【ミリマス】春香「千早ちゃん、プロデューサーさんに構って欲しいんじゃないの?」

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1 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:45:28.11 ID:moZUOvcc0

如月千早(以下、千早) 「始業より少し早め……よし」

ガチャリ

千早 「おはようございます、ぷろでゅー……」

天海春香(以下、春香) 「あっ、千早ちゃん!おはよう」ニコニコ

千早 「春香?お、おはよう……」

千早 「今日は随分と早いのね?家遠いのに……」

春香 「えっへへ……ちょっと早くに来たら、プロデューサーさんとゆっくり出来るかなって」

千早 「プロデューサーと……そう」


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2 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:46:07.01 ID:moZUOvcc0

春香 「もう、折角ブラウニーに作ってきたのになぁ……」プクー

春香 「そうだ、千早ちゃんにもあげるね!私の自信作!」

千早 「あ、ありがとう……大事に食べるわね」

春香 「後で感想聞かせてね!」

千早 「ええ……分かったわ」
3 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:47:54.29 ID:moZUOvcc0

春香 「そういえば……千早ちゃんはどうして早めに来たの?」

千早 「えっ?そ、それは……」

春香 「?」

千早 「……少し、プロデューサーと話がしたくて」

春香 「?悩み事なら、私が相談に乗ってあげるよ?」

千早 「な、悩みって程の事じゃないのよ?」

千早 「ただ……その」モジモジ

春香 「?」

千早 「……最近、あまりプロデューサーと話せてなかったから」シュン

春香 「ふーん……?」ニヤニヤ

千早 「……な、なに?」
4 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:49:24.22 ID:moZUOvcc0

春香 「それって、もしかして……」

春香 「千早ちゃん、プロデューサーさんに構って欲しいんじゃないの?」ニヤニヤ

千早 「そ、そんな事ないわよ?」カァアア

春香 「でも、話したいんでしょ?」

千早 「…………」コクリ

春香 「確かに、最近プロデューサーさん忙しそうだもんね……」

千早 「静香に志保に……後輩たちがいっぱいできたもの、仕方ないわ」

春香 「千早ちゃんは大人だなぁ……」

千早 「……大人になんてなれてたら、こんな事してないわ」

春香 「……そっか、そうだよね」
5 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:50:50.16 ID:moZUOvcc0

千早 「…………」シュン

春香 「……よーっし、千早ちゃん!折角だし、プロデューサーさんに何かお願いしに行こうよ!」

千早 「お願い?」

春香 「そう!アイドルに関係する事なら、プロデューサーさんも仕事として聞いてくれるでしょ?」

千早 「それは、そうかもしれないけれど……」

春香 「良いから良いから!」
6 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:51:36.25 ID:moZUOvcc0

春香 「千早ちゃん、何か困ってる事とかないの?例えば歌とか」

千早 「歌で困ってる事……そうね」

千早 「それなら、客観的な意見がプロデューサーから欲しいわ」

春香 「客観的?」

千早 「ええ、歌っている本人じゃ分からない事も沢山あるから」

千早 「人から聞いて、調整した方が良いかもしれないと思って」

春香 「…………」のワの

千早 「……春香も気にした方が良いわよ?」

春香 「うう……気を付けます」
7 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:53:08.04 ID:moZUOvcc0

ガチャリ

ミリP(以下、P) 「おはよう!二人とも早いな?」

千早 「おはようございます、プロデューサー」ペコリ

春香 「えっへへ、ちょっと渡したいものがありまして!」

P 「渡したいもの?」

春香 「はい!これです!」スッ

P 「おっ、お菓子か!ありがとう!」パァアア

春香 「お仕事で疲れた時に、どうかなーって……」テレ

春香 「良かったぁ、喜んでもらえて……」ホッ

P 「春香のお菓子は美味しいからな!」
8 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:54:07.69 ID:moZUOvcc0

P 「うん……これで、今日はなんとか乗り切れそうだ」

千早 「?今日、ひょっとしてお忙しいんですか?」

春香 「そういえば、小鳥さん達がいないような……」

P 「ああ、二人ともちょっと今日は休みでな」

春香 「へっ?そ、それじゃあ……」

P 「生憎、今日は一人で書類作業だな……ハハ」
9 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:55:43.48 ID:moZUOvcc0

春香 「そ、そうなんですかー……」チラッ

千早 (それなら、あんまり困らせるべきじゃないわね……)シュン

春香 「千早ちゃん」ツンツン

千早 「春香?」

春香 「……折角早めに来たんだよ?もうちょっと頑張ってみようよ」

千早 「……そうね、ありがとう」
10 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:56:52.25 ID:moZUOvcc0

