ジャパニーズアベンジャーズ 特撮クロスオーバースピリッツ

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1 :魔界岸 :2018/03/08(木) 01:27:26.93 ID:hbRb7IpJO
どうもこんばんは
ハーメルンというサイトで魔界岸という名で活動しております
広く意見を貰おうと思いましてここにも作品を投稿させていたただきます
仮面ライダーspiritsの影響を強く受けた作品ですが、仮面ライダー意外にも等身大の特撮ヒーローを登場させていきます
よろしくお願いいたします


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520440046
2 :魔界岸 :2018/03/08(木) 01:35:21.28 ID:7Icj2emlO
ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

仮面ライダーBLACKとして闇の秘密結社ゴルゴムから地球を守り、異次元世界からの侵略者クライシス帝国には仮面ライダーBLACKからRXへと新たなる進化を遂げ、立ち向かった男がいた。
いかなる状況でも子供たちの夢を守ってきた歴戦の強者であるその男の名は南光太郎。
彼は最近、毎日のように見る悪夢に魘され、アメリカ・ニューヨーク外れの古いモーテルで目を覚ました。

「またこの夢か……冗談じゃないぜ……」

光太郎にとって忘れることのできない友が夢の中で血塗れになり、問いかけ、訴える。

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

友は全身血塗れで膝をつき泣きながら光太郎の袖を掴む。
毎日、そこで光太郎の夢は覚めるのだ。

「信彦……」

秋月信彦……光太郎と同じ日にゴルゴムに連れさられ、改造手術を受けた幼馴染。
光太郎は運良く、洗脳手術の前に脱出できたが友である信彦は洗脳を受け、ゴルゴムの創世王候補シャドームーンなってしまったのだ。
その後、幾度となく戦い、遂に光太郎はシャドームーンを討ち果たすが、それは同時に人格は違えど、友を自分の手で殺めてしまったことを意味する。
その信彦が泣き、光太郎を憎みつつ必死に訴える姿……光太郎にとってこれ程、嫌な夢はなかった。

「何故、今になってこんな夢を……」

この夢は少なくとも二週間は続いている。
その影響も有り、光太郎は胸騒ぎが治まらず、不吉な予感に苛まれていた。

「いや、ただの夢だ 明るくいかないと!」

光太郎は無理に自分を奮いたたせる。
今日から一週間、叔母と叔父の子供たちがニューヨークにやってくるのだ。
無理にでも明るくしないと心配をかけてしまう。
光太郎はベッドから足を下ろし、リュックからペットボトルを取り出すと半分まで減っていたミネラルウォーターを飲み干すと心を落ち着かせる。

「まだ少し時間があるなぁ」

テーブルに置いてあったリモコンを取り、テレビの電源をつけるとニュース番組がやっており、日本人が映っていた。
どうやら衛生省からの中継のようで、日本ではゲーム病気が流行っていて発症した人達は消えてしまうと言う奇怪な病気だ。
しかし会見した若い医師は消えてしまった人達を治すことを諦めない。
感染した人達の名前を読み上げると「皆さんの笑顔を取り戻したいと思っています」と堂々と言い切ったのである。
若いのに立派なものだ……僅かでも可能性があれば、治ること、消えた人達が戻ってくれると親しい者であればあるほど信じる。
逆に無理と言ってしまえば、プレッシャーはなくなり楽になるが彼はそれをしなかったことに光太郎は驚き目を細めた。
あえて期待を一身に背負い、雲を掴むような道を彼は進んむことを決意した彼を心の中ではあるが称える。

「そろそろかな」

ニュースに夢中になっていたらいい時間になっていることに気づくと光太郎はテレビを消し、リュックを背負うとモーテルを後にする。
モーテル前に停めてあったバイクにまたがるとヘルメットを着用し、バイクを走らせ、ニューヨーク市内にある空港を目指す。
その道は一本の田舎道が続き、広大な畑も見られ、ここだけを見ると日本もアメリカも大した違いはないと感じ懐かしさをも感じる。
そして今日は天気も良く、心地よい風め吹いていて運転をしていてとても気持ちいい。
清々しい風を浴びながらバイクを走らせ続けるとようやく人通りも多く、交通量も増えてくる。
ここまで来るとテレビで見ていた時のような超高層ビルが立ち並び、アメリカにいるのを実感できた。
そんなのも束の間、一時間半程バイクを走らせると空港が見えてくる。
約束の時間まで後少しだ……胸の高鳴りを抑えつつ
光太郎は腕時計で時間を確認すると近くの駐車場にバイクを停めて、ヘルメットを置き空港に急ぐ。
空港に到着すると人混みの中を掻き分け、茂とひとみを捜す。
会うのは約6年ぶり。
自分が知っている茂とひとみはまだ二人とも小学生だった頃だ。
今は茂が高校生、ひとみは中学生になっているはず……ちゃんと自分のことを覚えているだろうかと少し不安になったりもする。

「「光太郎兄ちゃん!!」」

しかしそれは杞憂だった。
二人はしっかりと光太郎の存在を覚えていたのだ。
胸を撫で下ろすと手を振る二人の方に足を進める。

「二人共、久しぶり!」

昔は少しぽっちゃりしていた茂だが身長が伸び、身体も引き締まっていて、ひとみはモデルのように手足が長くシュッとしていてヘアスタイルもロングヘアーに変わっていた。

「二人共、ホントに大きくなったね!」

「光太郎兄ちゃんは全然見た目変わってないのが凄いよな」

「うん、茂お兄ちゃんと違ってイケメンだしね!」

「おい、ひとみ! それは傷つくから言うな!」

そして三人で笑いあう……光太郎は二人の笑顔が何よりも嬉しかった。
どんなに大きくなっても光太郎にとってはかわいい従兄弟たちなのを改めて実感する。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/08(木) 01:37:25.26 ID:7Icj2emlO

「とりあえず荷物重いだろ? ホテルを予約してあるから行こうか」

「「うん!!」」

空港を出ると光太郎は適当にタクシーを捕まえ、二人を乗せるとお代とチップを渡し流暢な英語で行き先を指定。
そのタクシー後をバイクで追う。
その後、三十分〜四十分くらいだろうか……目的地であるホテルの前に到着する。

「Thank You」

二人が出てくると光太郎はここまで運んでくれたタクシードライバーに礼を言い、タクシーを見送るとホテルに入りチェックインする。

「さぁ着いたよ」

これから三泊四日このホテルでお世話になることになる。
部屋に着くと、トリプルベッドが用意されていた。
二人は荷物を置くと、ベッドにダイブする。

「スゲー!!」

「こんな豪華なホテル初めて!!」

大きくなったと言ってもまだまだ二人とも子供。
その無邪気な喜びぶりに光太郎はホッコリしつつ、ベッドに腰かける。

「おっ……フカフカだ」

ベッドが柔らかくて気持ちいい。
光太郎はクライシスを壊滅させた後、己を鍛える名目で自分探しの旅に出て以降、この6年は間異国を旅し、寝泊まりは安いモーテルばかり、それさえ見つからない時は野宿もした。
だからかホテルのベッドがフカフカでとても新鮮に感じる。

「そう言えば光太郎兄ちゃん、私お腹が減ってきちゃった……」

「俺もぉ……」

「じゃあ少し早いけど昼ご飯でも食べるか!」

そう言って光太郎は二人を連れ、ホテルを出ると徒歩10分くらいのステーキ屋に案内する。
せっかくアメリカに遥々来てくれたのだから何かそれらしいものを食べさせいと考えたが光太郎には「アメリカ=ステーキかハンバーガー」しか思いつかなかった。
ステーキとハンバーガーの二択ならステーキを食べさせてあげたいと思い連れてきたが口に合うだろうか……。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/08(木) 01:38:31.76 ID:7Icj2emlO
「俺、ポーターハウス!」

「私、サーロインステーキ!」

茂もひとみも日本では見たことも、食べたこてないであろう大きさのステーキが運ばれ驚嘆。

「デカ!? こんなの見たことねー!!」

「凄ーい!! アメリカ来て良かったぁ!!」

嬉々として肉を頬張る二人を見て、光太郎は結果的にはステーキで正解だったことにホッと胸を撫で下ろす。
ステーキを食べながら、三人は昔話しに花を咲かせたり日本の現状について話したりもした。

「それにしても光太郎兄ちゃんがRXって知った時はビックリしたなぁ! あの時の衝撃は忘れられないよ!」

「黙っててゴメンな でも茂君、一番ビックリしたのはひとみちゃんがガロニア姫として洗脳されて大人の姿になった時じゃない?」

「あっ! そっか!」

一度、クライシス皇帝の愛娘であるガロニア姫の替え玉として、マリバロンに誘拐された後、奇跡の谷での儀式により成人の姿になった状態でガロニア姫として洗脳され、光太郎たちに対して攻撃をしかけたこともある。

「ちょ、ちょっと! 恥ずかしいから茂お兄ちゃんも光太郎さんもやめてよ! お兄ちゃんこそ、ガッツリ洗脳されてダッサイ服着てグレート・マスクNo.1とかやってたじゃないの!」

「あっ! ひとみ、それは禁句だぞ!」

ひとみがクスクスと笑いだし、続いて茂がゲラゲラと笑い出すと光太郎も我慢できなくなり三人で大笑いす。
それにしてもまだ小さかったのに二人共、意外と覚えているもので彼らもまた光太郎……すなわち仮面ライダーBLACK RXと共に時代を駆け抜け、クライシスと戦った盟友であるということの証だった。

「最近、日本の様子はどう? ゲーム病なんてのが流行ってるらしいけど……」

続いて光太郎は今の日本の現状について話しを聞くことにした。
光太郎がクライシス帝国を倒してもう何年も経つがあれ以来日本には帰っていない。
日本が恋しい時はある……だが光太郎は正直、戦うことに疲れはじめていた。
大体の先輩の仮面ライダーたちは海外で転戦している……しかしそれはいわば戦った組織の残党を狩っているだけで、日本にいる時程、激しい戦いではない。
特にこのアメリカに至ってはそう言った怪人などによる事案は少なくとも光太郎が来てからは起こっていないのだ。
それに比べ、何故か日本を拠点に侵略を企む悪の組織や未知の怪物たちが多い。
なら日本に帰って生活を始めれば嫌でも戦わなければならない時が出てくる。
正直、光太郎は自分の力に懐疑的になりはじめていたのだ。
自分の力のなさから戦いで大事な人たちを失ったり、悲しませたりするのではないか……だったら自分が戦いに加わらなければいい。
二年ほど前の話しだ……仮面ライダー一号こと本郷猛からの要請で援軍に向かった時のこと。
カナダにあるガラショッカーのアジトを見つけたが、思ったよりも敵の数が多いので手伝ってほしいと言った内容だった。
二人でアジトに乗り込み、ガラショッカーは壊滅、その時の一号の強さが光太郎には今も鮮明に焼き付いている。
パンチやキックのスピードも威力もRXは一号に負けていない……むしろ銃が使えて防御力の高いロボライダー、液状化したり敵の攻撃を無効果できるバイオライダーにだってフォームチェンジが可能できるため戦闘力では一号を凌駕しているはず。
しかし光太郎は一号と戦ったら自分はきっと簡単に負けてしまうだろうと思った。
それが経験の差だけなのかどうなのか……その時、光太郎は言葉では言い表せない圧倒的な差を感じたのだ。
一号の境地にまで到達すれば大事な人をきっと守れる……しかし今の自分にそんな力はない。
その戦いの後、光太郎は自信を失い、知らず知らずのうちに戦うことから逃げるようになっていってしまった。
だが日本では毎日のように侵略者が脅かしているはずで平和を望む光太郎には気にならないはずがない。

「ゲーム病は今はおさまったからいいけど……それより光太郎兄ちゃんがいなくなってからも色んな奴らが征服しようとしてるんだ……RXがいればこんな奴ら怖くないのにって思うことは何回もある……」
5 :魔界岸 :2018/03/08(木) 01:41:11.29 ID:7Icj2emlO

「光太郎兄ちゃん、もう日本に帰って来ないつもりなの? 私、寂しいよ……」

「ゴメン……今は帰れないかな……でもいつか必ず帰るから」

そう絞り出すのが今の光太郎には精一杯の答えだった。
さっきまで大笑いしていたのがウソのようにしんみりしてしまい、会話が途切れ、重い空気が三人を包む……。

「なぁ二人共、遊園地に行かないか? 電車一本で行けちゃうところにあるんだけど」

「えっ? 遊園地? 俺は別にいいけどひとみは?」」

「私、行きたーい!」

「じゃあ決まりだね!」

遊園地に行く予定はなかったが、光太郎なりに二人を喜ばせよう、空気を変えようと考えてのことだった。
ジェットコースターやメリーゴーランドなどのアトラクションに乗り、三人は楽しい時間を過ごし、特に光太郎は遊園地で遊ぶことなんてかなり久しぶりで童心に戻ったかのような錯覚を受けた。
この平和な時間が永遠に続けばいいのに……しかし夢のような時間はあっという間に終わりを告げる。
もう夕暮れ……そろそろ帰らなくては……。
ひとみちゃんはまだ遊び足りないようで残念そうだったがまた連れてくると言うことで何とか納得してもらうとホテルへの帰路につく。

