【安価】クリエンテスとパトローヌス

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396 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:10:18.95 ID:NpexFLYa0
>>394のステータスは”1名毎”に同じステータスがあると追記修正

安価範囲なら下
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 21:15:02.04 ID:3h9bWM+ZO
5

片方については、軽装歩兵を瞬時に殲滅できれば、撃退は十分可能です。動きの鈍い重装歩兵には、矢の的になってもらうとしましょう。よしんば生き残っても、その頃には数的に優位のはずです。
もう片方は守備に専念してもらいます。少し耐えて本隊と合流……ではダメでしょうか。

ミリスが速攻で落とせば、ディアナが遠距離からやってくれるはず、という考え。甘いかな。
398 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:48:03.55 ID:NpexFLYa0

D―自由記述


君は頭に浮かんだ答えでは無く、口を開いて出て来た言葉を選んだ。

それは意外な程にすらすらと出てくる。


「一方については、軽装騎兵を瞬時に殲滅できれば撃退は十分可能です」

「ほう」

「殲滅後は動きの鈍い重装歩兵を矢の的に。よしんば生き残っても優位の筈」

「相手は万全な装備だと解った上での返答か?」


「……もう一方は守備に専念させ、どうにか耐えて本隊と合流……ではダメでしょうか」


「俺が聞いたのは机上の空論では無く”やれるかどうか”の客観的事実だ」

「でしたら【一方は耐える以上の成果を望めます】」

「――が、【両方向から攻められた場合はかなり厳しい】かと」

「要するに『厳しいけどやれます!』って事ですね」

「茶々を入れない」

「反省してます」

「……という訳です」

「そうか。もし出来ないと言うなら口封じをさせて貰う所だったぞ」


物騒な事を言っている。

この覆面男の事だ、本当にやりかねない。

 
399 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/30(水) 21:57:13.81 ID:NpexFLYa0


「次は”動機”だ」

「動悸?」

「息切れではありませんから黙っていなさい」

「はーい」

「………」

「ど、どうぞ続けて下さい」


押し黙られると怖い。

君は覆面男に続きを促した。


「どうしてお前達は俺達に手を貸す?」

「……どうして?」

「何ら利点が無いだろう。なのに何故首を突っ込む?」

「えっ」



……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

A―「気分が悪いので、気分が良くなる方へと動いているだけです」

B―「理由なんて特にありません」

C―「だって末代まで噂とかされたら嫌ですし……」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/30(水) 22:02:25.58 ID:mcC05CnOO
1
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 00:29:51.86 ID:nZgGoxdO0
1
402 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 20:29:13.66 ID:RY6k5d180


君は少し考えてから答えた。


「近所で放火があっても見知らぬ顔を出来ますか?」

「少なくとも俺は出来る」

「……私はそれが出来ないんです。自分に飛び火するとしても」

「甘いですよね」

「お人好しだな」

「よく言われます」

「貶すつもりは無いが、上に立つ人間の器とは言い難い」

「………」ジーッ


エルキナが無言でこちらを見ている。

村長の言葉に反応した様に見えたが……。

 
403 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 20:47:04.97 ID:RY6k5d180


「――が、お前に何ら悪意は無いというのが感じられた」

「!」

「故に動悸も良しとしよう」

「ありがとうございます」

「………」ジーッ


エルキナはまだこちらを見ている。

何か言いたげな顔だった。



「次は”意志”だ」

「【誰かが死んだとして、お前達は俺達に力を貸してくれるのか?】」

「…………」

「これ以上戦えないからと言って、逃げ出されるのは迷惑だ」

「こちらは要らぬ心配事を増やしたくは無い。それが解るか?」

「少しだけ考えさせてください」

「5分やる。納得できる答えを出して見せろ」


……君はどう返答する?


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

A―「勿論です」

B―「今更答えなければならない事ですか?」

C―「いいえ。領地をこの村と心中させる気はありません」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (投下より5分で判定。レスが無ければ自動で@を選択)
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/31(木) 21:03:20.61 ID:vpru5xyfO
これは普通は1だよなあ。
405 :>>403 故に動悸も→動機  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 21:09:09.77 ID:RY6k5d180


「例え領主である私が死すとも、必ず貴方達を支援すると約束します」

「それが答えか」

「……はい」

「お前達はそれで良いのか?」

「大体同じです」

「それが領主さまの意志であるならば」

「処世術を抜きにしても、私だって助けられる者は助けます」

「………」

「どうでしょうか?」

「【信用する】としよう」


ここまで来て信用しませんと言われたらどうなるのか。

もしそんな言葉が返って来る選択肢があるなら、選んでみたいものだ。

 
406 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/05/31(木) 21:22:07.95 ID:RY6k5d180


「最後に”これからの予定”を聞く」

「いついつ何をやる予定の事ですか?」

「そうだ。【重要な事を掻い摘んで言え】」

「全て?」

「【可能な限り】」

「これは難しいですわね」ボソッ

「そうでしょうか」

「ええ。だってティオニクス様は【週初めしか】聞いておりませんもの」ボソボソ

「細かい報告はしておりますが?」

「少し経てば忘れてますよ」

「なんという無能領主」

「いっくし!」

「仕方ありません。あちらの都合という物でしょう」

「……?」ズズ


後ろで何やらヒソヒソ話が聞こえる。

貶されているような、そうでないような……とても不思議な感覚だ。


↓1〜2 自由記述 (今後の予定を出来るだけ簡潔に)
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/11(月) 19:18:22.56 ID:CSlTDf+Po
ヒントが欲しいところだが…安価下
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/12(火) 00:32:21.09 ID:vbRGsVfp0
防衛の話はしたから、攻める人の作戦の方かね? 攻める作戦は攻めてみないと分からないけど、何か言うことあったっけ?
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/14(木) 08:38:24.69 ID:h6uqZyVwO
ユリウスの月に攻め入って、それまでのあと2週の予定ですかね?
410 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/17(日) 21:30:05.64 ID:q0RiFA890

生存報告ついでに ヒント

今スレ
>>277 >>362

4スレ
>>48 >>213

3スレ
>>571


一部関係の無いものも含む
村長は真面目な話以外も反応します

再開は6/18 19:00 以降を予定
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 00:33:20.59 ID:X6qfpQWu0
取り敢えず来週に自領内の陣地作成が完了。
西の大きな川がメッサーラ公の領地と繋がっている?
そして、メッサーラ公に軍備を整えていることがバレているかもしれないとかでいいんだろか? 他にも何かあればお願いします
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/19(火) 23:17:25.44 ID:EEWnJp41O
西の川がメッサーラ公の領土と繋がっている?(流れ着いてきたりなど)。そして、軍備について知られているかもしれない。
陣地作成が完了すればこちらとしての準備は整う(そちらは軍備としてはどのくらいを相手できるのか?)
すまんけど、悪い感じに傾いたらすまん
413 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:18:39.47 ID:f5qSAkBX0


