、確かに山田に微笑みかけた。


山田「偽物、なんかじゃない……」

舞園「山田君?」

山田「ぶ〜子はここにいるんだ……!」

朝日奈「どうしたの?」

山田「聞こえる……! 聞こえるぞッ!! ぶ〜子の声がッ!!」

ぶ〜子「…………」


―出来るよ。

―山田君なら

―きっと出来る。

―だから……


山田「僕にはぶ〜子の声が聞こえるッ!!」


―みんなを助けてあげて!


「?!」


実際には山田の妄想なのかもしれない。だが、山田には確かにぶ〜子の声が聞こえていたのだ!

701 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:49:56.88 ID:kI/AMyHm0

山田「他の人がダメでも、僕の画力なら限りなく本物が出来る! 
    この状況を打開する漫画を描いてみせる!!」


そう叫ぶと山田は画用紙にロボットの絵を描きはじめた。
正面図だけではなく、側面背面やコックピットも含めた設計図並みに詳細な絵だ。

美少女アニメが好きでロボットアニメは有名作品だけ見ていたような彼だが、
超高校級とまで呼ばれる山田の記憶力と画力は確かだった。


ドラえもん「す、凄い……!」

山田「行け! 僕のロボット――ジャスティスロボ!!」


パァァッ!

ズッシャアアアアアン!


朝日奈「ロボットだ! ロボットだよ!」

霧切「張りぼてなんかではないわ。ちゃんと鉄で出来ている!」コンコン

山田「いえ、僕の作り出したヒフミウム合金です。鉄より軽く遥かに丈夫なのです!」

ドラえもん「そんな! 初めて見たよ! これならイケるかも!」

セレス「ですが、いくらロボットでもこの大きさでは……」

不二咲「ビッグライトで大きくすればいいんじゃない?」

ドラえもん「ああ! ビッグライトは……」

舞園「さっき壊れて……」


その場にいた者達は一様に青ざめる。

702 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:54:21.31 ID:kI/AMyHm0

セレス「予備はないのですか?!」

ドラえもん「ゴメン……」

山田「そんな……」


彼等の様子を見ていたミニドライレブンはお互いの顔を合わせる。


ミニドラ「ドラ! ドラ!」

ミニドラ「ドララー!」

朝日奈「なに? どうしたの?」

ミニドラ「ドラー!」


ミニドラ達はそれぞれのポケットからライトを取り出した。


ドラえもん「それは、ビッグライト!!」

「ええっ?!」

葉隠「じゃあそれでいけるじゃねえか!」

山田「そうですよ! 早く使いましょう」

ドラえもん「ただ、一つ問題が……」

霧切「問題?」

ドラえもん「ミニドラの道具は見ての通り小さくて出力が弱いんだ。これで大きく出来るかな?」

ミニドラ「ドラ?」

ミニドラ「ドララー……」

703 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 00:58:46.56 ID:kI/AMyHm0


耳を落としてガッカリするミニドラ達を尻目に、霧切が思案する。


霧切「小さいビッグライトを他のライトで大きくして、それで使えば或いは……」

ドラえもん「それだ!」

ミニドラ「ドララー!」


言われた通り、ミニドラはビッグライトを大きくしてドラえもんに渡した。


ドラえもん「ビッグライト!」


ピカー!


葉隠「よしきた!」

山田「コックピットには、僕が乗ります!」

ドラえもん「このサイコントローラーを使って。握って心に思うだけで脳波を送信して操縦出来るから」



               ◇     ◇     ◇



一方外では、巨大モノクマの登場によって絶望軍団が勢いづいていた。


大和田「クソッ、このままじゃジリ貧だ!」

704 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 01:01:03.26 ID:kI/AMyHm0

大亜「諦めてんじゃねえ、紋土! たとえ勝てなくても最後まで戦い抜く!
    それが暮威慈畏大亜紋土流だろうが!」

石丸「お、お兄さん……」

大神「活路を開く! 我の命を使ってでも……!」

ケンイチロウ「さくら、力が入り過ぎだ。もっと流れるように動け!」

大神父「さくらよ! お前は我等大神道場の希望だ! 心を明鏡止水にして挑むのだ!」

大神「ムゥ……我としたことが、己を見失っていたか……」

桑田「そりゃそーだろ! 流石の俺も、キツイ……」

マタドーラ「頑張れ、兄ちゃん。おめーさんにも夢があるんだろ?」


支え合い、助け合いながら戦うがそれでも徐々に追い詰められていく。


苗木「僕は……能天気だったのかな。こんな状況でも、まだなんとかなるかもしれないって
    希望を捨てられなくて……他人頼みだよね。情けないな……」

大亜「いいじゃねえか」

ケンイチロウ「うむ」

苗木「大亜さん、ケンイチロウさん……」

大亜「自分一人じゃどうにもならないことなんて世の中いくらでもあるだろ。
    そんな時、周りに少し手伝って貰って何がわりぃんだ」

ケンイチロウ「深刻になるより、なるようになれとドンと構えた方がいいかもしれんぞ。
        そうしたら案外――思わぬ所から助け舟があったりな」

705 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 01:09:55.15 ID:kI/AMyHm0

石丸「大人は格好良いな……僕はあなた達のようになりたい」

苗木「……そうだね。なんとか生き延びて、子供に格好いいって言われる大人になりたいな」

キッド「じゃあ諦めないで前に進もうぜ! ドガンドカーン!!」ドーン!

のび太「みんな今だってすごくかっこいいよ!」バンバン!

ドラニコフ「ワオ! ワオワオ! ……アオ?」

ジェノ「あん、急にどしたワン公? いや、ニャン公? なんか見つけたか?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


桑田「な、なんだ?!」

大亜「どうやらおでましみたいだぜ。希望って名前の助け舟(グッドラック)がな!」


気絶していたドラメッドは振動で目を覚ます。


ドラメッド(クッ……ここまでか、無念……)


力尽き倒れ、死を覚悟したドラメッドの目にそれは映った。

正義を司る希望の救世主――ジャスティスロボが!


ドラメッド(敵か味方か。いや……!)


占いが得意なドラメッドは直感で感じ取っていた。

706 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 01:12:40.68 ID:kI/AMyHm0

ドラメッド(そうか……来てくれたのであるな!)

葉隠『ドラメッち! 助けに来たべー!』


桑田「な、なんだありゃあ?! なんで葉隠の声が……」

十神「巨大ロボだと……?!」


サイコントローラーがあるのだから実際に操縦桿を握る必要はないのだが、
山田はしっかりとハンドルを握りしめていた。まるで、ロボットアニメの主人公のようだ。


山田(人生で一度言ってみたかったこの台詞。まさか言う時が来るなんて……)


モニターの端にはボロボロになりながら必死に戦うドラリーニョの姿が映る。


山田(ドラリーニョ殿の言った通り……行動しないと何も始まらない)

山田(他の人間なんて関係なかったんだ! 誰がなんて言おうと、
    僕の物語はいつだって僕が主人公でヒーローなんだから!!)

山田(だから、今こそ――)


戦場に向けて力一杯、憧れの台詞を山田は叫んだ。



山田『待たせたな!!』


――ジャスティスロボ、降臨!!


707 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/05/27(月) 01:27:07.09 ID:kI/AMyHm0

ここまで。次回決着!


