アイアンマン「この魔法の世界に鉄人を!」【このすば×アイアンマン】

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251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/05(日) 12:58:08.80 ID:cMreWXyQ0
こいつら環境破壊しすぎだろ
252 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:42:47.59 ID:RM8K+kAg0

カズマ「一体なんだったんだ?」

めぐみん「あなたと言う人は・・・行方不明者の居場所が分かったんですよ」

カズマ「さっき言ってたヴォーミアとかいう所か?」

めぐみん「ええそうです。向かう準備をしますよ?あの悪魔の忠告通り、出来る限りの最高戦力で向かうんです」

カズマ「じゃぁ今からギルドに行って・・・」

めぐみん「駄目ですよ。ヴォーミアは危険なモンスターがいっぱいいると言ったじゃないですか。この街の冒険者たちのレベルが意外と高いことは知っていますが、それでも駆け出しの街なんですから。餌になるだけですよ」

カズマ「それ俺達にも当てはまると思うんですけど・・・ならさ、王都に知らせて腕利きの冒険者や騎士団総出で・・・」

めぐみん「それも駄目です。攫われた人たちは人質のようなものです。そんなところに大勢で駆けつけたら相手は何をするかわかりません。出動できるようになるまで多くの手続きと時間もかかりますし、ロキは私がぶっ飛ばしたいです」
253 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:44:30.30 ID:RM8K+kAg0

カズマ「それっぽいこと言っておいて結局はお前の爆裂欲じゃねーか」

めぐみん「で、戦力についてですが・・・正直あまり頼りたくはないですが、戦力になりそうなのが一人います」

カズマ「おい無視すんな。でも戦力かぁ・・・俺はウィズに声かけてみるよ」

アクア「・・・?ダクネスどうしたの?そんな不安げな顔をして」

カズマ「生・・・いだっ!何すんだトニー!」

トニー「さすがにそれはデリカシーが無さすぎるぞ。で、どうした?ダクネス」

ダクネス「なぁ、その・・・私は役に立てそうか・・・?」

トニー「そう不安げな顔をするな、君の硬さは良く知っている。僕の目を盗んではリパルサー光線を体に受けて発情し、果ては商品にする予定のグレネードまで外に持ち出して自爆して発情してる君なら大丈夫だ」

カズマ「お前ここ最近散歩に出かけまくると思ったらそんなことしてやがったのか!!性癖で他人を困らせるなって何度言われたら気が済むんだこのド変態!」

ダクネス「なっ!?結構真面目に相談したのに!」
254 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:46:03.09 ID:RM8K+kAg0

カズマ「真面目に受け取ってほしいなら普段の行動を改めろ!・・・ったく、ガチガチのお前がいないと俺たちのパーティーは瓦解しちまうんだよ。役に立たないことはあっても、いらない子じゃないからそう不安がるなよ」

ダクネス「そうか!それならよかった・・・!」

カズマ「アイギスあることだしな・・・そういえば、最近アイツの姿を見ないけど・・・」

トニー「アイツは毎日セクハラ発言しかしないしペッパーに会えないと知ってラボを抜け出そうとしたから鎖で物理的に縛って倉庫の中にしまってある」

カズマ「苦労して手に入れたってのに・・・ん?なんだアクア、そんな
ニヤニヤして」

アクア「ふふふ、久々にカズマさんのツンデレを見たわって思ってね!カズマさんったらもうちょっと素直になれないの?」

カズマ「お前には一生デレる気はないから安心しろよ」

アクア「ねぇ、カズマ。嘘よね・・・?私達なんだかんだで一番付き合いが長いじゃない・・・?」

カズマ「よし、俺は早速ウィズに話を付けて来るわ」

アクア「ちょっと!カズマさん!!カズマさあああん!!」

255 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:47:26.26 ID:RM8K+kAg0
......
....
..
.


翌朝  カズマの屋敷前


ウィズ「おはようございます、みなさん。なんだかめぐみんさんのお顔が優れないようですが・・・?」

めぐみん「トニーが一晩中寝かせてくれなかったのですよ」

ウィズ「えっ・・・?えぇえっ!?///」

カズマ「おいやめろ、その言い方。ウィズが困惑してるだろ、早く誤解を解いてやれよ」

トニー「めぐみん、その言い方はおかしいだろ」

ウィズ「で、ですよね・・・」ホッ

トニー「もう寝ようと言ってもめぐみんが僕を離してくれなかったんだ」

ウィズ「!!!!???? ///」
256 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:48:04.01 ID:RM8K+kAg0

カズマ「お前誤解を解く気あんのか!?やめろよマジで!!朝までボードゲームやってただけだろうが!!」

トニー「外が明るくなるまで挑まれ続けてみろ、ふざけた冗談の一つでも言いたくなるさ」

めぐみん「悔しいのですよ!!トニーが毎回『盗賊』と『アーチャー』で『アークウィザード』を暗殺してくるからエクスプロージョンで盤をひっくり返すこともできずになぶり殺しにされるんですよ!?」

カズマ「だからって朝まで食い下がるなよ・・・」

アクア「もー、二人が変な言い方するからムッツリッチーの顔が赤くなっちゃったじゃない」

ウィズ「ムッツリッチー!?ア、アクア様・・・その名前はどうか・・・!」

ダクネス「まぁまぁ、早く乗合馬車の待合所いこう。席を確保しなくてはならないし」
257 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:48:53.80 ID:RM8K+kAg0

めぐみん「トニー、ボードゲームは持っていくので、馬車で向かう途中でも戦いましょうよ。絶対にあきらめませんからね」

トニー「いまからロキの元へ向かうんだぞ?寝ておいた方が良いに決まってる。それに、寝ると頭が冴えるぞ?体も大きくなるし一石二鳥だ」

?「ね、ねぇめぐみん・・・ボードゲームなら私持ってきてるよ?」

めぐみん「あれ?なんでゆんゆんがここに?」

ゆんゆん「ひ、ひどい!!めぐみんに呼ばれたから来たのに!」

めぐみん「そういえばそうでしたね。うっかりしてました、ぼっち特有の影の薄さでつい・・・」

ゆんゆん「なによ!めぐみんだって友達少なかったじゃない!」

トニー「えっと・・・君は・・・」

ゆんゆん「あっ・・・ど、どど・・・どうもはじめまして!わ、我が名はゆんゆ---」

トニー「めぐみんから聞いている。ビッチのゆんゆんだな?」
258 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:50:00.50 ID:RM8K+kAg0

ゆんゆん「めぐみんあんたねぇええええええ!!!」グワッ

めぐみん「なっ、なにをする!!なんですか急に!私はぼっちのゆんゆんと言う名の助っ人が来ますよと彼に話しただけですよ!まぁ、もしかしたら言い間違えたかもしれませんが」

ゆんゆん「どんな言い間違えよおおおおおおおおお!!」ブンブン

めぐみん「仕方がないじゃないですか。ボッチとビッチは一文字しか違わなければ語感も似た感じですし、人間誰でも間違う時はありますよ」

トニー「ゆんゆん・・・で良いんだよな?あー・・・あまり他人の人生にとやかく言うつもりは無いが・・・君はめぐみんと同い年なんだろ?その年でビッチと呼ばれるような生活を送るのは正直オススメしない」

ゆんゆん「ち、違いますからあああああ!!ただのぼっちですからあああ!!うわあああああああああん!!」ガクッ…

めぐみん「そう自分をぼっちと卑下しないほうが良いですよ?」

ゆんゆん「うええええええん!ふぇぇぇぇえええええん!!」

カズマ「めぐみん。自分からぼっちですと言わせ、地面に膝をついて泣いてる友達を見るのは楽しいか?」

めぐみん「・・・ヘッ」
259 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:52:14.06 ID:RM8K+kAg0

トニー「君たちの交友関係はどうなってるんだ・・・?」

ダクネス「ほ、ほら・・・早く馬車の席取りに行こう・・・」

トニー「馬車?馬車なんて時代遅れの物には乗る必要はないさ」

ダクネス「時代遅れ・・・?トニーは偶に変な事を言うな」

    ブロロロロ…

ダクネス「・・・?何の音だ?」

トニー「やっと来たか」

カズマ「なぁ、トニー・・・この音って・・・」

トニー「勿論僕が呼んだ」

  ブロロロロロ…

ゆんゆん「だんだんこっちに近付いて来て・・・る?」







HUMMER「」グォオンッ!


