勇者「ニートになりたい」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

216 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/16(火) 18:35:25.14 ID:wnE7S7Y5O
【ミンゴナージュの村 入り口】

勇者「さて、必要なものは買ったし。出発すっかね、みなさん」クルッ

戦士「あ、あのだな。勇者」

魔法使い「べ、べつにっ! あんたのためになんか」

勇者「お前ら起きてからそればっかりだなぁ、なにを拾い食いしたんだよ」

魔法使い「……こ、こいつがこんなやつだから……!」

僧侶「くすくす。おふたりはですねぇ、昨日言いすぎたんじゃないかと気にしてるんですよぉ」

勇者「なにをだよ」

戦士「そ、それはその。魔族を逃した時に」

勇者「あ? ……あー! そんなことあったなそういや」

魔法使い「ちょ、ちょっとだけ! きつく言いすぎたかなって」

勇者「いや、俺こそすまん。考えが浅くて」ペコ

戦士「や、やはり、気にして……」

勇者「ばぁ〜〜〜っかじゃねぇの?」

魔法使い「……」

勇者「思わず有名なコラ画像貼りたくなったわ。あぁ〜んなもん気にするかよ。俺は煽り耐性鍛えられてんだ」

魔法使い「……そ、そう」プルプル

勇者「落ちこんでると思ったのw やばいねw」

戦士「やはり、私が間違っていたようだ」スラッ

勇者「お前らはもうちょっと煽り耐性つけたほうがいいと……」

魔法使い「メラミッ!!」ボッ

勇者「当社比50パーセント威力アップ!」ササッ

戦士「根性を叩き直してくれるッ!」チャキ

武闘家「はぁ……おぉ〜い勇者ぁ。馬車に荷物積んだよー。行くんならさっさとしろよー」

勇者「まて! 殺気が本物だろ! 待てって! 落ち着け! 冗談だってば!」ヒョイ ヒョイ

僧侶「次の街はぁ、どこなんでしょうねぇ」

魔法使い「ヒャド!」カキンッ

勇者「待てッ! そこはケツ! アーーーーッ!!」
217 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/16(火) 18:48:24.09 ID:wnE7S7Y5O
【魔王城 付近 沼地】

魔王「――それで、終わりか」

サキュバス「我が王よ。私が間違っておりました!!」

魔王「で、あるか」

サキュバス「魔王様は勇者が架け橋になると不安がっていましたが、それとはまったく別ッ!! 不安は別の形で正しかったのでございます!!」

魔王「ふぅ……で、あるか」

サキュバス「特別招集会議をすでに呼びかけております! 今すぐに万を超えるモンスターをかき集め、勇者を滅ぼさなければ!」

魔王「で、あるか」パサッ

サキュバス「き、聞いておられますかっ⁉︎ 沼地のマドハンドに餌をやっている場合では……」

魔王「ピーピーピーピーと」

サキュバス「ハッ!? し、失礼。取り乱してしまい」

魔王「お前も種族の王。であれば、冷静さを失わぬことだ。足元をすくわれるやもしれんぞ」

サキュバス「お、おそれながら我が王よ。勇者は魔王様に匹敵を――」

魔王「それ以上は許さぬ。二度はないぞ」ゴォッ

サキュバス「ひっ⁉︎ ま、魔王様の波動……!」ゴクリ

魔王「そうか。遂にやつを見つけたか。万里先を見通す水晶でも見つけられなかったやつを遂に……!」

サキュバス「皆が、種族達の王が魔王様をお待ちでございます」

魔王「勇者……! 面白い、貴様の伝承が真実であれ、実力者であれ、余は勇者の全てを否定してやる!」

サキュバス「我らの王よ。絶対的な神よ。すべては、あなた様の御心のままに」
218 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/16(火) 19:09:04.67 ID:wnE7S7Y5O
〜〜第2章『ミンゴナージュ村のタタリ』〜〜


219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:10:10.56 ID:C/7TzVot0
乙。
勇者の闇がどんどん深くなる気が…
220 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/16(火) 19:13:16.58 ID:wnE7S7Y5O
これにて2章完。
ど直球に王道突き進んでます。レスくれた方々ありがとうございました。見てる人がいると思うと励みになります。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:17:54.88 ID:jCMNB9hhO
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:24:03.03 ID:D/xi7xCs0
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:27:38.63 ID:JPbWvlgB0
続きはよ
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 19:47:06.29 ID:94Fx1ykvO
おつおつ
いいキャラしてるわ
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 20:44:37.32 ID:U+AUiVsoo
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/16(火) 21:36:57.48 ID:JPbWvlgB0
気がついたけど勇者って実は良い人演じてるだけってことか?
勇者じゃなくなったら殺しにかかったのは・・・墓を作ったりしてるのも勇者である義務感から?
カンフーマスターが言ってたこととか全部繋がってるな
227 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/17(水) 00:38:45.28 ID:GWVHxYQ/O
今後の展開についてはコメントを差し控えます。

SSをエゴサ(自分のこと調べること)してみると
、有り難いことに某まとめブログさんにまとめられていたました。
少しでも多くの目に触れる機会が増えて大変嬉しく思っております。

・二章について
導入(旅立ち〜仲間加入)である一章と比べ二章は、これまでの基本路線は守りつつ
話に広がりを持たながら伏線要素を散りばめないといけませんでした。
安易にバトルをやりすぎたのはどうかなと自分では思います。
ただ、どこかしらで必要なのでここでやっちゃった感じです。

三章は少し時間あけようかどうしようか迷ってます。
読む人も書く人も、長いSSになると次第に飽きてくるのが難点でございます。
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 00:58:53.54 ID:I6VJWaQpO
作者の思う通りに書けばいいよ
外野の声は気にしないで
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 01:05:17.20 ID:ShGI05/A0
時間空けると読む奴減る可能性もあるぞ
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 08:54:11.64 ID:ZnmujDCFO
231 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/17(水) 10:12:16.52 ID:4wlEKTt5O
娯楽や暇つぶしでSSは存在しているので飽きさせないで読めるのが一番いいんですけどね。
書いてる側としてはプラモデル組み立ててるような感覚として書いてます。
構成や見せ方を考えながら書くのが難しく、また楽しくもありって感じです。
頭の中で場面場面が思い浮かぶようなセリフになっているはずです。

今読んでくださってる方々は「なんかあるぞ、読んでみるか」「つまらん」というかたも含め
ほかには「続きが楽しみ」と読みたくて読んでる方がもちろんいると把握してて、待っている状態だと思います。

なのでそういう人達向けに続けたいと思います。
三章は今日の午後あたりからスタートします。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 10:33:23.61 ID:mnpI43Uz0

今はなろうとかハーメルンとかが流行って定着してるから台本形式のSSはすっかり廃れてしまった
あと運営の放置のせいってのもある
昔に比べりゃ人は激減してるけど待ってるよ
233 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 14:50:58.34 ID:ZTs4EIV4O
【ダーマ神殿 聖堂】

大司祭「な、なぜ勇者様の目に枝が被っているものしかないのだね」

神官「それがそのぅ、投影機で撮影しようと思ってもこうなってしまいまして」

大司祭「これではまるで犯罪者ではないかっ! 指名手配でよくあるあの!」

神官「す、すみませぇ〜ん。機材が重くてぇ、勇者様を撮影するたびに移動するのが大変でぇ」

大司祭「……うぅむ。まぁよい。こちらに到着してから改めて、撮影させてもらおう」

神官「は、はいぃ〜」シュン

大司祭「それで、定期的に伝書鳩はきているのか」

神官「ちゃぁ〜んと来ていますよぉ」

大司祭「真面目に仕事をしとるようだな」

神官「かわいそうですよぉ〜。あの子は立派に改心いたしましたー」

大司祭「才能はピカイチなんだがなぁ。あのはねっかえり娘は」

神官「で、ですからぁ〜、今はそんなことありませんってばぁ」

大司祭「人はそう簡単には変わらん。幼い頃、この大聖堂にきてからは喧嘩ばかりおこしていたではないか。神官も覚えておろう?」

神官「は、はぁ。それはぁ」

大司祭「“ダーマの殴り僧侶”“ロリヤンキー”。通り名がいくつあったことか。ワシは何度も恥をかかされた」

神官「くすくす。大司祭様のパンツにワサビをぬったこともありましたかっけぇ」

大司祭「あ、あれは……今思い出してもシャレになっとらん」タラ〜

神官「芋虫からサナギへ。そして蝶になりはばたいてゆくのですぅ〜。私たちが知らない内に」

大司祭「淑女になっていればいいがなぁ。お前の口調をマネだしてからは大人しくなったが」

神官「あの子もそういうお年頃だということですわぁ〜」

子供「司祭さまっ! 賛美歌の準備ができました!」

大司祭「おお〜もう済んだのか。えらいぞ」

子供「えへへっ! みんなはあちらに!」ススっ

大司祭「うむ。それでは子供達よ――」

子供達「はーーいっ!」

大司祭「――……両の指を絡め、女神ルビス様を讃える唄を。この世に祝福の光、あれ」

喜び、それは、美しき神々の閃光。楽園からの乙女。

われらは熱情に酔いしれて、汝の聖殿に踏み入ろう。
汝の魔力は世の習わしにより冷たく引き離されたものを再び結び付。
勇者の優しき翼のもと、全ての生物は兄弟となる。

神官「(僧侶。勇者様の力に精一杯なりなさい。お務めを果たすのです。祈りましょう。私も、あなた方の旅の無事を祈って……)」
234 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 15:11:20.79 ID:ZTs4EIV4O
【ミンゴナージュの村 〜 森林 馬車の中】