>>692
申し訳ないです。エピローグまだ書けてないのですよ…

下書きから投下の段階で大幅に推敲があって、裁判シーンとか
最終決戦も本来の三倍の長さになってましてその度に加筆加筆の嵐……

708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/04(火) 19:22:02.08 ID:jg7TUJMl0
乙。山田の活躍に全俺達が滾る
変更があっても長くなっても真摯に投下してくれて有り難う。無理ないペースで体を大切にしてください
ドラメっちって愛称いいね(真宮っちみたいな)
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/15(土) 19:45:01.60 ID:ekT+Fbur0
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/23(日) 23:16:27.86 ID:NKy5lk3A0
おつ
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/23(日) 23:17:04.01 ID:NKy5lk3A0
a
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/29(土) 15:59:04.55 ID:bsGcXh3B0
このスレまだ残っていたのか
というかまだ完結していなかったんだな
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/02(火) 00:59:59.43 ID:p0qfYB4z0
714 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 01:45:09.88 ID:as45WpGo0


  第30話 希望はすすむ。ぼくたちがつくる未来へ――



苗木「え、もしかして山田君と葉隠君?!」

大和田「山田?! それに葉隠だぁ?!」

石丸「おお! 彼等も来てくれたのだな!」

大亜「ハハッ! 強い味方がおいでなすったようだぜ!」

ジェノ「見直したぜぇ! 萌えねえ男子からあんまり萌えない男子に上げといてあげるわん!」


山田『山田一二三、行きまーす!!』


学校から出てきたその巨大ロボットのコックピットには山田が乗っている。
飛び出た贅肉で少し狭いが文句は言っていられない。仲間達が沸き立つ一方、
ジャスティスロボのコックピットの中では葉隠が絶叫している。


葉隠「ヒ、ヒエエエ! やっぱり来るんじゃなかった!」

山田「今更なに言ってやがる! 僕達が乗った列車は途中下車出来ないんだ!」


コックピットの座席は山田が占領しているため、葉隠はその後ろに立って
両腕で壁を突っ張って体を支えている。そのため揺れがすごく、不安になるらしい。


葉隠「わかってるけどよォ!」


そもそも乗ると言い出したのは葉隠本人だ。

715 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 01:46:27.40 ID:as45WpGo0

葉隠『俺の占いだとロボットには山田っちだけじゃなくて俺も乗ってた。
    きっと運動系じゃない山田っちだけじゃダメなんだべ!』

セレス『ですが、葉隠君が乗ったところで何が出来ますか?』

舞園『葉隠君は占いが得意ですから、それを使って先読みしたりとか……』

セレス『七割の確率で失敗しますわね』

葉隠『くそ……今だけでも全部当たってくれりゃあな……』

セレス『そんな都合の良い話がある訳……』

霧切『……あるわ。ねえ、そうでしょう、ドラえもん!』

ドラえもん『これだー!』パパラパッパパー!

ドラえもん『才能伸ばし薬。飲んだ人間は1時間だけ潜在能力を百パーセント上げられる。
       本来は自分にどんな才能があるかを調べるために使うけど、これなら……』

葉隠『貸すべ!』


ドリンク状の薬を葉隠は一気に飲み干す。


葉隠『き、来た来た来たー!』

山田『何が来たんですか?!』

葉隠『今の俺は……』



葉隠『―― 十割当たる!!』

716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/08(月) 01:46:53.28 ID:JCO9iklF0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
717 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 01:48:14.52 ID:as45WpGo0

山田「さっきの勢いはどうしたんです?! ほら、早く覚醒したニュータイプ能力でピキーンしてください

!」

葉隠「なんだべそれ?! って、ああ?!」


ピキーン!


葉隠「見えた! 右から来るぞ!」

山田「了解! うおおおおお!」


葉隠のアシストが効を奏し、山田はビッグモノクマの攻撃を防いだ。そのまま競り合いになる。


葉隠「武器はなんかあるのか?!」

山田「あります! ジャスティスハンマーです!」

葉隠「武器がハンマーって地味じゃねえか?」

山田「鈍器ナメんなし! 戦場ではスコップがヤバイ凶器になること知らないんですか?!」

葉隠「でも山田っちならてっきりカッコイイ剣とかにするかと」

山田「……僕は学んだんです! 見てくれより中身が大事なんだってことを!
    セレス殿が! みんなが! 僕に大切なことを教えてくれた!!」

ビッグモノクマ『……!』


グググググ……

徐々にジャスティスロボがビッグモノクマを押して行く。
しかし、他のビッグモノクマがジャスティスロボを囲み始める。

718 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 01:50:46.14 ID:as45WpGo0


葉隠「まずい……。このままだと囲まれちまう! 来い! インスピレーション来い!」


ピキーン!


葉隠「見えた! 山田っち、足を狙ってバランスを崩してやるんだ! 大外刈りって奴だべ!」

山田「ぬううううううん!」


正確には大内刈りなのだが、素人の二人はそんなことは知らない。見よう見まねで足を攻撃した。
見事ジャスティスロボの足技が決まり、元々バランスの悪いビッグモノクマが転ぶ。


山田「よーし! 正義の鉄槌今ここに! 喰らえ! ジャスティスハンマーアタック!!」


山田は必殺技を叫ぶと、ロボの背中からジャスティスハンマーを取り出し
ビッグモノクマに振り下ろした。

メキャアッ!


重量の乗った打撃により、モノクマの頭部がグシャグシャに砕けた。


葉隠「Fooooooo!!」

山田「まずは一体!」

葉隠「! まずい! 後ろだ!」

山田「えっ?!」


後ろに回り込んだビッグモノクマがジャスティスロボを羽交い締めにする。


山田・葉隠「あわわわわわ?!」

719 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 01:52:46.23 ID:as45WpGo0


正面にいたビッグモノクマが攻撃しようと振りかぶった瞬間、ピカッとまばゆい光が灯る。
ライトだ。ライトの先にいたのは……


ドラミ『させないわ!』

セワシ『行っけー! ドラミちゃーん!!』


チューリップ型のドラミ専用タイムマシンが突如現れ、ビッグモノクマに体当たりをした!


キッド「なっ?! ドラミ?!」

ドラミ「私達も来たわよ!」

セワシ「おじいちゃん達ばっかり活躍させないよ!」


更に突撃して、ジャスティスロボを解放する。


マタドーラ「ヒュウッ! やるじゃねえか!」

王ドラ「ボク達も負けていられません!」

ドラニコフ「ガウ!」

ドラリーニョ「みんなー!!」

キッド「ドラリーニョ!」

ドラリーニョ「ぼくに力を貸してー!!」


そう言ってドラリーニョは高々とボールを蹴り上げる。


キッド「行け! 友情テレカ!」


「友情テレカー!!」

720 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:00:53.99 ID:as45WpGo0


ピカーン!

七人の友情テレカから光が放たれ、ドラリーニョのボールに当たる。
すると、ボールは巨大化しまばゆい黄金の光を放った。


マタドーラ「おーし! 合体だ!」

王ドラ「了解です!」

ドラニコフ「ワオー!!」


マタドーラの上に王ドラが乗り、王ドラの上にキッド、その上にドラニコフが飛び乗る。
そうして出来たドラえもんズタワーの側面をドラリーニョが駆け上がって行く。

勢いのまま宙に飛び出したドラリーニョはそのまま高速回転し、
輝くボールを思い切りオーバーヘッドシュートした。


ドラリーニョ「シュート!!!」


ゴオッ!!