   キキィッ…


ウィズ「」

めぐみん「」

ゆんゆん「」
260 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 19:55:59.18 ID:RM8K+kAg0

ダクネス「なっ・・・なぁぁぁああっ!?これは一体なんだ!?」

カズマ「これはひどい」

アクア「あんたねぇ、どんだけファンタジーをぶっ壊せば気が済むのよ!?」

トニー「見た目に反して中は快適だぞ?自動運転だし、お酒もある。広くて快適、キャンピングカーも顔負けの居住性だ。ヴォーミアに付くまで中で宴会でもするか?」

アクア「早く乗りましょう!」

カズマ「ファンタジーが壊れていく・・・いや、元からこの世界にそんなの求めてなかったけどさ・・・」

ゆんゆん「あ、あの・・・これは?」

カズマ「これは“くるま”ってやつだよ。トニーの国じゃ普通に走ってる」

ゆんゆん「魔力式・・・?あんなの動かすなんていったいどれだけの魔力が・・・」

めぐみん「トニーの魔力はゼロですし・・・あの、これどれくらい動くんですか?走っている内に私たちの魔力が使われていくとかなんて事は無いですよね?」

261 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 20:00:14.94 ID:RM8K+kAg0

トニー「半永久的だ。魔力じゃなくてリアクターで動いている」

めぐみん「りあくたー・・・確かトニーの鎧の胸にも付いてたやつでしたよね?何の魔力も感じませんでしたし、あれが“かがく”ってやつなのでしょうか・・・」

ウィズ「私の店と良く取引をしてるあの凄腕魔道具職人さんなら何か分かるかもしれませんね・・・」

トニー「そうだウィズ、僕の作った道具の売れ具合はどうだ?まだまだ売れてるか?」

ウィズ「はい!改良も加えてもらったのでさらに売れるようになると思いますよ!」

トニー「・・・改良?どういうことだ?」

ウィズ「え?あ、あの・・・トニーさんが店に置いてくれた品をみたとある魔道具職人さんが“魔力も感じないしつまらない道具だ、ワシが改良してやろう”って・・・ト、トニーさん?顔が怖いですよ・・・?」

トニー「その職人ってのは・・・ひょいざぶろーって名前じゃないよな?」

ウィズ「はい!そうです!ご存知なんですか?すごい方ですよね!!」

トニー「・・・」ガクッ…

ウィズ「トニーさん!?どうしたんですか!?大丈夫ですか!?」

めぐみん「おや、トニーが膝をついて項垂れるなんて珍しいですね」

トニー「もういい・・・僕は車で寝る。ゲームはまた今度付き合ってやるから寝させてくれ・・・」

ダクネス「馬やリザードランナーが付いていないだなんて・・・本当にちゃんと動くのか?」

トニー「寧ろこれに乗ったら二度と馬車なんて乗れなくなるさ。きっと気に入るぞ?」

ダクネス「・・・信じがたいな」
262 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/06(月) 20:06:01.21 ID:RM8K+kAg0
今回はここまでです。今回で旅に出る予定が・・・
次回、ファンタジー世界を駆ける超大型SUV
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 21:02:06.68 ID:YhiEDmiMO
ファンタジー世界にだって空飛ぶ船とかあるからへーきへーき……多分
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/06(月) 23:54:25.41 ID:XmWYy1fho
車内で宴会やろうと思ったらH1よりH2リムジンだな。
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/07(火) 16:38:12.40 ID:NXh9F0z40
電気自動車をリアクターで動かしてる
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/08(水) 20:14:58.08 ID:xx5/3fT90
トニーはゆんゆんの友達になればいいのに
267 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/13(月) 23:38:06.93 ID:SCoBR4Xp0
次回更新は明日の夜12時頃になります
お盆なので更新が遅れ気味です・・・申し訳ない・・・
268 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:05:13.71 ID:1qti0fwX0
......
....
..
.



アルカンレティア付近


  ブロロロロロ…

ダクネス「ハハハ!!どうした初心者殺し!お前の速度はそんなものか!!ハハハハ!!」

初心者殺し「ガルァァアアッッ!!」ドドド…

カズマ「おい、サンルーフから身を乗り出すなよ。車体が跳ねたらお前車外に投げ出されるぞ」

トニー「気に入ってもらえたようで何より・・・」

ウィズ「トニーさん、寝なくていいんですか?お疲れみたいでしたが・・・」

トニー「これだけ騒がれたら寝たくても寝られないよ。ウィズ」
269 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:08:37.09 ID:1qti0fwX0

ダクネス「トニー!凄いなこれは!!こんな魔道具は初めてだ!見ろ!あの初心者殺しがあんなに血走った目で私のことを見つめながら追いかけて・・・」

フライデー『前方に悪路を検知。揺れに注意してください』


     ガタンッ!


ダクネス「あ---」ヒュンッ

  ズシャァッ
   ゴロゴロゴロ…

  ゴァァァアアッ!


ゆんゆん「あぁっ!!ダクネスさんが落ちましたよ!?初心者殺しに噛まれて大変なことに・・・あ、あれっ?嬉しそう・・・」

カズマ「フライデー!車止めてくれ!だから身を乗り出すなって言ったのに・・・!誰か付いてきてくれ!あのかじられて喜んでるドM女を助けるぞ!」

ウィズ「私が行きます!」タッ
270 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:09:27.98 ID:1qti0fwX0


  キキィッ!
   ガチャッ

カズマ「コラッ!その変態は固いし色んな意味で美味しくないぞ!こっちの携帯食料やるからどっか行け!」ポイッ

初心者殺し「グルルッ…」クルッ


    ドドド…


カズマ「ふぅ、戦うことにならなくてよかった・・・ほらダクネス、さっさと車に戻るぞ」

ダクネス「車外に投げ出された挙句、飢えた獣にまたがられるなんて・・・ハァハァ・・・///」

カズマ「携帯食料に負けたのがそんなに嬉しいか?」

ダクネス「!?」
271 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:10:44.33 ID:1qti0fwX0
......
....
..
.



 数時間後…


トニー「とうとうファンタジーな世界で冒険が始まったって感じだな」グビッ…

カズマ「あのな、冒険って言うのはな?目的地まで馬車や徒歩でゆっくりと行き、夜になったら焚火をしつつ、道中あったことについて仲間と語り合ったりしながら時間を掛けてするもんなんだよ」

カズマ「間違ってもこんなリムジンと装甲車を混ぜたような車に乗って、中でブランデー片手に数時間で国境を越えたりするのは冒険じゃない」

ダクネス「アルカンレティアに行くとき、野宿するのが一日で済むようにと朝一番の馬車で出発してたクセによく言う・・・」

トニー「単なる旅行ならそれも悪くないかもな。だが、今は時間が惜しいし、観光するような場所でもないところを馬車でただひたすら進むなんて退屈だろ?ただでさえ娯楽が無い世界だと言うのに・・・」

カズマ「・・・一つだけ、どの世界の娯楽にも勝ると言える娯楽がこの世界にあると言ったら?」

トニー「そんなのがあるのか?」

カズマ「・・・トニー、ちょっとこっちへ・・・」コソッ…

トニー「?」コソッ
272 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:11:19.57 ID:1qti0fwX0

カズマ「いいか・・・?どんな夢でも見せてもらえる喫茶店があるんだ」ヒソヒソ…

トニー「・・・夢?」

カズマ「あぁ、サキュバスがこっそりと運営してる喫茶店だ」ヒソヒソ…

トニー「僕が若いころに行ったカジノでも“私はサキュバスよ”なんて言って近付いてきた女性が居たっけな・・・そんな感じか?」ヒソヒソ…

カズマ「何それ羨ましい・・・って、違う!そういうことじゃない!」ヒソヒソ…

トニー「誘ってくれてうれしいが、僕はもうペッパーという心に決めた人が・・・」ヒソ…

カズマ「・・・ペッパーにも会えるって言ったら?」ヒソ…

トニー「詳しく」
273 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:12:44.01 ID:1qti0fwX0

カズマ「お、おう・・・あのな?サキュバスってのは下級の悪魔で、眠っている男に淫夢を見せるんだ。そして、その夢を見せている間に男から精気を吸う。悪魔のご飯は、人間の悪感情だからな」ヒソヒソ…

トニー(バニルもそんなことを言っていたな・・・)

カズマ「淫夢の値段は格安だ。サキュバスたちは人として生活できる最低限のお金があればいい、目的は精気を吸って生きていくことなんだからな。そして、俺達は精気を吸ってもらうことによって仲間に劣情を抱かなくても済むし、一人でゴソゴソする必要もなくなる」ヒソヒソ…

カズマ「アクセルの犯罪率が国内で最も低い理由を知っているか?サキュバスの店があるからなんだ」ヒソヒソ…

トニー「・・・完璧じゃないか」

カズマ「良いか?話はここからだ。夢を見せるって言ったろ?つまり、なんでもいいんだ。どんなシチュエーションでも、どんな相手でも、自分がどんな存在になるかさえもだ。条例だとか肖像権だとかそんなものも一切存在しない。なぜなら?そう、夢だからだ!」ヒソヒソ…

トニー「完璧じゃないか!」

カズマ「馬鹿っ!声がデカい!あの店は女に知られちゃまずいんだ!」ヒソヒソ…

トニー「おっと、失礼。ロキの事が完全に頭から抜け出る位には良い事を聞いた。さっさと倒して帰ろう」

カズマ「あれ・・・?俺らの目的ってこの世界を救う事だったような・・・」

274 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:14:03.07 ID:1qti0fwX0

めぐみん「あの男達、一体何を話していたのでしょうね?」

アクア「鼻の下が伸び切ってる顔からして、絶対ロクな事じゃなさそうね・・・」

トニー(いやぁ、帰るのが楽しみだ・・・)

ゆんゆん「あの・・・トニーさん?」

トニー「なんだ?さっきの会話の内容なら話せないぞ?」

ゆんゆん「いえ、違うんです・・・そうじゃなくって、えっと・・・そ、その・・・知力の高いトニーさんに、聞きたいことが・・・」

トニー「友達の作り方なら、僕も知りたい」

ゆんゆん「えぇっ!?私まだ何も・・・」

めぐみん「大丈夫ですよ、ゆんゆん。あなたが恥ずかしい質問をしなくても済むように私があらかじめトニーにゆんゆんが悩んでいるであろうことを話しておきました」グッ

ゆんゆん「余計に恥ずかしいんだけど!?」
275 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:15:42.75 ID:1qti0fwX0

