バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」

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894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/22(月) 10:43:34.41 ID:czil7Dr+O
まだかしら
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/10/29(月) 15:38:08.62 ID:3QYeCCbA0
おっSS板復活しとるやんけェ!
更新楽しみに待ってるからな……
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/11/04(日) 21:32:09.99 ID:4eHZoD5h0
いつまでも待つで
897 : ◆GmHi5G5d.E :2018/11/16(金) 16:57:04.65 ID:rKFAVeBwO
復活してた……!?
しょしょしょ少々お待ちを、別に油断してたとかそういうのではないので……!!
898 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/16(金) 17:00:55.52 ID:rKFAVeBwO
sage忘れてたすんません!!!
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage ]:2018/11/16(金) 19:25:09.41 ID:AOZipXyB0
>>898
おおお落ち着け!ここはお前さんのスレだぞ!
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/16(金) 22:51:59.81 ID:ICPG6CGRO
901 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:02:48.56 ID:fIC7lgGL0

………………

バットマン「……これ、は……植物園のハズだが」

フォウ「フォーウ……」ピコピコ

ジキル「結界で覆われてるね。ちょっとやそっとでは壊れないモノだ。この性質、時間も分断してるのか……?」

モードレッド「ブラックボックスってか。この感じ、多分ナーサリーのヤツだな……どうする?」

バットマン「ドクター、この結界に入る方法は?」ピッピッ

ドクター『通常なら入れない……けど、マシュが持ってる通信機が中継の役割を果たしてて……えーと、端的に言うとブルースくん、キミだけが入れる』

バットマン「成程」

902 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:04:29.35 ID:fIC7lgGL0


バットマン「では、私が先に行く。二人は結界が解けた後に来てくれ」

モードレッド「おう、分かったぜ」

ジキル「分かった。……気を付けてくれ、ブルース」

フォウ「フォウ、フォーウ!!」パタパタ

ドクター『本当に気を付けてくれ。その結界の中は、繰り返された時間のせいで座標も時流も滅茶苦茶だ。正直、キミを送り込むのだって……』

バットマン「必ず戻る、ドクター。マシュの観測を続けてくれ。私はそこへ辿り着く」

ドクター『……頼んだよ。……僕、卑怯な立場だな、ホントに』

バットマン「最も苦しい立場だ。……行ってくる」ズォォォォォォォォォォォ……

903 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:05:18.57 ID:fIC7lgGL0



………………


所長「……」ジッ

ドクター「……」チラッ


ドクター(所長は……あのお茶会以来、取り乱す事が少なくなった。今、ブルースくんが結界の中へ入っていったのだって……いつもなら、必死で止めてた)

ドクター(でも、今は落ち着いてる。いや……落ち着こうと、してる)


所長「何よ」

ドクター「い、いいえ!」


ドクター(……やっぱり、マシュへの態度が普通になったのと関係してるのか)


904 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:05:50.65 ID:fIC7lgGL0


職員A「……ブルースさんの肉体、観測順調……結界のはざま、虚数空間へ移入開始。肉体を存在防護式で覆います」カタカタ、カタカタ

職員B「電子機器の稼働式にIF欄を追加。非存在の存在特定を開始」ピッピッ

職員C「シバのレンズを一枚、虚数空間の観測にあてます。角度調整」カタカタ、タンッ


ドクター「……レオナルド、そっちは?」

レオナルド「んー? 順調だ、機器に異常なし。……そっちはどう?」

ドクター「ああ、こっちにも異常はない。……うん、順調だ」

レオナルド「そうか。……キミ自身はどうだい、ロマニ?」

ドクター「僕? なんで僕が……」


ドクター(……)


905 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:06:33.09 ID:fIC7lgGL0



ドクター「……あぁ、ダビデの事かい?」

レオナルド「……」

ドクター「そうだな、僕たちのサポート不足もあっただろうね。ベインとかいう化け物も出て来たらしいし、消えたのも、仕方ない。割り切ってるよ」

レオナルド「…………」

ドクター「……確かに、ちょっと言い過ぎたけど、それだけだ。サポートに戻るよ」

レオナルド「……」


レオナルド(素直じゃないよなぁ、カルデアの面子って)