P 「?二人とも、どうかしたのか?」キョトン

千早 「あの、プロデューサー。実は、ちょっとしたお願いがあるんですけど」

P 「ああ、なんだ?」

千早 「実は――」
11 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:58:28.10 ID:moZUOvcc0

ガチャリ

田中琴葉(以下、琴葉) 「おはようございます」

P 「琴葉、おはよう……琴葉も朝早く来たんだな?」

琴葉 「はい、ちょっと練習に付き合って欲しくて」

琴葉 「春香ちゃんたちも朝早いんだね?」

春香 「えーっと……ちょっとね!」アハハ

P 「今日は朝から賑やかだな……」

P 「それで千早、相談ってなんだ?」
12 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 20:59:36.21 ID:moZUOvcc0

千早 「……私の方は後で良いです」

千早 「それよりも、琴葉さんの方を優先してあげてください」

P 「良いのか?」

千早 「私のは、大した用事じゃないですから……」

春香 「千早ちゃん!?で、でも……」アワアワ

千早 「良いのよ春香、まだ時間はあるから」

春香 「で、でも……うぅ」

春香 「…………」ジトー

P 「お、俺にどうしろっていうんだ……」
13 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:01:00.36 ID:moZUOvcc0

P 「それで琴葉、何の練習に付き合って欲しいんだ?」

琴葉 「はい……このドラマのシーンなんですけど」

P 「これは……この前、オーディションに受かった奴だよな?」

琴葉 「はい、あの後貰った台本を読みこんだんですけど……」

琴葉 「どうしても、最後のシーンが想像できなくて」

P 「想像?琴葉がイメージできないなんて珍しいな」

琴葉 「はい、このシーンなんですけど……」

P 「どれどれ……」
14 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:12:26.61 ID:moZUOvcc0

琴葉 「春香ちゃん達も見てもらっていい?」

春香 「良いの?それじゃ……」チラッ

千早 「学園モノ、なんですね?」

琴葉 「そうなの、高校生の役……部分は大丈夫なんだけど」

P 「ラストのシーンか」

琴葉 「はい……告白シーンが、良く分からなくて」

琴葉 「プロデューサー、お願いできますか?」

P 「ああ、勿論だ……よし」
15 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:13:42.54 ID:moZUOvcc0

P 「ちょっと台本借りるぞ、今からこのシーンだけ覚えてくる」

琴葉 「え?私覚えてるし、読みながらやったって……」

P 「折角だから、春香と千早に台本と照らし合わせてみてもらおうかなと思ってさ」

P 「監督がどう感じるかの参考にもなるだろうしな」

琴葉 「なるほど……」

P 「春香、千早、お願いできるか?」

春香 「はい、大丈夫です!」

千早 「琴葉さんの演技、楽しみにしてますね」

琴葉 「あ、ありがとう……頑張るね?」
16 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:14:36.82 ID:moZUOvcc0

春香 「でも、ドラマかぁ……良いなぁ」

琴葉 「春香ちゃん、ドラマにもいっぱい出てるんじゃないの?」

春香 「私、バラエティの方が多いから……」

千早 「それは春香が人を笑顔に出来るからだと思うわよ?」

春香 「言い方は良いけどぉ……なんだかなぁ」ムスー

P 「……よし、大体流れだけは頭に入れた」

P 「それじゃ始めるぞ、用意は良いか?」

琴葉 「はい、お願いします!」
17 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:15:10.84 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

琴葉 『ふぅ……』

P 『おっ、田中。いたのか』

琴葉 『先生……』

P 『卒業おめでとう、今日で田中ともお別れか……』

琴葉 『お別れ……』

P 『ははは、ちょっぴり寂しくなるな』
18 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:15:43.43 ID:moZUOvcc0

琴葉 『……本当に、そう思ってくれますか?』

P 『ああ、田中はずっと俺のクラスだったからな』

P 『いつも頼りにしてたぞ、委員長』ハハハ

琴葉 『もう、また委員長って呼んで……』プクー

琴葉 『……でも、ありがとうございます』クスリ
19 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:16:47.09 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

千早 「琴葉さん、流石に上手ね」

春香 「……なんでプロデューサーさんも演技上手いんだろ」ボソ

春香 「でも、今のところ何も問題ないよね?」ペラペラ

千早 「……これ、最後は悲恋なのかしら」

春香 「一応、そうだと思うんだけど……?」
20 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:17:47.96 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

P 『それで、友達の所に行かなくて良いのか?』

P 『外でお前の事、待ってたみたいだが』 

琴葉 『……忘れ物しちゃったの、思い出して』

P 『忘れ物?田中にしては珍しいな?』

琴葉 『…………』トコトコ

P 『……ん?』
21 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:19:16.15 ID:moZUOvcc0