トニー「君には既にいい友達がいるじゃないか、友情は欲張るもんじゃない。僕は友達を作る事よりも今いる友達を大切にしてるよ」

めぐみん「トニーもたまには良い事言うじゃないですか」

アクア「本当ね。いつも嫌味と皮肉と傲慢な発言しかしないのに」

トニー「そんなにか?」

アクア「エゴイスト根性が魂にまで染み付いてるって感じよ」

トニー「君にだけは言われたくないぞ。アルコールと能天気がDNAにまで染み付いてるクセに」

アクア「・・・女神を馬鹿にしてると痛い目に・・・」

トニー「神とは目に見えない魔法の友達に全責任を押し付ける無能なやつらが考えだしたフィクションだ」

アクア「ち、違うわよ・・・ここにちゃんといるし・・・可愛い信者だっているんだからっ・・・」ジワッ…

トニー「君の言う信者ってのは君の考えや思想に共感した、ただの賛同者の集まりだろ!」

アクア「うっ・・・うわああああああん!!!カズマさぁぁあああん!!トニーが私の存在を全否定したぁああああああ!!」ワッ

ゆんゆん「ト、トニーさん・・・ひどい・・・・」
276 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:16:15.83 ID:1qti0fwX0

カズマ「アクアを虐めるなよ・・・面倒なんだから・・・」

トニー「言われたから言い返しただけだ」

アクア「うぅ・・・ぐすっ・・・」

トニー「・・・分かった。悪かったよ、ごめん。ラボのお酒また自由に飲んでいいから・・・」

アクア「・・・焼酎も飲んでいい?」チラッ…

トニー「君、実はそんなに気にしてないだろ」

アクア「とっても傷ついたんですけど!!謝って!ねぇ謝って!女神を否定したこと謝って!!」

トニー「はいはい、この車に積んであるお酒で一番いいのを注いでやるから・・・」


     ピピピッ


カズマ「---!」ビリッ
277 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:17:38.10 ID:1qti0fwX0

フライデー『ボス!上空に巨大な生体反---』

カズマ「トニー!敵感知だ!上から来るぞ!気をつけ---」


    ガ ク ン ッ!
    

ゆんゆん「きゃぁっ!?」グラッ…

トニー「フライデー、何が起きてる!?」

フライデー『車体上部に正体不明の巨大生物を検知、脱出できません。車体強度をスクリーンに表示します』ヴンッ


    〔車体強度 97%〕


      ググッ…


ダクネス「お、おい!車体がどんどん地上から離れていく!飛んでるぞ!!」

めぐみん「い、いいい・・・一体何が・・・!」

カズマ「おい、落ち着けめぐみん!トニー!この車は持つのか!?」

トニー「戦車砲を打ち込まれても耐えられるようにできている!」
278 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:19:03.92 ID:1qti0fwX0

    メギギィ…
       ピシッ…


   〔車体強度62%〕


アクア「車がひしゃげ始めてるんですけど!?窓にもヒビが入ってるんですけど!?」

トニー(一体どんな生物だ・・・!)

ウィズ「鋼鉄製の車体を力だけで曲げ、なおかつ空を飛ぶモンスターなんて・・・」

カズマ「めぐみん!サンルーフから何か見えないか!?」

めぐみん「少し待ってください!揺れてて動きが・・・!あっ、見えそうです!確認し・・・」
279 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:20:36.88 ID:1qti0fwX0

    グルルルル…
     ギョロッ…

めぐみん「ド、ドドド、ドラ・・・」サァッ…

ドラゴン「ゴァァアアアアアアアッッ!!」ビリビリ…

めぐみん「ドラゴンですぅぅぅうううっ!!!!」

カズマ「ドラゴンンンンンン!!?なんでそんな怪物がいるんだよ!」

ウィズ「どうやらここはもうヴォーミアの近くみたいですね・・・!思っていた以上にこの乗り物の速度が速かったようです・・・!この辺のモンスターはとても強力ですよ!」

カズマ「マジかよ!もうそんなとこまで来てたの!?ていうか、大丈夫なのかこれ!?もう地上から相当離れてるぞ!」

ドラゴン「グルァァァァァアッ!!」ググッ…


       メキメキ…


    〔車体強度 41%〕


ゆんゆん「窓ガラスが・・・!こ、このままじゃ危ないです!もし割れた窓から中にブレスなんて吐かれようものなら・・・!」
280 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:22:11.06 ID:1qti0fwX0

めぐみん「ひっ・・・!ゆんゆん!何とかしてください!!」

ゆんゆん「落ち着いてよめぐみん!なんでそんなにパニックになってるの!?」

めぐみん「私が逆境に弱い事くらいは知ってるでしょう!?こんな爆裂魔法も打てない状況じゃ私もう本当にただの一般人!!大体、なんでドラゴンに狙われてるんですか!?こんなおいしくもなさそうな物を狙うなんて・・・」

ウィズ「ドラゴンは光物が好きで、よく金品や綺麗な鎧などを集めています。ですので・・・その・・・」チラッ…

トニー「・・・」フイッ…

トニー「鏡面仕上げに・・・すべきじゃなかったな・・・」ボソッ…

カズマ「お前かぁぁぁあああああああ!!お前ふざけんなよ!?何してくれてんの!?」

トニー「高級車はピカピカにしてこそだろ!!」

カズマ「うるせえ!!大体カラーリングからしておかしいんだよ!なんでお前の鎧と同じにしてるんだ!どんだけ目立ちたがり屋なんだよ!!走る棺桶じゃねぇか!!あれだ、お前バカだろ!頭は良くても根っこはバカだろ!!」

トニー「その棺桶の中でくつろいでたくせにつべこべ言うな!!」
281 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:23:20.02 ID:1qti0fwX0

ダクネス「おい!喧嘩してる場合じゃないぞ!!窓ガラスが・・・!」

     ピシッ…
      ピキキッ…

    〔車体強度19%〕

カズマ「うおおっ!?馬鹿なことやってるうちに車体強度が大変なことに・・・!トニー!何とかしてくれ!」

トニー「車体表面に電流を流せ!」

フライデー『電気系統、損傷』

カズマ「銃とか火炎放射器とか付いていないのか!?」

フライデー『銃火器系統、損傷』

カズマ「なんなら使えるんだ!」

フライデー『エアコンは快調です』

カズマ「なめんな!!」
282 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:24:37.01 ID:1qti0fwX0


トニー「こうなったら僕が直接外に出て戦う!」バッ

ダクネス「お前は今鎧を着ていないではないか!どうするつもりだ!」

トニー「この車に搭載してある!」

ダクネス「一体・・・何を言っているんだ・・・?」

トニー「アクア!運転席から離れろ!」ダッ

アクア「わ、わかったわ!」サッ
   
    ミシィッ…
     ベキベキ…


    〔車体強度9%〕


アクア「わ、わあああああーっ!!トニー!トニー!!なんでもいいから早くしてえええええっ!!」

トニー(間に合えよ・・・!)バッ

 
   ピッ ピピッ
283 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:25:24.56 ID:1qti0fwX0

ドラゴン「ゴァァァアアッ!!」


    ベゴンッ!
      ボゴッ…
 ギギギギ…


   〔車体強度1%〕


カズマ・アクア「「もう駄目だあああああああ!!」」









トニー「スーツ装着」ピッ…
284 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:26:33.77 ID:1qti0fwX0

     ガシャンッ
     ウィーンッ
    ウィィイッ ガキンッ

ゆんゆん「なんですか・・・あれ・・・」

ウィズ「ソ、ソファが変形してる・・・!」

   ガコガコガコ…   
    ガキキッ… 

めぐみん「お、おおお・・・!!」

     ガシンッ…
      カンッ

トニー「ぶちのめすぞ」キュィィィィンッ


    バリィィィィイインッ!!


ゆんゆん「トニーさんが窓突き破って出て行ってしまいましたよ!?大丈夫なんですか!?」

めぐみん「ふふふ、心配いりませんよ。彼の鎧は空を飛ぶのです」

ゆんゆん「え、えぇ・・・?」

ウィズ「何度か見せてもらった事がありますが・・・いまだに信じられないです」
285 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:27:59.27 ID:1qti0fwX0


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車外


ドラゴン「グルル…」

トニー「僕の愛車を離してもらおうか、トカゲ野郎」

ドラゴン「・・・」ボゥッ…

トニー「君口から火を噴けるのか?」

フライデー『ボス、ドラゴンの口に膨大な熱エネルギーが集まっています。対抗措置を』

トニー「口から何かを撃とうとしている奴への反撃なんて一つしかないだろう」ジャキッ

トニー「アクア、聖書のヨナを知っているか?」

アクア『えっ!?あの人の真似はやめておいた方が・・・』
286 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:28:34.20 ID:1qti0fwX0


トニー「突っ込むのは僕じゃなくてミサイルだけどな」パシュゥゥゥゥッ

    ズガァァアアアッ!

ドラゴン「ギェァアアアアッ!?」グラッ

    ポロッ…

フライデー『車が落下します!』

トニー「わかってる!!」ドシュゥゥゥウウッ!!