「……様、領主様」

「!」

「村長がお待ちしております。ご決断を」

「あ、ああ」


ドミニクは君に返事を促している。

思ったより長い時間を思考に費やしていたようだ。


「取り敢えず、来週には領内で進めていた陣地構築が完了します」

「そうか」

「あとこれは非常に申し上げにくい事なのですが……」

「メッサーラ候に【軍備を整えているのがバレている】かもしれません」

「いつ知った」

「先週です。領地に届いた書状で招待してくれと」

「……それらしい口実にかこつけて【何か仕掛けてくる】だろうな」

「やはりそう思いますか」

「ああ。【俺ならそうする】」


村長は多分に含みを持たせて言い放った。

何かとは何だろうか。

414 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:19:35.49 ID:f5qSAkBX0


「ところで――」

「なんだ?」

「そちらの【軍備】は幾ら有って、【どれだけの規模】を相手できるのでしょうか」

「………」

「?」


村長は質問に答えようとしない。

不審に思った君はある言葉を彼に投げかけた。

415 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:25:52.41 ID:f5qSAkBX0


「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「」
416 :>>415はミス  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 20:31:27.36 ID:f5qSAkBX0


「まさか、【軍備が無い】とは言いませんよね」

「フッ」

「……冗談ですよね?」


鼻で笑われた。

これは一体どういう意味を指しているのか。


「疑うなと貴様に言っても無理だろうな」

「そもそも手の内全然晒しませんし」

「貴女は黙っていなさい」

「チッ……すみませんでしたー」

「ティオニクス様。この従者どうにかなりませんの?」ボソボソ

「どうにか出来たら苦労してないと思います」

「それもそうでしたわね……」


ルチアは一々茶々を入れないと死んでしまう病気なのか。

君は溜息を小さく吐いて、村長の次の言葉を待つ。

417 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:01:53.64 ID:f5qSAkBX0


「村の【入口に轍】があっただろう」

「確かに不自然な大きさが森に向かって……」

「あれは【カタパルトとバリスタ】の物だ」

「攻城兵器ですの!?」

「ああ」

「という事は……運用できるだけの人員が居る訳ですね?」

「いや、人が居ないから【一度撃った後は捨て置く】つもりだ」

「はい?」

「【俺達は8人】で、その内1人は戦える状態では無い」

「………」

「どう考えても無謀ですね」ボソッ

「貴女と意見が合うのは不本意ですが……無謀ですわ」ボソッ

「聞こえているぞ」

「……」ダラダラ


どうしてこう、うちの女性陣はこうも遠慮が無いのか。

君の胃は締め上げられるようにキリキリと痛んだ。

418 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:21:10.77 ID:f5qSAkBX0


「並の闘士が相手なら負ける要素は無い」

「そりゃ貴方はそうでしょうけど……」

「俺”も”だ」

「えっ」

「俺達は皆【そういった訓練】を受けて来た」

「あの」

「なんだ?」

「……もし【熊を相手する】なら何人掛かりですか?」

「対象【1に対して3】で十分だ」

「うわぁ……」


君は記憶の隅にある熊との交戦を思い出していた。

あの時は確か【6人】だったような……。

419 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/27(水) 21:44:11.32 ID:f5qSAkBX0


「お前達が戦えるのは解った」

「ありがとうございます」

「今から作戦の日時と詳細を話したい――」

「やっとですか」

「…が、その前に情報の整理も兼ねて再度聞こう。お前達から何か聞きたい事は無いか?」

「何かあります?」

「あるかもしれませんし、ないかもしれません」

「どちらにせよ聞ける事は今のうちに、ですわね」

「……」 (やけに説明口調だな……)



……君は何か質問をする?

しないならDを選んで【質問をしない】とすれば良い。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「これって何の為にやる……」 ラ「お前は今まで何を聞いていたんだ」

A―「争いが終ったらある人に伝えたい事が……」 ラ「死にたくないなら止せ」

B―「なぜ重装兵と騎兵って解ったんですか?」 ラ「敵を知るのは戦いの初歩だ」

C―「闇市で取り扱う商品は?」 ラ「人身」 ティ「えっ」 ラ「冗談だ」

D―自由記述

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 21:44:36.71 ID:vOQOtf9Yo
3
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/06/27(水) 21:50:02.55 ID:ZNc6KDFuO
5
あなた方がただ者ではないのはよく分かりました。……何者なんです?
それに、どこでそんな訓練を?まだ、戦える人がいるのですよね。……あの女性も、多分。

ここまで自由記述。

そろそろ素性を明かしてもらいましょうか。あとシャド君にも出てもらおう。
422 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:15:49.87 ID:iHI708fG0



「……あなた方は何者ですか?」

「今更な質問だな」

「あの女性も戦えるんですよね? ただの村人ではないでしょうし」

「どこでそんな訓練を――」

「先の言葉通りだ」

「?」

「領主様。村長は先程【闘士】と口にしておりました」

「それがどうした」

「恐らくどこかの【剣闘士養成所】に身を置いていたのかと」

「………」

「概ねそこの従者が言う通りだ」


彼はドミニクの発言に肯定した。

剣闘士という身分は、ちょっとやそっとで解放されるものではない。

こうして解放されるまでに数多くの困難があったのだろうと君は推察する。

423 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:20:28.35 ID:iHI708fG0


「何か言いたそうだな」

「……いえ」

「そうか。質問が無いのならば本題に入ろう」

「お願いします」


君の沈黙は他人から見ても長い。

まるで流れている時間が違うかのようだ。

424 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 20:50:20.72 ID:iHI708fG0


「来週【(中間報告後)】奴の領地に侵攻する」

「【待機人員以外は北の森へ】と集合させろ」

「メッサーラ候の領地は南方ですが……?」

「俺に考えがある」

「考え?」

「ああ。西に流れる【大河を船で一気に南下】する」

「あの……【落ちたら】」

「【命の保証は無い】な」

「船の【耐久力】はありますの?」

「【岩に正面から1度接触しても】支障は出ない」

「なら安心ですわね」

「………」 (凄く嫌な予感がする。まるでぶつかる前提みたいな……)

「【積載量】はどれくらいでしょうか」

「【人数分】の物資を纏めて運搬できるが、あまり【重い物は載せない方が良い】」

「攻城兵器は……」

「森に隠してあるのは防衛用だ。あれとは別に用意してある」

「そうですか。ありがとうございます」

425 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 21:41:34.64 ID:iHI708fG0


「船で領地に入ったその後は――」

「屋敷へと直行する?」

「いや、付近にある地下道を通って行く」

「そんな道が存在するんですか?」

「ああ。あちこちに張り巡らされているようだ」

「………」 (用意周到だな……)

「流れは【船→地下道→屋敷】だ」

「【待機しているこちら】の方針は?」

「事が済むまで【ひたすら防御】に徹してもらう」

「ひたすら……」

「奴が早く根を上げれば、それだけ皆が危険に晒されなくて済む」

「つまり我々は迅速な対応が求められる」

「そういう訳だ」


426 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/06/28(木) 21:45:18.53 ID:iHI708fG0


「ここまでで何か聞きたい事はあるか?」

「私は特に」

「こちらも」

「ティオニクス様はどうでしょうか」


……質問をする?

