【ミリマスSS】ゼンシツ

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7 : ◆EvdV0vSTSk [sage saga]:2018/07/06(金) 21:50:04.26 ID:dwPX/NyW0
「確かに、普通の人間とは違うみたいね。私の国ではとてもじゃないけどあなたみたいのは作れないわ。魔法で動いているって言われた方がまだ納得できるくらいよ。」

「人間に不安を与えないように、外見は人間に可能な限り似せて作られています。」

セリカの頬から手を離す。

椅子に座り直そうとした時、セリカが言った。

「あなたも普通の人間ではありませんよね?」

不意を突かれて体が強張る。私は人間でない事をひた隠しにして生きてきた。正体を知った者は全て始末した。でないと私の居場所がなくなってしまうからだ。

「……どうしてそう思うのかしら?」

警戒を悟られぬよう、ゆっくり座り直してから優しく訊き返した。

「あらゆる光学系センサーで感知できないからです。」

私の緊張をよそに、セリカは淡々と答えた。

「光学系センサー?」

「人間風に言うと、姿が見えない。です。」

吸血鬼は鏡に映らない。おそらくセリカの作り物の目では私を捉えられないのだろう。しかし、そうだとするならセリカは姿の見えない相手とずっと会話していた事になる。

「よくそれで今まで普通に喋ってたわね。」

「姿が見えなくても、存在を感じることはできます。たとえばあなたがこの部屋に入ってきた時、あなたが立っていたと思われる場所は、床が靴底の形に僅かに沈んでいました。さらに空気の流れや、音の反響等であなたが人型だと分かりましたのでコミュニケーションを図る為にまず自己紹介をしました。」

凄い。素直にそう思った。そんな見破られ方は初めてだった。

「私はヴァンパイアよ。」
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