    ガシッ
     グググッ…

めぐみん『トニー!聞こえてますか!?ドラゴンはどうなりましたか!?』

トニー「ドラゴン?あぁ、あのトカゲなら一杯食わされて慌てて帰っていったよ。今降ろしてやるからな」

     シュゴゴゴゴ…

      ガシャンッ

       スタッ

アクア「いたた・・・もっとゆっくり降ろしてよ・・・」ガチャッ
287 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:32:44.04 ID:1qti0fwX0

トニー「フライデー、車はまだ走れそうか?」

フライデー『不可能です。もう動けません』

カズマ「バニルの忠告通り、ゆんゆんとウィズを連れてきて正解だったな。帰れなくなるところだった」

ウィズ「ギリギリですが、なんとかヴォーミアにたどり着くことができましたね」

カズマ「全員車から出たし、作戦をもう一度説明するぞ。ゆんゆん、念のため確認しておくが、テレポートはもう習得済みなんだよな?」

ゆんゆん「はい、最近ようやくですが・・・」

カズマ「よし、まずはここをテレポートの転送先に登録。あとはウィズの姿を消す魔法と、俺の潜伏を使って敵から隠れつつ、千里眼で誘拐された人たちを探す。見つけたら後はゆんゆんがひたすらテレポートで行方不明者をアクセルへと飛ばしていく」

カズマ「ゆんゆんの魔力が切れたら俺がドレインタッチでアクアからゆんゆんに魔力を供給する。そうして全員をテレポートで救出させたら後は簡単。そのまま姿を隠してロキを探し出し、不意打ちでめぐみんとウィズの爆裂魔法とトニーの最大火力を叩き込む。ここまでしたらさすがに倒せるだろ。何か質問は?」

トニー「特にないが・・・よくもまぁ、こんなえげつない作戦が立てられるもんだ。ロキは何も分からないまま集めた労働者を根こそぎ奪い返され、さらに爆裂魔法を撃ちこまれるなんてな・・・」

カズマ「なんだよ!さっき説明した時は“良い作戦だ”って言ってただろ!」
288 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:33:49.64 ID:1qti0fwX0

トニー「いや、確かに良い作戦ではあるんだが・・・僕の知り合いにもこういう時作戦を立案する奴がいてな。彼が聞いたら顔をしかめそうだ」

めぐみん「カズマはいつも狡すっからくてえげつない作戦を立てますよ?そのうち慣れます」

ダクネス「安全に倒せるなら手段を問わないからな。この男は」

アクア「言ったって治らないわよ?」

ゆんゆん・ウィズ「・・・」

カズマ「お前ら好き放題言いやがって・・・!ほら!さっさと行くぞ!ドラゴンとの戦闘で大きな音も立てちまったしな、モンスターが寄って来る前に作戦を始めるぞ!ウィズ頼む!」

ウィズ「は、はい!・・・あの、ここって本当は危険なモンスターがたくさんいるはずなんですよ・・・あれだけ大きな騒ぎを立てて、敵感知にまだ反応がないですか?本来なら、もうすでに多くのモンスターがこっちに向かって来ててもおかしくはないはずですが・・・」

カズマ「・・・確かに、全くないな」
289 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:34:59.21 ID:1qti0fwX0

めぐみん「考えられる理由としては二つですね。一つはたまたま運よくモンスターが居なかった。もう一つは、あらゆるモンスターが近付かないほどの強力な存在が近くにいるか・・・あの、これは気のせいだといいんですが・・・トニー、さっきのドラゴンと戦ってて何か気が付きませんでしたか?」

トニー「・・・?いや、特に何も気が付かなかったが」

めぐみん「さっきは言う暇がなかったんですが・・・車の中でドラゴンと目が合った時、心なしかドラゴンの目が焦っているかのような、何かを恐れているかのような目をしていたように感じていたんですよ」

ゆんゆん「・・・つまり、さっきのドラゴンは何かから逃げていたってこと・・・?だ、だとしたら---」



        ザッ…





「どこかで見た顔があるかと思えば・・・」


「「「「「「!!」」」」」


ロキ「三年ぶりか?スターク。世界は狭いな」

トニー「・・・やぁ、トナカイ君」
290 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:38:18.33 ID:1qti0fwX0
今回はここまで。次回更新できそうな日が決まったら追って報告します!
実はMCUのやり取りのパロだけではなくて、このすばのパロや、同じく暁なつめ先生が書いている「戦闘員派遣します」のパロも入っています。気になったら探しててくださいね!
291 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/15(水) 00:39:55.82 ID:1qti0fwX0
オマケ 

>>284のイメージ

https://youtu.be/Z8bmA9WGyL4
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/15(水) 00:40:39.55 ID:tZDr1Fmf0
http://youtu.be/Z8bmA9WGyL4
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/15(水) 06:44:31.07 ID:2wQDoskPo

エアコンは快調と参考動画被り吹いた
294 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:45:46.51 ID:dPro6pw20

カズマ「な・・・なんで敵感知が・・・!」

ロキ「敵感知?ふっ、いいか小僧。お前達は私にとって虫ケラと変わらない。いちいち敵視するとでも?」

カズマ(こいつ!俺の大嫌いなタイプだ!)

ロキ「うん・・・?」チラッ

アクア「・・・?な、なに・・・?」

ロキ「ほぉ、水の精か。この世界でも変わった仲間を連れているようだな」

アクア「せ、精!?水の精じゃなくて水の女神なんですけど!!」

ロキ「信仰心の力が無ければ存在さえできない程度の存在が神を名乗るな。神の格が下がるだろ?」

アクア「きぃぃいいいーっ!!」ジタバタ
295 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:46:28.83 ID:dPro6pw20

ウィズ「アクア様!落ち着いてください!」

めぐみん「・・・もう爆裂魔法を撃ってもいいですか?正直、これ以上この男の罵倒を黙って聞いていられる自信がありません。大体、あの岩の上から私達を見下して登場なんて演出が気に食わないです。ああいうのは選ばれし紅魔族である私の役です」

カズマ「後半何言ってるか理解できなかったけどやっちまえ!」

ロキ「おっと、そんなことをしていいのか?お前たちがせっかく探しに来た人間共が塵になるぞ?」

  ゾロゾロ…

ダクネス「あれは・・・!誘拐された人たちか!?」

めぐみん(セシリーお姉さんもいる・・・!)

ダクネス「その人たちを離せ!それでも神を自称する男か!聞いてあきれる!人質を取って好き放題攻撃するのだとしても、私は決して屈しないぞ!」

カズマ「ここだけだとかっこいいんだけどなぁ・・・」

トニー「・・・いうな」
296 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:47:36.06 ID:dPro6pw20

ロキ「歯向かう前に話を聞け。私はこの世界を平和にしようとしているのだぞ?まず第一に私の圧倒的な」

セシリー「ハァハァ・・・ロキ様・・・!八頭身の美しい長身にその下すような視線はあまりにも似合いすぎです・・・そして、細いかと思いきや以外にも引き締まっていてがっしりとした体・・・美しさすら感じます・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

ロキ「・・・まず第一に私の圧倒的な力を見せつ」

アクシズ教徒A「ロキ様・・・!あぁ、ロキ様・・・時折見せる不敵さと知性が合わさった笑みが大変うつくしゅうございます・・・私は男ですが、あなたのその知性あふれる表情の中に愛嬌も感じられる甘いマスクの虜です・・・ハァハァ・・・」ペタペタ

ロキ「触るな!なんなんだお前達は!私から離れろ!ぐっ・・・離れろと言っているだろ!」ブンッ

カズマ「・・・なぁ、あれ放っておいてもいいんじゃないか?」

めぐみん「私もそんな気がしてきました」

アクア「うわぁぁぁぁああん!カズマさぁぁぁぁぁああん!!私の可愛い信者たちが取られたぁぁぁあああ!!」ビェェ

カズマ「今はむしろ都合が良い。このまま放置で」

アクア「そんなの嫌よ!!取り返すの手伝って!!」
297 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:48:43.19 ID:dPro6pw20

ゆんゆん「でもおかしいね・・・あのアクシズ教徒が他の神を信仰しだすなんて・・・」

めぐみん「えぇ、アクシズ教徒は狂信的な信仰心を持っていると聞きますから、確かにおかしいです。というより、高レベルの冒険者たちまでもが跪いているのは一体どういうことなのでしょうか・・・まるで本当にロキを信仰しているかのようです・・・」

ウィズ(跪いている人たちから、本来持っているものとは違う魔力を感じる・・・まるで何かの魔法をかけられているかのような・・・これは・・・まさか・・・)

ウィズ「・・・使いましたね?禁呪とされている魔法を」

カズマ「禁呪?どういうことだ?ウィズ」

ウィズ「問答無用で対象の心を支配し、意のままに操る凶悪な服従の洗脳魔法。数百年前に封じられた禁呪です・・・私がリッチーになろうとしたときに名前だけ見た魔法ですが、まさかあれだけの規模で扱えるなんて・・・」