ボールは光り輝く尾を引いて水星のようになり、ビッグモノクマを貫いた。


石丸「やった! 友情の勝利だ!」

のび太「さすがドラえもんズ!」

ドラメッド「ふ、ふふ。負けておられんでおじゃるな! くらえーっ!」


なんとか立ち上がったドラメッドの拳がビッグモノクマの頭を吹き飛ばす。


キッド「最後は今回一番頑張ったヤツに華を持たせてやるか。エド!」

エド「ガッテン!」

721 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:03:46.02 ID:as45WpGo0


キッドはエドの背中を踏み台にして希望ヶ峰学園に飛び込む。


ドラえもん「キッド! どうしたの?」

キッド「ほら。俺特注のハイパー空気砲だ。貸してやるよ」

ドラえもん「え……?」

霧切「あなたに、と言っているのよ」

セレス「ドラえもんさんが、今回の幕を下ろすのに一番相応しいかもしれませんわね」

ドラえもん「で、でも……ぼくはそんなにすごいことはしてないよ。ただ道具を使っただけで……」

ドラえもん「のび太くんが言い出さなかったらぼくは来ていなかったし、
       今だってドラえもんズのみんなの方が活躍してるし……」

舞園「そんなことありません。ずっと影でみんなのことを支えてくれたじゃないですか」

朝日奈「いくらスゴい道具があっても、のび太だけじゃきっと出来なかったと思うよ? ヌケてるし」

不二咲「そうだよ、ドラえもん。ドラえもんがいたから、みんな助かったんだ!」

ドラえもん「みんな……」


ダンガンロンパの世界に来るにあたって、ドラえもんが全て根回しをしていたのだ。
のび太が寝こけている間に、見張りをしたりサウナで友情を築いたりもした。


のび太「ドラえもーん!」


穴から下を見ると、のび太や他の生徒達も手を振っている。


のび太「はやくー!」

桑田「今度ミサイル撃たれたら吹っ飛んじまうぞ!」

大和田「頼んだぞー!」

722 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:05:34.95 ID:as45WpGo0

石丸「頑張れ、ドラえもん君!」

大亜「ドラえもん! 決めちまえ!」

ケンイチロウ「任せた、ドラえもん殿!!」

ドラえもん「みんな……」

キッド「ああ言ってるぜ? なあ、リーダー!」

ドラメッド「ドラえもんが一番相応しいでおじゃる」

ドラリーニョ「ドラえもーん!」

王ドラ「リーダーが決めないと!」

マタドーラ「へっ、仕方ねえ。ドラえもんなら譲ってやるぜ!」

ドラニコフ「ガウガウー!」

ドラえもん「……わかった」


意を決し、ドラえもんはハイパー空気砲を受け取る。


キッド「へへっ、そうこなくちゃな!」

ドラえもん「みんな! 行くよー!!」


ドラえもんの掛け声と共にドラえもんズが友情テレカを天に掲げる。

723 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:12:34.02 ID:as45WpGo0


ドラえもん「我等!!」


「ドラえもんズ!」


「そして――」

「世界中の希望を捨てない人々よ!!」

「みんなで力を合わせて、ぼく達の未来を――」

「創るんだッ!!!」



今まで座り込んでいたカムクラが立ち上がり、友情の光を見る。

――なんと眩しく輝いているのだろう。



カムクラ「“希望”を諦めない人間が“未来”を創り、絶望を“終結”させる――」

カムクラ「そうか。きっと僕が見たかったものは――」

のび太「あれ?! ぼくたちまでなんだか光ってるよ?!」

石丸「ひ、光がドラえもん君の所に!」

マタドーラ「よくわからねえが友情テレカの力だろ!」

王ドラ「恐らく、ぼく達ドラえもんズだけではなく皆さんの友情パワーも吸収しているんです」

724 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:17:53.48 ID:as45WpGo0

大亜「ま、友情も希望も似たようなもんだからな」

ドラニコフ「ガウガウ!」ウンウン

ケンイチロウ「プラスの力が引き合っているのか!」

大神父「我々まで光っているとは……」

大神「才能がある者もない者も等しく輝いている。希望に才能など関係ないということだな」

十神「フン。認めてやる。確かに仲間だの友情だのは時として強い力を持つようだ」

ジェノ「デレまくってる白夜様頂いたわん! やっべー、なんか殺りたく……くしゅん!」

腐川「な、なに?! 光が広がって行くわ……!」


ドラえもん「ドカアアアアアンッッ!!!」


友情の光を受けてハイパー空気砲は巨大化し、ドラえもんの掛け声で収束した光のビームが放たれた。
それはビッグモノクマを貫くだけにとどまらず、散開して雨のように降り注ぎ周囲一体の
モノクマを殲滅する。余った光は世界中に飛んで行き、まるで流星群のようだった――。

725 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:26:55.60 ID:as45WpGo0


  ― 未来機関 本部 ―


逆蔵「おい、なんだありゃあ?」

宗方「もう少しで希望ヶ峰学園付近の映像が解析出来る。待っててくれ」カタカタカタ

雪染「今じゃないとダメ! ほら、宗助も!」グイッ

宗方「おい、雪染。ム、これは……」


窓から見上げると、そこには空から地上に降り注ぐまばゆい光が見えた。


宗方「昼間だと言うのに流星群か? 珍しいこともあるものだ」

逆蔵「世界はこんな状況だって言うのにな……」

雪染「でも、綺麗……」ツー

宗方「雪染? 泣いているのか?」

雪染「あ、あれ? なんでかな?でも、この光を見てると心が浄化されるような
    なんだか凄く幸せな気持ちになるの。何でだろうね、宗方君……」

逆蔵「まあ、そうだな……なんか変な感じだ。たまにはこういうのもいいかもな……」

宗方「これは何かの兆しかもしれない。よく観測しておこう」


               ◇     ◇     ◇


安藤「ちょっと! こっち来ないでよ!」

忌村「それはこちらの台詞。ルルカが私の後をついて来てるんでしょ」

安藤「ハァ? 冗談やめてよね! どちゃくそ気分悪いんだけど」

726 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:29:57.59 ID:as45WpGo0

忌村「ルルカはいつもそう。なんでも人のせいにして……」

十六夜「?! なんだ、あれは!」

安藤「え、どうしたのヨイちゃん? ってなにあれ?!」

忌村「……流星群? まだ昼間なのに?」

『…………』


しばらく三人はその光景に見とれる。


安藤「……ねぇ、覚えてる? 昔みんなでキャンプしたよね?」

十六夜「ああ。あの時は満天の星空だったな」

忌村「……流れ星があった。今みたいに」

安藤・忌村・十六夜「…………」

安藤「もう戻れないのかな、ルルカ達……」

十六夜「ルルカ……」

忌村「…………」

安藤「本当はわかってるんだよ。ルルカが全部悪かったって。でも意地を張っちゃって……
    ルルカは静子ちゃんみたいに頭も良くないし凄くないから」

忌村「ルルカ……私こそ、ごめん。友達ならダメなことはダメってはっきり言うべきだった。
    何でも言いなりになって我慢して、それが友情だと勘違いしてた……」

十六夜「ルルカは自信を持つべきだ。お前は凄いヤツなのだから。今だって自分から謝れたじゃないか。
     人を救うのは薬だけじゃない。ルルカのおいちいお菓子は色んな人間を幸せにすることが出来る」

安藤「ヨイちゃん、ありがとう……。流れ星、綺麗だね……」

忌村「……うん。綺麗」

727 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:32:48.13 ID:as45WpGo0


そんな三人の様子を離れた所から黄桜公一が眺めていた。


黄桜「青春だねぇ……」

黄桜(トラブルの気配を感じて様子を見に来たが、とんだ邪推だったようだ)