僧侶「ふぅ〜」パカっ

魔法使い「……なに? それ。手鏡?」

僧侶「はい〜。これは私の大切な方からいただいたものなのですぅ」

戦士「故郷か、親からの餞別品か?」

僧侶「いえ〜。私、親はおりませんのでぇ」

戦士「そうなのか。亡くなられた、とか」

僧侶「いえいえ〜。捨て子だったのですよぉ。ほらぁ〜、よく聞くでしょぉ〜? 教会に赤ん坊の入った籠をおくとぉ」

魔法使い「あ、あんまり、聞かない」

僧侶「そうですかぁ? 教会は駆け込み寺的な場所でもありますからねぇ〜。もしおふたりが無計画に子供を産んで、どうしてもとなったらぁ」

戦士&魔法使い「するかっ!!」

僧侶「……でもぉ、残念なことにそうしてしまう親もいらっしゃるのですぅ」

武闘家「親のこと、恨んでないの?」

僧侶「顔もわからない方をどうやって恨めというのですかぁ?」

武闘家「なぜ、捨てたのか、とか……」

僧侶「さぁ〜。事情があったのかもしれませんねぇ〜、なかったかもしれませんがぁ〜」

戦士「サッパリしてるんだな」

僧侶「そういうんじゃありませんけどぉ。そういう時期は過ぎ去ったというだけですよぉ」

武闘家「まぁ、でも、大切な人ができたならいいんじゃないさ」

僧侶「そうですねぇ〜。人は出会いがあり成長していくもの。女神様に感謝せねばなりません〜」スッ

魔法使い「信仰、ねぇ」

僧侶「耳を澄ませば、今にも聖堂からの賛美歌が聞こえてくるかのようですぅ」

魔法使い「なんだか、後光が見えるわ。僧侶から」

戦士「徳を勇者にも少しは分けてやったらどうだ?」

僧侶「またおふたりはそうやってぇ〜。勇者様は私たちが拝むべきお人なんですよぉ」

魔法使い「聖人君子なら拝みもするけどね。あれじゃあね」

戦士「うんうん」

僧侶「いつか、あなた方にも勇者様の御心を察することができるといいですねぇ」

ガタン ガタン

勇者「おい、ついたぞ」ヒョイ

僧侶「はい〜かしこまりましたぁ。勇者さまぁ〜」ニコ
235 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 15:53:56.80 ID:9i0aqCWlO
【森林】

魔法使い「ついてないじゃないのよ!」スパーン

勇者「顔はやめて!」ドサ

武闘家「おかしいと思ったんだ。ミンゴナージュを出発してからそんなにたってないし」

戦士「うぅん、獣道のせいで車輪がグラついてるな」ギィ ギィ

僧侶「大工道具は買ってきませんでしたよねぇ」

勇者「いてて、戦士。車輪持ち上げられるか?」

戦士「お前はあたしをオンナアマゾネスかなにかと思ってるのか?」

勇者「ちがうの?」

戦士「ふんっ」ドゴォ

勇者「ガゼルパンチッ⁉︎」ドサ

武闘家「新品の状態でもらったのに。ボロボロじゃないか」

勇者「う、うぅ、元はといえばお前らが暴れるのが悪いんやろが」

武闘家「そ、そうだっけ?」

勇者「あの時にグラつく兆候を作ったのかもしれん」

戦士「む、無効だ! そうならあの場で指摘すべきだ!」

魔法使い「馬車には食料もつんであるし、おいてけないわよ。ここに」

ギャアー ギャアー バサバサッ

僧侶「モンスターの鳴き声が聞こえますねぇ」

魔法使い「馬が怯えて逃げ出すかもしれない。勇者、どうする?」

勇者「うーん。馬は使えるんだからトンカチ買いにひとっ走り行ってくるか」

魔法使い「私たちはこのまま?」

勇者「そんなに時間かからんだろ。それに、ここらのモンスターなら襲われても対処できるんじゃね」

武闘家「アタイがいれば平気だろ」

勇者「なんでもいいけど。じゃあ、俺が馬にのって行ってくるから」

僧侶「お気をつけてぇ」

勇者「俺、無事に帰ってきたらあの子と結婚するんだ」

魔法使い「誰とよ!」

勇者「フラグもわからんとはなっとらんやつだ。よっ」ザッ

馬「ブルルッ」

勇者「はいよー、シルバー!」バシッ

馬「……」

勇者「あ、あり? は、はいよー!」バシッ

戦士「なにやってるんだ。こいつ」

魔法使い「馬にまで舐められてる」

勇者「そ、そんなバカな⁉︎」

武闘家「はぁ……いってこいッ!!」バシィッ!

馬「ヒヒィーーンッ!!」ガバァ

勇者「あっ! そんな、いきなり、はげしっ! らめぇええええ〜〜っ!」パッパカ パッパカ

魔法使い「……勇者ってふざけないと死ぬ病気なのかしら」
236 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/17(水) 17:53:45.36 ID:MJCk7GC0O
【森の中】

勇者「これなら、すぐに森を抜けられそうだな。しっかし、ロケーションが物足りない気がする」パッカパッカ

ビュッ ズバッ

馬「ヒ、ヒヒーンっ!」ズサァ ピタッ

勇者「うおっ⁉︎ ど、どーどー! な、なんだ今のは。なにかが横切ったよな?」

スラリン「ピギーッ!」ポヨン

勇者「このありがちな鳴き声と他のスライムと見分けのつかない姿はっ! お、お前っ! もしかしてスラリンか⁉︎」

スラリン「ピギーッ!」ポヨン ポヨン

勇者「お〜〜っ!! 初めてにして最後の友よ!! はははっ! 元気だったか⁉︎」

スラリン「ピィッ!」

勇者「こんなところにいたんだなぁ。立派になって。チ○コの皮も剥けたか?」

スラリン「ピッ?」

勇者「スライムってゲルだからないのか? どれどれ」ムニィ

スラリン「ピィっ⁉︎ ピギーッ!」ボフンッ

勇者「おうふっ。今のは言葉がわからなくてもなぜ怒ったかわかる気がする……」ドサ

馬「ヒヒーンッ!」パッカパッカ

勇者「あっ! しまっ! ちょ、ちょっと待てよ! どこ行くんだ勝手に! ま、待ちなさい! 待ってくだはい!」

スラリン「ピー……」

勇者「い、いってしまわれた。ま、まずいぞ。このままじゃ、あいつらに殺されてまう……!」

スラリン「ピッ?」

勇者「す、スラリン。た、助けてくれ!!」クワッ

スラリン「ピィ?」

勇者「お、俺は、実は。召使いのようにこき使われとるんだ」

スラリン「ピッ⁉︎」

勇者「来る日も来る日もまわりにふりまわされ。足蹴にされる日々……う、うぅ」

スラリン「ピィ……」ススッ

勇者「慰めてくれるのか! 心の友よ!」ダキツキ

スラリン「ピィッ⁉︎」

勇者「け、決してあいつらがこわいわけじゃないぞ。馬が逃げたのも不慮の事故だ。オレ、ワルクナイ」

スラリン「ピッピッ」ヌル ポヨンポヨン

勇者「あ、どこに行くの? 俺を今ひとりにしないでぇ! メンヘラになっちゃうよぉ!」ヨタヨタ
237 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 18:19:14.00 ID:MJCk7GC0O
【茂みの中】

