幼馴染「ずっと前は好きだったよ」 男「えっ」

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343 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 21:06:44.01 ID:0GjaN4Ia0
7月
放課後 帰り道
男「同窓会?」

幼馴染「うん。今度の土曜日にやるんだって。夏休みに入ると、みんな忙しいだろうから、その前にやりたいみたい」

男「5月くらいにやったんだろ? 同窓会って1年に一回くらいじゃないのか」

幼馴染「この間集まった時に盛り上がったからね。近いうちにやろうってことになったんじゃない」

男「ふーん……」

幼馴染「今回は一緒に行こうね!」

男「いや、行かないけど」

幼馴染「言うと思った……」
344 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 21:25:28.09 ID:0GjaN4Ia0
男「誘われたならともかく、俺には連絡さえきてないから」

幼馴染「大丈夫。幹事に言っておいたから。男も連れていくから、って」

男「……前から聞きたかったんだけど、幹事って誰がやってんの?」

幼馴染「生徒会長覚えてる? あの人だよ」

男「あー……やっぱり、あいつか」
345 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 22:16:40.29 ID:0GjaN4Ia0
男「……あいつと連絡とってたんだな」

幼馴染「同窓会関連では、ね。それ以外でもメールくることはあるけど、忙しいからあんまり返信してないよ」

男「そっか……」

幼馴染「……」ニヤニヤ

男「……何だよ」

幼馴染「安心してくれたみたいで良かったなー、と思ってさ」ニコッ
346 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 22:22:59.60 ID:0GjaN4Ia0
男「まあ、俺のことはいいから、同窓会楽しんでこいよ」

幼馴染「男が行かないなら、私も出ないよ」

幼馴染「……なんて言うと思った?」

男「えっ」

幼馴染「期待してるようだから、ちゃんと言っておくけど私は出るよ。友だちと会える機会だもん。そして、男も必ず連れていく」

男「だから、俺はいいって」

幼馴染「ダメ。一緒に来て、クラスのみんなにちゃんと報告しようよ」

男「何をだよ」

幼馴染「私たちが付き合ってること」

男「……誰も信じないんじゃない?」

幼馴染「その場合はキスでもするよ」
347 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 22:33:49.26 ID:0GjaN4Ia0
幼馴染「ねえ、いいでしょ。行こうよー」

男「でも、俺が行ったら場を盛り下げるだけだし……」

幼馴染「私は楽しいけどね」

男「どうしていいかもわかんないし……」

幼馴染「私の傍にいればいいよ」

男「それに、会いたくない奴だって……」

幼馴染「私に会えればそれでいいでしょ」

男「……」

幼馴染「まだ続ける?」

男「……行かせていただきます」
348 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 22:59:35.93 ID:0GjaN4Ia0
翌日
昼休み 北高 3年生教室
男(同窓会か……あいつも来るんだよな。幹事だもんなあ……)

???『君はあの子に相応しくない』

男(……相応しくない、か……)

女「なーに、暗い顔してんのよ」ペチ

男「……」

女「え、何で泣きそうなの? 気持ち悪いんだけど」
349 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:00:30.41 ID:0GjaN4Ia0
翌日
昼休み 北高 3年生教室
男(同窓会か……あいつも来るんだよな。幹事だもんなあ……)

???『君はあの子に相応しくない』

男(……相応しくない、か……)

女「なーに、暗い顔してんのよ」ペチ

男「……」

女「え、何で泣きそうなの? 気持ち悪いんだけど」
350 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:16:45.51 ID:0GjaN4Ia0
女「君が同窓会に参加するなんて想像できない……」

男「仕方ねえだろ。幼が付き合ってることをみんなに報告したいから一緒に来てって言うんだから」

女「なにそれ、大丈夫なの?」

男「……まあ、暗黒の中学時代に養ったスキルを駆使すれば、多少の恥ずかしさぐらいどうにでもなるさ」」

女「いや、君のことはどうでもいいんだけど」

男「少しくらい心配しろよ」

女「それは幼の仕事でしょ」
351 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:25:30.99 ID:0GjaN4Ia0
女「私が心配なのは、君みたいな冴えない男子を彼氏として紹介することで、彼女が悪く言われないかってことなのよ」

男「なんで、幼が悪く言われるんだよ」

女「いいかい? 女の子ってのはね、格付けしたがる生き物なの」

男「ああ、バラエティ番組でやってたな」

女「あんなもんじゃないよ。普通の女子はもっと陰湿」

男「陰湿……」

女「あ、陰湿って言葉がわからない? ええっと、陰湿の意味はね……」

男「それくらいわかるわ!」
352 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:32:42.51 ID:0GjaN4Ia0
女「ごめんごめん。私もこの手の話は苦手でね」

男「お前に苦手な物があったとは驚きだね」

女「私だって女の子なの。で、さっきの話の続きだけど」

女「女子っていうのは、周囲の人間を格付けしていくわけよ。容姿、偏差値、部活の成績……色んな事で格付けするの」

男「それで言ったら、幼って上位になるんじゃないの?」

女「まあ、そうだね。スタイルはいいし、顔も可愛い。勉強だって西高に入るくらいだから悪くはない」

男「だろ?」

女「ドヤ顔しているところ悪いけど、君のせいで彼女が上位から最下層に一気に転落することになるかもしれないんだよ」

男「えっ?」

女「言ったでしょ。格付け内容は多岐にわたるって。彼氏の出来っていうのも、重要な審査ポイントなのよ」

男「……俺の出来なんて、幼の評価には関係ないだろ」

女「そういうわけにはいかないのよ。女の子にとってわね」
353 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:40:52.38 ID:0GjaN4Ia0
女「まあ、幼のことだから、周りにどう言われようが気にしないだろうけどね。なんなら、相手が音を上げるまで君の良さを語りまくりそう」

男「……」

女「……どうしたの男くん?」

男「あいつの言うことは正しかったんだな……」

女「えっ?」

???『君はあの子に相応しくない。君が傍にいるだけで、あの子の評判が悪くなってしまうよ』

男「……その通りだよな」

女「お、おーい」

男「……」ズーン

女(あれ? 私、余計なこと言っちゃった?)
354 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:43:28.79 ID:0GjaN4Ia0
後輩「お姉ちゃん、男先輩と一緒だったのですか。探したんですよ、もう」

女「い、妹……」

男「……」

後輩「……男先輩、どうしたのですか? 顔真っ青ですよ?