君に疑問が無いなら話は先に進むだろう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「ありません」

A―「あります」 (自由記述)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓2 選択肢
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/01(日) 18:36:08.83 ID:VlPWEeSRO
ksk
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/03(火) 13:16:56.69 ID:XW9Gp+gIO
1
429 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 22:52:06.93 ID:2CjZdOqu0


「そうか。……では最後にもう一つだけ」

「なんです?」

「絶対に【死なないで】くれ」

「………」

「意外と言うのは失礼かしら?」

「別に。知っている者がこれ以上死んでほしくないという俺の我が儘だ」


村長の言葉を深く胸に刻み、君達は北東の村を離れる。

去る間際、黒髪の男性らしき人物が森の隙間から見えた気がした。

430 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:07:38.55 ID:2CjZdOqu0

―エルキナに相談


君はエルキナを探している。

これからの事を相談する為に彼女を選んだ訳だ。

屋敷の中にある一室に足を運ぶと、彼女はそこに居た。


「あら。ティオニクス様、どうかなさいましたか?」

「………」

「どんなに賢き者であろうと、意志を見せなければただの木偶」

「黙っていては解りませんわよ」

「……私の相談相手になってくれますか?」

「喜んで」


彼女はにこやかな表情で頷いた。

431 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:31:26.40 ID:2CjZdOqu0


「何から話せば良いのやら……」

「自身が困っている事や、したい事を口にすれば良いのです」

「うーむ」

「でしたらこちらが問いかけるとしましょうか」

「お願いします」


ティオニクス様は何かにお悩みの様子。

ここはそれらしい話題を振るのが無難でしょう。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

A―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

C―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

D―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1〜2つの質問で終了)
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 23:34:13.74 ID:YlebYdATO
2
433 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:45:39.16 ID:2CjZdOqu0

A―「領主としての立場を忘れられるなら、一体どうすればよろしいのでしょうね?」


「それは、その立場を忘れたい……という事でしょうか?」

「さぁ?」

「………」ポカーン

「忘れたい程嫌いなのかもしれませんし、ただ疲れているだけなのかもしれません」

「嫌っている……疲れている……?」

「前者であれば、世捨て人にでもなれば良いのです」

「後者であれば、原因を直接取り除けば良いのです」

「少々極端過ぎませんか。特に前者が」

「あら、そうでもありませんわよ?」


彼女は君の問いかけに、時に屁理屈じみた内容で反論してみせた。

持って生まれた口の上手さは流石と言うべきか。

こうして見ていると、残念な部分があるとは微塵も感じさせない。

434 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/06(金) 23:53:45.36 ID:2CjZdOqu0


「つまりその質問は、私がそれで悩んでいると思ったからしたと」

「その通りですわ」

「うーむ」

「別に悩んでいない事だったかしら?」

「すみません」


ティオニクス様は他の何かにお悩みの様子。

それらしい話題を振れたら私の株が上がるに違いありませんわ。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「今宵は満月だとか。私と一緒に月でも見ませんこと?」

A―「身分違いの恋に悲劇は付き物ですの。ティオニクス様はご存知で?」

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」

C―「いつか壊れるなら、いっそ動かない選択肢を選ぶのはどうでしょう?」×

D―「価値なんてありはしないというのに、何故人は人を売るのでしょうか?」

×選んだ時点で終了
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (合計1〜2つの質問で終了)
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/06(金) 23:55:36.94 ID:FTRtwnNeO
3かねえ。
436 :次投げたら終り  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 00:12:31.16 ID:B22PSVKZ0

B―「平和とは一過性のものである。先人の言葉をどう思われますか?」


「闘争を望む人間が常に存在する事を示唆しているのではないかと」

「概ねその通り」

「何か引っかかる物言いですね」

「誰であろうと他を害する時があります。それはなるべくしてそうなっただけ」

「争いを起こす人間に罪は無いと?」

「飛躍しすぎです」

「ではどういう意味ですか」

「認識の不一致」

「……不一致?」

「ええ。同じ歴史を取り扱っても、学者によっては真逆の主張にもなる」

「時が流れるにつれ、解釈の仕方に差が生まれるからこそ発生する問題です」

「………」


つまりどういう意味だろう。

僕は深く考える前に思考を停止してしまった。
437 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 00:20:19.38 ID:B22PSVKZ0

〜自己学習〜


「エルキナもやはり貴族の生まれだった」

「1人で考え込んでた時間が長い僕とは大違いだ」

「……たぶん場慣れしてるからだろうか。喋る時の振る舞いが違う」

「どうしてあれで売られる側になったのか」

「僕は不思議で堪らない」


君は書斎で一頻り呟いてから外へ向かった。

出会った相手は――


―【選択肢】―――――――――――――――――――

@―ルチア
A―ミリス
B―凄腕の剣闘士×
C―ウルリッヒ
D―ドミニク
E―アエミリウス公

×夢の続きをここで再現するとしよう。いざ尋常に……
――――――――――――――――――――――――
↓1 人物選択
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 00:27:07.09 ID:aZ9DYNfSO
こえーな。1が無難っぽいが……敢えて4にしてみよう。開戦前だし。
439 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:20:05.19 ID:B22PSVKZ0


――ウルリッヒだった。

彼は川に向かってぼんやりと釣り糸を垂らしている。


「………」

「成果はどうですか」

「ん」スッ

「どれどれ……おっ」


水を満たした容器を覗き込むと、大量の魚が窮屈そうに泳いでいた。

彼はいつから釣りをやっていたのだろうか。

440 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:27:16.72 ID:B22PSVKZ0


「自分で食べるんですか?」

「せやなー燻製にしてもええし、売っぱらうのもアリやな」

「良ければ買い取りますが」

「ハハッ。面白い冗談や」

「本当ですよ?」

「タダで寄越せとは言わんのやな」

「そこまで酷い真似は出来ません」

「おぉー優しいこって」

「………」


彼は自分の立場が危うくなれば、何時でも鞍替えすると言っていた。

腹の内では何を考えているのだろう。

あまり良い事では無いと思うが、君は詮索する事にした。

441 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:44:43.84 ID:B22PSVKZ0


「領地での生活は楽しいですか?」

「そう……やな。楽しくないと言えば嘘になるか」

「それは何故?」

「平和」

「?」

「ここは争いがあまりにも無さ過ぎるってこった」

「なるほど」

「危機感の無さそうな奴ばかりとも言えるが……」

「皆相応に持ち合わせている筈です」

「ハッ。どうだか」

「否定的ですね」

「自分が死ぬ間際になって、漸く必死になる奴はごまんといる」

「そうなってからじゃ遅いですよね」

「他人事みたいに言う立場や無いやろ」

「そうでした」

「今更とぼけたフリかいな」


彼の人生は喧騒に包まれていたのだろう。

領地に来てからずっと、居心地の悪さを感じていたのかもしれない。
442 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 20:58:11.22 ID:B22PSVKZ0