「茂お兄ちゃん、光太郎お兄ちゃん見て見て! うわぁ〜綺麗!……」

「ホントだ! マンハッタンってこんなに綺麗だったねか!」

「なんか俺たち別世界にいるみたいで不思議な気分」

バイクからだと思ったことはなかったのだが電車で見る夜のマンハッタンの街はとても綺麗で心が癒され、何故だか懐かしさまで感じる。
そしてホテル近くの最寄り駅に到着する頃には完全に夕日が沈み、太陽の光から建物から発する電気が街を照らすように変わっていた。
電車から降り、近くのハンバーガーショップでハンバーガーセットを三人分テイクアウトするとホテルに持ち込む。
ホテルに戻ると茂がハンバーガーを食べる前に改まって頭を下げる。

「光太郎兄ちゃん、明日のことでお願いが……」

「何だい茂君、行きたい場所でもあるのかい?」

「うん……コスモアカデミアのニューヨーク本部を見学したいんだ」

「コスモアカデミア?」

「そっか光太郎兄ちゃん知らないのか」

聞き慣れない単語に戸惑う光太郎に茂が説明する。

「さすがにビーファイターは知ってるよね? ジャマールと戦った戦士たち」

「あぁ名前だけは」

ビーファイター会ったことも見たこともないが、噂ではチラッと聞いたことがある。
昆虫の力を宿し、光太郎がRXとして戦う以前に現れジャマールと言う異次元組織に立ち向かったと……。
人知れず戦う仮面ライダーは都市伝説のように扱われるがビーファイターは公で堂々と戦っているため大衆も認知することとなっている。

「ビーファイターたちを生み出したのがコスモアカデミアって機関なんだけど、将来はそこに就職しようかなって考えてて、コスモアカデミアが設立した大学に進学」

意外だった……確か茂は宇宙飛行士を目指しているとばかり思っていたからだ。

「どうしてだい? 宇宙飛行士になりたかったはずじゃ?……」

「うん……そうなんだけど、コスモアカデミアは未知の敵の侵略に備えて色んな武器を開発したり地球環境についての研究もしてて俺は光太郎兄ちゃんみたいにRXには変身できない だから怪人とは戦えないけど戦うことを手助けすることはできる! 俺だって人を守りたいんだ!」

光太郎は茂がそこまで考えていたことに驚いた。
茂もまた仮面ライダーと同じ平和を戦う戦士なのだ。
変身できるかどうかじゃない……平和を願う茂の魂の叫びに光太郎は胸を打たれた。

「茂君……分かった! 明日コスモアカデミアに行こう! ひとみちゃんもそれでいいかい?」

ひとみからの返事はなかった。
どうやら長旅の疲れからかハンバーガーを食べおえたところで眠ってしまったようだ。

「もー……ひとみの奴、俺がせっかくいいこと言ったのに寝てるのかよ……」

茂はガックリと肩を落とし、テーブルの上に置いてあったリモコンを手にするとテレビの電源を入れた。
やっていたのは討論番組でやっていたのは最近ニューヨークで多発している怪事件についてだった。
目玉がくりぬかれ、体の上半身が骨が見えるくらい抉られていた。
傷口の大きさから動物の仕業だと推測する者、カルト集団の人の仕業だと言い張る者、そして出演した目撃者が言うに鬼が人を喰らっていたと言う。
他の出演者はバカにして笑っているが、人外と戦ってきた光太郎には引っかかる……。
出演者が見たという鬼がもし怪人だとしたらそれは新たな戦いが始まることを意味する……。

「全然何言ってるのか分かんねーや……光太郎兄ちゃん何言ってるのかわかる?」

「最近物騒な事件が起こってるからその話しだよ」

「へぇ〜てか光太郎兄ちゃん英語ペラペラだもんなぁ……スゲぇや」

「いる期間が長いからね……それより茂君も疲れたろ? 今日はもう寝よう」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [魔界岸]:2018/03/08(木) 01:42:27.00 ID:7Icj2emlO
嫌なニュースをこれ以上見たくない光太郎はテレビを強制的に消すと、部屋の電気消灯した。
今日だけはいつもの夢は見ませんように……そう願いながら光太郎は目を閉じる。
すぐさま意識はなくなり、暗闇が視界を覆い尽くす。
その暗闇の中から血塗れの信彦の顔が浮かび上がってくる。

ーお前が洗脳されれば良かったんだ……お前が[ピーーー]ば良かったんだー

ーやめてくれ信彦!……俺はお前を助けようとっ!……ー

光太郎の必死の叫びも聞かずに信彦は光太郎にはいつもの無慈悲な言葉を続ける。

ーー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

同じ夢だった……いつもと同じ悪夢。
その悪夢は今日も同じ場面で途切れ、光太郎は目を覚ます。
上半身だこ身体を起こし、時計を確認すると針は深夜二時を指していた。
光太郎は頭を抱え、再び上半身をベッドに沈める。
せめて茂とひとみがいる時くらいは見たくなかった……それとも信彦が俺に何かを伝えたがっているのだろうか……。
その時だった……部屋のドアが閉まる音が聞こえた。
誰か入ってきた音かそれとも出ていく音か。
だが不思議なことに茂もひとみもグッスリと寝ている……つまり彼らが一旦部屋を出て戻ったと言うことは有り得ないし泥棒や強盗などかと一瞬思ったがドアはオートロックで部屋が荒らされた様子もなくその線も考えにくい。
では今のドアが空く音は何だったのか……何か嫌な予感がする。
光太郎は気になり、部屋を空けた主を追う。
幸いにも何者かが部屋を出てから時間はまだ数秒だ。
今なら追いつける……そう思った光太郎は部屋を飛び出すようにして後を追った。
光太郎の部屋はつきあたりで部屋を出ると長い廊下がある。
どこに逃げるにしてもその廊下を通らなければならない。
改造人間で変身前から常人より優れた身体能力を持つ光太郎なら必ず追いつくには十分なはずだが……。

「何だと!?」

侵入者らしき者の姿が見えたのは後ろ姿のほんの一瞬。
しかも急いでいる様子もなくスッーとエレベーターのある方向の角を曲がる。
光太郎が滞在している部屋からつきあたりの角までは約七十メートルくらいあるのに普通に歩く程度のスピードでたどり着けるだろうか。
絶対におかしい……もう光太郎がエレベーターに入った頃には侵入者が乗ったであろうエレベーターは既に一階に降りていた。
エレベーターが一階に降りる時間がとても長く感じられ、何時間にも思えてしまう。
侵入者を見失ってしまうのではないかと焦りの心が生じる。
エレベーターから一階に降りると侵入者はホテルを出たところだった。
黒いジャケットにジーパンをはいた黒髪の男で痩せ型、身長は光太郎とそうは変わらない。
光太郎は侵入者の情報をインプットすると急ぎ、フロントに外出する旨を伝えると後を追いかける。
7 :魔界岸 :2018/03/08(木) 01:43:35.41 ID:7Icj2emlO

「待てっ!!」

しかしどんなに走っても追いかけても距離は縮まらない。
むしろ一定の距離を保ち、これ以上離れないし縮まらないようになっているかのようだ。
本格的におかしい……まさかとは思うが怪人かもしれない。
クライシスの残党が命を狙いにきたのではないか……光太郎の中ではその可能性が高いと踏んだ。
誘導されている?と感じつつ光太郎はいつしかニューヨークの人気のない路地裏まで侵入者を追っていたが、一向に距離は縮まらない。
だが急に次の路地裏の角で侵入者はくるりとこちらを振り向く。
その振り向き街灯にさらされた素顔に光太郎は愕然とし、立ち止まり唖然とする……。
見覚えがあるとかそういうレベルの話しではない。
それは最近、夢に出てくる紛れもない親友、秋月信彦の姿だったのだ。
信彦は光太郎の姿を確認すると、角の死角にスッーと姿を消した。

「そんなバカな!?……信彦!? 待ってくれ信彦!!」

半信半疑の状態で信彦の後を追う。
信彦を追って曲がった角で見たのは男性の無惨な死体であった。
辺りを見渡すが、信彦の姿は見当たらない。
目玉はくりぬかれ、上半身は一部を除き、動物に噛みちぎられているかのようだ……。
ここで光太郎は夕方にやっていたニュース番組を思い出す。
まさか信彦がやったのか……その疑念が消えぬままその場に立ち尽くすしかない光太郎。
けたたましいパトカーのサイレン音が光太郎の周囲に響き渡る。
このサイレンと共に脅威が来襲し、新たな戦いが始まる……その確信を光太郎は強める。
だが今はこの場をすぐにでも立ち去らなければ、自分が疑われてしまい厄介なことになると思った光太郎は釈然としないながらもホテルへと急ぎ戻るのであった。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/08(木) 01:53:55.33 ID:z3ig6PbF0
寒っ・・・
9 :魔界岸 :2018/03/08(木) 02:20:58.23 ID:7Icj2emlO
>>8
では部屋を温かくして寝ましょう!
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/08(木) 07:55:33.08 ID:Mu8PDCpnO
>>8
あーあ書き込んじゃったな
我慢比べお前の負けな、後でジュース奢れよ
11 :魔界岸 :2018/03/10(土) 00:45:13.28 ID:ihTsMCmhO
undefined
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 00:55:16.08 ID:mfi6AG+4O
コスモアカデミアニューヨーク本部……ここでは自然環境の研究や改善だけではなく未知の敵の襲来に備え日々、科学技術を駆使して対抗しうる武器や防具の開発や研究が行われている。
定時を過ぎても一人で慣れないパソコンを打ち込み、研究に没頭している青年がいた。
見た目だけ見れば肌は日焼けのせいか浅黒いため、若さも相まって爽やかなスポーツマンという印象を誰しもが持つであろう。

「新人、今日辺り遊びにでも行かないか?」

「トニー悪ぃ! 俺はパス!」

「おいおい……仕事熱心なのは感心だが、毎日それじゃ身体を壊すぜ?」

「今日は徹夜しねーから大丈夫だよ」

「分かったよ……最近物騒な事件が起こってるから夜道には気をつけろよ?」

「あぁサンキュートニー 俺の分けまでクラブで楽しんできてくれよ」

この新入りの青年だって人間だ……遊びたい時だってあるし徹夜が続けば早くアパートに戻って身体を休ませたい時だってある。
ただこの青年にはやらなければならないことがある。
その為にこのコスモアカデミアが設立した大学を卒業し、このコスモアカデミアニューヨーク本部に入社したのだから。

「あぁもう! あとちょっとなのになぁ!」

上手く行かないことに焦り、そして苛立つ。
残された猶予があまりないことをこの青年は誰よりも感じていた。

「また今日も徹夜か甲平?」

いつの間にか研究室に入ってきたオールバックにメガネをかけたいかにもインテリジェンスな風貌の男が新入りに声をかけた。

「見てくれよ先輩! 後もう一歩ってところまで来てるんだ」

そう言って新入りはビーファイターの変身アイテムビーコマンダーを自慢気に見せつけた。
そう……この新入りはただの新入りではない。
二億年の眠りから目覚め、地球上の全生命を抹[ピーーー]べく動き出した悪の一族、メルザードを撃破したビーファイターカブト、鳥羽甲平その人であり、さらに言えばインテリジェンスな風貌の男も異次元組織ジャマールから人類を守った初代ビーファイターのブルービートこと甲斐拓也なのである。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 00:57:36.30 ID:mfi6AG+4O

「これは!? 甲平が一人で作ったのか!?」

「いや、通信で健吾や蘭にアドバイスや知識を貰ってるし難しい技術はこの地球脅威研究室のメンバーに聞きながらってとこかな」

「そうか……だが根気を詰めすぎは良くない それに明日は見学者の人たちの案内役だろ? だから明日に備えてもう帰れ」

「そんな悠長なこと言ってる時間はないし、闇の意思の脅威はそこまで来てるんだぜ? しかも今回の脅威はジャマールやメルザードの比じゃないことくらい先輩は俺なんかよりずっと分かってるはずだろ?」

甲平がここまで焦るのには理由があった。
二週間前から地球上のあちこちで昆虫たちが大量に発生する現象が頻発している。
この現象はジャマールやメルザードが現れた時にも起った現象にかなり酷似していたのだ。
しかも昆虫たちの数は前回の大量発生の比ではなく、加えて動物たちも何かに怯え、身を潜めたり凶暴化している。
一般人なら変わった現象だなぁ……の一言で済ませられるかもしれないが光の意思の後継者としてビーファイターになり戦った甲平には人類を無にすべく闇の意思が今度はさらに巨大な闇を放ったと確信が持てた。
しかし二人とも、光の意思によって変身アイテムを回収されビーファイターへの変身能力を失っており、闇の意思に対抗できる力がない、しかし光の意思が再び力を貸してくれる保証もない。
だから甲平は焦り、何日も徹夜で仲間の助けを借りながらビーファイターへの変身ツール復旧を忙しいでいたのだ。

「それはそうだが……で、何が足りない? 見た目は完璧そうだが?」

「昆虫の精だよ……あれがないとただ重い金属を着てるだけだから」

ビーファイターのアーマーは昆虫の聖なる力と人類の科学技術が融合してできた意思を持つ強化服。
昆虫の力がなければただの頑丈な重い鎧のようなもので、超人的なジャンプ力やスピードは出せない。
甲平は昆虫の精の代わりとなる動力源を探して、試し続けてはいるものの一時的にしか変身できないなど中々、上手くいかなかった。

「なるほどな…… 甲平、良くここまで頑張ってくれた 今日はもう帰った方がいい」

「いや、けど!……」

「大丈夫だから後は任せてくれ ここからは調査部である俺の出番だ」

頼れるのは昆虫族の長老であり、ビーファイターの誕生の産みの親であるグルなのだがメルザードとの激闘で力を使い果たし、この世にはもういない。
他に何か良い案でもあるのだろうか……しかし拓也の自信ありげな表情を見るに何かきっと考えが思い浮かんでいることは間違いはなさそうだ。