男「……放っておいてくれ」トボトボ

後輩「……どうしたのですか?」

女「さ、さあ……」

後輩「まさか、お姉ちゃん……」

女「わ、私は何もしてないってば! 妹に誓って、男くんを言葉責めしてない!」

後輩「私に誓ったところでたいした効力はないと思いますよ……」
355 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/19(水) 23:45:00.10 ID:0GjaN4Ia0
今日はここまで
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/22(土) 21:13:23.74 ID:D/Fa5Znmo
ここまでレス0(笑)
さっさとやめろや。誰も読んでねえから
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/22(土) 23:16:34.87 ID:jQvmT4QH0
おつ
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/23(日) 00:18:05.05 ID:tvdrjMiHo
おつかーレ
359 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 00:49:08.11 ID:HvqKAVEK0
放課後 西高 正門前
男(……どうしよう。このままじゃ、幼が悪く言われてしまう)

男(やっぱり、同窓会に行かないほうが……いや、ダメだ。俺が行かないとしても、幼は参加するんだ)

男(そうなった場合、あいつが何をするか……)

生意気娘「他校の正門前で陰気な空気漂わせてんじゃねえよ」

男「キョンさん……」

生意気娘「お前といいマネージャーといい、あだ名にさん付けするのが流行ってんの? それともただ馬鹿なの?」

男「……キョン吉?」

生意気娘「OK。わたしを馬鹿にしたいってことだな」
360 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 00:53:17.27 ID:HvqKAVEK0
生意気娘「あんたさあ、部長を迎えに来たんだろ? なんで、そんなに暗い顔してんの?」

男「性格、かな……」

生意気娘「まあ、見るからに根暗だもんな。本当、お前と部長って正反対だよな」

男「ですよね……」

生意気娘「それそれ、そうやってぼそぼそ話すとこな」

男「どうしたらいいのかな……?」

生意気娘「そうだな。性格はそうそう直らねえだろうけど、話し方とか工夫すれば? それだけで印象は随分変わるから」

男「それだけで……?」

生意気娘「ああ。他には服装とか髪型を変えたりとかな。そうすりゃ、見た目上は爽やかな感じになるだろうよ」

男「爽やかな感じに……?」

生意気娘「そうだよ。お前だってちゃんと努力すれば、彼氏っぽくなるんじゃねえの」

男「それだ!」ガバッ

生意気娘「!?」
361 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 00:54:52.02 ID:HvqKAVEK0
男「ね、ねえ! 俺はどうすれば幼に相応しい彼氏になれるかな!?」

生意気娘「ば、馬鹿! 離せよ!」

男「あ、ごめん……」

生意気娘「やめてくれよ……こんなところ部長に見られたら、何本ダッシュさせられるか……」

男「いや、さすがに私怨で罰走させたりしないでしょ……」
362 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 00:59:24.83 ID:HvqKAVEK0
生意気娘「どうすれば部長に相応しい彼氏になれるか、ねえ……」

男「うん! 是非、アドバイスしてほしいんだ!」

生意気娘「あー、その悪いんだけど……わたしはそういう話、向いてないんだよ」

男「でも、さっきは教えてくれたじゃないか」

生意気娘「あれは一般論を言っただけだ。具体的にどうすればいいってのはわからない」

男「じ、じゃあ、他に誰かそういうことに詳しい人はいないかな?」

生意気娘「そう言われてもな……」

???「珍しい組み合わせだねー」

生意気娘「そうだ。身近に恋愛脳がいたんだった」

副部長「へ?」
363 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 01:03:06.58 ID:HvqKAVEK0
副部長「うーん……それは難しい話ですね」

男「どうにもならないくらい釣り合ってない……?」

副部長「そんなことないですよ。まあ、男さんと部長は、その……意外性のあるカップルではありますが……」

生意気娘「お前、言葉を選べたのか……」

副部長「あんたとは違ってね。それで、あたしが難しいと思うのは、男さんどうこうってよりも、部長の気持ちなんです」

男「幼の気持ち?」

副部長「そうですよ。周りがどう思おうと、部長が男さんに満足しているのなら、無理にイメチェンする必要はないわけです」
364 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 01:06:06.65 ID:HvqKAVEK0
生意気娘「まあ、今のままでも特に不満はなさそうだしな」

副部長「でしょ? 下手にイメチェンしたほうが、部長はショック受けそうじゃない?」

生意気娘「そうか? それはそれで賞賛しそうだけど」

副部長「確かに……」

男「え、えーと……」

生意気娘「まあ、特に変わる必要はないんじゃねえの」

副部長「そうそう。そのままでいいと思いますよ」

男「でも、俺がこのままだと幼が悪く言われるんだよ!」

副部長「部長が?」

生意気娘「誰に何を言われるんだよ?」

男「……中学の同級生に、あんな彼氏と付き合うなんて、みたいな……」

生意気娘「……むしろ、そんなこと言った人間に同情するね」

副部長「まったくダメージを受けないどころか、目を輝かせて男さんの話をするんだろうなあ……」

男「……?」
365 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 01:16:35.85 ID:HvqKAVEK0
男「助けてくれないのかい……?」

生意気娘「助ける必要ないし」

副部長「むしろ、手を出したほうが怖いですし」

生意気娘「確かに。こうやって、話していること自体、見つかったらどうなるか……」

副部長「そういえば、キョン、男さんと二人で話してたよね」

生意気娘「お、おい! 部長には言うなよ!」

副部長「言うわけないじゃない。連帯責任でバスケ部全員が罰走させられそうだし」

生意気娘「ははは。月まで走れ! とか言いそう」

???「月? 甘い甘い」

副部長&生意気娘「あ」

幼馴染「木星まで走りなさい」
366 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 01:17:18.93 ID:HvqKAVEK0
今日はここまで
367 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2018/12/31(月) 01:18:52.28 ID:HvqKAVEK0
さがら総先生の新シリーズ『教え子に脅迫されるのは犯罪ですか?』の最新刊3巻が12月25日に発売されました!
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も好評発売中! 
368 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:30:27.30 ID:ztzexV/Y0
幼馴染「二人がそんなに走りこみをしたかったなんて知らなかったよ」