勇者「ここは? スライムの集会所か……?」ガサガサ

スライムベス「ピッ⁉︎ ピギィーッ!!」

勇者「おもっくそ警戒されとるな」

スラリン「ピィー!」ポヨン ポヨン

メタルスライム「」ササッ

勇者「慌てるでない森の住民よ。ワシが危害をくわえるつもりは」

スライムベス「ピギィー!」ドンッ

スラリン「ピッ⁉︎」ズザザァ

勇者「これこれ。やめなさい。浦島太郎の亀さんいじめる子供かお前らは」

「誰? 誰かそこにいるの?」ガサガサ

勇者「……今のは、空耳かな? 人間の声が聞こえたような気がしたんだが」

「あなた、ニンゲン? 私の言葉がわかるの?」

勇者「やっぱり聞こえる。どちら様で?」

「下よ、した」

勇者「下には、スライムしか……」

「いるじゃない。声は聞こえるだけで見えないの?r

勇者「んん〜?」ジィー

「まだ見えない?」ボヤァ

勇者「おお、なんかうっすらと……だんだん鮮やかになってきた」

妖精「驚いた。本当に見えだしてるんだ」スゥー

勇者「ああ。今はっきりと見えた。紫の髪で虫みたいな羽があるな」

妖精「虫は余計でしょ。あなた、本当にニンゲン?」

勇者「うん、そだよ」

妖精「ニンゲンには見えないはずなのに。……わかった! 変わったニンゲンね!」

勇者「なんの違いが?」

妖精「こんなところでなにしてるの? ニンゲンはここに用なんてないでしょ? 薬草でもとりにきた?」

勇者「いや、懐かしい友にあってね」

スラリン「ピッ!」ポヨン

妖精「えっ⁉︎ ニンゲンと友達なの⁉︎ うそぉっ⁉︎ 信じられない!」

勇者「むしろ俺人間に友達いないんだ」

妖精「え? そんなのありえなくない? 実は魔族?」

勇者「い、いや。そ、その。避けられてたっていうか」

妖精「いじめられてたの?」

勇者「違うよ! 俺はひとりでいたかったの!」

妖精「……隠キャ?」

勇者「フヒヒ。よ、世の中が悪いんだぁ! 俺は悪くねえ……」ドヨーン

妖精「はぁ……変なニンゲンね」
238 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 18:56:43.44 ID:MJCk7GC0O
勇者「ここに住んでんの?」

妖精「ええ、そうよ。この森は精霊様のお膝元ですもの」

勇者「へー、そうなんだ。村からあまり離れてないのに」

妖精「ミンゴナージュの村? もともとあの村はここにいる精霊様を祀ってたの」

勇者「サキュバス祀っとったぞ」

妖精「ニンゲンは得体の知れないものに出会うとすぐに信仰を鞍替えするのよね。なにもしてくれないからっていって」

勇者「生きるのに必死なんじゃない?」

妖精「自分たちのことばっかりよ。ニンゲンなんて。集団で生活するから周りの影響に流されやすいでしょ」

勇者「うん、まぁ」

妖精「感情が不安定だしね。って、ニンゲンにいってもしかたないか」

スラリン「ピッ」ポヨン

妖精「……スライムが人間の膝の上に。そんなの聞いたことない」

勇者「こいつはな。昔怪我したところを助けてやったんだ」

妖精「へぇ」

勇者「それからだよな? 仲良くなったのは」

スラリン「ピィッ!」

妖精「それにしたって異常よ。恩を感じるなんて」

勇者「細かいことはいいんだよ。こうなってんだから。なー?」

スラリン「ピィー!」

妖精「私の姿が見えるし……ねぇっ、あなたってもしかして、勇者ってやつじゃない?」

勇者「違うよ。俺は」

妖精「なぁーんだ残念。勇者なら面白いもの見せてあげようと思ったのに」

勇者「……ちなみにどんなもの?」プニプニ

スラリン「ピッピッ」スリスリ

妖精「“ロトシリーズ”って聞いたことない?」

勇者「ん……?」ピクッ

妖精「何代かに渡る勇者の物語。その石碑があるんだよ」
239 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 19:16:28.13 ID:MJCk7GC0O
【森林 祠】

勇者「……これが」スッ

妖精「もー! 勇者じゃないくせに!」

勇者「初代ロト……二代目、三代目……」

妖精「当時の魔王との争いが描かれているみたい。ほら、そこに描かれてるのが不死鳥ラーミアにまたがってる」

勇者「勇者って、なんなんだ?」

妖精「えっ?」

勇者「女神の加護。先代……これまでの勇者も同じように?」

妖精「よくわからないけど、血統があることはたしかね。勇者である一族は、決められた家系から排出されてきたみたい。唯一違うのは、初代ね」

勇者「古代語で読めないな」ザリ

妖精「うーんとね、曖昧なのよ」

勇者「曖昧?」

妖精「そう。ひとつひとつの繋がりがね。もしかしたら別の時間軸の話かもしれない」

勇者「は、はぁ?」

妖精「例えば、私がりんごを落とすとするわよね。それを拾ったAである私と、拾わなかったBである私。そうした感じでAとBが分岐しているの」

勇者「つまり、別の世界とか?」

妖精「なくはないってだけ。全部繋がってるのかもしれないし、そうじゃないのかもしれない。だって、大昔の話ですもの」

勇者「魔王、倒してるなら、平和になってるはずだもんな」

妖精「どうなんだろう。よくわからない。魔王ってね、定期的に復活するって書いてあるよ?」

勇者「なんじゃそら」

妖精「もちろん、数千年とか数万年とか長い感覚があくし、同じ魔王ってわけじゃないみたいだけど」

勇者「今の魔王も復活してきてんのかな?」

妖精「今代の魔王は先代から継承する形だったらしいよ。だから、復活はしてないんじゃない?」

勇者「ん? ……って、話は戻るが勇者って結局なんなんだよ」

妖精「さぁ? だからよくわかんないの」
240 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 19:37:34.99 ID:MJCk7GC0O
勇者「父上も……? 父さんは勇者の家系なんて聞いたことがない。それに、“聖痕”とはいったい」ボソッ

妖精「ほら、こっちこっち! これ見て!」

勇者「これは……?」

妖精「ルビス様だよ!」

勇者「ルビス? ……これが……? そんな、これじゃまるで」

妖精「? なにに驚いてるの?」

勇者「こ、これが女神……?」

妖精「あー! そういうこと? チッチッチッ。違うんだなぁ。魔族も人間もなぁーんだか勘違いしたままだけど」

勇者「勘違い……」ザリッ


妖精「――……そうだよ! だってルビス様は精霊王なんだもん!」
241 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 20:15:43.83 ID:MJCk7GC0O
【森の中 馬車】

魔法使い「あーあ、暇だなぁ。モンスターでもでてこないかなぁ」

戦士「鍛錬にもなるしな。どうだ? 武闘家。一戦交えないか?」

武闘家「同じ相手とばかりやるのはやめたほうがいいよ。慣れすぎちゃうから」

戦士「む、そ、そうか」シュン

武闘家「素振りでもしてればいいじゃないのさ」

戦士「相手がいないとどうにもなぁ。あたしは実践型なんだ」

馬「ヒヒーーンッ」パッカパッカ

魔法使い「ねぇ、見間違い? こっちに向かってくるのってどこかで見覚えのある馬じゃない?」

武闘家「ちぃっ!」シュバッ

僧侶「……勇者さまが乗っていませんけどぉ」

戦士「武闘家! 傷つけるなよ!」

武闘家「わかってる!」シュタッ

馬「⁉︎ ヒヒーンッ⁉︎ ブルルッ!!」バタンバタン

武闘家「どぅどぅ、落ち着いて……大丈夫、こわくない」ナデナデ

馬「……ブルッ」タンタン

魔法使い「またあのバカは。どこでなにやってるのよ」

僧侶「どうしましょうねぇ〜連絡手段がないので〜」

武闘家「アタイが村に戻って確認してくる! アンタ達はここで待ってな!」グイッ

戦士「お、おい。武闘家」

武闘家「はぁっ!」バンッ

馬「ヒヒーン!」パッカパッカッ

僧侶「――……武闘家さんの行動力は見習わないといけませんねぇ」
242 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 20:52:18.73 ID:MJCk7GC0O
【森林 祠】

勇者「ルビスは、神じゃない……?」

妖精「そもそも神の定義って、絶対的なものを指す場合だってあるでしょ? それだけルビス様がすごかったって意味でもあるけど」

勇者「神と思えるような能力を持ってた、とか?」

妖精「そのほかにも、“マネできない偉業を達成した”とかね。伝説のさらに上にあるのが神ってもんよ」

勇者「じゃあ、ここに描かれてるのは、神と崇められるの前の?」

妖精「そう、精霊王ルビス様その人! いつのまにか女神っていうのが定着しちゃってるけど、精霊を束ねるお方なんだよ!」

勇者「も、もしかして、まだ、生きてたり?」

妖精「うん? ばっかだなぁ」

勇者「そ、そうだよな。生きてるはずない――」
243 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/17(水) 20:53:13.12 ID:MJCk7GC0O
妖精「あったり前じゃない! ルビス様は今もピンピンしていらっしゃるよ!」