ロキ「この世界の禁呪程度、私からすれば初級魔法と何ら変わらない。実に私向けの、使い勝手がいい魔法なので使わせてもらってるよ」

ウィズ「せめて、戦いとは関係のない市民たちは解放してあげてください!彼らには何の罪もありません!」

ロキ「魔王軍幹部のお前が何故人間の味方をする?」

ウィズ「ど、どうして私の正体を・・・!?」

ロキ「自己紹介がまだだったな」
298 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:49:29.10 ID:dPro6pw20







ロキ「我が名はロキ。魔王軍幹部の一人にして悪戯の神」

トニー「・・・プッ」

ロキ「・・・何がおかしい?」

トニー「おい、聞いたか?ロキはこの世界を支配するなんて大層な野望掲げてるくせに魔王の下についているだとさ。しかも自分をイタズラの神だなんて名乗っているぞ!ひょっとして卑下してるのか?神様ジョークは分かりにくいな!」

ダクネス「おい、笑うなトニー・・・失礼だぞ・・・ププッ・・・!」プルプル…

カズマ「宴会芸の神よりしょうもない肩書だな・・・プッ」

ゆんゆん「や、やめましょうよ・・・かわいそうですよ・・・」

アクア「ちょっと!何怒らせるようなこと言ってるのよ!」

カズマ「どうしたアクア、いつもならお前も混じって相手を煽るだろうに」
299 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:50:13.83 ID:dPro6pw20

アクア「相手が相手でしょ!!格上の神を倒すときは下手に出て、高慢な態度を利用して隙を突くのよ!!」

めぐみん「アクアも既に取り返しのつかないこと言ってますよ?」

ロキ「・・・私が魔王軍に付いているのは、この洗脳魔法を教えることと引き換えに魔王軍に協力を頼まれたからだ。私から進んで魔王軍に下ったわけではない。この魔法の力を使って配下を増やし・・・そして魔王諸共この国を乗っ取る」

ロキ「この国の支配が終われば・・・大した武力を持たない他の国は抵抗もせず降伏するだろう・・・世界征服までもう目前だ」ニヤ…

カズマ「ウィズ、あんなこと言ってるぞ。今の内に魔王にチクって来いよ」

ウィズ「えっ!?た、たしかに・・・そうすべきなのでしょうか・・・」

ロキ「・・・お前はそんな嫌がらせ程度にしかならないことを良く実践する気になるな」

カズマ「うるせーな!イタズラの神に言われたってなんとも思わねーよ!!いいか、よく聞けよ!嫌がらせとはいえ、このことを魔王にバラされたら面倒なことになるのは確かだろ?だから、お前が誘拐した人間を半分解放しろ。そしたら黙っておいてやらないこともない」

ロキ「・・・」

カズマ「恨むなら自分を恨めよ?あんなふうに自分からドヤ顔で計画を明かすお前が悪いんだからなぁ!」

ロキ「そんな脅しが通用するとでも?ここでお前たちを殺せば何の問題もあるまい。わざわざ計画を語ったのもお前たちがここで死ぬからだ」

カズマ(やっぱりそう来たか・・・!)
300 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:51:06.03 ID:dPro6pw20

ロキ「それに、もう手遅れだ。手駒として連れてきた人間の中にはまるで役に立たない平民もいたんでね」

ロキ「そいつらは処分した」

カズマ「え、今なんて」

ロキ「処分したと言ったんだ。役に立たない人間など、置いて何の得がある?使えない平民は皆冒険者に殺させ---」






   「『カースド・クリスタルプリズン』」


       パ キ ィ ン ッ !


ロキ「ッ!?」バッ

   
    パキキ…


ロキ「・・・冒険者たちごと私を氷漬けにするつもりだったのか?」

ウィズ「いいえ?私の得意なこの魔法なら絶対にあなただけを凍らせて粉々に砕くことができる自信があったので・・・」

ロキ(なんだ・・・?急に様子が・・・?)
301 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:51:58.17 ID:dPro6pw20

ウィズ「魔王軍幹部になったんですよね?なら、魔王さんから私について何も聞かなかったんですか?」

ロキ「老いぼれの話を聞くのにはうんざりしててね」

ウィズ「あなたが戦闘に携わる物以外の殺傷をしなければ・・・私は敵対するつもりはありませんでした」

ウィズ「ですが・・・役に立たないから殺した・・・?それも、洗脳した冒険者を使って・・・?」

ウィズ「あなたは神と言う尊い存在でありながら、何故そうも人を踏みにじるのですか!?」

ロキ「私が神だからこそ、それが弱者の定めというものだ!!『インフェルノ』ッッッ!!」

       ゴ ゥ ッ !


カズマ「おいなんだありゃ!!!トニー!ロキって上級魔法使えんのか!?」

トニー「僕と同じだ!便利だと思ったからスキルを取った僕と同じで、あいつも使えると思ったからこの世界の魔法を取ったんだろうよ!」

ゆんゆん「あんなの見たことないですよ!上級魔法の威力じゃないです!あれほどの炎なんて・・・」
302 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:53:01.02 ID:dPro6pw20

めぐみん「カ、カズマ!どうしますか!?私の爆裂魔法ならあの炎も相殺できると思いますが・・・」

カズマ「お前は撃ったら動けなくなるだろ!まだダメだ!」

ダクネス「あれを受けたら・・・私はどうなってしまうのだ・・・?」

カズマ「炭になるわ!!畜生!まともな奴がいねぇ!ゆんゆん!ウィズ!ここはいったん撤退だ!テレポートを頼む!もう時間がない!!」

ウィズ「わかりました!ゆんゆんさん!準備は良いですか!?」

ゆんゆん「はいっ!」

アクア「っ!」バッ

カズマ「は!?おいアクア!なんで前出てんだ!!戻ってこい!」

アクア「嫌よ!自分の信者を救うこともできずに、ここで逃げ帰ったら次から私はどんな顔して信者の子達に会えって言うのよ!」

トニー「そんなワガママ言ってる場合じゃ無い!もう炎がすぐそこまで来てるんだぞ!」
303 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:57:14.67 ID:dPro6pw20

カズマ「アクアはトニーが抱えて飛んでくれ!俺たちはテレポートで飛---」

アクア「この世に在る我が眷属よ・・・!」ズズズ…

カズマ「---ぶ・・・?」

アクア「水の女神、アクアが命ず・・・!」

アクア「『セイクリッド・クリエイトウォーター』ッッッ!!!」


   ゴ バ ッ !
  バシャァァァアアッ!!


カズマ「うぉおおおおおおお!?」

ゆんゆん「凄い・・・!あの業火を真正面から止めてる・・・!」


  ズドドドドド…


アクア「うぉりゃぁぁぁああああっっっ!!」ググッ…

トニー「良いぞアクア!その調子だ!」

ロキ「水の精ごときが・・・!調子に乗るな!」

カズマ(うん・・・?今なら・・・)コソッ…
304 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:58:56.17 ID:dPro6pw20

アクア「さぁ、観念して私の信者たちを返してちょうだい!!」

ロキ「後でお前の目の前で殺してや・・・」

カズマ「『スティール』ッッッッ!!」パシッ



  「「「「「「えっ」」」」」



ロキの杖「」

カズマ「ふへへ・・・」ニヤッ

カズマ「いぇえええええええい!!馬鹿みたいに魔法を撃ってる間、潜伏でこっそり近付いてるとも知らずにめでたい奴だな!!なーにが神だ!ざまあみろ!!人間舐めてっからこんな目に合うんだよ!!所詮はイタズラの神だな!!ばぁあああああああああか!!!」ゲラゲラ

カズマ「今だアクア!杖が無ければ魔法の威力は半減だ!やっちまえ!!」


  「「「「「「「・・・」」」」」」」


カズマ「お、おい・・・どうしたんだよ、魔法のぶつけ合いまでやめちまって・・・」

ダクネス「・・・今のは無いぞ」

めぐみん「美味しいところを持っていくという考えは紅魔族の私にはわかります。ですがこれは・・・」

アクア「あんたね、さすがに今のは邪魔するべきじゃなかったと思うの」
305 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 22:59:31.74 ID:dPro6pw20

トニー「・・・いや、君はこれ以上ない位うまく隙を突いて敵の武器を奪ったんだ。よくやった。気にするな」

カズマ「なんだよお前ら!俺がせっかく勝機をみつけてやったってのに!もういい、ウィズ!この杖をぶっ壊してくれ!そのあとロキは数に物言わせてぶちのめそうぜ!」

ロキ「・・・」

めぐみん「杖を取られたと言うのになぜあの男は普通に立っているのでしょう・・・?」

トニー「・・・変だな。正面にいるロキから生体反応を感じない」

ダクネス「なに・・・?カズマ!何かおかしいぞ!こっちに戻ってこい!」

ウィズ「カズマさん!戻ってきてください!カズマさんが奪った杖はおそらく偽物です!」

カズマ「え」

  ドスッ…

カズマ「がっ・・・!?」ゴボッ…

めぐみん「カズマあああああああ!!」

ロキ「本気で私を出し抜けるとでも思ったのか?」グリッ…

カズマ「ぅ・・・」ボタボタ….