副部長「ち、違うんです!」

幼馴染「何が違うの?」

副部長「確かにあたしは男さんとお話をしていましたけど……」

幼馴染「さて、木星までの距離を検索しようかな」

副部長「ちょっと、待ってくださいって! あたしは被害者なんです! 巻き込まれただけなんです! 罰するならこの二人だけにしてください」

幼馴染「……どういうこと?」

副部長「あたしが正門に来たら、男さんとキョンが二人で仲睦まじく話をしていたんです!」

幼馴染「……」

生意気娘「お、おい! わたしはただ、こいつの相談にのってただけだ!」

男「そうなんだ! 彼女は俺の話を聞いてくれていただけで……」

幼馴染「……うん。わかった」

幼馴染「そんなに仲いいなら、二人で海王星まで走ってきなよ」

男&生意気娘「!!?」
369 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:35:13.93 ID:ztzexV/Y0
幼馴染「なんてね。冗談だよ」

男「冗談にしては顔がマジだったけどな……」

生意気娘「あんなに低い声、初めて聞きましたよ……」

幼馴染「それで、キョンに何を相談したの?」

男「……言えない」

幼馴染「そう。無理には男から聞かないよ」

男「ありがとう……」

幼馴染「キョン、何を相談されたの?」

生意気娘「どうすれば部長に相応しい彼氏になれるかって相談されました!!」

男「聞いてんじゃねえかよ!」
370 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:44:02.46 ID:ztzexV/Y0
幼馴染「『男から』は聞かないって言ったもん」

男「屁理屈言いやがって……」

幼馴染「それで、何なのよ、それ。私に相応しい? 馬鹿なこと言わないで」

生意気娘「ぶ、部長……でも、こいつも真剣に悩んでるみたいで……」

幼馴染「キョン吉は黙ってなさい。Tシャツに閉じ込めるわよ」

生意気娘「!?」

幼馴染「私には男しかいないの。相応しいとかじゃなく、男じゃなきゃダメなの」

男「……っ」

幼馴染「だから……」

幼馴染「少しくらい自信持ちなさいよ——!!!」バシッ

男「!!!?」
371 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:51:43.18 ID:ztzexV/Y0
男「ごべんなざい……」

副部長「ほら、言ったじゃないですか。無理にイメチェンなんてする必要ないって」

幼馴染「なに? イメチェン? そんなことしようとしてたの?」

男「……キョンさんが髪型とか話し方を工夫すれば爽やかな感じになって、幼の彼氏っぽくなるんじゃないかって言うから」

生意気娘「ば、馬鹿! それは黙ってろよ!」

幼馴染「爽やかな、男……?」

副部長「あんたさあ……部長の男さんへの溺愛っぷりを間近で見といて、それはないんじゃない」

生意気娘「しょうがねえだろ! つい言っちまったんだから!」

副部長「多方面に悪態つかないと生きていけないわけ? あんたのトラブルメーカーぶりには辟易するわ……」

男「いや、彼女は事実を言っただけで……」

副部長「だから、部長は男さんに不満なんかなくて、むしろ大満足なんです。ね、部長?」

幼馴染「……」

副部長「部長?」



男『おはよう、幼。今日も可愛いね』ニコッ



幼馴染「え、えっ……そんな爽やかな笑顔で私を見つめないでよ……可愛いだなんて、そんな……」カァァァ

男&生意気娘&副部長「えっ」
372 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:56:02.99 ID:ztzexV/Y0
生意気娘「なんで、この人トリップしてんの……?」

男「さ、さあ……」

幼馴染「……はっ!」

副部長「あ、正気に戻った」

幼馴染「わ、私はいまの男が大好きだし、全然変わる必要なんてないと思ってるよ! うん! ぜんぜんこれっぽちも思ってない!」

男「お、おう……」

幼馴染「で、でもね、一応、その……男のいろんな可能性を探っておきたいんだ…… あ、違うよ! いまの男に不満があるわけじゃないからね!」

男「うん……?」

幼馴染「だから、その……男のイメチェン案を出してくれないかな?」

男「……はあ?」

生意気娘(……つまり)

副部長(妄想のネタをよこせと……)
373 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/04(金) 23:59:03.11 ID:ztzexV/Y0
幼馴染「なんかない、かな……?」

生意気娘「いや、わたしたちに聞かれても……」

副部長「ねえ……」

幼馴染「なんでもいいの! こんな男が見てみたいとか、こんな感じならカッコいいだとか! 願望全開の妄想でいいから!」

生意気娘「それなら、部長一人で妄想に耽ってればいいじゃないですか……」

無口っ子「……オラオラ系」

幼馴染「!」

男「うわっ!」

副部長「ムッティ、いたの!?」

無口っ子「……部長と一緒に来てたよ」
374 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 00:06:09.01 ID:v6IGkcgm0
無口っ子「……男さんがオラオラ系とかいいと思う」

生意気娘「おいおい、こんないかにもオタクっぽい根暗男子がオラオラ系とかあり得ねえだろ……」

副部長「まあ、典型的な草食系だよね」

男「自分で言うのもなんだけど、俺ってドMなんだよね……」

無口っ子「……どう、部長?」

幼馴染「……」



男『おい、早く脱げよ。……もう我慢できねえんだよ』



幼馴染「あ、慌てなくても、私は逃げないってばあ……」

男&副部長&生意気娘「 」
375 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 00:30:01.60 ID:v6IGkcgm0
無口っ子「……塾講師」

幼馴染「よ、夜の個人レッスンだなんて……いくらでも居残りたくなっちゃうよ……」



無口っ子「……ドS」

幼馴染「男に触られたら、どこだって気持ちよくなっちゃうの……」



無口っ子「……甘えん坊」

幼馴染「ふふふ。ここをどうして欲しい?」



生意気娘「そろそろ止めないと、部長枯れるんじゃねえか……」

副部長「……アレを見てもまだ、イメチェンしたいですか?」

男「……」
376 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 00:37:33.16 ID:v6IGkcgm0
帰り道
幼馴染「……」

男「あのさあ……」

幼馴染「やめて。何も言わないで」

男「恍惚とした表情で妄想の世界に入り込んでるお前を見せられたんだから、一言くらい言わせてくれよ」

幼馴染「いいじゃない。妄想の中でくらい愉しんだって」

男「それは人前でやることじゃねえだろ!」

幼馴染「そ、それは、遠回しに私をベッドへ誘ってるの……?」

男「まだ妄想の世界から抜け出せてないのかな?」
377 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:01:00.15 ID:v6IGkcgm0
男「さっきまでの悩んでたことが馬鹿馬鹿しくなったよ……」