「暇そうにしてるかと思ったら、次見た時は忙しそうに動き回る」

「俺から見ればアンタもそう見えるで」

「それはたぶん、準備が足りていないからでしょうね……」

「物の準備やなくて、心構えみたいなモンが足りてないんと違う?」

「そうでしょうか」

「教育もままならん内に家を継ぐってのは、まさにそうやと思うけど」

「………」

「ま、ええわ。旦那も釣りするか?」

「……そうさせてもらいます」


一拍置いての返答は了承。

君は彼の隣で竿を水面に投げ入れた。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「水質によっちゃ生きられへん魚もおる。俺等も似た部分があるわな」

A―「余計なお世話かもしれんけど、夜は静かに寝た方がええと思うで」

B―「どれかが半壊するまでやな。旦那の方に付くのは」

C―「都合良く助けてもらえる立場ってのは、どんなモンなんやろうな」

D―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (能力上昇量は問いかけによって変化する)
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 21:03:46.82 ID:3EzHbwYMO
ここは渋く5。
444 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 21:54:33.66 ID:B22PSVKZ0

D―「どうして弱者が苦汁を舐めさせられるのか。旦那は解るか?」


「【弱者を食い物にする人間】が居るからでは」

「それもそうやろうな」

「違うんですか?」

「俺は単純に【力が無いから】やと思うとる」

「えっ」

「無法者が蔓延るのも、一部の権力者が甘い汁を啜るのも――」

「偏に力を持たないから」

「……力」

「【女子供を見れば】そんなの一目瞭然やろ」


彼は何かを思い浮かべる様に目を細めてからそう言った。

世界は弱き者に対して残酷な程に容赦がない。

路上を何気なく通れば、追剥に遭遇して命や純潔まで奪われる。

そういった負の連鎖が起きるのも、彼が言う【力が無いから】に他ならない。

445 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/07(土) 22:08:28.67 ID:B22PSVKZ0


ウルリッヒとの会話は……それ以上弾む事は無かった。

彼は君と同じ空間に居る事を拒んでいるようだった。

君は水面の揺れる音を聞きながら川の傍で1人佇んで居る。


――
―――――――――


【君】は誰かの不幸を直接知る術を持たない。

父の訃報も、仲の良かった異性も、誰かが消えたその事実さえも。

意図して動かなければ何も知る事が出来ない。

それは見えざる何かの意志を感じさせるものであった。

己の無力さを痛感した君は、1つだけ願った――


↓1 能力値上昇判定 (2D10/5の数値分、TPを上昇させる)
↓2 願いの内容 (祈りは万能ではない事を知るべきだ)
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 22:12:28.57 ID:3EzHbwYMO
3の方がよかったかな。まあしゃあない。
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/07(土) 23:23:17.25 ID:m8MRqADxO
他者の考えを深く読み解ける洞察力
448 :ながーく更新  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 15:53:46.83 ID:KB6PtLFz0

【TP上昇】 (5+7)/5=2点 (端数切捨て)


―【キャラシート】―――――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―37/41 闘力
―05/10 GP
―25/32 TP↑ 〔30→32〕
―50/100 ?


【特徴】

不安に駆られる事が多く心配性
信用を得やすい
物覚えが良い
運が良い (偶数)
災いを呼ぶ者 (ダモクレスの剣)
洞察力に優れる

――――――――――――――――――――――――


君は他者の真意を読み取る力を天に願う。

再び目を開けた瞬間、君は明確な違和感を覚えた。

……世界が変わって見える。

まるで不思議な何かからの祝福を受けているかのようだ。

449 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 16:05:00.53 ID:KB6PtLFz0


【中間報告】


「ご報告致します」

「ああ。始めてくれ」

「陣地構築の進捗状況ですが、これはもう完成と言って差し支えないでしょう」

「そうでなくては困る」

「ところで領主様」

「なんだ」

「来週、メッサーラ候が我が領地を訪問するのはご存知でしょうか」

「えっ」

「その様子ではやはり……」

「す、すまない」

「……解っているとは思いますが、くれぐれも対応にはお気を付けください」

「うむ」

「以上で報告を終了します」

「ありがとう。下がってくれ」

「はっ」

450 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 16:10:44.00 ID:KB6PtLFz0


【自由行動】


自由に動けるとは何と素晴らしい事だろう。

この幸せを余すことなく感じるにはどうすれば良いのか。

君は少し悩み、空に向かって叫んだ。


……今週は何処で何をする?


下1 自由記述

(※主人公以外の行動指定もやろうと思えば可能)
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/08(日) 16:14:03.36 ID:b3vsZe+6O
陣地の出来栄えでも見に行こうか
452 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 21:56:04.64 ID:KB6PtLFz0


君は東にある陣地へと赴いた。


「壁の所々に狭い穴がある……」


「ここは資材置き場か? 広めに取ってあるんだな」


「排水の悪い場所が……あまり雨は凌げそうに無いな」


「一通り見た感じでは、ちょっとやそっとじゃ壊れない筈だ」

「被害は出来るだけこの場所で食い止めたい」

「さぁ、次に行こう」


――
――――――
453 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 22:07:07.69 ID:KB6PtLFz0

――――
――


南の陣地に着いた君は、先程見た陣地より立派な事に気付く。


「配備出来る人間の数は減ってる筈なのに機能的だ」


「…うん? 【避難用の通路】があるのか。変な作りだな」


「えっ!? 水の濾過設備まで併設してある……」


「やはり近くに水路があるから水捌けが良い」

「これなら長期戦でも安心出来そうだ」

「さて……屋敷に帰るとするか」


出来栄えに満足した君は、小躍りするようにその場を去った。




「………」

「なんやあれ」

「アイツ、ここで戦が起きるってホントに解っとんのか?」

「ハァ……呑気な奴やで」
454 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/08(日) 22:19:20.65 ID:KB6PtLFz0

―――――
―――


いよいよだ。

君の干渉によって起きる最大の出来事。

人の記憶に語り継がれるのは良い方向か、悪い方向か。


(………)

( 寝 れ な い )

(羊でも数えてれば寝れるかな……)

(羊が一匹……羊が2匹……)


『さっさと飛びなさい』ペシペシ

『ひえー! 止めて下さーい!』フルフル


(ヤメロォーーー!)

