【艦これ】暁が如く【極道】

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1 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:34:03.21 ID:O3FvFc3V0

時は2XXX年。

日本は極道の嵐に包まれた……――。



街は派手なスーツ姿のパンチパーマの男で溢れかえり、怒声が聞こえない日はない……。


大人の男たちは少しでもいい組に入るのがステータスとなり、妻がそれを自慢する。


子供たちは口をそろえて言う。「将来は、あの組に入るんだ」……と。





そんな中でも必死に商売をする者たちもいる。


しかし、彼らの多くはショバ代やみかじめ料の支払いに苦しめられていた……――。






―――とある商店街


ドンガラガッシャーン‼


団子屋の娘「――きゃあっ!!」ドサッ


団子屋の店主「お、おいっ、大丈夫かっ!」


モブ田組A「おうおうおうおう……。まーだこんな店やってるんか……」


店主「あ、あんたっ! 急に何してくれるんだ!」


モブ田B「あぁんっ!? おうおう、アニキにどんな口きいてやがるんだテメー」ガシッ


店主「ひ、ひぃっ!」


モブ田A「まぁまぁ。――俺たちはモブ田組のもんだ。おう、旦那さん。みかじめ料払ってくれや」


店主「ま、待ってくれっ! 私たちはモブ林組に払ってるんだ! 話ならそっちと付けてくれないか!」


モブ田A「あぁ? そんなの知らねぇわ、両方に払えばいいじゃねぇか。月五万でいいからよ……。なぁ、旦那さん」


店主「そんな……無茶苦茶だ!」


モブ田B「あぁんっ!? アニキっ! やっちまいますか」


モブ田A「まぁ落ち着けや。……娘さん、えらい美人さんだなぁ?」ジュルリ


娘「ひぃっ」


店主「――ッ! む、娘には手を出さないでください!」


モブ田A「じゃあ払えよ。そんぐらいあんだろ?」


店主「ちょ、ちょっと待ってください……」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522755242
2 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:34:41.88 ID:O3FvFc3V0

団子屋の妻「あ、あんた……!」


店主「しょうがないだろ……! 店を荒らされたら商売どころじゃない……。みかじめ料を払ってるモブ林組も役立たずだっ」


妻「うっ……!」ヨヨヨ…


店主「――これでいいんだろうっ!? お願いだから帰ってくれっ!」


モブ田A「……なんだ、やっぱりあるじゃねぇか。最初っから素直に払えばいいのによ」


モブ田B「さっすが兄貴ですぜっ!」


モブ田A「おう、旦那さん。また来月来るからよ、ちゃーんと用意しておけよ」


店主「くっ……!!」


娘「お父さんっ……」






もう、まともに商売なんてできないのかもしれない。


逃げようにも、どこで誰が見ているかわからない。


住民たちは、この終わりのない地獄を耐えるしかない。そう、思われていた……――。










――しかしっ!!



「………………ッ!」ブンッ‼


モブ田B「へっ? ――ごふぅっ!?」ドンガラガッシャーン‼


モブ田A「なっ……!! 誰だテメェはっ!?」





不知火「不知火です。……初めまして」





モブ田A「し、不知火……?」


「いいのよ、そんな馬鹿正直に名乗んなくたって」


不知火「そうでしたか……組長」


モブ田A「く、組長……だと?」



3 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:35:30.46 ID:O3FvFc3V0

陽炎「まぁでも、あんた達には名乗っておいた方が良いのかもしれないわね。……私は陽炎よ。覚えなくていいけど」


モブ田A「ど、どういうことだっ!」




陽炎「だってこのシマ……。今日から私たち陽炎組のシマにするから」シレッ




モブ田A「なっ……! く、クソガキが調子乗ってんじゃ――」


不知火「…………」ブンッ

ゴッ‼

モブ田A「ぐふっ……」ガクッ


モブ田A(な、なんだこの力……。こいつらはいったい……)


不知火「………………」ガシッ


モブ田A「お……おい、どっから来たのか知らねぇが……。お、俺たちを……甘く見るんじゃねぇぞ……」


陽炎「……続けなさい」


モブ田A「す、すぐに本部から援軍が来る……! お、お前たちなんて……――」


陽炎「たぶん来ないと思うわよ」


モブ田A「あぁ? 何を言ってやがる……」


陽炎「あんた達の本部とやらには、もう別の組員が行ってるわ。――あぁそうそう、あんた達の本部をそのまま使わせてもらおうと思ってたから、よろしくね」


モブ田A「な、なん……だと?」






―――モブ田組・本部


谷風「――かぁーっ。もう終わりかいっ? 骨がないねぇ」


モブ田C「ひ、ひぃっ! な、なんなんだこいつ等……!」


萩風「あと残ってるのは数人でしょうか……。おとなしく出て行ってくれるとうれしいんですけど」チラッ


モブ田D「わ、わかりましたっ! 出ていきますぅっ!!」ダッシュ‼

ワーワーギャーギャー‼

ニゲロー‼

嵐「――なーんだ、磯風の姉貴を呼ぶまでもなかったなぁ」


舞風「とりあえず踊る?」


野分「馬鹿言ってないで、組長たちがここに来るまでに掃除を済ませないと……――」


4 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:36:10.52 ID:O3FvFc3V0
―――商店街・団子屋