幼馴染「もともと、馬鹿げた悩みだったけどね。どうして、私の気持ちを置き去りにして、周囲の視線を気にしちゃうかな」

男「……俺のせいで、お前が悪く言われるなんて嫌なんだよ」

幼馴染「私はそんなのどうでもいいけど」

男「俺はよくねえんだよ!」

幼馴染「どうして?」

男「ど、どうしてって、それはお前……考えればわかるだろ?」

幼馴染「ちゃんと言ってくれないとわかんなーい」

男「……好きだからだよ」

幼馴染「えへへ。私も大好きだよ!」ギュウ

男「この抱きつき魔め……」ナデナデ
378 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:02:22.98 ID:v6IGkcgm0
男「……って、違う! 俺はそういう話をしてるんじゃない!」

幼馴染「えー? これがまさに答えじゃん」

男「どこがだよ!?」

幼馴染「私は男が大好き。男のいろんな姿を妄想してキュンキュンしたり、道端で抱きついちゃうくらい、男に惚れてる」

幼馴染「そんな女の子が男のことで周囲に何かを言われてショックを受けると思う? むしろ、言った連中が泣いて許しを請うまで、男の良さを語ってやるわ
よ」

男「お前はそれでいいかもしれないが、俺は……」

幼馴染「……いい加減、気付いてくれないかな。そうやって、私のせいで男が悩んでるほうがショックなんだけど」

男「……っ」

幼馴染「ありがとう。心配してくれて。でも、本当に私は大丈夫だから。男が傍にいてくれれば、それで幸せなの」
379 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:04:19.39 ID:v6IGkcgm0
男「……ごめんな。ウジウジ悩んだりして」

幼馴染「いいよ。実は、男が私のことで悩んでるのは悲しい反面、嬉しくもあるんだ。私のことを大切に想ってくれてるんだな、って」

男「……俺には幼しかいないからな」

幼馴染「え、ええっ!?」

男「なに驚いてんだよ」

幼馴染「だって、男がそんなストレートに言うなんて……これは私の妄想の中、なの……?」

男「現実だよ」ギュウ

幼馴染「そ、そ、そんなに強く抱きしめられたら、私……」

男「大好きだよ、幼。ずっと俺の傍にいてくれ」ギュウウウウウ

幼馴染「気絶、しちゃう……」クラッ
380 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:04:52.85 ID:v6IGkcgm0



数分後
幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「……」チラッ

男「……」チラッ

男&幼馴染「!」プイッ

男(勢いあまって抱き締めた挙句、恥ずかしいこと言っちまったあああああ!)カァァァァァ

幼馴染(あんな強く抱きしめられるなんて! し、しかも、ずっと傍にいてほしいとかあああああ!)カァァァァァ

通行人(なんだこいつら。爆発しろ)
381 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:05:46.30 ID:v6IGkcgm0
今日はここまで。
382 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/05(土) 01:06:15.97 ID:v6IGkcgm0
今年も宜しくお願いします!
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/05(土) 11:35:21.00 ID:xBIfA2TJo
乙乙
今年も甘々なの期待してます
384 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2019/01/06(日) 19:01:51.19 ID:zseurwbN0
>>383
コメントありがとう! すっっっごい嬉しい!
期待に応えられるよう全力で頑張ります! 胸やけするくらい甘くしちゃう!
今年もよろしくです!
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/12(土) 18:19:40.43 ID:xeNQAsj/o
久しぶりのコメントに狂喜乱舞する>>1
惨めだなwwwwww
386 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 22:43:32.65 ID:ZnmmeNec0
翌日 
昼休み 西高 バスケ部部室
幼馴染「……」

副部長「……部長」

幼馴染「……あれ? 今日は一人なの?」

副部長「他のみんなは教室に戻りました」

幼馴染「どうして?」

副部長「誰もいない部室で一人にやにやしている部長を見て、恐ろしくなったんじゃないですかね」

幼馴染「そんなに私、にやついてる?」ニヤニヤニヤニヤニヤ

副部長「これ以上ないくらい緩みきってますよ」
387 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 22:44:31.18 ID:ZnmmeNec0
副部長「ええ!? あの後、男さんに抱き締められたんですか!?」

幼馴染「そうなの! すっごい強い力でぎゅーってされて、ずっと俺の傍にいてくれ、って言われたの!」

副部長「きゃーーー! それ反則でしょ! そんなことされたら、女の子はイチコロですって!」

幼馴染「だよね! 私、クラクラしちゃった!」

副部長「うんうん! そうなりますよね! それで、その後は?」

幼馴染「私がクラクラしちゃってまともに動けなくなっちゃってさ、公園のベンチで少し休んで……」

副部長「ち、ちょっとストップ!」

幼馴染「なによ?」

副部長「部長の言う『クラクラして』っていうのは、心情じゃなくて、身体の話なんですか……?」

幼馴染「そうだよ?」

副部長「なんというか、部長らしいですね……」
388 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 22:56:01.94 ID:ZnmmeNec0
副部長「まあでも、男さんがうまくフォローしてくれたんでしょ?」

幼馴染「うん。近くの公園のベンチで休ませてくれたよ」

副部長「おお! それでそれで?」

幼馴染「家に帰ったけど?」

副部長「少しでも期待したあたしが馬鹿でした」
389 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 22:59:51.78 ID:ZnmmeNec0
副部長「どうせキス止まりだろうな、って予想してましたけど、まさかのそれを遥かに上回るヘタレっぷり。その流れで帰宅を許されるのは中学生までですからね」

幼馴染「いいの! 私は抱き締めてもらえただけで嬉しかったんだから」

副部長「部長ってコスパいいですね……」

幼馴染「そりゃ、それ以上のことだって望んでるよ? でも、今はこれで充分なんだ」

副部長「……そんなこと言ってたら、いつまで経っても処女のままですよ」

幼馴染「大丈夫。いざとなったら私が押し倒すから」

副部長「抱き締められただけで身体に異常をきたす人にそんなことできないと思いますよ」
390 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 23:16:17.82 ID:ZnmmeNec0
副部長「男さんも積極的になってきてるのはいい傾向かもしれませんね」

幼馴染「……積極的だったらいいんだけどね」

副部長「違うんですか?」

幼馴染「たぶんだけど、男は安心したかったんだと思う。私を抱き締めてどうこうっていうのは何もなくて、ただ不安を払拭したかったんだよ」

副部長「ああ、そういえば男さん、悩んでましたもんね。部長が悪口を言われるって」

幼馴染「そんなこと気にしないのにね」

副部長「男さんは優しい人ですから。気になっちゃうんですよ」

幼馴染「うん。男は本当に優しいよ。……そこまで関わりのない副部長でもわかるくらい優しい人」

幼馴染「……なのに、どうして、あいつはわかってくれないんだろう」
391 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 23:18:38.07 ID:ZnmmeNec0
放課後 北高 3年生教室
男友「んじゃ、帰るわ」