ロキ「哀れな男だな」ブンッ

  ドシャッ…

ゆんゆん「そんな・・・カズマさんが・・・!」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 22:59:45.34 ID:yxbjghfi0
カズマのスティールはチート性能
307 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 23:00:37.69 ID:dPro6pw20

アクア「ロキが・・・二人・・・?」

ウィズ「・・・さっきまでロキさんが立っていたところからは何の生気も感じられず、カズマさんが持っている杖からはなんの魔力も感じられませんでした・・・おそらく幻影の類です・・・」

トニー「・・・」

ロキ「ほら、このゴミはお前らのだろう?返してやろう」ドカッ

   ズシャァッ…
    ゴロゴロ…

ダクネス「貴様・・・!大切な仲間を串刺しにした挙句足蹴にするなど・・・!絶対に貴様を殺してやる!!」

めぐみん「私にやらせてください。あの邪神気取りは爆裂魔法で塵にしないと気が済みません」

トニー「いや、駄目だ」

めぐみん「そんな!どうしてですか!?」

トニー「作戦は失敗し、カズマが殺された!一度撤退すべきだ!」

めぐみん「うぅ・・・!」

アクア「でも・・・!」

トニー「ゆんゆん!アクアとめぐみんとダクネス、そしてカズマの遺体を連れてアクセルにテレポートしてくれ」

ゆんゆん「は、はい!」

308 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 23:01:17.29 ID:dPro6pw20

トニー「ゆんゆんがテレポートするまでの時間は僕とウィズが稼ぐ」

ロキ「帰れると思っているのか?」ユラッ…

ウィズ「サポートします!『カースド・ライトニング』ッ!」ヴァチチッ…

       ズァッ!

ロキ「無駄だ!」パァンッ

ウィズ「『ライトニング・ストラ・・・」

ロキ「邪魔なアンデッドだ・・・!『クリムゾン・レーザー』ッ!」ドゥッ

ウィズ「!」

トニー「僕が打ち消す!」ヴァゥゥンッ

      バチィンッ

アクア「うぅぅ・・・何もできずに帰るなんて・・・!」

トニー「早く行け!」ヴァゥゥンッ
309 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 23:02:23.03 ID:dPro6pw20

ダクネス「だが・・・!」

トニー「行け!冷静じゃない頭で戦って、僕らまでやられたらカズマの死が無駄になる!良いから行け!」

ダクネス「・・・」

アクア「・・・必ず戻ってくるわよ」

めぐみん「・・・わかり・・・ました・・・!ゆんゆん、お願いします」ギリッ…

ゆんゆん「うん!トニーさん!ウィズさん!必ず戻ってきてください!『テレポート』ッ!」


       フッ…


トニー「よし、アクアたちは脱出に成功したな。ウィズ、僕が隙を作ってすぐ君の方へ飛ぶ。テレポートの用意をしておいてくれ」

ウィズ「準備します!気を付けてください!」

トニー「さて、真正面からのぶつかり合いと行こうか。トナカイ君」ドシュゥゥッ

ロキ「変わったのはスーツの見た目だけか?相変わらず身の程知らずな男だ!『ライト・オブ・セイバー』ッ!」ブォン
310 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 23:04:11.81 ID:dPro6pw20


トニー「なんてな」サッ
  
  ヴァゥゥンッ

ロキ「ぐっ・・・!」ズガンッ

トニー「本当に真正面から突っ込むと思ったか?」

ロキ「・・・ずいぶんと姑息な手だな。誰かの影響か?」

トニー「さぁな。ところで、これが何か分かるか?」スッ…

ロキ「・・・?なんだ?お前の新しいおもちゃか?」

トニー「その通り、僕の商品第一号の閃光弾だ」ポチッ

      カッ!

ロキ「ッ!」

トニー「気に入った?欲しいならウィズ魔道具店へどうぞ。ウィズ!今だ!」バシュゥゥッ

ウィズ「準備できています!行きますよ!」

ロキ「お前たちは・・・私の前に敗れる!必ずだ!」ダッ

トニー「そのセリフ前にも聞いた。次も僕らが勝つさ、カズマの仇は必ず取る。覚悟しろ、ロキ」

ウィズ「『テレポート』ッ!!」

311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:06:52.08 ID:yxbjghfi0
全員分のスーツ作るしかないな
312 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/18(土) 23:07:52.93 ID:dPro6pw20
今回はここまでです。トニーはカズマが何度も蘇生できるのを知りません
そしてロキに超強化が・・・!次回は未定ですが、当行の目途が立ったら報告します


※このSSに出てくるヴォーミアはIWに出てくる舞台とは一切関係ありません。名前だけ使っただけです
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:10:10.43 ID:uUnZfcZXo

杖を奪い取ったときの全員の反応が酷すぎて笑う
トニーですら引き気味とか
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:28:02.93 ID:lqIM/NOP0

>>310の最初とか擬音だけで何やってるかいまいちわからない場面の解説求む…
315 : ◆Ua1M3q7gGI [sage saga]:2018/08/18(土) 23:42:08.66 ID:dPro6pw20
>>314

真正面から突っ込むと宣言をしておいて、側面に素早く回って攻撃しました
描写不足で申し訳ないです・・・次回から分かりやすいように工夫していきますね

台本形式だと戦闘描写は難しいですね・・・
他にもわかりにくい表現などがあった場合、どんどんご指摘ください
改善していきます
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/18(土) 23:52:51.22 ID:lqIM/NOP0
>>315
解説ありがとうございます!
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/19(日) 03:40:53.29 ID:E7xDhYk30
ロキに殺されたコールソンも生き返ったしな
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/21(火) 17:33:24.75 ID:HgTldE4R0
319 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/21(火) 19:54:00.76 ID:+j2AjjkS0
>>309 からの流れが個人的に気に入らなかった為、少し修正します
320 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/21(火) 19:55:43.46 ID:+j2AjjkS0

ダクネス「だが・・・!」

トニー「行け!冷静じゃない頭で戦って、僕らまでやられたらカズマの死が無駄になる!良いから行け!」

ダクネス「・・・」

アクア「・・・必ず戻ってくるわよ」

めぐみん「・・・わかり・・・ました・・・!ゆんゆん、お願いします」ギリッ…

ゆんゆん「うん!トニーさん!ウィズさん!必ず戻ってきてください!『テレポート』ッ!」

       フッ…

トニー「よし、アクアたちは脱出に成功したな。ウィズ、僕が隙を作ってすぐ君の方へ飛ぶ。テレポートの用意をしておいてくれ」

ウィズ「準備します!気を付けてください!」

トニー「あんたは相変わらず人を怒らせるのが得意なんだな。ロキ」キュィィィン…

ヴァゥゥンッ!

ロキ「お前こそ、変わったのはスーツの見た目だけか?」パァンッ
321 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/21(火) 19:59:15.17 ID:+j2AjjkS0

トニー「どうだろうな。あんたで試してみるよ」ジャキッ

ロキ「何度撃っても弾かれるだけだ」ス…

  パシュゥゥゥッ 
      ズガァァンッ
    

ロキ「・・・?なんだ?地面など撃って・・・こんな爆煙を起こした程度で目くらましになるとでも?」

    シュゥゥ…

ロキ「・・・」

  キュィィ…

ロキ「丸わかりだ!!『ライト・オブ・セイバー』ッッッ!!」ブォンッ

     ズバンッ…
      ドサッ…

ロキ(手ごたえありだ)ニヤ…
322 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/21(火) 20:00:01.84 ID:+j2AjjkS0

Mk45「」ガランッ… ヴァチチッ…
  
ロキ「・・・!」

ロキ(空だと・・・!?)

トニー「ウィズ、面白いものが見れたな!僕を切ったと勘違いして舞い上がってるロキだ!ちゃんと撮ったか?フライデー」

フライデー『はい。ちょうどいいタイミングで煙が晴れたので綺麗に撮れています』

ウィズ「悪党相手とは言え、こういう嫌がらせはどうなのでしょう・・・」

ロキ「・・・らしくない搦め手だな。誰かの影響か?」

トニー「さぁな。だが、イタズラの神相手にこんな付け焼刃の搦め手が効くと分かってよかったよ。ウィズ、頼む」

ロキ「小賢しい・・・!お前たちは私の前に、必ず敗れる!」

トニー「そのセリフは前にも聞いた。次も僕らが勝つ、そしてカズマの仇は必ず取る。覚悟しろ、ロキ」

ロキ「『エナジー・イグニ・・・」

ウィズ「『テレポート』ッ!」

     フッ…

323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/21(火) 20:02:22.49 ID:HgTldE4R0
マーク45が一撃で破壊されただと
324 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/21(火) 20:02:26.24 ID:+j2AjjkS0
修正はこれで終わりです
続きはおそらく今週末か開け頃になると思います
325 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:20:40.13 ID:BCiv1cx+0
......
....
..
.


