藤丸立香「あなたたち、どうせ死んでたんだから」

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7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/05/05(土) 23:41:59.57 ID:099CA5/+O
「てぃあ、まと?大地の母を、全ての命の始まりを呼ぶ? お前、自分が何をいってるかわかって」

「あとは、そうだなぁ……聖杯がまだ残ってたよね。あれ使ってティアマトの霊基再臨しようか。ダヴィンチちゃん、準備しててね」

 カドックの声を無視して、立香は笑う。
 これならなんとかなる。次の異聞帯がどんなものかはわからないが、異聞帯ひとつを燃料にして次の異聞帯を破壊するのだから、大地を飲み込む彼女の力は十分有用に使える。それくらいならなんとかなる筈だと。

 通信の向こうでダヴィンチもひきつった顔になっていたが、もう立香は止まる気などなかった。
 だって、もう心の底から守りたかったものは失われた。
 最初に奪ったのは向こうなのだから、最大限に利用して世界を取り戻すのに最早良心の呵責など感じない。

 その時、彼女に手の甲が熱に襲われた。
 なにかと見れば、そこにあったのは礼呪の跡。

 ──ではない。


「ああ……、そっか……」


 それは、獣の刻印であった。

 七つの星が満たされた、人類を愛するがゆえにそれを害するすべてを滅ぼし尽くさんとする人類愛。
 平凡なりし人類諸兄の代表者。唯一残った人類の救世主。
 今の彼女は全ての人類悪を統べる者。その手の中にかつて打ち倒した人類悪の記録があるのなら、それを元に呼び出すことすら、今の彼女は可能とする。

「じゃあ、名乗り直した方がいいかな」
「何を、いってる。なんだ、お前、その魔力は……!?」

 彼女がそっと手の甲を見せ。

 そして、口を開いた。
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