女「あらあら、さっきまで机に抱きついていたのに、HRが終わったらすぐお別れなの?もっと、ゆっくりじっくりなんなら永遠に机と愛し合っていればいいのに」

男友「悪いな。どっかの負け犬とは違って、俺には世界一可愛い彼女がいるんでな。お前は黙って玉入れでもやってろ」

女「そうね。部活が終われば、愛しの妹との入浴タイムが待ってるもの。全力で頑張るよ」

男友「な、なんでだよ! 一緒に入らなくなったんじゃないのかよ!」

女「ふふふ。男くんが元気になったからもう解禁なの。あー、楽しみだわ。あの子の白くて柔らかい肌を堪能できるなんて」

男友「男おおおおおお!」

男「うるせえよ。俺は関係ないだろ」
392 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 23:28:05.52 ID:ZnmmeNec0
女「知ってる? あの子って背中がとっても敏感なの。背中をさすると身体を捩らせながら、『だ、ダメです……』って切なそうに私を見るの」

男友「てめえ!」グイッ

男「だから、なんで俺なんだよ。女に文句言えよ」

女「そうよ。悔しかったら、自分だってすればいいじゃない」

男友「……結婚するまでは、なにもしないって決めてるんだよ」

男「美談のように聞こえるけど、ただ単にお前がヘタレってだけだよな」

女「まったく。そんなんだから、いつまで経っても童貞なのよ」

男友「どどどどどどどどど童貞ちゃうし!」

後輩「……へえ。どこの誰と卒業したのですか?」

男友「!!?」
393 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 23:32:00.62 ID:ZnmmeNec0
男友「い、いたの!?」

後輩「ええ。先輩が男先輩の胸倉を掴んだところから」

男友「く、くっそ、女の発言を聞いてないのかよ……」

女「ねえ、妹。この童貞むっつりスケベがね、私たちが一緒にお風呂に入ってることに嫉妬してるの」

後輩「……先輩、前にも言いましたが、私たちは姉妹です。一緒にお風呂くらい入りますよ」

男友「高校生にもなって一緒に入らないよね!? それは小学生、いっても中学生までだよね!?」

後輩「仕方ないでしょう。私たちにはすれ違っていた期間があるのですから」

男友「百歩譲って一緒に入るのがいいとしても、女だぞ!? こいつは後輩の身体を触って悦んでるんだぞ!?」

後輩「面倒な人だなあ……だったら、先輩も触ればいいでしょう?」

男友「触ってもいいの!?」

後輩「以前からそう宣言していますけどね。先輩のしたいように私の身体を弄んでもらって構いませんよ」

男友「で、できないよ! なあ!?」

男「俺に聞かれても困るんだけど」
394 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/23(水) 23:50:56.04 ID:ZnmmeNec0
女「ここまで言っているのに、何もしてもらえないなんて、妹が不憫だわ……」

後輩「本当ですよ。私は離陸準備万端なのに、先輩は搭乗しようとしてくれません。おかげで私はいつまでも飛び立つことができないのです」

男友「ぐぬぬ……」

男「お前さあ……いい加減、覚悟決めろよ」

男友「うるせえ! お前だって、ヘタレ童貞の癖に! 彼女に何もできないくせに!」

男「お前ほどじゃねえけど」

男友「嘘つくな! お前が何をしたっていうんだよ!」

男「抱きしめた」

男友「!?」

男「それも結構、強めに」

男友「!!?」
395 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:15:48.56 ID:sFOQwJYz0
女「……えっ、君が?」

男「まあ、たまにはな」

後輩「どんな状況でそうなったのですか? 後学のために是非教えてほしいです!」」

男「……感情的になったっていうか」

男「なんか、こう……ぐわーっと幼を抱き締めたい衝動に駆られてさ」

後輩「幼先輩が羨ましいです……」

男友「う……」

女「う?」

男友「裏切り者おおおおおお!」ダッ

男「あっ、逃げた」
396 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:20:52.37 ID:sFOQwJYz0
後輩「はあ……。すみません。先輩を捕まえてきます」

男「大変だね、君も」

後輩「いいのです。こういうダメな部分も含めて好きなのですから」

男「友は幸せ者だな」

後輩「男先輩だって、幼先輩から愛されているでしょう」

男「……うん。俺も充分幸せ者だね」

後輩「ふふふ。お二人が順調で私も嬉しいです!」

男「……土曜日に試練が待ち受けているけどね」

後輩「えっ?」

男「いや、なんでもないよ」
397 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:28:53.11 ID:sFOQwJYz0
後輩「それでは、私は失礼しますね」

男「行ってらっしゃい」

女「じゃあ、また後でね」

後輩「あ、お姉ちゃん」

女「なーに? お別れのキスでもする?」

後輩「男先輩に失礼なことをまた言ったら、お風呂はなしですからね」

女「もうしない! 絶対しないよ! 妹に誓って絶対しない!」

後輩「だから、私に誓っても大した効力は……」

男「ああ、よかった。それなら安心だ」

後輩「ある、みたいですね……」
398 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:32:38.84 ID:sFOQwJYz0
男「俺もそろそろ行くわ」

女「えー? ちょっとくらい構ってよー」

男「は? お前には部活あるだろ。西高に勝って全国行くんだから、ちゃんと練習しろよな」

女「部活までちょっと時間あるしいいじゃん。土曜日の試練について聞かせてよ」

男「……聞こえてたのか」

女「面白そうな話を私が聞き逃すわけないでしょ」
399 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:35:58.98 ID:sFOQwJYz0
女「試練っていうのは同窓会のことだよね。昨日、私が話したことは解決してるんでしょ。一体、何が試練なの?」

男「……同窓会の幹事が厄介なんだよ。そいつは中学の頃、幼に惚れてて、猛烈アプローチをしてたんだ。まあ、幼は相手の好意にさえ気づいていなかったみたいだけど」

女「ふーん。でも、それは中学時代の話でしょ? 今も好意を抱いているのかわからないじゃない」

男「いや、間違いなく、想いは継続してる。前回の同窓会は5月。こんな短期間に同窓会をやるか?」

女「……なるほど。幼に会うために同窓会を開催してるわけね」
400 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:37:49.69 ID:sFOQwJYz0
男「あいつは一方的に俺をライバル視しててよ、いろいろあったんだ」