勇者「は、はぁっ⁉︎ い、いいいっ生きてる⁉︎」

妖精「そだよ?」キョトン

勇者「え、ええ……じゃ、じゃあ、俺のケツにある聖痕っていったいいつ……そもそも何故俺に。わ、わけがわからなすぎるぞ」

妖精「直接聞いてみたら?」

勇者「どうやって? 会える方法があるのか? というか、今どこにいるんだ?」

妖精「……時のハザマ。そう呼ばれるところにいらっしゃるよ」

勇者「時の、ハザマ?」

妖精「だけど残念! 特殊な結界で往来の制限がされてるから行けないんだ!」

勇者「だけど、制限ってことは、行く方法はあるってことだよな?」

妖精「あるよ? 勇者じゃないと無理だけど」

勇者「ちなみに、勇者だったらどうやって行くんだ?」

妖精「通行手形があるでしょ?」

勇者「どこに? どうやって手に入れるんだよ」

妖精「手に入れるぅ? 身体に刻まれてるでしょ?」

勇者「……あっ! そ、そうか! 聖痕か⁉︎」

妖精「んー、たぶんそれ」

勇者「聖痕は、目印じゃない。通行証だったのか」

妖精「勇者じゃないのに知ってどうするの?」

勇者「会ったら教えとく。それで、どこから? 聖痕があると仮定して」

妖精「鏡から」

勇者「どこの? 主語がない」

妖精「クイーンズベルのお城」

勇者「く、くくくっクイーンズベルっ⁉︎」

妖精「そこがゲートになってるの」

勇者「な、なななっなんでそんなところに」

妖精「ルビス様ゆかりの土地らしいから」

勇者「く、クイーンズベルといえば……」ポワンポワン

『オーッホッホッ! オーッホッホッ! オーっげふっ、ごほっ、おぇっ、む、むせたんですの……うぇっ』

勇者「こ、こいつがいるところじゃないか……」ガタガタ

妖精「大丈夫? 顔青ざめて震えてるけど。なにか思い出したの?」

勇者「だ、だがしかし、戦わなくちゃ現実と!」ゴソゴソ

妖精「?」

勇者「じゃじゃーん! 世界地図ぅ〜!」ピロリン

妖精「わっ、それってニンゲンの? けっこう精密なんだねぇ」

勇者「北から迂回しても南から迂回してもダーマまでの距離はほとんど変わらないか……ならば」

妖精「おっ?」

勇者「行かねばなるまいっ! クイーンズベルへっ!!」クワッ
244 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/17(水) 22:27:51.74 ID:9R/bsapZO
今日はここまで。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 22:39:15.56 ID:n7ewC2m90
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 22:59:36.40 ID:CSzSwaQyO
おつ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 23:11:27.24 ID:CK/GBaZsO
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/17(水) 23:59:29.80 ID:pG/pOiLVo
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/18(木) 02:10:47.75 ID:pLlh0tJz0
[sage]
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/01/18(木) 02:15:51.65 ID:pLlh0tJz0
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 03:04:14.53 ID:9Td8A0Td0
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 14:05:11.73 ID:zRP/gIar0
ドラクエSSと聞いてこれを貼らざるを得ない

https://youtu.be/KdHYS2OWYW0

ロトシリーズってことは1〜3が関係してるのかな?
舞台はアレフガルドだよね?
253 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/18(木) 18:38:12.38 ID:0bN6bfFxO
今後もドラクエ用語は随所に出てきます。
ただどこまで関連性をつけるかなどは書きながら決めてる部分があるので明言いたしません。

多くのSSがぼかしてますが魔王勇者SSの原典はドラクエだと個人的に思ってるんで、そういうものだと思っていただければ。
254 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 19:44:48.58 ID:0bN6bfFxO
【ミンゴナージュの村】

武闘家「すまない、若い男を見なかったか?」

村人「え? 俺のこと?」

武闘家「そうではなくて。旅の者なんだが」

村人「いや? 見てないよ」

武闘家「……ありがとう」スッ

店主「さぁ〜安いよ安いよぉ〜!おっ! へへ、さっきはどうも」ペコペコ

武闘家「道具屋の店主。早朝は無理をいって店をあけてもらって悪かった」

店主「あぁ、気にしないでくださいよ。こちとら稼がなきゃおまんま食いっぱぐれちまうで。かあちゃんも取り戻すんだーってはりきってますし」

武闘家「連れの者を覚えてないか?」

店主「へぇ? 連れの者というとどちらさまで? 若いお姉さんたちがいましたが」

武闘家「もう一人いただろう? その中に若い男が混じって」

店主「ああ、はい、はい。いらっしゃいましたね。荷物持ちさせられてた小間使いさん」

武闘家「い、いや。小間使いではないんだけどさ」

店主「その方がどうか?」

武闘家「村に戻っているはずなんだけど見当たらないのよ。見かけてない?」

店主「見てないですね……。見たらわかるんですが」

武闘家「本当か? 見落としてるだけとか」

店主「ありえませんよ。客商売をしているとね、お客さんの顔は覚えてるもんなんです。それに、こんな田舎村でしょう? 店舗に来るなんて珍しいんで」

武闘家「そうか……」

店主「ほかのお姉さん達はいらっしゃらないので?」

武闘家「ああ、別の場所にいる」

店主「小間使いさんとはぐれちまったんですかい? そりゃ大変だ」

武闘家「いや、だから小間使いではないと――」

店主「どこではぐれたんですか?」

武闘家「北に数キロいったところに森林があるでしょ。あそこから出てきたはずなんだが」

店主「森林……というと、精霊さまの……」

武闘家「精霊さま?」

店主「へぇ。あの森にゃ古くからある言い伝えで精霊さまのお膝元なんて言われてる森なんでさ。村の者ですら忘れかけてますが」

武闘家「そうか。でも、今はそういう話は」

店主「もしかしたら、神隠しにあったのかもしれませんねぇ」

武闘家「ん……?」ピクッ

店主「いや、これも古くから。子供を危険な場所に行かせない与太話なんですがね。妖精がいるって噂が一時期たったらしいんですよ」

武闘家「妖精……」

店主「いつだったかなぁ。ボヤ〜っとした姿の妖精を見たっていう子がいて。もうだいぶ昔の話なもんで」

武闘家「神隠しとは、どんなもの?」

店主「ふらふら〜っと迷って、いつのまにやら別世界の扉の中に入っているっていう伝承みたいなもんですよ」

武闘家「……そう」

店主「もう一度、森に入って探してみては?」

武闘家「そう、ね。村にいないのならいつまでもいても仕方ない。あ、それと店主」

店主「へい?」

武闘家「トンカチとロープ。貰える?」

店主「お買い上げですかい? ありがとうございます!」
255 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 20:11:57.45 ID:0bN6bfFxO
【森林】

妖精「ねぇ、ニンゲン。なにを知りたいかわかんないけど、勇者じゃないと無理だよ?」

勇者「元気でな、スラリン」ナデナデ

スラリン「ピッ!」スリスリ

妖精「聞いてるのー?」

勇者「ちゃんと聞いてるよ。お前らもいきなりお邪魔して悪かったな」

スライムベス「……ピッ」

勇者「わはは。そんな簡単にゃ警戒心解けないか」

妖精「当たり前。スライムが懐くなんてありえないんだから」

勇者「人間だって同じだよ。いきなり分かり合える人なんてなかなかないないもんさ」

妖精「種族の壁があるってわかってないの? モンスターと人間ってそういうもんじゃないでしょ?」

勇者「まぁ、そうだけど。大事なのは調整であってだね」パンパン

妖精「ほんっとーに変わったニンゲンね。向いてる方向が違うのに調整もないわ。宗教みたいな統一思考でもない限り無理よ」

勇者「“私こそが魔物と人間をつなぐ架け橋である!! 皆の者! 手を取り合おう! 争うのをやめるのだ!” 」スラッ

妖精「い、いきなり剣を抜いてなにやってるの? 気でも狂った?」

勇者「やってみたかったんだ」チャキン

妖精「あながち間違いではないかも。夢という理想で覆い隠せば、人も魔物もいっときの幻想に溺れるかもね。もちろん、反発もあるだろうけど」

勇者「やけに他人事じゃないか。人間と魔物が本格的な争いに突入すれば、精霊だって迷惑だろ?」

妖精「そうだけど、大きな流れの前ではなにやったって無駄だもん。争いはやめてっていってやめる?」

勇者「やめないねぇ」

妖精「魔物と人間ってどちらかが滅びるまで争いをやめないんだと思う」

勇者「……」

妖精「私は、傍観者としてひっそりと生きてくだけ。この子たちと一緒に」

スラリン「ピィッ!」

勇者「楽しそうでいいな」

妖精「一緒に住む? 私が見えるんだから考えてあげてもいいよ」

勇者「人生プランの選択肢のひとつとしていれておくよ」

妖精「ほかになにがあるの? ……やっぱり、魔物を殺すの?」

勇者「いいや、ニート」

妖精「へ?」

勇者「無職とか遊び人」

妖精「ぷっ、きゃははっ! 変なの〜」

勇者「……グータラしたいんだよなぁ」
256 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 20:33:56.74 ID:0bN6bfFxO
【馬車 荷台】