(――はっ!? 僕はいったい何を……)


火の輪くぐりをしている羊を想起したようだ。

見覚えのある人物が羊の格好をしていたような気がする……。


―【判定表】――――――――――――――――――――

  02   ― 闘力-「2点」、特徴「目の違和感」
03〜10 ― TP+「1点」
11〜12 ― 変動なし
13〜19 ― TP+「1点」
  20   ― 闘力-「3点」、特徴「心音が弱い」

―――――――――――――――――――――――――
↓1 成長判定
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/09(月) 01:16:06.52 ID:I0s5YuhoO
456 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/09(月) 23:11:50.06 ID:zDu8Dez80

――
――――――――――
―――――――――――――――――――――



僅かな灯りが周囲を照らす。

無機質な石材に囲まれた空間の中、君は1人ぽつんと存在していた。

……ここはどこだろう。


「……すぐ」

「?」キョロキョロ

「迷う事は……ません」

「!」

「…のまま先へ」

「だ、誰だ! 何処に居る!」

「……」シーン


問いかけは空に消え、意識は微睡む。

君の視界は暗闇に覆われた。

457 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/09(月) 23:16:55.51 ID:zDu8Dez80

―【現在値】――――――――――――――

【地方領主 ティオニクス】 男

―41/41 闘力
―05/10 GP
―33/33 TP↑ 〔32→33〕
―50/100 ?

【自然回復】 (闘力、TP20%回復)
――――――――――――――――――――

【ティオニクスの従者 ルチア】 女

―45/45 闘力
―04/10 GP
―40/41 TP

――――――――――――――――――――

【影薄き従者 ドミニク】 男

―46/46 闘力
―04/10 GP
―38/38 TP
――――――――――――――――――――

【銀嶺の従者 ディアナ】 女

―41/41 闘力
―04/10 GP
―34/34 TP
――――――――――――――――――――



「目ぇ覚めたか?」

「ウルリッヒ、貴方がどうしてここに……」

「アンタの従者に言うてくれ。俺は嫌々来ただけや」


彼は壁にもたれかかったまま、面倒な表情でこちらを見ている。

どうやら今日も長く眠っていたようだ。

458 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/09(月) 23:30:50.42 ID:zDu8Dez80


【竈神ウェスタの月 2週】 (22/28)


「体調に変わりは無いでしょうか?」

「ああ。何ともない」

「では報告に入ります」

「頼む」

「陣地構築は完了。領主様の命あらば、何時でも迎撃態勢に移れます」

「そうか。まだ人員は配備してないんだな?」

「その通りでございます」

「次にアエミリウス公への支払いについてですが――」

「……あっ。そういえばそうだ」

「書状が届きまして、『状況が落ち着いてからで良い』との事です」

「よし、助かった」

「この後、メッサーラ候が領地を訪問されます」

「出来れば会いたくないんだけど……」

「再三申し上げますが、くれぐれも対応にはお気を付け下さいませ」

「わわ、解ってる!」

「報告は以上です。では、私奴はこれで……」スタスタ

459 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/09(月) 23:53:47.48 ID:zDu8Dez80


―メッサーラ訪問


「ティオニクス、ティオニクスはおるか!」

「メッサーラ候。遠路よりお越し頂きありがとうございます」

「うむ。息災で何よりだ」

「……お願いできますか?」

「構いません。荷物が他にもあればお持ちしましょう」

「これとこれ、あと……これも」スッ

「全く、お前が持っておけば良いものを」

「………」ジーッ

「そちらの方、私の顔に何か?」

「いえ、その……」

「以前とは見違える様に変わったのう。顔付きが随分逞しくなった」

「――お前はそう言いたいのだろう?」

「……はい」

「お褒めに与り光栄です。さぁ、どうぞこちらへ」


君達はメッサーラ候と従者を引き連れ、東南の陣地へと案内した。


……道中に交わした会話の節々から、こちらの情勢を知ろうとしている事が解った。
460 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/10(火) 00:04:29.96 ID:Y0IegZtR0


領地の案内も済み、そろそろ会食の時間だ。

君は普段食している物を出すよう、給仕に伝えておいた。


「楽しみだのう! 何が出てくるのか」

「そう……ですね」

「お前はもっと嬉しそうにしたらどうだ?」

「申し訳ありません」

「まあまあ、その辺で」


メッサーラの従者は反応がやけに乏しい。

無理やり言わされているような違和感を覚えた。
461 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/10(火) 00:09:08.11 ID:Y0IegZtR0


「お待たせ致しました。『蒸かした芋』です」

「ほう!――ほっ? 今なんと?」

「『蒸かした芋』です」

「そ、そうか。貴公の領地は食糧事情がそこまで……」

「断じて違います」

「……」モクモク


メッサーラ候は露骨にがっかりした様子だった。

従者の方は出された物を、主人の事などお構いなしに頬張っている。

味付けは薄いが、新鮮な素材の味が楽しめる事だろう。

462 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/10(火) 00:24:39.45 ID:Y0IegZtR0


「ほ、ほほっ。まあこれは所謂前菜じゃろうて。次を待とうかの」

「お待たせしました」

「おお来たか! 早いではないか!」

「小麦と大麦を水で煮込み、塩で味を調えた『穀物粥』でございます」

「………何も入っていない『穀物粥』……じゃと?」スッ、タラー

「!」モックモック


メッサーラ候の表情は、最初の頃と比べて見る影もない。

一切の笑みが消えている。


それに引き換え、あの従者はどうだろう。

表情こそ大きく変わりはしないが、口に頬張る量がかなり多い。

食べ慣れ、親しんできた味だからこそのペースに違いない。

463 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/10(火) 00:35:24.47 ID:Y0IegZtR0


「……ティオニクスよ。何か申す事は無いか?」

「何か、ですか?」

「そうじゃ。儂に何かあるだろう」

「………」モグ


何やら不満がある様子。

メッサーラ候に理解して頂くにはどう返せばよいものか。


―【選択表】――――――――――――――――――――――――――――――

@―「お口に合いませんか?」

A―「横に除けて頂ければ、給仕がお下げいたしますよ」

B―「ククッ……いや、失礼。直ぐに代わりを用意させます」

C―「私は民衆と何ら変わりない食事をします。気に入らなければ結構」

D―ルチア「高価な物を食べ過ぎて、口にすら出来ないとは……やはり豚」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (能力上昇量は問いかけによって変化する)
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/10(火) 00:42:00.32 ID:tYBZohQzO
4
465 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 18:36:46.06 ID:d5jOFzsb0


「今……なんと申した?」

「食事をします」

「その前後だ」

「民衆と何ら変わりない、気に入らなければ結構」

「貴公は――」

「はい」

「侮辱しているのか! この儂を!」

「まぁまぁ、落ち着いて下さい」


肩透かしを食らえば多少は気が動転する。

贅沢な食事が出来ると思っていたのに、小馬鹿にされればこうもなるか。

466 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 19:08:37.03 ID:d5jOFzsb0