女「その君が、幼を口説くために設けた場に来る。これはひと悶着ありますねえ……」

男「しかも、幼自ら俺を連れていくって連絡したからな」

女「相手からすれば屈辱的だね。ちなみに、その人は君たちが付き合ってることを知ってるの?」

男「いや、知らないはずだ。同窓会でサプライズ発表するって幼が意気込んでたし」

女「おお! これは修羅場確定だ!」

男「……お前、なんで喜んでんの?」
401 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:38:49.11 ID:sFOQwJYz0
女「でも、発表するならいいじゃん。それで向こうも諦めるでしょ」

男「降伏どころか、宣戦布告するような人間なんだよなあ……」

女「宣戦布告されたら応戦するのは当然のこと。ぺんぺん草も生えないくらい爆撃してあげな」

男「どうやって?」

女「イチャイチャすればいいんだよ。相手が入り込む余地がないと悟らせるくらいにね」

男「ば、馬鹿! 人前でイチャつけるか!」

女「球技大会の時、私の目の前で抱き合ってた人がよく言うよ」
402 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:39:31.85 ID:sFOQwJYz0
男「お前が思ってる以上にあいつは厄介なんだよ!」

女「大丈夫だって。下手な策略巡らせる人間なんて大抵自爆するから。大爆死したこの私が言うんだから間違いない」

男「えっ? お前、何かやったの?」

女「まーまーそれはいいじゃない。とにかくさ、自信もって戦いなよ」

女「君以上に幼に相応しい人間はいないんだから」

男「……っ」

女「や、やっばい! 柄にもなく励ましちゃった! これはもう料金発生するレベル! うん。3000円くらいは貰わないと割に合わない!」

男「お、おい……」

女「支払いは後でいいからねー!」タッタッタ

男「……サンキューな」
403 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/24(木) 00:40:39.32 ID:sFOQwJYz0
今日はここまで!
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 00:56:11.31 ID:7x7x2Cm+o
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/24(木) 12:23:28.17 ID:3JTVF/eqO
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/24(木) 18:44:23.14 ID:ZdXgCVzTO
407 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/01/26(土) 01:52:18.93 ID:nuov5SJi0
>>404
>>405
>>406
ありがとう! すっごい嬉しい! これからも宜しくね!
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/30(水) 10:23:04.15 ID:W116BgtbO
乙です
409 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2019/02/04(月) 00:41:08.06 ID:hV8MJ/b00
>>408
ありがとう! 頑張ります!
410 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:17:19.05 ID:6E7IkrCf0
北高 正門前
男(まさか、女があんなこと言うなんてな……)

女『君以上に幼に相応しい人間はいないんだから』

男(……本当にそうならいいんだけどな)

???「男くん、やっと来たか」

男「おまえは……!」

???「忘れちゃったかな? 南中で一緒だったんだけど。……まあ、君とはあまり接点なかったから覚えてなくてもしょうがないけど」

男「……いや、覚えてるよ。ただ、ちょっと面食らっただけだよ。まさか……」

男「俺に会いに来るとは思わなかったからよ、元生徒会長さん」

会長「久しぶりだね、男くん」
411 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:18:07.54 ID:6E7IkrCf0
カフェ
会長「あー、涼しい。何か飲むかい? 奢るよ」

男「いやいい。とっとと用件を済ませよう。同窓会の話だろ?」

会長「へえ、よくわかったね?」

男「お前が俺に会いに来る理由なんてそれしかねえだろ」

会長「それほど察しがいいのなら、同窓会に誘われても断ってほしかったなあ」

男「しょうがねえだろ。幼にしつこく誘われたんだから」

会長「だからこそ、だよ。幼くんが君を誘ったことを他の参加者が知ったら、幼くんが何を言われるかくらい想像つくだろう?」

男「……っ」

会長「前にも忠告したじゃないか」

会長「君が傍にいるだけで、あの子の評判が悪くなってしまう、って」
412 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:22:04.61 ID:6E7IkrCf0
会長「幼くんが君を連れて来ると言ったとき驚いたよ。君たちにまだ付き合いがあったことにね」

会長「あの時、忠告をして、男くんは受け入れたじゃないか。幼くんと距離を置いて、関わらないようにしていたよね」

男「中学時代は暗黒すぎて、記憶から抹消しちまったよ」

会長「何を言ってるんだ。覚えているからこそ、今年の5月まで幼くんと疎遠になっていたんだろ?」

男「……よく知ってるな」

会長「前回の同窓会で聞いたからね。君たちに何があったのかは知らないが、どうしてそのまま離れていることができなかったんだ」

会長「そうすれば、幼は今頃、僕の彼女になっていただろうに」
413 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:26:12.32 ID:6E7IkrCf0
男「……ねえよ。幼がお前と付き合うなんて、百パーセントあり得ない」

会長「どうして断言できるんだい? 前回の同窓会での僕たちを君は知らないだろ」

男「なにかあったのかよ……?」

会長「この写真を見てくれ」スッ

男「……っ」

会長「どうだい? これ以上ないくらい親密な2ショットだろう?」

男「なんで、幼はお前に肩を……」

会長「抱かれているのか、って? 決まってるだろ。彼女もまんざらじゃないからだよ」
414 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:27:28.69 ID:6E7IkrCf0
会長「まあ、この後、彼女は僕の腕を……」

男「……」ガタッ

会長「どこに行くんだい?」

男「黙れ。お前には関係ない」

会長「おやいや、嫉妬かい? 男なら黙って彼女を祝福してあげたらどうだい」

男「無理な相談だな。俺はそこまで器が大きくない」

会長「身の程を知りなよ。君は幼くんに釣り合わない。格が違うんだよ、格が」

男「……そんなことは知ってるよ。今の俺があいつに相応しいなんておこがましいにも程がある」

男「ただ、それでも俺は幼から離れねえ。いや、離さない。あいつは俺の女だ。誰にも渡すつもりはない」

会長「なっ……!?」

男「絶対、誰にも渡さねえ」
415 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:30:21.96 ID:6E7IkrCf0
西高 正門前
幼馴染「……」キョロキョロ

マネージャー「部長?」

副部長「あ、本当だ。先に帰ってたんじゃ?」

幼馴染「それが……男がまだ来てないの」

副部長「珍しいですね。いつもなら待ってるのに」

幼馴染「何かあったのかな……」

マネージャー「連絡してみたんですか?」

幼馴染「……連絡がつかないの」

副部長「まあ、どこかで寄り道してるんじゃないですか」

幼馴染「なら、いいんだけど……」

副部長「大丈夫ですよ。男さんは事故に巻き込まれたって、しぶとく生き残りますよ」

幼馴染「男が事故に巻き込まれた!? 大丈夫なの!? どこの病院にいるの!?」

マネージャー「お、落ち着いてください、部長! たとえ話ですって!」
416 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:31:48.94 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「もう! 誤解させるようなこと言わないでよね!」