魔法使い「あっ! 帰ってきた! おーい、ここここ!」

僧侶「……やっぱり勇者さまの姿が見えませんが
〜」

馬「ブルルッ」タンタン

武闘家「どぅどぅ」ナデナデ

戦士「村にいなかったのか?」

武闘家「ええ。そんなに遠くには行ってないはずだけどね」ボトッ

僧侶「修理道具は買ってきていただけだんですねぇ」

武闘家「このままだとここで夜を明かすことになる。それはできれば避けたい、戦士」

戦士「合点承知。あたしが直しておけばいいんだろ?」

武闘家「このままアタイは近辺を探してまわってくる」

魔法使い「もし、もしなんだけど、落馬して気絶してるなんて理由だったら目が覚めたら帰ってくるんじゃない?」

僧侶「それもそうですねぇ〜。さっきまで変わった様子はありませんでしたしぃ〜」

戦士「それもそうだな。馬も疲れてるし、少し様子を見ないか? 武闘家?」

武闘家「……わかった。けど、数時間戻って来なければ探しに行くよ」

僧侶「私たちだって心配してますよぉ〜」

魔法使い「武闘家って世話焼きなのね」

武闘家「アンタらが能天気すぎるんだ。何度も言うが、勇者はアタイらの核なんだぞ。勇者がいて、魔王討伐の旅があって、アタイらがいる」

僧侶「……そうですけどぉ」

武闘家「勇者がいなければ、アタイ達に行動を共にする理由はない。違うか?」

僧侶「それはそれで、さみしいっていいますかぁ」

武闘家「慣れ合うだけだろ。アンタ達、っと」タンッ

馬「ブルルッ」

武闘家「おつかれ」ナデナデ

戦士「な、なにをぅっ! 旅は道連れ世は情けというじゃないか! 寝食を共にするからこそ、絆も深まる!」

魔法使い「そうよ! それに、いざというときコンビネーションは必要だわ! 信頼できるかどうかだって大事なの!」

武闘家「……そうかい。だったら、もっと強くなりなよ。信頼されるように」

戦士「……っ!」ギリッ

武闘家「なに歯をくいしばってんのさ。わかってんだろ? ……自覚してんだろ? アタイがこのパーティで二番目に強い」

戦士「うぬっ⁉︎ こ、こいつ……へ? 二番目?」

魔法使い「むきーっ! 一番は武闘家でしょ! ここにいる戦士と勇者は同じぐらいなんだから! ちっともそんなこと思ってないくせに、嫌味なやつぅ!」ダンダン

戦士「そ、そうかっ! 嫌味で言ったのか!」

武闘家「……はぁ」
257 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 21:01:59.20 ID:0bN6bfFxO
【数時間後 馬車】

武闘家「日が傾きだしてきた。やっぱり、探しに」

ガサガサ ガサガサ

戦士「待て。なにかが、いる」

武闘家「……魔物か」スッ

魔法使い「強いモンスターはいないから、平気だと思うけど」

ガサガサ ガサガサ

勇者「お、いたいた」ピョコ

戦士&武闘家&魔法使い「……」ポカーン

勇者「ただいま戻りましてでござ〜い。いやぁ、迷っちゃってさぁ、森って見通し悪いもんなんだね」

僧侶「おかえりなさいませぇ〜」

勇者「くるしゅうない。草だらけになってしまった」パンパン

戦士「おい、勇者」ゴゴゴッ

勇者「ん?」

魔法使い「まずは、“ごめんなさい”じゃないかしら……?」ゴゴゴッ

勇者「え〜。意味わかんなぁ〜い。無事に帰ってきてなんで謝らなきゃいけないのぉ〜? マジ意味わかんないんですけどぉ」

武闘家「……誤魔化してるつもりなんだね」ゴゴゴッ

勇者「や、やっぱ、ダメ?」タラ〜

魔法使い「ダメに決まってるでしょ!」スパーン

勇者「暴力反対!」ドサ

魔法使い「散々心配かけておいて謝罪の言葉もないとかクズかあんたは!!」

勇者「堪忍や〜。自分で自分を守るため開きなおるしかなかったんや〜」

戦士「どこほっつき歩いていた。このグータラ勇者」

勇者「そ、それが、その。馬がね……あっ! 馬いるやんけ! いつのまに帰ってきたんだ! 俺を置いて!」

馬「……」チラ

勇者「俺、どーなることかと思って……!」

馬「ブルルッ」プイッ

勇者「な、なんだぁこの野郎! 調子のってんじゃねぇぞ! 俺を誰だと思ってやが――」

武闘家「呀ァッ(ヤ)!!」ブンッ

勇者「本気の一撃⁉︎」ドサァ

魔法使い「うわっ、いったそぉ」

武闘家「……おい、勇者」

勇者「〜〜ッ! うぉぉぉ、腹が、腹が」ゴロゴロ

武闘家「ふざけるのはよせ。真面目に聞け」

勇者「は、はい」ピタッ

武闘家「アンタがアタイを、アタイ達をどう思っていてもいい。だけど、心配をかけるな。止むを得ずそうなった場合は、誠意を見せろ」ジロ

勇者「す、すんません」シュン

戦士「さっきの話じゃないが、この際はっきりさせとくか」

勇者「話とは? ……なんのことでございましょ?」

魔法使い&僧侶「……」

戦士「あたしらは、お前にとってなんなんだ? 勇者」
258 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 21:21:59.76 ID:0bN6bfFxO
勇者「は、はぁ?」

戦士「さっき、武闘家に言われて思ったんだ。あたしらの旅の目的。その中心に勇者がいる。その指摘自体は間違っちゃいないってね。言い方はきにいらないが」

武闘家「ふん」プイッ

戦士「あたしらはそれぞれ目的がある。勇者といけば、その目的が叶うと思っている。だから、一緒にいる」

勇者「ふむ」

魔法使い「勇者は何のために私たちと一緒に旅をしてるの? 仲間がいるにこしたことはないでしょうけど」

僧侶「……」

魔法使い「――そもそも、勇者は私たちを仲間だと思っているのかしら? そう思ってないから、適当な対応しかしないの?」

勇者「そんな深刻にならんでも」

戦士「ふざけるのはなしだ」

勇者「……ふぅ、あのなぁ。ついてきたいと言ったのは、お前らだろう? 武闘家は、爺さんに頼まれてってのもあるが」

魔法使い「つまり?」

勇者「今後についても決めるのはお前らだと言ったはずだ。淫魔を逃した時に」

戦士「なるほど。では……あたしらは仲間じゃなく、ビジネスな取り引き相手だと言いたいわけか?」

勇者「うっ、そ、そうは言っちゃいないが」

魔法使い「そういうことでしょ。逃げるのは卑怯よ」

僧侶「私たちは責めているわけではありません〜。ただ、知りたいのですぅ〜。本心を〜」

勇者「……」ポリポリ

戦士「リーダーの方針には従う。そうであるというのならば、今後の付き合い方にも影響する」

魔法使い「慣れ合いがしたいって言ってるわけじゃないのよ? 仲良しサークルじゃない。それはわかってる」

戦士「あたしの本心を言わせてもらえば、できれば、その、うまく付き合っていきたい」

勇者「つ、付き合うって……」ソワソワ

魔法使い「童貞か! ……ふざけるんじゃないって言ってるのに」キッ

勇者「ついつい。……わかってるよ。人間関係的な話だろ」

戦士「そうだ。所詮は他人同士。時にはぶつかることもあるだろう、こうして話合いの機会を設けることだって少なくないかもしれない。それ自体は悪いとは思わない」

魔法使い「……でも、そればっかりじゃ、疲れちゃうでしょ? どうせなら、楽しくしたい」

武闘家「……」

勇者「うん、言ってる意味はわかるよ」

戦士「だが、それはあくまであたしらの希望であって決めるのはリーダーだ」

魔法使い「勇者、あんたのことよ」

僧侶「……」

勇者「よし、こうしよう」ポンッ
259 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/18(木) 21:49:56.11 ID:0bN6bfFxO
戦士&武闘家&魔法使い&僧侶「……」ジィ

勇者「一度、みんなで風呂にでもはいって親睦を深めあうってのは? 俺ももちろん一緒に」

魔法使い「あ、あんたね……」

勇者「すべてを分かりあうなんて不可能だ。他人同士の壁、性別の壁。色んな壁がある。ケツに泥ついちまった」ムクッ

戦士「……」

勇者「お前らが旅を楽しくしたいと望んでるのなら、俺はそれにできるだけ応えるよ。必要ならそうする」

僧侶「それだとぉ、私たちがそうさせてるっていうかぁ」

勇者「結局のところ、お前らはどーしたいんだよ。そういう話になった時に、言ったんだろ」

戦士「それは、そうだが」

勇者「俺はその要望を汲み取るって言ってるんだ。リーダーとして」

武闘家「でも、それだと、こいつらが言ってるのとはたぶん違う気がする」

勇者「(ふぅ、やれやれ)」

僧侶「私たちは勇者さまのお言葉がほしいのですぅ」

魔法使い「これは、私たちも卑怯かもしれないけど、理由がほしいのよ。それさえあればいい」

勇者「ただひとつ言えるのは、俺は、お前らのことが必要だと思ってるよ」

戦士「本当か……?」

勇者「当たり前だろ。だから要望を聞いて合わせようとしてるんじゃないか」

僧侶「それは、お優しいからではぁ〜」

勇者「いんや。助かってる部分はあるし、旅の中でそれは思った。本心でだ」

魔法使い「続けて」

勇者「本心を言えば、戦士や魔法使いが要望通りすれば得られるものがある。その損得勘定の一方で、仲良くできればいい、そう思ってる」

魔法使い「じゃあ……」

勇者「だが、勘違いするな。仲良くなれるかどうかなんて個人間の問題だということを。旅は楽しければいい。そりゃそうさ」

戦士「……」

勇者「無理して仲良しを装うほどつまらないもんはないだろ。努力は必要だが、合う合わないはある。分かり合えるきっかけなんて些細なものだが、それが生まれない場合もあると理解しろ」