906 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:06:58.81 ID:fIC7lgGL0


職員C「……ま、待ってください。おかしい、計器の故障……いや、これは……」

レオナルド「どうした?」

所長「まず報告をしなさい」

職員C「きょ、虚数空間内に魔力反応を観測しました!」

ドクター「何? 虚数空間の、中にだって?」

職員C「機器の誤作動……いえ、反応がどんどんブルースさんに近付いています! これは……!?」

ドクター「くっ、ブルースくん! 聞こえるか、ブルースくん!?」


907 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:07:28.75 ID:fIC7lgGL0



………………

バットマン「……」


バットマン(また、この空間か……土の橋じみたものが、闇の奥までずっと続いている)

バットマン(闇の中には、ばら撒かれたような光の粒たち。星々。……時流に流された時の事を思い出す……)


(((おとう、さん……おかあさん……)))


バットマン(……進み、先に待つものを確かめる)


バットマン「……」スタスタ


通信機『』ザザザ……ザザザザ……


908 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:08:21.25 ID:fIC7lgGL0


バットマン「……」スタスタ

バットマン「……」スタスタ……ピタッ


ダビデ「……」


バットマン「……ダビデ?」


909 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:08:59.16 ID:fIC7lgGL0



ダビデ「ん? おや、キミもここに? 流された……ワケじゃ、無さそうだな」

バットマン「何をしている? 何故……いや、確か、以前も……」


バットマン(そうだ。以前も、消滅したサーヴァントがここに……)


ダビデ「はは、『絆』がロープみたいになってるのかな。また会えて嬉しいよ」

バットマン「……ああ。……すまない。ベインに対抗もできず、お前を失った」

ダビデ「会って早々に雰囲気を暗くしようとするな!? いや、キミらしいけど……良いのさ、後悔はない。進もうブルース、そのために来たんだろう?」

バットマン「……ああ」


910 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:09:32.76 ID:fIC7lgGL0


バットマン「……」コツ、コツ

ダビデ「……正直、キミが時流に流されないのはおかしいと思ってる。精神が強靭だと言っても、限度があるからね」テクテク

バットマン「……?」

ダビデ「あー、つまりだ。キミの精神や肉体は、とある目標に引力じみて引き付けられているんだ。とても大きな目標だ」

バットマン「目標……」

ダビデ「うん、そうだ。信念と言い換えても良いかもしれない。……言わずもがな、かな? 多分、マシュだね」

バットマン「……」


911 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:10:18.56 ID:fIC7lgGL0



バットマン「私が、マシュに……」

ダビデ「ははは、あくまで予測の話だよ。でも、キミ、彼女が大事だろう?」

バットマン「ああ。私は彼女が大切だ」

ダビデ「それは、ある意味では、世界の理を超えた思いの強さだ。……ブルース、確認をしておきたい。野暮な事でも、残酷な事でも。これは僕の役目だと思うから」

バットマン「何だ」

ダビデ「キミは、世界が滅んでも……彼女を助けたいと思うかい?」


912 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:10:52.83 ID:fIC7lgGL0



バットマン「世界が、滅んでも……?」

ダビデ「うん。世界と彼女を秤にかけた時、彼女を助けるかい?」

バットマン「……」


バットマン(考えた事は、あった。何度もその瞬間はシミュレーションしてきた。その選択の瞬間、私自身が冷酷であれるように。最善の選択を行えるように)

バットマン(マシュだけではない。所長も、ドクターも、レオナルドも、職員達も……全員だ。全員を、秤にかけ続けて来た)


