幼馴染「ずっと前は好きだったよ」 男「えっ」

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616 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2021/06/17(木) 13:22:18.93 ID:HfIeryKS0
>>615
まったく違うSSの投稿用にトリップの確認をしただけです!誤解させてすみません
617 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2021/07/04(日) 14:16:49.52 ID:I8zrEh980
>>472の女と会長の話を書いています。今月中には投下できるように頑張ります!!
618 : ◆TMTTBwd/ok [sage saga]:2022/06/25(土) 17:58:39.03 ID:E6SrLWuk0
女と会長の話です
619 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:00:43.87 ID:E6SrLWuk0
女「だーかーらー、別に隠していたわけじゃないんだってば」

後輩「嘘です! 私に打ち明ける機会はいくらでもあったはずです」

女「仕方ないじゃん。言い辛かったんだから」

後輩「開き直らないでください!」

女「だって、事実だしー」

後輩「気持ちはわからなくもないですが……私はお姉ちゃんから話してほしかったです」

女「ごめん……」

後輩「だから、洗いざらい全部話してもらいますからね!」

女「ええ……今日は疲れてるからまた今度ね」

後輩「わかりました。では、お話しいただけるまで一緒にお風呂は入りませんからね」

女「話す! ある事ない事全部話しちゃう!」

後輩「ある事だけ話してくださいね」
620 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:01:44.72 ID:E6SrLWuk0
後輩「それで、彼氏さんはどんな人なのですか」

女「んーと、幼と男くんと同じ中学で、今は北高に通ってる人」

後輩「それは幼先輩から聞きました」

女「じゃあ、これは聞いた? 中学の頃からずっと幼に片想いしていたんだよ」

後輩「ええ!?」

女「男くんから会長と修羅場になってるって聞いてさ、なんか面白そうだなーと思って会いにいったらさ」

後輩「……」

女「目の前で幼と男くんのキスシーンを見せつけられたみたいで、すっごい落ち込んでやんの!」

後輩「……お姉ちゃんは彼氏さんのどこが好きなのですか」

女「それを探しているところだけど?」

後輩「今すぐ別れなさい!」
621 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:04:01.23 ID:E6SrLWuk0
女「どうしたの急に。もしかして、ヤキモチ妬いちゃった? もう、シスコンなんだから」

後輩「お姉ちゃんにだけは言われたくありませんよ! 好きでもない人とお付き合いしているなんておかしいでしょう!」

女「でもさあ、両想いで交際を始めた人たちだっているだろうけど、ちょっと気になるから付き合ってみようかなみたいな軽い感じの人たちの方が大半なんじゃないかな」

後輩「そ、そんなことありません! 私や幼先輩は……」

女「君たちを世の中の基本にするのはどうかと思う」
622 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:05:20.59 ID:E6SrLWuk0
女「まあでも……君たちを見ていて、羨ましく思ったのは事実だよ。恋をするとこんなにも人って変わるんだなって」

後輩「あはは……確かに、男さんなんて変わりましたよね」

女「だから、私も恋をしてみたいって思ったの。誰かを好きになった時、私はどうなるんだろうって」

後輩「……それで、どうなのですか。彼氏さんのことは好きになれそうですか?」

女「どうかなあ……いい人なんだけどさ、ちょっと、キザなところがあるんだよねー。そこがマイナスポイント」

後輩「それはきっと、お姉ちゃんのことが好きだからですよ。好きな人によく思われたいのは当然でしょう?」

女「そうかなあ。ただ単に格好つけたいだけだと思うけど」
623 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:07:15.98 ID:E6SrLWuk0
翌日 朝
女「あれ、妹は?」

母「自主練するからって朝早くに出て行ったわよ」

女「さすが、バスケ部期待の星。今日はオフだっていうのに自主練とは。ウィンターカップに向けて頑張ってるね」

母「……あんたもバスケ部じゃなかったかしら。しかも、部長でしょう」

女「今日は部活休みだよ? ブランクのある妹は仕方ないけど、私が練習する意味がわからないよ」

母「ああ、そう……」

女「それに私、用事あるしー」

母「デート?」

女「……え、なんで知ってるの」

母「母親だからよ」

女「はぁ……妹が話したのね」

母「それだけ、あんたの事が心配だったんでしょう。ねえ、彼氏はどんな人なの。一度、会わせてよ」

女「えー、なんで紹介しないといけないのさ」

母「だから、母親だからよ」
624 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:08:14.82 ID:E6SrLWuk0
母「あんたが誰かと付き合うなんてねえ……想像もできなかったわ」