僧侶「はい〜」

勇者「まずはお互いがなにを求めているのか、そこからはじめたのは良いことだと俺は思う。良い方向に考えればだが」

戦士「……」

勇者「気楽にやりましょーってことで」ゴソゴソ

戦士「お、おい。まだ話は終わりじゃ」

勇者「うーるせぇなぁ。時間が解決してくれることだってあんだよ。なに生き急いでんだ」ピラ

武闘家「地図広げてどうしたんだ?」

勇者「方針を発表します! 今から、南のクイーンベルに向かいます!」ビシィ

僧侶「あらまぁ……」

魔法使い&戦士&武闘家「――……はぁぁっ⁉︎」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:30:44.01 ID:OswWr4Z00
乙?
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/18(木) 23:32:20.34 ID:RJfqGOvoO

寝落ちかな?
262 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 07:06:10.59 ID:bvIfG7NGO
すいません、寝落ちしてました。
今日は午後〜夜ぐらいに再開すると思います
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 07:27:26.32 ID:AGFEP+cDO
264 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 14:50:11.88 ID:+r3xFqGgO
【魔王城 玉座】

キングヒドラ「なぁにぃ⁉︎ 勇者の居場所がわかっただぁ⁉︎」ドンッ

シンリュウ「ならば、消せば良い」

オーガ「そうだ! 勇者を殺しッ! 残った人間は一匹残らずすり潰してやるッ!!」

サキュバス「コトは……そう単純ではなくなってしまったのよ」

オーガ「なにがだ⁉︎ 我ら魔族の連合軍を前にして敵など皆無! 力を存分に発揮して蹂躙しつくしてやればいいだろうッ!」

魔王「……時期ではない」スゥ

シンリュウ「我らが王よ。なぜ? なぜでございましょうか。人間を過大評価するのは」

魔王「まず一つに、数だ。我ら魔族は強力な個体を強みとするが、人間共の母数に比べれば半分にも満たない」

オーガ「数など……っ!」

魔王「次に、数を活かした組織力にある。有象無象の衆を相手にしたとなれば……たやすく蹴散らせる。しかし、戦局が複雑化すれば次第に我らと均衡するであろう」

キングヒドラ「なぜだッ⁉︎」ビターン

魔王「やつらもやつらで団結するからである。生産能力は侮れぬ。首脳陣が保身しか考えない無能であれば話は別だが……あれを見よ」ピタ

四天王一同「……」

魔王「知っておろうが、ニンゲン共が作った世界地図だ。アレフガルドには、人間達の国が四つある」

サキュバス「アデル、クィーンズベル、ハーケマル、サルマニアですね」

魔王「我らの大地は“裏にある”。地図を裏返してみよ」

大臣「ははっ!」ペラ

魔王「……して、見てどう思う?」

四天王一同「……?」

魔王「気がつかないか。領土の広さは人間どもの治める大地に比べて……」

シンリュウ「当たり前のことすぎて……」

オーガ「なにが言いたいのですか⁉︎」

魔王「我らもいずれはやつらの治める大地……有り体に言えば人間界へと侵攻するであろう。準備が足りないのだ」

キングヒドラ「ですから! 準備などせずとも!」

魔王「黙れ……」ギロッ

キングヒドラ「……っ!」ビクゥッ
265 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 14:51:35.27 ID:+r3xFqGgO
魔王「ラクに勝てる道を前にしてなぜイノシシのごとく突進するのか。我らは個を有利とすればこそ、失った時の損失もまた大きいのだ」

サキュバス「領土を広げるには、子を産み、魔族の母数を広げることが最重要課題」

魔王「で……ある。そうなればどちらにせよ今の領地では足りなくなる。資源も、土地も」

シンリュウ「勇者は……?」

魔王「やつは殺す。これ以上力をつけられる前に」

キングヒドラ「ならば! 私におまかせを! 必ずや勇者の息の根を止めてごらんにいれましょう!」

魔王「……場所はわかっておるのであろう?」

サキュバス「はっ。ミンゴナージュで遭遇してから日数がたっておりません」

魔王「キングヒドラよ」

キングヒドラ「ははっ!」ザッ

魔王「人間共のをなるべく刺激しないようにできるか?」

キングヒドラ「うっ……」

シンリュウ「そういう理由ならば我におまかせを。竜族は時に激しく、そしてまた時には静けさを持ち合わせております」

魔王「シンリュウよ。王、自ら動くのか?」

シンリュウ「サキュバスからの周知徹底によると、勇者はとんでもない力を秘めているとか。……であれば、下っ端にまかせるわけにもいくますまい」

魔王「返り討ち、なんて顛末にはなるまいな?」

シンリュウ「所詮は人の子。戦闘向きではない淫魔族が遅れをとったとて、古代から続く竜に敵うものですか」

魔王「良いか。よく聞け」

四天王一同「……」

魔王「先走るな。繰り返し念を押すが、お主らのどこが欠けてもまた時間をかけねばいけないくなる。我らに欠如して良い部族はない」

四天王一同「……」

魔王「狙うは勇者のみだ。よいな?」

四天王一同「……ははぁっ!」ドゲザ
266 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 15:11:09.58 ID:+r3xFqGgO
【魔王城 通路】

シンリュウ「これはこれは……サキュバス殿ではありませんか」

サキュバス「……」スッ

シンリュウ「なぜ、通路でお待ちに? 招集会議なら終わったばかり――」

サキュバス「勇者を、侮ってはいけない」

シンリュウ「ふっ、ふふっ、笑わせないでいただけますか。我らをどの一族だと思っておいでか」

サキュバス「どの一族でもだ。巨人族でも、獣族でも同じこと。油断すれば、消されるぞ……! やつの……力に」ゾワッ

シンリュウ「相当、恐ろしい思いをなさったようだすねぇ。竜族を、理解しておられないようで」

サキュバス「我ら魔族は、力がある。その特異性もあってか、力のある個体を好む。魔王様に従い、尊敬するのも同じことよ」

シンリュウ「おやおや。では、貴女は勇者の力にときめくものでもあったと? 魔王様に反旗を?」

サキュバス「ち、違うわっ! 私は、そんなこと……。貴女の心配をしてるのよ!」

シンリュウ「ですから、その心配が我が一族に対する侮辱だと申しているのです。人間でしょうが」

サキュバス「あ、あれは人じゃないっ! 人間の強さじゃないのよ!」

シンリュウ「では、ガタガタと震えていらっしゃいませ」

サキュバス「な、なに……?」

シンリュウ「ニンゲンがこわいよぉ〜、と……。淫夢城の片隅で」

サキュバス「き、貴様ぁっ!! 私をバカにしているのかえっ⁉︎」キィィィン

シンリュウ「きっかけを作ったのは貴女でしょう。では、失礼。淫魔の王よ」コツコツ

サキュバス「……ぐっ! ……おのれっ……おのれえええぇえええっ!!」ギリギリ
267 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 15:24:12.96 ID:+r3xFqGgO
【数十分後 竜王城 玉座】

ベビードラゴン「おかえりだす!」

シンリュウ「ただいも。えんらく疲れちまっただよ。堅苦しい空気は苦手だぁ」

ベビードラゴン「口調は大丈夫だったか?」

シンリュウ「いや〜、危なっかしい場面チラっとあったけんど、気がつかれてなかったっぽい。ハラハラしちまったよ」

ベビードラゴン「威厳もへったくれもあったもんじゃないもんな!」

シンリュウ「そりゃあなぁ。奥地に住んでたらいつのまにかこんな方言定着してたなんて知られたら笑いものだっぺ」

ベビードラゴン「なんの招集会議だっただか?」

シンリュウ「……なんでも、勇者の居場所をつきとめらし」

ベビードラゴン「へぇ〜! 勇者ってあの勇者だろ? ずーーーーっと昔には協力関係にあったかもしれないっていうあの!」

シンリュウ「その時代に生きとるやつなんかいんね。伝説なんじゃねの」

ベビードラゴン「そうはいうけど、壁画が残ってるし」

シンリュウ「戦ってる壁画もあんだべよ。時には戦い、時には協力。こんれもまた、時代なんだっぺなぁ」

ベビードラゴン「今は魔王様いるしな! 勇者を殺すのか?」

シンリュウ「ほんとは行きたくなかっただすぅ。でも、あの場の雰囲気がワタスを動かしてぇ」

ベビードラゴン「わかるわかる。やらねばって感じになるよな」

シンリュウ「おめぇがいづから部族の代表になったのよ。しんねぇくせに」コツン

ベビードラゴン「いたっ。えへへ、で、どうすんだ?」

シンリュウ「人間、だもんなぁ。サキュバスはああいうけど、正直負ける気がしねぇ」

ベビードラゴン「サキュバス? 負けるのはありえないんじゃないか?」

シンリュウ「んだども、どうすっぺかなぁ」
268 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 16:09:22.04 ID:+r3xFqGgO
【三日後 クィーンズベル 国境 砂漠地帯】