「そもそもの話、何か勘違いをされてはいませんか?」

「……なに?」

「領地で取れた【貴重な食料を】、こうして【タダ同然で分け与えている】のです」

「――感謝されこそすれ、罵倒される謂れは無いでしょう」

「儂が先代を支援した恩を忘れたか」

「昔は昔、今は今です。ご老人には解らないかもしれませんが」

「……言うに事欠いてそれを口にするとはの」

「言ったから、何です」

「反故にする気か? と問うておる」

「一方的な支援に約束などありはしませんよ」

「口の良く回る」

「賛辞の言葉と取っておきます」

467 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 19:47:19.10 ID:d5jOFzsb0


「要らぬ知恵など付けず、貴公等は今まで通り儂の傀儡であれば良いのだ」

「………」

「それに約束など、どうとでもなる」

「実力行使ですか」

「どう取るかは貴公次第だ」

「ならば、最後まで抵抗いたします」

「……その言葉、後悔する事になるぞ?」

「後の世で、私が正しいと証する者がいつか現れるでしょう」

「物の通りが解らぬ若者よ。そのような奴は絶対に現れぬ」


こうして会食は、最悪の空気で終了した。

メッサーラが父に何をしていたのかは解らない。

良からぬ事に加担させられていたのか、それ以上に酷い事か。


……これから戦う事になる相手だ。

この方がいっそ清々しいと言えるかもしれない。

468 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 19:59:08.41 ID:d5jOFzsb0


――メッサーラの屋敷


「やはりティオニクスは不穏分子……」

「どう……しますか」

「決まっておるだろう」

「悪い芽は今のうちに摘み取ってしまえ」

「……かしこまりました」


――ギィー、バタン。


「フフ……クハーッハッハッハ!」

「儂を敵に回すとどうなるか、身をもって知るがいい!」

469 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 20:18:14.47 ID:d5jOFzsb0


【中間報告】


「領主様!」バァン

「騒々しいぞ。どうした」

「メッサーラ候から書状が!」


『同士諸兄へ』

『我々は駐留軍を用い”辺境領地”を制圧する』

『腕を揮ってくれる事を期待している』

『”貴公”は磔に吊るされるのがお似合いだ』

『スカエア・メッサーラ・リーボ』


「これは間違いなく敵意丸出しだな……」

「感想を言っている場合ではありません。直ぐに支度を」

「解っている。事前の作戦通り、【皆を配置に】付かせろ!」

「はっ!」

470 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/11(水) 20:25:03.03 ID:d5jOFzsb0


領地東と南に配置する人間を決めて下さい。


出:ティオニクス、ルチア、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ

→残:エルキナ、ミリス、ディアナ、ゴラン、アルベルト


/東の陣地/

【被害状況】 □□□
【配置上限】 □□□


/南の陣地/ ※主戦場

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 □□


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可


↓1 残:から選出 (5人全部を指定。余らせるのも可)
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/11(水) 23:37:24.34 ID:B56W6nKbO
東:エルキナ、ゴラン、アルベルト
南:ディアナ、ミリス

かなぁ
472 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 22:40:10.01 ID:FekKZqXc0


「東にエルキナ、ゴラン、アルベルトを向かわせろ!」

「指揮官はエルキナ。可能な限り足止めをする!」

「南方は如何いたしますか?」

「ディアナとミリスだ!」

「かしこまりました。直ぐに伝達します」




―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/領地全域/

【被害状況】 □□□□□□□


/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■

/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 ■■


/補足事項/

被害状況;■で全部を塗り潰されると壊滅
配置上限:□の数以上の人材配備は不可
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
473 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 22:51:21.17 ID:FekKZqXc0


――東の陣地


「……俺がこっちなのはどうしてだ?」

「領内に残る平民の中では、貴方が一番マシですわ」

「褒められてるのか貶されてやがるのか」

「前者ですから安心なさい」

「あの、僕は……」

「矢避け。以上」

「酷い!」

「ふふふ、貴族流の冗談ですわ」

「貴族ってのはどいつもこいつも変わった奴ばかりだな……」

「何か?」ニコニコ

「いや、何でもねぇ」


士気はそこそこだ。

重装兵2人位ならエルキナだけでも十分だろう。
474 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:02:23.17 ID:FekKZqXc0


――南の陣地


「……昂る! 昂るぞ!」

「これはそっちで、それはあっち……」イソイソ

「高揚感が私を支配する! 神が私を祝福している!」

「あっ! その食料はそこに置いといて下さーい!」

「主より任されしこの場! 我が命に懸けて守り通す!」バーン

「ミリスさんも手伝ってください!」

「む、これは申し訳ない。意気込みを語らねばならぬとつい――」

「ほら早く! 敵は直ぐそこなんですから!」


士気はとても高い。

これなら騎兵を投擲だけで落とせそうだ。
475 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:13:56.94 ID:FekKZqXc0


――北の森


「来たか」

「そちらも揃っているようで」

「ああ」

「では行きましょうか」

「お前達は後ろ側に乗れ」

「……ところで、これも持って行くんですか?」

「そうだぞ」

「これはちょっと……」

「なんだ?」

「いえ、何でも無いです」


君達は妙にデカイ樽が載せられた船へと乗り込む。

船を縛り付けている縄を外せば一気に流される事だろう。


……村を訪問した時に居たあの男が、前方の船に乗っているのがちらりと見えた。
476 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:21:03.17 ID:FekKZqXc0


――東の何処か


「前方に見えるあの拠点がそうでしょうか」

「だろうな」

「今回の召集、どう見ますか?」

「大方ご機嫌取りに失敗したんだろ」

「それにしては用意周到というか……」

「爺さんの逆恨みだってか?」

「そうまでは申しません。疑わしいのは事実ですが」

「もうそろそろだ。あんま喋ってる間はねーぞ」

「……自重します」

477 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:31:24.15 ID:FekKZqXc0


――南の何処か


「あー、右翼に見えます騎兵はー、我が領地における実力者ー」

「そして左翼で欠伸をしております騎兵はー、期待の新人ー」

「中央に並ぶ重装兵は、平民の中でもとりわけ裕福な面々」

「後方で控えているこの私はーメッサーラ候に仕える、忠臣でーございます」

「おっさん。とっとと仕掛けて終わらせようぜ」

「だだだ、誰がおっさんか!? 失敬な!」

「こら失礼だろう。若くないとはいえ、俺達の上官なんだから」

「へいへい」

「……では気を取り直してー」

「――野郎共、進軍だオラァ!」

478 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:40:56.45 ID:FekKZqXc0


――東の陣地


「き、来ました! 襲撃です!」

「落ち着きなさい。数は?」

「17……いや、18ってトコか」

「は?」

「いや18――」

「〜〜〜!」

「どうしたんだ? 貴族の嬢ちゃん」

「嘘でしょう! こんな場所を制圧するのにそれだけ使うって!? 馬鹿ですわ!」

「お、落ち着いて下さい」

「こちらは※寡兵ですのよ!? 落ち着ける訳ないじゃありませんか!」

「……呆れて言葉も出ねぇ」



※何の訓練も受けていない民衆を集めただけ。

(簡易戦闘に入ります。結果が悪ければそのまま通常戦闘へ)
479 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/15(日) 23:48:04.86 ID:FekKZqXc0
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 □□□□□□□□□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1〜3 … 被害を受ける 
4〜6 … 双方の被害なし
5〜9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(コンマを用いる)
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/15(日) 23:52:33.90 ID:CVTlRkbPO
がんばれ
481 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/16(月) 00:13:22.81 ID:BUAjtcUu0