「ホントに任しても大丈夫なのかよ?」

「あぁ もちろんだ 甲平以外のコマンダーを全部俺に預けてくれ」

「いいけど、何で? 全部一時的にしか使えないぜ?」

甲平が開発したビーファイターの変身アイテムは技術介入できる部分は完璧とは言え、一番必要な昆虫の精どころか代わりになるエネルギー体すら見つかっていない。
苦肉の策として昆虫の体液や樹液などを科学的に調合しアーマーの動力源にしているのだが、活動時間はせいぜい十五分〜二十分でそれ以上時間が経ってしまうと、アーマー鉛のように重くなり自由を奪われてしまうため、まだまだ実戦で使えるような代物ではないのは明らかだ。

「承知のうえだ ジャマールやメルザード一族のような人外の脅威には人間の力だけじゃ必ず限界がある……あてがあるんだ」

正直、今の甲平では頭打ちになっている状況だ。
甲斐拓也と言う先輩は何の策もなく、こんな発言を適当にする人間ではないことを知っている。
なら先輩に任した方がもしかしたらいいのかもしれない……甲平はそう思った。

「先輩、頼んだぜ」

自分以外のコマンダーを藁にもすがる思いで拓也に託すと拓也からの説得もあり、渋々コスモアカデミアを後にして帰路につく。
高校を卒業してすぐにコスモアアカデミアが設立した大学に入学、もうアメリカに着て早五年ほどが経過していた……最初は色々と戸惑うことも多々あり、カルチャーショックを受けることもしばしば。
今は英語も喋れるようになり、かなりアメリカでの生活に慣れてきた感はある。
毎回、自転車で通勤しているのだが、来た当初はタイムズスクエアを通るだけでかなり興奮していた記憶があるが今では何も感じない。
今日の晩ごはん用の冷凍のチキンナゲットとピザをスーパーで買って、アパートに戻る。
こんな早く、アパートに帰ってきたのはいつぶりか……でも早く帰っても結局やることと言えば大してない。
いつもと同じ、チキンナゲットとピザをレンジで解凍し、飯を食べながらある人物と連絡を取る。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 01:00:31.16 ID:mfi6AG+4O

「おう、ゆい 元気か?」

「うん お兄ちゃんこそ風邪ひいてない?」

連絡を取る相手は決まって妹の鳥羽ゆいであった。
暇があれば、連絡を取ろうとする兄に対して普通なら嫌気がさすものだろうが、この兄妹の絆なは固く、ゆいもそんな兄からの連絡を心待ちにしている。

「そういえば教育実習あったんだろ? どうだった?」

妹のゆいは教師を目指していて、この前、教育実習があったのだが甲平はそのことが気になって仕方なかった。
生徒はちゃんと言うことを聞いたか、周りの教員は優しかったかなど気になることを事細かに聞き及んだ。
妹想いの良い兄と言えば聞こえは良いが、ここまで来るとシスコンと言われても文句は言えない。

「凄く楽しかったよ それでね、担当したクラスの男の子がコスモアカデミアに興味持ってて色々話したら連休に見学にしに行くって言ってたよ!」

「えぇ!? 日本支部じゃなくてわざわざアメリカ本部に!?」

「うん 行くんなら本部を見たいんだってさ」

甲平は明日の見学者たちのガイドになっている。
つまりその子を案内する可能性が高い。
慌てて明日の見学者の名前を確認すると参加者は三名だけ。
その中で一人、高校生を発見。

「佐原茂君って名前?」

「そうそう、素直で正義感の強いいい子だから優しくしてあげてね」

「おう 任せとけ そういえば健吾とは最近どう?」

甲平がゆいと通信するときに必ず聞くことがある……言ってしまえばそれが一番聞きたいことなのだが……。
それは共にビーファイターとして戦った健吾とゆいの関係について。
以前は友達以上恋人未満だったが一年程前頃からとうとう付き合い始めたことを聞いた。
妹が大好きな甲平にとってその後の関係が心配でしょうがない。

「順調だよ! この前、北海道に二人で旅行に行ってきたんだ!」

本来順調なら喜ばしいことなのだが、その報告は甲平にとっては複雑な心境にしかならなかった。
確かにプライドが高く、融通が聞かない部分もあり、出会った当初はよく衝突したこともある。
しかし共に戦ううちにお互いを認め合い戦友のような関係になっていった健吾を嫌いなはずがない。
だが妹がどんどん自分をから離れていく、必要としなくなっていくことが寂しくて堪らなかった。

「でも最近はあまり会ってないな……なんか昆虫が大量発生したりしてるらしくて健吾さんそのことで忙しいみたい……」

「大丈夫、大丈夫 職業柄定期的に忙しくなるんだから気にすんなって!」

「うん……でもなんか胸騒ぎがするの……またメルザードみたいなのが来るんじゃないか、また戦いになるんじゃないかって……」

「んなわけねーだろ? 心配しすぎだって!」

昆虫の大量発生はほぼ間違いなく闇の意思が起こしている現象……ゆいに心配はかけたくなかったから笑い飛ばして否定したが、近いうちに大きな闇の渦が人類を飲み込もうと押し寄せてくるだろう。

「最近、お兄ちゃんや健吾さんが私を置いて暗い闇の中に消えちゃう夢をよく見るの……だから私、不安で不安で…」

「心配すんな! 何があってもゆいから離れたりしないから 例えまた戦う時がきても俺や健吾が絶対ゆいを守ってやるから」

何とか勇気づけたかった……だから無理にでも明るく振る舞った。
ゆいの今にも泣きそうなくらい不安そうな声が電話越しに聞こえるだけで、胸が痛くなるから。
これから起こるであろう戦いはどんな規模になるかも予測がつかない。
もしかしたらその戦いの中にある闇に俺も健吾も呑み込まれて命を落とすことだってあるかもしれないのだ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/10(土) 01:01:59.10 ID:mfi6AG+4O

「ありがと……じゃあ私、バイトで明日も早いからそろそろ切るね」

「おう バイト頑張れよ おやすみ」

「うん お兄ちゃんこそ体調に気をつけて頑張ってね おやすみ」

通信が終わると甲平は残りのピザを平らげると猛烈な不安の波が押し寄せてきた。
甲平たちが再び戦場に戻る日のカウントダウンはもうとっくに始まっているのだ。
しかも敵も未知数なうえにビーファイターへの変身が制限され百パーセントの実力は少なくとも今は出せない状況。
それでもどんな強敵が出現したとしてもそれが地球上に生ける全ての命を脅かす奴らである限り、戦わなければならないのだ。
その中で今の自分たちはどれだけ命を救えるだろうか、強い敵に太刀打ちできるだろうか……。
そんな不安を抱きつつ、それでも前に進むしかない現状をまるで表現しているかのように甲平はずっと窓から夜の闇に光る星々をただ真っ直ぐに見つめ続けたのだった。
16 :魔界岸 :2018/03/10(土) 01:03:23.18 ID:mfi6AG+4O
>>10
ん?笑
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2018/03/10(土) 23:16:30.11 ID:6YcyhXro0
10歳ぐらいが自由帳に書きそうな内容
18 :魔界岸 :2018/03/11(日) 02:25:43.39 ID:Y8ZCGh7yO
>>17
確かにあなたのレス自体が10歳の子が自由帳にイタズラ書きしてそうな内容ですもんねw
19 :魔界岸 :2018/03/11(日) 02:26:26.15 ID:Y8ZCGh7yO
小鳥の囀ずりと永遠にジリジリと鳴り続ける目覚まし時計の音で甲平は目を覚ました。
眠たい目を擦りながら、カーテンを開けると眩しい朝日が部屋に入ってくる。

「やっべ! もうこんな時間かよ!?」

時計を確認すると、出社時刻まで後、一時間を切っていた。
コスモアカデミアまでは自転車でかなり飛ばして三十分はかかる。
昨日は帰ってゆいと通信してシャワー浴びたらすぐに寝たはずだが、身体が重い……やはり疲れがたまっているのだろうか。
このまま横になって二度寝したい気分だ……でも学生の時のようにそれだけの理由で休んでなどいられない。
それに今日は見学者のガイド役になっているし、それ以前に地球上に生ける生命を守るコスモアカデミアの一員なのだ。
そんな甲平がズル休みなど許されない。
甲平は朝食も採らず、バッグに作業服と資料を入れると部屋を飛び出した。
アパート前にある自転車置き場まで猛ダッシュすると、自転車に乗り、公道に乗り出す。
コスモアカデミアはマンハッタンの隣の島、自由の女神像が目と鼻の先にある。
海上に位置する為、従業員用の無料フェリーが二十四時間運航しているが、夜の九時まで常に三十分ごとの運航なので次のフェリーに乗り遅れれば遅刻ということになってしまう。
それだけは何とか回避したい甲平は必死にペダルを漕ぐ。
従業員専用の自転車置場に到着するやいなや、駆け足でフェリーに近づき、ガードマンにコスモアカデミアの従業員カードを見せ、乗り込む。
その後、一分も待たずにフェリーが動き出したのを見ると間一髪と言ったところか。
甲平は胸を撫で下ろすとゼェゼェと息を切らし、置かれている椅子に腰をかけ、バッグからタオルを取り出すと顔中に溢れ出た大量の汗を吸収させる。
とりあえずかなり疲れた……こんなに必死に走ったのはビーファイターとして戦っていた時以来かもしれない……。
コスモアカデミアにフェリーが到着すると従業員カードをかざして、専用の入口から入ると男性更衣室のドアを開ける。
それと同時にコスモアカデミアの作業服を着た男性が出てきた。
20 :魔界岸 :2018/03/11(日) 02:27:41.81 ID:Y8ZCGh7yO
「グッモーニング甲平! 今日は遅刻確定だな!もう見学者たち来てるぞ!」

ハッハッハッ!とちゃかして笑い飛ばすのは甲平の大学からの付き合いで同期であるトニーという職員。
部署が違う為、職場ではあまり合う機会は少ないがたまに合うとこうしてちゃかし合ったり、プライベートでは飲みに行ったりする仲だ。

「うるせーな 遅刻じゃねーよ 後五分あるだろ?」

「いや正確には後四分と三十秒だ」

「広報部は時間に余裕があっていいよなぁ それはそうと人の心配するよりもお前は自分の嫁さんの心配しとけよ」

トニーは大学時代から付き合っていたガールフレンドのクレアとコスモアカデミア入社直後に結婚、そしてこの前、奥さんの妊娠が発覚。
甲平はクレアと同じサークルだったこともあり親交があった。
トニーにクレアを紹介したのも甲平で恋のキューピッドである甲平にしてみれば自分のことのように嬉しかった。

「クレアは順調だから良いとして、今は甲平の遅刻が心配さ!だって残り時間が後三分しかない!」

「あぁーもう! お前せいでホントに遅刻しちゃうだろ!」

遅々として進まない準備に甲平は結構本気でイラついているがトニーはお構い無しにそんな甲平の肩を優しく揉みだす。

「まぁそう怒るなって それはそうと今日、家に来ないか? クレアの妊娠と誕生日を祝ってやりたいと思ってさ」

「夫婦水入らずでやってくれよ……」

「そう言うな クレアもお前が来たら喜ぶし、何よりお前が心配なんだ この前からずっと働き詰めだろ? たまには息抜きも必要さ 久しぶりに大学の時みたいに三人で楽しもうぜ?」

遠回りしたが、なんだかんだでそれが言いたかっただけ。
付き合いが長い甲平にはそれがよく分かっている。
ジョークを言いつつも、その中に感謝と優しさを忘れない……それがトニーと言う男だ。

「分かった、分かった そんなに言うんなら行ってやるよ クレアに直接おめでとうと行ってないし」

甲平がそう言うとトニーは嬉しそうに肩をちょっと強めに叩くと背を向ける。
そして部屋を出る直前に甲平に一言。

「遅刻するなよ? 後、二分ないぞ!」

「やっべ!」

甲平は慌ててコスモアカデミアの制服を着ると、今日のガイドの流れが書いてある資料を手に取り、まず自分の部署にダッシュし部長に出勤した報告。
そして、そのまま全速力で直線上にあるエレベーターには乗らずに階段を下る。
見学者たちはまず、見学者用の入口で待機することになっているはず。
その入口は従業員専用入口の二つ下の階、つまりここからだと一つ下の階だ。
ならエレベーターより断然階段を使った方が早い。
そして階段を二つ飛ばしで降りていき、ドアを開けると受付の女性の人がいる目の前の椅子に三人の人たちが座っていた。
見学者は彼らで間違いないだろう……甲平が腕時計を確認すると時間はピッタリ。
甲平は安堵し、一つ深い息を吐くと三人に近づく。

「えっと……今日の見学希望の方ですか?」

「はい!」

「南光太郎様、佐原茂様、佐原ひとみ様でお間違いはないですか?」

甲平が近づくと三人が立ち上がり、身長の高い白いジャケットを羽織った保護者らしき男性がニコやかに頭を下げる。

「そうです! あの急な予約だったんですが、今日はよろしくお願いします!」

保護者っぽいけど、なんだか若々しい……名字も違うがどういう関係だろうか……。
続いて、高校生くらいの男の子と小学校高学年くらいの女の子が同時にペコリと頭を下げる。

「よろしくお願いします!!」

「よろしくお願いします」

この高校生くらいの子がゆいの言ってた子だろう……元気があるし、確かに真面目で正義感が強そうな印象は受ける。
21 :魔界岸 :2018/03/11(日) 02:30:27.66 ID:Y8ZCGh7yO
「今日のガイドを務めさせていだだく鳥羽甲平です よろしくお願いします」