ダビデ「ああ、うん。分かった」

バットマン「……まだ何も答えていないと思うが」

ダビデ「その沈黙が答えみたいなものさ……」


913 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:11:31.34 ID:fIC7lgGL0


ダビデ「そうか。良かった」

バットマン「何がだ」

ダビデ「キミをマスターに持てて良かったって事さ。全く、キミって性急だって言われた事無いか?」

バットマン「……」

ダビデ「あるんだ……その誰かさんも苦労してるね。こりゃこの先大変だ」

バットマン「……悪かった」

ダビデ「別に謝れとは……あぁほら、着きそうだ。僕はここでお別れだね」

バットマン「……必ず世界を、」

ダビデ「救え、とは言わないさ。ただ、自分で考えて欲しい。自分のために戦えないヤツが、世界を救えるハズもないしね……そうだろ、ブルース?」

バットマン「……恩は返す」

ダビデ「カッタいなぁ!!」


914 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:12:02.19 ID:fIC7lgGL0


………………

バットマン「……」スタッ

バットマン(あの妙な空間を抜けた。ここは……植物園内部か)キョロキョロ


空間「」グニャァァァ……

空間「」バチッ、バチチッ‼


バットマン(……急がなければ。良くない事が起きているようだ)スタ


915 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:12:29.56 ID:fIC7lgGL0


ドシ、ドシ……


バットマン「……」スッ


スケアビースト「……」ドシ、ドシ

ナーサリー「……」ボソボソ……

パラケルスス「くっ……」ジリッ



バットマン(マシュ、ジャック、フランは倒れている。ナーサリーは何かを詠唱中……アンデルセンは、居ない。間に合わなかったか)チラ

バットマン(敵対しているのは、スケアビーストと……白衣の男。十中八九『B・P・M・S』の一人。成程、ナーサリーの能力に賭けたかアンデルセン)

バットマン「……さてどう救出するか」


916 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:13:03.47 ID:fIC7lgGL0


スケアビースト「……」ドシ、ドシ


バットマン(このままではナーサリーが殺される。だが私一人飛び出したところで、叩き潰されて死ぬのがオチだろう)

バットマン(経路を算出。モードレッドがこちらに辿り着くまでの最短時間、最長時間それぞれの計算。そして時間稼ぎ……久々に搦め手と行くか)プシューッ……

バットマン(……)シュポッガシッ、ギュィィィィィィィィッ


917 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:13:45.40 ID:fIC7lgGL0



………………

パラケルスス(あれから何分が経過した? いや、何時間? 分からない。ただひとつ言えるのは、敵の増援は確実に到着しているであろうという事……)

パラケルスス(ナーサリー。油断していた。まさかここまで、てこずるとは……まだ計画は最終フェイズに入っていない)

パラケルスス(スケアビーストには言葉も通じない。……申し訳ありません、マキリ。私の、迂闊……)


ドドォン……‼

スケアビースト「……!?」

ナーサリー「っ」

パラケルスス「何の音だ!?」


918 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:15:17.51 ID:fIC7lgGL0



 植物園二階から突如響いた爆音に、その場に居た全員の視線が飛んだ。その隙に、倒れていたジャックがまず闇に引きずり込まれた。

「一体……」

 ナーサリーが呟き、しまったと口を抑える。詠唱が途切れた。ブラックボックスじみた結界が解除されている。つまり、もう、時間のループは行えない……

 その事実に、次いでパラケルススが気付く。今の爆音が何であろうが、チャンスだった。即座に行使された魔法、炎が飛び出しナーサリーを狙う。スケアビーストがそれに追従するかのように飛び掛かる。

 が、更なる破壊音が響いた。パラケルススは構わず攻撃を続けようとし……おのれの迂闊を、またしても呪った。破壊されたのは、二階の足場の、片方の留め金。振り子運動に乗り、破城槌じみて、パラケルススへ足場が追突した。

「っぐぅ……!?」


 吹き飛び、転がるパラケルスス。スケアビーストが思わず振り返る。その瞬間、さらに闇から腕が伸び、今度はマシュとフランを二人引きずり込んだ。


 ナーサリーはハッと後ろを振り返る。闇から歩み出る者があった。それは夜に混じるコウモリのように、瞳だけを光らせ、じわりと染み出すようであった。

「よくやった、ナーサリー」

 いかつい見た目に反し、優しい声がかけられる。ナーサリーは安堵と、重圧と、悲しみが一気に胸の中で爆発するのを感じ、大粒の涙を流しながら声を上げる。

「ご、めんなさい、アンデルセンが、アンデルセンが……」
「分かっている。大丈夫だ」

 大丈夫ではない。だが、ナーサリーは安心してしまう自分の不甲斐なさに更に涙をこぼす。スケアビーストが振りむき、口から黄色いガスを漏らしながら唸る。

「バァァァァァァァァット、マン……!!」
「待ちかねたか、スケアクロウ。来たのは私だけではない」

 バットマンが言い放つのと同時、怒れる闘牛じみた豪快な足音が廊下から響き始める。パラケルススは起き上がりながら、それを見る……全身から殺気を放ち、大股で駆けて来るモードレッドを。