判定 9、0


「あまり気乗りはしないが、これも民の為……覚悟!」

「いやー! 来ないで下さいまし!」ビュンビュン

「ぐわぁぁぁ!」ドスドスッ

「何っ!? バリスタか!」

「散会しろー! ※全滅を防げ!」

「人間って意外とやれば出来るもんだな……」ガチャッ

「うぎぎ……っぐ」ギリギリ

「次発装填! 急ぎなさい!」

「あいよ!」

「…は…っい!」ガコン


※敵軍のかなり広範囲に渡って被害を与えました。

(□→◇に変化。判定は依然変わらず)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■◇◇◇◇□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
482 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/16(月) 00:25:22.47 ID:BUAjtcUu0


――南の陣地


「オラオラ! とっとと降参しろォ!」ノロノロ

「……あれは一体?」

「防御が厚い陣形の様ですね」

「※盾の所為で正確な数が解らぬ」

「見えてるだけでも5列はありますが……」

「見掛け倒しの可能性も無くは無い、か?」

「うーん」

「――取り敢えず、顔と脛に矢を集中させて下さい」ニコッ

「そうするとどうなる?」

「膝に矢を受けて弱体化します」

「……今さっき、脛を狙うと言った気がするんだが」



※かなり大きい長方形の盾。スクトゥム。

(簡易戦闘に入ります。結果が悪ければそのまま通常戦闘へ)
483 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/16(月) 00:28:14.70 ID:BUAjtcUu0
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 □□□□
【配置上限】 ■■


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1〜3 … 被害を受ける 
4〜6 … 双方の被害なし
5〜9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(コンマを用いる)
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/16(月) 00:32:04.36 ID:XcgX7WgRO
どうだ
485 :再開  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 21:38:01.32 ID:duIM2eiH0

判定 3、6


「……むっ?」

「目標……射程圏内」ギリギリギリ

「イカン! 騎兵は今直ぐ中央に固まれ! 重装兵は盾を掲げよ!」

「一斉掃射!」バシュゥッ

「隊伍を乱すな! 穴を少しでも見せれば死ぬぞ!」

「そんな……1度も矢が当たらないなんて」


相手の指揮官は思った以上に有能なようだ。

矢の雨を踊る様に躱し、重装兵の庇護に入っている事からそれが解る。

486 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 22:02:11.75 ID:duIM2eiH0


「投槍用意!」

「はっ!」ザザッ

「準備完了! 何時でも行けます!」

「こっちも用意出来たぜ!」

「よし……構え! 撃てぇー!」

「うらぁぁぁぁ!!」ギュオン

「このような槍……避けずともッ!」バッ

「それを受けては駄目ですミリスさん!」

「なんのこれしき!」ドッ

「第二陣!」

「……くっ!」ドドッ

「第三陣!」

「ぬうぅぅぅぅ〜〜!」ドドドッ


投槍を盾で受けたミリスは気付く。

投げられている槍がどんどん重くなっている事に。

そして槍が抜けない。

細く作られた穂先が折れ曲がって動きを鈍くさせているようだ。

487 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 22:31:40.98 ID:duIM2eiH0


「そらそら! 何時まで耐えられるか!」

「あー、おっさん。気分が良さそうなトコでわりーけどさ」

「む? どうした」

「いやそのー、もう槍がねぇ」

「………」ポカーン

「槍が――」

「今これからって時だろうが! 数は用意したのにどうしてもう無い!?」ダンッ

「こっちに来る途中、一部をちょっと」

「【民間人】に払い下げまして」

「は?」

「酒代が足らなくてつい……」

「えっ」 「あれだけ飲んだからな……」 「通りで」 「おかしいと思った」 ザワザワ

「ハッハッハッ」

「何してくれてんだお前等!?」



※ミリスが軽傷を負いましたが、簡易判定に変化はありません。

(被害状況:現在25% ミリスの闘力2割減少)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
488 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 22:45:11.59 ID:duIM2eiH0


「木こりの平民がそこに居ると思ったら、ただの奴隷だった件」

「急に何を言ってるんですか!?」

「そんな訳……無いでしょう」

「……どうやら私の幻覚だったみたいですわ」プルプル

「頼りになるのは貴女だけなんですからしっかりして下さい!」

「え、ええ……」


エルキナは動揺している。

他人から解りやすいぐらいに動揺している。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■◇◇◇◇□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 レギオー(中隊歩兵陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1〜3 … 被害を受ける 
4〜6 … 双方の被害なし
5〜9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(アルベルトの「企図」は判定を一つ繰り上げする。全TP消費)
489 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 22:52:38.99 ID:duIM2eiH0

おっと「差配」と間違えた


「差配」……全消費、判定を問答無用で一つ繰り上げる。

「企図」……消費TP5、判定に「微〜少量の修正」を加える。

※今だと「+1」の修正を2D10のそれぞれにプラスする。


安価範囲なら下とします
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/19(木) 23:04:51.97 ID:gYu1I0VMo
491 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 23:26:48.12 ID:duIM2eiH0

判定 9、8 (補正で0にはならない)


「もう一度用意なさい!」

「ぬっくくく……よいしょー!」ガシャコン

「出来ました!」

「えっ……もう? えらく早いですのね」

「こっちも出来ました」グシグシ

「てー!」バシュッ

「「うわぁぁぁ!?」」グシャァ


岩石は綺麗な放物線を描いて落ちる。

それは足の遅い重装兵に面白いぐらいぶち当たった。

押しつぶされた兵士の血液が勢い良く飛び散っている。
492 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 23:45:59.49 ID:duIM2eiH0


「ふふふ、この戦……このまま行けば私達の勝利ですわね」

「そんな事を言う奴は大体酷い目に遭う……」ボソッ

「蹂躙して差し上げますわ!」

「けして、白兵戦だと勝ち目が無いからとかではありませんのよ!」



「聞いてないですよこんなの! 相手が強すぎる!」

「辺境だからと舐めたこちらが悪い」

「ゆっくり進軍していては良い的です!」

「落ち着け。俺に考えがある」

「考え……ですか?」

493 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/19(木) 23:48:41.04 ID:duIM2eiH0