それにしてもアメリカにいて敬語をあまり使ってこなかったのもあってかなりやりづらい。
そもそも日本にいた時から敬語をあまり使ってこなかったのもあるが……。

「じゃあ早速案内しますので私についてきてください」

まずエレベーターのボタンを押し、見学者を先に入らせる。
接客は色々と気を使うし言葉も敬語使わないといけないし大変だ……きっと自分が接客の仕事に就いていたら上手くいってないだろう。
この仕事に就けて本当に良かったと甲平はつくづく思う。

「そういえば鳥羽さんって鳥羽ゆい先生のお兄さんですか?」

どうその話を切り出そうか迷っていたら助かった。

「そうです 茂君はとっても良い子だと話は聞いてますよ」

「そ、そんなことないです!……」

照れながら頭を掻く仕草が初々しくてまたかわいい。
自分にもそんな時期があったなぁ……と懐かしくも感じる。

「それはそうと先生から聞いたんですけど鳥羽さんはビーファイターなんですよね? 」

「それはまぁ……昔の事ですから……」

ゆいの奴、そんなことまで喋っていたのか……。
それにしてもビーファイターと言う単語を聞いただけで、今でも昨日のことのように鮮明に思い出す……仲間と共にメルザードと戦った日々を……。
でもあれから既に五年の時が過ぎようとしているのだ。
周囲の人からしたら五年前なんてかなり前の話しになる。

「俺、昔から地球が侵略されそうになるのを何度も見てきました 直接戦う力はなくても将来は戦う人たちのサポートをしたいんです」

「じゃあコスモアカデミアで茂君と働けるの待ってます」

しっかりした子だと感心する……何故なら甲平が高校生の頃、ビーファイターとなる前に地球を自分が守るなんて、それ以前に人外と戦う人たちをサポートしようだなんてこれっぽっちも思った事はなかったからだ。
こういう子たちの想いがあるからこそ、地球は悪の手から守られてたのかもしれない……。
そんなことを考えたりしていると、いつのまにやら見学コーナーの時間が終了をむかえていた。

「以上になります ありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました!! ゆい先生にもよろしくお伝えください」

ガイドは今までやったことがなく、面倒だと思っていたが案外楽しいものだ。
部署に戻ると今日の業務報告を書き、仕事を終えたのが午後六時。
この後はパーティーの時間だ。
トニーには一緒に直行しないかと誘われたが、荷物を置いてたいというのもあった為、一度自宅に戻ることにした。
荷物だけ、部屋に置くと鍵を締め、外出する。
トニーの家は甲平のアパートから自転車で約十五分かからないくらいの住宅街の一角にあり、比較的近い。
おそらく今回は酒も少なからず入るだろうし、徒歩で向かうことを決めると、まず甲平はクレアへの妊娠と誕生日を兼ねた祝いの品を買おうと近くにあるベビーグッズ専門店を訪ね、何を買おうかと悩んでいたところ、トニーからの着信が入る。

「何だよ? 今、行くからもうちょっと待ってろよ」

「甲平! 助けてくれ! こ、殺される!……」

「どうしたんだよ!?」

「ば、化け物が!……」

しかし電話はそこで途切れた。
トニーは大柄でボクシング経験者でそこら辺にいるようなチンピラなんかよりは断然強い
だが今の怖がりようは尋常ではなかった。
電話越しに恐怖が伝わってきて、何か見たことのない恐ろしいものを見てしまったかのようであったため、甲平はトニーに何かあったのではないかととてつもなく心配になってくる。
店を飛び出ると嫌な生温い風を振り切り、甲平はトニーの家へと走った……。
無事でいてくれ……それだけを甲平は必死に祈る。
だが……その必死の思いは虚しく消え去り、甲平は目の前で起こっている出来事を受け入れられず、我が目を疑った。
22 :魔界岸 :2018/03/11(日) 02:31:05.02 ID:Y8ZCGh7yO
それは何者かが、トニーに馬乗りになり、上半身を抉り取るとクチャクチャと音をたて食べている異様な光景。

「ヤメロォォォォォ!!」

甲平の声に驚いたのか、馬乗りになっていたものは後方にジャンプし、甲平を睨み付け、肉食獣のような声をあげ、甲平を威嚇している。
黒い体毛が全身を覆っており、角が二本、猛獣のような鋭い牙と長く斜めに尖った爪を持つ二足歩行の怪物。
それを見た人が鬼と思っても不思議ではない。
そんなおぞましい鬼の姿に目もくれず、無惨に倒れているトニーの遺体を甲平は抱き起こし、声をかける。
しかし目玉はくり貫かれ、内臓などの臓器も抉られむしり取られていたトニーに息はない。

「何だよこれ?……ウソだろ?……トニー!! しっかりしろトニー!! クレアと産まれてくる子はどうすんだよ!?……」

甲平の胸に悲しみ、そして自分が一度帰宅せずに一緒にいればと思うとやりきれない自責の念がこみあげてくる……。
何度も何度もゴメンと懺悔し、甲平の悲しみは激しい怒りへと変わり、人喰い鬼へと向けられた。
ワナワナと震える拳にコマンドボイサーを持ち、手をクロスさせ、鬼に突き出す。

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!! よくもトニーをっ!……超重甲!!」

人間と一体化することで起動する外骨格生体甲冑であるネオインセクトアーマーが甲平の身体に装着されていく。
そしてその金色に輝くアーマーはカブトムシを模す。
ビーファイターカブトに変身を遂げ、すぐさま鬼への攻撃を開始。
右太股のホルスターに携行している多機能銃、インプットカードガンにカード(IC-01)を装鎮させる。
アタックビームを鬼に向けて連射するが、鬼は脚力が異常に発達しており、素早い動きでビームを上手くかわしている。

「なんて速さだ!?」

そして奇声と共に高くジャンプし急降下。
カブトのボディを鋭い爪が引き裂く。
そのまま地面に倒れたカブトに鬼は馬乗り状態になると串刺しにしようと頭部目掛けて爪を突き立てる。
カブトは左右に頭部を動かし、それを間一髪で何とか避けていて戦況は防戦一方だ。
しかしメルザードと戦い、これ以上強い敵を何度も打ち倒してきた経験があるカブトは冷静だった。
鬼が突き立てた右手を抑え、逆に右手で鬼の顔面に強烈なパンチを浴びせる。

「もう一丁! オラァッ!」

吹っ飛んだ鬼が立ち上がる前にトニーの分だと言わんばかりのさっき浴びせたパンチより倍の力を込めたパンチを浴びせるとピヨッた鬼を葬る為の武器をその手に出現させた。

「フィニッシュウェポン!」

両端に矛状の刃が付いた槍、カブトランサー。
特殊合金ネオインセクタイト製でその威力は厚さ50センチメートルの鉄板も切り裂く。

「ライナァァァァァブラストォォォォォォ!!」

イオンエネルギーを刃に流し込み、超振動させたカブトランサーを高速で振り回して真空状態でプラズマを集め相手を横に斬り倒すカブトの必殺技、ライナーブラスト。
難敵を何度も倒したこの技に友への想いを込め、カブトランサを一閃する。
この技を浴びたら例え人外だろうとひとたまりもない。
鬼は獣のような叫び声をあげながら土塊となり、散った。
それを確認すると、カブトは友の遺体に向かってゆっくりと歩き出す。
愛する夫の帰りをクレアはきっと待っているはずだ……彼女が絶望にうちひしがれる姿……そんな姿誰も見たくはない。
その時、カブトの背後に鋭い痛みが走った。
鬼には仲間がいたのだ。
すぐ様崩したバランスを立て直そうとしたその直後、ネオインセクトアーマーの制御が効かなくなってしまう。

「情けねぇ……もう限界かよ!……」

しかも強制的にネオインセクトアーマーが解除され、鬼の魔の手が無防備な甲平に迫る。
ネオインセクトアーマーを纏っていない甲平では常人を遥かに凌ぐ身体能力を持つ鬼に太刀打ちすることもできない。
万事休すかと思われたその時だった……。

「リボルクラッシュ!! とあっ!!」

発光した光の刃が鬼の腹部を貫き、甲平の目の前に現れる。
光の刃が引き抜かれた時、鬼が断末魔の雄叫びをあげながら土塊になり辺りに飛び散った。
甲平の命を救ったのは二本の触覚と真っ赤な複眼に黒いボディをしたバッタを模したような戦士。
そしてその戦士は誰かを捜すように辺りを二度、三度見渡したが誰もいないのを確認すると、甲平に手を差しのべる。
その手を甲平が掴むと目の前にいたのは見覚えのある人物で今日、コスモアカデミアの見学者の一人だ。

「あんた昼間の……何者なんだ?」

「ここで話すと長くなる 明日、もう一度コスモアカデミアに行く そこで話さないか?」

暗闇の中、出会った二人の戦士……果たしてこれは偶然か必然か。
そしてこの出会いは光と闇、正と悪が激しくぶつかり合う戦いの序章であることを二人の戦士は感じていたのだった。
23 :魔界岸 [sage saga]:2018/03/12(月) 23:49:41.11 ID:yP35pogg0
小鳥の囀ずりと永遠にジリジリと鳴り続ける目覚まし時計の音で甲平は目を覚ました。
眠たい目を擦りながら、カーテンを開けると眩しい朝日が部屋に入ってくる。

「やっべ! もうこんな時間かよ!?」

時計を確認すると、出社時刻まで後、一時間を切っていた。
コスモアカデミアまでは自転車でかなり飛ばして三十分はかかる。
昨日は帰ってゆいと通信してシャワー浴びたらすぐに寝たはずだが、身体が重い……やはり疲れがたまっているのだろうか。
このまま横になって二度寝したい気分だ……でも学生の時のようにそれだけの理由で休んでなどいられない。
それに今日は見学者のガイド役になっているし、それ以前に地球上に生ける生命を守るコスモアカデミアの一員なのだ。
そんな甲平がズル休みなど許されない。
甲平は朝食も採らず、バッグに作業服と資料を入れると部屋を飛び出した。
アパート前にある自転車置き場まで猛ダッシュすると、自転車に乗り、公道に乗り出す。
コスモアカデミアはマンハッタンの隣の島、自由の女神像が目と鼻の先にある。
海上に位置する為、従業員用の無料フェリーが二十四時間運航しているが、夜の九時まで常に三十分ごとの運航なので次のフェリーに乗り遅れれば遅刻ということになってしまう。
それだけは何とか回避したい甲平は必死にペダルを漕ぐ。
従業員専用の自転車置場に到着するやいなや、駆け足でフェリーに近づき、ガードマンにコスモアカデミアの従業員カードを見せ、乗り込む。
その後、一分も待たずにフェリーが動き出したのを見ると間一髪と言ったところか。
甲平は胸を撫で下ろすとゼェゼェと息を切らし、置かれている椅子に腰をかけ、バッグからタオルを取り出すと顔中に溢れ出た大量の汗を吸収させる。
とりあえずかなり疲れた……こんなに必死に走ったのはビーファイターとして戦っていた時以来かもしれない……。
コスモアカデミアにフェリーが到着すると従業員カードをかざして、専用の入口から入ると男性更衣室のドアを開ける。
それと同時にコスモアカデミアの作業服を着た男性が出てきた。
24 :豊田真由子 :2018/03/12(月) 23:50:42.27 ID:yP35pogg0
木村真一/仮面ライダー龍騎
「翔太、キミにもライダーキック・・・。」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「そういや、『ナイツオブダークネス相関図』の整理の方は終わったのか?」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あぁ、これね・・・。」

そう言われた木村はノートパソコンを開く。

『ナイツオブダークネス相関図』

木村真一/仮面ライダー龍騎
「今やるよ。」

木村は『ナイツオブダークネス相関図』に新たなメンバーの追加を入れている。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「ったく、いい加減な奴だな。オリジナルの龍騎である城戸真司もそうだが、相変わらずお前は何でも中途半端な奴だ。」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「だから今やるって!」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「どうだかな。」

荒木は木村の前から去って行く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あっ、ちょっと、翔太!」

荒木は木村に呼び止められる。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「何だ?」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「力を合わせて・・・これ、一緒にやろうよ。」

木村がそう言うと荒木は・・・。

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「ハアッ・・・バカか、お前は。」

そう言って荒木は去って行く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「あっ、ちょっと待って・・・アチッ!」

木村は荒木の所へ行こうとすると置いてあるカップの紅茶をこぼした。そしてこぼした所をタオルで拭く。

木村真一/仮面ライダー龍騎
「仲間だろ!?」

荒木翔太/仮面ライダーナイト
「知るかよ。」

木村真一/仮面ライダー龍騎
「ちょっと、翔太!」

木村は荒木の所へと走る。するとそこに新庄が現れ、途中の『ジャスティスナイト相関図』が映るノートパソコンを見た。

新庄美香/仮面ライダーアギト
「・・・・・・順調じゃねぇか。」

そう言って新庄も去って行った。ところで木村が見ていたのは全部夢だったのか、それは誰にも分からなかったようだ。
25 :豊田真由子 :2018/03/12(月) 23:51:17.58 ID:yP35pogg0


モバP「なあ薫」


薫「なになに!?」


モバP「実はな今のはドッキリなんだ」


薫「どっきり?」


モバP「つまり嘘ってことだ」


薫「うそ?せんせぇはかおるのことすきじゃないの?」


モバP「そうだ」


モバP(あれ?なんか俺今やばいこと言ってないか)


薫「うぇ……せんせぇはかおるのこときらい、なの?」グスッ


モバP(やばい薫が今にも泣きそうな状態に)


モバP(ちひろさん俺どうすればいいんですか!)