「吹っ飛ばしてやらァ!!」


 彼女は叫び、剣を抜き放った。その刀身を赤いスパークが走った。


919 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:16:42.59 ID:fIC7lgGL0



モードレッド「死ねェ!!」グオォォッ

スケアビースト「!!」ガッ、ギリギリギリギリィ‼

モードレッド「……随分好き勝手やってくれたみてえだな、オレの仲間に……」ギリギリギリギリ……

スケアビースト「グルォァ……」ギリギリギリギリ……フシュゥゥゥゥッゥ……

モードレッド「うっ、なんだこいつ、ガス吐きやがった……!?」

バットマン「吸うな! 恐らく高濃度の恐怖ガスだ!」

モードレッド「おせえよ! 吸っちまったぞ……ぐぅっ、ふらつく……」

バットマン「チィッ」シュパパパッ


バットラング「「「」」」ヒュオォォォォォォッ


スケアビースト「!!」パシシィ‼


920 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:17:11.73 ID:fIC7lgGL0


モードレッド「っ、クソッタレがァっ!」ブォンッ

スケアビースト「ガアッ!?」ドサァッ、ゴロゴロ……

モードレッド「くっ……ちくしょう、俺に近付くんじゃねえ……」フラフラ

スケアビースト「ぐっ、くっ……」スルスルスル……

スケアクロウ「……ぐぅぅぅ……」グッタリ


パラケルスス「しまった……!」


パラケルスス(スケアビーストの維持時間が限界か……! 形勢も最早逆転、逃げるしかない!!)


921 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:17:57.02 ID:fIC7lgGL0


パラケルスス「スケアクロウ! 撤退です、このまま理想を潰えさせるわけにはいかない!」

スケアクロウ「……行け……置いて……行け」

パラケルスス「何を馬鹿な……!」ガシッ、グイッ

スケアクロウ「……」グッタリ


バットマン(逃げられる)

バットマン「ナーサリー、追撃を行えるか!?」

ナーサリー「魔力が、足りなくて……!」

モードレッド「……クソ……! クソ、俺から……! 俺から、離れろォォォォォオオォォォ!!」ギュィィィィィィィィィ‼


バットマン「何を……!」

バットマン(まさか、宝具を発動しようとしているのか!?)


922 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:18:27.33 ID:fIC7lgGL0


モードレッド(大丈夫!! 大丈夫だ!! オレは平気だ……! 平気だ! 吹き飛ばす! 父上……違う、敵を! 今の敵に集中しろ!)

モードレッド(今、戦場から逃げる腰抜けが敵だ! 逃がしてたまるか! 吹き飛ばす! ツケを払わせる! フラン達にやった事を償わせてやる!)