黄桜(おっさんは若者の邪魔にならないように去りますよ、と)スタスタ



               ◇     ◇     ◇


御手洗「…………」ツー

天願「……どうしたんじゃ、御手洗君? 急に泣き出したりして」

御手洗「えっ? ……あっ」


御手洗は顔に触れると、自分が泣いていたことに気が付いた。


月光ヶ原「…………」カタカタカタ

ウサミ『大変でちゅ! 何か困ったことがあったら言ってくだちゃい! 力になりまちゅよ?』

御手洗「あ、いや、そんなんじゃなくて……!」

ゴズ「わかります。こんな神秘的な景色は見たことありませんからね。
    御手洗君は感受性が強いから、感動したのでしょう」

万代「トマトに勝る赤はないって言うからね。自然が一番だよ」

御手洗「感動? ……そうか。僕は感動していたのか。これが本物の感動……」ボロボロ

天願「……御手洗君?」

御手洗「僕は……僕はやっぱり間違えていた……」

728 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:42:19.33 ID:as45WpGo0

御手洗「感動って、小手先の技術で無理にさせるものじゃない。何もなくても自然に
     湧き出てくるものなんだ。僕はそれがわかってなかったから江ノ島に利用された……」

御手洗「認めたくないけど、どんな名作にだって無関心な人間やアンチはいる。でも、それが
     当たり前なんだ。僕はクリエイターとしてそれを受け入れなくちゃいけなかったんだ……」


バッと振り返り、決意を抱いた御手洗は叫んだ。


御手洗「アニメを……アニメを作らないと! 希望でもない、絶望でもない、誰もがありのまま
     自然になれる、そんな作品を作らないと! 今きっと必要とされる作品はそれなんだ!」

御手洗「誰かに強制された感情なんて間違ってる!!」

天願「それが君の出した結論かね?」

御手洗「お願いです、会長! こんな時に何を言っているのかと思われるかもしれないけど
     僕は今これをしなくちゃいけないんだと思います! そのために僕の才能があります!」

天願「……わしは止めんよ。君のやりたいようにすればいい」

ゴズ「絵は描けませんが、色塗りなら手伝えますよ? アニメは一人で作る物じゃねえだろ、御手洗ィ!!」バシッ

万代「豆は沢山あれば大根に勝るってね。みんなで作れば早いんじゃないかな?」

月光ヶ原「…………」カタカタカタ

ウサミ『美彩もCGや自動彩色なら力になれるって言ってるでちゅ!』

御手洗「ゴズさん、万代さん、月光ヶ原さん……」

黄桜「……おっと、こっちも青春か。いいねぇいいねぇ、若者は」スタスタ

天願「儂に比べたら君も若いだろうに」

黄桜「ハハハッ、そうですな!」

729 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:44:16.48 ID:as45WpGo0


 ― 希望ヶ峰学園、情報処理室 ―


不二咲「…………」


一心不乱にキーボードを打ち込む不二咲を生徒達は見守っていた。
サブコンピューターを繋ぎ、王ドラとドラミも応援している。

ちなみに、王ドラはロボット学校一の秀才だったがその記録を塗り替え歴代一位に輝いたのがドラミだ。


のび太「あとどのくらい?」

ドラえもん「10分ちょっとかな……」

ドラリーニョ「ねえ! あの子鼻血出してるよ?! 大丈夫?」

王ドラ「それくらい集中してるのだと思います」


不二咲は鼻血を出しながらキーボードを打っていた。しかし、今度は目からも血が出てくる。


石丸「ふ、不二咲君?!」

大和田「おい、どうしたんだ?!」

不二咲「大丈夫だから!」


しかし、不二咲の様子は明らかに尋常ではない。


ドラえもん「まさか……」

キッド「どうした?」

ドラえもん「やっぱり! さっき出した才能伸ばし薬が足りない! 不二咲くんが飲んだんだね?!」

霧切「クイックもいつのまにか全てなくなっている……」

ドラニコフ「ワオン?!」

730 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:46:49.36 ID:as45WpGo0

マタドーラ「一人でそれだけ飲んだのか?! 死んじまうぞ!」

不二咲「でも、僕がやらないといけないから……あと、あと少し……」

葉隠「不二咲っち……」

苗木「不二咲君……」

山田「フレー! フレー! ふ・じ・さ・き!」

朝日奈「頑張れ、頑張れ!」

大神「不二咲、あと少しの辛抱だぞ……」

不二咲「う、うう……」


フラッ……バタン。


大和田「不二咲?!」

十神「おい!」

舞園「不二咲君?!」


無理をし続けとうとう限界が来たのか、不二咲は倒れてしまったのだった。


のび太「不二咲さん!」

霧切「すごい熱だわ……」

ドラメッド「ただでさえ小柄な子だというのに無理をしたからである……」

不二咲「僕が……僕が、やらないといけないのに……」

石丸「もういい! 君はよくやった! 休んでくれ!」

王ドラ「ぼく達だけでなんとか……」

731 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:50:53.19 ID:as45WpGo0

キッド「ドラミ、王ドラ! 二人だけでも行けるだろ?!」

ドラミ「わ、わたし……授業でやった範囲でしかプログラミングはやってないの……」

王ドラ「同じく……」

「ええっ?!」

霧切「セワシくんと言ったかしら。あなたは?」

セワシ「ぼくはおじいちゃんの孫だよ? 多少は出来るけどドラミちゃんや王ドラほどじゃないよ」

のび太「ドラえもん!」

ドラえもん「何か道具を……」

のび太「あーでもないこーでもない!」

「その必要はありません」


その声に全員が振り返った。そこに立っていたのは――カムクライズル。


ドラえもん「あなたは……」

のび太「カムクライズル、さん」

カムクラ「僕がやります。超高校級のプログラマーの才能くらい持っていますから」

十神「ま、待て! そう言って妨害する気ではないだろうな?」

セレス「そもそもどうやって拘束から抜け出たのです?」

カムクラ「逃げようと思えばいつでも逃げられたし、妨害する気ならいくらでも出来ましたよ」

舞園「どうしますか……?」

腐川「え、江ノ島盾子の仲間でしょ……?」

732 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:52:38.99 ID:as45WpGo0

朝日奈「でも他に方法もないみたいだし……」

桑田「ダメ元でやらせてみるか?」

大神「信じてもいいかもしれぬ」

山田「葉隠殿! 今こそ占いです!」

葉隠「ピキーンと来た! やらせても平気だべ!」

マタドーラ「なら急げ!」

キッド「超特急で頼むぜ!」

ドラメッド「ではワガハイは不二咲殿の看病をするである」

ドラリーニョ「しっかり!」

エド「はよ頭冷やさんと!」

ドラニコフ「ガウ!」つお医者さんカバン

ミニドラ「ドララー!」つアイスノン


カムクラは不二咲の代わりに席に座ると、凄まじい早さでタイピングを始める。


王ドラ「は、早い! これならなんとかなりそうです!」

のび太「やったー!」

ドラえもん「良かった!」

カムクラ「手を貸す代わりに一つお願いがあるのですが」

大和田「な、なんだよ? 金か?」

十神「金なら十神財閥で払ってやる」

733 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:57:16.17 ID:as45WpGo0

カムクラ「いいえ。お金ではありません」

石丸「ではなんだというのだね?」

カムクラ「後始末が終わってからで構わないのですが、僕の記憶と才能を消してくれませんか?」

のび太「え、なんで?!」

カムクラ「必要ないからです」

ドラえもん「必要ない?」

カムクラ「あなた方一人一人は全ての才能を持つ僕に大きく劣っている。
      特にドラえもんとのび太、あなた達は超高校級どころかただの劣等生だ。
      ……しかし、その劣っているあなた達が世界の未来を作った」