カズマの屋敷



トニー・ウィズ「・・・」ガチャッ…

ゆんゆん「トニーさん!ウィズさん!無事だったんですね!」

トニー「なんとかな・・・スーツが真っ二つにされたが・・・」

ウィズ「申し訳ありません・・・逃げ帰るだけで精いっぱいでした・・・なんて情けない・・・」

ゆんゆん「き、気にしないでください!あれは仕方なかったことだと思います・・・」

トニー「なぁ、ゆんゆん・・・アクアはどこだ?」

ゆんゆん「アクアさんなら・・・カズマさんの部屋に・・・」
326 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:22:12.91 ID:BCiv1cx+0

トニー「・・・ったく、バカな男だ、勝手に突っ走ってあんな間抜けな・・・」

ダクネス「っ!トニー!」

めぐみん「・・・おい、死んだ仲間を馬鹿にすると言うのなら私にも考えがある」

トニー「あれはあまりにも無茶だった!作戦を話してくれさえすればいくらでもフォローのしようがあったはずだ!」

ダクネス「どうしようもならない時だってある!失敗したことを責めるのはやめろ!」

ウィズ「トニーさんもダクネスさんも落ち着いてください・・・!」オロオロ…

ゆんゆん「めぐみんも!そんな目を赤くしないで!」

めぐみん「・・・」フイッ…

ダクネス「・・・そうだな。すまない、熱くなりすぎた。私は今回何もできなかった・・・前日にカズマが背中を押してくれたと言うのに・・・」

めぐみん「私も・・・今回は何もしていないので、発言は控える事にします・・・まぁ、次こそは私とカズマであの似非邪神を粉砕してみせますよ」
327 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:24:08.49 ID:BCiv1cx+0

トニー「君はまだしも、カズマ?一体何を・・・」


  ガチャッ…


カズマ「今回は死ぬほど恥ずかしい死に方したなぁ・・・ハァ・・・」

アクア「実際死んだじゃない」

トニー「!?!?!?!?」ガタタッ…

アクア「・・・?どうしたのトニー?鳩が爆裂魔法を食らったような顔をして」

カズマ「えっ・・・何この反応。なんでこんな・・・あっ、俺がリザレクションで何度でも蘇れるってこと知らない・・・?」

トニー「なんで生きてる!?心臓を貫かれたハズだろ!?」

カズマ「トニー、お前は本でこの世界の魔法について勉強したんじゃなかったのか?」

トニー「リザレクションは知っている!だが、あんたは転生者として一度生き返っているだろ!?なんでまた・・・」

カズマ「俺は何度でも生き返らせてもらえるんだよ。いや、本当は駄目なんだけどさ・・・」

アクア「あんたが今ここに立っていられるのは、私のおかげってことを忘れない事ね!カズマ!」

カズマ「いや、お前じゃなくてチート武器を貰っていたらそもそも死ぬことは無かったと思うんだけど?」

トニー「・・・」ハァ...
328 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:25:22.50 ID:BCiv1cx+0

カズマ「なんだよ、死んだと思った俺が生きててガッカリなのか?」

トニー「喜んでやれなくて悪かったな。僕の世界じゃ、心臓を貫かれて死んだ後に生き返る奴なんていなかったもんでね。あまりの展開に驚いていただけだ」

ウィズ「本当は喜んでるはずですよ?さっきはロキさんに対してものすごく怒っていたんですから」

トニー「・・・何も言うな」

ウィズ「“カズマの仇は絶対に取る、覚悟しろ”って。あの時のトニーさんの目は本当に凄かったですよ?」

トニー「・・・話聞いてたか?」

アクア「おっさんのツンデレなんて需要ないわよ?」

カズマ「えっ?俺知らないうちにおっさんとフラグを立ててたの?・・・トニー、俺はノーマルなんだ。お前の気持ちには答えられない。ごめんな」

トニー「なんでそうなるんだ!僕にはペッパーがいるって言ってるだろ!勝手に誤解して勝手に振るな!」
329 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:28:18.52 ID:BCiv1cx+0
>>328

心臓を貫かれて死んだ後に〜

実は心臓を貫かれた後に蘇生された人間はMCUにいる。しかも、その人物はトニーを含めたアベンジャーズと接点のある人物
というか、死んだ後に蘇生された人間はMCUには結構いたりする
330 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:29:14.91 ID:BCiv1cx+0

トニー「はぁ・・・ここに来てからため息ばかりついてるな・・・」

めぐみん「それより、今はロキです。あの男の計画とコロナタイトがどう関係しているのかは分かりませんが、もし見つけてしまったのなら今すぐにでも手を打たねばなりません」

アクア「あ、それなんだけどね・・・」ゴソゴソ…

アクア「じゃん!これ、なんだと思う?」

ウィズ「赤々と燃えているその鉱石は・・・まさか・・・!」

アクア「そう!コロナタイトよ!」

めぐみん「一体どこでそれを・・・?」

アクア「なんかよくわからないんだけど、カズマの体の修復をしてる時にこれがカズマの手に握られていたのを見つけたの。にしても危なかったわねカズマ、もしコロナタイトがこの透明な容器に入っていなければ、機動要塞デストロイヤーの中に入った時みたいに手の皮が張り付いて・・・」

カズマ「やめろやめろ聞きたくない聞きたくない!!」

ゆんゆん「でもなんでコロナタイトが・・・?」
331 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:30:34.36 ID:BCiv1cx+0

カズマ「ロキの杖をスティールしようとしたとき、杖は取れなかったけど・・・代わりにとっちまったみたいでさ・・・どうしよう、コレ」

めぐみん「ひとまずよかったじゃないですか。ロキの計画の邪魔をすることが出来たのですから」

カズマ「いやいや・・・何が目的であれ、これってロキが探してたものなんだろ?もし盗られたことに気が付いたら、この街に取り返しに来るんじゃないかと思ってさ」

トニー「よし、僕のラボで預かろう。それでいいよな?」

ダクネス「それがいい。この街を火の海にするわけにはいかない」


     コンコン…


ダクネス「・・・このタイミングで来客?」チャキッ…

カズマ「まさか、もう取り返しに来たのか・・・?」
332 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:31:19.39 ID:BCiv1cx+0

ゆんゆん「凄い魔力も感じますよ・・・!警戒しましょう・・・!」ジリッ…

アクア「っ・・・」ジリッ…

ダクネス「全員下がって戦う準備をしろ。私が確認する!」スタスタ…


     バンッ!


ダクネス「何者だ!」ジャキッ!








クリス「ひっ・・・!ダ、ダクネス!あたしだよ!あたし!!」ビクッ…

ダクネス「なんだ、クリスだったか」ホッ…

クリス「もう!いきなり親友に剣を向けられるなんてびっくりだよ!」プンスカ

ダクネス「はは・・・す、すまないクリス・・・うん?持ってきているそれはなんだ・・・?」

クリス「これ?これはね・・・すべて神器だよ」

ダクネス「なっ・・・!?い、いったん家に入れ!」
333 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:33:03.52 ID:BCiv1cx+0
......
....
..
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アクア「はい、クリス。お茶入れてきてあげたわよ」カチャッ…

クリス「あ、ありがとうアクアさん・・・」

クリス(お湯だ・・・)

めぐみん「巨大な魔力を扉越しに感じると思ったら神器でしたか。それも二つも・・・一体なぜそんなものをクリスが・・・?」

クリス「話せば長くなっちゃうんだけど・・・みんな知っての通り、あたしは敬虔なエリス教徒でね。ある日、エリス様からのお告げがあったんだ。“行方の知らない神器を悪用されると大変なる”って。それを聞いて私は・・・」

   ペラペラ…

カズマ(トニーと言い、上手い具合に自分の境遇を隠しつつ理由付けをするもんだなぁ・・・)
334 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:33:45.07 ID:BCiv1cx+0

クリス「そんなわけで、私はいくらか神器を回収してるからキミ達がロキと戦いやすいように持って来たって訳さ!」

めぐみん「・・・?何故クリスがロキの事を知っているんですか?」

クリス「えっ?・・・あぁっ!そ、それはね?ほら、あたしって盗賊だから情報がすぐに入ってくるんだよね!お、驚いた?」ハハ…

めぐみん「いくら何でも早すぎませんか?私たちがついさっき会ったばかりだと言うのに」

クリス「っ!?そそそ・・・それは・・・」

カズマ(エリス様は意外とアホなところがあるんだろうか・・・?)

クリス「ほ、ほら、魔王軍幹部に新入りが入ったって情報を聞いてね!ちょうどキミたちが旅立った頃に名前だとか情報が入ってきたのさ!」

めぐみん「そうでしたか・・・」

クリス「そ、それよりさ・・・なんだか初めて見る顔がいるね?もう一人の紅魔族の子はギルドで良く一人で遊んでいるから知ってるけど・・・」

ウィズ「私ですか?はじめまして!私はウィズと申します。この街で魔道具店の店長をやらせてもらっています。よろしくお願いしますね?」ニコッ
335 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:35:22.50 ID:BCiv1cx+0

クリス「こちらこそ、よろしく頼むよ!・・・ところで、顔が真っ白だけど大丈夫かい?なんだかまるで・・・」

クリス「・・・アンデッドみたいだよ?」

ウィズ「!?」ビクッ

クリス「・・・?どうしたの・・・?」

ウィズ「えーっと・・・その・・・」ダラダラ…

カズマ「おっと!これはだなクリス!ウィズのお店は客が全く来なくて年中赤字だからウィズは食べるものが無くて栄養失調気味なんだよ!なっ?ウィズ!」

ウィズ「は、はい!そうなんです!そ・・・そうなんです・・・」シュン…

クリス「た、大変だね・・・今度何か買いに行くよ・・・」ポリポリ…
336 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:36:19.52 ID:BCiv1cx+0

クリス「あっ!エリス教徒の人たちが恵まれない人たちの為に炊き出しとかやってるから貰ったらどう?」

ウィズ「えぇ!?いやいやとんでもないです!!」ブンブン

カズマ(エリス教の炊き出しに並ぶアンデッドか・・・最悪の光景だな・・・とりあえず、クリスがウィズの正体を知ったら絶対に駄目だ・・・ここはトニーにでも話を振って・・・)