琴葉 『先生。私の話、聞いてくれますか?』

P 『ああ……』

琴葉 『……私、先生の事が好きです』

P 『…………』

琴葉 『ずっと、ずっと前から好きでした……っ!』ウルッ
22 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:24:31.74 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

千早 「…………」ゴクリ

春香 「……見惚れちゃうね」

千早 「ええ……流石だわ」

春香 「プロデューサーさん、あんな事言われてどう思ってるのかな?」チラッ

千早 「……目が泳いでるわね」

春香 「汗も出てきてるね」

千早 「…………」ジトー

春香 「デレデレしちゃってぇ……」プクー
23 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:25:54.56 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

P 『た、田中……それはだな』

琴葉 『分かってます、先生を困らせちゃうって』

琴葉 『それでも……伝えたかったんです』

P 『……そうか』

P 『悪い田中、俺は……その想いには応えてやれない』

琴葉 『…………』ホロリ

P 『田中……』
24 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:26:39.75 ID:moZUOvcc0

琴葉 『な、なんでかな……うぅ』ポロポロ

琴葉 『分かってた筈なのに……涙が、止まらないんです』

琴葉 『……最後に、一つだけお願いをしても良いですか?』

P 『……俺に出来る事か?』

琴葉 『……最後に、キスだけして欲しいんです』

P 『だが、俺は教師で――』

琴葉 『お願いです、先生……』ジリッ

P 『…………』ゴクリ
25 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:27:29.87 ID:moZUOvcc0
〜〜〜〜〜

春香 「はーい!カットですよ、カット!!」

P 「うおっ!?いきなりなんだ春香!」

春香 「なんだじゃないですよ!なんだじゃ!」

春香 「なんでそのまま続けようとしてるんですか!」

P 「そ、それは演技の為に……」アワアワ

春香 「アドリブでキスシーンとか、プロデューサーさんは入れても良いと思ってるんですか!?」

P 「そ、それは……そう言われると、確かに困るな」
26 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:28:20.38 ID:moZUOvcc0

春香 「琴葉ちゃんとちゅ、チューしたいからって続けちゃダメですよ!」

P 「そ、その言い分には語弊があるだろ!?」

千早 「…………」ジトー

P 「千早……お、俺はだな」

千早 「ふんっ」プイッ

P 「千早まで……」
27 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:29:08.64 ID:moZUOvcc0

琴葉 「わ、私ったら……」

P 「琴葉の熱演に呑まれちゃったな……反省しないと」

琴葉 「ご、ごめんなさい」

P 「謝らなくて良いよ、それだけ琴葉の演技が良かったって事だからな」

P 「でも、キスはちょっと控えてもらえると……」

琴葉 「……それは、プロデューサーが嫌だからですか?」

P 「へ?まぁ、そうなるか」

琴葉 「……そうですか♪」ルンルン

P 「それじゃ、演技の方は大丈夫そうだな」

琴葉 「はい、ありがとうございました!」
28 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:29:59.27 ID:moZUOvcc0

P 「……さて、琴葉の用事が済んだところで」

P 「千早、相談について聞かせてもらっても良いか?」

千早 「はい……実は、ボイストレーニングについてきて欲しくて」

P 「ボイトレに?でも、俺に教えられる事なんてそうそうないと思うんだが……」

千早 「ひ、人が聞いた感想が欲しいんです」

P 「感想?」

千早 「はい、だから……」

P 「そうは言ってもな……昼にかけて、ここを無人にするのはちょっと」
29 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:30:59.14 ID:moZUOvcc0

ガチャリ

桜守歌織(以下、歌織) 「おはようございます、プロデューサーさん」

P 「あっ、歌織さん!丁度いい所に!」

歌織 「良い所にって……どうかしたんですか?」

P 「はい、実は千早の歌を聴いてもらいたくて」

歌織 「千早ちゃんの?」

P 「はい、客観的な意見が欲しいらしくて」
30 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:31:41.52 ID:moZUOvcc0

歌織 「客観的、ですか……なるほど」

P 「俺ではアドバイスにならないと思うので……歌織さんなら、いいアドバイスができるんじゃないかと」

歌織 「はい、任せて下さい!」

千早 「……よろしくお願いします」ペコリ

春香 「……もう!プロデューサーさん、空気を読んでください!」プクー

P 「……!?」

31 : ◆SESAXlhwuI [saga]:2018/02/25(日) 21:32:29.96 ID:moZUOvcc0
――――― 

千早 「……流石だったわね」

春香 「歌織さん、スッゴク教えるの上手かったね……」

春香 「プロデューサーさんも聞いてくれたらよかったのに」

千早 「……そうね」シュン

春香 「千早ちゃん、どうするの?」

千早 「……春香、もう少しだけ付き合って貰ってもいいかしら?」

春香 「モチロン!」グッ
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