カムクラ「僕の元の人格、日向創に教えて欲しいんです。未来を作るのは才能だけではない。
      正しい志と行動力こそが、普通の人間にも力を与えるということを」

石丸「そうだ! 世の中の人間の99パーセントは才能なんてない。
    だがそういった人間が世の中を動かしているのだ!」

ドラえもん「でも、そんなことをしたらきみが……」

のび太「そうだよ。消えちゃうんだよ!」

セワシ「ああ、それなら問題ないよ」

のび太「どうして、セワシくん?」

セワシ「だって、それがダンガンロンパの続編『スーパーダンガンロンパ2』の正史なんだから。
     ぼく達がここにいなくたって、未来機関の技術で記憶を消していたんだよ」

苗木「でも、続編ていうことはそっちでも事件が起こったんだよね?」

セワシ「ネタバレしちゃうと、続編の元凶がカムクラなんだよね。苗木さん達生き残りは、
     江ノ島の手先として利用されていた超高校級達を更生するために新世界プログラムって
     いうシステムを使って、悪事をしてた二年分の記憶を消すんだ」

734 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 02:59:16.43 ID:as45WpGo0

セワシ「でも、カムクラがそこに江ノ島エゴを仕込んでいたために、プログラムが暴走して
     その中で再びコロシアイが起こる……てストーリーなんだよね」

桑田「はぁっ?! つまりこいつのせいじゃねえか?!」

山田「もろに黒幕じゃないですかやだー!」

十神「本当にもう何も企んでないのか?」

カムクラ「江ノ島エゴはあなた達の前で消滅しました。疑うのなら、僕を常に拘束すればいい」

腐川「今も、作業しながらウイルスを入れてたりしないわよね?」

朝日奈「そうなの?!」

マタドーラ「おいおい、どうなんだ?」

キッド「回答によっちゃ容赦しないぜ?」

ドラニコフ「ガウウー」

のび太「……やめようよ」

舞園「のび太くん?」

のび太「この人はぜんぶ話してくれたんだよ。もう、うたがうのはやめようよ」

ドラリーニョ「カムクラはうそついてないと思う!」

ドラメッド「どうしてそう思うのである?」

ドラリーニョ「んーとね、なんとなく!」


ズルッ!

全員が転んだ。


ドラえもん「……ドラリーニョらしいや」

735 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 03:01:18.71 ID:as45WpGo0

苗木「ダンガンロンパ2は最終的に解決したんでしょ? なら、なんとかなるんじゃないかな?
    無責任な言い方かもしれないけど、今回は僕達14人全員生きてる訳だし」

大和田「そうだな。三人寄ればなんとかっていうし、こんだけいりゃなんとかなるだろ」

石丸「みんなで力を合わせればなんだって出来る!」

桑田「どいつもこいつも能天気だよなぁ。ハァー、まあいっか」

セレス「そういうあなたも十分能天気では?」

大神「今度こそ、我等は真に力を合わせるのだ」

霧切「ええ。今ならどんなことでも解決できる。そんな気がするの」


カムクラ「――解除が終わりました。もう世界にミサイルが降ってくることはありません」


のび太「ほんとう?」

苗木「とうとう終わったんだね……全部……」



「……………………」


全員が顔を見合わせた。そして、


「ヤッターーーーー!!!」


それぞれ泣き笑いをしながら抱き合い、手を取り合う。

部外者であるはずのドラえもんズ達まで貰い泣きをしていた。


――こうして、のび太とドラえもんの長いようで短いコロシアイ学園生活は幕を下ろしたのだった。

736 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/07/08(月) 03:07:12.97 ID:as45WpGo0


皆様、長らくお付き合い頂き誠に感謝です。次回、感動の最終回となります。

ツイッターとこちらで投下日時の予告を致しますので、出来ればリアルタイムで追って欲しいなぁ。
ほぼ完成しているので、そんなに時間はかからないはず。それでは、次回〜


(余談ですが、王ドラの一人称はわたしでした。
 でも、公式でもぼくって言ってる時もあるので許してちょんまげ)


>>712
次回完結ですよ〜

737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/08(月) 16:19:52.39 ID:JCO9iklF0
苗木の家族はどうなったのかな
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/09(火) 08:29:11.75 ID:LDLtpXk10
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 00:25:02.15 ID:c82MjJiGO
次回で終わるのか…何気に一年半もやってたのか
ドクターKと比べるとすごい短く感じる
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/14(日) 16:21:17.57 ID:/cwY7D/t0
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/22(月) 20:45:42.49 ID:+hJUoYX80
a
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/28(日) 22:57:10.49 ID:DEqxW04t0
a
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/01(木) 20:57:28.31 ID:KdadbBMM0
ずいぶん焦らすな
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/05(月) 16:32:27.13 ID:3WgEmMqN0
そろそろ
745 : ◆takaJZRsBc [sage]:2019/08/08(木) 03:01:09.17 ID:rSO0brA20

トリップキーが消えててめちゃくちゃ焦った

遅れて申し訳ありません。夏バテによるダウンと、8月にかなり大事な用事が
あったためしばらく沈んでおりました。現在書き終わり最終チェックをしている所なので、
時間の取れそうな土曜夜9時頃に最終回開始と致します。
746 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 20:58:50.60 ID:k0lH/97/0

今日は土曜日ですよね? 最近すっかり曜日感覚が狂ってしまいまして。

それでは、最終回始めまーす。


はじまりはじまり……

747 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:02:29.10 ID:k0lH/97/0





        ―   エ  ピ  ロ  ー  グ   ―




748 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:04:13.88 ID:k0lH/97/0


空き地の空は今日も青い。

晴天の中に活発な子供達の声が響き、白い雲が彼等を見下ろしていた。


カキーン!


のび太「ホームランだ!!」

しずか「出木杉さん、すごいわ!」


ベースを一周して戻ってきた出木杉を一同が迎える。


のび太「おかえり!」

しずか「おかえりなさい!」

出木杉「ありがとう」

ジャイアン「さすが心の友〜! 今回こそわれらジャイアンズの優勝まちがいなしだ!」

スネ夫「なんだい。最初は自分の活躍がへるって文句言ってたのに調子がいい……」

ジャイアン「なんかいったか?!」

スネ夫「言ってません言ってません!」

出木杉「力になれてるといいけど……」

のび太「なってるよ。なにせ、次で地区大会予選の決勝なんだから」

しずか「優勝したらいよいよ本戦に出られるのね。応援してるわ。がんばって!」

出木杉「うん! 誘ってくれてありがとう! 優勝出来るように、ぼく頑張るよ!」

749 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:09:00.56 ID:k0lH/97/0

出木杉を誘ったのはもちろんのび太である。
元々、出木杉は塾などで多忙であり誘っても遊びに来れないということが多かった。

それがいつしか、あいつは呼ばなくていいという空気になっていたのだ。それでも、一応
声くらいかけるべきだとのび太が主張し、今回の大会にもエースとして参加することになった。

練習の帰り道、のび太はたまたま出木杉と二人になった。


出木杉「のび太くん」

のび太「なに?」

出木杉「ありがとう」

のび太「…………」

出木杉「ぼく、いつも忙しいからなかなか参加出来なかったし、自分からは
     声をかけられなくて……今回誘ってくれてすごく嬉しかったよ」

のび太「友だちじゃない。そんなのあたりまえだよ。……むしろ、ぼくの方こそごめん」

出木杉「どうしたの? なんでのび太くんが謝るの?」

のび太「どうせ参加できないってきめつけてあんまり声もかけなかったし……」

出木杉「それは付き合いの悪いぼくに原因があるから、のび太くんが気にすることじゃないよ」

のび太「ううん。もう一つ、本当の理由があるんだ」

出木杉「理由?」

のび太「……しんぱいしてたんだよ。出木杉くんて本当になんでもできちゃうからさ。
     いっしょにいるとますますぼくのダメっぷりが見えてきちゃって」

出木杉「…………」

750 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:18:05.91 ID:k0lH/97/0

のび太「でも、ある人に天才には天才のなやみがあるっておしえてもらって……
     それでぼく、反省したんだ。出木杉くんだって、なやみの一つや二つあるよね?」

のび太「ぼくって自分のことしかかんがえられないイヤなヤツだなぁって」

出木杉「そんなことないよ」


出木杉は首を振って否定した。


出木杉「のび太くんは知らなかっただけなんだ。現に、すぐ反省して行動に移してくれたじゃない。
     それって実はとても凄いことなんだよ。大人でもそれが出来ない人はたくさんいるんだ」