ちひろ(……)


モバP(おいちひろぉぉぉ!)


薫「うっうっ……うわぁぁぁぁん!」


モバP「ちょっ薫!?」


薫「せんせぇのうそつきぃぃぃ!!だいっきらい!!」ダッ


モバP「まっ待ってくれ!」

26 :豊田真由子 :2018/03/12(月) 23:51:57.53 ID:yP35pogg0
それから龍騎は廃工場へと着くが、ミラーワールドに何か違和感に悩んでしまう。

仮面ライダー龍騎
「やっぱり何か変なんだよな。おかしいな・・・。」

時々考えてしまうその時!

仮面ライダー龍騎
「うっ!うわっ!いてっ!うわあっ!ああっ!てーっ・・・!」

突然何者かに殴り蹴り、そして殴られた後に転がり落ちた龍騎。それは・・・。

ミラーモンスター軍団
『ウエアハァ・・・。』
27 :豊田真由子 :2018/03/12(月) 23:55:19.36 ID:yP35pogg0
莉緒「そういうのは良くないわよ。自分でやれる事はちゃんとさせなきゃ、奥さんがいないと何にも出来ない男になっちゃうじゃない。」

美奈子「それがいいんじゃないですか。思いっ切り頼ってもらった方が、こっちもお世話のやり甲斐がありますもん。」

莉緒「そう?なんか美奈子ちゃん心配ねえ。ろくでもない男に引っ掛かんないようにしなさいよ。」

のり子(どっちかって言うと莉緒姉の方だけどね、それ。)

美奈子「のり子だったらどう?」

のり子「アタシ?うーんそうだなぁ。理想を言えば逞しい男の人だね、やっぱり。」

莉緒「タイプじゃなくて、旦那様に何をしてあげたいかでしょ。」

のり子「あそっか。やってあげたい事ねえ、なんだろ。」


28 :魔界岸 :2018/03/12(月) 23:55:58.37 ID:yP35pogg0


「ご愁傷様、残念だったね。」


ボシュボシュボシュ


背中の艤装に取り付けたボックスから飛び出た砲身、対潜迫撃砲ことスキッドの弾頭が発射されていく。

発射された弾体は40mの三角形に集束し・・・・。

ドゴン。

予め設定された水深で弾頭が爆発し圧力波で敵を完全に殴り倒す。


(これだけ爆発が酷いと助かる見込みは零だろうね。)


しばらく後に大量の油の様な物と深海棲艦の潜水艦がつけるシュノーケルの様な物が浮かび上がる。


「こちら時雨、鎮守府戦闘指揮所どうぞ。」

「こちら鎮守府指揮所不知火。どうされました?」

「潜水艦の掃討が完了したよ。エリア1〜6までオールグリーン。帰投するよ。」

「こちら不知火。了解しました。」

「雪風から同じく鎮守府戦闘指揮所へ。」

「不知火です。」

「エリア7〜12まで同じくオールグリーンです。帰投します!」

「了解しました、お疲れ様です。」

29 :魔界岸 :2018/03/12(月) 23:57:13.62 ID:yP35pogg0

男「……あのさ」

後輩「なんですか?」

男「僕のこと、どうして先輩って呼んでるの? 僕が誰なのかわからないのに」

後輩「……」

男「本当はわかってるんじゃないの。覚えていないふりをして、僕のことを虐めてやろうっていう魂胆なんでしょ?」

後輩「……」

男「ありがとうございます! 最高に興奮してます!」

後輩「こちらこそ、ありがとうございます。おかげで、通報する踏んぎりがつきました」

30 :魔界岸 :2018/03/12(月) 23:57:45.62 ID:yP35pogg0
ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

仮面ライダーBLACKとして闇の秘密結社ゴルゴムから地球を守り、異次元世界からの侵略者クライシス帝国には仮面ライダーBLACKからRXへと新たなる進化を遂げ、立ち向かった男がいた。
いかなる状況でも子供たちの夢を守ってきた歴戦の強者であるその男の名は南光太郎。
彼は最近、毎日のように見る悪夢に魘され、アメリカ・ニューヨーク外れの古いモーテルで目を覚ました。

「またこの夢か……冗談じゃないぜ……」

光太郎にとって忘れることのできない友が夢の中で血塗れになり、問いかけ、訴える。

ー教えてくれ、光太郎……何でお前なんだよ?……どうしてお前じゃなくて俺がこんなめに遇わなくちゃいけないんだよ?……ー

友は全身血塗れで膝をつき泣きながら光太郎の袖を掴む。
毎日、そこで光太郎の夢は覚めるのだ。

「信彦……」

秋月信彦……光太郎と同じ日にゴルゴムに連れさられ、改造手術を受けた幼馴染。
光太郎は運良く、洗脳手術の前に脱出できたが友である信彦は洗脳を受け、ゴルゴムの創世王候補シャドームーンなってしまったのだ。
その後、幾度となく戦い、遂に光太郎はシャドームーンを討ち果たすが、それは同時に人格は違えど、友を自分の手で殺めてしまったことを意味する。
その信彦が泣き、光太郎を憎みつつ必死に訴える姿……光太郎にとってこれ程、嫌な夢はなかった。

「何故、今になってこんな夢を……」

この夢は少なくとも二週間は続いている。
その影響も有り、光太郎は胸騒ぎが治まらず、不吉な予感に苛まれていた。

「いや、ただの夢だ 明るくいかないと!」

光太郎は無理に自分を奮いたたせる。
今日から一週間、叔母と叔父の子供たちがニューヨークにやってくるのだ。
無理にでも明るくしないと心配をかけてしまう。
光太郎はベッドから足を下ろし、リュックからペットボトルを取り出すと半分まで減っていたミネラルウォーターを飲み干すと心を落ち着かせる。

「まだ少し時間があるなぁ」

テーブルに置いてあったリモコンを取り、テレビの電源をつけるとニュース番組がやっており、日本人が映っていた。
どうやら衛生省からの中継のようで、日本ではゲーム病気が流行っていて発症した人達は消えてしまうと言う奇怪な病気だ。
しかし会見した若い医師は消えてしまった人達を治すことを諦めない。
感染した人達の名前を読み上げると「皆さんの笑顔を取り戻したいと思っています」と堂々と言い切ったのである。
若いのに立派なものだ……僅かでも可能性があれば、治ること、消えた人達が戻ってくれると親しい者であればあるほど信じる。
逆に無理と言ってしまえば、プレッシャーはなくなり楽になるが彼はそれをしなかったことに光太郎は驚き目を細めた。
あえて期待を一身に背負い、雲を掴むような道を彼は進んむことを決意した彼を心の中ではあるが称える。

「そろそろかな」

ニュースに夢中になっていたらいい時間になっていることに気づくと光太郎はテレビを消し、リュックを背負うとモーテルを後にする。
モーテル前に停めてあったバイクにまたがるとヘルメットを着用し、バイクを走らせ、ニューヨーク市内にある空港を目指す。
その道は一本の田舎道が続き、広大な畑も見られ、ここだけを見ると日本もアメリカも大した違いはないと感じ懐かしさをも感じる。
そして今日は天気も良く、心地よい風め吹いていて運転をしていてとても気持ちいい。
清々しい風を浴びながらバイクを走らせ続けるとようやく人通りも多く、交通量も増えてくる。
ここまで来るとテレビで見ていた時のような超高層ビルが立ち並び、アメリカにいるのを実感できた。
そんなのも束の間、一時間半程バイクを走らせると空港が見えてくる。
約束の時間まで後少しだ……胸の高鳴りを抑えつつ
光太郎は腕時計で時間を確認すると近くの駐車場にバイクを停めて、ヘルメットを置き空港に急ぐ。
空港に到着すると人混みの中を掻き分け、茂とひとみを捜す。
会うのは約6年ぶり。
自分が知っている茂とひとみはまだ二人とも小学生だった頃だ。
今は茂が高校生、ひとみは中学生になっているはず……ちゃんと自分のことを覚えているだろうかと少し不安になったりもする。

「「光太郎兄ちゃん!!」」

しかしそれは杞憂だった。
二人はしっかりと光太郎の存在を覚えていたのだ。
胸を撫で下ろすと手を振る二人の方に足を進める。

「二人共、久しぶり!」

昔は少しぽっちゃりしていた茂だが身長が伸び、身体も引き締まっていて、ひとみはモデルのように手足が長くシュッとしていてヘアスタイルもロングヘアーに変わっていた。

「二人共、ホントに大きくなったね!」

「光太郎兄ちゃんは全然見た目変わってないのが凄いよな」

「うん、茂お兄ちゃんと違ってイケメンだしね!」

「おい、ひとみ! それは傷つくから言うな!」

そして三人で笑いあう……光太郎は二人の笑顔が何よりも嬉しかった。
どんなに大きくなっても光太郎にとってはかわいい従兄弟たちなのを改めて実感する。
31 :魔界岸 :2018/03/12(月) 23:58:28.09 ID:yP35pogg0


【DATE】06/15 19:11
【FROM】misaka-10032@mi
【sub】このモヤシ野郎
------------------------
メルアド教えて連絡しろとか
言っていたくせに、
ドメイン拒否とはいささか
意地が悪いし根性悪いし
性格も悪いのでは?
知ってたけど(笑)
とわざわざこの為に
フリーアドレスを取得した
労力に何か対価を払え、
とミサカは伝えます。





【DATE】06/15 19:23
【FROM】モヤシ
【sub】オマエあいつか…
------------------------
10032号とかいうやつか?

仕方ねェだろ、忘れてたンだよ。
オマエらが1000件爆撃メール
送ってきたあの日以来、
ドメイン指定拒否解いてなかったわ


32 :魔界岸 :2018/03/13(火) 00:00:17.47 ID:hezG8aLc0
くそくそ ぼっこ屋 ぼっこンガ ボコイチ [ピザ]カツラ ぷるやくん サイジャククレクレボッコンガ ボコノシタ アマギフクレクレ 香川醜豚(カガワオーク) ハイテンション[ピザ] 粗チン サトーカー ブーメン佐藤

くろくろとは香川県警公認の無職である。特技は自己紹介(ブーメラン)、現実逃避。趣味はニコ生配信における説教(という名の暴言) 現在は親に甘えて実家に住んでいたり、家出してホームレスになったりと不安定である。

イラつくことがあると物に当たる(壊す)癖があり、壊した責任をリスナーに責任転嫁する。(例:「お前らが俺を怒らせたせいで〜」等。また後述する数々の言動から重度の自己愛性パーソナリティ障害を発症している可能性がある。

過去にはGTA5やポケモンなどのゲーム実況で暴言、近頃は説教と称した暴言や常人には一切理解不能な異次元の理屈や自称正論を並べ不愉快な笑い声を上げているだけの放送を屋内外で展開している。

2015年1月6日に高松駅で乞食行為を行って香川県警から拘束、同年2月24日に書類送検を受けたにも関わらず、反省の色を見せておらず、ニコ生を続けている要注意人物である。

本人曰く「一回だけなら書類送検で済ませてくれるよww」とのこと。

また、ニコ生主に対して放送をジャックしてくれませんか?という「お願い」をしに時々巡って来ることがある。本人曰く「売名させてあげる」という意図らしいのだが、自身の悪評が広まりすぎたため主にくろくろの事を知らない相手にしか声を掛けない。
今までのジャック依頼をする相手の大まかな傾向としては、自分より年下であると思われること、女性であること、またくろくろの考えに同調する人間であること、等。

ただし、後述するくろくろの行動から不愉快な思いをさせられる可能性が高いので、もしも「ジャックしてくれ」と呼びかけられても断ることを強く推奨させていただきます。

事例として、10代の女の子にジャックさせて、SkypeIDを聞きだした上で通話中に自慰行為をしていたことがある。ということを挙げさせていただきます。女の子を自分の性処理道具として見ている可能性もあり、接触は可能な限り控えることを推奨します。

具体的な行動は後述。
33 :魔界岸 :2018/03/13(火) 00:00:56.49 ID:hezG8aLc0
・叫び声が非常に甲高くキモイ事に定評がある。特に怒り狂った時に上げる奇声はガラスを爪で引っ掻いた音を聞く方がマシなレベル。また笑い声も傍から聞くと老魔女の笑い声の様である。

・くろくろの性格は知的障害者そのものである(実際軽度の知的障害を患っている。詳細は後述。)。
そんな彼の捻くれた性格と悪態と経歴を簡単にまとめた。以下の通りである。
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)
発達障害
ロリコン
処女厨
童貞
虫歯持ち
ピーターパン症候群(?)
[ピザ]
自称水島ヒロ似
ナルシスト
クチャラー
無職
すねかじり
掃除できない
部屋に脱糞
癇癪持ち
盗電
7つの大病
虚言癖
34 :魔界岸 :2018/03/13(火) 00:01:22.54 ID:hezG8aLc0
自分の立場が上、自分が強いと常に主張しているが全く根拠がない。ゲーム内でもハッキリ言って「下手」と言える腕前で毎度フルボッコにされ、回線が悪いなど何かと理由をつけて逃走する(自分でLANを抜いたりゲームディスクを抜いたりする事もあるが本人は逃げを認めることはない)。このことから、くろくろがネット上現実問わず逃げに走ることを表す「逃げスイスイ」というワードがリスナー間で定着した。 

ゲームの対戦相手に対する脅し文句に「暴力団」「ゲームの運営会社」を名乗る事がある。本人は軽く考えているのかもしれないがこれらはれっきとした「犯罪行為」である(前者は最悪「脅迫罪」に該当)。

