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【艦これ】かんむすの イメージ向上に ご協力お願いします
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1 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 02:57:49.07 ID:LT09YzFy0
※地の文あり、キャラ崩壊注意
よろしくお願いします
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1531072668
2 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 02:58:46.04 ID:LT09YzFy0
中将「君に折り入って頼みたい事がある」
T提督「と、いいますと」
俺は鎮守府の応接間である男と会談をしていた。
その男は初老とは行かずとも顔には薄い皺が入っていて、苦労の後が見える。
そして特筆すべきは、軍服につけられた数多の勲章。直属ではないにしても、俺の上官に当たるお方だ。
数日前、彼の方からこちらへ出向くという連絡を貰った。
中将である彼の方から鎮守府訪問をする事など滅多にないし、とても恐れ多かったのでこちらから出向くと伝えたのだが、
別に構わないと仰ったので好意に甘えた形だ。
正直な所、何かやらかしてしまったのかと不安で仕方がない。
別に思い当たる節はない...訳ではないけど。
3 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 02:59:23.72 ID:LT09YzFy0
中将「実はだね...」
彼は両手を組みながら、とても深刻そうな顔をして俺に話しかける。
その姿はさながら某特務機関の最高司令官だ。
自分、エヴァには乗りたくないッス!
中将「艦娘のイメージビデオを作って欲しい」
T提督「...は?」
T提督「イメージビデオ...ですか」
中将「ああ。今となっては、艦娘は人類の脅威である深海棲艦への唯一の対抗策として知られているが、それも十分とはいえない」
中将「周囲からの便宜を図りやすくするためにも、一般市民への艦娘の周知を心がけたい訳だ」
4 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:00:05.51 ID:LT09YzFy0
彼の言うとおり、艦娘は突如現れた深海棲艦への対抗措置である。
ただ艦娘達は海軍の機密事項である為、世間への露出は少なく一般市民にとってはブラックボックス化している事も事実である。
艦娘たちの実態を周知させるためにも、イメージビデオは悪くない手だと思った。
だが、一つ気になる点がある。
T提督「...お言葉ですが、大本営の広報課に頼むのが筋なのでは?」
餅は餅屋という言葉があるように、その道のプロに任せた方が良いと思うのだ。
中将「本来ならそうなる筈だったのだけどね。他の案件で暫くは手が離せないらしい」
T提督「そこで艦娘の頭である私達に役が回って来た訳ですか」
中将「まあそんなところだ」
T提督「はぁ...」
鎮守府は他にもあるのだから、別に俺の所でもなくたって良い。
簡単な話、貧乏くじを引かされたわけだ。
5 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:00:42.81 ID:LT09YzFy0
中将「そんな嫌な顔しないでくれよ。業務が増えるのは申し訳ないと思っているさ」
中将「撮ってもらったビデオは後日、その手の業者と校正を重ねるからそんなに凝った物じゃなくても良い」
中将「君だからお願いするんだ。俺の顔も立てると言う事で、どうか一つ頼む」
俺も中将には色々な形でお世話になっているし、ここまでされては頼みを無下に断る事はできない。
T提督「...分かりました。やらせていただきます」
中将「そうか!いやー良かった、助かるよ」
しぶしぶ俺は彼のお願いを聞き入れる事にした。
6 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:01:17.36 ID:LT09YzFy0
T提督「とはいってもなぁ...」
その手のノウハウを持っていない俺はどんなビデオを撮ればいいのか、全く思いつかなかった。
中将は凝ったものでなくても良いとは言っていたが、やる以上はしっかり貢献したい。
協力を仰ぐために、俺は旧知の関係である同僚に頼る事にした。
B提督「えっ、お前の所にも中将来たの?」
R提督「奇遇だな、俺の鎮守府にも来たぞ」
...何が君だから、だ。
居酒屋で会議を開いて聞いた所、こいつらも同じ頼まれ事をされていた。
あのおっさん、他の鎮守府にも同じ触れ込みで回っていたらしい。
7 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:01:48.00 ID:LT09YzFy0
B提督「んでどうすんの。艦娘のイメージビデオつったってなあ」
R提督「問題は何を撮るか...だな」
T提督「そうなんだよ。この手の話は全く分からなくて困ってるんだよな」
B提督「三人集えば文殊の知恵、とは言っても酒の入った頭じゃなあ」
T提督「それは言わない約束だろ」
B提督の言う通り、俺らは既に大分酒に手をつけていて、もはや真面目な話をする雰囲気ではなかった。
B提督「一発芸、やってもいい?」
T提督「はあ...どうぞ」
B提督「んん...」
彼は右手に掴んだお猪口を頭上高く上げると
B提督「元帥の、心の器!」
T提督「お前それホント好きな」
彼の鉄板ネタである。酒の席では必ずと言っていいほどこのネタをするのだ。
ちなみに最小記録はコロナの蓋だ。最早器ですらない。
8 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:02:19.51 ID:LT09YzFy0
R提督「...俺はもう決めたぞ」
T提督「ビデオの話か?」
今まで静かに酒を飲んでいたS提督が唐突に話し出す。
R提督「実は近々、鎮守府周辺の地域で清掃活動が行われる。そこに艦娘達を参加させて、活動内容をビデオに撮るつもりだ」
T提督「許可は取ったのか?」
R提督「申請中だ。今回のイメージビデオの件もあるし降りるだろう」
なるほど、いかにもな内容である。おそらく近隣住民と一緒になっての活動も視野に入れているのだろう。
艦娘と一般市民がともに清掃活動を行う絵は、世間に受けがよさそうだ。
9 :
◆6x79oqdrbDOF
[saga]:2018/07/09(月) 03:02:48.57 ID:LT09YzFy0
B提督「へー、中々良さそうじゃん。Tはどうするんだ?」
T提督「無難に演習風景でも撮ろうかと」
B提督「マジかよ、お堅いなー」
T提督「うっせ」
こういう時は変に気をてらわないほうが良い。艦娘達もそちらのほうがやり易いだろうし。
T提督「そういうお前はどうなんだよ」
B提督「実は俺にも秘策があるんだよなー」
上機嫌に酒を煽るB。なにやら自信満々の様子である。
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