のび太「そうなの?」

出木杉「うん。大人って……ぼく達が思っているより、案外弱かったりするんだ。つまらない
     見栄や意地を張ってしまったり、自分が悪くても絶対に認めなかったり……」

出木杉「のび太くんは確かに勉強や運動はあんまり得意じゃないかもしれない。でも、
     それで誰かを恨んだりイジメたりはしないよね? 剛田くんにイジメられても
     ドラえもんの道具でイジメ返したりしない。優しいし友だちもたくさんいる」

出木杉「ぼくだったら同じように出来るかわからない。ぼくだけじゃない。色んな人が
     そうだと思う。だから、それはのび太くんだけの長所で凄いところなんだよ」

のび太「すごいところ……そうか、ぼくにもちゃんとあったんだね」

出木杉「そうだよ。それは誇っていいんだ」


フゥと息を吐いて、のび太は空を見上げた。


のび太「決勝、ぜったいに勝とうね」

出木杉「うん!」

751 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:23:01.62 ID:k0lH/97/0


  ― 決勝当日 ―


しずか「大変よ!!」

のび太「どうしたの?」

しずか「出木杉さん、熱を出したんですって! 毎晩遅くまで一人で練習してたみたいなの!」

ジャイアン「なんだってぇ?!」

スネ夫「もうすぐ試合だよ! どうするの?!」

のび太「そうだ! ドラえもん、お医者さんかばんでなおせば……」

ドラえもん「そ、それが……この間使ったから未来デパートでメンテナンスに出しちゃったんだ」

のび太「もう! こんな時に!!」

ジャイアン「本当に役に立たねえな!」

スネ夫「そうだ! 道具でなんとかできないの?!」

ドラえもん「そりゃあ道具を使えばなんとかなるだろうけど、ズルして勝っていいのかな……」

ジャイアン「いいんだよ! これはどうせ予選で、次は本戦があんだからな。
       その時までには出木杉も治ってるだろ。今回だけなんとかしてくれよ!」

ドラえもん「うーん、でもなぁ……」

スネ夫「道具を使うのがダメなら、助っ人連れてくるとか出来ないの? 誰か知り合いでさ」

のび太「助っ人……そうだ」

ジャイアン「アテがあんのか?!」

のび太「待ってて! 今最強の助っ人をよんでくるから!」

ドラえもん「まさか……」

752 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:28:32.68 ID:k0lH/97/0


               ◇     ◇     ◇


「……で、俺を呼んだってワケね」

のび太「お願いします、桑田さん! ここで負けたら、出木杉くんも気にすると思うんです!」


のび太は大急ぎでもしもボックスを使い桑田を呼んできたのだった。


桑田「いや、俺は今日非番だし別に構わないけどさ。高校生がリトルの試合に混じるのはムリじゃね?」

のび太「ドラえもんの道具を使えばなんとかなります!」

桑田「お、なに? 一時的に若返らせるとかできちゃう感じ?」

ドラえもん「タイムふろしき〜! これを頭にかぶせて……」バサッ

桑田「おわっ?!」

ドラえもん「で、取る」


そこにはのび太と同年代の姿に戻った桑田の姿が。


のび太「あとは着せ替えカメラでユニフォームを着せれば……」パシャッ

ドラえもん・のび太「かんせーい!」

桑田「うおおっ?! デビルすげえな、おめーら……」

ドラえもん「選手登録はぼくが道具で誤魔化しておくから、きみ達はみんなと合流して」

のび太「りょうかい!」


桑田を連れ、のびたはジャイアン達の元へ戻る。

753 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:35:36.83 ID:k0lH/97/0

のび太「みんなー!」

ジャイアン「おそいぞ、のび太! 助っ人は連れてきたか?」

のび太「うん!」

しずか「あ、のび太さん! 大変よ、出木杉さんがムリをして来てしまったの!」

のび太「ええっ、なんだって?!」

出木杉「大丈夫……一試合だけなら、なんとか……」ハァハァ

スネ夫「ムリだよ、そんなに熱があったら!」

ジャイアン「今回はなんとかするから休んでろって!」

出木杉「で、でも……」

桑田「……ふーん。おめーが前にのび太が言ってた友だち、ね」

出木杉「え……?」

しずか「あの、あなたは……」

桑田「どーも。助っ人のレオンだ。のび太の友だちだぜ」

ジャイアン「おお! 助かった! よくやったぞ、のび太!」

スネ夫「でもさー、野球できんの? 出木杉の代わりなんだから相当上手くないと」

桑田「誰にもの言ってんだ。俺は未来のスーパースターだぞ。お嬢ちゃん、ボール貸してくれね?」

しずか「は、はい」

桑田「あれに当ててみっから。よっ、と」シュッ


桑田は受け取ったボールを投げ、かなり離れた場所に置いてあった空き缶にヒットさせる。

754 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:41:42.35 ID:k0lH/97/0

ジャイアン「なかなかやるじゃねえか!」

スネ夫「たまたまだよ! マグレかもしれないじゃないか」

桑田「まあ、マグレかどうかは試合で判断してくれって。ノーヒットノーランにしてみせるからさ」ニヤッ

出木杉「あの……」

桑田「出木杉だっけ? あんまムリすんなよ。今日は俺が繋いでやっから、おめーは寝てな」

出木杉「でも、ぼく……」

桑田「……声かけてもらって嬉しくてさ、みんなの力になりたかったんだろ?
    じゃあ、今は休んで一刻も早く体治せって。今日の分も本戦で頑張ればいいんだよ」

出木杉「そう、ですね。ありがとうございます……」

ドラえもん「よし、なんとか誤魔化してきたよ。あれ、出木杉くん?!」

のび太「ムリして来ちゃったんだって」

ドラえもん「この薬を飲むといいよ。半日もすればどんな病気も治るから」

出木杉「みんな、迷惑かけてごめん……」

のび太「めいわくなんかじゃないよ! 友だちでしょ!」

しずか「そうよ! 出木杉さんのおかげでここまで来られたんだから!」

ジャイアン「今日はぜってー勝つ! おまえはそこで見てろって!」

スネ夫「そうそう。なんとかなるよ、多分」

桑田「ハハッ、青春だな! これは人生のセンパイとしてがんばらねーと」


当然ながら、試合はジャイアンズの圧勝であった。ありとあらゆる変化球と速球を駆使する桑田に
相手選手は打つ手なしである。のび太は毎回派手に打たれるのだが、そのたびに桑田がスーパープレイで
アウトに持ち込みコールドゲームで試合は終わった。

755 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 21:51:39.35 ID:k0lH/97/0