GTA

良くも悪くも、くろくろを代表する企画(?)といえば、『GTAO』配信における「他生主を発狂させる」と銘打ち、他のGTAO放送を荒らす事であろう。だが、啖呵を切って突撃したまではいいものの大抵ボロ負けする[1]。しかし、どんな一方的な展開での敗退でも絶対に負けを認めようとはせず、しまいには自分ルールを押し付けるうえ自分は平気でそれを破り、自分の意に沿わないと、リスナーや生主の意見に構わず聞くに堪えない暴言を吐き散らす、という流れがお約束となってしまった。

上記のとおり他ゲーム配信者の放送中に荒らしにいっては大抵返り討ちにされるのだが、ごくたまに一部の生主や粘着チーターに徹底的にフルボッコされたうえ弄ばれてしまい、放送中にくろくろがトラウマを植えつけられ壊れてしまった事がある。とはいえ元々くろくろ自身が他の生主の元に荒らしに行っている人物なので完全な自業自得であるため、囲い以外には全く同情されていない。

GTAO上でVC相手に喧嘩をふっかけてはいるが、自らの所業によるアンチが増え続けた結果、どこのセッションに行ってもアンチに狩られると言う「喋るサンドバック」(サウンドバックではない)と化し、発狂具合も加速していく。その有り様に何も知らないVC勢も「くろくろ」と言う単語を検索し、GTAOプレイ中にこの記事の内容を音読するという事態にもなった。(当然くろくろの発狂は更に加速した)

2014年8月30日の放送において「GTA5のディスクが割れた」ことが発覚し、様々な煽りを受ける。
後述の通り本人は当時、公務員で月40万貰ってることを自称しており、それが事実なら新しいディスクもすぐに購入に行けるにはずなのに「お金がない」と愚痴をこぼした。公務員で月40万貰うなら買えるはずなのに、なぜ大金がすぐに消えるのか謎。引っ越しを予定しているらしいが、40万稼いでるなら余裕あるはずなのに・・・・
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/03/13(火) 00:28:05.27 ID:dG+DPPW8O
>>23 >>24 >>24
ゴミwww
36 :魔界岸 :2018/03/13(火) 00:29:32.93 ID:81NWpXtRO
まだ信じられない……トニーが死んだなんて……助けられたはずの命だったはず……。
トニーの死をクレアに伝えた時、まるで子どものように泣きわめき、その痛々しい姿を自責の念に耐えきれず、直視することができなかった。
その日の夕方までいつも通りに会話をしていたのに……。
運命とか天命があるにしたってとてもじゃないが、受け入れることなんてできない。
こんな状況ではさすがに仕事に身が入ることなんてできるはずもなかった。

「甲平、電話鳴ってるぞ」

「あぁ……」

上司の言葉でようやくデスクにある受話器を取ると、受付からだった……南光太郎と言う男がどうしても伝えたいことがあり来ていると……。
昨日、もう一匹の鬼を倒した男……敵ではないのだろうが黒いバッタのような異色な姿だったが何者だろうか。
どうしても伝えたいこととは何なのか?……甲平は力なく光太郎が待っている受付ロビーに向かう。
甲平が到着すると光太郎は昨日と同じ白いジャケットを着て受付の人からかなり離れた場所にある窓を見つめついたが甲平が来たのを感じとるとこちらを向き、まず一礼する。

「勤務中に訪ねてすまない 」

「こっちは知り合いが亡くなって独りになりたい気分なんだ……手短に頼むぜ?」

正直、今は誰とも話したくないし会いたくもない状態。
本当は職場であるコスモアカデミアにさえ来たくなかったくらいだ。

「知り合い?……昨日襲われたのは君の知り合いか……そうだったのか……俺には痛い程君の気持ちが分かる……」

「ところでどうしても伝えたいことって何だよ?」

この人に何が分かると言うのか……。
友人は自分と一緒なら死ぬことはなかったのだ。
明らかに自分の判断ミスで友人は命を奪われてしまっ……たこの深い悲しみや無念さが他人に簡単に分かるはずもない。
少しイラッときた甲平はどうしても伝えたいと言う要件だけを聞き、その場から去ろうと考えていた。

「まず改めて今の現状を整理したい……俺は南光太郎 仮面ライダーBLACK RXだ」

「仮面ライダー!? 仮面ライダーってあの都市伝説に出てくる?」

甲平が「仮面ライダー」を知ったのはまだ高校生だった時のことだ。
甲平の高校ではまことしやかに仮面ライダーは改造人間だとか鬼だとか、人間が進化した姿や吸血鬼だと噂されていた。
しかしその頃、甲平はメルザードと戦ってっていたが、仮面ライダーなんて助けに来るどころか一度も見たことがない。
本当に仮面ライダーとやらが存在するのなら手助けくらいしてくれても良いはず……。
だから悪の組織と戦う孤独な正義のヒーロー仮面ライダー……甲平の中では都市伝説の中だけの存在だとばかり思っていた……。
本当に実在していたなんて……俄には信じがたい話しではあるが実際に光太郎の仮面ライダーとしての姿をしっかりとこの目で見ているだけに否定はできない。

「俺は鳥羽甲平、ビーファイターカブト」

「やはり君がビーファイターだったのか……なら話は早い 俺は昨日の夜、ある男を追っていた……その途中であの鬼のような怪物と出くわしたんだ」

光太郎によればある人物を追っていた途中で、あの鬼に遭遇、RXに変身し戦闘に入った……戦ううちに形勢が不利と悟った鬼はRXから逃亡、そして鬼は昨日、甲平と光太郎がそれぞれビーファイターカブト、仮面ライダーBLACK RXとして出会った場所に逃げた。
そしてまだ鬼には仲間、いや鬼に指示を出している親玉がいたらしいのだ。
暗くて姿まではよく見えなかったが、鬼をまるでペットのように扱っていたという。
37 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/13(火) 00:30:57.82 ID:81NWpXtRO
荒らしの人暇人すぎw
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/13(火) 22:56:22.91 ID:KvTlal3UO
せめて紙に書けばお尻拭きくらいには使えたかもしれないのに
39 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:43:57.08 ID:zRbiegiXO
>>38
自分こそつまらん悪口書いてる暇があれば、せめて人のためになることができるのにねw
40 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:45:37.71 ID:ZTSovdFhO
 

「グッモーニング甲平! 今日は遅刻確定だな!もう見学者たち来てるぞ!」

 

ハッハッハッ!とちゃかして笑い飛ばすのは甲平の大学からの付き合いで同期であるトニーという職員。

部署が違う為、職場ではあまり合う機会は少ないがたまに合うとこうしてちゃかし合ったり、プライベートでは飲みに行ったりする仲だ。

 

「うるせーな 遅刻じゃねーよ 後五分あるだろ?」

 

「いや正確には後四分と三十秒だ」

 

「広報部は時間に余裕があっていいよなぁ それはそうと人の心配するよりもお前は自分の嫁さんの心配しとけよ」

 

トニーは大学時代から付き合っていたガールフレンドのクレアとコスモアカデミア入社直後に結婚、そしてこの前、奥さんの妊娠が発覚。

甲平はクレアと同じサークルだったこともあり親交があった。

トニーにクレアを紹介したのも甲平で恋のキューピッドである甲平にしてみれば自分のことのように嬉しかった。

 

「クレアは順調だから良いとして、今は甲平の遅刻が心配さ!だって残り時間が後三分しかない!」

 

「あぁーもう! お前せいでホントに遅刻しちゃうだろ!」

 

遅々として進まない準備に甲平は結構本気でイラついているがトニーはお構い無しにそんな甲平の肩を優しく揉みだす。

 

「まぁそう怒るなって それはそうと今日、家に来ないか? クレアの妊娠と誕生日を祝ってやりたいと思ってさ」

 

「夫婦水入らずでやってくれよ……」

 

「そう言うな クレアもお前が来たら喜ぶし、何よりお前が心配なんだ この前からずっと働き詰めだろ? たまには息抜きも必要さ 久しぶりに大学の時みたいに三人で楽しもうぜ?」

 
41 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:47:48.74 ID:ZTSovdFhO
遠回りしたが、なんだかんだでそれが言いたかっただけ。

付き合いが長い甲平にはそれがよく分かっている。

ジョークを言いつつも、その中に感謝と優しさを忘れない……それがトニーと言う男だ。

 

「分かった、分かった そんなに言うんなら行ってやるよ クレアに直接おめでとうと行ってないし」

 

甲平がそう言うとトニーは嬉しそうに肩をちょっと強めに叩くと背を向ける。

そして部屋を出る直前に甲平に一言。

 

「遅刻するなよ? 後、二分ないぞ!」

 

「やっべ!」

 

甲平は慌ててコスモアカデミアの制服を着ると、今日のガイドの流れが書いてある資料を手に取り、まず自分の部署にダッシュし部長に出勤した報告。

そして、そのまま全速力で直線上にあるエレベーターには乗らずに階段を下る。

見学者たちはまず、見学者用の入口で待機することになっているはず。

その入口は従業員専用入口の二つ下の階、つまりここからだと一つ下の階だ。

ならエレベーターより断然階段を使った方が早い。

そして階段を二つ飛ばしで降りていき、ドアを開けると受付の女性の人がいる目の前の椅子に三人の人たちが座っていた。

見学者は彼らで間違いないだろう……甲平が腕時計を確認すると時間はピッタリ。

甲平は安堵し、一つ深い息を吐くと三人に近づく。

 

「えっと……今日の見学希望の方ですか?」

 

「はい!」

 

「南光太郎様、佐原茂様、佐原ひとみ様でお間違いはないですか?」

 

甲平が近づくと三人が立ち上がり、身長の高い白いジャケットを羽織った保護者らしき男性がニコやかに頭を下げる。

 

「そうです! あの急な予約だったんですが、今日はよろしくお願いします!」

 

保護者っぽいけど、なんだか若々しい……名字も違うがどういう関係だろうか……。
……。

 
42 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:48:31.90 ID:ZTSovdFhO

続いて、高校生くらいの男の子と小学校高学年くらいの女の子が同時にペコリと頭を下げる。

 

「よろしくお願いします!!」

 

「よろしくお願いします」

 

この高校生くらいの子がゆいの言ってた子だろう……元気があるし、確かに真面目で正義感が強そうな印象は受ける。

 

「今日のガイドを務めさせていだだく鳥羽甲平です よろしくお願いします」

それにしてもアメリカにいて敬語をあまり使ってこなかったのもあってかなりやりづらい。

そもそも日本にいた時から敬語をあまり使ってこなかったのもあるが
43 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:50:02.58 ID:ZTSovdFhO
「じゃあ早速案内しますので私についてきてください」

 

まずエレベーターのボタンを押し、見学者を先に入らせる。

接客は色々と気を使うし言葉も敬語使わないといけないし大変だ……きっと自分が接客の仕事に就いていたら上手くいってないだろう。

この仕事に就けて本当に良かったと甲平はつくづく思う。

 

「そういえば鳥羽さんって鳥羽ゆい先生のお兄さんですか?」

 

どうその話を切り出そうか迷っていたら助かった。

 

「そうです 茂君はとっても良い子だと話は聞いてますよ」

 

「そ、そんなことないです!……」

 

照れながら頭を掻く仕草が初々しくてまたかわいい。

自分にもそんな時期があったなぁ……と懐かしくも感じる。

 

「それはそうと先生から聞いたんですけど鳥羽さんはビーファイターなんですよね? 」

 

「それはまぁ……昔の事ですから……」

 

ゆいの奴、そんなことまで喋っていたのか……。

それにしてもビーファイターと言う単語を聞いただけで、今でも昨日のことのように鮮明に思い出す……仲間と共にメルザードと戦った日々を……。

でもあれから既に五年の時が過ぎようとしているのだ。

周囲の人からしたら五年前なんてかなり前の話しになる。

 
44 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:50:47.88 ID:ZTSovdFhO

「俺、昔から地球が侵略されそうになるのを何度も見てきました 直接戦う力はなくても将来は戦う人たちのサポートをしたいんです」

 

「じゃあコスモアカデミアで茂君と働けるの待ってます」

 

しっかりした子だと感心する……何故なら甲平が高校生の頃、ビーファイターとなる前に地球を自分が守るなんて、それ以前に人外と戦う人たちをサポートしようだなんてこれっぽっちも思った事はなかったからだ。

こういう子たちの想いがあるからこそ、地球は悪の手から守られてたのかもしれない……。

そんなことを考えたりしていると、いつのまにやら見学コーナーの時間が終了をむかえていた。

 

「以上になります ありがとうございました」

 

「こちらこそありがとうございました!! ゆい先生にもよろしくお伝えください」

 

ガイドは今までやったことがなく、面倒だと思っていたが案外楽しいものだ。

部署に戻ると今日の業務報告を書き、仕事を終えたのが午後六時。

この後はパーティーの時間だ。

トニーには一緒に直行しないかと誘われたが、荷物を置いてたいというのもあった為、一度自宅に戻ることにした。

荷物だけ、部屋に置くと鍵を締め、外出する。

トニーの家は甲平のアパートから自転車で約十五分かからないくらいの住宅街の一角にあり、比較的近い。

おそらく今回は酒も少なからず入るだろうし、徒歩で向かうことを決めると、まず甲平はクレアへの妊娠と誕生日を兼ねた祝いの品を買おうと近くにあるベビーグッズ専門店を訪ね、何を買おうかと悩んでいたところ、トニーからの着信が入る。

 

「何だよ? 今、行くからもうちょっと待ってろよ」

 

「甲平! 助けてくれ! こ、殺される!……」

 

「どうしたんだよ!?」

 