魔法使い「照りつける太陽、からからに乾いた大地。景色がゆらゆらぁからゆらゆらぁ〜」

武闘家「最後のひと瓶だ。それ」ポイ

魔法使い「あっ、えっ、わっ」アタフタ

武闘家「ばっ、ばかっ⁉︎」

魔法使い「あっ」ツル パリンッ

僧侶「あらあらぁ、水がぁ」

武闘家&魔法使い「う……あ……」

魔法使い「ど、どどどどっどうすんのよ⁉︎」

武闘家「どんな壊滅的な運動神経をしてるのさ⁉︎」

魔法使い「う、うるさいわねっ! 暑くてだるかったの!」

戦士「暑いんだから喧嘩しないでくれぇ〜」

僧侶「勇者さまぁ、最後のひと瓶がぁ」ヒョコ

勇者「……」

僧侶「勇者さまぁ?」

戦士「心頭滅却すれば火もまた涼し。ここにきて、勇者、ついに悟りを……」

勇者「」コテ

魔法使い「気絶してんじゃないの!」

武闘家「無理もない。この炎天下の中、ずっと外で座ってちゃ」

僧侶「一日ですっかり肌も焼けてしまってますねぇ」

魔法使い「ま、真っ赤よ⁉︎ 火傷しちゃってない⁉︎」

勇者「う、うぅ。み、水を。水……」

僧侶「それがぁ、先ほどお伝えいたしたとおり、魔法使いさんが割ってしまいましてぇ」

魔法使い「私のせいじゃない! 武闘家が悪い!」

武闘家「アタイのせいにすんなよ⁉︎ アンタの運動神経が――」ギャアギャア

勇者「な、なんでもいいから、水くれぇぇぇ…………」
269 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 17:36:32.95 ID:wf16flOjO
【クイーンズベル城 寝室】

姫「ふぅ……今日の外気温度はいかほど?」

メイド「39度でございます。お嬢様」

姫「今日もいつもと変わらずね」

メイド「左様でございますね、お嬢様。この砂漠土地独特の気候で」

姫「紫外線対策は?」

メイド「こちらに。UVケアクリーム、日傘、靴下、手袋、ありとあらゆる品をとりよせてございます」ササッ

姫「黒なんてもう流行らない、女は白い肌。ましてや私は姫……」

メイド「んまさにっ! 透き通るような珠のお肌でございます、お嬢様」

姫「オーッホッホッホ! もっとよぉ〜! もっと言ってちょうだぁ〜い!」

メイド「素敵です! さすがです! ビューーーティホーーーッでございます!」

姫「はぁ……そう。私こそがこの国一番の淑女にして美女……美しいって……つ・み」

メイド「素晴らしい!」パチパチ

姫「使者はどうか?」スッ スタスタ

メイド「間も無く帰ってくるかと思われます。お椅子を」スッ

姫「……んふっ」フワッ

メイド「噂によると、いよいよ勇者が旅立ちを迎えたとか。懐かしゅうございますね」

姫「口紅を」スッ

メイド「こちらを。……時を同じくして生まれたおふたりはいわば幼馴染。アデルのお城に特使として訪れた際には大層仲の良かったことで」

姫「あぁ……勇者よ。どこにいるのであろうか。あの嫌がる顔をもう一度見とおてたまらん」ヌリヌリ

メイド「お嬢様、それぐらいに」

姫「今日も美しい。この“鏡”にうつる私は、今日も美しくてよぉ〜〜! オーッホッホ! オーッホッホッ!」

メイド「素敵でございます! お嬢様!」パチパチ
270 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 19:46:56.82 ID:bvIfG7NGO
【クイーンズベル城 玉座】

姫「な、なななっ⁉︎ このあたくしがお見合い⁉︎ どういうことですの⁉︎」

王様「姫も18になった。そろそろ婚礼を迎えてもいいであろ」

王妃「ええ、貴方。相手は北のハーケマル。その第一子嫡男であるハーゲよ」

姫「朝の身支度を終えて来てみれば……そんな……っ! それになんですの⁉︎ ツルピカってそうな名前は!」プルプル

王様「これ、失礼であろ。名前は親がつけたもんじゃ。親はもう毛根が……ゲフンゲフン」

姫「やっぱりハゲるんじゃありませんこと⁉︎」

王妃「ハゲハゲ言うんじゃありません。髪の話などしても不毛よ。髪がないだけに」

王様「……座布団没収」ボソ

姫「お父様! お母様! ダジャレを言い合っている場合ではないんですの!!」

王様「しかしのぅ、この縁談は政治的側面もあるんじゃよ」

姫「……っ!」

王様「姫も知っておろ? 四つ国は西と東、南と北でそれぞれ兄弟国になっておる」

王妃「私も元々はハーケマルの姫だったのよ?」

王様「うむ。こうして代々、王家同士で和睦と太平の契りを交わすため、家族となるのじゃ」

姫「そ、それは……でもっ」

王妃「夫婦生活なんて慣れよ。この人と結婚するのなんて、私も最初は嫌々だった」

王様「本人を前にして言うかの」

王妃「よく聞きなさい、姫。王家の女はね、男と結婚するのではない」

姫「……お母様」

王妃「いいから聞きなさい。王家の女は、民と結婚しなくちゃいけないのよ」

王様「ふむ」

王妃「所詮、女なんて道具に過ぎない。慰めにならないと思うけど……貴女の勇気が、民を安心させる」

姫「い、いやですわ。そんなの納得いかないんですのっ!!」タタタッ

王様「おう⁉︎ ひ、姫っ」

王妃「……今はほっときましょう。私もそうでした。あの子は帰ってきます。身体に王族の血が流れている限り」

271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 19:57:29.68 ID:Lagy0bRpO
他の登場人物は勇者を持ち上げるためにいる
そのため勇者に魅力は感じず、他の登場人物も総じて薄っぺらく見える
272 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 20:02:51.88 ID:bvIfG7NGO
【砂漠の国 クイーズベル 城下町】

荒くれ者「ヒャッハーッ!! 水だ水だぁっ!!」ドン

老人「あうっ」ドサッ チャリン

荒くれ者「ん……? なぁ〜んか今、金目の音がしなかったかぁ〜?」

老人「あわわっ」ササッ

荒くれ者「おぉ〜い爺さん! 金だしなァッ!!」グィ

老人「ひ、ひぃっ! やめてくだされ! それはモミの木を買う金でっ」

荒くれ者「しらねぇなぁ〜!!」ブンッ

勇者「……待て」

荒くれ者「あァん?」チラ

勇者「お前らの血は何色だ?」

荒くれ者「なんだぁテメェ?」

勇者「おまえらの血は何色かと聞いているゥッ!」ビシ

荒くれ者&老人「……」ポカーン

勇者「この俺の前で悪事を働いたのが運の尽き。この北斗神拳の餌食に――」

魔法使い「さっさと助けなさいよ!」スパーン

勇者「み、見事だ。天に還る時が」ドサ

戦士「そのまま寝てろ」ゴツン

勇者「」

荒くれ者&老人「……」ポカーン

武闘家「はぁ……おい、そこのお前。お爺さんから手を離しな」

荒くれ者「な、なんだァ、テメェは⁉︎ 俺は女だからって容赦しねぇぜぇ⁉︎」

戦士「奇遇だな。あたしらも男だからって容赦しないんだ」スラッ

荒くれ者「……あ、あれ?」

武闘家「さぁ、覚悟はいいかい」ポキポキ

荒くれ者「〜〜〜〜ッ! 舐めんじゃねぇぞおっ!!」ブンッ
273 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 20:10:34.85 ID:bvIfG7NGO
>>271
何度も書いてますがあえてのそこをやってるのですよ
感想をいただけるだけでもありがたいのですがせっかくなら読んでからもらえるともっとありがたいです
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 20:24:53.23 ID:1aVovlAg0
相手にしなくていいから続きはよ
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 20:29:19.45 ID:Lagy0bRpO
勇者SSとしては結構王道路線なんですけどね
多くのSSがぼかしてますが魔王勇者SSの原典はドラクエだと個人的に思ってるんで、そういうものだと思っていただければ。

何度も言っているとありますが、それは上記の発言のことを言っているのですか?