モブ田A「う、嘘だろ……。俺たちがこんなガキに……!」


陽炎「信じる信じないは勝手にすればいいわ」


不知火「組長……。こいつはどうしますか?」グッ


モブ田A「ひぃっ!」


陽炎「この店から盗ったもの取ったら、放っときなさい」


不知火「……組長が言うなら」パッ


モブ田A「ひ、ひぃぃいい!!」ダッシュ


不知火「………………」


陽炎「不満そうね」


不知火「いえ、そういうわけでは」


陽炎「あれでいいのよ。あいつにはスピーカーの役割をやってもらわないと。ここのシマは陽炎組のものになったぞー……ってね」


不知火「……なるほど」


陽炎「――さて。ねぇ、この店の娘よね?」


娘「は、はいっ!」ビクッ


陽炎「コレ、あいつが盗ったやつ。返しとくわ」スッ


娘「えっ……。で、でも……」


陽炎「次から何かあったら、私たち陽炎組に連絡しなさい。すぐに何とかしてあげるから」


娘「は、はい……」


陽炎「……それじゃ。不知火、もう少し掃除して帰るわよ」クルッ


店主「――ま、待ってくださいっ! な、何かお礼を……」


陽炎「お礼? いいわよ、そんなの」


店主「し、しかし、それでは私たちの気が収まりませんっ」


陽炎「そう言われても……。……あ、それじゃ――」


陽炎「この団子、二本貰っていくわね。……ほら、不知火」スッ


不知火「いただきます」


陽炎「これでチャラでいいわ。……それじゃ」パクッ

アラ、オイシイワネ
ソウデスネ

店主「す、救いの神が現れたのか……――」
5 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:37:13.35 ID:O3FvFc3V0



それは突如として、各地でほぼ同時に現れた。





―――モブ間組・本部

ワーワーギャーギャー‼

ドォン‼

モブ間A「――く、組長っ! 大変ですっ!!」


モブ間組長「あぁん? なんの騒ぎだぁッ!」


モブ間A「か、カチコミです……!」


モブ間組長「カチコミだとォ? どこの組の、何人だ」


モブ間A「そ、それが――」


ドカァァン‼


モブ間A「ひっ!」


モブ間組長「……ガキが、一人だと……?」


「………………」ツカツカ


モブ間組長「――おいっ! でてこい!」

ワーワー‼
イキテカエスナッ‼

「………………」


モブ間組長「へっ、俺らの兵力があんなもんだと思ってたのか? 待ち伏せてるとも知らねぇでよ」


「………………」


モブ間組長「なんだぁ? ビビっちまったのか? 今さら後悔しても――!」


「………………」ニヤッ


モブ間組長(こ、こいつ笑っ――)




「…………さぁ――」




「……ステキなパーティしましょ」




――――――

――――

――


6 :ベルトコンベア ◆EwTy/47GRIPz [saga]:2018/04/03(火) 20:37:50.74 ID:O3FvFc3V0
―――モブ木組・事務所


カツーン…
カツーン…


モブ木A「――あ、あいつが来るっ……。なんなんだよ……! なんなんだよォ、あのガキ共はァ!!」


カチャリ…


モブ木A「――っ!!」



「……今日は何の日?」



モブ木A「た、助け――」


バァンッ…‼





彗星のごとく現れた『艦娘』と呼ばれる極道たちは、元々シマを持っていた極道の組を潰して回り、徐々に……しかし確実に勢力を伸ばしていくのだった。



そして――。



―――モブ山組・事務所


モブ山B「――そうだ、兄貴。聞きました?」

モブ山A「あぁ? なんの話だ」

モブ山B「なんか最近、組が襲われてるらしいんですよ」

モブ山A「はっ、ガキにボコボコにされてるってやつか? おいおい、お前そんなの信じて――」



バァンッ‼



モブ山A「誰だァ? ……って、ガキ?」


暁「が、ガキって失礼ねっ! 暁よっ!」


モブ山B「こ、こいつら、もしかして……っ!」


「突然だけど、この事務所いただくわっ」

「はわわっ! 追い出しちゃうのですー!」


モブ山A「こいつ等なに言って――」


カチャリ…


モブ山A「……えっ?」



「ハラショー」


パァン…――

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