副部長「勘違いするほうがどうかと思いますけど」

幼馴染「しょうがないじゃない! 私は男のことになるとおかしくなるの!」

副部長「開き直っちゃったよ……」

マネージャー「前から気になってたんですけど、部長の彼氏さんってどんな人なんですか? 先輩たちからいろいろ聞くんですけど、実際のところどうなのかなって」

幼馴染「えっと、男はね……」

副部長「草食系ヘタレ童貞だよ」

幼馴染「ちょっと! 何よそれ!」

マネージャー「そうですよ。いくらなんでも、それは言いすぎですって」

幼馴染「いや、事実なんだけどさ」

マネージャー「えっ」
417 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:32:49.86 ID:6E7IkrCf0
副部長「事実ならいいじゃないですか」

幼馴染「よくない! 他にもいいとこたくさんあるもん! 例えば……」

副部長「じゃ、お疲れ様でーす」

幼馴染「聞きなさいよ!」

副部長「嫌ですよ。朝日が昇るまで語りそうだし」

マネージャー「さすがにそれはないでしょう……」

幼馴染「朝刊の配達が始まる頃には終わるわよ!」

マネージャー「それ、日付変わってるじゃないですか……」
418 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:34:06.91 ID:6E7IkrCf0
マネージャー「さすがにそこまでは付き合えないですよ。門限あるし……」

幼馴染「やだな。冗談だよ、冗談。そんなに長いわけないじゃん」

副部長「そうそう。1時間くらいで終わるって」

マネージャー「それでも充分長いんですけど!?」

幼馴染「女子トークが長引くのは常識だよ。知らないの?」

マネージャー「僕帰ります!」

幼馴染「なに言ってんのよ。聞いたのはそっちでしょ。最後まで聞きなさい!」グイッ

マネージャー「い、嫌です! 家に帰してください!」

???「……おい」

「!!!?」

男「なにやってんだよ」
419 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:34:43.11 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「お、男かあ……びっくりしたあ……」

マネージャー(この人が部長の彼氏さんなんだ。でも、なんか……)

男「俺に見られちゃいけないことでもしようとしてたのかよ」

副部長(……どうしたんだろ、男さん)

幼馴染「そうじゃなくて、突然声をかけてきたからびっくりしたの」

マネージャー(聞いてた人とは違うような……)

副部長(いつもと雰囲気が違う……)
420 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:35:29.33 ID:6E7IkrCf0
男「そいつ誰?」

幼馴染「この子はうちのマネージャーだよ。最近、入部したの」

マネージャー「よ、よろしくお願いします!」

男「女子部なのに男子がマネージャーやるのか」

副部長「いろいろありまして……」

男「ふーん。まあ、どうでもいいけど」

幼馴染「どうしたの? さっきから様子が……」

男「行くぞ」グイッ

幼馴染「ど、どこ行くの?」

男「いいから、来いよ」

幼馴染「わかったから引っ張らないでよ!」

マネージャー「……本当にあの人が男さんなんですか?」

副部長「それはあたしも聞きたい……」
421 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 01:36:00.98 ID:6E7IkrCf0
今日はここまでですっ!
422 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:28:54.30 ID:6E7IkrCf0
神社
男「ここなら誰も来ねえか」パッ

幼馴染「もうどうしたのよ! ここに連れてきてなにするつもり!?」

男「なんでもいいだろ」ギュウ

幼馴染「ち、ちょっと、え、ええ!?」

男「うるせえ」チュウ

幼馴染「!!!?」
423 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:32:24.93 ID:6E7IkrCf0
幼馴染「ま、待ってよ!」

男「待てねえ」チュウ

幼馴染「んんっ……!」

幼馴染「落ち着いてってば!」

男「落ち着かせてくれよ」チュウ

幼馴染「ん……」

幼馴染「わ、わかったから、少し休ませて……」

男「まだまだこれからだろ」チュウ

幼馴染「……」
424 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:35:04.89 ID:6E7IkrCf0
十分後
男「ふぅ……」

幼馴染「……」

男「あー、その……大丈夫か?」

幼馴染「……抱き締められただけでヘロヘロになる人間が、これだけキスされて平気だと思う?」

男「ご、ごめん……」

幼馴染「もういいから、しっかり抱きとめてて。……力が入らないの」
425 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:45:29.64 ID:6E7IkrCf0
男「す、座るか?」

幼馴染「いい。こうして、私を抱き締めてるほうが安心するでしょ?」

男「……お前はなんでもわかるんだな」

幼馴染「唇が震えてたから。どんなに強がっても、私は誤魔化ないよ」

男「幼ちゃん……」ギュウ

幼馴染「大丈夫。大丈夫だよ。私は男の傍にいるよ」ナデナデ

男「うん……」ギュウウウウウ
426 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:51:44.41 ID:6E7IkrCf0
男「……今日、ある写真を見たんだ」

幼馴染「写真?」

男「幼ちゃんが会長に肩を抱かれてる写真」

幼馴染「な、何それ!?」

男「前回の同窓会の時のものらしいんだけど」

幼馴染「……あ! あの時か! えっ、写真に撮られてたの!? あれは違うんだよ! あいつが勝手に私の肩に手をかけてきて……でも、すぐに手を払ったんだよ! 本当だよ!」

男「わかってる。幼ちゃんが会長のことをあまり好きじゃないことも、付き合う前の話だからとやかくいう権利がないことだってわかってる……そんなことわか
ってるんだ。だけど、どうしても」

男「怖いんだ……」ギュウウウウ

幼「男……」
427 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:53:46.00 ID:6E7IkrCf0
男「あの写真を見たとき、恐ろしくなったんだ。いつか、こうなってしまうんじゃないかって」

幼馴染「ならないよ。私は離れないもん」

男「……そうだね。今は俺の傍にいてくれる。でも、いつか……俺に愛想をつかして、会長に靡いてしまうかもしれない。他の誰かのもとに行ってしまうかもしれない」

男「それは仕方のないことだってことはわかってる。むしろ、俺みたいな男より、もっといい人と付き合うべきだってことも」

男「だけど、嫌なんだ。幼ちゃんを失いたくない。誰にも渡したくない。ずっとずっと俺の傍にいてほしい」

男「……独善的だよね。幼ちゃんには、自分よりも他に相応しい人間がいるってことに気付いているのに、自分のために幼ちゃんを縛りつけてる……本当に最低だよね」

幼馴染「どうして?」

男「ど、どうしてって……」

幼馴染「だって、私はそれを望んでるんだよ? 男のことが大好きで、男の傍にずっといたいって願ってるんだよ?」

男「幼ちゃん……」

幼馴染「私を離さないで」ギュウ
428 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:54:33.23 ID:6E7IkrCf0
男「今回のことでわかったと思うけど、俺は相当独占欲強いよ」