「ば、化け物が!……」

 

しかし電話はそこで途切れた。

トニーは大柄でボクシング経験者でそこら辺にいるようなチンピラなんかよりは断然強い

だが今の怖がりようは尋常ではなかった。

電話越しに恐怖が伝わってきて、何か見たことのない恐ろしいものを見てしまったかのようであったため、甲平はトニーに何かあったのではないかととてつもなく心配になってくる。

店を飛び出ると嫌な生温い風を振り切り、甲平はトニーの家へと走った……。

無事でいてくれ……それだけを甲平は必死に祈る。
45 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:52:20.33 ID:ZTSovdFhO
だが……その必死の思いは虚しく消え去り、甲平は目の前で起こっている出来事を受け入れられず、我が目を疑った。

それは何者かが、トニーに馬乗りになり、上半身を抉り取るとクチャクチャと音をたて食べている異様な光景。

 

「ヤメロォォォォォ!!」

 

甲平の声に驚いたのか、馬乗りになっていたものは後方にジャンプし、甲平を睨み付け、肉食獣のような声をあげ、甲平を威嚇している。

黒い体毛が全身を覆っており、角が二本、猛獣のような鋭い牙と長く斜めに尖った爪を持つ二足歩行の怪物。

それを見た人が鬼と思っても不思議ではない。

そんなおぞましい鬼の姿に目もくれず、無惨に倒れているトニーの遺体を甲平は抱き起こし、声をかける。

しかし目玉はくり貫かれ、内臓などの臓器も抉られむしり取られていたトニーに息はない。

 

「何だよこれ?……ウソだろ?……トニー!! しっかりしろトニー!! クレアと産まれてくる子はどうすんだよ!?……」

 

甲平の胸に悲しみ、そして自分が一度帰宅せずに一緒にいればと思うとやりきれない自責の念がこみあげてくる……。

何度も何度もゴメンと懺悔し、甲平の悲しみは激しい怒りへと変わり、人喰い鬼へと向けられた。

ワナワナと震える拳にコマンドボイサーを持ち、手をクロスさせ、鬼に突き出す。

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!! よくもトニーをっ!……超重甲!!」

 

人間と一体化することで起動する外骨格生体甲冑であるネオインセクトアーマーが甲平の身体に装着されていく。

そしてその金色に輝くアーマーはカブトムシを模す。

ビーファイターカブトに変身を遂げ、すぐさま鬼への攻撃を開始。

右太股のホルスターに携行している多機能銃、インプットカードガンにカード(IC-01)を装鎮させる。

アタックビームを鬼に向けて連射するが、鬼は脚力が異常に発達しており、素早い動きでビームを上手くかわしている。

 
46 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:53:27.22 ID:ZTSovdFhO
「なんて速さだ!?」

 

そして奇声と共に高くジャンプし急降下。

カブトのボディを鋭い爪が引き裂く。

そのまま地面に倒れたカブトに鬼は馬乗り状態になると串刺しにしようと頭部目掛けて爪を突き立てる。

カブトは左右に頭部を動かし、それを間一髪で何とか避けていて戦況は防戦一方だ。

しかしメルザードと戦い、これ以上強い敵を何度も打ち倒してきた経験があるカブトは冷静だった。

鬼が突き立てた右手を抑え、逆に右手で鬼の顔面に強烈なパンチを浴びせる。

 

「もう一丁! オラァッ!」

 

吹っ飛んだ鬼が立ち上がる前にトニーの分だと言わんばかりのさっき浴びせたパンチより倍の力を込めたパンチを浴びせるとピヨッた鬼を葬る為の武器をその手に出現させた。

 

「フィニッシュウェポン!」

 

両端に矛状の刃が付いた槍、カブトランサー。

特殊合金ネオインセクタイト製でその威力は厚さ50センチメートルの鉄板も切り裂く。

 

「ライナァァァァァブラストォォォォォォ!!」

 

イオンエネルギーを刃に流し込み、超振動させたカブトランサーを高速で振り回して真空状態でプラズマを集め相手を横に斬り倒すカブトの必殺技、ライナーブラスト。

難敵を何度も倒したこの技に友への想いを込め、カブトランサを一閃する。

この技を浴びたら例え人外だろうとひとたまりもない。

鬼は獣のような叫び声をあげながら土塊となり、散った。

それを確認すると、カブトは友の遺体に向かってゆっくりと歩き出す。

愛する夫の帰りをクレアはきっと待っているはずだ……彼女が絶望にうちひしがれる姿……そんな姿誰も見たくはない。

その時、カブトの背後に鋭い痛みが走った。

鬼には仲間がいたのだ。

すぐ様崩したバランスを立て直そうとしたその直後、ネオインセクトアーマーの制御が効かなくなってしまう。

 
47 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/14(水) 15:54:16.40 ID:ZTSovdFhO
「情けねぇ……もう限界かよ!……」

 

しかも強制的にネオインセクトアーマーが解除され、鬼の魔の手が無防備な甲平に迫る。

ネオインセクトアーマーを纏っていない甲平では常人を遥かに凌ぐ身体能力を持つ鬼に太刀打ちすることもできない。

万事休すかと思われたその時だった……。

 

「リボルクラッシュ!! とあっ!!」

 

発光した光の刃が鬼の腹部を貫き、甲平の目の前に現れる。

光の刃が引き抜かれた時、鬼が断末魔の雄叫びをあげながら土塊になり辺りに飛び散った。

甲平の命を救ったのは二本の触覚と真っ赤な複眼に黒いボディをしたバッタを模したような戦士。

そしてその戦士は誰かを捜すように辺りを二度、三度見渡したが誰もいないのを確認すると、甲平に手を差しのべる。

その手を甲平が掴むと目の前にいたのは見覚えのある人物で今日、コスモアカデミアの見学者の一人だ。

 

「あんた昼間の……何者なんだ?」

 

「ここで話すと長くなる 明日、もう一度コスモアカデミアに行く そこで話さないか?」

 

暗闇の中、出会った二人の戦士……果たしてこれは偶然か必然か。

そしてこの出会いは光と闇、正と悪が激しくぶつかり合う戦いの序章であることを二人の戦士は感じていたのだった。

 
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 20:36:05.24 ID:6NL8ND8UO
>>39
でもお前も人の為になることしてないじゃん
49 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/15(木) 03:17:40.80 ID:l8OYVJ0hO
>>48
少なくとも人が頑張ってるのを邪魔したことはないよ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 06:38:36.90 ID:ogMPWkx2O
煽り耐性が低い>>1だと聞いて
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 20:43:18.40 ID:ZWRx7Q8z0
荒らし・煽りはスルーして、最後まで書けばいい。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/15(木) 22:55:27.13 ID:GKqw/w+Ko
別に言っとくけど完結させようがさせまいが関係ないぞ
たまに完結させたから凄いとかいうのが居るけど、それ褒める所がないのを無理やり褒める為の言葉でしかないから
完結させるのなんて物書きなら当然の義務でしかない
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/03/16(金) 23:06:59.98 ID:HaxO345n0
というか、ムキにならずに「どこを改善すればいいか」考えたほうがいいんじゃないかな
批判=悪口としか考えないのも問題だと思う
54 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:15:08.48 ID:8GweeYIfO
undefined
55 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:16:36.86 ID:CElREEq8O
まだ信じられない……トニーが死んだなんて……助けられたはずの命だったはず……。
トニーの死をクレアに伝えた時、まるで子どものように泣きわめき、その痛々しい姿を自責の念に耐えきれず、直視することができなかった。
その日の夕方までいつも通りに会話をしていたのに……。
運命とか天命があるにしたってとてもじゃないが、受け入れることなんてできない。
こんな状況ではさすがに仕事に身が入ることなんてできるはずもなかった。

「甲平、電話鳴ってるぞ」

「あぁ……」

上司の言葉でようやくデスクにある受話器を取ると、受付からだった……南光太郎と言う男がどうしても伝えたいことがあり来ていると……。
昨日、もう一匹の鬼を倒した男……敵ではないのだろうが黒いバッタのような異色な姿だったが何者だろうか。
どうしても伝えたいこととは何なのか?……甲平は力なく光太郎が待っている受付ロビーに向かう。
甲平が到着すると光太郎は昨日と同じ白いジャケットを着て受付の人からかなり離れた場所にある窓を見つめついたが甲平が来たのを感じとるとこちらを向き、まず一礼する。

「勤務中に訪ねてすまない 」

「こっちは知り合いが亡くなって独りになりたい気分なんだ……手短に頼むぜ?」

正直、今は誰とも話したくないし会いたくもない状態。
本当は職場であるコスモアカデミアにさえ来たくなかったくらいだ。

「知り合い?……昨日襲われたのは君の知り合いか……そうだったのか……俺には痛い程君の気持ちが分かる……」

「ところでどうしても伝えたいことって何だよ?」

この人に何が分かると言うのか……。
友人は自分と一緒なら死ぬことはなかったのだ。
明らかに自分の判断ミスで友人は命を奪われてしまっ……たこの深い悲しみや無念さが他人に簡単に分かるはずもない。
少しイラッときた甲平はどうしても伝えたいと言う要件だけを聞き、その場から去ろうと考えていたが、光太郎の自己紹介で思いとどまる。

「まず改めて今の現状を整理したい……俺は南光太郎 仮面ライダーBLACK RXだ」

「仮面ライダー!? 仮面ライダーってあの都市伝説に出てくる?」

甲平が「仮面ライダー」を知ったのはまだ高校生だった時のことだ。
甲平の高校ではまことしやかに仮面ライダーは改造人間だとか鬼だとか、人間が進化した姿や吸血鬼だとか色々とその正体について噂されていた。
しかしその頃、甲平はメルザードと戦ってっていたが、仮面ライダーなんて助けに来るどころか一度も見たことがない。
本当に仮面ライダーとやらが存在するのなら手助けくらいしてくれても良いはず……。
だから悪の組織と戦う孤独な正義のヒーロー仮面ライダー……甲平の中では都市伝説の中だけの存在だとばかり思っていた……。
本当に実在していたなんて……俄には信じがたい話しではあるが実際に光太郎の仮面ライダーとしての姿をしっかりとこの目で見ているだけに否定はできない。

「俺は鳥羽甲平、ビーファイターカブト」

「やはり君がビーファイターだったのか……なら話は早い 俺は昨日の夜、ある男を追っていた……その途中であの鬼のような怪物と出くわしたんだ」

光太郎によればある人物を追っていた途中で、あの鬼に遭遇、RXに変身し戦闘に入った……戦ううちに形勢が不利と悟った鬼はRXから逃亡、そして鬼は昨日、甲平と光太郎がそれぞれビーファイターカブト、仮面ライダーBLACK RXとして出会った場所に逃げた。
そしてまだ鬼には仲間、いや鬼に指示を出している親玉がいたらしいのだ。
暗くて姿まではよく見えなかったが、鬼をまるでペットのように扱っていたという。

「そして俺が倒した鬼は偶然にあの場所に逃げたわけではなさそうだった……」
56 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:19:50.69 ID:CElREEq8O

鬼は何の迷いもなく、まるで仲間に助けを求めるようにあの場所へとたどり着いた。
しかし仲間の元に逃げて連携し、反撃することを考えられる程の知能を光太郎は戦っていて感じなかったのだ。
つまり身の危険を察知して逃げた先はもう一体の鬼ではなく、親玉のところ……たまたまその途中で自分と別の鬼が対決した場所に行き着いただけ。
逆にあの周辺に二体の鬼がいたとなれば、きっと鬼の親玉は近くにいるだろう……と言うのが光太郎の推理。
光太郎の推理には確かに説得力がある……あの鬼はただ本能のままに攻撃してくる野獣のようなものだと甲平自身戦ってみて感じてはいた。
その分、異常に発達した肉体を備えてはいたが、身体能力にモノを言わせるだけで攻撃は単調で原始的。
だからこそ勝てたのかもしれないが……。

「それをどうしても君に伝えたくて今日は来たんだ 健闘を祈るよ」

光太郎は甲平の肩を優しく叩くと、背を向け、その場を去ろうとする。

「ちょっと待ってくれ!」

甲平は光太郎の前に回り込むと説得を始めた。

「とりあえず早い話しがあんたも地球を守る戦士なんだろ? なら一緒に戦ってくれ」

敵はメルザードではない未知の敵だ……強敵との戦いになればなる程ビーファイターの変身能力が制限されてる以上厳しい。
それに鬼との戦いで感じたことなのだが、久々にビーファイターに変身したブランクも確かにあっただろうが、予想以上に本来のパワーを出せないことにも不安を感じる。
やはりビーファイターの力を使いこなすには代用ではなく、昆虫の精が必要なのを改めて感じたのだ。
そんな不安要素が多い中、戦いに慣れた戦士が共闘してくれれば心強い。
仮面ライダーは正義の戦士のはず……いい返事が帰ってくるものとばかり思っていたのだが、光太郎の言い放った返事は甲平が予想もしなかったものであった。

「悪いがそのつもりはないよ……俺は戦わない」

「あんた仮面ライダーなんだろ!? この鬼が現れたのも闇の意思が動き出したからなんだ! もし本格的に動き出せば間違いなく地球上の生ける全ての命が脅かされることになる あんたはそういう人間や生物たちを見捨てるってのかよ!?」