女「そう?」

母「だって、妹のことを本気で好きだったじゃない。だから、このまま一人でいるのだと思っていたから」

女「……なんで、知ってるの」

母「母親だからよ。何度も言わせないで」

女「お母さんは……気が付いた上で何も言わなかったの?」

母「何かを話したところで貴女は納得したの? 諦めることができたの?」

女「それはそうだけど……」

母「むしろ、もっと意地になっていたでしょう」

女「……さすが、何でもお見通しだね」

母「当然でしょ。母親だもの」
625 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:09:10.69 ID:E6SrLWuk0
母「まあ……正しい道に導こうとしなかった私は母親失格なのだけれど」

女「そんなことないよ。……うん。お母さんは適切な対応をしてくれたと思う。結果的には良い方向に向かったわけだしさ」

母「……そう言ってくれると助かるわ」

女「ちなみにお父さんは気が付いていたの?」

母「そんなに鋭い人だと思う?」

女「あはは……」

母「まっ、もし気が付いたとしても、あの人は何も言わなかったと思うわ。いえ、むしろ喜んだかもしれない。『これで他の男に奪われなくて済む!』って」

女「お父さんらしいわあ……」
626 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:09:42.48 ID:E6SrLWuk0
女「ねえねえ、お母さんはお父さんのどこが好きになったの?」

母「急に何を聞くのよ」

女「いいじゃん。教えてよー」

母「そうね……幼馴染だったこともあって、ずっと一緒にいることが当たり前になっていたというのが本当のところかしら」

女「うっわ……ここにも幼馴染カップルがいたのか……」
627 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:11:01.05 ID:E6SrLWuk0
母「そういえば……私はあの人のどこが好きになったのかしら?」

女「ちょっとやめてよ。これで離婚とかになったら笑えないよ」

母「バカね。するわけないでしょ。今さら離れるなんて想像もできないわ」

女「どこが好きなのかもわからないのに?」

母「長い年月一緒にいれば、そんなことはどうでも良くなっていくの」

女「そういうものかな」

母「恋人って非日常的なものだから強烈な恋心がないと物足りなくなってしまうかもしれないけれど、『夫婦』は日常だからね。穏やかな想いでなければ続かないのよ」

女「なるほどねえ……でも、そう考えると、私たちは大丈夫なのかな。別に『強烈な恋心』あるってわけでもないし」

母「あら、いいじゃない。それはそれで」

女「いいのかな」

母「いいのよ。それでも一緒に居られるってことはお互いを求めているってことなんだから」
628 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:11:41.30 ID:E6SrLWuk0
移動中
女(お互いを求めている、か。そうだとしたら、会長は私に何を求めているのだろう)

女(妹は私のことが好きなんじゃないかって予想してたけど……たぶん、それはないな。だって、彼は幼のことを本当に好きだったから。そんな簡単に割り切れるものじゃないだろう。私のように)

女(だからきっと、失恋の傷を癒してくれる相手を欲しているんじゃないか)

女(……でも、それって最早、恋人じゃなくてセフレに近いような気がする。身体の関係はないけど、ただ自分の心の隙間を埋めるだけの存在として私を見ているのだから)

女(だとしても、彼を責めることはできない。もともと滅茶苦茶な理由を突き付けたのは私なのだから)

女(でも……)

女(……なんかむかつく)

会長「どうしたんだい、険しい顔をして」

女「……」

会長「えっと……」

女「とりあえず、今日は奢りで!」

会長「!!?」
629 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:12:15.60 ID:E6SrLWuk0
カフェ
会長「僕、何かしたかな……?」

女「べっつにー」

会長「不満そうな顔で否定されても……」

女「女の子にはいろいろあるの」

会長「……そっか、そうだよね。男子にはわからない苦労があるもんね」

女「……一応、言っておくけど、生理じゃないからね」

会長「その発想はなかった」

女「ちっ……男子はいいよね。あの痛みを知らなくて済むんだからさ」

会長「僕はどうしたらいいんだい」
630 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:13:09.07 ID:E6SrLWuk0
会長「何か思うことがあるならはっきり言ってくれ。恋人同士なのに隠し事なんておかしいだろう」

女「……じゃあ、聞くけどさ。幼のことまだ好きなの?」

会長「いきなりとんでもないこと聞くね!?」

女「恋人に隠し事は必要ないんでしょう」

会長「わかったよ……もうなんとも思ってないよ」

女「はい、絶対うそ」

会長「ええ……」

女「あんなに策を巡らせて手に入れようとするくらい好きな女の子だったんでしょ。簡単に諦めきれるわけないじゃん。特に男子って昔の恋を引きずるっていうし」

会長「あー、うん。まあ、好きだったけど」

女「……」ゲシッ

会長「な、なんで蹴るんだよ!」

女「あ、ごめん。無意識のうちに蹴っちゃった」
631 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:13:50.92 ID:E6SrLWuk0
会長「最初はもちろん未練はあったよ。でも、今はないかな。君と一緒にいるうちになくなったよ」