幼馴染「それはお互い様だよ」

男「これからもウジウジ悩むかもしれないよ」

幼馴染「一緒に悩んであげる」

男「……不安になったときはこうやって幼ちゃんに甘えてもいい?」ギュウウ

幼馴染「大歓迎だよ、甘えん坊さん」ナデナデ

男「幼ちゃん……」

幼馴染「なーに? 男くん」

男「……大好きだよ」

幼馴染「うん。私も大好き」チュウ
429 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/05(火) 22:56:58.09 ID:6E7IkrCf0
ここまで!

せっかくの同窓会編なのに、同窓会開催前にオチるっていうね……
同窓会はエピローグとしてお届けします。
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 05:42:57.42 ID:/o7AZ1W70
おつ
431 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/06(水) 22:48:02.73 ID:RXzevk+40
>>430
ありがとう! これからも宜しく!
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/08(金) 08:55:36.25 ID:NR7n11kYO
乙です
433 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/09(土) 21:12:59.03 ID:1gENetxq0
>>432
ありがと! これからも糖分多めで頑張ります!
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 16:01:33.77 ID:vl9MqQAy0
話が読みたいのであって別にお前が見たいわけじゃないねん
435 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:37:11.88 ID:2mnBoQmX0
土曜日 男宅 リビング
男「親父、ちょっといい?」

父「なんだ? 小遣いならやらんぞ」

男「ちっげーよ。駅前まで車で送ってほしいんだよ」

父「あー、悪いんだけど、いま忙しくてな」

男「スマホゲームやってるだけじゃねえか……」

父「休日に何をしようが私の勝手だ。駅前くらい歩いて行け」

母「そんなこと言わずに送ってあげてくださいよ」

父「この愚息を甘やかすことなんてないさ」

母「幼ちゃんも一緒だそうよ」

父「よしわかった。幼ちゃんは俺が送っていく。お前は走っていけ」

男「クソ親父……!」
436 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:46:17.81 ID:2mnBoQmX0
男「なんで、俺は乗せてくれねえんだよ!」

父「車の定員は2人なんでな」

男「軽トラかよ!」

母「荷台に載せてあげればいいじゃない」

男「マジで軽トラなの!?」
437 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:52:51.45 ID:2mnBoQmX0
男「うちの車はミニバンだろうが!」

母「あー、そういえばそうだったかしら」

父「最近物忘れが激しくてなあ……」

男「物忘れってレベルじゃねえだろ……」

父「それにしても、幼ちゃんに会うのは久しぶりだな」

母「小学生ぐらいまではよく家に遊びに来てくれていたのにねえ……」

父「あの頃はうちに嫁に来てくれるんじゃないかってひそかに期待してたんだけどなあ……」

母「今となっては叶わぬ夢よね……」

男「……そういや、言ってなかったっけ。俺、幼と付き合ってるんだ」

父&母「な、なんだって!?」
438 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 01:56:11.64 ID:2mnBoQmX0
母「たたたたた大変よ、お父さん!」

父「母さん、落ち着くんだ! きっと男の妄想だよ!」

男「妄想じゃねえよ。ほれ」スッ

父&母「これは……!?」

男「幼と撮ったプリクラだよ」

父「お母さん、今日は焼肉にしよう! もちろん、幼ちゃんも一緒に!」

男「同窓会に行くって言ってんだろ!」

母「お姉ちゃん、男がやったわ! 幼ちゃんを口説き落としたのよーーー!」

男「やめろ! 姉ちゃんに報告すんな!」
439 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:01:34.18 ID:2mnBoQmX0
男「ったく、落ち着いてくれよ……」

母「落ち着いていられますか! ああ……あの可愛い幼ちゃんがうちに嫁いでくれるなんて夢みたいだわ……」

男「現時点では夢だろ。付き合ってるだけなんだから」

父「……待てよ。確か、幼ちゃんは一人娘だったよな?」

男「そうだけど?」

父「母さん、そうなると、男を婿養子で欲しがるかもしれないぞ」

母「それもそうだわ……男、幼からあちらのご両親の希望を聞いてない?」

男「付き合って2週間程度でそんな話するかよ」
440 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:04:05.54 ID:2mnBoQmX0
男「俺たちは付き合ったばっかりなの。結婚なんて遠い話で……」

父「お前に悠長に構えている余裕があると思ってるのか!」

母「そうよ! さっさとプロポーズしてきなさいよ!」

父「もうお前には任せておけん! 私たちで話を進める!」

母「今日、幼ちゃんはうちに来るのよね? だったら、ここで婚約してしまいましょう!」

男「お、おい! 余計なことするなよ!」

ピンポーン

父&母&男「!!」
441 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:06:51.44 ID:2mnBoQmX0
玄関前
幼馴染(男の家に来るの久しぶりだな。小学生の頃とかよく泊まりにきてたのに)

幼馴染(……男のお父さんとお母さん、最近会ってないけど元気かな)

男「幼! 逃げろ!」ガチャ

幼馴染「へっ……?」

父「どけ!」ゲシッ

男「うわっ!」ドサッ

幼馴染「お、男!?」

母「幼ちゃん!」ギュウウ

幼馴染「おばさん……?」

父「大丈夫。君のことは必ず私たちが幸せにするからね!」

幼馴染「は、はあ……?」

男「やめろ、馬鹿夫婦!」
442 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2019/02/20(水) 02:08:13.61 ID:2mnBoQmX0
母「ごめんなさい。幼ちゃんがうちの愚息を選んでくれたって聞いて嬉しくなっちゃって」

幼馴染「あっ! す、すみません! ご挨拶が遅くなってしまって……」

父「大丈夫だよ。そんなことよりも将来の話をしよう」

幼馴染「将来ですか……?」

母「とりあえず結婚式の日取りを決めましょう」

幼馴染「結婚式!?」

男「いい加減にしろ! 幼が困ってるだろ!」

幼馴染「わ、私としては、大学卒業して就職してから1年経ったくらいの時期がいいかなーって……」

男「満更でもねえのかよ!」
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