モードレッド「離れろブルース!! 撃つぞ!!」ギュイィ、グォォォォオォォォォオォォ

バットマン「……!! 伏せろナーサリー!!!」ガバッ

ナーサリー「きゃっ!?」


モードレッド「『我が麗しき父への叛逆』(クラレント・ブラッドアーサー)!!!」ギュガガガガガァァァァァァァァァァァァァッ‼



923 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:19:02.14 ID:fIC7lgGL0



パラケルスス(計算、通り)ニヤリ


バットマン「……!?」



パラケルスス「その宝具、頂きます。『元素使いの魔剣(ソード・オブ・パラケルスス)』」ギュォォォォォォォォォォォッ‼

短剣「」パキ……パキィ……

パラケルスス「霊子解析……侵食、完了」キィィィィィィ……ン


モードレッド「馬鹿な、止められた!?」

バットマン「モードレッド、かわs……」


パラケルスス「『我が麗しき父への叛逆』(クラレント・ブラッドアーサー)」ドガガガガガガガガガガガガガァァァァァァッ‼



924 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:19:56.54 ID:fIC7lgGL0


パラパラ……

パラケルスス「……ふぅっ、これで逃げる時間は稼げたハズ」

スケアクロウ「……下ろせ、パラケルスス。一人で歩ける……」

パラケルスス「スケアクロウ、回復しましたか。共に施設へ戻りましょう、我らの理想にはいささかの揺らぎも……」

スケアクロウ「いや、無理だ。バットマンが来た……バットマンが、来た。最善策を取らなければ、終わりだ」

パラケルスス「……」

スケアクロウ「ここで分かれて、混乱させる。お前は戻れ、パラケルスス。私は、別の方向へ行く」

パラケルスス「……そこまで恐ろしい相手なのですか、あの男は」

スケアクロウ「どんな窮地でも乗り越え、我々を止めに来る。行かなければ……少しでも、理想の世界の可能性を上げねば」

パラケルスス「……」


925 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:20:47.34 ID:fIC7lgGL0


パラケルスス「……私は」

スケアクロウ「……」

パラケルスス「私は貴方を、心から尊敬します。同志スケアクロウ」

スケアクロウ「尊敬は要らない。お前達の理想を作るがいい」

パラケルスス「……さらばです、スケアクロウ」ダッ

スケアクロウ「フン……」


926 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:21:44.16 ID:fIC7lgGL0



スケアクロウ「……」


スケアクロウ(……そうだ。世界の本質は今見ている、霧がかった恐怖のるつぼであるハズなのだ)

スケアクロウ(奴らがその目に宿す強い希望など、所詮はまやかしに過ぎない)

スケアクロウ(世界は終わる。私は、奴らの『理想の世界』とやらには行かない。ここで死ぬ)

スケアクロウ(ありったけの恐怖と共に、死ぬのだ。真理を見た私に、後悔など無い……)


スケアクロウ「……そうだ、最初からそうだったのだ……」ヨロヨロ



927 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:22:23.77 ID:fIC7lgGL0



………………

バットマン「モードレッド、無事か!!」ダダッ

モードレッド「……ぐっ、大丈夫だから、近寄るんじゃねえ……」グッタリ

バットマン「傷の様子を見せろ」ガシッ


バットマン(……宝具の跳ね返しを受けたが、鎧が殆ど受け止めている。うまく受け流したようだ)


モードレッド「俺はいい、クソ、追わねえと……!」グ、プルプル……

バットマン「ああ、すぐに追う。……マシュ達の様子も見なければ……」

ジキル「みんな! ようやく見つけた……!」タッタッ

フォウ「フォウ、フォーウ!!」テテテ

バットマン「ジキル博士、フォウ、無事だったか」

ジキル「置いて行かれて、ずっと彷徨ってたんだ……! この中迷路みたいだし!」ゴホッゴホッ

フォウ「フォウ、キュ、フォーウ」パタパタ


928 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:23:00.13 ID:fIC7lgGL0


ジャック「おかあさん! おかあさん!」タタッ

フラン「う、ウゥ……!」ムクリ

マシュ「……マスター?」フラフラ


バットマン「起きたか。ダメージはどれほど受けた?」


ジャック「ぜんぜんへいきだよ!」

フラン「問題、ない……」

マシュ「……ガスを吸ってしまいましたが、戦えます、私は大丈夫です」


バットマン「よし。ならもう一度役割ごとに再編成を……」

ドクター『もしもし、ブルースくん! 大変だ、霧の中の魔力反応を追跡していたんだけど……二手に分かれた!』

バットマン「何だと?」


929 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:23:38.86 ID:fIC7lgGL0



バットマン(……流石に真っ直ぐ帰るほど油断しきってはいないか。ならば……)


バットマン「予測進路をレーダーに表示してくれ。二手に分かれて追う」

ジキル「な……それは、無茶じゃないか!?」

バットマン「やらなければ、ジキル博士。このまま振り回され続ければ、奴らの方が準備を整えてしまうだろう。奴らが何をするつもりにしても、我々は敵に時間を与え過ぎた」


バットマン(そう、時間を与え過ぎた。嫌な予感がする。妙に素直に引いて行ったベインも、油断できない要素の一つ……)