女「なにそれ。じゃあ、そこまで幼のこと好きではなかったんじゃないの」

会長「そう思われても仕方ないかもね。でも、僕は君の傍にいるのが楽しくて仕方ないんだよ」

女「蹴られたりするのに? 会長ってドMなの?」

会長「いや、快感に感じるってわけじゃなくて、ああやって、ヤキモチ妬いたりするのはかわいいなって思う」

女「別にヤキモチじゃないし」

会長「ああ、そうだったんだ。ごめんね」

女「……むかつく」
632 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:14:26.02 ID:E6SrLWuk0
会長「僕も聞きたいことがあるんだけどさ」

女「何よ?」

会長「君は失恋の痛みは忘れられたのかい? 相手が誰なのかわからないけれど、とても大事な人だったんだろう?」

女「……正直、悲しくなったり、寂しくなることはあるよ」

会長「そうか……」

女「それだけ? 怒ったりしないの?」

会長「忘れられないってことは、それだけ大事な想いなんだろう。だから、いいんじゃないかな。変に割り切ろうとすれば苦しむことになるから」

女「それはそうかもしれないけど……君はいいの?」

会長「さっき言っただろう。君の傍にいるのが楽しいって。だから、それでも君が僕と一緒に居てくれるなら、それでいいんだ」
633 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:14:59.88 ID:E6SrLWuk0
会長「君は約束を果たしてくれたってことでいいんじゃないかな。君のことを好きにさせてくれたから」

女「こんな短期間で堕ちるなんてちょろすぎ」

会長「君がそれだけ魅力的なのさ」

女「寒い! その台詞寒すぎるよ! 夏真っ盛りなのに凍死しちゃいそうだよ!」

会長「そうやって照れ隠しするところもかわいいよ」

女「今のは本心なんだけどね」

会長「えっ」
634 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:15:35.50 ID:E6SrLWuk0
女「会長くんのそういうところはあんまり好きじゃないかな!」

会長「ハッキリ言うね……」

女「恋人に隠し事は無用なんでしょう?」

会長「……君に良いところを見せたくて、つい……ね」

女「初対面で情けない姿を見せてるのに?」

会長「そうかもだけど……好きな人によく思われたいのは当然だろう?」

女「……」

会長「どうしたの?」

女「いや……うちの妹ってやっぱりすごいなって」
635 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:16:08.07 ID:E6SrLWuk0
会長「妹さんが何か言っていたのかい?」

女「うん。別れなさいって」

会長「ええ!? ど、ど、どうしてだい?」

女「好きでもない人と付き合うのはおかしいってさ」

会長「それはそうだけども……」

女「まあ、安心して。私は別れるつもりはないよ」

女「君のことがまだ好きなのかわからないけど、君が私にとって必要な人なのは間違いないもん」
636 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:16:41.64 ID:E6SrLWuk0
会長「それはよかった」

女「よくないわ!」

会長「え!?」

女「私は恋をするために君を選んだんだよ。その意味わかるでしょう?」

会長「が、頑張ります……」

女「ダメだ……全然わかってない。どうしてこう、大事なところには気が付かないのかな」

会長「え、えっと……」

女「つまり、私は君なら好きになれると思ったんだよ。失恋の痛みを知っている君となら、きっと新しい関係を築けるはずだって」

会長「っ……」

女「だから早く……」

女「私に恋を教えて」







END
637 : ◆TMTTBwd/ok [saga]:2022/06/25(土) 18:17:27.00 ID:E6SrLWuk0
以上です。ありがとうございました。
638 : ◆TMTTBwd/ok :2022/09/25(日) 18:20:33.19 ID:Giept8vV0
ここってまだ新スレ立てられますよね?
639 : ◆TMTTBwd/ok [sage saga]:2022/10/02(日) 15:58:54.62 ID:7AGwCm7j0
新スレです。宜しくお願いします。
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1664685567/
640 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2022/10/31(月) 21:50:07.24 ID:judv35yn0
↑更新しました
641 : ◆TMTTBwd/ok [sage]:2022/10/31(月) 23:00:52.73 ID:judv35yn0
新スレは後輩や幼馴染の子供たちの話となります
どこかのタイミングで後輩の話も書きたいなー、とは思ってますがいつになるのやら……
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