カズマ「・・・トニー?何してるんだ?それにアクアも。クリスの話を聞いてなかったのか?」

アクア「クリスの持って来た神器が気になってちょっと見てたのよ。それで、話?なんかしてたの?」

クリス「いや・・・何でもないよ・・・で、トニーは一体何をしているの?」

トニー「・・・改良の余地ありだな」

クリス「えっ・・・?一体何を言ってるの?」
337 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:40:44.88 ID:BCiv1cx+0

トニー「この神器二つを僕なりに改良してあげよう」

クリス「駄目だよそんなことしたら!?神器なんだから下手にいじると罰が当たるよ!?」

トニー「よーく観察してみたが・・・ところどころ改良できそうな点がいくらか見つかってね。安心しろよ、ちゃんと改良するから」

クリス「い、いやいや・・・そういうことじゃなくって・・・!」

トニー「素材は凄く良い。少し時間をくれれば、かなりいい武器が作れる筈だ」ウキウキ

クリス「待って!?ねぇ、本当に待って!?神器ってのは神々が作ったとても神聖なもので・・・」

トニー「さて諸君!僕のラボに集合だ!分娩室に招待しよう!」

クリス「お願いだから待ってぇぇぇぇえええ!!!」
338 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/08/28(火) 21:41:45.44 ID:BCiv1cx+0
今回はここまで。次回、トニー・スタークの楽しい実験教室
お楽しみに!
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/28(火) 21:52:05.08 ID:0/s74fT5o

伝説のアイテムが最新のテクノロジーと融合してラスボスを倒すための武器になるのは王道だから仕方ないね
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/08/29(水) 00:17:25.18 ID:Rbh+ueZZO
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/29(水) 17:36:59.28 ID:tz1FvGas0
科学と魔法のハイブリッドとか最強だな
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/08/30(木) 17:59:30.96 ID:7+fIhz3l0
コロナタイトをリアクターの代わりにするつもりか
343 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:42:22.62 ID:4e/hKFMI0
......
....
..
.



トニーのラボ


めぐみん「神器を改造してそれ以上のアイテムを作る・・・?本気ですか?」

トニー「冗談に聞こえるか?」

めぐみん「・・・本気ですね。本気で冗談みたいなことをやるつもりですか」

トニー「でも君だってなんだかんだワクワクす」

めぐみん「勿論ですとも!一体何を作るつもりなんですか!?カッコイイものですよね!?」ズズィッ

トニー「・・・そう来てくれると思った」

ゆんゆん「神器をいじくりまわそうなんて考える人初めて見たかも・・・」

ウィズ「そもそも加工すること自体可能なのでしょうか・・・?」

344 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:43:23.26 ID:4e/hKFMI0

トニー「元の形が完全になくなるほど変える気はないさ。それじゃぁ、いってみようか!」

クリス「それあたしの決めセリフなのにーっ!」

トニー「そうムスッとした顔をするな。この神器二つの説明を頼むよ」

クリス「はぁ・・・色々と言いたいことがあるけど・・・説明するね」


    スチャッ…


クリス「まずはこの弓。名は“魔弓レゴラス”」

トニー「・・・この神器を作った奴は誰なんだ?絶対ロード・オブ・ザ・リング・・・」

クリス「話を続けるね。この弓は、“放った矢が絶対に当たり、どんなものも撃ち貫く”っていう神器だったよ」

ダクネス「すごいな・・・ん?“だった”?」

クリス「神器は本来の持ち主でないと力を最大限発揮できないって話は知っているかな?」

めぐみん「確か、カズマがあの魔剣使いから魔剣を奪った時もただの剣にしかならないとアクアに言われていましたよね」

345 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:44:19.92 ID:4e/hKFMI0

クリス「そう。この神器も例に漏れず力は制限されてしまっているよ」

ダクネス「具体的には?」

クリス「そうだね・・・絶対に当たるって力は無くなって・・・“強力な貫通力を持った弓”・・・ってところかな」

トニー「・・・微妙じゃないか?当てられないなら意味が無いんだろ?」

めぐみん「そうでもないでしょう。使う人によっては非常に強力になりえるのではないですか?例えば・・・運が極端に高く、それに伴って矢の命中率も高いような男が使えば・・・」チラッ…

カズマ「・・・ふっ」キリッ…

クリス「うん、この弓はカズマ君にあげる。最初からその予定だったんだ」

カズマ「よっしゃぁ!マトモな神器を扱える日がとうとう来るなんてな!」

アクア「ねぇ、その言い方だと私が役立たずな神器だって聞こえるんですけど」

カズマ「そう言ってるんですけど」

アクア「・・・」ブチッ


  ギャーギャー
346 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:45:14.69 ID:4e/hKFMI0

トニー「おい、僕のラボで暴れるな」

クリス「それで・・・もうひとつなんだけど・・・これはダクネスに渡そうと思ってね」

ダクネス「なぁ、これ・・・」

クリス「・・・見ての通り、これは盾だよ。名は“聖盾ヴィヴラニオン”」

トニー「聞いて良いか?本当にこの神器を作った奴は誰なんだ?さっきからピンポイントで・・・」

クリス「話を続けるね。この盾は、元々は“どんな攻撃も自動で防ぎ、絶対に破壊されない”っていう力を持っていたよ」

めぐみん「それで、今はどんな力を持っているんですか?」

クリス「自動で攻撃を防ぐ力は使えないけど、頑丈さはかなりのものだと思うよ」

ダクネス「なぁ・・・クリス・・・」
347 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:46:28.43 ID:4e/hKFMI0

クリス「言いたいことは分かるよ・・・でも、凄い力をもった神器だから・・・」

ダクネス「・・・そうだな・・・アクシズ教徒のシンボルさえ彫られていなければ・・・すごくいい神器なんだろうな」

アクア「これの元の持ち主についてとても気になるわ!どんな人だったの?」

クリス「えっと・・・自由を愛するクルセイダーだったみたいだね・・・」

アクア「ふふ・・・自由を尊ぶアクシズ教に魅せられたって訳ね!」

カズマ「どっちかっていうと洗脳されたってほうが近いんじゃね?」

トニー「破壊できない盾を持った自由を尊ぶクルセイダーか・・・なんだか既視感を感じるな・・・」

クリス「ダクネスにはこの盾を装備してもらおうかと思ってるんだけど・・・どう?」

ダクネス「エリス教のクルセイダーの私に、アクシズ教のシンボルが彫られた盾を背負えというのか!?」

クリス「ごめん!こんなの本当にどうかしてるよね!でも、この盾の力は絶対に必要になると思うんだ!」

カズマ(エリス教の御神体が自分の敬虔な信者にアクシズ教のシンボルが彫られた装備を渡す光景か・・・駄目だ・・・笑っちゃ駄目だ・・・)プルプル…

トニー「ぷっ・・・くくくっ・・・・」プルプル…
348 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:46:57.78 ID:4e/hKFMI0

アクア「いいじゃない!これを機に二人共アクシズ教に改宗しちゃいなさいな!」

ダクネス・クリス「「しない!」」

ダクネス「だ、第一私はクルセイダーだぞ!剣で戦う職だ!盾の神器なんて・・・!」

カズマ「でもお前剣あたらないじゃん」

ダクネス「んんっ・・・/// い、いや・・・でも・・・」

トニー「いいか、ダクネス。僕の話を聞け、必ずこの盾を装備したくなると約束しよう」

ダクネス「へ・・・?」

トニー「まず、君が剣のスキルを取らない理由はなんだった?」
349 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:48:08.60 ID:4e/hKFMI0

ダクネス「も、もちろん、剣を振るうが当たらず、力及ばずに圧倒されてしまうのが気持ちいいからだ!!」

トニー「・・・だよな?そこで考えてみよう、君はこの盾を持ち、敵の前で構える」

ダクネス「うむ・・・」

トニー「当然敵は攻撃するわけだ。盾で身を守る君を、盾を打ち破って蹂躙するために」

ダクネス「・・・ッ」ゴクリ…

トニー「君は盾を構え続け、ひたすら耐える。だが・・・やがては崩され、そのまま敵に・・・」

ダクネス「そ、そんな素晴らしいプレイが・・・!盲点だった!ありがとうトニー!」

トニー「だろ?お役に立てて良かったよ」
350 : ◆Ua1M3q7gGI [saga]:2018/09/02(日) 21:49:01.50 ID:4e/hKFMI0

カズマ「トニーも段々こいつらの扱い方ってのがわかって来たな」

トニー「わかりたくなかったけどな」

クリス「・・・で、どう改造するつもりなんだい?」

トニー「まず盾は二つに切り分ける」

クリス「切り分ける!?さ、さすがにそれは駄目だよ!」

アクア「そうよ!アクシズ教のシンボルが彫られているのにそれを切るなんてバチを当ててやるからね!」

トニー「まぁ、落ち着け。ダクネスは攻撃が当てられない。それは皆知ってるだろ?だが、素手での戦いは例外だ。ダクネスが、ギルドで煽ってきた冒険者を素手で捕まえて締め上げるところを僕は見て考えた」

トニー「・・・“この女、剣を持つんじゃなくて腕にはめた方が強いんじゃないか・・・?”ってね」
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