「……おかしいですわ」

「どうかしたんですか?」

「相手の動きが……止まった様ですね」

「うーん、良い事だと思いますけど」

「攻める気が無いなら、普通反転する筈ですの」

「そうじゃないという事は……」

「つまり何か考えがあって止まっている?」

「その通り。嫌な予感がしますわ」


エルキナの予感は当たっていた。

彼等は気付かれぬように、陣形をゆっくりと変えていたからだ。

494 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/20(金) 00:14:06.29 ID:/5hE5/B+0


「解ってるな?」

「ええ」

「今のうちに息を整えておけよ」

「一点に集中させる訳ですからね。勿論です」

「……こちらの全力を見せてやる」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/東の陣地/ (エルキナ、ゴラン、アルベルト)

【被害状況】 □□□
【配置上限】 ■■■


/東の軍勢/ (重装兵×1?、軽装騎兵??、騎兵2)

【被害状況】 ■■■■◇◇◇□□□□□□□□□
【陣形詳細】 鋒矢の陣(突撃陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
495 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/07/20(金) 00:22:12.65 ID:/5hE5/B+0


「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」

「落ち着きましたか?」

「誰のせいじゃ! 誰の!」

「大変申し訳ないと思ってます」

「……まぁ負ける筈も無し。このまま進むとしよう」

「了解!」

「了解致しました」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■

「狙撃」……TP半分消費、不利判定を有利判定に一つ変える。


/南の軍勢/ (重装兵×??、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 不明
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

1〜3 … 被害を受ける 
4〜6 … 双方の被害なし
5〜9 … 手傷を与える
0 … 獅子奮迅の活躍

↓1 2D10で判定(ディアナの「狙撃」使用可能。使うなら併記)
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/07/20(金) 08:11:22.92 ID:OkQ307RAO
狙撃使用
497 :ゆっくり更新  ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/08/03(金) 19:09:18.97 ID:IalqNJKI0

判定 9、2 (南の戦闘中、「2」を「7〜9」と同じ扱いにする)


「――すぅ」ギリギリギリ

「隊長! 弓を番えてる様に見えますが!」

「狼狽えるな! 直進しろ!」

「これでっ!」ビュン

「「ぐぁあああ!」」ドサッ

「なっ……」

「盾を貫いた!?」


ディアナの放った矢は、盾を構えていた重装兵の腕を抉る様に貫く。

数に任せたものとは違う正確無比な一撃に、彼等は恐怖した。

498 : ◆sh9LE6ZD.AZt [saga]:2018/08/03(金) 19:25:34.13 ID:IalqNJKI0


「ようやく全体が見えたか」

「ざっと見た所、倒れた者を含めて15名」

「軍隊を動員したにしては些か規模が小さい様にも見えますが……」

「少し気にしておいた方が良いかもしれませんね」

「承知した」


「ぬぅぅぅ〜!」

「寡兵だと侮ってた報いでしょうか」

「ええい! うるさいわ!」

「こっちの士気もガタ落ちですよ」

「黙っとれ!」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
/南の陣地/ ※主戦場 (ディアナ、ミリス)

【被害状況】 ■□□□
【配置上限】 ■■

※狙撃により以降「2」を「7〜9」と同じ扱いにする

/南の軍勢/ (重装兵×10、軽装騎兵2、騎兵3)

【被害状況】 ■■□□□□□□□□□□□□□
【陣形詳細】 テストゥド(亀甲陣形)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
499 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/08/03(金) 19:47:07.30 ID:IalqNJKI0

―今までのおさらい―


出:ティオニクス、ルチア、ドミニク、モルドー、ウルリッヒ
残:【東】エルキナ、ゴラン、アルベルト 【南】ミリス、ディアナ

出:主人公、女従者、従者、領民〈木こり〉、お尋ね者
残:【東】元貴族、元奴隷、領民 【南】聖職者、女弓兵


Q1 何する状況?

今は物語終盤で権力に物を言わせてた貴族の1人をシメに行くところ

Q2 どうすれば終る?

領地に居る軍隊の猛攻を凌いでる内に貴族を潰せば終了
もしくはこちらが圧殺されればそれでも終了

Q3 ここまで来たからにはクリアしたい

こっちもクリア(完結)したい。というかさせて。
変な選択肢選ばなければ死人は出ないからそれだけ覚えててください
500 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/08/03(金) 20:04:49.06 ID:IalqNJKI0

―西の川―


「ところでこの船……曲がれますよね?」

「………当然だ」

「一体何ですかその間は」

「気にするな」

「気にならない方がおかしいと思います」

「安心しろ。先導する俺達から離れなければ良いんだ」

「それはつまり、不味い事が起きるということでは……?」

「さぁ行くぞ、船に乗り込め」

「わぁい」


斯くして君達は流れの急な川へと繰り出した。

その身に何が起こったか判定をしよう。ダイスを2つ振ってくれ。


―【判定表】――――――――――――――――――――――――――――――

02 ― ルチア「あっ、水が入って来ました」
12 ― ティオニクス「不味いって! 岩にぶつかるぶつかるー!」
20 ― ルチア「あっ、何か落ちましたね……まぁ良いでしょう」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
↓1 ダイスロール (コンマの数値を参照)
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/03(金) 20:13:13.62 ID:nHKOb7bjo
o
502 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/08/03(金) 20:34:24.30 ID:IalqNJKI0

判定 6+2=8


「のああぁぁぁあ!!」ザッパァン

「ほげぇぇぇ!」ビタァァン

「ズズッ……静かにして頂けますか?」

「呑気に茶を啜ってる場合か! ルチア!」

「急流ですから仕方ありませんね」

「お前もだよ! ドミニクぅ!?」


激流に身を任せて同化している。

むしろ、どうかしてるから動じないのか。

503 : ◆sh9LE6ZD.AZt [sage]:2018/08/03(金) 20:49:31.71 ID:IalqNJKI0


前方から声が聞こえる。

怒声のようなこれは男の声だ。


「――あと少しで着く! 急停止に備えて下さい!」

「供えろってどうすりゃ……」

「どうしますか?」

「それを今聞いてるんだろ!?」

「船を止められそうな物を集めりゃ良いんじゃねぇか?」

「それです!」


僕達は船の積み荷から使えそうなものを拾い集めて来た。

この中から止められそうなものを選ぼう。


―【選択表】―――――――――――――――――――――――

@―梯子
A―ロープ
B―紐
C―錨
D―ルチア

――――――――――――――――――――――――――――
↓1 選択肢 (2D10の判定。目標値は「8〜16」で変動)
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/04(土) 08:21:25.66 ID:rP+bT9YnO
ロープをくくりつけた錨
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/24(月) 19:59:03.89 ID:sHb2HjdJO
もう復帰はないのかな……
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/28(金) 14:01:52.44 ID:4v/W1is+O
悲しいなぁ...(諸行無常)
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