  ― 野比家 ―


のび太「ありがとう、お兄さん!」

桑田「おう。久しぶりのリトルの試合だし、童心に帰れてこっちも楽しかったぜ」

ドラえもん「そっちは最近どう?」

桑田「ああ、人質にされてた俺達の家族や仲間を未来機関で助け出したところだ」

のび太「たしか、ドラメッド達もしばらく残ってくれることになったんだよね?」


ドラメッド『仕事があるキッドやマタドーラ、ドラリーニョは難しいが
       ワガハイと王ドラ、ドラニコフはしばらくここに残るである』

王ドラ『わたし達の力で復興の手助けが出来れば何よりです!』

ドラニコフ『ワウワウ(まだ絶望の残党も残っているから油断できないしね)』

葉隠『おおー! そうかそうか。じゃあ道具を少し分けてもらっても……』

ドラメッド『ついでに葉隠殿がサボらないように見張っているである』

王ドラ『そうですね』ジトー

ドラニコフ『アオオー』ジトー

葉隠『そんなぁー勘弁だべ!』


桑田「そうそう! いやー、大活躍だわ。すげーなドラえもんズ。……あと葉隠か」

桑田「あいつ褒めるのはなんかシャクだけど、実際葉隠とドラメッドの占いコンビがすっげー活躍でさ。
    あいつらのお陰で、塔和シティって大きな街のデビルヤバいテロも未然に防げたんだよ」

のび太「そうなんだ! よかったぁ!」

756 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 22:06:13.25 ID:k0lH/97/0

桑田「しかもさ……なんとテロを計画してたのが大人に虐待されてた子供だったっつー話で……
    王ドラとドラニコフが責任を持って更生させてくれるって言ってたわ」

ドラえもん「その二人なら安心だ。ドラえもんズでも優秀な方だったからね。街の方はどう?」

桑田「未来の道具様々だよ。あくまで俺達だけの秘密だからこっそりとだけどさ。
    でも、かなり速いペースで復興できてると思うぜ。今度舞園ちゃんのコンサートやるんだ」

のび太「本当?! ぼくたちも行きたい!」

桑田「もちろん、おめーらは特等席に決まってるだろ。チケット取っといてあるってさ」

ドラえもん・のび太「やったー!」

桑田「じゃあな。またコンサートで会おうぜ」

のび太「また今度!」

ドラえもん「みんなによろしくね!」



  ― とある島 ―


江ノ島「あーあ、退屈」

戦刃「盾子ちゃん! 見て! 貝だよ!」

江ノ島「あ、そう。よくまあ飽きもせず泳いでられるわね」

戦刃「だって、海しかないし。運動するの好きだし」

江ノ島「お姉ちゃんのノー天気ぶりが羨ましいわ」

戦刃「でも実際恵まれてると思うよ。私達のやったことを考えたら、死刑か
    窓のない部屋に拘束されて死ぬまで監禁でもおかしくなかったし」

757 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 22:20:58.23 ID:k0lH/97/0

江ノ島「いっそ死刑で良かったのよ。懲役500年なんて笑えないわ。寿命での獄死も
     認められないし、期間が終わるまでずーっと社会の役に立つ道具を作り続けろなんてさ」

戦刃「真面目に働けば短くなる可能性もあるって言ってたし、22世紀までには
    出られるといいね! そうすればドラえもん達にまた会えるかもよ」

江ノ島「会いたくないっつーの! アタシの計画をメチャクチャにした元凶よ?」

戦刃「前の盾子ちゃんだったら、大事な計画をメチャクチャにされて絶望的ー!って言ってたのに」

江ノ島「あー、本当よ! 普通にイライラする。社会貢献なんて死ぬほどガラじゃないのにさ!
     でも喜んじゃう。絶望的に絶望で最悪だわ、こんなの!!」


22世紀の道具の力によって、江ノ島は絶望ではなく普通に希望で喜ぶように
性格を改変されている。そのため、感性が普通になっていた。二人しかいない孤立した島で
機械に指示された仕事をただ延々とやり続ける。それが江ノ島達へ与えられた罰である。


江ノ島「アタシに一番効く刑が退屈、なんてよくわかってんじゃないのアイツら……それに……」

ミニドラ「ドララー! ドララー!」

江ノ島「憎たらしいこいつらの修理もしなきゃなんないなんてさ……」

戦刃「3日に一度は外出させてもらえるし、ミニドラ達もいるし私は満足してるな。
    あ、そうそう。明日はご飯にレーション出るって! 楽しみだね!」

江ノ島(あと499年もこんな生活をし続けなきゃいけないなんて気が狂いそうよ……)

江ノ島「あー、絶望的ぃ〜〜〜!!!」



――青い空に、江ノ島の絶叫が響いて消えた。

758 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 22:35:51.38 ID:k0lH/97/0


エンディングテーマ1
http://www.youtube.com/watch?v=66HzS1SXAgo


のび太「うわーん! またいじめられたよー! ドライブには四人までしか連れていけないって」

ドラえもん「きみ、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫。四人じゃないか」

のび太「出木杉くんにゆずった。本戦でもだいかつやくだったし」

ドラえもん「えらいじゃないか! よーし、ここはぼくに任せろ!」


  ― 海際のハイウェイ ―


しずか「風が気持ちいいわね」

スネ夫「スネ吉兄さん自慢のオープンカーだからね!」


パラリラパラリラー!!


ジャイアン「なんだ?!」

出木杉「後ろ! なんだかすごいのが来てるよ!」

大和田「ハハハッ! ちんたら走ってやがるな。こっちはもっとスピード出せるぞ!」

のび太「うわーい! すごいや!」

大亜「しっかり掴まっとけや。まだまだレースはこれからだぜ」

ドラえもん「さすが本物の暴走族だ!」

ジャイアン・スネ夫「の、のび太ー?!」

大和田「勝負するか、ボウズども? ああん?」

ジャイアン・スネ夫「ひ、ひえー?!」

759 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 22:44:24.84 ID:k0lH/97/0

のび太「アハハハハッ! ビックリしてる。やったね!」

しずか「のび太さん、その人たちとどういう関係なの?」

のび太「友だち!!」

出木杉「のび太くんは本当に顔が広いなぁ」


またある時は――


のび太「うわーん! 自慢された。ぼくもまんが家のサインがほしいよー! なにか道具だしてー!」

ドラえもん「道具なんて使わなくても知り合いに本物がいるじゃないか」

のび太「あ、そうだった」


  ― 山田のスタジオ ―


山田「それで僕のアトリエに来た訳ですな。この大ヒット漫画家の山田一二三にお任せあれ!」

セレス「違う世界ですがよろしいのですか?」

ドラえもん「パラレルワールドだから、ぼくたちの世界にも漫画家の山田くんは存在するんだよ」

山田「おっふ。違う世界でも大活躍してるとは我の創作精神は時空を超えてしまったようですな。フヒヒ」

のび太「というか、セレスさんふつうに山田さんといっしょにいるんだね」

セレス「専属ナイトが見つかるまでですわ。わたくしに紅茶を入れる人がいないと困りますから」

のび太「すなおじゃないなぁ」

ドラえもん「本当にね」

セレス「うるさいですわよ! 叩き出しましょうか?」

760 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 22:55:19.46 ID:k0lH/97/0


そして、またある時は――


のび太「またジャイアンになぐられたー!」ビエー!