甲平はあの鬼が現れて人を襲い出したのも、闇の意思による現象の始まりだと確信していた。
昆虫の大量発生は世界各地で起こってはいるが、一番集中しているのは日本。
おそらく、日本を中心にこれから闇の意思による侵食が世界に広がっていくだろう。
そしてその闇はメルザードやジャマールといった敵よりも強大な力を持つことが予想される。
敵は個人なのか、集団なのか、巨大なのか、等身大なのか、それはまだ分からない。
しかし強大で未知数な敵だからこそ自分たちのような戦士が、力を結集して立ち向かわなければならないのだ。
そして何より今回の敵は甲平の友人の命を奪った憎き黒幕……甲平にとってはどうしても倒したい仇である。

「俺は今まで大事な人たちを守るため、そして平和を願い、戦いに身を投じてきた……だが未熟な俺が戦う度に大事な人たちは戦いに巻き込まれ、そして傷つき、死んでいった……もうそんな悲劇を見たくはないんだ……」

その弱気な言葉に甲平は失望し、説得を断念する。

「じゃあもういいよ!」

「力になれなくてすまない……」

無念そうにコスモアカデミアを去る光太郎の姿を見て、情報を持ってきてくれた人に対して声を荒げてしまったことについては反省する。
しかし甲平にはどうしても光太郎の言動が理解できずにいた。
仮面ライダーとして命を守り、闇に立ち向かえる力を持っているはずなのに戦わないなんておかしい。
まず戦わなければより多くの命が失われることになる。
甲平には光太郎が人を傷つけたくない、巻き込みたくないことを盾にして自分自身が傷つけたくないから逃げているようにしか感じたのだ。
57 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:21:17.78 ID:CElREEq8O

「トニー……お前の仇は絶対に取ってやるからな!」

甲平は上司の許可を取り、早退すると敵のアジトを探しだすべく、行動を開始し、ある民家を訪ね、チャイムを鳴らす。
その家の住人が出てくるまで待ちきれない自分がいた。
トニーの仇は何としても取りたい、しかし冷静になれと自分に言い聞かし落ち着かせる。

「甲平?……」

出てきたのは綺麗なブロンドの長い髪に青い瞳……甲平が思い描くアメリカの女性そのもの。
彼女こそトニーの妻、クレアだった……。
警察が情報を漏らすことはない……ならばと土地勘のあるクレアに情報を聞きにきたのだ。

「やぁクレア こんな時にごめんな」

「大丈夫よ……気にしないで 入って……」

甲平が部屋に入ると、リビングの至るところに甲平、トニー、クレアの三人で撮った写真が置かれていた。
懐かしい写真だ……大学の頃の楽しかった思い出が蘇ってくる……。
その写真を甲平はなるべく見ないように心がけた……見る度に悲しみと寂しさと苦しみの涙が一挙に押し寄せるからだ。
ソファーに座ると、どう話しを切り出すか悩み、沈黙が流れ、先に言葉を発したのはクレアだった。

「甲平……覚えてる? 三人が初めて会った日のこと……」

「あぁもちろん覚えてる」

甲平は思い出す……あの日はサークルが終わり、トニーと一緒に帰宅途中、一人の女の子が数人の暴漢たちに襲われているのを目撃。
いてもたってもいられずに、助けたのだがその女の子こそクレアだったのだ。
そして偶然にも同じ大学の同じサークルだったこともあり、三人は意気投合。
食事や遊ぶときだけでなく旅行にも何回も行った。

「早いものね……あれからもう五年経ったのよ……実は私、最初は甲平、あなたのことが好きだったんだけど気づいてた?」

甲平は一度だけ大きく首を縦に振る。
やたらスキンシップ取りたがるし、最初の頃はトニーより自分ばかり話しかけてくるので何となくは薄々勘づいてはいたのだが、トニーがクレアに一目惚れをしていたことを知っていた甲平がクレアの想いを受け取ることはなかった。

「だから私はあなたの親友であるトニーと付き合った 嫉妬してくれるんじゃないか、振り向いてくれるんじゃないかって……私、最低よね……でも彼の優しさに触れるうちに……いつの間にか……」

そしてクレアはついに堪えきれず涙を流し、言葉を詰まらせる。
こんな状態のクレアに真実を話すのは辛い……しかしトニーの為にも聞かなければならない。
そしてクレアにだって真実を知る権利がある。

「クレア、こんな時だからこそ言っておきたいこと、伝えたいことがあるんだ……実はトニーは動物なんかに殺されたんじゃない」

「どういうこと!? だって昨日甲平だって警察だって野生の熊の仕業だって言ってたじゃない!?」

確かに俺は鬼を倒した後、クレアと警察にそう報告した。
引っ掻き傷や鋭い噛み後から警察もそう判断したのだれう。

「俺が見たのは鬼の姿をした怪物だった……何て言えるかよ……」
58 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:23:24.08 ID:CElREEq8O
「俺が見たのは鬼の姿をした怪物だった……何て言えるかよ……」

そんなこと言ってもクレアが混乱するだけだ……だから動物に襲われた不幸な事故だと伝えた方がまだ気が楽になるかと思った。
しかしそう伝えたのは鬼を倒して、この事件は終わったものだとばかり思っていたからだ。
まだ鬼を操っていた黒幕がいる……そいつを倒さない限り、トニーは浮かばれない。

「俺は今からそいつと戦いに行く だからトニーの仇を取るためにも教えてほしいんだ」

おそらくアジトがあるはず……しかもここの近くに。
怪しい人物はいないか、怪しい建物はないか、どんな小さなことでもいい。
甲平はクレアに情報を求めた。

「嫌よ! その話しが本当ならなおさらよ!だって教えたら甲平絶対に行っちゃうじゃない!」

クレアの様子がおかしい。
急に何かを思い出し、怯えているかのようにオロオロと落ち着きがなくなっている。
クレアが何かを思い当たることがあるに違いない……何とか聞き出さなければ……。

「クレア、トニーを殺した奴だぞ!? 野放しにしててもお前は平気なのかよ!?」

「だって相手は怪物なのよ!? せめて警察にも!」

警察に連絡しようと、受話器を取ろうとしたクレアの手を抑え、宥める。

「落ち着けクレア! 警察がどうこうできる奴らじゃないんだ!」

クレアの気持ちも分からなくはない……しかし警察とは言え、敵からすればただの一般人とそう変わらない。
今から戦うのは人間の力を遥かに凌駕したいわば文字通り「化け物」なのだ。
そんな化け物に対して警察官がいくら一般人より屈強だろうが、拳銃で対抗しようが軽く捻られて終わりだろう。
拳銃が命中しました、はい終わり……になるような奴ではないのだから。

「あなたが地球を守った戦士だったことは聞いたことがある! でも何年前の話し!? トニーまで失って、甲平まで私は失いたくない!」

それでも誰かがやらなきゃいけない……ましてや人外に対抗できる力持っているならなおさらだ。
でなければ、トニーのような悲劇がこれからも増えていくだけ。

「心配するなよ 俺は絶対に死んだりしない 生きてトニーの仇を必ず取ってくる 俺が一度でもトニーとクレアにウソついたことあったかよ? だから信じてくれ! トニーの為にも、そういう人を増やさない為にも!」

確かに甲平はトニーとクレアとの約束を一度も破ったことはない。
今回の約束が今までとは訳が違うのはもちろん分かっている。
敵が自分より強いかもしれないし、ビーファイターとして百パーセントの力を発揮することもできないのだから生きて帰れる保証なんてどこにもない。
しかしそれしかクレアを説得する言葉が見つからなかった……願うようにクレアの目を見ると、クレアは脱力したかのようにソファーに腰をかけ、頭を抱えつつも二週間前から始まった不気味な出来事について語り始めた。
59 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:24:16.04 ID:CElREEq8O

「……ここを出て少し行くと裏に森があるわよね?……そのつきあたりに廃れた教会があるの……」

クレアがまだ産まれるずっと前から小さい頃から誰も使わなくなったクモの巣と蔦で被われた教会。
二週間からそこにディウスと言う名の気味の悪い老人が住み始めてからだ。
ディウスが住み始めてから、ニューヨークで目玉をくり貫かれ、動物に上半身を食いちぎられる事件が頻繁するようになり、野生の獣とはまた違った叫び声が教会の方から夜な夜な聞こえてくるようにもなった。
さらに近くに住む少年がエリック・クヌーゼンが創り出したインターネットミームから生まれた架空のキャラクターであるスレンダーマンを見たと言い、大騒ぎしたこともある。

「助かったぜクレア」

そのディウスと言う老人が怪物だと言う確かな証拠はないのだが、タイミングなど色々なことを考慮すれば怪しいのは間違いない。
夜になれば、また何か行動するかもしれない……だから夜まで待って現行犯と言うやり方もある。
しかしディウスが怪物ではなかった場合、また振り出しに戻り犠牲者が出る可能性が高い。
なら早めにディウスが黒か白かハッキリさせておきたかった。

「何だよこの道……」

甲平はクレアの言う教会を目指すが、一度、森に入れば整備のされていない獣道で雑草が覆いしげり、柔らかい土で足が取られてしまう。
しかもまだ太陽が沈んでないと言うのにも関わらず、木が陽を遮り、まるで夜のような暗さなのだ。
そしてやっとのことで目指していた教会へと辿り着く。
甲平は教会の大きなドアを開け、恐る恐るゆっくりと中へと入る。

「何だよこれ!?」

教会の椅子には目玉だけが並べられていた。
あまりの気味の悪さにさすがの甲平も後退りすると、祭壇にスポットライトが当たる。

「来たかね……かわいい奴隷たちを倒したのは君か」な?」

見た目は杖をつき、腰が曲がり、歯が抜け落ちたヨボヨボの老人……しかし甲平はこの時点でディウスが鬼を操っていた怪物だと確信する。

「鬼を操っていたのはお前だな!」

ディウスは不気味に引き笑い、信じられないことを言いだす。

「鬼か……彼らは人間の子どもじゃよ」

「何だと!?」

甲平の頭はパニックに陥っていた。
自分が戦ったのは間違いなく鬼のような怪物だったはず……あれが人間の子どもなわけがない。
いったいどういう意味なのか……。
甲平の驚く顔を見て、ディウスは満足そうに自分の過去から今に至るまでを語り始めた。
60 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:25:16.36 ID:CElREEq8O

「ワシはかつてショッカー御抱えの医者兼科学者じゃった……」

ショッカーは仮面ライダーと戦う悪の組織……仮面ライダーとショッカーとの戦いは都市伝説などではなく本当に行われていたのか。

「仮面ライダーに組織を潰され、この地に逃げのびたのも束の間……」

純粋な人間だったディウスはFBIやCIAに追われる日々を送り、さらに逃亡中に患っていた心臓の病が悪化。
これ以上、逃走を続けるのは限界であった。
しかし心臓の病を放っておけば寿命がくる、だが捕まれば死刑は免れない。
まだ生きたい……その思いが強かったディウスは意を決し、無謀にも自らの身体を改造手術し、改造人間になることを決めた。
だが天才と呼ばれ、ショッカーに重宝されたディウスでさえ、一人で自分の身体を改造手術するのは困難を極めたが、何日もかけ、奇跡的に成功をおさめたのである。
改造人間としての力を得たディウスにとっては逃げ切ることくらい容易であった。
しかし事が大きくなれば、噂を聞きつけた仮面ライダーが自分を討伐しにやってくることを恐れ、逃げることに専念していたのだ。

「じゃあ何で今になって!?」

「闇の意思がワシに語りかけてきたのじゃよ……ライダーにいや……人間を守る光の戦士たちに復讐する時じゃとね……」

まずはディウス自身に代わり、目となり手や足になる忠実な駒を作ろうと彼は考えた。
手始めに不治の病に苦しむ子ども二人を拐い、人間としての理性や知性を排除しディウスの命令に従うことだけを実行するような怪物に改造を施したのである。

「元々、あのままなら死んでいた奴らを助けてやったんじゃ、感謝してほしいくらいじゃのぉ」

もうこの人間の皮を被った怪物の話を聞く価値も同情の価値などない。
嬉々として語る、ディウスに対して怒りが込み上げてくる。

「貴様ぁぁぁぁっ!! 人の命を何だと思ってやがる!!」

甲平は怒りを爆発させ、超重甲しBFカブトへと変身する。
こんな狂った怪物に絶対に負けるわけにはいかない。

「お前のような奴にはワシの気持ちは理解できんよ……まぁ仮面ライダーではないようじゃが、手慣らしにはなるじゃろ……教えてやろう、改造人間の偉大さを!」

ディウスの手足が異常なほど、伸び、細身で異常に背が高く、黒い背広を着た、無表情ないしのっぺらぼうの怪人へと変化。

「我が名はスレンダーマン!」

ここにビーファイターと都市伝説てして有名なスレンダーマンの姿を手に入れた改造人間との戦いの火蓋が切って落とされたのであった。
61 :魔界岸 ◆WzpMn05TJA :2018/03/17(土) 00:28:04.61 ID:CElREEq8O

コスモアカデミアから滞在しているホテルに戻る道中、光太郎は悩んでいた……。

本当にこれで良かったのだろうか……。

以前の自分が同じ立場であれば、即答で良い返事を出したはずだ。

考えたくはないが、もしビーファイターである甲平が負ければ、どっちみち次は光太郎が戦うことになる。

結局は戦う宿命からは逃げられないのだ……。

そして何より、戦う彼を見過ごすことが甲平にはできなかった。

 

「やっぱり行くべきだよな……」

 

光太郎はバイクを方向転換させると、昨日の夜、甲平と出会った場所へと急ぐ。

おそらく甲平の熱くなりやすい性格なら、すぐに敵のアジトに乗り込みに行くはずだ。

そう考えると時間は残されてはいない……。

 

「ここか……」

 

光太郎のバイクは風を切り、甲平と出会った場所へと到着する
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