あなたは勇者魔王の王道、原典はドラクエと言っていますが、他のSSも見てみることをお勧めします。
長文失礼しました。頑張って下さい。
276 : ◆7Ub330dMyM [saga]:2018/01/19(金) 20:33:41.56 ID:bvIfG7NGO
【数分後】

荒くれ者「」

戦士「大丈夫だったか? 爺さん」

老人「あ、ああ。それにしても強いんだねぇ、お嬢ちゃんたちゃ」

僧侶「危ないところでしたぁ」

老人「……あっちの若者はいいのかね」チラ

勇者「」

魔法使い「あぁ、いいのいいの。いつものことだから」

老人「ふ、ふむ」

戦士「どーなってるんだい? 井戸に水がはいってないなんて」

老人「旅人か。この地方は雨が降る割合が極端に低いのは知っとるかい?」

武闘家「見ればわかる」

老人「であるからして、こうして地下の源泉を掘り当てた湧き水を使っとるんじゃが……」

僧侶「聞いたことがありますねぇ。いずれ乾いてしまう場合があるとか」

老人「大抵の場合は風で運ばれてきた土が原因じゃ。ここが枯れた理由はさっぱりわからん」

戦士「水がわかなくなったってのはたしかだ。生活できないだろ?」

老人「水を宅配してもらっとるんじゃ。その金がまたバカにならんくての」

魔法使い「水のデリバリー?」

勇者「ほーん」ムク

僧侶「今回は復活まで時間がかかりましたねぇ〜」
277 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 20:35:49.66 ID:bvIfG7NGO
>>276
もちろん見ていますよ。
その上で書いている通り、“個人的に”そう思っているというお話です。
応援ありがとうございました。今度はちゃんと読んでいただけるとありがたいです。
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 20:42:09.27 ID:1aVovlAg0
クソSS作者の横槍だから相手しなくていいんだって
みんながみんな普通の感想書くわけじゃないんやで
279 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 20:52:46.67 ID:bvIfG7NGO
これだけは名言しておきますがこのSSの基本方針は>>153で書いている通りです。
読んでないなってレスや感想は一発でわかります。

とりあえず今日はここまでということで。また明日にでも続きは書きます。
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 20:59:36.87 ID:J6JjSiGRO
ブチ切れとるやんけ……
まぁ確かに読まずに批判されたら嫌だよな
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:19:53.68 ID:ApqVeiBmO
読んでる読んでないは作者の判断
賞賛する感想しか受け付けないってことだろ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:24:22.68 ID:fO1Q7Wgyo
懐かしい感じのSSで面白いよ
大震災前に戻った感がある
283 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 21:26:52.73 ID:bvIfG7NGO
批判になるかはわかりませんが>>144>>13のような指摘や感想はすでにもらっています。
にもかかわらずなのですから「あ、読んでないな」とわかってしまうのです。

投稿するときはsagaしてるので多くの人の目につくようになります。
感想をいただくのはありがたいのですが、読んでからの方がもっとありがたいのです。
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:35:30.63 ID:p+1sVl9mO
開始時の勇者ニート目指す云々は面白かったし
途中の勇者ツエーも面白かった
今はダラダラしてる展開だな、今後の話のために必要な部分なのかもしれんけど
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:40:19.68 ID:fluJfznvO
よく喋る作者だな。気に入らないなら無視すればいい、いちいち反応するな。
286 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 21:44:35.38 ID:bvIfG7NGO
それはその通りですね^^
武闘家加入までが量が一番多くて投下ペースもはやく、タタリ〜はちょっとペースが落ちて短くなってます。
なので現在進行してる部分は尺をもう少しとろうかなと思って。あと書くペース自体もどんどん落ちてきてるのもあるんですけどね。
ダラダラしてるのは自分でも思います。
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:46:35.04 ID:1aVovlAg0
感想返し熱心にやると変なの住み着くからやめたがいいよ
荒らし目的のやついるから
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 21:57:26.00 ID:giqh0n5CO
いきなりのケンシロウワロタw
289 : ◆7Ub330dMyM [sage]:2018/01/19(金) 22:07:00.58 ID:bvIfG7NGO
お目汚し失礼しました。
とりあえずまた明日以降に投下します。
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 22:23:10.14 ID:1aVovlAg0

レスバトルで笑わせんでいいからSSで頼む
せっかく面白いの書いてるんだからもったいないよ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/19(金) 22:46:16.36 ID:sHt9D2M60
>>285←ほんとこれ
こういう>>1のSSは大概キチ○イを刺激して荒らされて終わる
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 00:41:04.93 ID:BG+MdVIA0

実のない批判は右から左に流すぐらいでよか
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/01/20(土) 05:48:31.24 ID:SlWGw2FX0
この作者のレベルに満たない嫉妬の相手なんざしなくてえーさね
低レベルの相手をしても経験値はしょっぱい
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 06:42:11.64 ID:q70nxd5BO
これだけ>>1がクサくても信者が守ってくれるなんて平和なスレだなぁ
都合の悪い意見は読んでないか嫉妬扱いとか、SSも痛ければ作者も読者も痛いんだな
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 07:17:27.44 ID:vwfkHJ8G0
>>294
どう見ても嫉妬なんだよなぁ
他人のSSスレ卑下してないでお前が面白いと思われるもん書いてこい
どうせ奇をてらって逆に安易にグロとかに走るゴミSS作者なんだろ

王道系はひねくれた作者が面白くないと書きたがらないからそれだけで需要あるってなぜわからんのよ
最近の勇者SSは地の文とか変に凝ったもんが主流になってるからあっさり読めるっていうのも拍車をかけてるんだろ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 07:42:00.27 ID:J+VnI0y/O
自分の意見が認められなければ作者はおろか読者まで攻撃するという荒らしのテンプレ乙
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 08:05:54.25 ID:RXY8gYNsO
>>295このSSのどこが王道なわけ?

自分の好きなSSが認められなければ他作者はおろか読者にまで噛み付くという荒らしのテンプレ乙
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 08:09:51.92 ID:vwfkHJ8G0
>>297
面白くないと思ってるお前はなんのためにこのスレいるんだよw
荒らしはお前だろw
更新きたのかと思うからアホくさい煽りはもうやめてくれ
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 08:24:29.43 ID:J+VnI0y/O
・ハーレム?
・勇者TUEEE
・微勘違い
・ギャグ(メタネタ)
・ツンデレ、世話焼き、トロい、ヤンキー

中身どの角度から見てもテンプレすぎるほどの超王道一直線やんけ
だから作者もそこは踏まえて読んでねと>>153で言ってるんじゃねの
批判的意見にしても読んでないと思われるのはそこだろと
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 08:48:39.29 ID:TzH5r5ZTO
一々反応するなよバカ共
更新きたのかと思うからアホくさい煽りに構うのはやめてくれ
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 09:05:29.76 ID:AIitjHRDO
>>295正直、何でもかんでも嫉妬で片付けるのはどうかと思うわ
作者が臭いのは事実だし、何で必死になって擁護してるのか分からん
荒らしに構ってる時点でお前も荒らしと同レベルの立派なゴミ読者だよ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 09:14:36.31 ID:vwfkHJ8G0
嫉妬な理由は充分書いてるわ
というかお前同一人物だろ
コロコロID変えてまで荒らすなよ
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 09:16:59.84 ID:7TRuGib4O
構うなよ……
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 09:30:47.74 ID:awvROrJVO
叩かれるほど酷いもの書いてるなら作者クサイとかにも加勢するがそうじゃないやん
構成とかちゃんと練ってるのわかるしこのSSの書き方はうまい部類だろ
なんでもかんでも信者で片付けるのはよくないと思うわ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 09:49:05.71 ID:awvROrJVO
王道要素を>>299とかで列挙しても信者ガーいってるから嫉妬とか言われる
嫉妬と言われて反発してるやつの感想も中身もほんと薄っぺらい
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 10:48:15.92 ID:q70nxd5BO
この薄ら寒い俺TUEEEEハーレムが王道SSって評されるがそもそも腹立たしいレベルなんだが
嫌なら読むなってなら分かるけど、ペラペラテンプレをつまらんって指摘して嫉妬乙って頭おめでたすぎるでしょ
むしろ必死に擁護してるやつは>>1の自演なのかとすら思うわ
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 10:54:35.49 ID:WVwCXAoA0
結論:>>1はレス返し止めよう
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 11:38:15.61 ID:vwfkHJ8G0
王道とは
https://dic.pixiv.net/a/王道
http://dic.nicovideo.jp/t/a/王道

「楽なやり方」という意味より転じて、「多くの者が選びそうなやり方」「ありがち」となった
テンプレ盛りだくさんのありがち展開なんだから王道だろ
自分が書いてる矛盾点を棚にあげて自演疑うとかキチガイかよ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 11:41:02.69 ID:/CUsXBBs0
ここまで議論が白熱するSSそうないだろ
人気だからこそ、注目されているからこそだと思うわ
>>1はレスなど気にせず自分を信じて頑張ってほしい
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 11:46:30.03 ID:lVxB/B2TO
久しく忘れていたが昔は信者アンチに分かれて賑わっていたなぁ(遠い目)
アンチがついてから一人前とはよく言われたもんだ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 11:59:58.89 ID:lVxB/B2TO
>>306が支離滅裂すぎんよ
情緒不安定か?ペラペラテンプレのことだぞ王道は
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 12:45:11.31 ID:S1AMsUPTO
更新来たと思ったのに
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 17:46:13.78 ID:Tl3ZyAejO
>>306ようやく言われてる自分のおかしさを理解していなくなったか
ただのバカだったんだな
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/20(土) 18:26:47.27 ID:WSIQJxrPO
>>1更新待ってるよ!
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/01/21(日) 01:36:58.18 ID:VinFDaA60
続ききてなかったのか
待ってる
717.30 KB Speed:0.3   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)