バットマン「とにかく、奴らの目論見は達成寸前だろう。奴らが世界を壊す前に、こちらが出向いて阻止しなければ」


バットマン(見る限り、マシュ、モードレッドは恐怖ガスの影響下。能力的には半減したとみていい……)


バットマン「ナーサリー、恐怖ガスの解毒剤の原料は手に入れたか?」

ナーサリー「え、えぇ、勿論よ。はい、これ……」スッ

ジャック「あっ、わたしもがんばったよ! これ!!」

バットマン「よし……」



930 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:24:32.99 ID:fIC7lgGL0



ジキル「……分量、30グラム……」

ドクター『ステロイドを』

ジキル「成程……ブルース、ちょっといいかい?」

バットマン「どうした、ジキル博士」

ジキル「植物の量が足りない。解毒剤は作れるが、これではせいぜい一人分のみだ。……どうする」

バットマン「……」

モードレッド「俺達には要らねえ。戦えるのに、そんなモン要るか」

マシュ「……はい、平気です。それより、マスターこそ……」

バットマン「……」


931 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:25:05.91 ID:fIC7lgGL0


バットマン「ジキル博士、緩和剤は何本ある」

ジキル「一応、三本持って来てるけど……」

バットマン「マシュ、モードレッド、私でそれを飲む。私達三人がスケアクロウの追跡にあたる。ジキル、ナーサリー達と共にパラケルススの追跡を頼む」

ジキル「ぼ、僕が!?」

バットマン「キミなら大丈夫だ。通信機を持ってくれ」スッ

ジキル「や、やるだけやるけど……」パシッ

バットマン「では解毒剤の精製を、博士。完成し次第、追跡を始めるぞ」



932 : ◆GmHi5G5d.E [saga]:2018/11/17(土) 01:25:47.72 ID:fIC7lgGL0



………………


ワトソン「全く、何だ今の爆発は……ロンドンはどうなってしまうんだ」


ワトソン(ホームズ、これは大変な事件だぞ。こんな時に君は一体どこへ行ってしまったんだ……)


チュドォォォォォォォォォン……


ワトソン「……また! あれは植物園の方か、うぅむ……」

ワトソン「……今回行くのは僕だけか。ホームズのファンにはウケないだろうな!」スタスタ


933 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/17(土) 01:28:22.26 ID:fIC7lgGL0
今回の更新はここまでです。お付き合い有難うございました。
なんだかスレがバグってますかね……? 更新にも一苦労だったので次の更新の時は次スレを立てますね。
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 10:08:13.63 ID:D6Gkt03uo

変なバグか散見してるからスレ立ても様子見した方がいいかもしれない
935 : ◆GmHi5G5d.E [saga sage]:2018/11/17(土) 12:50:00.57 ID:fIC7lgGL0
うぅん、どうしましょうか……歴が浅いので、情けないですがこういったトラブルへの対処方法が浮かばず……
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 15:35:27.93 ID:4Vuos+JwO
おつ
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/17(土) 17:23:07.32 ID:D6Gkt03uo
暫く書き溜めに専念しとくのがいいけど
荒巻だから治る保証もないのが困る
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/19(月) 15:32:42.00 ID:XZ7uoqQA0
わぁいイッチ生きてた、よかったー嬉しい!
のんびり待ってるから慌てんでいいのよー
939 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/20(火) 01:28:39.83 ID:GYV8vN900
スレ立てすらできないという現状……申し訳ない、言われた通り大人しく書き溜めに専念します
940 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/20(火) 15:13:12.99 ID:Jv0JlffCO
バットマン「グランド……オーダー?」レオナルド「その3だね」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1542694051/

立っ……うぅむ……調子が微妙なところですが、一応貼っておきます
941 : ◆GmHi5G5d.E [sage saga]:2018/11/20(火) 15:19:33.46 ID:Jv0JlffCO
HTML化依頼も出してきます。
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/20(火) 15:58:22.59 ID:4Ms+6ZtA0
乙乙
新しいスレにのりこめー
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256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
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