ドラえもん「道具はダメだよ。たまには自分の力でなんとかしないと」

のび太「でも、一人じゃムリだよ……」

ドラえもん「じゃあ、教えてもらえばいいじゃないか。知り合いにいるだろう、世界最強の人間が」



  ― 新生・大神道場 ―


大神「よく来た、のび太よ。我が責任を持って鍛えてやろう」

のび太「あのー、お手やわらかに……」

朝日奈「よーし! まずは軽く腹筋百回からね!! 簡単でしょ?!」

のび太「それで軽く?! うそだー!!」

ケンイチロウ「まあ待て、朝日奈殿。まずはのび太殿のペースを見極めなければ」

大神「うむ、我らに合わせたら体を壊してしまう」

朝日奈「あはは、ごめんごめん。よーし、じゃあのび太のペースで行ってみよう!」



  ― 空き地 ―


石丸「試合だと聞いて応援にきたぞ!」

不二咲「がんばってー!」

舞園「がんばってくださーい!」

761 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:01:43.31 ID:k0lH/97/0

スネ夫「ねえねえ、あのお兄さんたち誰なの……?」

しずか「えーっと、のび太さんのお友達じゃないかしら……」

出木杉「のび太くんは交友関係広いからね」

ジャイアン「気になって集中できねーじゃねえか……」

のび太「えーい」パコーン!

ジャイアン「ギャッ!」

苗木「やったー! すごいよ!」


エンディングテーマ2
http://www.youtube.com/watch?v=M72l2lk2QeU


  ― ジャバウォック島 ―


十神「いよいよ約束の新世界システムだ」

腐川「こ、後悔するんじゃないわよ」

カムクラ「後悔なんてあるはずがありません。……ご迷惑をおかけしました」

霧切「では、新世界システムを起動するわ」

カムクラ「そうだ。ナビゲーションのAIですが……」

霧切「大丈夫よ。あなたの指定した通り、彼女のデータを入れてあるわ」

十神「不二咲が在学中に作っていたデータが学園に奇跡的に残っていたからな」

腐川「才能授業で一緒だった本人から提供してもらったデータだから、限りなく本人に近いはずよ」

762 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:20:55.30 ID:k0lH/97/0


カムクラ「……ありがとうございます」


カムクラは深々と頭を下げた。もう彼は無感情などではなかった。



  ― ??? ―


狛枝「あ、最後の一人が来たようだね」

西園寺「また来たのー? 時間も守れないとか生きてる意味ないよねー?」

罪木「うゆう、ごめんなさーい! 許してくださーい!」

小泉「アハハ、あなたのことを言ってるんじゃないと思うな……」

ソニア「そうです! 苦しゅうない。良きに計らえー!」

花村「おっと、それは君を僕の好きなように料理しちゃっていいという意味かな?」

日向「……ここはどこなんだ? 俺は一体……」

ウサミ「いらっしゃいませでちゅ、日向くん! あなたのことを待ってまちた!」

狛枝「ちょうど、みんなで自己紹介をしていたところだったんだよ」

日向「そう、なのか……」

七海「初めまして、日向君。七海千秋だよ。いや、この場合は……」ウーン?





七海「久しぶり、かな?」

日向「――え?」

763 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:28:53.73 ID:k0lH/97/0








               ― C A S T ―







764 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:31:06.27 ID:k0lH/97/0



   野 比  の び 太





                                          ド ラ え も ん



765 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:34:19.34 ID:k0lH/97/0



                      超高校級の幸運『 苗木 誠 』








超高校級のアイドル『 舞園 さやか 』








                                          超高校級の野球選手『 桑田 怜恩 』
766 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:37:09.25 ID:k0lH/97/0



                                    超高校級の風紀委員『 石丸 清多夏 』





                    超高校級の暴走族『 大和田 紋土 』





超高校級のプログラマー『 不二咲 千尋 』


767 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:39:26.31 ID:k0lH/97/0



超高校級のギャンブラー『 セレスティア・ルーデンベルク 』





                                 超高校級の同人作家『 山田 一二三 』





        超高校級の占い師『 葉隠 康比呂 』


768 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:44:47.73 ID:k0lH/97/0




                      超高校級の水泳選手『 朝日奈 葵 』







                      超高校級の格闘家『 大神 さくら 』



769 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:46:58.94 ID:k0lH/97/0




超高校級の御曹司『 十神 白夜 』





    超高校級の文学少女『 腐川 冬子 』  &  超高校級の殺人鬼『ジェノサイダー翔』





                                           超高校級の探偵『 霧切 響子 』



770 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:50:59.26 ID:k0lH/97/0








超高校級のギャル『 江ノ島 盾子 』  ✝ モノクマ ✝  超高校級の軍人『 戦刃 むくろ 』







771 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/10(土) 23:57:14.38 ID:k0lH/97/0




                    ― S U B  C A S T ―



                    剛田武       骨川スネ夫

                    源静香       出木杉英才

                    ドラミ        セワシ

                    大和田大亜    ケンイチロウ

                    雪丸竹道      大神父&道場門下生

                    カムクライズル   タイムパトローラー

                    アルターエゴ     ウサミ

                    ドラ・ザ・キッド   エル・マタドーラ

                    王ドラ        ドラニコフ

                    ドラメッド三世    ドラリーニョ

                    エド          カルミン

                    住職          ミニドライレブン


772 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:03:28.84 ID:1BugY+gB0


                              ◇


                         日向創  七海千秋

                       狛枝凪斗  左右田和一

                       小泉真昼  西園寺日寄子

                       罪木蜜柑  澪田唯吹

                      田中眼蛇夢  ソニア・ネヴァーマインド

                      九頭龍冬彦  辺古山ペコ

                       弐大猫丸  終里赤音

                       花村輝々  詐欺師


                              ◇


                       天願和夫  黄桜公一

                       宗方京助  雪染ちさ

                      御手洗亮太  逆蔵十三

                     グレート・ゴズ  万代大作

                       忌村静子  月光ヶ原美彩

                      安藤流流歌  十六夜惣之助


                              ◇

773 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:09:25.32 ID:1BugY+gB0




                        ― Production ―


                       鞄。子・F・不二雄プロ


                       潟Xパイク・チュンソフト




774 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:11:30.78 ID:1BugY+gB0








                          ― Writer ―


                          ◆takaJZRsBc







775 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:14:20.02 ID:1BugY+gB0





                       ― Special Thanks ―


                          藤子・F・不二雄


                            小高和剛



                             And YOU !




776 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:19:37.50 ID:1BugY+gB0

             ・

             ・

             ・


ドラえもん「ハァ、今日も平和だなぁ。ねえ、ミーちゃん」

ミー「ニャー」

のび太「ドラえも〜ん!! 大変だよ、大変! 大変なんだ!!」

ドラえもん「なんだい、ぼくはいまミーちゃんとデート中なんだよ」

のび太「それが、ダンガンロンパの続編がまた出るんだって!!」

ドラえもん「ああ、スーパーダンガンロンパ2でしょ? 知ってるよ、そんなの」

のび太「ちがうよ! 2はもう出てて、こんど出るのは3なんだって! ダンガンロンパ∨3!」

ドラえもん「な、なんだって?!」

のび太「ほら、この雑誌みて!」

ドラえもん「どれどれ……才囚学園? 今までのシリーズとはまったくちがう、完全な新作?
       もしかして、今度の作品は希望ヶ峰学園は全く関わってないのかな……?」

のび太「わからないけど、ほっとけないよ!」

ドラえもん「よし、行こう!」

のび太「今度はみんなで行こうかな。今までとまったくちがうらしいし」

ドラえもん「そうだね。もしかしたら違う世界の可能性もあるし。みんなで考えた方がいいかもしれない」

のび太「よーし! そうと決まったら、がんばるぞー!!」

ドラえもん「おー!!」

777 : ◆takaJZRsBc [saga]:2019/08/11(日) 00:22:07.40 ID:1BugY+gB0





                          〜  F i n  〜




778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 00:32:26.27 ID:2ske1mPK0
よっしゃ、次は才囚学園編だな!
リアルフィクションをぶっ壊したい。
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